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特許7593398情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06N 5/04 20230101AFI20241126BHJP
   G06N 99/00 20190101ALI20241126BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20241126BHJP
【FI】
G06N5/04
G06N99/00 180
G06N20/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022514417
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(86)【国際出願番号】 JP2021013193
(87)【国際公開番号】W WO2021205922
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2024-03-13
(31)【優先権主張番号】P 2020068100
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 将大
【審査官】千葉 久博
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-220236(JP,A)
【文献】佐々木 優太(外2名),「ストーリーの個別化のための店舗と消費者のトピック相違の明確化」,第63回システム制御情報学会 研究発表講演会 講演論文集, [CD-ROM],日本,2019年05月15日,Pages 1479-1486
【文献】SASAKI, Yuta, et al.,"Clarification of Topic Differences Between Shops and Consumers for Personalization of Stories",Proceedings of the 14th International Conference on Computer Science & Education (ICCSE 2019),2019年08月21日,Pages 647-652,ISBN: 978-1-7281-1846-8, <DOI: 10.1109/ICCSE.2019.8845472>.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 5/04
G06N 99/00
G06N 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的変数を推定するために用いられる説明変数のうち、ユーザが介入可能な説明変数である介入可能項目を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された介入可能項目以外の説明変数である介入不可能項目に基づいて生成された各クラスタのペルソナ(Persona)に関する情報を決定する決定部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記ペルソナが示す前記介入可能項目の情報を調整することにより推定される前記目的変数の推定結果に基づいて、各介入可能項目の重みである寄与度を算出する算出部と、を更に備える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記算出部は、
前記推定結果が最適となる最適結果に基づいて、前記寄与度を算出する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記算出部は、
前記最適結果に対応する前記介入可能項目の各情報と、前記ペルソナが示す当該介入可能項目の各情報との差に関する情報に基づいて、前記寄与度を算出する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記算出部は、
前記ペルソナが示す前記情報を基準として、当該基準に基づく前記調整の調整量が大きい程、前記最適結果に寄与する介入可能項目の、前記寄与度を高く算出する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記算出部は、
ランダムサーチ、グリッドサーチ、又はベイズ最適化(Bayesian Optimization)に基づいて決定された前記最適結果に基づいて、前記寄与度を算出する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記決定部によって決定されたペルソナに関する情報を示す出力情報を生成する生成部と、を更に備える
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記生成部は、
前記介入可能項目の情報に対する前記ユーザの介入に基づく前記調整に応じて、対応する前記推定結果を示す前記出力情報を生成する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記生成部は、
前記算出部により算出された寄与度に応じた所定の態様に基づいて、前記各介入可能項目を示す前記出力情報を生成する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記生成部は、
前記寄与度の順に、前記各介入可能項目を示す前記出力情報を生成する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記生成部は、
前記寄与度に応じたヒートマップであって、前記寄与度が異なる程、異なる色情報を示すヒートマップに基づいて、前記各介入可能項目を示す前記出力情報を生成する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記特定部は、
前記介入不可能項目のうち、前記ユーザによって予め情報が固定された介入不可能項目である固定項目を特定し、
前記決定部は、
前記特定部によって特定された固定項目以外の介入不可能項目に基づいて生成された各クラスタのペルソナに関する情報を決定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記決定部は、
k平均法(k-means法)又はトピックモデルに基づいて、前記ペルソナに関する情報を決定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
目的変数を推定するために用いられる説明変数のうち、ユーザが介入可能な説明変数である介入可能項目を特定する特定工程と、
前記特定工程によって特定された介入可能項目以外の説明変数である介入不可能項目に基づいて生成された各クラスタのペルソナ(Persona)に関する情報を決定する決定工程と、
を含む情報処理方法。
【請求項15】
目的変数を推定するために用いられる説明変数のうち、ユーザが介入可能な説明変数である介入可能項目を特定する特定手順と、
前記特定手順によって特定された介入可能項目以外の説明変数である介入不可能項目に基づいて生成された各クラスタのペルソナ(Persona)に関する情報を決定する決定手順と、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、機械学習を用いた予測分析ツールの開発が普及してきている。予測分析ツールは、ユーザの意思決定のサポートに応用し得る。予測分析ツールは、例えば、過去の販売実績から来月の売上を予測することで、事業施策の策定をする場合に応用し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2019/130974号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、更なるユーザビリティの向上を促進する余地があった。例えば、従来の技術では、具体的にどのような施策を策定すべきかの判断を、ユーザに委ねる場合が多くなり得る。
【0005】
そこで、本開示では、更なるユーザビリティの向上を促進することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、目的変数を推定するために用いられる説明変数のうち、ユーザが介入可能な説明変数である介入可能項目を特定する特定部と、前記特定部によって特定された介入可能項目以外の説明変数である介入不可能項目に基づいて生成された各クラスタのペルソナ(Persona)に関する情報を決定する決定部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態に係るデータセットの一例を示す図である。
図3】実施形態に係るデータセットの一例を示す図である。
図4】実施形態に係るデータセットの読み込み画面の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る学習モデルの設定画面の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る学習の状況を示す画面の一例を示す図である。
図7】実施形態に係る情報処理システムの機能の概要を示す図である。
図8】実施形態に係る情報処理システムの機能の概要を示す図である。
図9】実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図10】実施形態に係る記憶部の一例を示す図である。
図11】実施形態に係る実施形態に係る情報処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図12】実施形態に係る実施形態に係る情報処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図13】実施形態に係る実施形態に係る情報処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図14】情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0009】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の一実施形態
1.1.はじめに
1.2.情報処理システムの構成
2.情報処理システムの機能
2.1.機能の概要
2.2.機能構成例
2.3.情報処理システムの処理
2.4.処理のバリエーション
3.ハードウェア構成例
4.まとめ
【0010】
<<1.本開示の一実施形態>>
<1.1.はじめに>
多くの表形式データは、複数の類似したデータ群に分解できることが多い。この類似したデータ群は「クラスタ」と呼ばれ、クラスタに分解することは「クラスタリング」と表現される。別のクラスタに含まれるデータ同士は、互いに異なる特徴(性質)を有する可能性が高くなり得る。このため、例えば、全てのクラスタに同様の施策を施した場合、全体として改善傾向になったとしても、必ずしも全てのクラスタに改善の影響を与えたとは限らない。そこで、クラスタ毎に最善の施策と、その影響度を可視化することで、ユーザの意思決定の質の向上及び速度の改善を促進することができる。
【0011】
従来の技術において、説明変数のどの項目がどの程度、目的変数の予測(推定)に寄与しているかを項目毎に示す寄与度が用いられる場合がある。しかしながら、従来の技術では、どの項目をどのように設定すべきか分からず、施策の提案になっていない場合がある。また、従来の技術における寄与度は、全体に対する寄与度である。このため、異なる特徴を有するデータに対して同様の施策を施すことは、必ずしも有効であるとは限らないため、更なるユーザビリティの向上を促進する余地があった。
【0012】
従来の技術において、クラスタリングによるペルソナの決定は、マーケティング等でのターゲット分析やペルソナ(Persona)分析でも行われる場合がある。しかしならが、従来の技術では、ペルソナに対してどのような施策を施せばよいか分からない場合がある。このため、更なるユーザビリティの向上を促進する余地があった。
【0013】
そこで、本開示では、更なるユーザビリティの向上を促進することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提案する。
【0014】
<1.2.情報処理システムの構成>
実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。図1は、情報処理システム1の構成例を示す図である。図1に示したように、情報処理システム1は、情報処理装置10、端末装置20、及び情報提供装置30を備える。情報処理装置10には、多様な装置が接続され得る。例えば、情報処理装置10には、端末装置20及び情報提供装置30が接続され、各装置間で情報の連携が行われる。情報処理装置10には、端末装置20及び情報提供装置30が無線で接続される。例えば、情報処理装置10は、端末装置20及び情報提供装置30とBluetooth(登録商標)を用いた近距離無線通信を行う。なお、情報処理装置10には、端末装置20及び情報提供装置30が有線で接続されてもよいし、ネットワークを介して接続されてもよい。
【0015】
(1)情報処理装置10
情報処理装置10は、各クラスタのペルソナに関する情報を決定する処理を行う情報処理装置である。具体的には、情報処理装置10は、目的変数を推定するために用いられる説明変数のうち、ユーザが介入可能な説明変数(以下、適宜、「介入可能項目」とする。)を特定する。そして、情報処理装置10は、特定された介入可能項目以外の説明変数(以下、適宜、「介入不可能項目」とする。)に基づいて生成された各クラスタのペルソナに関する情報を決定する。また、介入不可能項目は、ユーザが介入不可能な説明変数である。具体的には、介入不可能項目は、目的変数を調整することを目的として、ユーザが介入不可能な説明変数である。介入不可能項目は、例えば、ユーザの属性に関する説明変数である。なお、介入可能項目及び介入不可能項目の詳細は、後述する。
【0016】
また、情報処理装置10は、情報処理システム1の動作全般を制御する機能も有する。例えば、情報処理装置10は、各装置間で連携される情報に基づき、情報処理システム1の動作全般を制御する。具体的には、情報処理装置10は、端末装置20及び情報提供装置30から受信する情報に基づき、各クラスタのペルソナに関する情報を決定する。
【0017】
情報処理装置10は、PC(Personal computer)、WS(Work station)等により実現される。なお、情報処理装置10は、PC、WS等に限定されない。例えば、情報処理装置10は、情報処理装置10としての機能をアプリケーションとして実装したPC、WS等の情報処理装置であってもよい。
【0018】
(2)端末装置20
端末装置20は、ユーザが利用する情報処理装置である。端末装置20は、ユーザの操作に応じて、処理の対象となるデータセットを情報処理装置10へ提供する。実施形態に係るデータセットは、目的変数及び説明変数のデータを含むものとする。実施形態に係るデータセットは、少なくともターゲットとなる目的変数を有する。なお、実施形態に係るデータセットは、表形式であればどのようなものであってもよい。図2及び図3を用いて、実施形態に係るデータセットを説明する。
【0019】
図2は、実施形態に係るデータセットの一例を示す。図2は、オンライン販売の顧客リストを示す。データDT11は、顧客の識別情報を示す。データDT12は、顧客の名前を示す。データDT13は、顧客の年齢を示す。データDT14は、顧客の性別を示す。データDT15は、顧客の同居人の人数を示す。データDT16は、顧客に配布されたクーポンの額を示す。データDT17は、顧客へのダイレクトメールの有無を示す。データDT18は、顧客の購入結果を「0」及び「1」の2ビットで示す。
【0020】
データDT11及びデータDT12は、顧客の購入結果に寄与しない。このため、データDT11及びデータDT12は、後述する処理部112によって、処理の対象から除外される。データDT13乃至データDT15は、顧客の属性を示す情報である。データDT13乃至データDT15は、介入不可能項目である。データDT16及びデータDT17は、顧客に対して他者(例えば、広告会社)が提供した情報である。データDT16及びデータDT17は、介入可能項目である。データDT18は、目的変数である。このデータセットを学習することで、後述する処理部112によって、介入可能項目をどのように設定すると、代表的なユーザが購入し易くなるかが示される。
【0021】
図3は、実施形態に係るデータセットの一例を示す。図3は、工場のラインを示す。なお、この工場では、朝と昼との2回、ラインが稼働するものとする。このため、ラインの日付や開始時刻は、ラインの属性である。データDT21は、ラインの識別情報を示す。データDT22は、ラインの日付を示す。データDT23は、ラインの開始時刻を示す。データDT24は、ラインに備えられたセンサ1によるセンサ値を示す。データDT25は、ラインに備えられたセンサ2によるセンサ値を示す。データDT26は、ラインの室内温度を示す。データDT27は、ラインの担当者を示す。データDT28は、ラインによる不良品の数を示す。
【0022】
データDT21は、不良品の数の結果に寄与しない。このため、データDT21は、後述する処理部112によって、処理の対象から除外される。データDT22乃至データDT25は、ラインの属性を示す情報である。データDT22乃至データDT25は、介入不可能項目である。データDT26及びデータDT27は、ラインの管理者が設定した情報である。データDT26及びデータDT27は、介入可能項目である。データDT28は、目的変数である。このデータセットを学習することで、後述する処理部112によって、介入可能項目をどのように設定すると、代表的な介入不可能項目の状態で、不良品が発生し難くなるかが示される。
【0023】
図4は、データセットの読み込み画面の一例を示す。図4では、データCS11が読み込まれる。そして、端末装置20は、実施形態に係る処理を実行するための情報として、目的変数の推定結果を推定する学習モデルのモデル名等をユーザに入力させる表示画面GU11を表示する。なお、図4では、モデル名に、「model20200319」が入力されたものとする。
【0024】
図5は、データCS11の読み込み後に表示される表示画面GU21の一例を示す。表示画面GU21は、例えば、端末装置20により表示される。表示画面GU21は、学習モデルの設定情報を表示する。表示画面GU21を用いて、学習モデルの設定情報が決定される。従来の技術では、データCS11を読み込むと、データの項目名(例えば、「ID」、「名前」)や、データの種別(タイプ)(例えば、「数値」、「文字列」)等が推定される場合が多い。情報処理システム1では、データCS11を読み込むと、データの項目名や、データのタイプ等の推定に加えて、データの介入の可否が推定される。介入可能と推定された項目は介入可能項目となり、介入不可能と推定された項目は介入不可能項目となる。表示画面GU11は、介入可能項目を設定するカラムCU21を有する。また、介入の可否は、データCS11の読み込み後に情報処理システム1によって推定されてもよいし、ユーザによって指定されてもよい。ユーザによって指定される場合には、情報処理システム1は、ユーザの指定を受け付けてもよい。また、情報処理システム1は、情報処理システム1によって推定された情報に対してユーザが修正を行った場合には、修正された情報を記憶することにより、後の介入可否の推定に用いてもよい。なお、表示画面GU11では、ユーザの設定情報の入力後、「学習と評価を実行」を操作(例えば、タップやクリック)することにより、実施形態に係る処理が実行される。情報処理システム1は、ユーザが「学習と評価を実行」を操作することにより、学習モデルの学習と評価を実行する。
【0025】
図6は、学習モデルの学習中に表示される表示画面GU31の一例を示す。表示画面GU31は、例えば、端末装置20により表示される。情報処理システム1は、学習モデルの学習とともに、クラスタリングによるペルソナに関する情報の決定の処理を行う。
【0026】
端末装置20は、PC、WS等により実現される。なお、端末装置20は、PC、WS等に限定されない。例えば、端末装置20は、端末装置20としての機能をアプリケーションとして実装したPC、WS等の情報処理装置であってもよい。
【0027】
(3)情報提供装置30
情報提供装置30は、介入可能項目の設定履歴に関する情報を情報処理装置10へ提供する情報処理装置である。
【0028】
情報提供装置30は、PC、WS等により実現される。なお、情報提供装置30は、PC、WS等に限定されない。例えば、情報提供装置30は、情報提供装置30としての機能をアプリケーションとして実装したPC、WS等の情報処理装置であってもよい。
【0029】
<<2.情報処理システムの機能>>
以上、情報処理システム1の構成について説明した。続いて、情報処理システム1の機能について説明する。なお、実施形態では、一部の顧客に対して、クーポンの配布や、ダイレクトメールによる宣伝が行われていたものとする。
【0030】
なお、実施形態に係る寄与度は、クラスタ毎に、各介入可能項目が目的変数の推定に、どの程度寄与しているかを示す情報である。
【0031】
<2.1.機能の概要>
図7は、実施形態に係る情報処理システム1の機能の概要を示す図である。具体的には、図7は、情報処理装置10により生成される出力情報の一例を示す。介入不可能項目V11乃至介入不可能項目VA13は、介入不可能項目であり、それぞれ、年齢、同居人の人数、性別である。介入不可能項目VAは、顧客の年齢が0歳から75歳、同居人人数が1人から6人、性別が女性「F」又は男性「M」であることを示す。この介入不可能項目VAは、データセットに含まれる顧年の属性の層に基づく属性幅(例えば、年齢幅)であってもよい。また、介入不可能項目VAは、対象とする顧客の属性として、ユーザにより予め定められた条件であってもよい。介入可能項目VB11及び介入可能項目VB12は、介入可能項目であり、それぞれ、配布クーポン額、ダイレクトメールの有無である。介入可能項目VBは、配布クーポン額が0円から5千円、ダイレクトメールの有無が「あり」又は「なし」であることを示す。この介入可能項目VBは、介入不可能項目VAの顧客のデータセットに含まれる介入可能項目の情報の幅(例えば、配布額の幅)であってもよい。また、介入可能項目VBは、介入不可能項目VAの顧客を更に絞り込むために、ユーザにより予め定められた条件であってもよい。なお、介入不可能項目VA及び介入不可能項目VBは、「0」から「10」等の数値や、「YES」又は「NO」等の選択肢(例えば、2択や3択)に限らず、どのようなものであってもよい。
【0032】
クラスタCL11乃至クラスタCL13は、介入不可能項目に基づいてクラスタリングすることにより生成されたクラスタである。クラスタCL11乃至クラスタCL13に含まれる情報は、情報処理システム1により決定された各クラスタのペルソナに関する情報である。具体的には、クラスタCL11では、ペルソナPE11乃至ペルソナPE15が、ペルソナに関する情報である。ペルソナPE11乃至ペルソナPE15は、クラスタCL11を代表する代表者(代表像)の情報である。例えば、ペルソナPE11乃至ペルソナPE13は、クラスタCL11を代表する代表像の属性情報であり、ペルソナPE14及びペルソナPE15は、クラスタCL11を代表する代表像に付与された配布情報である。
【0033】
図7では、購入確率が目的変数である。具体的には、購入確率は、クラスタに含まれる介入可能項目VBの情報と介入不可能項目VAの情報とに基づいて推定された目的変数の推定結果である。購入確率は、介入可能項目VBの情報を調整することにより、調整され得る。例えば、介入可能項目VBの配布クーポン額を2千円から3千円にすることにより、購入確率が0.76から0.86となり得る。クラスタCL11では、ペルソナの購入確率が0.76とする。そして、この購入確率は、ペルソナの介入可能項目VBの情報を調整することにより、調整され得る。
【0034】
星のマークで示される最適値ST11は、目的変数の推定結果が最適となる最適値である。図7では、最適値ST11は、介入可能項目VBの情報を調整することにより、購入確率が最大となる値である。クラスタCL11では、最適値ST11は、ペルソナPE14と同一の値を示すため、ペルソナの購入確率が目的変数の最適結果である。このため、ペルソナPE14を最適値ST11へ調整しても、調整量がゼロのため、購入確率の変動もゼロである。クラスタCL12では、ペルソナPE24を最適値ST21へ調整することにより、購入確率が0.58から0.76へ増加する。クラスタCL13では、ペルソナPE34を最適値ST31へ調整することにより、購入確率が0.58から0.76へ増加する。なお、介入可能項目VBの情報の調整は、画面上での操作(例えば、ドラッグやタップ、直接入力)に限らず、どのような手段により行われてもよい。
【0035】
なお、図7では、最適結果の購入確率を出力する場合を示すが、この例に限られない。例えば、介入可能項目VBの情報の調整に応じた推定結果を出力してもよい。また、ペルソナの推定結果に対する最適結果の購入確率の上昇率を出力する場合を示すが、この例に限られない。例えば、ペルソナの推定結果に対する介入可能項目VBの情報の調整に応じた購入確率の上昇率を出力してもよい。
【0036】
図8は、図7を異なる態様で示す図である。図7と同様の説明は適宜省略する。図8は、出力情報の表示画面GU41の一例を示す。表示画面GU41は、例えば、端末装置20により表示される。表示画面GU41は、「モデル設定」、「評価結果」、「予測」、「施策提案」の項目を有し、ユーザが項目を操作することにより対応する情報が表示される。図8では、「施策提案」の項目に対応する情報が表示される。この施策提案の項目は、各クラスタの影響度を示す。また、介入可能項目の情報に対する黒塗の星のマークは、各クラスタの最適値を示す。例えば、最適値ST41は、クラスタCの最適値を示す。また、介入可能項目の情報に対する白塗の星のマークは、各クラスタのペルソナを示す。例えば、ペルソナPE44は、クラスタCのペルソナを示す。介入可能項目の情報に対して、ユーザが自由に値を調整することで、目的変数の値も連動して変動し得る。図8では、購入確率は、介入可能項目の情報に対する操作と連動して変動し得る。なお、購入確率のカッコ内の値は、最適結果と、ペルソナの推定結果との差分である。なお、表示画面GU41は、介入可能項目の情報を最適値に設定するようユーザに促す情報を含んでもよい。
【0037】
このように、情報処理システム1は、ペルソナに対する最適値の探索を実行し、目的変数の最適結果を推定する。また、情報処理システム1は、購入確率が最も高くなる最適値及び最適結果に関する情報を、改善施策案として、ユーザに提示してもよい。また、情報処理システム1は、ユーザが実施形態に係る介入を行うことで、介入を行わなかったときと比較して、どのくらい購入確率が変動するのかも提示してもよい。これにより、情報処理システム1は、ユーザに最適な改善施策案を提案し、ユーザが施策を採用した際の影響度を可視化することができる。これにより、ユーザは、施策の策定の判断をより迅速に行うことができる。
【0038】
<2.2.機能構成例>
図9は、実施形態に係る情報処理システム1の機能構成例を示すブロック図である。
【0039】
(1)情報処理装置10
図9に示したように、情報処理装置10は、通信部100、及び制御部110を備える。なお、情報処理装置10は、少なくとも制御部110を有する。
【0040】
(1-1)通信部100
通信部100は、外部装置と通信を行う機能を有する。例えば、通信部100は、外部装置との通信において、外部装置から受信する情報を制御部110へ出力する。具体的には、通信部100は、端末装置20から受信する情報を制御部110へ出力する。例えば、通信部100は、処理の対象となるデータセットに関する情報を制御部110へ出力する。
【0041】
通信部100は、外部装置との通信において、制御部110から入力される情報を外部装置へ送信する。具体的には、通信部100は、制御部110から入力される介入可能項目の設定履歴に関する情報の取得に関する情報を情報提供装置30へ送信する。
【0042】
(1-2)制御部110
制御部110は、情報処理装置10の動作を制御する機能を有する。例えば、制御部110は、各クラスタのペルソナに関する情報を決定するための処理を行う。
【0043】
上述の機能を実現するために、制御部110は、図9に示すように、取得部111、処理部112、出力部113を有する。
【0044】
・取得部111
取得部111は、データセットに関する情報を取得する機能を有する。取得部111は、データセットに含まれる目的変数と説明変数とに関する情報を取得する。取得部111は、処理の対象としてユーザにより予め指定された目的変数と説明変数とに関する情報を取得してもよい。取得部111は、例えば、通信部100を介して、端末装置20から送信されたデータセットに関する情報を取得する。例えば、取得部111は、端末装置20のGUI(Graphical User Interface)上でユーザにより指定された表形式のデータセットに関する情報を取得してもよい。
【0045】
取得部111は、介入可能項目の設定履歴に関する情報を取得する。取得部111は、ユーザが過去に手動で設定した介入可能項目の設定履歴に関する情報を取得する。取得部111は、他のユーザが設定した介入可能項目の設定履歴に関する情報を取得してもよい。例えば、取得部111は、ユーザと属性が類似する他のユーザが設定した介入可能項目の設定履歴に関する情報を取得してもよい。取得部111は、例えば、通信部100を介して、情報提供装置30から送信された介入可能項目の設定履歴に関する情報を取得する。
【0046】
取得部111は、ユーザにより設定された介入可能項目に関する情報を取得する。例えば、取得部111は、特定部1121により特定された介入可能項目に対するユーザの修正情報を取得する。例えば、特定部1121により特定された介入可能項目を、ユーザが介入不可能項目へ修正した場合である。また、例えば、取得部111は、特定部1121により特定された介入不可能項目に対するユーザの修正情報を取得してもよい。
【0047】
・処理部112
処理部112は、情報処理装置10の処理を制御するための機能を有する。処理部112は、図9に示すように、特定部1121、実行部1122、決定部1123、推定部1124、算出部1125、生成部1126、及び学習部1127を有する。
【0048】
・特定部1121
特定部1121は、介入可能項目に関する情報を特定する機能を有する。特定部1121は、目的変数を推定するために用いられる説明変数のうち、ユーザが介入可能な介入可能項目を特定する。特定部1121は、説明変数の文字情報(例えば、項目名)に基づいて、介入可能項目を特定する。例えば、特定部1121は、予め介入可能項目として定められた文字情報と比較することにより、介入可能項目を特定する。具体的には、特定部1121は、項目名に「クーポン」や「配布」等の付与に関する情報を含む場合には、介入可能項目として特定する。特定部1121は、介入不可能項目を特定することにより、介入不可能項目以外の説明変数を介入可能項目として特定してもよい。
【0049】
特定部1121は、介入不可能項目に関する情報を特定する。特定部1121は、目的変数を推定するために用いられる説明変数のうち、ユーザが介入不可能な介入不可能項目を特定する。特定部1121は、説明変数の文字情報に基づいて、介入不可能項目を特定する。例えば、特定部1121は、予め介入不可能項目として定められた文字情報と比較することにより、介入可能項目を特定する。具体的には、特定部1121は、項目名に「年齢」や「性別」等の属性に関する情報を含む場合には、介入不可能項目として特定する。特定部1121は、介入可能項目を特定することにより、介入可能項目以外の説明変数を介入不可能項目として特定してもよい。
【0050】
特定部1121は、介入可能項目の設定履歴に関する情報に基づいて、介入可能項目を特定する。例えば、特定部1121は、ユーザが過去に「AAA」の項目を介入可能項目として設定した場合には、その「AAA」の項目名に基づいて、介入可能項目を特定する。具体的には、特定部1121は、ユーザが過去に「AABBCC」の項目を介入可能項目として設定した場合には、その項目名との類似性に基づいて、「AABBCC」と類似性が高いと判定された「AABBBC」の項目を、介入可能項目として特定する。特定部1121は、ユーザが過去に設定した介入可能項目の項目名を学習することにより、介入可能項目の特定を行ってもよい。また、特定部1121は、ユーザと属性が類似する他のユーザの介入可能項目の設定履歴に関する情報に基づいて、介入可能項目を特定してもよい。また、特定部1121は、介入可能項目の設定履歴に関する情報に基づいて、介入不可能項目を特定してもよい。
【0051】
特定部1121は、ユーザが介入項目を手動で設定した場合には、ユーザの介入可能項目の設定に関する情報に基づいて、介入可能項目を特定してもよい。特定部1121は、ユーザの修正情報に基づいて、介入可能項目を特定してもよい。例えば、特定部1121は、介入可能項目の設定履歴に関する情報に基づいて特定された介入可能項目に対するユーザの修正情報に基づいて、介入可能項目を特定してもよい。例えば、介入可能項目の設定履歴に関する情報に基づいて特定された介入可能項目を、ユーザが介入不可能項目へ修正した場合である。また、例えば、特定部1121は、介入可能項目の設定履歴に関する情報に基づいて特定された介入不可能項目に対するユーザの修正情報に基づいて、介入可能項目を特定してもよい。例えば、介入可能項目の設定履歴に関する情報に基づいて特定された介入不可能項目を、ユーザが介入可能項目へ修正した場合である。
【0052】
・実行部1122
実行部1122は、介入不可能項目に基づいて、クラスタリングを実行する機能を有する。実行部1122は、介入可能項目以外の説明変数に基づいて、クラスタリングを実行する。例えば、実行部1122は、k平均法(k-means法)やWard法に基づいてクラスタリングを実行する。なお、k-means法やWard法では、最適なクラスタの数を決定することができない場合がある。そこで、実行部1122は、x-means法に基づいてクラスタリングを実行してもよい。また、実行部1122は、x-means法に基づいて、最適なクラスタの数を決定してもよい。また、実行部1122は、トピックモデルに基づいてクラスタリングを実行してもよい。例えば、実行部1122は、パラメータの数を決定して、決定された各パラメータに重みを割り当てることによってクラスタを生成するトピックモデルに基づいて、クラスタリングを実行してもよい。また、実行部1122は、クラスタリングを実行することによって、クラスタを生成する。これにより、実行部1122は、例えば、特徴量が近いデータ同士のクラスタを生成することができる。
【0053】
・決定部1123
決定部1123は、実行部1122によりクラスタリングされた各クラスタのペルソナに関する情報を決定する機能を有する。決定部1123は、例えば、各クラスタに含まれるデータの重心(例えば、重心値)や中心(例えば、中心値)を、各クラスタのペルソナに決定する。また、決定部1123は、k-means法、Ward法、x-means法、又はトピックモデルに基づくクラスタリングに基づいて、各クラスタのペルソナに関する情報を決定してもよい。また、ペルソナは、ユーザにより手動で設定されてもよい。この場合、決定部1123は、ユーザの設定に基づいて、各クラスタのペルソナに関する情報を決定してもよい。
【0054】
・推定部1124
推定部1124は、目的変数の最適結果を推定する機能を有する。推定部1124は、介入可能項目の情報を調整することにより推定される推定結果に基づいて、最適結果を推定する。具体的には、推定部1124は、決定部1123により決定されたペルソナに関する情報に基づいて、ペルソナが示す介入可能項目の情報を調整することにより推定される推定結果に基づいて、最適結果を推定する。推定部1124は、ペルソナが示す介入可能項目の情報(例えば、図7のペルソナPE14)に対する、最適結果を推定する。具体的には、推定部1124は、目的変数が予め定められた方向に最も改善するような介入可能項目の最適値の探索を実行することにより、最適結果を推定する。図2の例では、推定部1124は、購入可能確率が最も高くなる最適値の探索を実行する。図3の例では、推定部1124は、不良品の数が最も減る最適値を探索する。推定部1124は、ランダムサーチやグリッドサーチに基づいて最適値の探索を実行する。なお、確率的に探索を実行するランダムサーチや、予め決められた条件に従って探索を実行するグリッドサーチでは、データに依存する場合がある。推定部1124は、ベイズ最適化(Bayesian Optimization)に基づいて最適値の探索を実行してもよい。なお、最適値の探索は、各介入可能項目の情報の最大値及び最小値の範囲内で行われるものとしてもよい。例えば、図7の介入可能項目VB11の例では、推定部1124は、最適値の探索を、0円から5千円の範囲内で実行する。
【0055】
なお、目的変数が予め定められた方向に最も改善するような介入可能項目の最適値の探索を実行する場合の、この目的変数の予め定められた方向は、ユーザにより定められてもよい。例えば、この予め定められた方向は、介入により増えたほうがいいのか、又は、減ったほうがいいのかに基づいて、ユーザが指定した方向であってもよい。
【0056】
なお、推定部1124は、後述する学習部1127により生成された学習済みモデルを用いて、推定してもよい。例えば、推定部1124は、決定部1123により決定されたペルソナに関する情報と、学習部1127により生成された学習済みモデルとに基づいて、最適値の探索を実行してもよい。
【0057】
・算出部1125
算出部1125は、各介入可能項目の重みである寄与度を算出する機能を有する。算出部1125は、推定部1124により推定された最適結果に寄与する各介入可能項目の寄与度を算出する。算出部1125は、目的変数の推定結果に基づいて、各介入可能項目の寄与度を算出する。例えば、算出部1125は、最適結果に基づいて、各介入可能項目の寄与度を算出する。具体的には、算出部1125は、介入可能項目の情報の調整に基づく推定結果の変動が大きい程、その介入可能項目の寄与度を高く算出する。また、算出部1125は、最適結果に対応する最適値に基づいて、各介入可能項目の寄与度を算出する。例えば、算出部1125は、最適結果に対応する介入可能項目の各情報と、ペルソナが示す介入可能項目の各情報との差に関する情報に基づいて、各介入可能項目の寄与度を算出する。具体的には、算出部1125は、ペルソナが示す介入可能項目の情報(例えば、図7のペルソナPE14)を基準として、基準に基づく調整量が大きい程、その介入可能項目の寄与度を高く算出する。
【0058】
・生成部1126
生成部1126は、決定部1123により決定されたペルソナに関する情報を示す出力情報を生成する機能を有する。生成部1126は、介入可能項目の情報に対するユーザの介入に基づく調整に応じて、対応する推定結果を示す出力情報を生成する。例えば、生成部1126は、ユーザの介入に基づく推定結果の変化を示す出力情報を生成する。これにより、ユーザは、自由に介入可能項目の値を変更することで、推定結果の変化を適切に把握することができる。ここで、配布されるクーポンの額を調整できる介入可能項目がある場合、クーポンの額を増やす程、目的変数が改善すると考えられるため、最適値が極端に高くなり得る。推定部1124により定められた探索の範囲によって、最適値がその範囲を超えることはない場合でも、ユーザが許容可能な範囲を超える場合がある。この場合、ユーザは、自由に介入可能項目の値を変更することで、値の変更に基づく影響度を適切に把握することができる。これにより、ユーザは、影響度を適切に把握できるため、意思決定を迅速に行うことができる。
【0059】
生成部1126は、算出部1125により算出された寄与度に応じた所定の態様に基づいて、各介入可能項目を示す出力情報を生成する。生成部1126は、寄与度に基づいて、各介入可能項目を示す所定の態様に関する情報を決定する。そして、生成部1126は、決定した所定の態様に関する情報に基づいて、各介入可能項目を示す出力情報を生成する。例えば、生成部1126は、寄与度の大きさの順に、各介入可能項目を示す出力情報を生成する。具体的には、生成部1126は、寄与度の大きさが、「配布クーポン額」、「ダイレクトメールの有無」の順である場合には、その順に従って、各介入可能項目を示す出力情報を生成する。また、例えば、生成部1126は、寄与度に応じたヒートマップに基づいて、各介入可能項目を示す出力情報を生成してもよい。例えば、生成部1126は、寄与度が異なる程、異なる色情報を示すヒートマップに基づいて、各介入可能項目を示す出力情報を生成してもよい。
【0060】
・学習部1127
学習部1127は、目的変数の推定結果を推定する学習済みモデルを生成する機能を有する。学習部1127は、学習済みモデルを生成するための処理を行う。例えば、学習部1127は、学習の前処理として、取得部111により取得されたデータセットに関する情報を適切な形式へ変換する。そして、学習部1127は、予め定められた学習モデルを用いて、教師あり学習を行うことで、学習済みモデルを生成する。そして、学習部1127は、学習済みモデルを出力する。なお、学習部1127は、学習済みモデルの交差検証(交差確認)を行うことで、その学習済みモデルの精度の評価を行ってもよい。なお、学習部1127は、学習済みモデルの精度の評価が所定の閾値以下である場合には、学習済みモデルの精度の評価が低い旨を示す情報(例えば、警告)を、後述する出力部113で出力するための処理を行ってもよい。
【0061】
・出力部113
出力部113は、生成部1126により生成された出力情報を出力する機能を有する。出力部113は、生成された出力情報を、通信部100を介して、例えば、端末装置20へ提供する。端末装置20は、出力部113から提供された出力情報を受信すると、出力部220を介して出力情報を表示する。出力部113は、出力情報を表示するための制御情報を提供してもよい。
【0062】
(2)端末装置20
図9に示したように、端末装置20は、通信部200、制御部210、及び出力部220を備える。
【0063】
(2-1)通信部200
通信部200は、外部装置と通信を行う機能を有する。例えば、通信部200は、外部装置との通信において、外部装置から受信する情報を制御部210へ出力する。具体的には、通信部200は、情報処理装置10から受信する情報を制御部210へ出力する。例えば、通信部200は、情報処理装置10により生成された出力情報を制御部210へ出力する。
【0064】
(2-2)制御部210
制御部210は、端末装置20の動作を制御する機能を有する。例えば、制御部210は、通信部200を介して、データセットに関する情報を情報処理装置10へ送信する。例えば、制御部210は、ユーザにより入力されたデータセットに関する情報を情報処理装置10へ送信する。
【0065】
(2-3)出力部220
出力部220は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、出力部220は、情報処理装置10により生成された出力情報を表示する。
【0066】
(3)情報提供装置30
図9に示したように、情報提供装置30は、通信部300、制御部310、及び記憶部320を備える。
【0067】
(3-1)通信部300
通信部300は、外部装置と通信を行う機能を有する。例えば、通信部300は、外部装置との通信において、外部装置から受信する情報を制御部310へ出力する。具体的には、通信部300は、情報処理装置10から受信する情報を制御部310へ出力する。例えば、通信部300は、介入可能項目の設定履歴に関する情報の取得に関する情報を制御部310へ出力する。
【0068】
(3-2)制御部310
制御部310は、情報提供装置30の動作を制御する機能を有する。例えば、制御部310は、通信部300を介して、介入可能項目の設定履歴に関する情報を情報処理装置10へ送信する。例えば、制御部310は、記憶部320にアクセスして取得した介入可能項目の設定履歴に関する情報を情報処理装置10へ送信する。
【0069】
(3-3)記憶部320
記憶部320は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部320は、情報提供装置30における処理に関するデータを記憶する機能を有する。
【0070】
図10は、記憶部320の一例を示す。図10に示す記憶部320は、介入可能項目の設定履歴に関する情報を記憶する。図10に示すように、記憶部320は、「ユーザID」、「設定履歴」といった項目を有してもよい。
【0071】
「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。「設定履歴」は、ユーザが過去に設定した設定履歴に関する情報を示す。図10に示す例では、「設定履歴」に「設定履歴#11」や「設定履歴#12」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、介入可能項目の設定に用いた項目名等の情報が格納される。
【0072】
<2.3.情報処理システムの処理>
以上、実施形態に係る情報処理システム1の機能について説明した。続いて、情報処理システム1の処理について説明する。
【0073】
(1)情報処理装置10における処理1:ペルソナの決定
図11は、実施形態に係る情報処理装置10における処理の流れを示すフローチャートである。まず、情報処理装置10は、データセットを取得する(S101)。次いで、情報処理装置10は、取得したデータセットに含まれる目的変数と説明変数とを特定する(S102)。次いで、情報処理装置10は、特定された説明変数のうち、介入可能項目と介入不可能項目とを特定する(S103)。そして、情報処理装置10は、特定された介入不可能項目に基づいて、クラスタを生成する(S104)。そして、情報処理装置10は、生成された各クラスタのペルソナに関する情報を決定する(S105)。そして、情報処理装置10は、決定されたペルソナに関する情報を示す出力情報を生成する(S106)。
【0074】
(2)情報処理装置10における処理2:最適値の探索
図12は、実施形態に係る情報処理装置10における処理の流れを示すフローチャートである。まず、情報処理装置10は、ペルソナが示す介入可能項目の情報を調整することにより推定される目的変数の推定結果を取得する(S201)。次いで、情報処理装置10は、取得した推定結果が最適であるか否かを判定する(S202)。そして、情報処理装置10は、取得した推定結果が最適でないと判定した場合(S202;NO)、ステップS201の処理に戻る。この場合、情報処理装置10は、ペルソナが示す介入可能項目の情報を調整することにより推定される新たな推定結果を取得する。また、情報処理装置10は、取得した推定結果が最適であると判定した場合(S202;YES)、その推定結果を最適結果として推定する(S203)。そして、情報処理装置10は、最適結果に関する情報を示す出力情報を生成する(S204)。
【0075】
(3)情報処理装置10における処理3:寄与度に基づく出力情報の生成
図13は、実施形態に係る情報処理装置10における処理の流れを示すフローチャートである。まず、情報処理装置10は、各介入可能項目の寄与度を算出する(S301)。次いで、情報処理装置10は、算出された寄与度に基づいて、各介入可能項目を示す所定の態様に関する情報を決定する(S302)。そして、情報処理装置10は、決定された所定の態様に関する情報に基づいて、各介入可能項目を示す出力情報を生成する(S303)。
【0076】
<2.4.処理のバリエーション>
以上、本開示の実施形態について説明した。続いて、本開示の実施形態の処理のバリエーションを説明する。なお、以下に説明する処理のバリエーションは、単独で本開示の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本開示の実施形態に適用されてもよい。また、処理のバリエーションは、本開示の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本開示の実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0077】
(1)設定履歴に関する情報の取得
上記実施形態では、情報処理装置10が、情報提供装置30から、介入可能項目の設定履歴に関する情報を取得する場合を示した。ここで、情報処理装置10は、情報提供装置30から、介入不可能項目の設定履歴に関する情報を取得してもよい。具体的には、取得部111は、介入不可能項目の設定履歴に関する情報を取得してもよい。この場合、記憶部320は、介入不可能項目の設定履歴に関する情報を記憶してもよい。そして、制御部310は、記憶部320にアクセスして、介入不可能項目の設定履歴に関する情報を取得し、通信部300を介して、情報処理装置10へ提供してもよい。また、情報処理装置10は、介入可能項目及び介入不可能項目のどちらか一方、又は、双方の設定履歴に関する情報を取得してもよい。そして、情報処理装置10は、介入不可能項目の設定履歴に関する情報に基づいて、介入不可能項目を特定してもよい。
【0078】
(2)介入不可能項目を特定するための情報の取得
上記実施形態では、情報処理装置10が、データセットに含まれる介入不可能項目を特定するための情報を、情報提供装置30から取得する場合を示した。ここで、情報処理装置10は、記憶部320と同様の情報を記憶した記憶部(以下、適宜、「記憶部120」とする。)を有してもよい。この場合、制御部110は、記憶部120にアクセスして、介入不可能項目を特定するための情報を取得してもよい。また、情報処理装置10は、介入不可能項目を特定するための情報を、端末装置20から取得してもよい。端末装置20は、記憶部320と同様の情報を記憶した記憶部(以下、適宜、「記憶部230」とする。)を有してもよい。この場合、制御部210は、記憶部230にアクセスして、介入不可能項目を特定するための情報を取得してもよい。そして、制御部210は、通信部200を介して、介入不可能項目を特定するための情報を、情報処理装置10へ提供してもよい。
【0079】
(3)固定項目
上記実施形態において、情報処理システム1は、一部の介入不可能項目に基づいて、クラスタリングを実行するための情報を、ユーザから受け付けてもよい。例えば、ユーザが、一部の介入不可能項目の情報を固定したい場合である。例えば、ユーザが、特定の年齢、性別、又は、世代等で絞り込んでクラスタリングを実行したい場合である。一部の介入不可能項目に基づいてクラスタリングを実行するために、ユーザが指定した介入不可能項目を、以下、適宜、「固定項目」とする。固定項目は、介入不可能項目のうち、クラスタリングの処理の対象から除外された介入不可能項目である。なお、固定項目は、クラスタリングの処理の前であれば、どのタイミングで指定されてもよい。また、固定項目は、介入不可能項目であるため、出力情報の生成後に、目的変数を調整することを目的として、固定項目の情報を調整することはできないものとする。
【0080】
取得部111は、ユーザが指定した固定項目に関する情報を取得してもよい。取得部111は、例えば、通信部100を介して、端末装置20から送信された固定項目に関する情報を取得してもよい。そして、特定部1121は、固定項目以外の介入不可能項目を特定してもよい。そして、実行部1122は、固定項目以外の介入不可能項目に基づいて、クラスタリングの処理を実行してもよい。生成部1126は、固定項目以外の介入不可能項目に基づいて生成された各クラスタのペルソナに関する情報を示す出力情報を生成してもよい。なお、生成部1126は、固定項目以外の介入不可能項目に基づいて生成された各クラスタのペルソナに関する情報とともに、固定項目の指定なく全ての介入不可能項目に基づいて生成された各クラスタのペルソナに関する情報を含む出力情報を生成してもよい。この場合、生成部1126は、固定項目以外の介入不可能項目に基づいて生成された各クラスタのペルソナに関する情報が、出力情報の所定の領域に含まれるように、出力情報を生成してもよい。
【0081】
情報処理システム1は、ユーザが固定項目を指定する場合に限らず、ユーザの過去の設定履歴に関する情報に基づいて、固定項目を特定してもよい。また、ユーザは固定項目を指定しなくてもよいが、固定項目を指定した場合には、情報処理システム1は、指定された項目を固定項目として修正して処理を行ってもよい。なお、情報処理システム1は、クラスタリングの処理の実行前に、ユーザに固定項目を指定させてもよい。そして、情報処理システム1は、ユーザの過去の設定履歴に関する情報に基づいて特定された固定項目に関する情報に基づいて、クラスタリングの処理の対象となる介入不可能項目を特定してもよい。
【0082】
<<3.ハードウェア構成例>>
最後に、図14を参照しながら、実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例について説明する。図14は、実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、図14に示す情報処理装置900は、例えば、図9に示した情報処理装置10、端末装置20、及び情報提供装置30を実現し得る。実施形態に係る情報処理装置10、端末装置20、及び情報提供装置30による情報処理は、ソフトウェアと、以下に説明するハードウェアとの協働により実現される。
【0083】
図14に示すように、情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、及びRAM(Random Access Memory)903を備える。また、情報処理装置900は、ホストバス904a、ブリッジ904、外部バス904b、インタフェース905、入力装置906、出力装置907、ストレージ装置908、ドライブ909、接続ポート910、及び通信装置911を備える。なお、ここで示すハードウェア構成は一例であり、構成要素の一部が省略されてもよい。また、ハードウェア構成は、ここで示される構成要素以外の構成要素をさらに含んでもよい。
【0084】
CPU901は、例えば、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM902、RAM903、又はストレージ装置908に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。ROM902は、CPU901に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM903には、例えば、CPU901に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的又は永続的に格納される。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス904aにより相互に接続されている。CPU901、ROM902およびRAM903は、例えば、ソフトウェアとの協働により、図9を参照して説明した制御部110、制御部210、及び制御部310の機能を実現し得る。
【0085】
CPU901、ROM902、及びRAM903は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス904aを介して相互に接続される。一方、ホストバス904aは、例えば、ブリッジ904を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス904bに接続される。また、外部バス904bは、インタフェース905を介して種々の構成要素と接続される。
【0086】
入力装置906は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロホン、スイッチ及びレバー等、リスナによって情報が入力される装置によって実現される。また、入力装置906は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器であってもよい。さらに、入力装置906は、例えば、上記の入力手段を用いて入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などを含んでいてもよい。情報処理装置900の管理者は、この入力装置906を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0087】
他にも、入力装置906は、ユーザの位置を検知する装置により形成され得る。例えば、入力装置906は、画像センサ(例えば、カメラ)、深度センサ(例えば、ステレオカメラ)、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、光センサ、音センサ、測距センサ(例えば、ToF(Time of Flight)センサ)、力センサ等の各種のセンサを含み得る。また、入力装置906は、情報処理装置900の姿勢、移動速度等、情報処理装置900自身の状態に関する情報や、情報処理装置900の周辺の明るさや騒音等、情報処理装置900の周辺空間に関する情報を取得してもよい。また、入力装置906は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して装置の緯度、経度及び高度を含む位置情報を測定するGNSSモジュールを含んでもよい。また、位置情報に関しては、入力装置906は、Wi-Fi(登録商標)、携帯電話・PHS・スマートフォン等との送受信、または近距離通信等により位置を検知するものであってもよい。入力装置906は、例えば、図9を参照して説明した取得部111の機能を実現し得る。
【0088】
出力装置907は、取得した情報をユーザに対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置で形成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置、レーザープロジェクタ、LEDプロジェクタ及びランプ等の表示装置や、スピーカ及びヘッドホン等の音響出力装置や、プリンタ装置等がある。出力装置907は、例えば、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を、テキスト、イメージ、表、グラフ等、様々な形式で視覚的に表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して聴覚的に出力する。出力装置907は、例えば、図9を参照して説明した出力部113及び出力部220の機能を実現し得る。
【0089】
ストレージ装置908は、情報処理装置900の記憶部の一例として形成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置908は、例えば、HDD等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等により実現される。ストレージ装置908は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。このストレージ装置908は、CPU901が実行するプログラムや各種データ及び外部から取得した各種のデータ等を格納する。ストレージ装置908は、例えば、図9を参照して説明した記憶部320の機能を実現し得る。
【0090】
ドライブ909は、記憶媒体用リーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ909は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ909は、リムーバブル記憶媒体に情報を書き込むこともできる。
【0091】
接続ポート910は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)、RS-232Cポート、又は光オーディオ端子等のような外部接続機器を接続するためのポートである。
【0092】
通信装置911は、例えば、ネットワーク920に接続するための通信デバイス等で形成された通信インタフェースである。通信装置911は、例えば、有線若しくは無線LAN(Local Area Network)、LTE(Long Term Evolution)、Bluetooth(登録商標)又はWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置911は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ又は各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置911は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。通信装置911は、例えば、図9を参照して説明した通信部100、通信部200、及び通信部300の機能を実現し得る。
【0093】
なお、ネットワーク920は、ネットワーク920に接続されている装置から送信される情報の有線、または無線の伝送路である。例えば、ネットワーク920は、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などを含んでもよい。また、ネットワーク920は、IP-VPN(Internet Protocol-Virtual Private Network)などの専用回線網を含んでもよい。
【0094】
以上、実施形態に係る情報処理装置900の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて実現されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより実現されていてもよい。従って、実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0095】
<<4.まとめ>>
以上説明したように、実施形態に係る情報処理装置10は、介入不可能項目に基づいて生成された各クラスタのペルソナに関する情報を決定する処理を行う。これにより、情報処理装置10は、教師なし学習により、注目すべき複数の代表的なデータを決定することができるため、ユーザに意思決定をより迅速に行えるようにすることができる。これにより、情報処理装置10は、更なるユーザビリティの向上を促進することができる。
【0096】
また、情報処理装置10は、決定されたペルソナに関する情報を示す出力情報を生成する。情報処理装置10は、例えば、介入可能項目の情報に対するユーザの介入に基づく調整に応じて、対応する推定結果を示す出力情報を生成する。これにより、情報処理装置10は、ユーザに最適な改善施策案を提案し、ユーザが施策を採用した際の影響度を可視化することができる。これにより、情報処理装置10は、クラスタ毎に最善の施策と、その影響度を可視化することで、ユーザの意思決定の質の向上及び速度の改善を促進することができる。
【0097】
よって、更なるユーザビリティの向上を促進することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することが可能である。
【0098】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0099】
例えば、本明細書において説明した各装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部が別々の装置として実現されても良い。例えば、図9に示した情報処理装置10、端末装置20、及び情報提供装置30は、それぞれ単独の装置として実現されてもよい。また、例えば、情報処理装置10、端末装置20、及び情報提供装置30とネットワーク等で接続されたサーバ装置として実現されてもよい。また、情報処理装置10が有する制御部110の機能をネットワーク等で接続されたサーバ装置が有する構成であってもよい。
【0100】
また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。
【0101】
また、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0102】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0103】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
目的変数を推定するために用いられる説明変数のうち、ユーザが介入可能な説明変数である介入可能項目を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された介入可能項目以外の説明変数である介入不可能項目に基づいて生成された各クラスタのペルソナ(Persona)に関する情報を決定する決定部と、
を備える、情報処理装置。
(2)
前記ペルソナが示す前記介入可能項目の情報を調整することにより推定される前記目的変数の推定結果に基づいて、各介入可能項目の重みである寄与度を算出する算出部と、を更に備える
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記算出部は、
前記推定結果が最適となる最適結果に基づいて、前記寄与度を算出する
前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記算出部は、
前記最適結果に対応する前記介入可能項目の各情報と、前記ペルソナが示す当該介入可能項目の各情報との差に関する情報に基づいて、前記寄与度を算出する
前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記算出部は、
前記ペルソナが示す前記情報を基準として、当該基準に基づく前記調整の調整量が大きい程、前記最適結果に寄与する介入可能項目の、前記寄与度を高く算出する
前記(3)又は(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記算出部は、
ランダムサーチ、グリッドサーチ、又はベイズ最適化(Bayesian Optimization)に基づいて決定された前記最適結果に基づいて、前記寄与度を算出する
前記(3)~(5)のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(7)
前記決定部によって決定されたペルソナに関する情報を示す出力情報を生成する生成部と、を更に備える
前記(2)~(6)のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(8)
前記生成部は、
前記介入可能項目の情報に対する前記ユーザの介入に基づく前記調整に応じて、対応する前記推定結果を示す前記出力情報を生成する
前記(7)に記載の情報処理装置。
(9)
前記生成部は、
前記算出部により算出された寄与度に応じた所定の態様に基づいて、前記各介入可能項目を示す前記出力情報を生成する
前記(7)又は(8)に記載の情報処理装置。
(10)
前記生成部は、
前記寄与度の順に、前記各介入可能項目を示す前記出力情報を生成する
前記(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記生成部は、
前記寄与度に応じたヒートマップであって、前記寄与度が異なる程、異なる色情報を示すヒートマップに基づいて、前記各介入可能項目を示す前記出力情報を生成する
前記(9)又は(10)に記載の情報処理装置。
(12)
前記特定部は、
前記介入不可能項目のうち、前記ユーザによって予め情報が固定された介入不可能項目である固定項目を特定し、
前記決定部は、
前記特定部によって特定された固定項目以外の介入不可能項目に基づいて生成された各クラスタのペルソナに関する情報を決定する
前記(1)~(11)のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(13)
前記決定部は、
k平均法(k-means法)又はトピックモデルに基づいて、前記ペルソナに関する情報を決定する
前記(1)~(12)のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【符号の説明】
【0104】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
20 端末装置
30 情報提供装置
100 通信部
110 制御部
111 取得部
112 処理部
1121 特定部
1122 実行部
1123 決定部
1124 推定部
1125 算出部
1126 生成部
1127 学習部
113 出力部
200 通信部
210 制御部
220 出力部
300 通信部
310 制御部
320 記憶部
図1
図2
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