(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】画像形成装置及びインクジェットヘッド
(51)【国際特許分類】
B41J 2/17 20060101AFI20241126BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241126BHJP
B41J 2/175 20060101ALI20241126BHJP
B41J 2/18 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
B41J2/17
B41J2/01 501
B41J2/175 503
B41J2/18
(21)【出願番号】P 2022531103
(86)(22)【出願日】2020-06-15
(86)【国際出願番号】 JP2020023349
(87)【国際公開番号】W WO2021255773
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸田 義朗
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-508280(JP,A)
【文献】特開2020-23150(JP,A)
【文献】特開2002-29064(JP,A)
【文献】特開2019-107777(JP,A)
【文献】特開2006-62223(JP,A)
【文献】特開2010-201675(JP,A)
【文献】特開2017-140804(JP,A)
【文献】特開2020-32620(JP,A)
【文献】特表2017-528348(JP,A)
【文献】特開平3-184855(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0266978(US,A1)
【文献】特開2020-110965(JP,A)
【文献】特開2020-69746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チキソ性を有する液体を液滴として吐出して画像を形成する画像形成装置であって、
前記液体を一時貯留するタンクと、
前記タンク内の液体を吐出する吐出ノズルを有するインクジェットヘッドと、
前記タンクと前記吐出ノズルとを接続する流路と、
前記流路に配置され、前記液体を均質化させるスタティックミキサーである
単一の均質化部材と、
を有し、
前記流路において、前記流路を流れる前記液体を加熱するヒーターを有する加熱区間を有し、
前記均質化部材は、前記加熱区間よりも前記吐出ノズル側に配置され、
前記均質化部材と前記加熱区間とが前記インクジェットヘッドのインクの流入口である接続部を介して熱伝導的に接続されている画像形成装置。
【請求項2】
前記均質化部材の直前の前記流路を流れる液体の流れは層流である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記液体は、粒子が分散された分散液である請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記吐出ノズルと前記タンクとをつなげる循環流路を有する請求項1から
3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記均質化部材から吐出ノズルまでの流路区間の少なくとも一部は、熱伝導率が1.0W/m・K以下の断熱部材により形成されている請求項1から
4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前前記断熱部材は、プラスチック部材、ゴム部材、ガラス部材のうち少なくとも1以上の部材である請求項
5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記インクジェットヘッド内の前記流路に前記均質化部材を備える請求項1から
6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記タンクと前記インクジェットヘッドとの間の前記流路に前記均質化部材を備える請求項1から
6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
チキソ性を有する液体を液滴として吐出して画像を形成するインクジェットヘッドであって、
前記液体を一時貯留するタンクと吐出ノズルとを接続する流路と、
前記流路に配置され、前記液体を均質化させるスタティックミキサーである
単一の均質化部材と、
を有し、
前記流路において、前記流路を流れる前記液体を加熱するヒーターを有する加熱区間を有し、
前記均質化部材は、前記加熱区間よりも前記吐出ノズル側に配置され、
前記均質化部材と前記加熱区間とが接続部を介して熱伝導的に接続されているインクジェットヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置及びインクジェットヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ノズルからインクを吐出させて媒体上に画像や構造などを形成するインクジェットヘッドを用いた画像形成装置がある。
【0003】
インク温度と環境温度に大きな温度差がある場合、画像形成装置のインクを一時貯留するタンクからノズルまでの流路においてインクの放熱が発生したり、ヒーターを用いて流路を加熱することにより、インクの温度分布が不均一になり、安定した液滴吐出を行うことができなくなるという問題がある。
【0004】
これに関連して、特許文献1には、ヒーターに流路を螺旋状に巻き付け、流路のヒーティング面積を十分に確保することで、ヒーターを高温にすることなくインクを加熱する技術が記載されている。
また、特許文献2には、パイプの連結により流路を形成する場合に、ヒーターと高い熱伝導性で接続されているパイプをできるだけノズル側まで引き回し、加熱領域を長くすることで、インク温度を所望に近づける技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-233900号公報
【文献】特開2013-230633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2の技術では、流路の配管の管壁からインクを加熱するため、配管内のインクの温度分布の不均一性を解消するまでには至らなかった。
【0007】
この発明の目的は、低コストで簡便に、安定した液滴吐出を可能にする画像形成装置及びインクジェットヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
チキソ性を有する液体を液滴として吐出して画像を形成する画像形成装置であって、
前記液体を一時貯留するタンクと、
前記タンク内の液体を吐出する吐出ノズルを有するインクジェットヘッドと、
前記タンクと前記吐出ノズルとを接続する流路と、
前記流路に配置され、前記液体を均質化させるスタティックミキサーである単一の均質化部材と、
を有し、
前記流路において、前記流路を流れる前記液体を加熱するヒーターを有する加熱区間を有し、
前記均質化部材は、前記加熱区間よりも前記吐出ノズル側に配置され、
前記均質化部材と前記加熱区間とが前記インクジェットヘッドのインクの流入口である接続部を介して熱伝導的に接続されている。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記均質化部材の直前の前記流路を流れる液体の流れは層流である。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、
前記液体は、粒子が分散された分散液である。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記吐出ノズルと前記タンクとをつなげる循環流路を有する。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記均質化部材から吐出ノズルまでの流路区間の少なくとも一部は、熱伝導率が1.0W/m・K以下の断熱部材により形成されている。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、
前記断熱部材は、プラスチック部材、ゴム部材、ガラス部材のうち少なくとも1以上の部材である。
【0019】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記インクジェットヘッド内の前記流路に前記均質化部材を備える。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記タンクと前記インクジェットヘッドとの間の前記流路に前記均質化部材を備える。
【0021】
また、請求項9に記載の発明のインクジェットヘッドは、
チキソ性を有する液体を液滴として吐出して画像を形成するインクジェットヘッドであって、
前記液体を一時貯留するタンクと吐出ノズルとを接続する流路と、
前記流路に配置され、前記液体を均質化させるスタティックミキサーである単一の均質化部材と、
を有し、
前記流路において、前記流路を流れる前記液体を加熱するヒーターを有する加熱区間を有し、
前記均質化部材は、前記加熱区間よりも前記吐出ノズル側に配置され、
前記均質化部材と前記加熱区間とが接続部を介して熱伝導的に接続されている。
【発明の効果】
【0023】
本発明に従うと、低コストで簡便に、安定した液滴吐出を可能にする画像形成装置及びインクジェットヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態の画像形成装置の構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態のインクジェットヘッドの流入口近傍の断面図である。
【
図3】本発明の実施形態の変形例の画像形成装置の構成を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態の変形例のインクジェットヘッドの流入口近傍の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は、画像形成装置1の構成を示す図である。
画像形成装置1は、インクジェットヘッド10、インクを一時貯留するインクタンク20、及びインクジェットヘッド10とインクタンク20を接続する外部流路31、32を備える。
インクジェットヘッド10は、外部流路31と接続する接続部11、及び外部流路32と接続する接続部12を備える。接続部11はインクの流入口であり、接続部12はインクの流出口である。
【0027】
インクタンク20に一時貯留されているインクは、外部流路31及び接続部11を通過し、インクジェットヘッド10のノズルに達し、一部が吐出される。吐出されなかったインクは、接続部12及び外部流路32を通過し、インクタンク20に戻る。このようにインクは、インクタンク20とインクジェットヘッド10間を循環しており、外部流路32は循環流路として機能する。
図1の外部流路31、32付近の矢印は、インクの流れる方向を示す。
また、インクジェットヘッド10は、接続部11とノズルの間に、インクを撹拌、混合して温度、粘度などを均質化するためのスタティックミキサー13を備える。
【0028】
図2は、インクジェットヘッド10の接続部11近傍の断面図である。
インクジェットヘッド10は、下面にノズルプレート14を備え、ノズルプレート14には複数のノズルが形成されている。接続部11からノズルまでの流路15は、外部流路31と接続されている。
インク流入口である接続部11の下部の流路15内にスタティックミキサー13が備えられ、インクジェットヘッド10内の流路15に流入したインクを撹拌、混合する。撹拌、混合されたインクはノズルに達し、当該インクの一部がノズルから吐出される。
【0029】
外部流路31のうち温度調整区間31aの箇所の配管の周りにはヒーターHが設けられており、当該温度調整区間(加熱区間)31aを通過するインクを加熱することができる。
温度調整区間31aを通過するインクをヒーターHによって加熱すると、温度調整区間31aの配管の壁付近のインクは温度が高く、配管中央部のインクは配管の壁付近のインクに比べ温度が低くなり、配管内のインクの温度分布に不均一性が生じる。
また、外部流路31及び流路15のスタティックミキサー13が配置された箇所よりインクの流れの上流の箇所を通過するインクの流れは層流であるため、外部流路31及び流路15のスタティックミキサー13が配置された箇所より上流の箇所の配管内に生じたインクの温度分布の不均一性は解消されない。ここで、層流とは、例えば、下式を満たすものである。
Re = Duρ/μ ≦ 2300
Re:レイノルズ数
D:流路の代表径(断面積相当円環径)[m]
u:流速[m/sec]
ρ:液体の密度[kg/m3]
μ:液体の粘度[Pa・sec]
【0030】
また、画像形成装置1を循環するインクは、粒子が分散された分散液である。分散液であるインクは、非ニュートン性のレオロジーを示し、温度分布の不均一性が大きくなりやすい。
粒子としての顔料は、例えば有機顔料では、以下の顔料が挙げられる。
【0031】
マゼンタ又はレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
【0032】
オレンジ又はイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155等が挙げられる。特に色調と耐光性のバランスにおいて、C.I.ピグメントイエロー155が好ましい。
【0033】
グリーン又はシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0034】
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
【0035】
酸化チタン等の無機顔料としては、アナターゼ型、ルチル型及びブルーカイト型の三つの結晶形態があるが、汎用なものとしてはアナターゼ型とルチル型に大別できる。特に限定するものではないが、屈折率が大きく隠蔽性が高いルチル型が好ましい。具体的には、富士チタン工業株式会社のTRシリーズ、テイカ株式会社のJRシリーズや石原産業株式会社のタイペークなどが挙げられる。
【0036】
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
【0037】
また、粒子としての染料は、例えば不溶性の染料として、硫化染料、バット染料、分散染料等が挙げられる。
バット染料としては、スレン染料やインジゴ染料等が挙げられる。
分散染料としては、ベンゼンアゾ系(モノアゾおよびジスアゾ)、複素環アゾ系(チアゾールアゾ、ペンゾチアゾールアゾ、ピリドンアゾ、ピラゾロンアゾ、チオフェンアゾ等)、アントラキノン系、縮合系(キノフタロン、スチリル、クマリン等)が挙げられる。
また、インク中に含まれるバインダー粒子も、同様に粒子として考えることができる。例えばバインダー粒子としては、ラテックス、樹脂フィラー、金属微粒子、セラミック粒子、プラスチック粒子、ガラス粒子等が挙げられる。
【0038】
また、画像形成装置1を循環するインクは、チキソ性を有する。したがって、外部流路31及び流路15の配管の壁付近のインクの流速が小さい所では、配管の中央部よりもインクの粘度が高くなり、インクの混合が困難であるため、インクの温度分布の不均一性が大きくなりやすい。
【0039】
温度分布が不均一であるインクは、スタティックミキサー13で撹拌、混合されることによって温度分布の不均一性が低減される。
また、ヒーターHによって加熱される部材とスタティックミキサー13のエレメント部は、接続部11を介して、熱伝導的に接続されている。したがって、ヒーターHによってスタティックミキサー13のエレメント部も加熱される。加熱されたスタティックミキサー13によって、インクが撹拌、混合されることでインク温度分布の不均一性はより低減される。
よって、スタティックミキサー13は、均質化部材として機能する。
【0040】
また、スタティックミキサー13とノズルの間の流路15の区間は、熱伝導率が1.0W/m・K以下の断熱部材が用いられる。したがって、スタティックミキサー13によってインクの温度分布の不均一性が低減された状態を維持することができる。
断熱部材は、例えば、プラスチック部材、ゴム部材、ガラス部材のうち、少なくとも一種類が用いられる。
具体的には、プラスチック部材は、ポリエチレン(低密度)、ポリエチレン(高密度)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、フェノール樹脂、ポリアセタール、アクリル樹脂、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・エチレン共重合体(ETFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル共重合体(PFA)、シリコーン樹脂、スチレン・アクリロニトル・ブタジエン(ABS樹脂)であり、上記に限定されないが、好ましくは上記を使うことができる。
また、ゴム部材は、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴムであり、上記に限定されないが、好ましくは上記を使うことができる。
また、ガラス部材は、ソーダガラス、フリントガラス、クラウンガラスであり、上記に限定されないが、好ましくは上記を使うことができる。
【0041】
また、インクジェットヘッド10で吐出されなかったインクを、インクの流出口である接続部12及び外部流路32を通過させ、インクタンク20に戻す循環を行うことで、インクの温度分布の不均一性はさらに低減される。
【0042】
以上のように、本実施形態の画像形成装置1は、液体を液滴として吐出して画像を形成する画像形成装置1であって、液体を一時貯留するタンク(インクタンク20)と、タンク(インクタンク20)内の液体を吐出する吐出ノズルを有するインクジェットヘッド10と、タンク(インクタンク20)と吐出ノズルとを接続する流路(外部流路31、流路15)と、流路(外部流路31、流路15)に配置され、液体を均質化させる均質化部材(スタティックミキサー13)と、を有する。
従って、低コストで簡便に、安定した液滴吐出を可能にする画像形成装置及びインクジェットヘッドを提供することができる。
【0043】
(変形例)
図3は、本発明の実施形態の変形例の画像形成装置1aの構成を示す図である。変形例の画像形成装置1aでは、スタティックミキサー13はインクジェットヘッド10外に備えられている。
また、
図4は、上記実施形態の変形例に係る画像形成装置1a内のインクジェットヘッド10の流入口近傍の断面図である。以下では、上記実施形態の画像形成装置1内のインクジェットヘッド10近傍を示す
図2との差異を中心に説明する。
【0044】
本変形例の構成では、スタティックミキサー13は、インクジェットヘッド10外の、ヒーターHが設けられている外部流路31の温度調整区間31aに設けられている。その他の構成、動作は上記実施形態の画像形成装置1と同様である。
以上の構成では、インクジェットヘッド10内にスタティックミキサー13を設けられない場合でも、低コストで簡便に安定した液滴吐出を可能にする画像形成装置及びインクジェットヘッドを提供することができる。
【0045】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態及び変形例では、均質化部材はスタティックミキサー13であるとしたがこれに限らない。例えば、格子状のフィルターのように、層流のインクに対して乱流を生じさせることでインク温度分布の不均一性を少しでも低減できるものであれば、どのようなものであっても良い。
【0046】
また、上記実施の形態及び変形例では、外部流路31の一部に設けられたヒーターHによってインクが加熱されるとしたがこれに限らない。ヒーターHの代わりに冷却装置を設けて、インクを冷却してもよい。または、ヒーターH及び冷却装置を設けず、自然放熱によってインクが冷却されるとしてもよい。
【0047】
また、上記実施の変形例では、外部流路31の一部に設けられた温度調整区間31aにスタティックミキサー13が備えられているとしたがこれに限らない。温度調整区間31aとインクジェットヘッド10の接続部11の間が離れている場合、温度調整区間31aと接続部11の間にスタティックミキサー13を備えてもよい。
【0048】
また、上記実施の形態及び変形例では、ヒーターHはインクジェットヘッド10外に備えられているとしたが、これに限らない。インクジェットヘッド10内にヒーターHを備えてもよい。
【0049】
その他、上記実施の形態で示した構成の具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
この発明は、インクジェットヘッド及び画像形成装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1、1a 画像形成装置
10 インクジェットヘッド
11、12 接続部
13 スタティックミキサー(均質化部材)
14 ノズルプレート
15 流路
20 インクタンク
31 外部流路(流路)
31a 温度調整区間
32 外部流路(循環流路)