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特許7593417情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20241126BHJP
   B60W 30/12 20200101ALI20241126BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60W30/12
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022574940
(86)(22)【出願日】2021-01-14
(86)【国際出願番号】 JP2021000967
(87)【国際公開番号】W WO2022153426
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】辻 聡
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-173749(JP,A)
【文献】特開2018-085059(JP,A)
【文献】特開2018-092472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
B60W 30/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路に沿った第1測定地点におけるセンサと測定対象物との距離を示す第1点群データを取得する第1取得部と、
前記経路に沿った前記第1測定地点とは異なる第2測定地点におけるセンサと前記測定対象物との距離を示す第2点群データを取得する第2取得部と、
前記第1点群データと前記第2点群データを含む点群データを複数のセグメントに分割する分割部と、
前記セグメントごとの前記点群データについての分布を、前記第1点群データは前記第1測定地点からの距離又はレーザの入射角に基づいて、前記第2点群データは前記第2測定地点からの距離又はレーザの入射角に基づいて算出する分布算出部と、
前記分布と前記分布から算出された閾値に基づいて、前記セグメントごとの前記点群データから外れ値を除去する除去部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記分布算出部は、前記セグメント内の前記点群データについての前記第1測定地点及び前記第2測定地点からの距離の分布を算出する距離分布算出部を更に備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記分布算出部は、前記セグメント内の前記点群データから面を推定する面推定部と、
前記セグメント内の前記点群データについての、前記第1測定地点及び前記第2測定地点からの前記推定された面への入射角の分布を算出する入射角分布算出部と、を更に備える、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記セグメントは、所定の大きさの球、又は所定の大きさのボクセルである、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記点群データは、輝度値を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
経路に沿ってセンサを移動させながら、測定対象物に対して当該センサからレーザを照射して、当該センサが反射光を受けとることによって、前記センサから前記測定対象物までの距離を測定した点群データを取得するセンサと、
前記経路に沿った第1測定地点における前記センサと前記測定対象物との距離を示す第1点群データを取得する第1取得部と、
前記経路に沿った前記第1測定地点とは異なる第2測定地点における前記センサと前記測定対象物との距離を示す第2点群データを取得する第2取得部と、
前記第1点群データと前記第2点群データを含む点群データを複数のセグメントに分割する分割部と、
前記セグメント内の前記点群データについての分布を、前記第1測定地点及び前記第2測定地点からの指標に基づいて算出する分布算出部と、
前記分布に基づいて、前記セグメント内の前記点群データから外れ値を除去する除去部と、
を備える、情報処理システム。
【請求項7】
前記センサを搭載する移動体を更に備える、請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記センサと、前記第1取得部及び前記第2取得部は、無線通信ネットワークを介して、点群データを通信可能に接続されている、請求項6又は7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
経路に沿った第1測定地点におけるセンサと測定対象物との距離を示す第1点群データを取得し、
前記経路に沿った前記第1測定地点とは異なる第2測定地点におけるセンサと前記測定対象物との距離を示す第2点群データを取得し、
前記第1点群データと前記第2点群データを含む点群データを複数のセグメントに分割し、
前記セグメントごとの前記点群データについての分布を、前記第1点群データは前記第1測定地点からの距離又はレーザの入射角に基づいて、前記第2点群データは前記第2測定地点からの距離又はレーザの入射角に基づいて算出し、
前記分布及び前記分布から算出された閾値に基づいて、前記セグメントごとの前記点群データから外れ値を除去する、
情報処理方法。
【請求項10】
経路に沿った第1測定地点におけるセンサと測定対象物との距離を示す第1点群データを取得する処理と、
前記経路に沿った前記第1測定地点とは異なる第2測定地点におけるセンサと前記測定対象物との距離を示す第2点群データを取得する処理と、
前記第1点群データと前記第2点群データを含む点群データを複数のセグメントに分割する処理と、
前記セグメントごとの前記点群データについての分布を、前記第1点群データは前記第1測定地点からの距離又はレーザの入射角に基づいて、前記第2点群データは前記第2測定地点からの距離又はレーザの入射角に基づいて、算出する処理と、
前記分布及び前記分布から算出された閾値に基づいて、前記セグメントごとの前記点群データから外れ値を除去する処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
LiDARなどのセンサは、測定対象物の各測定点にレーザを照射し、レーザを照射してから、受光するまでの時間に基づいて、各測定点までの距離を算出することができる。こうしたセンサを移動しながら利用して、トンネルなど測定対象物までの距離やその形状を得ることができる。
【0003】
例えば、特許文献1では、路側または車両に設置されたセンサにより計測された複数の計測点における計測データを含む点群データを収集する無線通信システムが開示されている。収集した計測データはサーバに送信され、サーバにおいて、車両や歩行者を検出し、運転支援のために使用され得る。さらに、この無線通信システムにおいて、計測データに、建物や木などの固定物や地面などのように、静的な対象物の多くの計測点も含まれている場合、送信装置からサーバに送信される通信トラフィックが増大するという問題がある。これを解決するため、特許文献1では、点群データから、所定の閾値長さ以上の軌跡を構成する計測点の計測データや、所定の角度範囲内に含まれる計測点の計測データを除去することも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2019/131075号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような固定の閾値によるフィルタリングを行うと、センサが対象物に対して平行に移動していない場合等により、測定対象物とセンサとの距離が一定ではない場合には、本来必要なデータまで除去してしまうという問題がある。
【0006】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、センサを移動して測定された点群データから、本来必要なデータを除去せずに不要なデータを除去する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様にかかる情報処理装置は、
経路に沿った第1測定地点におけるセンサと測定対象物との距離を示す第1点群データを取得する第1取得部と、
前記経路に沿った前記第1測定地点とは異なる第2測定地点におけるセンサと前記測定対象物との距離を示す第2点群データを取得する第2取得部と、
前記第1点群データと前記第2点群データを含む点群データを1つ又は複数のセグメントに分割する分割部と、
前記セグメント内の前記点群データについての分布を算出する分布算出部と、
前記分布に基づいて、前記セグメント内の前記点群データから外れ値を除去する除去部と、
を備える。
【0008】
本開示の第2の態様にかかる情報処理システムは、
経路に沿ってセンサを移動させながら、測定対象物に対して当該センサからレーザを照射して、当該センサが反射光を受けとることによって、前記センサから前記測定対象物までの距離を測定した点群データを取得するセンサと、
前記経路に沿った第1測定地点における前記センサと前記測定対象物との距離を示す第1点群データを取得する第1取得部と、
前記経路に沿った前記第1測定地点とは異なる第2測定地点における前記センサと前記測定対象物との距離を示す第2点群データを取得する第2取得部と、
前記第1点群データと前記第2点群データを含む点群データを複数のセグメントに分割する分割部と、
前記セグメント内の前記点群データについての分布を算出する分布算出部と、
前記分布に基づいて、前記セグメント内の前記点群データから外れ値を除去する除去部と、を備える。
【0009】
本開示の第3の態様にかかる情報処理方法は、
経路に沿った第1測定地点におけるセンサと測定対象物との距離を示す第1点群データを取得し、
前記経路に沿った前記第1測定地点とは異なる第2測定地点におけるセンサと前記測定対象物との距離を示す第2点群データを取得し、
前記第1点群データと前記第2点群データを含む点群データを1つ又は複数のセグメントに分割し、
前記セグメント内の前記点群データについての分布を算出し、
前記分布に基づいて、前記セグメント内の前記点群データから外れ値を除去する。
【0010】
本開示の第4の態様にかかるプログラムが格納された非一時的コンピュータ可読媒体は、前記プログラムが
経路に沿った第1測定地点におけるセンサと測定対象物との距離を示す第1点群データを取得する処理と、
前記経路に沿った前記第1測定地点とは異なる第2測定地点におけるセンサと前記測定対象物との距離を示す第2点群データを取得する処理と、
前記第1点群データと前記第2点群データを含む点群データを1つ又は複数のセグメントに分割する処理と、
前記セグメント内の前記点群データについての分布を算出する処理と、
前記分布に基づいて、前記セグメント内の前記点群データから外れ値を除去する処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示により、センサを移動して測定された点群データから、本来必要なデータを除去せずに不要なデータを除去する情報処理装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1にかかる情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態1にかかる情報処理方法を示すフローチャートである。
図3】移動体に搭載したセンサでトンネルの内壁を測定する例を示す図である。
図4】輝度値が安定しない第1の理由を説明する図である。
図5】フィルタリングを行う前の輝度値の分布を示す図である。
図6】フィルタリングを行った後の輝度値の分布を示す図である。
図7】センサによる測定対象物の一部に穴がある例を示す図である。
図8】フィルタリングすべきでない測定データまでフィルタリングされてしまう例を示す図である。
図9】センサによる測定対象物の一部に斜面がある例を示す。
図10】フィルタリングすべきでない測定データまでフィルタリングされてしまう例を示す図である。
図11】いくつかの実施の形態にかかる距離の分布によるフィルタリング方法を説明する図である。
図12】いくつかの実施の形態にかかる距離の分布によるフィルタリング方法を説明する図である。
図13】いくつかの実施の形態にかかる入射角の分布によるフィルタリング方法を説明する図である。
図14】レーザの入射角の算出例を説明する図である。
図15】実施形態2にかかる情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図16】実施形態3にかかる情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図17】いくつかの実施形態における情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0014】
<実施形態1>
図1は、実施形態1にかかる情報処理装置の構成を示すブロック図である。
情報処理装置100は、プロセッサ、メモリなどを有するコンピュータにより実現される。情報処理装置100は、測定対象物を測定するセンサから点群データを取得し、点群データを分析するために使用されうる。センサは、測定点までの距離を測定するレーダセンサ(例えば、LiDAR)であり得る。具体的には、情報処理装置100は、第1取得部110と、第2取得部120と、分割部130と、分布算出部140と、除去部150と、を備える。
【0015】
第1取得部110は、経路に沿った第1測定地点におけるセンサと測定対象物との距離を示す第1点群データを取得する。第2取得部120は、経路に沿った第1測定地点とは異なる第2測定地点におけるセンサと測定対象物との距離を示す第2点群データを取得する。
【0016】
一般に、センサは移動体(例えば、車両)などに搭載され、第1測定地点と第2測定地点に移動して、測定対象物にレーザを照射し、反射光を受光することで、センサと測定対象物までの距離を示す点群データを取得する。しかし、本発明のセンサは、これに限定さない。例えば、人がセンサを所持して、移動しながら計測してもよい。また、第1測定地点におけるセンサと第2測定地点におけるセンサと、異なってもよい。例えば、トンネルが長い場合、複数のセンサで(例えば、所定距離毎に)分けて測定することができる。
【0017】
分割部130は、第1点群データと第2点群データを含む点群データを1つ又は複数のセグメントに分割する。セグメントは、複数の測定地点から得られた点群データを分割する、小さい領域である。セグメントには、点群データのうちの1つ以上の点が含まれる。セグメントは、測定対象物が三次元物体である場合、球、直方体、立方体などの三次元の形状であってもよい。セグメントは、測定対象物の(少なくとも)一部が平面状である場合、円、矩形、正方形等の平面を仮定し、この平面近傍の点を抽出するようにしてもよい。セグメントの大きさは、測定対象物の中で注目したい箇所(例えば、ひび、凹み、穴など)の大きさを考慮して任意に設定することができる。各セグメントの大きさは、互いに同一であってもよいし、異なってもよい。
【0018】
分布算出部140は、セグメント内の点群データについての分布を算出する。分布算出部140は、例えば、センサから測定対象物までの距離の分布、又はセンサから測定対象物までのレーザの入射角の分布を算出することができる。分布算出部140は、すべてのセグメントに対して、距離又は入射角の分布を算出することができる。また、分布算出部140は、すべてのセグメントではなく、1つ以上のセグメント内の点群データについて分布を算出してもよい。
【0019】
除去部150は、算出された分布に基づいて、セグメント内の点群データから外れ値を除去する。除去部150は、例えば、分布の平均値から所定閾値(例えば、標準偏差σ、2σ、3σなど)だけ離れた値を外れ値として除外することができる。
【0020】
図2は、実施形態1にかかる情報処理方法を示すフローチャートである。
情報処理方法は、経路に沿った第1測定地点におけるセンサと測定対象物との距離を示す第1点群データを取得する(ステップS101)。経路に沿った前記第1測定地点とは異なる第2測定地点におけるセンサと前記測定対象物との距離を示す第2点群データを取得する(ステップS102)。第1点群データと前記第2点群データを含む点群データを1つ又は複数のセグメントに分割する(ステップS103)。セグメント内の前記点群データについての分布を算出する(ステップS104)。分布に基づいて、前記セグメント内の前記点群データから外れ値を除去する(ステップS105)。
【0021】
以上説明した実施形態1にかかる情報処理装置および方法は、センサを移動して測定された点群データから、本来必要なデータを除去せずに不要なデータを除去することができる。
【0022】
<実施形態2>
図3は、実施形態2にかかる、センサによりトンネル内の異常を検知する例を説明する図である。図3では、LiDARであるセンサ5を搭載した移動体2(例えば、車両)がトンネル内を走行しながら、当該センサからレーザをトンネルの内壁(測定対象物6)に照射させる。その後、当該センサは測定対象物からのレーザの反射光を受光する。センサは、非常に短い周期でほぼ連続的にレーザを照射してもよい。あるいは、移動体2が任意の位置まで移動し、各位置でレーザを照射してもよい。センサは、周囲方向に多数のレーザを照射してから反射光を受光するまでの時間に基づいて、各測定点までの距離を測定する。あるいは、センサは、反射光の輝度値を取得することができ、それにより測定対象物の材質(例えば、金属か、織物か、など)を推定することができる。このように、センサは、センサにより測定された複数の測定点における測定データを含む点群データを取得することができる。
【0023】
本例では、取得した点群データに基づいて、トンネルの内壁の小さなひびを検知する。一般に、ひびは非常に小さいので、センサにより測定される距離の相違、すなわち、ひびの形状から判別することができない。一方、ひびからの反射光の強さを示す輝度値は、一般的に弱くなる傾向がある。そこで、反射光の輝度値に基づいて、ひびを検知する。しかし、センサを移動しながら、トンネルの内壁をスキャンして点群データを取得した場合、当該点群データに含まれる輝度値が安定しないという問題がある。それゆえ、ひびの検知も困難となっている。
【0024】
輝度値が安定しない理由は主に、以下の2つが考えられる。図4は、輝度値が安定しない第1の理由を説明する図である。第1の理由は、センサ5を移動する場合、異なる測定地点A、Bから測定対象物6の同一領域Pにそれぞれのレーザ8a、8bが照射されると、センサ5は、当該同一領域Pを経由して、距離(軌跡)の異なる反射光を受光し、その結果、異なる輝度値を持つ点のデータが取得されるからである。すなわち、センサが取得する反射輝度値は、センサ5と測定対象物6との距離によって影響を受け得る。センサと測定対象物との距離が離れるほど、反射輝度値は小さくなり得る。また、センサは、図4に示すように、周囲360°にビームを照射する。そのため、センサを移動しながら測定した場合、センサの移動経路における異なる位置からのそれぞれのレーザが測定対象物の同一領域に照射され、異なる輝度値を持つデータが取得される。つまり、センサは、対象物の同一領域に対して、距離の異なる反射光を受光し、異なる輝度値を有する。このため、センサを移動しながら、トンネルの内壁をスキャンして点群データを取得した場合、当該点群データに含まれる輝度値が安定しないと考えられる。
【0025】
さらに、第2の理由は、以下の通りである。センサを移動すると、異なる測定地点A,Bから、測定対象物6の同一領域Pにそれぞれのレーザ8a、8bが照射される。その後、センサは、当該同一領域Pを経由して異なる入射角を持つ反射光を受光し、その結果、異なる輝度値を持つデータが取得されるからである。すなわち、センサが取得する反射輝度値は、センサから測定対象物へのレーザの入射角によって影響を受け得る。一般に、センサから測定対象物へのレーザの入射角が小さいほど、反射輝度値は小さくなり得る。また、センサは、周囲360°にビームを照射する。そのため、センサを移動しながら測定した場合、センサの移動経路における異なる位置からのそれぞれのレーザが測定対象物の同一領域に照射され、異なる輝度値を持つデータが取得される。つまり、センサは、対象物の同一領域に対して、入射角の異なる反射光を受光し、異なる輝度値を有する。このため、センサを移動しながら、トンネルの内壁をスキャンして点群データを取得した場合、当該点群データに含まれる輝度値が安定しないと考えられる。
【0026】
以上から、輝度値を安定させるためには、点群データから、距離が閾値長さ以上の反射光を除去するか、又は入射角が閾値角度内の反射光を除去する方法(固定閾値を用いたフィルタリングとも呼ばれる)が考えられる。図5および図6を参照して、固定閾値を用いたフィルタリングにより効果を説明する。図5は、固定長さ閾値(例えば、距離1m)を用いたフィルタリングを行う前の輝度値の分布を示す。図6は、固定長さ閾値(例えば、距離1m)を用いたフィルタリングを行った後の輝度値の分布を示す。図5および図6はいずれも、横軸が反射輝度値を示し、縦軸が対応する反射輝度値の点の数を示す。図6に示すように、輝度値の分布が、図5の分布と比べ、中央にまとまり、分布のひろがり(輝度値のばらつき)が抑制されているのが分かる。
【0027】
しかしながら、固定閾値を用いたフィルタリングを用いると、次のような問題が生じる場合がある。図7は、センサによる測定対象物の一部に穴(図7では、6b)がある例を示す。測定対象物6a~6cの近くをセンサ5を移動しながら、任意の様々な地点で測定対象物に対してレーザを照射し、測定する。この場合、測定対象物6a、6cについては、固定閾値距離によりフィルタリングを行うと、前述したように、ある程度、分布のひろがりを抑制したデータを取得することができる。一方、測定対象物6bは、センサの移動経路に対して、測定対象物6a、6cより、遠く離れている。この場合、固定閾値距離によりフィルタリングを行うと、図8に示すように、測定対象物の穴6bに関する測定データが除去されてしまう場合がある。このように、本来フィルタリングすべきでない測定データまでフィルタリングされてしまう場合がある。
【0028】
同様に、図9は、センサによる測定対象物の一部に斜面がある例を示す。測定対象物の近くをセンサを移動しながら、任意の様々な地点で測定対象物に対してレーザを照射し、測定する。測定対象物は、センサの移動経路に対して、略平行に配置された測定対象物6dと、センサの移動経路に対して、徐々に離れるように配置される斜面からなる測定対象物6eを有する。この場合、固定閾値入射角によりフィルタリングを行うと、図10に示すように、測定対象物6eの斜面に関する測定データを除去してしまう場合がある。このように、本来フィルタリングすべきでない測定データまでフィルタリングされてしまう場合がある。
【0029】
そこで、本実施形態では、複数の測定地点で得られた点群データを、小さなセグメントに分割し、セグメントごとに、測定地点から測定点までの距離の分布をとり、外れ値を除外する。以下、この分布によるフィルタリング方法を、図11および図12を参照して説明する。
【0030】
LiDARを経路に沿って測定開始点から移動させ、各測定地点(図11では、測定地点A,B,C)でLiDARから測定対象物にレーザを照射し、その後、LiDARは、反射光を受光する。
【0031】
測定地点Aについては、測定地点Aを原点とする点群データと、測定開始地点を原点とする測定地点Aの座標データが取得される。測定地点Bについては、測定地点Bを原点とする点群データと、測定開始地点を原点とする測定地点Bの座標データが取得される。測定地点Cについては、測定地点Cを原点とする点群データと、測定開始地点を原点とする測定地点Cの座標データが取得される。測定開始地点を原点とした各測定地点A~Cの座標データを用いることで、各測定地点A~Cを原点とする測定データの座標データ(座標データA~Cとする)を測定開始地点を原点とした座標データ(座標データA’~C’とする)に変換することができる。このようにして得られた座標データA’~C’を結合すると、図11の下部に示すような測定開始地点を原点とする点群データが得られる。
【0032】
点群データ内の各点について、測定地点からの距離を算出する。この際、点群データは、各点がどの測定地点からのレーザで得られたものかを識別する情報を有することができる。例えば、点群データは、取得した時刻を含み、予め定められた経路と、当該時刻を照らして、各点がどの測定位置(図11では、測定地点A,B,C)で得られたものかを認識することができる。
【0033】
次に、測定対象物についての点群データを、図12に示すように小さなセグメントごとに分割する。このセグメントは、点群データが三次元データである場合、球であってもよいし、直方体又は立方体(ボクセルと呼ばれる場合もある)であってもよい。各セグメントの大きさは、互いに同一であってもよいし、異なってもよい。図12に示す本例では、点群データを、セグメントとして多数の球で分割する。各球の大きさは互いに同一としている(すなわち、半径rの球)。例えば、点群データのうちの特定の注目点を定め、その注目点を中心とする半径rの球を1つのセグメントとすることができる。注目点は、点群データの点の中から、任意に設定することができる。別の例では、点群データのうちの特定の注目点を定め、その注目点の周囲にある所定個数(例えば、30個)の点を1つのセグメントとすることもできる。
【0034】
なお、注目点は、点群データのすべての点としてもよい。あるいは、注目点については、点群データからランダムに抽出された1つの点と、その抽出された点から所定距離だけ離れた点を順次抽出してもよい。
【0035】
図12の例では、点群データのすべての点が、各セグメントに含まれるように分割したが、1つ以上の不要な点が、いずれのセグメントにも含まれないように分割してもよい。
【0036】
セグメントごとに、測定地点から測定対象物内の測定点までの距離の分布をとり、外れ値を除外する。図12の下部のグラフは、ある1つのセグメントの距離の分布を示す。このグラフでは、横軸が距離を示し、縦軸が点の数を示す。このように得られた分布から、平均値と分散を算出し、平均値からの所定閾値(例えば、分散の正の平方根(標準偏差σの整数倍、すなわち、σ、2σ、3σなど)を超える測定データを得られた点群データから除去することができる。
【0037】
すべてのセグメントに対して、それぞれ、分布をとり、外れ値を除外することで、センサを移動した場合であっても、不要な測定データを除去した最適な点群データを得ることができる。点群データから、距離が長いデータおよび距離が短いデータを除去することで、図6で示したような、ばらつきを抑えたデータを得ることができる。さらに、例えば、図7の例の場合、測定対象物の内壁6a、6bと、穴になっている内壁6bをそれぞれ、別々のセグメントに分割し、セグメントごとに、測定地点と各点との距離の分布を算出する。こうすることで、固定閾値によるフィルタリングのように穴になっている内壁6bに関する測定データが一律に除去されることを防止することができる。このように、セグメントの大きさは、測定対象物の中に存在しうる注目箇所(例えば、凹み、穴など)を考慮して設定することができる。また、不要な測定データを除去した最適な点群データに基づく輝度値から、トンネルの内壁のひびを検知することもできる。
【0038】
なお、図13の例では、すべてのセグメントについて、分布をとり、外れ値を除外したが、必ずしもすべてのセグメントの分布を取らなくてもよい。また、上記の例では、3つの測定地点で測定データを取得したが、4つ以上の測定地点で測定データを取得する場合もある。
【0039】
次に、図13および図14を参照して、入射角の分布を得る例を説明する。
距離の分布の算出の例と同様に、図13に示すように、各測定地点で取得された測定データを結合すると、測定開始地点を原点とする点群データが得られる。次に、各点について、測定地点からのレーザの入射角を算出する。ここで、図14を参照してレーザの入射角の算出方法を説明する。
【0040】
図14は、レーザの入射角の算出例を説明する図である。
点群データから入射角を求めたい点(注目点)を決定する。注目点から半径rの球に含まれる点群データから、レーザの入射面を推定する。推定された面が曲面である場合、曲面と注目点が接する平面を入射面として推定することができる。最後に、推定した面と、測定地点から注目点を結ぶベクトルのなす角を算出する。このように、多数の点について入射角を算出することができる。
【0041】
再び、図13に戻って、入射角の分布を得る説明を継続する。各点について、測定地点からの入射角を算出する。この際、点群データは、各点がどの測定地点からのレーザにより得られたものかを識別する情報を有することができる。例えば、点群データは、取得した時刻を含み、予め定められた経路と、時刻を照らして、各点がどの測定位置(図11では、測定地点A,B,C)で得られたものかを認識することができる。
【0042】
次に、前述したように、測定対象物についての点群データを、小さなセグメントごとに分割する。セグメントごとに、測定地点から測定点までの入射角の分布をとり、外れ値を除外する。前述したように、このように得られた分布から、平均値からの所定閾値(例えば、標準偏差σ、2σ、3σなど)を超えるものを除去することができる。すべてのセグメントに対して、それぞれ、分布をとり、外れ値を除外することで、センサを移動した場合であっても、不要なデータを除去した最適な点群データを得ることができる。例えば、入射角が著しく大きいデータ、および入射角が著しく小さいデータを除去することで、図6に示したような、ばらつきを抑制した点群データを得ることができる。さらに、例えば、図9の例の場合、内壁6dと斜面6eは、それぞれ、別々のセグメントに分割し、セグメントごとに、測定地点と各点との入射角の分布を算出する。こうすることで、固定閾値によるフィルタリングのように斜面になっている内壁6eに関する測定データが一律に除去されることを防止することができる。
【0043】
図15は、実施形態2にかかる情報処理装置100の構成を示すブロック図である。
本実施の形態にかかる情報処理装置100は、移動体に搭載されたセンサが取得した点群データを分析するコンピュータにより実現され得る。情報処理装置100は、通常、移動体とは異なる場所にあるコンピュータであるが、移動体に搭載されたコンピュータであってもよい。情報処理装置100は、実施形態1の情報処理装置100と同一の構成要素は、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0044】
情報処理装置100の分布算出部140は、距離分布算出部141と、面推定部142と、入射角分布算出部143と、を更に備える。距離分布算出部141は、図11および図12を用いて説明したように、各セグメント内の点群データについての距離の分布を算出する。面推定部142は、図14を用いて説明したように、注目点の周辺にある複数の点の距離のデータから、面を推定する。入射角分布算出部143は、図13を用いて説明したように、各セグメント内の点群データについての入射角の分布を算出する。
【0045】
さらに、本実施形態にかかる除去部150は、距離の分布に基づいて、セグメント内の点群データから外れ値を除去する。それに加えて、又はそれに代えて、除去部150は、入射角の分布に基づいて、セグメント内の点群データから外れ値を除去する。
【0046】
以上説明した実施形態2にかかる情報処理装置および方法は、センサを移動して測定された点群データから、本来必要なデータを除去せずに不要なデータを除去することができる。さらに、得られた距離分布と入射角分布に基づいて、不要なデータを除去することで、より一層、適切な点群データを得ることができる。
【0047】
<実施形態3>
図16は、実施形態3にかかる情報処理システムの構成を示すブロック図である。
情報処理システム(測定システムとも呼ばれる)は、経路に沿ってセンサを移動させながら、測定対象物6に対して当該センサ5からレーザを照射して、当該センサ5が反射光を受けとることによって、センサ5から前記測定対象物6までの距離を測定する。
【0048】
情報処理システムは、前述した情報処理装置100と、測定対象物を測定する移動可能なセンサと、を備える。情報処理装置100は、例えば、移動体に搭載され、センサ5を含んで一体に構成されてもよい。この場合、情報処理装置100は、センサで得られた点群データから不要なデータを除去することができる。さらに、情報処理装置100は、無線通信部を有し、無線通信ネットワークを介して、外部の装置に、不要なデータが除去された点群データを送信することができる。こうすることで、通信トラフィックを抑制することができる。
【0049】
あるいは、情報処理装置100は、センサ5を搭載した移動体とは、別体として構成されてもよい。この場合、情報処理装置100は、通信部を有し、有線又は無線通信ネットワークを介して、点群データを受信して、上記した情報処理方法を実行するプログラムを記憶してもよい。
【0050】
図17は、情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。図17を参照すると、情報処理装置100は、ネットワーク・インターフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワーク・インターフェース1201は、通信システムを構成する他のネットワークノード装置と通信するために使用される。ネットワーク・インターフェース1201は、無線通信を行うために使用されてもよい。例えば、ネットワーク・インターフェース1201は、IEEE 802.11 seriesにおいて規定された無線LAN通信、もしくは3GPP(3rd Generation Partnership Project)において規定されたモバイル通信を行うために使用されてもよい。もしくは、ネットワーク・インターフェース1201は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0051】
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートもしくはシーケンスを用いて説明された情報処理装置100の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0052】
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
【0053】
図17の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された情報処理装置100の処理を行うことができる。
【0054】
図17を用いて説明したように、情報処理装置100等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
【0055】
<その他の実施形態>
尚、上述の実施形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0056】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0057】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0058】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
経路に沿った第1測定地点におけるセンサと測定対象物との距離を示す第1点群データを取得する第1取得部と、
前記経路に沿った前記第1測定地点とは異なる第2測定地点におけるセンサと前記測定対象物との距離を示す第2点群データを取得する第2取得部と、
前記第1点群データと前記第2点群データを含む点群データを1つ又は複数のセグメントに分割する分割部と、
前記セグメント内の前記点群データについての分布を算出する分布算出部と、
前記分布に基づいて、前記セグメント内の前記点群データから外れ値を除去する除去部と、
を備える、情報処理装置。
(付記2)
前記分布算出部は、前記セグメント内の前記点群データについての距離の分布を算出する距離分布算出部を更に備える、付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記分布算出部は、前記セグメント内の前記点群データから面を推定する面推定部と、
前記セグメント内の前記点群データについての、前記推定された面への入射角の分布を算出する入射角分布算出部と、を更に備える、付記1又は2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記セグメントは、所定の大きさの球、又は所定の大きさのボクセルである、付記1に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記点群データは、輝度値を含む、付記1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記6)
経路に沿ってセンサを移動させながら、測定対象物に対して当該センサからレーザを照射して、当該センサが反射光を受けとることによって、前記センサから前記測定対象物までの距離を測定した点群データを取得するセンサと、
前記経路に沿った第1測定地点における前記センサと前記測定対象物との距離を示す第1点群データを取得する第1取得部と、
前記経路に沿った前記第1測定地点とは異なる第2測定地点における前記センサと前記測定対象物との距離を示す第2点群データを取得する第2取得部と、
前記第1点群データと前記第2点群データを含む点群データを複数のセグメントに分割する分割部と、
前記セグメント内の前記点群データについての分布を算出する分布算出部と、
前記分布に基づいて、前記セグメント内の前記点群データから外れ値を除去する除去部と、
を備える、情報処理システム。
(付記7)
前記センサを搭載する移動体と、を更に備える、付記6に記載の情報処理システム。
(付記8)
前記センサと、前記第1取得部おおび前記第2取得部は、無線通信ネットワークを介して、点群データを通信可能に接続されている、付記6又は7に記載の情報処理システム。
(付記9)
経路に沿った第1測定地点におけるセンサと測定対象物との距離を示す第1点群データを取得し、
前記経路に沿った前記第1測定地点とは異なる第2測定地点におけるセンサと前記測定対象物との距離を示す第2点群データを取得し、
前記第1点群データと前記第2点群データを含む点群データを1つ又は複数のセグメントに分割し、
前記セグメント内の前記点群データについての分布を算出し、
前記分布に基づいて、前記セグメント内の前記点群データから外れ値を除去する、
情報処理方法。
(付記10)
経路に沿った第1測定地点におけるセンサと測定対象物との距離を示す第1点群データを取得する処理と、
前記経路に沿った前記第1測定地点とは異なる第2測定地点におけるセンサと前記測定対象物との距離を示す第2点群データを取得する処理と、
前記第1点群データと前記第2点群データを含む点群データを1つ又は複数のセグメントに分割する処理と、
前記セグメント内の前記点群データについての分布を算出する処理と、
前記分布に基づいて、前記セグメント内の前記点群データから外れ値を除去する処理と、をコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体。
【0059】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0060】
1 情報処理システム
2 移動体
5 センサ
6 測定対象物
8 レーザ
100 情報処理装置
110 第1取得部
120 第2取得部
130 分割部
140 分布算出部
141 距離分布算出部
142 面推定部
143 入射角分布算出部
150 除去部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17