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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】収穫作業機
(51)【国際特許分類】
   A01D 67/00 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
A01D67/00 L
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023055194
(22)【出願日】2023-03-30
(65)【公開番号】P2024142840
(43)【公開日】2024-10-11
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 学
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 雅一
(72)【発明者】
【氏名】古川 博司
(72)【発明者】
【氏名】玉田 晋太郎
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-135792(JP,A)
【文献】特開2021-153415(JP,A)
【文献】特開平09-163817(JP,A)
【文献】特開2010-220480(JP,A)
【文献】実開平06-017443(JP,U)
【文献】実開昭52-142131(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/00 - 47/00
A01D 67/00 - 69/12
A01F 12/00 - 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行支持フレーム(1)の下方に走行装置(2)を設け、走行装置(2)の前方に圃場の作物を収穫する収穫装置(4)を設け、収穫装置(4)の後方で走行支持フレーム(1)の上方には収穫装置(4)で収穫した作物を調製処理する調整装置(3)を設け、調整装置(3)の近傍に収穫物を回収する回収部(5)を設け、前記走行支持フレーム(1)の上方所定位置には、前記走行装置(2)と収穫装置(4)と調整装置(3)等を駆動するアクチュエータ(10)を設け、このアクチュエータ(10)に給電するバッテリー(11)を備える収穫作業機において、搭載したバッテリー(11)の位置を移動させて重心を変更するバッテリ移動台(12)を設け、バッテリ移動台(12)は、走行装置(2)を支持する走行支持フレーム(1)が形成する空間部(13)内に、前後または左右方向に移動可能に配置されることを特徴とする収穫作業機。
【請求項2】
前記収穫装置(4)は機体左右一側寄りに配置し、前記回収部(5)は機体左右他側寄りに配置し、収穫物を回収し収容する回収部(5)に、収穫物の収容量を検出する収量センサ(15)を設け、収量センサ(15)が回収部(5)の所定量以上の収穫物の収容を検出すると、回収部(5)を備える側に重量バランスが偏っていると判定し、バッテリ移動台(12)を移動させることを特徴とする請求項1に記載の収穫作業機。
【請求項3】
バッテリ移動台(12)は、移動アクチュエータ(16)を備えると共に、バッテリ移動台(12)の移動をアシストすると共にズレやメカロックを防止する移動ガイド体(17)を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の収穫作業機。
【請求項4】
移動アクチュエータ(16)は、バッテリ移動台(12)を機体左右方向に移動させる配置とし、走行支持フレーム(1)上に左右の左右傾斜センサ(20)を各々設け、左右の左右傾斜センサ(20)のうち、より上方に検知された側にバッテリ移動台(12)を移動させるように移動アクチュエータ(16)を作動させる構成としたことを特徴とする請求項3に記載の収穫作業機。
【請求項5】
移動アクチュエータ(16)は、バッテリ移動台(12)を機体前後方向に移動させる配置とし、走行支持フレーム(1)の左右中央部で且つ機体後方寄りに前後傾斜センサ(21)を設け、前後傾斜センサ(21)の検出角度に合わせて移動アクチュエータ(16)を作動させる構成としたことを特徴とする請求項3に記載の収穫作業機。
【請求項6】
移動アクチュエータ(16)は、バッテリ移動台(12)を左右方向に移動させる左右移動アクチュエータ(16A)と、バッテリ移動台(12)を前後方向に移動させる前後移動アクチュエータ(16B)を各々設け、バッテリ移動台(12)は、左右移動アクチュエータ(16A)の作動により左右に移動する左右ラック機構(22)と、前後移動アクチュエータ(16B)の作動により前後に移動する前後ラック機構(23)を備え、収穫装置(4)の前側で機体上下位置変更可能に設けられる収穫装置(4A)の上下位置を検出する上下検知部材(24)と、左右の左右傾斜センサ(20)及び前後傾斜センサ(21)を設け、上下検知部材(24)が、収穫装置(4A)が上昇位置にあると判定したときや、前後傾斜センサ(21)が機体の前後傾斜を検出したときには、前後移動アクチュエータ(16)を作動させ、収量センサ(15)が穀物の一定以上の収容を検出したときや、左右の左右傾斜センサ(20)が機体の左右傾斜を検出したときには、左右移動アクチュエータ(16A)を作動させることを特徴とする請求項3に記載の収穫作業機。
【請求項7】
回収部(5)にサブバッテリー(11A)を備え、回収部(5)は機体左右一側に着脱可能な構成とし、回収部(5)には、電池残量を示す表示部(26)を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の収穫作業機。
【請求項8】
収穫作業機の走行支持フレーム(1)の下方に走行装置(2)を設け、走行装置(2)の前方に圃場の作物を収穫する収穫装置(4)を設け、収穫装置(4)の後方で走行支持フレーム(1)の上方には収穫装置(4)で収穫した作物を調製処理する調整装置(3)を設け、調整装置(3)の近傍に収穫物を回収する回収部(5)を設け、前記走行支持フレーム(1)は、前後方向の前後フレーム(28)と左右方向の左右フレーム(29)を複数有して構成し、前記走行装置(2)と収穫装置(4)と調整装置(3)等の各部を駆動するアクチュエータ(10)に給電するバッテリー(11)を、前記走行支持フレーム(1)の複数ある前後フレーム(28)のうちの左右両外側に配置した前後フレーム(28A)間であって、前記調整装置(3)と回収部(5)の下方位置を、左右方向に移動自在に設けたことを特徴とする収穫作業機。
【請求項9】
前記走行支持フレーム(1)の所定の前後一対の左右フレーム(29)は、断面「コ」型形状に形成して移動溝(30)を設け、前後一対の左右フレーム(29)の各移動溝(30)は相対峙させて配置し、移動溝(30)にはバッテリー(11)のバッテリ移動台(12)の前後両側にそれぞれ設けたロ-ラ(31)を転動自在に嵌合させたことを特徴とする請求項8に記載の収穫作業機。
【請求項10】
バッテリー(11)およびバッテリ移動台(12)の上面は、左右フレーム(29)の上面と同じか下方に配置したことを特徴とする請求項9に記載の収穫作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行装置と収穫装置と調整装置と回収部を備えた収穫作業機に係るものである。
【背景技術】
【0002】
先行特許文献1に示すコンバインには、電装系の電源となるバッテリーを、充電や交換のための着脱が容易である位置に配置することで、充電や交換作業に要する時間や労力を軽減するものが示されている。
また、先行特許文献2に示すコンバインには、機体の一部、または全体の駆動源である電動モータを含めての電源となるバッテリーを備え、電動モータ等が過負荷で故障することを防止すべく、通電を制御するものが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-65505号公報
【文献】特開2020-99218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の収穫作業機では完全に平坦にはなり得ない圃場内での作業走行が強いられ、作業走行をする際、機体は地面に合わせて前後または左右に傾斜することがある。また、穀稈の収穫作業中は、グレンタンク内に穀粒が逐次回収されるので、重量バランスが機体左右一側、さらには後方寄りになることがある。
左右方向の傾斜では、機体の進路がズレて刈り残される作物が発生すると共に、機体左右方向で穀稈の刈り高さが異なり、一方では切り株が走行を妨げ得る高さで残ると共に、他方では分草体等が地面に接近し過ぎて、地面との接触で汚れる、あるいは破損する問題が生じる。
前後方向の傾斜では、穀稈の刈り高さが高くなれば走行に支障がでる丈の高い切株が圃場に残され、低くなると刈刃や分草体が地面にめり込み、破損する問題がある。
上記の先行特許文献では、作業者の搭乗が前提であり、機体バランスの偏りは作業者の操作によってある程度補助できるためか、機体のバランスを自動的に安定させる構成は開示されていない。
上記の問題は、有人機では大きな問題ではないかもしれないが、ロボットコンバインを実現するにあたっては、頻繁に警告やエラーを発信することになり、ロボット化によりかえって作業精度を低下させると共に、作業に要する人的な労力の削減に繋がらなくなる問題がある。
本願は、圃場内での収穫作業機の走行および作業の安定化を図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、走行支持フレーム1の下方に走行装置2を設け、走行装置2の前方に圃場の作物を収穫する収穫装置4を設け、収穫装置4の後方で走行支持フレーム1の上方には収穫装置4で収穫した作物を調製処理する調整装置3を設け、調整装置3の近傍に収穫物を回収する回収部5を設け、前記走行支持フレーム1の上方所定位置には、前記走行装置2と収穫装置4と調整装置3等を駆動するアクチュエータ10を設け、このアクチュエータ10に給電するバッテリー11を備える収穫作業機において、搭載したバッテリー11の位置を移動させて重心を変更するバッテリ移動台12を設け、バッテリ移動台12は、走行装置2を支持する走行支持フレーム1が形成する空間部13内に、前後または左右方向に移動可能に配置されることを特徴とする収穫作業機としたものである。
請求項2の発明は、前記収穫装置4は機体左右一側寄りに配置し、前記回収部5は機体左右他側寄りに配置し、収穫物を回収し収容する回収部5に、収穫物の収容量を検出する収量センサ15を設け、収量センサ15が回収部5の所定量以上の収穫物の収容を検出すると、回収部5を備える側に重量バランスが偏っていると判定し、バッテリ移動台12を移動させることを特徴とする請求項1に記載の収穫作業機としたものである。
請求項3の発明は、バッテリ移動台12は、移動アクチュエータ16を備えると共に、バッテリ移動台12の移動をアシストすると共にズレやメカロックを防止する移動ガイド体17を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の収穫作業機としたものである。
請求項4の発明は、移動アクチュエータ16は、バッテリ移動台12を機体左右方向に移動させる配置とし、走行支持フレーム1上に左右の左右傾斜センサ20を各々設け、左右の左右傾斜センサ20のうち、より上方に検知された側にバッテリ移動台12を移動させるように移動アクチュエータ16を作動させる構成としたことを特徴とする請求項3に記載の収穫作業機としたものである。
請求項5の発明は、移動アクチュエータ16は、バッテリ移動台12を機体前後方向に移動させる配置とし、走行支持フレーム1の左右中央部で且つ機体後方寄りに前後傾斜センサ21を設け、前後傾斜センサ21の検出角度に合わせて移動アクチュエータ16を作動させる構成としたことを特徴とする請求項3に記載の収穫作業機としたものである。
請求項6の発明は、移動アクチュエータ16は、バッテリ移動台12を左右方向に移動させる左右移動アクチュエータ16Aと、バッテリ移動台12を前後方向に移動させる前後移動アクチュエータ16Bを各々設け、バッテリ移動台12は、左右移動アクチュエータ16Aの作動により左右に移動する左右ラック機構22と、前後移動アクチュエータ16Bの作動により前後に移動する前後ラック機構23を備え、収穫装置4の前側で機体上下位置変更可能に設けられる収穫装置4Aの上下位置を検出する上下検知部材24と、左右の左右傾斜センサ20及び前後傾斜センサ21を設け、上下検知部材24が、収穫装置4Aが上昇位置にあると判定したときや、前後傾斜センサ21が機体の前後傾斜を検出したときには、前後移動アクチュエータ16を作動させ、収量センサ15が穀物の一定以上の収容を検出したときや、左右の左右傾斜センサ20が機体の左右傾斜を検出したときには、左右移動アクチュエータ16Aを作動させることを特徴とする請求項3に記載の収穫作業機としたものである。
請求項7の発明は、回収部5にサブバッテリー11Aを備え、回収部5は機体左右一側に着脱可能な構成とし、回収部5には、電池残量を示す表示部26を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の収穫作業機としたものである。
請求項8の発明は、収穫作業機の走行支持フレーム1の下方に走行装置2を設け、走行装置2の前方に圃場の作物を収穫する収穫装置4を設け、収穫装置4の後方で走行支持フレーム1の上方には収穫装置4で収穫した作物を調製処理する調整装置3を設け、調整装置3の近傍に収穫物を回収する回収部5を設け、前記走行支持フレーム1は、前後方向の前後フレーム28と左右方向の左右フレーム29を複数有して構成し、前記走行装置2と収穫装置4と調整装置3等の各部を駆動するアクチュエータ10に給電するバッテリー11を、前記走行支持フレーム1の複数ある前後フレーム28のうちの左右両外側に配置した前後フレーム28A間であって、前記調整装置3と回収部5の下方位置を、左右方向に移動自在に設けたことを特徴とする収穫作業機としたものである。
請求項9の発明は、前記走行支持フレーム1の所定の前後一対の左右フレーム29は、断面「コ」型形状に形成して移動溝30を設け、前後一対の左右フレーム29の各移動溝30は相対峙させて配置し、移動溝30にはバッテリー11のバッテリ移動台12の前後両側にそれぞれ設けたロ-ラ31を転動自在に嵌合させたことを特徴とする収穫作業機としたものである。
請求項10の発明は、バッテリー11およびバッテリ移動台12の上面は、左右フレーム29の上面と同じか下方に配置したことを特徴とする収穫作業機としたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、走行装置2と収穫装置4と調整装置3と回収部5を有し、前記走行装置2と収穫装置4と調整装置3等の各部をアクチュエータ10で駆動し、アクチュエータ10にバッテリー11から給電する構成とし、積載したバッテリー11の位置を移動させて重心位置を変更するバッテリ移動台12を設け、バッテリ移動台12は、走行装置走行装置2を支持する走行支持フレーム1が形成する空間部13内に、前後または左右方向に移動可能に配置しているので、バッテリ移動台12を前後、左右方向に移動可能に設けることにより、圃場の傾斜や収穫物の回収量により機体のバランスが崩れても、バッテリ移動台12を移動させて安定状態を保たせることができ、作物の刈取ミス(進路ズレによる刈り残しや、刈高さが乱れて丈の高い切株が圃場に残される、等)の発生が防止することができ、また、走行支持フレーム1が形成する空間部13内にバッテリ移動台12を配置することにより、移動するバッテリー11が収穫装置4や回収部5等に接触することを防止できると共に、バッテリー11が機体の前後または左右に偏った位置に移動することを防止できる。
請求項2の発明では、収穫装置4は(大部分を)機体左右一側寄りに配置し、回収部5は機体左右他側寄りに配置し、収穫物を回収し収容する回収部5に、収穫物の収容量を検出する収量センサ15を設け、収量センサ15が回収部5の所定量以上の収穫物の収容を検出すると、回収部5を備える側に重量バランスが偏っていると判定し、バッテリ移動台12を移動させるので、回収部5を備える側に重量バランスが偏ることを防止でき、機体の進行方向にズレが生じることや、機体が左右傾斜して収穫物の収穫高さが機体左右で異なることが防止することができる。
請求項3の発明では、バッテリ移動台12は、(前後・左右の何れか一辺に)移動アクチュエータ16を備えると共に、バッテリ移動台12の移動をアシストすると共にズレやメカロックを防止する移動ガイド体17を設けているので、移動ガイド体17により、バッテリ移動台12の姿勢が移動中に乱れて定位置からズレた状態で停止することを防止でき、バッテリー11位置がズレて重量バランスが不安定なまま作業が継続されることが防止される。
バッテリ移動台12が移動経路に引っ掛かり、進退できなくなることが防止されるので、バッテリ移動台12の位置修正のために作業者が圃場に呼ばれる頻度を抑えることができる。
請求項4の発明では、移動アクチュエータ16は、バッテリ移動台12を機体左右方向に移動させる配置とし、走行支持フレーム1上に左右の左右傾斜センサ20を各々設け、左右の左右傾斜センサ20のうち、より上方に検知された側にバッテリ移動台12を移動させるように移動アクチュエータ16を作動させる構成としているので、収穫物の重量による重量バランスの変動だけでなく、圃場の傾斜等により機体の重量バランスが乱れたときにも、バッテリ移動台12が自動的に移動して重量バランスの改善が図られるので、走行姿勢がズレて収穫物を刈り損なうことを防止できる。
左右の左右傾斜センサ20の検出値を用いることにより、傾斜方向の変動にも素早く対応できると共に、バッテリ移動台12の移動量の適正化が図られる。
請求項5の発明では、移動アクチュエータ16は、バッテリ移動台12を機体前後方向に移動させる配置とし、走行支持フレーム1の左右中央部で且つ機体後方寄りに前後傾斜センサ21を設け、前後傾斜センサ21の検出角度に合わせて移動アクチュエータ16を作動させるので、機体前後方向の傾斜角度に合わせてバッテリ移動台12を機体の前側または後側に移動させることにより、機体前側が浮き上がり、収穫物の収穫高さ(刈取高さ)が高くなることを防止できる。これにより、丈の長い切株が圃場に残りにくく、切株を踏むことで走行が妨げられることが防止される。
あるいは、機体前側が地面に沈み込み、収穫装置4の前部が圃場面と接触して破損することを防止できる。
なお、破損しないまでも、収穫物の収穫作業高さが低過ぎ、収穫物を刈らずに引き抜き、形の太い株元が搬送経路に詰まり、作業が中断されることを防止できる。
請求項6の発明では、移動アクチュエータ16は、バッテリ移動台12を左右方向に移動させる左右移動アクチュエータ16Aと、バッテリ移動台12を前後方向に移動させる前後移動アクチュエータ16Bを各々設け、バッテリ移動台12は、左右移動アクチュエータ16の作動により左右に移動する左右ラック機構22と、前後移動アクチュエータ16の作動により前後に移動する前後ラック機構23を備え、収穫装置4の前側で機体上下位置変更可能に設けられる収穫装置4Aの上下位置を検出する上下検知部材24と、左右の左右傾斜センサ20及び前後傾斜センサ21を設け、上下検知部材24が、収穫装置4Aが上昇位置にあると判定したときや、前後傾斜センサ21が機体の前後傾斜を検出したときには、前後移動アクチュエータ16を作動させ、収量センサ15が穀物の一定以上の収容を検出したときや、左右の左右傾斜センサ20が機体の左右傾斜を検出したときには、左右移動アクチュエータ16を作動させるので、機体の傾斜や、センサ系統の検出によりバッテリー11載置台を前後及び左右に移動可能に構成したことにより、進行方向のズレや収穫物の収穫高さのズレの発生を抑えられるので、後工程でやり直しの必要のない能率のよい作業が可能になる。
請求項7の発明では、回収部5にサブバッテリー11Aを備え、回収部5は機体左右一側に着脱可能な構成とし、回収部5には、電池残量を示す表示部26を設けているので、回収部5にサブバッテリー11Aの機能を備えることで、電源容量を増やすことができ、稼働時間の延長が図られる。
回収部5を着脱自在としたことにより、サブバッテリー11Aの残量が少ないときに収穫物の収容量が満杯であれば、サブバッテリー11Aは充電され、且つ収穫物の入っていない回収部5と取り換えることができるので、能率よく稼働時間の延長を図ることができる。
電池残量が表示されることにより、おおよそどの程度の作業時間が残っているかを判断できるので、回収部5の交換時期を想定しやすく、電池切れで停止してしまい、作業が中断されることが防止される。
請求項8の発明では、走行支持フレーム1は、前後方向の前後フレーム28と左右方向の左右フレーム29を複数有して構成し、前記走行装置2と収穫装置4と調整装置3等の各部を駆動するアクチュエータ10に給電するバッテリー11を、走行支持フレーム1の複数ある前後フレーム28のうちの左右両外側に配置した前後フレーム28A間であって、前記調整装置3と回収部5の下方位置を、左右方向に移動自在に設けているので、調整装置3と回収部5の下方を広くバッテリー11が左右に移動させることができ、バッテリー11の移動量を広くでき、重量バランスの修正を容易に行える。
請求項9の発明では、走行支持フレーム1の前後一対の左右フレーム29は、断面「コ」型形状に形成して移動溝30を設け、前後一対の左右フレーム29の各移動溝30は相対峙させて配置し、移動溝30にはバッテリー11のバッテリ移動台12の前後両側にそれぞれ設けたロ-ラ31を転動自在に嵌合させているので、バッテリー11を走行支持フレーム1の上下幅を利用して設置でき、調整装置3および回収部5と走行装置2との間のスペースを有効利用してバッテリー11を設置できる。
請求項10の発明では、バッテリー11およびバッテリ移動台12の上面は、左右フレーム29の上面と同じか下方に配置したので、バッテリー11を走行支持フレーム1の上下幅を利用して設置でき、調整装置3および回収部5と走行装置2との間のスペースを有効利用してバッテリー11を設置できると共に、バッテリー11の移動と走行装置2との干渉を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】収穫作業機の側面図。
図2】同側面図。
図3】収穫装置と走行支持フレームの概略斜視図。
図4】収穫作業機が傾斜した状態説明図。
図5】収穫作業機とバッテリーとの配置の概略説明背面図。
図6】収穫作業機の重量バランスの変化状態を示す概略イメージ説明背面図。
図7】回収装置に満了センサを設けた背面図。
図8】バッテリーの移動構成の一例を示す背面図および移動台の斜視図。
図9】(A)移動台の背面図。 (B)移動台の平面図。
図10】走行支持フレームの平面図。
図11】走行支持フレームの平面図。
図12】走行支持フレームとバッテリーの移動機構の平面図。
図13】走行支持フレームとバッテリーの移動機構の他の実施形態の平面図。
図14】走行支持フレームとバッテリーの移動機構の他の実施形態の平面図。
図15】バッテリーの移動機構の一部拡大図。
図16】走行支持フレームとバッテリーの移動機構の他の実施形態の平面図。
図17】走行支持フレームとバッテリーの移動機構の他の実施形態の平面図。
図18】走行支持フレームとバッテリーの移動機構の他の実施形態の平面図。
図19】走行支持フレームとバッテリーの移動機構の他の実施形態の平面図。
図20】走行支持フレームとバッテリーの移動機構の他の実施形態の平面図。
図21】回収装置の概略背面図。
図22】回収装置の概略背面図。
図23】収穫作業機の側面図。
図24】収穫作業機の他の実施形態側面図。
図25】収穫作業機の他の実施形態概略平面図および概略背面図。
図26】(A)燃料タンクの概略背面図。 (B)燃料タンクの他の実施形態の概略背面図。
図27】走行支持フレームと走行装置の概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の収穫作業機の一実施形態をコンバインの例にて図面により説明するが、収穫作業機は、例えば、にんじん収穫機でもよく、にんじん収穫作業機は、走行支持フレーム1の機体左右一側に、圃場に植生する人参などの根菜類の茎葉部を圃場面から引き起こす、正面視で反時計回り方向に引起しラグを周回させる横引起し装置と、横引起し装置で引き起こした茎葉部を後上方に掻き上げる縦引起し装置と、縦引起し装置が掻き上げて露出させた茎葉部の生え際を左右一対の弾性ベルトで挟持して圃場から引き抜き、機体後方へ搬送する引抜搬送装置を備え、この引抜搬送装置の搬送終端側には、根菜本体の上昇を規制しつつ、茎葉部は引抜搬送装置により更に上方に引っ張られる状態とする肩揃え装置を備え、この肩揃え装置で切断高さに揃えられた根菜から、茎葉部の生え際を狙って切除する茎葉切断刃を設けると共に、茎葉切断刃によって根菜から切り離された茎葉部を機体後方に排出する排葉搬送装置を配置する。
【0009】
そして、引抜搬送装置、肩揃え装置及び茎葉切断刃の下方には、落下する根菜を受けて機体左右一側から左右他側に搬送する残葉処理コンベアを配置し、この残葉処理コンベアには、搬送方向に斜交して独立して回転し、根菜本体に残された茎葉部を回転で引きちぎる残葉処理ローラを設けており、根菜は斜交姿勢の残葉処理ローラに沿って機体前側で且つ機体左右他側に搬送される。このとき、残葉処理ローラに引きちぎられて下方を通過した茎葉部は、残葉処理コンベアの機体他側端部から(圃場に)排出される。
残葉処理コンベアの機体前側には、機体左右一側から左右他側に向かって根菜を搬送し、搬送中の根菜に付着した泥土を振動で落下させつつ、搬送途中で選別作業者が収穫に不適な根菜を目視で除去選別する選別搬送コンベアを配置する。この選別搬送コンベアの搬送終端側は、昇降シリンダによって昇降可能に構成されており、搬送終端部にはフレキシブルコンテナ等の収容部材を吊り下げ、選別搬送コンベアの終端部の上下回動位置と収容部材の落差をできるだけ小さくしつつ、選別搬送コンベアの終端部を上昇させると収容部材が上下方向に伸びて容量が増える構成としている。
【0010】
この収容容器は、選別搬送コンベアの搬送終端側の下方に設けられ、機体左右他側に部分的に突出する支持台に底部を受けられた状態であり、根菜の収穫量が多くなるほど重量が増加し、重量物を四角形状に配置して構成する根菜類収穫機の機体バランスを機体左右他側寄りに偏らせる要因である(一般的に満量時で200kg増加)。
さらには、引抜搬送装置の左右他側で、且つ選別搬送コンベアの機体前方には、機体操縦者が搭乗する作業座席と操縦部が配置され、作業座席の下方にはエンジンや燃料タンク、ラジエータ等の重量物が配置される。
図において、1は収穫作業機の走行支持フレーム(機体フレーム)であり、走行支持フレーム1の下方に走行装置2を設け、走行装置2の前方に圃場の作物を収穫(刈取)する収穫装置(刈取装置)4を設け、収穫装置4の後方で走行支持フレーム1の上方には収穫装置4で収穫した作物を調製処理(脱穀)する調整装置3を設け、調整装置3の近傍に収穫物(穀粒等)を回収する回収部(グレンタンク)5を設け、回収部5と前記調整装置3との間に調整装置3が収穫した収穫物を回収部5に搬送回収する搬送回収部(揚穀螺旋等)7を設ける。6は操縦部、8は回収部5内の収穫物を排出する収穫物排出装置(排出オーガ)である。
【0011】
なお、本発明を説明するにあたり、理解を容易にするため、収穫作業機の前進走行方向を基準に前後・左右・上下等の方向を示して説明することがあるが、これにより、本発明の構成が限定されることはない。
前記走行支持フレーム1の上方所定位置には、前記走行装置2と収穫装置4と調整装置3等を駆動するアクチュエータ(伝導モータ)10を設け、このアクチュエータ10に給電するバッテリー11を備える収穫作業機において、積載(搭載)したバッテリー11の位置を移動させて重心位置を変更するバッテリ移動台12を設け、バッテリ移動台12は、走行装置2を支持する走行支持フレーム1が形成する空間部13内に、前後または左右方向に移動可能に配置される。
また、本実施形態では、従来の駆動源であるエンジンと、エンジンの回転を伝達するミッションケースを除外し、モータとバッテリ、MDUを搭載する構成でよく、また、エンジン、ミッションケースをダウンサイジングし、いくつかのモータを搭載する構成であってもよい。
【0012】
また、いくつかのモータのうち、油圧作動モータは、収穫装置4の昇降シリンダ(図示省略)や、左右走行クローラの対地高さを調節して水平を保つローリングシリンダ46等、油圧系統を作動させる構成としてもよい。
そのため、バッテリ移動台12を前後、左右方向に移動可能に設けることにより、圃場の傾斜や収穫物の回収量により機体のバランスが崩れても、バッテリ移動台12を移動させて安定状態を保たせることができるので、作物の刈取ミス(進路ズレによる刈り残しや、刈高さが乱れて丈の高い切株が圃場に残される、等)の発生が防止される。
走行支持フレーム1が形成する空間部13内にバッテリ移動台12を配置することにより、移動するバッテリー11が収穫装置4や回収部5等に接触することを防止できると共に、バッテリー11が機体の前後または左右に偏った位置に移動することを防止できる。
収穫装置4は、そのほとんどを機体左右一側寄りに配置し、回収部5は機体左右他側寄りに配置し、収穫物を回収し収容する回収部5に、収穫物の収容量を検出する収量センサ(重量測定方式、接触方式、静電気や赤外線の非接触方式)15を設け、収量センサ15が回収部5の所定量以上の収穫物の収容を検出すると、回収部5を備える側に重量バランスが偏っていると判定し、バッテリ移動台12を移動させる構成とする。
【0013】
回収部5の収容量を基準としてバッテリ移動台12を移動させることにより、回収部5を備える側に重量バランスが偏ることを防止できるので、機体の進行方向にズレが生じることや、機体が左右傾斜して収穫物の収穫高さが機体左右で異なることが防止される。
すなわち、収穫作業機は、自律走行あるいは遠隔操作により、機体を無人で走行させて収穫作業を行うことを想定しており、操縦部6に作業者がいればその五感により気付く機体傾斜を収量センサ15により判定して重量バランスを良好にする。
そのため、収穫作業機の機体に操縦部6を設けてもよいが、必ずしも作業者が乗車する必要なく、また、操縦部6の存在は本発明の要件としなくてもよい。
この場合、収量センサ15の構成は任意であり、所謂回収部5の重量を測定する重量測定方式の検出機器や、回収部5内に増加する収穫物に接触して収量を検出する接触方式のの検出機器や、収穫物に静電気や赤外線を照射させて収量を検出する非接触方式の検出機器により構成すればよい。
【0014】
バッテリ移動台12は、前後・左右の何れか一辺に移動アクチュエータ(伝動モータ、油圧またはエアシリンダ等)16を備えると共に、バッテリ移動台12の移動をアシストすると共にズレやメカロックを防止する移動ガイド体(移動ローラ)17を設けた構成とする(図8、9)。
そのため、移動ガイド体17により、バッテリ移動台12の姿勢が移動中に乱れて定位置からズレた状態で停止することを防止できるので、バッテリー11位置がズレて重量バランスが不安定なまま作業が継続されることが防止される。
バッテリ移動台12が移動経路に引っ掛かり、進退できなくなることが防止されるので、バッテリ移動台12の位置修正のために作業者が圃場に呼ばれる頻度を抑えることができる。
移動アクチュエータ16は、バッテリ移動台12を機体左右方向に移動させる配置とし、走行支持フレーム1上に左右方向の傾斜を検知する左右傾斜センサ20を各々設け、左右の左右傾斜センサ20のうち、より上方に検知された側にバッテリ移動台12を移動させるように移動アクチュエータ16を作動させる構成とする。
【0015】
本実施形態のコンバインは、図示は省略するが、走行装置2の左右のクローラを上下させて機体の水平制御を実行するローリング機構を備えているので、基本的に機体の左右に設ける左右傾斜センサの検出値のZ座標を比較すれば、機体左右のどちら側が上方にあるかを検出できる。
収穫物(穀粒K)の重量による重量バランスの変動だけでなく(図6)、圃場の傾斜等により機体の重量バランスが乱れたときにも、バッテリ移動台12が自動的に移動して重量バランスの改善が図られるので、走行姿勢がズレて収穫物を刈り損なうことを防止できる。
左右の左右傾斜センサ20の検出値を用いることにより、傾斜方向の変動にも素早く対応できると共に、バッテリ移動台12の移動量の適正化が図られる。
移動アクチュエータ16は、バッテリ移動台12を機体前後方向に移動させる配置とし、走行支持フレーム1の左右中央部で且つ機体後方寄りに前後傾斜センサ21を設け、前後傾斜センサ21の検出角度に合わせて移動アクチュエータ16を作動させる構成とする。
前後傾斜センサ21は、重力を基準として水平位置からの傾きを測定し、物体の傾斜(角度、勾配など)を検出するセンサの構成としている。
【0016】
そのため、機体前後方向の傾斜角度に合わせてバッテリ移動台12を機体の前側または後側に移動させることにより、機体前側が浮き上がり、収穫物の収穫高さ(刈取高さ)が高くなることを防止できる。これにより、丈の長い切株が圃場に残りにくく、切株を踏むことで走行が妨げられることが防止される。
あるいは、機体前側が地面に沈み込み、収穫装置4の前部が圃場面と接触して破損することを防止できる。
なお、破損しないまでも、収穫物の収穫作業高さが低過ぎ、収穫物を刈らずに引き抜き、形の太い株元が搬送経路に詰まり、作業が中断されることを防止できる。
移動アクチュエータ16は、バッテリ移動台12を左右方向に移動させる左右移動アクチュエータ(左右移動伝動モータ)16Aと、バッテリ移動台12を前後方向に移動させる前後移動アクチュエータ(前後移動伝動モータ)16Bを各々設け、バッテリ移動台12は、左右移動アクチュエータ16の作動により左右に移動する左右ラック機構22と、前後移動アクチュエータ16の作動により前後に移動する前後ラック機構23を備え、機体上下位置変更可能に設けられる収穫装置4の上下位置を検出する上下検知部材(リンクセンサ)24と、左右の左右傾斜センサ20及び前後傾斜センサ21を設け、上下検知部材24が、収穫装置4が上昇位置にあると判定したときや、前後傾斜センサ21が機体の前後傾斜を検出したときには、前後移動アクチュエータ16を作動させ、収量センサ15が穀物の一定以上の収容を検出したときや、左右の左右傾斜センサ20が機体の左右傾斜を検出したときには、左右移動アクチュエータ16を作動させる構成とする。
【0017】
そのため、機体の傾斜や、センサ系統の検出によりバッテリ移動台12を前後及び左右に移動可能に構成したことにより、進行方向のズレや収穫物の収穫高さのズレの発生を抑えられるので、後工程でやり直しの必要のない能率のよい作業が可能になる。
回収部5にサブバッテリー11Aを備え、回収部5は機体左右一側に着脱可能な構成とし、回収部5には、電池残量を示す表示部26を設けた構成とする。
サブバッテリー11Aは、回収部5の表面にバッテリー11を複数装着する構成、あるいは、回収部5の大部分をバッテリー11と同様の構造材で構成する。
そのため、機体に設けたバッテリー11のほかに、回収部5に別途サブバッテリー11Aの機能を備えることで、電源容量を増やすことができ、稼働時間の延長が図られる。
回収部5を着脱自在としたことにより、サブバッテリー11Aの残量が少ないときに収穫物の収容量が満杯であれば、サブバッテリー11Aは充電され、且つ収穫物の入っていない回収部5と取り換えることができるので、能率よく稼働時間の延長を図ることができる。
すなわち、サブバッテリー11Aは充電可能に構成し、回収部5と共に交換すればよい。
表示部26により電池残量が表示されることで、おおよそどの程度の作業時間が残っているかを判断できるので、回収部5の交換時期を想定(判断)しやすく、電池切れで停止してしまい、作業が中断されるという不測の事態発生を防止する。
【0018】
収穫作業機の走行支持フレーム1の下方に走行装置走行装置2を設け、走行装置2の前方に圃場の作物を収穫する収穫装置4を設け、収穫装置4の後方で走行支持フレーム1の上方には収穫装置4で収穫した作物を調製処理する調整装置3を設け、調整装置3の近傍に収穫物を回収する回収部5を設け、前記走行支持フレーム1は、前後方向の前後フレーム28と左右方向の左右フレーム29を複数有して構成し、前記走行装置2と収穫装置4と調整装置3等の各部を駆動するアクチュエータ10に給電するバッテリー11を、前記走行支持フレーム1の複数ある前後フレーム28のうちの左右両外側に配置した前後フレーム28A間であって、前記調整装置3と回収部5の下方位置を、左右方向に移動自在に設けた構成とする。
そのため、調整装置3と回収部5の下方を広くバッテリー11が左右に移動するので、バッテリー11の移動量を広くでき、重量バランスの修正を容易に行える。
【0019】
前記走行支持フレーム1のうちの所定の前後一対の左右フレーム29は、断面「コ」型形状に形成して移動溝30を設け、前後一対の左右フレーム29の各移動溝30は相対峙させて配置し、移動溝30にはバッテリー11のバッテリ移動台12の前後両側にそれぞれ設けたロ-ラ31を転動自在に嵌合させた構成とする(図14、15)。
そのため、バッテリー11を走行支持フレーム1の上下幅を利用して設置でき、調整装置3および回収部5と走行装置2との間のスペースを有効利用してバッテリー11を設置できる。
バッテリー11およびバッテリ移動台12の上面は、左右フレーム29の上面と同じか下方に配置した構成とする。
そのため、バッテリー11を走行支持フレーム1の上下幅を利用して設置でき、調整装置3および回収部5と走行装置2との間のスペースを有効利用してバッテリー11を設置できると共に、バッテリー11の移動と走行装置2との干渉を回避できる。
【0020】
収穫装置4(刈取)・調整装置3(脱穀)・走行装置2・搬送回収部7(収穫物(穀粒)排出)・油圧作動のいづれか、または全主伝動部をアクチュエータ10(モータ27・MDU)で駆動するコンバインとし、アクチュエータ10であるモータ27に電力を供給するバッテリー11は重量物より、その位置を変更することで、機体のバランス修正に用いる構成とする。
バッテリー11(重量物)は走行支持フレーム1上の調整装置3と回収部5の搭載下面寄よりも下方とし、左右のメインビ-ム(前後フレーム28)35の内側エリアで移動させる構成とする。
そのため、電動化による燃料不使用・排気ガス削除による環境改善を図ることができる。
また、振動、騒音低減による長時間作業疲労低減させられる。
すなわち、エンジンは動作原理上駆動音が大きく、また振動も発生し、また、ミッションケースも多数のギア類が噛み合う結果、振動と騒音の発生源となる。
一方、本発明のアクチュエータ(伝動モータ)10は、エンジンやミッションケースに比し作動による振動や騒音は遙かに低減させられ、長時間の作業時でも作業者に余分な疲労や不快感を与えることが防止できる。
【0021】
また、アクチュエータ10により機体各部を駆動するので、エンジン・エンジン補器(ラジエ-タ・エアクリ-ナ・吸気ホース)を削減できる。
また、伝導簡素化による部品点数削減・軽量化を図ることができる。
また、機体バランス改善により突っ込み・旋回不良防止を図ることができる。
また、湿田走破性、トラックへの積み下ろしを改善することができる。
バッテリー11(重量物)は走行フレ-ム走行支持フレーム1の調整装置3(脱穀装置調整装置3・Gタンク回収部5)の搭載下面より下方に位置させ、左右のメインビ-ム35の内側空間部13内を移動させる構成とし、上下方向は前記メインビ-ム35の上面と走行装置2のクロ-ラ34の上面との間に配置する。
そのため、バッテリー11は、調整装置3および回収部5の下面と走行装置2のクロ-ラ34との間であって、調整装置3と回収部5の左右間を移動させることができ、調整装置3と回収部5の下方の空間を有効利用して、機体の重量バランスを良好にできる。
また、機体バランス改善により突っ込み・旋回不良防止を図ることができる。
また、湿田走破性、トラックへの積み下ろしを改善することができる。
【0022】
バッテリー11(重量物)は初期状態は機体右側に配置され、回収部5(グレンタンク)内にモミが入り重くなると、機体左側に移動させ、左右バランスを修正する構成とする(図6)。
そのため、機体バランス改善により突っ込み・旋回不良防止を図ることができる。
また、湿田走破性、トラックへの積み下ろしを改善することができる。
前記回収部5内のモミ量は回収部5内に設置した収量センサ(満量センサ)15の感知(検出)により、バッテリー11(重量物)の位置変化作動させる構成とする(図7)。
そのため、機体の重量バランスの変化を収量センサ15により的確に判定でき、適正に重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができる。
また、湿田走破性、トラックへの積み下ろしを改善することができる。
収量センサ15は、回収部5内に設置した複数の接触式の満量センサ(収量センサ15)36により構成すると共に、満量センサ36は回収部5内の上段位置・中段位置・下段位置の上下3カ所に設けた接触感知式センサにより構成し、各満量センサ36の検出により、バッテリー11の位置変化作動させる(図21)。
【0023】
すなわち、下段位置の満量センサ36が穀粒を検出すると、調整装置3側にバッテリー11を一段移動させ、中段位置の満量センサ36が穀粒を検出すると、回収部5と調整装置3側の中間位置にバッテリー11を移動させ、上段位置の満量センサ36が穀粒を検出すると、調整装置3側にバッテリー11を移動させて、重量バランスを改善する。
前記回収部5内のモミ量は回収部5の底部に設置した重量計37により、バッテリー11(重量物)の位置変化を検出する構成とする(図22)。
すなわち、回収部5の底部に重量計37(ロードセル等、計量装置に用いられる荷重センサ)を設置し、検出される重量に合わせてモータ27(=左右移動アクチュエータ16A)を駆動させ、バッテリ載置台12を機体右側の初期位置から機体左側に移動させることで、機体左右方向の重量バランスを安定させる構成とする。
したがって、重量計37とモータ27(左右移動アクチュエータ16A)を、制御プログラムをインストールした制御装置(コントローラ)に接続し、重量計37の検出値が0kg~x1kg(第1設定重量)未満ではモータ27に信号を発信せず、x1kg以上になると、モータ27を所定時間(例:0.5~1秒)、または左右ラック機構22に設けるストロークセンサ等が所定距離(例:15~20cm)を検出するまで作動させた後、モータ27を停止させ、そして、x2kg(第2設定重量)に到達すると、再度上記処理を行う制御構成としている。
【0024】
そのため、回収部5の重量が増加しても、機体右側に重量バランスが過度に偏りにくくなるので、機体左右方向の重量バランスの変動が抑制される。これにより、機体の地面への突っ込みや旋回不良を防止できると共に、湿田でも機体の沈み込みが均一になるので走破性が低下することが防止されると共に、トラック等への積み下ろし作業時に左右にふらつきが生じにくくなり、作業能率の低下が防止される。
バッテリー11には、走行支持フレーム1と機体横方向に配置したシリンダ39を連結し、収量センサ15等に連動させてバッテリー11の位置変更する構成とする(図18)。
そのため、機体の重量バランスの変化を収量センサ15等によりに判定し、判定結果によりシリンダ39を伸縮させて適正に重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
【0025】
バッテリー11には、走行支持フレーム1と機体横方向に配置した複動油圧シリンダ40を連結し、収量センサ15等に連動させてバッテリー11の位置変更する構成とする(図18)。
そのため、機体の重量バランスの変化を収量センサ15等によりに判定し、判定結果により複動油圧シリンダ40を伸縮させて適正に重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
バッテリー11は、バッテリ移動台12と前後フレーム28とを単動油圧シリンダ41を連結し、収量センサ15等に連動して、単動油圧シリンダ41を作動させてバッテリー11の位置変更する構成とする(図18)。
そのため、機体の重量バランスの変化を収量センサ15等によりに判定し、判定結果により左右の単動油圧シリンダ41の何れかまたは両方を伸縮させて適正に重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
【0026】
バッテリー11には、バッテリ移動台12と走行支持フレーム1の前後フレーム28とを機体横方向に配置した複動空気圧シリンダ42で連結し、収量センサ15等に連動して、複動空気圧シリンダ42を作動させてバッテリー11の位置変更する構成とする(図18)。
そのため、機体の重量バランスの変化を収量センサ15等によりに判定し、判定結果により複動空気圧シリンダ42を伸縮させて適正に重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
バッテリー11は、バッテリ移動台12と走行支持フレーム1の前後フレーム28とを単動空気圧シリンダ43で連結し、収量センサ15等に連動して、単動空気圧シリンダ43の何れか一方または両方を作動させてバッテリー11の位置変更する構成とする。
そのため、機体の重量バランスの変化を収量センサ15等によりに判定し、判定結果により左右の単動空気圧シリンダ43の何れかまたは両方を伸縮させて適正に重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
【0027】
バッテリー11のバッテリ移動台12は、走行支持フレーム1に移動用のロ-ラ31で移動自在に保持される構成とする(図15)。
そのため、機体の重量バランスの変化を収量センサ15等によりに判定し、判定結果によりアクチュエータ10を作動させてバッテリ移動台12を左右方向に移動させて適正に重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
また、バッテリー11を移動させるモーターは、所謂スクリュ-モータと称されているものでもよい。
バッテリー11(重量物)は走行支持フレーム1の左右に設置した左右傾斜センサ20により、傾斜と相対する側に移動し、左右バランスを修正する構成とする(図10)。
そのため、バッテリー11を左右方向に移動させて適正に重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
【0028】
バッテリー11(重量物)は走行支持フレーム1の左右両側に設置したローリングシリンダ46の張出量により、傾斜と相対する側に移動し、左右バランスを修正する構成とする(図20)。
そのため、ローリングシリンダ46により機体の左右方向の傾斜を修正する左右水平制御を行いつつ、バッテリー11を左右方向に移動させて適正に重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
すなわち、ローリングシリンダ46,46の伸縮により水平状態の機体を左右傾斜させ、バッテリー11の重量により載置台12を自然に移動させる構成とし、その際、ローラ17(または31)は、トルクバネ等を軸に噛ませて回転に高いトルクが必要(回りにくい構造)とし、多少の機体傾斜ではバッテリー11は移動しないが、所定角度以上に傾斜すると回転よりもスライドで移動し、大きく傾斜させるとローラ17(31)の回転で移動する構成としている。
【0029】
回収部5内のモミの量の増加で機体重量バランスが偏っていくので、移動の大部分は載置台12のスライドにより移動する。
一方のローリングシリンダ46を最大限伸ばしてクローラのトラックフレーム46Fを低位置に、他方のローリングシリンダ46を最大限縮めてクローラのトラックフレーム46Fを高位置とすることで、バッテリ載置台12を重力により低位側に移動させる(図20)。
バッテリー11の配置位置により、機体が前後傾斜した際に前後傾斜姿勢から水平姿勢に戻るまで余分に時間を要し、これにより、収穫装置4が必要以上に上昇状態となって、穀稈の刈取位置が高くなり、走行時に邪魔になる程の高い刈り株が残されることがあり、反対に、収穫装置4が前下がり状態の場合では、収穫装置4の先端の分草杆が圃場に刺さり、変形して十分な穀稈の引起しができず、刈り残しが発生する。
そこで、バッテリー11(重量物)は初期状態は、前後方向の機体中央重心部に配置され、機体傾斜が変化すると、バッテリー11を機体前後方向に移動させ、前後重量バランスを修正する構成とする(図13)。
【0030】
そのため、バッテリー11を前後方向に移動させて適正に重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
走行支持フレーム1の前後に設置した前後傾斜センサ21により機体傾斜方向を検出し、この判定に基づいて傾斜方向と相対する側にバッテリー11を移動させ、機体の前後重量バランスを修正する構成とする(図11)。
そのため、バッテリー11を前後方向に移動させて適正に重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
バッテリー11(重量物)は走行支持フレーム1と走行装置2との間に設置した機体の水平制御するために設けた左右のピッチングシリンダ47の伸縮により、前後傾斜方向と反対側に移動し、機体の前後重量バランスを修正する構成とする(図20)。
【0031】
そのため、ピッチングシリンダ47により機体の前後方向の傾斜を修正する前後水平制御を行いつつ、バッテリー11を前後方向に移動させて適正に重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
バッテリー11(重量物)は機体後方に配置された燃料タンク50内の残量に応じて機体前後に移動する構成とする(図23)。
すなわち、燃料タンク50内の燃料が満タン時にはバッテリー11を機体前方に移動させ、燃料が減少してくると、機体後方にバッテリー11を移動させることで、前後重量バランスを修正する構成とする。
そのため、バッテリー11を燃料タンク50の残量により前後方向に移動させて重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
【0032】
この場合、アクチュエータ10は所謂ハイブリッド式とし、エンジン(図示省略)とモータ(図示省略)とを搭載している。
燃料タンク50内の燃料残量は燃料タンク50に設置した燃料センサ52の値により検出し、バッテリー11(重量物)の前後移動させる構成とする(図26)。
燃料センサ52の構成は任意であり、図26Aでは、フロート52Aを燃料タンク50内に設け、燃料表面に浮かんで燃料の減少を検出する構成とし、図26Bでは上下方向に複数の検知体52Bを設け、電気抵抗等の変動で燃料の残量を判断する構成としている。
そのため、バッテリー11を燃料タンク50の残量により前後方向に移動させて重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
燃料タンク50内の残量はエンジン(図示省略)に設けたエンジンコントロールユニット51で感知した燃料噴射量と経過時間により算出し、燃料センサ52が満タン時にリセットされることにより、バッテリー11(重量物)の前後移動させる構成とする。
【0033】
そのため、バッテリー11を燃料タンク50の残量により前後方向に移動させて重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
収穫装置4を上昇させると機体バランスが前に移動し、刈取部を下げると後ろに移動する特徴があるので、機体バランスを修正するためにバッテリー11(重量物)を収穫装置4に設置しているポジションセンサ53の検出値に応じてバッテリー11を前後移動させる構成とする(図17)。
そのため、バッテリー11を収穫装置4の上昇高さ位置に応じて前後方向に移動させて重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
【0034】
バッテリー11(重量物)は初期状態は機体右中央側に配置され、回収部5内にモミが入り重くなると、機体左側に移動し、左右バランスを修正し、かつ、機体前後バランス修正するため、バッテリー11(重量物)は前後にも移動する構成とする。
そのため、バッテリー11を前後および左右方向に移動させて重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
図19のように、前後一対の左右フレーム29の前後間に前後スライドレール61を左右一対設け、機体前側の左右フレーム29よりも機体前側には前後移動アクチュエータ16bを少なくとも一つ、あるいは左右に各々設け、前後移動アクチュエータ16bには駆動回転体62aを設け、機体後側の左右フレーム29よりも機体後側には従動回転体62bを支持する支持台62を配置し、駆動回転体62aと従動回転体62bに亘って前後コグベルト63を無端状に巻回する。
【0035】
そして、上記の無端状の前後コグベルト63の巻回域内に、前後コグベルト63の突起に噛み合わせて従動プレート64を設け、前記前後スライドレール61に沿って前後移動する前後スライダ65と従動プレート64をベルトホルダ66で連結する。そして、左右のベルトホルダ66同士に左右コグベルト67を無端状に巻回し、この左右コグベルト67により移動する左右スライダ68に、バッテリー11を載置するバッテリ載置台12を設ける。なお、左右スライダ68の姿勢を安定させるべく、左右の前後スライダ65、65と、左右スライダ68の機体前側部分は、左右スライドレール69に各々連結する。また、左右の前後スライダ65,65のどちらか一方には、左右コグベルト67を回転させる左右移動アクチュエータ16aを設ける。
なお、機体の前後及び左右方向の傾斜は、左右傾斜センサ20と前後傾斜センサ21で検出するものとする。
【0036】
上記構成により、左右傾斜センサ20と前後傾斜センサ21の検出に合わせて前後移動アクチュエータ16bと左右移動アクチュエータ16aを適宜、あるいは同時に作動させて、バッテリー11を積載するバッテリ載置台の前後及び左右位置を調節することができるので、機体の前後及び左右バランスが偏ることを防止できる。したがって、走行軌跡のズレや刈取高さの変動が防止され、穀稈の刈り残しや、刈り株が後作業の妨げになる高さで刈り残されることや、収穫装置が地面に接触して破損することを防止できる。
機体を水平に保つために、前後左右に左右傾斜センサ20と前後傾斜センサ21を搭載する(図19)。
そのため、前後左右に左右傾斜センサ20、前後傾斜センサ21の感知により、バッテリー11を前後および左右方向に移動させて重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
【0037】
バッテリー11(重量物)は走行支持フレーム1と前後、左右方向の複動油圧シリンダ(図示省略)で位置調節する構成とする。
そのため、複動油圧シリンダによりバッテリー11を前後および左右方向に移動させて重量バランスを改善でき、機体の突っ込み・旋回不良防止を図ることができ、湿田走破性を向上させ、トラックへの積み下ろし改善させることができる。
回収部5の外周面に外部バッテリー11Bを設け、外部バッテリー11Bの電気容量が一定以下になると、回収部5ごと満充電の外部バッテリー11Bと交換して継続作業開始する((図24、25)。
そのため、収穫作業機の機体に搭載したバッテリー11の他に、外部バッテリー11Bを設けることができ、電気容量を確保でき、また、収穫作業機の機体にバッテリー11を搭載し内場合では、収穫作業機の機体のバッテリー11の設置スペースを省略でき、軽量化が図れ、電池交換容易化による連続作業性能を向上させられる。
【0038】
なお、前記サブバッテリー11Aと外部バッテリー11Bは回収部5に設けている。
回収部5の外周面に外部バッテリー11Bを設け、回収部5および外部バッテリー11Bは、走行支持フレーム1に対して着脱交換自在に構成し、回収部5の外表面に外部バッテリー11Bの充電状態を示す発光体・レベルゲ-ジ等により構成した容量表示部56を設ける(図24)。
そのため、容量表示部56により外部バッテリー11Bおよび回収部5の交換時期を確実に判断することができ、外部バッテリー11Bの容量不足による作業中断といった不測の事態発生を回避でき、電池交換容易化と併せて連続作業性能を向上させられる。
回収部5の外周面に外部バッテリー11Bを設け、回収部5および外部バッテリー11Bは、走行支持フレーム1に対して着脱交換自在に構成し、回収部5の下部には、フォ-クリフト(図示省略)のフォーク部(図示省略)を挿入できる角穴(図示省略)を設ける。
そのため、回収部5の交換するとき、回収部5の下部の角穴(図示省略)にフォ-クリフト(図示省略)のフォーク部(図示省略)を挿入して運搬すればよく、回収部5の交換作業を容易にする。
【0039】
回収部5に外部バッテリー11Bを設け、回収部5を搭載する走行支持フレーム1に電力接続部60を設け、モ-タ表示部26を発動させる構成とする。
すなわち、走行支持フレーム1の電力接続部に、外部バッテリー11Bを複数外部に設けた、回収部5の通電部(図示省略)を差し込むことで、機体各部の必要な箇所に送電するという構成としている(図24)。
車体水平機構を搭載した収穫作業機において、クロ-ラ34の最下げ時のメカストッパ75を設ける(図27)。
前方のストッパは走行支持フレーム1の左右の開き防止のための強度メンバーを利用してストッパとする。
そのため、ストッパ75を走行支持フレーム1の変形防止の強度メンバを利用することで別途ストッパを構成する必要がない。
【符号の説明】
【0040】
1…走行支持フレーム、2…走行装置、3…調整装置、4…収穫装置、5…回収部、7…搬送回収部、8…収穫物排出装置、10…アクチュエータ、11…バッテリー、11A…サブバッテリー、11B…外部バッテリー、12…バッテリ移動台、13…空間部、15…収量センサ、16…移動アクチュエータ、17…移動ガイド体、20…左右傾斜センサ、21…前後傾斜センサ、22…左右ラック機構、23…前後ラック機構、24…上下検知部材、25…蓄電池、26…表示部、28…前後フレーム、29…左右フレーム、30…移動溝、31…ロ-ラ、34…クロ-ラ、35…メインビ-ム、36…満量センサ、37…重量計、39…シリンダ、40…複動油圧シリンダ、41…単動油圧シリンダ、42…複動空気圧シリンダ、43…単動空気圧シリンダ、45…スクリュ-モータ、46…ローリングシリンダ、47…ピッチングシリンダ、50…燃料タンク、51…エンジンコントロールユニット、52…燃料センサ、53…ポジションセンサ、55…外部バッテリー、56…容量表示部、60…電力接続部。
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