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特許7593439電子機器、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】電子機器、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/3228 20190101AFI20241126BHJP
   G01S 19/34 20100101ALI20241126BHJP
   G06F 1/3231 20190101ALI20241126BHJP
   G06F 1/3287 20190101ALI20241126BHJP
【FI】
G06F1/3228
G01S19/34
G06F1/3231
G06F1/3287
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023092868
(22)【出願日】2023-06-06
(62)【分割の表示】P 2018157416の分割
【原出願日】2018-08-24
(65)【公開番号】P2023111951
(43)【公開日】2023-08-10
【審査請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】P 2018119114
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】今村 圭一
(72)【発明者】
【氏名】田中 芳朗
(72)【発明者】
【氏名】岡田 健
(72)【発明者】
【氏名】岡田 佳代
(72)【発明者】
【氏名】彦坂 直孝
(72)【発明者】
【氏名】南 剛
【審査官】佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-126572(JP,A)
【文献】特開2006-309731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26 - 1/3296
G01S 19/00 -19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の制御システムに基づいた処理として、ユーザのスケジュールに関する情報を設定する設定手段と、前記スケジュールに基づいて所定の処理を実行する実行手段と、第1動作状態制御手段と、を含む機能を実行可能な第1制御部と、
前記所定の制御システムとは異なる組み込みプログラムに基づいた処理として、第2動作状態制御手段を実行する第2制御部と、
を備え、
前記第1動作状態制御手段は、前記スケジュールに関する情報である、前記所定の処理を開始させる時刻の情報を前記第2制御部に送信するとともに、前記所定の制御システムを停止させ、
前記第2動作状態制御手段は、前記所定の処理を開始させる時刻になった場合に、前記所定の制御システムを起動させるための制御信号を前記第1制御部に送信する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記所定の制御システムは、各種プログラムの実行を管理するオペレーティングシステムである、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記スケジュールは、前記ユーザが第1地点から第2地点に移動する際の移動スケジュールである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記実行手段は、前記所定の処理として、前記ユーザの移動に関するログ情報の蓄積を行う処理を実行する、
ことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記設定手段は、前記スケジュールに関する情報を第1記憶部に記憶させ、
前記第2制御部は、前記所定の処理を開始させる時刻の情報を前記第1記憶部とは異なる第2記憶部に記憶させ、
前記第2動作状態制御手段は、前記第2記憶部から取得された前記所定の処理を開始させる時刻の情報に基づいて前記所定の制御システムを停止状態から起動状態に切り替える、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第2動作状態制御手段は、現在時刻が前記設定手段により前記スケジュールとして設定された前記第1地点からの出発予定時刻となった場合に、前記所定の制御システムを停止状態から起動状態に切り替える、
ことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第1動作状態制御手段は、表示部、タッチパネル又は測位部のうち少なくとも1つ以上の動作状態を切り替え、
前記第1動作状態制御手段及び前記第2動作状態制御手段は、前記所定の制御システムの作動状態において、協働して、現在時刻が前記設定手段により前記スケジュールとして設定された前記第2地点への到着予定時刻となった場合に、前記所定の制御システムを起動状態から停止状態に切り替える、
ことを特徴とする請求項3又はに記載の電子機器。
【請求項8】
所定の制御システムに基づいた処理を実行する第1制御部と、前記所定の制御システムとは異なる組み込みプログラムに基づいた処理を実行する第2制御部と、を有する電子機器が行う情報処理方法であって、
前記所定の制御システムに基づいて、ユーザのスケジュールに関する情報を設定する設定ステップと、
前記所定の制御システムに基づいて、前記スケジュールに基づいて所定の処理を実行する実行ステップと、
前記所定の制御システムに基づいて、前記スケジュールに関する情報である、前記所定の処理を開始させる時刻の情報を前記第2制御部に送信するとともに、前記所定の制御システムを停止させる第1動作状態制御ステップと、
前記組み込みプログラムに基づいて、前記所定の処理を開始させる時刻になった場合に、前記所定の制御システムを起動させるための制御信号を前記第1制御部に送信する第2動作状態制御ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
所定の制御システムに基づいた処理を実行する第1制御部と、前記所定の制御システムとは異なる組み込みプログラムに基づいた処理を実行する第2制御部と、を有する電子機器のコンピュータを、
前記所定の制御システムに基づいて、ユーザのスケジュールに関する情報を設定する設定手段、
前記所定の制御システムに基づいて、前記スケジュールに基づいて所定の処理を実行する実行手段、
前記所定の制御システムに基づいて、前記スケジュールに関する情報である、前記所定の処理を開始させる時刻の情報を前記第2制御部に送信するとともに、前記所定の制御システムを停止させる第1動作状態制御手段、
前記組み込みプログラムに基づいて、前記所定の処理を開始させる時刻になった場合に、前記所定の制御システムを起動させるための制御信号を前記第1制御部に送信する第2動作状態制御手段、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの行動履歴や体温等の各種データを記録して分析する電子機器が知られている。このような電子機器は、例えば、ユーザの手首等に装着されるウェアラブル端末として構成され、ランニングやトレッキング等の運動時に関する分析や、日常生活におけるライフログに関する分析を行う用途に利用される。
【0003】
このような電子機器では例えば、ユーザが電子機器を使用していないと判断された場合(例えば、ユーザが静止していると判断された場合や、ユーザの腕に電子機器が装着されていないと判断された場合)に、オペレーティングシステム(OS:Operating
System)をシャットダウンして電子機器の動作を停止する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-117121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の構成では、電子機器の動作を停止した状態から復帰させる場合、ユーザ自身が操作する必要があり、利便性の観点で改善の余地があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、電子機器の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明における第一の態様の電子機器は、
所定の制御システムに基づいた処理として、ユーザのスケジュールに関する情報を設定する設定手段と、前記スケジュールに基づいて所定の処理を実行する実行手段と、第1動作状態制御手段と、を含む機能を実行可能な第1制御部と、
前記所定の制御システムとは異なる組み込みプログラムに基づいた処理として、第2動作状態制御手段を実行する第2制御部と、
を備え、
前記第1動作状態制御手段は、前記スケジュールに関する情報である、前記所定の処理を開始させる時刻の情報を前記第2制御部に送信するとともに、前記所定の制御システムを停止させ、
前記第2動作状態制御手段は、前記所定の処理を開始させる時刻になった場合に、前記所定の制御システムを起動させるための制御信号を前記第1制御部に送信する。

【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子機器の利便性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態である電子機器の概略図である。
図2】電子機器のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3A】電子機器の表示領域を示す模式図である。
図3B図3AにおけるX-X’断面を示す模式図である。
図4図2の電子機器の機能的構成のうち、稼働時間拡張処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図5図4の機能的構成を有する図1の電子機器が実行する稼働時間拡張処理の流れを説明するフローチャートである。
図6図4の機能的構成を有する図1の電子機器が実行する稼働時間拡張処理における簡易モードでの処理の流れを、稼働時間拡張処理のサブルーチンとして説明するフローチャートである。
図7】稼働時間拡張処理におけるユーザインタフェースの一例を示す模式図である。
図8】稼働時間拡張処理における設定情報の一例を示す模式図である。
図9】稼働時間拡張処理における遷移状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
[外観構成]
図1は、本発明の一実施形態である電子機器1の外観構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の電子機器1は、腕時計型の装置(例えば、スマートウォッチ)として構成されている。また、電子機器1は、第1の表示部18及び第2の表示部28(詳細は共に後述)を備えており、第1の表示部18の上に第2の表示部28が積層されている。この第2の表示部28は、透過型の表示部であり、第1の表示部18の表示領域が視認可能になるような透過表示あるいは半透過表示を行うことができる。さらに、第2の表示部28の上には、タッチパネル19が設けられている。
このような構成により、電子機器1においては、第1の表示部18の表示に第2の表示部28の表示を重ね合わせて表示することが可能であると共に、タッチパネル19によって表示内容にタッチ操作することが可能となっている。
【0011】
[電子機器1の概略]
図1のような構成において、電子機器1は、稼働時間拡張処理を行う。ここで、稼働時間拡張処理とは、電子機器1の各機能の動作状態における、停止状態と作動状態とを適宜切り替えることにより、電子機器1全体としての電力消費を抑制し、電子機器1の稼働時間を拡張する一連の処理である。
【0012】
具体的に、電子機器1は、ユーザの活動期間に基づいて、ユーザの移動の有無に関する情報(以下、「移動予定情報」と称する。)を設定する。そして、電子機器1は、この設定された移動予定情報に基づいて、電子機器1の主たる機能が作動している状態(以下、「主機能作動状態」と称する。)と、電子機器1の主たる機能が停止している状態(以下、「主機能停止状態」と称する。)を切り替える。
【0013】
これにより、ユーザの活動期間に応じて、主機能が必要となる場合には、主機能作動状態において、主機能を実現するためのハードウェア(例えば、一部の演算処理装置や、一部の表示装置や、現在位置を測位するためのモジュール)を作動させて、主機能を利用することができる。一方で、ユーザの活動期間に応じて、主機能が不要となる場合には、主機能停止状態において、主機能を実現するためのハードウェア(具体例は、上述の通り。)を停止させて、消費電力を抑制することができる。
【0014】
従って、電子機器1によれば、電子機器1を自動で復帰させることができる。また、ユーザの利便性を確保しつつ、電力消費を抑制することができる。また、電力消費の抑制に伴い、電子機器1を電子機器1内に内蔵するバッテリ(図示を省略する。)にて長時間稼働させられるため、電子機器1の稼働時間を拡張することができる、という効果も奏する。
【0015】
このような電子機器1は、任意の用途に利用することができるが、例えば、ユーザが、スケジュールにて「長時間の休止」を含むアクティビティを行なう場合に利用すると好適である。この長時間の休止において長時間連続して主機能停止状態とすることにより、短い周期で間欠駆動をさせるような場合に比べて、より消費電力を抑制することができるからである。このような長時間の休止を含むアクティビティとしては、例えば、長時間の休止としての宿泊を伴う登山やキャンプ等のアクティビティが挙げられる。
【0016】
更に、電子機器1は、ユーザの選択肢を広げるために、稼働時間拡張処理において、移動予定情報を利用することなく、主機能作動状態と主機能停止状態とを切り替えるモードである「簡易モード」を設ける。この簡易モードにおいて、ユーザは、自身の操作により、任意のタイミングで、主機能作動状態と主機能停止状態とを切り替えることができる。
従って、電子機器1によれば、上述したように電子機器1を自動で復帰させることができるのみならず、ユーザが希望した場合には、電子機器1をユーザの操作に応じて復帰させることもできる。すなわち、電子機器1によれば、ユーザの選択肢を広げて、ユーザの利便性をより向上させることができる。
【0017】
[ハードウェア構成]
図2は、電子機器1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、電子機器1は、第1のCPU(Central Processing Unit)11と、第1のROM(Read Only Memory)12と、第1のRAM(Random Access Memory)13と、第1の記憶部14と、第1のRTC(Real Time Clock)部15と、ドライブ16と、第1の入力部17と、第1の表示部18と、タッチパネル19と、第2のCPU21と、第2のROM22と、第2のRAM23と、第2の記憶部24と、第2のRTC部25と、センサ部26と、第2の入力部27と、第2の表示部28と、ブルートゥース(登録商標)アンテナ31と、ブルートゥースモジュール32と、無線LAN(Local Area
Network)アンテナ33と、無線LANモジュール34と、GPSアンテナ35と、GPS(Global Positioning System)モジュール42と、を備えている。
【0018】
電子機器1は、第1のCPU11と、第2のCPU21の制御によって機能する。
具体的に、第1のCPU11は、主機能作動状態において、オペレーティングシステム(OS:Operating System)と、OSの管理下で実行される各種プログラムとに基づいて各種演算処理を行い、演算処理の結果に基づいた各種の処理を実行することにより、電子機器1におけるスマートフォンに類する機能を実現する。また、第1のCPU11は、主機能作動状態において、稼働時間拡張処理の一部として、移動予定情報を設定する処理や、測位された電子機器1の現在位置のログ(以下、「測位ログ情報」と称する。)を蓄積して記憶する処理等を行う。
【0019】
また、第1のCPU11は、第1の入力部17を介して入力される音声を認識したり、その他、スマートフォンに類する機能として実装された各種機能に係る処理を行ったりする。また、主機能作動状態において、第1のCPU11は、第1のRTC部15から入力された時刻信号を基準として、時刻を計算したり、時刻、曜日あるいは日付等を第1の表示部18に表示させたりする。この場合に、第1のCPU11は、時刻の計算において、GPSモジュール36から取得したGPSの測位情報に含まれる時刻情報に基づいた時刻の補正を行うようにしてもよい。なお、第1のCPU11は、例えば、Android(登録商標)等の汎用のOSに基づいて上述した各種の処理を実現する。
一方で、第1のCPU11は、主機能停止状態において、動作を停止し、上述した各種処理の実行を行わない。
【0020】
なお、第1のCPU11は、稼働時間拡張処理を行わない場合には、ブルートゥースモジュール32あるいは無線LANモジュール34を介して受信した電子メールの着信や気象情報に関するメッセージ等を第1の表示部18に表示させたりする。しかしながら、本実施形態では、電力消費を抑制するために、稼働時間拡張処理開始後は、主機能作動状態及び主機能停止状態の何れの場合であっても、ブルートゥースモジュール32及び無線LANモジュール34を停止し、これらによる通信を行わないようにする。これにより、主機能停止状態のみならず、主機能作動状態の場合であっても、稼働時間拡張処理を行わない場合に比べて電力消費を抑制することができる。
【0021】
第2のCPU21は、主機能作動状態及び主機能停止状態において、組み込みプログラム等の、特定のプログラムに基づいて各種演算処理を行い、演算処理の結果に基づいた処理を実行することにより、第2の表示部28に対する表示の指示を行ったり、各種センサの検出結果を取得したり、その他、腕時計の機能として実装された各種機能に係る処理を行ったりする。また、第2のCPU21は、主機能作動状態において、稼働時間拡張処理の一部として、主機能作動状態に再度切り替わる時刻の情報(以下、「再作動時刻情報」と称する。)を、第1のCPU11から受け渡され、この再作動時刻情報を記憶する処理を行なう。更に、第2のCPU21は、主機能停止状態において、稼働時間拡張処理の一部として、再作動時刻情報に対応する時刻が到来すると、停止している第1のCPU11を作動させる処理を行なう。
【0022】
また、第2のCPU21は、第2のRTC部25から入力された時刻信号を基準として、時刻を計算したり、時刻、曜日あるいは日付等を第2の表示部28に表示させたりする。また、第2のCPU21は、この計算した時刻、曜日あるいは日付等を第1のCPU11に通知したりする。この場合に、第2のCPU21は、時刻の計算において、第1のCPU11を介してGPSモジュール36から取得したGPSの測位情報に含まれる時刻情報に基づいた時刻の補正を行うようにしてもよい。
【0023】
第2のCPU21が実行する特定のプログラムの処理(例えば、上記時刻の計算等)は、第1のCPU11が実行するOSの処理に比べて単純な動作であることから処理負荷が小さく、低消費電力で実行可能である。そのため、第2のCPU21に要求されるハードウェアのスペックは、第1のCPU11に比べて低いもので足りる。
そのため、腕時計の機能や、上述した稼働時間拡張処理の主機能停止状態における処理のための機能のみが要求される際は、第2のCPU21を動作させる一方で、第1のCPU11を停止状態(あるいは一部の機能のみを残して、他の大部分の機能を停止した、いわゆるスリープ状態)とすることにより、電子機器1全体の消費電力を低減させることができる。また、この場合に、第1の表示部18、タッチパネル19、及びGPSモジュール36についても停止状態(あるいは一部の機能のみを残して、他の大部分の機能を停止した、いわゆるスリープ状態)とすることにより、電子機器1全体の消費電力を更に低減させることができる。
【0024】
従って、電子機器1によれば、電子機器を自動で復帰させることができる。また、ユーザの利便性を確保しつつ、電力消費を抑制することができる。また、電力消費の抑制に伴い、電子機器1を電子機器1内に内蔵するバッテリ(図示を省略する。)にて長時間稼働させられるため、電子機器1の稼働時間を拡張することができる、という効果も奏する。
【0025】
第1のROM12は、第1のCPU11からデータの読み出しが可能であり、第1のCPU11が実行する種々のプログラムや初期設定データを格納する。例えば、第1のROM12は、第1のCPU11が実行するOSのプログラムやOSの管理下で実行される各種プログラムと、稼働時間拡張処理を行うための機能を実現するためのプログラムとを格納する。
【0026】
第1のRAM13は、第1のCPU11からデータの読み出し及び書き込みが可能であり、第1のCPU11に作業用のメモリ空間を提供し、作業用の一時データを記憶する。例えば、第1のRAM13は、第1のCPU11がOS等を実行する際のシステム領域やワークエリアを提供したりする。
【0027】
第1の記憶部14は、第1のCPU11からデータの読み出し及び書き込みが可能な不揮発性のメモリであり、例えば、フラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)である。第1の記憶部14には、第1のCPU11にて制御にて実現されるスマートフォンに類する各種機能において生成された各種データ(各種設定内容のデータ等)が記憶される。
【0028】
第1のRTC部15は、時刻を計測し、計測した時刻を示す時刻信号を第1のCPU11に対して出力する。
【0029】
ドライブ16には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア51が適宜装着される。リムーバブルメディア51は、第1のCPU11からデータの読み出し及び書き込みが可能であり、各種センサによって検出されたデータ等の各種データを記憶することができる。
【0030】
第1の入力部17は、各種ボタンで構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。また、第1の入力部17は、音声を電気信号に変換するマイクを更に備え、入力された音声(操作のための音声コマンド等)を示す信号を第1のCPU11に出力する。
第1の表示部18は、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Electro-Luminescence)によって構成され、第1のCPU11の制御に従って、各種情報を表示画面に表示する。
【0031】
タッチパネル19は、第2の表示部28の表示画面上に設けられた静電容量方式又は抵抗膜式等のタッチパネルである。タッチパネル19は、操作面に対するユーザのタッチ操作位置と操作内容とを検出して当該操作に応じた信号を発生させて、入力信号として第1のCPU11に出力する。
【0032】
ブルートゥースアンテナ31は、ブルートゥースの規格に基づく電磁波を送受信するアンテナであり、例えばモノポールアンテナ等によって構成される。ブルートゥースアンテナ31は、ブルートゥースモジュール32から入力された無線通信の電気信号を電磁波として送信したり、受信した電磁波を電気信号に変換してブルートゥースモジュール32に出力したりする。
ブルートゥースモジュール32は、第1のCPU11の指示に従って、ブルートゥースアンテナ31を介して他の装置に信号を送信する。また、ブルートゥースモジュール32は、他の装置から送信された信号を受信し、受信した信号が示す情報を第1のCPU11に出力する。
【0033】
無線LANアンテナ33は、無線LANモジュール34によって利用される無線通信に対応した周波数の電波を受信可能なアンテナであり、例えばループアンテナやロッドアンテナによって構成される。無線LANアンテナ33は、無線LANモジュール34から入力された無線通信の電気信号を電磁波として送信したり、受信した電磁波を電気信号に変換して無線LANモジュール34に出力したりする。
無線LANモジュール34は、第1のCPU11の指示に従って、無線LANアンテナ33を介して他の装置に信号を送信する。また、無線LANモジュール34は、他の装置から送信された信号を受信し、受信した信号が示す情報を第1のCPU11に出力する。
【0034】
GPSアンテナ35は、GPSにおける衛星から発信される電波を受信して電気信号に変換し、変換した電気信号をGPSモジュール36に出力する。
GPSモジュール36は、GPSアンテナ35から入力された電気信号に基づいて、GPSによって示される電子機器1の現在位置(例えば、緯度、経度、及び高度により特定される現在位置)及びGPSによって示される現在時刻を検出する。以下では、このGPSによって示される、電子機器1の現在位置と現在時刻とを含んだ情報を「GPSの測位情報」と称する。また、GPSモジュール36は、検出したGPSの測位情報を第1のCPU11に出力する。
【0035】
第1のRAM13は、第1のCPU11からデータの読み出し及び書き込みが可能であり、第1のCPU11に作業用のメモリ空間を提供し、作業用の一時データを記憶する。例えば、第1のRAM13は、第1のCPU11がOS等を実行する際のシステム領域やワークエリアを提供したりする。
【0036】
第2のROM22は、第2のCPU21からデータの読み出しが可能であり、第2のCPU21が実行する特定のプログラムや初期設定データを格納する。例えば、第2のROM22は、腕時計の機能を実現する組み込み用プログラムと、稼働時間拡張処理を行うための機能を実現するためのプログラムとを格納する。
【0037】
第2のRAM23は、第2のCPU21からデータの読み出し及び書き込みが可能であり、第2のCPU21に作業用のメモリ空間を提供し、作業用の一時データを記憶する。例えば、第2のRAM23は、第2のCPU21が組み込みプログラム等を実行する際の記憶領域を提供したりする。
【0038】
第2の記憶部24は、第2のCPU21からデータの読み出し及び書き込みが可能な不揮発性のメモリであり、例えば、フラッシュメモリやEEPROMである。第2の記憶部24には、腕時計の機能等において生成された各種データ(各種設定内容のデータ等)が記憶される。
【0039】
センサ部26は、種々の情報を測定する複数のセンサの集合である。センサ部26は、例えば、脈拍センサ、地磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、及び照度センサを含む。
脈拍センサは、電子機器1の裏面側(ユーザの腕に面する側)に設置され、電子機器1が装着されたユーザの脈拍を検出し、検出した脈拍を示す情報を第2のCPU21に出力する。
地磁気センサは、地磁気の方向を検出し、検出した地磁気の方向を示す情報を第2のCPU21に出力する。
【0040】
加速度センサは、電子機器1における3軸方向の加速度を検出し、検出した加速度を示す情報を第2のCPU21に出力する。
ジャイロセンサは、電子機器1における3軸方向の角速度を検出し、検出した角速度を示す情報を第2のCPU21に出力する。
照度センサは、例えば、第1の表示部18の裏面側の所定箇所や、電子機器1のベゼル部分の所定箇所等に設置され、電子機器1の表示領域における明るさ(照度)を検出し、検出した明るさを示す情報を第2のCPU21に出力する。
【0041】
第2のCPU21は、これら各種センサによって検出された情報を、必要に応じて第1のCPU11に対して出力する。第1のCPU11は、これら各種センサによって検出された情報を、例えばスマートフォンに類する機能により利用する。例えば、第1のCPU11は、照度センサが検出した明るさに基づいて、第1の表示部18の表示画面の輝度を調整する。
【0042】
第2のRTC部25は、時刻を計測し、計測した時刻を示す時刻信号を第2のCPU21に対して出力する。
【0043】
第2の入力部27は、各種ボタンで構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
【0044】
第2の表示部28は、部分的に又は全体的に光を透過可能なPN(Polymer Network)液晶ディスプレイから構成され、第2のCPU21の制御に従って、各種情報を表示画面に表示(ここではセグメント表示)する。
【0045】
第2の表示部28と第1の表示部18の位置関係について、図3A及び図3Bを参照して説明をする。
図3Aは、電子機器1の表示領域における照度センサ29の設置形態を示す模式図である。また、図3Bは、図3AにおけるX-X’断面を示す模式図である。
【0046】
図3Aに示すように、第1の表示部18の表示領域と、第2の表示部28の表示領域は、重畳して配置される。
また、図3Bに示すように、電子機器1の表示領域は、表面側からカバーガラスCG、タッチパネル19、第2の表示部28、第1の表示部18、黒色シートBS、メイン基板MBの順に積層された断面構造を有している。これらのうち、黒色シートBSは、第2の表示部28及び第1の表示部18を透過して視認した場合の発色を調整する部材であり、本実施形態では、黒色が視認される構成となっている。また、メイン基板MBには、図2を参照して説明した各ハードウェアが配置されると共に、各ハードウェア間を接続する信号線が配設される。
【0047】
本実施形態において、第2の表示部28であるPN液晶ディスプレイは、図3Bに示すように、上述した第1の表示部18である有機ELディスプレイの表示画面上に積層されている。このPN液晶ディスプレイは、電位が掛けられていない部位では液晶分子が不規則に並び、光を反射するようになっている。つまり、この電位が掛けられていない部位において、PN液晶ディスプレイによる表示がなされることとなる。
【0048】
一方、電位が掛けられた部位では、液晶分子が表示画面に対して垂直に整列するので、光を透過可能となっている。つまり、この電位が掛けられた部位では、上述の有機ELディスプレイからの光を透過可能となるので、当該PN液晶ディスプレイを介して当該有機ELディスプレイによる表示を視認することができる。即ち、電子機器1の表示領域では、第1の表示部18による表示に第2の表示部28による表示を重ね合わせた状態で表示することができるようになっている。
【0049】
なお、図3Bに示すように、第1の表示部18及び第2の表示部28の表示方向は、各表示部からカバーガラスに向かう方向である。これは、図3Aにおける紙面の裏から表に向かう方向に相当する。
【0050】
[機能的構成]
次に、電子機器1の機能的構成について説明する。
図4は、図2の電子機器1の機能的構成のうち、稼働時間拡張処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
稼働時間拡張処理とは、上述したように、電子機器1の各機能の動作状態における、停止状態と作動状態とを適宜切り替えることにより、電子機器1全体としての電力消費を抑制し、電子機器1の稼働時間を拡張する一連の処理である。
【0051】
稼働時間拡張処理が実行される場合、図4に示すように、第1のCPU11において、第1のプログラム処理部111と、測位情報取得部112と、移動予定情報設定部113と、第1の動作状態制御部114とが機能する。また、稼働時間拡張処理が実行される場合、図4に示すように、第2のCPU21において、第2のプログラム処理部211と、222とが機能する。
また、第1の記憶部14の一領域には、測位ログ情報141と、移動予定情報142とが記憶される。また、第2の記憶部24の一領域には、再作動時刻241が記憶される。
【0052】
[動作状態]
ここで、これら機能ブロックの動作の前提として、上述したように電子機器1は、「主機能作動状態」と「主機能停止状態」の何れかの動作状態で動作する。
主機能作動状態では、第2のCPU21と第1のCPU11の双方が動作する。従って、主機能作動状態では、第2のCPU21における各機能ブロックと、第1のCPU11における各機能ブロックとの双方が機能する。また、主機能作動状態では、第1の表示部18、タッチパネル19、及びGPSモジュール36も動作する。そのため、主機能作動状態では、GPSの情報に基づいて測位ログ情報を蓄積する処理や、スマートフォンに類する機能を実現する処理を行うことができる。
【0053】
一方で、主機能停止状態では、第2のCPU21は動作する一方で、第1のCPU11は停止状態(あるいは一部の機能のみを残して、他の大部分の機能を停止した、いわゆるスリープ状態)となる。従って、主機能停止状態では、第2のCPU21における各機能ブロック(第2のプログラム処理部211、及び第2の動作状態制御部212)は機能するが、第1のCPU11における各機能ブロック(第1のプログラム処理部111、測位情報取得部112、移動予定情報設定部113、及び第1の動作状態制御部114)は機能しない。また、主機能停止状態では、第1の表示部18、タッチパネル19、及びGPSモジュール36についても停止状態(あるいは一部の機能のみを残して、他の大部分の機能を停止した、いわゆるスリープ状態)となる。そのため、主機能停止状態では、第2の表示部28に時計を表示する処理を行うことができるとともに、主機能作動状態よりも電力消費を抑制することができる。
【0054】
電子機器1は、このようにして主機能作動状態と、主機能停止状態とを切り替えながら動作を継続する。また、電子機器1は、主機能停止状態及び主機能作動状態のそれぞれにおいて、以下に説明する各機能ブロックを機能させることにより、稼働時間拡張処理を実現する。
【0055】
[機能ブロック]
第1のプログラム処理部111は、第1のプログラムに基づいた各種演算処理を行い、演算処理の結果に基づいて各種ハードウェアを制御することにより、スマートフォンに類する機能を実現する。第1のプログラムは、上述した汎用のOSである。第1のプログラム処理部111は、主機能作動状態において、動作を継続する。
【0056】
測位情報取得部112は、GPSモジュール36から、GPSの測位情報を取得する。また、測位情報取得部112は、取得したGPSの測位情報を、測位ログ情報141として第1の記憶部14に記憶させる。GPSモジュール36によるGPSの測位情報の検出、測位情報取得部112によるGPSの測位情報の取得、及び第1の記憶部14による測位ログ情報141の記憶は、主機能作動状態において、所定の周期で継続的に行われる。すなわち、測位ログ情報141は、電子機器1の現在位置の履歴(ログ)となる。測位ログ情報141は、例えば、第1のプログラム処理部111により読み出され、第1の表示部18に表示される。また、この表示は、例えば、測位ログ情報141が示す位置に対応する地図情報と共に行われる。
【0057】
移動予定情報設定部113は、移動予定情報を設定する。また、移動予定情報設定部113は、その設定内容を移動予定情報142として第1の記憶部14に記憶させる。移動予定情報142は、上述したように、ユーザの活動期間に基づいて、ユーザの移動の有無に関する情報であり、例えば、ユーザの移動予定を示すスケジュールである。より具体的には、移動予定情報142は、例えば、ユーザが登山を行なう場合の、出発時刻(例えば、登頂開始時刻や、経路において山小屋等の休憩所を出発する時刻)や、到着時刻(例えば、下山終了時刻や、経路において山小屋等の休憩所に到着する時刻)を含んだ情報である。なお、このような登山に伴うスケジュールは、一例に過ぎず、例えば、トレッキング等の他のスポーツに関するスケジュールであってもよく、自転車等の乗り物を利用したキャンプ等のスケジュールであってもよい。すなわち、本実施形態の適用範囲は、特に限定されない。なお、移動予定情報142の具体例については、図8を参照して後述する。
【0058】
第1の動作状態制御部114は、後述の第2のCPU21にて機能する第2の動作状態制御部212と協働することにより、電子機器1における動作状態を、主機能作動状態と、主機能停止状態とを切り替える部分である。この第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212による動作状態の切り替えについては、図4を参照した各機能ブロックの説明が終了した後に、詳細に述べる。
【0059】
第2のプログラム処理部211は、第1のプログラムとは異なるプログラムに基づいた各種演算処理を行い、演算処理の結果に基づいて各種ハードウェアを制御することにより、腕時計の機能等を実現する。第2のプログラムは、上述した組み込みプログラムである。第2のプログラム処理部211は、電子機器1の電源投入に伴い起動し、動作状態に関わらず動作を継続する。
【0060】
第2の動作状態制御部212は、上述したように、第1の動作状態制御部114と協働することにより、電子機器1における動作状態を、主機能作動状態と、主機能停止状態とを切り替える部分である。また、第2の記憶部24が記憶する再作動時刻241は、この動作状態の切り替えのために利用される情報である。これら第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212による、動作状態の切り替えについて、以下に詳細に述べる。
【0061】
[動作状態の切り替え]
稼働時間拡張処理における動作状態の切り替えは、移動予定情報142に含まれるスケジュールに基づいて行なわれる。まず、主機能作動状態において、移動予定情報142が設定される。
【0062】
すると、第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212は、移動予定情報142に含まれるスケジュールにおいて、ユーザの移動に関するログの蓄積を開始すべき時刻(例えば、出発時刻)までの間、主機能作動状態から、主機能停止状態への切り替えを行なう。この場合、第1の動作状態制御部114は、第1の表示部18、タッチパネル19、及びGPSモジュール36を停止状態(あるいはスリープ状態)とする。そのために、例えば、第1の動作状態制御部114は、これら各部に対して、停止状態(あるいはスリープ状態)に切り替わるための制御信号を出力したり、これら各部に対する給電を停止させたりする。
【0063】
また、第1の動作状態制御部114は、ユーザの移動に関するログの蓄積を開始すべき時刻(例えば、出発時刻)を示す情報である再作動時刻情報を生成する。そして、第1の動作状態制御部114は、生成した再作動時刻情報を、第2のCPU21の第2の動作状態制御部212に対して受け渡す。第2の動作状態制御部212は、第1の動作状態制御部114から受け渡された再作動時刻情報を、再作動時刻241として第2の記憶部24に記憶させる。その後、第1の動作状態制御部114は、111に対してシャットダウン処理を指示する。111が指示に基づいてシャットダウンを行なうことにより、第1のCPU11は、停止状態(あるいはスリープ状態)となる。これにより、電子機器1は、主機能停止状態へと切り替わる。
【0064】
次に、第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212は、移動予定情報142に含まれるスケジュールにおいて、ユーザの移動に関するログの蓄積を開始すべき時刻(例えば、出発時刻)が到来した場合に、主機能停止状態から、主機能作動状態への切り替えを行なう。そのために、第2の動作状態制御部212は、主機能停止状態において、再作動時刻241に対応する時刻が到来すると、第1のCPU11を作動させるための制御信号を第1のCPU11に対して出力することにより、停止している第1のCPU11を作動させる。これに伴い、第1のCPU11にて、111、測位情報取得部112、移動予定情報設定部113、及び第1の動作状態制御部114が機能する。すると、第1の動作状態制御部114は、第1の表示部18、タッチパネル19、及びGPSモジュール36を作動状態とする。そのために、例えば、第1の動作状態制御部114は、これら各部に対して、作動状態に切り替わるための制御信号を出力したり、これら各部に対する給電を開始させたりする。これにより、電子機器1は、主機能作動状態へと切り替わる。
【0065】
その後、第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212は、移動予定情報142に含まれるスケジュールにおいて、ユーザの移動に関するログの蓄積を終了すべき時刻(例えば、到着時刻)が到来した場合に、上述したようにして、主機能作動状態から、主機能停止状態への切り替えを行なう。このようにして、第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212は、移動予定情報142に含まれるスケジュールが終了するまで、動作状態の切り替えを繰り返す。これにより、稼働時間拡張処理における動作状態の切り替えは実現される。
【0066】
なお、第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212は、ユーザから所定の操作があった場合には、移動予定情報142に含まれるスケジュール以外の条件で、切り替えを行ったり、切り替えを延長したりするようにしてもよい。例えば、ユーザの移動に関するログの蓄積を開始すべき時刻(例えば、出発時刻)が到来した場合や、ユーザの移動に関するログの蓄積を終了すべき時刻(例えば、到着時刻)が到来した場合であっても、ユーザからの切り替えの延長指示を示す所定の操作があった場合には、動作状態を切り替える時刻を延長してもよい。また、逆に、これら時刻が到来する前であっても、ユーザからの切り替えを早める指示を示す所定の操作があった場合には、動作状態を切り替えてもよい。
【0067】
また、第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212は、このようなユーザからの所定の操作を受け付けるためのユーザインタフェースを、所定のタイミングで自動的に表示するようにしてもよい。例えば、ユーザの移動に関するログの蓄積を開始すべき時刻(例えば、出発時刻)が到来した場合や、ユーザの移動に関するログの蓄積を終了すべき時刻(例えば、到着時刻)が到来した場合に、所定の操作を受け付けるためのユーザインタフェースを表示するようにしてもよい。更に、現在時刻と、これらの所定のタイミングとの時間差に基づいて、表示するユーザインタフェースの種類を異ならせるようにしてもよい。
【0068】
加えて、第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212は、上述したように、ユーザの選択肢を広げるために、移動予定情報142に含まれるスケジュールを利用することなく、動作状態を切り替えるモードである簡易モードを設けるようにしてもよい。
この場合、例えば、稼働時間拡張処理において、移動予定情報142に含まれるスケジュールに基づいて動作状態を切り替えるのか、簡易モードとして、ユーザ操作により任意のタイミングで動作状態を切り替えるのかを、ユーザが選択できるようにするとよい。そして、簡易モードが選択された場合には、ユーザの操作に応じて動作状態の切り替えを行なうようにするとよい、
このように簡易モードを設けることにより、ユーザの選択肢を広げて、ユーザの利便性をより向上させることができる。
【0069】
[動作]
図5は、図4の機能的構成を有する図1の電子機器1が実行する稼働時間拡張処理の流れを説明するフローチャートである。
稼働時間拡張処理は、例えば、電子機器1への電源投入と共に、あるいはユーザによる稼働時間拡張処理の実行指示と共に開始される。稼働時間拡張処理開始時において、電子機器1は、主機能作動状態である。なお、上述したように、主機能作動状態において、GPSモジュール36によるGPSの測位情報の検出、測位情報取得部112によるGPSの測位情報の取得、及び第1の記憶部14による測位ログ情報141の記憶は、所定の周期で継続的に行われるが、この点については、図5における図示を省略する。
【0070】
ステップS11において、第1の動作状態制御部114は、ユーザからの簡易モードを選択する操作があったか否かを判定する。簡易モードを選択する操作があった場合は、ステップS11において、Yesと判定され、処理はステップS12に進み簡易モードに遷移する。ステップS12における簡易モードでの処理について、図6を参照して説明する。図6は、図4の機能的構成を有する図1の電子機器1が実行する簡易モードでの処理の流れを、稼働時間拡張処理のサブルーチンとして説明するフローチャートである。
【0071】
ステップS12-1において、第1の動作状態制御部114は、主機能作動状態への切り替え指示を行なうのか、主機能停止状態への切り替え指示を行なうのか、それとも、簡易モード(及び稼働時間拡張処理)を終了する指示を行なうのか、をユーザが指示するための選択画面の表示を、第1の表示部18にて行なう。この表示の一例を図7(A)に示す。図7(A)に示すように、第1の動作状態制御部114は、「今すぐ出発したい場合は下記を選んでください。」等の表示と共に、ユーザが主機能作動状態への切り替えを指示するための「今すぐログ開始」を選択肢として表示する。また、第1の動作状態制御部114は、「出発まで間がある場合は、下記を選んで十分に充電してください。」等の表示と共に、ユーザが主機能停止状態への切り替えを指示するための「出発まで待機」を選択肢として表示する。更に、第1の動作状態制御部114は、ユーザが簡易モード(及び稼働時間拡張処理)の終了を指示するための「キャンセル」等の選択肢をユーザに対して提示する。加えて、第1の動作状態制御部114は、図示するように、簡易モードにおける説明等を提示する。
【0072】
ステップS12-2において、第1の動作状態制御部114は、ステップS12-1における表示を参照したユーザからの、指示内容を判定する。
主機能停止状態への切り替え指示があった場合は、ステップS12-2において「停止指示」と判定され、処理はステップS12-3に進む。ステップS12-3において、第1の動作状態制御部114と第2の動作状態制御部212とは、協働して、電子機器1の動作状態を、主機能停止状態へ切り替える。
主機能作動状態への切り替え指示があった場合は、ステップS12-2において「作動指示」と判定され、処理はステップS12-4に進む。ステップS12-4において、第1の動作状態制御部114と第2の動作状態制御部212とは、協働して、電子機器1の動作状態を、主機能作動状態へ切り替える。
これらの場合、その後ステップS12-5において、主機能作動状態の場合は第1の動作状態制御部114が、あるいは主機能停止状態の場合は第2の動作状態制御部212が、新たな指示操作があったか否かを判定する。新たな指示操作がなかった場合には、ステップS12-5においてNoと判定され、ステップS12-5の判定は繰り返される。一方で、新たな指示操作があった場合には、処理はステップS12-2に戻り、再度指示内容についての判定が行われる。なお、主機能作動状態の場合は、再度図7(A)を参照して上述した選択画面の表示を行ない、その選択画面にてユーザの指示操作を受け付けるようにしてもよい。一方で、主機能停止状態の場合は、例えば、特に表示を行わず、第2の入力部27に含まれるハードウェアボタンの押下等に応じて、ユーザの指示操作を受け付けるようにしてもよい。
これら簡易モードでの動作において、動作状態の切り替え指示ではなく、簡易モード(及び稼働時間拡張処理)の終了指示があった場合は、ステップS12-2において「終了指示」と判定され、処理は図5に戻り、簡易モード(及び稼働時間拡張処理)は終了する。
【0073】
以上、簡易モードでの処理について説明をした。図5に戻り、ステップS11において、簡易モードを選択する操作ではなく、移動予定情報142に含まれるスケジュールに基づいて動作状態を切り替える旨の操作があった場合は、ステップS11においてNoと判定され、処理はステップS13に進む。
【0074】
ステップS13において、移動予定情報設定部113は、ユーザからの操作等に応じて、移動予定情報を設定し、設定した移動予定情報を移動予定情報142として、第1の記憶部14に記憶させる。ここで、移動予定情報の一例について、図8を参照して説明する。なお、図8と後述の図7に示す表示例が、上下が湾曲した長方形をしているのは、円形の表示部である第1の表示部18において、上下にスクロールして表示される表示例であることを示す。
【0075】
図8(A)には、ユーザの移動を伴う行動(例えば、登山)の一日目のスケジュールの例を示す。ここで、「ログ開始」として設定されている時刻「AM07:40」(例えば、登山を開始する予定時刻に相当)や、「ログ再開」として設定されている時刻「AM06:00」(例えば、山小屋から出発する予定時刻に相当)が、ユーザの移動に関するログの蓄積を開始すべき時刻であり、すなわち、主機能停止状態から、主機能作動状態への切り替えを行なう時刻である。なお、「ログ再開」として設定されている「AM06:00」は、二日目の朝の時刻であり、二日目の予定としても設定される。
また、「一時停止」として設定されている時刻「PM02:30」(例えば、山小屋に到着する予定時刻に相当)が、ユーザの移動に関するログの蓄積を終了すべき時刻であり、すなわち、主機能作動状態から、主機能停止状態への切り替えを行なう時刻である。
【0076】
図8(B)には、二日目のスケジュールの例を示す。ここで、「ログ再開」として設定されている時刻「AM06:00」(例えば、山小屋から出発する予定時刻に相当)や、「ログ再開」として設定されている時刻「AM08:30」(例えば、山小屋から出発する予定時刻に相当)が、ユーザの移動に関するログの蓄積を開始すべき時刻であり、すなわち、主機能停止状態から、主機能作動状態への切り替えを行なう時刻である。なお、「ログ再開」として設定されている「AM08:30」は、三日目の朝の時刻であり、三日目の予定としても設定される。
また、「一時停止」として設定されている時刻「PM03:40」(例えば、山小屋に到着する予定時刻に相当)が、ユーザの移動に関するログの蓄積を終了すべき時刻であり、すなわち、主機能作動状態から、主機能停止状態への切り替えを行なう時刻である。
【0077】
図8(C)には、三日目のスケジュールの例を示す。ここで、「ログ再開」として設定されている時刻「AM08:30」(例えば、山小屋から出発する予定時刻に相当)が、ユーザの移動に関するログの蓄積を開始すべき時刻であり、すなわち、主機能停止状態から、主機能作動状態への切り替えを行なう時刻である。
また、「ログ終了」として設定されている時刻「PM04:50」(例えば、下山の予定時刻に相当)が、ユーザの移動に関するログの蓄積を終了すべき時刻であり、すなわち、稼働時間拡張処理を終了する時刻である。なお、稼働時間拡張処理終了後は、主機能作動状態となってもよいし、主機能停止状態となってもよい。
【0078】
なお、図8を参照して上述した移動予定情報はあくまで一例であり、移動予定情報設定部113は、ユーザからの操作等に応じて、他の形式にて移動予定情報を設定するようにしてもよい。例えば、上述の例では、ユーザが「ログ開始」、「一時停止」、「ログ再開」及び「ログ終了」という、動作状態の切り替えを行うべき時刻それぞれについて設定をしていた。
これに限らず、ユーザが自身の行動予定により近い情報を設定するようにしてもよい。例えば、ユーザが、移動予定情報に「経由地の地点名」や「休憩」等の予定を、予定を実行する時刻と共に設定するようにしてもよい。
この場合、第1の動作状態制御部114と第2の動作状態制御部212とが、この移動予定情報として設定された「経由地の地点名」や「休憩」といったそれぞれの予定について、ユーザの行動状態に移動を伴う予定であるか否かを判定する。そして、第1の動作状態制御部114と第2の動作状態制御部212とが、判定結果に基づいて動作状態の切り替えを行う。例えば、設定された予定が「経由地の地点名」であれば経由地を移動している時間帯は主機能停止状態から主機能作動状態に切り替える、又は主機能作動状態を維持する。また、設定された予定が「休憩」であれば休憩時間中は主機能作動状態から主機能停止状態に切り替える、又は主機能停止状態を維持する。
この場合は、第1の動作状態制御部114と第2の動作状態制御部212は、判定結果に基づいて、最初に主機能停止状態から主機能作動状態に切り替える時刻を上述の「ログ開始」時刻として扱うように設定し、主機能作動状態から主機能停止状態に切り替える時刻を上述の「一時停止」時刻として扱うように設定し、主機能停止状態から主機能作動状態に切り替える時刻を上述の「ログ再開」時刻と扱い、最後稼働時間拡張処理を終了する時刻を上述の「ログ終了」時刻と扱うように設定すればよい。
【0079】
ステップS14において、現時点での現在時刻は、ステップS13で設定された「ログ開始」時刻よりも前の時刻であり、主機能作動状態から、主機能停止状態への切り替えを行なう時刻である。このように主機能停止状態への切り替えを行なうことにより、電子機器1の電力消費量を抑制することができる。
しかしながら、ステップS13で設定された「ログ開始」時刻がすぐに到来するような場合には、いったん主機能停止状態に切り替えたとしても、またすぐに主機能作動状態へと切り替えることになるため、わざわざ切り替えを行なう意義がさほどない。そこで、第1の動作状態制御部114は、現在時刻と、「ログ開始」時刻との時間差が短く、所定時間内の場合には、主機能停止状態への切り替えを抑制するための処理を行なう。例えば、第1の動作状態制御部114は、現在時刻と、「ログ開始」時刻との時間差が短く、所定時間内の場合には、主機能停止状態への切り替え指示のための画面ではなく、主機能作動状態を継続する指示のための画面をユーザに対して表示する。
そして、主機能停止状態に切り替わることなく、主機能作動状態を継続することにより、電子機器1は、速やかにGPSの情報に基づいて測位ログ情報を蓄積する処理を行なえる。そのため、ユーザはスケジュールに沿った動作を速やかに開始することができる。
【0080】
このような時間差に応じた処理を行なうために、ステップS14において、第1の動作状態制御部114は、現在時刻と、「ログ開始」時刻との時間差が短く、所定時間内であるか否かを判定する。ここで、所定時間の長さは任意に定めることができるが、例えば、所定時間の長さを10分とすることができる。
【0081】
現在時刻と、「ログ開始」時刻との時間差が短く、所定時間内の場合には、ステップS14においてYesと判定され、処理はステップS15に進む。
ステップS15において、第1の動作状態制御部114は、主機能作動状態を継続してよいのかをユーザに確認するための表示を、第1の表示部18にて行なう。この表示の一例を図7(B)に示す。図7(B)に示すように、第1の動作状態制御部114は、「すでに予定時刻のため、ログの記録を開始します。」等の表示と共に、ユーザが主機能作動状態の継続を指示するための「今すぐログ開始」、及びユーザが稼働時間拡張処理の終了を指示するための「キャンセル」等の選択肢をユーザに対して提示する。
【0082】
ステップS16において、第1の動作状態制御部114は、ユーザからの主機能作動状態の継続指示があったか否かを判定する。主機能作動状態への継続指示があった場合は、ステップS16においてYesと判定され、処理はステップS23に進む。一方で、主機能作動状態への切り替え指示ではなく、稼働時間拡張処理の終了指示があった場合は、ステップS16においてNoと判定され、稼働時間拡張処理は終了する。
【0083】
一方で、現在時刻と、「ログ開始」時刻との時間差が長く、所定時間内ではない場合には、ステップS14においてNoと判定され、処理はステップS17に進む。
【0084】
ステップS17において、第1の動作状態制御部114は、主機能停止状態への切り替えを行ってよいのかをユーザに確認するための表示を、第1の表示部18にて行なう。この表示の一例を図7(C)に示す。図7(C)に示すように、第1の動作状態制御部114は、「ログ開始(7:40AM)まで待機します。OSを終了し時計表示のみとなります。」等の表示と共に、ユーザが主機能停止状態への切り替えを指示するための「開始まで待機」、及びユーザが稼働時間拡張処理の終了を指示するための「キャンセル」等の選択肢をユーザに対して提示する。
【0085】
ステップS18において、第1の動作状態制御部114は、ユーザからの主機能停止状態への切り替え指示があったか否かを判定する。主機能停止状態への切り替え指示があった場合は、ステップS18においてYesと判定され、処理はステップS19に進む。一方で、主機能停止状態への切り替え指示ではなく、稼働時間拡張処理の終了指示があった場合は、ステップS18においてNoと判定され、稼働時間拡張処理は終了する。なお、ユーザは、主機能停止状態への切り替えを延長したい場合には、延長したい間は何れの指示もせずに待機してもよい。
【0086】
ステップS19において、第1の動作状態制御部114と第2の動作状態制御部212とは、協働して、電子機器1の動作状態を、主機能停止状態へ切り替える。
【0087】
ステップS20において、第2の動作状態制御部212は、主機能停止状態から、主機能作動状態への切り替えを行なう時刻(例えば、図8における「ログ開始」の時刻や、「ログ再開」の時刻)が到来したか否かを判定する。主機能作動状態への切り替えを行なう時刻が到来した場合には、ステップS20においてYesと判定され、処理はステップS22に進む。一方で、主機能作動状態への切り替えを行なう時刻が到来していない場合には、ステップS20においてNoと判定され、処理はステップS21に進む。
【0088】
ステップS21において、第2の動作状態制御部212は、主機能停止状態から、主機能作動状態への切り替えを行なう指示に対応する所定の操作をユーザから受け付けたか否かを判定する。主機能作動状態への切り替えを行なう指示に対応する所定の操作は、例えば、第2の入力部27に含まれるボタンを押下する操作により実現される。主機能作動状態への切り替えを行なう指示に対応する所定の操作があった場合には、ステップS21においてYesと判定され、処理はステップS22に進む。一方で、主機能作動状態への切り替えを行なう所定の操作がない場合には、ステップS21においてNoと判定され、処理は再度ステップS20の判定に戻る。
【0089】
ステップS22において、第1の動作状態制御部114と第2の動作状態制御部212は、協働して、電子機器1の動作状態を、主機能作動状態へ切り替える。
【0090】
ステップS23において、第1の動作状態制御部114は、稼働時間拡張処理を終了する時刻(例えば、図8における「ログ終了」の時刻)が到来したか否かを判定する。稼働時間拡張処理を終了する時刻が到来した場合には、ステップS23においてYesと判定され、稼働時間拡張処理は終了する。一方で、稼働時間拡張処理を終了する時刻が到来していない場合には、ステップS23においてNoと判定され、処理はステップ21に進む。
【0091】
ステップS24において、第1の動作状態制御部114は、主機能作動状態から、主機能停止状態への切り替えを行なう時刻(例えば、図8における「一時停止」の時刻)が到来したか否かを判定する。主機能停止状態への切り替えを行なう時刻が到来した場合には、ステップS24においてYesと判定され、処理はステップS25に進む。一方で、主機能停止状態への切り替えを行なう時刻が到来していない場合には、ステップS24においてNoと判定され、処理はステップS23の判定に戻る。
【0092】
ステップS25において、第1の動作状態制御部114は、主機能停止状態への切り替えを行ってよいのかをユーザに確認するための表示を、第1の表示部18にて行なう。この表示の一例を図7(D)に示す。図7(D)に示すように、第1の動作状態制御部114は、「一時停止時刻です。ログ再開(AM6:00)まで待機します。OSを終了し時計表示のみとなります。」等の表示と共に、ユーザが主機能停止状態への切り替えを指示するための「再開まで待機」、及びユーザが主機能停止状態への切り替えの延長を指示するための「1時間延長」等の選択肢をユーザに対して提示する。なお、時間を延長する長さの単位は、1時間単位に限定されず、任意の長さの単位で延長できるようにしてよい。
【0093】
ステップS26において、第1の動作状態制御部114は、ユーザからの主機能停止状態への切り替え指示があったか否かを判定する。主機能停止状態への切り替え指示があった場合は、ステップS26においてYesと判定され、処理はステップS27に進む。一方で、主機能停止状態への切り替え指示ではなく、主機能停止状態への切り替えの延長指示があった場合は、ステップS26においてNoと判定され、処理はステップS28に進む。
【0094】
ステップS27において、第1の動作状態制御部114と第2の動作状態制御部212は、協働して、電子機器1の動作状態を、主機能停止状態へ切り替える。そして、処理はステップS20の判定に戻る。
【0095】
ステップS28において、移動予定情報設定部113は、移動予定情報142に含まれる、主機能作動状態から、主機能停止状態への切り替えを行なう時刻(例えば、図8における「一時停止」の時刻)を、例えば、1時間延長して再設定する。そして、処理は、ステップS23の判定に戻る。このようにいて、主機能作動状態と、主機能停止状態との切り替えが繰り返えされ、最終的に、稼働時間拡張処理を終了する時刻が到来した場合には、ステップS23においてYesと判定され、稼働時間拡張処理は終了する。
【0096】
[本実施形態の奏する効果]
以上説明した稼働時間拡張処理によれば、電子機器1は、ユーザの活動期間に応じて、主機能が必要となる場合には、主機能作動状態において、主機能を実現するためのハードウェアを作動させて、主機能を利用することができる、という効果を奏する。一方で、ユーザの活動期間に応じて、主機能が不要となる場合には、主機能停止状態において、主機能を実現するためのハードウェアを停止させて、消費電力を抑制することができる、という効果を奏する。
この点、例えば、従来の技術では、消費電力の抑制が求められることを考慮して、電子機器の動作を停止させる構成があった。しかしながら、このように消費電力の抑制のために電子機器の動作を停止する場合、電子機器を再び利用するために、ユーザが電子機器を手動で再起動させる必要が生じる。従って、ユーザにとって利便性を欠いてしまう。また、ユーザが再起動させることを忘れてしまい、各種データの記録ができないおそれもある。
これに対して、電子機器1は、上述したように、主機能を利用できる主機能作動状態と、消費電力を抑制できる主機能停止状態とを、ユーザの活動期間に応じて切り替えることができる。すなわち、電子機器1によれば、電子機器を自動で復帰させることができる。また、ユーザの利便性を確保しつつ、電力消費を抑制することができる。
この電子機器1が奏する効果について、図9を参照して説明する。図9は、稼働時間拡張処理での「時間」経過に伴う、電子機器1の「画面表示」、[消費電力]、及び「作動機能」のそれぞれの状態の遷移を示す模式図である。
【0097】
時間T1は、例えば、ユーザの自宅出発時に、稼働時間拡張処理が開始され、移動予定情報が設定された時点(図5におけるステップS19終了時点に相当)での状態を示す。図示するように、この時間T1では、主機能停止状態へと切り替えられているため、主機能は停止しており、主機能以外の機能(以下、「副機能」と称す。)のみが作動している。従って、消費電力は「極低消費」の状態となる。一方で、第2のCPU21や、第2の表示部28によって、時刻表示が行われ、電子機器1は、時計としての機能をユーザに対して提供することができる。これにより、電子機器1は、携帯端末として、必要最低限の機能を提供することができる。
【0098】
時間T2は、移動予定情報に含まれるスケジュールに沿って、登山が開始された時点(図5におけるステップS22終了時点に相当)での状態を示す。図示するように、この時間T2では、主機能作動状態へと切り替えられているため、主機能及び副機能の双方が作動している。従って、主機能が特に機能している場合(例えば、第1のプログラム処理部111により、地図表示アプリ等の、所定のアプリケーションソフトウェアが動作している場合)に、消費電力は「通常消費」となるものの、主機能が特に機能していない場合には、「低消費」に抑えることができる。また、上述したように、本実施形態では、主機能作動状態及び主機能停止状態の何れの場合であっても、ブルートゥースモジュール32及び無線LANモジュール34を停止し、これらによる通信を行わないようにする。これにより、主機能作動状態で消費電力が「通常消費」の場合であっても、稼働時間拡張処理を行わない場合に比べて電力消費を抑制している。
【0099】
時間T3は、例えば、移動予定情報に含まれるスケジュールに沿って、山小屋に到着した時点(図5におけるステップS27終了時点に相当)での状態を示す。図示するように、この時間T3では、主機能停止状態へと切り替えられているため、T1と同様に、消費電力は「極低消費」の状態となる。一方で、第2のCPU21や、第2の表示部28によって、時刻表示が行われ、電子機器1は、時計としての機能をユーザに対して提供することができる。これにより、電子機器1は、携帯端末として、必要最低限の機能を提供することができる。なお、図5のステップS26及びステップS28として上述したように、時間T3はユーザの操作に応じて延長が可能である。
【0100】
時間T4は、移動予定情報に含まれるスケジュールに沿って、翌朝の登山が開始された時点(図5におけるステップS22終了時点に相当)での状態を示す。図示するように、この時間T4では、主機能作動状態へと切り替えられているため、T2と同様に、消費電力は「通常消費」又は「低消費」に抑えることができる。なお、図5のステップS21として上述したように、時間T4はユーザの操作に応じて早めることが可能である。
【0101】
このように、電子機器1は、ユーザの活動期間に応じて動作状態を切り替えることにより、「低消費」や「極低消費」の時間帯を長くとることができる。従って、電子機器1によれば、電子機器を自動で復帰させることができる。また、ユーザの利便性を確保しつつ、電力消費を抑制することができる。また、電力消費の抑制に伴い、電子機器1を電子機器1内に内蔵するバッテリ(図示を省略する。)にて長時間稼働させられるため、電子機器1の稼働時間を拡張することができる、という効果も奏する。
【0102】
[変形例]
次に、上述した実施形態を変形した、いくつかの変形例について説明する。ただし、以下に説明する変形例は、あくまで例示であり、本実施形態を適用可能な変形例を限定するものではない。また、以下に説明する変形例同士を組み合わせることも可能である。
【0103】
[変形例1]
上述の実施形態では、移動予定情報に含まれるスケジュールや、ユーザによる所定の操作に基づいて、電子機器1の動作状態を切り替えていた。これに限らず、他の条件に基づいて、電子機器1の動作状態を切り替えるようにしてもよい。
例えば、移動予定情報の一部として山小屋の位置を示す位置情報を含ませておく。そして、この山小屋の位置情報と、GPSの測位情報に含まれる現在位置とが合致し、電子機器1を携帯したユーザが、山小屋に到着したと判定できた場合に、移動予定情報に含まれるスケジュールに関わらず、主機能停止状態に切り替えるようにしてもよい。また、他にも、例えば、センサ部26に含まれる脈拍センサによりユーザの脈拍が検出できたか否かに基づいて、あるいは、加速度センサにより加速度が検出できたか否かに基づいて、動作状態を切り替えるようにしてもよい。例えば、ユーザの脈拍や加速度が検出できた場合に、ユーザが移動しているとして主機能作動状態に切り替えるようにしてもよい。一方で、ユーザの脈拍や加速度が検出できなくなった場合に、ユーザの移動が中断しているとして主機能停止状態に切り替えるようにしてもよい。
【0104】
[変形例2]
上述の実施形態では、主機能停止状態において、センサ部26を特に停止状態(あるいはスリープ状態)としていなかったが、主機能停止状態において、センサ部26に含まれるセンサの一部又は全部を停止状態(あるいはスリープ状態)とするようにしてもよい。特に、センサ部26に含まれる各センサの出力が第1のCPU11でもっぱら利用される場合や、センサ部26が第2のCPU21ではなく第1のCPU11に接続されているような場合に、主機能停止状態において、センサ部26を停止状態(あるいはスリープ状態)とするようにしてもよい。
また、センサ部26に限らず、主機能作動状態に切り替えるためのハードウェア以外の、他のハードウェアを、停止状態(あるいはスリープ状態)とするようにしてもよい。
【0105】
[変形例3]
上述の実施形態では、主機能作動状態において、センサ部26を特に停止状態(あるいはスリープ状態)としていなかったが、主機能作動状態において、センサ部26に含まれるセンサの一部又は全部を停止状態(あるいはスリープ状態)とするようにしてもよい。
例えば、主機能作動状態において、第1のプログラム処理部111が、ユーザの操作に応じて、第1の表示部18に電子コンパスを表示する機能を備える場合を考える。この電子コンパスの表示には、例えば、センサ部26に含まれる地磁気センサが用いられる。そこで、電子コンパスの表示時にはセンサ部26に含まれる地磁気センサに給電を行い、地磁気センサを作動状態にする。一方で、電子コンパスの非表示時にはセンサ部26に含まれる地磁気センサに対して給電を取り止め、地磁気センサを停止状態(あるいはスリープ状態)とする。このようにすれば、主機能作動状態であっても、より消費電力を抑制することが可能となる。
【0106】
なお、電子コンパスは、例えば、電子機器1の現在位置周辺の地図と共に表示するようにしてもよい。この場合には、例えば、図9のT2からT3の間の通常消費時における「画面表示」の例として表示しているように、地図における東西南北を示す情報(例えば、E、W、S、及びNといったアルファベット)は、電子機器1の現在の方向に関わらず、地図上の対応する位置に不変で表示するようにしてもよい。そして、方角を示す情報(例えば、北の方角を示す針)を電子機器1の現在の方向に応じて回転表示するようにしてもよい。この場合、針の方向は端末の時計12時方向を示している状態(すなわち、地図における北の方向を示している状態)であれば、地図表示の向きと、現実の地形とが一致することになる。ユーザはこの状態となるように、電子機器1の現在の方向(すなわち、電子機器1を装着した自身の進行方向)を調整することで、現実の風景と地図とを照らし合わせて、地図を容易に読み取ることができる。また、この場合に、地図における北の方向と、針の方向とが漸近したとき、針の表示態様を異ならせることにより、漸近していることをユーザに通知するようにしてもよい。例えば、地図における北の方向と、針の方向とが成す角度が、+5度以内又は-5度以内に漸近したとき、針の色を赤色等の色に変更して表示がするようにしてもよい。
【0107】
[変形例4]
主機能停止状態時に第2の表示部28に時計等を表示する場合に、時計に含まれる現在時刻や日付や曜日等以外の情報を表示するようにしてもよい。例えば、図9のT1からT2の間における「画面表示」の例として表示しているように、時計表示の最下段に電子機器1の電池残量を示す数値(図中では一例として「38」)等を表示するようにしてもよい。
また、他にも、移動予定情報142に含まれるスケジュールに基づいて、主機能停止状態から、主機能作動状態への切り替えを行なう時刻(例えば、図8における「ログ開始」の時刻や、「ログ再開」の時刻)を表示するようにしてもよい。例えば、図9のT3からT4の間における「画面表示」の例として表示しているように、時計表示の最下段に、主機能停止状態から、主機能作動状態への切り替えを行なう時刻(図中では一例として「6:00」)等を表示するようにしてもよい。
これにより、消費電力が特に抑制された主機能停止状態を維持したまま(すなわち、主機能作動状態に切り替えることなく)、切り替えが行われる時刻をユーザに通知することがきる。そのため、省電力を抑制しながらも、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0108】
[変形例5]
ステップS22における主機能作動状態への切り替えに先立って、主機能作動状態への切り替えを行ってよいか、ユーザに確認を行なうステップを追加するようにしてもよい。この場合、この時点では主機能停止状態にあるので、第2の表示部28において、主機能作動状態への切り替えを行ってよいか、ユーザに確認をする表示を行なう。そして、ユーザからの所定の操作(例えば、第2の入力部27に含まれるボタンを押下する操作)があった場合に、主機能作動状態へ切り替えるようにしてもよい。
【0109】
[変形例6]
上述の実施形態では、電子機器1の位置を測位するためにGPSを用いていたが、これに限らず、他の全地球測位システムを利用して電子機器1の位置を測位するようにしてもよい。例えば、GLONASSや、Galileo等の全地球測位システムを利用して電子機器1の位置を測位するようにしてもよい。また、GPSを含んだ各全地球測位システムを用いる場合に、準天頂衛星システム(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)により測位位置の補正等を行うようにしてもよい。
【0110】
[変形例7]
上述の実施形態では、簡易モードにおいて、図6を参照して上述したようにステップS12-1において、ユーザが指示するための選択画面の表示を行っていた。例えば、図7(A)に示すような選択画面の表示を行っていた。そして、ステップS12-2において、この選択画面を参照したユーザから指示を受け付け、その指示内容を判定していた。すなわち、図7(A)に示すような選択画面をユーザインタフェースとして利用することにより、指示を受け付けていた。これに限られず、特に選択画面等を表示することなくユーザからの指示を受け付けるようにしてもよい。
例えば、特に表示を行わず、主機能作動状態においてユーザによる切り替え指示に対応する操作があった場合には、主機能停止状態に切り替えるようにするとよい。また、主機能停止状態においてユーザによる切り替え指示に対応する操作があった場合には、主機能作動状態に切り替えるようにするとよい。更に、主機能作動状態及び主機能停止状態において、ユーザによる簡易モード(及び稼働時間拡張処理)の終了指示に対応する操作があった場合には、簡易モード(及び稼働時間拡張処理)を終了するようにするとよい。
【0111】
これらの切り替え指示に対応する操作や、終了指示に対応する操作は、例えば、第1の入陸部17あるいは第2の入力部27に含まれるハードウェアボタンの押下等に応じて、ユーザの指示操作を受け付けることによって実現するようにしてもよい。
この場合、例えば、第1のハードウェアボタンの押下を切り替え指示に対応する操作として扱い、第2のハードウェアボタンの押下を終了指示に対応する操作として扱うようにしてもよい。あるいは、例えば、1つのハードウェアボタンのみを利用し、このハードウェアボタンの一時的な押下を切り替え指示に対応する操作として扱い、このハードウェアボタンの所定時間以上の長押しを終了指示に対応する操作として扱うようにしてもよい。
【0112】
以上のように構成される電子機器1は、GPSモジュール36と、移動予定情報設定部113と、第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212と、を有する。
GPSモジュール36は、現在位置を測位する。
移動予定情報設定部113は、ユーザの移動の有無に関する情報を設定する。
第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212は、移動予定情報設定部113により設定された情報に基づいて、ユーザの移動時刻が到来した場合、GPSモジュール36の動作状態を停止状態から作動状態に切り替える制御をする。
これにより、電子機器1は、主機能停止させておいた場合であっても、ユーザの活動期間に応じて、主機能が必要となる場合には、主機能作動状態において、主機能を実現するためのハードウェアを作動させて、主機能を利用することができる。
従って、電子機器を自動で復帰させることができる。また、ユーザの利便性を確保しつつ、電力消費を抑制することができる。
【0113】
第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212は、移動予定情報設定部113により設定された情報に基づいて、GPSモジュール36の動作状態を作動状態から停止状態に切り替える制御をする。
これにより、ユーザの活動期間に応じて、主機能が不要となる場合には、主機能停止状態において、主機能を実現するためのハードウェアを停止させて、消費電力を抑制することができる。
【0114】
移動予定情報設定部113は、ユーザの活動期間に関する情報を取得する。
移動予定情報設定部113は、取得されたユーザの活動期間に基づいて、ユーザの移動の有無に関する情報を設定する。
これにより、ユーザの活動期間に応じて、ユーザの活動状況等を測定するためのGPSモジュール36の動作状態を切り替えることができる。
【0115】
移動予定情報設定部113により取得された情報は、ユーザのスケジュールを含む。
これにより、ユーザのスケジュールに応じて、動作状態を切り替えることができる。
【0116】
移動予定情報設定部113により設定された情報は、ユーザの出発時刻又は到着時刻を含む。
これにより、ユーザの出発時刻や到着時刻という具体的な予定に応じて、動作状態を切り替えることができる。
【0117】
第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212は、移動予定情報設定部113により設定された出発時刻が到来した場合、GPSモジュール36の動作状態を停止状態から作動状態に切り替える制御をする。
これにより、主機能が必要となる、ユーザの出発時刻には、主機能を実現するためのハードウェアを作動させて、主機能を利用することができる。
【0118】
第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212は、移動予定情報設定部113により設定された到着時刻が到来した場合、GPSモジュール36の動作状態を作動状態から停止状態に切り替える制御をする。
これにより、主機能が不要となる、ユーザの到着時刻には、主機能を実現するためのハードウェアを停止させて、消費電力を抑制することができる。
【0119】
第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212は、移動予定情報設定部113による設定が行われる時点での時刻と、前記設定手段により設定された出発時刻との時間差が所定時間内の場合に、GPSモジュール36の動作状態を作動状態から停止状態に切り替えることを抑制する処理を行なう。
これにより、電子機器1は、速やかにGPSの情報に基づいて測位ログ情報を蓄積する処理を行なえる。そのため、ユーザはスケジュールに沿った動作を速やかに開始することができる。
【0120】
第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212は、ユーザの行動状態に移動を伴うか否かを判定する。
第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212は、判定結果を、前記ユーザの移動に関する情報として設定する。
設定された情報に基づいて、ユーザの行動状態に移動を伴う場合、GPSモジュール36の動作状態を停止状態から作動状態に切り替える、又は作動状態を維持するよう制御する。
これにより、ユーザの行動状態に移動を伴うと判定された場合には、GPSの情報に基づいて測位ログ情報を蓄積する処理を行なえる。
【0121】
第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212は、設定された情報に基づいて、前記ユーザの行動状態に移動を伴わない場合、GPSモジュール36の動作状態を作動状態から停止状態に切り替える、又は停止状態を維持するよう制御する。
これにより、ユーザの行動状態に移動を伴わない判定された場合には、GPSに関するハードウェアを停止させて、消費電力を抑制することができる。
【0122】
電子機器1は、第1のCPU11と、第2のCPU21と、を更に有する。
第1のCPU11は、オペレーティングシステムに基づいた処理を実行する。
第2のCPU21は、オペレーティングシステムとは異なるプログラムに基づいた処理を実行する。
これにより、オペレーティングシステムに基づいた処理と、異なるプログラムに基づいた処理の双方を行なうことができる。また、これらの処理を分散して行なうことができる。
【0123】
第1のCPU11及び第2のCPU21は、オペレーティングシステムが作動状態において、第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212によるGPSモジュール36の動作状態を切り替える制御を協働して実行する。
これにより、2つのCPUにとって、GPSモジュール36の動作状態を適切に切り替えることができる。
【0124】
第2のCPU21は、オペレーティングシステムが停止状態において、第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212によるGPSモジュール36の動作状態を切り替える制御を実行する。
これにより、オペレーティングシステムが停止している場合であっても、第2のCPU21により、GPSモジュール36の動作状態を適切に切り替えることができる。
【0125】
第2のCPU21は、第1のCPU11が停止状態において、第1のCPU11を作動状態に切り替える制御を実行することを特徴とする。
これにより、第1のCPU11が停止している場合であっても、第2のCPU21により、第1のCPU11の動作状態を適切に切り替えることができる。
【0126】
第2のCPU21の消費電力は、第1のCPU11の消費電力よりも少ない。
これにより、第1のCPU11の動作状態を停止させた場合の消費電力を、より抑制することができる。
【0127】
第1のCPU11は、作動状態において、移動予定情報設定部113により設定された情報を第2のCPU21に受け渡し、
第2のCPU21は、第1のCPU11が停止状態において、第1のCPU11から受け渡された情報に基づいて、第1の動作状態制御部114及び第2の動作状態制御部212によるGPSモジュール36の動作状態を切り替える制御を実行する。
これにより、第1のCPU11が停止したとしても、第1のCPU11が管理している、ユーザの活動期間に応じて設定された、ユーザの移動の有無に関する情報に基づいて、動作状態を切り替えることができる。
【0128】
なお、本発明は、上述の実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0129】
また、上述の実施形態及びその変形例では、本発明が適用される電子機器1は、腕時計型の装置(スマートウォッチ等)を例として説明したが、特にこれに限定されない。
例えば、本発明は、電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、据え置き型のパーソナルコンピュータ、ノート型のパーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話機、ポータブルゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、複合機等に適用可能である。
【0130】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が電子機器1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
本実施形態及びその変形例における機能的構成は、演算処理を実行するプロセッサによって実現され、本実施形態及びその変形例に用いることが可能なプロセッサには、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるもの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものを含む。
【0131】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0132】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図2のリムーバブルメディア51により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア51は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2の第1のROM12及び第2のROM22や、図2の第1の記憶部14や第2の記憶部24に含まれる半導体メモリ等で構成される。
【0133】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0134】
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、この実施形態及びその変形例は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態及びその変形例を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。この実施形態及びその変形例や、その変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0135】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
現在位置を測位する測位手段と、
ユーザの移動の有無に関する情報を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された情報に基づいて、前記ユーザの移動時刻が到来した場合、前記測位手段の動作状態を停止状態から作動状態に切り替える制御をする制御手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
[付記2]
前記制御手段は、前記設定手段により設定された情報に基づいて、前記測位手段の動作状態を作動状態から停止状態に切り替える制御をすることを特徴とする付記1に記載の電子機器。
[付記3]
前記ユーザの活動期間に関する情報を取得する取得手段を有し、
前記設定手段は、前記取得手段により取得された前記ユーザの活動期間に基づいて、前記ユーザの移動の有無に関する情報を設定することを特徴とする付記1又は2に記載の電子機器。
[付記4]
前記取得手段により取得された情報は、前記ユーザのスケジュールを含むことを特徴とする付記3に記載の電子機器。
[付記5]
前記設定手段により設定された情報は、前記ユーザの出発時刻又は到着時刻を含むことを特徴とする付記1から4のいずれか一に記載の電子機器。
[付記6]
前記制御手段は、前記設定手段により設定された出発時刻が到来した場合、前記測位手段の動作状態を停止状態から作動状態に切り替える制御をすることを特徴とする付記5に記載の情報表示装置。
[付記7]
前記制御手段は、前記設定手段により設定された到着時刻が到来した場合、前記測位手段の動作状態を作動状態から停止状態に切り替える制御をすることを特徴とする付記5又は6に記載の電子機器。
[付記8]
前記制御手段は、前記設定手段による設定が行われた時点での時刻と、前記設定手段により設定された出発時刻との時間差が所定時間内の場合に、前記測位手段の動作状態を作動状態から停止状態に切り替えることを抑制する処理を行なう付記5から7のいずれか一に記載の電子機器。
[付記9]
前記ユーザの行動状態に移動を伴うか否かを判定する判定手段を有し、
前記設定手段は、前記判定手段による判定結果を、前記ユーザの移動に関する情報として設定し、
前記制御手段は、前記設定手段により設定された情報に基づいて、前記ユーザの行動状態に移動を伴う場合、前記測位手段の動作状態を停止状態から作動状態に切り替える、又は作動状態を維持するよう制御することを特徴とする付記1から8のいずれか一に記載の電子機器。
[付記10]
前記制御手段は、前記設定手段により設定された情報に基づいて、前記ユーザの行動状態に移動を伴わない場合、前記測位手段の動作状態を作動状態から停止状態に切り替える、又は停止状態を維持するよう制御することを特徴とする付記9に記載の電子機器。
[付記11]
オペレーティングシステムに基づいた処理を実行する第1のプロセッサと、
前記オペレーティングシステムとは異なるプログラムに基づいた処理を実行する第2のプロセッサと、
を更に有することを特徴とする付記1から10のいずれか一に記載の電子機器。
[付記12]
前記第1のプロセッサ及び前記第2のプロセッサは、前記オペレーティングシステムが作動状態において、前記制御手段による前記測位手段の動作状態を切り替える制御を協働して実行することを特徴とする付記11に記載の電子機器。
[付記13]
前記第2のプロセッサは、前記オペレーティングシステムが停止状態において、前記制御手段による前記測位手段の動作状態を切り替える制御を実行することを特徴とする付記11又は12に記載の電子機器。[付記14]
前記第2のプロセッサは、前記第1のプロセッサが停止状態において、前記第1のプロセッサを作動状態に切り替える制御を実行することを特徴とする付記11から13のいずれか一に記載の電子機器。
[付記15]
前記第2のプロセッサの消費電力は、前記第1のプロセッサの消費電力よりも少ないことを特徴とする付記11から14のいずれか一に記載の電子機器。
[付記16]
前記第1のプロセッサは、作動状態において、前記設定手段により設定された情報を前記第2のプロセッサに受け渡し、
前記第2のプロセッサは、前記第1のプロセッサが停止状態において、前記第1のプロセッサから受け渡された前記情報に基づいて、前記制御手段による前記測位手段の動作状態を切り替える制御を実行することを特徴とする付記11から15のいずれか一に記載の電子機器。
[付記17]
現在位置を測位する測位手段を有するコンピュータが行う情報処理方法であって、
ユーザの移動の有無に関する情報を設定する設定ステップと、
前記設定ステップにおいて設定された情報に基づいて、前記ユーザの移動時刻が到来した場合、前記測位手段の動作状態を停止状態から作動状態に切り替える制御をする制御ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
[付記18]
現在位置を測位する測位手段を有するコンピュータに、
ユーザの移動の有無に関する情報を設定する設定機能と、
前記設定機能により設定された情報に基づいて、前記ユーザの移動時刻が到来した場合、記測位手段の動作状態を停止状態から作動状態に切り替える制御をする制御機能と、
を実現することを特徴とする情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0136】
1・・・電子機器,11・・・第1のCPU,12・・・第1のROM,13・・・第1のRAM,14・・・第1の記憶部,15・・・第1のRTC部,16・・・ドライブ,17・・・第1の入力部,18・・・第1の表示部,19・・・タッチパネル,21・・・第2のCPU,22・・・第2のROM,23・・第2のRAM,24・・・第2の記憶部,25・・・第2のRTC部,26・・・センサ部,27・・・第2の入力部,28・・・第2の表示部,31・・・ブルートゥース用アンテナ,32・・・ブルートゥースモジュール,33・・・無線LANアンテナ,34・・・無線LANモジュール,35・・・GPSアンテナ,36・・・GPSモジュール,51・・・リムーバブルメディア,111・・・第1のプログラム処理部,112・・・測位情報取得部,113・・・移動予定情報設定部,114・・・第1の動作状態制御部,141・・・測位ログ情報,142・・・移動予定情報,211・・・第2のプログラム処理部,212・・・第2の動作状態制御部,241・・・再作動時刻情報,CG・・・カバーガラス,BS・・・黒色シート,MB・・・メイン基板
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
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図7
図8
図9