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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】生体活動検出センサ
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
A61B5/11 100
A61B5/11 230
A61B5/11 200
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023133753
(22)【出願日】2023-08-21
(62)【分割の表示】P 2022539520の分割
【原出願日】2021-07-28
(65)【公開番号】P2023159286
(43)【公開日】2023-10-31
【審査請求日】2023-08-21
(31)【優先権主張番号】P 2020129036
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河原 直樹
(72)【発明者】
【氏名】内藤 敦士
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼丸 泰
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0272500(US,A1)
【文献】国際公開第2019/230411(WO,A1)
【文献】米国特許第6997882(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0263501(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0306485(US,A1)
【文献】特表2016-526417(JP,A)
【文献】国際公開第2020/110656(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/0538
A61B 5/06-5/398
A61B 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の動作を検出する動作検出センサと、
前記生体の振戦を検出する第1振戦センサと、
ベース部材と、
を備え、
前記ベース部材は、
前記生体への装着状態に応じて変形可能な第1部材と、
前記第1部材と接続し前記第1部材よりも変形し難い第2部材と、を備え、
前記第1部材は、2層構造であり、
前記第1振戦センサは、前記第1部材と別体であり、前記2層の間に配置され、
前記動作検出センサは、前記第2部材に配置される、
生体活動検出センサ。
【請求項2】
前記第1部材は、
長手方向を有する形状であり、
前記第2部材から離れる方向が前記長手方向となるように配置され、
前記第1振戦センサは、前記第1部材における前記第2部材に重ならない位置に配置される、
請求項1に記載の生体活動検出センサ。
【請求項3】
前記第1振戦センサは、前記第1部材を長手方向に対して半分に領域を分けた場合の前記第2部材から遠い領域に配置される、
請求項2に記載の生体活動検出センサ。
【請求項4】
前記生体の振戦を検出する第2振戦センサをさらに備え、
前記第2振戦センサは、前記第1部材と別体であり、前記2層の間に配置され、
前記第1振戦センサと前記第2振戦センサは、前記長手方向に沿って並んで配置される、
請求項2に記載の生体活動検出センサ。
【請求項5】
前記第2振戦センサの少なくとも一部は、前記第2部材に重なる位置に配置される、
請求項4に記載の生体活動検出センサ。
【請求項6】
前記第2部材と前記第1振戦センサを電気的に接続する配線部材をさらに備え、
前記配線部材は、前記第1部材と前記第2部材とに物理的に接続している、
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の生体活動検出センサ。
【請求項7】
前記第1振戦センサは、平膜の圧電センサである、
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の生体活動検出センサ。
【請求項8】
前記生体の振戦を検出する第振戦センサをさらに備え、
前記第1部材は、前記第2部材を中心として互いに反対方向に配置される一方の第1部材と他方の第1部材とを備え、
前記第1振戦センサは、前記一方の第1部材に配置され、
前記第振戦センサは、前記他方の第1部材と別体であり、前記他方の第1部材を構成する2層の間に配置される、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の生体活動検出センサ。
【請求項9】
前記他方の第1部材は、
長手方向を有する形状であり、
前記第2部材から離れる方向が前記長手方向となるように配置され、
前記第振戦センサは、前記他方の第1部材における前記第2部材に重ならない位置に配置される、
請求項8に記載の生体活動検出センサ。
【請求項10】
前記第2部材を内包する筐体を備え、
前記筐体は、前記第1部材が通る挿通穴を含み、
前記第1部材は、前記筐体の内部から前記筐体の外部へと貫通するように配置され、
前記第1振戦センサは前記筐体の外部にある、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の生体活動センサ。
【請求項11】
前記第2部材を内包する筐体を備え、
前記筐体は、前記第1部材が通る第1挿通穴と前記他方の第1部材が通る第2挿通穴を含み、
前記第1部材は、前記筐体の内部から前記筐体の外部へと貫通するように配置され、
前記第1振戦センサおよび前記第振戦センサは前記筐体の外部にあり、
前記一方の第1部材は、前記筐体の内部から前記第1挿通穴を通じて前記筐体の外部へに配置され、
前記他方の第1部材は、前記筐体の内部から前記第2挿通穴を通じて前記筐体の外部へに配置され、
前記第1挿通穴と前記第2挿通穴は、前記一方の第1部材および前記他方の第1部材の2層の積層方向に直交する横方向から視て、同一高さにある、
請求項8または請求項9に記載の生体活動検出センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人等の生体に装着し、生体の活動を検出する生体活動検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ウェアラブル電極と、生体信号モニタ装置とを備える構成が記載されている。ウェアラブル電極は、平膜状であり、筋電位センサの受信電極として機能する。
【0003】
ウェアラブル電極は、連結部を介して、生体信号モニタ装置に接続される。生体信号モニタ装置は、ウェアラブル電極で受信した信号をモニタリングする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-42387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示す構成では、筋電位だけを用いるため、生体活動を精度良く検出できないことがある。また、筋電位測定のためには複数のウェアラブル電極を直接生体に取り付ける必要があり、構成が複雑化する傾向がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、簡易な構成で生体活動を精度良く検出できる生体活動検出センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の生体活動検出センサは、生体の動作を検出する動作検出センサ、生体の振戦を検出する振戦センサ、および、ベース部材を備える。
【0008】
ベース部材は、生体への装着状態に応じて変形可能な第1部材と、第1部材よりも変形し難い第2部材と、を備える。振戦センサは、第1部材における第2部材への接続部から離れた位置に配置される。動作検出センサは、第2部材に配置される。第1部材は、生体に生体活動検出センサを装着するための装着部材に差し込み可能な形状である。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、使い勝手が良く生体活動を精度良く検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る生体活動検出センサの機能ブロック図である。
図2図2(A)は、本発明の第1の実施形態に係る生体活動検出センサの平面図であり、図2(B)は、本発明の第1の実施形態に係る生体活動検出センサの側面図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る装着部材の外観斜視図である。
図4図4(A)は、第1の実施形態に係る生体活動検出センサの被験者への装着態様の一例を示す斜視図であり、図4(B)は、その平面図である。
図5図5(A)、図5(B)、図5(C)、および、図5(D)は、第1部材と第2部材との接続態様を示す拡大側面図である。
図6図6は、本発明の第2の実施形態に係る生体活動検出センサの機能ブロック図である。
図7図7(A)は、本発明の第2の実施形態に係る生体活動検出センサの平面図であり、図7(B)は、本発明の第2の実施形態に係る生体活動検出センサの側面図である。
図8図8は、第2の実施形態に係る装着部材の外観斜視図である。
図9図9(A)は、第2の実施形態に係る生体活動検出センサの被験者への装着態様の一例を示す斜視図であり、図9(B)は、その平面図である。
図10図10は、本発明の第3の実施形態に係る生体活動検出センサの機能ブロック図である。
図11図11(A)は、本発明の第3の実施形態に係る生体活動検出センサの平面図であり、図11(B)は、本発明の第3の実施形態に係る生体活動検出センサの側面図であり、図11(C)は、本発明の第3の実施形態に係る生体活動検出センサの分解側面図である。
図12図12は、本発明の第4の実施形態に係る生体活動検出センサの分解側面図である。
図13図13(A)は、本発明の第5の実施形態に係る生体活動検出センサのセンサ部分の平面図であり、図13(B)は、センサ部分の側面図であり、図13(C)は、湾曲させた状態でのセンサ部分の側面図である。
図14図14(A)は、本発明の第6の実施形態に係る生体活動検出センサのセンサ部分の平面図であり、図14(B)は、本発明の第6の実施形態に係る生体活動検出センサのセンサ部分の側面図である。
図15図15(A)は、本発明の第7の実施形態に係る生体活動検出センサの平面図であり、図15(B)は、本発明の第7の実施形態に係る生体活動検出センサの側面図である。
図16図16(A)は、本発明の第8の実施形態に係る生体活動検出センサの側面図であり、図16(B)は、本発明の第8の実施形態に係る生体活動検出センサの分解側面図である。
図17図17(A)、図17(B)、図17(C)、図17(D)は、それぞれに本発明の第9の実施形態に係る生体活動検出センサの側面図である。
図18図18(A)、図18(B)は、それぞれに本発明の第10の実施形態に係る生体活動検出センサの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る生体活動検出センサについて、図を参照して説明する。以下では、生体活動検出センサの機能構成(電気回路/電子回路的な構成)について説明し、その後、生体活動検出センサの構造について説明する。
【0012】
(生体活動検出センサの機能構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る生体活動検出センサの機能ブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る生体活動検出センサ10は、センサ91、および、回路モジュール92を備える。
【0013】
センサ91は、動作検出センサ911および振戦センサ912を備える。動作検出センサ911および振戦センサ912は、回路モジュール92に接続する。
【0014】
動作検出センサ911は、被験者の動きを検出し、動作検出信号を出力する。被験者とは、生体活動の検出対象者であり、構造を後述する生体活動検出センサ10の装着者である。動作検出センサ911は、例えば、加速度センサ、角速度センサ、姿勢センサ等によって実現される。
【0015】
振戦センサ912は、被験者の振戦を検出し、振戦検出信号を出力する。振戦センサ912は、例えば、歪みセンサ等によって実現される。ここで言う本発明における振戦とは、例えば、律動的な筋活動を示す不随意運動である。すなわち、本発明における振戦は、正常人にみられる細かく速い姿勢時振戦であり、生理的振戦とよばれ、例えば、8Hzから12Hzの周波数である。なお、パーキンソン病患者等の疾患者にみられるふるえは、病理的振戦であり、例えば、4Hzから7Hzであり、本発明における振戦の対象とはしない。振戦を用いることによって、筋電に対して、次の各種の優位点がある。例えば、振戦の検出(計測)は、人の体等の被検知体の表面(皮膚等)に直接貼り付けなくても可能である。振戦の検出によって、筋伸縮を検出できる。振戦の検出によって、筋疲労に伴う変化を検出できる。
【0016】
回路モジュール92は、電源920、演算部921、信号処理部922、通信部923、および、記憶部924を備える。電源920は、例えば、二次電池、一次電池等のバッテリによって実現される。演算部921は、例えば、マイクロコンピュータ等によって実現される。信号処理部922は、例えば、アナログまたはデジタルの電子回路によって実現される。通信部923は、例えば、アナログおよびデジタルの電子回路によって実現される。記憶部924は、例えば、SSD等の記憶媒体、メモリカードとその読み込み機構等によって実現される。これらの機能部は、被験者の装着において殆ど負荷とならない程度に小さく、軽いことが好ましい。
【0017】
電源920は、演算部921、信号処理部922、通信部923、および、記憶部924に電源供給を行うとともに、センサ91の動作検出センサ911、および、振戦センサ912に電源供給を行う。
【0018】
信号処理部922は、振戦検出信号の増幅、フィルタ処理等を行い、演算部921に出力する。
【0019】
演算部921は、動作検出信号、および、信号処理部922での信号処理後の振戦検出信号を用いて、生体活動検出情報を生成する。生体活動検出情報とは、例えば、被験者の所定部位の動き、姿勢等である。この際、演算部921は、動作検出信号と振戦検出信号とを用いることによって、筋電位のみを用いるよりも、生体活動を、より高精度に検出できる。
【0020】
例えば、演算部921は、振戦検出信号に含まれるノイズを動作検出信号に基づいて除去する。これにより、生体活動検出情報は、高精度になる。また、演算部921は、振戦検出信号と動作検出信号の組合せから、生体活動の種類、大きさ等を検出する。これにより、生体活動検出情報は、高精度になる。
【0021】
通信部923は、例えば、生体活動検出情報を、外部のパソコン、スマートフォン、サーバ等に送信する。記憶部924は、例えば、生体活動検出情報を記憶する。通信部923の通信(送信)手段としては、無線LAN、携帯電話回線を使ったデータ通信、Bluetooth(登録商標)などを用いることができる。なお、通信部923を設けずに記憶部924に配置されたメモリカードを介して、外部に生体活動検出情報のデータを受け継ぐようにしてもよい。
【0022】
(生体活動検出センサの構造)
図2(A)は、本発明の第1の実施形態に係る生体活動検出センサの平面図であり、図2(B)は、本発明の第1の実施形態に係る生体活動検出センサの側面図である。なお、図2(A)、図2(B)では、第1部材と第2部材との接続部の態様を概略的に記載しており、その具体例は、後述の図5(A)、図5(B)、図5(C)、図5(D)に示す。
【0023】
図2(A)、図2(B)に示すように、生体活動検出センサ10は、第2部材20、第1部材31を備える。
【0024】
第2部材20は、平面視して矩形の平板である。
【0025】
第2部材20の主体は、例えば、所定の厚みを有する絶縁性基板である。第2部材20の主体は、例えば、FR4等の絶縁性樹脂基板であり、所定の剛性を有する。すなわち、第2部材20は、所謂、リジッド基板(ソリッド基板)を主体として形成される。
【0026】
第2部材20には、上述の回路モジュール92を構成する機能部品が、内蔵、形成、または実装されている(図2(A)、図2(B)では詳細な図示を省略している。)。
【0027】
第2部材20の一方主面には、動作検出センサ911が実装されている。動作検出センサ911は、所謂、表面実装可能なチップ部品である。
【0028】
第1部材31は、平面視して長手方向と短手方向とを有する矩形の平膜である。ここでは、平膜とは、平板よりも薄く、可撓性を有するものである。
【0029】
第1部材31の主体は、例えば、誘電体フィルムであり、第2部材20よりも変形し易い。言い換えれば、第1部材31は第2部材20よりもヤング率が低い。すなわち、第1部材31の主体は、所謂、フレキシブル基板である。
【0030】
第1部材31の主体の材料は、例えば、ポリ乳酸等の圧電性材料であり、所定方向の応力によって電荷を発生する。すなわち、第1部材31の主体は、圧電フィルムである。
【0031】
第1部材31には、この電荷によって生じる電位差(電圧)を検出する電極が形成されている。この構成によって、第1部材31は、圧電センサからなる振戦センサ912としても機能する。
【0032】
第2部材20と第1部材31とは、電気的且つ物理的に接続する。より具体的には、第1部材31の長手方向の一方端が、第2部材20における動作検出センサ911の実装面に接続する。これにより、生体活動検出センサ10は、帯状の形状となる。
【0033】
(被験者への装着態様)
図3は、第1の実施形態に係る装着部材の外観斜視図である。図4(A)は、第1の実施形態に係る生体活動検出センサの被験者への装着態様の一例を示す側面図であり、図4(B)は、その平面図である。
【0034】
図3に示すように、装着部材70は、長手方向と短手方向とを有する長尺状である。装着部材70は、柔軟性を有する。装着部材70は、少なくとも、生体活動検出センサ10の第2部材20よりも変形し易ければよく、第1部材31と同程度または第1部材31よりも変形し易いと、よりよい。装着部材70の素材は、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン等の化学繊維や、綿等の天然繊維である。
【0035】
装着部材70は、長手方向の両端付近に、互いに装着部材70の面同士を係止可能な係止部材(例えば、マジックテープ(登録商標)等の面ファスナー等)が設置されている。これにより、装着部材70は、環状を維持することができる。
【0036】
装着部材70は、略矩形で長尺状のポケット71を有する。ポケット71の長尺方向の一方端は、開口している。ポケット71には、生体活動検出センサ10が挿入される。ポケット71の形状を、生体活動検出センサ10と略同じにすることによって、生体活動検出センサ10は、装着部材70に対して、略一定の状態で設置される。
【0037】
このように、装着部材70に設置された生体活動検出センサ10は、例えば、図4(A)、図4(B)に示すように、被験者の足首80に巻き付けられる。この際、装着部材70は、生体活動検出センサ10の第1部材31、すなわち、振戦センサ912が、側面視(x方向に視て)、検出対象の腱(例えば、アキレス腱)に重なるように、足首80に装着される。より具体的には、第1部材31(振戦センサ912)の長手方向がアキレス腱の延びる方向に対して直交するように、装着部材70は、足首80に装着される。
【0038】
このような構成によって、振戦センサ912は、被験者の対象部位(図4(A)、図4(B)では、アキレス腱)の振戦を、検出できる。この際、振戦センサ912は、剛性が低く変形し易い第1部材31によって実現される。したがって、振戦センサ912は、対象部位の外形形状に追従して配置される。これにより、振戦センサ912は、被験者の対象部位振戦を高精度に検出できる。さらに、振戦センサ912は、変形し易い装着部材70によって、対象部位に対して安定した位置で固定される。これにより、振戦センサ912は、対象部位の外形形状により正確に追従して配置され、振戦を、より高精度、且つ、より確実に検出できる。
【0039】
また、この構成によって、動作検出センサ911は、被験者の対象部位の近傍に固定されるので、被験者の対象部位の動作を、高精度に検出できる。さらに、動作検出センサ911は、第1部材31よりも剛性が高く変形し難い第2部材20に配置されている。これにより、動作検出センサ911は、不所望な応力による動作検出信号へ影響を抑制できる。例えば、動作検出センサ911が変形し易い部材に配置された場合、動作検出センサ911は、この変形による応力も含めて、動作検出信号を生成してしまう。しかしながら、この構成では、第2部材20が変形し難いので、動作検出センサ911では、被験者の対象部位の動きを高精度に反映し、不所望な応力による影響を抑制した動作検出信号を生成できる。すなわち、動作検出センサ911は、被験者の対象部位の動きを高精度に検出できる。
【0040】
そして、これらの作用効果によって、生体活動検出センサ10は、高精度な生体活動検出情報を生成できる。
【0041】
また、上述の構成では、回路モジュールは、第2部材20に形成されている。すなわち、回路モジュールは、生体活動検出センサ10が実装される第2部材20に形成されている。したがって、生体活動検出センサ10が実装される第2部材20とは異なる基板等に回路モジュールを形成するよりも小型化が可能であり、生体活動検出センサ10をより小型化できる。これにより、生体活動検出センサ10は、被験者の装着時の違和感等を抑制できる。
【0042】
また、上述の構成では、振戦センサ912が平膜状であるので、面でセンシングを行うことができる。これにより、装着時の位置ズレによる検出感度の劣化等を抑制でき、装着時の位置ズレに対するロバスト性を向上できる。
【0043】
また、上述の構成では、振戦センサ912が歪みセンサであることによって、振戦センサ912を、被験者の皮膚の表面に直接接触させなくてもよい。したがって、被験者への装着態様に多様性を持たせることができる。
【0044】
(第2部材20と第1部材31との接続態様の具体例)
図5(A)、図5(B)、図5(C)、および、図5(D)は、第1部材と第2部材との接続態様を示す拡大側面図である。
【0045】
図5(A)に示す態様では、第2部材20と第1部材31とは、導電性接合材290によって接続される。より具体的には、第2部材20に形成された電極パターンと、第1部材31に形成された電極パターンとは、はんだ等の導電性接合材290によって接続される。
【0046】
図5(B)に示す態様では、第2部材20には、第1部材挿嵌部材29が実装されている。第1部材挿嵌部材29は、例えば、コネクタ部材によって実現される。第1部材31は、第1部材挿嵌部材29に挿嵌される。これにより、第2部材20と第1部材31とは、接続される。
【0047】
図5(C)に示す態様では、第2部材20は、複数の絶縁体層を積層した積層体である。第1部材31は、この複数の絶縁体層における一部の層である。すなわち、第2部材20と第1部材31とで、所謂、リジッド部とフレキシブル部とを有するリジッド-フレキシブル基板を実現する。これにより、第2部材20と第1部材31とは、接続される。なお、この場合、第2部材20と第1部材31とは同一の素材(例えば、液晶ポリマやポリイミド等)からなっていてもよい。
【0048】
図5(D)に示す態様では、第2部材20は、複数の絶縁体層を積層した積層体である。第2部材20は、フレキシブル層200を備える。すなわち、第2部材20は、所謂、リジッド-フレキシブル基板である。第1部材31は、第2部材20に導電性接合材によって接続するとともに、フレキシブル層200にも導電性接合材によって接続する。なお、第1部材31は、フレキシブル層200のみに接続してもよい。
【0049】
以上のいずれの態様を用いても、第2部材20と第1部材31とを電気的且つ物理的に接続できる。
【0050】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る生体活動検出センサについて、図を参照して説明する。図6は、本発明の第2の実施形態に係る生体活動検出センサの機能ブロック図である。図7(A)は、本発明の第2の実施形態に係る生体活動検出センサの平面図であり、図7(B)は、本発明の第2の実施形態に係る生体活動検出センサの側面図である。
【0051】
図6に示すように、機能的には、第2の実施形態に係る生体活動検出センサ10Aは、第1の実施形態に係る生体活動検出センサ10に対して、センサ91Aの構成において異なる。生体活動検出センサ10Aの他の構成は、生体活動検出センサ10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0052】
センサ91Aは、動作検出センサ911、振戦センサ9121、および、振戦センサ9122を備える。すなわち、センサ91Aは、2個の振戦センサを備える。
【0053】
信号処理部922は、振戦センサ9121の振戦検出信号、および、振戦センサ9122の振戦検出信号を信号処理して、演算部921に出力する。演算部921は、動作検出信号、9121の振戦検出信号、および、振戦センサ9122の振戦検出信号を用いて、生体活動検出情報を生成する。
【0054】
図7(A)、図7(B)に示すように、構造的には、第2の実施形態に係る生体活動検出センサ10Aは、第1の実施形態に係る生体活動検出センサ10に対して、複数の第1部材を備える点で異なる。生体活動検出センサ10Aの他の構成は、生体活動検出センサ10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0055】
生体活動検出センサ10Aは、第1部材31、および、第1部材32を備える。第1部材31と第1部材32とは、同様の材料からなる。第1部材31と第1部材32とは、同じまたは類似する形状であり、ともに、長手方向を有する。
【0056】
第1部材31は、振戦センサ9121として機能する。第1部材32は、振戦センサ9122として機能する。
【0057】
第1部材31は、第2部材20の一方端付近に接続される。より具体的には、第1部材31の長手方向の一方端は、第2部材20の一方端付近に接続される。第1部材32は、第2部材20の他方端付近に接続される。より具体的には、第1部材32の長手方向の一方端は、第2部材20の他方端付近に接続される。
【0058】
この構成によって、第1部材31と第1部材32とは、第2部材20を挟んで配置される。また、第1部材31と第1部材32とは、それぞれの長手方向が略平行になるように配置される。したがって、生体活動検出センサ10Aは、第1部材31、第2部材20、および、第1部材32がこの順で繋がる帯状となる。
【0059】
このような構成によって、生体活動検出センサ10Aは、被験者の複数の部位の振戦を検出できる。
【0060】
(被験者への装着態様)
図8は、第2の実施形態に係る装着部材の外観斜視図である。図9(A)は、第2の実施形態に係る生体活動検出センサの被験者への装着態様の一例を示す側面図であり、図9(B)は、その平面図である。
【0061】
図8に示すように、装着部材70Aは、長手方向と短手方向とを有する長尺状である。装着部材70Aは、柔軟性を有する。装着部材70Aは、少なくとも、生体活動検出センサ10Aの第2部材20よりも変形し易ければよく、第1部材31および第1部材32と同程度または第1部材31および第1部材32よりも変形し易いと、よりよい。
【0062】
装着部材70Aは、略矩形で長尺状のポケット71およびポケット72を有する。ポケット71およびポケット72の長尺方向の一方端は、開口している。ポケット71とポケット72とは、装着部材70の長手方向に並んで配置される。ポケット71の開口とポケット72の開口は、対向している。
【0063】
ポケット71には、生体活動検出センサ10Aの第1部材31が挿入され、ポケット72には、生体活動検出センサ10Aの第1部材32が挿入される。ポケット71の形状を、第1部材31と略同じにし、ポケット72の形状を、第1部材32と略同じにすることによって、生体活動検出センサ10Aは、装着部材70Aに対して、略一定の状態で設置される。
【0064】
このように、装着部材70Aに設置された生体活動検出センサ10は、例えば、図9(A)、図9(B)に示すように、被験者の足首80に巻き付けられる。この際、装着部材70Aは、生体活動検出センサ10Aの第1部材31、すなわち、振戦センサ9121が、側面視(x方向に視て)、検出対象の部位(例えば、アキレス腱)に重なるように、足首80に装着される。または、装着部材70Aは、生体活動検出センサ10Aの第1部材32、すなわち、振戦センサ9122が、側面視(x方向に視て)、別の検出対象の部位(例えば、前脛骨筋)に重なるように、足首80に装着される。
【0065】
このような構成によって、振戦センサ9121および振戦センサ9122は、被験者の複数の対象部位(図9(A)、図9(B)では、アキレス腱および前脛骨筋)の振戦を、検出できる。この際、振戦センサ9121は、剛性が低く変形し易い第1部材31によって実現される。したがって、振戦センサ9121は、振戦を高精度に検出できる。さらに、振戦センサ9121は、変形し易い装着部材70Aによって、対象部位に対して安定した位置で固定される。これにより、振戦センサ9121は、振戦を、より高精度、且つ、より確実に検出できる。
【0066】
同様に、振戦センサ9122は、剛性が低く変形し易い第1部材32によって実現される。したがって、振戦センサ9122は、振戦を高精度に検出できる。さらに、振戦センサ9122は、変形し易い装着部材70Aによって、対象部位に対して安定した位置で固定される。これにより、振戦センサ9122は、振戦を、より高精度、且つ、より確実に検出できる。
【0067】
このように、生体活動検出センサ10Aは、複数の部位の振戦を検出でき、これら複数の部位の振戦検出信号を用いて、生体活動検出情報を生成できる。したがって、生体活動検出センサ10Aは、より複雑な内容で、高精度な生体活動検出情報を生成できる。
【0068】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る生体活動検出センサについて、図を参照して説明する。図10は、本発明の第3の実施形態に係る生体活動検出センサの機能ブロック図である。図11(A)は、本発明の第3の実施形態に係る生体活動検出センサの平面図であり、図11(B)は、本発明の第3の実施形態に係る生体活動検出センサの側面図であり、図11(C)は、本発明の第3の実施形態に係る生体活動検出センサの分解側面図である。
【0069】
図10に示すように、機能的には、第3の実施形態に係る生体活動検出センサ10Bは、第1の実施形態に係る生体活動検出センサ10に対して、センサ91と回路モジュール92との接続態様において異なる。生体活動検出センサ10Bの他の構成は、生体活動検出センサ10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0070】
生体活動検出センサ10Bは、コネクタ930を備える。コネクタ930は、センサ91と回路モジュール92とを、着脱可能に接続する。
【0071】
図11(A)、図11(B)、図11(C)に示すように、構造的には、第3の実施形態に係る生体活動検出センサ10Bは、第1の実施形態に係る生体活動検出センサ10に対して、回路モジュール92が第2部材20と別体に形成され、回路モジュール92を実現するパッケージ部品40を備える点で異なる。生体活動検出センサ10Bの他の構成は、生体活動検出センサ10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0072】
生体活動検出センサ10Bは、第2部材20、および、第1部材31、パッケージ部品40を備える。
【0073】
第2部材20には、回路モジュール92が形成されていない。第2部材20における動作検出センサ911の実装面と反対側の主面には、コネクタ部材931が実装されている。
【0074】
第2部材20を平面視して、コネクタ部材931は、動作検出センサ911と重ならない。
【0075】
パッケージ部品40は、回路基板41、筐体400、および、コネクタ部材932を備える。回路基板41には、回路モジュール92が形成されている。コネクタ部材932は、回路基板41の一主面に実装されている。回路基板41およびコネクタ部材932は、筐体400に収容されている。この際、コネクタ部材932は、外部への接続面が外部に露出するように、筐体400に収容されている。
【0076】
コネクタ部材931とコネクタ部材932とは、嵌合することによって、電気的および物理的に接続される。
【0077】
このように、生体活動検出センサ10Bは、センサ91を実現する帯状の構造体と、回路モジュール92を実現する構造体とを、分離できる。
【0078】
この構成により、センサ91を実現する帯状の構造体を装着しながら、回路モジュール92を実現するパッケージ部品40を交換することができる。また、センサ91を実現する帯状の構造体と回路モジュール92を実現するパッケージ部品40とを、個別に交換できる。これにより、故障時の交換や衛生管理上の交換を、効率的に実現できる。
【0079】
また、この構成により、回路モジュール92を帯状の構造体から外して、回路モジュール92の電源920を充電できる。これにより、生体活動検出センサ10Bの使い勝手を向上できる。
【0080】
また、この構成では、コネクタ部材931が、変形し難く、剛性の高い第2部材20に実装されている。これにより、コネクタ部材931に対するコネクタ部材932の着脱によって、コネクタ部材931が第2部材20から剥離することを抑制できる。したがって、生体活動検出センサ10Bは、構造的な信頼性を向上できる。
【0081】
また、この構成では、平面視して、コネクタ部材931は、動作検出センサ911と重ならない。これにより、コネクタ部材931とコネクタ部材932との着脱時に生じる衝撃が動作検出センサ911に加わることを抑制できる。
【0082】
なお、本実施形態の構成において、回路モジュール92の一部を第2部材20に形成し、他の部分をパッケージ部品40に形成してもよい。この場合、回路モジュール92における信号処理部922の例えば増幅回路やフィルタ回路等を第2部材20に形成できる。これにより、例えば、増幅回路を形成する場合、コネクタ部材931およびコネクタ部材932を介して、振幅の小さな動作検出信号や振戦検出信号(特に振戦検出信号)を伝送することを抑制できる。また、フィルタ回路を形成する場合、コネクタ部材931およびコネクタ部材932を介して、ノイズが抑圧された状態の動作検出信号や振戦検出信号を伝送できる。
【0083】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る生体活動検出センサについて、図を参照して説明する。図12は、本発明の第4の実施形態に係る生体活動検出センサの分解側面図である。
【0084】
図12に示すように、第4の実施形態に係る生体活動検出センサ10Cは、第3の実施形態に係る生体活動検出センサ10Bに対して、第1部材31Cおよび振戦センサ912Cの構成において異なる。生体活動検出センサ10Cの他の構成は、生体活動検出センサ10Bと同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0085】
生体活動検出センサ10Cは、第1部材31Cを備える。第1部材31Cは、PET、PEN、PI、液晶ポリマ等の変形し易い材料からなり、圧電性を殆ど有さない。
【0086】
振戦センサ912Cは、加速度センサ等のチップ部品によって実現される。振戦センサ912Cは、第1部材31Cに実装される。
【0087】
この構成によって、生体活動検出センサ10Cは、生体活動検出センサ10Bと同様の作用効果を奏することができる。
【0088】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る生体活動検出センサについて、図を参照して説明する。図13(A)は、本発明の第5の実施形態に係る生体活動検出センサのセンサ部分の平面図であり、図13(B)は、センサ部分の側面図であり、図13(C)は、湾曲させた状態でのセンサ部分の側面図である。なお、図13(A)、図13(B)、図13(C)では、回路モジュール92を構成するパッケージ部品40の記載を省略する。
【0089】
図13(A)、図13(B)、図13(C)に示すように、第5の実施形態に係る生体活動検出センサ10Dは、第3の実施形態に係る生体活動検出センサ10Bに対して、複数の第1部材を備え、第2部材20Dを備える点で異なる。言い換えれば、生体活動検出センサ10Dは、生体活動検出センサ10Bに生体活動検出センサ10Aの構成を適用した状態で、第2部材20に代えて第2部材20Dを採用した点で異なる。生体活動検出センサ10Dの他の構成は、生体活動検出センサ10Bと同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0090】
第2部材20Dは、リジッド部21、2個のリジッド部22、および、フレキシブル部23を備える。リジッド部21およびリジッド部22は、例えば、FR4等の剛性の高い絶縁性樹脂基板等からなり、フレキシブル部23は、PET、PEN等の剛性の低い絶縁性樹脂フィルム等からなる。
【0091】
リジッド部21と2個のリジッド部22とは、一方向に並んで配置される。リジッド部21は、2個のリジッド部22に長手方向に挟まれる位置に配置される。リジッド部21と2個のリジッド部22とは、それぞれにフレキシブル部23によって接続される。すなわち、第2部材20Dは、所謂リジッド-フレキシブル基板である。
【0092】
リジッド部21には、動作検出センサ911が実装される。一方のリジッド部22には、第1部材31が接続され、コネクタ部材931が実装される。他方のリジッド部22には、第1部材32が接続され、コネクタ部材931が実装される。
【0093】
この構成によって、生体活動検出センサ10Dは、生体活動検出センサ10Bと同様の作用効果を奏することができる。さらに、この構成によって、図13(C)に示すように、フレキシブル部23を湾曲させることによって、生体活動検出センサ10Dは、第2部材20Dも略曲面を描くように配置できる。これにより、生体活動検出センサ10Dは、被験者の対象部位の外形形状にさらに追従した状態で配置できる。したがって、被験者の装着時の違和感を軽減できる。
【0094】
また、この構成では、動作検出センサ911が実装されるリジッド部21と、コネクタ部材931が実装されるリジッド部22とは、異なる。これにより、コネクタ部材931の着脱時の衝撃が動作検出センサ911に加わることを、さらに抑制できる。
【0095】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る生体活動検出センサについて、図を参照して説明する。図14(A)は、本発明の第6の実施形態に係る生体活動検出センサのセンサ部分の平面図であり、図14(B)は、本発明の第6の実施形態に係る生体活動検出センサのセンサ部分の側面図である。なお、図14(A)、図14(B)では、回路モジュール92を構成するパッケージ部品40の記載を省略する。
【0096】
図14(A)、図14(B)に示すように、第6の実施形態に係る生体活動検出センサ10Eは、第3の実施形態に係る生体活動検出センサ10Bに対して、絶縁性保護層60を備える点で異なる。生体活動検出センサ10Eの他の構成は、生体活動検出センサ10Bと同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0097】
生体活動検出センサ10Eは、絶縁性保護層60を備える。絶縁性保護層60は、第2部材20におけるコネクタ部材931の実装面を除く全面、および、第1部材31の全面を覆う。なお、絶縁性保護層60は、コネクタ部材931がコネクタ部材932に嵌合可能に露出する状態であれば、第2部材20におけるコネクタ部材931の実装面側の一部を覆っていてもよい。
【0098】
絶縁性保護層60は、第2部材20よりも剛性が低く、第1部材31と同程度または第1部材31よりも剛性が低ければよりよい。
【0099】
この構成によって、生体活動検出センサ10Eは、生体活動検出センサ10Bと同様の作用効果を奏することができる。さらに、この構成によって、生体活動検出センサ10Eは、第2部材20、動作検出センサ911、第1部材31の防水性、耐久性を向上できる。したがって、生体活動検出センサ10Eに第1の実施形態の装着部材70のような部材を第1部材31に装着する場合、第1部材31に装着部材70を装着した状態で洗濯を行うことができる。
【0100】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係る生体活動検出センサについて、図を参照して説明する。図15(A)は、本発明の第7の実施形態に係る生体活動検出センサの平面図であり、図15(B)は、本発明の第7の実施形態に係る生体活動検出センサの側面図である。
【0101】
図15(A)、図15(B)に示すように、第7の実施形態に係る生体活動検出センサ10Fは、第1の実施形態に係る生体活動検出センサ10に対して、第1部材32、振戦センサ9121C、および、振戦センサ9122Cを追加した点で異なる。生体活動検出センサ10Fの他の構成は、生体活動検出センサ10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0102】
第1部材32は、第1部材31と同様の構成であり、振戦センサ9122として機能する。第1部材32は、第2部材20における第1部材31が接続される端部と反対側の端部に、接続される。
【0103】
振戦センサ9121Cおよび振戦センサ9122Cは、チップ部品である。振戦センサ9121Cは、第1部材31に実装される。振戦センサ9122Cは、第1部材32に実装される。
【0104】
この構成によって、生体活動検出センサ10Fは、生体活動検出センサ10と同様の作用効果を奏することができる。さらに、この構成によって、生体活動検出センサ10Fは、より多くの振戦を検出できる。これにより、生体活動検出センサ10Fは、より高精度な生体活動検出情報を生成できる。
【0105】
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態に係る生体活動検出センサについて、図を参照して説明する。図16(A)は、本発明の第8の実施形態に係る生体活動検出センサの側面図であり、図16(B)は、本発明の第8の実施形態に係る生体活動検出センサの分解側面図である。
【0106】
図16(A)、図16(B)に示すように、第8の実施形態に係る生体活動検出センサ10Gは、第2の実施形態に係る生体活動検出センサ10Aに対して、第2部材20と第1部材31および第1部材32との接続構造において異なる。生体活動検出センサ10Gの他の構成は、生体活動検出センサ10Aと同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0107】
生体活動検出センサ10Gは、第2部材20、第1部材31、第1部材32、第1筐体51、および、第2筐体52を備える。
【0108】
第1筐体51は、一面が開口する箱状である。第2部材20は、第1筐体51内に収容される。この際、第2部材20は、動作検出センサ911が実装される面が開口面側に露出するように、第1筐体51に配置される。
【0109】
第2筐体52は、一面が開口する箱状である。第2筐体52は、第2筐体52の開口面側と第1筐体51の開口面側とが対向するように、第1筐体51に対して配置される。そして、第2筐体52と第1筐体51とが嵌合することによって、第2筐体52は、第1筐体51に固定される。
【0110】
第1筐体51および第2筐体52の側壁には、それぞれ第1部材31および第1部材32が挿通可能な凹部が形成されている。これらの凹部が対向し重なり合うことによって、挿通穴が形成される。
【0111】
第1部材31および第1部材32は、長手方向の途中位置がこの挿通穴を通るように配置される。これにより、第1部材31および第1部材32の長手方向の端部は、これらの凹部を通じて、第1筐体51と第2筐体52とによって囲まれる空間内に配置される。そして、この状態で、第1部材31および第1部材32は、第2部材20における動作検出センサ911が実装される面に当接する。
【0112】
挿通穴の形状を第1部材31および第1部材32の形状に合わせることによって、第1筐体51と第2筐体52とは、第1部材31および第1部材32を挟みこんで固定できる。したがって、上述の第1部材31および第1部材32と第2部材20との当接状態は保持される。
【0113】
この構成によって、生体活動検出センサ10Gは、生体活動検出センサ10Aと同様の作用効果を奏することできる。さらに、この構成によって、生体活動検出センサ10Gは、導電性接合材290等を用いることなく、第1筐体51と第2筐体52との嵌合だけで、第2部材20と第1部材31および第1部材32との接続状態を維持できる。なお、この際、図16(A)、図16(B)に示すように、第2部材20における動作検出センサ911の実装面と反対側に、第1筐体51との間に緩衝材を配置する。そして、第2部材20を、より第2筐体52側に押し込むように配置することで、第2部材20と第1部材31および第1部材32との接続信頼性を向上できる。なお、この構成において、さらに第3の実施形態のようなパッケージ部品40を備える構成としてもよい。この場合、第1筐体51にはコネクタ部材が露出するように穴が設けられる。
【0114】
なお、上述のコネクタ部材931を用いる実施形態に置いて、第2部材20におけるコネクタ部材931の実装箇所に、補強層、補強部材を追加することも可能である。これにより、生体活動検出センサの信頼性は、向上する。
【0115】
(第9の実施形態)
本発明の第9の実施形態に係る生体活動検出センサについて、図を参照して説明する。図17(A)、図17(B)、図17(C)、図17(D)は、それぞれに本発明の第9の実施形態に係る生体活動検出センサの側面図である。
【0116】
図17(A)、図17(B)、図17(C)、図17(D)に示すように、第9の実施形態に係る生体活動検出センサ10HA、10HB、10HC、10HDは、第8の実施形態に係る生体活動検出センサ10Gに対して、振戦センサ912と動作検出センサ911との位置関係、および、これに対応した構造において異なる。生体活動検出センサ10HA、10HB、10HC、10HDの他の基本的な構成は、生体活動検出センサ10Gと同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0117】
図17(A)に示すように、生体活動検出センサ10HAは、第2部材20、第1部材31H、筐体50H、配線部材270、電池280、動作検出センサ911、および、振戦センサ912を備える。
【0118】
動作検出センサ911は、第2部材20に実装されている。生体活動検出センサ10HAを平面視して、振戦センサ912は、第2部材20に重なる位置に配置される。
【0119】
電池280は、第2部材20と振戦センサ912との間に配置される。
【0120】
配線部材270は、概ね電池280の外周に沿うように配置され、振戦センサ912と第2部材20とを電気的に接続する。配線部材270は、例えば、フレキシブル基板によって実現されるが、これに限るものではない。例えば、配線部材270は、第2部材20と同程度の剛性を有するものであってもよい。
【0121】
第1部材31Hは、振戦センサ912における第2部材20側と反対側の面に配置される。言い換えれば、振戦センサ912は、第1部材31Hに配置される。
【0122】
筐体50Hは、第1部材31Hにおける振戦センサ912が配置される面と反対側の面を除き、第2部材20、第1部材31H、配線部材270、電池280、動作検出センサ911、および、振戦センサ912を内蔵する。
【0123】
筐体50Hは、装着部材70に固定される。この際、第1部材31Hにおける振戦センサ912が配置される面と反対側の面で、平面視して振戦センサ912に重なる領域が、外部に露出するように、装着部材70は、筐体50Hに取り付けられる。
【0124】
第1部材31Hは、例えば、絶縁性のゴムによって実現される。第1部材31Hは、第2部材20よりも変形し易い。言い換えれば、第1部材31Hは、第2部材20よりも剛性が低い。
【0125】
このような構成では、生体活動検出センサ10HAは、第1部材31Hの露出面が被検者の対象部位に当接するように、当該対象部位に装着される。
【0126】
この構成によって、生体活動検出センサ10HAは、生体活動検出センサ10Gと同様の作用効果を奏することできる。さらに、この構成によって、生体活動検出センサ10HAは、平面視した形状を小さくできる。
【0127】
図17(B)に示すように、生体活動検出センサ10HBは、図17(A)に示した生体活動検出センサ10HAに対して、装着部材70への固定態様において異なる。生体活動検出センサ10HBの他の構成は、生体活動検出センサ10HAと同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0128】
生体活動検出センサ10HBは、筐体50Hにおける第1部材31Hの露出面側の面に装着部材70を配置し、筐体50Hを装着部材70に固定する。
【0129】
このような構成によって、生体活動検出センサ10HBは、生体活動検出センサ10HAと同様の作用効果を奏することできる。
【0130】
図17(C)に示すように、生体活動検出センサ10HCは、図17(A)に示した生体活動検出センサ10HAに対して、振戦センサ912と第1部材31Hとの位置関係において異なる。生体活動検出センサ10HCの他の構成は、生体活動検出センサ10HAと同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0131】
振戦センサ912は、第1部材31Hにおける筐体50Hから外部に露出する面に配置される。言い換えれば、生体活動検出センサ10HCの厚み方向において、配線部材270、第1部材31H、振戦センサ912の順に配置される。図示を省略しているが、振戦センサ912と配線部材270とは、第1部材31Hに形成された導体パターンによって電気的に接続される。
【0132】
このような構成によって、生体活動検出センサ10HCは、生体活動検出センサ10HAと同様の作用効果を奏することできる。
【0133】
図17(D)に示すように、生体活動検出センサ10HDは、図17(A)に示した生体活動検出センサ10HAに対して、振戦センサ912と第1部材31Hとの位置関係において異なる。生体活動検出センサ10HDの他の構成は、生体活動検出センサ10HAと同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0134】
振戦センサ912は、第1部材31Hの内部に配置される。図示を省略しているが、振戦センサ912と配線部材270とは、第1部材31Hに形成された導体パターンによって電気的に接続される。
【0135】
このような構成によって、生体活動検出センサ10HDは、生体活動検出センサ10HAと同様の作用効果を奏することできる。
【0136】
(第10の実施形態)
本発明の第10の実施形態に係る生体活動検出センサについて、図を参照して説明する。図18(A)、図18(B)は、それぞれに本発明の第10の実施形態に係る生体活動検出センサの側面図である。
【0137】
図18(A)、図18(B)に示すように、第10の実施形態に係る生体活動検出センサ10IA、10IBは、第8の実施形態に係る生体活動検出センサ10Gに対して、複数の振戦センサ9121、9122と動作検出センサ911との位置関係、および、これに対応した構造において異なる。生体活動検出センサ10IA、10IBの他の基本的な構成は、生体活動検出センサ10Gと同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0138】
図18(A)に示すように、生体活動検出センサ10IAは、第2部材20、第1部材31I、筐体50I、配線部材270、電池280、動作検出センサ911、および、複数の振戦センサ9121、9122を備える。
【0139】
動作検出センサ911は、第2部材20に実装されている。第1の振戦センサ9121は、生体活動検出センサ10IAを平面視して、第2部材20に重なる位置に配置される。第2の振戦センサ9122は、生体活動検出センサ10IAを平面視して、第2部材20に重ならない位置に配置される。すなわち、第1の振戦センサ9121と第2の振戦センサ9122とは、所定距離で離間して配置される。
【0140】
電池280は、第2部材20と第1の振戦センサ9121との間に配置される。
【0141】
配線部材270は、第2部材20と複数の振戦センサ9121、9122とを電気的に接続する。配線部材270は、例えば、フレキシブル基板によって実現されるが、これに限るものではない。また、配線部材270における第2部材20と第1の振戦センサ9121とを接続する部分と、第1の振戦センサ9121と第2の振戦センサ9122とを接続する部分とは、異なっていてもよい。
【0142】
第1部材31Iは、複数の振戦センサ9121、9122が並ぶ方向に延びる長尺状である。第1部材31Iは、絶縁性樹脂311Iと絶縁性樹脂312Iとを備える。絶縁性樹脂311Iと絶縁性樹脂312Iとは、例えば、シリコン樹脂によって実現される。絶縁性樹脂311Iと絶縁性樹脂312Iとは、積層されており、この積層構造によって、第1部材31Iが形成される。
【0143】
複数の振戦センサ9121、9122と、配線部材270における複数の振戦センサ9121、9122を接続する部分とは、絶縁性樹脂311Iと絶縁性樹脂312Iとの間に挟みこまれる。
【0144】
筐体50Iは、第2部材20、配線部材270における第2部材20と第1の振戦センサ9121とを接続する部分、電池280、および、動作検出センサ911を内蔵する箱状である。
【0145】
第1部材31Iは、第1部材31Iにおける第1の振戦センサ9121が配置される部分が筐体50Iに重なり、第2の振戦センサ9122が配置される部分が筐体50Iに重ならないように、筐体50Iに固定される。
【0146】
生体活動検出センサ10IBは、第1部材31Iを装着部材70に内蔵するように、装着部材70に固定される。
【0147】
この構成によって、生体活動検出センサ10IAは、生体活動検出センサ10Gと同様の作用効果を奏することできる。さらに、この構成によって、生体活動検出センサ10IAは、複数の振戦センサ9121、9122を備える構成であっても、平面視した形状を小さくできる。
【0148】
図18(B)に示すように、生体活動検出センサ10IBは、図18(A)に示す生体活動検出センサ10IAに対して、配線部材270による第2部材20と第1の振戦センサ9121との接続態様が異なるだけであり、詳細な説明は省略する。そして、この構成によって、生体活動検出センサ10IBは、生体活動検出センサ10IAと同様の作用効果を奏することできる。
【0149】
また、上述の各実施形態の構成は、適宜組み合わせることができ、それぞれの組合せに応じた作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0150】
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G、10HA、10HB、10HC、10HD、10IA、10IB:生体活動検出センサ
20、20D:第2部材
21、22:リジッド部
23:フレキシブル部
29:第1部材挿嵌部材
31、31C、32、31H、31I:第1部材
40:パッケージ部品
41:回路基板
50H、50I:筐体
51:第1筐体
52:第2筐体
60:絶縁性保護層
70:装着部材
70A:装着部材
71、72:ポケット
80:足首
91、91A:センサ
92:回路モジュール
200:フレキシブル層
270:配線部材
280:電池
290:導電性接合材
400:筐体
911:動作検出センサ
912、912C、9121、9121C、9122、9122C:振戦センサ
920:電源
921:演算部
922:信号処理部
923:通信部
924:記憶部
930:コネクタ
931、932:コネクタ部材
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