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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】圧力波発生素子およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H04R 23/00 20060101AFI20241126BHJP
   H04R 31/00 20060101ALI20241126BHJP
   D06M 11/83 20060101ALI20241126BHJP
   D04H 1/728 20120101ALI20241126BHJP
【FI】
H04R23/00 310
H04R31/00 Z
D06M11/83
D04H1/728
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023500712
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 JP2022004290
(87)【国際公開番号】W WO2022176637
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】P 2021025463
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100100479
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 三喜夫
(72)【発明者】
【氏名】深町 浩平
【審査官】稲葉 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-256215(JP,A)
【文献】ALIEV, Ali E. et al,Alternative Nanostructures for Thermophones,ACS NANO,2015年03月08日,VOL.9, NO.5,pp.4743-4756
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 23/00
H04R 31/00
D06M 11/83
D04H 1/728
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、
該支持体の上に設けられ、通電によって熱を発生する繊維層とを備え、
前記繊維層は、表面に金属コーティングが少なくとも部分的に設けられた繊維を含み、
前記金属コーティングは、前記支持体から遠くなるほど厚さが増加しており、
前記繊維は、予め定めた方向に沿って配向しており、
前記繊維の配向方向に沿って電圧を印加するための一対の電極をさらに備えることを特徴とする圧力波発生素子。
【請求項2】
前記繊維の配向度は、-0.6以上である請求項1に記載の圧力波発生素子。
【請求項3】
前記繊維の直径は、20nm以上1000nm以下の範囲内である請求項2に記載の圧力波発生素子。
【請求項4】
前記繊維は、高分子繊維である請求項1~3のいずれかに記載の圧力波発生素子。
【請求項5】
前記高分子繊維は、ポリイミド繊維である請求項4に記載の圧力波発生素子。
【請求項6】
支持体を用意するステップと、
回転ドラムの上に、エレクトロスピニング法を用いた紡糸による繊維を用いて繊維膜を形成するステップと、
前記繊維膜を前記支持体に接合し、前記繊維膜の上に、前記支持体から遠くなるほど厚さが増加している金属コーティングを施して繊維層を形成するステップと、を含むことを特徴とする圧力波発生素子の製造方法。
【請求項7】
前記回転ドラムの周速度は、10472mm/s~31416mm/sの範囲に設定される請求項に記載の圧力波発生素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気を周期的に加熱することによって圧力波を発生する圧力波発生素子に関する。また本発明は、圧力波発生素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力波発生素子は、サーモホン(thermophone)とも称され、一例として、支持体上に抵抗体層が設けられる。この抵抗体に電流が流れると、抵抗体は発熱し、抵抗体に触れている空気が熱膨張し、続いて通電を停止すると、膨張した空気が収縮する。こうした周期的な加熱によって音波が発生する。駆動信号を可聴周波数に設定すると、音響スピーカとして利用できる。駆動信号を超音波周波数に設定すると、超音波源として利用できる。こうしたサーモホンは、共振機構を利用していないため、広帯域かつ短パルスの音波を発生することが可能である。サーモホンは、電気エネルギーを熱エネルギーに変換してから音波を発生するため、エネルギー変換効率や音圧の向上が要望される。
【0003】
特許文献1では、抵抗体として、複数のカーボンナノチューブが相互に平行に並列されたカーボンナノチューブ構造体を設けることによって、空気と接触する表面積を大きくし、単位面積当りの熱容量を小さくしている。特許文献2では、放熱層としてシリコン基板を使用し、断熱層として熱伝導率の小さいポーラスシリコンを使用することによって、断熱特性を改善している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-296591号公報
【文献】特開平11-300274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、発熱層にカーボンナノチューブを使うことで、熱容量の削減を検討している。カーボンナノチューブは実用化が進んできたものの、コストが高く、製造におけるハンドリングが難しいことから、実用化の際に問題となる可能性が高い。また、カーボンナノチューブの抵抗率(10-5~10-2Ωcm)は、金属材料(10-6Ωcm)と比較して高いことから、同じ電力を投入するためには高い電圧で素子を駆動させる必要がある。
【0006】
本発明の目的は、改善された音圧および適切な電気抵抗を有する圧力波発生素子を提供することである。また本発明の目的は、こうした圧力波発生素子を製造するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る圧力波発生素子は、
支持体と、
該支持体の上に設けられ、通電によって熱を発生する繊維層とを備え、
前記繊維層は、表面に金属コーティングが少なくとも部分的に設けられた繊維を含み、
前記繊維は、予め定めた方向に沿って配向しており、
前記繊維の配向方向に沿って電圧を印加するための一対の電極をさらに備える。
【0008】
本発明の他の態様に係る圧力波発生素子の製造方法は、
支持体を用意するステップと、
回転ドラムの上に、エレクトロスピニング法を用いた紡糸による繊維を用いて繊維膜を形成するステップと、
前記繊維膜を前記支持体に装着し、前記繊維膜の上に金属コーティングを施して繊維層を形成するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る圧力波発生素子によれば、繊維層は、表面に金属コーティングが少なくとも部分的に設けられた繊維を含むことによって、空気と接触する表面積が増加するため、音圧向上が図られる。また金属材料の使用により、繊維層の電気抵抗を適切な値に設定できる。また繊維が配向することによって、繊維層の電気抵抗を下げることができる。そのため素子への入力電力を高く設定でき、音圧向上が図られる。
【0010】
また本発明に係る圧力波発生素子の製造方法によれば、空気と接触する表面積が大きく、適切な電気抵抗を有する繊維層を実現できる。またドラムの回転によって、紡糸による繊維の配向度を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態1に係る圧力波発生素子の一例を示す断面図である。
図2】繊維層20の表面を示す電子顕微鏡写真であり、繊維はランダムに配向している。
図3】繊維層20の表面を示す電子顕微鏡写真であり、繊維は予め定めた方向に沿って配向している。
図4】金属コーティングの厚さ分布を示す断面図である。
図5図5Aは、圧力波発生素子の一例を示す平面図である。図5Bは、繊維層20での繊維fbの配向状態を示す概略図である。
図6】繊維層に使用した繊維径と、概算した比表面積との関係を示すグラフである。
図7】圧力波発生素子の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一態様に係る圧力波発生素子は、
支持体と、
該支持体の上に設けられ、通電によって熱を発生する繊維層とを備え、
前記繊維層は、表面に金属コーティングが少なくとも部分的に設けられた繊維を含み、
前記金属コーティングは、前記支持体から遠くなるほど厚さが増加しており、
前記繊維は、予め定めた方向に沿って配向しており、
前記繊維の配向方向に沿って電圧を印加するための一対の電極をさらに備える。ここで「配向している」とは、繊維の延在方向が完全にランダムではないことを意味する。
【0013】
この構成によれば、繊維層は、表面に金属コーティングが少なくとも部分的に設けられた繊維を含む。そのため空気と接触する表面積が増加するようになり、単位入力電力に対する音圧の向上が図られる。繊維は、不織布、織布、編物またはこれらの混合物の形態で配置することができ、繊維の周囲にある空洞が互いに連通して、内部空洞と外部空間との間で通気性が確保される。従って、繊維で構成された多孔質構造と空気との間の接触面積は、非多孔質で平滑な表面と比べて著しく増加するようになる。そのため繊維層から空気への熱伝達効率が高くなり、音圧を向上させることができる。
また、金属コーティングは、支持体から遠くなるほど厚さが増加していることによって、繊維層の内部おいて支持体側の発熱を抑制しつつ、支持体とは反対側での発熱を増強できる。そのため繊維層から支持体への熱伝導を抑制しつつ、空気を加熱する効率が向上し、単位入力電力に対する音圧の向上が図られる。
【0014】
また、繊維の少なくとも一部に金属コーティングを施すことによって、コーティング膜厚の調整、コーティング材料の選択に応じて、繊維層の電気抵抗を適切な値に容易に設定できる。こうして所望の電気抵抗が得られるようになり、駆動電圧の最適化が図られる。
【0015】
また、繊維として、例えば、低熱伝導材料を用いた場合、繊維層から支持体への熱伝導を抑制できる。そのため繊維層表面の温度変化が大きくなり、単位入力電力に対する音圧の向上が図られる。こうした繊維を含む繊維層は多孔質構造のため、特許文献2のように音圧向上のための断熱層を導入する必要がない。
【0016】
また、繊維が配向することによって、繊維層の電気抵抗を下げることができる。そのため素子への入力電力を高く設定でき、音圧向上が図られる。
【0017】
また、繊維の配向方向に沿って電圧を印加するための一対の電極をさらに備えることによって、繊維層の電気抵抗が最小になる状態で通電できる。そのため素子への入力電力を高く設定でき、音圧向上が図られる。
【0018】
本発明において、前記繊維の配向度は、-0.6以上であることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、繊維の配向度は、-0.6以上であることによって、繊維層の電気抵抗を下げることができる。そのため素子への入力電力を高く設定でき、音圧向上が図られる。
【0020】
本発明において、前記繊維の直径は、20nm以上1000nm以下の範囲内であることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、繊維径が小さくなることで、繊維層の比表面積を増加させることが可能になり、単位入力電力に対する音圧を大きくすることができる。一方、繊維径が20nmを下回ると、繊維自体の強度が低下しまい、素子の耐久性や寿命に影響が出てくる。
【0022】
本発明において、前記繊維は、高分子繊維であることが好ましい。高分子繊維を形成する材料の具体例として、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ABS樹脂、ポリフッ化ビニリデン、セルロース、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリウレタンが使用できる。
【0023】
この構成によれば、エレクトロスピニング法を用いた紡糸が可能になる。そのため、直径が1nm~2000nmの範囲にある繊維、例えば、ナノファイバ、サブミクロンファイバ、ミクロンファイバなどを実現できる。
【0024】
本発明において、前記高分子繊維は、ポリイミド繊維であることが好ましい。
【0025】
この構成によれば、繊維層の耐熱性を増加させることができる。そのため後工程での熱処理プロセス、例えば、リフローはんだ付けなどを適用できる。
【0028】
本発明の他の態様に係る圧力波発生素子の製造方法は、
支持体を用意するステップと、
回転ドラムの上に、エレクトロスピニング法を用いた紡糸による繊維を用いて繊維膜を形成するステップと、
前記繊維膜を前記支持体に接合し、前記繊維膜の上に、前記支持体から遠くなるほど厚さが増加している金属コーティングを施して繊維層を形成するステップと、を含む。
【0029】
この構成によれば、繊維層は、表面に金属コーティングが少なくとも部分的に設けられた繊維を含むようになり、ヒータとして機能する。そのため空気と接触する表面積が増加するようになり、単位入力電力に対する音圧の向上が図られる。また適切な電気抵抗を有する繊維層を容易に実現できる。
また、金属コーティングは、支持体から遠くなるほど厚さが増加していることによって、繊維層の内部おいて支持体側の発熱を抑制しつつ、支持体とは反対側での発熱を増強できる。そのため繊維層から支持体への熱伝導を抑制しつつ、空気を加熱する効率が向上し、単位入力電力に対する音圧の向上が図られる。
【0030】
また、エレクトロスピニング法を用いることによって、直径が1nm~2000nmの範囲にある繊維、例えば、ナノファイバ、サブミクロンファイバ、ミクロンファイバなどを実現できる。
【0031】
また、紡糸の際にドラムの回転を利用することによって、繊維の配向度を高めることができる。
【0032】
本発明において、前記回転ドラムの周速度は、10472mm/s~31416mm/sの範囲に設定される。
【0033】
この構成によれば、適切な配向度を有する繊維を紡糸できる。
【0034】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る圧力波発生素子1の一例を示す断面図である。
【0035】
圧力波発生素子1は、支持体10と、繊維層20と、一対の電極D1,D2とを備える。支持体10は、シリコンなどの半導体、またはガラスや、アルミナ、ジルコニア、酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、窒化ケイ素等のセラミック基板や、PETフィルム、ポリイミドフィルム等のフレキシブル基板などの電気絶縁体で形成される。支持体10の上には、支持体10より低い熱伝導率を有する熱絶縁層を設けてもよく、これにより繊維層20から支持体10への熱の散逸を抑制できる。後述するように、繊維層20が熱絶縁機能を有する場合、上述の熱絶縁層は省略してもよい。
【0036】
支持体10の上には、繊維層20が設けられる。繊維層20は、導電性材料で形成され、電気的に駆動されて電流が流れることによって熱を発生し、空気の周期的な膨張および収縮に起因した圧力波を放射する。繊維層20の両側には、一対の電極D1,D2が設けられる。電極D1,D2は、導電性材料からなる単層構造または多層構造を有する。
【0037】
本実施形態において、繊維層20は、表面に金属コーティングが少なくとも部分的に設けられた繊維を含む。そのため空気と接触する表面積が増加するようになり、音圧向上が図られる。また繊維に金属コーティングを施すことによって、コーティング膜厚の調整、コーティング材料の選択に応じて、繊維層20の電気抵抗を適切な値に設定できる。
【0038】
繊維は、支持体10の上に直接配置してもよく、あるいはポリマー材料などの接着層を介して配置してもよい。
【0039】
図2図3は、繊維層20の表面を示す電子顕微鏡写真である。図2は、繊維が、ランダムに配向しており、熱的、機械的または化学的な作用によって接着しまたは絡み合ってシート状になった形態である場合を示す。図3は、繊維が予め定めた方向に沿って配向して、熱的、機械的または化学的な作用によって接着しまたは絡み合ってシート状になっている。繊維の表面には、金属コーティングが施されている。
【0040】
繊維は、ポリマーファイバ、ガラスファイバ、カーボンファイバ、カーボンナノチューブ、金属ファイバおよびセラミックファイバからなるグループより選択できる。繊維として、例えば、ポリマー、ガラス、セラミックなどの低熱伝導材料を用いた場合、繊維自体が熱絶縁機能を有するため、繊維層から支持体への熱伝導を抑制できる。そのため繊維層表面の温度変化が大きくなり、単位入力電力に対する音圧の向上が図られる。
【0041】
金属コーティングは、例えば、Au,Ag,Cu,Pt,Rh,Pd,Ru,Ni,Ir,Cr,Mo,W,Ti,Alなどの金属材料、またはこれらの2種類以上の金属を含む合金で形成されることが好ましい。金属コーティングは、単層構造でもよく、あるいは複数の材料からなる多層構造でもよい。
【0042】
(実施形態2)
図7は、圧力波発生素子の製造方法の一例を示すフローチャートである。最初にステップS1において、支持体10を用意する。
【0043】
次にステップS2において、回転ドラムコレクタの周面上に紡糸による繊維を用いて繊維膜を形成する。紡糸方法として、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法、遠心紡糸法、溶融紡糸法などが採用できる。また、セルロースナノファイバのようにパルプを解砕してシート状に加工した方法が採用できる。特にエレクトロスピニング法を用いた場合、ナノファイバ、サブミクロンファイバ、ミクロンファイバなどを実現できる。
【0044】
ドラムの回転に伴って紡糸を行うことによって、紡糸された繊維は予め定めた方向に沿って配向するようになる(図3参照)。例えば、直径200mmのドラムコレクタを約50rpm~約3000rpmで回転させた場合、ドラム周速度は、約524mm/s~約31400mm/sになる。
【0045】
次にステップS3において、得られた繊維膜を剥離して支持体10の上に接合した後、繊維膜の上に金属コーティングを施して繊維層20を形成する。コーティング方法として、蒸着、スパッタ、電解メッキ、無電解メッキ、イオンプレーティング、原子層堆積法などが採用できる。金属材料として、一般に上述したものが採用できる。
【0046】
次にステップS4において、得られた繊維層20の上に一対の電極D1,D2を形成する。電極の成膜方法として、蒸着、スパッタ、電解メッキ、無電解メッキ、イオンプレーティング、原子層堆積法、印刷、スプレーコート、ディップコートなどが採用できる。電極材料として、Au,Ag,Cu,Pt,Rh,Pd,Ru,Ni,Ir,Cr,Mo,W,Ti,Al,Snなどの金属材料、またはこれらの2種類以上の金属を含む合金で形成されることが好ましい。電極構造は、単層構造でもよく、あるいは複数の材料からなる多層構造でもよい。
【実施例
【0047】
(実施例1)
(試料作製方法)
圧力波発生素子を以下の方法で作製した(比較サンプル1、サンプル1~4)。
【0048】
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒として用いて作製したポリイミド(PI)溶液を紡糸溶液として使用した。溶液濃度は8wt%となるように調製し、溶液中へ塩化リチウムを0.1wt%添加した。他に添加剤として、テトラブチルアンモニウムクロリド、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム等が利用できる。
【0049】
この溶液を用いて、エレクトロスピニング法により、ドラムコレクタの周面に装着したアルミ箔上へPI繊維を紡糸した。使用したドラムコレクタは直径200mmを有し、50rpm~3000rpmで回転させながら紡糸を行った。回転数を上げることで、例えば、図3に示すような配向した繊維を作製することができた。
【0050】
エレクトロスピニングの条件は、印加電圧23kV、ノズルとコレクタ距離14cmで、繊維膜の厚みが1~80μm程度となるように成膜時間を調整した。作製した繊維膜をアルミ箔から剥離し、Si基板(支持体)上へ接着させた。基板への接着は、あらかじめ基板へエポキシ等の接着剤の塗布や、両面テープ等を用いることで実施できる。また、基板は、ガラスや、アルミナ、ジルコニア、酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、窒化ケイ素等のセラミック基板や、PETフィルム、ポリイミドフィルム等のフレキシブル基板を使用できる。
【0051】
基板に形成した繊維膜上にスパッタ法により、厚さが1~40nmの範囲で分布するAuを成膜した。繊維への金属コーティングの方法は、蒸着法やイオンプレーティング法、原子層堆積法、無電解めっき法などの手法を用いてもよい。また、金属種はAu,Ag,Cu,Pt,Rh,Pd,Ru,Ni,Ir,Cr,Mo,W,Ti,Al等が使用できる。
【0052】
金属コーティングの厚さは、繊維の周方向に均一でもよく、あるいは不均一でもよく、例えば、支持体から遠くなるほど厚さが増加していてもよい。金属コーティングは、支持体側に最も近い位置で厚さT1を有し、支持体側から最も遠い位置で厚さT2を有し、T1<T2を満たしてもよい。繊維への金属コーティングの形態は、例えば、図4に示すように、繊維21の周面において支持体10に近接した下部には、金属コーティング22が施されない箇所が存在してもよい。これにより繊維層の内部において支持体側の発熱を抑制しつつ、支持体とは反対側での発熱を増強できる。
【0053】
金属コーティングされた繊維のコーティング状態(断面像)は下記のように分析できる。例えば、試料を集束イオンビーム(FIB)により加工し、透過電子顕微鏡(JEOL製 JEM-F200)での観察とエネルギー分散型X線分光法による元素マッピング分析により、繊維へのコーティング状態を分析できる。
【0054】
作製した素子サイズは5mm×6mmとなるように加工した。一対の電極D1,D2を試料の両サイドに0.8mm×4mmの寸法で、電極間距離3.4mmとなるように形成した。電極の積層構造は支持体側からTi(10nm厚)、Cu(500nm厚)、Au(100nm厚)とした。
【0055】
電極の成膜方法として、蒸着、スパッタ、イオンプレーティング法、原子層堆積法、電解メッキ、無電解メッキ、塗布、スプレーコーティング、ディップコーティングなどが採用できる。電極材料として、Au,Ag,Cu,Pt,Rh,Pd,Ru,Ni,Ir,Cr,Mo,W,Ti,Alなどが使用できる。
【0056】
図5Aは、圧力波発生素子の一例を示す平面図である。図5Bは、繊維層20での繊維fbの配向状態を示す概略図である。x方向がドラムコレクタの回転方向に対応しており、繊維fbは、x方向に沿って配向している。電極D1,D2は、y方向に沿って細長い形状を有し、繊維fbの両端付近に設置される。電極D1,D2の間にx方向に沿って電圧を印加すると、x方向に沿って電流Iが流れる。
【0057】
このように電流が繊維fbの配向方向(図のx方向)に沿って流れる場合、繊維層の電気抵抗は小さくなる。一方、電流が繊維fbの配向方向に対して垂直な方向(図のy方向)に沿って流れる場合、繊維層の電気抵抗は大きくなる。従って、素子への投入電力を高くして音圧を向上させるためには、電流Iの方向と繊維fbの配向方向とが一致することが好ましい。
【0058】
(評価方法)
1)電気特性(音圧、抵抗)
圧力波発生素子の音圧は、MEMSマイクロフォン(Knowles社SPU0410LR5H)を用いて測定した。圧力波発生素子とマイクロフォンの距離は6cmとし、駆動信号の周波数が60kHz時のマイクロフォンの出力電圧を読み取ることで評価した。圧力波発生素子への入力電圧は18Vとした。素子の抵抗はデジタルマルチメータ(Agilent社34410A)を用いて四端子法での測定を行った。
【0059】
2)繊維径
金属コーティングされた繊維径は、走査型電子顕微鏡(日立製S-4800 加速電圧5kV、倍率3k~120k倍)にて観察してSEM画像を取得し、得られた画像から繊維径を測長することで平均繊維径を算出した。具体的には、得られた画像に含まれる複数の繊維のうち異常なものを除いて1視野当たり10本の繊維をランダムに抽出し、それを5視野について行うことで計50本の繊維をサンプリングし、これらの直径を測長し、平均繊維径を算出した。
【0060】
3)配向度
繊維の配向度の算出は下記のように実施した。繊維の配向度は、走査型電子顕微鏡(日立製S-4800 加速電圧5kV、倍率1k~20k倍)にて観察してSEM画像を取得し、解析ソフトウェア「A像くん(旭化成エンジニアリング社)」の針状物解析によりSEM画像内の繊維の方向(角度)を測定し、尖度を評価することで配向度として算出した。具体的には、図5Bにおいて、y方向が0°(180°)、x方向が90°となるように画像を取得する。画像から30~100本の繊維をランダムに選択して各繊維の角度を計測し、その尖度を算出した。尖度の算出には、例えば、表計算ソフトウェアEXCELのKURT関数が使用できる。
【0061】
尖度の定義は、下記式(1)で表され、分布が正規分布からどれだけ逸脱しているかを表す統計量で、山の尖り度と裾の広がり度を示す。正規分布では尖度は0となり、0未満のときは尖りが緩やかで裾が短く、0より大きいときは尖りが急で裾が長くなる。式中、nはサンプルサイズ、xは各データ値、xバーは平均値、sは標準偏差である。
【0062】
【数1】
【0063】
【表1】
【0064】
(比較サンプル2の作製方法)
比較サンプル2としてCNT(カーボンナノチューブ)を用いた素子を作製した。
【0065】
名城ナノカーボン社製の多層CNTインク(MW-I)を用いて、スピンコートによりSi基板上に厚み500nm~1000nm程度となるように成膜した。スピンコートは、条件として回転数5000rpm、15sで実施し、120℃で乾燥を行った。
【0066】
溶液中に含有する分散剤を分解させるため、素子を400℃、2hr保持して熱処理を実施し、CNT薄膜を得た。電極を試料の両サイドに0.8mm×4mm、電極間距離3.4mmの電極を形成した。電極の積層構造は、基板側からTi(10nm厚)、Cu(500nm厚)、Au(100nm厚)とした。
【0067】
上記のプロセスで作製したCNTを用いた圧力波発生素子の特性を評価(上記評価方法と同様)したところ、抵抗140Ω、音圧0.01Paであった。
【0068】
【表2】
【0069】
表1と表2の結果から、CNTをスピンコートで成膜した場合と比べて、所定方向に沿って配向したポリイミド繊維にAuコーティングを施して得られる素子は、電気抵抗が小さくなり、音圧が改善されることが判る。また、繊維の配向度が大きくなるほど、電気抵抗がより小さくなり、音圧がさらに改善されることが判る。
【0070】
このように金属材料でコーティングされた繊維を形成することで、素子抵抗が低く、かつ、音圧が大きな圧力波発生素子を実現できる。さらに素子抵抗を低くすることで、低電圧駆動が可能となる圧力波発生素子を実現できる。
【0071】
また、繊維が配向することで、繊維のパッキング性、緻密性が高くなり、素子抵抗が低く、かつ、音圧が大きな圧力波発生素子を実現できる。
【0072】
また、繊維径1μm以下の繊維を型として金属膜が形成されているので、繊維層の高比表面積化が可能であり、音圧を大きくすることができる。
【0073】
また繊維として、高分子等の低熱伝導材料を用いた場合、基板方向への断熱効果があり、発熱体表面の温度変化が大きくなるため、音圧を大きくすることができる。一例として、ポリイミドの熱伝導率は約0.28W/m・Kであり、SiO(Si基板表面の酸化層)の熱伝導率は約1.3W/m・Kであり、ポリイミドのほうが熱伝導率は低く、基板側への断熱効果が高くなるため、音圧が大きくなる。
【0074】
また、耐熱性(300℃以上)を有するポリイミドで繊維を形成した場合、後工程での熱処理プロセス、例えば、リフローはんだ付けなどを適用できる。
【0075】
(実施例2)
(試料作製方法)
圧力波発生素子を以下の方法で作製した(比較サンプル3、サンプル5~7)。
【0076】
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒として用いて作製したポリイミド(PI)溶液を紡糸溶液として使用した。溶液濃度は6wt%となるように調製し、溶液中へ塩化リチウムを0.1wt%添加した。他に添加剤として、テトラブチルアンモニウムクロリド、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム等が利用できる。
【0077】
この溶液を用いて、エレクトロスピニング法により、ドラムコレクタの周面に装着したアルミ箔上へPI繊維を紡糸した。使用したドラムコレクタは直径200mmを有し、50rpm~3000rpmで回転させながら紡糸を行った。回転数を上げることで、例えば、図3に示すような配向した繊維を作製することができた。
【0078】
エレクトロスピニングの条件は、印加電圧29kV、ノズルとコレクタ距離14cmで、繊維膜の厚みが1~80μm程度となるように成膜時間を調整した。作製した繊維膜をアルミ箔から剥離し、Si基板(支持体)上へ接着させた。基板への接着は、あらかじめ基板へエポキシ等の接着剤の塗布や、両面テープ等を用いることで実施できる。また、基板は、ガラスや、アルミナ、ジルコニア、酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、窒化ケイ素等のセラミック基板や、PETフィルム、ポリイミドフィルム等のフレキシブル基板を使用できる。
【0079】
基板に形成した繊維膜上にスパッタ法により、厚さが1~40nmの範囲で分布するAuを成膜した。繊維への金属コーティングの方法は、蒸着法やイオンプレーティング法、原子層堆積法、無電解めっき法などの手法を用いてもよい。また、金属種はAu,Ag,Cu,Pt,Rh,Pd,Ru,Ni,Ir,Cr,Mo,W,Ti,Al等が使用できる。
【0080】
金属コーティングの形態(図4)、素子サイズ、電極形成方法、電極構造と繊維配向(図5A図5B)、評価方法については、(実施例1)の説明と同様である。
【0081】
実施例2では、実施例1と比べて、溶液濃度が8wt%から6wt%に低くなり、エレクトロスピニング印加電圧が23kVから29kVに高くなった。そのため紡糸による繊維がより細くなり、金属コート後繊維径も細くなり、繊維膜の密度が増加している。
【0082】
【表3】
【0083】
表3の結果から、繊維が細い場合でも繊維の配向度が大きくなるほど、電気抵抗がより小さくなり、音圧がさらに改善されることが判る。
【0084】
(実施例3)
(試料作製方法)
圧力波発生素子を以下の方法で作製した(比較サンプル4、サンプル8)。
【0085】
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒として用いて作製したポリイミド(PI)溶液を紡糸溶液として使用した。溶液濃度は10wt%となるように調製した。
【0086】
この溶液を用いて、エレクトロスピニング法により、ドラムコレクタの周面に装着したアルミ箔上へPI繊維を紡糸した。使用したドラムコレクタは直径200mmを有し、50rpmおよび3000rpmで回転させながら紡糸を行った。回転数を上げることで、例えば、図3に示すような配向した繊維を作製することができた。
【0087】
エレクトロスピニングの条件は、印加電圧29kV、ノズルとコレクタ距離14cmで、繊維膜の厚みが1~80μm程度となるように成膜時間を調整した。作製した繊維膜をアルミ箔から剥離し、Si基板(支持体)上へ接着させた。基板への接着は、あらかじめ基板へエポキシ等の接着剤の塗布や、両面テープ等を用いることで実施できる。また、基板は、ガラスや、アルミナ、ジルコニア、酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、窒化ケイ素等のセラミック基板や、PETフィルム、ポリイミドフィルム等のフレキシブル基板を使用できる。
【0088】
基板に形成した繊維膜上にスパッタ法により、厚さが1~40nmの範囲で分布するAuを成膜した。繊維への金属コーティングの方法は、蒸着法やイオンプレーティング法、原子層堆積法、無電解めっき法などの手法を用いてもよい。また、金属種はAu,Ag,Cu,Pt,Rh,Pd,Ru,Ni,Ir,Cr,Mo,W,Ti,Al等が使用できる。
【0089】
金属コーティングの形態(図4)、素子サイズ、電極形成方法、電極構造と繊維配向(図5A図5B)、評価方法については、(実施例1)の説明と同様である。
【0090】
実施例3では、実施例1と比べて、溶液濃度が8wt%から10wt%に高くなり、エレクトロスピニング印加電圧が23kVから29kVに高くなった。そのため紡糸による繊維がより太くなり、金属コート後繊維径も太くなり、繊維膜の密度が減少している。
【0091】
【表4】
【0092】
表4の結果から、繊維が太い場合でも繊維の配向度が大きくなるほど、電気抵抗がより小さくなり、音圧がさらに改善されることが判る。
【0093】
(実施例4)
(試料作製方法)
圧力波発生素子を以下の方法で作製した(比較サンプル5、サンプル9)。
【0094】
N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)を溶媒として用いて作製したポリアミック酸溶液を紡糸溶液として使用した。溶液濃度は25wt%となるように調製した。
【0095】
この溶液を用いて、エレクトロスピニング法により、ドラムコレクタの周面に装着したアルミ箔上へポリアミック酸繊維を紡糸した。使用したドラムコレクタは直径200mmを有し、50rpmおよび3000rpmで回転させながら紡糸を行った。回転数を上げることで、例えば、図3に示すような配向した繊維を作製することができた。
【0096】
エレクトロスピニングの条件は、印加電圧23kV、ノズルとコレクタ距離14cmで、繊維膜の厚みが1~80μm程度となるように成膜時間を調整した。得られたポリアミック酸繊維を300℃で1hr熱処理(イミド化)を行うことでポリイミド繊維を得た。熱分解温度や融点の低い高分子材料の場合、熱処理プロセスを適用すると繊維膜が得られないが、ポリイミド材料は耐熱性を有するため、熱処理プロセスを適用できる。
【0097】
作製した繊維膜をアルミ箔から剥離し、Si基板(支持体)上へ接着させた。基板への接着は、あらかじめ基板へエポキシ等の接着剤の塗布や、両面テープ等を用いることで実施できる。また、基板は、ガラスや、アルミナ、ジルコニア、酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、窒化ケイ素等のセラミック基板や、PETフィルム、ポリイミドフィルム等のフレキシブル基板を使用できる。
【0098】
基板に形成した繊維膜上にスパッタ法により、厚さが1~100nmの範囲で分布するAuを成膜した。繊維への金属コーティングの方法は、蒸着法やイオンプレーティング法、原子層堆積法、無電解めっき法などの手法を用いてもよい。また、金属種はAu,Ag,Cu,Pt,Rh,Pd,Ru,Ni,Ir,Cr,Mo,W,Ti,Al等が使用できる。
【0099】
金属コーティングの形態(図4)、素子サイズ、電極形成方法、電極構造と繊維配向(図5A図5B)、評価方法については、(実施例1)の説明と同様である。なお、本実施例では、音圧測定において圧力波発生素子への入力電圧は8Vとした。
【0100】
【表5】
【0101】
表4の結果から、繊維が太い場合でも繊維の配向度が大きくなるほど、電気抵抗がより小さくなり、音圧がさらに改善されることが判る。
【0102】
図6は、繊維層に使用した繊維径と、概算した比表面積との関係を示すグラフである。繊維径が1μm以下になると、繊維層の比表面積が急激に大きくなる(超比表面積効果)。例えば、比表面積が200μm-1である場合、繊維径は20nmになる。繊維層に使用する繊維の直径は、20nm以上1000nm以下の範囲内であることが好ましい。繊維径が小さくなることで、繊維層の比表面積を増加させることが可能になり、単位入力電力に対する音圧を大きくすることができる。一方、繊維径が20nmを下回ると、繊維自体の強度が低下してしまい、素子の耐久性や寿命に影響が出てくる。
【0103】
以上説明したように、繊維層は、表面に金属コーティングが少なくとも部分的に設けられた繊維を含むことによって、空気と接触する表面積が増加するため、音圧向上が図られる。また金属材料の使用により、繊維層の電気抵抗を適切な値に設定できる。また繊維が配向することによって、繊維層の電気抵抗を下げることができる。そのため素子への入力電力を高く設定でき、音圧向上が図られる。
【0104】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されている
が、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形
や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に
含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、改善された音圧および適切な電気抵抗を有する圧力波発生素子が実現できる点で産業上極めて有用である。
【符号の説明】
【0106】
1 圧力波発生素子
10 支持体
20 繊維層
21 繊維
22 金属コーティング
D1,D2 電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7