(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】運送計画装置および運送計画方法
(51)【国際特許分類】
B65G 61/00 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
B65G61/00 544
(21)【出願番号】P 2024532797
(86)(22)【出願日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 JP2024009153
【審査請求日】2024-05-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【氏名又は名称】伊達 研郎
(74)【代理人】
【識別番号】100184022
【氏名又は名称】前田 美保
(72)【発明者】
【氏名】亀岡 翔太
(72)【発明者】
【氏名】酒井 雅也
(72)【発明者】
【氏名】富永 健太
(72)【発明者】
【氏名】大倉 優一
(72)【発明者】
【氏名】原田 祥吾
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-175915(JP,A)
【文献】特開2002-308439(JP,A)
【文献】特開平08-173915(JP,A)
【文献】特開2021-022319(JP,A)
【文献】特開2021-018714(JP,A)
【文献】特開2019-020770(JP,A)
【文献】特開2023-177051(JP,A)
【文献】特開2020-083600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 61/00
B60W 30/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも運送先を含む運送情報に基づいて、前記運送先までの移動体の運送経路を決定する運送経路決定部と、
前記移動体に関する移動体データに基づいて、前記運送経路のうち遠隔オペレータによる前記移動体の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定する遠隔操作決定部と、
を備える、運送計画装置。
【請求項2】
少なくとも運送先を含む運送情報に基づいて、前記運送先までの移動体の運送経路を決定する運送経路決定部と、
遠隔オペレータに関する遠隔オペレータデータに基づいて、前記運送経路のうち前記遠隔オペレータによる前記移動体の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定する遠隔操作決定部と、
を備える、運送計画装置。
【請求項3】
少なくとも運送先を含む運送情報に基づいて、前記運送先までの移動体の運送経路を決定する運送経路決定部と、
前記移動体の状態を示す移動体情報に基づいて、前記運送経路のうち遠隔オペレータによる前記移動体の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定し、前記移動体の割り当てを行う遠隔操作決定部と、
を備える、運送計画装置。
【請求項4】
少なくとも運送先を含む運送情報に基づいて、前記運送先までの移動体の運送経路を決定する運送経路決定部と、
前記運送経路のうち遠隔オペレータによる前記移動体の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定し、現地オペレータに関する現地オペレータデータに基づいて前記現地オペレータの割り当てを行う遠隔操作決定部と、
を備える、運送計画装置。
【請求項5】
少なくとも運送先を含む運送情報に基づいて、前記運送先までの移動体の運送経路を決定する運送経路決定部と、
ユーザが指定する移動体または遠隔オペレータに関する指定情報に基づいて、前記運送経路のうち前記遠隔オペレータによる前記移動体の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定する遠隔操作決定部と、
【請求項6】
請求項1から
2、および
4から
5のいずれか1項に記載の運送計画装置であって、
前記遠隔操作決定部は、前記移動体の状態を示す移動体情報に基づいて、前記遠隔運送経路を決定する、運送計画装置。
【請求項7】
請求項
2から
5のいずれか1項に記載の運送計画装置であって、
前記遠隔操作決定部は、前記移動体に関する移動体データに基づいて、前記遠隔運送経路を決定する、運送計画装置。
【請求項8】
請求項
1、および
3から
5のいずれか1項に記載の運送計画装置であって、
前記遠隔操作決定部は、前記遠隔オペレータに関する遠隔オペレータデータに基づいて、前記遠隔運送経路を決定する、運送計画装置。
【請求項9】
請求項1から
5のいずれか1項に記載の運送計画装置であって、
前記遠隔操作決定部は、制御成否情報に基づいて、前記遠隔運送経路を決定する、運送計画装置。
【請求項10】
請求項
6に記載の運送計画装置であって、
前記遠隔操作決定部は、前記移動体情報に基づいて、前記遠隔運送経路における前記移動体の割り当てを行う、運送計画装置。
【請求項11】
請求項
7に記載の運送計画装置であって、
前記遠隔操作決定部は、前記移動体データに基づいて、前記遠隔運送経路における前記移動体の割り当てを行う、運送計画装置。
【請求項12】
請求項
8に記載の運送計画装置であって、
前記遠隔操作決定部は、前記遠隔オペレータデータに基づいて、前記遠隔運送経路における前記遠隔オペレータの割り当てを行う、運送計画装置。
【請求項13】
請求項1から
3、および
5のいずれか1項に記載の運送計画装置であって、
前記遠隔操作決定部は、現地オペレータに関する現地オペレータデータに基づいて、前記現地オペレータの割り当てを行う、運送計画装置。
【請求項14】
請求項1から
4のいずれか1項に記載の運送計画装置であって、
前記遠隔操作決定部は、ユーザが指定する移動体、遠隔オペレータまたは現地オペレータに関する指定情報に基づいて、前記遠隔運送経路を決定する、運送計画装置。
【請求項15】
請求項
14に記載の運送計画装置であって、
前記運送経路決定部は、前記指定情報に基づいて、前記運送経路を決定する、運送計画装置。
【請求項16】
請求項
14に記載の運送計画装置であって、
前記遠隔操作決定部は、前記指定情報に基づいて、前記移動体、前記遠隔オペレータまたは前記現地オペレータの割り当てを行う、運送計画装置。
【請求項17】
請求項
10に記載の運送計画装置であって、
前記移動体の操作にかかる作業時間を予測する作業時間予測部を備え、
前記遠隔操作決定部は、前記作業時間に基づいて、前記移動体の割り当てを行う、運送計画装置。
【請求項18】
請求項
12に記載の運送計画装置であって、
前記移動体の操作にかかる作業時間を予測する作業時間予測部を備え、
前記遠隔操作決定部は、前記作業時間に基づいて、前記遠隔オペレータの割り当てを行う、運送計画装置。
【請求項19】
請求項
13に記載の運送計画装置であって、
前記移動体の操作にかかる作業時間を予測する作業時間予測部を備え、
前記遠隔操作決定部は、前記作業時間に基づいて、前記現地オペレータの割り当てを行う、運送計画装置。
【請求項20】
請求項
17に記載の運送計画装置であって、
前記作業時間予測部は、少なくとも前記運送情報を入力とし前記作業時間を出力とする学習モデルに基づいて、前記作業時間を予測する、運送計画装置。
【請求項21】
少なくとも運送先を含む運送情報に基づいて、前記運送先までの移動体の運送経路を決定するステップと、
前記移動体に関する移動体データに基づいて、前記運送経路のうち遠隔オペレータによる前記移動体の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定するステップと、
を備える、運送計画方法。
【請求項22】
少なくとも運送先を含む運送情報に基づいて、前記運送先までの移動体の運送経路を決定するステップと、
遠隔オペレータに関する遠隔オペレータデータに基づいて、前記運送経路のうち前記遠隔オペレータによる前記移動体の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定するステップと、
を備える、運送計画方法。
【請求項23】
少なくとも運送先を含む運送情報に基づいて、前記運送先までの移動体の運送経路を決定するステップと、
前記移動体の状態を示す移動体情報に基づいて、前記運送経路のうち遠隔オペレータによる前記移動体の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定し、前記移動体の割り当てを行うステップと、
を備える、運送計画方法。
【請求項24】
少なくとも運送先を含む運送情報に基づいて、前記運送先までの移動体の運送経路を決定するステップと、
前記運送経路のうち遠隔オペレータによる前記移動体の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定し、現地オペレータに関する現地オペレータデータに基づいて前記現地オペレータの割り当てを行うステップと、
を備える、運送計画方法。
【請求項25】
少なくとも運送先を含む運送情報に基づいて、前記運送先までの移動体の運送経路を決定するステップと、
ユーザが指定する移動体または遠隔オペレータに関する指定情報に基づいて、前記運送経路のうち前記遠隔オペレータによる前記移動体の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定するステップと、
を備える、運送計画方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体を用いて人や物を運送する運送計画装置および運送計画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製造業の活発化やECサイトの普及により、世界各国で物流需要が増加している。その一方で、物流の一端を担う運送業のドライバ不足が問題となっている。
【0003】
特許文献1には、無人の移動体によって荷物を配送する配送システム及び処理サーバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示される従来の技術では、移動体が自動運転可能な経路以外では荷物を配送できなくなるという問題があった。
【0006】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、移動体が自動運転可能な経路以外でも人や物を運送することが可能な運送計画装置および運送計画方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかる運送計画装置は、少なくとも運送先を含む運送情報に基づいて、前記運送先までの移動体の運送経路を決定する運送経路決定部と、前記移動体に関する移動体データに基づいて、前記運送経路のうち遠隔オペレータによる前記移動体の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定する遠隔操作決定部と、を備える。
【0008】
また、本開示にかかる運送計画方法は、少なくとも運送先を含む運送情報に基づいて、前記運送先までの移動体の運送経路を決定するステップと、前記移動体に関する移動体データに基づいて、前記運送経路のうち遠隔オペレータによる前記移動体の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示にかかる運送計画装置および運送計画方法は、移動体が自動運転可能な経路以外でも人や物を運送することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1にかかる運送計画システムの構成図の一例である。
【
図2】実施の形態1から4にかかる遠隔操作装置の構成図の一例である。
【
図3】実施の形態1から4にかかる移動体の構成図の一例である。
【
図4】実施の形態1にかかる運送計画装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態2にかかる運送計画システムの構成図の一例である。
【
図6】実施の形態2にかかる運送計画装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態3にかかる運送計画システムの構成図の一例である。
【
図8】実施の形態3にかかる運送計画装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態4にかかる運送計画システムの構成図の一例である。
【
図10】実施の形態4にかかる学習装置の構成図の一例である。
【
図11】実施の形態4にかかる運送計画装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態1から4にかかる運送計画装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態にかかる運送計画装置および運送計画方法を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
以下の説明では、移動体5が出発地から目的地(運送先)まで人や物を運送するにあたり、途中に設けられる1ヶ所以上の地点で別の移動体5に運送を引き継ぐものとする。一例として、移動体5-Aが出発地から引き継ぎ地点Aまでの運送経路Aにおいて人や物を運送し、移動体5-Bが引き継ぎ地点Aから引き継ぎ地点Bまでの運送経路Bにおいて人や物を運送し、移動体5-Cが引き継ぎ地点Bから運送先までの運送経路Cにおいて人や物を運送する。移動体5-A、移動体5-Bおよび移動体5-Cは各々異なる。例えば移動体5-Aはトラックであり、移動体5-Bは普通自動車であり、移動体5-Cは脚ロボットである。そして、後に説明する運送計画装置が決定する遠隔運送経路において、遠隔オペレータは割り当てられた移動体5を遠隔操作する。例えば、運送経路Bおよび運送経路Cが遠隔運送経路として決定された場合、遠隔オペレータは運送経路Bにおいて移動体5-Bを遠隔操作し、運送経路Cにおいて移動体5-Cを遠隔操作する。移動体5-Aは、運送経路Aにおいて自動運転制御される。
【0013】
なお、一例として移動体5-Aおよび移動体5-Bは同じであってもよい。この場合、上記の例では同じ移動体5であっても運送経路に応じて自動運転制御されるか、遠隔操作されるかが決まる。
【0014】
上記では、複数の移動体5が途中で人や物の運送を引き継ぎながら各々の運送経路を走行するが、これに限定されない。すなわち、1台の移動体5で出発地から運送先まで人や物を運送してもよい。この場合、当該移動体5は、別の移動体5に運送を引き継がない。
【0015】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる運送計画システム1の構成図の一例である。運送計画システム1は、入力装置2と、運送計画装置3と、遠隔操作装置4と、移動体5と、データベース6とを備える。なお、入力装置2、運送計画装置3、遠隔操作装置4、移動体5およびデータベース6の各々は、図示しないネットワークを介して情報の送受信を行う。
【0016】
入力装置2は、少なくとも運送先を含む運送情報を受け付ける装置であり、例えばタブレット、スマートフォン、パーソナルコンピュータなどのモバイル端末装置であるが、モバイル端末装置に限定されない。ここで運送先とは、移動体5が人を運送する場合には、例えば人がタクシーに乗車する際にドライバに伝達する目的地などを指し、移動体5が物を運送する場合には、例えば運送先の住所などを指す。そして、入力装置2に対し運送情報を入力するユーザは、移動体5が人を運送する場合には、例えばタクシードライバまたはタクシーに乗車する人であり、移動体5が物を運送する場合には、例えば物を管理する運送業者または物を運送する依頼人である。
【0017】
入力装置2は、運送先に限らず運送希望時間および運送量を含む運送情報を受け付けてもよい。
【0018】
運送計画装置3は、入力装置2からの入力情報および移動体5からの移動体情報に基づいて、移動体5の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定する。
【0019】
遠隔操作装置4は、遠隔オペレータが画像を見ながら移動体5を遠隔操作するための装置である。遠隔操作装置4については、後に
図2を用いて詳細に説明する。
【0020】
移動体5は、例えばタクシー、トラック、普通自動車、ドローン、および脚ロボットなどである。移動体5については、後に
図3を用いて詳細に説明する。
【0021】
データベース6は、道路情報、自動運転に関する法規制および自動運転可能な経路などに関する地理データと、移動体5の種別および当該移動体5の自動運転のレベルなどに関する移動体データと、遠隔オペレータの運転技量、国籍、評価および位置(勤務地)などに関する遠隔オペレータデータと、運送先の建物種別および運送先のローカル地図などに関する運送先データとが格納される。
【0022】
運送計画装置3は、運送経路決定部31と、遠隔操作決定部32とを備える。
【0023】
運送経路決定部31は、入力装置2に入力された運送先までの移動体5の運送経路を決定する。入力装置2が運送希望時間を受け付ける場合には、運送経路決定部31は、運送希望時間に基づいて運送経路を決定してもよい。運送経路決定部31は、例えば運送希望時間に運送先に到達するよう移動体5の運送経路を決定する。
【0024】
また、入力装置2が運送量を受け付ける場合には、運送経路決定部31は、運送量に基づいて運送経路を決定してもよい。運送経路決定部31は、例えば運送量が多い場合には、運送される人や物の負荷を考慮して最短時間で運送先に到達するよう移動体5の運送経路を決定する。
【0025】
遠隔操作決定部32は、運送経路決定部31が決定した運送経路のうち、遠隔オペレータによる移動体5の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定する。一例として、遠隔操作決定部32は、運送経路決定部31が決定した運送経路のうち、データベース6に格納される地理データに基づいて、移動体5が自動運転可能な経路以外の経路を遠隔運送経路として決定する。
【0026】
遠隔操作決定部32は、移動体5の位置を含む状態および残走行可能距離を示す移動体情報に基づいて、遠隔運送経路を決定してもよい。一例として、遠隔操作決定部32は、移動体5の位置と遠隔操作装置4の位置との距離から通信遅延を予測し、通信遅延が所定値未満となる範囲の経路を遠隔運送経路として決定する。
【0027】
遠隔操作決定部32は、データベース6に格納される移動体5に関する移動体データに基づいて、遠隔運送経路を決定してもよい。一例として、遠隔操作決定部32は、移動体5の自動運転のレベルに基づいて、自動運転の法規制に関する条件を満たす経路を遠隔運送経路として決定する。
【0028】
遠隔操作決定部32は、データベース6に格納される遠隔オペレータに関する遠隔オペレータデータに基づいて、遠隔運送経路を決定してもよい。一例として、遠隔操作決定部32は、遠隔オペレータの運転技量が高ければ、狭い道路やカーブの多い道路などでも遠隔操作が可能であると判断して、これらの道路を含む経路を遠隔運送経路として決定する。
【0029】
遠隔操作決定部32は、制御成否情報に基づいて、遠隔運送経路を決定してもよい。制御成否情報とは、移動体5が自動運転による走行が可能であるか否かの情報である。自動運転による走行が不可能であるケースとして、移動体5に搭載されたセンサの異常などが挙げられる。このような場合には、遠隔操作決定部32は、移動体5の自動運転の制御を停止し、遠隔オペレータによる遠隔操作に切り替える。
【0030】
遠隔操作決定部32は、移動体情報に基づいて、遠隔運送経路における移動体5の割り当てを行う。一例として、遠隔操作決定部32は、出発地から運送先までの途中で運送を引き継ぐ際、その位置付近にある移動体5を遠隔操作の対象の移動体5として割り当てる。別の一例として、遠隔操作決定部32は、複数の移動体5のうち、残走行可能距離が大きい移動体5を遠隔経路の走行に割り当てる。ここで「移動体5の割り当て」とは、出発地から運送先までの経路の一部または全てにおいて走行する移動体5を割り当てることを意味する。すなわち、「移動体5の割り当て」とは、移動体5の指定だけでなく移動体5が走行する経路の指定も含まれる。これは、以降の遠隔オペレータの割り当てなどにおいても同様である。
【0031】
遠隔操作決定部32は、データベース6に格納される移動体5に関する移動体データに基づいて、遠隔運送経路における移動体5の割り当てを行ってもよい。一例として、遠隔操作決定部32は、移動体5の種別として遠隔操作が容易な小さな車種を遠隔経路の走行に割り当てる。
【0032】
遠隔操作決定部32は、データベース6に格納される遠隔オペレータに関する遠隔オペレータデータに基づいて、遠隔運送経路における遠隔オペレータの割り当てを行う。一例として、遠隔操作決定部32は、勤務地が遠隔操作を開始する際の移動体5の位置に近い遠隔オペレータを割り当てる。別の一例として、遠隔操作決定部32は、遠隔オペレータの国籍から、道路の左側走行および右側走行のうちどちらの走行に慣れているかを推定し、遠隔操作する際の道路情報に基づく走行ルールとマッチする遠隔オペレータを割り当てる。更に別の一例として、遠隔操作決定部32は、評価が高い遠隔オペレータを割り当てる。遠隔オペレータの評価は、人や物を時間通りに運送したかどうかに依る。
【0033】
遠隔操作決定部32は、決定した遠隔運送経路と、割り当てた移動体5と、割り当てた遠隔オペレータとを、当該遠隔オペレータに提示する。遠隔オペレータは、人や物が遠隔運送経路の開始地点まで運送されたことを図示しない手段により通知された場合に、移動体5の遠隔操作を開始する。また、遠隔操作決定部32は、移動体5に対し自動制御フラグを出力する。自動制御フラグとは、移動体5が自動運転による走行を行うか否かのフラグである。遠隔操作決定部32は、人や物が遠隔操作経路外にいる場合には、移動体5の自動運転を行うために自動制御フラグをONに設定する。遠隔操作決定部32は、人や物が遠隔操作経路内にいる場合には、移動体5の遠隔操作を行うために自動制御フラグをOFFに設定する。なお、制御成否情報が自動運転による走行が不可能であるとの情報である場合には、自動制御フラグをOFFに設定する。
【0034】
図2は、実施の形態1にかかる遠隔操作装置4の構成図の一例である。遠隔操作装置4は、受信部41と、画像生成部42と、操作検出部43と、送信部44とを備える。
【0035】
受信部41は、移動体5から内界情報(移動体情報の一部)、外界情報および制御成否情報を受信する。
【0036】
画像生成部42は、受信部41からの移動体情報および外界情報に基づいて、遠隔操作に必要な画像を画像表示装置8に出力する。画像生成部42は、必要に応じて受信部41からの制御成否情報を画像表示装置8に出力してもよい。
【0037】
操作検出部43は、操作装置7からのアクセル、ブレーキおよび操舵などの遠隔操作量や、遠隔オペレータの遠隔操作への切り替え操作およびシフト操作(前進、後進および駐車)などの遠隔操作情報を入力する。
【0038】
送信部44は、操作検出部43からの遠隔操作量および遠隔操作情報を移動体5へ出力する。
【0039】
図3は、実施の形態1にかかる移動体5の構成図の一例である。移動体5は、移動体制御装置51と、内界センサ52と、外界センサ53と、アクチュエータ54とを備える。更に、移動体制御装置51は、受信部511と、指令値変換部512と、切替部513と、内界情報取得部514と、外界情報取得部515と、自動運転制御部516と、送信部517とを備える。
【0040】
受信部511は、運送計画装置3から自動制御フラグを受信する。また、受信部511は、遠隔操作装置4から遠隔操作量および遠隔操作情報を受信する。
【0041】
指令値変換部512は、遠隔操作量および遠隔操作情報をアクチュエータ指令値(電流および電圧など)に変換する。
【0042】
切替部513は、受信部511からの自動制御フラグに基づいて、移動体5を自動運転モードにするか、あるいは遠隔操作モードにするかを切り替える。すなわち切替部513は、自動制御フラグがONの場合には、自動運転制御部516からのアクチュエータ指令値をアクチュエータ54へ出力する。切替部513は、自動制御フラグがOFFの場合には、指令値変換部512からのアクチュエータ指令値をアクチュエータ54へ出力する。
【0043】
内界情報取得部514は、内界センサ52から移動体5の内界情報を取得する。内界情報取得部514は、内界情報を移動体情報の一部として送信部517へ出力する。
【0044】
外界情報取得部515は、外界センサ53から移動体5の周囲の外界情報を取得する。外界情報取得部515は、外界情報を送信部517へ出力する。
【0045】
自動運転制御部516は、内界情報取得部514からの内界情報および外界情報取得部515からの外界情報を用いて、移動体5を自動運転制御するためのアクチュエータ指令値を生成する。
【0046】
送信部517は、内界情報取得部514からの内界情報および自動運転制御部516からの制御成否情報を運送計画装置3へ送信する。送信部517は、内界情報取得部514からの内界情報、外界情報取得部515からの外界情報および自動運転制御部516からの制御成否情報を遠隔操作装置4へ送信する。
【0047】
内界センサ52は、移動体5の内界情報を取得するためのセンサである。内界センサ52は、例えば移動体5の位置センサ、操舵角センサ、速度センサおよび慣性センサなどである。
【0048】
外界センサ53は、移動体5の外界情報を取得するためのセンサである。外界センサ53は、例えばLiDAR(Light Detection And Ranging)、カメラおよびレーダなどである。
【0049】
アクチュエータ54は、切替部513からのアクチュエータ指令値に基づいて移動体5の移動機構を駆動するための駆動源である。移動体5が自動車である場合、アクチュエータ54は、電動モータ、自動車駆動装置およびブレーキ制御装置などである。
【0050】
図4は、実施の形態1における運送計画装置3の動作の一例を示すフローチャートである。すなわち、
図4は、実施の形態1における運送計画方法の一例を示すフローチャートである。
【0051】
図4に示すように、図示しない手段により運送計画装置3の動作が開始されると、運送経路決定部31は、入力装置2に入力された運送先までの移動体5の運送経路を決定する(ステップST1)。
【0052】
遠隔操作決定部32は、ステップST1で決定された運送経路のうち、遠隔オペレータによる移動体5の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定する(ステップST2)。
【0053】
遠隔操作決定部32は、遠隔運送経路における移動体5の割り当てを行う(ステップST3)。
【0054】
遠隔操作決定部32は、遠隔運送経路における遠隔オペレータの割り当てを行う(ステップST4)。
【0055】
遠隔操作決定部32は、ステップST2で決定された遠隔運送経路と、ステップST3で割り当てられた移動体5と、ステップST4で割り当てられた遠隔オペレータとを、当該遠隔オペレータに提示する(ステップST5)。
【0056】
遠隔操作決定部32は、自動制御フラグを設定し、移動体5へ出力する(ステップST6)。遠隔操作決定部32は、人や物が遠隔操作経路外にいる場合には、移動体5が自動運転を行うために自動制御フラグをONに設定する。遠隔操作決定部32は、人や物が遠隔操作経路内にいる場合には、遠隔オペレータが移動体5の遠隔操作を行うために自動制御フラグをOFFに設定する。その後、図示しない手段により運送計画装置3の動作が終了する。
【0057】
以上で説明した実施の形態1によれば、運送計画装置3は、人や物の運送先までの運送経路を決定し、運送経路のうち遠隔オペレータによる移動体5の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定するため、移動体5が自動運転可能な経路以外でも人や物を運送することができる。
【0058】
実施の形態2.
実施の形態1では、運送計画装置3は移動体5の遠隔操作を行う遠隔オペレータを割り当てるが、実施の形態2では、運送計画装置3aは移動体5を現地で操作する現地オペレータも割り当てる。
【0059】
図5は、実施の形態2にかかる運送計画システム1aの構成図の一例である。
図5は、運送計画システム1aがデータベース6の代わりにデータベース6aを備える点、および運送計画装置3の代わりに運送計画装置3aを備える点で、
図1とは異なる。データベース6aおよび運送計画装置3a以外は、
図1に示すものと同じであるため、説明を省略する。
【0060】
データベース6aは、データベース6が格納する地理データ、移動体データ、遠隔オペレータデータおよび運送先データに加え、現地オペレータの運転技量、国籍、評価および位置(勤務地)などに関する現地オペレータデータが格納される。現地オペレータは、移動体5の自動運転および遠隔操作の両方の対応が不可能な場合に、移動体5の実操作や運転などを含む操作を行う。現地オペレータは、当該移動体5の近くに待機する人であることが望ましい。
【0061】
運送計画装置3aは、運送経路決定部31と、遠隔操作決定部32aとを備える。運送経路決定部31は、入力装置2に入力された運送先までの移動体5の運送経路を決定する。
【0062】
遠隔操作決定部32aは、遠隔運送経路の決定、移動体5の割り当て、および遠隔オペレータの割り当てに加え、現地オペレータに関する現地オペレータデータに基づいて、現地オペレータの割り当てを行う。一例として、遠隔操作決定部32aは、待機位置が移動体5の位置に近い現地オペレータを割り当てる。別の一例として、遠隔操作決定部32aは、現地オペレータの国籍から、道路の左側走行および右側走行のうちどちらの走行に慣れているかを推定し、遠隔操作する際の道路情報に基づく走行ルールとマッチする現地オペレータを割り当てる。更に別の一例として、遠隔操作決定部32aは、評価が高い現地オペレータを割り当てる。現地オペレータの評価は、人や物を時間通りに運送したかどうかに依る。
【0063】
遠隔操作決定部32aは、決定した遠隔運送経路と、割り当てた移動体5と、割り当てた遠隔オペレータとを、当該遠隔オペレータに提示する。遠隔操作決定部32aは、割り当てた移動体5と、割り当てた現地オペレータとを、当該現地オペレータに提示する。また、遠隔操作決定部32aは、移動体5に対し自動制御フラグを出力する。
【0064】
図6は、実施の形態2における運送計画装置3aの動作の一例を示すフローチャートである。すなわち、
図6は、実施の形態2における運送計画方法の一例を示すフローチャートである。
図6において、ステップST4の処理の後にステップST7の処理を行う点、およびステップST5の処理の後にステップST8の処理を行う点で、
図4とは異なる。ステップST7およびステップST8以外は、
図4に示すものと同じであるため、説明を省略する。
【0065】
ステップST4の処理が行われた後、遠隔操作決定部32aは、現地オペレータの割り当てを行う(ステップST7)。
【0066】
ステップST5の処理が行われた後、遠隔操作決定部32aは、ステップST3で割り当てられた移動体5と、ステップST7で割り当てられた現地オペレータとを、当該現地オペレータに提示する(ステップST8)。
【0067】
以上で説明した実施の形態2によれば、運送計画装置3aは、現地オペレータを割り当てるため、移動体5の自動運転および遠隔操作の両方の対応が不可能な場合でも、人や物を運送することができる。
【0068】
実施の形態3.
実施の形態1では、運送計画装置3は遠隔運送経路、移動体5および遠隔オペレータを決定するが、実施の形態3では、運送計画装置3bはユーザが指定する情報も考慮してこれらを決定する。
【0069】
図7は、実施の形態3にかかる運送計画システム1bの構成図の一例である。
図7は、運送計画システム1bが入力装置2の代わりに入力装置2aを備える点、データベース6の代わりにデータベース6bを備える点、および運送計画装置3の代わりに運送計画装置3bを備える点で、
図1とは異なる。入力装置2a、データベース6bおよび運送計画装置3b以外は、
図1に示すものと同じであるため、説明を省略する。
【0070】
入力装置2aは、運送先、運送希望時間および運送量を含む運送情報に加え、ユーザが指定する移動体5または遠隔オペレータに関する指定情報を受け付ける装置である。なお、入力装置2aは、現地オペレータや運送経路に関する情報を指定情報に含め、当該指定情報も受け付けてよい。入力装置2aは、例えばタブレット、スマートフォン、パーソナルコンピュータなどのモバイル端末装置であるが、モバイル端末装置に限定されない。
【0071】
データベース6bは、データベース6aが格納する地理データ、移動体データ、遠隔オペレータデータ、現地オペレータデータおよび運送先データに加え、道路情報に対応するガソリンスタンドまたはEV(Electric Vehicle)車両用充電設備の場所に関する地理データ、および移動体5毎のCO2排出量を含む移動体データを格納する。
【0072】
運送計画装置3bは、運送経路決定部31aと、遠隔操作決定部32bとを備える。
【0073】
運送経路決定部31aは、ユーザが指定する指定情報に基づいて、運送経路を決定する。一例として、運送経路決定部31aは、ユーザとしての運送業者がガソリンスタンドまたはEV車両用充電設備を多く経由するような運送経路を指定情報として指定した場合には、データベース6b内の地理データを参照し、ガソリンスタンドまたはEV車両用充電設備を多く経由するような運送経路を決定する。別の一例として、運送経路決定部31aは、ユーザが指定する移動体5が走行可能な経路を多く含むような運送経路を決定する。
【0074】
遠隔操作決定部32bは、ユーザが指定する指定情報に基づいて、遠隔運送経路を決定する。一例として、遠隔操作決定部32bは、ユーザが指定する遠隔オペレータの技量が高ければ、狭い道路やカーブの多い道路などでも遠隔操作が可能であると判断して、これらの道路を含む経路を遠隔運送経路として決定する。
【0075】
遠隔操作決定部32bは、ユーザが指定する指定情報に基づいて、移動体5、遠隔オペレータまたは現地オペレータの割り当てを行う。一例として、遠隔操作決定部32bは、ユーザが指定した移動体5をそのまま遠隔運送経路における移動体5として割り当て、ユーザが指定した遠隔オペレータをそのまま遠隔運送経路における遠隔オペレータとして割り当て、ユーザが指定した現地オペレータをそのまま現地オペレータとして割り当てる。
【0076】
遠隔操作決定部32bは、決定した遠隔運送経路と、割り当てた移動体5と、割り当てた遠隔オペレータとを、当該遠隔オペレータに提示する。遠隔操作決定部32bは、割り当てた移動体5と、割り当てた現地オペレータとを、当該現地オペレータに提示する。また、遠隔操作決定部32bは、移動体5に対し自動制御フラグを出力する。
【0077】
図8は、実施の形態3における運送計画装置3bの動作の一例を示すフローチャートである。すなわち、
図8は、実施の形態3における運送計画方法の一例を示すフローチャートである。
図8において、ステップST1からステップST4の処理を行う代わりにそれぞれステップST9からステップST12の処理を行う点で、
図4とは異なる。ステップST9からステップST12以外は、
図4に示すものと同じであるため、説明を省略する。
【0078】
図示しない手段により運送計画装置3bの動作が開始されると、運送経路決定部31aは、入力装置2aに入力された運送先までの移動体5の運送経路であって、ユーザが指定する指定情報に基づいて、運送経路を決定する(ステップST9)。
【0079】
遠隔操作決定部32bは、ユーザが指定する指定情報に基づいて、遠隔運送経路を決定する(ステップST10)。
【0080】
遠隔操作決定部32bは、ユーザが指定する指定情報に基づいて、移動体5の割り当てを行う(ステップST11)。
【0081】
遠隔操作決定部32bは、ユーザが指定する指定情報に基づいて、遠隔オペレータの割り当てを行う(ステップST12)。
【0082】
なお、ステップST12の処理の後に、遠隔操作決定部32bは、ユーザが指定する指定情報に基づいて、現地オペレータの割り当てを行ってもよい。この場合、ステップST5の処理の後に、遠隔操作決定部32bは、ステップST11で割り当てられた移動体5と、ステップST12の後で割り当てられた現地オペレータとを、当該現地オペレータに提示する。
【0083】
以上で説明した実施の形態3によれば、運送計画装置3bは、ユーザが指定する指定情報を考慮するため、ユーザの希望した経路、移動体5および遠隔オペレータで人や物を運送することができる。
【0084】
実施の形態4.
実施の形態4では、運送計画装置3cは移動体5の操作にかかる作業時間も考慮して、遠隔運送経路、移動体5および遠隔オペレータを決定する。
【0085】
図9は、実施の形態4にかかる運送計画システム1cの構成図の一例である。
図9は、運送計画システム1cが運送計画装置3の代わりに運送計画装置3cを備える点で、
図1とは異なる。運送計画装置3c以外は、
図1に示すものと同じであるため、説明を省略する。
【0086】
運送計画装置3cは、運送経路決定部31と、遠隔操作決定部32cと、作業時間予測部33と、学習装置34とを備える。運送経路決定部31は、入力装置2に入力された運送先までの移動体5の運送経路を決定する。
【0087】
遠隔操作決定部32cは、移動体5の操作にかかる作業時間に基づいて、移動体5の割り当てを行う。ここで「移動体5の操作にかかる作業時間」とは、遠隔オペレータまたは現地オペレータが移動体5の操作を担当する経路を走行するのにかかる時間を指す。一例として、遠隔操作決定部32cは、出発地から運送先までの経路のうち指定された経路を走行する走行時間が最短となる移動体5を割り当てる。
【0088】
遠隔操作決定部32cは、作業時間に基づいて、遠隔オペレータの割り当てを行う。一例として、遠隔操作決定部32cは、出発地から運送先までの経路のうち指定された経路間で移動体5の遠隔操作を行った遠隔オペレータのうち、遠隔操作時間が最短となる遠隔オペレータを割り当てる。
【0089】
遠隔操作決定部32cは、作業時間に基づいて、現地オペレータの割り当てを行う。一例として、遠隔操作決定部32cは、出発地から運送先までの経路のうち指定された経路間で移動体5の操作を行った現地オペレータのうち、操作時間が最短となる現地オペレータを割り当てる。
【0090】
作業時間予測部33は、学習装置34が備える学習済モデル343を用いて、作業時間を予測する。あるいは、作業時間予測部33は、学習装置34を用いず、過去の遠隔運送経路、移動体5および遠隔オペレータの組み合わせ、または過去の運送経路、移動体5および現地オペレータの組み合わせについて蓄積したデータベースに基づいて、作業時間を予測してもよい。なお、学習装置34は運送計画装置3cに備えられなくてもよい。
【0091】
図10は、実施の形態4にかかる学習装置34の構成図の一例である。学習装置34は、前処理部341と、学習部342と、学習済モデル343とを備える。
【0092】
前処理部341は、遠隔オペレータからの図示しない手段による作業完了報告に基づいて、作業時間を算出する。なお、前処理部341は、現地オペレータからの作業完了報告に基づいて、作業時間を算出してもよい。
【0093】
学習部342は、少なくとも入力装置2からの運送情報と、前処理部341からの作業時間とを用いて、運送情報を入力とし作業時間を出力とする学習モデルを生成するための学習を行う。すなわち、遠隔オペレータが1人であり、かつ出発地から運送先までに割り当てられる移動体5が1台である場合には、学習モデルの生成に必要な情報は、運送情報および作業時間のみで構わない。
【0094】
学習部342は、運送情報と、データベース6内の移動体データおよび遠隔オペレータデータと、作業時間とを用いて、運送情報と移動体データと遠隔オペレータデータとを入力とし作業時間を出力とする学習モデルを生成するための学習を行ってもよい。更に、学習部342は、データベース6の代わりにデータベース6aなどからの現地オペレータデータも使用してよい。この場合、学習部342は、現地オペレータデータを含むデータを入力とし作業時間を出力とする学習モデルを生成するための学習を行ってよい。
【0095】
学習部342は、渋滞情報、時間帯または天気データも使用してよい。この場合、学習部342は、渋滞情報、時間帯または天気データを含むデータを入力とし作業時間を出力とする学習モデルを生成するための学習を行ってよい。
【0096】
学習部342は、教師有りの機械学習によって学習モデルを生成する。但し、教師有りの機械学習に限定されず、教師無しの機械学習によって学習モデルを生成してもよい。
【0097】
学習済モデル343は、学習部342によって生成された学習モデルである。
【0098】
図11は、実施の形態4における運送計画装置3cの動作の一例を示すフローチャートである。すなわち、
図11は、実施の形態4における運送計画方法の一例を示すフローチャートである。
図11において、ステップST1の処理の後にステップST13の処理を行う点、およびステップST2からステップST4の処理を行う代わりにそれぞれステップST14からステップST16の処理を行う点で、
図4とは異なる。ステップST13からステップST16以外は、
図4に示すものと同じであるため、説明を省略する。
【0099】
ステップST1の処理が行われた後、作業時間予測部33は、移動体5の操作にかかる作業時間を予測する(ステップST13)。
【0100】
遠隔操作決定部32cは、作業時間に基づいて、遠隔運送経路を決定する(ステップST14)。
【0101】
遠隔操作決定部32cは、作業時間に基づいて、移動体5の割り当てを行う(ステップST15)。
【0102】
遠隔操作決定部32cは、作業時間に基づいて、遠隔オペレータの割り当てを行う(ステップST16)。
【0103】
なお、ステップST16の処理の後に、遠隔操作決定部32cは、作業時間に基づいて、現地オペレータの割り当てを行ってもよい。この場合、ステップST5の処理の後に、遠隔操作決定部32cは、ステップST15で割り当てられた移動体5と、ステップST16の後で割り当てられた現地オペレータとを、当該現地オペレータに提示する。
【0104】
以上で説明した実施の形態4によれば、運送計画装置3cは、移動体5の操作にかかる作業時間を考慮するため、より効率的な遠隔運送経路などを決定することができる。
【0105】
ここで、実施の形態1から4における運送計画装置3,3a,3b,3cのハードウェア構成について説明する。運送計画装置3,3a,3b,3cの各機能は、処理回路によって実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを備える。
【0106】
図12は、実施の形態1から4における運送計画装置3,3a,3b,3cのハードウェア構成を示す図である。運送計画装置3,3a,3b,3cは、
図12(a)に示すプロセッサ10およびメモリ11によって実現することができる。プロセッサ10は、例えばCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)またはシステムLSI(Large Scale Integration)である。
【0107】
メモリ11は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性または揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disk)などである。
【0108】
運送計画装置3,3a,3b,3cの各部の機能は、ソフトウェアなど(ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェア)により実現される。ソフトウェアなどはプログラムとして記述され、メモリ11に格納される。プロセッサ10は、メモリ11で記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、このプログラムは、運送計画装置3,3a,3b,3cの手順または方法をコンピュータに実行させるものであると言える。
【0109】
プロセッサ10が実行するプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよい。また、プロセッサ10が実行するプログラムは、インターネットなどのネットワーク経由で運送計画装置3,3a,3b,3cに提供されてもよい。
【0110】
また、運送計画装置3,3a,3b,3cは、
図12(b)に示す専用の処理回路12によって実現してもよい。処理回路12が専用のハードウェアである場合、処理回路12は、例えば単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものなどが該当する。
【0111】
以上、運送計画装置3,3a,3b,3cの各構成要素の機能が、ソフトウェアなど、またはハードウェアのいずれか一方で実現される構成について説明した。しかしこれに限ったものではなく、運送計画装置3,3a,3b,3cの一部の構成要素をソフトウェアなどで実現し、別の一部を専用のハードウェアで実現する構成であってもよい。
【0112】
以上の実施の形態1から4に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能である。また、実施の形態1から4同士を組み合わせることも可能である。更に、要旨を逸脱しない範囲で構成の一部を省略あるいは変更することも可能である。
【符号の説明】
【0113】
1,1a,1b,1c 運送計画システム、 2,2a 入力装置、 3,3a,3b,3c 運送計画装置、 31,31a 運送経路決定部、 32,32a,32b,32c 遠隔操作決定部、 33 作業時間予測部、 34 学習装置、 341 前処理部、 342 学習部、 343 学習済モデル、 4 遠隔操作装置、 41 受信部、 42 画像生成部、 43 操作検出部、 44 送信部、 5 移動体、 51 移動体制御装置、 511 受信部、 512 指令値変換部、 513 切替部、 514 内界情報取得部、 515 外界情報取得部、 516 自動運転制御部、 517 送信部、 52 内界センサ、 53 外界センサ、 54 アクチュエータ、 6,6a,6b データベース、 7 操作装置、 8 画像表示装置、 10 プロセッサ、 11 メモリ、 12 処理回路。
【要約】
運送計画装置(3,3a,3b,3c)は、少なくとも運送先を含む運送情報に基づいて、前記運送先までの移動体(5)の運送経路を決定する運送経路決定部(31,31a)と、前記運送経路のうち、遠隔オペレータによる前記移動体(5)の遠隔操作を行う遠隔運送経路を決定する遠隔操作決定部(32,32a,32b,32c)と、を備える。