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特許7593546喫煙物品及びこれを含むエアロゾル発生システム{SMOKING ARTICLE AND AEROSOL-GENERATING SYSTEMS COMPRISING THEREOF}
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】喫煙物品及びこれを含むエアロゾル発生システム{SMOKING ARTICLE AND AEROSOL-GENERATING SYSTEMS COMPRISING THEREOF}
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20241126BHJP
   A24B 15/16 20200101ALI20241126BHJP
   A24B 13/02 20060101ALI20241126BHJP
   A24B 15/30 20060101ALI20241126BHJP
   A24D 3/04 20060101ALI20241126BHJP
   A24D 1/02 20060101ALI20241126BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20241126BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20241126BHJP
【FI】
A24D1/20
A24B15/16
A24B13/02
A24B15/30
A24D3/04
A24D1/02
A24F40/20
A24F40/46
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023532281
(86)(22)【出願日】2023-03-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 KR2023003494
(87)【国際公開番号】W WO2023200127
(87)【国際公開日】2023-10-19
【審査請求日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2022-0046186
(32)【優先日】2022-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セオ、ジュン キュ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ド キョン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェ ヒュン
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-511798(JP,A)
【文献】国際公開第2022/045518(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/202254(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/20
A24B 15/16
A24B 13/02
A24B 15/30
A24D 3/04
A24D 1/02
A24F 40/20
A24F 40/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコの刻草で充填される刻草部、及び紙管部を含む媒質収容部と、
前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾル生成物質を含む保湿剤収容部と、
前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部と、
を含む喫煙物品であって、
前記刻草部全体がヒーターによって加熱され
前記紙管部は、前記刻草部の下流に位置し、
前記フィルタ部は、
前記紙管部の下流に位置し、内部にキャビティが存在する第1のフィルタ部と、
前記第1のフィルタ部の下流に位置し、濾過物質で内部が満たされる第2のフィルタ部と、
を含む、喫煙物品。
【請求項2】
前記刻草部の長さは4~8mmであり、
前記紙管部の長さは4~8mmである、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記刻草部の長さは6mmであり、
前記紙管部の長さは6mmである、請求項2に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記タバコの刻草は、スラリー板状葉シートを細かく切断することによって製造された、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記刻草部は、前記タバコの刻草が互いに同じ方向に配列された、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記エアロゾル生成物質は、グリセリン及びプロピレングリコールを含み、ニコチンを選択的に含む、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記第1のフィルタ部の長さは12mmであり、
前記第2のフィルタ部の長さは14mmである、請求項3に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記媒質収容部、保湿剤収容部、及びフィルタ部からなる群より選ばれるいずれか1つ以上のセグメントはセグメントラッパー(segment wrapper)によって包まれる、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項9】
前記セグメントラッパーによって包まれた複数のセグメントは総括ラッパー(total wrapper)によって包まれる、請求項8に記載の喫煙物品。
【請求項10】
前記媒質収容部の吸引抵抗は50~70mmHOである、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項11】
請求項1に記載の喫煙物品が着脱可能に設置され、前記喫煙物品に貯蔵されたエアロゾル生成物質を加熱して使用者が吸引可能なエアロゾルを提供する、エアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記エアロゾル発生装置は、
前記喫煙物品を収容する細長型空洞と、
少なくとも前記喫煙物品の前記保湿剤収容部及び媒質収容部の全部又は一部を加熱するヒーター、及び
前記ヒーターと電気的に連結される制御部を含む、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記ヒーターは、前記媒質収容部において刻草部の全部及び紙管部の一部を加熱する、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
喫煙物品及びエアロゾル発生装置を含むエアロゾル発生システムであって、
前記喫煙物品は、タバコの刻草で充填される刻草部、及び紙管部を含む媒質収容部と、
前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾル生成物質を含む保湿剤収容部と、
前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部と、
を含
前記刻草部全体がヒーターによって加熱されることを特徴とし、
前記紙管部は、前記刻草部の下流に位置し、
前記フィルタ部は、
前記紙管部の下流に位置し、内部にキャビティが存在する第1のフィルタ部と、
前記第1のフィルタ部の下流に位置し、濾過物質で内部が満たされる第2のフィルタ部を含み、
前記エアロゾル発生装置は、喫煙物品が着脱可能に設置され、前記喫煙物品に貯蔵されたエアロゾル生成物質を加熱して使用者が吸引可能なエアロゾルを提供する、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品及びこれを含むエアロゾル発生システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に関する需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではなく、シガレット内のエアロゾル発生物質が加熱されることによってエアロゾルが生成される方法に関する需要が増加している。
【0003】
これによって、本発明者は、既存の喫煙物品よりも媒質収容部の長さを縮小し、紙管部をさらに含む喫煙物品を開発して本発明を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が達成しようとする技術的課題は、刻草部と紙管部を含む媒質収容部を含む喫煙物品を提供することである。
【0005】
また、本発明は、前記喫煙物品に貯蔵されたエアロゾル生成物質を加熱して使用者が吸引可能なエアロゾルを提供する、エアロゾル発生装置を提供する。
【0006】
さらに、本発明は、前記喫煙物品と前記エアロゾル発生装置を含む、エアロゾル発生システムを提供する。
【0007】
しかし、本発明が達成しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から当該技術分野における通常の技術者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、刻草部と紙管部を含む媒質収容部を含む喫煙物品を提供する。
【0009】
本発明の一実施例として、前記喫煙物品は、タバコの刻草で充填される刻草部と、紙管部を含む媒質収容部と、前記媒質収容部の一側に位置してエアロゾル生成物質を含む保湿剤収容部、及び前記媒質収容部の他側に位置するフィルタ部を含み得る。
【0010】
本発明の他の実施例として、前記刻草部は、全体がヒーターによって加熱されるものであり得る。
【0011】
本発明の他の実施例として、前記刻草部の長さは、従来の刻草部のみからなる媒質収容部の長さの1/2であり、好ましくは4~8mm、より好ましくは6mmであり、前記紙管部の長さは前記刻草部の長さと同一であってもよく、好ましくは4~8mm、より好ましくは6mmであってもよい。前記刻草部の長さは、前記保湿剤収容部の長さよりも短いこともある。
【0012】
本発明のさらに他の実施例として、前記タバコの刻草は、スラリー板状葉シートを細かく切断することによって製造されてもよい。
【0013】
本発明のさらに他の実施例として、前記刻草部は、前記タバコの刻草が互いに同じ方向に配列されてもよい。
【0014】
本発明の他の実施例として、前記エアロゾル生成物質は、グリセリン(glycerin、Gly)及びプロピレングリコール(propylene glycol、PG)を含み、ニコチンを選択的に含んでもよい。
【0015】
本発明のさらに他の実施例として、前記保湿剤収容部の長さは、8~12mm、好ましくは10mmであってもよい。
【0016】
本発明の他の実施例として、前記フィルタ部は、内部にキャビティが存在する第1のフィルタ部、及び濾過物質で内部が満たされた第2のフィルタ部を含み得る。
【0017】
本発明のさらに他の実施例として、前記第1のフィルタ部の長さは、10~14mm、好ましくは12mmであり、前記第2のフィルタ部の長さは、12~16mm、好ましくは14mmであってもよい。
【0018】
本発明の他の実施例として、前記媒質収容部、保湿剤収容部、及びフィルタ部からなる群より選ばれるいずれか1つ以上のセグメントは、セグメントラッパー(segment wrapper)によって包まれてもよい。
【0019】
本発明のさらに他の実施例として、前記セグメントラッパーによって包まれた複数のセグメントは、総括ラッパー(total wrapper)によって包まれてもよい。
【0020】
本発明の他の実施例として、前記媒質収容部の吸引抵抗は、50~70mmHO、好ましくは60mmHOであってもよい。
【0021】
さらに、本発明は、前記喫煙物品に貯蔵されたエアロゾル生成物質を加熱して使用者が吸引可能なエアロゾルを使用者に提供される、エアロゾル発生装置を提供する。
【0022】
本発明の一実施例として、前記喫煙物品が着脱可能に設置されてもよい。
【0023】
本発明の他の実施例として、前記エアロゾル発生装置は、前記喫煙物品を収容する細長型空洞と、少なくとも前記喫煙物品の前記媒質収容部及び前記保湿剤収容部の全部又は一部を加熱するヒーター、及び前記ヒーターと電気的に連結される制御部を含み得る。
【0024】
本発明のさらに他の実施例として、前記ヒーターは、前記媒質収容部において刻草部の全部及び紙管部の一部を加熱してもよい。
【0025】
さらに、本発明は、前記喫煙物品と前記エアロゾル発生装置を含む、エアロゾル発生システムを提供する。
【発明の効果】
【0026】
一実施例による喫煙物品、エアロゾル発生装置、及びエアロゾル発生システムは、既存の喫煙物品よりも媒質収容部の長さを縮小し、紙管部をさらに含むことによって、吸引抵抗を減少させ、霧化量を増加させることができる。
【0027】
一実施例による喫煙物品、エアロゾル発生装置、及びエアロゾル発生システムは、総粒子状物質(TPM)、タール、ニコチン、プロピレングリコール、グリセリン、及び水の移行量を増進させることができる。
【0028】
一実施例による喫煙物品、エアロゾル発生装置、及びエアロゾル発生システムは、細かく切ったスラリー板状葉シートを一列に配列して刻草部を構成することで気流チャンネルを確保し、霧化量を向上させることができる。
【0029】
一実施例による喫煙物品、エアロゾル発生装置、及びエアロゾル発生システムは、消費者が容易に吸引可能であり、優れた喫味を有することができる。
【0030】
一実施例による喫煙物品、エアロゾル発生装置、及びエアロゾル発生システムの効果は、以上で言及されたものに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】(a)及び(b)は、喫煙物品を構成するセグメントを説明するための図であって、図1(a)は、紙管部なしで刻草部のみを含む媒質収容部を含む既存の喫煙物品を示し、図1(b)は、刻草部及び紙管部を含む媒質収容部を含む本発明の一実施例による喫煙物品を示す。
図2】既存の喫煙物品を示す図である。
図3】一実施例による喫煙物品を示す図である。
図4】一実施例によるエアロゾル発生装置を概略的に示す図である。
図5】一実施例による喫煙物品とエアロゾル発生装置が結合された状態のエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面を参照して実施例を詳細に説明する。しかし、実施例には様々な変更が加えられるので、特許出願の権利範囲がこれらの実施例によって制限又は限定されるものではない。実施例に対する全ての変更、均等物又は代替物は権利範囲に含まれると理解されるべきである。
【0033】
実施例で使用した用語は単に説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されるべきではない。単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、本明細書において記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないと理解されるべきである。
【0034】
別途の定義がない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで使用される全ての用語は、実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を持っている。一般的に使用される辞書に定義されているなどの用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。
【0035】
また、添付図面を参照して説明する際に、図面符号にかかわらず、同一の構成要素は同一の参照符号を付し、これについての重複する説明は省略する。実施例を説明するにあたって、関連する公知技術についての具体的な説明が実施例の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0036】
さらに、実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって該当構成要素の本質や順番又は順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結又は接続されるが、各構成要素の間にまた他の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されるとも理解されるべきである。
【0037】
いずれかの実施例に含まれた構成要素と、共通的な機能を含む構成要素は、他の実施例において同一の名称を使用して説明する。反対の記載がない限り、いずれかの実施例に記載の説明は他の実施例にも適用でき、重複する範囲で具体的な説明は省略する。
【0038】
本発明において、用語「上流」及び「下流」は、使用者が喫煙物品を使用して空気を吸引する方向を基準として、喫煙物品を構成するセグメントの相対的な位置を示すために使用された用語である。喫煙物品は、下流端部及びそれに対抗する上流端部を含む。喫煙物品を使用する場合、使用者は喫煙物品の下流端部を噛むことができる。下流端部は近位端部(mouth end、ME)、上流端部は遠位端部(tobacco end、TE)とも呼ばれ、用語「端部」はまた「末端」と記述できる。
【0039】
図3は、一実施例による喫煙物品を示す図である。
【0040】
図3を参照すると、一実施例による喫煙物品100は、媒質収容部110、媒質収容部の一側に位置してエアロゾルを生成する保湿剤収容部120、媒質収容部の他側に位置するフィルタ部130を含むことができ、喫煙物品100のセグメント、すなわち、媒質収容部110、保湿剤収容部120、及びフィルタ部130は、それぞれセグメントラッパー140によって包まれる、又は包まれないことがあり、セグメントラッパー140によって包まれたセグメントは、総括ラッパー150によって包まれて1つの喫煙物品が構成できる。
【0041】
本発明において、「媒質」は、板状葉タバコ、刻草、再構成タバコなどのタバコ原料に基づく固体物質及び/又はグリセリン、プロピレングリコール、ニコチン、メンソール、カフェイン、GABA、タウリン、ビタミン、又は様々な香味剤に基づく液状組成物を含むことができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0042】
本発明において、「媒質収容部110」は、刻草部112と紙管部114とを含むことができ、既存の喫煙物品(図2)とは異なり紙管部を含み、刻草部の長さを短くすることによって媒質収容部の吸引抵抗を減少させることができる(図1の(a)及び(b))。
【0043】
本発明において、「刻草部112」は、タバコの刻草で充填されるセグメントを意味し、ここで、前記タバコの刻草は、タバコ原料に基づく固体物質で構成される。前記刻草部112は、一般刻草又はスラリー板状葉シートを細かく切断することによって製造でき、複数のタバコの刻草が互いに同じ方向又はランダムに合わされて形成される。
【0044】
好ましくは、前記刻草部112は、130mgのスラリー板状葉シートを細かく切断して製造されたタバコの刻草を互いに同じ方向に配列することによって気流チャンネルを確保し、霧化量を増進させることができる。前記刻草部を一般刻草で製造する場合、吸引抵抗レベルは最小90mmHOで製造が可能であり、それ以下では刻草弛み現象が多く、汚染及び硬度の不十分で品質が不良になりかねない。一方、スラリー板状葉シートで製造する場合、刻草部12mmを基準として吸引抵抗120mmHOで製造品質が良好であり、刻草部を6mmに減らす場合、吸引抵抗60mmHOレベルで媒質収容部の製造が可能である。
【0045】
本発明において、「紙管部114」は、熱安定性を有する硬い紙をチューブ状に製造したセグメントを意味する。本発明は、刻草部112の長さを既存の喫煙物品の半分に減らし、刻草部112と同じ長さの紙管部114を追加することによって、媒質収容部110の吸引抵抗を100mmHOから60mmHOに減少させ、前記媒質収容部を含む喫煙物品100の吸引抵抗も減少させて霧化量を増加させた。すなわち、本発明の喫煙物品100は、前記刻草部のブロッキング(blocking)現象による霧化減少を改善したものである。
【0046】
また、前記媒質収容部110は、保湿剤、風味剤、及び/又は有機酸などの他の添加物質をさらに含有することができる。前記保湿剤は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、又はオレイルアルコールなどであってもよく、前記風味剤は、甘草、ショ糖、果糖シロップ、イソ甘味剤、ココア、ラベンダー、シナモン、カルダモン、セロリ、コロハ、カスカリラ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、バラオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、桂皮、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メンソール、桂皮、イランイラン、サルビア、スペアミント、生姜、コリアンダー又はコーヒーなどであってもよいが、これらに制限されるものではない。
【0047】
本発明において、「保湿剤収容部120」は、保湿剤を含有することができる。前記保湿剤としては、グリセリン及びプロピレングリコールを含むことができ、追加的にエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、オレイルアルコール、及び水のうち、少なくとも1つをさらに含むことができる。さらに、保湿剤収容部は、追加的にニコチンをさらに含むことができる。しかし、保湿剤収容部120に含まれる物質はこれらに限定されない。前記保湿剤は、喫煙物品加熱時に発生するエアロゾル内の水分を適正レベルに維持してタバコ固有の味を柔らかくし、霧化量を豊富にすることができる。
【0048】
本発明において、「フィルタ部130」は、少なくとも1つ以上のセグメントで構成され、チューブフィルタ、冷却構造物及びリセスフィルタのうち、少なくとも1つを含むことができ、好ましくは、内部にキャビティが存在する第1のフィルタ部132及び濾過物質で内部が満たされた第2のフィルタ部134を含むことができる。前記濾過物質は、セルロース系列の物質(例えば、アセテート、紙など)を含むことができる。
【0049】
本発明の一実施例による喫煙物品の吸引抵抗測定、エアロゾル成分分析、及び官能評価を行うために、下記表1のように喫煙物品を製造した。
【0050】
【表1】
【0051】
対照群は既存の喫煙物品であって、刻草部の未加熱部位は5mmであり、実験群は刻草部の長さを減らし、紙管部を追加したもので、刻草部全体が加熱されるように製造した。
【0052】
実験例1.吸引抵抗測定
吸引抵抗測定器機(KADIEN)を用いて媒質収容部の吸引抵抗を測定した結果、対照群の媒質収容部の吸引抵抗は100mmHOであるのに対し、実験群の媒質収容部の吸引抵抗は60mmHOで約40%減少した数値を示した。また、前記媒質収容部を含む喫煙物品も、対照群よりも実験群がはるかに低い吸引抵抗を示した。すなわち、本発明は、吸引抵抗が減少され、消費者が吸引しやすく、霧化量が豊富な喫煙物品を提供することができる。
【0053】
実験例2.エアロゾル成分分析
一般タバコの国際公認分析法であるHC(Health Canada)法を用いて9puff、パック調和条件でエアロゾルの成分を分析した結果を下記表2に示した。
【0054】
【表2】
【0055】
媒質収容部の刻草部の長さを減らし、紙管部を追加した結果、実験群のエアロゾルが対照群に比べてはるかに多量の総粒子状物質(total particulate matter、TPM)、タール(total aerosol residue、TAR)、プロピレングリコール(propylene glycol)、グリセリン(glycerin)、及び水(water)を含んでいることを確認した。特に、霧化量の判断指標であるグリセリンの移行量が2倍以上増加した。
【0056】
さらに、初期吸引時の移行量を調べるために、上述したHC(Health Canada)法を用いて4puff、パック調和条件でエアロゾルの成分を分析した結果を下記表3に示した。
【0057】
【表3】
【0058】
初期吸引時においても、総粒子状物質(TPM)、タール(TAR)、プロピレングリコール(PG)、グリセリン(Gly)、及び水(水)の移行量がいずれも高く現れた。
【0059】
実験例3.官能評価
喫煙物品の初期霧化量、喫味強度、全般的な霧化量、刺激性、異臭味、喫味持続性、及び全体的な満足度を評価した。官能評価は、喫煙物品分野で官能評価経歴を持つ専門家を対象に約10~14puff程度吸引後、7点評点法で測定し、具体的に、(i)対照群でスラリー板状葉シートで製造された刻草部12mmを含む喫煙物品、(ii)実験群でスラリー板状葉シートで製造された刻草部6mmを含む喫煙物品に分けて評価を行い、その結果を下記表4に示した。
【0060】
【表4】
※P-value比較試料:刻草+板12mm vs 板状葉6mm 2種(有意水準***1%、**5%)
【0061】
その結果、刻草部112の長さを減らし、紙管部114を追加し、前記刻草部をスラリー板状葉シートを細かく切断することによって製造した喫煙物品は一般刻草とスラリー板状葉シートが混合して製造された刻草部12mmを含む喫煙物品と比較して、初期霧化量、全般的な霧化量、及び全体的な満足度の側面で統計的に有意な差があることを確認した。
【0062】
すなわち、本発明の一実施例による喫煙物品は、初期1~2回吸引時の霧化量と全般的な霧化量が非常に優れており、消費者が感じるタバコの味、すなわち、優れた喫味が長時間持続して全体的な満足度も最も高く現れた。
【0063】
図4及び図5は、上述の媒質収容部110を含む喫煙物品100が使用される態様に関するものである。
【0064】
図4は、一実施例によるエアロゾル発生装置200を概略的に示す図である。
【0065】
図4を参照すると、エアロゾル発生装置200は、喫煙物品100を収容する細長型空洞210、ヒーター220、及び制御部230を含む。制御部230は、ヒーター220と電気的に連結され、喫煙物品100を加熱するための温度を制御することができる。エアロゾル発生装置200は、エアロゾルを発生させる工程において電源を供給するバッテリ240をさらに含むことができる。
【0066】
図5は、一実施例による喫煙物品100とエアロゾル発生装置200が結合された状態のエアロゾル発生システム10を概略的に示す図である。
【0067】
図5を参照すると、エアロゾル発生システム10は、喫煙物品100及びエアロゾル発生装置200を含むことができる。喫煙物品100は、エアロゾル発生装置200の細長型空洞210内にぴったり結合することができ、喫煙物品100がエアロゾル発生装置200に結合された状態でヒーター220は少なくとも喫煙物品100の媒質収容部110及び保湿剤収容部120の全部又は一部を加熱することができ、好ましくは、保湿剤収容部120の一部、刻草部112の全部、及び紙管部114の一部を加熱するものである。
【0068】
具体的には、従来の喫煙物品(対照群)において、保湿剤収容部の長さは10mm、刻草部の長さは12mm、第1のフィルタ部の長さは12mm、第2のフィルタ部の長さは14mmであり、ここで、前記ヒーター220は、保湿剤収容部の下流7mmと刻草部の上流7mmを加熱するものであってもよい。一方、本発明の一実施例による喫煙物品において、保湿剤収容部の長さは10mm、刻草部の長さは6mm、紙管部の長さは6mm、第1のフィルタ部の長さは12mm、第2のフィルタ部の長さは14mmであってもよく、ここで、前記ヒーター220は、保湿剤収容部の下流7mm、刻草部の全体6mm、紙管部の上流1mmを加熱するものであってもよい(図1の(a)及び(b))。したがって、本発明の一実施例による喫煙物品は、刻草部を全て加熱することで熱伝達を最適化することができる長所がある。
【0069】
以上のように、実施例が限られた図面によって説明されたが、該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、上記に基づいて様々な技術的修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順序で実行され、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態で結合又は組み合わせられる、又は他の構成要素又は均等物によって代替又は置換されても適切な結果を達成することができる。
【0070】
したがって、他の実施形態、他の実施例及び特許請求の範囲と均等なものも、後述する特許請求の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5