(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】TSVサポート構造を有するZ高さの低いLEDアレイパッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20241126BHJP
【FI】
H01L33/62
(21)【出願番号】P 2023502868
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 US2021041867
(87)【国際公開番号】W WO2022016004
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-03-10
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ヒン,ツェ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヤング,エリック
(72)【発明者】
【氏名】清水 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ベーシン,グリゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ドーナー,エマ
(72)【発明者】
【氏名】モラン,ブレンダン ジュード
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0345802(US,A1)
【文献】国際公開第2011/108664(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0212100(US,A1)
【文献】国際公開第2019/126728(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/133628(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光体ピクセルアレイ用のパッケージング構造であって、
ピクセル状に配置され且つ独立して制御可能な複数の発光ダイオード(LED)を含むセグメント化された一体構造と、
上部再配線層を有し、前記複数のLEDに取り付けられる無機基板と、
導電体を含み、前記上部再配線層との電気的結合を支持するために前記無機基板を貫通するように画定された少なくとも1つのスルービアであって、前記上部再配線層は、該少なくとも1つのスルービアと、前記複数のLEDとの間に配置されている、少なくとも1つのスルービアと、
前記無機基板が配置される支持体と、
前記支持体上にあるセンサと、
を含む、パッケージング構造。
【請求項2】
前記上部再配線層は銅ポストを用いて前記複数のLEDのそれぞれに取り付けられている、請求項1に記載のパッケージング構造。
【請求項3】
前記上部再配線層は前記銅ポストと直接接触し、前記複数のLEDのそれぞれは、前記複数のLEDのそれぞれを前記銅ポストに取り付けるはんだ材料と直接接触している、請求項2に記載のパッケージング構造。
【請求項4】
前記無機基板は、導電体を含む前記少なくとも1つのスルービアに直接接触する底部再配線層をさらに含む、請求項1に記載のパッケージング構造。
【請求項5】
前記少なくとも1つのスルービアは、前記上部再配線層と、前記底部再配線層との間にありながら、前記上部再配線層に直接接触している、請求項4に記載のパッケージング構造。
【請求項6】
前記パッケージング構造の厚さは300ミクロン未満である、請求項1に記載のパッケージング構造。
【請求項7】
前記セグメント化された一体構造は、前記複数のLEDのうちの隣接するLEDを互いに横方向に分離するトレンチを有し、該トレンチには絶縁材料が充填されている、請求項1に記載のパッケージング構造。
【請求項8】
前記セグメント化された一体構造と、前記無機基板との間にアンダーフィルをさらに含む、請求項1に記載のパッケージング構造。
【請求項9】
前記複数のLEDの個別の構造は、LEDの発光面の平面を見た場合に、六角形又は円弧の形状を有する、請求項1に記載のパッケージング構造。
【請求項10】
前記少なくとも1つのスルービアに接続され、前記発光体ピクセルアレイの外端に比して、前記発光体ピクセルアレイの中心に近づくほど密度が大きくなるトレースをさらに含む、請求項1に記載のパッケージング構造。
【請求項11】
ピクセル状に配置された複数の発光ダイオード(LED)と、
上部再配線層を有し、前記複数のLEDに取り付けられる無機基板と、
導電体を含み、前記上部再配線層との電気的結合を支持するために前記無機基板を貫通するように画定された少なくとも1つのスルービアであって、前記上部再配線層は、該少なくとも1つのスルービアと、前記複数のLEDとの間に配置されている、少なくとも1つのスルービアと、
前記少なくとも1つのスルービアに電気的結合されたCMOSと、
を含むアダプティブ照明システム。
【請求項12】
前記複数のLEDのそれぞれは独立して制御可能である、請求項
11に記載のアダプティブ照明システム。
【請求項13】
前記CMOSを支持する支持体と、該支持体上にあるセンサとをさらに含み、前記複数のLEDは、該センサから受信したセンサデータに少なくとも部分的に基づいて配光パターンを提供するように構成されている、請求項
11に記載のアダプティブ照明システム。
【請求項14】
前記複数のLEDから離隔され、前記複数のLEDによって放射される光を方向付けるように配置されたレンズをさらに含む、請求項
11に記載のアダプティブ照明システム。
【請求項15】
前記上部再配線層は銅ポストを用いて前記複数のLEDのそれぞれに取り付けられている、請求項
11に記載のアダプティブ照明システム。
【請求項16】
前記上部再配線層は前記銅ポストと直接接触し、前記複数のLEDのそれぞれは、前記複数のLEDのそれぞれを前記銅ポストに取り付けるはんだ材料と直接接触している、請求項
15に記載のアダプティブ照明システム。
【請求項17】
前記無機基板は、前記上部再配線層の反対側に底部再配線層をさらに含み、該底部再配線層は前記少なくとも1つのスルービアと、前記CMOSとの間に配置されている、請求項
11に記載のアダプティブ照明システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのスルービアは、前記上部再配線層に直接接触している、請求項
11に記載のアダプティブ照明システム。
【請求項19】
前記CMOSは前記複数のLEDと直接接触している、請求項
11に記載のアダプティブ照明システム。
【請求項20】
前記CMOSと、前記底部再配線層とに直接接触する導体パッドをさらに含む、請求項
17に記載のアダプティブ照明システム。
【請求項21】
前記CMOSの、前記導体パッドと反対の側で前記CMOSと直接接触する支持体をさらに含む、請求項
20に記載のアダプティブ照明システム。
【請求項22】
カメラと、
フラッシュ照明システムであって、
ピクセル状に配置された複数の発光ダイオード(LED)と、
上部再配線層を有し、前記複数のLEDに取り付けられる無機基板と、
導電体を含み、前記上部再配線層との電気的結合を支持するために前記無機基板を貫通するように画定された少なくとも1つのスルービアであって、前記上部再配線層は、該少なくとも1つのスルービアと、前記複数のLEDとの間に配置されている、少なくとも1つのスルービアと、
前記少なくとも1つのスルービアに電気結合されたCMOSと、
前記複数のLEDから離隔され、前記複数のLEDによって放射される光を、前記カメラの視野内に向かわせるように配置されたレンズと、
を含むフラッシュ照明システムと、
を含むモバイル装置。
【請求項23】
前記無機基板が配置される支持体と、該支持体上にあるセンサとをさらに含み、前記複数のLEDは、該センサから受信したセンサデータに少なくとも部分的に基づいて配光パターンを提供するように構成されている、請求項
22に記載のモバイル装置。
【請求項24】
前記カメラ、前記センサ及び前記複数のLEDに結合されるコントローラをさらに含み、該コントローラは前記センサデータを受信し、前記複数のLEDを制御するように構成されている、請求項
23に記載のモバイル装置。
【請求項25】
前記複数のLEDから離隔され、前記複数のLEDによって放射される光を方向付けるように配置されたレンズをさらに含む、請求項
22に記載のモバイル装置。
【請求項26】
前記上部再配線層は銅ポストを用いて前記複数のLEDのそれぞれに取り付けられている、請求項
22に記載のモバイル装置。
【請求項27】
前記無機基板は、前記上部再配線層の反対側に底部再配線層をさらに含み、該底部再配線層は前記少なくとも1つのスルービアと、前記CMOSとの間に配置されている、請求項
22に記載のモバイル装置。
【請求項28】
前記少なくとも1つのスルービアは、前記上部再配線層に直接接触する、請求項
22に記載のモバイル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年7月15日に出願された米国特許出願第63/052151号及び2020年9月9日に出願された欧州特許出願第20195344.5号に対する優先権を主張し、それらのそれぞれは参照によりその全体が本願に組み込まれている。
【0002】
本開示は、一般に、密集した(densely packed)発光ダイオード又はレーザのための高密度基板の製造に関する。スルーシリコンビア(TSV)を含み、LEDピクセルアレイのアドレスをサポートする電気相互接続システムを説明する。
【背景技術】
【0003】
半導体発光デバイス(LED)は、高密度に実装されたグループ又はブロックに配置又は形成できる。しかしながら、発光デバイスが小さいか又は多くの発光デバイスがグループ化される場合、とりわけ、各発光デバイスが個別にアドレス可能であり、適切な熱除去も提供しなければならない場合、信頼性の高い相互接続を提供するのは困難である。
【0004】
多数のアドレス可能なピクセルを有するLEDを取り付けるための1つの解決策は、小さな電気的トレース、広範なファンイン若しくはファンアウト構造又はビアを提供する必要がある。これは、例えば、固体セラミック、ガラス又はシリコン基板に個々のLED又はLEDモジュールを取り付けることにより実現できる。残念ながら、そのような取り付けシステムは、高価な材料の使用、多数のマイクロビアの提供及び複雑な処理装置を必要とし得る。また、多くの場合、セラミックの取り付けシステムは、有機回路基板材料に対して乏しいか熱膨張係数(CTE)が整合せず、熱膨張及び収縮サイクルにより早期にトレースの相互接続に障害が生じ、セラミックと有機材料の境界でトレースの破損が起こる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態によれば、発光体ピクセルアレイ用パッケージング構造は、複数のピクセルであって、少なくとも一部のピクセルはピクセル光閉じ込め構造によって横方向に互いに分離されている、複数のピクセルを含む。上部再配線層を有する無機基板は複数のピクセルに取り付けられ、導電体を含む少なくとも1つのスルーシリコンビアは、無機基板を貫通し、上部再配線層との電気的結合を支持するように画定され、上部再配線層は、該少なくとも1つのスルーシリコンビアと、複数のピクセルとの間に配置されている。
【0006】
一部の実施形態では、上部再配線層は銅ポストを用いて各ピクセルに取り付けられている。
【0007】
一部の実施形態では、上部再配線層は前ポストと直接接触し、各ピクセルは、それを銅ポストに取り付けるはんだ材料と直接接触している。
【0008】
一部の実施形態では、無機基板は、導電体を含む少なくとも1つのスルーシリコンビアに直接接触する底部再配線層をさらに含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのスルーシリコンビアは、上部再配線層と、底部再配線層との間にありながら、上部再配線層に直接接触している。
【0009】
一部の実施形態では、光閉じ込め構造は、反射側面コーティングで少なくとも部分的に取り囲まれた蛍光体材料をさらに含む。
【0010】
一部の実施形態では、光閉じ込め構造は、蛍光体材料と整列した拡散層をさらに含む。
【0011】
一部の実施形態では、パッケージング構造の全Z高さは300ミクロン未満である。
【0012】
一部の実施形態では、複数のピクセルは少なくとも9つのピクセルを含む。
【0013】
一部の実施形態では、複数のピクセルはセグメント化されたGaN層から形成されている。
【0014】
一部の実施形態では、複数のピクセルは、充填トレンチによって分離されたピクセルを有するセグメント化されたGaN層から形成されている。
【0015】
一部の実施形態では、無機基板の底部再配線層にCMOSダイが取り付けられている。
【0016】
一部の実施形態では、セグメント化されたGaN層と、前記無機基板との間にアンダーフィルが設けられている。
【0017】
一部の実施形態では、無機基板上に回路が形成されている。
【0018】
一部の実施形態では、無機基板に少なくとも1つのセンサが取り付けられている。
【0019】
一部の実施形態では、無機基板に少なくとも1つのセンサ温度センサが取り付けられている。
【0020】
一部の実施形態では、隣接ピクセルは、ピクセル光閉じ込め構造によって30ミクロン未満で分離されている。
【0021】
一部の実施形態では、ピクセル光閉じ込め構造は、シリコーン又はエポキシによって上部再配線層から離隔されている。
【0022】
本発明の実施形態によれば、アダプティブ照明システムは、ピクセル光閉じ込め構造によって横方向に互いに分離された隣接ピクセルを有する複数のピクセルであって、該ピクセルのそれぞれは独立して制御可能である、複数のピクセルと、上部再配線層を有し、複数のピクセルに取り付けられる無機基板と、導電体を含み、上部再配線層との電気的結合を支持するために無機基板を貫通するように画定された少なくとも1つのスルーシリコンビアであって、上部再配線層は、該少なくとも1つのスルーシリコンビアと、複数のピクセルとの間に配置されている、少なくとも1つのスルーシリコンビアと、複数のピクセルから離隔され、複数のピクセルによって放射される光を方向付けるレンズと、を含む。
【0023】
本発明の実施形態によれば、モバイル装置は、カメラと、フラッシュ照明システムであって、ピクセル光閉じ込め構造によって横方向に互いに分離された隣接ピクセルを有する複数のピクセルと、上部再配線層を有し、複数のピクセルに取り付けられる無機基板と、導電体を含み、上部再配線層との電気的結合を支持するために無機基板を貫通するように画定された少なくとも1つのスルーシリコンビアであって、上部再配線層は、該少なくとも1つのスルーシリコンビアと、複数のピクセルとの間に配置されている、少なくとも1つのスルーシリコンビアと、複数のピクセルから離隔され、複数のピクセルによって放射される光を、カメラの視野内に向かわせるレンズと、を含むフラッシュ照明システムと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下の図面を参照しながら、本開示の非限定的及び非網羅的な実施形態を説明する。以下の図面において、同様の参照符号は、特に明記されていない限り、様々な図面の全体にわたって同様の部分を表す。
【
図1】
図1は、例示のpcLEDの概略断面図を示す。
【
図3A】
図3Aは、pcLEDのアレイが搭載され得る電子基板の概略上面図を示す。
【
図4A】
図4Aは、導波管及び投射レンズに対して配置されたpcLEDアレイの概略断面図を示す。
【
図5】
図5は、適応照明システムを含む例示のカメラフラッシュシステムを概略的に示す。
【
図6】
図6は、一実施形態を、スルーシリコンビアを含む高密度基板を有するLEDの断面で示す。
【
図7】
図7は、ストリップ上に組み立てられた複数のLEDを示す。
【
図8A】
図8Aは、スルーシリコンビア基板のバック接続を示している。
【
図8B】
図8Bは、スルーシリコンビア基板の内部接続を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読むべきである。図面において、ことなる図面全体を通して同じ参照符号は同様の要素を表す。必ずしも縮尺通りではない図面は、選択的な実施形態を示し、本発明の範囲を制限することを意図していない。詳細な説明は発明の原理を限定的ではなく、一例として示す。
【0026】
図1は、基板1040に配置された発光半導体ダイオード(LED)構造1020と、LEDに配置された蛍光体層1060とを含む個々のpcLED1000の一例を示す。発光半導体ダイオード構造1020は、n型及びp型層の間に配置される活性領域を通常含む。ダイオード構造にわたって適切な順方向バイアスを適用することで、活性領域から光の放射がもたらされる。放射光の波長は、活性領域の組成及び構造によって決定される。
【0027】
LEDは、例えば、紫外線、青色、緑色又は赤色光を放出するIII族窒化物LEDであり得る。任意の他の適切な材料システムから形成され、任意の他の適切な波長の光を放射するLEDを用いてもよい。他の適切な材料システムは、例えば、III-リン化物材料、III-ヒ化物材料及びII-VI材料を含み得る。
【0028】
pcLEDからの望ましい光出力及び色の仕様に応じて、任意の適切な蛍光体材料が用いられ得る。
【0029】
図2A及び
図2Bは、基板2020に配置された蛍光体ピクセル1060を含むpcLED1000のアレイ2000の断面図及び上面図をそれぞれ示す。このようなアレイは、任意の適切な方法で配置された任意の適切な数のpcLEDを含み得る。図示の例では、アレイは共有の基板上にモノリシックに形成されるものとして記載されているが、代替的に、pcLEDのアレイは個別のpcLEDから形成され得る。基板2020は、LEDを駆動するためのCMOS回路を任意で含んでもよく、任意の適切な材料で形成され得る。
【0030】
図2A及び2Bは、9個のpcLEDの3×3のアレイを示すが、そのようなアレイは、例えば、数十個、数百個、数千個のLEDを含み得る。個々のLED(ピクセル)は、アレイの平面内に幅(例えば、辺の長さ)を有し、例えば、1ミリメートル(mm)以下、500ミクロン以下、100ミクロン以下又は50ミクロン以下であり得る。そのようなアレイ内のLEDは、アレイの平面内に、例えば、数百ミクロン、100ミクロン以下、50ミクロン以下、10ミクロン以下又は5ミクロン以下の幅を有する道又はレーンによって、互いに離隔され得る。図の例は、対称的なマトリックスに配置された矩形のピクセルを示すが、ピクセル及びアレイは、任意の適切な形状又は配置を有していてもよい。
【0031】
アレイの平面内に約50ミクロン以下の寸法(例えば、辺長)を有するLEDは、マイクロLEDと通常呼ばれ、そのようなマイクロLEDのアレイは、マイクロLEDアレイと呼ばれ得る。
【0032】
LEDのアレイ又はそのようなアレイの一部は、個別のLEDピクセルがトレンチ及び/又は絶縁材料によって互いに電気的に遮蔽されているが、電気的に遮蔽されたセグメントは半導体構造の部分によって互いに物理的に接続されたままである、セグメント化されたモノリシック構造として形成され得る。
【0033】
LEDアレイ内の個別のLEDは、個別にアドレス可能であり得るか、アレイ内のピクセルのグループ又はサブセットの一部としてアドレス可能であり得るか又はアドレス可能でない場合がある。そのため、発光体ピクセルアレイは、光の分布のきめ細い強度、空間的及び時間的制御を必要とするか又はそのような制御の恩恵を受けるあらゆる用途に有用である。これらの用途は、限定されないが、ピクセルブロック又は個別のピクセルからの放射光の正確な特殊パターニングを含み得る。用途に応じて、放射光はスペクトル的に区別され、経時的に適応し及び/又は環境に応答し得る。そのような発光体ピクセルアレイは、さまざまな強度、空間的又は時間的なパターンで予めプログラムされた光の分布を提供し得る。放射光は、受信されたセンサデータに少なくとも部分的に基づいてもいいし、光無線通信のために用いられ得る。関連するエレクトロニクス及び光学は、ピクセル、ピクセルブロック又はデバイスレベルで異なり得る。
【0034】
図3A~
図3Bに示すように、pcLEDアレイ2000は、電源及び制御モジュール3020、センサモジュール3040及びLED取り付け領域3060を含む電子基板3000に取り付けられ得る。電源及び制御モジュール3020は、外部ソースからの電力及び制御信号と、センサモジュール3040からの信号とを受信し、電源及び制御モジュール3020は、これらの信号に基づいて、LEDの動作を制御する。センサモジュール3040は、任意の適切なセンサ、例えば温度又は光センサから信号を受信し得る。あるいは、pcLEDアレイ2000は、電源及び制御モジュールと、センサモジュールとは別の基板(図示せず)に取り付けられてもよい。
【0035】
個別のpcLEDは、任意で、蛍光体層に配置されるか又は隣接して位置するレンズ又は他の光学素子を包含し得るか又は組み合わせで配置され得る。図示しないこのような光学素子は、「一次光学素子」と呼ばれ得る。加えて、
図4A~
図4Bに示すように、(例えば、電子基板3000に取り付けられる)pcLEDアレイ2000は、意図する用途で用いられる、導波管、レンズ又はその両方等の二次光学素子との組み合わせで配置され得る。
図4Aでは、pcLED1000によって放射される光は導波管4020によって収集され、投影レンズ4040に向けられる。投影レンズ4040は、例えば、フレネルレンズであり得る。この配置は、例えば、自動車のヘッドライトでの使用に好適であり得る。
図4Bでは、pcLED1000によって放射された光は、介在する導波管を用いずに投影レンズ4040によって直接収集される。この配置は、pcLEDが互いに十分に近い間隔で配置できる場合にとりわけ好適であり、自動車のヘッドライトに加えてカメラのフラッシュ用途でも用いられ得る。マイクロLEDディスプレイ用途は、例えば
図4A~
図4Bに示すものと同様の光学配置を用いり得る。一般に、所望の用途に応じて、光学素子の任意の適切な配置を、本明細書で説明するLEDアレイと組み合わせて用いられ得る。
【0036】
特定の目的に適応可能な照明を提供するために、独立して動作可能なLEDのアレイがレンズ、レンズシステム又は他の光学系(例えば、上記したもの)と組み合わせて用いられ得る。例えば、動作の際、そのようなアダプティブ照明システムは、照明されたシーン又はオブジェクトにわたって色及び/又は強度が変化する及び/又は所望の方向に向けられる照明を提供し得る。コントローラは、シーン内のオブジェクト又は人の位置及び色の特性を示すデータを受信し、その情報に基づいて、シーンに適応された照明を提供するためにLEDアレイ内のLEDを制御するように構成され得る。そのようなデータは、例えば、画像センサ又は光学(例えば、レーザ走査)又は非光学(例えば、ミリレーダ)センサにより提供できる。このようなアダプティブな照明は、自動車、モバイルデバイスカメラ、VR及びARの用途にとってますます重要になっている。
【0037】
図5は、上述したシステムと同様又は同一であり得るLEDアレイ及びレンズシステム5020を含む例示のカメラフラッシュシステム5000を概略的に示す。フラッシュシステム5000は、マイクロプロセッサ等のコントローラ5040によって制御されるLEDドライバ5060も含む。コントローラ5040は、カメラ5070及びセンサ5080にも結合され、メモリ5100に記憶された命令及びプロファイルに従って動作し得る。カメラ5070及びアダプティブ照明システム5020は、それらの視野を一致させるためにコントローラ5040によって制御され得る。
【0038】
センサ5080は、例えば、位置センサ(例えば、ジャイロスコープ及び/又は加速度計)及び/又はシステム5000の位置、速度及び向きを特定するために用いられ得る他のセンサを含み得る。センサ5080からの信号は、コントローラ5040の適切な一連の行動(例えば、どのLEDがターゲットを現在照らしているか、どのLEDが所定の時間の後にターゲットを照らすか)を決定するためにコントローラ5040に供給され得る。
【0039】
動作中、5020内のLEDアレイの一部又は全てのピクセルからの照明は、調整-動作停止されるか、最大強度で運転されるか又は中間強度で運転され得る。5020内のLEDアレイによって放射された光のビームフォーカス又はステアリングは、照明装置内の光学系を動かすか又はレンズのフォーカスを変更することなく、ビームの形状を動的に調整できるようにするために、ピクセルのうちの1つ以上のサブセットを作動させることにより電子的に行うことができる。
【0040】
図6に見られるように、断面図に示す発光体ピクセルアレイ100のパッケージング構造は、CMOSダイ及び支持体104に任意で取り付けることができるマルチピクセルアセンブリ102を含む。一実施形態では、ピクセルアセンブリ102は、蛍光体及びディフューザ層122が取り付けられたGaN又は他の適切なアクティブ発光体120を含む。個別のピクセルは、ピクセル光閉じ込め構造124によって分離されている。アクティブ発光体120及び蛍光体/ディフューザ122は、導電性材料が充填されたスルーシリコンビア(TSV)を有するシリコン基板130を用いて、支持及び電気的に結合(例えば、直接電気的に接続)することができる。一実施形態では、銅又は他の金属ポスト140を、はんだ材料142で発光体120に取り付けることができる。電気的に非導電性で接着性のアンダーフィル132を活用して、銅ピラー140を保護し、発光体120をシリコン基板130に取り付けることができる。銅ピラー140は、シリコン基板130の上面に形成又は塗布された導電性の上部再配線層144に取り付けることができる。上部再配線層144は、スルーシリコンビア(TSV)146内の導電性材料に電気的に結合(例えば、直接電気的に接続)されている。TSV146は、シリコン基板130の底面に形成又は塗布された導電性底部再配線層148に接続されている。この高密度の電気接続スキームは、ピクセル又はピクセルのグループが個別にアドレスされ、光の強度について制御できるようにするため有利である。一部の実施形態では、マルチピクセルアセンブリ102の厚さ(Z高さ)は500ミクロン以下である。一部の実施形態では、マルチピクセルアセンブリ102の厚さは300ミクロン以下である。一部の実施形態では、厚さは250~300ミクロンである。一部の実施形態では、マルチピクセルアセンブリ102の厚さは250ミクロン以下である。一部の実施形態では、厚さは100~300ミクロンである。
【0041】
説明した構造及びシステムには様々な利点がある。発光素子用にシリコン基板を用いることで、アダプティブライティングシステムに高密度の相互接続が提供されるのと同時に、有機基板に比べて良好な熱伝達特性を提供する。また、薄くてかさばらないライティングモジュールのために低Z高さのパッケージが必要である。とりわけ、単純なLEDフラッシュ照明システムと同様の高さを有することで、従来の非ピクセルのカメラフラッシュをアドレス可能なアダプティブフラッシュに簡単に再設計し且つ置き換えることができる。
【0042】
マルチピクセルアセンブリ102は、様々な種類、サイズ及びレイアウトの発光素子を含むことができる。一実施形態では、個別にアドレス可能な発光ダイオード(LED)の一又は二次元マトリックスアレイを用いることができる。個別にアドレス可能なLEDのN×Mアレイ(N及びMはそれぞれ1~2000)を用いることができる。3×3のアレイ又は7×7のアレイ等の、個別にアドレス可能なLEDのN×Mアレイ(N及びMはそれぞれ3~9)を用いることができる。個別のLED構造は、LEDの発光面の平面を見た場合に、正方形、長方形、六角形、多角形、円形、円弧又は他の表面形状を有することができる。LEDアセンブリ又は構造のアレイは、幾何学的に真っすぐな行及び列、互い違いの行又は列、曲線又は半ランダム若しくはランダムなレイアウトで配置できる。LEDアセンブリは、個別にアドレス可能なピクセルアレイとして形成された複数のLEDを含むことができる。一部の実施形態では、LEDへの導電線の放射状又は他の非矩形のグリッド配列を含めることができる。一部の実施形態では、LEDへの導電線の曲線、巻線、ヘビ状及び/又は他の適切な非線形配列を含めることができる。
【0043】
幅広い色を提供するために、様々な蛍光体及び関連するディフューザ122を用いることができる。ディフューザは、フィルム、コーティング又はポリマーバインダ若しくは他の適切な材料に分散した酸化チタンを含むことができる。ディフューザに加えて、LED構造体は、成形又はセラミック蛍光体等の波長変換材料又は量子ドット若しくはダイ等の他の材料で覆うことができる。複数の種類及び厚さの蛍光体を用いることができる。1つ以上の波長変換材料と組み合わせたLEDが、白色光又は他の色の単色光を作り出すために用いられ得る。LEDによって放射された光の全て又は一部のみが波長変換材料によって変換され得る。変換されていない光は、最終的な光のスペクトルの一部であり得るが、必ずしもそうでなくてよい。一般的なデバイスの例としては、黄色発光蛍光体と組み合わされた青色発光LED、緑及び赤色発光蛍光体と組み合わされた青色発光LED、青色及び黄色発光蛍光体と組み合わされたUV発光LED、青色、緑色及び赤色発光蛍光体と組み合わされたUV発光LEDを含む。蛍光体は、電圧の印加によりLED上に電気泳動的に堆積できる。印加電圧の期間を変化させると、それに対応して堆積される蛍光体の量及び厚さが変化する。あるいは、蛍光体粒子をLEDに付着させるために有機バインダを用いて、LEDを蛍光体でコーティングできる。蛍光体及び/又はディフューザ材料は、分注、スクリーン印刷、噴霧、成形、フィルムとして塗布又はラミネートできる。あるいは、特定の用途では、ガラスに含まれる蛍光体又は予め成形された焼結セラミック蛍光体をLEDに取り付けることができる。一部の実施形態では、蛍光体及び関連するディフューザ122の厚さ(Z高さ)は200ミクロン以下である。一部の実施形態では、蛍光体及び関連するディフューザ122の厚さは50~110ミクロンである。蛍光体及び関連するディフューザ122内の蛍光体層の厚さは60ミクロン以下であってもよく、各セグメントがLED幅に一致する幅を有するシリコーン内のセグメント化された蛍光体であり得る。蛍光体及び関連するディフューザ122内のディフューザ要素は、5~45ミクロン等の5~100ミクロンの厚さを有し得る。ディフューザ要素は、酸化チタン又は酸化チタンと共にバインダ要素内に分散された酸化アルミニウムであり得る。バインダ要素内に分散された酸化チタン又は酸化アルミニウムは、0.01重量%~3重量%、例えば0.6重量%の濃度を有し得る。
【0044】
ピクセル光閉じ込め構造124は、光反射性又は光吸収性の側壁コーティングであり得る。これは、追加の光吸収体、反射体(側壁用の分布型ブラッグ反射体を形成する誘電体層のスタックを含む)、他の光学コーティング又は電気絶縁材料を含むか又は有することができる。1つ以上の有機、無機又は有機/無機バインダ及び充填剤材料を含むことができる、光分離及び電気的遮蔽誘電材料を用いることができる。例えば、接着剤、エポキシ、アクリレート又はニトロセルロースを、セラミック又は光吸収若しくは散乱粒子と組み合わせて用いることができる。別の有機/無機バインダ、充填剤又は側壁は、例えば、反射性酸化チタン又は他の反射/散乱粒子が埋め込まれたエポキシであり得る。ピクセル光閉じ込め構造124は、60重量%の酸化チタンを含むシリコーン中の酸化チタンであり得る。無機バインダは、ゾルゲル(例えば、TEOS又はMTMSのゾルゲル)又は水ガラスとしても知られる液体ガラス(例えば、ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウム)を含むことができる。一部の実施形態では、バインダは物理的特性を調整する充填剤を含むことができる。充填剤は、無機ナノ粒子、シリカ、ガラス粒子若しくはファイバ又は光学若しくは熱的性能を改善できる他の材料を含むことができる。一部の実施形態では、ピクセル光閉じ込め構造124は、30ミクロン以下、例えば20ミクロンの幅を有するように配置される。一部の実施形態では、ピクセル間の距離は30~5ミクロンである。
【0045】
一部の実施形態では、高輝度発光デバイスを形成可能な半導体材料からアクティブ発光体120を形成することができ、限定されないが、III-V族半導体、特に、III-窒化物材料とも呼ばれるガリウム、アルミニウム、インジウム及び窒素の二元、三元、及び四元合金を含むことができる。このような半導体材料は、必要に応じてLED及びレーザーシステムの両方をサポートするように成長させることができる。一部の実施形態では、薄化又は全体若しくは部分的に除去できるサファイア基板を用いることができる。一部の実施形態では、LEDダイをさらに薄化できる。一部の実施形態では、レーザリフトオフ技術によって取り除かれるサファイア基板上に成長させたGaNが用いられる。一部の実施形態では、GaNを全体的に又は部分的にピクセル又はピクセルのグループに分けることができる(例えば、トレンチを定義するために部分的に切り抜く)。一部の実施形態では、アクティブ発光体120の厚さ(Z高さ)は15ミクロン以下である。一部の実施形態では、アクティブ発光体120の厚さは15~7ミクロンになるように選択される。
【0046】
一部の実施形態では、銅又は他の金属ポスト140を、はんだ材料142で発光体120に取り付けることができる。例えば、銅又は他の金属ポスト140は、幅が40ミクロン以下で、ピッチが80ミクロン以下のSnAg(スズ銀)のはんだキャップを有する銅からなる銅ピラーを含み得る。一部の実施形態では、バンプオントレース、ACF又はCu-Cu直接接合を用いることができる。一部の実施形態では、金属ポスト140及びはんだ又は他の電気コネクタの厚さ(Z高さ)の合計は60ミクロン以下である。一部の実施形態では、金属ポスト140及びはんだ又は他の電気コネクタの厚さの合計は10~60ミクロンである。
【0047】
シリコン基板130は、全体的にシリコンからなり得る。一部の実施形態では、シリコン基板130はシリコンに加えて、有機又は無機基板材料であり得る他の材料を含むことができる。シリコン基板は、取り付けられたCMOSダイ及びLED120のたえのインターポーザであり得る。シリコン基板は、限定されないが、従来のプリント基板を含む、周囲の無機又は有機基板に埋め込むか又は配置できる。一部の実施形態では、シリコン基板は、ガラス、セラミック又は他の無機材料を追加で含むか又は完全に置き換えることができる。一部の実施形態では、基板130の厚さ(Z高さ)は100ミクロン以下である。一部の実施形態では、基板130の厚さは40~100ミクロンである。したがって、基板を貫通するTSV146の厚さ(Z高さ)は100ミクロン以下、例えば、40~100ミクロンであり得る。TSV146は、1:10のアスペクト比を有し、5~10ミクロンの直径を有し得る。例えば、TSV146の直径が10ミクロンの場合、その厚さは100ミクロンであり得る。
【0048】
基板130は、基板130の上部、底部、側面及び/又は内部に、導電性上部再配線層144及び底部再配線層148を含む様々な導電性構造を支持することができる。内部導電構造は、基板130において定義された導電性ビアから形成できる。これらの導電性ビアは、導電性ビアに接続するために電気トレースを水平に延ばす上部及び底部再配線層に電気的に接続(例えば、直接電気的に接続)することができる。一部の実施形態では、導電性ビアは、マイクロビア、ワイヤ、金属ピラー、はんだカラム又は他の適切な構造であり得る。理解されるように、ファンイン、ファンアウト、直線状又は曲線状の水平レイアウトを含む、再配線層を形成する電気トレースの様々な配置を利用できる。導電性構造又はトレースは、銅、銀、アルミニウム、金、金属合金又は導電性高分子組成物、グラフェン又は導電性セラミック等の様々な導電性金属から形成できる。一部の実施形態では、コーティング、注入、成形、又は他の適切な適用技術を通じて適用されるアンダーフィル(例えば、シリコーン又はエポキシ)の使用は、不要な電気相互接続のリスクを低減しながら、少なくともいくつかの環境保護も提供できる。
【0049】
導電性構造は、適切な電力及び駆動回路に直接接続するか又は追加のプリント基板若しくは他のLEDモジュールシステムを介して接続できる。この電力及び駆動回路は、底部再配線層148を任意のCMOSダイ及び支持体104に接続することにより提供できる。一部の実施形態では、基板130の底部再配線層148と、CMOS及び支持体104上の導体パッドの合計厚さ(Z高さ)は25ミクロン以下である。一部の実施形態では、基板130の底部再配線層148と、CMOS及び支持体104上の導体パッドの合計厚さは25ミクロン以下である。
【0050】
一部の実施形態では、シリコン基板130の底部に熱伝導体(例えば、銅又は他の金属スラグ)を取り付けることができる。一部の実施形態では、マルチピクセルアセンブリ102の横又は近くに配置されたCMOSダイ又は制御回路に接続された導体パッド及び電気トレースを備えた任意のプリント回路基板を用いることができる。
【0051】
一部の実施形態では、マイクロレンズ又は他の一次又は二次光学素子(反射体、散乱体又は吸収体を含む)を、各LEDピクセル及び関連する蛍光体に対して取り付けられ得るか又は配置され得る。他の実施形態では、一次光学素子をLEDのアレイ全体にわたって配置でき、LEDから離れて、適切なパッケージで直接取り付け又は取り付けることができる。保護層、透明層、熱層又は他のパッケージング構造は、特定の用途のために必要に応じて用いることができる。
【0052】
図7は、無機又は有機であり得る基板212上で組み立てられたマルチピクセルアセンブリ210を含むシステム200を示す。蛍光体214は、CMOSダイ、制御回路、又はセンサ216をサポートできる周辺領域を含む基板212の中心に置かれている。例えば、一実施形態では、センサ216は、マルチピクセルアセンブリ210の動作を能動的に監視及び制御するために、1つ以上の光、色、加速度又は温度センサを含むことができる。図示のように、一実施形態では、マルチピクセルアセンブリ210は、フレキシブルプリント回路基板220に取り付けることができる。このプリント回路基板220は、追加のピクセルアセンブリ210のための複数の取り付け位置222をさらに含むことができる。マルチピクセルアセンブリ210は、上述の発光体ピクセルアレイ100に対応し、蛍光体214は蛍光体及びディフューザ層122に対応し、基板212は、センサ216が基板130上に配置されるように基板130に対応する要素を含む。
【0053】
図8A及び8Bは、スルーシリコンビア基板の底部接続及び内部接続をそれぞれ示す。シリコン貫通ビア及び内部再配線層を用いることで、前と後ろの間の複雑な接続スキームをサポートできる。スルーシリコンビア内に配置された銅に接続するトレースを有する底部再配線層300(
図6の底部再配線層148に対応)を
図8Aに示す。一部の実施形態では、シリコンビア(
図1のTSV146に対応)は、例えばグリッド内の等距離の行及び列に沿って、互いに等しく離隔されている。シリコンビア間の間隔は50ミクロン以上、例えば、50~100ミクロン、50~80ミクロン又は50~60ミクロンであり得る。シリコンビアに接続されるトレースは、グリッドの中心に向かって高密度に配置され、グリッドの外側部に向かって低密度に配置されている。
図8Bは、TSV基板との接続性310、例えば、上部再配線層310(
図6の上部再配線層144に対応)のトレースを示す。トレースは、ピクセルを含む領域の外側にあるシリコンビアに接続するために、ピクセルを含む領域を越えて延び得る。すなわち、一部のシリコンビアの一部及び一部のトレースの部分は、ピクセルのいずれとも重ならなくてもよい。
【0054】
説明した様々な実施形態は、光の分布のきめ細かい強度、空間的及び時間的制御の恩恵を受ける用途をサポートし得る発光ピクセルアレイ(すなわち、アドレス可能なLEDアセンブリ)をサポートする。これは、限定されないが、ピクセルブロック又は個別のピクセルからの放射光の正確な空間パターニングを含む。用途に応じて、放射光はスペクトル的に区別され、経時的に適応され及び/又は環境的に応答し得る。発光ピクセルアレイは、様々な強度、空間又は時間パターンで予めプログラムされた光の分布を提供し得る。放射光は、受信されたセンサデータに少なくとも部分的に基づいてもよく、光無線通信のために用いられ得る。関連する光学系は、ピクセル、ピクセルブロック又はデバイスレベルで異なり得る。例示の発光ピクセルアレイは、関連する共通の光学系を有する高輝度ピクセルの共通制御中央ブロックを有するデバイスを含み得る一方で、エッジピクセルは個別の光学系を有し得る。発光ピクセルアレイによってサポートされる一般的な用途は、カメラフラッシュ、自動車のヘッドライト、建築及びエリア照明、街路照明及び情報ディスプレイを含む。
【0055】
発光ピクセルアレイは、モバイル装置用のカメラフラッシュ用途に適し得る。通常、高輝度LEDからの強力で短いフラッシュ光が画像の取り込みをサポートするために用いられる。残念ながら、従来のLEDフラッシュでは、光の多くは、すでに十分に照らされているか又は照らす必要がない領域の照明に浪費される。発光ピクセルアレイの使用により、シーンの一部に制御された照明を決まった期間にわたって提供され得る。これにより、カメラフラッシュは、例えば、ローリングシャッター撮影の間に撮像される領域のみを照らすか、取り込まれた画像にわたって信号対ノイズ比を最小限に抑え、人又はターゲットの被写体上若しくは被写体にわたる影を最小限に抑える照明を提供し、及び/又は影を強調する高コントラストの照明を提供し得る。発光ピクセルアレイのピクセルのスペクトルが異なる場合、フラッシュ照明の色温度は、必要な色調又は暖かさを提供するために動的に調整され得る。
【0056】
道路の選択された部分のみをアクティブに照らす自動車のヘッドライトも、発光ピクセルアレイによってサポートされる。赤外線カメラをセンサとして用いることで、発光ピクセルアレイは道路を照らすために必要なピクセルのみを有効にしながら、歩行者又は対向車の運転手の目をくらませ得るピクセルを無効にする。加えて、運転手の環境意識を改善するために、オフロードの歩行者、動物又は標識が選択的に照らされ得る。発光ピクセルアレイのピクセルのスペクトルが異なる場合、日中、夕暮れ又は夜間の条件のそれぞれに従って光の色温度が調整され得る。一部のピクセルは、光無線車両間通信のために用いられ得る。
【0057】
建築及び領域照明も、発光ピクセルアレイの恩恵を受け得る。発光ピクセルアレイは、視覚的な表示を改善するか又は照明コストを削減するために、建物又は領域を選択的且つ適応的に照らすために用いられ得る。加えて、発光ピクセルアレイは、装飾的な動き又はビデオ効果のためにメディアファサードを投影するために用いられ得る。追跡センサ及び/又はカメラと組み合わせて、歩行者の周囲の領域の選択的な照明が可能となり得る。照明の色温度を調整することに加えて、波長固有の園芸照明をサポートするために、スペクトルが異なるピクセルが用いられ得る。
【0058】
街路照明は、発光ピクセルアレイの使用から大きな恩恵が得られ得る重要な用途である。様々な街路灯のタイプを模倣するために単一タイプの発光アレイが用いられ、例えば、選択されたピクセルの適切に有効又は無効にすることにより、タイプI直線街路灯とタイプIV半円形街路灯との間での切り替えができる。加えて、環境条件又は使用時間に応じて光ビームの強度又は分布を調整することにより、街路灯のコストが下がり得る。例えば、歩行者がいない場合には、光の強度及び分布領域が低減され得る。発光ピクセルアレイのピクセルのスペクトルが異なる場合、日中、夕暮れ又は夜間の条件のそれぞれに従って光の色温度が調整され得る。
【0059】
発光アレイは、直接又は投影ディスプレイを必要とする用途をサポートするのにも適している。例えば、警告、緊急又は情報標識は全て、発光アレイを用いて表示又は投影され得る。これは、例えば色が変化するか又は点滅する出口標識の投影を可能にする。発光アレイが多数のピクセルで構成されている場合、テキスト又は数字の情報が提示され得る。方向矢印又は同様の標識も提供され得る。
【0060】
本発明を詳細に説明してきたが、当業者であれば、本開示を所与として、本明細書で説明した発明概念の精神から逸脱することなく、本発明に変更が加えられ得ることを理解するであろう。したがって、本発明の範囲を、図示及び説明した特定の実施形態に限定することを意図していない。