(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】ジグザグスタッキング装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20241126BHJP
H01M 10/0583 20100101ALI20241126BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/0583
(21)【出願番号】P 2023555851
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(86)【国際出願番号】 KR2022018222
(87)【国際公開番号】W WO2023101279
(87)【国際公開日】2023-06-08
【審査請求日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】10-2021-0172302
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジュン ハン
【審査官】冨士 美香
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2303834(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0134513(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0054491(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0051498(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0133041(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/0583
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジグザグ状に折り畳まれた分離膜に正極板と負極板を交互に積層して電極組立体にスタッキングするジグザグスタッキング装置において、
前記正極板、前記分離膜、および前記負極板が積層され、昇降可能に設置されるスタックテーブルと、
前記スタックテーブルの上部に備えられ、左右移動により前記分離膜を前記スタックテーブルにジグザグ状に供給するスイングロールと、
前記ジグザグ状に折り畳まれた前記分離膜の折り畳み区間に前記正極板を供給する正極アンワインダーと、
前記正極アンワインダーに対向されて配置され、前記正極板が供給された前記分離膜の折り畳み区間の次の折り畳み区間に交互に前記負極板を供給する負極アンワインダーと、
前記スイングロールの上部に昇降可能に設置され、前記スタックテーブル上の前記分離膜を加圧してシーリングするシーラーと、
前記スタックテーブルおよび前記シーラーの作動を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、前記正極板上に前記分離膜の積層時ごとに前記分離膜に対してシーリングを行う、ジグザグスタッキング装置。
【請求項2】
前記スタックテーブルは、
発熱可能になされる、請求項1に記載のジグザグスタッキング装置。
【請求項3】
前記スイングロールは、
前記正極アンワインダーまたは前記負極アンワインダーのうちいずれか1つのアンワインダー側に向かって偏向されて配置される、請求項1に記載のジグザグスタッキング装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記正極板上に前記分離膜が積層されたことを感知する感知部と、前記感知部を介して前記分離膜の積層時ごとに前記スタックテーブルと前記シーラーを駆動させる第1駆動部、および前記シーラーを介して前記正極板周りの前記分離膜の重畳部分に対してシーリングする第2駆動部を含む、請求項1に記載のジグザグスタッキング装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記スタックテーブル上の前記正極板に前記分離膜の積層時ごとに前記スタックテーブルを上昇させると共に前記シーラーを下降させ、前記シーラーで前記分離膜を加圧してシーリングする、請求項4に記載のジグザグスタッキング装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記シーラーが前記分離膜の加圧シーリング後に前記スタックテーブルを下降させると共に前記シーラーを上昇させ、前記シーリングされた前記分離膜の折り畳み区間に前記負極板および前記正極板を順次的に交互となるように積層させる、請求項5に記載のジグザグスタッキング装置。
【請求項7】
前記シーラーは、
前記分離膜を加圧する加圧面に突出形成されて発熱する発熱体、および前記発熱体に付着される耐熱性ウレタンシートを含む、請求項1に記載のジグザグスタッキング装置。
【請求項8】
前記シーラーは、
バー状に形成され、少なくとも1つ以上で備えられて、前記正極板周りの前記分離膜の重畳部分に対してシーリングする、請求項7に記載のジグザグスタッキング装置。
【請求項9】
前記シーラーは、
直四角フレーム状に形成されて、前記正極板周りの前記分離膜の重畳部分に対してシーリングする、請求項7に記載のジグザグスタッキング装置。
【請求項10】
前記シーラーは、
直六面体状に形成され、前記正極板周りの前記分離膜の重畳部分に対してシーリングする、請求項7に記載のジグザグスタッキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月3日付の韓国特許出願第10-2021-0172302号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、ジグザグスタッキング装置に関するものである。
【0003】
より詳細には、電極のジグザグスタッキング工程時に電極が分離膜の間で流動されることを防止するためのジグザグスタッキング装置に関するものである。
【0004】
また、本発明は、スタッキング工程で正極板上に分離膜の積層時ごとにシーリング工程を並行してスタッキングされた電極組立体において正極板を安定的に整列し得るジグザグスタッキング装置に関するものである。
【背景技術】
【0005】
近年、充放電が可能な二次電池は、ワイヤレスモバイル機器のエネルギー源として広く使用されている。
【0006】
また、二次電池は、携帯電話、ノートパソコン、カムコーダーなどのような携帯用機器のみならず、化石燃料を使用する既存のガソリン車、ディーゼル車などに起因する大気汚染などを解決するための対策として提示されている電気自動車、ハイブリッド電気自動車などのエネルギー源としても注目されている。
【0007】
したがって、二次電池を使用するアプリケーションの種類は、二次電池の長所により非常に多様化しており、今後は今より多くの分野と製品に二次電池が適用されると予想される。
【0008】
このような二次電池は、電極と電解液の構成によってリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、リチウムポリマー電池などに分類され、電解液の漏液の可能性が少なく、製造が容易なリチウムイオンポリマー電池の使用量が増加している。
【0009】
一般的に、二次電池は、電池ケースの形状に応じて、電極組立体が円筒形または角型の金属缶にそれぞれ内蔵される円筒形電池および角型電池、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースに内蔵されるパウチ型電池に分類される。
【0010】
そして、電池ケースに内蔵される電極組立体は、正極、負極、および正極と負極との間に介在された分離膜の構造からなる充放電が可能な発電素子であって、活物質が塗布された長いシート状の正極と負極との間に分離膜を介在して巻取したジェリーロール型、および所定のサイズで形成される多数の正極と負極を分離膜が介在された状態で順次的に積層したスタック型に分類される。
【0011】
ここで、電気自動車などは、高出力の電気エネルギーが使用されるため、多数のバッテリーモジュールが求められ、このようなバッテリーモジュールは、内部に多数の電池セルが直列または並列に連結される。
【0012】
一方、電池セルの製造時に正極板、分離膜および負極板を順次的に積層してスタッキング工程を行う。
【0013】
ここで、スタッキング工程は、ワインディング方式、スタッキングアンドフォールディング方式、およびジグザグスタッキング方式などに分けられる。
【0014】
ワインディング方式は、1つのセルを丸く巻いて角形や、円筒形ケースに入れて電池セルを製造する方式であり、スタッキングアンドフォールディング方式は、正極材、分離膜および負極剤をジェリーロールタイプに巻いて円筒形ハウジングまたは角形ハウジングに入れて電池セルを製造する方式である。
【0015】
そして、ジグザグスタッキング方式は、正極板、分離膜および負極板を積層して電池セルを製造する方式であって、分離膜は切らずにジグザグ状に積み重ね、その間に負極板と正極板を交互に積み重ねる方式であり、正極板と負極板は折り畳まれずに分離膜のみが折り畳まれることによって、耐久性が向上される。
【0016】
上述したようなジグザグスタッキング方式は、
図1および
図2に図示しているように、分離膜アンワインダー103に巻取された分離膜121が第1ダンサーロール104、フィーディングロール105、そして、バッファーロール106、第2ダンサーロール107および供給ロール108を介してスイングロール120に供給され、スイングロール120の左右移動によりスタックテーブル110上に分離膜121がジグザグ状に積層される。
【0017】
このように、スタッキング装置100上にジグザグ状に折り畳まれた分離膜121に正極板131と負極板141を交互に積層して電極組立体101にスタッキングし、スタッキング工程が完了された後に電極バインダーを塗布し、ホットプレス201で広い面の前面を加圧して接着する。
【0018】
ここで、ジグザグ状に折り畳まれた分離膜に供給された正極板および負極板はカッターを介してカッティングされ、カッティングされた正極板と負極板は分離膜の折り畳み区間とその次の折り畳み区間に順次的、反復的に積層される。
【0019】
通常、正極板は負極板に比べてサイズが小さいため、分離膜の折り畳み区間に積層しておくと、続くスタッキング工程中に滑って正極板と分離膜との間に流動が発生され、これにより正極板の整列が不良となり、スタッキングされた電極組立体に不良が発生するという問題点があった。
【0020】
したがって、電極板のジグザグスタッキング時に分離膜の折り畳み区間に積層された正極板が流動されて整列不良となることを防止し、これを通じて製品の品質を向上させることができる改善されたスタッキング装置が求められているのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は上記したような問題点を解決するために作られたものであって、ジグザグ状で行われる電極のスタッキング工程時に電極が分離膜の間で流動されることを防止し得るジグザグスタッキング装置を提供することを目的とする。
【0023】
そして、スタッキング工程で正極板上に分離膜の積層時ごとにシーリング工程を並行してスタッキングされた電極組立体において正極板が流動されることを防止し得るジグザグスタッキング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、上記したような課題を実現するために、ジグザグ状に折り畳まれた分離膜に正極板と負極板を交互に積層して電極組立体にスタッキングするジグザグスタッキング装置において、正極板、分離膜および負極板が積層され、昇降可能に設置されるスタックテーブルと、スタックテーブルの上部に備えられ、左右移動により分離膜をスタックテーブルにジグザグ状に供給するスイングロールと、ジグザグ状に折り畳まれた分離膜の折り畳み区間に正極板を供給する正極アンワインダーと、正極アンワインダーに対向されて配置され、正極板が供給された分離膜の折り畳み区間の次の折り畳み区間に交互に負極板を供給する負極アンワインダーと、スイングロールの上部に昇降可能に設置され、スタックテーブル上の分離膜を加圧してシーリングするシーラーと、スタックテーブルおよびシーラーの作動を制御する制御部と、を含み、上記制御部は、正極板上に分離膜の積層時ごとに分離膜に対してシーリングを行うことを特徴とする。
【0025】
具体例として、スタックテーブルは、発熱可能になされる。
【0026】
具体例として、スイングロールは、正極アンワインダーまたは負極アンワインダーのうちいずれか1つのアンワインダー側に向かって偏向されて配置される。
【0027】
一例として、制御部は、正極板上に分離膜が積層されたことを感知する感知部と、感知部を介して分離膜の積層時ごとにスタックテーブルとシーラーを駆動させる第1駆動部と、シーラーを介して正極板周りの分離膜の重畳部分に対してシーリングする第2駆動部と、を含む。
【0028】
具体例として、制御部は、スタックテーブル上の正極板に分離膜の積層時ごとにスタックテーブルを上昇させると共にシーラーを下降させ、シーラーで分離膜を加圧してシーリングする。
【0029】
具体例として、制御部は、シーラーが分離膜の加圧シーリング後にスタックテーブルを下降させると共にシーラーを上昇させ、シーリングされた分離膜の折り畳み区間に負極板および正極板を順次的に交互に積層させる。
【0030】
具体例として、シーラーは、分離膜を加圧する加圧面に突出形成されて発熱する発熱体と、発熱体に付着される耐熱性ウレタンシートと、を含む。
【0031】
一例として、シーラーは、バー状に形成され、少なくとも1つ以上で備えられ、正極板周りの分離膜の重畳部分に対してシーリングする。
【0032】
他の一例として、シーラーは、直四角フレーム状に形成され、正極板周りの分離膜の重畳部分に対してシーリングする。
【0033】
別の一例として、シーラーは、直六面体状に形成され、正極板周りの分離膜の重畳部分に対してシーリングする。
【発明の効果】
【0034】
本発明によると、ジグザグ状からなる電極のスタッキング工程時に電極が分離膜の間で流動されることを防止することができる。
【0035】
そして、スタッキングの完了後に行われるシーリング工程を正極板上に分離膜の積層時ごとに並行することにより、スタッキングされた電極組立体において正極板がスリップされて流動されることを防止することができる。
【0036】
また、スタッキングされた電極組立体において電極が流動されることを初期から防止し、電極組立体において電極板の整列不良を防止し、製品の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】従来技術に係るジグザグスタッキング装置を概略的に示す構成図である。
【
図2】従来技術に係るジグザグスタッキング装置を介してスタッキングされた電極組立体を概略的に示す図面である。
【
図3】本発明に係るジグザグスタッキング装置を概略的に示す構成図である。
【
図4】本発明に係るジグザグスタッキング装置の一実施形態に係るシーラーを概略的に示す底面斜視図である。
【
図5】本発明に係るジグザグスタッキング装置の制御部を概略的に示す構成図である。
【
図6】本発明に係るジグザグスタッキング装置の一実施形態に係るシーラーによって電極組立体をシーリングするシーリング過程を概略的に示す図面である。
【
図7】本発明に係るジグザグスタッキング装置の一実施形態に係るシーラーによって電極組立体をシーリングするシーリング過程を概略的に示す図面である。
【
図8】本発明に係るジグザグスタッキング装置の一実施形態に係るシーラーによって電極組立体をシーリングするシーリング過程を概略的に示す図面である。
【
図9】本発明に係るジグザグスタッキング装置の一実施形態に係るシーラーによって電極組立体をシーリングするシーリング過程を概略的に示す図面である。
【
図10】本発明に係るジグザグスタッキング装置の一実施形態に係るシーラーによって電極組立体をシーリングするシーリング過程を概略的に示す図面である。
【
図11】本発明に係るジグザグスタッキング装置の一実施形態に係るシーラーによって電極組立体をシーリングするシーリング過程を概略的に示す図面である。
【
図12】本発明に係るジグザグスタッキング装置の一実施形態に係るシーラーによって電極組立体をシーリングするシーリング過程を概略的に示す図面である。
【
図13】本発明に係るジグザグスタッキング装置の他の実施形態におけるシーラーを概略的に示す底面斜視図である。
【
図14】本発明に係るジグザグスタッキング装置の別の実施形態におけるシーラーを概略的に示す底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、ジグザグ状に折り畳まれた分離膜に正極板と負極板を交互に積層して電極組立体にスタッキングするジグザグスタッキング装置において、正極板、分離膜、および負極板が積層され、昇降可能に設置されるスタックテーブルと、スタックテーブルの上部に備えられ、左右移動により分離膜をスタックテーブルにジグザグ状に供給するスイングロールと、ジグザグ状に折り畳まれた分離膜の折り畳み区間に正極板を供給する正極アンワインダーと、正極アンワインダーに対向されて配置され、正極板が供給された分離膜の折り畳み区間の次の折り畳み区間に交互に負極板を供給する負極アンワインダーと、スイングロールの上部に昇降可能に設置され、スタックテーブル上の分離膜を加圧してシーリングするシーラーと、スタックテーブルおよびシーラーの作動を制御する制御部と、を含み、制御部は、正極板上に分離膜の積層時ごとびに分離膜に対してシーリングを行うジグザグスタッキング装置を提供する。
【0039】
以下、本発明について詳細に説明する。その前に、本明細書および特許請求の範囲に使用される用語や単語は、通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者が彼自身の発明を最善の方法により説明するために用語の概念を適切に定義し得るという原則に基づいて、本発明の技術的な思想に合致する意味と概念として解釈されるべきである。
【0040】
本発明の明細書全体で使用される「含む」や「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。
【0041】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする場合、これは他の部分の「真上に」ある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。逆に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」あるとする場合、それは他の部分の「真下に」ある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。また、本発明の明細書において「上に」配置されるということは、上部のみならず下部に配置される場合も含むものであり得る。
【0042】
(第1実施形態)
図3は、本発明に係るジグザグスタッキング装置を概略的に示す構成図である。
図4は、本発明に係るジグザグスタッキング装置の一実施形態に係るシーラーを概略的に示す底面斜視図である。
図5は、本発明に係るジグザグスタッキング装置の制御部を概略的に示す構成図である。
図6~
図12は、本発明に係るジグザグスタッキング装置の一実施形態に係るシーラーによって電極組立体をシーリングするシーリング過程を概略的に示す図面である。
【0043】
図3で図示しているように、本発明に係るジグザグスタッキング装置1は、分離膜21がジグザグ状に折り畳まれて積層され、分離膜21の折り畳み区間に正極板31と負極板41を交互に積層して電極組立体にスタッキングするためのものである。
【0044】
このために、上記ジグザグスタッキング装置1は、正極板31、負極板41および分離膜21が積層されるスタックテーブル10と、上記スタックテーブル10の上部に備えられ、スタックテーブル10に分離膜21を供給するスイングロール20と、上記スタックテーブル10に正極板31を供給する正極アンワインダー30と、上記スタックテーブル10に負極板41を供給する負極アンワインダー40と、上記スイングロール20の上部に備えられるシーラー50と、上記スタックテーブル10およびシーラー50の作動を制御する制御部70と、を含み、上記制御部70は、正極板31上に分離膜21の積層時ごとに上記分離膜21に対してシーリングを行う。
【0045】
ここで、上記スタックテーブル10およびシーラー50の移動は、通常の線状移動機構によって具現され得るので、以下で移動構造に対する詳しい説明は省略する。
【0046】
上記スタックテーブル10は上部面に分離膜21がジグザグ状に供給され、上記ジグザグ状に折り畳まれて供給される分離膜21の折り畳み区間には正極板31と負極板41が交互に積層されて電極組立体を形成する。
【0047】
ここで、上記スタックテーブル10は板体で形成され、かつ垂直方向に昇降可能に設置される。
【0048】
そして、上記スタックテーブル10には発熱部材(図示せず)が備えられ、所定の温度で発熱可能になされる。
【0049】
このように、上記スタックテーブル10が発熱可能になされることにより、スタックテーブル10の上部面に積層される分離膜21は所定の温度で加熱され、別途の接着剤なしで分離膜21同士が接着され得る雰囲気を造成する。
【0050】
上記スイングロール20は、上記スタックテーブル10の上部に備えられ、振り子運動のような左右の往復移動により分離膜21をスタックテーブル10上にジグザグ状に供給する。
【0051】
このために、上記スイングロール20は一対の左右ローラーを含み、上記一対の左右ローラー間の空間を介して分離膜21をスタックテーブル10上に供給するときに、スイングロール20の左右移動により分離膜21はスタックテーブル10上にジグザグ状に供給される。
【0052】
上記したような構造により、分離膜アンワインダー3に巻取された分離膜21が第1ダンサーロール4、フィーディングロール5、そしてバッファーロール6、第2ダンサーロール7および供給ロール8を介してスイングロール20に供給され、上記スイングロール20の左右移動によりスタックテーブル10上に分離膜21がジグザグ状に供給される。
【0053】
上記正極アンワインダー30は、スタックテーブル10に隣接して備えられ、ジグザグ状に折り畳まれた分離膜21の折り畳み区間に正極板31を供給する。
【0054】
ここで、上記正極アンワインダー30はロール状であって、外周縁に正極板31が巻取されており、スタックテーブル10上にジグザグ状に折り畳まれた分離膜21の折り畳み区間に巻取された正極板31を供給する。
【0055】
このために、上記正極アンワインダー30は、正極板31をピックアップするピックアップユニット(図示せず)または、ピックアップされた正極板31を分離膜21の折り畳み区間に介在する移送ユニット(図示せず)をさらに含み得、上記正極アンワインダー30には、正極板31をカッティングする正極カッター33が含まれる。
【0056】
ここで、上記ピックアップユニット、移送ユニットおよび正極カッター33は公知された構成であるので、以下で詳しい説明は省略する。
【0057】
上記負極アンワインダー40は、ジグザグ状に折り畳まれた分離膜21の折り畳み区間に負極板41を供給する。
【0058】
ここで、上記負極アンワインダー40は、上記正極アンワインダー30に対向されて配置され、正極板31が供給された分離膜21の折り畳み区間の次の折り畳み区間に交互に負極板41を供給する。
【0059】
上記したような構造により、ジグザグ状に折り畳まれた分離膜21の折り畳み区間に正極アンワインダー30を介して正極板31が供給されて介在され、正極板31が介在された分離膜21の折り畳み区間の次の折り畳み区間に負極アンワインダー40を介して負極板41が供給され介在されるなど、分離膜21の折り畳み区間に正極板31と負極板41を順次的に交互に供給して電極組立体を製造し得る。
【0060】
このときにも、上記負極アンワインダー40は、負極板41をピックアップするピックアップユニット(図示せず)または、ピックアップされた負極板41を分離膜21の折り畳み区間に介在する移送ユニット(図示せず)をさらに含み得、上記負極アンワインダー40には、負極板41をカッティングする負極カッター43が含まれる。
【0061】
上記シーラー50は、上記スイングロール20の上部に垂直方向に昇降可能に設置され、上記スタックテーブル10上の分離膜21を加圧してシーリングする。
【0062】
ここで、上記シーラー50は、分離膜21を加圧する加圧面に突出形成されて発熱する発熱体51、および上記発熱体51に付着される耐熱性ウレタンシート53を含む。
【0063】
すなわち、上記シーラー50は、分離膜21と相接する下部面に発熱体51が突出形成され、上記発熱体51の発熱および加圧により分離膜21が損傷されることを防止するために発熱体51には耐熱性ウレタンシート53が設置される。
【0064】
一方、上記耐熱性ウレタンシート53は、高温、低温および高荷重などの過酷な条件においても安定性を示し、耐摩耗性、耐久性および耐油性に優れたブルコランシートが適用され得る。
【0065】
このように、上記シーラー50が分離膜21に相接して加圧する加圧面に発熱体51が備えられて、加圧および加熱により分離膜21同士を接着させることにより、分離膜21の接着のための別途の接着剤は要求されない。
【0066】
一方、上記スタックテーブル10の上部からスタックテーブル10に向かって垂直方向に昇降しながら分離膜21を加圧してシーリングするシーラー50と、上記スタックテーブル10の上部に備えられ、左右移動によりスタックテーブル10上にジグザグ状に分離膜21を供給するスイングロール20との間の干渉を防止するために、上記スイングロール20はスタックテーブル10の上部で正極アンワインダー30または負極アンワインダー40のうちいずれか1つのアンワインダー側に偏向されて配置され得る。
【0067】
上記したような構造により、上記スイングロール20が左右に繰り返し移動しながらスタックテーブル10上に分離膜21をジグザグ状に供給する場合は、上記シーラー50はスイングロール20の上部に位置および待機し、上記スイングロール20が上記正極アンワインダー30または負極アンワインダー40のうちいずれか1つのワインダー側に向かって偏向されて位置する場合には、上記シーラー50はスタックテーブル10上に下降するかまたは上昇し得る。
【0068】
一方、
図4に図示している一実施形態のように、シーラー50aはバー状に形成され、このようなシーラー50aが少なくとも1つ以上に備えられ、上記正極板31周りの分離膜21の重畳部分に対してシーリングを行う。
【0069】
上記したように、上記シーラー50aがバー状に形成されることにより、分離膜21を加圧する加圧面である下部面には、長手方向に発熱体51aが突出形成されて発熱し、上記発熱体51aにも長手方向に耐熱性ウレタンシート53aが設置される。
【0070】
そして、上記シーラー50aには、発熱体51aに電気的に接続される電源ケーブル(図示せず)が挿入設置されるための連結口55が形成される。
【0071】
このとき、上記耐熱性ウレタンシート53aは、発熱体51aの長さに対応されて1つのシートで付着されるか、または一定の長さを有する数個のシートに分割されて発熱体51a上に付着され得る。
【0072】
一方、上記シーラー50aは、正極板31周りをくるりと回って重畳される分離膜21の重畳部位を一度に加圧するように4つのシーラー50aが直四角形状に配置されることが好ましいが、上記シーラー50aが1つまたは2つに配置されて正極板31周りに重畳される分離膜21の重畳部位を移動しながらシーリングするようになされることも可能であり、その他多様に変更実施可能である。
【0073】
上記制御部70は、上記スタックテーブル10およびシーラー50の作動を制御し、かつ上記正極板31上に分離膜21が積層されるたびに分離膜21に対してシーリングを行う。
【0074】
通常、正極板31は負極板41より小さいため、正極板31、分離膜21および負極板41を積層して電極組立体にスタッキングするときに、正極板31の位置が変更されて整列不良が発生され得る。したがって、本発明は、正極板31上に分離膜21を積層するときに正極板31の位置が変更されることを防止するために、上記正極板31上に分離膜21の積層時ごとに正極板31周りの分離膜21の重畳部分に対してシーリングを行う。
【0075】
図5を参照して説明すると、上記制御部70は、感知部71、第1駆動部72および第2駆動部73を含めて構成される。
【0076】
上記感知部71は、正極板31上に分離膜21が積層されたことを感知する。このために、上記正極アンワインダー30には正極アンワインダー30の回動を感知するための回動感知センサー(図示せず)が備えられ得、上記スイングロール20にはスイングロール20の左右移動を感知するための移動感知センサー(図示せず)が備えられ得る。
【0077】
上記第1駆動部72は、上記感知部71を介して正極板31上に分離膜21が積層されたことが感知された場合に、分離膜21の積層時ごとにスタックテーブル10を駆動して上方に移動させると共に上記シーラー50を駆動してスタックテーブル10を下方に移動させる。
【0078】
上記したような構造により、上記感知部71は、回動感知センサーを介して正極アンワインダー30の回動を感知した後に、上記移動感知センサーにより分離膜21の積層が感知されると、上記第1駆動部72はスタックテーブル10とシーラー50を駆動させる。
【0079】
一方、上記制御部70は、上記回動感知センサーによって感知された感知値と、上記移動感知センサーによって感知された感知値の順序を判断するための判断部74がさらに含まれ得る。
【0080】
これを通じて、負極板41上に分離膜21を積層するときにはスタックテーブル10およびシーラー50を駆動させずに、正極板31上に分離膜21の積層時ごとにスタックテーブル10およびシーラー50を駆動させることにより、装備の誤作動を防止し得る。
【0081】
また、上記制御部70は、正極アンワインダー30の回動およびスイングロール20の移動をカウンティングするためのカウンティング部75をさらに含み得る。
【0082】
これを通じて、上記正極板31、分離膜21および負極板41がスタッキングされた電極組立体の正極板31および負極板41の個数を予め設定された個数で電極組立体を製造し得る。
【0083】
上記第2駆動部73は、上記シーラー50を介して正極板31周りの分離膜21の重畳部分に対してシーリングを行う。
【0084】
すなわち、上記第1駆動部72によって駆動され分離膜21を加圧するシーラー50に対して、上記第2駆動部73は、シーラー50の発熱体51を駆動して発熱させることにより、上記正極板31周りの分離膜21の重畳部分に対してシーリングを行う。
【0085】
このように、上記シーラー50が正極板31の上部に積層された分離膜21を加圧しながら発熱することにより、正極板31上部の分離膜21と正極板31の下部に積層された分離膜21が相互接着し、これにより、正極板31周りの重畳される分離膜21の重畳部分がシーリングされる。
【0086】
一方、上記シーラー50には、分離膜21との接触を感知するための接触感知センサー(図示せず)または加圧感知センサー(図示せず)がさらに含まれ得、上記接触感知センサーまたは加圧感知センサーによって分離膜21を加圧するシーラー50の移動を停止させ得る。これを通じて、分離膜21の加圧力を一定に維持させるか、あるいは分離膜21を加圧する加圧力が設定された基準値以上に加圧されないようにし得る。
【0087】
上記したような構造により、上記制御部70は、スタックテーブル10およびシーラー50の作動を制御し、かつスタックテーブル10上の正極板31に分離膜21の積層時ごとにスタックテーブル10を上昇させると共にシーラー50を下降させ、上記シーラー50で分離膜21を加圧してシーリングし得る。
【0088】
すなわち、上記制御部70は、スタックテーブル10上にジグザグ状に供給される分離膜21の折り畳み区間に正極板31が介在された後に、介在された正極板31上に分離膜21の積層時ごとにスタックテーブル10を上昇させると共にシーラー50を下降させ、下降されたシーラー50で分離膜21を加圧してシーリングする。
【0089】
そして、上記制御部70は、シーラー50で分離膜21を加圧シーリングした後に、上記スタックテーブル10を下降させると共にシーラー50を上昇させ、上記シーリングされた分離膜21の次の折り畳み区間に負極板41および正極板31を順次的に交互に積層させる。
【0090】
すなわち、上記制御部70は、シーラー50で分離膜21を加圧してシーリングした後に、スタックテーブル10を最初の位置に下降させると共にシーラー50を最初の位置に上昇させる。
【0091】
そして、再びスイングロール20を左右移動させてスタックテーブル10上に分離膜21をジグザグ状に供給し、かつシーリングされた分離膜21の後続される折り畳み区間に負極板41および正極板31を順次的に交互に積層させる。
【0092】
本発明の一実施形態では、上記正極板31上に分離膜21の積層時ごとに正極板31周りの分離膜21の重畳部分に対してシーリングを繰り返し行うようになされているが、上記正極板31と負極板41上に分離膜21の積層時ごとに正極板31周りの分離膜21の重畳部分および負極板41周りの分離膜21の重畳部分に対してシーリングを繰り返し行うことも可能であるが、これに限定しない。
【0093】
以下、本発明の一実施形態に係るジグザグスタッキング装置の動作過程を
図6~
図12を参照して簡略に説明する。
【0094】
まず、分離膜アンワインダー3に巻取された分離膜21が、第1ダンサーロール4、フィーディングロール5、そしてバッファーロール6、第2ダンサーロール7および供給ロール8を介して上記供給ロール8の下部のスイングロール20に供給され、上記スイングロール20の左右往復移動によりスタックテーブル10上に分離膜21がジグザグ状に供給される。
【0095】
そして、上記負極アンワインダー40に巻取された負極板41をスタックテーブル10の分離膜21の上部に配置し、上記スイングロール20が移動して負極板41の上部に分離膜21をジグザグ状に積層する。そして、上記ジグザグ状に積層された分離膜21の上部に正極板31を配置し、上記スイングロール20を移動して、正極板31の上部に分離膜21をジグザグ状に積層する。
【0096】
すなわち、上記負極アンワインダー40に巻取された負極板41がスタックテーブル10上にジグザグ状に供給される分離膜21の折り畳み区間に供給され、上記正極アンワインダー30に巻取された正極板31は、スタックテーブル10上にジグザグ状に供給される分離膜21の他の折り畳み区間に供給される。
【0097】
このとき、上記分離膜21の折り畳み区間に一定の長さの正極板31および負極板41を供給した後に、正極カッター33および負極カッター43で正極板31および負極板41をそれぞれカッティングする。
【0098】
このように、上記正極板31の上部に分離膜21を積層するとき、上記スタックテーブル10はスイングロール20に向かって上部に移動し、上記シーラー50aはスタックテーブル10に向かって下部に移動して分離膜21を加圧する。
【0099】
そして、上記正極板31の上部に積層された分離膜21にシーラー50aの加圧面が相接して加圧しながら上記シーラー50aの加圧面に備えられる発熱体51aが発熱して正極板31周りの分離膜21の重畳部分に対してシーリングする。
【0100】
このとき、上記スタックテーブル10は、70℃~90℃の温度範囲内に発熱され、上記シーラー50aの発熱体51aも所定の温度に加熱されることにより、正極板31周りを基準にして正極板31の上下部に積層された分離膜21がシーリングされる。
【0101】
一方、上記シーラー50aで分離膜21を加圧してシーリングした後に、上記スタックテーブル10を下降させると共にシーラー50aを上昇させて最初の位置に復帰させ、再びスイングロール20の左右移動により分離膜21の折り畳み区間に負極板41および正極板31を順次的に交互に積層させる。その後、正極板31の上部に分離膜21が積層されると、その都度スタックテーブル10およびシーラー50aを移動させて正極板31周りの分離膜21の重畳部分に対するシーリングを行う。
【0102】
(第2実施形態)
図13は、本発明に係るジグザグスタッキング装置の他の実施形態におけるシーラーを概略的に示す底面斜視図である。
【0103】
図13に図示しているように、本実施形態に係るシーラー50bは、直四角フレーム状に形成され、上記正極板31周りの分離膜21の重畳部分に対してシーリングを行う。
【0104】
上記したように、上記シーラー50bが中空を有する直四角フレーム状に形成されることにより分離膜21を加圧する加圧面である下部面にも直四角フレーム状の発熱体51bが突出形成されて発熱し、上記発熱体51bにも直四角フレーム状の耐熱性ウレタンシート53bが設置される。
【0105】
このときにも、上記シーラー50bには、発熱体51bに電気的に接続される電源ケーブル(図示せず)が挿入設置されるための連結口55が形成される。
【0106】
また、上記耐熱性ウレタンシート53bは、発熱体51bの長さに対応されて1つのシートで付着されるか、または一定の長さを有する数個のシートに分割されて発熱体51b上に付着され得る。
【0107】
このように、上記シーラー50bが直四角フレーム状に形成されることにより、一回の動作により正極板31周りの分離膜21の重畳部分に対して一括的にシーリングを行い得る。
【0108】
(第3実施形態)
図14は、本発明に係るジグザグスタッキング装置の別の実施形態に係るシーラーを概略的に示す底面斜視図である。
【0109】
図14で図示しているように、本実施形態に係るシーラー50cは直六面体状に形成され、上記正極板31周りの分離膜21の重畳部分に対してシーリングを行う。
【0110】
上記したように、上記シーラー50cが直六面体状の板体で形成されることにより分離膜21を加圧する加圧面である下部面に、直四角フレーム状の発熱体51cが突出形成されて発熱し、上記発熱体51cには、直四角フレーム状の耐熱性ウレタンシート53cが設置される。
【0111】
このときにも、上記シーラー50cには、発熱体51cに電気的に接続される電源ケーブルが挿入設置されるための連結口55が形成される。
【0112】
また、上記耐熱性ウレタンシート53cは、発熱体51cの長さに対応されて1つのシートで付着されるか、または一定の長さを有する数個のシートに分割されて発熱体51c上に付着され得る。
【0113】
このように、上記シーラー50cが直六面体状に形成されることにより、正極板31周りの分離膜21の重畳部分に対するシーリングを一回の動作で行い得る。
【0114】
以上、本発明は特定の実施形態と関連して図示および説明するが、特許請求の範囲に示された発明の思想および領域から逸脱しない限度内で多様な改造および変化が可能であることは、当業界において通常の知識を有する者であれば誰もが容易に分かるであろう。
【符号の説明】
【0115】
1:ジグザグスタッキング装置
3:分離膜アンワインダー
4:第1ダンサーロール
5:フィーディングロール
6:バッファーロール
7:第2ダンサーロール
8:供給ロール
10:スタックテーブル
20:スイングロール
21:分離膜
30:正極アンワインダー
31:正極板
33:正極カッター
40:負極アンワインダー
41:負極板
43:負極カッター
50:シーラー
51:発熱体
53:ウレタンシート
55:連結口
70:制御部
71:感知部
72:第1駆動部
73:第2駆動部
74:判断部
75:カウンティング部