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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】バッテリー管理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20241126BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241126BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241126BHJP
   G01R 31/392 20190101ALI20241126BHJP
   G01R 31/385 20190101ALI20241126BHJP
   G01R 31/367 20190101ALI20241126BHJP
【FI】
H02J7/10 C
H02J7/00 Y
H02J7/00 X
H01M10/48 P
G01R31/392
G01R31/385
G01R31/367
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022563934
(86)(22)【出願日】2022-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 KR2022001330
(87)【国際公開番号】W WO2022158948
(87)【国際公開日】2022-07-28
【審査請求日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】10-2021-0010308
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベ、ユーン-ジュン
(72)【発明者】
【氏名】チャ、エー-ミン
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/157132(WO,A1)
【文献】特開2009-252381(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0202299(US,A1)
【文献】特開2018-206612(JP,A)
【文献】国際公開第2015/025402(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/10
H02J 7/00
H01M 10/48
G01R 31/392
G01R 31/385
G01R 31/367
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーの容量及び電圧に対するバッテリー情報を取得し、前記容量及び前記電圧に基づいた微分電圧と前記容量との対応関係を示す微分プロファイルを生成するプロファイル生成部と、
前記プロファイル生成部から前記微分プロファイルを取得し、取得された微分プロファイルから複数のピークを検出し、検出された複数のピークのそれぞれに対応する容量に基づいて前記バッテリーの退化度を算出し、算出された退化度と予め設定された基準退化度とを比較した結果に応じて前記バッテリーに対する充電終了電圧の上限を設定する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記算出された退化度が前記基準退化度以上である場合、前記充電終了電圧の上限を予め設定された基準電圧以下に設定し、
前記基準電圧は、
前記複数のピークのうちのいずれかのピークに対応する基準ピークの電圧に予め設定され、
前記制御部は、
前記微分プロファイルから第1ターゲットピーク及び第2ターゲットピークを検出し、
前記第1ターゲットピークに対応する第1ターゲット容量と前記第2ターゲットピークに対応する第2ターゲット容量との容量差を算出し、
算出された容量差及び予め設定された基準プロファイルに対する基準容量差に基づいて前記退化度を算出
前記基準電圧は、
前記基準プロファイルにおいて、前記第2ターゲットピークに対応する第2基準ピークに対応する電圧に設定されている、バッテリー管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記複数のピークのうちの前記基準プロファイルの第1容量区間に含まれたピークを前記第1ターゲットピークとして検出し、
前記複数のピークのうちの前記基準プロファイルの第2容量区間に含まれたピークを前記第2ターゲットピークとして検出する、請求項に記載のバッテリー管理装置。
【請求項3】
前記基準容量差は、
前記基準プロファイルにおいて、前記第1ターゲットピークに対応する第1基準ピークの第1基準容量と前記第2ターゲットピークに対応する第2基準ピークの第2基準容量との容量差として設定されている、請求項またはに記載のバッテリー管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記算出された退化度が前記基準退化度未満である場合、前記充電終了電圧の上限を前記バッテリーに対して予め設定されたBOL電圧以下に設定する、請求項からのいずれか一項に記載のバッテリー管理装置。
【請求項5】
前記基準電圧は、
前記第2基準ピークの第2基準容量に対応する電圧に設定されている、請求項に記載のバッテリー管理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記算出された退化度が前記基準退化度以上である場合、前記算出された退化度と前記基準退化度との間の退化差を算出し、前記基準電圧から前記退化差に比例するように減少された電圧を前記充電終了電圧の上限として設定する、請求項4または5に記載のバッテリー管理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記算出された退化差が予め設定された臨界差以上である場合、前記バッテリーをEOL状態と診断する、請求項からのいずれか一項に記載のバッテリー管理装置。
【請求項8】
請求項1からのいずれか一項に記載のバッテリー管理装置を含む、バッテリーパック。
【請求項9】
バッテリーの容量及び電圧に基づいた微分電圧と前記容量との対応関係を示す微分プロファイルを生成する微分プロファイル生成段階と、
前記微分プロファイルから第1ターゲットピーク及び第2ターゲットピークを含む複数のピークを検出する複数のピーク検出段階と、
検出された複数のピークのそれぞれに対応する容量に基づいて前記バッテリーの退化度を算出するバッテリー退化度算出段階と、
算出された退化度と予め設定された基準退化度とを比較した結果に応じて前記バッテリーに対する充電終了電圧の上限を設定する充電終了電圧上限設定段階と、を含み、
前記充電終了電圧上限設定段階は、
前記算出された退化度が前記基準退化度以上である場合、前記充電終了電圧の上限を予め設定された基準電圧以下に設定することを含み、
前記基準電圧は、
前記複数のピークのうちのいずれかのピークに対応する基準ピークの電圧に予め設定され
前記バッテリー退化度算出段階は、
前記第1ターゲットピークに対応する第1ターゲット容量と前記第2ターゲットピークに対応する第2ターゲット容量との容量差を算出する段階と、
算出された容量差及び予め設定された基準プロファイルに対する基準容量差に基づいて前記退化度を算出する段階と、を含み、
前記基準電圧は、
前記基準プロファイルにおいて、前記第2ターゲットピークに対応する第2基準ピークに対応する電圧に設定されている、
バッテリー管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年1月25日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0010308号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリー管理装置及び方法に関し、より詳しくは、バッテリーの退化状態に基づいてバッテリーの運用条件を設定することができるバッテリー管理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急激に伸び、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれて、繰り返して充放電可能な高性能バッテリーに対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどのバッテリーが商用化しているが、中でもリチウムバッテリーはニッケル系のバッテリーに比べてメモリ効果が殆ど起きず充放電が自在であって、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
このようなバッテリーは、サイクルが増加するほど(運用されるにつれて)退化し、退化によってバッテリーの性能が低下する。バッテリーの退化度を考慮せず、BOL(Beginning of Life)状態のバッテリーに対して設定された運用条件を退化したバッテリーにそのまま適用すると、退化したバッテリーが過放電及び/または過充電され得る。過放電及び/または過充電が持続されると、バッテリーの退化が加速化するか、または、発火または爆発などのような予期せぬ事故が発生するおそれがある。
【0006】
したがって、バッテリーの期待寿命を延ばし、予期せぬ事故の発生を予め防止するためには、バッテリーの退化状態を考慮してバッテリーに対する適切な運用条件を設定する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリーの退化状態に基づいてバッテリーの運用条件を設定するバッテリー管理装置及び方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によるバッテリー管理装置は、バッテリーの容量及び電圧に対するバッテリー情報を取得し、容量及び電圧に基づいた微分電圧と容量との対応関係を示す微分プロファイルを生成するように構成されたプロファイル生成部と、プロファイル生成部から微分プロファイルを取得し、取得された微分プロファイルから複数のピークを検出し、検出された複数のピークのそれぞれに対応する容量に基づいてバッテリーの退化度を算出し、算出された退化度と予め設定された基準退化度とを比較した結果に応じてバッテリーに対する充電終了電圧の上限を設定するように構成された制御部と、を含む。
【0010】
制御部は、微分プロファイルから第1ターゲットピーク及び第2ターゲットピークを検出し、第1ターゲットピークに対応する第1ターゲット容量と第2ターゲットピークに対応する第2ターゲット容量との容量差を算出し、算出された容量差及び予め設定された基準プロファイルに対する基準容量差に基づいて退化度を算出するように構成され得る。
【0011】
制御部は、複数のピークのうちの基準プロファイルの第1容量区間に含まれたピークを第1ターゲットピークとして検出し、複数のピークのうちの基準プロファイルの第2容量区間に含まれたピークを第2ターゲットピークとして検出するように構成され得る。
【0012】
基準容量差は、基準プロファイルにおいて、第1ターゲットピークに対応する第1基準ピークの第1基準容量と第2ターゲットピークに対応する第2基準ピークの第2基準容量との容量差として設定され得る。
【0013】
制御部は、算出された退化度が基準退化度未満であれば、充電終了電圧の上限をバッテリーに対して予め設定されたBOL電圧に設定するように構成され得る。
【0014】
制御部は、算出された退化度が基準退化度以上であれば、充電終了電圧の上限を予め設定された基準電圧以下に設定するように構成され得る。
【0015】
基準電圧は、基準プロファイルにおいて、第2ターゲットピークに対応する第2基準ピークに対応する電圧に設定され得る。
【0016】
基準電圧は、第2基準ピークの第2基準容量に対応する電圧に設定され得る。
【0017】
制御部は、算出された退化度が基準退化度以上である場合、算出された退化度と基準退化度との間の退化差を算出し、基準電圧から退化差に比例するように減少された電圧を充電終了電圧の上限として設定するように構成され得る。
【0018】
制御部は、算出された退化差が予め設定された臨界差以上である場合、バッテリーをEOL(End of Life)状態と診断するように構成され得る。
【0019】
本発明の他の一態様によるバッテリーパックは、本発明の一態様によるバッテリー管理装置を含む。
【0020】
本発明のさらに他の一態様によるバッテリー管理方法は、バッテリーの容量及び電圧に基づいた微分電圧と容量との対応関係を示す微分プロファイルを生成する微分プロファイル生成段階と、微分プロファイルから複数のピークを検出する複数のピーク検出段階と、検出された複数のピークのそれぞれに対応する容量に基づいてバッテリーの退化度を算出するバッテリー退化度算出段階と、算出された退化度と予め設定された基準退化度とを比較した結果に応じてバッテリーに対する充電終了電圧の上限を設定する充電終了電圧上限設定段階と、を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、バッテリーの退化度を考慮してバッテリーに対する充電終了電圧の上限が適切に設定されるため、バッテリーの退化が加速することが防止されてバッテリーの期待寿命が増加することができる。
【0022】
また、バッテリーに対する充電終了電圧の上限がバッテリーの性能を過度に制限しない範囲で設定されるため、バッテリーの期待寿命が増加し、性能効率が向上することができる。
【0023】
本発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない本発明の他の効果は請求範囲の記載から当業者により明らかに理解されるだろう。
【0024】
本明細書に添付される次の図面は、後述する発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであり、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置を概略的に示した図である。
図2】本発明の一実施形態による微分プロファイル及び基準プロファイルを概略的に示した図である。
図3】本発明の他の一実施形態によるバッテリーパックの例示的構成を概略的に示した図である。
図4】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリー管理方法を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書及び特許請求の範囲において使われた用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0027】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0028】
また、本発明の説明において、関連する公知の構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0029】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちのある一つをその他の要素と区別するために使われたものであり、これら用語によって構成要素が限定されることはない。
【0030】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に言及されない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0031】
さらに、明細書の全体において、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されるとするとき、これは「直接的な連結(接続)」だけでなく、他の素子を介在した「間接的な連結(接続)」も含む。
【0032】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100を概略的に示した図である。
【0034】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、プロファイル生成部110及び制御部120を含む。
【0035】
プロファイル生成部110は、バッテリーの容量及び電圧に対するバッテリー情報を取得するように構成され得る。
【0036】
ここで、バッテリーは、負極端子及び正極端子を備え、物理的に分離可能な一つの独立したセルを意味する。一例として、リチウムイオン電池またはリチウムポリマー電池をバッテリーとして見なし得る。
【0037】
例えば、プロファイル生成部110は、バッテリーの容量と電圧との対応関係を示すバッテリープロファイルを取得し得る。すなわち、バッテリープロファイルにはバッテリーの容量と電圧とがマッピングされたバッテリー情報が含まれ得る。
【0038】
プロファイル生成部110は、容量及び電圧に基づいた微分電圧と容量との対応関係を示す微分プロファイルPdを生成するように構成され得る。
【0039】
ここで、微分電圧は、バッテリー情報に含まれた電圧を容量で微分した値であって、「dV/dQ」で表され得る。すなわち、微分電圧は、容量に対する電圧の瞬間変化率を示す値であり得る。微分プロファイルPdは、図2の実施形態を挙げて説明する。
【0040】
図2は、本発明の一実施形態による微分プロファイルPd及び基準プロファイルPrefを概略的に示した図である。
【0041】
図2の実施形態において、プロファイル生成部110は、取得されたバッテリー情報に基づいて、容量と微分電圧との対応関係を示す微分プロファイルPdを生成し得る。
【0042】
そして、図2の実施形態において、基準プロファイルPrefは、BOLバッテリーに対する容量と微分電圧との対応関係を示すプロファイルであり得る。また、図2の実施形態において、容量はBOLバッテリーの容量を基準にする相対容量であり得る。
【0043】
制御部120は、プロファイル生成部110から微分プロファイルPdを取得するように構成され得る。
【0044】
例えば、制御部120とプロファイル生成部110とは、通信可能に接続され得る。プロファイル生成部110は生成した微分プロファイルPdを制御部120に送信し、制御部120はプロファイル生成部110から微分プロファイルPdを受信し得る。
【0045】
制御部120は、取得された微分プロファイルPdから複数のピークを検出するように構成され得る。
【0046】
ここで、ピークは、微分プロファイルPdにおいて下方に向かって凸状の概形を有する地点であり得る。すなわち、ピークは、容量に対する微分電圧の変化率が0である地点であって、ピークを基準にして低容量側は変化率が負であり、高容量側は変化率が正であり得る。
【0047】
具体的には、制御部120は、複数のピークのうちの基準プロファイルPrefの第1容量区間RLに含まれたピークを第1ターゲットピークTP1として検出するように構成され得る。
【0048】
例えば、第1容量区間RLは、基準プロファイルPrefの全体容量区間のうちの低容量区間を意味し得る。図2の実施形態において、0以上0.5未満の容量区間が第1容量区間RLに予め設定され得る。そして、制御部120は、第1容量区間RLに含まれた複数のピークのうちの対応する容量が最も大きいピークを第1ターゲットピークTP1として検出し得る。検出された第1ターゲットピークTP1は、第1ターゲット容量TQ1に対応するピークであり得る。
【0049】
また、制御部120は、複数のピークのうちの基準プロファイルPrefの第2容量区間RHに含まれたピークを第2ターゲットピークTP2として検出するように構成され得る。
【0050】
例えば、第2容量区間RHは、基準プロファイルPrefの全体容量区間のうちの高容量区間を意味し得る。図2の実施形態において、0.5以上1以下の容量区間が第2容量区間RHに予め設定され得る。そして、制御部120は、第2容量区間RHに含まれた複数のピークのうちの対応する容量が最も大きいピークを第2ターゲットピークTP2として検出し得る。検出された第2ターゲットピークTP2は、第2ターゲット容量TQ2に対応するピークであり得る。
【0051】
すなわち、図2の実施形態に含まれた微分プロファイルPd及び基準プロファイルPrefは、BOLバッテリーの全体容量を基準にして容量区間が0~1に正規化され得る。したがって、0以上0.5未満の容量区間は低容量区間であって第1容量区間RLに設定され、0.5以上1以下の容量区間は高容量区間であって第2容量区間RHに設定され得る。
【0052】
制御部120は、検出された複数のピークのそれぞれに対応する容量に基づいてバッテリーの退化度を算出するように構成され得る。
【0053】
具体的には、制御部120は、第1ターゲットピークTP1に対応する第1ターゲット容量TQ1と第2ターゲットピークTP2に対応する第2ターゲット容量TQ2との間の容量差を算出するように構成され得る。例えば、図2の実施形態において、制御部120は「TQ2-TQ1」の数式を計算して第1ターゲット容量TQ1と第2ターゲット容量TQ2との間の容量差を算出し得る。
【0054】
そして、制御部120は、算出された容量差及び予め設定された基準プロファイルPrefに対する基準容量差に基づいて退化度を算出するように構成され得る。
【0055】
ここで、基準容量差は、基準プロファイルPrefにおいて、第1ターゲットピークTP1に対応する第1基準ピークRP1の第1基準容量RQ1と第2ターゲットピークTP2に対応する第2基準ピークRP2の第2基準容量RQ2との間の容量差として設定され得る。
【0056】
例えば、図2の実施形態において、基準プロファイルPrefには第1基準ピークRP1及び第2基準ピークRP2が含まれ得る。第1基準ピークRP1は、BOLバッテリーに対するピークであって、第1ターゲットピークTP1に対応するピークであり得る。第2基準ピークRP2は、BOLバッテリーに対するピークであって、第2ターゲットピークTP2に対応するピークであり得る。
【0057】
そして、制御部120は、予め設定された基準容量差を取得するか、または、基準プロファイルPrefに基づいて基準容量差を直接算出し得る。例えば、制御部120は「RQ2-RQ1」の数式を計算して基準容量差を直接算出してもよい。
【0058】
制御部120は、基準容量差に対する容量差の比率を計算し、バッテリーの退化度を算出し得る。具体的には、制御部120は、下記の数式1に基づいてバッテリーの退化度を算出し得る。
【0059】
[数1]
D = {1 - (TD ÷ RD)} × 100 … 数式1
【0060】
ここで、Dはバッテリーの退化度であり、TDは第1ターゲット容量TQ1と第2ターゲット容量TQ2との間の容量差である。RDは、第1基準容量RQ1と第2基準容量RQ2との間の基準容量差であり得る。そして、100は算出される退化度の単位を[%]で表すために乗ずる定数であり得る。
【0061】
例えば、図2の実施形態において、第1ターゲット容量TQ1と第2ターゲット容量TQ2との間の容量差TDが0.594であり、第1基準容量RQ1と第2基準容量RQ2との間の基準容量差RDが0.607であると仮定する。制御部120は、上記の数式1に容量差TD及び基準容量差RDを代入して、バッテリーの退化度Dを2.14%と算出し得る。
【0062】
制御部120は、算出された退化度と予め設定された基準退化度とを比較した結果に応じてバッテリーに対する充電終了電圧の上限を設定するように構成され得る。
【0063】
望ましくは、バッテリーに対する充電終了電圧の上限は、BOLバッテリーのSOC(State of Charge:充電状態)100%に対応する電圧として予め設定され得る。例えば、バッテリーの充電終了電圧の上限は4.2Vに予め設定され得る。しかし、バッテリーの退化度を考慮せず、充電終了電圧の上限が4.2Vに維持されれば、過充電が繰り返されることでバッテリーの寿命が急激に減少するおそれがある。
【0064】
したがって、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、算出されたバッテリーの退化度及び基準退化度に基づいてバッテリーに対する充電終了電圧の上限を適切に設定することで、バッテリーの退化が加速することを防止してバッテリーの期待寿命を増加させることができる。
【0065】
一方、バッテリー管理装置100に備えられた制御部120は、本発明で行われる多様な制御ロジックを実行するため、当業界に知られたプロセッサ、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit、特定用途向け集積回路)、他のチップセット、論理回路、レジスタ、通信モデム、データ処理装置などを選択的に含み得る。また、制御ロジックがソフトウェアとして具現されるとき、制御部120は、プログラムモジュールの集合として具現され得る。このとき、プログラムモジュールはメモリに保存され、制御部120によって実行され得る。メモリは、制御部120の内部または外部に備えられ得、周知の多様な手段で制御部120に接続され得る。
【0066】
また、バッテリー管理装置100は、保存部130をさらに含み得る。保存部130は、バッテリー管理装置100の各構成要素が動作及び機能を行うのに必要なデータ、若しくは、プログラムまたは動作及び機能が行われる過程で生成されるデータなどを保存し得る。保存部130は、データを記録、消去、更新及び読出できると知られた公知の情報記録手段であれば、その種類に特に制限がない。一例として、情報記録手段にはRAM、フラッシュ(登録商標)メモリ、ROM、EEPROM、レジスタなどが含まれ得る。また、保存部130は、制御部120によって実行可能なプロセスが定義されたプログラムコードを保存し得る。
【0067】
例えば、保存部130は、バッテリーの電圧と容量との対応関係を示すバッテリー情報を保存し得る。また、保存部130は、BOLバッテリーの電圧と容量との対応関係を示すBOLバッテリー情報を保存し得る。そして、プロファイル生成部110は、保存部130にアクセスしてバッテリー情報を取得し、取得されたバッテリー情報に基づいてバッテリーに対する微分プロファイルPdを生成し得る。
【0068】
また、保存部130は、プロファイル生成部110によって生成された微分プロファイルPdを保存し得る。制御部120は、プロファイル生成部110から微分プロファイルPdを直接受信してもよく、保存部130にアクセスして保存された微分プロファイルPdを取得してもよい。また、制御部120は、保存部130にアクセスしてバッテリー情報及びBOLバッテリー情報も取得し得る。
【0069】
制御部120は、算出された退化度が基準退化度未満であれば、充電終了電圧の上限をバッテリーに対して予め設定されたBOL電圧に設定するように構成され得る。
【0070】
ここで、BOL電圧は、BOLバッテリーに対して設定された充電終了電圧の上限であり得る。すなわち、制御部120は、算出されたバッテリーの退化度が基準退化度未満であれば、バッテリーの性能効率を最大に維持するため、バッテリーに対する充電終了電圧の上限を変更しなくてもよい。
【0071】
例えば、算出されたバッテリーの退化度が2%であり、基準退化度が5%であると仮定する。この場合、制御部120は、バッテリーに対する充電終了電圧の上限を変更しなくてもよい。すなわち、バッテリーの充電終了電圧の上限は、BOLバッテリーの充電終了電圧の上限に維持され得る。
【0072】
制御部120は、算出された退化度が基準退化度以上であれば、充電終了電圧の上限を予め設定された基準電圧以下に設定するように構成され得る。
【0073】
ここで、基準電圧は、BOL電圧未満であり得る。具体的には、基準電圧は、基準プロファイルPrefにおいて、第2ターゲットピークTP2に対応する第2基準ピークRP2に対応する電圧に設定され得る。例えば、基準電圧は、第2基準ピークRP2の第2基準容量RQ2に対応する電圧に設定され得る。
【0074】
例えば、算出されたバッテリーの退化度が5%であり、基準退化度が5%であると仮定する。この場合、制御部120は、バッテリーに対する充電終了電圧の上限を第2基準容量RQ2に対応する電圧に設定し得る。
【0075】
具体的には、制御部120は、BOLバッテリーに対する電圧と容量との対応関係を示すBOLバッテリー情報を予め取得して保存しているか、または、保存部130にアクセスして取得し得る。そして、制御部120は、BOLバッテリー情報から第2基準容量RQ2に対応する電圧を選択し、選択された電圧を充電終了電圧の上限として設定し得る。
【0076】
図2の実施形態において、第2基準ピークRP2は、BOLバッテリーの相転移(phase transition)が終了し、相平衡(phase equilibrium)が始まる地点であり得る。同様に、第2ターゲットピークTP2は、現在バッテリーの相転移が終了し、相平衡が始まる地点であり得る。
【0077】
もし、第2ターゲット容量TQ2を基準にしてバッテリーの充電終了電圧の上限を設定する場合、設定された充電終了電圧の上限はバッテリーの退化による過電圧に影響を受け得る。すなわち、MOL(Middle of life)状態のバッテリーに対する過電圧によって、第2ターゲット容量TQ2に対応する電圧とMOLバッテリーの相平衡が始まる実際電圧とには誤差が存在し得る。
【0078】
例えば、図2の実施形態において、理想的には第2基準容量RQ2に対応する電圧と第2ターゲット容量TQ2に対応する電圧とが同一であり得る。しかし、実際に運用されるバッテリーは、退化による過電圧の影響を受けるため、第2ターゲット容量TQ2に対応する電圧は第2基準容量RQ2に対応する電圧と異なり得る。具体的には、第2ターゲット容量TQ2に対応する電圧が第2基準容量RQ2に対応する電圧よりも大きくなり得る。したがって、第2ターゲット容量TQ2を基準にして充電終了電圧の上限を設定する場合、現在バッテリーの相転移が終了する地点(相平衡が始まる地点)に対応する電圧よりも高電圧に充電終了電圧の上限が設定され得る。すなわち、バッテリーの相平衡が進行している電圧が充電終了電圧の上限として設定される可能性がある。この場合、バッテリーは相平衡が進行する電圧まで充電され得、これによってバッテリーの退化が加速され得る。
【0079】
したがって、制御部120は、バッテリーの退化による過電圧の影響を考慮してバッテリーの期待寿命を増加させるため、バッテリーの充電終了電圧の上限をBOLバッテリーの相転移終了電圧(第2基準容量RQ2に対応する電圧)に設定し得る。
【0080】
本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、BOLバッテリーに対する第2基準容量RQ2に対応する電圧をバッテリーの充電終了電圧の上限として設定することで、バッテリーに対する急激な退化を防止するとともに、バッテリーの性能効率を最大限に維持することができる。すなわち、バッテリーに対する充電終了電圧の上限がバッテリーの性能を過度に制限しない範囲で設定されるため、バッテリーの期待寿命が増加し、性能効率が向上することができる。
【0081】
一方、このような第2基準ピークRP2及び第2ターゲットピークTP2は、バッテリーの正極材に含まれるニッケル(Ni)の含量が高い場合(例えば、80%以上)だけでなく、ニッケルの含量が低い場合(例えば、80%未満)にも現れ得る。これは、基準プロファイルPrefが容量Qと微分電圧dV/dQとの間の対応関係を示すプロファイルであって、容量に基づいて電圧の瞬間変化率を示すプロファイルであるためである。
【0082】
例えば、図2の実施形態において、微分プロファイルPd及び基準プロファイルPrefは、正極材に含まれたニッケルの含量が60%であり、負極材は黒鉛であるバッテリーに対するプロファイルである。
【0083】
基準プロファイルPrefとは反対に、電圧Vと微分容量dQ/dVとの間の対応関係を示すプロファイルでは、ニッケル含量が低い場合(例えば、80%未満)、第2基準ピークRP2及び第2ターゲットピークTP2に対応するピークが現れないこともある。第2基準ピークRP2及び第2ターゲットピークTP2が現れない場合、バッテリーの退化度を算出し難いため、バッテリーに対する充電終了電圧の上限が適切に設定されないおそれがある。
【0084】
したがって、本発明の一実施形態では、バッテリーの正極材に含まれたニッケル含量が低い場合にも、バッテリーに対する充電終了電圧の上限を適切に設定することができる。
【0085】
制御部120は、算出された退化度が基準退化度以上である場合、算出された退化度と基準退化度との間の退化差を算出するように構成され得る。
【0086】
例えば、制御部120は、算出された退化度と基準退化度との間の差を計算して退化差を算出し得る。
【0087】
[数2]
DV=D-RD … 数式2
【0088】
ここで、DVは退化差であり、Dは数式1によって算出されたバッテリーの退化度であり、RDは基準退化度である。
【0089】
制御部120は、基準電圧から退化差に比例するように減少された電圧を充電終了電圧の上限として設定するように構成され得る。
【0090】
例えば、算出されたバッテリーの退化度が6%であり、基準退化度が5%であり、第2基準容量RQ2に対応する基準電圧が4.0Vであると仮定する。
【0091】
制御部120は、「バッテリーの退化度(6%)-基準退化度(5%)」を計算して退化差を1%と算出し得る。そして、制御部120は、基準電圧から退化差(1%)に比例するように減少された3.96Vをバッテリーに対する充電終了電圧の上限として設定し得る。
【0092】
すなわち、制御部120は、バッテリーが退化するほど充電終了電圧の上限を減少させることで、バッテリーの退化が急激に進行することを防止するとともに、バッテリーの性能効率を高く維持することができる。
【0093】
制御部120は、算出された退化差が予め設定された臨界差以上である場合、バッテリーをEOL状態と診断するように構成され得る。
【0094】
例えば、臨界差は15%に設定され得る。すなわち、バッテリーの退化度が基準退化度よりも臨界差以上に大きい場合、制御部120は、バッテリーを不用バッテリー(EOLバッテリー)と診断し得る。
【0095】
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーがBOLバッテリーよりも臨界差以上に退化した場合、バッテリーをEOL状態と診断することで、退化したバッテリーが運用されることで発生する発火または爆発などの問題を予め防止することができる。
【0096】
本発明によるバッテリー管理装置100は、BMS(Battery Management System、バッテリー管理システム)に適用可能である。すなわち、本発明によるBMSは、上述したバッテリー管理装置100を含み得る。このような構成において、バッテリー管理装置100の各構成要素の少なくとも一部は、従来のBMSに含まれた構成の機能を補完または追加することで具現され得る。例えば、バッテリー管理装置100のプロファイル生成部110、制御部120及び保存部130は、BMSの構成要素として具現され得る。
【0097】
また、本発明によるバッテリー管理装置100は、バッテリーパックに備えられ得る。すなわち、本発明によるバッテリーパックは、上述したバッテリー管理装置100及び一つ以上のバッテリーセルを含み得る。また、バッテリーパックは、電装品(リレー、ヒューズなど)及びケースなどをさらに含み得る。
【0098】
図3は、本発明の他の一実施形態によるバッテリーパック1の例示的構成を概略的に示した図である。
【0099】
測定部200は、第1センシングラインSL1、第2センシングラインSL2及び第3センシングラインSL3に接続され得る。
【0100】
具体的には、第1センシングラインSL1は、バッテリーセルBの正極と測定部200とに接続され得る。また、第2センシングラインSL2は、バッテリーセルBの負極と測定部200とに接続され得る。測定部200は、第1センシングラインSL1を通じて測定されたバッテリーセルBの正極電圧と第2センシングラインSL2を通じて測定されたバッテリーセルBの負極電圧との差を計算し、バッテリーセルBの電圧を測定し得る。
【0101】
また、測定部200は、第3センシングラインSL3と接続された電流測定ユニットAを通じてバッテリーセルBの充電電流及び/または放電電流を測定し得る。例えば、電流測定ユニットAは、シャント抵抗または電流計であり得る。
【0102】
測定部200によって測定されたバッテリーセルBの電圧及び電流に対するバッテリー情報は、バッテリー管理装置100に送信され得る。具体的には、プロファイル生成部110は、測定部200からバッテリーセルBのバッテリー情報を受信し得る。そして、プロファイル生成部110は、受信したバッテリーセルBの電圧及び電流に基づいてバッテリーセルBの容量と微分電圧との対応関係を示す微分プロファイルPdを生成し得る。また、測定部200によって測定されたバッテリーセルBのバッテリー情報は、保存部130に保存され得る。
【0103】
図4は、本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリー管理方法を概略的に示した図である。
【0104】
望ましくは、バッテリー管理方法の各段階は、バッテリー管理装置100によって実行できる。以下では、上述した説明と重なる内容は省略するか又は簡単に説明する。
【0105】
図4を参照すると、バッテリー管理方法は、微分プロファイル生成段階S100、複数のピーク検出段階S200、バッテリー退化度算出段階S300、及び充電終了電圧上限設定段階S400を含む。
【0106】
微分プロファイル生成段階S100は、バッテリーの容量及び電圧に基づいた微分電圧と容量との対応関係を示す微分プロファイルPdを生成する段階であって、プロファイル生成部110によって実行できる。
【0107】
例えば、図2の実施形態において、プロファイル生成部110は、バッテリーの容量と微分電圧との対応関係を示す微分プロファイルPdを生成し得る。
【0108】
複数のピーク検出段階S200は、微分プロファイルPdから複数のピークを検出する段階であって、制御部120によって実行できる。
【0109】
例えば、図2の実施形態において、制御部120は、第1容量区間RLから第1ターゲットピークTP1を検出し、第2容量区間RHから第2ターゲットピークTP2を検出し得る。ここで、第1容量区間RLは、正規化された容量区間において0以上0.5未満の容量区間であり、第2容量区間RHは、正規化された容量区間において0.5以上1以下の容量区間であり得る。
【0110】
バッテリー退化度算出段階S300は、検出された複数のピークのそれぞれに対応する容量に基づいてバッテリーの退化度を算出する段階であって、制御部120によって実行できる。
【0111】
例えば、図2の実施形態において、制御部120は、第1基準容量RQ1、第2基準容量RQ2、第1ターゲット容量TQ1及び第2ターゲット容量TQ2に基づいてバッテリーの退化度を算出し得る。具体的には、制御部120は、上記の数式1に基準容量差(第1基準容量RQ1と第2基準容量RQ2との間の容量差)及び容量差(第1ターゲット容量TQ1と第2ターゲット容量TQ2との間の容量差)を代入してバッテリーの退化度を算出し得る。
【0112】
充電終了電圧上限設定段階S400は、算出された退化度と予め設定された基準退化度とを比較した結果に応じてバッテリーに対する充電終了電圧の上限を設定する段階であって、制御部120によって実行できる。
【0113】
例えば、算出された退化度が基準退化度未満である場合、制御部120は、バッテリーに対する充電終了電圧の上限をBOLバッテリーに対する充電終了電圧の上限に設定し得る。
【0114】
他の例として、算出された退化度が基準退化度以上である場合、制御部120は、バッテリーに対する充電終了電圧の上限を基準電圧以下に設定し得る。図2の実施形態において、基準電圧は、第2基準容量RQ2に対応する電圧であり得る。
【0115】
また、制御部120は、算出された退化度と基準退化度との間の退化差を算出し得る。そして、制御部120は、基準電圧から退化差に比例するように減少された電圧を充電終了電圧の上限として設定し得る。
【0116】
上述した本発明の実施形態は、装置及び方法のみによって具現されるものではなく、本発明の実施形態の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じても具現され得、このような具現は上述した実施形態の記載から当業者であれば容易に具現できるであろう。
【0117】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0118】
また、上述した本発明は、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者により、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であって、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、多様な変形のため各実施形態の全部または一部が選択的に組み合わせられて構成され得る。
【符号の説明】
【0119】
1:バッテリーパック
100:バッテリー管理装置
110:プロファイル生成部
120:制御部
130:保存部
200:測定部
図1
図2
図3
図4