(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】資産売買仲介装置、資産売買仲介方法、および資産売買仲介プログラム、ならびに資産売買仲介システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20241126BHJP
G06Q 50/16 20240101ALI20241126BHJP
G06Q 50/00 20240101ALI20241126BHJP
【FI】
G06Q30/0601 312
G06Q50/16
G06Q50/00 300
(21)【出願番号】P 2024106466
(22)【出願日】2024-07-01
【審査請求日】2024-07-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524246724
【氏名又は名称】合同会社ベスト
(74)【代理人】
【識別番号】100180426
【氏名又は名称】剱物 英貴
(72)【発明者】
【氏名】本多 剛大
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-167990(JP,A)
【文献】特開2024-060126(JP,A)
【文献】特開2022-158710(JP,A)
【文献】特開2012-118776(JP,A)
【文献】特開2022-080911(JP,A)
【文献】特開2022-188547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動産または不動産である資産の資産情報と、前記資産情報に関するコメントを含む資産公開情報に基づいて、資産購入者が資産を購入する際の仲介を行う資産売買仲介装置であって、
前記資産公開情報に基づいて決定された資産購入決定情報を受信する資産購入決定情報受信部と、
前記資産購入決定情報受信部により前記資産購入決定情報を受信した後、前記コメントの中から、前記資産購入決定情報に基づいて報酬の支払い対象のコメントを決定するコメント決定部と
を備え、
前記コメント決定部は、更に、
前記資産購入決定情報受信部により受信された前記資産購入決定情報から前記資産の購入決定理由を抽出する資産購入決定理由抽出部と、
前記資産購入決定理由抽出部により抽出された前記購入決定理由と、前記コメントと、の一致度を算出するコメント一致度算出部と、
前記コメント一致度算出部により算出された前記一致度を保存するコメント一致度保存部と、
前記一致度が算出されていない前記コメントがあるかどうかを確認する一致度未算出コメント残存確認部と、
前記一致度未算出コメント残存確認部により前記一致度が算出されていない前記コメントがないことが確認された場合、前記コメント一致度保存部により保存された前記コメントの前記一致度を読み出し、読み出した前記コメントの前記一致度を比較するコメント一致度比較部と、
前記コメント一致度比較部により比較された前記一致度の中で、最も高い一致度が算出された最高一致度コメントを抽出する最高一致度コメント抽出部と、
前記最高一致度コメント抽出部により抽出された前記最高一致度コメントを前記報酬の支払い対象として決定する報酬支払対象コメント決定部と
を備えることを特徴とする資産売買仲介装置。
【請求項2】
前記資産売買仲介装置は、更に、
前記コメント決定部により決定された前記コメントに対する前記報酬を算出するコメント報酬算出部と、
前記コメント報酬算出部により算出された前記報酬の情報をコメント送信端末に送信する報酬情報送信部と
を備える、請求項1に記載の資産売買仲介装置。
【請求項3】
前記資産売買仲介装置は、更に、
前記資産情報を受信する資産情報受信部と、
前記資産情報受信部により受信された前記資産情報に基づいて前記資産公開情報を生成する資産公開情報生成部と、
前記資産公開情報生成部により生成された前記資産公開情報を保存する資産公開情報保存部と、
前記資産公開情報保存部により保存された前記資産公開情報を読み出し、前記資産公開情報を公開する資産公開情報公開部と、
前記資産公開情報公開部により公開された前記資産公開情報に関する前記コメントを受信するコメント受信部と、
前記コメント受信部により受信された前記コメントを前記資産公開情報に付加するコメント付加部と、
前記コメント付加部により付加された前記コメントを含むコメント付き資産公開情報を公開するコメント付き資産公開情報公開部と
を備える、請求項1または2に記載の資産売買仲介装置。
【請求項4】
前記資産売買仲介装置は、更に、
前記コメント受信部により受信された前記コメントを送信したコメント送信者に対して、前記コメントを送信した日から所定期間を、前記資産の購入不可期間として設定する資産購入不可期間設定部と、
前記資産購入不可期間設定部により設定された前記購入不可期間の情報を保存する資産購入不可期間保存部と
を備え、
前記コメント決定部は、更に、
前記資産購入不可期間保存部により保存された前記購入不可期間の情報を読み出し、前記最高一致度コメント抽出部により抽出された前記最高一致度コメントが送付された日から前記資産購入決定情報を受信した日までの期間が、読み出した前記購入不可期間を経過しているかどうかを判定する資産購入不可期間経過判定部と
を備え、
前記資産購入不可期間経過判定部が前記購入不可期間を経過していると判定した場合、前記報酬支払対象コメント決定部は、前記最高一致度コメント抽出部により抽出された前記最高一致度コメントを報酬の支払い対象として決定する、請求項
3に記載の資産売買仲介装置。
【請求項5】
前記資産は不動産である、請求項1または2に記載の資産売買仲介装置。
【請求項6】
プログラムにより、動産または不動産である資産の資産情報と、前記資産情報に関するコメントを含む資産公開情報に基づいて、資産購入者が資産を購入する際の仲介を行う資産売買仲介方法であって、
前記資産公開情報に基づいて決定された資産購入決定情報を受信し、
前記資産購入決定情報を受信した後、前記コメントの中から、前記資産購入決定情報に基づいて報酬の支払い対象のコメントを決定し、
前記資産購入決定情報から前記資産の購入決定理由を抽出し、
前記購入決定理由と、前記コメントと、の一致度を算出し、
前記一致度を保存し、
前記一致度が算出されていない前記コメントがあるかどうかを確認
し、
前記一致度が算出されていない前記コメントがないことが確認された場合、前記保存された前記コメントの前記一致度を読み出し、読み出した前記コメントの前記一致度を比較し、
比較された前記一致度の中で、最も高い一致度が算出された最高一致度コメントを抽出し、
抽出された前記最高一致度コメントを前記報酬の支払い対象として決定する
ことを特徴とする資産売買仲介方法。
【請求項7】
動産または不動産である資産の資産情報と、前記資産情報に関するコメントを含む資産公開情報に基づいて、資産購入者が資産を購入する際の仲介を行う資産売買仲介プログラムであって、
前記資産公開情報に基づいて決定された資産購入決定情報を受信する資産購入決定情報受信ステップと、
前記資産購入決定情報受信ステップにより前記資産購入決定情報を受信した後、前記コメントの中から、前記資産購入決定情報に基づいて報酬の支払い対象のコメントを決定するコメント決定ステップと
を備え、
前記コメント決定ステップは、更に、
前記資産購入決定情報受信ステップにより受信された前記資産購入決定情報から前記資産の購入決定理由を抽出する資産購入決定理由抽出ステップと、
前記資産購入決定理由抽出ステップにより抽出された前記購入決定理由と、前記コメントと、の一致度を算出するコメント一致度算出ステップと、
前記コメント一致度算出ステップにより算出された前記一致度を保存するコメント一致度保存ステップと、
前記一致度が算出されていない前記コメントがあるかどうかを確認する一致度未算出コメント残存確認ステップと、
前記一致度未算出コメント残存確認ステップにより前記一致度が算出されていない前記コメントがないことが確認された場合、前記コメント一致度保存
ステップにより保存された前記コメントの前記一致度を読み出し、読み出した前記コメントの前記一致度を比較するコメント一致度比較ステップと、
前記コメント一致度比較ステップにより比較された前記一致度の中で、最も高い一致度が算出された最高一致度コメントを抽出する最高一致度コメント抽出ステップと、
前記最高一致度コメント抽出
ステップにより抽出された前記最高一致度コメントを前記報酬の支払い対象として決定する報酬支払対象コメント決定ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする資産売買仲介プログラム。
【請求項8】
資産情報送信端末と、資産売買仲介端末と、コメント送信端末と、資産購入決定情報送信端末とを備え、動産または不動産である資産の資産情報と、前記資産情報に関するコメントを含む資産公開情報に基づいて、資産購入者が前記資産を購入する際の仲介を行う資産売買仲介システムにおいて、
前記資産情報送信端末は、
前記資産売買仲介端末に前記資産情報を送信する資産情報送信部
を備え、
前記資産売買仲介端末は、
前記資産情報送信端末から送信された前記資産情報を受信する資産情報受信部と、
前記資産情報受信部により受信された前記資産情報に基づいて前記資産公開情報を生成する資産公開情報生成部と、
前記資産公開情報生成部により生成された前記資産公開情報を保存する資産公開情報保存部と、
前記資産公開情報保存部により保存された前記資産公開情報を読み出し、前記資産公開情報を公開する資産公開情報公開部と、
前記コメント送信端末から送信された、前記資産公開情報公開部により公開された前記資産公開情報に関する前記コメントを受信するコメント受信部と、
前記コメント受信部により受信された前記コメントを前記資産公開情報に付加するコメント付加部と、
前記コメント付加部により付加された前記コメントを含むコメント付き資産公開情報を公開するコメント付き資産公開情報公開部と
前記資産購入決定情報送信端末から送信された、前記コメント付き資産公開情報公開部により公開された前記コメント付き資産公開情報に基づいて決定された資産購入決定情報を受信する資産購入決定情報受信部と、
前記資産購入決定情報受信部により前記資産購入決定情報を受信した後、前記コメントの中から、前記資産購入決定情報に基づいて報酬の支払い対象のコメントを決定するコメント決定部と
前記コメント決定部により決定された前記コメントに対する前記報酬を算出するコメント報酬算出部と、
前記コメント報酬算出部により算出された前記報酬の情報を前記コメント送信端末に送信する報酬情報送信部と
を備え、
前記コメント決定部は、更に、
前記資産購入決定情報受信部により受信された前記資産購入決定情報から前記資産の購入決定理由を抽出する資産購入決定理由抽出部と、
前記資産購入決定理由抽出部により抽出された前記購入決定理由と、前記コメントと、の一致度を算出するコメント一致度算出部と、
前記コメント一致度算出部により算出された前記一致度を保存するコメント一致度保存部と、
前記一致度が算出されていない前記コメントがあるかどうかを確認する一致度未算出コメント残存確認部と、
前記一致度未算出コメント残存確認部により前記一致度が算出されていない前記コメントがないことが確認された場合、前記コメント一致度保存部により保存された前記コメントの前記一致度を読み出し、読み出した前記コメントの前記一致度を比較するコメント一致度比較部と、
前記コメント一致度比較部により比較された前記一致度の中で、最も高い一致度が算出された最高一致度コメントを抽出する最高一致度コメント抽出部と、
前記最高一致度コメント抽出部により抽出された前記最高一致度コメントを前記報酬の支払い対象として決定する報酬支払対象コメント決定部と
を備え、
前記コメント送信端末は、
前記資産売買仲介端末に前記資産公開情報に関するコメントを送信するコメント送信部と、
前記資産売買仲介端末から送信された前記報酬の情報を受信する報酬情報受信部と
を備え、
前記資産購入決定情報送信端末は、
前記コメント付き資産公開情報に基づいて決定された前記資産購入決定情報を前記資産売買仲介端末に送信する資産購入決定情報送信部と
を備える
ことを特徴とする資産売買仲介システム。
【請求項9】
前記資産情報送信端末は、更に、
前記資産売買仲介端末に、前記コメント付き資産公開情報に基づく所有者コメントを送信する所有者コメント送信部を備え、
前記資産売買仲介端末は、前記資産情報送信端末から前記所有者コメントを受信する所有者コメント受信部と、
前記所有者コメント受信部により受信された前記所有者コメントを前記資産公開情報に付加する所有者コメント付加部と、
前記所有者コメント付加部により付加された前記所有者コメントを含む所有者コメント付き資産公開情報を公開する所有者コメント付き資産公開情報公開部と
を備え、
前記資産購入決定情報送信端末の前記資産購入決定情報送信部は、前記所有者コメント付き資産公開情報に基づいて決定された前記資産購入決定情報を前記資産売買仲介端末に送信する、請求項
8に記載の資産売買仲介システム。
【請求項10】
前記資産は不動産である、請求項3に記載の資産売買仲介装置。
【請求項11】
前記資産は不動産である、請求項4に記載の資産売買仲介装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動産や不動産などの資産を売買する際に用いられる資産売買仲介装置、資産売買仲介方法、および資産売買仲介プログラム、ならびに資産売買仲介システムに関する。
【背景技術】
【0002】
動産や不動産などの資産の売買は、小売店や宅地建物取引業者の店舗で行われていた。その後、インターネットの普及により、資産の売買は、パソコンや携帯端末で行われはじめた。資産購入者は、特に日用品などの動産の場合には、直接購入対象の動産を確認せず、モニタに表示される画像や動画などの情報に基づいて購入する。
【0003】
このため、資産購入予定者は、購入前に種々の資産情報を入手して自身の購入希望の商品であるかどうかを吟味した上で、資産を購入する。自動車などの動産や不動産の場合には、直接資産を確認する前に、資産に関する種々の情報を入手し、これらの情報を吟味した上で、店舗で資産を直接確認し、または、不動産の所在地で不動産を直接確認する。
【0004】
動産や不動産などの資産情報としては、資産自体の価格などの情報に加えて、資産自体の写真、資産を知る第三者からのコメントなどが挙げられる。中でも、資産に関する情報を有する第三者が投稿したコメントは、客観性が高いために購入を決定する決め手になることがある。
【0005】
このように、資産に関するコメントを資産情報に付与する技術として、例えば、特許文献1には、不動産所有者ではないブロガーが所定の地域毎に割り当てられており、そのブロガーが担当地域内の不動産に関するブログを作成するとともに不動産情報にブログのリンクを張ることが開示されている。また、同文献には、ユーザに対して、物件に対する第三者のコメントを提供することができ、有効な判断材料を提供することができる、とされている。
【0006】
特許文献2には、利害関係を持たない第三者であるブロガーが不動産情報に関するブログを作成し、そのブログのアイコンが不動産の所在地を示す地図に配置されていることが開示されている。不動産購入予定者は、地図上のアイコンをクリックすることにより、そのブログを閲覧することができる。同文献には、ブロガーは事前登録が必要であり、場合によっては登録の際に所定の審査を経る必要があることが開示されている。
【0007】
また、同文献には、登録会員である不動産所有者は、ブログのダイジェストデータを参照し、不動産物件のセールストークとして有効な表現をしているブログを効率的に選定し、選定したブログの公開承認を行うことが開示されている。さらには、同文献には、ブロガーは不動産所有者の開示承認を得る度に、不動産所有者から対価の支払いを受けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2006-309634号公報
【文献】特開2008-217603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に記載の発明において、ブロガーは自分が推奨する物件に関する付加情報ではなく、設定された担当地域の不動産に関する付加情報を作成する必要がある。このため、ブロガーは義務として本意ではない不動産の付加情報を作成することを強制される場合がある。その結果として、例えば、ブロガーが無意識のうちに不動産の販売促進につながるような付加情報としてのブログを作成することができない、という懸念がある。
【0010】
また、特許文献1に記載の発明では、ブロガーが主観で不動産に関する付加情報を作成する。このため、特許文献2に記載の発明のように、不動産所有者の立場に基づく付加情報にはなり難い。
【0011】
特許文献2に記載の発明では、登録されたブロガーは、対価を得るために不動産所有者の公開承認を受けるため、不動産に関する付加情報の品質が向上するとも思われる。ただ、ブロガーは、不動産所有者の効果承認を受けることにより、不動産所有者から対価の支払いを受けるため、作成された付加情報は不動産所有者側から見た内容になってしまい、不動産購入予定者の購入決定を阻害してしまう懸念がある。
【0012】
情報化社会では情報が溢れており、動産や不動産などの資産購入予定者が資産情報を見誤らず、自身が欲しい情報を抽出する必要がある。このためには、第三者からの視点による多面的な資産の付加情報が役立つ。すなわち、近年では、資産購入予定者が情報を取捨選択する必要がなく、且つ正しく有益な情報を一元的に集約した情報発信手段が望まれている。これは、不動産に限られず、動産などにも同様のことが言える。
【0013】
本発明の課題は、資産購入予定者の視点からコメントを作成することにより、動産や不動産である資産の販売促進を図る資産売買仲介装置、資産売買仲介方法、および資産売買仲介プログラム、ならびに資産売買仲介システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、特許文献1および特許文献2に記載の発明において、動産や不動産などの所有者からの情報の他に、より魅力的な情報を資産購入予定者に発信する必要があることに立ち返った。そして、販売経路、資産所有者、資産売買仲介業者、および資産購入予定者の立場から、資産に関するコメントの質が更に向上する手段について再検討が行われた。
【0015】
従来技術では、資産に関するコメントを発信する第三者は、資産が販売される前に、ブログなどに資産に関する付加情報を作成する。このため、第三者は、当然のことながら、資産の販売を希望している資産所有者の視点でブログを作成していた。このため、従来では、付加情報が資産所有者の都合に合うような内容になり、資産購入予定者にとって不都合な情報は割愛されることがあった。
【0016】
しかし、実際に資産を購入するのは資産購入予定者である。このため、ブログの付加情報が資産購入予定者の購入決定条件を満たさない場合が発生し、資産購入予定者が資産を購入するには至らないことがあった。これは、資産の付加情報を作成したことにより得られ得る対価が資産所有者により支払われるためであると考えられる。また、資産購入予定者は不特定多数の中から決まるため、資産購入予定者のターゲットを絞りきることができず、資産所有者の視点から付加情報が発信されてしまうためでもあると考えられる。
【0017】
そこで、本発明者は、資産を購入するのは資産購入予定者であることに着目し、資産購入予定者の立場に最も近い第三者が、資産購入予定者の視点から資産に関する記事を作成するシステムについて鋭意検討を行った。その結果、本発明者は、資産購入予定者が資産を購入した後、資産購入者から資産購入決定情報を受信し、資産購入決定情報に基づいて、資産の購入に最も寄与したコメントに報酬が支払われることに思い至り、本発明は完成した。本発明は以下のとおりである。
【0018】
(1) 動産または不動産である資産の資産情報と、資産情報に関するコメントを含む資産公開情報に基づいて、資産購入者が資産を購入する際の仲介を行う資産売買仲介装置であって、
資産公開情報に基づいて決定された資産購入決定情報を受信する資産購入決定情報受信部と、
資産購入決定情報受信部により資産購入決定情報を受信した後、コメントの中から、資産購入決定情報に基づいて報酬の支払い対象のコメントを決定するコメント決定部と
を備えることを特徴とする資産売買仲介装置。
【0019】
(2) 資産売買仲介装置は、更に、
コメント決定部により決定されたコメントに対する報酬を算出するコメント報酬算出部と、
コメント報酬算出部により算出された報酬の情報をコメント送信端末に送信する報酬情報送信部と
を備える、上記(1)に記載の資産売買仲介装置。
【0020】
(3) コメント決定部は、更に、
資産購入決定情報受信部により受信された資産購入決定情報から資産の購入決定理由を抽出する資産購入決定理由抽出部と、
資産購入決定理由抽出部により抽出された購入決定理由と、コメントと、の一致度を算出するコメント一致度算出部と、
コメント一致度算出部により算出された一致度を保存するコメント一致度保存部と、
一致度が算出されていないコメントがあるかどうかを確認する一致度未算出コメント残存確認部と、
一致度未算出コメント残存確認部により一致度が算出されていないコメントがないことが確認された場合、コメント一致度保存部により保存されたコメントの一致度を読み出し、読み出したコメントの一致度を比較するコメント一致度比較部と、
コメント一致度比較部により比較された一致度の中で、最も高い一致度が算出された最高一致度コメントを抽出する最高一致度コメント抽出部と、
最高一致度コメント抽出部により抽出された最高一致度コメントを報酬の支払い対象として決定する報酬支払対象コメント決定部と
を備える、上記(1)または上記(2)に記載の資産売買仲介装置。
【0021】
(4、5) 資産売買仲介装置は、更に、
資産情報を受信する資産情報受信部と、
資産情報受信部により受信された資産情報に基づいて資産公開情報を生成する資産公開情報生成部と、
資産公開情報生成部により生成された資産公開情報を保存する資産公開情報保存部と、
資産公開情報保存部により保存された資産公開情報を読み出し、資産公開情報を公開する資産公開情報公開部と、
資産公開情報公開部により公開された資産公開情報に関するコメントを受信するコメント受信部と、
コメント受信部により受信されたコメントを資産公開情報に付加するコメント付加部と、
コメント付加部により付加されたコメントを含むコメント付き資産公開情報を公開するコメント付き資産公開情報公開部と
を備える、上記(1)~上記(3)のいずれか1項に記載の資産売買仲介装置。
【0022】
(6) 資産売買仲介装置は、更に、
コメント受信部により受信されたコメントを送信したコメント送信者に対して、コメントを送信した日から所定期間を、資産の購入不可期間として設定する資産購入不可期間設定部と、
資産購入不可期間設定部により設定された購入不可期間の情報を保存する資産購入不可期間保存部と
を備え、
コメント決定部は、更に、
資産購入不可期間保存部により保存された購入不可期間の情報を読み出し、最高一致度コメント抽出部により抽出された最高一致度コメントが送付された日から資産購入決定情報を受信した日までの期間が、読み出した購入不可期間を経過しているかどうかを判定する資産購入不可期間経過判定部と
を備え、
資産購入不可期間経過判定部が購入不可期間を経過していると判定した場合、報酬支払対象コメント決定部は、最高一致度コメント抽出部により抽出された最高一致度コメントを報酬の支払い対象として決定する、上記(5)に記載の資産売買仲介装置。
【0023】
(7、12~15) 資産は不動産である上記(1)~上記(6)のいずれか1項に記載の資産売買仲介装置。
【0024】
(8) プログラムにより、動産または不動産である資産の資産情報と、資産情報に関するコメントを含む資産公開情報に基づいて、資産購入者が資産を購入する際の仲介を行う資産売買仲介方法であって、
資産公開情報に基づいて決定された資産購入決定情報を受信し、
資産購入決定情報を受信した後、コメントの中から、資産購入決定情報に基づいて報酬の支払い対象のコメントを決定する
ことを特徴とする資産売買仲介方法。
【0025】
(9) 動産または不動産である資産の資産情報と、資産情報に関するコメントを含む資産公開情報に基づいて、資産購入者が資産を購入する際の仲介を行う資産売買仲介プログラムであって、
資産公開情報に基づいて決定された資産購入決定情報を受信する資産購入決定情報受信ステップと、
資産購入決定情報受信ステップにより資産購入決定情報を受信した後、コメントの中から、資産購入決定情報に基づいて報酬の支払い対象のコメントを決定するコメント決定ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする資産売買仲介プログラム。
【0026】
(10) 資産情報送信端末と、資産売買仲介端末と、コメント送信端末と、資産購入決定情報送信端末とを備え、動産または不動産である資産の資産情報と、資産情報に関するコメントを含む資産公開情報に基づいて、資産購入者が資産を購入する際の仲介を行う資産売買仲介システムにおいて、
資産情報送信端末は、
資産売買仲介端末に資産情報を送信する資産情報送信部
を備え、
資産売買仲介端末は、
資産情報送信端末から送信された資産情報を受信する資産情報受信部と、
資産情報受信部により受信された資産情報に基づいて資産公開情報を生成する資産公開情報生成部と、
資産公開情報生成部により生成された資産公開情報を保存する資産公開情報保存部と、
資産公開情報保存部により保存された資産公開情報を読み出し、資産公開情報を公開する資産公開情報公開部と、
コメント送信端末から送信された、資産公開情報公開部により公開された資産公開情報に関するコメントを受信するコメント受信部と、
コメント受信部により受信されたコメントを資産公開情報に付加するコメント付加部と、
コメント付加部により付加されたコメントを含むコメント付き資産公開情報を公開するコメント付き資産公開情報公開部と
資産購入決定情報送信端末から送信された、コメント付き資産公開情報公開部により公開されたコメント付き資産公開情報に基づいて決定された資産購入決定情報を受信する資産購入決定情報受信部と、
資産購入決定情報受信部により資産購入決定情報を受信した後、コメントの中から、資産購入決定情報に基づいて報酬の支払い対象のコメントを決定するコメント決定部と
コメント決定部により決定されたコメントに対する報酬を算出するコメント報酬算出部と、
コメント報酬算出部により算出された報酬の情報をコメント送信端末に送信する報酬情報送信部と
を備え、
コメント送信端末は、
資産売買仲介端末に資産公開情報に関するコメントを送信するコメント送信部と、
資産売買仲介端末から送信された報酬の情報を受信する報酬情報受信部と
を備え、
資産購入決定情報送信端末は、
コメント付き資産公開情報に基づいて決定された資産購入決定情報を資産売買仲介端末に送信する資産購入決定情報送信部と
を備える
ことを特徴とする資産売買仲介システム。
【0027】
(11) 資産情報送信端末は、更に、
資産売買仲介端末に、コメント付き資産公開情報に基づく所有者コメントを送信する所有者コメント送信部を備え、
資産売買仲介端末は、資産情報送信端末から所有者コメントを受信する所有者コメント受信部と、
所有者コメント受信部により受信された所有者コメントを資産公開情報に付加する所有者コメント付加部と、
所有者コメント付加部により付加された所有者コメントを含む所有者コメント付き資産公開情報を公開する所有者コメント付き資産公開情報公開部と
を備え、
資産購入決定情報送信端末の資産購入決定情報送信部は、所有者コメント付き資産公開情報に基づいて決定された資産購入決定情報を資産売買仲介端末に送信する、上記(10)に記載の資産売買仲介システム。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る資産売買仲介装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る資産売買仲介装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る資産売買仲介装置のフローチャートの一部を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る資産売買仲介装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図4に示す資産売買仲介装置の動作を示すフローチャートの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る資産売買仲介装置が備える
図2または
図4に示すコメント決定部の機能構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、
図7に示すコメント決定部の動作を示すフローチャートの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、資産購入決定情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、受信したコメントの一覧表の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態に係る資産売買仲介装置が備え得る
図4に示すコメント報酬算出部の機能構成の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、
図11に示すコメント報酬算出部の動作を示すフローチャートの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本実施形態に係る資産売買仲介装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、
図13に示す資産売買仲介装置の動作を示すフローチャートの一例を示す図である。
【
図15】
図15は、本実施形態に係る資産売買仲介装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、
図15に示す資産売買仲介装置の動作を示すフローチャートの一例を示す図である。
【
図17】
図17は、本実施形態に係る資産売買仲介システムのハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、本実施形態に係る資産売買仲介システムを構成する資産情報送信端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、本実施形態に係る資産売買仲介システムを構成する資産売買仲介端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、本実施形態に係る資産売買仲介システムを構成するコメント送信端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、本実施形態に係る資産売買仲介システムを構成する資産購入決定情報送信端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、本実施形態に係る資産売買仲介システムのシーケンスの一例を示す図である。
【
図23】
図23は、本実施形態に係る資産売買仲介システムを構成する資産情報送信端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、本実施形態に係る資産売買仲介システムを構成する資産売買仲介端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図25】
図25は、本実施形態に係る資産売買仲介システムのシーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本実施形態を図面とともに説明する。下記で説明されている好ましい態様は、適宜組み合わせることができる。
【0030】
2.資産売買仲介装置
(1)資産売買仲介装置のハードウエア構成
本実施形態に係る資産売買仲介装置のハードウエア構成の一例を示す図である。資産売買仲介装置1は、種々の処理を行うCPU(Central ProcessingUnit)2、メモリ3、不揮発性の記憶装置4、キーボードやマイク等の入力装置5、モニタ6、および入出力インタフェース7を備える。
【0031】
CPU2は、記憶装置4に記憶されているプログラムをメモリ3にロードして実行する。後述される各機能はCPU2により実行される。記憶装置4は、プログラムの他に、各種データを記憶する。記憶装置4は、ROM(Random Access Memory)等の不揮発性メモリや、資産売買仲介装置1に外部から接続可能なHDD等である。また、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROMなど磁気的、光学的に記憶を行うものなどを主として、プログラムが記憶可能なメディアであればよい。
【0032】
記憶装置4に記憶されているプログラムは、メモリ3にロードされる。入力装置5は情報入力のための装置である。CPU2の実行結果等はモニタ6に表示される。入出力インタフェース7は、他の端末からのデータを受信し、また、他の端末にデータを送信するためのインタフェースである。
【0033】
資産売買仲介装置1は、コンピュータの形態であるが、携帯端末等の汎用の情報処理装置である。このため、モニタ6に入力装置5の機能を備えてもよい。記憶装置4には、ウェブブラウザ、ソフトウェア、プログラムなどが予めインストールされている。
【0034】
(2)資産売買仲介装置の機能構成および動作
本実施形態に係る資産売買仲介システムは、動産または不動産である資産に関するコメントを含む資産公開情報に基づいて、資産購入者が資産を購入する際の仲介を行う。資産売買仲介装置の機能について詳述する。
【0035】
資産売買仲介装置10は、
図2に示すように、資産購入決定情報受信部11、およびコメント決定部12を備える。これらの動作を、
図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態に係る資産売買仲介装置のフローチャートの一部を示す図である。まず、資産購入決定情報受信部11は、資産公開情報に基づいて決定された資産購入決定情報を受信する(S11)。そして、コメント決定部12は、資産購入決定情報受信部11により資産購入決定情報を受信した後、コメントの中から、資産購入決定情報に基づいて報酬の支払い対象のコメントを決定する(S12)。なお、資産購入決定情報受信部11は、受信した資産購入決定情報を
図1の記憶装置4に保存してもよく、これとともに
図1のメモリ3に記憶させてもよい。
【0036】
本実施形態において、「資産情報」とは、動産および不動産の情報である。本実施形態において、不動産は土地や建物などであり、動産は不動産以外の商品を表す。また、本実施形態における「資産公開情報」とは、所有者から送信された資産情報に基づいて作成された情報である。資産情報は、資産所有者に関する個人情報などのように、資産を販売する際に不要な情報を除く情報である。
【0037】
このように、本実施形態に係る資産売買仲介装置は、従来とは異なり、資産購入者から受信した資産購入決定情報に基づいて報酬の支払い対象のコメントを決定する。このため、資産購入決定情報受信部11が受信したコメントは、資産所有者ではなく購入者の視点に基づく内容になるため、従来と比較して資産の売買が飛躍的に促進する。
【0038】
従来のように、資産所有者がコメントを選択すると、資産所有者の都合に合わせたコメントのみが公開される。一方、本実施形態では、例えば資産が不動産の場合には、将来のリフォームの提案を含むコメントなどが含まれる場合には、資産購入者は、購入時の資産のみの情報ではなく、将来資産を購入者の好みに変えたり、資産自体がより高価値になることができる内容が記載されたコメントに基づいて購入を決定することができるようになる。
【0039】
また、資産購入者は、不動産などを購入する際、附帯設備の問題点や修理に関する情報など、資産購入者が実際に使用する際の視点に基づくコメントが得られるようになる。このため、本実施形態に係る資産売買仲介装置は、従来と比較して、資産の販売を促進するとともに購入者にとってより安全な売買を行うことができる。
【0040】
さらに、コメント作成者やコメント作成者になりうる資産購入予定者は、購入対象の資産の比較対象である複数の競合物件に関する情報に基づいてもコメントを送信することができる。この場合、資産購入者は、コメント送信者や資産購入予定者が実際に時間をかけて内見した競合物件に関する情報も得られるため、資産購入者の目線で作成されたコメントに基づいて、資産の購入を決定することができる。
【0041】
これにともない、本実施形態では資産購入決定情報に基づいてコメント作成者に報酬が支払われる。コメントを通じて内見した行為自体から報酬を得ることができるため、多くの物件を見た上でコメントを書くなど内見の活性化によって、コメントが資産購入者にとって有益な資産情報になる。また内見の件数が多くなり、売買活動も活性化する。海外在住者の資産購入件数が増加している近年の実情を踏まえると、海外在住者が実際に複数の競合物件を内見することは難しい。したがって、実際に内見した競合物件に関する情報は非常に価値がある。
【0042】
このように、本実施形態に係る資産売買仲介装置では、現状の資産情報だけではなく、将来の提案をも踏まえた内容がコメントに記載されうることになるため、資産所有者が気づかなかった資産の魅力がコメントに含まれるようになる。したがって、従来よりも資産の販売を促進することができる。
【0043】
(3)資産売買仲介装置の機能構成および動作の別の例
図4は、本実施形態に係る資産売買仲介装置20の機能構成の一例を示す図である。
図5は、
図4に示す資産売買仲介装置20の動作を示すフローチャートの一例を示す図である。資産売買仲介装置20は、
図2に示す資産売買仲介装置10に加えて、コメント報酬算出部23、および報酬情報送信部24を備えてもよい。
【0044】
これらの動作を、
図4を用いて説明する。なお、S21およびS22は、各々
図3のS11およびS12と同一であるため、説明を省略する。
【0045】
コメント報酬算出部23は、コメント決定部22により決定されたコメントに対する報酬を算出する(S23)。コメント報酬の算出方法としては、例えば、資産購入金額の所定の割合として定めてもよい。また、後述するように、算出された一致度に応じてコメント報酬を算出してもよい。もしくは、資産購入決定情報の中で、特にコメントの中で資産購入の決定に大きく寄与した内容がある場合には、所定の割合を増加させてもよい。
【0046】
そして、報酬情報送信部24は、コメント報酬算出部23により算出された報酬情報をコメント送信端末に送信する(S24)。これにより、コメント作成者は、自分が送信したコメントに対価として報酬が支払われることを認識することができる。報酬情報とは、例えば
図7に示すように、例えば報酬額や、報酬の支払先口座の問い合わせ内容が記載された情報である。
【0047】
(4)資産売買仲介装置の機能構成および動作の別の例
図7は、本実施形態に係る資産売買仲介装置が備える
図2または
図4に示すコメント決定部の機能構成の一例を示す図である。
図8は、
図7に示すコメント決定部の動作を示すフローチャートの一例を示す図である。
図7に示す機能構成図は、
図2および
図4に示すコメント決定部12、22の機能を具体的に示した機能構成図の一例である。
図8に示すフローチャートは、
図7に示す機能構成図による動作を示すフローチャートであり、
図3のS12、および
図5のS22に組み込まれてもよい。
【0048】
コメント決定部12、22は、資産購入決定理由抽出部12aと、コメント一致度算出部12bと、コメント一致度保存部12cと、一致度未算出コメント残存確認部12dと、コメント一致度比較部12eと、最高一致度コメント抽出部12fと、報酬支払対象コメント決定部12gとを備える。これらの動作を以下で詳述する。
【0049】
資産購入決定理由抽出部12aは、資産購入決定情報受信部11、21により受信された資産購入決定情報から資産購入決定理由を抽出する(S12a)。
図9は、資産購入決定情報の一例を示す図である。資産購入決定情報には、例えば、資産を購入することを決定した意思、および資産を購入することを決定した理由が記載されており、「資産を購入する。」欄にチェックが入っている。その他、不図示の資産購入額が記載されていてもよい。そして、列記されている資産購入決定理由から、資産購入者が選択した資産購入決定理由がチェックされている。もしくは、
図9に示すように、別途コメント欄が設けられており、自由に購入決定理由を記載することができる場合には、例えば、形態素解析によりコメント欄から資産購入決定理由に該当する単語を抽出してもよい。
【0050】
資産購入決定理由の抽出方法は、所定のフォーマットに記載された資産購入決定情報から資産購入決定理由に該当する箇所を抽出する。これは、広さや間取りなどの所定のフォーマットの所定の位置に記載された文言が資産購入決定理由であると認識し、その部分だけ抽出する。
【0051】
コメント一致度算出部12bは、資産購入決定理由抽出部12aにより抽出された購入決定理由と、
図1の記憶装置4から読み出したコメントと、の一致度を算出する(S12b)。一致度の算出は、例えば、形態素解析などを用いて資産購入決定理由から抽出された形容詞や名詞などの単語が一致しているか、もしくは類似の単語であるか、に基づいて算出される。この算出には、例えば、単語の意味をベクトル化して算出されるWord2Vecやコサイン類似度法等の周知の手法を用いることができる。
【0052】
コメント一致度保存部12cは、算出されたコメント毎の一致度を
図1の記憶装置4に保存する(S12c)。一致度未算出コメント残存確認部12dは、一致度が算出されていないコメントが、
図2の記憶装置4に保存されているかどうかを確認する(S12d)。例えば、
図10に示すように、コメントNo.2までは一致度が算出されているが、コメントNo.3は一致度が算出されていないため、一致度未算出コメント残存確認部12dは、コメントNo.3が一致度の算出が行われていないことを確認する。
【0053】
一致度が算出されていないコメントがある場合には(S12d、yes)、S12bに戻り、一致度が算出されていないコメントの一致度を算出する。一致度が算出されていないコメントがない場合には(S12d、no)、コメント一致度比較部12eは、コメント一致度保存部12cにより保存されたコメントの一致度を読み出し、読み出したコメントの一致度を比較する(S12e)。
【0054】
最高一致度コメント抽出部12fは、コメント一致度比較部12eにより比較された一致度の中で、最も高い一致度が算出されたコメントを抽出する(S12f)。報酬支払対象コメント決定部12gは、最高一致度コメント抽出部12fにより抽出された最高一致度コメントを報酬支払対象コメントとして決定する(S12g)。
【0055】
なお、
図4に示すコメント報酬算出部23が
図7に示すコメント一致度算出部12bにより算出された一致度に基づいて報酬を算出する方法は、例えば、
図2の記憶装置4に記憶されている資産購入決定情報から資産購入額を読み出し、資産購入額の一定割合(0.1%など)を報酬額として算出してもよい。また、予め報酬額が決まっている場合には、コメント報酬算出部23は、
図2の記憶装置4に予め保存されている報酬額を読み出し、
図4のS24に進んでもよい。
【0056】
また、2つ以上のコメントが報酬支払対象である場合には、一致度に応じた所定の割合を乗じた額であってもよい。2つ以上のコメントに報酬を算出する機能を
図11、および
図12を用いて説明する。
図11は、本実施形態に係る資産売買仲介装置が備え得る
図4に示すコメント報酬算出部の機能構成の一例を示す図である。
図12は、
図11に示すコメント報酬算出部の動作を示すフローチャートの一例を示す図である。なお、
図11および
図12は、予め定められた報酬額と、システム上普遍的に定められた報酬上限額が定められている場合の例である。
【0057】
図11に示すように、コメント報酬算出部23は、第一コメント報酬算出式読出部23-1と、一致度読出部23-2と、報酬額読出部23-3と、第一コメント報酬算出部23-4と、報酬上限額比較部23-5と、第二コメント報酬算出式読出部23-6と、第二コメント報酬算出部23-7とを備えてもよい。
図11に示す機能構成図は、
図4に示すコメント報酬算出部23の機能を具体的に示した機能構成図である。
【0058】
図12に示すように、第一コメント報酬算出式読出部23-1は、報酬対象のコメント数に応じて、
図1の記憶装置4に記憶されている第一コメント報酬算出式を読み出す(S23-1)。例えば、2つのコメントに対して報酬が支払われる場合であって、一致度が各々a、bである場合、第一コメント報酬算出式は、例えば、{(報酬額)/(a+b)}×(a又はb)×1万円であってもよい。
【0059】
3つのコメントに対して報酬が支払われる場合であって、一致度が各々a、b、cである場合には、例えば、第一コメント報酬算出式は、{(報酬額)/(a+b+c)}×(a又はb又はc)×1万円であってもよい。報酬対象のコメントが4つ以降であっても、同様に算出式を
図1の記憶装置に保存しておいてもよい。なお、「1万円」は適宜変更することができる。
【0060】
次に、一致度読出部23-2は、
図1の記憶装置4に記憶されている各コメントの一致度を読み出す(S23-2)。報酬額読出部23-3は、
図1の記憶装置4に記憶されている報酬額を読み出す(S23-3)。なお、S23-2およびS23-3は順不同である。第一コメント報酬算出部23-4は、第一コメント報酬算出式読出部23-1により読み出された第一コメント報酬算出式に、一致度読出部23-2により読み出された各一致度を第一コメント報酬算出式に代入して、各コメントの報酬額を算出する(S23-4)。
【0061】
報酬上限額比較部23-5は、
図1の記憶装置4に保存されている報酬上限額を読み出し、第一コメント報酬算出部23-4により算出された報酬額の合計と比較する(S23-5)。報酬額の合計が報酬上限額以下であれば(S23-5、No)、
図4のS24に進む。
【0062】
報酬額の合計が報酬上限額より高い場合(S23-5、Yes)、第二コメント報酬算出式読出部23-6は、
図1の記憶装置から第二コメント報酬算出式を読み出す(S23-6)。第二コメント報酬算出部23-7は、第二コメント報酬算出式読出部23-6により読み出された第二コメント報酬算出式を用いて、報酬上限額での各コメントの報酬額を算出し(S23-7)、
図4のS24に進む。例えば、2つのコメントに対して報酬が支払われる場合であって、一致度が各々a、bである場合、第二コメント報酬算出式は、{(報酬上限額)/(a+b)}×(a又はb)×1万円であってもよい。この式であれば、報酬上限額を一致度に応じた割合で分割することができる。なお、「1万円」は適宜変更することができる。
【0063】
これらを、
図10を用いて詳述する。
図10に示すように、コメントNo.1とコメントNo.2が報酬の支払い対象である場合、第一コメント報酬算出式により算出されたコメントNo.1の報酬額は、{100/(58+52)}×58×1万円であり、コメントNo.2の報酬額は、{100/(58+52)}×52×1万円としてもよい。これらの報酬額の合計が
図2の記憶装置から読み出した報酬上限額を超えなければ、算出された各々の報酬額がコメント作成者に支払われてもよい。一方、これらの報酬額の合計が報酬上限額より高い場合には、コメントNo.1の報酬額は、{(報酬上限額)/(58+52)}×58×1万円であり、コメントNo.2の報酬額は、{(報酬上限額)/(58+52)}×52×1万円としてもよい。
【0064】
なお、
図11および
図12に示すように、一致度に基づくコメント報酬算出方法を採用する場合には、1つのコメントに対する報酬額の算出に適用されてもよい。また、報酬額が報酬上限額以下である場合には、S23-5が必ずNoになるため、S24に進むことになる。
【0065】
(5)資産売買仲介装置の機能構成および動作の別の例
図13は、本実施形態に係る資産売買仲介装置30の機能構成の一例を示す図である。
図14は、
図13に示す資産売買仲介装置30の動作を示すフローチャートの一例を示す図である。資産売買仲介装置30は、
図2に示す資産売買仲介装置10の資産購入決定情報受信部11(31)、およびコメント決定部12(32)に加えて、資産情報受信部30-1と、資産公開情報生成部30-2と、資産公開情報保存部30-3と、資産公開情報公開部30-4と、コメント受信部30-5と、コメント付加部30-6と、コメント付き資産公開情報公開部30-7とを備えてもよい。
【0066】
資産情報受信部30-1は、資産情報を受信する(S30-1)。本実施形態における資産情報は、所定のフォームに資産所有者が資産情報を入力し、資産所有者から送信された情報であり、資産所有者から見た売買対象の資産に関する情報である。資産情報は、不動産であれば、不動産所有者の氏名、住所、メールアドレス、電話番号、不動産の所在地、不動産の種別、広さ、不動産の写真など、種々の情報である。動産であれば、動産所有者の氏名、住所、動産の写真などである。
【0067】
資産公開情報生成部30-2は、資産情報受信部30-1により受信された資産情報に基づいて資産公開情報を生成する(S30-2)。資産公開情報生成部30-2は、受信した資産情報から、公開情報にするために資産情報から資産に関する種々の情報を読み取り、読み取った情報を、公開するためのフォーマットに配置し、資産公開情報を生成する。なお、資産情報は、資産所有者の個人情報など、開示する必要がない情報は除外される。
【0068】
資産公開情報保存部30-3は、資産公開情報生成部により生成された資産公開情報を
図1の記憶装置4に保存する(S30-3)。資産公開情報公開部30-4は、資産公開情報保存部30-3により保存された資産公開情報を読み出し、
図1の資産公開情報を公開する(S30-4)。資産公開情報は、例えば、
図1の記憶装置4に記憶されているとともに資産売買仲介装置30が運営しているWebページに追記することにより公開される。
【0069】
コメント受信部30-5は、資産公開情報公開部30-4により公開された資産公開情報に関するコメントを受信する(S30-5)。コメント送信者は、資産公開情報を知る第三者であってもよく、将来購入する予定の購入予定者であってもよい。また、従来のように、コメント送信者は、報酬の支払いを行うことができるようにするため、事前に登録された特定の者であることが好ましい。コメントには、前述の報酬情報を送信するため、コメント送信者が特定される個人情報などが含まれていてもよい。敢えて報酬を希望しない場合には、個人情報の記載を省略してもよい。
【0070】
さらに、例えば、コメント送信者がペンネームを用いてSNSなどで販売対象の資産について投稿している場合には、コメント自体の信頼性を上げるためペンネームを敢えてコメントに表示されるようにしてもよい。また、ペンネームにハイパーリンクが張られていてもよく、コメント投稿者が投稿しているSNSのサイトを簡単に閲覧・縦覧することができるようにしてもよい。コメント内にコメント送信者のSNSのURLが記載されていてもよい。
【0071】
コメント付加部30-6は、コメント受信部30-5により受信されたコメントを資産公開情報に付加する(S30-6)。コメント付加部30-6は、記憶装置4に保存されている資産公開情報にコメントをコピーする。資産公開情報にはコメント欄が設けられており、受信したコメントがコメント欄に記載される。
【0072】
コメント付き資産公開情報公開部30-7は、コメント付加部30-6により付加されたコメントを含むコメント付き資産公開情報を公開する(S30-7)。コメント付き資産公開情報公開部30-7の公開方法は、資産公開情報公開部30-4と同様の方法である。S31およびS32は、各々
図3のS11およびS12と同一であるため、説明を省略する。なお、
図14では、S31での資産購入決定情報を受信する前であれば、コメントを受信する度に、S30-5~S30-7を繰り返す。
【0073】
コメント付き資産公開情報は、受信したコメントの内容のリンクがコメント付き資産公開情報に掲載されていてもよいが、資産情報と同一頁内にコメントの内容自体が表示されるようにすることが好ましい。このような掲載方法であれば、資産購入予定者などの閲覧者は、クリックすることなく資産の頁と同一画面ですべてのコメントを確認することができる。また、将来コメントを投稿しようとする人が既に受信したコメントを容易に確認することができるため、既存コメントに対して追加補足情報や重複した内容の投稿を、より確実に抑制することができる。
【0074】
このように、コメント送信者がSNSを利用して資産情報を発信している場合、このSNSのフォロワーが購入予定者になりうる。また、SNSで発信している資産情報が報酬の支払い対象になりうるため、コメント送信者は、自己のSNSを更に積極的に発信するようになる。このため、資産の売買を飛躍的に促進することができる。
【0075】
(6)資産売買仲介装置の機能構成および動作の別の例
図15は、本実施形態に係る資産売買仲介装置40の機能構成の一例を示す図である。
図16は、
図15に示す資産売買仲介装置40の動作を示すフローチャートの一例を示す図である。資産売買仲介装置50は、
図13に示す資産売買中間装置20に加えて、更に、資産購入不可期間設定部43と、資産購入不可期間保存部44とを備えてもよい。コメント決定部42は、
図7に示すコメント決定部12(22)に加えて、更に、資産購入不可期間経過判定部42hを備えてもよい。
【0076】
図16のS40-1~S40-7、およびS41は、各々
図14のS30-1~S30-7、およびS31に相当するため、説明を省略する。また、
図16のS42a~S42fは、各々
図8のS12a~S12fに相当するため、説明を省略する。
【0077】
資産購入不可期間設定部43は、コメント受信部40-5により受信されたコメントを送信したコメント送信者に対して、コメントを送信した日から所定期間を、資産の購入不可期間として設定する(S43)。購入予定者が自らコメントを送信し、自身のコメントにより資産の購入を決定することは、不当利得に該当することになる可能性がある。このため、本実施形態では、コメント送信者に対して、コメントを送信してから一定期間の間、資産を購入することができない資産購入不可期間が設定される。この期間は、資産に応じて適宜設定してもよく、例えば不動産であれば6~12か月程度であってもよい。
【0078】
資産購入不可期間保存部44は、
図1の記憶装置4に資産購入不可期間の情報を保存する。
【0079】
資産購入不可期間経過判定部42hは、最高一致度コメント抽出部42fにより抽出された最高一致度コメントが送付された日から資産購入決定情報を受信した日までの期間が、読み出した購入不可期間を経過しているかどうかを判定する(S42h)。資産購入不可期間経過判定部42hが購入不可期間を経過していると判定した場合(S42h、yes)、報酬支払対象コメント決定部42gは、最高一致度コメント抽出部により抽出された最高一致度コメントを報酬の支払い対象として決定する(S42g)。
【0080】
2.資産売買仲介システム
(1)資産売買仲介システムのハードウエア構成
図1は、本実施形態に係る資産売買仲介システムのハードウエア構成の一例を示す図である。資産売買仲介システムは、資産情報送信端末100、資産売買仲介端末200、コメント送信端末300、資産購入決定情報送信端末400がネットワーク500を介して接続されている。なお、資産売買仲介端末200は、上述の資産売買仲介装置である。また、各端末100~400は、各々
図1に示すハードウエア構成である。
【0081】
以下では、資産売買仲介システムの動作を、資産情報送信端末100、資産売買仲介端末200、コメント送信端末300、および資産購入決定情報送信端末400の機能構成とシーケンスを用いて詳述する。
【0082】
(2)各端末の機能構成
(3-1) 資産所有者端末
図18は、本実施形態に係る資産売買仲介システムを構成する資産情報送信端末の機能構成の一例を示す図である。
図18に示すように、資産情報送信端末100は、資産所有者の資産情報を資産売買仲介端末200に送信する資産情報送信部101を備えてもよい。
【0083】
(3-2) 資産売買仲介端末
図19は、本実施形態に係る資産売買仲介システムを構成する資産売買仲介端末200の機能構成の一例を示す図である。
図19に示すように、資産売買仲介端末200は、資産情報受信部200-1、資産公開情報生成部200-2、資産公開情報保存部200-3、資産公開情報公開部200-4、コメント受信部200-5、コメント付加部200-6、コメント付き資産公開情報公開部200-7、資産購入決定情報受信部201、コメント決定部202、コメント報酬算出部203、報酬情報送信部204を備えてもよい。
【0084】
図19の200-1~200-7、201、202は、各々
図13の30-1~30-7、31、32に相当する。また、
図19の203、204は、各々
図4の23、24に相当する。
【0085】
(3-3) コメント送信端末
図20は、本実施形態に係る資産売買仲介システムを構成するコメント送信端末300の機能構成の一例を示す図である。コメント送信端末300は、資産情報仲介端末に資産公開情報に関するコメントを送信するコメント送信部301と、資産売買仲介端末から送信された報酬情報を受信する報酬情報受信部302を備えてもよい。
【0086】
(3-4) 資産購入決定情報送信端末
図21は、本実施形態に係る資産売買仲介システムを構成する資産購入決定情報送信端末400の機能構成の一例を示す図である。資産購入決定情報送信端末400は、コメント付き資産公開情報に基づいて決定された資産購入決定情報を資産売買仲介端末200に送信する資産購入決定情報送信部を備えてもよい。
【0087】
各端末が備える各機能は、各々
図1、および
図17に示すハードウエア資源の協働により実現される。各機能および本実施形態に係る資産売買仲介システムの動作を、
図22を用いて説明する。
【0088】
(4) 資産売買仲介システムの動作
図22は、本実施形態に係る資産売買仲介システムのシーケンスの一例を示す図である。まず、
図18に示す資産情報送信端末100の資産情報送信部101は、資産売買仲介端末200に資産の資産情報を送信する(S101)。資産情報は、資産の所有者が資産情報送信端末で表示される所定のフォームに資産情報を入力することにより得られる。
【0089】
次に、資産売買仲介端末200の資産情報受信部200-1は、資産情報送信端末100から資産の資産情報を受信する(S201)。資産公開情報生成部200-2は、資産情報受信部200-1により受信された資産情報に基づいて資産公開情報を生成する(S202)。資産公開情報生成部200-2は、前述のように、資産情報から資産所有者の住所などの情報を除外した残りの情報を資産公開情報として生成する。資産公開情報の生成方法は、例えば、資産情報の中で所定の箇所に入力された情報が非公開情報であると認識し、所定の箇所に入力された情報を除く情報を資産公開情報として、資産情報を所定のフォームに配置して生成する方法が挙げられる。
【0090】
また、資産公開情報は、外部の端末から資産売買仲介端末200にアクセスすることにより外部の端末に表示されるようにするため、HTML形式であることが好ましい。もしくは、外部の端末から資産売買仲介端末200にアクセスした場合、資産公開情報のリンクが表示されるようにしておき、外部の端末からリンクを介して資産公開情報を縦覧・閲覧することができるようにしてもよい。
【0091】
資産公開情報保存部200-3は、資産公開情報生成部200-2により生成された資産公開情報を
図2の記憶装置4に保存する(S203)。なお、資産公開情報保存部200-3は、資産公開情報を外部の端末からアクセスすることができる状態で保存する。保存形式は従来と同様であり、HTML形式であればよい。資産公開情報公開部200-4は、資産公開情報保存部200-3により記憶装置4に保存された資産公開情報を読み出し、公開する。公開方法は従来の方法を用いればよい。
【0092】
次に、コメント送信端末300のコメント送信部301は、作成されたコメントの資産売買仲介端末200に送信する(S301)。
【0093】
なお、コメント送信のタイミングは、
図22で例示したタイミングに限定されることはない。資産公開情報が公開される時期が不明である場合には、資産公開情報を見つけ次第、コメントを作成して送信することができる。
【0094】
資産売買仲介端末200のコメント受信部200-5がコメントを受信した(S205)後、コメント付加部200-6は、受信したコメントを資産公開情報に付加する(S206)。コメントの付加方法としては、例えば、受信したコメントを資産公開情報のコメント欄に転記するか、コメントのリンクをコメント欄に張ってもよい。コメント付き資産公開情報公開部200-7は、コメント付加部により付加されたコメントを含むコメント付き資産公開情報を公開する(S207)。公開方法は従来の方法を用いればよい。これにより、資産公開情報が更新され、コメントも資産公開情報として公開される。
【0095】
なお、コメントは不特定多数の中から適宜送信されるため、コメントを受信する度に、S301、S205~S207を繰り返してもよい。
【0096】
資産購入者は、コメント付き資産公開情報に基づいて資産の購入を決定した場合、所定のフォームに資産購入決定情報を作成する。作成された資産購入決定情報は、資産購入決定情報送信部401で資産売買仲介端末200に送信され(S401)、資産売買仲介端末200の資産購入決定情報受信部201は、資産購入決定情報を受信する(S208)。
【0097】
所定のフォームには、資産購入決定の意思などを記載することができる。また、所定のフォームには、資産を決定した理由に関する選択しがいくつが記載されており、それらから選択してもよい。選択肢の中に資産購入決定理由がなければ、例えば自由記載欄に資産購入決定理由を記載してもよい。
【0098】
コメント決定部202は、資産購入決定情報受信部201により資産購入決定情報を受信した後、コメント受信部により受信されたコメントの中から、報酬の支払い対象のコメントを決定する(S209)。報酬支払対象コメントの決定方法は、資産購入者が決めてもよく、例えば所定のコメントに賛同するコメントなどが多数寄せられた場合には、その数に応じて決定してもよい。コメント毎に「いいね」ボタンをクリックすることができる機能があれば、クリック数に応じて決定してもよい。これらの機能は、従来と同様の手段により実現することができる。また、資産購入決定情報とコメントとの一致度を求めて決定してもよい。コメント決定部202は、好ましくは、
図7に示す機能構成を備えていてもよい。
【0099】
コメント報酬算出部203は、報酬支払対象のコメントに対してコメント報酬を算出する(S210)。最後に、資産売買仲介端末200の報酬情報送信部204は、コメント送信端末300に報酬情報を送信し(S211)、コメント送信端末300の報酬情報受信部302は報酬情報を受信する(S302)。これにより、コメント投稿者は、自身が作成したコメントに報酬が発生したことを知ることができる。
【0100】
(5) 資産売買仲介システムの別の例
図23は、本実施形態に係る資産売買仲介システムを構成する資産情報送信端末1000の機能構成の一例を示す図である。
図24は、本実施形態に係る資産売買仲介システムを構成する資産売買仲介端末2000の機能構成の一例を示す図である。
図23に示すように、資産情報送信端末1000は、
図18に示す資産情報送信端末100に加えて、所有者コメント送信部1002を備えてもよい。
【0101】
また、
図24に示すように、資産売買仲介端末2000は、
図19に示す資産売買仲介端末200に加えて、資産情報送信端末から所有者コメントを受信する所有者コメント受信部2000-8と、所有者コメント受信部により受信された所有者コメントを資産公開情報に付加する所有者コメント付加部2000-9と、所有者コメント付加部により付加された所有者コメントを含む所有者コメント付き資産公開情報を公開する所有者コメント付き資産公開情報公開部2000-10とを備えてもよい。コメント送信端末および資産購入決定情報送信部は、
図20および
図21と同様である。
【0102】
図25は、本実施形態に係る資産売買仲介システムのシーケンスの一例を示す図である。
図25に示すシーケンス図は、
図22に示すシーケンス図において、S1002、S2008~S2010が追加されている。この他は
図22と同様の動作を行う。
【0103】
図25に示すように、所有者コメント送信部1002は、資産売買仲介端末2000に、コメント付き資産公開情報に基づく所有者コメントを送信する(S1002)。第三者などからのコメントの中で、資産所有者などへの問い合わせの内容が含まれる場合、資産所有者は、資産情報送信端末1000の所有者コメント送信部1002から所有者コメントを送信することができる。
【0104】
所有者コメント受信部2000-8が資産情報送信端末1000から所有者コメントを受信すると(S2008)、所有者コメント付加部2000-9は、所有者コメント受信部2000-8により受信された所有者コメントを資産公開情報に付加する(S2009)。これは、
図19のコメント付加部200-6に相当する
図24のコメント付加部2000-6と同様の動作で付加する。所有者コメントは、第三者からのコメントとは別の欄で表示されるようにすればよい。
【0105】
所有者コメント付き資産公開情報公開部2000-10は、所有者コメント付加部2000-9により付加された所有者コメントを含む所有者コメント付き資産公開情報を公開する(S2010)。これは、
図19のコメント付き資産公開情報公開部200-7に相当する
図24のコメント付加部2000-6と同様の動作で付加する。
【0106】
図21に示す資産購入決定情報送信端末400の資産購入決定情報送信部401は、所有者コメント付き資産公開情報に基づいて決定された資産購入決定情報を資産売買仲介端末に送信する(S4001)。これ以降は、
図22のS208以降と同様であるため、説明を省略する。
【0107】
このように、第三者および資産所有者間でのやりとりが可能となる場合には、資産購入者にとってより有益な情報が得られる可能性が向上する。このため、より資産購入の促進に寄与することができる。
【0108】
なお、上述の資産売買仲介端末(資産売買仲介端末)は、外部端末からの検索により所定の条件に適合する資産公開情報を選択し、外部端末のその資産公開情報を送信する機能を有してもよい。
【0109】
上述の種々の実施形態では、コメントの評価が、従来のように資産所有者ではなく、資産購入者の視点から行われる。このため、得られたコメントは、従来のように資産に関するコメントをする場合に資産所有者の視点ではなく、資産購入者の視点からのコメントになる。したがって、本実施形態では、資産の販売促進につながりやすくなる。
【符号の説明】
【0110】
1 コンピュータ
2 CPU(Central Processing Unit)
3 入力装置
4 記憶装置
5 メモリ
6 モニタ
7 入出力インタフェース
10、20、30、40 資産売買仲介装置
100 資産情報送信端末
200 資産売買仲介端末(資産売買仲介装置)
300 コメント送信端末
400 資産購入決定情報送信端末
【要約】 (修正有)
【課題】資産購入者の視点からコメントを作成することにより、動産や不動産である資産の販売促進を図る資産売買仲介装置、資産売買仲介方法および資産売買仲介プログラムならびに資産売買仲介システムを提供する。
【解決手段】コンピュータの形態であり、携帯端末等の汎用の情報処理装置である資産売買仲介装置10は、動産または不動産である資産と、資産情報に関するコメントを含む資産公開情報に基づいて、資産購入者が資産を購入する際の仲介を行う。資産売買仲介装置は、資産公開情報に基づいて決定された資産購入決定情報を受信する資産購入決定情報受信部と、資産購入決定情報受信部により資産購入決定情報を受信した後、コメントの中から、資産購入決定情報に基づいて報酬の支払い対象のコメントを決定するコメント決定部と、を備える。
【選択図】
図2