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特許7593596電気自動車の充電のための相互認証方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】電気自動車の充電のための相互認証方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/32 20060101AFI20241126BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241126BHJP
   H04L 9/08 20060101ALI20241126BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20241126BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20241126BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20241126BHJP
   B60L 53/65 20190101ALI20241126BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20241126BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241126BHJP
   G16Y 20/30 20200101ALI20241126BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20241126BHJP
【FI】
H04L9/32 200B
H02J7/00 P
H04L9/08 F
B60L50/60
B60L53/12
B60L53/14
B60L53/65
B60L55/00
G16Y10/40
G16Y20/30
G16Y20/40
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021564423
(86)(22)【出願日】2020-04-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-28
(86)【国際出願番号】 KR2020005641
(87)【国際公開番号】W WO2020222516
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】62/839,996
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/927,887
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/933,018
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】10-2020-0051201
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512297583
【氏名又は名称】ヒョンダイ モーター カンパニー
(73)【特許権者】
【識別番号】512297594
【氏名又は名称】キア コーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】513257889
【氏名又は名称】ミョンジ ユニバーシティー インダストリー アンド アカデミア コーポレーション ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シン,ミン ホ
【審査官】青木 重徳
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106330444(CN,A)
【文献】特開2005-124097(JP,A)
【文献】特表2014-524695(JP,A)
【文献】特開2003-316655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 9/32
H02J 7/00
H04L 9/08
B60L 50/60
B60L 53/12
B60L 53/14
B60L 53/65
B60L 55/00
G16Y 10/40
G16Y 20/30
G16Y 20/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1V2G(Vehicle to Grid)ルート認証機関(rootCA)と信頼関係を形成した充電所事業者(CPO)に関連づけられた供給デバイス(EVSE)から電力の供給を受けようとする、第2V2Gルート認証機関を信頼するEV(Electric Vehicle)が、前記第2V2Gルート認証機関が前記第1V2Gルート認証機関の下位にある下位認証機関に対して発行した相互認証書を用いて前記供給デバイスを認証する方法であって、
前記供給デバイスに充電を要請する段階、
前記供給デバイスから、前記相互認証書を含み、前記供給デバイスが保有する認証書チェーンを受信する段階、および
前記認証書チェーンに含まれる認証書を検証し、前記認証書チェーンの最上位の認証書が前記第2V2Gルート認証機関によって署名された前記相互認証書であることを確認する段階を含むことを特徴とする供給デバイス認証方法。
【請求項2】
前記認証書チェーンの最上位の認証書は前記第2V2Gルート認証機関によって発行された相互認証書であることを特徴とする請求項1に記載の供給デバイス認証方法。
【請求項3】
前記相互認証書の公開キーは、前記認証書チェーンで前記相互認証書を除いた最上位の認証書の発行に使われた認証書の公開キーと一致することを特徴とする請求項2に記載の供給デバイス認証方法。
【請求項4】
前記認証書チェーンで前記相互認証書を除いた最上位の認証書を発行した認証機関は、前記第1V2Gルート認証機関または前記充電所事業者であることを特徴とする請求項2に記載の供給デバイス認証方法。
【請求項5】
前記第2V2Gルート認証機関は、前記第1V2Gルート認証機関の下位認証機関に対して相互認証書を直接発行することを特徴とする請求項2に記載の供給デバイス認証方法。
【請求項6】
前記第2V2Gルート認証機関は、相互認証媒介装置を通じて前記第1V2Gルート認証機関の下位認証機関に対して相互認証書を発行することを特徴とする請求項2に記載の供給デバイス認証方法。
【請求項7】
前記相互認証書の満了日は、
前記第1V2Gルート認証機関によって発行された第1V2Gルート認証機関認証書の満了日および前記第2V2Gルート認証機関によって発行された第2V2Gルート認証機関認証書の満了日のうちはやい日よりも以前に満了するように設定されることを特徴とする請求項2に記載の供給デバイス認証方法。
【請求項8】
前記相互認証書の個人キーを利用して前記第1V2Gルート認証機関によって発行された認証書に対する公開キーおよびID(identity)に対する署名が遂行されることを特徴とする請求項2に記載の供給デバイス認証方法。
【請求項9】
前記相互認証書の個人キーを利用して前記充電所事業者の認証書(SubCA cert.)に対する公開キーおよびID(identity)に対する署名が遂行されることを特徴とする請求項2に記載の供給デバイス認証方法。
【請求項10】
第1V2G(Vehicle to Grid)ルート認証機関(rootCA)と信頼関係を形成した充電所事業者(CPO)に関連づけられた供給デバイス(EVSE)により遂行される電力伝送方法であって、
第2V2Gルート認証機関を信頼するEV(Electric Vehicle)から充電要請を受信する段階、
前記充電要請に応じて、前記第2V2Gルート認証機関が前記第1V2Gルート認証機関の下位にある下位認証機関に対して発行した相互認証書を含み、前記供給デバイスが保有する認証書チェーンを前記EVに提供する段階、
前記認証書チェーンに含まれる認証書が検証された後、前記認証書チェーンに対する検証結果を前記EVから受信する段階、および
前記検証結果により前記EVに電力を供給する段階を含むことを特徴とする電力伝送方法。
【請求項11】
前記認証書チェーンの最上位の認証書は、前記第2V2Gルート認証機関によって発行された相互認証書であることを特徴とする請求項10に記載の電力伝送方法。
【請求項12】
前記認証書チェーンの最上位の認証書は、前記第2V2Gルート認証機関によって署名されたことを特徴とする請求項10に記載の電力伝送方法。
【請求項13】
前記相互認証書の公開キーは、前記認証書チェーンで前記相互認証書を除いた最上位の認証書の発行に使われた認証書の公開キーと一致することを特徴とする請求項11に記載の電力伝送方法。
【請求項14】
前記認証書チェーンで前記相互認証書を除いた最上位の認証書を発行した認証機関は、前記第1V2Gルート認証機関または前記充電所事業者であることを特徴とする請求項11に記載の電力伝送方法。
【請求項15】
前記第2V2Gルート認証機関は、前記第1V2Gルート認証機関の下位認証機関に対して相互認証書を直接発行することを特徴とする請求項11に記載の電力伝送方法。
【請求項16】
前記第2V2Gルート認証機関は、相互認証媒介装置を通じて前記第1V2Gルート認証機関の下位認証機関に対して相互認証書を発行することを特徴とする請求項11に記載の電力伝送方法。
【請求項17】
前記認証書チェーンはTLS(Transport Layer Security)ハンドシェイクのServerHelloメッセージ内に含まれて伝送されることを特徴とする請求項10に記載の電力伝送方法。
【請求項18】
前記相互認証書の個人キーを利用して前記第1V2Gルート認証機関によって発行された認証書に対する公開キーおよびID(identity)に対する署名が遂行されることを特徴とする請求項11に記載の電力伝送方法。
【請求項19】
前記相互認証書の個人キーを利用してCPOの認証書(SubCA cert.)に対する公開キーおよびID(identity)に対する署名が遂行されることを特徴とする請求項11に記載の電力伝送方法。
【請求項20】
第1V2G(Vehicle to Grid)ルート認証機関(rootCA)と信頼関係を形成した充電所事業者(CPO)に関連づけられた供給デバイス(EVSE)から電力の供給を受けようとする、第2V2Gルート認証機関を信頼する電気自動車(Electric Vehicle)の内部に設けられ、前記第2V2Gルート認証機関が前記第1V2Gルート認証機関の下位にある下位認証機関に対して発行した相互認証書を用いて前記供給デバイスを認証する装置であって、
プロセッサ、および
前記プロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を保存するメモリを含み、
前記少なくとも一つの命令は、
前記供給デバイスに充電を要請するようにする命令、
前記供給デバイスから、前記相互認証書を含み、前記供給デバイスが保有する認証書チェーンを受信するようにする命令、および
前記認証書チェーンに含まれる認証書を検証し、前記認証書チェーンの最上位の認証書が前記第2V2Gルート認証機関によって署名された前記相互認証書であることを確認するようにする命令を含むことを特徴とする電気自動車の供給デバイス認証装置。
【請求項21】
前記認証書チェーンの最上位の認証書は、前記第2V2Gルート認証機関によって発行された相互認証書であることを特徴とする請求項20に記載の電気自動車の供給デバイス認証装置。
【請求項22】
前記相互認証書の公開キーは、前記認証書チェーンで相互認証書を除いた最上位の認証書を発行した認証機関に対して発行された認証書の公開キーと一致することを特徴とする請求項21に記載の電気自動車の供給デバイス認証装置。
【請求項23】
前記認証書チェーンで前記相互認証書を除いた最上位の認証書を発行した認証機関は、前記第1V2Gルート認証機関または前記充電所事業者であることを特徴とする請求項21に記載の電気自動車の供給デバイス認証装置。
【請求項24】
前記第2V2Gルート認証機関は、前記第1V2Gルート認証機関の下位認証機関に対して相互認証書を直接発行することを特徴とする請求項21に記載の電気自動車の供給デバイス認証装置。
【請求項25】
前記第2V2Gルート認証機関は、相互認証媒介装置を通じて前記第1V2Gルート認証機関の下位認証機関に対して相互認証書を発行することを特徴とする請求項21に記載の電気自動車の供給デバイス認証装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は相互認証方法および装置に関し、さらに詳細には電気自動車の充電のための相互認証方法および装置、相互認証を利用した電力伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の電気自動車(Electric Vehicle、EV)は、バッテリーの動力でモータを駆動して、従来のガソリンエンジン自動車に比べて排気ガスおよび騒音などのような空気汚染源が少なく、故障が少なく、寿命が長く、運転操作が簡単であるという長所がある。電気自動車は、駆動源によりハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle、HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)および電気自動車(EV)に分類される。HEVは主電力であるエンジンと補助電力であるモータを有している。PHEVは主電力であるモータとバッテリーが放電される時に使われるエンジンを有している。EVはモータを有しているが、エンジンは有していない。
【0003】
電気自動車充電システムは、基本的に商用電源の配電網(grid)やエネルギー貯蔵装置の電力を利用して電気自動車に搭載されたバッテリーを充電するシステムと定義できる。このような電気自動車充電システムは、電気自動車の種類によって多様な形態を有する。例えば、電気自動車充電システムはケーブルを利用した導電性充電システムや非接触方式の無線電力伝送システムを含むことができる。これに関連して、eMobilityサービスは、EVを所有し運転するEV使用者、運送サービス、物流またはレンタルサービスに電気を供給するビジネスである。一般的なeMobilityサービスは、EV使用者(組織を含む)と契約を結んで充電された電気量またはその他の請求基準に沿って料金を請求する。ビジネスの観点から充電時にEV使用者を確認することが重要であるが、使用者認証に関連した適切な手段がないと、eMobilityビジネスの収益が危険にさらされる。また、全体の充電インフラとその後段に位置する電力網は政治的、金銭的または自負心のためにセキュリティ上の脆弱点を悪用する団体の悪意的な試みに脆弱であるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、電気自動車によって遂行される相互認証方法を提供することにある。本発明の他の目的は、充電所事業者によって遂行される電力伝送方法を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、前記相互認証方法を使う電気自動車の相互認証装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例に係る相互認証方法は、第1V2G(Vehicle to Grid)ルート認証機関(rootCA)と信頼関係を形成した充電所事業者(CPO)に関連づけられた供給デバイス(EVSE)から電力の供給を受けようとする、第2V2Gルート認証機関を信頼するEV(Electric Vehicle)によって遂行される相互認証方法であって、前記供給デバイスに充電を要請する段階、前記供給デバイスから前記供給デバイスが保有する認証書チェーンを受信する段階、および前記認証書チェーンの最後の認証書が前記第2V2Gルート認証機関によって署名されたかを検証する段階を含むことを特徴とする。
【0006】
前記認証書チェーンの最後の認証書は、第2V2Gルート認証機関によって発行された相互認証書であることを特徴とする。
【0007】
前記相互認証書の公開キーは、前記認証書チェーンで相互認証書を除いた最後の認証書の発行に使われた認証書の公開キーと一致することを特徴とする。
【0008】
前記認証書チェーンで前記相互認証書を除いた最後の認証書を発行した認証機関は、前記第1V2Gルート認証機関または前記CPOであることを特徴とする。
【0009】
前記第2V2Gルート認証機関は、前記第1V2Gルート認証機関に対して相互認証書を直接発行することを特徴とする。
【0010】
前記第2V2Gルート認証機関は相互認証媒介装置を通じて前記第1V2Gルート認証機関に対して相互認証書を発行することを特徴とする。
【0011】
前記相互認証書の満了日は、前記第1V2Gルート認証機関認証書の満了日および前記第2V2Gルート認証機関認証書の満了日のうちはやい日よりも以前に満了するように設定されることを特徴とする。
【0012】
前記相互認証書の個人キーを利用して第1V2Gルート認証機関によって発行された認証書に対する公開キーおよびID(identity)に対する署名が遂行されることを特徴とする。
【0013】
前記相互認証書の個人キーを利用してCPOの認証書(SubCA cert.)に対する公開キーおよびID(identity)に対する署名が遂行されることを特徴とする。
【0014】
前記他の目的を達成するための本発明の一実施例に係る電力伝送方法は、第1V2Gルート認証機関と信頼関係を形成した充電所事業者(CPO)に関連づけられた供給デバイス(EVSE)により遂行される電力伝送方法であって、第2V2Gルート認証機関を信頼するEV(Electric Vehicle)から充電要請を受信する段階、前記充電要請により前記供給デバイスが保有する認証書チェーンを前記EVに提供する段階、前記認証書チェーンに対する検証結果を前記EVから受信する段階、および前記検証結果により前記EVに電力を供給する段階を含むことを特徴とする。
【0015】
前記認証書チェーンの最後の認証書は、第2V2Gルート認証機関によって発行された相互認証書であることを特徴とする。
【0016】
前記相互認証書の公開キーは、前記認証書チェーンで相互認証書を除いた最後の認証書の発行に使われた認証書の公開キーと一致することを特徴とする。
【0017】
前記認証書チェーンで前記相互認証書を除いた最後の認証書を発行した認証機関は、前記第1V2Gルート認証機関または前記CPOであることを特徴とする。
【0018】
前記第2V2Gルート認証機関は、前記第1V2Gルート認証機関に対して相互認証書を直接発行することことを特徴とする。
【0019】
前記第2V2Gルート認証機関は相互認証媒介装置を通じて前記第1V2Gルート認証機関に対して相互認証書を発行することことを特徴とする。
【0020】
前記認証書チェーンはTLS(Transport Layer Security)ハンドシェイクのServerHelloメッセージ内に含まれて伝送さることを特徴とする。
【0021】
前記相互認証書の個人キーを利用して第1V2Gルート認証機関によって発行された認証書に対する公開キーおよびID(identity)に対する署名が遂行されることを特徴とする。
【0022】
前記相互認証書の個人キーを利用してCPOの認証書(SubCA cert.)に対する公開キーおよびID(identity)に対する署名が遂行されることを特徴とする。
【0023】
本発明の一実施例に係る相互認証装置は、第1V2Gルート認証機関と信頼関係を形成した充電所事業者(CPO)に関連づけられた供給デバイス(EVSE)から電力の供給を受けようとする、第2V2Gルート認証機関を信頼する電気自動車(Electric Vehicle)の相互認証装置であって、プロセッサ、および前記プロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を保存するメモリを含み、前記少なくとも一つの命令は、前記供給デバイスに充電を要請するようにする命令、前記供給デバイスから前記供給デバイスが保有する認証書チェーンを受信するようにする命令、および前記認証書チェーンの最後の認証書が前記第2V2Gルート認証機関によって署名されたかを検証するようにする命令を含むことを特徴とする。
【0024】
前記認証書チェーンの最後の認証書は第2V2Gルート認証機関によって発行された相互認証書であることを特徴とする。
【0025】
前記相互認証書の公開キーは、前記認証書チェーンで相互認証書を除いた最後の認証書を発行した認証機関に対して発行された認証書の公開キーと一致することを特徴とする。
【0026】
前記認証書チェーンで前記相互認証書を除いた最後の認証書を発行した認証機関は、前記第1V2Gルート認証機関または前記CPOであることを特徴とする。
【0027】
前記第2V2Gルート認証機関は、前記第1V2Gルート認証機関に対して相互認証書を直接発行することを特徴とする。
【0028】
前記第2V2Gルート認証機関は、相互認証媒介装置を通じて前記第1V2Gルート認証機関に対して相互認証書を発行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明で提示する相互認証方法によると、電気自動車充電ネットワークまたはシステムで柔軟な信頼管理が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施例が適用され得る電気自動車有線充電方法を説明する概念図である。
図2】本発明の一実施例が適用される電気自動車のための無線電力伝送を説明する概念図である。
図3】本発明が適用され得る充電システムでの認証書の構造図である。
図4a】本発明の一実施例に係るV2G運営者間の相互認証概念を図示する。
図4b】本発明の一実施例に係るV2G運営者間の相互認証概念を図示する。
図5】本発明の他の実施例に係るV2GおよびOEM間の相互認証概念を図示する。
図6】本発明に係るV2G運営者間の相互認証方法の一実施例を示す。
図7】本発明の一実施例に係るV2G運営者間の相互認証での経路検証手続きを概念的に図示する。
図8a】本発明に係るV2G運営者間の相互認証方法の他の実施例の概念を示す。
図8b】本発明に係るV2G運営者間の相互認証方法の他の実施例の概念を示す。
図9a】本発明のさらに他の実施例によりブリッジ-CAを利用した相互認証概念を図示する。
図9b】本発明のさらに他の実施例によりブリッジ-CAを利用した相互認証概念を図示する。
図10】本発明の電気自動車の充電のための相互認証方法の一実施例のフローチャートである。
図11】本発明の一実施例に係る電力伝送方法のフローチャートである。
図12】本発明の一実施例に係る相互認証装置のブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は多様な変更を加えることができ多様な実施例を有するところ、特定の実施例を図面に例示して詳細な説明に詳細に説明する。これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。各図面の類似する参照符号は、類似の構成要素に使用した。
【0032】
第1、第2、A、Bなどの用語は多様な構成要素の説明に使われるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく第1構成要素は第2構成要素と命名され、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名される。「および/または」という用語は複数の関連した記載された項目の組み合わせまたは複数の関連した記載された項目のうちいずれかの項目を含む。
【0033】
或る構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されていたりまたは接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されるべきである。反面、或る構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないものと理解される。
【0034】
本出願で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものとする。
【0035】
異なって定義されない限り、技術的または科学的な用語を含んでここで使われるすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈され、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0036】
本明細書に使われる一部の用語を定義すると次の通りである。
電気自動車(Electric Vehicle、EV)は49CFR(code of federal regulations)523.3等で定義された自動車(automobile)を指す。電気自動車は高速道路の利用が可能であり、車両外部の電源供給源から再充電可能なバッテリーなどの車載エネルギー貯蔵装置から供給される電気によって駆動される。電源供給源は住居地や公用電気サービスまたは車載燃料を利用する発電機などを含むことができる。
【0037】
電気自動車(electric vehicle、EV)はエレクトリックカー(electric car)、エレクトリックオートモバイル(electric automobile)、ERV(electric road vehicle)、PV(plug-in vehicle)、xEV(plug-in vehicle)等と指し、xEVはBEV(plug-in all-electric vehicleまたはbattery electric vehicle)、PEV(plug-in electric vehicle)、HEV(hybrid electric vehicle)、HPEV(hybrid plug-in electric vehicle)、PHEV(plug-in hybrid electric vehicle)等を指すか区分される。
【0038】
プラグイン電気自動車(Plug-in Electric Vehicle、PEV)は電力グリッドに連結して車載一次バッテリーを再充電する電気自動車を指す。プラグイン車両(Plug-in vehicle、PV)は本明細書で電気自動車電力供給装置(Electric Vehicle Supply Equipment;EVSE)から物理的なプラグとソケットを使わずに無線充電方式を通じて再充電可能な車両を指す。重量自動車(Heavy duty vehicles;H.D. Vehicles)は49CFR 523.6またはCFR 37.3(bus)で定義された4個以上の車輪を有するすべての車両を指す。
【0039】
軽量プラグイン電気自動車(Light duty plug-in electric vehicle)は、主に公共通り、道路および高速道路で使うための再充電可能なバッテリーや他のエネルギー装置の電流が供給される電気モータによって推進力を得る3個または4個の車輪を有する車両を指称し得る。軽量プラグイン電気自動車は総重量が4.545kgより小さく規定される。
無線充電システム(Wireless power charging system、WCS)は無線電力伝送とアライメントおよび通信を含んだGAとVA間の制御のためのシステムを指す。
【0040】
無線電力伝送(Wireless power transfer、WPT)はユーティリティ(Utility)やグリッド(Grid)等の交流(AC)電源供給ネットワークで電気自動車に無接触手段を通じて電気的な電力を伝送することを指す。ユーティリティ(Utility)は電気的なエネルギーを提供し、通常顧客情報システム(Customer Information System、CIS)、両方向検針インフラ(Advanced Metering Infrastructure、AMI)、料金と収益(Rates and Revenue)システムなどを含むシステムの集合である。ユーティリティは価格表または離散イベント(discrete events)を通じてプラグイン電気自動車がエネルギーを利用できるようにする。また、ユーティリティは関税率、計測電力消費に対するインターバルおよびプラグイン電気自動車に対する電気自動車プログラムの検証などに対する情報を提供することができる。
【0041】
スマート充電(Smart charging)は、EVSEおよび/またはプラグイン電気自動車が車両充電率や放電率をグリッド容量や使用費用比率の時間を最適化するために電力グリッドと通信するシステムと説明することができる。自動充電(Automatic charging)は、電力を伝送できる1次側充電器アセンブリ(primary charger assembly)に対して適切な位置に車両を位置させ、インダクティブ充電する動作と定義される。自動充電は必要な認証および権限を得た後に遂行される。
【0042】
相互運用性(Interoperabilty)は、互いに相対的なシステムの成分が全体システムの目的とする動作を遂行するために共に作動できる状態を指す。情報相互運用性(Information interoperability)は、2個以上のネットワーク、システム、デバイス、アプリケーションまたは成分が、使用者がほとんどまたは全く不便なく安全かつ効果的に情報を共有し容易に使用できる能力を指す。
【0043】
誘導充電システム(Inductive charging system)は、二つのパートが緩く結合されたトランスフォーマーを通じて電気供給ネットワークから電気自動車に正方向で電磁的にエネルギーを伝送するシステムを指す。本実施例で誘導充電システムは電気自動車充電システムに対応する。誘導カプラー(Inductive coupler)はGAコイルとVAコイルで形成されて電力が電気的な絶縁を通じて電力を伝送するトランスフォーマーを指す。
【0044】
誘導結合(Inductive coupling)は二つのコイル間の磁気結合を指す。二つのコイルはグラウンドアセンブリコイル(Ground assembly coil)と車両アセンブリコイル(Vehicle assembly coil)を指す。グラウンドアセンブリ(Ground assembly、GA)は、GAコイルと他の適切な部品を含んでグラウンドまたはインフラストラクチャー(infrastructure)側に配置されるアセンブリを指す。他の適切な部品はインピーダンスと共振周波数を制御するための少なくとも一つの部品、磁気経路(magnetic path)を強化するためのフェライトおよび電磁遮蔽材料を含むことができる。例えば、GAは無線充電システムの電力ソースとして機能するのに必要な電力/周波数変換装置、GAコントローラーおよびグリッドからの配線と各ユニットとフィルタリング回路、ハウジングなどの間の配線を含むことができる。
【0045】
車両アセンブリ(Vehicle assembly、VA)は、VAコイルと他の適切な部品を含んで車両に配置されるアセンブリを指す。他の適切な部品はインピーダンスと共振周波数を制御するための少なくとも一つの部品、磁気経路を強化するためのフェライトおよび電磁遮蔽材料を含むことができる。例えば、VAは無線充電システムの車両部品として機能するのに必要な整流器/電力変換装置とVAコントローラーおよび車両バッテリーの配線だけでなく、各ユニットとフィルタリング回路、ハウジングなどの間の配線を含むことができる。
【0046】
前述したGAはサプライデバイス(supply device)、電力供給側装置などを指し、これと類似するようにVAは、電気自動車デバイス(EV device)、電気自動車側装置などを指す。電力供給側装置(supply device)は電気自動車側装置に無接触結合を提供する装置すなわち、電気自動車外部の装置である。電力供給側装置は1次側装置である。電気自動車が電力を受ける時、電力供給側装置は電力を伝送する電源ソースとして動作することができる。電力供給側装置はハウジングとすべてのカバーを含むことができる。
【0047】
電気自動車側装置(EV device)は電力供給側装置に無接触結合を提供する電気自動車載装置である。電気自動車側装置は2次側装置である。電気自動車が電力を受ける時、電気自動車側装置は電力供給側装置からの電力を電気自動車に伝達することができる。電気自動車側装置はハウジングとすべてのカバーを含むことができる。グラウンドアセンブリコントローラ(Ground Assembly controller)は、車両からの情報に基づいてGAコイルに対する出力電力レベルを調節するGAの一部分である。車両アセンブリコントローラ(Vehicle Assembly controller)は、充電の間特定車両用パラメータをモニタリングしGAとの通信を開始して出力電力レベルを制御するVAの一部分である。
【0048】
前述したGAコントローラーは、電力供給側装置のサプライパワーサーキット(supply power circuit、SPC)を指し、VAコントローラーは電気自動車パワーサーキット(EV power circuit、EVPC)を指す。マグネチックギャップ(Magnetic gap)はリッツ線(litz wire)の上部またはGAコイルのマグネチック材料の上部の最も高い平面と前記リッツ線の下部またはVAコイルのマグネチック材料の最も低い平面が互いに整列した時のこれら間の垂直距離を指す。
【0049】
周囲温度(Ambient temperature)は直接的に日光が照らされない対象サブシステムの大気から測定されたグラウンドレベル温度を指す。車両地上高(Vehicle ground clearance)は道路または道路舗装と車両フロアーファンの最下部の間の垂直距離を指する。車両マグネチック地上高(Vehicle magnetic ground clearance)はリッツ線の底の最下位の平面または車両に搭載されたVAコイルの絶縁材料と道路舗装の間の垂直距離を指す。車両アセンブリ(VA)コイルの表面間隔(Vehicle assembly coil surface distance)は、リッツ線の底の最下部の平面またはVAコイルのマグネチック材料とVAコイルの最下位の外部表面の間の垂直距離を指す。このような距離は保護カバー材およびコイル包装材で包装された追加アイテムを含むことができる。
【0050】
前述したVAコイルは二次コイル(secondary coil)、車両コイル(vehicle coil)、受信コイル(receiver coil)等を指し、これと同様にグラウンドアセンブリコイル(ground assembly coil、GA coil)は1次コイル(primary coil)、送信コイル(transmit coil)等を指す。露出導電部品(Exposed conductive component)は人によって接触され、平常時は電気が流れないが故障時には電気が流れることができる電気的な装置(例えば、電気自動車)の導電性部品を指す。
【0051】
有害ライブ要素(Hazardous live component)は、ある条件下で有害な電気ショックを与えるライブ構成要素を指す。ライブ要素(Live component)は、基本的な用途で電気的に活性化するすべての導体または導電性部品を指す。直接接触(Direct contact)は、生物体である人の接触を指す。間接接触(Indirect contact)は、絶縁の失敗で人が露出された、導電された、電気が流れる活性成分に接触することを指す。(IEC 61140参照)
【0052】
アライメント(Alignment)は規定された効率的な電力伝送のために電力供給側装置に対する電気自動車側装置の相対的な位置を探す手続きおよび/または電気自動車側装置に対する電力供給側装置の相対的な位置を探す手続きを指す。本明細書でアライメントは無線電力伝送システムの位置整列を指す、これに限定されない。ペアリング(Pairing)は電力を伝送できるように配置された単一専用グラウンドアセンブリ(電力供給側装置)と車両(電気自動車)が関連づけられる手続きを指す。本明細書でペアリングは充電スポットまたは特定グラウンドアセンブリと車両アセンブリ制御器の関連づけ手続きを含むことができる。関連づけ(Correlation/Association)は二つのピア・ツー・ピア(Peer-to-peer)通信主体の間の関係成立の手続きを含むことができる。
【0053】
ハイレバル通信(High level communication)は命令および制御通信で担当する情報を超過するすべての情報を処理することができる。ハイレバル通信のデータリンクはPLC(Power line communication)を使うことができるが、これに限定されない。
低電力起動(Low power excitation)は精密ポジショニングとペアリングを遂行するために、電気自動車が電力供給側装置を感知するようにそれを活性化することを指すが、これに限定されず、その逆も可能である。SSID(Service set identifier)は、無線LAN上で伝送されるパケットのヘッダー部に付く32-characterからなるユニークな識別字である。
【0054】
SSIDは無線装備で接続しようとするBSS(basic service set)を区分してくれる。SSIDは基本的にいくつかの無線LANを互いに区別してくれる。したがって、特定の無線LANを使おうとするすべてのAP(access point)とすべての端末(terminal)/ステーション(station)装備は、すべて同じSSIDを使うことができる。唯一のSSIDを使わない装備はBSSにジョインすることが不可能である。SSIDは平文でそのまま見られるため、ネットワークにいかなるセキュリティ特性も提供しないことができる。
【0055】
ESSID(Extended service set identifier)は接続しようとするネットワークの名前である。SSIDと似ているがより拡張された概念である。BSSID(Basic service set identifier)は通常48bitsであってm特定BSS(basic service set)を区分するために使う。インフラストラクチャーBSSネットワークの場合、BSSIDはAP装備のMAC(medium access control)となる。独立的な(independent)BSSやアドホック(ad hoc)ネットワークの場合、BSSIDは任意の値に生成される。
【0056】
チャージングステーション(charging station)は少なくとも一つ以上のグラウンドアセンブリと少なくとも一つ以上のグラウンドアセンブリを管理する少なくとも一つ以上のグラウンドアセンブリ制御器を含むことができる。グラウンドアセンブリは少なくとも一つ以上の無線通信機を具備することができる。チャージングステーションは家庭、事務室、公共場所、道路、駐車場などに設置される少なくとも一つ以上のグラウンドアセンブリを具備した場所を指す。
【0057】
以下、本発明に係る好ましい実施例を添付された図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例が適用され得る電気自動車有線充電方法を説明するための概念図である。図1を参照すると、電気自動車有線充電方法は電気自動車充電ケーブル30と電気自動車10の少なくとも一つの構成要素および既存の建物または充電スタンドに設置されている電力ソケット40の相互動作で遂行される。
【0058】
ここで、電気自動車10は一般的にバッテリーのように充電可能なエネルギー貯蔵装置から誘導された電流を動力装置である電気モータのエネルギー源に供給する車両(automobile)と定義することができる。また、電気自動車10は電気モータと一般的な内燃機関(internal combustion engine)を共に有するハイブリッド自動車を含むことができ、自動車(automobile)だけでなくバイク(motocycle)、カート(cart)、スクーター(scooter)および電気自転車(electric bicycle)を含むことができる。
【0059】
また、本発明に係る電気自動車10は有線でバッテリーを充電できるようにプラグ接続口を含んでもよい。この時、有線でバッテリーを充電できる電気自動車10をプラグイン電気自動車(Plug-in Electric Vehicle、PEV)と称す。また、本発明に係る電気自動車10に備えられたプラグ接続口は緩速充電を支援したり急速充電を支援することができる。この時、電気自動車10は一つのプラグ接続口を通じて緩速充電と急速充電をすべて支援するか、緩速充電と急速充電を支援するそれぞれのプラグ接続口を含むことができる。
【0060】
また、本発明に係る電気自動車10は緩速充電または一般的な電力系統で供給される交流電源を通じての充電を支援するために、オンボード充電器(On Board Charger)を含むことができる。オンボード充電器は緩速充電時に外部から有線で供給される交流電源を昇圧して直流電源に変換して電気自動車10に内蔵されたバッテリーに供給することができる。したがって、電気自動車10のプラグ接続口に緩速充電のための交流電源が供給される場合、オンボード充電器を経て充電が遂行されて、プラグ接続口に急速充電のための直流電源が供給される場合、オンボード充電器を経ずに充電が遂行される。
【0061】
一方、電気自動車充電ケーブル30は充電コネクター31、コンセントソケット接続部33およびインケーブルコントロールボックス(ICCB)32のうち少なくとも一つを含んで構成される。ここで、充電コネクター31は電気自動車10と電気的に連結できる接続部であり、インケーブルコントロールボックス(ICCB;In-cable control box)32は電気自動車10と通信して電気自動車の状態情報を受信したり電気自動車10への電力充電を制御することができる。
【0062】
ここで、インケーブルコントロールボックス32は電気自動車充電ケーブル10に含まれるものとして図示したが、電気自動車充電ケーブル10以外の場所に搭載されたりSECCに結合されたりSECCで代替される。ここで、コンセントソケット接続部33は一般的なプラグやコードセットなどの電気接続機構であり、電力の供給を受けるコンセントに接続される。例えば、電力ソケット40は既存に電気自動車10の所有者の家に付属された駐車場、ガソリンスタンドで電気自動車の充電のための駐車区域、ショッピングセンターや職場の駐車区域などのように多様な場所に設置されたコンセントを指す。
【0063】
また、電力ソケット40が設置された建物や場所(例えばスタンド)にインケーブルコントロールボックス32または電気自動車10の構成要素のうち一つ(例えばEVCC)と通信を遂行して充電手続きを制御する装置が設置されるが、このような装置をSECC(Supply Equipment Communication Controller)と称す。ここで、SECCは有無線通信を通じて電力網(power grid)または電力網を管理するインフラ管理システム(infrastructure management system)、電力ソケット40が設置された建物の管理サーバー(以下で説明する団地サーバー)またはインフラサーバーと通信することができる。
【0064】
電力ソケット40は電力系統の交流電源をそのまま供給することができるが、例えば1P2W(単相2線式)と3P4W(3相4線式)のうち少なくとも一つの方式に該当する交流電源を供給することができる。電気自動車充電ケーブル30は緩速充電を支援して緩速充電のための電力を電気自動車10に供給することができ、この時、緩速充電電力量として3.3~7.7(kWh)の間の電力を電気自動車10に供給することができる。また、電気自動車充電ケーブル30は急速充電を支援して急速充電のための電力を電気自動車10に供給することもできるが、この時、急速充電電力量として50~100(kWh)の間の電力を電気自動車10に供給することができる。
【0065】
図2は、本発明の一実施例が適用される電気自動車のための無線電力伝送を説明するための概念図である。図2を参照すると、無線電力伝送は電気自動車(electric vehicle、10)の少なくとも一つの構成要素とチャージングステーション(charging station、20)によって遂行され、電気自動車10に無線で電力を伝送するために利用される。
【0066】
ここで、電気自動車10は一般的にバッテリー12のように充電可能なエネルギー貯蔵装置から誘導された電流を動力装置である電気モータのエネルギー源に供給する車両(automobile)と定義することができる。ただし、本発明に係る電気自動車10は電気モータと一般的な内燃機関(internal combustion engine)を共に有するハイブリッド自動車を含むことができ、自動車(automobile)だけでなくバイク(motocycle)、カート(cart)、スクーター(scooter)および電気自転車(electric bicycle)を含むことができる。
【0067】
また、電気自動車10は無線でバッテリー12を充電できるように受信コイルが含まれた受信パッド11を含むことができ、有線でバッテリー12を充電できるようにプラグ接続口を含んでもよい。この時、有線でバッテリー12を充電できる電気自動車10をプラグイン電気自動車(Plug-in Electric Vehicle、PEV)と称す。ここで、チャージングステーション20は電力網(power grid、50)または電力バックボーン(power backbone)に連結され、電力リンク(power link)を通じて送信コイルが含まれた送信パッド21に交流(AC)または直流(DC)電力を提供することができる。
【0068】
また、チャージングステーション20は有無線通信を通じて電力網(power grid、50)または電力網を管理するインフラ管理システム(infrastructure management system)またはインフラサーバーと通信することができ、電気自動車10と無線通信を遂行できる。ここで、無線通信にはブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)、ジグビー(zigbee)、セルラー(cellular)、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network)等がある。また、例えばチャージングステーション20は電気自動車10所有者の家に付属された駐車場、ガソリンスタンドで電気自動車の充電のための駐車区域、ショッピングセンターや職場の駐車区域などのように多様な場所に位置することができる。
【0069】
ここで、電気自動車10のバッテリー12を無線充電する過程は、まず電気自動車10の受信パッド11が送信パッド21によるエネルギー場(energy field)に位置し、送信パッド21の送信コイルと受信パッド11の受信コイルが互いに相互作用またはカップリングされることによって遂行される。相互作用またはカップリングの結果として受信パッド11に起電力が誘導され、誘導された起電力によってバッテリー12が充電される。また、チャージングステーション20と送信パッド21はその全部または一部をグラウンドアセンブリ(Ground Assembly;GA)と称し、グラウンドアセンブリは前記で定義した意味を参照することができる。
【0070】
また、電気自動車10の受信パッド11と電気自動車の他の内部構成要素の全部または一部をビークルアセンブリ(Vehicle Assembly;VA)と称することができるが、ここでビークルアセンブリは前記で定義した意味を参照することができる。ここで、送信パッドまたは受信パッドは非極性(non-polarized)または極性(polarized)で構成されてもよい。この時、パッドが非極性であればパッドの中央に一つの極があり、外側周辺に反対極を有することができる。ここで、磁束(flux)はパッドの中央から出て行き(exit)、パッドのすべての外側境界から復帰(return)するように形成される。
【0071】
また、パッドが極性である場合、パッドのいずれか一方の端にそれぞれの極を有することができる。ここで、磁束はパッドの方向(orientation)に基づいて形成される。一方、電気自動車の充電のための通信標準文書であるISO15118によると、EVおよびEV充電器はメッセージを交換して全体充電プロセスを制御する。すなわち、車両側通信制御器(EVCC;Electric Vehicle Communication Controller)と電力供給側通信制御器(SECC;Supply Equipment Communication Controller)の間に電気自動車の充電のための通信がなされる。
【0072】
通信する前に、EVはまず充電器が信頼できる運営者が承認した信頼できる施設なのかを確認するためにEV充電器の身元を確認し、無断アクセスから通信を保護するために充電器とセキュリティチャネルを設定する。このような目標はIETF RFC 5246に定義された標準化されたプロトコルTLS(Transport Layer Security)により達成される。TLSセッションはIP基盤の通信連結成立手続き後にTLSセッション設立手続きによって生成される。TLSのセキュリティはEV充電器が属した信頼できる運営者(operator)に対するEVの信頼仮定に依存する。
【0073】
図3は、本発明が適用され得る充電システムでの認証書の構造図である。図3は、ISO15118標準による認証書の構造および関連有効期間の視覚的概要を示す。図3を参照すると、OEMプロビジョニング認証書は全域ルート認証書の下にあるセカンダリーアクターのPKI(public key infrastructure)とは独立的である。OEMプロビジョニング認証書のルート認証書はOEM自体で生成することができるが、V2G(Vehicle to Grid)ルートをモビリティ運営者ルート認証書またはOEMルート認証書に再使用してもよい(点線で表示される)。
【0074】
ISO15118によると、V2G運営者はEV充電インフラにデジタル認証書(digital certificates)を発行する。特に、V2G運営者は自ら署名された認証書(V2G RootCA Cert)を発行するためにV2G RootCA(Root Certificate Authority)500を設定した後、SubCA(Subordinate Certificate Authorities)510に認証書を発行することができる。SubCAはEV充電器または他のSubCAの認証書を発行することができる。
【0075】
図3を参照すると、V2G RootCAからEV-充電器までの経路の間に最大2個のSubCAがある。この時、EV-充電器のリーフ認証書からRootCAによって直接発行された最後のSubCA認証書までの認証書シーケンスをEV-充電器の認証書チェーンと称することができる。EV-充電器の認証書チェーンは2個の認証書(EV-充電器認証書および1個のSubCA認証書)または3個の認証書(EV-充電器認証書、一つのSubCA認証書および他のSubCA認証書)が含まれる。認証書はチェーンに沿って続く認証書によって発行されるが、チェーンの最後の認証書はV2G RootCAによって発行される。
【0076】
身元(identity)を証明するために、EV-充電器はTLSハンドシェイク中に認証書チェーンをEVに渡す。その後、EVは続く認証書の公開キーを使ってチェーンの各認証書の署名を確認する(verifying)ことによって、認証書チェーンの有効性を検査する。この時、EVが最後のSubCA認証書を発行したRootCA認証書をすでに保有していないと、チェーンの最後の認証書の署名を検証することができない。したがって、EVは信頼するV2G運営者に対する一連のV2G RootCA認証書を維持しなければならない。このルート認証書を信頼アンカー(trust anchor)と称することができる。
【0077】
EVメモリ検査によってEVは制限された数のV2G RootCA認証書のみを保存することができる。また、EVがEV使用者に販売された以後には、このような信頼アンカーをアップデートし難い。したがって、EV使用者は信頼できないV2G事業者から認証書の発行を受けたEV充電器で車両の充電ができなくなる状況が発生する。このような状況は、使用者が信頼できるV2G運営者が認証したEV充電インフラがない地域に移動する時にEV使用者に大きな不便を与えかねない。このような問題に対する現在利用可能な唯一のソリューションは、EVを工場に持ち込んで使用者が新しい領域で必要とする新しい信頼アンカーセットを設置するか新しい信頼アンカーセットを取り替えることである。しかし、このような方法は非常に多くの費用を発生させ、不便なだけでなく信頼できる方法とも言えない。
【0078】
本発明ではこのような問題点を解決するために相互認証(Cross-certification)方法を提案する。本発明で相互認証を具現する方法としては、V2G運営者間に相互認証を遂行する方法、V2GおよびOEM間に相互認証を遂行する方法、相互認証仲介人として別途の相互認証ブローカー(例えば、ブリッジ-CA)を置く方法などが使われる。
【0079】
図4aおよび図4bは,本発明の一実施例に係るV2G運営者間の相互認証概念を図示する。図4aを参照すると、V2G運営者間に相互認証契約がある場合、あるV2Gを信頼するEVが、他のV2GのEVSEから充電を受けることができる。また、図4bを参照すると、あるV2Gを信頼するEVが、他のV2GのCPS(Certificate Provisioning Service)により署名された契約認証書を許容することができる。すなわち、あるV2Gを信頼するEVが、他のV2Gの認証書を検証(validate)できることを確認することができる。
【0080】
図5は、本発明の他の実施例に係るV2GおよびOEM間の相互認証概念を図示する。図5を参照すると、V2GおよびOEM間の相互認証が使われる場合、CPO(Charge Point Operator)/CPSがOEM RootCA認証書なしにOEM認証書を検証することができる。
【0081】
本発明に係る相互認証を通じてEVは、EV充電器の認証書チェーンが信頼できるV2G運営者によって発行されなかった場合にもEV充電器の認証書チェーンを検証(validate)することができる。換言すると、EV充電器の認証書チェーンが、EVで発行者の認証書を保有していないSubCA認証書で終わっても、EV充電器は認証書チェーンが信頼できるV2G運営者のうち一つによって認証されたことを表示してEVに知らせることによって、EVが認証書チェーンを検証できるように助けることができる。
【0082】
これは、RFC 5280に定義された検証(validation)プロセスによると、認証書チェーンが署名有効性検査経路に沿って信頼できるV2G RootCA認証書に連結される限り検証が成功するので可能である。図6は、本発明に係るV2G運営者間の相互認証方法の一実施例を示す。図6の実施例では、SECC認証書チェーンがSECC leaf-cert、subCA2-cert、subCA1-certで構成されており、subCA1-certがV2G-A RootCA(図6ではKRV2G RootCA)により署名された場合を仮定する。
【0083】
ここで、SubCA2認証書とSubCA1認証書はCPOに発行された認証書であり、V2Gルート認証書はV2Gルート認証機関が自ら発行した認証書である。また、充電器(SECC)認証書、SubCA2認証書はCPOが発行した認証書である。subCA1認証書およびKOV2Gルート認証書はKOV2Gルート認証機関が発行した認証書である。この時、相互認証が使われない場合、EVがV2G-B RootCA認証書を有するのであれば、subCA1-certの署名はV2G-B RootCAの公開キーを利用して検証することができない。
【0084】
反面、図6に図示された通り、V2G-B RootCA(図6ではDE V2G RootCA)がV2G-A RootCA(図6ではKRV2G RootCA)に対して相互認証書(Cross-cert;x-cert)を発行し、これを認証書チェーンの終わりに追加すれば、EVはチェーンを信頼することができる。より具体的には、EVは、リーフ認証書、subCA2-cert、subCA1-cert、x-certおよびV2G-B RootCA認証書まで順に成功的に追跡するであろうし、信頼されたV2G-B運営者の下の認証書を提示するEV充電器を信頼できることになる。
【0085】
V2G-Bのみを信頼するEVが相互認証を使ってどのようにV2G-Aが運営する充電インフラを活用できるかについてより詳細に説明する。まず、V2G-AはV2G-Bと相互認証を契約することができる。それにより、V2G-B RootCAのCPSは相互認証書CrossB2Aを発行するが、この相互認証書は自身の個人キーでV2G-A RootCAの公開キーおよびID(identity)を署名する。この時、CrossB2Aの満了日はV2G-A RootCAおよびV2G-B RootCAの認証書満了日のうち最もはやい日の以前に設定される。このように生成されたCrossB2A認証書はV2G-A運営者の下のすべてのEV充電器に配布される。
【0086】
その後、V2G-Aの下のあるEV充電器がV2G-Bのみを信頼するEVに会うことになると、例えば、TLS(Transport Layer Security)ハンドシェイク(handshake)のServerHelloメッセージ内にCrossB2A認証書を含む認証書チェーンをのせてEVに伝送することができる。CrossB2A認証書の公開キーはV2G-A RootCA認証書の公開キーと一致するので、EVはCrossB2A認証書で署名した通り、チェーンの最後のSubCA認証書の署名を成功的に検証することができる。EVはCrossB2A認証書が信頼できるV2G-B RootCA認証書によって署名されたことを確認することによって検証手続き(validation procedure)を成功的に完了することができる。
【0087】
図7は、本発明の一実施例に係るV2G運営者間の相互認証での経路検証手続きを概念的に図示する。図7に図示された実施例によると、DE V2G運営者とKR V2G運営者間に相互認証契約を遂行し、DE V2G RootCAが相互認証書CrossB2Aを発行する。この時、相互認証書の発行者(issuer)は「DE...DEV2Groot」であり、対象(subject)は「KR...KRV2GRoot」である。また、相互認証書の対象「KR...KOV2Groot」は相互認証されたルート認証書(KRV2G RootCA Cert.)の対象と一致することを確認することができる。
【0088】
図8aおよび図8bは、本発明に係るV2G運営者間の相互認証方法の他の実施例の概念を示す。本発明に係るV2G運営者間の相互認証方法の他の実施例では、相互認証書をRootCAの代わりに、SubCA1またはSubCA2のようなルートではないCAに発行することができる。すなわち、図8aに図示したように相互認証書をKR V2G RootCAでなくsubCA1に発行する場合、または図8bに図示したように相互認証書をsubCA2に発行する場合が挙げられる。
【0089】
この方法は認証書チェーンの長さをさらに短く維持できるという長所を有する。例えば、ISO15118パート2(2014)はチェーンの長さを3に制限し、ISO15118パート20(2020、進行中)はチェーンの長さを4に制限するので、相互認証SubCAはチェーンの長さを1または2だけ減らすことによってこのような標準の規定を満たすことができる。
【0090】
一方、本発明の他の実施例によると、相互認証は多段階で遂行され得る。例えば、V2G-AはV2G-Bによって相互認証され得、V2G-Bは再びV2G-Cによって相互認証される。この多重レベル相互認証はV2G運営者間の相互運用の柔軟性と拡張性を提供することができる。このような機能の可能な適用例として、相互-認証ブローカーが挙げられる。相互認証ブローカーは様々なV2G運営者と契約を締結して相互に相互認証することができる。その結果、ブローカーと契約を結んだV2G運営者対間の相互運用性を期待することができる。
【0091】
図9a~図9bは、本発明のさらに他の実施例によりブリッジ-CAを利用した相互認証概念を図示する。図9aは、4個のV2Gを仮定する時、これら間に相互認証が遂行されなければならない場合、各V2G間に個別的な相互認証を遂行する代わりに、別途のブリッジCAを利用して相互認証する実施例を図示する。ブリッジCAを使う場合、V2G間の相互運用性を提供し、より多くのV2Gが考慮されなければならない環境でも容易に適用可能な拡張性(scalability)を提供することができる。
【0092】
図9bは、ブリッジCAを利用してシンプルPnCが適用されたシステムに対してもローミングサービスを提供できることを示している。図10は、本発明の電気自動車の充電のための相互認証方法の一実施例のフローチャートである。図10に図示された一実施例は、第1V2Gルート認証機関と信頼関係を形成した充電所事業者(CPO)から電力の供給を受けようとする電気自動車(EV)によって遂行される相互認証方法である。この時、電気自動車は第2V2G(Vehicle to Grid)ルート認証機関と信頼関係を形成していると仮定する。ここで、第1V2Gルート認証機関の運営者は第2V2G(Vehicle to Grid)ルート認証機関の運営者と直接的にまたは中間媒介装置を通じて認証契約を締結することができる。
【0093】
まず、充電を必要とする電気自動車が充電所事業者に充電を要請する(S1010)。この時、充電所事業者は供給デバイス(EVSE)を含むことができる。ここで、充電要請は認証書設置要請(CertificateInstallationReq)メッセージを含むことができ、CertificateInstallationReqメッセージ内のルート認証書IDリストに対する項目「ListOfRootCertIDs」は「[(V2G1、<serial>)]」に設定される。
【0094】
電気自動車は、充電要請に対する応答として充電所事業者から前記充電所事業者が保有する認証書チェーンを受信する(S1020)。ここで、認証書チェーンはCPS認証書チェーン(CPSCertificateChain)であり、認証書設置応答(CertificateInstallationRes)メッセージに含まれる。認証書チェーンを受信した電気自動車は、認証書チェーンの最後の認証書が第2V2Gルート認証機関によって署名されたかを検証する段階を含むことができる(S1030)。より具体的には、電気自動車は相互認証書が第2V2Gルート認証機関によって署名されたかを確認することができる。すなわち、前記認証書チェーンの最後の認証書は第2V2Gルート認証機関によって発行された相互認証書である。
【0095】
相互認証書の公開キーは、前記認証書チェーンで相互認証書を除いた最後の認証書の発行に使われた認証書の公開キーと一致する。この時、前記認証書チェーンで前記相互認証書を除いた最後の認証書を発行した認証機関は、前記第1V2Gルート認証機関または前記CPOである。第2V2Gルート認証機関は前記第1V2Gルート認証機関に対して相互認証書を直接発行してもよく、他の装置(V2Gルート認証機関または中間媒体装置)を利用して間接的に相互認証書を発行してもよい。
【0096】
図11は、本発明の一実施例に係る電力伝送方法のフローチャートである。図11に図示された実施例は、第1V2Gルート認証機関と信頼関係を形成した充電所事業者(CPO)が運営するサーバーまたは充電所事業者が運営する個別供給デバイス(supply device)により遂行される電力伝送方法を示す。ただし、本実施例では説明の便宜のために電力伝送の動作主体を充電所事業者と呼称して説明する。
【0097】
第1V2Gルート認証機関と信頼関係を形成した充電所事業者(CPO)が第2V2Gルート認証機関を信頼するEV(Electric Vehicle)から充電要請を受信する場合(S1110)、充電所事業者は自身が保有する認証書チェーンを前記EVに提供することができる(S1120)。この時、充電所事業者は認証書チェーンをTLS(Transport Layer Security)ハンドシェイクのServerHelloメッセージ内に含んで伝送することができる。電気自動車が認証書チェーンに対する検証を完了すると、充電所事業者は前記認証書チェーンに対する検証結果を前記EVから受信する(S1130)。
【0098】
最後に、充電所事業者は前記検証結果により前記EVに電力を供給することができる(S1140)。ここで認証書チェーンの最後の認証書は第2V2Gルート認証機関によって発行された相互認証書である。相互認証書の公開キーは、前記認証書チェーンで相互認証書を除いた最後の認証書の発行に使われた認証書の公開キーと一致する。この時、前記認証書チェーンで前記相互認証書を除いた最後の認証書を発行した認証機関は前記第1V2Gルート認証機関または前記CPOである。第2V2Gルート認証機関は前記第1V2Gルート認証機関に対して相互認証書を直接発行してもよく、他の装置(V2Gルート認証機関または中間媒体装置)を利用して間接的に相互認証書を発行してもよい。
【0099】
図12は、本発明の一実施例に係る相互認証装置のブロック構成図である。図12に図示された相互認証装置は、第1V2Gルート認証機関と信頼関係を形成した充電所事業者(CPO)に関連づけられた供給デバイス(EVSE)から電力の供給を受けようとする電気自動車(Electric Vehicle)の相互認証装置であり得る。この時、電気自動車は第2V2Gルート認証機関と信頼関係を形成したものと仮定する。
【0100】
相互認証装置100は少なくとも一つのプロセッサ110およびプロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を保存しているメモリ120、および通信モジュール130を含むことができる。プロセッサはメモリに保存されたプログラム命令(program command)を実行することができ、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、グラフィック処理装置(Graphics Processing Unit、GPU)または本発明に係る方法が実行される専用のプロセッサである。メモリは揮発性保存媒体および/または不揮発性保存媒体で構成され、読み取り専用メモリ(Read Only Memory、ROM)および/またはランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)で構成される。
【0101】
通信モジュール130は充電所事業者が提供する電源供給デバイスのSECCと通信するEV通信制御器(EVCC)を含むことができる。ここで、前記少なくとも一つの命令は、前記供給デバイスに充電を要請するようにする命令、前記供給デバイスから前記供給デバイスが保有する認証書チェーンを受信するようにする命令、および前記認証書チェーンの最後の認証書が前記第2V2Gルート認証機関によって署名されたかを検証するようにする命令を含むことができる。
【0102】
前記認証書チェーンの最後の認証書は第2V2Gルート認証機関によって発行された相互認証書である。相互認証書の公開キーは、前記認証書チェーンで相互認証書を除いた最後の認証書の発行に使われた認証書の公開キーと一致する。この時、前記認証書チェーンで前記相互認証書を除いた最後の認証書を発行した認証機関は前記第1V2Gルート認証機関または前記CPOである。
【0103】
第2V2Gルート認証機関は、前記第1V2Gルート認証機関に対して相互認証書を直接発行してもよく、他の装置(V2Gルート認証機関または中間媒体装置)を利用して間接的に相互認証書を発行してもよい。前述した実施例を通じて詳察した本発明の相互認証方法によると、電気自動車充電ネットワークまたはシステムで柔軟な信頼管理が可能である。本発明の実施例に係る動作は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体にコンピュータ読み取り可能なプログラムまたはコードで具現することが可能である。コンピュータ読み取り可能な記録媒体はコンピュータシステムによって読み取り可能なデータが保存されるすべての種類の記録装置を含む。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体はネットワークに連結されたコンピュータシステムに分散されて分散方式でコンピュータ読み取り可能なプログラムまたはコードが保存され実行される。
【0104】
また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体はロム(rom)、ラム(ram)、フラッシュメモリ(flash memory)等のようにプログラム命令を保存し遂行するように特別に構成されたハードウェア装置を含むことができる。プログラム命令はコンパイラ(compiler)により作られるような機械語コードだけでなく、インタープリタ(interpreter)等を使ってコンピュータによって実行され得る高級言語コードを含むことができる。本発明の一部の側面は装置の文脈で説明されたが、それは相応する方法に係る説明も示すことができ、ここでブロックまたは装置は方法段階または方法段階の特徴に相応する。同様に、方法の文脈で説明された側面も相応するブロックまたはアイテムまたは相応する装置の特徴で示すことができる。方法段階のいくつか又は全部は、例えば、マイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータまたは電子回路のようなハードウェア装置によって(または利用して)遂行される。いくつかの実施例において、最も重要な方法段階の一つ以上はこのような装置によって遂行される。
【0105】
実施例で、プログラム可能なロジック装置(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)がここで説明された方法の機能の一部又は全部を遂行するために使われる。実施例で、フィールドプログラマブルゲートアレイはここで説明された方法のうち一つを遂行するためのマイクロプロセッサとともに作動することができる。一般的に、方法は何らかのハードウェア装置によって遂行されることが好ましい。
【0106】
以上、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解できるであろう。
【符号の説明】
【0107】
10 電気自動車
11 受信パッド
12 バッテリー
20 チャージングステーション
21 送信パッド
30 電気自動車充電ケーブル
31 充電コネクター
32 インケーブルコントロールボックス
33 コンセントソケット接続部
40 電力ソケット
50 電力網
100 相互認証装置
500 V2G RootCA
510 SubCA

図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
図10
図11
図12