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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 620
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021104970
(22)【出願日】2021-06-24
(65)【公開番号】P2023003721
(43)【公開日】2023-01-17
【審査請求日】2024-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 桂士
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-193718(JP,A)
【文献】特開2005-211411(JP,A)
【文献】特開2017-000360(JP,A)
【文献】特開2011-206576(JP,A)
【文献】特開2019-195384(JP,A)
【文献】特開2004-202036(JP,A)
【文献】特開2020-072820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行に関連して実行される演出に関する制御を実行可能な制御手段を備える遊技機において、
操作手段への操作に基づいて、前記遊技内の何れかのタイミングで実行される特定種類の演出の出現頻度を変更する制御を実行可能な出現頻度制御手段と、
前記遊技において一の演出が実行された場合に一の演出に対応付いた遊技態様に進行し得ることを演出法則としたときに、一の演出の演出法則に関する報知を実行可能な報知手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記出現頻度制御手段によって前記出現頻度が変更されていない第1状態に制御される場合と、前記出現頻度制御手段によって前記出現頻度が変更されている第2状態に制御される場合とで、前記特定種類の演出に対応した演出法則が変化しないように制御可能とし、
前記報知手段は、
前記出現頻度制御手段によって前記第1状態に制御される場合と、前記出現頻度制御手段によって前記第2状態に制御される場合とで、前記特定種類の演出に対応した演出法則に関する同一の報知を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記出現頻度制御手段によって前記第2状態に制御される場合であって、前記出現頻度の変更対象である演出が出現する場合に、遊技者が認識可能な特定報知を実行可能とする
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記出現頻度の変更対象である演出が、前記第2状態に制御されることに起因して出現する場合には前記特定報知を実行する一方、前記第2状態に制御されることに起因せずに出現する場合には前記特定報知を実行しない
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記出現頻度制御手段は、操作手段への操作に基づいて、前記特定種類の演出とは異なる他演出の出現頻度を変更する制御を実行可能であり、
前記制御手段は、
他演出については、前記出現頻度制御手段によって他演出の出現頻度が変更されていない第1状態に制御される場合と、前記出現頻度制御手段によって他演出の出現頻度が変更されている第2状態に制御される場合とで、他演出についての演出法則が変化するように制御可能である
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記操作手段として、第1操作手段と、第2操作手段と、を備え、
前記実行態様制御手段によって実行態様を変更可能な演出として、第1演出と、第2演出と、を備え、
前記第1演出は、前記第1操作手段への操作に基づいて実行態様を変更可能である一方、前記第2操作手段への操作に基づいて実行態様を変更不能であり、
前記第2演出は、前記第2操作手段への操作に基づいて実行態様を変更可能である一方、前記第1操作手段への操作に基づいて実行態様を変更不能である
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場等に設置される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各種演出を表示部等で行う遊技機があった(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-080953公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態は、遊技の進行に関連して実行される演出に関する制御を実行可能な制御手段を備える遊技機において、操作手段への操作に基づいて、前記遊技内の何れかのタイミングで実行される特定種類の演出の出現頻度を変更する制御を実行可能な出現頻度制御手段と、前記遊技において一の演出が実行された場合に一の演出に対応付いた遊技態様に進行し得ることを演出法則としたときに、一の演出の演出法則に関する報知を実行可能な報知手段と、を備え、前記制御手段は、前記出現頻度制御手段によって前記出現頻度が変更されていない第1状態に制御される場合と、前記出現頻度制御手段によって前記出現頻度が変更されている第2状態に制御される場合とで、前記特定種類の演出に対応した演出法則が変化しないように制御可能とし、前記報知手段は、前記出現頻度制御手段によって前記第1状態に制御される場合と、前記出現頻度制御手段によって前記第2状態に制御される場合とで、前記特定種類の演出に対応した演出法則に関する同一の報知を実行可能であることを特徴とする遊技機の構成にした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の遊技機を手前から見た図、内部構成を示す斜視図である。
図2】第1実施形態の演出カスタム操作部30近傍の構成を示す図である。
図3】第1実施形態の遊技機のブロック図である。
図4】第1実施形態の内部抽選テーブル、配当テーブルを示す図である。
図5】第1実施形態の演出に関するテーブルを示す図である。
図6】第1実施形態の演出に関するテーブルを示す図である。
図7】第1実施形態のRT状態の遷移を説明する図である。
図8】第1実施形態の通常区間、有利区間の遷移、ステージ間の遷移を説明する図である。
図9】第1実施形態の演出カスタム画面を説明する図である。
図10】第1実施形態の演出カスタム画面を説明する図である。
図11】第1実施形態のAT演出Dの当選後の処理のフローチャートである。
図12】第1実施形態の各演出で表示され、各演出に対応したキャラクタを示す図である。
図13】第1実施形態の主表示部17、副表示部18で実行される通常演出C、AT演出Dの演出内容を説明する図である。
図14】第2実施形態の通常演出Aのカスタムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(実施形態)
図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明する。
(第1実施形態)
[遊技機10の構成]
遊技機10は、遊技場等に設置されるスロットマシンである。
図1に示すように、遊技機10は、前面に開口部を有する筐体10bと、開口部を開閉可能に覆う前扉10aとを備える。
図1から図3に示すように、遊技機10は、メダル投入口11、BETボタン12、スタートレバー13、演出ボタン14、停止ボタン15(15L,15C,15R)(停止操作手段)、有利区間ランプ16、主表示部17(出力手段、操作報知手段)、副表示部18(出力手段)、ランプ19、スピーカ20(出力手段)、リール21(21L,21C,21R)(変動表示手段)、ドラムユニット21a、メダル払出装置22、設定ボタン24、演出カスタム操作部30、主制御基板40、副制御基板50を備える。
【0008】
なお、遊技機10は、主制御基板40、副制御基板50にそれぞれ設けられた記憶部、制御部を備え、各種演算処理、各種制御が可能な装置である。遊技機10、主制御基板40、副制御基板50は、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、遊技機10の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
【0009】
メダル投入口11は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口11の内部には、メダルセレクタ11a(メダル検出手段)が設けられている。メダルセレクタ11aは、メダル投入口11に投入されたメダルを検出するセンサ等であり、検出信号を主制御部42(後述する)に出力する。
【0010】
BETボタン12、スタートレバー13、演出ボタン14、停止ボタン15L,15C,15Rは、遊技者が遊技をするために操作する操作部である。
BETボタン12は、掛け数の設定に係る遊技者の操作を受け付け可能な操作手段の一例である。BETボタン12が操作されることにより、それぞれ、掛け数1枚、2枚、3枚が設定される。1枚、2枚、3枚のメダル掛け数によるゲームを、それぞれ1BET遊技、2BET1遊技、3BET遊技ともいう。
スタートレバー13は、リール21を回転し、ゲームを開始するための傾動操作を遊技者から受け付ける。
演出ボタン14は、演出に関する操作を遊技者から受け付ける。演出ボタン14が操作されることにより、例えば、各種情報を示唆、出力等するための演出が実行されたり、演出が切り替わったりする。演出ボタン14の操作を受け付け可能な期間では、表示部17,18等に「演出ボタンを操作してください」等の報知を行ったりする。本実施形態では、演出ボタン14に関する演出の詳細は、省略する。
【0011】
停止ボタン15L,15C,15Rは、リール21L,21C,21Rの停止操作を行うための操作手段の一例である。停止ボタン15L,15C,15Rは、各リール21L,21C,21Rに対応して設けられており、変動表示されている図柄を停止するための操作を受け付け可能である。停止ボタン15L,15C,15Rは、例えば、各ボタンに内蔵されたLED等の発光手段が点灯することにより、押下操作可能な状態となる。
【0012】
有利区間ランプ16は、有利区間(後述する)に滞在中において、点灯するように制御される。なお、遊技機10は、有利区間ランプ16に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
主表示部17、副表示部18、ランプ19、スピーカ20等は、各種情報を出力することにより、報知手段、演出手段等として利用できる。
主表示部17、副表示部18は、液晶表示装置等である。各表示部17,18は、画像による各種演出、遊技における各種情報の表示等を行う。また、主表示部17は、押し順ナビ17L,17C,17Rを表示することにより、停止ボタン15L,15C,15Rの操作順をナビゲート(報知)する。
ランプ19、スピーカ20は、発光、音による演出等を行う。
また、スピーカ20は、主表示部17の押し順ナビ17L,17C,17Rと同様に、停止ボタン15L,15C,15Rの操作順を音出力によりナビゲートする。
【0013】
リール21(21L,21C,21R)は、図柄(識別情報)を変動表示する可変表示手段の一例である。
各リール21L,21C,21Rの周面には、複数(例えば20個)の図柄が表されている。
図柄の種類は、例えば、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「青7(青文字の7)」、「白7(白抜き文字の7)」等である。
ドラムユニット21aは、リール21L,21C,21Rを回転駆動させる装置である。ドラムユニット21aは、筐体10b内部に設けられている。
上記形態により、回転駆動されるリール21L,21C,21Rの周面の一部の図柄が、前扉10aの前面の窓部で視認されることにより、図柄が変動表示される。
なお、可変表示手段の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。また、可変表示手段の形態は、機械的なリールではなく、図柄を液晶表示装置等に表示する形態でもよい。
メダル払出装置22は、ホッパ22aに貯留されたメダルを、メダル払出口22bに払い出す装置である。
【0014】
設定ボタン24は、遊技場の管理者等の選択操作を受け付けることにより、各当選役の当選確率の設定(つまり遊技の有利度合の設定)を、後述する複数段階の設定1~6(複数の確率値(設定値))のなかから選択し、設定するために用いられる。
【0015】
図2に示すように、演出カスタム操作部30は、遊技者が遊技前、又は遊技中に演出のカスタム設定をするため操作部である。演出カスタム操作部30は、遊技機10の前面の操作パネルに設けられている。
演出カスタム操作部30は、発生率信頼度操作部31(第1操作手段)、演出法則操作部32(第2操作手段)を備える。
発生率信頼度操作部31、演出法則操作部32は、プッシュ式の機械的なボタンである。
発生率信頼度操作部31は、十字キー31a、決定ボタン31bを備える。
演出法則操作部32は、初期法則ボタン32a、カスタム法則ボタン32bを備える。
発生率信頼度操作部31は、演出の出現率、信頼度を変更する際に操作される。演出法則操作部32は、演出法則を変更する際に操作される。
発生率信頼度操作部31、演出法則操作部32の操作の詳細は、後述する。
【0016】
図3に示すように、主制御基板40と、メダルセレクタ11a、BETボタン12、スタートレバー13、停止ボタン15、有利区間ランプ16、ドラムユニット21a、メダル払出装置22及び設定ボタン24とは、通信ケーブルで接続されており通信可能である。
主制御基板40は、主記憶部41(記憶手段)、主制御部42(遊技状態制御手段)を備える。
主記憶部41は、遊技に関する遊技プログラム、各種抽選を行うためのテーブル、設定ボタン24によって選択された設定値(選択設定値)等の各種情報等を記憶する。
【0017】
主制御部42は、主記憶部41のプログラムによって動作する。これにより、主制御部42は、遊技機10の遊技の進行に関する処理等を行う。
また、主制御部42は、スタートレバー13等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、主記憶部41に記憶した各種情報の管理、また、メダル払出装置22等の装置を制御することにより、遊技機10の遊技を実現する。
主制御部42の詳細な処理は、後述する。
【0018】
副制御基板50と、演出ボタン14、主表示部17、副表示部18、ランプ19、スピーカ20及び演出カスタム操作部30との間は、通信ケーブルで接続されており通信可能である。
副制御基板50は、副記憶部51、副制御部55(制御手段、出現頻度制御手段)を備える。
副記憶部51は、遊技に関する遊技プログラム、各種抽選を行うためのテーブル等の各種情報等を記憶する。
副制御部55は、主制御基板40の主制御部42から一方向で送信される情報に基づいて、遊技機10の遊技に同期した演出等の処理、制御を行う。副制御部55は、主表示部17、副表示部18,ランプ19、スピーカ20等を制御することにより、映像出力、ランプ発光、ファンファーレ音出力等による演出を行う。これらの出力、演出は、例えば、遊技状態の移行を報知するもの、各遊技状態に対応したもの等である。また、副制御部55は、演出カスタム操作部30の設定に応じて、各種演出を制御する。
副制御部55の詳細な処理は、後述する。
【0019】
(各種テーブル)
図3図6は、第1実施形態の各種テーブルを説明する図である。
テーブル41a,41bは、主制御基板40の主記憶部41が記憶し、テーブル51a~53a,51b,53bは、副制御基板50の副記憶部51が記憶しているが、これらの記憶場所は、適宜変更してもよい。
図3の内部抽選テーブル41a、配当テーブル41bは、各ゲーム実行時に参照される。なお、内部抽選テーブル41aは、3BET遊技に関するものである。説明は省略するが、主記憶部41は、1BET、2BET遊技に関する内部抽選テーブル、配当テーブルも記憶している。
【0020】
内部抽選テーブル41aは、各ゲームにおける各当選役の当選確率を規定する。内部抽選テーブル41aは、各当選役と、当選確率とを対応付けて記憶する。内部抽選テーブル41aは、設定1~6に対応した情報を有する。
内部抽選テーブル41aに示すように、設定は、設定1が最も低設定であり、設定6が最も高設定である。設定は、高設定である程、遊技者にとって有利である。このように、主制御部42は、主記憶部41に記憶した設定値、内部抽選テーブル41aに基づいて抽選処理を行うことにより、遊技の有利度合いを制御可能である。
なお、設定は、5段階以下でも、7段階以上でもよく、また、各種当選役の振り分け率も一部又は全部について同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
配当テーブル41bは、各ゲームにおける停止図柄の組み合わせと、メダル払出枚数とを対応付けて記憶する。
【0021】
図5図6に示すように、副記憶部51は、通常演出テーブル51a、通常時予告Dテーブル51b、CZ演出テーブル52a、AT演出テーブル53a、BB移行予告Eテーブル53bを記憶する。
通常演出テーブル51aは、各通常演出A~Cと、各初期出現率、各初期CZ信頼度、各カスタム後出現率及び各カスタム後CZ信頼度の情報とを対応付けて記憶する。
同様に、CZ演出テーブル52aは、各CZ演出A~Cと、各初期出現率、各初期AT信頼度、各カスタム後出現率及び各カスタム後AT信頼度の情報とを対応付けて記憶する。AT演出テーブル53aは、各AT演出A~Dと、各初期出現率、各初期BB信頼度、各カスタム後出現率及び各カスタム後BB信頼度の情報とを対応付けて記憶する。
【0022】
通常時予告Dテーブル51bは、CZ移行予告Dの出現率に関する情報を記憶する。
BB移行予告Eテーブル53bは、BB移行予告Eの出現率に関する情報を記憶する。
各テーブルの詳細、各テーブル51a~53a,51b,53bを用いた遊技の詳細は、後述する。
【0023】
[遊技機10の基本動作]
主制御基板40の主制御部42、副制御基板50の副制御部55は、以下のように、ゲームの基本動作を行う。
各ゲーム(実施形態では今回ゲームともいう)の開始時には、メダル(クレジットメダルも含む)を用いて掛け数の設定を行う。
掛け数の設定は、メダル投入口11から直接メダルを投入して設定する方法、BETボタン12を押下操作して設定する方法等を有する。
【0024】
メダル投入口11からメダルを投入する方法では、投入分のメダル枚数に対応する所定数の掛け数(ただし、メダル3枚に対応する掛け数「3」が上限)が設定される。
BETボタン12を用いる方法では、BETボタン12が操作される毎に、クレジットメダルから、それぞれ、1枚、2枚、3枚のメダル数が減算され、減算された分が掛け数として設定される。クレジットメダルは、メダル投入口11からのメダル投入や入賞により加算され、内部データとして例えば50枚までクレジット(記憶)することができる。
【0025】
このように設定された掛け数は、主記憶部41に記憶される。そして、掛け数が所定数になったときに、1回の遊技を実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0026】
上記ゲーム開始可能な状態では、スタートレバー13の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー13が傾動操作(ゲーム開始操作)をされると、ゲームが開始される。実施形態では、このようにスタートレバー13の操作が有効な状態で操作されることを、「レバー操作」ともいう。レバー操作に応じて、リール21L,21C,21Rが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役等の複数の当選役(ハズレ役を含む)のなかから今回ゲームの抽選結果をリール21L,21C,21Rの停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。これにより、主制御部42は、遊技媒体を付与するか否かに関して、内部抽選による判定を行う。
内部抽選処理では、複数の当選役のなかから今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。
なお、実施形態では、内部抽選処理は、リール21L,21C,21Rが定常回転に達する前に完了するものとするが、リール21L,21C,21Rが回転を開始する前に完了するようにしてもよい。
【0027】
各リール21L,21C,21Rは、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。このような定常回転に達すると、各リール21L,21C,21Rに対応して設けられた停止ボタン15L,15C,15Rが押下操作可能な状態(停止ボタン操作の有効化)となる。
このような状態において各停止ボタン15L,15C,15Rが押下操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組み合わせで停止するように、各リール21L,21C,21Rが停止制御される。
【0028】
なお、実施形態では、3つのリール21を停止するために3つの停止ボタン15が1回ずつ計3回操作される場合において、操作されるボタンを操作順に第1停止ボタン、第2停止ボタン、第3停止ボタンともいい、第1停止ボタン、第2停止ボタン、第3停止ボタンによって停止されるリール21を、それぞれ第1リール、第2リール、第3リールともいう。また、第1リール、第2リール、第3リールを停止するために各停止ボタンを遊技者が停止操作することを、第1リール停止操作、第2リール停止操作、第3リール停止操作ともいう。さらに、第1リール、第2リール、第3リールを停止するために停止操作された停止ボタンから遊技者の指等が離れたことを検出した時点後のことを、それぞれ第1リール停止操作後、第2リール停止操作後、第3リール停止操作後ともいう。
【0029】
そして、第3リール停止操作後に、入賞ライン上に停止した図柄の組み合わせを判定した結果、所定の図柄の組み合わせであるときに入賞と判定され、図柄の組み合わせに応じた遊技価値が付与される。
【0030】
遊技価値の一例として、小役に対応する図柄の組み合わせの停止により、小役入賞が判定され、メダル払出装置22が駆動制御されることにより、メダル払出口22bに所定数のメダルが払い出される(図4の配当テーブル41b参照)。
なお、メダルの払出は、クレジットメダルの上限数を超える分のみが払い出されるように構成することもできるが、所定のボタン等を事前に操作することにより、入賞が発生するごとに、入賞に対応するメダルが払い出されるように構成することもできる。
【0031】
停止状態では、リール21L,21C,21Rそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が機外から視認可能に停止(「停止表示」ともいう)する。これにより、主制御部42は、上記内部抽選による判定結果に基づく態様で、変動表示している図柄を停止表示可能に制御する。
そして、主制御部42は、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無を判定する。
主制御部42は、中段(上下方向に連続する3つの図柄のうち中央)の入賞ライン上に停止した図柄の組み合わせに基づいて、入賞の判定を行う。なお、入賞ラインは、これに限定されず、例えば、上段、中段、下段3つのラインと斜め2つのラインの計5ラインにしてもよく、また、これら5ラインのうち1以上の任意のラインにしてもよい。
【0032】
(当選役)
当選役は、例えば、「小役」、「リプレイ役」、「ボーナス役」等を有する。
「小役」に対応する図柄の組み合わせは、例えば、ベル役、レア役、チャンス目役、ハズレ役等である。
「ベル役」に対応する図柄の組み合わせは、入賞ライン上の「リール21L(左)・リール21C(中)・リール21R(右)」の順に、「ベル・ベル・ベル」である。
さらに、「ベル役」は、「共通ベル役」、「押し順ベル役1~6」を有する。
「共通ベル役」に当選時には、押し順に関係なく図柄の組み合わせが揃う。「押し順ベル役1~6(後述する)」の何れかに当選時には、押し順に従うことにより図柄の組み合わせが揃う。
【0033】
レア役は、チェリー役、スイカ役を有する。チェリー役の図柄の組み合わせは、「チェリー・ANY・ANY」(ただしANYは任意の図柄)であり、スイカ役の図柄の組み合わせは、「スイカ・スイカ・スイカ」である。
副制御部55は、レア役に当選した遊技では、これらに対応する図柄の画像、又はその図柄を示唆する画像を、主表示部17に表示する。遊技者は、この表示に従って目押しをともなう操作、つまり、主表示部17等に表示された図柄と同じ図柄が入賞ライン上に停止するタイミングで各リール21L,21C,21Rの停止操作をすればよい。主制御部42は、この停止操作に応じて、当選役に対応する図柄の組み合わせを停止表示する。
「チャンス目役」の図柄の組み合わせは、「ベル・スイカ・スイカ」等である。
【0034】
「リプレイ役」に対応する図柄の組み合わせの停止により、リプレイ入賞が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく、すなわち、メダルを費やすことなく遊技可能な状態となる。
「リプレイ役」に対応する図柄の組み合わせは、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」(通常リプレイ)等である。
「ボーナス役」(リプレイ役及びボーナス役の重複)に対応する図柄の組み合わせは、「白7・チェリー・ブランク」等である。この図柄の組み合わせの停止に基づいて、遊技状態は、ボーナス状態に移行する。
【0035】
(押し順)
押し順とは、停止ボタン15L,15C,15Rに対する操作順序である。
実施形態では、押し順をともなう当選役として、押し順ベル役1~6を有する。
以下のように、主制御部42は、内部抽選による判定結果が押し順ベル役1~6であり、且つ、停止ボタン15L,15C,15Rへの操作態様が押し順に従ったものである場合に、ベル役に対応した図柄の組み合わせである「ベル・ベル・ベル」で、図柄を停止表示させる制御を実行する。
【0036】
AT状態(後述する)において「押し順ベル役1~6」に当選した場合には、副制御部55が、主表示部17、スピーカ20を制御することにより、押し順を報知する制御を行う。押し順の報知は、例えば当選役が「押し順ベル役1」であれば、「1」、「2」、「3」の押し順ナビ17L,17C,17Rを左から右に順に主表示部17に表示し(図1(A)参照)、「左」、「中」、「右」の音声をスピーカ20から出力することにより、停止ボタン15の操作順「15L→15C→15R」を報知する。
このように、主表示部17、スピーカ20は、停止ボタン15L,15C,15Rの操作順に関する情報を出力する。
なお、主表示部17、スピーカ20に加えて、又はこれらに代えて、停止ボタン15L,15C,15Rの操作順に点灯するランプ等を設けてもよい。
【0037】
遊技者が、このナビゲートに応じて、停止ボタン15を操作することにより、「押し順ベル役1」に対応する図柄の組み合わせが停止表示され、遊技者に遊技価値(規定枚数のメダルの払い出し、遊技状態の移行等)が付与される。
一方、「押し順ベル役1~6」に当選した場合に、押し順に従わずに、停止ボタン15を操作したときには、「押し順ベル役1~6」に対応する図柄の組み合わせが停止されない。詳細な説明は省略するが、実施形態では、このようなベル取りこぼしの操作がされた場合には、所定の図柄の組み合わせが停止表示し、また、1枚のメダルを払い出すように制御される。
【0038】
[遊技機10の遊技の流れ]
図7は、第1実施形態のRT状態の遷移を説明する図である。
第1実施形態の遊技機10の遊技の流れの一例を説明する。
主制御基板40の主制御部42、副制御基板50の副制御部55は、遊技機10を、複数の遊技状態に制御可能であり、各遊技状態における各種処理、遊技状態間の移行の制御(単に「移行」ともいう)等を、以下のように行う。
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行時点は、基本的に、移行条件が成立したゲームの第3リール停止操作後である。但し、これに限定されず、移行条件が成立後、次ゲームから移行してもよい。
【0039】
(RT状態、ボーナス状態)
図7に示すように、遊技状態は、RT0状態、RT1状態(ボーナス移行待機状態)、ボーナス状態の間で移行可能に制御される。なお、本実施形態のRT状態は、2つであるが、1つ又は3つ以上であってもよい。
RT状態、ボーナス状態は、遊技機10の基本的な遊技状態である。
RTは、リプレイタイムの略称である。本実施形態のRT状態は、リプレイ役の当選確率が定められたRT0状態、RT1状態を有する。
図3の内部抽選テーブル41aに示すように、RT0状態は、ボーナス役が当選可能である。ボーナス状態は、例えば、共通ベル役のみが当選する遊技状態である。
RT0には、設定リセット後、RAMクリア後等に制御される。
RT0状態からRT1状態へは、ボーナス役に当選したことに基づいて移行する。
このため、RT1状態は、ボーナス役に内部当選した状態である。
RT1状態のうちボーナス役に内部当選した状態において、3BET遊技することにより、ボーナス役に対応した図柄の組み合わせである「白7・チェリー・ブランク」が停止すると(ボーナス役入賞)、これに基づいてボーナス状態に移行する。
【0040】
ボーナス状態からRT0状態へは、ボーナス状態滞在中において、ボーナス状態の終了条件が成立したことに基づいて移行する。ボーナス状態の終了条件は、メダルの払い出し枚数が40枚を超えることである。ボーナス状態滞在中には、3BET遊技で共通ベル役のみが当選する。このため、6回の3BET遊技が実行されるとメダルが48枚(8枚払出×6回)が払い出され、RT0状態に移行することになる。
【0041】
上記処理によって、遊技機10は、基本的に、RT1状態のうちボーナス役に内部当選した状態で遊技が行われる仕様になっている。
すなわち、仮に、ボーナス役に当選しても、その報知が行われないので、遊技者は、ボーナス役に対応した図柄を停止表示させることが困難である。また、ボーナス状態に移行しても、獲得メダルの増加の期待が低いので、通常、遊技者は、ボーナス状態への移行を狙った遊技を行わない。
また、遊技機10は、店舗の開店前等に、店員等がRT0状態に滞在中においてボーナス役に内部当選した状態で、準備されるといった運用を想定している。遊技者は、この状態でも、獲得メダルの増加の期待が低いボーナス役の入賞を狙わない。また、遊技機10は、後述するように、RT1状態のうちボーナス役に内部当選した状態で3BET遊技をすることにより、各ステージでの遊技が進行し、さらに、ステージ間を移行する仕様である。
このため、遊技機10は、基本的に、RT1状態のうちボーナス役に内部当選した状態で、ボーナス役には入賞させずに、遊技させる遊技性を有する。
【0042】
(通常区間、有利区間)
図8は、第1実施形態の通常区間、有利区間の遷移、遊技状態の遷移を説明する図である。
図8に示すように、遊技機10の遊技区間は、通常区間、有利区間を有する。なお、図8に示す各ステージの詳細な説明は、後述する。
通常区間は、通常ステージ滞在中の遊技区間である。なお、この場合の通常ステージは、設定変更後、同一設定打ち直し後、RAMクリア後の遊技、ATステージの終了後の遊技である。
【0043】
有利区間は、通常区間から移行後の通常ステージ(つまり、遊技状態は、通常ステージに継続して滞在した状態で、通常区間から有利区間へ移行可能である)、通常ステージから移行後のステージ(CZステージ、ATステージ)に滞在中の遊技区間である。
通常区間から有利区間への移行条件は、通常区間滞在中において、RT1状態の滞在中に、ハズレ役以外の役に当選したことである。ハズレ役以外の役に当選した場合は、当該当選ゲームの第3リール停止操作後に、通常区間から有利区間に移行する。
有利区間から通常区間への移行条件は、ATステージから通常ステージへ移行したことである。
また、主制御部42は、遊技状態がいずれの状態であっても有利区間リミッタに到達した場合、つまり、有利区間における差枚数が2400枚に到達、又は有利区間におけるゲーム回数が1500Gに到達した場合に、有利区間を強制的に終了する。
【0044】
(AT状態、非AT状態)
ATは、アシストタイムの略称である。AT状態は、ATに制御される状態であり、非AT状態は、非ATに制御される状態である。AT状態は、押し順ベル役1~6の当選時において、停止ボタン15L,15C,15Rの操作順が報知されることにより、押順ベル役の入賞をアシストする遊技状態である。
非AT状態は、各ゲームの抽選結果が押し順ベル役1~6であっても、停止ボタン15L,15C,15Rの押し順が、報知されない。このため、遊技者は、基本的に押し順ベル役に対応した図柄の組み合せを、停止表示させることが困難である。
このため、AT状態中は、非AT状態中に比べて出玉スピードが速くなる。そのため、遊技機10の遊技性は、基本的に、遊技者がAT状態に長時間滞在するような遊技を狙って、出玉を増やすといったものになる。
【0045】
(遊技の流れ)
図8を参照しながら、遊技の流れの詳細を説明する。
なお、実施形態では、ゲーム回数、ゲームが実行されること等を適宜「G」ともいう。
主制御部42は、通常区間及び有利区間の移行制御と、前述したRT0状態、RT1状態及びボーナス状態間の移行制御と、図8に示す各ステージ間の移行制御とを、独立して行うことができる。但し、前述したように、本実施形態の遊技は、基本的に、RT1状態で行われるため、各ステージの遊技は、基本的に、RT1状態に滞在した状態で行われる。
【0046】
図8に示すように、ステージ(遊技状態)は、通常ステージ(通常遊技状態)、CZステージ、ATステージ(特別遊技状態)、疑似ボーナスに大きく分けられる。
なお、実施形態では、詳細な説明を省略するが、各ステージから他ステージに移行する際には、前兆戦となる前兆ステージを介してもよい。また、このような前兆ステージでは、その後に移行するステージの遊技情報を予告してもよい。例えば、通常ステージからCZステージに移行する際の前兆ステージでは、CZステージの有利度(CZステージからATステージへの移行のしやすさの度合い)に関する情報を報知してもよい。
基本的な遊技の流れは、通常ステージから、CZステージ、ATステージの順に移行後、ATステージから通常ステージに戻るといったものである。また、CZステージからは、ATステージに移行するか、又はCZステージから通常ステージに移行する。
【0047】
通常ステージ、CZステージは、非AT状態である。このため、これらの遊技状態に滞在中には、獲得メダルが増加しにくい。
ATステージ、疑似ボーナスは、AT状態である。このため、遊技者は、ATステージ移行後にATステージに長く滞在すること、疑似ボーナスに多くの回数移行することによりメダルを大量獲得することができる。
そのため、遊技者は、通常ステージから遊技を開始して、まずは、CZステージに移行することを狙う。その後、遊技者は、CZステージにおいて、通常ステージに移行せずかつATステージに移行することを狙い、さらに、移行後のATステージに、より長く滞在することを狙って遊技することになる。
【0048】
なお、遊技状態の移行制御は、図8に示す態様に限定されず、適宜変更してもよい。例えば、通常ステージに滞在中において、前兆ステージへの移行確率よりも、低確率でATステージへ移行するようにしてもよい。また、通常ステージに滞在中において、疑似ボーナスに移行できるようにしてもよい。
【0049】
(各ステージの詳細)
以下、各ステージの詳細を説明する。
(通常ステージ)
通常ステージ滞在中は、有利区間移行後において、例えばベル役、レア役に当選時にCZステージへの移行抽選を行う。CZステージへの移行抽選の当選確率は、例えば、ベル役、レア役当選時の32/256等である。
通常ステージからCZステージへの移行条件は、上記抽選に当選することであるが、これに加えて、有利区間消化ゲーム数が700Gに到達すること等の条件を加えてもよい。なお、CZステージへの移行確率は、高設定である程、高確率であるように制御される。このため、高設定である程、遊技者にとって有利である。
【0050】
後述するように、副制御部55は、通常ステージに滞在中には、通常演出等に関する制御を行う。
【0051】
(CZステージ)
CZステージは、ATステージへの移行をかけた遊技を進行するステージである。
CZステージからATステージへの移行条件は、例えば、以下の条件のいずれかである。なお、ATステージへの移行確率は、高設定である程、高確率であるように制御される。このため、高設定である程、遊技者にとって有利である。
・敵キャラクタと対戦し勝利すること
すなわち、CZステージは、敵キャラクタと対戦するような演出が行われる。この場合、例えば、ベル役に当選する毎に、敵キャラクタの体力を徐々に減少させるような演出をしてもよい。そして、敵キャラクタに勝利することにより、ATステージに移行する。一方、敵キャラクタに敗北すると、通常ステージに移行する。
【0052】
・ATステージへの直接移行の抽選に当選すること
主制御部42は、上記敵キャラクタとの対戦にかかる移行処理の他に、ATステージへの直接移行の抽選処理を行う。なお、主制御部42は、前述した前兆ステージ等においてこの直接移行の抽選処理を行うためのアイテムの獲得抽選を行い、このアイテムを獲得していた場合にこの直接移行の抽選処理を行うようにしてもよい。
【0053】
CZステージにおいて、上記AT移行条件を満たした場合には、CZステージの最終ゲーム終了に応じてATステージに移行し、一方、上記移行条件を満たさなかった場合には、CZステージの最終ゲーム終了に応じて通常ステージに移行する。
【0054】
後述するように、副制御部55は、CZステージに滞在中には、CZ演出に関する制御を行う。
【0055】
(ATステージ)
ATステージは、例えば、所定回数(例えば20G)のゲーム、所定差枚数の払い出し等を1セットとして、複数セット継続可能な遊技であり、最大10セットまで継続可能な遊技である。ATステージは、AT状態に制御されるため、ATステージに長期間滞在する程、つまり、セットの継続回数が多い程、払い出しメダル数が多くなる。
なお、セットが継続する仕様は、10セット継続することに限定されず、適宜変更することができ、例えば、有利区間が終了するまでセットを継続すること等のようにしてもよい。
【0056】
ATステージからの移行先は、疑似ボーナス又は通常ステージである。
各セットに滞在中には、次セットへの継続抽選処理と、疑似ボーナスの抽選処理とが行われる。次セットへの継続抽選に当選した場合には、各セットの最終ゲーム終了後に、次セットの遊技が開始される。
【0057】
後述するように、副制御部55は、ATステージに滞在中には、AT演出等に関する制御を行う。
【0058】
(疑似ボーナス)
疑似ボーナスは、AT状態に制御されるので、遊技者にとって有利である。また、疑似ボーナスは、RBステージと、RBステージよりも遊技者にとって有利なBBステージの2種を有する。
すなわち、BBステージは、RBステージよりも、獲得できる差枚数が多い仕様であったり、ゲーム数が多い仕様である。さらに、例えば、BBステージは、ATステージのセット数の上乗せ抽選の当選率を、BBステージ滞在中、ATステージの各セットの滞在中等よりも高くすることにより、有利な仕様としてもよい。
【0059】
ATステージ滞在中において、BBステージの当選確率は、例えばレア役当選時の5%等であり、RBステージの当選確率は、例えばレア役当選時の20%等である。
主制御部42は、疑似ボーナスへ移行することが当選した場合には、このゲームの第3停止操作後、遊技状態を疑似ボーナスに移行する。また、主制御部42は、疑似ボーナスに移行することに応じて、ATステージの各種カウンタ(1セットにおける差枚数のカウンタ、1セットにおけるゲーム回数のカウンタ)を、疑似ボーナスに移行したセットに戻るまで、つまり、ATステージに戻るまで停止する。
【0060】
(通常ステージへの移行)
主制御部42は、以下の条件のいずれかを満たした場合には、ATステージから通常ステージに移行する。
・各セットにおいて次セットへの抽選が非当選であり、そのセットにおける遊技が終了したこと
・10セット目の遊技が終了したこと(つまりATステージを完走したこと)
通常ステージに移行する際には、リザルトステージ、つまり、ATステージの遊技結果(差枚数量等)を報知するステージ等を経由してもよい。
なお、主制御部42は、ATステージ滞在中において、有利区間の上記終了条件を満たした場合にも、有利区間を強制的に終了し、かつ、通常ステージに移行する。
【0061】
[演出のカスタム設定]
図9図10は、第1実施形態の演出カスタム画面60を説明する図である。
副制御部55は、遊技者による演出カスタム操作部30の操作(実施形態ではカスタム操作ともいう)を受け付けて、通常ステージ、CZステージ、ATステージで行われる演出に関する設定をカスタムする。
実施形態では、カスタムの用語は、主に仕様を変更して設定する意味(つまりカスタマイズ)で用いる。
詳細な説明は省略するが、副制御部55は、遊技機10で遊技が行われない状態が所定時間(例えば数分間)継続した場合、演出カスタム画面60を主表示部17に表示する。また、副制御部55は、遊技が行われない間に表示されるデモストレーション画面の表示中、遊技中等であっても、演出カスタム操作部30のいずれかのボタンが操作された場合には、演出カスタム画面60を表示する。このため、副制御部55は、任意のタイミングで、カスタム操作を受け付けることができる。演出カスタム画面60は、適宜、上下方向、左右方向にスクロールできるようにしてもよい。
【0062】
通常ステージ、CZステージに関しては、これらのステージでそれぞれ実行される通常演出A~C(第1演出)、CZ演出A~C(第1演出)の出現率(出現頻度)、信頼度をカスタマイズできる。
ATステージに関しては、ATステージで実行されるAT演出A~C(第1演出)の出現率、信頼度に加えて、AT演出D(第2演出)の演出法則をカスタマイズできる。
なお、実施形態のカスタムは、一例であって、他の演出(例えば、ATステージにおける上乗せ抽選に関する演出等)をカスタムできるようにしてもよい。
【0063】
(通常演出カスタム画面61a)
通常演出カスタム画面61aは、行及び列で構成されるテーブルを表示する。
行には、通常演出A~Cが配置される。列には、初期出現率、初期CZ出現率、カスタム後出現率、カスタム後信頼度が配置される。
通常演出カスタム画面61aの初期出現率、初期CZ出現率は、副制御部55によって、通常演出テーブル51aから読み出されたものである。すなわち、副制御部55は、通常演出テーブル51aから初期出現率、初期CZ信頼度の情報を読み出して、通常演出カスタム画面61aの通常演出A~Cの初期出現率、初期信頼度の情報を表示する。
カスタム後出現率、カスタム後信頼度は、遊技者によって、設定されたものである(設定操作は、後述する)。
これにより、通常演出カスタム画面61aは、通常演出A~Cと、初期出現率、初期CZ出現率、カスタム後出現率、カスタム後信頼度とを対応付けた情報を表示する。
【0064】
出現率は、各ステージにおいて、レバー操作に応じて、各演出が実行され得る確率を示す。例えば、通常演出Cの初期出現率は、通常ステージ滞在中の5%であるので、レバー操作に応じて5%の確率で実行され、つまり、通常演出Aは、通常ステージ滞在中のゲーム100回あたり5回の確率で実行される。
初期出現率は、初期設定(デフォルト)の出現率である。カスタム後出現率は、遊技者によってカスタムされた出現率である。
【0065】
信頼度は、各演出が実行された際に、遊技者にとって有利なステージ(遊技状態)へと移行できる信頼性である。実施形態では、信頼度は、遊技者にとって有利な遊技状態へと移行する移行確率を表す。通常ステージの通常演出A~Cの信頼度は、各通常演出A~Cが実行された場合におけるCZステージへの移行確率(つまりCZステージへの移行抽選に内部当選している確率)を示す。例えば、通常演出Aの信頼度は、5%であるので、通常演出Aが実行された際のCZステージへの移行確率は、5%である。
初期信頼度は、初期設定(デフォルト)の信頼度である。カスタム後信頼度は、後述するように、遊技者によってカスタムされた信頼度である。
【0066】
(通常時予告D)
通常時予告Dの出現率は、遊技者が直接的にカスタムできないが、以下説明するように、通常演出Cのカスタムに連係してカスタムされる。
通常時予告Dは、通常演出Cの実行前の時点で、「通常演出Cが出現すればチャンスだ」といった説明が表示される演出である(図13(A)参照)。つまり、通常演出C及び通常時予告Dは、対応付いた演出である。
副制御部55は、通常演出Cが当選した場合には、さらに、通常時予告Dを実行するか否かの抽選を行う。
【0067】
図5の通常時予告Dテーブル51bに示すように、通常演出Cの当選時に通常時予告Dが当選する確率は、10%である。
ここで、通常演出Cが実行される初期出現率は、レア役当選時の5%であるので、最終的に通常時予告Dが実行される確率は、初期設定ではレア役当選時の0.5%である。
一方、図9は、カスタム操作によって通常演出Cのカスタム後出現率が20%(つまり4倍)に増加された例である。副制御部55は、この場合には、このカスタム設定に連係させて、通常時予告Dテーブル51bのレア役当選時のカスタム後出現率に示すように、通常時予告Dが実行される確率を、レア役当選時の2%(つまり4倍)に増加する。通常時予告Dが当選する確率は、初期設定及びカスタム設定の両方とも、通常演出Cの当選時の10%だからである。
このように、遊技機10は、通常時予告Dの制御を、通常演出Cのカスタム設定に連係して変化させることができる。
なお、通常演出A,Bも、通常演出C及び通常時予告Dと同様に、対応付いた予告演出を有していてもよい。
【0068】
(CZ演出カスタム画面62a、AT演出カスタム画面63a)
CZ演出カスタム画面62a、AT演出カスタム画面63aは、通常演出カスタム画面61aと同様に作成される。
但し、CZ演出カスタム画面62aの信頼度は、各CZ演出A~Cが実行された場合におけるATステージへの移行確率(つまりATステージへの移行抽選に内部当選している確率)を示す。また、AT演出カスタム画面63aは、各AT演出A~Cが実行された場合におけるBBステージへの移行確率(つまりBBステージへの移行抽選に内部当選している確率)を示す。
【0069】
なお、CZ演出A~C、AT演出A~Cも、通常演出C及び通常時予告Dと同様に、対応付いた予告演出を有していてもよい。
【0070】
(各演出カスタム画面61a~63aの操作)
遊技者は、演出カスタム操作部30の十字キー31aを操作することにより主表示部17に表示されたポインタ60aで増減ボタン(2つの三角形の表示)を選択後、決定ボタン31bを操作することにより、カスタム設定をすることができる。
例えば、通常演出Aの出現率の増加ボタンがポインタ60aで選択された状態で決定ボタン31bが操作されることにより、副制御部55は、通常演出Aの出現率表示を増加させる。また、通常演出AのCZ信頼度が同様に操作されることにより、副制御部55は、通常演出AのCZ信頼度を増加させる。
【0071】
(AT演出Dの演出法則カスタム画面63b)
副制御部55は、AT演出Dについては、演出法則のカスタム操作を受け付ける。演出法則は、各演出の実行後における遊技の進行の法則である。AT演出Dの演出法則は、初期法則、カスタム法則の2種を有する。これらの法則の内容は、以下の通りである。
【0072】
(初期法則)
初期法則は、AT演出Dの実行後には、次ゲームにおいて、100%の確率でBBステージに移行するものである。
つまり、AT演出Dが実行された場合は、AT演出Dが実行されたゲームの次ゲームからBBステージへ移行することが確定した状態(AT演出Dが実行されたゲームにおいてBBステージへの移行抽選に内部当選した状態)である。
【0073】
(カスタム法則)
カスタム法則は、AT演出Dの実行後には、次ゲームにおいて、100%の確率で疑似ボーナスステージに移行するものである。
つまり、AT演出Dが実行された場合は、AT演出Dが実行されたゲームの次ゲームから、BBステージ及びRBステージのいずれか1つに移行する状態(AT演出Dが実行されたゲームにおいてBBステージ又はRBステージへの移行抽選に内部当選した状態)である。
【0074】
遊技者は、演出法則操作部32を操作することにより、AT演出Dの演出法則を設定できる。
図2に示すように、副制御部55は、現時点で設定されている法則のボタンを点滅させ、また、演出法則カスタム画面63bには、現時点で設定されている法則の行の太線枠で表示する。図10の例では、カスタム法則が設定されているので、カスタム法則ボタン32bが点滅し、演出法則カスタム画面63bのカスタム法則の行が太線枠で表示されている。
遊技者は、所望の演出法則が既に設定されている場合には、演出法則操作部32を操作する必要はない。一方、遊技者は、所望の演出法則が設定されていない場合には、所望の演出法則の法則選択ボタンを操作することにより、所望の演出法則に変更することができる。
遊技者は、例えば、図2の場面で、カスタム法則から初期法則に変更した場合には、初期法則ボタン32aを操作すればよい。副制御部55は、この操作を受け付けた場合には、点滅するボタンを初期法則ボタン32aに変更し、また、演出法則カスタム画面63bの太線枠を初期法則の行に変更する。
【0075】
ここで、初期法則では、AT演出Dは、BB移行当選時(BBステージへの移行抽選が当選であるとき)にのみ実行されるため、副制御部55は、RB移行当選時(RBステージへの移行抽選が当選であるとき)にはAT演出Dを実行しないように制御する。これは、AT演出Dを実行後にRBステージに移行してしまった場合には、AT演出Dの演出法則(100%の確率でBBステージに移行すること)に矛盾するからである。
一方、カスタム法則では、AT演出Dは、BB移行当選時に加えてRB移行当選時にも実行されるため、副制御部55は、AT演出Dを実行後にRBステージに移行しても、このような矛盾はない。
このため、AT演出Dの出現率は、カスタム法則に設定されることにより、初期法則よりも向上する。すなわち、副制御部55は、初期設定からカスタム法則に変更されることにより、AT演出Dの出現率を変化させる。図6のAT演出テーブル53a、図10の演出法則カスタム画面63bの例では、AT演出Dの出現率は、10%(初期出現率)から20%(カスタム後出現率)に向上してる。
【0076】
AT演出Dの出現率を向上する制御は、種々の方法を用いることができ、一例として、以下のような2つの方法を用いることができる。
(方法1)
初期法則では、AT演出Dに当選した場合に、以下(a)、(b)のいずれかの条件を満たすときにAT演出Dを実行する。
(a)BBステージへの移行抽選が当選である場合
(b)疑似ボーナス(BBステージ、RBステージ)への移行抽選が非当選である場合
つまり、
(c)AT演出Dに当選した場合であっても、RBステージへの移行抽選が当選である場合
には、AT演出Dを実行しない。
【0077】
一方、カスタム法則では、AT演出Dに当選した場合に、上記(a)、(b)、(c)のいずれかの条件を満たすときにAT演出Dを実行する。
このため、AT演出Dの出現率は、カスタム法則の方が初期法則よりも、上記(c)に関する部分だけ、増加する。
【0078】
(方法2)
初期法則では、BB移行当選時にのみ、AT演出Dを実行するか否かの抽選を行う。
一方、カスタム法則では、BB移行当選時に加えて、RB移行当選時にも、AT演出Dを実行するか否かの抽選を行う。
このため、AT演出Dの出現率は、カスタム法則の方が初期法則よりも、「RB移行当選時にも、AT演出Dを実行するか否かの抽選に当選した部分」だけ、増加する。
【0079】
(BB移行予告E)
BB移行予告Eの出現率は、遊技者が直接的にカスタムできないが、以下説明するように、AT演出Dのカスタムに連係してカスタムされる。
BB移行予告Eは、「AT演出Dが出現すればBB移行確定だ」といった予告説明が表示される演出である(図13(B)参照)。つまり、AT演出D及びBB移行予告Eは、通常演出C及び通常時予告Dと同様に、対応付いた演出である。
ここで、AT演出Dがカスタム法則に設定された状態では、AT演出Dが実行された後には、BBステージに移行する場合のみではなく、RBステージに移行する場合がある。このため、副制御部55は、AT演出Dがカスタム法則に設定された場合には、BB移行予告Eを実行しない。BB移行予告E及びAT演出Dの両方を実行後にRBステージに移行してしまうと、BB移行予告Eの予告説明と、AT演出Dを実行後の遊技の流れとが、矛盾してしまう場合があるからである。
【0080】
なお、詳細は後述するが、副制御部55は、AT演出Dが当選した場合には、さらに、BB移行予告Eを実行するか否かの抽選を行う。AT演出Dの当選時にBB移行予告Eが当選する確率は、10%である(BB移行予告Eテーブル53b参照)。
ここで、AT演出Dの初期出現率は、10%であるので(AT演出テーブル53a参照)、最終的にBB移行予告Eが実行される確率は、初期設定ではレア役当選時の0.5%である(BB移行予告Eテーブル53b参照)。
一方、カスタム法則にカスタム設定されている場合には、前述したように、BB移行予告Eは、実行されないので、BB移行予告Eのカスタム後出現率は、0%である。
このように、遊技機10は、BB移行予告Eの制御を、AT演出Dのカスタム設定に連係して変化させることができる。
【0081】
(カスタムの確定操作)
遊技者は、前述したカスタム操作の内容を確定し、遊技を開始したい場合には、十字キー31aを操作することにより演出カスタム画面60の確定ボタン60bを選択し、決定ボタン31bを操作すればよい。
図示は省略するが、この場合、副制御部55は、演出法則が初期法則である場合には、「演出法則は変更ありません」という説明を主表示部17等に表示してから、遊技画面(遊技実行の画面)を表示する。これにより、遊技機10は、カスタム設定後に遊技法則が初期法則から変わっていないことを明確に遊技者に報知することができ、遊技者に安心感を与えることができる。
【0082】
一方、副制御部55は、演出法則がカスタム法則である場合には、「AT演出Dの演出法則は、カスタム法則です」という説明を主表示部17等に表示してから、遊技画面を表示する。これにより、遊技機10は、AT演出Dがカスタム設定に制御されることを、遊技者に明確に報知することができる。
【0083】
なお、副制御部55は、このような法則の設定の明示的な説明を表示しなくてもよい。
すなわち、例えば、通常演出Cのカスタムの有無に関わらず、通常時予告Dの実行時には「通常演出Cが出現すればチャンスだ」といった演出法則の説明が表示される。このため、法則の設定の明示的な説明を表示しなくても、遊技者は、通常演出Cの演出法則は、初期設定である場合と、カスタム設定された場合とで共通であることを認識できるからである。
【0084】
また、副制御部55は、確定ボタン60bの決定の操作に応じて、カスタム後の操作を反映して、図5図6の各テーブル51a~53a,51b,53bの情報を更新する。
例えば、通常演出テーブル51aの通常演出Cのカスタム後出現率は、カスタム操作によって、初期出現率の5%から20%に増加している。通常演出A~Cの他のカスタム後出現率及びカスタム後CZ当選率は、初期出現率及び初期当選率と同じである。
通常時予告Dテーブル51bのカスタム後レア役当選時は、前述したように、通常演出Cのカスタム操作に応じて、初期出現率0.5%から2%に増加している。
【0085】
[各演出の実行処理]
図11は、第1実施形態のAT演出Dの当選後の処理のフローチャートである。
図12は、第1実施形態の各演出で表示され、各演出に対応したキャラクタを示す図である。
図13は、第1実施形態の主表示部17、副表示部18で実行される通常演出C、AT演出Dの演出内容を説明する図である。
(通常演出A~Cの遊技中の制御)
副制御部55は、通常ステージに滞在中には、レア役に当選時に、演出抽選処理を行う。この抽選処理において、実行する通常演出を通常演出A~Cのなかから抽選で決定し、また、通常演出A~Cのいずれも非当選であった場合には、通常演出A~Cは、いずれも実行されない。
【0086】
演出抽選処理は、通常演出テーブル51aのカスタム後の情報に基づいて行われる。
図5図9に示すように、出現率、信頼度のカスタム設定がされていない場合には、通常演出テーブル51aのカスタム後出現率及び初期出現率は、同じ数値であり、また、カスタム後信頼度及び初期信頼度は、同じ数値である(通常演出A,B参照)。このため、副制御部55は、初期出現率及び初期信頼度と同じ情報に基づいて、演出抽選処理を実行する(第1状態)。
一方、通常演出Cのように、出現率がカスタム設定されている場合には、通常演出テーブル51aの通常演出Cのカスタム後出現率は、カスタム後の20%が記憶される。この場合には、副制御部55は、通常演出Cの当選確率を、20%にして、演出抽選処理を実行する(第2状態)。
【0087】
つまり、通常演出Cは、初期設定では、レア(希少度が高い)な演出であるため、他の演出に比べると実行される確率が少ない。遊技者は、通常演出Cの出現率を20%にカスタムすることにより、レアな演出である通常演出Cを出現しやすくできる。これにより、遊技者は、通常演出Cを容易に出現させて、通常演出Cの演出を楽しむことができる。
なお、上記例は、出現率がカスタム設定された例であるが、信頼度がカスタム設定された場合にも同様に、副制御部55は、カスタム後の信頼度に基づいて、演出抽選処理を実行する。
【0088】
この抽選処理は、一定範囲の整数(実施形態では一例として1~100の数値とする)のなかから1つをランダムに選択し、その選択された数値に基づいて決定する。つまり、副制御部55は、1~100の範囲で乱数を生成する。
なお、図5図6に示す演出テーブル51a~53aのうち、通常演出テーブル51aにのみ対応する乱数を併記した。
通常演出テーブル51aの例では、初期設定では、通常演出A(初期出現率30%)は、生成された乱数が1~30の場合に当選し、通常演出B(初期出現率10%)は、生成された乱数が31~40の場合に当選し、通常演出C(初期出現率5%)は、生成された乱数が41~45の場合に当選する。
一方、カスタム設定後では、通常演出A,B(カスタム後出現率30%,10%)については、初期設定と同様であり、通常演出C(カスタム後出現率20%)は、生成された乱数が41~60の場合に当選する。
そして、副制御部55は、上記抽選により決定した通常演出を実行する。
【0089】
以下、通常演出Cを例にして、通常演出A~Cの処理を説明する。
通常演出Cは、遊技機10の仕様によるが、例えば、レバー操作後のそのゲームで実行されても、数G間に渡って実行されてもよい。ここでは、レバー操作後のそのゲームで実行される例を説明する。
【0090】
(通常時予告Dの遊技中の制御)
副制御部55は、上記抽選処理により通常演出Cが当選した場合には、通常時予告Dを実行するか否かの抽選を行う。通常時予告Dテーブル51bに示すように、通常時予告Dの当選確率は、通常演出Cの当選時の10%である。
図13(A)に示すように、副制御部55は、通常時予告Dの演出実行が当選であった場合には、レバー操作後、「通常演出Cが実行されればチャンスだ」という説明を主表示部17に表示することにより通常時予告Dを実行する。一方、副制御部55は、通常時予告Dの演出実行に非当選であった場合には、通常時予告Dを実行しない。
【0091】
そして、図13(B)に示すように、副制御部55は、第1停止操作を受け付けることに応じて、キャラクタC1を主表示部17に表示することにより、通常演出Cを実行する。
なお、通常演出Cの実行は、第1停止操作後に限定されず、第2又は第3停止操作後でもよい。
【0092】
上記抽選処理において、カスタム設定された状態(第2状態)で通常演出Cが当選した場合、生成された乱数が41~45であるときは初期出現率に起因し、一方、生成された乱数が46~60であるときはカスタム後出現率に起因する。つまり、これら2つの演出が同じ通常演出Cであっても、カスタム後出現率に起因する通常演出Cは、カスタム設定の変更対象として出現したものである。
図13(A)に示すように、副制御部55は、通常演出Cを実行する場合に、カスタム後出現率に起因するときには星のイラスト4を副表示部18に表示する(特定報知)。なお、副制御部55は、通常演出Cの実行が初期出現率に起因する場合(又は通常演出Aがカスタムされていない場合)、星のイラスト4の表示を行わない。
これにより、遊技者は、通常演出Cをカスタムした場合において、通常演出Cが実行されたときに、副表示部18の星のイラスト4の表示の有無を確認することにより、実行された通常演出Cが、初期出現率に起因するものなのか、カスタム後出現率に起因するものなのかを確認できる。
【0093】
ここで、上記例のように、通常演出Cは、初期設定では希少度が高いが(初期出現率5%)、カスタム設定後には(カスタム後出現率20%)、希少度が低下してしまうことになる。
一方で、遊技者は、通常演出Cの演出自体を楽しむのみではなく、希少度の低い通常演出Cを出現させて見ることの達成感等を楽しむ場合がある。ところが、カスタム設定後には、通常演出Cが出現しやすくなるものの、希少度の低い通常演出Cを当てることの上記達成感等の楽しみが低下してしまう可能性がある。
実施形態では、遊技者は、通常演出Cの実行時に副表示部18の星のイラスト4が表示されない場合には、この通常演出Cが初期出現率に起因すること、つまり、通常演出Cのうち当選率が低く希少度が高い部分を当てたことを認識できる。これにより、遊技者は、上記達成感等を楽しむことができる。
【0094】
通常演出A,Bの基本的な処理は、通常演出Cの処理と同様である。但し、通常演出A,Bは、予告演出をともなわないので、レバー操作後に演出が実行されるようにしてもよい。
【0095】
(CZ演出A~Cの遊技中の制御)
CZ演出A~Cは、AT演出A~Cと同様に制御される。
すなわち、CZステージに滞在中において、副制御部55は、レバー操作に応じてレア役に当選した場合、CZ演出テーブル52aを参照することにより演出抽選を行う。副制御部55は、演出抽選により決定したCZ演出を実行し、又は演出抽選に非当選であった場合にはCZ演出を実行しない。
そして、副制御部55は、CZ演出A~Cに対応付いたキャラクタを主表示部17に表示したり、星のイラスト4を副表示部18に表示したりする。
【0096】
(AT演出A~Dの遊技中の制御)
同様に、ATステージに滞在中において、副制御部55は、レバー操作に応じてレア役に当選した場合、AT演出テーブル53aを参照することにより演出抽選を行う。副制御部55は、演出抽選により決定したAT演出を実行し、又は演出抽選に非当選であった場合にはAT演出を実行しない。
AT演出A~Cの処理は、上記通常演出の処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0097】
(AT演出Dの遊技中の制御)
図11のフローチャートに示すように、AT演出A~Dの上記抽選処理において、AT演出Dが当選した場合、その後の処理は、AT演出Dが初期法則であるか、カスタム法則であるかに応じて異なる。
(AT演出Dが初期法則である場合)
AT演出Dが初期法則である場合(S1:NO)には、前述したようにAT演出Dの実行時のBBステージ移行に関する信頼度は、100%である。このため、副制御部55は、AT演出Dが当選した場合であっても、BBステージ移行が確定の場合(BBステージへの移行抽選が当選の場合)のみ(S2:YES)、BB移行予告Eの処理S3(後述する)を介してAT演出Dを実行し(S4)、BBステージ移行が確定ではない場合(BBステージへの移行抽選が非当選の場合)には(S2:NO)、AT演出Dを実行しない。
【0098】
(AT演出Dがカスタム法則である場合)
AT演出Dがカスタム法則である場合には(S1:YES)、前述したようにAT演出Dの実行時の疑似ボーナス(RBステージ又はBBステージ)移行に関する信頼度が100%である。このため、副制御部55は、AT演出Dが当選したときであっても、疑似ボーナス移行が確定の場合(RBステージ又はBBステージの移行抽選が当選の場合)のみ(S5:YES)、AT演出Dを実行し(S4)、疑似ボーナス移行が確定ではない場合(RBステージ及びBBステージの移行抽選が両方とも非当選の場合)には(S5:NO)、AT演出Dを実行しない。
【0099】
(BB移行予告Eの処理S3)
BB移行予告Eの処理は、AT演出Dと同様に、AT演出Dが初期法則であるか、カスタム法則であるかに応じて異なる。
図13(B)に示すように、副制御部55は、BB移行予告Eに関する処理を、AT演出Dが初期法則である場合、かつ、BBステージ移行が確定の場合のみ実行する。
副制御部55は、BB移行予告Eの処理S3では、BB移行予告Eテーブル53bを参照することにより、BB移行予告Eを実行するか否かの抽選処理を行う(S31)。当選確率は、AT演出Dの実行時(つまり、BBステージ移行が確定である場合、かつ、AT演出の実行抽選が当選している場合)の10%である。
副制御部55は、この抽選処理に当選した場合には(S31:YES)、BB移行予告Eを実行後に(S32)、AT演出Dを実行する(S4)。一方、副制御部55は、この抽選処理に非当選である場合には(S31:NO)、BB移行予告Eを実行することなく、AT演出Dを実行する(S4)。
なお、AT演出Dがカスタム法則である場合には(S1:YES)、BB移行予告Eの処理は、行われない。このため、AT演出Dがカスタム法則である場合には、BB移行予告Eの出現率は、ゼロである。
【0100】
以上の処理によって、AT演出Dが初期法則である場合には、BB移行予告Eの実行後にAT演出Dが実行され、その次ゲームからBBステージに移行する。一方、AT演出Dがカスタム法則である場合には、BB移行予告Eが実行されることなく、また、AT演出Dを実行されたゲームでは、その次ゲームからBBステージに移行する。
これにより、副制御部55は、AT演出Dが初期法則である場合及びカスタム法則である場合のいずれにおいても、ゲームの進行に矛盾することなく、AT演出D、BB移行予告Eに関する制御をすることができる。
【0101】
以上説明したように、実施形態の遊技機10は、演出のカスタム設定を行うことに応じて演出法則が変化したか否かを、遊技者に報知する。このため、遊技者は、演出のカスタムに応じた演出法則の変化を理解でき、安心して遊技をすることができる。
これに対して、従来の遊技機は、演出のカスタム設定を行うことに応じて演出法則が変化した否かを報知するものはなかった。このため、遊技者は、演出のカスタムに応じた演出法則の変化を確認することができず、不安を感じながら遊技をする場合があった。
【0102】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、適宜同一の名称を付し、また、適宜同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図14は、第2実施形態の通常演出Aのカスタムを説明する図である。
図14(A)は、通常演出テーブル251c,251dを示す図である。
図14(B)は、演出カスタム画面260の通常演出カスタム画面261aを示す図である。
本実施形態では、カスタム操作にともなう通常演出テーブル251c,251dの更新等の処理について、詳細に説明する。
なお、本実施形態では、通常演出のカスタムについて説明するが、CZ演出、AT演出も同様にカスタムすることができる。
【0103】
(通常演出テーブル251c,251d)
通常演出テーブル251cは、通常ステージにおいて、レア役当選後、さらにCZ移行抽選に非当選である場合に、演出を抽選する際に参照される。また、通常演出テーブル251dは、通常ステージにおいて、レア役当選後、さらにCZ移行抽選に当選した場合に、演出を抽選する際に参照される。
つまり、副制御部は、CZ移行抽選に非当選である場合、当選である場合、それぞれ異なるテーブルを参照する。
【0104】
通常演出テーブル251cは、通常演出A~C及びハズレと、初期発生率及びカスタム後発生率とを対応付けて記憶する。
なお、本実施形態では、演出が実行される頻度を、発生率で示す。発生率は、各演出(ハズレを含む)が実行される割合を示し、つまり、演出の実行回数に対する各演出の実行回数を示す。例えば、通常演出テーブル251cの通常演出Aの初期発生率は、30%であるので、通常演出Aは、全演出(ハズレを含む)が100回実行されれば、そのうち30回の割合で実行される。
初期発生率、カスタム後発生率は、第1実施形態と同様に、初期設定の発生率、カスタムされた発生率を示す。
【0105】
通常演出テーブル251dも同様に、通常演出A~C及びハズレと、初期発生率及びカスタム後発生率とを対応付けて記憶する。
【0106】
(通常演出カスタム画面261a)
図14(B)に示すように、通常演出カスタム画面261aの構成は、第1実施形態と同様である。
但し、副制御部は、初期発生率、初期信頼度(つまり、各通常演出A~Cが実行された際におけるCZステージへの移行確率)を、通常演出テーブル251c,251dに基づいて算出して、これを通常演出カスタム画面261aに表示する。
【0107】
例えば、通常演出テーブル251cの通常演出Aの初期発生率は、40%であり、また、通常演出テーブル251dの通常演出Aの初期発生率は、30%である。
また、レア役当選時におけるCZステージへの移行抽選の当選率が例えば10%である仕様である条件では、レア役当選時において、通常演出テーブル251cが参照される確率は、90%である。さらに、通常演出テーブル251cの通常演出Aが選択される確率は、その40%(初期発生率)であるので、36%である。
一方、レア役当選時において、通常演出テーブル251dが参照される確率は、10%である。さらに、通常演出テーブル251dの通常演出Aが選択される確率は、その30%(初期発生率)であるので、3%である。
このため、通常演出Aの初期発生率は、39%(=36%+3%)と算出できる。
【0108】
さらに、通常演出テーブル251cは、CZステージへの移行抽選に非当選であった場合に参照される。このため、通常演出テーブル251cに基づいて通常演出が実行された場合には、信頼度は、0%である。
一方、通常演出テーブル251dは、CZステージへの移行抽選に当選であった場合に参照される。このため、通常演出テーブル251dに基づいて通常演出が実行された場合には、信頼度は、100%である。
このため、初期設定において、通常演出Aが実行された際の初期信頼度は、8%(=3%/(36%+3%)×100)と算出できる。
【0109】
副制御部は、同様に、通常演出B,Cの初期発生率、初期信頼度を算出し、通常演出カスタム画面261aに表示する。
なお、通常演出カスタム画面261aの発生率は、ハズレを含む割合から、ハズレを含まない割合に換算して表示してもよい。この場合には、例えば、通常演出Aの初期発生率は、ハズレを含む割合38%から、52%(=(38%/(38%+28%+7%)×100))のように算出することにより換算できる。
この場合には、通常演出A~Cの初期発生率を、これらの合算値が100%になるように表示できる。
【0110】
(通常演出カスタム画面261aのカスタム操作)
通常演出カスタム画面261aは、第1実施形態と同様に、演出カスタム操作部30のカスタム操作を受け付ける。
図14(B)の例は、通常演出Cの初期発生率7%が、カスタム後発生率30%へと増加するようにカスタム操作されている。通常演出カスタム画面261で表示されるカスタム後発生率30%は、CZステージへの移行に関わらない数値であり、つまり、CZステージへ移行する場合及びCZステージへ移行しない場合の両方を含む通常演出Cの発生率である。
副制御部は、この操作に応じて、このカスタム後発生率30%になるように、通常演出テーブル251c,251dの情報を更新する。副制御部は、この場合、通常演出Cの初期信頼度が高い(31%)であることから、カスタム後にも通常演出Cの初期信頼度ができるだけ高くなるように、これらのテーブルの情報を更新する。
すなわち、副制御部は、信頼度100%に対応したテーブルである通常演出テーブル251dについて、通常演出Cの初期発生率20%を、カスタム後発生率60%へと、上限一杯に向上させている。副制御部は、その後に、信頼度0%に対応した通常演出テーブル251cについて、CZステージへ移行する場合及びCZステージへ移行しない場合の両方を含む通常演出Cが発生率30%になるように、カスタム後発生率を算出する。この例では、通常演出テーブル251cの通常演出Cの初期発生率5%をカスタム後発生率27%へと向上させる。
【0111】
なお、副制御部は、通常演出Cの発生率の上記更新処理に応じて、以下の情報を更新する。
・通常演出カスタム画面261aのカスタム後信頼度
通常演出カスタム画面261で表示される信頼度は、通常演出Cの発生率の上記更新処理に応じて変化する。このため、副制御部は、通常演出テーブル251c,251dのカスタム後発生率に基づいてカスタム後信頼度を算出して、これを通常演出カスタム画面261aに表示する。
【0112】
・通常演出テーブル251c,251dのカスタム後発生率
通常演出Cの発生率の上記更新処理では、ハズレの発生率を減少させることにより、通常演出Cの発生率を向上させている。このため、副制御部は、減少後のハズレの発生率をカスタム後発生率として、通常演出テーブル251c,251dに記憶する。
【0113】
その後の処理(カスタムの確定操作、各演出の実行処理等)は、第1実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0114】
なお、通常演出カスタム画面261aのカスタム操作に関する処理は、以下のように変更してもよい。
(1)通常演出Aの発生率のカスタムに応じて、ハズレの発生率を増減(上記例では減少)させた例を示したが、これに限定されない。
例えば、通常演出Aの発生率のカスタムに応じて、ハズレの発生率を増減することなく、他の通常演出B,Cの発生率を増減させてもよい。この場合には、カスタムの前後において、通常演出A~Cの全体としての出現頻度(例えば100回のゲームあたり、いずれかの演出が実行される割合)が同一になるように、演出をカスタムすることができる。
また、通常演出Aの発生率のカスタムに応じて、他の通常演出B,Cの発生率及びハズレの発生率の両方を増減させてもよい。
【0115】
(2)上記例では、通常演出Aの発生率にカスタム操作に応じて、信頼度を変更する例を示したが、これに限定されない。
例えば、通常演出Aの発生率の増減幅によっては、信頼度の変更が不要な場合がある。このような場合には、初期信頼度及びカスタム後信頼度を同一にしてもよい。つまり、発生率のみを増加し、信頼度を変化させなくてもよい。
また、通常演出Aの発生率を増加する際に、通常演出テーブル251dの発生率のみを増加することにより、結果として、通常演出Aの信頼度も増加するようにしてもよい。
【0116】
さらに、通常演出Aの発生率を増加する際に、通常演出テーブル251cの発生率のみを増加することにより、結果として、通常演出Aの信頼度が減少するようにしてもよい。
この場合において、第1実施形態と同様に、星のイラスト4が副表示部18に表示される場合は(図13(A)等参照)、通常演出テーブル251cの増加した発生率に起因する演出が実行されたときである。このため、遊技者は、星のイラスト4が副表示部18に表示されたときは、ステージ移行の抽選に非当選であり、ステージ移行の期待が薄いと予測できる。
【0117】
(3)上記例では、通常演出の発生率のカスタム操作を受け付ける例を示したが、これに限定されず、信頼度のカスタム操作を受け付けてもよい。この場合にも、副制御部は、信頼度の増減に応じて、必要に応じて、発生率を増減してもよい。
例えば、副制御部は、通常演出Aの信頼度増加の操作を受け付けた場合に、全体としての通常演出Aの発生率を増加せず、かつ、通常演出Aの信頼度のみを増加してもよい。この場合、通常演出テーブル251dの通常演出Aの発生率を増加する一方で、通常演出テーブル251aの通常演出Aの発生率を減少すればよい。
また、上記例と同様に、副制御部は、通常演出Aの信頼度増加の操作を受け付けた場合に、全体としての通常演出Aの発生率及び信頼度の両方を増加してもよい。この場合、通常演出テーブル251dの通常演出Aの発生率を増加する一方で、通常演出テーブル251aの通常演出Aの発生率を増加しない(又はその増加量を少なくする)すればよい。
また、副制御部は、発生率及び信頼度の両方のカスタム操作を受け付けてもよい。
【0118】
以上説明したように、本実施形態の遊技機は、演出の発生率、信頼度のカスタム操作にともなって、通常演出テーブル251c,251dを個別に更新することにより、遊技者の所望する演出を、カスタムすることができる。
【0119】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
なお、前述した実施形態の各構成及び後述する変形形態の各構成は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0120】
(変形形態)
(1)実施形態において、演出の出現頻度は、出現率(レバー操作に応じて各演出が実行される確率)、発生率(演出が実行される際に、各演出が選択される確率)等である例を示したが、これに限定されない。演出の出現頻度は、遊技機の仕様等に応じて適宜定義することができ、例えば、1回の当たりが出現し得るまでの確率(例えば1回目の通常演出Aが実行されるまでの確率等)等でもよい。
また、演出の出現頻度は、疑似ボーナス等の移行抽選の当選時の3回のうちに1回出現等のするように、具体的な出現頻度によってカスタムできるようにしてもよい。
【0121】
(2)実施形態において、演出の出現率等をカスタム可能な例を示したが、これに限定さえない。例えば、副制御部(実行態様制御手段)は、出現頻度を変えることなく、演出が出現し得る出現タイミング(実行態様)をカスタムできるようにしてもよい。
例えば、一発告知予告は、その出現タイミングが初期設定ではレバー操作時のみに出現する仕様である場合に、カスタム設定により複数のタイミング(第1停止操作時、第3停止操作時及び次ゲームのレバー操作時等)に出現可能にするカスタムでもよい。また、これとは逆に、複数のタイミングからいずれかに限定するというカスタムでもよい。
【0122】
(3)実施形態において、演出法則のカスタムは、疑似ボーナスへの移行に関するものである例を示したが、これに限定されない。
例えば、ATステージ中のボタン操作演出(演出ボタンの操作を要する演出)のカスタムに関して、初期法則が「ATステージ中のボタン操作演出は、30ゲーム以上の上乗せする」、カスタム法則が「ATステージ中のボタン操作演出は、ゲーム数の上乗せを確定する」といったものでよい。この場合には、ボタン演出が好きな遊技者は、上乗せ枚数が少なくても、ボタン演出を楽しむことができる。
また、例えば、一発告知予告のカスタムに関して、初期法則が「一発告知予告は、中段チェリー等最も出現確率が低い役の当選が確定である」、カスタム法則が「一発告知予告は、単に比較的出現確率が低い強レア役確定である」といったものでもよい。
さらに、遊技機は、機械的装置(役物)を利用する演出を、初期法則からカスタム法則にカスタムできるようにしてもよい。
【0123】
(4)実施形態において、カスタム設定された場合には、その設定が継続される例を示したが、これに限定されない。カスタム設定された状態は、一定期間のみ制御されるようにしてもよい。
例えば、「特定の予告演出が1回出現するまで」等のように、演出の回数を指定した上で、出現率等をカスタム可能としてもよい。
また、「遊技を開始してから30分後まで、又は30分後以降」等のように、遊技 時間を指定した上で、出現率等をカスタム可能としてもよい。
さらに、「遊技を開始してから30分後まで、又は30分後以降」等のように、遊技時間を指定した上で、出現率等をカスタム可能としてもよい。
これらの例では、演出の設定がいつのまにか切り替わるような遊技が可能であるので、興趣を向上できる。
【0124】
(5)カスタム可能な演出は、実施形態で説明したものに限定されない。カスタム可能な演出は、例えば、通常ステージ中のカットイン予告、前兆ステージ中のセリフ予告、一発告知予告、AT中ステージ中のボタン操作演出、有利な特典が付与される抽選に当選した
ことの予告(いわゆるプレイミアム予告)でもよい。
【0125】
(6)遊技中に移行するステージは、実施形態で説明したものに限定されない。例えば、ATステージは、ベル役当選時に加えて、リプレイ役当選時にも押し順をナビゲートするART状態を含んでもよい。
【0126】
(7)実施形態において、各演出は、レア役当選時の範囲内でカスタム可能である例を示したが、これに限定されない。例えば、初期設定では、レア役当選時に実行される演出を、カスタム設定では、レア役当選及び他当選役当選時(例えば、チャンス目役当選時、ベル役当選時等)に実行されるようにしてもよい。この場合には、演出抽選処理が実行される頻度は、カスタム設定の方が初期設定よりも多くなる。このため、カスタム設定では、演出の出現率をより大きくする制御が可能である。
【0127】
(8)実施形態において、副表示部にイラストを表示することにより、初期設定に起因した演出が実行されたことを報知する例を示したが、これに限定されない。
例えば、演出を実行後に、ステージ移行抽選の非当選又は当選が報知された時点で、「今回の演出は、実はこのカスタムで影響を受けていました」といった明示的な説明を、副表示部等に表示してもよい。
【0128】
(9)実施形態において、発生率等をカスタム可能な演出と、演出法則をカスタム可能な演出とを有する例を示したが、これに限定されない。
演出によってカスタム可能な項目が異なっていてもよい。例えば、発生率等のみをカスタム可能な演出、演出法則のみをカスタム可能な演出、発生率等及び演出法則の両方をカスタム可能な演出を有していてもよい。
【0129】
(10)実施形態において、カスタム後出現率に起因する演出を報知は、星のイラストを副表示部に表示する例を示したが、これに限定されない。この報知は、スピーカからの音出力、ランプの発光等でもよい。
【0130】
(11)実施形態において、各演出の個別のカスタムを受け付ける例を示したが、これに限定されない。例えば、賑やかな演出の発生率の多いモード、静かな演出の発生率の少ないモード等を設けて、遊技者がこれらのモードから選択できるようにしてもよい。
【0131】
(12)実施形態において、遊技機の演出カスタム操作部から演出のカスタム操作を受け付ける例を示したが、これに限定されない。例えば、遊技機は、遊技機との間で通信可能な携帯通信端末(例えば特開2018-122159号公報)から演出のカスタム操作を受け付けてもよい。
【0132】
(13)実施形態において、遊技機は、スロットマシンである例を示したが、これに限定されない。遊技機は、例えば、パチンコ、玉スロなどその他の遊技機でもよい。
また、遊技機は、メダルなどの現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆるメダルレス遊技機でもよい。さらに、遊技機は、遊技球などの遊技媒体を外部に払い出さず、内部循環させてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機でもよい。
また、パチンコの機械的装置(役物)の演出法則は、例えば、初期法則が「装置が動作した場合には確率変動確定である」、カスタム法則が「装置が動作した場合には通常大当たりが確定である」といったものでもよい。
【符号の説明】
【0133】
10:遊技機
14:演出ボタン
17:主表示部
18:副表示部
30:演出カスタム操作部
31:発生率信頼度操作部
32:演出法則操作部
41:主記憶部
42:主制御部
51:副記憶部
55:副制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14