(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】液状又は半液状の化粧品又は医薬品としての製品の収容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/04 20060101AFI20241126BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20241126BHJP
B65D 47/34 20060101ALI20241126BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20241126BHJP
B05B 11/00 20230101ALI20241126BHJP
B05B 11/10 20230101ALI20241126BHJP
B05B 9/04 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
B65D77/04 B
A45D34/04 555
B65D47/34 110
B65D83/00 K
B05B11/00 101G
B05B11/00 101D
B05B11/10 101D
B05B11/10 101G
B05B9/04
(21)【出願番号】P 2022574672
(86)(22)【出願日】2021-06-07
(86)【国際出願番号】 GB2021051410
(87)【国際公開番号】W WO2021245430
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2024-05-31
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521017893
【氏名又は名称】アイアイエイエイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003465
【氏名又は名称】弁理士法人OHSHIMA&ASSOCIATES
(72)【発明者】
【氏名】アルパート ジョセフ
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-106940(JP,A)
【文献】特開2014-227197(JP,A)
【文献】特開2015-067332(JP,A)
【文献】特開2020-019561(JP,A)
【文献】独国実用新案第9211396(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0201925(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/04
A45D 34/04
B65D 47/34
B65D 83/00
B05B 11/00
B05B 11/10
B05B 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状又は半液状の化粧品又は医薬品としての製品の収容器(100,900,1200)であって、
- 製品吸引導管を装備するクロージャ(102,202,902,1203)と、
- 前記クロージャに係合してコンテナを閉じるための第1手段(108,208)を有する剛体コンテナ(101,201,901,1201)と、
- 前記剛体コンテナの内側に包囲されるカートリッジであって、前記クロージャに係合して前記カートリッジと前記クロージャとの間に実質的な気密シールを形成するための第2手段(109,309,409)を有するカートリッジ(105,405,505,905,1005,1105)と、
を備え、
前記カートリッジは、折り畳み可能なライナ(107,307,407,507,907,1107)を包囲する生分解性又はリサイクル可能な剛体アウター(106,406,506,606,706,906,1006,1106)を備えると共に、前記折り畳み可能なライナが前記製品を収容するための空洞を画定し、前記製品吸引導管は、前記空洞の内部に延在し、
前記カートリッジは、折り畳み可能なライナ及び剛体アウターを一体に保持するための1つ又は複数の別の構成要素(110,510,710,810,910,1010)をさらに備え、該別の構成要素は、クロージャに剛体コンテナを係合及び/又は係合解除するとき、アウターに対して相対的なライナの望ましくない動きを制限するように構成され、前記ライナ及びアウターは、個別廃棄可能なよう、前記1つ又は複数の別の構成要素の取り外し又は係合解除により、使用者による意図的な互いの切り離しを可能とされ、
前記1つ又は複数の別の構成要素は、生分解性又はリサイクル可能な前記剛体アウターに係合し、前記折り畳み可能なライナと生分解性又はリサイクル可能な前記剛体アウターとを一体に保持するように構成された、例えば、スクリューダウンリング(110,510,710,810,910,1010)などのリング、1つ又は複数のクリップ、あるいはスナップオフファスナをさらに備える、収容器。
【請求項2】
前記剛体アウター(106,406,506,606,706,906,1006,1106)が生分解性である、
又は、前記剛体アウターの材料が、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、澱粉ベースのポリマー、セルロースベースのポリマー、リグニンベースのポリマー、木材、木材又は他の植物性の材料の繊維又は粒子を生分解性樹脂に埋め込んだもの、及び、生分解性である繊維強化熱可塑性複合材料、のうちの1つ又は複数を含む、請求項1に記載の収容器(100,900,1200)。
【請求項3】
前記剛体アウター(106,406,506,606,706,906,1006,1106)がリサイクル可能である、
又は、前記剛体アウターの材料が、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンフラノエート、ポリトリメチレンフランジカルボキシレート、ポリプロピレン、ガラス、アルミニウム、及び、鋼鉄、のうちの1つ又は複数を含む、請求項1に記載の収容器(100,900,1200)。
【請求項4】
前記1つ又は複数の別の構成要素(110,
510,710,810,910,1010)は、前記剛体コンテナ(101,201,901,1201)が前記クロージャ(102,202,902,1203)に係合及び/又は係合解除されているとき、前記剛体アウター(106,406,506,606,706,906,1006,1106)に対して相対的な前記折り畳み可能なライナ(107,307,407,507,907,1107)の回転を制限するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の収容器(100,900,1200)。
【請求項5】
前記折り畳み可能なライナ(107,307,407,507,907,1107)及び前記剛体アウター(106,406,506,606,706,906,1006,1106)が係合手段(111,311,411,412,511,512,613)を備え、前記係合手段は、前記剛体コンテナ(101,201,901,1201)が前記クロージャ(102,202,902,1203)に係合及び/又は係合解除されているとき、前記アウターに対して相対的な前記ライナの例えば回転などの望ましくない動きを制限するように構成される、請求項4に記載の収容器(100,900,1200)。
【請求項6】
前記係合手段(111,311,411,412,511,512,613)
として、前記折り畳み可能なライナ(107,307,407,507,907,1107)の環状カラー
(111,311,411,511)を備え、該環状カラーが、これと相補形状の前記剛体アウター(
106,406,506,606,706,906,1006,1106)の環状部、相補形状のねじ山、バヨネット取付具、スナップ嵌合構成、摩擦嵌合構成、又は磁気固定具、に係合するように構成される、請求項5に記載の収容器(100,900,1200)。
【請求項7】
前記クロージャに係合するための前記第1手段(108,208)が、1つ又は複数の、戻り止め、ねじ山、バヨネット取付具、スナップ嵌合構成、摩擦嵌合固定具、又は磁気固定具を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の収容器(100,900,1200)。
【請求項8】
前記クロージャに係合するための前記第2手段(109,309,409)が、1つ又は複数の、戻り止め、ねじ山、バヨネット取付具、スナップ嵌合構成、摩擦嵌合固定具、又は磁気固定具を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の収容器(100,900,1200)。
【請求項9】
前記クロージャに係合するための前記第2手段(109,309,409)が、前記折り畳み可能なライナに取り付けられるか又は前記折り畳み可能なライナ(107,307,407,507,907,1107)の一部として設けられる、請求項1から8のいずれか一項に記載の収容器(100,900,1200)。
【請求項10】
前記折り畳み可能なライナ(107,307,407,507,907,1107)の前記環状カラー(111,311,411,511)が、前記ライナの本体と、前記クロージャに係合するための前記第2手段(109,309,409)と、の間に配設される、請求項6に従属する請求項9に記載の収容器(100,900,1200)。
【請求項11】
前記剛体アウターの材料が、その重量で、前記カートリッジの全材料の少なくとも90%を構成する、
及び/又は、前記折り畳み可能なライナの本体が最大0.5mmの壁厚を有する、
及び/又は、前記折り畳み可能なライナの材料は、リサイクル可能なポリエステルなどのリサイクル可能な材料で、例えば、PET、PEF、PTF、及びPPのうちの1つ又は複数で構成され、あるいは、生分解性の材料で構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の収容器(100,900,1200)。
【請求項12】
前記収容器が、例えば化粧品又は医薬品である前記液状又は半液状製品を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の収容器(100,900,1200)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の収容器(100,900,1200)を製造する方法であって、
- クロージャ(102,202,902,1203)、剛体コンテナ(101,201,901,1201)、及びカートリッジ(105,405,505,905,1005,1105)を提供するステップと、
- 前記剛体コンテナ及び前記カートリッジの各々を前記クロージャに取り付けるステップと、を含む、収容器の製造方法。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の収容器(100,900,1200)を形成するための部品キットであって、前記キットが、請求項1から12のいずれか一項に記載の収容器のクロージャ(102,202,902,1203)、請求項1から12のいずれか一項に記載の収容器の剛体コンテナ(101,201,901,1201)及びカートリッジ(105,405,505,905,1005,1105)を備える、キット。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載の収容器(100,900,1200)を使用する方法であって、液状又は半液状の化粧品を計量分配する、収容器の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状又は半液状の化粧品又は医薬品としての製品の収容器に関する。限定することなく、より具体的に言えば、本発明は、交換可能なカートリッジを有する収容器に関する。カートリッジは、上記製品の早期劣化に対する保護、ユーザーの体験による肯定的な理解、収容器の再利用性、及び、カートリッジの全体又は大部分についての分離の容易さ、リサイクル性、又は堆肥化可能性、を含む多数の好ましい成果に寄与する特徴を有する。さらに、本発明は、上記収容器の製造方法及び使用方法を含む関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジェル状、クリーム状、及び液状などの、化粧品又は医薬品は、広く、ポンプディスペンサを有する収容器に入れて供給される。その理由は、このような収容器は、製品の使用に対して、その一部を都合よく計量分配することによりユーザーに好印象の体験をさせるからである。通常、このようなポンプディスペンサ収容器は使い捨てが可能で、1回だけ使用するように設計される。このことは、資源消費量の増大という使い捨て製品に内在する環境上の欠点を有する。一般的なポンプディスペンサをリサイクルしたり又は(ある場合には、より好適なこととして)堆肥化したりすることが可能かもしれない。しかし、その材料が製品で汚染されることにより、使用者にとって、それを困難にしたり、少なくとも、面倒及び/又は不便なものにしたりするおそれがある。研究によると、多くの消費者は、パッケージングのリサイクル又は堆肥化に積極的であるが、このようなリサイクリングに、厄介、不便、又は不快なプロセスを必然的に伴うならば、その積極性が一気に低下することが示されている。さらに、ポンプディスペンサ収容器のポンプ部分は、通常、ポンプの複雑な構造が必要とする材料の混合物(プラスチック及び金属の両方)を含み、この部分のリサイクル又は堆肥化を極めて困難にする。ポンプにおける異なる材料は容易に分離できないことから、ポンプはほとんどリサイクルされず、通常は最終的にゴミ処理場に送られる。さらに、ポンプディスペンサを有する使い捨ての収容器は、通常、そのポンプでの使用量が限られており、このことは、高耐久性で、重厚、魅力的、かつ最高級品として消費者にアピールするように収容器を作ることを制限されることを意味する。比較的安価な使い捨てポンプにさえも、製品価格を上昇させるような著しい関連費用を必要とし得る。
【0003】
ポンプディスペンサ収容器が環境上の目的(リサイクル性、又は、生分解性、特に堆肥化可能性の基準に適合することなど)を好適に達成しつつ、及び消費者の要求に好適に適合することに加えて、化粧品又は医薬品自体が収容器に対する制約を課し得る。収容器は、多くの製品に対して、例えば、光及び/又は空気中の酸素及び/又は湿気を遮断することにより、その製品を劣化から保護することが必要とされる。さらに、製品に接触する収容器の材料がその製品との相性がいいことも重要である(これは、その材料が製品によって劣化しないこと、また及び、その材料が製品を汚染したり、あるいは又は汚したりしないこと、を意味する)。ポンプディスペンサ収容器は、生分解性(例えば、堆肥化可能)の材料を含む、あるいは又はその材料から構成されることが望ましい。しかし、生分解性(例えば、堆肥化可能)の材料は、通常、多くの製品との相性がよくない。
【0004】
したがって、ポンプディスペンサ収容器について、例えば、収容器をリサイクル性や生分解性(特に堆肥化可能性)の基準に適合させるなどの環境上の目的と、製品との適合性の要求と、の又はバランスが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の問題のうちの1又は複数の問題に対処することを目的とする。より具体的には、本発明は、交換可能なカートリッジを有する収容器を提供することを目的とし、さらに、その収容器が、再利用可能(したがって、環境にやさしく)でありながらも、それと同時に、カートリッジの交換が、便利、迅速、かつ面倒ではないとユーザーに理解させることを目的とする及び。本発明は、また、製品と大気(又は、他の酸化性物質の供給源)との接触を最小にする収容器を提供することを目的とする。本発明は、加えて、良好な環境上の影響に対する要求(例えば、リサイクル性又は生分解性の基準、特に堆肥化可能性の基準への適合によるもの)と、製品に接触する収容器の材料をその製品に適合させるという要求と、の間でバランスをとる環境にやさしい収容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
収容器
第1態様として、本発明は、液状又は半液状の化粧品又は医薬品としての製品の収容器であって、製品吸引導管を装備するクロージャと、クロージャに係合してコンテナを閉じるための第1手段を有する剛体コンテナと、剛体コンテナの内側に包囲されるカートリッジであって、クロージャに係合してカートリッジとクロージャとの間に実質的な気密シールを形成するための第2手段を有するカートリッジと、を備え、そのカートリッジが、折り畳み可能なライナを包囲する生分解性又はリサイクル可能な剛体アウターを備えると共に、折り畳み可能なライナが製品を収容するための空洞を画定し、製品吸引導管が空洞の内部に延在する、収容器を提供するものである。 採用可能な実施形態として、クロージャに係合するための第1手段に、1つ又は複数の、戻り止め、ねじ山、バヨネット取付具、スナップ嵌合構成、摩擦嵌合固定具、又は磁気固定具を備えるようにしてもよい。採用可能な実施形態として、クロージャに係合するための第2手段を、折り畳み可能なライナに取り付けるか又は折り畳み可能なライナの一部として設けるようにしてもよい。採用可能な実施形態として、クロージャに係合するための第2手段が、1つ又は複数の、戻り止め、ねじ山、バヨネット取付具、スナップ嵌合構成、摩擦嵌合固定具、又は磁気固定具を備えるようにしてもよい。例えば、折り畳み可能なライナが、クロージャへの係合手段を装備する開口ネック部(折り畳み可能なライナによって画定される空洞から製品を吸引するのを可能にする)を備えることができる。例えば、このような開口ネック部が、1つ又は複数の、戻り止め、ねじ山、バヨネット取付具、スナップ嵌合構成、摩擦嵌合固定具、又は磁気固定具を備えることができる。
【0007】
採用可能な実施形態として、カートリッジは、剛体コンテナがクロージャに係合及び/又は係合解除されているとき、剛体アウターに対して相対的な折り畳み可能なライナの望ましくない動き(例えば、回転)を制限するようにしつつも、使用者が、個別廃棄のために、意図的に、好適には容易かつ便利に、ライナ及びアウターを互いに切り離すのを可能にするように、構成される。このような実施形態では、使用者がクロージャからカートリッジを取り外すとき、ライナ及びアウターが一体に動くように(例えば、回転するように)構成してもよい(例えば、ライナの開口ネック部のねじ山などの、ねじ山による手段でカートリッジがクロージャに係合する実施形態、又は、クロージャとライナの開口ネック部との間のバヨネット取付具を係合解除するために使用者がカートリッジを捻るようにする実施形態では、使用者がカートリッジを逆回転させてクロージャから外すとき)。カートリッジを、ライナ及びアウターが誤って分離するのを防止するように構成すれば好適である。加えて、カートリッジを、クロージャに係合する開口ネック部を有するライナが、アウターの内腔に向かって内側に折り畳まれてクロージャに係合しにくくなるのを防止するように構成すれば好適である。しかし、本明細書で説明されるように、カートリッジは、使用者が例えば線形的な動作でアウターからライナを引き出すことにより、剛体アウターから折り畳み可能なライナを意図的に切り離すのを可能にするように、構成される。こうすることで、最大限に詰め込んだ製品がなくなる又はほぼなくなってライナが折り畳まれたとき、使用者は、適宜、カートリッジの折り畳み可能なライナを引いて剛体アウターから外す前に、個別廃棄のために、単一部品としてクロージャからカートリッジ(ライナ及びアウターの両方を備える)を分離することができる。(全ての又はほぼ全ての製品がライナから取り出された後で)新品の製品を充填したライナと交換するために、つぶれた使用済みの柔弱なライナを単独で摘まんで収容器から取り外すことが困難となることは理解されよう。また、消費者向けの高級又は最高級の製品の事例に特に関連することであるが、つぶれた折り畳み可能なライナのその見た目が使用者にとって好ましいものではないことは理解されよう。したがって、ライナ及びアウターを一体に動く(例えば、回転する)ように構成するのが有利であり、これにより、ライナ及びアウターの両方を収容器から一体に取り外し得るようにでき、使用者は、ライナ内に製品が残留していればより汚いであろう、、つぶれた使用済みの柔弱なライナを摘まんで取り外す必要がなくなる。剛体アウターを装備することにより、他の利益を得ることを選択できる。例えば、剛体アウターは、製品の感光性成分が損なわれるのを防止するために(例えば、ビタミンAの活量の損失を防止するために)、不透明及び/又は遮光性のものを選択できる。剛体アウターは、加えて、折り畳み可能なライナを充填中の穴開き及び/又は破裂から保護するため、折り畳み可能なライナをより薄くするのを可能にする。
【0008】
環状カラー
剛体アウターに対しての折り畳み可能なライナの望ましくない動き(例えば、回転)を制限するために、ライナが、アウターの相補形状の環状部に係合するように構成された環状カラーを備えることができる。環状カラーが、アウターの環状部内の相補形状の凹部に係合するように構成された突出部を備えることができる。別法として、カラーに凹部を備えることができ、相補形状の突出部を、カラーの凹部に係合するアウターの環状部内に設けてもよい。採用可能な実施形態として、カラーが、突出部及び凹部の組み合わせを備えることができ、アウターの環状部が、相補形状の突出部及び凹部の組み合わせを備えることができる。カートリッジをクロージャに係合させるための手段を折り畳み可能なライナに又は折り畳み可能なライナの一部として装備する場合(例えば、ライナの開口ネック部にねじ山が設けられる)、ライナの環状カラーが、ライナの(折り畳み可能である)本体とこの手段(例えば、ライナの開口ネック部に設けられたねじ山)との間に位置決めされ得る。
【0009】
アウター及びライナを一体に保持するための別の構成要素
採用可能な実施形態として、カートリッジが、アウター及びライナを一体に保持するための1つ又は複数の別の構成要素をさらに備える。採用可能な実施形態として、これらの1つ又は複数の別の構成要素が、環状カラーに加えて、提供され得る。別の構成要素には、例えば、リング、クリップ、又はスナップオフファスナが含まれてよい。特定の好適な実施形態では、別の構成要素が、例えば相補形状のねじ山により剛体アウターに係合するスクリューダウンリングなどのリングからなり、折り畳み可能なライナ及び剛体アウターを一体に保持するように構成され、さらに、剛体アウター及び折り畳み可能なライナの相補形状の凹部及び突出部による係合を維持することを選択できる。これが、さらに、クロージャに剛体コンテナを係合及び/又は係合解除するとき、アウターに対して相対的なライナの望ましくない動き(例えば、回転)を制限しつつも、ライナ及びアウターが、個別廃棄可能なよう、例えば1つ又は複数の別の構成要素の取り外し又は係合解除により、使用者による意図的な互いの切り離しを可能とする。特定の好適な実施形態では、別の構成要素が、ねじ山によりアウターに係合するスクリューダウンリングである。スクリューダウンリングなどの任意選択の別の構成要素が、ライナをアウターに固定すると共に、ライナとアウターとの間の相対的な動き(例えば、回転)を防止するため、ライナの環状カラーと協働するように構成され得る。例えばスクリューダウンリングなどの任意選択の別の構成要素がさらに、折り畳み可能なライナの開口ネック部が剛体アウターの内部で内側に折り畳まれるのを制限するよう構成され得る、つまり、クロージャに係合しにくくなる。
【0010】
生分解性又はリサイクル可能な剛体アウター
採用可能な実施形態として、本発明のカートリッジの剛体アウターがリサイクル可能である。したがって、採用可能な実施形態として、剛体アウターが、リサイクル可能なプラスチック材料を含む材料又はリサイクル可能なプラスチック材料から構成され得る。採用可能な実施形態として、剛体アウターが、ポリエステルプラスチック材料を含む材料又はポリエステルプラスチック材料から構成される。採用可能な実施形態として、剛体アウターが、ポリオレフィンプラスチック材料を含む材料又はポリオレフィンプラスチック材料から構成される。例えば、剛体アウターは、リサイクル可能で、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンフラノエート(PEF)、ポリトリメチレンフランジカルボキシレート(PTF)、及び、ポリプロピレン(PP)、のうちの1つ又は複数を含むものでもよい。採用可能な実施形態として、剛体アウターがリサイクル可能であり、ガラスを含むものでもよい。採用可能な実施形態として、剛体アウターがリサイクル可能であり、アルミニウム及び鋼鉄のうちの1つ又は複数などの、リサイクル可能である金属材料を含むものでもよい。
【0011】
採用可能な実施形態として、本発明のカートリッジの剛体アウターが生分解性であるものでもよい。したがって、採用可能な実施形態として、剛体アウターが生分解性であるプラスチック材料を含む材料又は生分解性であるプラスチック材料から構成され得る。例えば、剛体アウターが生分解性で、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、澱粉ベースのポリマー、セルロースベースのポリマー、及び、リグニンベースのポリマー、のうちの1つ又は複数を含むものでもよい。特定の好適な実施形態では、剛体アウターが生分解性であり、ポリ乳酸を含むものでもよい。採用可能な実施形態として、剛体アウターが生分解性であり、木材(例えば、竹又はコルクなどの天然木材、あるいは加工木材)、木材の繊維又は粒子を含む材料、あるいは、生分解性樹脂に埋め込まれる他の植物性の材料から作られるものでもよい。採用可能な実施形態として、剛体アウターが生分解性で、例えば、生分解性の植物繊維強化熱可塑性複合材料(PLA及びPHAのうちの1つ又は複数を含む生分解性の植物繊維強化熱可塑性複合材料など)などの生分解性の繊維強化熱可塑性複合材料を含むものでもよい。
【0012】
有利には(特に、剛体アウターが生分解性である実施形態では)、カートリッジは、使用者が剛体アウターを折り畳み可能なライナから分離するのを可能にし、それによって各々の個別廃棄を可能にするように構成される。カートリッジは、その使用の際、折り畳み可能なライナの空洞が製品を保持し、剛体アウターが製品に接触することがないように、構成され得る。
【0013】
アウターが製品に接触しない場合、アウターは、製品との適合性に制限されない材料から作り得る。特に、採用可能な実施形態として、アウターは、製品との適合性に制限されることなく、上記の生分解性の材料などの、エコフレンドリである生分解性の材料から作るようにしてもよい。
【0014】
採用可能な実施形態として、アウターがカートリッジの材料全体の大部分を構成する一方、折り畳み可能なライナがカートリッジの材料全体の大幅に少ない割合を構成するようにしてもよい。例えば、アウターが、カートリッジの材料全体の重量の、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%を構成するようにしてもよい。特定の好適な実施形態では、剛体アウターの材料が、カートリッジの材料全体の重量の少なくとも95%を構成し、例えば、カートリッジの材料全体の重量の、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%を構成する。
【0015】
使用後に全ての製品が取り出されていると、採用可能な実施形態(特に、剛体アウターが生分解性である実施形態)として、剛体アウター及び折り畳み可能なライナが個別廃棄のため、使用者によって切り離し得る。
【0016】
剛体アウターが生分解性である実施形態では、カートリッジの大部分を形成するアウターは、堆肥化を選択し得る。
【0017】
カートリッジの割合の少ない部分、すなわち折り畳み可能なライナは、採用可能な実施形態として、リサイクルされ得る、又は、例えば家庭廃棄物として廃棄され得る。採用可能な実施形態として、折り畳み可能なライナが生分解性であってもよく、例えば、折り畳み可能なライナが堆肥化可能で、堆肥化されるものであってもよい。
【0018】
折り畳み可能なライナの材料は、使用時に収容する製品との適合性に基づいて選択され得ることは理解されるであろう。採用可能な実施形態として、剛体アウター及び折り畳み可能なライナが、互いに異なる材料で作られるのが好適である。
【0019】
堆肥化産業では、好適には、アイテムが堆肥化条件下に配置される(例えば、特定の湿度条件及び/又は温度条件下に配置される)6ヶ月以内に、アイテムの少なくとも90%が堆肥化されることになる。アイテムの最大10%の残りをよりゆっくり堆肥化させる又は実質的に堆肥化させない(好適には、堆肥化プロセスに悪影響を与えない)ことも許容される。したがって、剛体アウターが生分解性である実施形態では、折り畳み可能なライナを、剛体アウターの生分解性である材料よりゆっくりと分解する材料で形成することができ、ここでは、折り畳み可能なライナが、カートリッジの材料全体の重量の10%未満(例えば、5%未満)を含み、したがって、堆肥化プロセスに悪影響を与えず、好適である。折り畳み可能なライナは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンフラノエート(PEF)又はポリトリメチレンフランジカルボキシレート(PTF)などの関連のポリエステルポリマー、あるいは、ポリプロピレン(PP)などの、使用時に収容する製品に適合する材料を含むことができる。折り畳み可能なライナは、リサイクル可能な材料を含む材料又はリサイクル可能な材料から構成することを選択できる。折り畳み可能なライナは、採用可能な実施形態として、使用時に収容する製品に適合する生分解性にすることができるが、剛体アウターを生分解性にする実施形態においては、剛体アウターの生分解性の材料よりもゆっくり分解する生分解性の材料で形成することも選択できる。剛体アウターが生分解性である実施形態では、剛体アウターは、例えば、堆肥化条件下で(例えば、30℃から60℃の範囲内にある温度、及び、40%w/wから60%w/wの水分含有量)、12ヶ月、10ヶ月又は8ヶ月以内に、またより好適には6ヶ月以内に、完全に分解する材料などの、容易に堆肥化可能である材料から形成することができる。 カートリッジのアウターは、剛体である。本明細書で使用される「剛体」という用語は、対象の構造が非可撓性であることを意味し、したがって、例えば通常の取り扱い中に受ける種類の力を加えたときに、実質的に、湾曲したり、屈曲したり、又は折れ曲がったりしないことを意味する。したがって、剛体アウターが折り畳み可能なライナを保護して、折り畳み可能なライナを構造的に支持することが理解されよう。これにより、折り畳み可能なライナの本体の壁を非常に薄くすることができ、折り畳み可能なライナを形成するのに使用する材料の量を最小とする。本明細書で説明されるように、アウターは、カートリッジの材料全体の重量の、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%、また好適には95%を構成するようにしてもよい(例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)。したがって、折り畳み可能なライナは、カートリッジの材料全体の重量の、30%未満、20%未満、10%未満、また好適には5%未満を構成するようにしてもよい(例えば、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満)。これにより、折り畳み可能なライナを製造するのに使用する材料の量を最小にでき、好適である。このようにして材料の量を低減することは、例えば折り畳み可能なライナを製造するのに使用する材料を変更するよりも、環境目標(例えば、製造中の二酸化炭素排出量又はエネルギー使用を低減すること)に適合するためのより効果的な手法となり得る。
【0020】
折り畳み可能なライナ
折り畳み可能なライナが、製品を収容するための空洞を画定する。本明細書で使用される「折り畳み可能」という用語は、対象の構造が占有する空間の体積をより小さくするために折り畳まれる(収縮又は平坦化など)ように構成されることを意味する。採用可能な実施形態として、折り畳み可能なライナは、例えば製品を吸引できる開端部(例えば、任意に設けたライナの開口ネック部)である一方の端部のみを剛体アウターに取り付けるようにしてもよく、その結果、折り畳み可能なライナは、ライナから製品を吸引するとき、剛体アウターの側壁から離れるように折り畳まれる。特定の実施形態では、折り畳み可能なライナは、平坦化することにより折り畳まれるバッグの形態をとることができ、言い換えると、折り畳み可能なライナが収縮可能であるバッグの形態をとることができる。使用時、折り畳み可能なライナの空洞内に収容する製品は、製品吸引導管により、折り畳み可能なライナから吸引されることを必要とすることが理解されよう。これを達成するための1つの手法は、製品吸引導管を通過させることができる開口部を備える折り畳み可能なライナを装備することである。このような構成を有する実施形態では、折り畳み可能なライナの開口部及び剛体アウターの開口部を、製品吸引導管が両方の開口部を通過可能であるように、位置合わせするのが好適である。他の実施形態では、開口部を有しない折り畳み可能なライナを装備するようにしてもよい。この場合、製品吸引導管で空洞の中から製品を吸引できるように、折り畳み可能なライナの壁に穿孔することが必要である。 採用可能な実施形態として、折り畳み可能なライナは、押出し吹込み成形又は射出吹込み成形などの、吹込み成形を含む方法によって製造するようにしてもよい。折り畳み可能なライナは、射出吹込み成形を含む方法によって製造するのが好適である。適宜、余分な材料を、例えばスピントリミングにより、折り畳み可能なライナから切り取るようにしてもよい。射出吹込み成形などの、射出成形は、折り畳み可能なライナを形成するための手段として、コスト面での高効率・低エネルギーである。 本明細書で説明されるように、折り畳み可能なライナの壁は、製品に適合する任意の材料から作ることができる。特定の実施形態では、折り畳み可能なライナの壁は、HDPE又はLDPEなどの、あるいは、HDPE及びLDPEの両方を含む混合物などの、例えばポリエチレンのようなリサイクル可能な材料から作られる。折り畳み可能なライナの壁は、例えばHDPE及びLDPEのうちの1つ又は複数などの、ポリエチレンを含むフィルムなどの、高分子フィルム材料から形成することができる。採用可能な実施形態として、折り畳み可能なライナの壁は、生分解性プラスチック材料などの、堆肥化可能である材料で作ることができる。例えば、折り畳み可能なライナの壁は、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、澱粉ベースのポリマー、セルロースベースのポリマー、及びリグニンベースのポリマー、のうちの1つ又は複数を含むことができる。特に好適な実施形態では、折り畳み可能なライナの壁は、熱可塑性ポリエステル樹脂などの、ポリエステルを含むか又はポリエステルから構成される。ポリエステルがリサイクル可能であるのが好適である。ポリエステルの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)が特に好適である。PETは、通常は低コストで、広く入手可能である。PETはバイオPETを含む材料又はバイオPETから構成することができ、これは、再生可能バイオマス源(例えば、植物脂肪/植物油藁、木材チップ、おがくず、及び/又は、リサイクルされる食品廃棄物)から作り出すことを意味する。PETは、使用済みプラスチックの廃棄物(例えば、リサイクリングプラスチックコンテナ)をリサイクルすることによって得ることができる。PETの機械的特性及び化学的特性は、本発明の折り畳み可能なライナを形成するための射出吹込み成形プロセスで使用するのに特に適することを意味している。PETは、異なる厚さの複数の部分を有する壁を有する折り畳み可能なライナを形成するために射出吹込み成形することができる。PETの機械的特性は、射出吹込み成形により、非常に薄いながらも必要な強度を維持する複数の部分(例えば、最大1mm、最大0.9mm、最大0.8mm、最大0.7mm、最大0.6mm、最大0.5mm、最大0.4mm、最大0.35mm、最大0.3mm、又は最大0.25mmの壁厚を有する部分)を有する壁を備えるライナを成形することができ、好適であることを示す。PETの代替手段として、ポリエチレンフラノエート(PEF)又はポリトリメチレンフランジカルボキシレート(PTF)を使用することができる。採用可能な実施形態として、ポリプロピレン(PP)を使用することができる。採用可能な実施形態として、PET、PEF、PTF、及びPPのうちの2つ以上の混合物を使用することができる。PEF、PFT、及びPPの化学的特性及び機械的特性は、PETと同様に、これらの材料が折り畳み可能なライナを形成するための射出吹込み成形に特に適することを示すことが理解されよう。 特定の好適な実施形態では、ライナの本体を非常に薄い壁を有するものとすると同時に、ライナをより厚い壁部分を有するものとすることができる(例えば、ライナのネック又はライナのネックに向かう部位に位置する壁の厚い部分(製品に吸引及び/又はクロージャへの係合に適する開口ネック部又はネック部分に向かう部位に位置する壁の厚い部分など))。特定の好適な実施形態では、本明細書で説明されるように、ライナが環状カラー(剛体アウターの相補形状の環状部に係合するように成形される)を備え、環状カラーを形成する材料の厚さが、ライナの本体の材料の壁厚より大きい。特定の好適な実施形態では、ライナが、カートリッジがクロージャに係合するときに用いられる手段(例えば、ねじ山)を備え、この手段の材料が、ライナの本体の材料の壁厚より大きい厚さを有するようにしてもよい。
【0021】
非常に薄い壁の本体を有することにより、製品を吸引するときにライナを容易に折り畳むことができ、したがって、空気がライナの空洞に入らず、それにより、特に製品が酸素感受性製品である場合、ライナの空洞内で製品をより良好に保存することができる。通常、一般消費者向け飲料産業では、プラスチック(PET、PEF、PTF、又はPPなど)のボトルが、空のときに内側に折り畳まれるのを防止すると共に、必要な構造的強度を維持するのに十分な厚さの壁と、容易に飲料を注ぐことのできる形状と、を有するように作られる。対照的に、本発明の折り畳み可能なライナの本体は、製品を計量分配するとき、その形状を維持するのではなく折り畳まれるように意図的に構成することができる。このような折り畳み作用により、空気が製品に接触する必然性を回避することができる。同時に、カートリッジの構造的特徴が、ライナが折り畳まれること及びその望ましくない結果を軽減する。具体的には、剛体アウターがライナを支持及び収容する。いくつかの好適な実施形態では、ライナの環状カラーは、本明細書で説明されるように、剛体アウターの相補形状の環状部に係合することができ、それにより、製品の吸引時に折り畳み可能なライナが折り畳まれるときでも、折り畳み可能なライナを支持するのを可能にし、折り畳み可能なライナを定位置で保持する。同様に、カートリッジの任意選択の別の構成要素(例えば、スクリューダウンリングなどのリング)は、本明細書で説明されるように、剛体アウターに係合することができ、折り畳み可能なライナ及び剛体アウターを一体に保持するのを支援することができる。
【0022】
したがって、折り畳み可能なライナの壁の材料の一部又は全ては、特に、ライナの本体の壁の材料は、特定の好適な実施形態では、非常に薄くてよい。これは、ライナが、PET、PEF、PTF、PP、又はこれらのうちの2つ以上の混合物を含むかあるいはこれらから構成される場合に、特に好適である。採用可能な実施形態として、折り畳み可能なライナの本体の材料は、最大1mm、最大0.9mm、最大0.8mm、最大0.7mm、最大0.6mm、最大0.5mm、最大0.4mm、最大0.35mm、最大0.3mm、又は最大0.25mmの壁厚を有するようにしてもよい。採用可能な実施形態として、折り畳み可能なライナの本体の材料は、0.2mmの壁厚を有するようにしてもよい。
【0023】
非常に薄い壁の本体を備える折り畳み可能なライナ(例えば、PET、PEF、PTF、及び/又はPPを含む材料、あるいはPET、PEF、PTF、及び/又はPPから構成される折り畳み可能なライナ)を装備することにより、ライナを形成するのに使用する材料の量が最小になる。この事例では、剛体アウターが生分解性である実施形態では、折り畳み可能なライナが生分解性材料で作られていない場合であっても、剛体アウター及び折り畳み可能なライナを堆肥化により一体に廃棄することを可能とすることができる。本明細書で説明されるように、堆肥化産業では、好適には、アイテムが堆肥化条件下に配置される6ヶ月以内に(例えば、特定の湿度条件及び/又は温度条件下に配置される)、アイテムの少なくとも90%が堆肥化されることになる。折り畳み可能なライナの本体の壁の材料が非常に薄い場合、折り畳み可能なライナが、カートリッジの材料全体の重量の10%未満(重量の好適には5%未満(例えば、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満))を形成することを選択でき、したがって、好適には、堆肥化プロセスに悪影響を与えないようにすることができる。この事例では、折り畳み可能なライナ及び剛体アウターは、堆肥化プロセス又は形成される堆肥化物を許容できない程度まで損なうことなく、一体に堆肥化することによって廃棄することができる。
【0024】
折り畳み可能なライナの本体が非常に薄い壁である場合、折り畳み可能なライナの本体が柔らかくて扱いにくくなり、充填時又は残留製品の存在時には、単独で手で扱うことが使用者にとって潜在的に面倒なものとなる。したがって、カートリッジが、折り畳み可能なライナを構造的に支持するのを可能にし、使用者により摘まんで手で扱うことがより容易である、剛体アウターを装備するのが好適である。カートリッジがアウターに対するライナの望ましくない回転を制限するように構成する場合、例えば、使用者が手動でカートリッジの外側表面に回転力又はねじり力を加えて、クロージャからカートリッジを取り外すとき、ライナ及びアウターが一体に回転することになり、それにより、ユーザーの理解をより単純化する。さらに、支持する剛体アウターが存在することにより、例えば工場で、ライナに製品を充填することをより容易にすることができる。
【0025】
生分解性材料
採用可能な実施形態として、本発明の剛体アウターを生分解性にすることができる。特定の好適な実施形態では、剛体アウターの生分解性材料が堆肥化可能であってもよい。特定の好適な実施形態では、さらに、折り畳み可能なライナは、生分解性材料を含む材料又は生分解性材料から構成され、さらに、採用可能な実施形態として、その生分解性材料は、堆肥化可能にすることができる。
【0026】
一般に、パッケージング材料の環境プロフィールは、生分解性又はリサイクル可能な材料を使用することにより、最適化されすることができる。本発明は持続可能性を改善するための両方の道筋を企図する。しかし、本発明のカートリッジを化粧品の収容に使用する場合、生分解性が特に魅力的となり得る。その理由は、以前に化粧品を保持していたコンテナの中に残る残留物は、しばしば、それ自体は本質的に生分解性であるものの、リサイクリングストリームを損なう可能性がある化学物質の混合物であるからである。例えば、化粧品中の植物性脂質は、リサイクリングストリームを損なう可能性があるが(ただし、このことは、材料処理にリサイクル前の残留物の洗浄を含めることにより、克服できない問題というわけではない)、それでも生分解性である(採用可能な実施形態として、堆肥化物を含めることができる)。さらに、生分解することにより、特に堆肥化することにより、リサイクルする場合よりも材料の混合物をより良好に処理することを可能とし得る。本発明の採用可能な実施形態として、剛体アウターを生分解性とし、剛体アウター及び折り畳み可能なライナを同じ生分解性材料又は同じ生分解性材料を含む材料として、この同じ生分解性材料を一体に堆肥化することができる。代替的実施形態では、生分解性の剛体アウター及び折り畳み可能なライナを例えば異なる生分解性材料又は異なる材料を含む材料から構成するようにしてもよく、この場合でも、これらの異なる材料を一体に堆肥化することができる。
【0027】
剛体コンテナ
本発明のカートリッジは、本発明の剛体コンテナの内側に包囲される。したがって、剛体コンテナがカートリッジの剛体アウターを包囲する。こうすることで、剛体コンテナが大気中の湿気から剛体アウターを保護することができ、このこと、剛体アウターが生分解性である場合に、特に好適である。例えば、本発明の収容器は、通常は湿潤雰囲気を有する使用者の浴室の中で便利に保管することができる。したがって、剛体コンテナが、剛体アウターと大気水分との間にバリアを提供し、それにより、ライナ内に製品を維持しながら、カートリッジの使用時に、生分解性の場合の剛体アウターの劣化を防止する。
【0028】
剛体コンテナは、任意適切な材料を含むことができる。剛体コンテナは、1つ又は複数の比較的高耐久性の材料を含むことが好適である。その理由は、剛体コンテナが再利用可能であり、複数の使い捨てのカートリッジと共に使用することを意図するからである。剛体コンテナが、さらに、カートリッジを使用者から隠すように機能し、剛体コンテナを使用者にとってより魅力的に見せることが望ましい場合もある。例えば、収容器を配置する部屋の装飾様式を補完する、あるいは、その見た目が使用者にとって魅力的な色及び/又は仕上げの選択肢を使用者に提供することを目的として、剛体コンテナを一定範囲の色及び/又は仕上げで装備することができる。一定範囲の色で剛体コンテナを装備することにより、さらに、剛体コンテナをカラーコード化することが可能となり、したがって、異なる製品を計量分配するために使用者が2つ以上の剛体コンテナを取得する場合、使用者が正しい製品を容易に選択することができるようになる。採用可能な実施形態として、色が使用者の希望及び好みに従って選択できるようにしてもよい。採用可能な実施形態として、色は、製造御者によって選択され得る。例えば、色は、本発明のカートリッジに適用されるカラーコーディングに対応するように選択することができる。
【0029】
採用可能な実施形態として、剛体コンテナは、好適には、アルミニウム、又はその合金を含む。このような材料は、高耐久性となり、軽量となり、見た目が魅力的になるのが好適である。剛体コンテナは、例えばブラッシング又は陽極酸化処理を行うことにより、あるいは色を追加することを目的として、表面処理することができる。本発明の種々の実施形態に従って使用し得る剛体コンテナの他の材料には、プラスチック(例えば、カートリッジのリサイクリングから回収されるリサイクル材料)、セラミック(例えば、焼成粘土材料)、及び、銅、真鍮、又は鋼鉄(特には、ステンレス鋼)などの、別の金属が含まれる。剛体コンテナの他の材料には、例えば、非生分解性の繊維強化熱可塑性複合材料などの、繊維強化熱可塑性複合材料が含まれる。採用可能な実施形態として、このような複合材料には、熱可塑性材料として、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスチレン(PS)、及びポリオキシメチレン(POM)、のうちの1つ又は複数が含まれてよい。複合材料には、繊維として、木質繊維又は他の植物繊維などの天然繊維が含まれてよい。例えば、剛体コンテナは、熱可塑性物質中にある(任意選択で、非生分解性である)針葉樹繊維を含むことができ、又は熱可塑性物質中の針葉樹繊維から構成することができる。適切な材料の例として、フィンランドのPlasthill Oyから入手可能であるKareline(登録商標)のレンジがある。
【0030】
実質的な気密シール
本発明のカートリッジは、カートリッジとクロージャとの間に実質的な気密シールを形成することを目的とするクロージャへの係合手段を有する。いくつかの好適な実施形態では、クロージャに係合するためのこの手段は、折り畳み可能なライナ又は折り畳み可能なライナの一部として装備される。他の実施形態では、クロージャへの係合手段は、剛体アウターの一部として提供される。カートリッジがスクリューダウンリングを備える実施形態(本明細書の他の箇所で説明されるような)では、クロージャへの係合手段は、任意選択で、スクリューダウンリングの一部として装備することができる。クロージャへの係合手段は、任意選択で、1つ又は複数の、戻り止め、ねじ山、バヨネット取付具、スナップ嵌合構成、摩擦嵌合固定具、又は磁気固定具を備えることができる。例えば、折り畳み可能なライナ(又は、剛体アウター)は、クロージャへの係合手段を装備する開口ネック部(折り畳み可能なライナによって画定される空洞から製品を吸引するのを可能にする)を備えることができる。例えば、このような開口ネック部は、1つ又は複数の、戻り止め、ねじ山、バヨネット取付具、スナップ嵌合構成、摩擦嵌合構成、又は磁気固定具を備えることができる。
【0031】
このように実質的な気密シールを提供することの利点は、1つ又は複数の酸素感受性の活性成分を有する、特に酸素感受性製品である化粧品又は医薬品など、ライナの空洞の中にある製品と、大気酸素と、の間の接触を最小にすることである。
【0032】
採用可能な実施形態として、弾性リングガスケットをカートリッジとクロージャと間に設け、それにより、実質的な気密シールを強化するようにしてもよい。
【0033】
採用可能な実施形態として、弾性リングガスケットをカートリッジ(例えば、折り畳み可能なライナ又は剛体アウター)に配設するようにしてもよい。有利には、弾性リングガスケットをカートリッジに配設する場合、ガスケットをより安価に作ることができ、好適である。その理由は、カートリッジを交換するときにガスケットが交換されるからである。
【0034】
採用可能な実施形態として、弾性リングガスケットがクロージャの上に配設される。このような実施形態では、ガスケットにより多くの出資が必要となる可能性がある。その理由は、カートリッジとは異なり、クロージャが廃棄されることを意図されないからである。しかし、この構成の利点は、1つの収容器ごとに1つのみのガスケットを提供することが必要となることである(一連の使い捨てのカートリッジのために複数のガスケットを提供するのではない)。加えて、ガスケットがカートリッジの上に配設されない場合、これは、カートリッジの構造を単純化し、また、これは、カートリッジをより安価に作り得ることを意味する。さらに、これにより、より容易にリサイクルすること、及び/又はより容易に堆肥化することができるカートリッジを得ることができる。その理由は、その構造内で使用される異なる材料の数が低減されるからである。 採用可能な実施形態として、1つ又は複数の小さい圧力補償アパーチャが剛体コンテナを通るように設けてもよい。例えば、圧力補償アパーチャの総面積が、剛体コンテナの総表面積の、1%以下、0.5%以下、又は0.1%以下であってもよい。このような実施形態では、1つ又は複数の小さい圧力補償アパーチャがさらに、剛体アウターの材料を通るように設けられてもよい。例えば、圧力補償アパーチャの総面積が、剛体アウターの総表面積の、1%以下、0.5%以下、又は0.1%以下であってもよい。小さい圧力補償アパーチャが、収容器の使用時に、例えば折り畳み可能なライナの中から製品を取り出す間に、収容器の包囲空間内での均圧化を支援することができることが理解されよう。同時に、このような小さい面積を有するアパーチャは剛体コンテナの保護機能を有意に阻害せず、それによりさらに、剛体アウターと周囲大気中の湿気との間に十分なバリアを提供し、これが、剛体アウターが生分解性である実施形態では、特に有利となり得る。
【0035】
製品吸引導管
採用可能な実施形態として、製品吸引導管は、折り畳み可能なライナの最長寸法の25%未満で(例えば、20%以下、15%以下、又は10%以下)、折り畳み可能なライナによって画定される空洞の中まで延在するようにしてもよい。導管は空洞の全長まで延在する必要はなく、導管を空洞より短くすることにより、導管又は折り畳み可能なライナが損傷するリスクが低減される。これによりさらに、導管の外部表面に付着する製品によって生じる損失が低減され得る。
【0036】
他の実施形態では、製品吸引導管は、折り畳み可能なライナの最長寸法の50%超で(例えば、60%超、65%超、70%超、又は75%超)、折り畳み可能なライナによって画定される空洞の中まで延在する。このような製品吸引導管は製造が特に容易となり、及び/又は、特に容易に入手可能となり得る。
【0037】
採用可能な実施形態として、製品吸引導管が、実質的に円筒形である部分、及び、スパイク部分を備えるようにしてもよく、ここでは、スパイク部分が実質的に円錐形であり、ホイル又はフィルムに穴を開けるのに適する。例えば、スパイク部分が、いっぱいであるカートリッジを密閉するのに使用する密閉ホイルに穴を開けるのに適する。これの利点は、カートリッジが収容器の中に挿入されてスパイク部分が密閉ホイルに接触するときにのみ密閉ホイルに穴が開けられることになり、ここでは既に密閉されているか又はすぐにクロージャに対して密閉されることになり、カートリッジを収容器の中に挿入する前に使用者によって穴を開けられることを必要としない、ことである。これにより、ライナの空洞の中に収容される製品と大気酸素との間の接触が最小になる。実質的に円錐形状であるスパイク部分が、円錐の頂点の反対の側まで開いている内部孔を有することができ、その結果、ホイルが孔を遮断するリスクが最小となる。
【0038】
製品吸引導管は、任意適切な材料で作ることができる。例えば、製品吸引導管は、1つ又は複数のプラスチック、あるいは、1つ又は複数の金属を含むことができる。
【0039】
ポンプ
採用可能な実施形態として、クロージャがポンプを備えるようにしてもよい。ポンプは、空洞から製品吸引導管の中まで、及び、製品計量分配ヘッドを通して収容器の外まで、製品を圧送するように動作可能な動ポンプ又は手動操作ポンプであってよい。
【0040】
化粧品及び他の製品を計量分配するための適切な自動ポンプ及び手動操作ポンプはよく知られている。手動操作ポンプは、通常、例えば使用者の親指などの、手により第1の位置から第2の位置まで押圧されるための部分又はアクチュエータと、それ以上押圧されない場合、手によって押圧されるためのこの部分を第1の位置に戻すための、ばねなどの、付勢手段と、を備える。これにより製品がポンプユニットの中まで引き上げられ、その結果、手によって押圧されるためのこの部分が再び押圧されるときに、使用者によって使用されるために製品が収収容器から計量分配される。自動ポンプは、通常、手によって押圧されるための部分又はアクチュエータの代わりに、例えばモーションセンサなどの、センサを備える。ポンプが、例えば特定の使用において十分な程度で、製品の所定の割当量を計量分配するように適合され得る。一般的な計量分配ボリュームは0.5mlから200mlの範囲内にあってよい。例えば、一般的な計量分配ボリュームは、1ml、2ml、3ml、4ml、5ml、10ml、20ml、30ml、50ml、100ml、150ml、又は200mlであってよい。製品の要求条件及び意図される使用に応じて、多様な計量分配ヘッドが使用され得る。例えば、計量分配ヘッドが、任意選択で、製品を泡立てるのを促進するように構成され得る。製品が低粘性である場合、計量分配ヘッドが、任線選択で、ミストとして製品を計量分配するように構成され得る。多くのクリーム製品又はジェル製品の場合、計量分配ヘッドが、好都合であるサイズの割当量として製品を例えば使用者の手の中へ計量分配するように配置構成され得る。
【0041】
ポンプが任意適切な材料で作られ得る。このようなポンプ(手動又は自動のいずれでも)は、様々な製造業者からすぐに組み立てられるように入手可能である。ポンプの外側表面が使用中に可視となり得、したがって、その見た目を使用者にとって適切に魅力的なものとするための材料及び色で作られ得る。例えば、ポンプは剛体コンテナと同じ材料で作られ得るか、又は、剛体コンテナの色と同じであるか又は剛体コンテナの色に対して相補的である色を有することができる。
【0042】
任意選択で、収容器が、その見た目を改善することを目的として、ならびに/あるいは、例えば収容器の輸送時に、損傷又は誤作動からポンプを保護することを目的として、ポンプを覆うように構成された蓋をさらに備える。
【0043】
カートリッジの密閉
カートリッジの開口部は、漏出を防止するために、及び、中身を新鮮なものとして維持するために、密閉され得る。カートリッジの開口部は、例えば金属ホイル(例えば、アルミニウムホイル)又はプラスチックホイル(例えば、ポリエチレンフィルムを含むプラスチックホイル、もしくは、ポリ塩化ビニルフィルムを含むプラスチックホイル)などの、ホイルを用いて密閉され得る。任意選択で、密閉フィルムが、密閉を達成するための熱シール樹脂を装備することができる。理想的には、このホイルは、本発明の製品吸引導管のスパイク部分又は円錐部分によって穴を開けられ得るようなホイルである。本明細書で説明されるように、これにより、有利には、製品と空気との間の接触が最小となる。しかし、使用者により手で剥がされることになるタブを有するように構成されるホイルなどの代替の密閉ホイルも、本発明の範囲に含まれる。
【0044】
密閉ホイルに加えて、又は代替手段として、カートリッジが、任意選択で、スナップ式の蓋又はねじ式の蓋などの、別の密閉手段を提供されてもよい。これは、下にあるホイルを不測の損傷から保護するのに使用され得る。
【0045】
加えて又は別法として、カートリッジが、好都合な保管、運搬、又は搬送のための、及び、例えば小売業環境において、使用前に使用者にとって魅力的な見た目を提供するための、箱、バッグ、又は、パケットなどの、外側パッケージ内に設けられ得る。外側パッケージが、ラベル、バーコードなどのための、好都合な場所を提供することができる。
【0046】
収容器の製造方法
第2態様として、本発明は、本発明の第1態様の収容器を作る方法を提供し、本方法は、クロージャ、剛体コンテナ、及びカートリッジを用意するステップと、剛体コンテナ及びカートリッジの各々をクロージャに取り付けるステップと、を含む。
【0047】
収容器が製品を保持する場合、収容器の製造方法は、折り畳み可能なライナの空洞に製品を充填するステップをさらに含むことができる。カートリッジは、任意選択で、この充填ステップを実行する前に、剛体アウターの内側に折り畳み可能なライナを包囲するように、組み立てることができる。この事例では、ライナの空洞に入る製品の圧力が大きい場合であっても、アウターにより、ライナ(例えば、PET、PTF、PEF、及び/又はPPを含むライナ)が破れるのを防止することができ、好適である。
【0048】
カートリッジの廃棄方法
第3態様として、本発明は、本発明の第1態様の収容器のカートリッジを廃棄する方法を提供し、本方法は、折り畳み可能なライナから剛体アウターを切り離すステップ、又は、折り畳み可能なライナから剛体アウターを切り離すことなく剛体アウター及び折り畳み可能なライナを一体に廃棄するステップ、を含む。好適には、本方法は、以前に製品を収容していたが現状は製品が存在しない状態又はほぼ存在しない状態である収容器のカートリッジを廃棄することを含む。この方法は、任意選択で、クロージャからカートリッジを分離する追加の又は先行のステップを含むことができる。
【0049】
本発明の第3の態様方法は、任意選択で、本発明の他の態様を参照して本明細書で説明される1つ又は複数の特徴あるいは追加の構成要素を組み込むことができ、特に、本発明の第1態様の収容器又はその動作の特徴を組み込むことができる、ことが理解されよう。
【0050】
カートリッジを廃棄するときのユーザーの理解
採用可能な実施形態として、カートリッジは、剛体コンテナがクロージャに係合及び/又は係合解除されるときに、アウターに対してのライナの望ましくない動き(例えば、回転)を制限するように構成することができる。さらに、ライナ及びアウターは、、個別廃棄のために、適宜使用者が(意図的に)互いに切り離すことができるのが好適である。
【0051】
収容器が消費者によって使用されるとき、折り畳み可能なライナ内に収容される製品が経時的に取り出される。全ての(又は、ほぼ全ての)製品がライナから取り出されると、柔弱であるつぶれた使用済みのライナが残される。例えば、新鮮な製品を充填されたライナと交換することを目的として収容器の残りの部分から使用済みのライナを取り外すために、単独でこの使用済みのライナを手で扱うこと及び/又は摘まむことが困難となる。さらに、高級な又は最高級の消費者製品の事例において特に関連することであるが、つぶれた折り畳み可能なライナのその見た目が使用者にとって好ましいものではないは理解されよう。
【0052】
したがって、本発明の特定の好適な実施形態では、カートリッジが、剛体コンテナがクロージャに係合される及び/又はクロージャから係合解除されるときに、アウターに対してのライナの望ましくない動き(例えば、回転)を制限するように構成される。しかし、特定の好適な実施形態では、ライナ及びアウターが、個別廃棄のために、使用者により意図的に切り離され得る。ライナ及びアウターが、好適には、使用者がクロージャからカートリッジを取り外すときに(例えば、ねじ山又はバヨネット取付具によりカートリッジがクロージャに係合するような実施形態では、使用者がクロージャからカートリッジのねじを外すときに)、一体に回転するように構成される。ライナ及びアウターが誤って分離することがない。しかし、好適な実施形態では、例えば線形的モーションでアウターからライナを引いて外してそこから離すことにより使用者がやはり意図的にアウターからライナを切り離すことができる。こうすることで、以前に製品を最大限に詰め込まれていたライナの製品がなくなるか又はほぼなくなってライナが折り畳まれるとき、所望される場合にライナを引いてアウターから外す前に、使用者が、個別に廃棄するために、単一部片としてクロージャからカートリッジ(ライナ及びアウターの両方を備える)を取り外すことができる。有利には、カートリッジの剛体アウターがさらに、つぶれた折り畳み可能なライナを視界から隠すことができる。
【0053】
採用可能な実施形態として、ライナ及びアウターが係合手段を備える。このような実施形態では、係合手段が、剛体コンテナがクロージャに係合される及び/又はクロージャから係合解除されるときに、アウターに対してのライナの望ましくない動き(例えば、回転)を制限するように構成され、それでも、ライナ及びアウターが、任意選択で、個別に廃棄されるために、係合手段を係合解除することにより互いから切り離され得る。採用可能な実施形態として、係合手段が、アウターの相補形状の環状部(相補形状のねじ山、バヨネット取付具、スナップ嵌合構成、摩擦嵌合構成、又は磁気固定具)に係合するように構成される、ライナによって含まれる環状カラーを備える。
【0054】
特に好適な実施形態では、アウターに対してのライナの望ましくない動き(例えば、回転)を制限するために、ライナが、アウターの相補形状の環状部に係合するように構成された環状カラーを備える。環状カラーが、アウターの環状部内に含まれる相補形状の凹部に係合するように構成された突出部を備えることができる。別法として、カラーが凹部を備えることができ、相補形状の突出部が、カラーの凹部に係合するように構成され得るアウターの環状部内に含まれてよい。採用可能な実施形態として、カラーが、突出部及び凹部の組み合わせを備えることができ、アウターの環状部が、相補的である突出部及び凹部の組み合わせを備えることができる。カートリッジをクロージャに係合させるための手段が折り畳み可能なライナの上に設けられるか又は折り畳み可能なライナの一部として提供される場合(例えば、折り畳み可能なライナの開口ネック部の上にねじ山が設けられる)、ライナの環状カラーが、ライナの(折り畳み可能である)本体とこの手段(例えば、折り畳み可能なライナの開口ネック部の上に設けられたねじ山)との間に位置決めされ得る。
【0055】
採用可能な実施形態として、ライナとアウターとの間の係合が、製品を充填されたライナの空洞のみに依存する。こうすることで、製品を充填されたことで膨張したライナはアウターの中にぴったり嵌め込まれ得、対して、折り畳まれたライナはぴったり嵌め込まれず、より容易に取り外され得る。
【0056】
採用可能な実施形態として、ライナ及びアウターが、剛体コンテナがクロージャに係合される及び/又はクロージャから係合解除されるときに、アウターに対してのライナの望ましくない動き(例えば、回転)を制限する相補形状(各々が相補形状の正方形断面を有する形状など)で作られる。しかし、ライナの本体の壁が非常に薄い材料で作られる場合、これは動き(例えば、回転)を制限するのに十分ではない可能性がある。そういうわけで、このような実施形態では、本明細書で説明されるようなライナ上にある環状カラー、及び、アウターの相補形状の環状部を提供することが有利である。
【0057】
カートリッジが使い尽くされたとき(すべての又はほぼすべての製品が折り畳み可能なライナの空洞から取り出されたとき)、使用者がカートリッジから剛体コンテナを分離することができ、ここでは、単独で、剛体コンテナから折り畳み可能なライナを分離することを必要としない。こうすることで、散乱物(例えば、残留製品、又は、折り畳み可能なライナの破れた部分)が剛体コンテナに接触することがなくなる。次いで、ライナ及び剛体アウターが、任意選択で、使用者によって切り離され得、これが例えば、ライナ及び剛体アウターのねじを互いから外すこと、バヨネット取付具をロック解除すること又はアウターの相補形状の環状部からライナの環状リングを分離すること、アウターに対してのライナの望ましくない動き(例えば、回転)を制限する相補形状の形状(各々が相補形状の正方形断面を有する形状など)で作られている場合にライナ及び剛体アウターを単純に捻ること、スナップ嵌合構成をスナップ嵌合すること、摩擦嵌合構成を解除すること、あるいは、磁気固定具を外すこと、による。任意選択で、互いに対してのアウター及びライナの望ましくない回転が制限されるが、互いに対してのアウター及びライナの線形的な動きは制限されず、例えば、ライナが、採用可能な実施形態として、単純に、使用者よって引かれてアウターから外され得る。
【0058】
次いで、ライナ及びアウターが、任意選択で、個別に廃棄され得る。例えば、剛体アウターが生分解性及び堆肥化可能である実施形態では、剛体アウターが堆肥化され得る。折り畳み可能なライナが、任意選択で、リサイクルされ得る。
【0059】
採用可能な実施形態として、折り畳み可能なライナ及び剛体アウターが、比較的広い開口部である剛体アウターの開口部のところに係合する。例えば、開口部が、剛体アウターの表面積の少なくとも5%、10%、15%、又は20%である面積を有することができる。このような実施形態では、各々を個別に廃棄するのを可能にすることを目的として使用者が折り畳み可能なライナから剛体アウターを切り離すことが特に容易となり得る。
【0060】
採用可能な実施形態として、カートリッジを廃棄する方法が提供され、ここでは、剛体アウターが折り畳み可能なライナから切り離されない。例えば、剛体アウター及び折り畳み可能なライナの両方が一体にリサイクル可能であるような(単一のリサイクリングストリームなどにおいて)、又は、剛体アウター及び折り畳み可能なライナの両方が生分解性であるような(例えば、これらの両方が堆肥化可能である)、実施形態では、ライナ及びアウターが、切り離されることなく、リサイクルされるか又は生分解することにより(例えば、堆肥化される)、一体に廃棄され得る。
【0061】
カートリッジの一部又は全体の堆肥化
剛体アウターが生分解性及び堆肥化可能である採用可能な実施形態として、本発明の方法が、任意選択で折り畳み可能なライナと一体に(あるいは、特定の好適な実施形態では、折り畳み可能なライナから既に分離されている)、剛体アウターを堆肥化することをさらに含む。
【0062】
カートリッジの一部又は全体のリサイクリング
剛体アウターがリサイクル可能である採用可能な実施形態として、本発明の方法が、任意選択で折り畳み可能なライナと一体に(あるいは、折り畳み可能なライナから既に分離されている(例えば、折り畳み可能なライナが家庭廃棄物として廃棄される場合))、剛体アウターをリサイクルすることをさらに含む。
【0063】
生分解性/堆肥化可能性のための標準規格
本明細書で使用される生分解性という用語は、対象の材料が適切な環境(例えば、重量で40%から60%の水分含有量、及び、30℃から60℃の温度を有する環境)に配置されるとき、対象の材料が、例えば、12ヶ月、10ヶ月、又は8ヶ月以内などの許容される時間内で、また好適には6ヶ月以内で、堆肥化して、水、CO2、及びバイオマスとなる。
【0064】
生分解性/堆肥化可能性には多様な標準規格が存在する。特定の実施形態によると、生分解性/堆肥化可能として本明細書で説明される材料は、例えばEuropean standard EN13432(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に準拠して、産業的に堆肥化可能である。他の実施形態によると、堆肥化可能として説明される材料が、加えて又は別法として、例えば、Australian norm AS5810(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に準拠して、家庭用の堆肥化装置内で堆肥化可能となり得る。British Standards InstituteによりBS EN13432として公開されているEN13432標準規格(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、材料が以下の基準に適合することを求めている。
【0065】
1)粉末化
サンプルが有機廃棄物と混合され、12週間、堆肥化条件下で維持され、その後、材料片の10%以下のみしか2mmを超えないようになる。
【0066】
2)生分解性
堆肥化条件下で、材料を、水、二酸化炭素、及び新しいセルバイオマスへと実際的に(代謝的に、微生物的に)変換するための処置。最大6ヶ月以内で、サンプルの生分解により、完全な生分解が起こる場合に放出されることになる二酸化炭素の少なくとも90%の量の二酸化炭素を発生させなければならない。
【0067】
3)低レベルの重金属(可能性として、毒性元素)、及び、作り出される堆肥化物の品質に対してのゼロである悪影響
乾燥サンプルのmg/kgの値としての上限値が、亜鉛150、銅50、ニッケル25、カドミウム0.5、鉛50、水銀0.5、クロム50、モリブデン1、セレニウム0.75、ヒ素5、及びフッ化物100である。
【0068】
4)堆肥化されたパッケージング材料は、かさ密度、pH、塩分濃度(電気伝導率)、揮発性固形分、全窒素、全リン、全マグネシウム、全カリウム、及び、堆肥化物のアンモニア性窒素の性質に対して悪影響を有してはならない。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態によると、本明細書で生分解性又は堆肥化可能と称される材料が、本明細書の上記で説明される基準(1)から(4)のうちの1つ又は複数に適合する。例えば、材料が基準(1)から(4)のすべてに適合する。
【0070】
部品のキット
第4態様として、本発明は、本発明の第1態様の収容器を形成するための部品のキットを提供し、このキットは、クロージャ、剛体コンテナ、及びカートリッジを備える。部品のキットは、任意選択で、本発明の他の態様を参照して本明細書で説明される1つ又は複数の特徴あるいは追加の構成要素を備えることができ、特に、本発明の第1態様の収容器の特徴を備えることができる。特定の実施形態では、部品のキットは、部品を組み立てるための説明書又は部品のキットから組み立てられた収容器の使用のための説明書を含むことができる。
【0071】
収容器の使用方法
第5態様として、本発明は、液状又は半液状の化粧品又は医薬品を収容するための本発明の第1態様の収容器の使用方法を提供する。
【0072】
収容器は、本明細書で説明されるように、ポンプにより所望の量の製品を計量分配することにより、使用し得る。製品が化粧品の事例では、例えば、皮膚の表面に塗布することにより、又は、髪に塗布することにより、使用し得る。
【0073】
本発明のカートリッジは、好適には、製品を予め充填された状態で消費者に供給されることが理解されよう。本発明は充填カートリッジ及び非充填カートリッジの両方を包含する。消費者が、便利に、カートリッジを剛体コンテナの中に装着して製品を計量分配することができる。すべての又はほぼすべての製品が取り出されると、使用者が剛体コンテナから空のカートリッジを取り外すことができる。
【0074】
製品
製品は、液状製品、あるいは、高粘度液、ジェル、又はクリームなどの、半液状製品である。
【0075】
好適な実施形態では、製品が、歯磨き粉、整肌クリーム、石鹸、シャンプー、コンディショナー、あるいは、他のヘアトリートメント製品又は整肌製品などの、化粧品である。本発明と共に使用することを考えられる化粧品の例には、クレンザー、トナー、アイジェル、保湿剤、セラム、ボディクリーム、ボディローション、ブースター、日焼け止め剤、クリームクレンザー、フォームクリーナー、家庭用清掃剤、液状ファンデーション、ヘアセラム、ヘアトリートメント(毛染め剤、ブリーチ、縮毛矯正剤、ヘアジェル、シャンプー、ヘアグルー、ヘアムース、ヘアセラム、ヘアスプレー、ヘアトニック、ヘアワックス、ポマード、及びビアードオイルを含む)、ボディオイル、ヘアオイル、フェイスオイル、ハンドクリーム、ネイルクリーム及びコンディショナー、爪及び爪上皮のオイル及びコンディショナー、抗菌ハンドジェル、抗ウイルス性ハンドジェル、ハンドソープ、ボディソープ、シャワージェル、香水、プライマー、ブロンザー、日焼け防止ローション、美顔用パック、エクスフォリエント、及び、脱毛製品が含まれる。
【0076】
他の実施形態では、製品が、例えば、局所塗布用ジェル、軟膏、又はクリームなどの、医薬品である。製品が、眼科用の軟膏又はジェル、あるいは、傷に塗布されるためのクリーム、軟膏、又はジェルであってよい。このような医薬品は、採用可能な実施形態として、酸素に特に敏感である可能性があるか、又は、酸素に特に敏感である活性成分を含む可能性がある。
【0077】
多くの実施形態で、製品が、空気中の酸素及び/又は湿気に接触するときに加速度的な速度で劣化する製品であり、したがって、本発明が提供する折り畳み可能なライナ及び実質的な気密シールを使用することにより、保管中に及び/又は使用中に空気に露出されるのを最小にすることによりその貯蔵寿命が長くなり(ならびに/あるいは、活性、安全性、又は他の所望の特性が保存される)。これが、有利には、製品の劣化の速度を低下させる。
【0078】
特定の実施形態によると、折り畳み可能なライナの空洞が、製品を収容するための標準化されたキャパシティを有することができる。例えば、空洞のキャパシティは、3mlから500mlの範囲内であってよい。
【0079】
例えば、空洞のキャパシティは10mlから200mlの範囲内にあってよく、例えば10mlから150ml(10mlから100ml又は10mlから50mlなど)などの範囲内にあってよい。特定の実施形態では、キャパシティが30mlであってよい。
【0080】
採用可能な実施形態として、特には製品が医薬品である場合、空洞のキャパシティが、例えば3mlから30ml、3mlから20ml、又は3mlから10mlなどである、3mlから50mlの範囲内にあってよい。特定の実施形態では、キャパシティが5mlであってよい。
【0081】
特定の実施形態では、本発明による収容器が提供され、ここでは、折り畳み可能なライナの空洞に(まだ)製品が充填されていない。例えば、本発明の収容器又はより簡単にはカートリッジが、折り畳み可能なライナの空洞に製品を充填することを目的として、化粧品製造業者に提供され得る。
【0082】
他の実施形態では、本発明による収容器が提供され、ここでは、折り畳み可能なライナの空洞に製品が充填され、特には、上に列記される化粧品のうちの任意の化粧品が充填される。
【0083】
もちろん、本発明の一態様に関連して説明される特徴が本発明の他の態様に組み込まれ得ることは理解されよう。例えば、本発明の方法は、本発明の装置に関連して説明される特徴のうちの任意の特徴を組み込むことができ、逆も同様である。
【0084】
次いで、単に例として、添付の概略図を参照して本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【
図1】本発明の実施形態による収容器を示す、側面図、上面図、及び断面図である。
【
図2】剛体コンテナ及びクロージャを示す、側面図、上面図、断面図、及び斜視図である。
【
図3】折り畳み可能なライナを示す、側面図、上面図、断面図、及び斜視図である。
【
図4】カートリッジを示す、側面図、上面図、断面図、及び斜視図である。
【
図5】スクリューダウンリングを有するカートリッジを示す、側面図、上面図、断面図、及び斜視図である。
【
図6】剛体アウターを示す、側面図、上面図、断面図、及び斜視図である。
【
図7】スクリューダウンリングと共に、剛体アウターを示す、側面図、上面図、断面図、及び斜視図である。
【
図8】スクリューダウンリングを示す、側面図、上面図、断面図、及び斜視図である。
【
図9】収容器を示す、側面図及び斜視分解図である。
【
図10】スクリューダウンリングを有するカートリッジを示す、側面図及び斜視分解図である。
【
図11】カートリッジを示す、側面図及び斜視分解図である。
【
図12】剛体コンテナ及びクロージャが視界に入っている、本発明の代替的実施形態による収容器を示す側面図である。
【
図14】製品吸引導管を受けるように適合された開口部を有する、カートリッジの一部分を示す詳細斜視図である。
【
図15】使用のために製品が吸引されるときの、ライナの進行中の折り畳みを示している、剛体アウター内での折り畳み可能なライナの位置を示す図である。
【
図17】一体に連結された
図12の収容器の剛体コンテナ及びカートリッジを示す進行中の断面図である。パートAが剛体コンテナの中に部分的に挿入されたカートリッジを示し、パートBが完全に装着されたカートリッジを示す。
【
図18】製品吸引導管がカートリッジの開口部内の定位置にある状態である、
図12の収容器の剛体コンテナ内に装着されたカートリッジを示す断面図である。
【
図19】製品吸引導管を示す側面図及び斜視図である。
【
図20】製品吸引導管を示す、側面図、上面図、正面図、及び断面図である。
【
図21】クロージャに係合するためのねじ溝を装備するスクリューダウンリングを有するカートリッジを示す分解図である。
【
図22】
図21に示される構成で使用されるときの折り畳み可能なライナを示す図である。
【
図24】折り畳み可能なライナの進行中の折り畳みを示している、カートリッジを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0086】
特定の実施形態を参照して本発明を説明及び例示してきたが、本明細書で具体的には示されない多くの異なる変形形態で本発明が適用され得ることを当業者であれば理解するであろう。次に、単に例として、特定の可能性のある変形形態を説明する。
【0087】
図1が、本発明の実施形態による収容器100を示す。側面図及び上面図で、剛体コンテナ101及びクロージャ102を見ることができる。クロージャ102が押圧可能である手動ポンプアクチュエータ103を備え、押圧可能である手動ポンプアクチュエータ103が、化粧品を圧送して製品出口104を介して製品コンテナの外に出すために、使用者の親指によって押圧され得る。断面図で、剛体コンテナ101及びクロージャ102に加えて、剛体アウター106及び折り畳み可能なライナ107を備えるカートリッジ105を見ることができる。剛体コンテナ101が、戻り止め108によりクロージャ102に係合する。カートリッジ105が、ねじ山109によりクロージャ102に係合する。折り畳み可能なライナ107が、剛体アウター106の相補形状の環状部に係合するように成形された環状カラー111により、剛体アウター106に係合する。スクリューダウンリング110は任意選択であり、環状カラー111を定位置で固定するのを支援することができる。任意選択で、スクリューダウンリング110が、ねじ山112により剛体アウター106に係合し得る。
図1においてねじ山が示される場所では、これらのねじ山が他の実施形態において例えば戻り止めなどの代替的な係合手段に置き換えられてもよいことが理解されよう。同様に、
図1において戻り止めが示される場所では、これらの戻り止めが他の実施形態においてねじ山に置き換えられてもよいことが理解されよう。
【0088】
図2が、クロージャ202と一体に剛体コンテナ201を示す(クロージャ202が、押圧可能である手動ポンプアクチュエータ203及び製品出口204を備える)。剛体コンテナ201が、戻り止め208によりクロージャ202に係合する。代替的実施形態では、戻り止め208が例えばねじ山などの他の係合手段に置き換えられてもよいことが理解されよう。
【0089】
図3が、収容器のクロージャ(図示せず)に係合するためのねじ山309及び環状カラー311を有する、折り畳み可能なライナ307を示す。環状カラー311が、収容器の剛体アウター(図示せず)に係合するように成形される。
【0090】
図4が、剛体アウター406及び折り畳み可能なライナ407を備える、カートリッジ405を示す。折り畳み可能なライナ407が環状カラー411により剛体アウター406に係合し、環状カラー411が、剛体アウター406の相補形状の環状部に係合するように成形される。ねじ山409が、収容器のクロージャ(図示せず)に係合するように構成される。任意選択のねじ山412が、収容器のカートリッジの任意選択のスクリューダウンリング(図示せず)に係合するように構成される。
【0091】
図5が、任意選択のスクリューダウンリング510を有するカートリッジ505の側面図、上面図、断面図、及び斜視図を示す。折り畳み可能なライナ507の環状カラー511が、剛体アウター506の相補形状の環状部に係合する。これが、剛体コンテナがクロージャに係合される及び/又はクロージャから係合解除されるときに、アウター506に対してのライナ507の望ましくない動き(例えば、回転)を制限するが、それでも、個別に廃棄するために、ライナ507及びアウター506が使用者によって切り離され得る。任意選択のスクリューダウンリング510がねじ山512に係合する。したがって、任意選択のスクリューダウンリング510が環状カラー511の働きを補完し、それにより、アウター506に対してライナ507の望ましくない動き(例えば、回転)を回避するのを支援する。さらに、任意選択のスクリューダウンリング510が、内側に、つまり、アウター506の内部で、ライナ507が折り畳まれるのを防止するのを支援することができる。
【0092】
図6が、剛体アウター606の、側面図、上面図、断面図、及び斜視図を示す。使用時、収容器の折り畳み可能なライナの環状カラー(図示せず)が、剛体アウター606の相補形状の環状部613に係合する。
【0093】
図7が、任意選択のスクリューダウンリング710が定位置にある状態である、剛体アウター706の側面図、上面図、断面図、及び斜視図を示す。
【0094】
図8が、任意選択のスクリューダウンリング810の、側面図、上面図、断面図、及び斜視図を示す。
【0095】
図9が、
図1に示される本発明の実施形態による、収容器900の側面分解図及び斜視分解図を示す。使用時に、剛体コンテナ901がクロージャ902に係合してそれにより剛体コンテナ901を閉じ、カートリッジ905が剛体コンテナ901内で包囲される。カートリッジ905が、折り畳み可能なライナ907を包囲する剛体アウター906を備える。折り畳み可能なライナ907が製品を収容するための空洞を画定し、ここでは、クロージャの製品吸引導管(図示せず)が空洞の内部を延在する。さらに、任意選択のスクリューダウンリング910が
図9のカートリッジ905内に含まれる。
【0096】
図10が、任意選択のスクリューダウンリング1010を有するカートリッジ1005の側面分解図及び斜視分解図を示す。
【0097】
図11が、カートリッジ1105の側面分解図及び斜視分解図を示す。この実施形態では、剛体アウター1106が2つの半体として提供され、2つの半体が折り畳み可能なライナ1107の周りでクリップ留めされて定位置に入る。
【0098】
図12が、本発明の代替的実施形態による収容器1200の側面図を示す。剛体コンテナ1201が、概略正方形断面のボディを備える。底部クロージャ1202が、剛体コンテナ1201のボディに取り付けられる。クロージャ1203が押圧可能である手動ポンプアクチュエータ1207を備え、押圧可能である手動ポンプアクチュエータ1207が、化粧品を圧送して製品出口1205を介して収容器の外に出すために、操作者の親指によって押圧され得る。
図13が、
図12の収容器の分解図を示す。底部クロージャ1302が、その中に製品を収容しているカートリッジ1300を開放するために取り外されている、ことが見てとれよう。カートリッジ1300が開口ネック部1305を有する。さらに任意選択の蓋1306が示されており、蓋1306が剛体コンテナ1301のクロージャ1303の上に嵌め込まれる。任意選択の蓋1306は
図12には存在しない。
【0099】
図14が、具体的には開口ネック部1401である、カートリッジ1400の一部分の斜視図を詳細に示す。開口ネック部1401が、そこを通して製品が吸引されるところである開口部1402を有する、ことが見てとれよう。開口部が断面において円形であり、したがって、円筒形孔である内部表面を有する。開口部が、任意選択で、開口部の頂部を覆うように嵌め込まれた密閉ホイル(図示せず)によって閉じられ得る。製品吸引導管(図示せず)と開口部の孔との間の密封シールが、弾性材料のガスケットを開口部の孔の内側表面内の
図14の位置1403のところに配置することにより、達成され得る(ガスケットは示されない)。ガスケットをカートリッジ内に配置することにより、ガスケットが、収容器からカートリッジが取り外されるときに製品吸引導管から残留製品を拭い取るように動作することができ、それにより、散乱物を低減する。再利用可能である剛体コンテナではなく交換可能であるカートリッジの上にガスケットを配置することは、さらに、ガスケットが長期間使用の摩耗及び裂けに耐える必要がない、ことを意味する。
【0100】
図15が、剛体アウター1500内にある折り畳み可能なライナ1504の構成を示す。パートAの図は、折り畳み可能なライナ1504の製品がいっぱいであるときの構成を示す。パートB及びCが、製品が取り出されるときの、ライナ1504の進行中の排出及び折り畳みを示す。剛体アウターの壁が、ライナ1504を折り畳むときに剛体アウターの内壁と折り畳み可能なライナ1504との間の隙間1505の中に大気空気が入るのを支援するための開口部を含むことができる。
【0101】
剛体コンテナが、艶消しアルミニウムなどの高耐久性の魅力的な材料で構築され得、
図16の断面で示されるように、カートリッジを受けるための空洞1610、ポンプ機構を受けるための空洞1611、及び底部クロージャを受けるための適切な構成1612を有するように、機械加工され得るか、又は他のかたちで製作され得る。
【0102】
図17が、パートAの断面で、ポンプアクチュエータ1707及び製品計量分配出口1705を有する手動ポンプと一体に、剛体コンテナ1701を示す。さらに、パートAで、円筒形部分1701及び実質的に円錐形である部分1703を有する製品吸引導管を見ることができる。パートAは、空洞1710の中へのカートリッジ1700の部分的な挿入を示す。カートリッジが、パートBに示されるように、この位置でさらに中に挿入され得る。パートBで見てとれるように、製品吸引導管がカートリッジ1700の開口部内で受けられ、その結果、実質的に円錐形である部分1703がカートリッジ1700の開口部を覆うホイル(図示せず)に穴を開けることになり、円筒形部分1701がカートリッジ開口部の孔を埋める。カートリッジの剛体アウターの内部にある折り畳み可能なライナの中に製品を配置することにより、大気に対して製品を露出することが回避され、製品吸引導管の円筒形部分1701及びカートリッジ開口部の孔が気密であるシールを形成することを条件として、カートリッジ1700が実質的に空になるまで製品が吸引され得、ここでは、製品吸引導管が折り畳み可能なライナの空洞の中を非常に長い距離で延在する必要がない。これによりさらに、収容器が逆さにされる場合でも製品を計量分配することが可能となる。より短い製品吸引導管では、製品吸引導管が損傷する可能性が低減され、収容器からカートリッジ1700を取り外すときに製品吸引導管に付着する残留製品の量を低減する。
【0103】
図18が定位置にあるカートリッジ1800を示しており、この構成において製品吸引導管の実質的に円錐形である部分1803が如何にしてカートリッジ内部に存在するかを説明している。
【0104】
図19が、複数の図で、本発明による例示の製品吸引導管1900を示す。製品吸引導管1900が、内部孔1902を有する円筒形部分1901を備える。円筒形部分が、収容器の剛体カートリッジの開口部(図示せず)によって受けられるように寸法決めされる。製品吸引導管1900が、一方の端部のところで、剛体カートリッジの開口部の頂部を覆う密閉ホイルに穴を開けるのに適する実質的に円錐形状となるように突き出ている。内部孔1902が、実質的に円錐形である部分1903の側壁で開いている。この位置は、内部孔1902が密閉ホイルによって遮断されにくい、ことを意味する。
【0105】
図20が、
図19と同様に、本発明による例示の製品吸引導管2000を示す。製品吸引導管2000が、内部孔2002を有する円筒形部分2001を備える。円筒形部分が、収容器の剛体カートリッジの開口部(図示せず)によって受けられるように寸法決めされる。製品吸引導管2000が、一方の端部のところで、剛体カートリッジの開口部の頂部を覆う密閉ホイルに穴を開けるのに適する実質的に円錐形状となるように突き出ている。内部孔2002が、実質的に円錐形である部分2003の側壁で開いている。この位置は、内部孔2002が密閉ホイルによって遮断されにくい、ことを意味する。
【0106】
図21が、任意選択のスクリューダウンリング1010を有するカートリッジ1005の側面分解図及び斜視分解図を示す。
図10に示される構成とは対照的に、クロージャに係合するためのねじ溝がスクリューダウンリングの一部として提供され、対して、
図10に示される構成では、このねじ山が、スクリューダウンリングを越えて突出する剛体アウターの一部分として提供される。
図21に示される構成による折り畳み可能なライナの上にねじ溝が存在しないことが、折り畳み可能なライナのみの説明図である
図22で明瞭に示される。ねじ溝を有さない折り畳み可能なライナが有利に単純な形態であることが
図22から見てとれよう。
【0107】
図23が、
図21に示されるようなカートリッジの断面を示す。見てとれるように、折り畳み可能なライナ及び剛体アウターからカートリッジが組み立てられるとき、この事例ではねじ溝である、クロージャへの係合手段が、スクリューダウンリングの一部として提供される。これは、折り畳み可能なライナのネックがスクリューダウンリングにより機械的に補強されることを意味し、それにより、折り畳み可能なライナのための必要となる材料の使用量を最小にしながら、クロージャへの係合手段に十分なロバスト性が提供され得る、ことを意味する。
【0108】
図24が、剛体アウター1006及び折り畳み可能なライナを備える、本発明のカートリッジの断面を示す。これらの3つの説明図が、折り畳み可能なライナの空洞から製品が吸引されるときの、ライナの進行中の折り畳みを示す。この折り畳み方法は
図15に示されるライナの収縮とは異なるが、両方の折り畳み形態が本発明によって実現されることを理解されたい。
【0109】
本発明の別の態様を列挙する項
本発明の別の態様が以下の番号付けされた項に列挙される。本明細書の他の場所で開示される別の特徴がこれらの項に組み込まれ得ることが理解されよう。
【0110】
項1.液状製品又は半液状製品を収容するための、剛体アウター及び折り畳み可能なライナを備える剛体カートリッジにおいて、カートリッジが、製品吸引導管を受けるように適合された開口部を有する、剛体カートリッジであって、開口部が、製品吸引導管及びその内側表面上の弾性材料の断面に実質的に等しい断面を有し、その結果、製品吸引導管の周りに実質的な気密シールが得られる、ことと、開口部から製品吸引導管が取り外されるとき、製品吸引導管の外部表面上の実質的にすべての製品が拭い取られることと、を特徴とする。
【0111】
項2.項1の剛体カートリッジであって、開口部がカートリッジのネック部分内にあり、開口部が、開口部の内側表面に対して適用される弾性リングガスケットを有する。
【0112】
項3.項1又は2の剛体カートリッジであって、剛体アウターが堆肥化可能であるプラスチック材料で作られる。
【0113】
項4.項1又は2の剛体カートリッジであって、剛体アウターが、95%超の純度のリサイクル可能であるプラスチック材料で作られる。
【0114】
項5.項1から4のいずれか一項の剛体カートリッジであって、剛体カートリッジが液状製品又は半液状製品を収容する。
【0115】
項6.項5の剛体カートリッジであって、液状製品又は半液状製品が化粧品である。
【0116】
項7.項1から6のいずれか一項の剛体カートリッジであって、剛体アウターの材料が、剛体カートリッジの材料全体の重量の少なくとも95%を含む。
【0117】
項8.項1から7のいずれか一項の剛体カートリッジであって、剛体アウターの材料が堆肥化可能であり、任意選択で、堆肥化可能であるライナの材料及び任意選択の弾性材料も堆肥化可能である。
【0118】
項9.項1から8のいずれか一項の剛体カートリッジであって、開口部を覆う密閉フィルム又はホイルをさらに備える。
【0119】
項10.項1から9のいずれか一項に定義される剛体カートリッジをその中に挿入することができる外側スリーブを備える製品コンテナであって、上記外側スリーブが、製品吸引導管及び手動操作ポンプを備え、ポンプの動作が、製品吸引導管の中へ及び製品計量分配ヘッドを通してその外へ液状製品又は半液状製品を圧送するのに適するものとなるように構成される。
【0120】
項11.項10の製品コンテナであって、項1から9のいずれか一項に定義される剛体カートリッジをさらに備える。
【0121】
項12.項10又は11の製品コンテナであって、外側スリーブの中に挿入された剛体カートリッジを保持するように適合された底部クロージャをさらに備える。
【0122】
項13.項10、11、又は12の製品コンテナであって、製品吸引導管が、剛体カートリッジ内の実質的に円筒形である開口部に係合するのに適する、実質的に円筒形である部分と、ホイル又はフィルムに穴を開けるのに適する、実質的に円錐形であるスポーク部分と、を備える。
【0123】
上記の記述において、既知である均等物、明らかである均等物、又は予見され得る均等物を有する完全体又は要素が言及される場合、このような均等物は、あたかも個別に記載されているかのように、本明細書に組み込まれる。本発明の真の範囲を決定するためには特許請求の範囲を参照すべきであり、本発明の真の範囲は任意のこのような均等物を包含すると解釈されるべきである。さらに、好適である、有利である、又は便利である、などとして説明される本発明の完全体又は特徴が任意選択であり、独立請求項の範囲を限定しない、ことが読者には理解されよう。さらに、このような任意選択の完全体又は特徴は、本発明のいくつかの実施形態においては可能性として有益なものでありながらも、他の実施形態において、所望されるものではない可能性があり、したがって、存在しない可能性がある、ことを理解されたい。