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特許7593681視力分析システム、クラウド端末及び視力分析方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】視力分析システム、クラウド端末及び視力分析方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20241126BHJP
   A61B 3/18 20060101ALI20241126BHJP
   A61B 5/11 20060101ALN20241126BHJP
   G16H 50/00 20180101ALN20241126BHJP
【FI】
A61B3/10
A61B3/18
A61B5/11 200
G16H50/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023134421
(22)【出願日】2023-08-22
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】519130281
【氏名又は名称】クリア電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【弁理士】
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】小野 志堅
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-146469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器と、操作端末と、前記電子機器及び前記操作端末の両方と無線通信可能なクラウド端末と、を備える視力分析システムであって、
前記電子機器は、取外可能又は取外不能に眼鏡に装着され、
前記電子機器は、視力に関するパラメータを検出し、検出したパラメータ又はパラメータに基づくパラメータ関連情報を前記クラウド端末に送信し、
前記操作端末は、データを前記クラウド端末から前記操作端末に送信させるための送信要請指令をユーザの操作により前記クラウド端末に送信し、
前記クラウド端末は、
前記電子機器から送信されたパラメータ又はパラメータ関連情報を記憶し、
前記操作端末から送信された送信要請指令を受信した場合に、記憶したパラメータ又はパラメータ関連情報を前記データとして前記操作端末に送信し、又は、パラメータ又はパラメータ関連情報を分析処理することにより取得された視力に関する処理結果を前記データとして前記操作端末に送信
前記操作端末から送信された送信要請指令を受信していない場合に、前記パラメータ、前記パラメータ関連情報又は前記処理結果を前記操作端末に送信せず、
前記パラメータは、閲覧距離、光強度又は旋回角度を含む、
視力分析システム。
【請求項2】
前記クラウド端末は、
前記電子機器から送信されたパラメータ又はパラメータ関連情報を記憶する記憶ユニットと、
パラメータ又はパラメータ関連情報を自動に分析処理し、かつ、前記操作端末から送信された送信要請指令に基づいて分析処理結果を前記操作端末に送信する処理通信ユニットと、を有する、
請求項1に記載の視力分析システム。
【請求項3】
前記クラウド端末は、
前記電子機器から送信されたパラメータ又はパラメータ関連情報を記憶する記憶ユニットと、
前記操作端末から送信された送信要請指令を受信した場合のみに、パラメータ又はパラメータ関連情報を分析処理し、分析処理結果を前記操作端末に送信する処理通信ユニットと、を有する、
請求項1に記載の視力分析システム。
【請求項4】
前記電子機器は、
視力に関するパラメータを検出する検出部と、
検出されたパラメータを処理することにより前記パラメータ関連情報としての処理結果を取得する処理部と、
前記処理部から取得された処理結果を前記クラウド端末に送信する通信部と、を有する、
請求項1に記載の視力分析システム。
【請求項5】
前記操作端末は、それぞれ複数種類のユーザと対応する複数のインタフェースを有し、
複数の前記インタフェースには、それぞれ異なる要請項目が選択可能に表示されている、
請求項1に記載の視力分析システム。
【請求項6】
視力分析システムに用いられるクラウド端末であって、
前記視力分析システムは、電子機器と、操作端末と、前記電子機器及び前記操作端末の両方と無線通信可能なクラウド端末と、を備え、
前記電子機器は、取外可能又は取外不能に眼鏡に装着され、
前記クラウド端末は、
前記電子機器から送信されたパラメータ又はパラメータ関連情報を記憶する記憶ユニットと、
前記操作端末から送信された、データを前記クラウド端末から前記操作端末に送信させるための送信要請指令を受信した場合に、記憶したパラメータ又はパラメータ関連情報を前記操作端末に送信し、又は、パラメータ又はパラメータ関連情報を分析処理することにより取得された視力に関する分析処理結果を前記操作端末に送信し、前記操作端末から送信された送信要請指令を受信していない場合に、前記パラメータ、前記パラメータ関連情報又は前記処理結果を前記操作端末に送信しない処理通信ユニットと、を備え
前記パラメータは、閲覧距離、光強度又は旋回角度を含む、
クラウド端末。
【請求項7】
視力分析方法であって、
電子機器が、視力に関するパラメータを検出し、検出したパラメータ又はパラメータに基づくパラメータ関連情報をクラウド端末に送信することと、
操作端末が、データを前記クラウド端末から前記操作端末に送信させるための送信要請指令をユーザの操作により前記クラウド端末に送信することと、
前記クラウド端末が、前記電子機器から送信されたパラメータ又はパラメータ関連情報を記憶し前記操作端末から送信された送信要請指令を受信した場合に、記憶したパラメータ又はパラメータ関連情報を前記操作端末に送信し、又は、パラメータ又はパラメータ関連情報を分析処理することにより取得された視力に関する処理結果を前記操作端末に送信し、前記操作端末から送信された送信要請指令を受信していない場合に、前記パラメータ、前記パラメータ関連情報又は前記処理結果を前記操作端末に送信しないことと、を含
前記電子機器は、取外可能又は取外不能に眼鏡に装着され、
前記パラメータは、閲覧距離、光強度又は旋回角度を含む、
視力分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視力分析システム、クラウド端末及び視力分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、視力に関するパラメータを検出する検出センサと、検出結果に基づいて視力低下のリスクを判定し、視力低下のリスクが高いと判定された場合に報知を行う振動器と、を備える電子機器としての視力低下抑制眼鏡が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-110925号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の視力低下抑制眼鏡は、スマート端末等と通信可能に構成されているため、各パラメータや各パラメータを処理した処理結果をスマート端末等に送信することができる。しかしながら、視力低下抑制眼鏡は、各パラメータを一時的に記憶する記憶部と、各パラメータを処理する処理部と、を備える必要がある。また、処理部は、スマート端末に必要な処理結果を生成するために、ある程度のスペックを確保する必要があるため、処理部の低コスト化を十分に図ることができない。
【0005】
本発明は、この問題点に着目してなされたものであり、電子機器の低コスト化を図ることができる視力分析システム、クラウド端末及び視力分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、電子機器と、操作端末と、前記電子機器及び前記操作端末の両方と無線通信可能なクラウド端末と、を備える視力分析システムであって、前記電子機器は、視力に関するパラメータを検出し、検出したパラメータ又はパラメータに基づくパラメータ関連情報を前記クラウド端末に送信し、前記操作端末は、要請指令をユーザの操作により前記クラウド端末に送信し、前記クラウド端末は、前記電子機器から送信されたパラメータ又はパラメータ関連情報を記憶し、かつ、前記操作端末から送信された要請指令に基づいて、記憶したパラメータ又はパラメータ関連情報を前記操作端末に送信し、又は、パラメータ又はパラメータ関連情報を分析処理することにより取得された視力に関する処理結果を前記操作端末に送信する視力分析システムが提供される。
【0007】
本発明の他の態様によれば、視力分析システムに用いられるクラウド端末であって、前記視力分析システムは、電子機器と、操作端末と、前記電子機器及び前記操作端末の両方と無線通信可能なクラウド端末と、を備え、前記クラウド端末は、前記電子機器から送信されたパラメータ又はパラメータ関連情報を記憶する記憶ユニットと、前記操作端末から送信された要請指令に基づいて、記憶したパラメータ又はパラメータ関連情報を前記操作端末に送信し、又は、パラメータ又はパラメータ関連情報を分析処理することにより取得された視力に関する分析処理結果を前記操作端末に送信する処理通信ユニットと、を備えるクラウド端末が提供される。
【0008】
本発明の他の態様によれば、視力分析方法であって、電子機器が、視力に関するパラメータを検出し、検出したパラメータ又はパラメータに基づくパラメータ関連情報をクラウド端末に送信することと、操作端末が、要請指令をユーザの操作により前記クラウド端末に送信することと、前記クラウド端末が、前記電子機器から送信されたパラメータ又はパラメータ関連情報を記憶し、かつ、前記操作端末から送信された要請指令に基づいて、記憶したパラメータ又はパラメータ関連情報を前記操作端末に送信し、又は、パラメータ又はパラメータ関連情報を分析処理することにより取得された視力に関する処理結果を前記操作端末に送信することと、を含む視力分析方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
これらの態様によれば、電子機器の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る視力分析システムを示す概略説明図である。
図2図2は、視力分析システムを構成する電子機器を示す概略斜視図である。
図3図3は、電子機器を示すブロック構成図である。
図4図4は、視力分析システムを構成するクラウド端末を示すブロック構成図である。
図5図5は、視力分析システムを構成する操作端末を示すブロック構成図である。
図6A図6Aは、視力分析システムを構成する操作端末の第1インタフェースを示す概略平面図である。
図6B図6Bは、操作端末の第2インタフェースを示す概略平面図である。
図6C図6Cは、操作端末の第3インタフェースを示す概略平面図である。
図7図7は、本実施形態に係る視力分析方法の各処理を示すシーケンス図である。
図8図8は、変形例に係る視力分析方法の各処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態(以下、単に実施形態ともいう)について説明する。本明細書においては、全体を通じて、同一の要素には同一の符号を付する。
【0012】
まず、図1から図6を参照しながら本実施形態に係る視力分析システム100の構成について説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る視力分析システム100を示す概略説明図である。図2は、視力分析システム100を構成する電子機器1を示す概略斜視図である。図3は、電子機器1を示すブロック構成図である。図4は、視力分析システム100を構成するクラウド端末3を示すブロック構成図である。図5は、スマート端末2を示すブロック構成図である。図6Aは、視力分析システム100を構成するスマート端末2の第1インタフェース211を示す概略説明図である。図6Bは、スマート端末2の第2インタフェース212を示す概略平面図である。図6Cは、スマート端末2の第3インタフェース213を示す概略平面図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る視力分析システム100は、電子機器1と、操作端末としてのスマート端末2と、電子機器1及びスマート端末2の両方と無線通信可能なクラウド端末3と、を備える。
【0015】
(電子機器)
図2に示すように、本実施形態では、電子機器1は、クリップを介して眼鏡に装着された眼鏡用センサから構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、人体に携帯される視力低下抑制眼鏡から構成されてもよい。
【0016】
図3に示すように、電子機器1は、視力に関するパラメータ(以下、単にパラメータともいう)を検出し、検出したパラメータをクラウド端末3に送信するものであって、検出部11、コントローラとしての第1コントローラ12及び報知部としての振動器13を有する。なお、検出部11及び振動器13は、第1コントローラ12とは電気的に接続されている。
【0017】
検出部11は、パラメータを検出する。本実施形態では、検出部11は、距離検出センサ(図示しない)、光検出センサ(図示しない)及び九軸センサ(図示しない)から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、三つのセンサのうちの一部のみから構成されてもよい。
【0018】
図3に示すように、第1コントローラ12は、電子機器1の各処理を司るものである。本実施形態では、第1コントローラ12は、コンピュータとしてのCPUから構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、複数のマイクロコンピュータから構成されてもよい。
【0019】
具体的には、図3に示すように、第1コントローラ12は、互いに電気的に接続された記憶部としての第1記憶部121、処理部としての第1処理部122及び通信部としての第1通信部123を有する。
【0020】
第1記憶部121は、検出部11から検出されたパラメータを一時的に記憶する。また、第1記憶部121は、視力低下のリスクが高いか否かを判定するための各閾値を記憶するメモリである。また、第1記憶部121は、第1処理部122において実行される処理プログラム又はアルゴリズムを記憶している。本実施形態では、第1記憶部121は、第1コントローラ12に内蔵されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第1コントローラ12とは別体に設けられてもよい。
【0021】
第1処理部122は、距離検出センサから検出された閲覧距離、光検出センサから検出された光強度、及び、九軸センサから検出された旋回角度に基づいて、ユーザとしての電子機器使用者(子供等)視力低下のリスクが高いか否かを判定し、ユーザの視力低下のリスクが高いと判定した場合に振動器13を振動させるための報知指令を生成し、生成した報知指令を振動器13へ出力する。
【0022】
第1通信部123は、クラウド端末3との間に遠距離無線通信可能に構成されている。そして、電子機器1は、第1通信部123によりクラウド端末3とのデータ送受信を行うことが可能となる。また、本実施形態では、第1通信部123は、スマート端末2との間に短距離無線通信可能に構成されている。そして、電子機器1は、スマート端末2に近接された場合に限り、第1通信部123によりスマート端末2とのデータ送受信を行うことが可能となる。
【0023】
振動器13は、第1処理部122から出力された報知指令に基づいて振動することにより電子機器使用者に対する注意喚起用の報知を行う。そして、電子機器使用者は、注意喚起用の報知を受けて、視力低下のリスクが高いことに気づき、姿勢矯正又は環境改善(室内を明るくすること)や休憩取得を行う。
【0024】
本実施形態では、報知部は、振動器13から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、報知指令等に基づいて発音するスピーカやブザーによって構成されてもよく、又は、振動器13とスピーカとの組み合わせによって構成されてもよい。
【0025】
(クラウド端末)
図4に示すように、クラウド端末3は、記憶ユニット31及び処理通信ユニット32を有する。なお、記憶ユニット31及び処理通信ユニット32は、互いに電気的に接続されている。
【0026】
記憶ユニット31は、電子機器1から送信されたパラメータを永久的又は半永久的に記憶する。
【0027】
本実施形態では、処理通信ユニット32は、電子機器1から送信されたパラメータを自動に分析処理し、かつ、スマート端末2から送信された要請指令に基づいてパラメータ又は分析処理結果をスマート端末2に送信する。具体的には、処理通信ユニット32は、クラウド処理部321及びクラウド通信部322を有する。
【0028】
クラウド処理部321は、電子機器1から送信されたパラメータを自動に分析処理することにより分析処理結果を取得し、取得した分析処理結果を記憶ユニット31に出力する。そして、記憶ユニット31は、出力された分析処理結果を永久的又は半永久的に記憶する。ここでは、分析処理結果には、例えば、複数種類の統計データが含まれている。すなわち、分析処理とは、各パラメータ等の統計分析処理を行うことである。
【0029】
クラウド通信部322は、電子機器1及びスマート端末2の両方との間に遠距離無線通信可能に構成されている。そして、クラウド端末3は、クラウド通信部322により電子機器1及びスマート端末2の両方とのデータ送受信を行うことが可能となる。本実施形態では、クラウド通信部322は、スマート端末2から送信された要請指令に基づいてパラメータ又は分析処理結果をスマート端末2に送信する。
【0030】
(スマート端末)
図5に示すように、スマート端末2は、互いに電気的に接続された表示部21、操作部22、コントローラとしての第2コントローラ23を有する。
【0031】
表示部21は、後述する各インタフェース、クラウド端末3から送信されたパラメータ又は分析処理結果等を表示させる。具体的には、表示部21は、液晶ディスプレイから構成されている。
【0032】
操作部22は、ユーザがスマート端末2を操作可能に構成されている。本実施形態では、操作部22は、タッチパネルから構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、操作スイッチ又は操作ボタン等から構成されてもよく、タッチパネルと操作スイッチ又は操作ボタンとの組み合わせから構成されてもよい。
【0033】
図5に示すように、第2コントローラ23は、スマート端末2の各処理を司るものである。本実施形態では、第2コントローラ23は、コンピュータとしてのCPUから構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、複数のマイクロコンピュータから構成されてもよい。
【0034】
具体的には、図5に示すように、第2コントローラ23は、互いに電気的に接続された記憶部としての第2記憶部231、処理部としての第2処理部232及び通信部としての第2通信部233を有する。
【0035】
第2記憶部231は、クラウド端末3から送信されたパラメータ又は分析処理結果を一時的に記憶する。また、第2記憶部231は、第2処理部232において実行される処理プログラム又はアルゴリズムを記憶している。本実施形態では、第2記憶部231は、第2コントローラ23に内蔵されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第2コントローラ23とは別体に設けられてもよい。
【0036】
第2処理部232は、ユーザによる操作部22への操作に基づいて、図6Aから図6Cに示す第1インタフェース211、第2インタフェース212及び第3インタフェース213のうちから一つのインタフェースを選択する選択指令又はクラウド端末3への要請指令を生成する。
【0037】
そして、第2処理部232は、選択指令を生成した場合に、当該選択指令を表示部21に出力する。そして、表示部21は、第2処理部232から出力された選択指令に基づいて、第1種類のユーザとしての眼科医師又は学校保健師と対応する第1インタフェース211、第2種類のユーザとしての電子機器使用者と対応する第2インタフェース212及び第3種類のユーザとしての電子機器使用者の保護者(以下、単に保護者ともいう)と対応する第3インタフェース213のうちから一つのインタフェースを選択して表示させる。そして、図6Aから図6Cに示すように、第1インタフェース211、第2インタフェース212及び第3インタフェース213に表示されて選択可能な要請項目の内容がそれぞれ異なっている。
【0038】
一方、第2処理部232は、クラウド端末3への要請指令を生成した場合に、当該要請指令を第2通信部233に出力する。そして、第2通信部233は、第2処理部232から出力された要請指令をクラウド端末3(具体的には、クラウド端末3のクラウド通信部322)に送信する。
【0039】
第2通信部233は、クラウド端末3との間に遠距離無線通信可能に構成されている。そして、スマート端末2は、第2通信部233によりクラウド端末3とのデータ送受信を行うことが可能となる。また、本実施形態では、第2通信部233は、電子機器1との間に短距離無線通信可能に構成されている。そして、スマート端末2は、電子機器1に近接された場合に限り、第2通信部233により電子機器1とのデータ送受信を行うことが可能となる。
【0040】
(視力分析方法)
次に、図7を参照しながら本実施形態に係る視力分析方法の各処理について説明する。
【0041】
図7は、本実施形態に係る視力分析方法の各処理を示すシーケンス図である。
【0042】
図7に示すように、まず、ステップS11において、電子機器1は、各パラメータを検出し、検出したパラメータをクラウド端末3に送信し、ステップS12に進む。
【0043】
具体的には、ステップS11において、電源が入れられた電子機器1は、検出部11が各パラメータをリアルタイムで検出し、検出した各パラメータを第1通信部123を介してクラウド端末3のクラウド通信部322に送信する。
【0044】
次に、ステップS12において、クラウド端末3は、電子機器1から送信された各パラメータを記憶し、ステップS13に進む。
【0045】
具体的には、ステップS12において、クラウド端末3のクラウド通信部322は、電子機器1から送信された各パラメータを受信する。そして、クラウド通信部322は、受信した各パラメータを記憶ユニット31及びクラウド処理部321の両方に出力する。そして、記憶ユニット31は、クラウド通信部322から出力されたパラメータを永久的又は半永久的に記憶する。
【0046】
このように、クラウド端末3の記憶ユニット31は、クラウド通信部322から出力されたパラメータを永久的又は半永久的に記憶するため、電子機器1の第1記憶部121は、各パラメータを永久的又は半永久的に記憶する必要がなく、又は、一部のパラメータを永久的又は半永久的に記憶すればよく、すなわち、記憶ユニット31は、第1記憶部121の記憶機能の全部又は一部を負担することなり、第1記憶部121のキャパシティを小さく抑制することができる。この結果、電子機器1の低コスト化を図ることができる。
【0047】
次に、ステップS13において、クラウド処理部321は、クラウド通信部322から出力されたパラメータを自動に分析処理することにより分析処理結果を取得し、取得した分析処理結果を記憶ユニット31に出力する。そして、記憶ユニット31は、クラウド処理部321から出力された分析処理結果を永久的又は半永久的に記憶し、ステップS14に進む。
【0048】
このように、クラウド端末3のクラウド処理部321は、クラウド通信部322から出力されたパラメータを自動に分析処理することにより分析処理結果を取得するため、電子機器1の第1処理部122による分析処理を行う必要がなく、又は、分析処理の一部を第1処理部122により行えばよく、すなわち、クラウド端末3のクラウド処理部321は、電子機器1の第1処理部122の分析処理機能の全部又は一部を負担することになり、第1処理部122の処理負荷を低減させることができる。この結果、第1処理部122のスペックを低く抑制することができ、電子機器1の低コスト化を図ることができる。
【0049】
次に、ステップS14において、スマート端末2は、要請指令をユーザの操作によりクラウド端末3に送信し、ステップS15に進む。
【0050】
具体的には、ステップS14において、スマート端末2の第2処理部232は、ユーザによる操作部22への操作に基づいて、選択指令を生成し、選択指令を表示部21に出力する。そして、表示部21は、第2処理部232から出力された選択指令に基づいて、眼科医師又は学校保健師と対応する第1インタフェース211、電子機器使用者と対応する第2インタフェース212及び保護者と対応する第3インタフェース213のうちから一つのインタフェースを選択して表示させる。
【0051】
これにより、電子機器使用者は、自身と対応する第2インタフェース212を用いて自身が使用している電子機器1の使用状況をクラウド端末3に要請することができるだけではなく、保護者は、自身と対応する第3インタフェース213を用いて電子機器1を使用している電子機器使用者の視力低下のリスク予測等をクラウド端末3に要請することができ、医者は、自身と対応する第1インタフェース211を用いて電子機器1を使用している複数の電子機器使用者の統計データ(又は比較データ)をクラウド端末3に要請することができる。
【0052】
すなわち、各種類のユーザは、それぞれ自身と対応するインタフェースを用いて自身に必要なデータ又は予測をクラウド端末3に要請することができる。この結果、電子機器1により検出された各パラメータの使い道を広げることができ、電子機器使用者の視力低下のリスクを効果的に抑制することができる。
【0053】
次に、第2処理部232は、選択されたインタフェースから要請項目を選択するユーザの操作に基づいて、クラウド端末3への要請指令を生成し、生成した要請指令を第2通信部233に出力する。そして、第2通信部233は、第2処理部232から出力された要請指令をクラウド端末3(具体的には、クラウド端末3のクラウド通信部322)に送信する。
【0054】
次に、ステップS15において、クラウド端末3は、スマート端末2から送信された要請指令に基づいて、パラメータ又は分析処理結果をスマート端末2に送信し、ステップS16に進む。
【0055】
具体的には、ステップS15において、クラウド端末3のクラウド通信部322は、スマート端末2から送信された要請指令を受信する。そして、クラウド通信部322は、受信した要請指令をクラウド処理部321に出力する。そして、クラウド処理部321は、クラウド通信部322から出力された要請指令に基づいて、当該要請指令と対応するパラメータ又は分析処理結果をスマート端末2に送信するための送信指令を生成し、生成した送信指令をクラウド通信部322に出力する。そして、クラウド通信部322は、クラウド処理部321から出力された送信指令に基づいて、記憶ユニット31に記憶された当該パラメータ又は分析処理結果をスマート端末2に送信する。
【0056】
このように、スマート端末2は、ユーザの操作により要請指令を電子機器1ではなく、クラウド端末3に送信し、かつ、クラウド端末3は、スマート端末2から送信された要請指令に基づいて、記憶したパラメータ又は分析処理結果をスマート端末2に送信するため、スマート端末2は、電子機器1から直接パラメータ又は分析処理結果を無線通信で受信することがなく、電子機器1の低コスト化を図ることができる。
【0057】
次に、ステップS16において、スマート端末2は、クラウド端末3から送信されたパラメータ又は分析処理結果を表示させ、処理を終了させる。
【0058】
具体的には、ステップS16において、スマート端末2の第2通信部233は、クラウド端末3から送信されたパラメータ又は分析処理結果を受信する。そして、第2通信部233は、受信したパラメータ又は分析処理結果を第2記憶部231及び第2処理部232の両方に出力する。そして、第2処理部232は、第2通信部233から出力されたパラメータ又は分析処理結果に基づいて、パラメータ又は分析処理結果を表示部21に表示させるための表示指令を生成し、生成した表示指令を表示部21に出力する。そして、表示部21は、第2処理部232から出力された表示指令に基づいて、一時的に第2記憶部231に記憶されたパラメータ又は分析処理結果を表示させる。
【0059】
本実施形態では、電子機器1は、検出した各パラメータをクラウド端末3に送信しているが、これに限定されるものではなく、例えば、検出した各パラメータに加え、第1処理部122が各パラメータを処理して取得された、パラメータに基づくパラメータ関連情報としての処理結果(具体的には、視力低下のリスクの高さに関する判定結果)等をクラウド端末3に送信してもよい。
【0060】
この場合に、クラウド端末3の記憶ユニット31は、電子機器1から送信された各パラメータ及び処理結果の両方を永久的又は半永久的に記憶する。クラウド端末3の第2処理部232は、各パラメータ又は処理結果を自動に分析処理することにより、分析処理結果を取得する。
【0061】
(変形例の視力分析方法)
次に、図8を参照しながら変形例に係る視力分析方法の各処理について説明する。なお、変形例では、上述した実施形態とは一致する点については説明を省略し、上述した実施形態とは相違する点について説明する。
【0062】
図8は、変形例に係る視力分析方法の各処理を示すシーケンス図である。
【0063】
上述した実施形態では、視力分析方法は、順に実行されるステップS11からステップS16を含むのに対し、本変形例では、図8に示すように、順に実行されるステップS21からステップS26を含む。ここでは、本変形例の視力分析方法におけるステップS21、ステップS22、ステップS23、ステップS25及びステップS26は、それぞれ上述した実施形態の視力分析方法におけるステップS11、ステップS12、ステップS24、ステップS15及びステップS16と同様であるため、これらの説明を省略する。
【0064】
図8に示すように、本変形例では、ステップS24において、クラウド端末3のクラウド処理部321は、スマート端末2から送信された要請指令に基づいてパラメータ又は処理結果を分析処理することにより分析処理結果を取得し、ステップS25に進む。
【0065】
このように、クラウド端末3のクラウド処理部321は、スマート端末2から送信された要請指令に基づいてパラメータ又は処理結果を分析処理し、すなわち、スマート端末2から送信された要請指令をトリガとしてパラメータ又は処理結果を分析処理するため、将来的に必要とされる分析処理結果をあらかじめクラウド端末3により用意するのではなく、分析処理結果を必要とされるタイミングのみで取得し、クラウド端末3のクラウド処理部321の処理負荷を低減させることができる。この結果、クラウド端末3の合理化を図ることができる。
【0066】
(作用効果)
次に、実施形態及び変形例による作用効果について説明する。
【0067】
上述した実施形態に係る視力分析システム100は、電子機器1と、スマート端末2と、電子機器1及びスマート端末2の両方と無線通信可能なクラウド端末3と、を備え、電子機器1は、視力に関するパラメータを検出し、検出したパラメータ又は処理結果をクラウド端末3に送信し、スマート端末2は、要請指令をユーザの操作によりクラウド端末3に送信し、クラウド端末3は、電子機器1から送信されたパラメータ又は処理結果を記憶し、かつ、スマート端末2から送信された要請指令に基づいて、記憶したパラメータ又は処理結果をスマート端末2に送信する。
【0068】
上述した実施形態に係るクラウド端末3は、視力分析システム100に用いられるクラウド端末3であって、視力分析システム100は、電子機器1と、スマート端末2と、1電子機器及びスマート端末2の両方と無線通信可能なクラウド端末3と、を備え、クラウド端末3は、電子機器1から送信されたパラメータ又は処理結果を記憶する記憶ユニット31と、スマート端末2から送信された要請指令に基づいて、パラメータ又は処理結果を分析処理することにより取得された視力に関する分析処理結果をスマート端末2に送信する処理通信ユニット32と、を備える。
【0069】
上述した実施形態に係る視力分析方法は、電子機器1が、視力に関するパラメータを検出し、検出したパラメータ又は処理結果をクラウド端末3に送信することと、スマート端末2が、要請指令をユーザの操作によりクラウド端末3に送信することと、クラウド端末3が、電子機器1から送信されたパラメータ又は処理結果を記憶し、かつ、スマート端末2から送信された要請指令に基づいて、記憶したパラメータ又は処理結果をスマート端末2に送信することと、を含む。
【0070】
これらの構成によれば、クラウド端末3の記憶ユニット31は、クラウド通信部322から出力されたパラメータを永久的又は半永久的に記憶するため、電子機器1の第1記憶部121は、各パラメータを永久的又は半永久的に記憶する必要がなく、又は、一部のパラメータを永久的又は半永久的に記憶すればよく、すなわち、記憶ユニット31は、第1記憶部121の記憶機能の全部又は一部を負担することなり、第1記憶部121のキャパシティを小さく抑制することができる。この結果、電子機器1の低コスト化を図ることができる。
【0071】
また、スマート端末2は、ユーザの操作により要請指令を電子機器1ではなく、クラウド端末3に送信し、かつ、クラウド端末3は、スマート端末2から送信された要請指令に基づいて、記憶したパラメータ又は分析処理結果をスマート端末2に送信するため、スマート端末2は、電子機器1から直接パラメータ又は分析処理結果を無線通信で受信することがなく、電子機器1の低コスト化を図ることができる。
【0072】
また、上述した実施形態では、クラウド端末3は、電子機器1から送信されたパラメータ又は処理結果を記憶する記憶ユニット31と、パラメータ又は処理結果を自動に分析処理し、かつ、スマート端末2から送信された要請指令に基づいて分析処理結果をスマート端末2に送信する処理通信ユニット32と、を有する。
【0073】
また、上述した実施形態では、電子機器1は、パラメータを検出する検出部11と、検出されたパラメータを処理することによりパラメータ関連情報としての処理結果を取得する第1処理部122と、第1処理部122から取得された処理結果をクラウド端末3に送信する第1通信部123と、を有する。
【0074】
これらの構成によれば、クラウド端末3の処理通信ユニット32は、電子機器1から送信されたパラメータを自動に分析処理することにより分析処理結果を取得するため、電子機器1の第1処理部122による分析処理を行う必要がなく、又は、分析処理の一部を第1処理部122により行えばよく、すなわち、クラウド端末3のクラウド処理部321は、電子機器1の第1処理部122の分析処理機能の全部又は一部を負担することになり、第1処理部122の処理負荷を低減させることができる。この結果、第1処理部122のスペックを低く抑制することができ、電子機器1の低コスト化を図ることができる。
【0075】
上述した変形例では、クラウド端末3は、電子機器か1ら送信されたパラメータ又は処理結果を記憶する記憶ユニット31と、スマート端末2から送信された要請指令に基づいてパラメータ又は処理結果を分析処理し、分析処理結果をスマート端末2に送信する処理通信ユニット32と、を有する。
【0076】
この構成によれば、クラウド端末3の処理通信ユニット32は、スマート端末2から送信された要請指令に基づいてパラメータ又は処理結果を分析処理し、すなわち、スマート端末2から送信された要請指令をトリガとしてパラメータ又は処理結果を分析処理するため、将来的に必要とされる分析処理結果をあらかじめクラウド端末3により用意するのではなく、分析処理結果を必要とされるタイミングのみで取得し、クラウド端末3のクラウド処理部321の処理負荷を低減させることができる。この結果、クラウド端末3の合理化を図ることができる。
【0077】
また、上述した実施形態では、スマート端末2は、それぞれ複数種類のユーザと対応する複数のインタフェース211,212,213を有し、複数のインタフェース211,212,213には、それぞれ異なる要請項目が選択可能に表示されている。
【0078】
この構成によれば、各種類のユーザは、それぞれ自身と対応するインタフェースを用いて自身に必要なデータ又は予測をクラウド端末3に要請することができる。この結果、電子機器1により検出された各パラメータの使い道を広げることができ、電子機器使用者の視力低下のリスクを効果的に抑制することができる。
【0079】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0080】
1 電子機器
2 スマート端末
3 クラウド端末
100 視力分析システム
【要約】
【課題】電子機器の低コスト化を図ることができる視力分析システム、クラウド端末及び視力分析方法を提供する。
【解決手段】電子機器1と、操作端末2と、電子機器1及び操作端末2の両方と無線通信可能なクラウド端末3と、を備える視力分析システム100であって、電子機器は1、視力に関するパラメータを検出してクラウド端末3に送信し、操作端末2は、要請指令をユーザの操作によりクラウド端末3に送信し、クラウド端末3は、電子機器1から送信されたパラメータを記憶し、かつ、操作端末2から送信された要請指令に基づいて、記憶したパラメータを操作端末2に送信する。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8