(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】インテリジェント車両すれ違い情報共有
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20241126BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20241126BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
G08G1/09 H
G08G1/09 Q
G08G1/09 C
G08G1/09 D
G08G1/16 D
G01C21/36
(21)【出願番号】P 2021575004
(86)(22)【出願日】2020-06-04
(86)【国際出願番号】 IB2020055280
(87)【国際公開番号】W WO2020261000
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2022-11-21
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 昭
(72)【発明者】
【氏名】上ノ原 勇人
(72)【発明者】
【氏名】吉永 浩気
(72)【発明者】
【氏名】今野 和浩
(72)【発明者】
【氏名】岡田 雅州
(72)【発明者】
【氏名】志村 壮是
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-143137(JP,A)
【文献】特開2005-078414(JP,A)
【文献】国際公開第2018/211591(WO,A1)
【文献】特開2006-254215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/09
G08G 1/16
G01C 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注目の車両に関連付けられたデバイスであって、該デバイスは、
前記注目の車両および接近する車両がすれ違うのを支援するために使用できる情報領域に関する領域情報を検出するセンサと、
車両間ネットワーク(V2VN)プロトコルを介して前記領域情報をブロードキャストする送信器と、
前記注目の車両および前記接近する車両に関連する前記領域情報および車両情報から支援結果を生成するコントローラであって、前記車両情報が、前記情報領域からの前記注目の車両の第1の距離情報および前記情報領域からの前記接近する車両の第2の距離情報を含んでいる、前記コントローラと、
前記注目の車両の運転者の視点で、前記注目の車両の少なくとも停止および前進を表す仮想交通情報を車両のフロントガラスに表示するディスプレイと
を備えており、
前記仮想交通情報が、前記注目の車両をどこに向かわせるか、および前記注目の車両を指示されたとおりにいつ向かわせるかを車両の運転者に表示する、方向の情報を含み、該方向の情報が前記ディスプレイ上にグラフィクスとして表示され、
前記方向の情報が、前記注目の車両の運転者が前記注目の車両を移動する方向および位置と一致する、矢印、ボックス、および線を含み、
前記注目の車両の運転者の視点と前記グラフィクスが同時に表示される、
前記デバイス。
【請求項2】
第1の車列が、第1の方向に移動する前記注目の車両を含んでいる複数の車両を含み、
第2の車列が、前記第1の方向と反対の第2の方向に移動する前記接近する車両を含んでいる複数の車両を含み、
前記領域情報が前記第1の車列の車両およびそれらの車両の後に続く車両の間で共有され、
前記領域情報が前記第2の車列の車両およびそれらの車両の後に続く車両の間で共有される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記仮想交通情報が前記停止および前進に関連する仮想交通標識を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記仮想交通情報が、停止および前進に関連付けるように色分けされる、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記グラフィクスが、鳥瞰図表示の形態である、請求項1~4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ディスプレイが、前記接近する車両からの視界を更に表示する、請求項1~5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記コントローラが、
車両がすれ違うことができる複数の車線を主に含んでいるが、1つの車線を除くすべての車線を妨害する狭くなっている障害物領域を含んでいる幅広の道路のための第1の支援モード、および
車両がすれ違うことができない1車線の狭い区域を主に含んでいるが、車両がすれ違うことができる広くなっている区域を含んでいる狭い道路に対する第2の支援モードで、前記支援結果を生成する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1の支援モードで、前記コントローラが、注目の車両を停止すること、前記注目の車両を進めること、および前記接近する車両との交渉から成る群から選択された前記注目の車両の行動を選択するように、前記コントローラが、前記障害物領域から前記注目の車両までの第1の距離と、前記障害物領域から前記接近する車両までの第2の距離とを比較する基本的評価を実行し、
前記ディスプレイが、前記選択に従って、前記停止、前進、および交渉の車両の行動を表示する前記仮想交通情報を表示する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記接近する車両との前記交渉の前記コントローラの選択に応答して、前記コントローラが、前記V2VNを介して、前記注目の車両の車両ID、優先順位付けされる条件、および通行可能領域を示す交渉情報を後続の車両および接近する車両にブロードキャストし、
前記コントローラが、前記交渉情報に含まれている前記優先順位付けされる条件に基づいて、前記注目の車両の前記停止または前記注目の車両の前記前進を選択する、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記優先順位付けされる条件が、障害物の位置、現在の待ち時間または予測された待ち時間、前記注目の車両が高度において上昇しているか、または下降しているか、後続の車両の数、前方に位置する道路上の混雑の状態および交通信号機の状態から成る群から選択された交通の特徴、ならびに待ち状態にある期間に基づく、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
情報の交換を必要とせずに前記交渉の合意に達するように、同じ優先順位付けされる条件が前記注目の車両および前記接近する車両によって利用される、請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
前記コントローラが、前記障害物領域を通過している第1の車列のすべての車両が妨害されずに前記障害物領域を通過することを許可され、一方、反対方向からの第2の車列の他の車両が停止されたままである、通行可能領域を決定する、請求項8に記載のデバイス。
【請求項13】
前記コントローラが、
前記狭くなっている障害物領域の向こう側の空き領域がいつ使用可能になるかをさらに決定し、
前記狭くなっている障害物領域の向こう側の空き領域が使用可能でないという決定に起因して、前記狭くなっている障害物領域の向こう側の空き領域が使用可能であるという決定が行われるまで、前記注目の車両が停止するということを常に選択する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項14】
前記コントローラが、前記領域情報の項目が他の車両に伝搬されることになる伝搬領域を決定する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
注目の車両に関連付けられたデバイスであって、該デバイスは、
前記注目の車両および接近する車両がすれ違うのを支援するために使用できる情報領域に関する領域情報を検出するセンサと、
車両間ネットワーク(V2VN)プロトコルを介して前記領域情報をブロードキャストする送信器と、
基本的評価において、前記注目の車両および前記接近する車両に関連する前記領域情報および車両情報から支援結果を生成するコントローラであって、前記車両情報が、前記情報領域からの前記注目の車両の第1の距離情報および前記情報領域からの前記接近する車両の第2の距離情報を含んでおり、前記コントローラが、
車両がすれ違うことができる複数の車線を主に含んでいるが、1つの車線を除くすべての車線を妨害する狭くなっている区域を含んでいる幅広の道路のための第1の支援モード、および
車両がすれ違うことができない1車線の狭い区域を主に含んでいるが、車両がすれ違うことができる広くなっている区域を含んでいる狭い道路に対する第2の支援モードで、前記支援結果を生成し、
前記第1の支援モードで、前記コントローラが、前記情報領域から前記注目の車両までの第1の距離と、前記情報領域から前記接近する車両までの第2の距離とを比較して、
事前に定義された距離基準に基づいて、前記第1の距離が前記第2の距離より非常に大きいということから生じる、前記注目の車両を停止することと、
前記事前に定義された距離基準に基づいて、前記第2の距離が前記第1の距離より非常に大きいということから生じる、前記注目の車両を進めることと、
前記接近する車両との交渉とを含んでいる注目の車両の行動を選択する、前記コントローラと、
前記注目の車両の運転者の視点で、前記停止、前進、および交渉の車両の行動を区別する前記選択
の結果に従って仮想交通情報を表示するディスプレイと
を備えており、
前記仮想交通情報が、前記注目の車両をどこに向かわせるか、および前記注目の車両を指示されたとおりにいつ向かわせるかを車両の運転者に表示する、方向の情報を含み、該方向の情報が前記ディスプレイ上にグラフィクスとして表示され、
前記方向の情報が、前記注目の車両の運転者が前記注目の車両を移動する方向および位置と一致する、矢印、ボックス、および線を含み、
前記注目の車両の運転者の視点と前記グラフィクスが同時に表示される、
前記デバイス。
【請求項16】
前記コントローラが、
通行可能領域を示す信号を受信し、
前記注目の車両が前記通行可能領域内にあるかどうかを判定し、前記通行可能領域内では、障害物領域を通過している第1の車列のすべての車両が妨害されずに前記障害物領域を通過することが許可され、一方、反対方向からの第2の車列の他の車両が停止されたままであり、
前記注目の車両が前記通行可能領域内にあるということ、および前記障害物領域の反対側の空きが使用可能であるということの決定に起因して、前進の結果を前記仮想交通情報として表示する、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第2の支援モードで、
前記コントローラが、
接近する車両の通過点の候補(PPC)を前記接近する車両から受信し、
注目の車両のPPCを計算し、
前記注目の車両のPPC内の使用可能な空間を計算し、
前記注目の車両のPPC内の使用可能な空間に応答して、
最終的な注目の車両のPPCを決定し、
前記最終的な注目の車両のPPCに関する情報をブロードキャストし、
前記ディスプレイが、前記最終的な注目の車両のPPCに関連する情報を表示する、請求項15に記載のデバイス。
【請求項18】
注目の車両のデバイスを操作するためのコンピュータ実装方法であって、
前記注目の車両および接近する車両がすれ違うのを支援するために使用できる情報領域に関する領域情報を、センサを使用して検出することと、
送信器を使用して、車両間ネットワーク(V2VN)プロトコルを介して前記領域情報をブロードキャストすることと、
コントローラを使用して、前記注目の車両および前記接近する車両に関連する前記領域情報および車両情報から支援結果を生成することであって、前記車両情報が、前記情報領域からの前記注目の車両の第1の距離情報および前記情報領域からの前記接近する車両の第2の距離情報を含んでいる、前記生成することと、
ディスプレイを使用して、前記注目の車両の運転者の視点で、前記注目の車両の少なくとも停止および前進を表す仮想交通情報を前記注目の車両のフロントガラスに表示することと
を含み、
前記仮想交通情報が、前記注目の車両をどこに向かわせるか、および前記注目の車両を指示されたとおりにいつ向かわせるかを車両の運転者に表示する、方向の情報を含み、該方向の情報が前記ディスプレイ上にグラフィクスとして表示され、
前記方向の情報が、前記注目の車両の運転者が前記注目の車両を移動する方向および位置と一致する、矢印、ボックス、および線を含み、
前記注目の車両の運転者の視点と前記グラフィクスが同時に表示される、
前記コンピュータ実装方法。
【請求項19】
前記コントローラが、
車両がすれ違うことができる複数の車線を主に含んでいるが、1つの車線を除くすべての車線を妨害する狭くなっている障害物領域を含んでいる幅広の道路のための第1の支援モード、および
車両がすれ違うことができない1車線の狭い区域を主に含んでいるが、車両がすれ違うことができる広くなっている区域を含んでいる狭い道路に対する第2の支援モードで、前記支援結果を生成する、請求項18に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
前記第1の支援モードで、
前記障害物領域から前記注目の車両までの第1の距離と、前記障害物領域から前記接近する車両までの第2の距離とを比較し、
前記コントローラによって、前記注目の車両を停止すること、前記注目の車両を進めること、および前記接近する車両との交渉を含む注目の車両の行動を選択することを含んでいる基本的評価を実行することと、
前記選択
の結果に従って、前記停止、前進、および交渉の車両の行動を区別する前記仮想交通情報を前記ディスプレイに表示することと
をさらに含む、請求項19に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項21】
注目の車両のデバイスを操作するためのコンピュータ実装方法であって、
前記注目の車両および接近する車両がすれ違うのを支援するために使用できる情報領域に関する領域情報を、センサを使用して検出することと、
送信器を使用して、車両間ネットワーク(V2VN)プロトコルを介して前記領域情報をブロードキャストすることと、
コントローラを使用する基本的評価動作において、前記注目の車両および前記接近する車両に関連する前記領域情報および車両情報から支援結果を生成することであって、前記車両情報が、前記情報領域からの前記注目の車両の第1の距離情報および前記情報領域からの前記接近する車両の第2の距離情報を含んでおり、前記コントローラが、
車両がすれ違うことができる複数の車線を主に含んでいるが、1つの車線を除くすべての車線を妨害する狭くなっている区域を含んでいる幅広の道路のための第1の支援モード、および
車両がすれ違うことができない1車線の狭い区域を主に含んでいるが、車両がすれ違うことができる広くなっている区域を含んでいる狭い道路に対する第2の支援モードで、前記支援結果を生成し、
前記第1の支援モードで、前記情報領域から前記注目の車両までの第1の距離と、前記情報領域から前記接近する車両までの第2の距離とを比較して、
事前に定義された距離基準に基づいて、前記第1の距離が前記第2の距離より非常に大きいということから生じる、前記注目の車両を停止することと、
前記事前に定義された距離基準に基づいて、前記第2の距離が前記第1の距離より非常に大きいということから生じる、前記注目の車両を進めることと、
前記接近する車両との交渉とを含んでいる注目の車両の行動を選択する、前記生成することと、
ディスプレイを使用して、前記注目の車両の運転者の視点で、前記注目の車両の少なくとも停止および前進を表す仮想交通情報を前記注目の車両のフロントガラスに表示することと
を含み、
前記仮想交通情報が、前記注目の車両をどこに向かわせるか、および前記注目の車両を指示されたとおりにいつ向かわせるかを車両の運転者に表示する、方向の情報を含み、該方向の情報が前記ディスプレイ上にグラフィクスとして表示され、
前記方向の情報が、前記注目の車両の運転者が前記注目の車両を移動する方向および位置と一致する、矢印、ボックス、および線を含み、
前記注目の車両の運転者の視点と前記グラフィクスが同時に表示される、
前記コンピュータ実装方法。
【請求項22】
通行可能領域を示す信号を受信することと、
前記注目の車両が前記通行可能領域内にあるかどうかを判定することであって、前記通行可能領域内では、障害物領域を通過している第1の車列のすべての車両が妨害されずに前記障害物領域を通過することが許可され、一方、反対方向からの第2の車列の他の車両が停止されたままである、前記判定することと、
前記注目の車両が前記通行可能領域内にあるということ、および前記障害物領域の反対側の空きが使用可能であるということの決定に起因して、前進の結果を前記仮想交通情報として表示することと
をさらに含む、請求項21に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項23】
前記第2の支援モードで、
接近する車両の通過点の候補(PPC)を前記接近する車両から受信することと、
注目の車両のPPCを計算することと、
前記注目の車両のPPC内の使用可能な空間を計算することと、
前記注目の車両のPPC内の使用可能な空間に応答して、
最終的な注目の車両のPPCを決定することと、
前記最終的な注目の車両のPPCに関する情報をブロードキャストすることと、
前記ディスプレイが、前記最終的な注目の車両のPPCに関連する情報を表示することと
をさらに含む、請求項21に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項24】
プロセッサに、請求項18乃至23のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実行させるためのプログラム。
【請求項25】
請求項24に記載のプログラムを記録する記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、インテリジェント車両すれ違い情報共有のためのシステムおよび関連する方法が開示される。
【背景技術】
【0002】
両面交通道路上の障害物によって、1車線の交互通行が必要になることがあり、その場合、交通は一度に1つの方向のみに流れ、交通が他の方向に流れることができるようになる前に、走行車線が完全に空いている状態にならなければならない。従来、そのような障害物が前もって知られている場合、障害物の各端にいる人によって、交互通行を実施することができ、それらの人は、互いに連絡を取って、いくつかの流れの状態間を移行するように交通を方向付けることができる。長期間にわたって存在することがある障害物の場合、自動交通信号機が障害物の両端に配置され、交通信号制御ユニットによって自動的に制御されることがある。車載センサを使用して停止位置が表示されることがある。しかし、この技術は、障害物が見える場合にのみ使用可能であり、後続の車両を含んでいる交通を制御することができない。
【0003】
車両がすれ違う追加の領域または点を含んでいる道路の長い範囲にわたる単なる車両の走行開始および停止は、最善ではない解決策であることがあるため、全体的に効率的な交通の流れを可能にする命令を車両に提供することは、技術的課題を意味する。狭くなった道路を含んでいる領域内ですれ違う交通の効率の向上は、移動時間の減少という状況において、車両のリソースに加えて、人間の時間およびリソースを節約する。車両によって検出され、他の車両と共有される動的条件を解析することと、狭くなった道路の領域および広げられた道路の領域に関して取るべき行動において車両に指示することとは、まだ解決される必要がある技術的に困難な厳しい問題である。
【0004】
車両がすれ違うことができる位置の効率的な決定を行うという技術的課題が提示される。現在のシステムは、いくつかの基本的アルゴリズムを適用して、すれ違う交通の流れを増やすことができるが、これらのアルゴリズムは、そのようなシステムのメモリ内に格納される情報、および情報を他の車両に伝達するために使用されるネットワーク帯域幅に関して、無駄が多い。
【発明の概要】
【0005】
本明細書では、注目の車両に関連付けられたデバイスが開示され、このデバイスは、注目の車両および接近する車両がすれ違うのを支援するために使用できる情報領域に関する領域情報を検出するセンサと、車両間ネットワーク(V2VN:vehicle-to-vehicle network)プロトコルを介して領域情報をブロードキャストする送信器と、コントローラとを備えている。コントローラは、注目の車両および接近する車両に関連する領域情報および車両情報から支援結果を生成する。車両情報は、情報領域からの注目の車両の第1の距離情報、および情報領域からの接近する車両の第2の距離情報を含む。このデバイスは、注目の車両の少なくとも停止および前進を表す仮想交通情報を車両のフロントガラスに表示するディスプレイを含む。
【0006】
情報領域からの車両の距離における差を考慮することによって、アルゴリズムが、システムを含んでいる車両によってより効果的かつ効率的に採用されることができ、交通の効率の向上および車両の遅延の減少をもたらすことができる。さらに、意味のある明瞭な方法で仮想交通情報を車両の運転者に表示することによって、複数の車両を含んでいる運転状況において確実性の感覚を生み出し、運転者の誤りの可能性を減らすことができる。
【0007】
本明細書では、注目の車両に関連付けられたデバイスがやはり開示され、このデバイスは、注目の車両および接近する車両がすれ違うのを支援するために使用できる情報領域に関する領域情報を検出するセンサと、車両間ネットワーク(V2VN)プロトコルを介して領域情報をブロードキャストする送信器と、コントローラとを備えている。コントローラは、基本的評価において、注目の車両および接近する車両に関連する領域情報および車両情報から支援結果を生成する。車両情報は、情報領域からの注目の車両の第1の距離情報、および情報領域からの接近する車両の第2の距離情報を含む。コントローラは、複数の車両がすれ違うことができる複数の車線を主に含んでいるが、1つの車線を除くすべての車線を妨害する狭くなっている区域を含んでいる幅広の道路のための第1の支援モード、および車両がすれ違うことができない1車線の狭い区域を主に含んでいるが、車両がすれ違うことができる広くなっている区域を含んでいる狭い道路に対する第2の支援モードで、支援結果を生成する。第1の支援モードでは、コントローラは、情報領域から注目の車両までの第1の距離と、情報領域から接近する車両までの第2の距離とを比較して、注目の車両の行動を選択する。注目の車両の行動は、注目の車両を停止することであってよい。この行動は、事前に定義された距離基準に基づいて、第1の距離が第2の距離より非常に大きいということから生じる。注目の車両の行動は、注目の車両を前に進めることであってよく、この行動は、事前に定義された距離基準に基づいて、第2の距離が第1の距離より非常に大きいということから生じる。他の事例では、注目の車両の行動は、接近する車両と交渉することであってよい。このデバイスは、停止、前進、および交渉の車両の行動を区別する選択の結果に従って仮想交通情報を表示するディスプレイをさらに備えてよい。
【0008】
システムは、車両の異なる支援モードを使用することによって、通過領域内の車両の効率的な相互作用を可能にするために必要な情報のみを収集して共有することができる。このデータの効率的使用によって、これらのデバイス上の必要メモリを減らし、情報を他の車両に伝達するために必要なネットワーク・トラフィックを減らすことができる。
【0009】
本明細書では、注目の車両のデバイスを操作するためのコンピュータ実装方法も開示される。この方法は、注目の車両および接近する車両がすれ違うのを支援するために使用できる情報領域に関する領域情報を、センサを使用して検出することを含む。この方法は、送信器を使用して、車両間ネットワーク(V2VN)プロトコルを介して領域情報をブロードキャストすることをさらに含む。この方法は、コントローラを使用して、注目の車両および接近する車両に関連する領域情報および車両情報から支援結果を生成することをさらに含み、車両情報は、情報領域からの注目の車両の第1の距離情報および情報領域からの接近する車両の第2の距離情報を含んでいる。この方法は、ディスプレイを使用して、注目の車両の少なくとも停止および前進を表す仮想交通情報を車両のフロントガラスに表示することをさらに含む。
【0010】
コンピュータ実装方法の使用は、例えば、情報領域からの車両の距離における差を考慮することによって、アルゴリズムが、システムを含んでいる車両によってより効果的かつ効率的に採用されることができ、交通の効率の向上および車両の遅延の減少をもたらすことができるという、前述した技術的優位性を実現することができる。意味のある明瞭な方法で仮想交通情報を車両の運転者に表示する方法は、本明細書において説明されているように、複数の車両を含んでいる運転状況において確実性の感覚を生み出し、運転者の誤りの可能性を減らすことができる。
【0011】
本明細書では、注目の車両のデバイスを操作するためのコンピュータ実装方法も開示される。この方法は、注目の車両および接近する車両がすれ違うのを支援するために使用できる情報領域に関する領域情報を、センサを使用して検出することを含む。この方法は、送信器を使用して、車両間ネットワーク(V2VN)プロトコルを介して領域情報をブロードキャストすることをさらに含む。この方法は、基本的評価動作においてコントローラを使用して、注目の車両および接近する車両に関連する領域情報および車両情報から支援結果を生成することをさらに含み、車両情報は、情報領域からの注目の車両の第1の距離情報および情報領域からの接近する車両の第2の距離情報を含んでいる。コントローラは、異なる支援モードで支援結果を生成する。第1の支援モードは、車両がすれ違うことができる複数の車線を主に含んでいるが、1つの車線を除くすべての車線を妨害する狭くなっている区域を含んでいる幅広の道路用である。第2の支援モードは、車両がすれ違うことができない1車線の狭い区域を主に含んでいるが、車両がすれ違うことができる広くなっている区域を含んでいる狭い道路用である。第1の支援モードでは、この方法は、情報領域から注目の車両までの第1の距離と、情報領域から接近する車両までの第2の距離とを比較して、注目の車両の行動を選択することを含む。注目の車両の行動は停止を含み、この行動は、事前に定義された距離基準に基づいて、第1の距離が第2の距離より非常に大きいということから生じる。注目の車両の行動は前進を含み、この行動は、事前に定義された距離基準に基づいて、第2の距離が第1の距離より非常に大きいということから生じる。他の事例では、注目の車両の行動は、接近する車両と交渉することを含む。この方法は、ディスプレイを使用して、注目の車両の少なくとも停止および前進を表す仮想交通情報を車両のフロントガラスに表示することをさらに含む。
【0012】
コンピュータ実装方法は、車両の異なる支援モードを使用することによって、通過領域内の車両の効率的な相互作用を可能にするために必要な情報のみの収集および共有を同様にもたらし、前述したように、これらのデバイス上の必要メモリを減らし、情報を他の車両に伝達するために必要なネットワーク・トラフィックを減らすことができる。
【0013】
本明細書では、前述したシステムまたはデバイス、あるいは方法の動作を実装するためのコンピュータ製品が開示される。このコンピュータ・プログラム製品は、プロセッサ上で本明細書において説明された方法の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム・コードが具現化されているコンピュータ可読ストレージ媒体を備えてよい。
【0014】
本明細書では、一部の実施形態によれば、車両が交代ですれ違うことを公平に許可する決定を行うことができるようにするシステムおよび方法が開示される。本明細書では、車両は、注目の車両が通行可能領域内にあるかどうかの判定に基づいて、妨害されずに障害物領域を通過することを許可する通行可能領域内に車両がいることを示す信号を受信してよい。
【0015】
有利なことに、これによって、特定の車両または車両のグループに不公平な遅延を負担させずに、反対方向に進んでいる車両のグループが公平な方法で効率的に交代で通行することを許可することができる。
【0016】
本明細書では、一部の実施形態によれば、コントローラが、狭い障害物領域の向こう側の空き領域がいつ使用可能になるかを決定し、空き領域が使用可能でないという決定が行われた場合、狭くなっている障害物領域の向こう側の空き領域が使用可能であるという決定が行われるまで、注目の車両が停止するということを常に選択する、システムおよび方法が開示される。有利なことに、この方法は、反対側に空きがないときに、車両が早まって障害物を通過しようとするのを防ぐことができある。これは、一時的な交通渋滞、または少なくとも、他の車両が通過領域を使用できる場合の通過領域の閉鎖を防ぐのに、役立つことがある。
【0017】
本明細書において提供されるさまざまな実施形態は、幅広の道路および狭い道路の両方に存在することがあるさまざまな状況ですれ違うことにおいて車両を支援する方法の技術的問題に対処する。車両がすれ違うことになる場所に関する情報が、車両間ネットワークを介して前もって共有されるため、車両は、障害物を探査できない場所において他の車両に通り過ぎさせることを可能にされてよい。加えて、先頭の車両および後続の車両が支援されてよいため、反対方向から近づいてくる複数の車両が、車両の横を交互に通り過ぎるのを支援することが可能になってよく、このようにして、移動の効率における改善を実現する。
【0018】
本明細書では、異なる主題を参照して、さまざまな実施形態が説明される。特に、一部の実施形態は、方法を参照して説明されることがあり、一方、他の実施形態は、装置およびシステムを参照して説明されることがある。ただし、当業者は、前述の説明および以下の説明から、特に注記のない限り、主題の1つの種類に属している特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関連する特徴間、特に、方法の特徴、ならびに装置およびシステムの特徴間の任意の組み合わせも、本文書内で開示されると見なされるということを推測するであろう。
【0019】
上で定義された態様および本明細書で開示されるその他の態様は、以下に記載された1つまたは複数の実施形態の例から明らかになり、1つまたは複数の実施形態の例を参照して説明されるが、本発明はこれらに限定されない。以下の図面を単に例として参照し、さまざまな実施形態が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に従ってクラウド・コンピューティング環境を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に従って抽象モデル・レイヤを示す図である。
【
図3】本明細書で開示された1つまたは複数の実施形態に従うDPSのブロック図である。
【
図4】一部の実施形態に従ってインテリジェント車両すれ違い情報共有のためのシステムのさまざまなコンポーネントを示すブロック図である。
【
図5A】一部の実施形態に従って交通および障害物を含んでいる2車線道路の図である。
【
図5B】一部の実施形態に従って交通および通過領域を含んでいる1車線道路の図である。
【
図6A】一部の実施形態に従って基本的評価プロセスを示すフローチャートである。
【
図6B】一部の実施形態に従って交渉プロセスを説明するフローチャートの一部を示す図である。
【
図6C】一部の実施形態に従って交渉プロセスを説明するフローチャートの一部を示す図である。
【
図6D】一部の実施形態に従って交渉プロセスを説明するフローチャートの一部を示す図である。
【
図6E】一部の実施形態に従って交渉プロセスを説明するフローチャートの一部を示す図である。
【
図7A】一部の実施形態に従って基本的評価プロセスを示す図である。
【
図7B】一部の実施形態に従って基本的評価プロセスを示す図である。
【
図7C】一部の実施形態に従って基本的評価プロセスを示す図である。
【
図8】一部の実施形態に従って交渉プロセスを示す図である。
【
図9A】一部の実施形態に従って条件における変形を示す図である。
【
図9B】一部の実施形態に従って条件における変形を示す図である。
【
図9C】一部の実施形態に従って条件における変形を示す図である。
【
図10】一部の実施形態に従って片側交通セグメントにおける支援モードを示すフローチャートである。
【
図11A】一部の実施形態に従って通行可能領域の決定を示す図である。
【
図11B】一部の実施形態に従って通行可能領域の決定を示す図である。
【
図12A】一部の実施形態に従って短い車列のすれ違いを示す図である。
【
図12B】一部の実施形態に従って短い車列のすれ違いを示す図である。
【
図13A】一部の実施形態に従って、交通渋滞の状況での長い車列のすれ違いを示す図である。
【
図13B】一部の実施形態に従って、交通渋滞の状況での長い車列のすれ違いを示す図である。
【
図13C】一部の実施形態に従って、交通渋滞の状況での長い車列のすれ違いを示す図である。
【
図13D】一部の実施形態に従って、交通渋滞の状況での長い車列のすれ違いを示す図である。
【
図13E】一部の実施形態に従って、交通渋滞の状況での長い車列のすれ違いを示す図である。
【
図13F】一部の実施形態に従って、交通渋滞の状況での長い車列のすれ違いを示す図である。
【
図13G】一部の実施形態に従って、交通渋滞の状況での長い車列のすれ違いを示す図である。
【
図13H】一部の実施形態に従って、交通渋滞の状況での長い車列のすれ違いを示す図である。
【
図14A】一部の実施形態に従って、交通信号機がある状況での長い車列のすれ違いを示す図である。
【
図14B】一部の実施形態に従って、交通信号機がある状況での長い車列のすれ違いを示す図である。
【
図14C】一部の実施形態に従って、交通信号機がある状況での長い車列のすれ違いを示す図である。
【
図14D】一部の実施形態に従って、交通信号機がある状況での長い車列のすれ違いを示す図である。
【
図15A】一部の実施形態に従って車両がすれ違うことになる候補点の計算を示すフローチャートの一部である。
【
図15B】一部の実施形態に従って車両がすれ違うことになる候補点の計算を示すフローチャートの一部である。
【
図16】一部の実施形態に従って狭い道路でのすれ違い支援モードを示すフローチャートである。
【
図17A】一部の実施形態に従って狭い道路の特性を示す図である。
【
図17B】一部の実施形態に従って狭い道路の特性を示す図である。
【
図17C】一部の実施形態に従って狭い道路上での車両がすれ違う点の決定を示す図である。
【
図17D】一部の実施形態に従って狭い道路上での車両がすれ違う点の決定を示す図である。
【
図17E】一部の実施形態に従って狭い道路上での車両がすれ違う点の決定を示す図である。
【
図17F】一部の実施形態に従って狭い道路上での車両がすれ違う点の決定を示す図である。
【
図18A】一部の実施形態に従って狭い道路上での車列のすれ違いを示す図である。
【
図18B】一部の実施形態に従って狭い道路上での車列のすれ違いを示す図である。
【
図18C】一部の実施形態に従って狭い道路上での車列のすれ違いを示す図である。
【
図18D】一部の実施形態に従って狭い道路上での車列のすれ違いを示す図である。
【
図18E】一部の実施形態に従って狭い道路上での車列のすれ違いを示す図である。
【
図18F】一部の実施形態に従って狭い道路上での車列のすれ違いを示す図である。
【
図18G】一部の実施形態に従って狭い道路上での車列のすれ違いを示す図である。
【
図18H】一部の実施形態に従って狭い道路上での車列のすれ違いを示す図である。
【
図18I】一部の実施形態に従って狭い道路上での車列のすれ違いを示す図である。
【
図18J】一部の実施形態に従って狭い道路上での車列のすれ違いを示す図である。
【
図19A】一部の実施形態に従って、インテリジェント車両すれ違い情報共有のためのシステムを実装している車両およびこのシステムを実装していない車両の混合を示す図である。
【
図19B】一部の実施形態に従って、インテリジェント車両すれ違い情報共有のためのシステムを実装している車両およびこのシステムを実装していない車両の混合を示す図である。
【
図20】一部の実施形態に従う、1つの接近する車両に関する車両のディスプレイの図である。
【
図21】一部の実施形態に従う、複数の接近する車両に関する車両のディスプレイの図である。
【
図22】一部の実施形態に従って停止誘導を表示しているHUDの図である。
【
図23】一部の実施形態に従って前進誘導を表示しているHUDの図である。
【
図24】一部の実施形態に従ってさらに停止誘導を表示しているHUDの図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
障害物領域内に障害物がある幅広の道路、および車両が通過領域内で反対方向に移動してすれ違うための限定的な広げられた領域を含んでいる狭い道路を車両が移動することをより効率的に許可するために、車両自体が、そのような領域に関する情報を収集するための収集ツールとして機能することができる。このようにして取得された領域情報は、車両間で共有され、車両がすれ違うことを効率的に許可するために利用されてよい。障害物または通過領域に対する車両の位置に応じて、さまざまな戦略が展開されてよく、このデータの解析が、車両の運転者に対する指示を車両のフロントガラスに生成してよく、これらの指示に従って、はるかに効率的な交通全体の結果を作り出すことができる。
【0022】
用語および略語
以下では、次の略語が使用されることがある。
【0023】
【0024】
本明細書では、以下の慣例、定義、用語、または表現、あるいはその組み合わせが使用されることがある。
【0025】
「領域情報」という用語は、一部の実施形態では、特定の領域(領域情報が参照することができる領域である「情報領域」とも呼ばれる)に関する記述的情報のことを指してよく、少なくとも位置、形状、および種類の情報を含んでよい。位置情報は、GPS座標、マイル・マーカー・データ、交差点、または何らかの既知の/確立された参照点に対する相対位置、あるいはその組み合わせなどの、領域上の参照点の位置を含んでよい。領域情報は、本明細書では、すれ違い支援場所情報(passing-by-each-other assisting place information)と呼ばれることもある。領域情報は、車両が特定の領域を通過し、その領域のさまざまな属性を検出したときに車両センサから発生する、特定の領域上の情報またはデータのことを指してよい。
【0026】
形状情報は、一部の実施形態では、領域の形状のことを指してよい。多くの場合(本明細書では通常)、長方形が、形状を表すために十分であってよい。その場合、幅および長さが、十分な情報であってよい。その他の場合、形状はさらに複雑であってよく、他の種類の記述的情報が利用されてよい。例えば、形状が多角形である場合、形状は頂点の座標によって表されてよい。他の数学的形式が形状(例えば、円形、楕円体、スプライン形状の境界など)をより良く表す場合、それらの形状を表すために異なる情報が使用されてよい。従来技術を使用する数学的形状の種類の定義および境界の定義が利用されてよい。本明細書では、場合によっては、領域は、障害物、待避所などの実際の領域であってよいが、ほとんどの場合、領域は隣接する道路の部分を含んでもよく、これは通常、状況によって決定されてよい。例として、障害物領域は、「障害物領域内の車両」への言及が「障害物に隣接する道路セグメント内の車両」として解釈できるように、障害物に隣接する通過可能な道路セグメントを含んでよい。
【0027】
種類情報は、一部の実施形態では、検討中の領域の種類のことを指してよく、以下を含んでよい。
・「障害物領域」。この領域は、一部の実施形態では、通常は幅広の道路上の道路領域のことを指してよく、この領域内で、1つの方向の車線が、従来の印刷された地図に表示されていないが、動的に出現して検出されることがある一時的障害物によって閉鎖されている。障害物領域は、長時間停車している車両、通常は幅広の道路内の障害物または遮断要素を含んでいる領域(「狭い領域」とも呼ばれる)に起因することがある。
・「幅広の領域」とも呼ばれる「通過領域」または「通過点」。これらの領域は、一部の実施形態では、通常は狭い道路または1車線の道路内の、2つの車両がすれ違うことができるか、またはすれ違ったということが検出された領域のことを指してよく、通過領域または通過点は、幅広の道路上の障害物または障害物領域に隣接する道路領域を表してもよい。
・「通過障害物領域」。この領域は、一部の実施形態では、通常は通過領域として指定されるが、現在は妨害されており、狭い領域と同様に通過を許可しない領域のことを指してよい。
・「共有領域」。この領域は、一部の実施形態では、2つの車両が情報を共有することができる領域のことを指してよく、車両のうちの1つと相対的に定義されてよい。
・「伝搬領域」。この領域は、一部の実施形態では、領域情報項目が他の車両に伝搬されることになる領域のことを指してよい。
・「停止領域」。この領域は、一部の実施形態では、障害物に隣接する領域のことを指してよく、この領域内で、障害物によって妨害されていない1つの車線内の車両が、反対方向から来る車両が障害物を迂回して通過するのを待つ。
・「通行可能領域」。この領域は、一部の実施形態では、障害物領域を通過する車列のすべての車両が、中断せずに障害物を通り過ぎることを許可される一時的領域のことを指してよい(反対方向からの車両が停止され、この車列の通過を待っている)。
・「保持領域」。この領域は、一部の実施形態では、領域情報項目が車両のデータベース内で保持されるか、または維持されることになる領域のことを指してよい。そのような領域は、伝搬領域より大きく、伝搬領域を含んでいる。例えば、保持領域は、道路セグメントの端から10キロメートル(km)の半径を有する領域、または道路に沿って10kmの距離の範囲内の領域であってよく、この領域内で車両は、すれ違うために支援を必要とする。
【0028】
「既定の交渉完了距離」は、一部の実施形態では、障害物または通過領域からの距離のことを指してよく、交渉中の車両が交渉を完了するために停止しないように、この距離の終了までに状態の交渉が完了されなければならない。
【0029】
「支援結果」および「評価結果」という用語は、本明細書では交換可能なように使用されてよく、一部の実施形態では、他の車両を通り過ぎることに関連する指示の形態で運転者または関連する車両のデバイスに提示されてよい結果のことを指してよい。
【0030】
一部の実施形態では、簡略化された「形状」が使用されてよい。例えば、障害物領域は、単一の自動車が単一の方向に移動することを許可する道路の領域としてさらに定義されてよく、通過領域は、2つの自動車がすれ違うことを許可する道路の領域としてさらに定義されてよい。そのような場合、領域を定義するために、道路上の参照点および長さのみで十分であることがあるが、車線情報が含まれてもよい。
【0031】
検出中の車両の車両センサによって領域情報が検出されて格納された場合、そのような情報は、検出に関連する任意のその他の環境に関する情報と共に、検出情報の時間をさらに含んでよい。車両によって領域情報が中継される場合、そのような情報は、中継車両に関する情報をさらに含んでよく、または中継車両のいずれかもしくはすべてに関する情報および検出中の車両に後方に関連付けられたデータの台帳を含んでよく、あるいはその両方であってよい。集団的車両の情報は、特定の領域上の競合する情報または不完全な情報の解決を可能にすることができる。
【0032】
「狭い道路」という用語は、一部の実施形態では、長さの大部分が1車線道路である道路のことを指してよく、この道路は、通常の使用では、道路に沿ったどの点でも車両が1つの方向のみに移動することを許可するよう意図されている。そのような道路は、地図上で1車線道路として指定され、例えば少なくとも12フィートの幅を有することがある。そのような道路は、意図的に、反対方向に移動している車両が車線の脇に停止し、第1の車両が通り過ぎることができるようにする、道路に沿って散在する局所的に幅広の領域を含む。一部の実施形態では、検出中の車両が狭い道路に沿って移動するときに、車両の検出器が(サイズが小さい/数が少ない)幅広の領域を検出して格納し、(サイズが大きい/数が多い)狭い領域を無視するのが効率的である。
【0033】
狭い道路の特性は、次のことを含んでいることがある。狭い道路上の特定のセグメント内で、車両がすれ違うことができる点は、断続的に出現することがある。道路に進入する車両の数が少ないとき、車両の対が頻繁にすれ違い、複数の車両の対が時々すれ違うような交通量が存在する。処理される狭い道路セグメントは、地図情報に基づいて特定の長さおよび狭い幅を有していることが検出されたセグメントであり、したがって車両は、すれ違うために支援を必要とする。支援の基礎を決定する、車両がすれ違うことができる点は、地図情報またはその他の地理情報に基づいて決定されてよい。
【0034】
車両がすれ違うことができる点は、一部の実施形態では、ユーザによって、すれ違った車両の実際の経験に基づいて動的に登録されてもよい。しかし、そのような通過点または通過領域は、妨害され、通過することに使用できないことがある。この妨害は、例えば、別の車両が通過領域内に停車しており、通過領域を、通過の発生を可能にすることに適さない状態にしているときに発生することがある。
【0035】
「幅広の道路」という用語は、一部の実施形態では、長さの大部分が2車線道路である道路のことを指してよく、この道路は、通常の使用では、どの特定の点でも反対方向に移動している車両がすれ違うことを許可するよう意図されている。そのような道路は、地図上で、複数の車線または複数の方向の道路として指定されることがあり、例えば少なくとも24フィートの幅を有してよく、または車両がすれ違うことを許可する複数の車線を主に含んでいるとして指定されることがある。これらの道路は、障害物などに起因して、局所的に狭い近隣地を時々含んでおり、したがって車両がすれ違うことを許可しないことがある。一部の実施形態では、検出中の車両が幅広の道路に沿って移動するときに、車両の検出器が(サイズが小さい/数が少ない)狭い領域または妨害された領域を検出して格納し、(サイズが大きい/数が多い)幅広の領域を無視するのが効率的である。
【0036】
「一時的に停車している車両」という用語は、一部の実施形態では、接近する車両が通り過ぎるまで待つために停止したか、または混雑のために停止した車両のことを指してよい。そのような車両は、周囲の環境が車両の移動を可能にするとすぐに、再び移動することができてよく、例えば、周囲の環境が移動を可能にするときに、運転者または自動車両制御システムが自動車を移動する。そのような車両は、通常、障害物とは見なされず、通常、同じ方向に移動している別の車両が通り過ぎる何かであるとは見なされない。
【0037】
「長時間停車している車両」という用語は、一部の実施形態では、故障、運転者の欠如(すなわち、意図的に停車している)、事故などの、車両自体に伴う問題に起因して停止された車両のことを指してよい。そのような車両は、通常、障害物と見なされ、通常、同じ方向に移動している別の車両が通り過ぎる何かであると見なされる。
【0038】
「注目の車両」という用語は、一部の実施形態では、ユーザの「自車両」(すなわち、インテリジェント車両すれ違い情報共有システムを操作しており、検討の目的のための車両として機能している車両)のことを指してよい。システム内の車両は、通常、同じルールのセットに従って動作すると仮定されるため、ある状況における「注目の車両」またはある観点/視点からの「注目の車両」は、別の状況において、または別の観点/視点からは、「別の車両」(「接近する車両」など)になってよい。注目の車両は、参照車両と呼ばれてもよい。
【0039】
「車両間ネットワーク」という用語は、車両間通信に利用される任意の既知のネットワークのことを指してよい。
【0040】
「周期的ブロードキャスト」という用語は、一部の実施形態では、絶対時間(例えば、「毎時10分ごとの間隔で」または「午後5時(CDT)に」など)、相対的時間(例えば、「最後の送信後の10分ごとの間隔で」)などの、例えば事前に定義された周期的時間基準に基づくブロードキャストのことを指してよい。この用語は、何らかのその他の事前に定義されたブロードキャストの基準、トリガー、またはイベント(例えば、「車両が停止するときに常に」)、あるいはその組み合わせに基づくブロードキャストのことを指してもよい。周期的ブロードキャストの期間およびその性質(例えば、トリガー)は、事前に定義され、V2VNの確立時、または新しいメンバーがV2VNに追加されたときに、共有されてよい。したがって、V2VNに参加しているすべての車両は、周期的ブロードキャストの条件に関して合意していてよく、期待される周期的ブロードキャストを失ったかどうかを認識してよい。
【0041】
「通過支援情報」という用語は、一部の実施形態では、道路の一部での車線の状態が、車両が道路上の特定の点ですれ違うことを妨げている場合に、反対方向または接近する方向に移動している別の車両を通り過ぎることにおいて車両を支援するために利用できる任意の情報のことを指してよい。そのような車線の状態は、一方通行道路などの、道路自体の特徴を含んでよく、または車線のうちの1つが妨害されている場合などの、一時的状態を含んでよい。
【0042】
クラウド・コンピューティング
本開示にはクラウド・コンピューティングに関する詳細な説明が含まれているが、本明細書において示された内容の実装は、クラウド・コンピューティング環境に限定されないと理解されるべきである。本発明の実施形態は、現在既知であるか、または今後開発される任意のその他の種類のコンピューティング環境と組み合わせて実装できる。
【0043】
クラウド・コンピューティングは、構成可能な計算リソース(例えば、ネットワーク、ネットワーク帯域幅、サーバ、処理、メモリ、ストレージ、アプリケーション、仮想マシン、およびサービス)の共有プールへの便利なオンデマンドのネットワーク・アクセスを可能にするためのサービス提供モデルであり、管理上の手間またはサービス・プロバイダとのやりとりを最小限に抑えて、これらのリソースを迅速にプロビジョニングおよび解放することができる。このクラウド・モデルは、少なくとも5つの特徴、少なくとも3つのサービス・モデル、および少なくとも4つのデプロイメント・モデルを含むことができる。
【0044】
特徴は、次のとおりである。
オンデマンドのセルフ・サービス:クラウドの利用者は、サーバの時間、ネットワーク・ストレージなどの計算能力を一方的に、サービス・プロバイダとの人間的なやりとりを必要とせず、必要に応じて自動的にプロビジョニングすることができる。
幅広いネットワーク・アクセス:クラウドの能力は、ネットワークを経由して利用可能であり、標準的なメカニズムを使用してアクセスできるため、異種のシン・クライアント・プラットフォームまたはシック・クライアント・プラットフォーム(例えば、携帯電話、ラップトップ、およびPDA)による利用を促進する。
リソース・プール:プロバイダの計算リソースは、プールされ、マルチテナント・モデルを使用して複数の利用者に提供される。さまざまな物理的および仮想的リソースが、要求に従って動的に割り当ておよび再割り当てされる。場所に依存しないという感覚があり、利用者は通常、提供されるリソースの正確な場所に関して管理することも知ることもないが、さらに高い抽象レベルでは、場所(例えば、国、州、またはデータセンター)を指定できる場合がある。
迅速な順応性:クラウドの能力は、迅速かつ柔軟に、場合によっては自動的にプロビジョニングされ、素早くスケールアウトし、迅速に解放されて素早くスケールインすることができる。プロビジョニングに使用できる能力は、利用者には、多くの場合、任意の量をいつでも無制限に購入できるように見える。
測定されるサービス:クラウド・システムは、計測機能を活用することによって、サービスの種類(例えば、ストレージ、処理、帯域幅、およびアクティブなユーザのアカウント)に適した抽象レベルで、リソースの使用を自動的に制御および最適化する。リソースの使用量は監視、制御、および報告することができ、利用されるサービスのプロバイダと利用者の両方に透明性が提供される。
【0045】
サービス・モデルは、次のとおりである。
SaaS(Software as a Service):利用者に提供される能力は、クラウド・インフラストラクチャ上で稼働しているプロバイダのアプリケーションの利用である。それらのアプリケーションは、Webブラウザ(例えば、Webベースの電子メール)などのシン・クライアント・インターフェイスを介して、さまざまなクライアント・デバイスからアクセスできる。利用者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティング・システム、ストレージ、または個々のアプリケーション機能を含む基盤になるクラウド・インフラストラクチャを、限定的なユーザ固有のアプリケーション構成設定を行う可能性を除き、管理することも制御することもない。
PaaS(Platform as a Service):利用者に提供される能力は、プロバイダによってサポートされるプログラミング言語およびツールを使用して作成された、利用者が作成または取得したアプリケーションをクラウド・インフラストラクチャにデプロイすることである。利用者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティング・システム、またはストレージを含む基盤になるクラウド・インフラストラクチャを管理することも制御することもないが、デプロイされたアプリケーション、および場合によってはアプリケーション・ホスティング環境の構成を制御することができる。
IaaS(Infrastructure as a Service):利用者に提供される能力は、処理、ストレージ、ネットワーク、およびその他の基本的な計算リソースのプロビジョニングであり、利用者は、オペレーティング・システムおよびアプリケーションを含むことができる任意のソフトウェアをデプロイして実行できる。利用者は、基盤になるクラウド・インフラストラクチャを管理することも制御することもないが、オペレーティング・システム、ストレージ、およびデプロイされたアプリケーションを制御することができ、場合によっては、選択されたネットワーク・コンポーネント(例えば、ホスト・ファイアウォール)を限定的に制御できる。
【0046】
デプロイメント・モデルは、次のとおりである。
プライベート・クラウド:このクラウド・インフラストラクチャは、ある組織のためにのみ運用される。この組織またはサード・パーティによって管理することができ、オンプレミスまたはオフプレミスに存在することができる。
コミュニティ・クラウド:このクラウド・インフラストラクチャは、複数の組織によって共有され、関心事(例えば、任務、セキュリティ要件、ポリシー、およびコンプライアンスに関する考慮事項)を共有している特定のコミュニティをサポートする。これらの組織またはサード・パーティによって管理することができ、オンプレミスまたはオフプレミスに存在することができる。
パブリック・クラウド:このクラウド・インフラストラクチャは、一般ユーザまたは大規模な業界団体が使用できるようになっており、クラウド・サービスを販売する組織によって所有される。
ハイブリッド・クラウド:このクラウド・インフラストラクチャは、データとアプリケーションの移植を可能にする標準化された技術または独自の技術(例えば、クラウド間の負荷バランスを調整するためのクラウド・バースト)によって固有の実体を残したまま互いに結合された2つ以上のクラウド(プライベート、コミュニティ、またはパブリック)の複合である。
【0047】
クラウド・コンピューティング環境は、ステートレス、疎結合、モジュール性、および意味的相互運用性に重点を置いたサービス指向の環境である。クラウド・コンピューティングの中心になるのは、相互接続されたノードのネットワークを含んでいるインフラストラクチャである。
【0048】
ここで
図1を参照すると、例示的なクラウド・コンピューティング環境50が示されている。図示されているように、クラウド・コンピューティング環境50は、クラウドの利用者によって使用されるローカル・コンピューティング・デバイス(例えば、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA:personal digital assistant)または携帯電話54A、デスクトップ・コンピュータ54B、ラップトップ・コンピュータ54C、または自動車コンピュータ・システム54N、あるいはその組み合わせなど)が通信できる1つまたは複数のクラウド・コンピューティング・ノード10を含んでいる。ノード10は、互いに通信してよい。ノード10は、1つまたは複数のネットワーク内で、本明細書において前述されたプライベート・クラウド、コミュニティ・クラウド、パブリック・クラウド、またはハイブリッド・クラウド、あるいはこれらの組み合わせなどに、物理的または仮想的にグループ化されてよい(図示されていない)。これによって、クラウド・コンピューティング環境50は、クラウドの利用者がローカル・コンピューティング・デバイス上でリソースを維持する必要のないインフラストラクチャ、プラットフォーム、またはSaaS、あるいはその組み合わせを提供できる。
図1に示されたコンピューティング・デバイス54A~Nの種類は、例示のみが意図されており、コンピューティング・ノード10およびクラウド・コンピューティング環境50は、任意の種類のネットワークまたはネットワーク・アドレス可能な接続(例えば、Webブラウザを使用した接続)あるいはその両方を経由して任意の種類のコンピュータ制御デバイスと通信することができると理解される。
【0049】
ここで
図2を参照すると、クラウド・コンピューティング環境50(
図1)によって提供される機能的抽象レイヤのセットが示されている。
図2に示されたコンポーネント、レイヤ、および機能は、例示のみが意図されており、本発明の実施形態がこれらに限定されないということが、あらかじめ理解されるべきである。図示されているように、次のレイヤおよび対応する機能が提供される。
【0050】
ハードウェアおよびソフトウェア・レイヤ60は、ハードウェア・コンポーネントおよびソフトウェア・コンポーネントを含む。ハードウェア・コンポーネントの例としては、メインフレーム61、RISC(Reduced Instruction Set Computer)アーキテクチャベースのサーバ62、サーバ63、ブレード・サーバ64、ストレージ・デバイス65、ならびにネットワークおよびネットワーク・コンポーネント66が挙げられる。一部の実施形態では、ソフトウェア・コンポーネントは、ネットワーク・アプリケーション・サーバ・ソフトウェア67およびデータベース・ソフトウェア68を含む。
【0051】
仮想化レイヤ70は、仮想サーバ71、仮想ストレージ72、仮想プライベート・ネットワークを含む仮想ネットワーク73、仮想アプリケーションおよびオペレーティング・システム74、ならびに仮想クライアント75などの仮想的実体を提供できる抽象レイヤを備える。
【0052】
一例を挙げると、管理レイヤ80は、以下で説明される機能を提供することができる。リソース・プロビジョニング81は、クラウド・コンピューティング環境内でタスクを実行するために利用される計算リソースおよびその他のリソースの動的調達を行う。計測および価格設定82は、クラウド・コンピューティング環境内でリソースが利用される際のコスト追跡、およびそれらのリソースの利用に対する請求書の作成と送付を行う。一例を挙げると、それらのリソースは、アプリケーション・ソフトウェア・ライセンスを含んでよい。セキュリティは、クラウドの利用者およびタスクのID検証を行うとともに、データおよびその他のリソースの保護を行う。ユーザ・ポータル83は、クラウド・コンピューティング環境へのアクセスを利用者およびシステム管理者に提供する。サービス・レベル管理84は、必要なサービス・レベルを満たすように、クラウドの計算リソースの割り当てと管理を行う。サービス水準合意(SLA:Service Level Agreement)計画および実行85は、今後の要求が予想されるクラウドの計算リソースの事前準備および調達を、SLAに従って行う。
【0053】
ワークロード・レイヤ90は、クラウド・コンピューティング環境で利用できる機能の例を示している。このレイヤから提供されてよいワークロードおよび機能の例としては、マッピングおよびナビゲーション91、ソフトウェア開発およびライフサイクル管理92、仮想クラスルーム教育の配信93、データ分析処理94、トランザクション処理95、およびモバイル・デスクトップ96が挙げられる。
【0054】
データ処理システム
図3は、1つまたは複数の実施形態に従う例示的なDPSのブロック図である。DPSは、クラウド・コンピューティング・ノード10として使用されてよい。この例では、DPS100は、プロセッサ・ユニット104、メモリ106、永続的ストレージ108、通信ユニット110、I/Oユニット112、およびディスプレイ114の間の通信を提供できる通信バス102を含んでよい。
【0055】
プロセッサ・ユニット104は、メモリ106に読み込むことができるソフトウェアの命令を実行する役目を果たす。プロセッサ・ユニット104は、特定の実装に応じて、複数のプロセッサ、マルチプロセッサ・コア、またはその他の種類のプロセッサであってよい。「複数の」は、項目を参照して本明細書において使用されるとき、1つまたは複数の項目を意味する。さらに、プロセッサ・ユニット104は、単一チップ上にメイン・プロセッサが二次プロセッサと共に存在する複数の異種プロセッサ・システムを使用して実装されてよい。別の例として、プロセッサ・ユニット104は、同じ種類の複数のプロセッサを含んでいる対称型マルチプロセッサ・システムであってもよい。
【0056】
メモリ106および永続的ストレージ108は、ストレージ・デバイス116の例である。ストレージ・デバイスは、例えばデータ、機能的形態でのプログラム・コード、またはその他の適切な情報、あるいはその組み合わせなどの、ただしこれらに制限されない情報を、一時的にまたは永続的にあるいはその両方で格納できるハードウェアの任意の部分であってよい。これらの例では、メモリ106は、例えば、ランダム・アクセス・メモリあるいは任意のその他の適切な揮発性または不揮発性ストレージ・デバイスであってよい。永続的ストレージ108は、特定の実装に応じて、さまざまな形態をとってよい。
【0057】
例えば、永続的ストレージ108は、1つまたは複数のコンポーネントまたはデバイスを含んでよい。例えば、永続的ストレージ108は、ハード・ドライブ、フラッシュ・メモリ、書き換え可能光ディスク、書き換え可能磁気テープ、またはこれらの組み合わせであってよい。永続的ストレージ108によって使用される媒体は、取り外し可能であってもよい。例えば、取り外し可能ハード・ドライブが、永続的ストレージ108に使用されてよい。
【0058】
これらの例において、通信ユニット110は、他のDPSまたはデバイスとの通信を提供してよい。これらの例において、通信ユニット110は、ネットワーク・インターフェイス・カードである。通信ユニット110は、物理的通信リンクまたは無線通信リンクのいずれか、あるいはその両方を使用して通信を提供してよい。
【0059】
入出力ユニット112は、DPS100に接続できる他のデバイスとのデータの入力および出力を可能にしてよい。例えば、入出力ユニット112は、キーボード、マウス、またはその他の適切な入力デバイス、あるいはその組み合わせを介したユーザ入力のための接続を提供してよい。さらに、入出力ユニット112は、出力をプリンタに送信してよい。ディスプレイ114は、情報をユーザに表示するためのメカニズムを提供してよい。
【0060】
オペレーティング・システム、アプリケーション、またはプログラム、あるいはその組み合わせのための命令は、通信バス102を介してプロセッサ・ユニット104と通信するストレージ・デバイス116内に配置されてよい。これらの例では、命令は、永続的ストレージ108上に機能的形態で存在する。これらの命令は、プロセッサ・ユニット104によって実行するために、メモリ106に読み込まれてよい。さまざまな実施形態のプロセスは、メモリ106などのメモリ内に配置できるコンピュータ実装命令を使用してプロセッサ・ユニット104によって実行されてよい。
【0061】
これらの命令は、プロセッサ・ユニット104内のプロセッサによって読み取って実行できるプログラム・コード、コンピュータ使用可能プログラム・コード、またはコンピュータ可読プログラム・コードと呼ばれる。さまざまな実施形態におけるプログラム・コードは、メモリ106または永続的ストレージ108などの、異なる物理的な、または有形のコンピュータ可読媒体上で具現化されてよい。
【0062】
プログラム・コード118は、選択的に取り外すことができるコンピュータ可読媒体120上に機能的形態で配置されてよく、プロセッサ・ユニット104によって実行するために、DPS100に読み込まれるか、または転送されてよい。これらの例では、プログラム・コード118およびコンピュータ可読媒体120が、コンピュータ・プログラム製品122を形成してよい。1つの例では、コンピュータ可読媒体120は、コンピュータ可読ストレージ媒体124またはコンピュータ可読信号媒体126であってよい。コンピュータ可読ストレージ媒体124は、例えば、ドライブに挿入または配置される光ディスクまたは磁気ディスク、あるいは永続的ストレージ108の一部であるハード・ドライブなどのストレージ・デバイスに転送するための永続的ストレージ108の一部であるその他のデバイスを含んでよい。コンピュータ可読ストレージ媒体124は、DPS100に接続されたハード・ドライブ、サム・ドライブ、またはフラッシュ・メモリなどの、永続的ストレージの形態をとってもよい。場合によっては、コンピュータ可読ストレージ媒体124は、DPS100から取り外し不可能であってよい。
【0063】
代替として、プログラム・コード118は、コンピュータ可読信号媒体126を使用してDPS100に転送されてよい。コンピュータ可読信号媒体126は、例えば、プログラム・コード118を含んでいる伝搬データ信号であってよい。例えば、コンピュータ可読信号媒体126は、電磁信号、光信号、または任意のその他の適切な種類の信号であってよい。これらの信号は、無線通信リンク、光ファイバ・ケーブル、同軸ケーブル、ワイヤ、または任意のその他の適切な種類の通信リンク、あるいはその組み合わせなどの、通信リンクを経由して送信されてよい。言い換えると、これらの例において、通信リンクまたは接続あるいはその両方は、物理的または無線であってよい。
【0064】
一部の実施形態例では、プログラム・コード118は、DPS100内で使用するために、ネットワークを経由して、コンピュータ可読信号媒体126を介して別のデバイスまたはDPSから永続的ストレージ108にダウンロードされてよい。例えば、サーバDPS内のコンピュータ可読ストレージ媒体に格納されるプログラム・コードは、ネットワークを経由してサーバからDPS100にダウンロードされてよい。プログラム・コード118を提供するDPSは、サーバ・コンピュータ、クライアント・コンピュータ、またはプログラム・コード118を格納および送信できるその他のデバイスであってよい。
【0065】
DPS100に示されているさまざまなコンポーネントは、さまざまな実施形態が実装されてよい方法に対するアーキテクチャの制限をもたらすよう意図されていない。DPSでは、DPS100に示されているコンポーネントに加えたコンポーネント、またはそれらのコンポーネントの代わりになるコンポーネントを含む、さまざまな実施形態例が実装されてよい。
図1に示されている他のコンポーネントは、示されている例から変化してよい。
【0066】
異なる参照番号が共通の番号を含んでおり、その後に異なる文字が続く場合(例えば、100a、100b、100c)、文字を含まない参照番号(例えば、100)のみの使用は、要素のグループ全体、グループのサブセット、またはグループの例示的な見本を参照することがある。
【0067】
本明細書では、すれ違うことにおいて車両を支援するシステムおよび関連する方法が開示される。これは、車両がすれ違うことができる場所またはすれ違うことができない場所に関する情報を、V2Vネットワークを介して共有することによって実現される。そのような情報が、車両が(例えば、通常は反対方向に流れる2車線の交通を含んでいるが、1つの方向に流れている車線を障害物が閉鎖して道路を狭くしている幅広の道路上の)障害物の位置または(例えば、1車線の交通を含んでいるが、道路を2車線に広げることによって車両がすれ違うことを許可する通過領域を含んでいる狭い道路上の)通過位置に近づくことに先立って共有された場合、この情報を持っている車両は、センサなどによって障害物を直接探査できない場所において他の車両に通り過ぎさせることができる。先頭の車両に加えて後続の車両を支援することができるため、反対方向に移動している複数の車両が交互に通り過ぎるのを支援することができる。この方法は、例えば、建設現場で使用されてよい。
【0068】
概要
本明細書における開示の概要は、特に、道路に関連する領域情報を検出して格納し、領域情報を他の車両と共有/伝搬することと、領域情報を支援評価に処理することと、支援評価の結果を車両のユーザに表示することとを実行するためのV2VNまたはV2VNプロトコルあるいはその両方の使用について説明する。
【0069】
図4は、例示的な車両すれ違い情報共有システム400のブロック図である。このシステムは、本明細書において説明されているように、DPS100を含むか、または組み込んでよい。
図4には複数の例示的なコンポーネントが示されているが、
図4の影付きで示されたコンポーネントのみが本明細書において詳細に説明される。システム400は、本明細書に記載されたさまざまな領域の位置を検出できる、画像システムなどの、車載センサおよび制御410を備えてよい。センサ410は、道路セグメントを検出し、障害物が存在するかどうか、または車線の狭窄が存在するかどうかを判定することができてよい。同様に、センサ410は、道路が通常は狭い場合に、2つの車両がすれ違うことを許可する通過領域を含んでいる道路セグメントを検出することができてよい。一部の実施形態では、車線および車線内の障害物、危険標識または警告標識、トラフィック・コーン、草と舗装の間の境界線を認識することなど、特定の位置または領域での情景を正確に解釈するために、既知の画像認識技術が採用されてよい。センサ410は、CCDカメラなどの画像技術、RADARまたはLIDAR近接センサなどの測距機器、および同様のものの任意の組み合わせを利用してよい。
【0070】
システム400は、基本データ生成管理セクション430、車列情報生成/管理セクション422、通過または障害物検出および通過決定セクション424、領域情報評価セクション426、領域情報427の点ごとのレコード(各レコードは、本明細書では領域情報427の項目427.1(総称的に、427.n)と呼ばれることがある)を含むことができる領域情報データベース428を含んでいる、データ・プロセッサ420をさらに含んでよい。領域情報のレコードは、通過領域情報427a、障害物領域情報427b、通過障害物領域情報427c、伝搬領域情報427d、および通行可能領域情報427eを含んでよい。データ・プロセッサ420は、領域情報管理セクション432を含んでもよい。
【0071】
システム400は、基本データ転送セクション444、推奨通知転送セクション442、車両指定データ転送セクション446、位置指定データ転送セクション448、および領域情報コマンド転送セクション445を含むことができるデータ通信コントローラ440をさらに含んでよい。データ通信コントローラ440は、通信制御ライブラリ450またはOSのサービスを利用してよい。
【0072】
システム400は、UI461とインターフェイスをとるユーザ・インターフェイス(UI:user-interface)コントローラ460をさらに含んでよい。UIコントローラ460は、領域情報評価結果表示セクション462、表示制御セクション464、および入力制御セクション466を含んでよい。UIコントローラ460は、I/Oデバイス・コントローラ480と連動してよい。通過または障害物検出および通過決定セクション424、領域情報評価セクション426、領域情報データベース428、領域情報管理セクション432、および領域情報コマンド転送セクション445は、個別に、または任意の組み合わせで、本明細書において説明されるような「コントローラ」を構成してよい。以下では、システム400によって提供されてよいさまざまな動作と共に、システム・コンポーネントが説明される。
【0073】
領域情報の検出および格納
図5Aは、交通が西から東に流れている第1の車線505a、および交通が東から西に流れている第2の車線505bを含む2車線道路505を含んでいる領域500の図である。第2の車線505bは、一連の障害物507a~cを障害物領域内に含んでいる。第1のV2VN560a内にある第1の自動車のグループ520が、第1の車線505a内にあり、このグループ内の第1の自動車520cが、西から東への方向に障害物領域に近づいている。第2の自動車のグループ530および第3の自動車のグループ540が、反対の東から西への方向に障害物領域に近づいており、これらのグループ530、540は、第2のV2VN560bおよび第3のV2VN560cにそれぞれ属している。重複する車両530d、540dは、両方とも第2の自動車のグループ530および第3の自動車のグループ540、ならびに第2のV2VN560bおよび第3のV2VN560cのメンバーである。これらの要素が、下でさらに詳細に説明される。
【0074】
図5Bは、特定のセグメント上を異なる時間に交通が反対方向に流れることができる1車線道路505cを含んでいる領域500’の図である。車線505cは、一連の通過領域508a~cを含んでおり、車両530aは、反対方向からの別の車両520aが通ることができるように、これらの通過領域に入ることができる。通過領域508a~cは、車線505cのいずれかの側(図に示されているように北、または南)または両側にあってよい。世界の異なる地域は、どの方向の交通がどの通過領域に入ることになっているかに関して、異なるルールを実施することがある。
【0075】
さらに詳細には、道路セグメント500、500’は、通常、幅広(2つの車両520、530がすれ違うことを許可する道路セグメント500)または狭い(2つの車両520、530がすれ違うことを許可しない道路セグメント500’)のいずれかとして指定される。幅広の道路セグメント500は、狭い区域(例えば、妨害された領域507)によって中断されることがある長い幅広の区域を含んでいる。狭い道路セグメント500’は、時折の幅広の区域(例えば、通過領域508)を利用することができる長い狭い区域を含んでいる。絶対的定義はなく、同じ量の幅広のセグメントおよび狭いセグメントを含んでいる道路が、1つの指定またはその他の指定に必ずしもきれいに当てはまらないことがある。同様に、最初に幅広の道路であると見なされた道路セグメントが、実際にはさらに多くの狭いセグメントを含んでいるということがある。しかし、幅広の道路と狭い道路の指定は、狭い領域の情報または幅広の領域の情報のどちらを収集するのがより効率的であろうと、単に検出中の車両に対して指定する状態であってよい。一部の実施形態では、幅広の情報および狭い情報の両方が収集されてよく、これらの状態において、幅広の道路または狭い道路であるとして特定の道路を指定する必要がなくてよい。同様に、道路の幅広の領域が知られている場合、道路のどの領域が狭いか(すなわち、幅広でない道路の領域であるか)を決定することができ、この逆のことも当てはまる。本明細書に記載されたさまざまな実施形態は、そのような柔軟性を伴って、全体として道路の性質の意味において混乱せずに、道路の状態の正しい解釈を行うことができる。
【0076】
車両によって検出され、車両間で伝達されることがある道路の状況に関する情報は、狭い道路の情報(または通過情報)427a、幅広の道路の情報(または障害物情報)427b、および通過障害物情報427cという3つの種類に大きく分類されてよく、「領域情報」427と総称されてよい。第1の種類の情報である狭い道路の情報427aは、狭い道路セグメント500’に関して収集された情報を含んでよい。そのような狭い道路上の幅広の領域508(通過領域)は、車両520、530がすれ違うことができる場所を構成する。したがって、この通過情報427aは、狭い道路セグメント500’に関する幅広の領域の情報427aを含んでよい。この情報は、本明細書における他の記述的部分に加えて、またはそれらの記述的部分によって明確にされているように、特に、位置、幅および長さ、形状、属性、ならびに点ごとの検出の時間を含んでよい。
【0077】
第2の種類の情報である幅広の道路の情報は、車両がすれ違うことができない狭い領域507(障害物領域)に関連する幅広の道路セグメント500に関する情報(すなわち、障害物領域情報427b)を含んでよい。この第2の種類の情報は、幅広の道路セグメント500に関する障害物領域情報427bを含んでよい。この情報は、本明細書における他の記述的部分に加えて、またはそれらの記述的部分によって明確にされているように、特に、位置、幅および長さ、車線識別子、属性、ならびに点ごとの検出の時間を含んでよい。
【0078】
第3の種類の情報である通過障害物情報は、一時的に閉鎖されている通常は幅広の領域508(通過領域)に関連する狭い道路セグメント500’に関する情報(すなわち、通過障害物情報427c)を含んでよい。通過障害物情報427cは、車両520、530がすれ違うことを通常は許可するが、現在は障害物に起因して通過領域508として使用できない、地図によって(または動的に検出されて)指定された通過領域508に関連する情報である。この情報は、位置、幅および長さ、属性、ならびに点ごとの検出の時間を含む。位置は、本明細書における他の記述的部分に加えて、またはそれらの記述的部分によって明確にされているように、緯度および経度によって、または道路識別子および道路の始点からの距離によって表されてよい。さまざまな種類の領域の検出は、通過または障害物検出および通過決定セクション424によって実行されてよい。
【0079】
本明細書では、さまざまな使用事例が提示される。幅広の道路の使用事例では、注目の車両520は、幅広の道路500として地図に表された道路上にある。幅広の道路500上にあるということは、注目の車両520が、障害物領域または狭い領域507を検出して記録するように適合されているということを意味してよい(注目の車両520が、下で説明される狭い道路500’上にあり、通過領域または幅広の領域508を検出して記録するように適合されることがあるのとは対照的である)。
【0080】
障害物領域情報427bは、障害物領域507の情報を検出するため、したがって障害物領域507内の使用できない車線505bを識別するために使用される、車両520のセンサまたは画像デバイス405を使用して取得されてよい。建設中の道路セグメントに関する情報および事故に起因する車線制限に関する情報が、VICS、デバイスのアプリケーションなどの、外部から提供された情報から使用可能であってよい。加えて、ユーザが、例えばユーザ・インターフェイス460または音声入力を使用して障害物領域507に関する情報を入力できることが、可能であってよい。本明細書では、さまざまな実施形態において、これらの情報源が使用されてよい。
【0081】
障害物が車両520であるとして認識された場合、一時的に停車している車両である停止された車両と、長時間停車している車両である停止された車両とを区別することが可能であってよい。一部の実施形態によれば、一時的に停車している車両は、停車している状態に関する照会に対する応答によって認識されてよい(すなわち、車両が、一時的に停車していること、または長時間停車していることのいずれかを応答するか、あるいは事故/損傷情報などの、停車している状態に変換できるその他の情報を提供してよい)。しかし、停止された車両が本明細書に記載されたシステムの実施形態をサポートしていなくても、停止された車両の状態は、検出されたか、またはユーザによって入力された情報に基づいて認識されてよく、この情報は、例えば、ハザード・ランプの点滅、ブレーキ・ライトまたはブレーキ信号の状態、三角表示板または発炎筒、エンジンの状態(例えば、走行中であるかどうか)に基づいてよく、あるいはカメラを使用することによる通過している車両における画像処理(例えば、損傷した車両などの認識)によって、または前述したように外部から提供された情報によって認識され得る。
【0082】
狭い道路の使用事例では、注目の車両520は、狭い道路500’として地図に表された道路上にある。狭い道路500’上にあるということは、注目の車両520が、通過領域または幅広の領域508を検出して記録するように適合されているということを意味してよい(前述したように、注目の車両520が、幅広の道路505上にあり、妨害された領域または狭い領域507を検出して記録するように適合されることがあるのとは対照的である)。
【0083】
通過領域情報427aは、通過領域情報427aを検出するため、したがって通過領域508を識別するために使用される、車両のセンサまたは画像デバイス405を使用して取得されてよい。そのような情報は、地図から、またはVICS、デバイスのアプリケーションなどの、外部から提供された情報から使用可能であってもよい。加えて、ユーザが、例えばユーザ・インターフェイス461を使用して車両がすれ違う場所に関する情報を入力できることが、可能であってよい。
【0084】
通過領域情報427aは、位置を通過領域508として確認する他の情報が存在しないにもかかわらず、車両520、530が実際にすれ違った位置に関する情報を使用して取得されてよい。そのような状況では、すれ違う2つの小さいか、または狭い車両520、530に関する情報が、すれ違う2つのより大きいか、または幅広の車両520、530に必ずしも一般化できないため、警告が使用されてよい。例として、道路のカーブ/コーナー上の位置は、短いSmart(R)カーの場合は通過領域508を容易に構成することができるが、長いピックアップ・トラックの場合は通過領域508を構成することができない。これに関して、考慮することができるさまざまな車両の種類に関連付けられたサイズ、形状、およびその他の特徴に関連する車両の情報にアクセスすること、またはそのような車両の情報を格納すること、あるいはその両方が可能であってよい。したがって、一部の実施形態では、ある車両に関する通過領域508は、別の車両に関する通過領域508ではないことがあり、このようにして、車両の種類に基づいて特定の領域の指定が変化してよい。
【0085】
領域情報およびV2VN通信の共有
新しいV2VNおよびV2VNに参加している新しい車両
既知のV2VN技術の技術的詳細は、本明細書では説明されない。第1の車両520aおよび第2の車両520bは、V2VNの形成に必要な基準を確立した場合、第1のV2VN560aを形成してよい。第1のV2VN560aが形成された後に、位置、相対的位置、使用可能な通信帯域幅、または処理能力、あるいはその組み合わせなどの、1つまたは複数の車両を使用して決定されてよいブロードキャスト車両決定基準に基づいて、第1の車両520aが周期的ブロードキャスト車両520aとして指定されてよい。
【0086】
周期的ブロードキャスト
V2VN560では、単一の車両(例えば、第1の周期的ブロードキャスト車両520a)が、伝搬領域503内でメモリに格納された領域情報427を周期的にブロードキャストする周期的ブロードキャスターとして機能してよい。
【0087】
周期的ブロードキャスト車両520aは、第1のV2VN560a内の他の車両に格納した任意の領域情報427を周期的にブロードキャストしてよい。第2の車両520bは、非周期的ブロードキャスト車両520とよして指定されてよい。第2の車両520bは、領域情報427を自動的にブロードキャストしないが、他の基準に基づいて領域情報427をまだ共有してよい。周期的ブロードキャスト車両520aの車両の役割は、現在の周期的ブロードキャスト車両が道路から離れる、範囲の外に移動するなどの、複数の理由のいずれかのために、いつでも再交渉されてよい。
【0088】
第2の車両520bは、第1の(ブロードキャスト)車両520aからの領域情報427の受信時に、受信された領域情報427をそれ自身の領域情報にマージする。マージ中に、第2の車両520bは、データベース内にすでにある領域に関する更新された領域情報427または新しい領域に関する領域情報427などの、受信した領域情報427より新しい領域情報427を持っているということを決定してよい。これが発生した場合、第2の車両520bは、更新ブロードキャストを実行し、更新された領域情報427を第1のV2VN560a内の他の車両と共有してよい。マージ中に、第2の車両520bは、データ・ストレージ内に現在ある領域情報427より新しい領域に関して、それ自身の領域情報427をさらに更新してよい。このプロセスは、本明細書では通信事例Cとして説明されてよい。第1のV2VN560a内の他の車両520は、同様の方法で、周期的ブロードキャストおよび更新ブロードキャストの両方に応答して、それら自身の領域情報427のデータ・ストアを更新してよい(これらの車両がより新しい領域情報を持っている場合は、それら自身の更新ブロードキャストを実行する)。
【0089】
第2の(非周期的ブロードキャスト)車両520bは、(例えば、期待される期間内に)周期的ブロードキャストの条件に従ってブロードキャストを受信しなかった場合、周期的ブロードキャスト車両520aの役割を仮定してよい。一部の実施形態では、ネットワーク内の複数の非周期的ブロードキャスト車両がすべて同時に周期的ブロードキャスト車両520aの役割を仮定しようとしないように、ランダム・タイマーまたは何らかのその他のネットワーク衝突予防策が採用されてよい。この状況では、最初に公表する車両に、ネットワーク内のこの役割が他の車両によって付与されてよい。したがって、一部の実施形態では、複数の車両520が周期的ブロードキャストを実質的に同時に実行しようとした場合、周期的ブロードキャストを最初に実行した車両が、周期的ブロードキャスト車両520aになる(すなわち、1番目が勝者になる)。
【0090】
情報の更新
車両520は、新しい領域情報のそれ自身の検出から更新された情報を取得するか、または別の車両のブロードキャスト(周期的ブロードキャストまたは更新ブロードキャスト)から更新された情報を取得してよい。
【0091】
それ自身の検出からの領域情報の更新に関しては、車両520は、領域情報427(例えば、狭い道路上にいる場合は通過領域情報427aまたは通過障害物情報427c、または幅広の道路上にいる場合は障害物情報427b)を取得する対象になる特定の領域を検出したときに、関連する領域情報427をセンサから収集してよい。車両520は、領域情報を、周期的ブロードキャストから、または別の車両からの更新ブロードキャストから取得してもよい。
【0092】
いずれの場合も、車両は、この新たに受信された領域情報427が、現在所有している領域情報427より新しいかどうかを判定してよい。この判定は、既存の領域に関する領域情報に対する更新、または領域情報データベースにまだ存在していない領域に関する領域情報の追加を含んでよい。更新は、情報の削除(例えば、以前に報告され、すでに存在しないことが検出された障害物に関する障害物領域情報427bの削除)を含んでよい。その場合、車両520は、更新された領域情報427をそれ自身の領域情報データ・ストアに格納し、次に、他の車両に対する更新ブロードキャストを実行してよい。これは、本明細書では通信事例A/Bとして説明されてよい。
【0093】
周期的ブロードキャストを受信した車両520の各々は、次の領域情報更新動作を実行してよい。車両520は、受信された領域情報427を、メモリにすでに格納されている領域情報427と比較してよい。領域情報が同じである場合、車両は、領域情報に関してそれ以上処理しない。領域情報が同じでない場合、車両は、より新しい領域情報をマージし、必要に応じて更新ブロードキャストを実行する。1つの実装では、周期的ブロードキャスト車両520aは、交換される新しい領域情報を持っていない場合、周期的ブロードキャストを実行する必要はない。その場合、V2Vネットワーク内の別の車両520bが、交換される新しい領域情報427を持っているとき、その車両520bは、V2VN560内で情報を共有するための周期的ブロードキャスターになってよい。車両520は、車両520がV2VN内の唯一の車両であるということを決定した場合、一部の実施形態では、周期的ブロードキャストを実行する必要がなく、一部の実施形態では、更新ブロードキャストを実行する必要がない。
【0094】
車両520は、車両520が領域情報427を持っている領域に達することがある。車両が、この領域内の状況が変化した(例えば、道路建設が完了し、車両がすれ違うことを許可するようになった)ということを検出した場合、車両520は、既存の領域情報項目427.nを変更する新しい領域情報項目427.nを生成してよく、既存の項目を新しい項目に置き換えることによって、新しい領域情報項目427.nを格納してよい。状況が変化しなかった場合、車両は、既存の領域情報項目427.nを更新する必要がない。しかし、車両520は、一部の実施形態では、その領域情報項目427.nのタイムスタンプまたは期限切れ情報を更新してよい。そのようなタイムスタンプの更新は、例えば、その項目の有効期間が期限切れに近づいた場合にタイムスタンプの更新を行うタイムスタンプ更新論理に基づいてよい。領域情報項目427.nが幅広の道路に関連している場合、一部の実施形態では、そのような項目のタイムスタンプが更新されない(これは、「状況が変化した」前述した事例では、そのような領域情報項目427.nが、車両がすれ違うことができない領域に関する情報を相殺するために生成されていることがあるからである。そのような状況では、領域情報項目427.nは、有効期間の期限が切れたときに削除されるべきである)。領域情報427を生成/更新した車両520がV2VN560に属している場合、車両520は、(事例Aおよび事例Bに対応する)更新ブロードキャストを実行してよい。
【0095】
更新ブロードキャスト
上で参照された更新ブロードキャストは、(a)V2VN560内の車両520が、車両がすれ違うことができるか、またはすれ違うことができない点を検出し、新しい領域情報427を生成した場合、(b)V2VN560内の車両520が、車両がすれ違うことができるか、またはすれ違うことができない点を検出し、道路505の状態における変化に従って既存の領域情報427を更新した場合、(c)V2VN内の車両520が、別の車両からブロードキャストされた(周期的な、または更新の)情報を別の車両からの受信し、その情報をそれ自身の領域情報427とマージし、マージの結果として、更新が有益であるか、または必要であるということを認識した場合、および(d)複数のV2VN560b、560cに属している車両530d/540dが、複数のV2VN560bのうちの1つからブロードキャストされた情報を受信し、その情報を複数のV2VN560cのうちの別の1つに伝搬した場合に、実行されてよい。
【0096】
更新ブロードキャスト(または周期的ブロードキャスト)を受信した車両520は、次の動作を実行してよい。車両520は、受信された領域情報427がそれ自身の領域情報427より新しいということが決定された場合、本明細書に記載されたマージ動作を使用して、受信された領域情報427をそれ自身の格納された領域情報427にマージしてよい。車両530d/540dは、複数のV2VN560b、560cに属している場合、受信された領域情報427の送信元であるV2VN560b以外の、V2VN560cへの更新ブロードキャストを実行してよい(上記の事例D)。
【0097】
すれ違い支援場所情報のマージ
周期的ブロードキャストまたは更新ブロードキャストにおいて受信された領域情報(P)が、注目の(受信側)車両520に格納されている領域情報427(Q)と異なる場合、一部の実施形態では、マージ動作が次のように実行されてよい。(受信された)Pのみに含まれている領域情報項目は、注目の/受信側車両520に格納されている領域情報427(Q)に組み込まれて(追加されて)よい。Qのみに存在する(すなわち、Pにおいて受信されない)領域情報項目427.nは、格納されている領域情報427において変更されないままでよい。受信された領域情報項目Pが、(タイムスタンプ、および情報を収集している車両のIDなどの、特定のその他の関連するメタデータを除いて)格納されている領域情報項目Q427.nと同一である場合、より新しいタイムスタンプを含んでいる領域情報項目が、注目の/受信側車両内で追加されるか、または保持されてよく、より古いタイムスタンプを含んでいる領域情報項目が破棄されてよい。注目の車両は、領域情報項目427.nの位置に基づいて、領域情報項目427.nが一致するかどうかを判定してよい。ブロードキャストから受信された領域情報項目(P)がマージの結果と異なる場合、注目の車両は(本明細書に記載された更新ブロードキャストの事例Cに対応する)更新ブロードキャストを実行してよい。その場合、伝搬領域の外部の情報は、更新ブロードキャストを実行するかどうかに関する判定において使用されない。
【0098】
2つのV2VN間の情報の伝搬
領域情報427は、領域情報コマンド転送セクション445を介してV2VN560内の車両520から伝達されたコマンドの使用によって伝搬されてよい。コマンドは、領域情報427と共にデータ識別子(データID)を含んでよい。データIDは、一意になるように生成されてよい。例えば、データIDは、位置、時間、および車両識別子の組み合わせに基づいて生成されてよく、別の車両520が紛らわしい方法で類似するコマンドを生成するのを不可能にする。
【0099】
さまざまな実施形態では、車両がすれ違うことができるか、またはすれ違うことができない領域または点に関する地図によって登録された情報は、伝搬されない。これは、V2VN560内で伝達されるトラフィックの量を最小限に抑えるため、およびデータの重複を防ぐために行われてよい。領域情報427の内容/属性は、領域情報427、道路505、505’の性質(例えば、1車線/狭い、複数の車線/幅広)、および検出された物体の種類(例えば、障害物、通過領域)を取得するために使用されるセンサ410に基づいて割り当てられてよい。領域情報427の有効期間は、各属性に応じて決定されてよい。
【0100】
受信側車両530bが、V2VN Y 560b内の周期的ブロードキャスト車両530aから領域情報427の周期的ブロードキャストを受信し、この受信された領域情報427がV2VN Y 560b内で共有されていないということを決定した場合、受信側車両530bは、一部の実施形態では、V2VN Y 560b内で更新ブロードキャストを実行する(事例C)。これによって、例えば、受信側車両530bが、周期的ブロードキャストの直前にV2VN Yに参加した場合に、V2VN Y内で共有されている情報に即座にアクセスできることを、保証することができる。一部の実施形態では、V2VN Y 560b内の他の非周期的ブロードキャスト車両530cは、更新された領域情報427の受信時に、前述した更新手順を実行してよい。
【0101】
車両530d/540dは、2つの異なるネットワークV2VN Y 560bおよびV2VN Z 560cの二重のメンバーであり、V2VN Y 560bなどの1つのネットワーク内の周期的ブロードキャスター530aから領域情報427を受信した場合、格納されている領域情報427を更新した後に、他のネットワークV2VN Z 560c内の更新ブロードキャストを実行してよく(事例D)、他のネットワークV2VN Z 560c上の他の車両540a、540b、540cも、前述した更新手順を実行してよい。このようにして、新しい領域情報472がV2VN560全体に伝搬してよい。更新ブロードキャストは、前述したプロセスを使用してV2VN X 560aに対して実行されてもよい。一部の実施形態では、車両530、540は、すでに1つまたは複数のネットワークのメンバーである場合でも、他の/任意の使用可能なネットワークに参加しようと試みていてよい。
【0102】
周期的/更新ブロードキャストおよび伝搬領域において交換される領域情報
領域情報項目427.nごとに伝搬領域427dが決定されてよい。一部の実施形態では、車両520が周期的/更新ブロードキャストを実行するときに、車両520は、車両520のストレージ領域(例えば、領域情報データベース428)に保持されている領域情報項目427.nのすべてを送信する必要はないが、代わりに、伝搬領域427d内の領域情報項目427.nのみを送信してよい。後で説明される「車両がすれ違うために支援される必要がある道路セグメント」は、その領域のうちの最小の1つに対応する。ブロードキャスターとして機能している車両520aの現在の位置、および領域情報項目427.nの伝搬領域427dに基づいて、車両520aは、どの領域情報項目427.nが送信されるかを決定してよい。ブロードキャストを受信した車両520bがマージ処理を実行するときに、車両520bは、領域情報項目の伝搬領域427dの外部にある特定の領域情報項目427.n(伝搬領域外情報項目(OPAII:out-of-propagation-area information items))を引き続き保持してよい。一部の実施形態では、車両520bは、更新ブロードキャストを実行するかどうかに関する判定においてOPAIIを使用しない。
【0103】
領域情報の保持
領域情報427を受信した車両520(または情報を収集する領域を検出し、領域情報を生成した車両)は、一部の実施形態では、特定の条件が満たされる場合に、領域情報427を破棄することなく引き続き保持してよい。それらの条件は、地域の条件および時間的条件を含んでよく、その他の要素をさらに含んでよい。1つの例では、一実施形態によれば、車両が保持領域504内に存在する。領域情報項目427.nのタイムスタンプからの有効期間の期限はまだ切れていない。各領域情報項目427.nには、項目の属性に基づくことができる有効期間が与えられてよい。単に例として、ユーザによって指定された領域情報は1年間有効であってよく、センサによって検出された車両情報は1日間有効であってよく、一方、センサによって検出された泥および倒木は2週間有効であってよく、事故に関する交通システム情報は1日間有効であってよく、一方、建設に関連する交通システム情報は2週間有効であってよく、すれ違った実際の車両からのデータは2週間有効であってよい。したがって、タイムスタンプは、領域情報項目427.nが有効でなくなるか、または少なくとも更新に含まれなくなるなどの、その他の状態に移行すると見なされる期限切れの日時に関連してよい。
【0104】
例えば、物体を移動するために使用される停止された車両(例えば、運搬トラック)に起因して車両が一時的にすれ違うことができなくなる点上の情報に関しては、車両の内容物のすべての移動が1日より長くかからないという仮定に基づいて、有効期間は1日であってよい。その日の終わりに、停止された車両の存在に関連付けられた領域情報は、有効期限が切れたと仮定されてよい。そのような停止された車両が立ち去ったことが検出された場合、停止された車両に関連付けられた領域情報項目427.nは、有効期間の期限が切れる前であっても、キャンセルされるか、または有効期限が切れたとしてタグ付けされてよい。データの有効期限が切れた後に、有効期限が切れたデータは、車両の領域情報データベース428から破棄されてよい。
【0105】
同じ基準に従ってすべての領域情報項目427.nが破棄される必要はない。車両520が保持領域504の外に出た場合、車両は、有効期限が切れていない他の項目427.nを保持しながら、有効期間の期限が切れた領域情報項目427.nを破棄してよい。これによって車両520は、保持領域に戻ったときに、まだ有効期限が切れていない情報を伝搬することができてよい。
【0106】
支援評価への領域情報の処理
基本的評価600
図6Aは、一部の実施形態に従って基本的評価プロセス600を示すフローチャートである。支援評価は、領域情報評価セクション426を介して車両に提供されてよい。一部の実施形態に従って、基本的評価プロセスを示す図である
図7A~7Cがさらに参照されてよい。基本的評価は、例えば、注目の車両を停止すること、注目の車両を進めること、および接近する車両と交渉することから選択された、注目の車両の行動を最終的に生成してよい。動作602で、障害物領域507の前方の空き領域505a1内に空間が残されているかどうかに関する判定が行われてよい。
図7Aを参照すると、注目の車両としての車両520および通常の(第1の)走行車線505aが西から東への車線であるということを用いて、この質問では、第1の車線505a内の障害物507(の東)の前にある空き領域505a1内に空間が存在するかどうか、またはこの領域が、注目の車両520が干渉されないで障害物を通り過ぎることができるように空いているかどうかを考慮する。前方の空き領域505a1内に空間が残されていない状況は、交通渋滞またはその他の障害物によって引き起こされることがある。空き領域505a1内に空間が残されていない場合(602の「いいえ」)、動作620で、妨害された領域を通過することができないという基本的評価の結果が作成されてよく、停止/空きなしの評価が作成されてよい。この状況では、空間が残されていない状況が交通によって引き起こされた場合、交通がこの領域から出た後に、再び移動することが可能になることがある。
【0107】
空き領域505a1内に空間が残されている場合(602の「はい」)、動作604で、反対車線(東から西への第2の車線)505b上の車両530の位置が識別される。動作606で、接近する車両530が存在しない場合(606の「いいえ」)、動作616で、妨害された領域を通過することができるという基本的評価の結果が作成されてよく、前進の評価が作成されてよい。接近する車両530が存在する場合(606の「はい」)、動作608で、接近する車両が、障害物領域507に隣接する第1の車線505a内にある(Y≦0)かどうかが判定される。接近する車両が第1の車線505a内にある場合(608の「はい」)、動作618で、妨害された領域を通過することができないという基本的評価の結果が作成されてよく、停止の評価が作成されてよい。この状況では、接近する車両530が障害物領域507に隣接する車線を通過した後に、再び移動することが可能になってよい。
【0108】
接近する車両が障害物領域507に隣接する車線内に存在しない場合(608の「いいえ」)、動作610で、X<<Yである(すなわち、何らかの事前に定義された基準に従って、注目の車両520が接近する車両530よりも非常に障害物507に近い)かどうかに関する判定が行われる。1つの実装では、この基準は、注目の車両520が、接近する車両530の移動と干渉せずに、障害物507を安全に通り過ぎることができるかどうかに関する判定であってよい。
図7Aに示されているように、X<<Yである場合(610の「はい」)、前述したように、動作616が実施されてよい。これが真でない場合、動作612で、X>>Yであるかどうかに関する判定が行われる。
図7Cに示されているように、X>>Yである場合(612の「はい」)、前述したように、動作618が実施されてよい。しかし、X>>Yが偽である場合(612の「いいえ」)、それは、
図7Bに示されているように、X≒Yであることを意味し、交渉手順620が実施される(前述した他の条件は交渉を必要としない)。
【0109】
前進、交渉、および停止の指示は、車両520のディスプレイ上(HUD上など)で提供されてよく、このディスプレイは下でさらに詳細に説明される。これらの指示は、テキストとして表されてよく、または提供される他の形態の指示を有してよく、あるいはその両方であってよい。一部の実装では、色が使用されてよく、例えば、緑色が「前進」を示してよく、黄色が「交渉」を示してよく、赤色が「停止」を示してよい。
【0110】
交渉620
図6B~6Eは、一部の実施形態に従って交渉プロセスを説明するフローチャートの一部である。
図6Bは、交渉手順620の概要のフローチャートである。動作622で、接近する車両530との交渉が完了したかどうかに関する判定が行われる。交渉が完了した場合(622の「はい」)、動作624で、車両の結果が、注目の車両520および接近する車両530によって採用される。交渉が完了していない場合(622の「いいえ」)、3つの別々のプロセスが同時に呼び出されて実行されるか、または実行され続けてよい。これらのプロセスは、交渉メイン・フロー・プロセス630、n-保留中の接近する車両を監視するフローのプロセス650、および交渉を監視するフローのプロセス670を含んでよい。
【0111】
交渉メイン・フロー630
図6Cは、交渉メイン・フロー・プロセス630を示しているフローチャートである。本明細書において開示されているように、交渉状態は、N-xxxxによって表されてよく、交渉の段階は、<Xn>によって表されてよく、Xは大まかな動作カテゴリを示し、nはそのカテゴリ内の連続的番号である。車両520、530は、交渉の過程で交渉情報を利用してよい。この交渉情報は、(1)車両ID(この交渉情報を発行する車両の車両IDである)、(2)妨害された対象の領域(位置)507の情報(「どの領域に関連して交渉が実行されているか」を示す)、(3)交渉状態(N-xxx)、および(4)通行可能領域の状態(車両が通行可能領域内にあるかどうか(真/偽)を示す)を含んでよい。交渉情報は、(通行可能領域内の次の車両の)状態<L1>にある交渉先の車両を識別するために使用されてよい。
【0112】
処理の優先度が与えられてよい条件(優先順位付けされる条件)は、障害物507の位置、現在の待ち時間または予測された待ち時間、車両が高度において上昇しているか、または下降しているか、後続の車両の数、前方に位置する道路上の混雑の状態または交通信号機の状態あるいはその両方、ならびに待ち状態にあること(または待ち状態にある期間)(一列になって待機することから返される。状態<L1>を参照)を含んでよい。同じ条件に従って状況を決定すること、および同じ論理を使用することによるということは、両方の車両520、530が、情報の交換を必要とせずに、前進するためにどちらの側が選択されるかに関して合意できるということを意味する。
【0113】
図8の例によって示されているように、車両が互いに近づいており、注目の車両520および接近する車両530が両方とも障害物507からほぼ同じ距離にある場合、車両520および接近する車両530は、N-未定義状態(すなわち、交渉が行われていない)における状態<N1>で互いに近づく。優先順位付けされる条件を適用するときに、状態<N2>での動作632において、優先順位付けされる条件、および妨害された領域507の前方に残された空間に基づいて評価が実行される。注目の車両520は、N-前進、N-前進要求(優先順位付けされる条件に従う)、またはN-空きなしの交渉状態を決定してよい。動作634で、注目の車両520は、それ自身の評価結果を接近する車両530に送信してよく、この送信は、再送信、および受信の確認応答(ACK)の受信を含んでよい。動作636で、注目の車両520は、接近する車両530の評価結果を受信してもよく、この受信は、再送信、および送信のACKの送信を含んでよい。本明細書に記載された評価結果は、例えば、領域情報評価結果表示セクション462によって提供されてよい。
【0114】
状態<N3>で、車両520、530は、反対側のN-前進状態およびN-前進要求状態をチェックし、車両520、530ごとに停止/前進条件が固定される。これによって、片側のみが交渉を終了するという状況を防ぐ。これで車両の条件が固定され、交渉の状態がN-未定義に戻ってよい。例えば、対象の車両520は、停止/N-未定義の状態を有するようになってよく、接近する車両530は、前進/N-未定義の状態を有するようになってよい。
【0115】
動作638で、交渉中の状態が、他の車両=N-空きなし、かつ注目の車両!=N-空きなし(638の「はい」)という結果になった場合、動作640で、基本的評価結果が「妨害された領域507を通過することが可能」に置き換えられ、そうでない場合、動作640がスキップされ、プロセスが動作642に進み、基本的評価が、妨害された領域を通過することが可能/不可能(前進または停止または停止/空きなし)に固定される。
図9A~9Cは、この状況を示している。
図9Aで、交通渋滞902が、注目の車両520が障害物507を越えて進むのを妨げることがあり、その場合、注目の車両520の交渉状態はN-空きなしであり、接近する車両530の交渉状態はN-前進である。
図9Bでは、前進の状態が、進むことができる車両(この図では、接近する車両530が、進むことができる車両である)に与えられ、他の車両(この図では、注目の車両520)に、停止/N-空きなしの状態が与えられる。
図9Cでは、交通渋滞902は、注目の車両520が再び進むことができるようになる空間を作り出すほど十分に前方に移動しており、したがって、その状態が停止/N-未定義になり(交渉が完了した)、これによって前述した状態<N3>を与える。
図9Cに、注目の車両520の障害物の前方に作り出された空間904が示されている。
【0116】
N-保留中の接近する車両を監視するフロー650
図6Dは、N個の保留中の接近する車両を監視するフローのプロセス650を示すフローチャートである。上記を実施するための交渉が時間内に完了しないという状況が発生することがあり、すなわち
図8では、車両520、530が既定の交渉完了距離802、802’に達する前に、交渉が完了しない。既定の距離802、802’に近づく前に、状態<N2>にある交渉が完了しなかった場合、車両520、530は両方とも停止し、その後、交渉を実行してよい(言い換えると、どちらの側も停止/N-保留中の状態を有する)。動作652で、注目の車両520は、接近する車両530のN-保留中状態を監視してよい。接近する車両530の状態がN-保留中である場合(654の「はい」)、動作658で、妨害された領域を通過することが不可能(停止/N-保留中)という一時的な基本的評価が設定される。そうではなく、状態がN-保留中でない場合(654の「いいえ」)、動作656でのテストが、メイン・フローにおける交渉が完了したかどうかを判定する。完了していない場合(656の「いいえ」)、プロセス650が動作652に戻り、そうでない場合(656の「はい」)、プロセス650が終了する。
【0117】
交渉を監視するフロー670
図6Eは、交渉を監視するフローのプロセス670を示すフローチャートである。動作672で、注目の車両520は、障害物507からの既定の距離802への近さを監視する。注目の車両520が既定の距離802に近づいておらず、越えてもいない場合(674の「いいえ」)に、交渉のメイン・フローが完了した場合(676の「はい」)、プロセス670が終了する。そうでない場合(676の「いいえ」)、プロセスが動作672に戻る。注目の車両520が既定の距離802に近づいているか、または越えた場合(674の「はい」)、動作678で(動作658と同様に)、妨害された領域を通過することが不可能(停止/N-保留中)という一時的な基本的評価が設定され、動作680で、注目の車両520がN-保留中状態への移行を接近する車両に知らせる。
【0118】
短い車列および長い車列-通行可能領域
通行可能領域
図10は、一部の実施形態に従って、片側交通セグメントにおける支援モードのプロセス1000を説明するフローチャートであり、
図11A~13Hは、通行可能領域の決定および使用を示している。通行可能領域の定義は上で提供されており、以下でも説明される。
図11Aは、通行可能領域を作り出す前の車両の図である(すなわち、通行可能領域がまだ存在していない)。
図11Aで、第1の車列520は、停止の状態にあり(したがって、停止領域1102を定義しており)、接近する車列530が障害物領域507を通過するのを待っている。通行可能領域を作り出すことは、接近する車列530が第1の車列520の停止領域1102に入ることによってトリガーされてよく、このトリガーは、
図11Aに示された構成ではまだ発生していない。しかし、
図11Bに示された構成では、接近する車列530の第1の車両が停止領域1102に現在入っており、このことが、通行可能領域1104を作り出すことをトリガーしてよい。
【0119】
車両520、530が、接近する車列530が停止領域1102に入ったということを認識したときに、この認識が、停止領域1102内の任意の車両530が通行可能領域1104に関する情報を生成してブロードキャストすることをトリガーしてよい。通行可能領域1104は、ルールに従って、停止領域1102の開始(接近する車列530の視点からは、通行可能領域1104の開始)から接近する車列530に戻る(
図11Bでは、西の反対)ある距離まで延長するように計算されてよい。一部の実施形態では、このルールは、通行可能領域1104の開始からの絶対距離(例えば、0.5km)、または障害物507の始点または終点からの絶対距離などの、特定の距離を指示してよい。他の実施形態では、このルールは、車両の移動時間(例えば、1分戻る)を指示してよく、車列530の流速に基づいて距離が計算されてよい。通行可能領域1104内にあるか、または通行可能領域1104に入る車両は、それらの車両が通行可能領域1104内にいることを示すフラグ(例えば、基本データ)を使用してブロードキャストを実行してよい。車両のブロードキャストされたフラグ・データは、車両との位置関係に基づいて基本的評価を実行するために使用される車両を決定するために、待機中の車両によって使用されてよい。したがって、一部の実施形態では、通行可能領域内の車列530の車両は、オンにされて通行可能領域1104内にいることを示すフラグの設定を含むデータをブロードキャストしてよい。520の第1の車両は、このフラグをブロードキャスト・データ内で設定していない車列530の第1の車両(
図13Aの530.1)との基本的評価を実行してよい。状態<L1>に関して
図6Cおよび上記の説明を参照する。
【0120】
図10を参照すると、動作1005で、通行可能領域1104を示す信号(すなわち、通行可能領域1104が存在するかどうか)に関するチェックが行われる。通行可能領域1104の信号が受信されなかった場合(1010の「いいえ」)、これは、通行可能領域1104が設定されておらず、車列がすれ違っていないことを意味する。この条件では、対象の車両は、接近する先頭の車両である。次に、基本的評価プロセス600が実行され、動作1050で、車両のディスプレイに評価結果が通知される。動作1060でテストが実行され、車両が対象の領域を通り過ぎたかどうかを判定する。車両が片側交通セグメントを通り過ぎていない場合(1060の「いいえ」)、動作1005に戻ることによってプロセスが繰り返され、そうでない場合(1060の「はい」)、プロセス1000が終了する。
【0121】
通行可能領域1104の信号が受信された場合(1010の「はい」)、注目の車両520側からの情報が受信されたかどうかに関する判定が行われる。注目の車両520側からの情報が受信されなかった場合(1015の「いいえ」)、対象の車両は、接近する先頭の車両および通行可能領域1104の外部の接近する第1の車両であり、「停止」側での流れに関して、「停止」は、接近する先頭の車両との関係に関連して決定されてよく、「前進」は、通行可能領域1104の外部の接近する第1の車両との関係に関連して決定されてよい(前進待機)。前の段落で説明されたように、基本的評価プロセス600での実行が継続する。注目の車両520側からの情報が受信された場合(1015の「はい」)、注目の車両520が通行可能領域内にあるかどうかに関する判定が行われる。注目の車両520が通行可能領域内にない場合(1020の「いいえ」)、対象の車両は接近する先頭の車両であり、通行可能領域の外部の車両に関して、先頭の車両が停止側にある状態で、「停止」が基本的評価600に従って決定されてよく、前の段落で説明されたように、基本的評価プロセス600での実行が継続する。注目の車両520が通行可能領域内にある場合(1020の「はい」)、対象の車両は接近する先頭の車両であり、「空きなし」が存在しない限り、通行可能領域1104内の車両は「前進」であり、基本的評価プロセス600が実行され、動作1030で、注目の車両520が通過するために使用できる空きが存在するかどうかに関する判定が行われる。注目の車両520が通過するために使用できる空きが存在する場合(1030の「はい」)、動作1055で、障害物領域507を通過できるという基本的評価結果が提供され、「前進」の状態が割り当てられて表示される。前述したように、動作1060での実行が継続する。
【0122】
注目の車両520が通過するための空きが存在しない場合(1030の「いいえ」)、動作1035で、妨害された領域を通過できないという基本的評価の結果が提供され、「停止/空きなし」の状態が割り当てられて表示される。さらに、動作1040で、通行可能領域1104を示す受信された信号が無効化されてよく、動作1060で、前述したように実行が継続してよい。
【0123】
短い車列
図12Aは、短い車列が通り過ぎるまで第1の状態<S1>で待つプロセスを示す図である。車列の長さが短い場合、反対方向の車線の停止された車両520は、短い車列内のすべての車両530が通り過ぎるまで待つ。この行動は、通行可能領域1104に従って制御されてよく、各車両は、各車両が通行可能領域1104内にあるかどうかを判定してよい。停止された車両520は、基本的評価プロセス600に従って通行可能領域1104を通過できるかどうかをチェックして確認する。
図12Aに示されていない第2の状態<S2>で、移動中の車列の終端に向かって遅れている車両530.xは、車列内の他の車両からやや離れている。この遅れている車両530.xは、通行可能領域1104内にまだいる限り、障害物領域507をまだ通っていることがある。
【0124】
図12Bは、第3の状態<S3>を示している図であり、この状態では、短い車列内の接近する車両530が障害物507を通り過ぎており、前に停止された車列520内の車両が、現在「前進」の状態を有している。この状態<S3>は、動作610に関して
図7Aに示されている基本的評価の状態<BA2>と同等である。
【0125】
長い車列
図13A~13Hは、一部の実施形態に従って、(一部の図では)交通渋滞の状況での長い車列のすれ違いを示す図である。通行可能領域1104を越えて伸びる長い車列530は、分割され、障害物507で停止するように指定された車列の遅れた/さらに後ろの部分であってよい。状態<L1>を表す
図13Aでは、通行可能領域1104が破線の間に表されており、(530.1の、さらに後ろの)車両の一部が通行可能領域1104の外部にある。これらの条件に従う車両の制御は、通行可能領域の決定と基本的評価の組み合わせに従って実行されてよい。
【0126】
図13Bは、通行可能領域1104の外部の車両530.1と、障害物領域507の前で停車している反対方向からの車両520の間で実行される基本的評価を示している。停止領域内の車両520の視点からは、これらの状態は、停止から前進または交渉に移行してよい(交渉の状態にある場合、停止された車両が優先権を持っているため、交渉の結果が前進状態を生成するはずである)。
図13Bに示されているように、状態<L2>では、通行可能領域の外部の車両530.1は、障害物507に達した後に、「停止」状態を有するように指定されている。
図11Aの場合に車両520の状態が「停止」になるように、
図13Cの場合、車両530.1の状態が「停止」になる。ユーザの視点からは、「停止」状態の意味は、両方の事例(
図11Aおよび
図13C)において同じである。現在停止されている車両530は、停止状態から前進待機状態に移行する(前進待機状態は、車両520が停止されたままでなければならないことを示す赤色の信号またはその他の信号の形態によって、ユーザ・インターフェイス上にまだ表されてよい)。
【0127】
状態<L3>を表している
図13Cでは、通行可能領域1104の外部にある元の長い車列530の位置530.1が、障害物507に近づいて停止状態に移行し、一方、停止領域内の反対側の車両520は、通行可能領域内にある長い車列の現在の車両530が障害物507を通過するまで、前進待機状態のままである。状態<L4>を表している
図13Dでは、通行可能領域1104内の最後の車両530.2が障害物を通過したときに、通行可能領域1104が消失し、前進待機状態にある車両520が前進状態に移行し、この状態は、車両520が移動を開始しなければならないことを示す緑色の信号または信号のその他の形態によって、ユーザ・インターフェイス上に表されてよい。
【0128】
図13E~13Hは、障害物を現在迂回している車両に関して交通渋滞が存在する状況を示している図である(状態<L5>)。
図13Eに示されているように、交通渋滞1302は、障害物507を通り過ぎて現在前進している車列530が、さらに前進するのを妨げる。したがって、注目の車両530.1が通行可能領域1104内にあり、他の状況では障害物507を迂回することが許可されるにもかかわらず、注目の車両530.1は、停止/N-空きなし状態に移行される。現在の車列530内のどの車両が注目の車両530.1になるかということの決定は、障害物領域507をすでに通り過ぎている現在の車列530内の1つまたは複数の車両による、使用可能な空いている空間の1つまたは複数の測定によって(または反対方向に進んでいる停止された車両520によって実行される測定などの、何らかのその他の基準に従って)行われてよい。
【0129】
図13Fで、西に向かう車両530.1が向こう側で停止/N-空きなし状態にあり、反対方向に東に向かう車両520が、停止から前進に移行し、障害物507の近くを進んでいる。新しい通行可能領域1104’が、東に向かう車列520に基づいて定義されてよく、これらの車両は、通行可能領域のルールに従って障害物507を通り過ぎて進んでよい。
図13Gは、最後の東に向かう車列の車両520.1が障害物507を越えて通過したことを示しており、新しい通行可能領域1104’が除去される。東に向かう車両520が障害物領域507内にまだある限り、西に向かう車列530の状態が停止/N-未定義状態に移行する。東に向かう車両520の最後の車両が障害物領域507を通過した後に、西に向かう車両530が前進状態に移行してよく、これは、障害物507と交通渋滞1104の間の使用可能な空間が西に向かう車両530で満杯になるまで続く。
図13Hで、前述したように、使用可能な空間が満杯になった後に、東に向かう車両の状態が前進に設定され、障害物507を通り過ぎて進む。
【0130】
図14A~Dは、交通渋滞1302の代わりに交通信号機1402によってN-空きなしの状態が作り出されることを除いて、
図13E~Hに示されたプロセスを繰り返すため、これらの図の説明は繰り返されない。上で提供された詳細は、例えば、領域情報管理セクション432を利用して実装されてよい。
【0131】
狭い道路の計算
図15Aおよび15Bは、一部の実施形態に従って狭い道路でのすれ違い支援モードを示すフローチャートの一部である。
図17Aおよび17Bは、狭い道路上を前進している車両の一部の基本的な態様を示している。大まかに言えば、注目の車両520aおよび接近する車両530aは両方とも、両方の車両520a、530aによって使用される最終的な通過点(PP)(FPP:final passing point)に合意しなければならない。しかし、最終的な合意に達するまで、各車両520a、530aは、さまざまなPPの候補(PPC)(注目の車両520aのPPCおよび接近する車両530aのPCC)を計算して伝達し、これらのPPの候補は、最終的に合意されるFPPを最終的に決定するために使用されるさまざまなテストおよびルールの対象になる。
【0132】
狭い道路の状況では、基本的評価600が、注目の車両520aの前方に位置する第2のPPCに繰り返し適用される。
図17Aに示されているように、注目の車両520aは、現在の通過領域1704.0内に示されている。注目の車両520aの前方に位置する第1の注目の車両のPPCは、点507aのすぐ向こう側に位置するPP508aに対応する参照番号1704.1によって示されており、注目の車両520a1の破線の輪郭線が、この第1のPP508aに隣接して配置されて示されている。注目の車両520aの前方に位置する第2の注目の車両のPPCは、点507bのすぐ向こう側に位置するPP508bに対応する参照番号1704.2によって示されており、注目の車両520a2の破線の輪郭線が、第2のPP508bに隣接して配置されて示されている。破線の輪郭線の車両520a2は、基本的評価を実行する目的で、図のPPCで「幽霊車両」として使用される。2車線道路上では、狭い区域507a、507bは障害物と解釈されるが、1車線道路上では、狭い道路の通常の区域を構成する。
【0133】
図17Bでは、注目の車両520aは、前方に移動したため、現在は狭い道路の領域507a内にある。通過領域508aが通行可能であるため、注目の車両520aの前方に位置する第1の注目の車両のPPCが、現在はPP508bに対応する参照番号1704.1によって示されており、注目の車両520aの前方に位置する第2の注目の車両のPPCが、現在はPP508cに対応する参照番号1704.2によって示されている。
【0134】
図17Cは
図17Bと同様であるが、反対方向に移動して、基本的評価600をそれ自身の第2の接近する車両のPPC1704.2’に繰り返し適用している接近する車両530aを示している。通常、接近する車両530aに対して上記を繰り返し、接近する車両530aは、現在のPP1704.0’(508f)の前に示されている。第1の接近する車両のPPC1704.1’は、点507fのすぐ向こう側に位置するPP508eに対応する、接近する車両530aの前方に位置しており、接近する車両530a1の破線の輪郭線が、第1のPP508eに隣接して配置されて示されている。第2の接近する車両のPPC1704.2’は、点507eのすぐ向こう側に位置する通過点508dに対応する、接近する車両530aの前方に位置しており、接近する車両530a2の破線の輪郭線が、第2のPP508dに隣接して配置されて示されている。
【0135】
このような背景を踏まえて
図15Aおよび17Dを参照すると、動作1502で、注目の車両520aが、通過領域508cに関する、接近する車両530aが決定した接近する車両のPPC1704.2’を受信する。注目の車両520aは、接近する車両のPPC1704.2’を受信した場合、動作1504で、それ自身のPPC(注目の車両のPPC1704.2)の計算を実行する。この動作1504は、
図16でさらに詳細に説明される。
図16は、動作1605で、基本的評価600が、対象の車両520aによって前方に位置する第1の妨害された領域507bに対して実行されるということを示している。この基本的評価の結果が前進である場合(1607の「はい」)、動作1610で、基本的評価600が第2の妨害された領域507cに対して実行される。この基本的評価の結果が前進である場合(1612の「はい」)、動作1615で、第2の妨害された領域507cの前方に位置する場所508cが、PPCとして決定される。
【0136】
動作1607の結果が「前進」でない場合(1607の「いいえ」)、動作1620で、第1の妨害された領域507bの前に位置する場所508aが、PPCとして決定される(注目の車両520aの場合、これは注目の車両の第2のPPC1740.0であり、接近する車両530aの場合、これは接近する車両の第2のPPC1704.0’である)。動作1612の結果が前進でない場合(1612の「いいえ」)、動作1625で、第1の妨害された領域507bの前方に位置する場所508bが、注目の車両のPPCとして決定される。
【0137】
プロセスが動作1506で継続し、動作1506では、先行する車両が接近する車両に通り過ぎさせる通過点が、注目の車両のPPCの前であるかどうかに関する判定が行われる。注目の車両のPPCの前でない場合(1506の「いいえ」)、動作1508で、注目の車両が接近する車両530aに通り過ぎさせる通過点内の空きが計算される。注目の車両のPPCの前である場合(1506の「はい」)、動作1510で、先行する車両が計算した通過点の候補に対して変更が行われる。
【0138】
図15Bを参照すると、動作1520で、PPC内に注目の車両520aのための空きが存在するかどうかが判定される。空きが存在する場合(1520の「はい」)、動作1525で、どの候補(候補<A>(PPC<A>)または候補<B>(PPC<B>))が注目の車両520aおよび接近する車両530aがすれ違うためのFPPになるかが決定される。FPPが決定されると、動作1530で、注目の車両520aがFPPをブロードキャストし、動作1535で、FPP情報をディスプレイに通知する。動作1540で、支援が必要な領域を通過したかどうかが判定される。通過していない場合(1540の「いいえ」)、プロセス1500が終了し、そうでない場合(1540の「はい」)、プロセスが動作1520に戻る。注目の車両520aのために空きがPPに存在しない場合(1520の「いいえ」)、動作1545で、接近する車両側のPPが満杯になったかどうかを判定するためのチェックが行われる。満杯になっていない場合(1545の「いいえ」)、動作1525で処理が再開する。
【0139】
図17Eは、車両520a、530aが通過点508cに不均等に近づいている状況を示している図である(接近する車両530aが、この通過点508c(第2の1704.2’)により近い)。1つの車両(例えば、注目の車両)520aが、
図17Fに示されているように、第2の通過点1704.2(508c)に進むことができないということを決定した場合、第2の通過点1704.2の1つ前の位置である通過点508b(すなわち、第1の通過点1704.1)がFPP(最終的な/確認された通過点)として使用される。処理を継続するために、プロセスが動作1530に戻る。
【0140】
図18A~18Jは、一部の実施形態に従って狭い道路上での車列のすれ違いを示している図である。
図18Aは
図17cに類似しているが、注目の車両520aが注目の車列520a、520b、520cに置き換えられており、接近する車両530aが接近する車列530a、530bに置き換えられている点が異なる。
図18Aのシナリオは、
図17Cのシナリオと同様に動作するが、次の違いがある。車列520内の後続の車両520b、520cが、先頭の車両520aと同じ評価を実行しながら進む。
【0141】
図18Bでは、前述したアルゴリズムに基づいて、FPPがPP508bであると決定されている。この場合、PP508bは、2つの車両の2つのセットがすれ違うことを許可し、したがって、注目の車列520内の第2の車両520bが進むことができる。
図18Cを参照すると、第3の車両520cは、接近する車列530内の車両の数が2つ以下であるときに進むことができる。しかし、接近する車列530内の車両の数が3つ以上である場合、これらの車両がすれ違うことができないため、交渉が行われなければならない(
図18Dを参照)。第1および第2の車両が接近する車両を通り過ぎることになる点は、FPPのブロードキャストを受信することによって認識される。
【0142】
車両は、先行する車両からのブロードキャストに基づいて、待機できるだけの十分な空きがFPPに存在するかどうかをチェックする。
図18Cで、車両530cの視点からは、車両530aおよび530bが送信者である。車両530bにとっては、車両530aが送信者である。
【0143】
評価が時間内に完了しなかった場合、(前述したように)車両が停止する。
図18Dおよび18Eに示されているように、接近する車列530内の第3の車両530cを追加して、車両のすべてが進むことができない。すれ違うことができる車両(この例では、520cおよび530c)以外の車両は、交渉を実行する。
図18Eは、
図15Bの右側のフロー(動作1545~1565)を説明するのに役立つ。
【0144】
車両がすれ違うことを可能にするための接近する車両側の点が満杯になった場合(1545の「はい」)、動作1550で、注目の車両520aと通行可能領域の外部の第1の接近する車両530aとの間で交渉が実行される。言い方を変えると、動作1520で、注目の車両がPPで待機できるかどうかを確認するためのチェックが行われる。1520の結果が「いいえ」である場合、注目の車両に先行する一部の車両がPPで待機している。動作1545で、注目の車両の先行する車両がPPから離れて前進することができ、注目の車両がPPに移動して待機することができるかどうかを確認するためのチェックが行われる。接近する車列が空間を占めている場合、(
図18Eのように)これは不可能である。
図18Eで、車両530cが道を塞いでいるため、車両520bはPPから離れることができない。
【0145】
交渉の結果がN-保留中である場合(1555の「はい」)、動作1560で、交渉の結果がFPPとして決定され、動作1530で処理が継続する。そうでない場合(1555の「いいえ」)、動作1565で、注目の車両520aおよび接近する車両530aによって、通過点として対象の車両がすれ違うことになる位置のために、FPPが通過点の1つ前の位置にあるとして決定される。1つの車両520aが、第2の通過点1704.2(508c)に進むことができないということを決定した場合、通過点は、車両520aのうちの1つに近い通過点508bであると決定される。
【0146】
一部の実施形態に従って、この状況を処理できる方法が、
図18F~18Jに示されている。車両520cが、車両が接近する車両に通り過ぎさせることができるPPの背後にいるため、道路を接近する車両に譲る場合、車両520cは、車両がすれ違うことを可能にすることができるFPP508aで停止し、FPP508aは、接近する車両530a、530b、530cに道路を与えるために、第1の車両520aおよび第2の車両520bならびに接近する車両530a、530b、530cのFPP508bの1つ前の位置にある。
図18Gおよび18Hは、車両がすれ違う方法を示している。
図18Gでは、注目の車列520内の最後の車両520cがPP508aに入り、接近する車両530a、530b、530cが通り過ぎることができるようにする。
図18Hでは、最初の2つの車両520a、520bがPP508bに入り、接近する車両530a、530b、530cが通り過ぎることができるようにする。
【0147】
図18Iは
図18Dに類似しているが、
図8に関して前述したように、既定の交渉完了距離802、802’の追加を示している。車両がすれ違うことを可能にすることができる第1のPP508aの既定の交渉完了距離802、802’の近くを車両が通過するときまでに、交渉が実行され、第1のPP508aは、注目の車両520および接近する車両530がすれ違う第2のPP508bの1つ前の位置に位置している。
図18Jは、交渉が完了しない場合に、交渉している車両520c、530cが、前述したように交渉停止を実行し、各第1の点508a、508cで待機しなければならないことを示している。
【0148】
混合の車両
図19Aおよび19Bは、一部の実施形態に従って、インテリジェント車両すれ違い情報共有のためのシステムを実装している車両520、530およびこのシステムを実装していない車両520x、530xの混合を示している図である。このシステムが実装されていない車両が最後尾の位置にある場合、通行可能領域1104は、実装された車両が最後尾の車両として含まれるまで拡張されてよい(1104’)。多数の車両がこのシステムを実装していない場合、極端に長い通行可能領域を防ぐことができるアルゴリズムまたはルールなどの、その他のアルゴリズムまたはルールをここで利用することもできる。
図19Bは、実装された車両の流れに従って移動および停止する実装されていない車両520x、530xが、実装された車両に対する特殊な処理を必要としないということを単に示している。実装されていない車両520x、530xの存在は、第1の実装された車両が、車両の前方または後方の画像から別の実装された車両を認識すること、したがって、認識されない車両が実装されていない車両であるということ、データが別の車両から受信されないこと、のうちの少なくとも1つによって認識されてよい。
【0149】
支援評価の表示
図20は、一部の実施形態に従う、1つの接近する車両に関する車両のディスプレイの図である。一部の実施形態では、車両のディスプレイ2000は、HUDシステムを使用して実装されてよい。一部の実施形態では、HUDは、画像を車両のフロントガラスに投影する投影システムを使用して実装されてよい。画像の焦点は、ユーザが投影された画像を見るときに目の焦点を合わせ直す必要がないように、調整されてよい。一部の実施形態では、この投影は、フロントガラスの表面から単に反射する。他の実施形態では、自発光中間膜がフロントガラス上またはフロントガラス内に配置されてよい。この構成では、膜に特殊なレーザー光が照射されたときに、照射された部分が発光し、文字および画像の表示を引き起こす。この構成では、表示されたオブジェクトがすべての角度から見えるため、他の座席にいる乗員によって見られることができる。これらは例にすぎず、HUDの任意の既知の形態が利用されてよい。
【0150】
注目の車両520aのフロントガラス2000には、車両の運転者を支援するために使用できる、車両のディスプレイの要素が表示される。
図20に示された事例では、1つの接近する車両のみが存在している。1つの実装では、画像を表示する画像領域2002が表示されてよく、一連の画像またはビデオあるいはその両方が、接近する車両530aからの視界を表示する。車両の状況の地図またはその他のグラフィックスを表示する図解2003が提供されてよい。例えば、1つの接近する車両の状況では、接近する車両530aに関する接近する車両のグラフィックス2004が、注目の車両(自車両)のグラフィックス2006、および画像領域2002内に示された視界を示す矢印などのインジケータ2005と共に、表示されてよい。改良された図解2008は、例えば鳥瞰図表示の形態で、図解2003として、または図解に加えて表示され、注目の車両520a、接近する車両530a、通過領域508a、および狭い領域507b、507cを表示してよい。これによって、注目の車両520aの運転者が、自分の視点からだけでなく、接近する車両530aの視点から状況を完全に見ることを可能にしてよい。(移動の誘導のための)仮想交通標識2010、あるいは矢印、ボックス、線などの形態での方向情報など、または前述した停止状態などの、その他の仮想交通情報の形態であってよい指示要素が、ユーザに表示されてよい。前述したように、例えば停止の場合の赤色、前進の場合の緑色などの、色の指示が実装されてよい。
【0151】
図21は、一部の実施形態に従う、複数の接近する車両に関する車両のディスプレイの図である。この状況では、複数の画像領域2002a、2002bが提供され、近くの領域内の車両530cの視点からの前方および後方の両方の視界を表示してよい。そのような前方および後方の画像は、各車両のグラフィックス2004a、2004bおよびさまざまな視界(例えば、先頭の車両の前方および後方の情景、最後尾の車両の前方および後方の情景など)を表示する各インジケータと共に、接近する車両530a、530b、530cの一部またはすべてに関して表示されてよい。1つの実施形態では、画像2002は、他の車両の画像デバイスによって捕捉されている場所を表す順序で表示される。
【0152】
図22は、一部の実施形態に従って停止誘導を表示しているフロントガラス2000上のHUDの図である。
図22で、注目の車両520aは、減速するように運転者に指示する指示要素2010を備えている。注目の車両のグラフィックス2006は、閉鎖されている領域、および注目の車両520aに対する動きの指示を示す矢印を示している。拡張現実の方法で、指示インジケータ2202が、
図22に示されているように、停止位置などの、指示に関連付けられた位置情報を示してよい。
図22で、接近する車両が通り過ぎることができる空間を残すために、停止位置線が表示されている。
【0153】
図23は、一部の実施形態に従って前進誘導を表示しているHUDの図である。
図23で、指示要素2010は、注目の車両520aが前進するべきであることを示し、指示インジケータ2202は、注目の車両520aが入るべき位置および方向を示している。改良された図解2008は、近接車両の指示を、それらの車両の各位置と共に提供してよい。
【0154】
図24は、一部の実施形態に従ってさらに停止誘導を表示しているHUDの図である。この図では、指示が、注目の車両520aの運転者を、スロット2として示された特定の停止位置に誘導している。効率的な方法ですべての車両がすれ違うことができるように、詳細な走行経路および推奨される停止位置が重ね合わせられる方法で表示されてよい。改良された図解2008は、近接車両およびスロットの位置の鳥瞰図を提供する。指示インジケータ2202は、番号付けされたスロットを表示する長方形および注目の車両の運転者がどの場所に入るべきかに関する指示と共に、「ここで停止」の指示などのテキストの指示を提供してよい。スロットの位置を表示するためだけでなく、まだ見えないことがある接近する車両530aの位置の指示を提供するために、破線の長方形が使用されてよい。
【0155】
一部の実施形態では、注目の車両520aの運転者が車両を適切に配置するのを助けるための任意の位置情報と共に、仮想中心線がHUDに示されてよい。例えば、先行する車両の後に続くことにおいて車両を誘導するために、この詳細な走行経路および推奨される位置が表示されてよい。そのような仮想中心線は、他の車両の幅と共に、自身の(注目の)車両520aの幅を考慮してよい。仮想中心線は、注目の車両520aの運転者の運転技術のレベルおよび他の運転者の運転技術のレベルを考慮してもよい。そのような運転者の運転技術のレベルは、手動で入力されるか、または車両内のセンサによって検出されて評価されてよい。
【0156】
本明細書に記載されたシステムおよび方法は、検出されて保存された領域情報を他の車両と共有する車両に関連しているが、車両が固定要素から領域情報を受信し、領域情報を固定要素とも共有することが可能であってもよく、車両間の領域情報の共有に関連する本明細書における任意の説明が、車両と固定要素の間の領域情報の共有として企図されるべきである。そのような固定要素は、道路沿いのさまざまな位置にあるIoTデバイスなどのポータブル無線通信デバイスを含んでよい。さらに、領域情報を保有している車両または固定要素が、その情報をネットワークの一部を形成している他の要素(サーバ・デバイスまたはその他のIoTデバイスなど)と共有することが可能であってよい。
【0157】
本発明は、任意の可能な統合の技術的詳細レベルで、システム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品、あるいはその組み合わせであってよい。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を含んでいるコンピュータ可読ストレージ媒体を含んでよい。
【0158】
コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行デバイスによって使用するための命令を保持および格納できる有形のデバイスであることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、例えば、電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光ストレージ・デバイス、電磁ストレージ・デバイス、半導体ストレージ・デバイス、またはこれらの任意の適切な組み合わせであってよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読ストレージ媒体のさらに具体的な例の非網羅的リストは、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)、読み取り専用メモリ(ROM:read-only memory)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM:erasable programmable read-only memoryまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM:static random access memory)、ポータブル・コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM:compact disc read-only memory)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD:digital versatile disk)、メモリ・スティック、フロッピー(R)・ディスク、パンチカードまたは命令が記録されている溝の中の隆起構造などの機械的にエンコードされるデバイス、およびこれらの任意の適切な組み合わせを含む。本明細書において使用されるとき、コンピュータ可読ストレージ媒体は、それ自体が、電波またはその他の自由に伝搬する電磁波、導波管またはその他の送信媒体を伝搬する電磁波(例えば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、あるいはワイヤを介して送信される電気信号などの一過性の信号であると解釈されるべきではない。
【0159】
本明細書に記載されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読ストレージ媒体から各コンピューティング・デバイス/処理デバイスへ、またはネットワーク(例えば、インターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、または無線ネットワーク、あるいはその組み合わせ)を介して外部コンピュータまたは外部ストレージ・デバイスへダウンロードされ得る。このネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線送信、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバ、あるいはその組み合わせを備えてよい。各コンピューティング・デバイス/処理デバイス内のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェイスは、コンピュータ可読プログラム命令をネットワークから受信し、それらのコンピュータ可読プログラム命令を各コンピューティング・デバイス/処理デバイス内のコンピュータ可読ストレージ媒体に格納するために転送する。
【0160】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA:instruction-set-architecture)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、あるいは、Smalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソース・コードまたはオブジェクト・コードであってよい。コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザのコンピュータ上で全体的に実行すること、ユーザのコンピュータ上でスタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとして部分的に実行すること、ユーザのコンピュータ上およびリモート・コンピュータ上でそれぞれ部分的に実行すること、あるいはリモート・コンピュータ上またはサーバ上で全体的に実行することができる。後者のシナリオでは、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN:local area network)または広域ネットワーク(WAN:wide area network)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてよく、または接続は、(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに対して行われてよい。一部の実施形態では、本発明の態様を実行するために、例えばプログラマブル論理回路、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field-programmable gate arrays)、またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA:programmable logic arrays)を含む電子回路は、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによって、電子回路をカスタマイズするためのコンピュータ可読プログラム命令を実行してよい。
【0161】
本発明の態様は、本明細書において、本発明の実施形態に従って、方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照して説明される。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、ならびにフローチャート図またはブロック図あるいはその両方に含まれるブロックの組み合わせが、コンピュータ可読プログラム命令によって実装され得るということが理解されるであろう。
【0162】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックに指定される機能/動作を実施する手段を作り出すべく、コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてマシンを作り出すものであってよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、命令が格納されたコンピュータ可読ストレージ媒体がフローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックに指定される機能/動作の態様を実施する命令を含んでいる製品を含むように、コンピュータ可読ストレージ媒体に格納され、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイス、あるいはその組み合わせに特定の方式で機能するように指示できるものであってもよい。
【0163】
コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ上、その他のプログラム可能なデータ処理装置上、またはその他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックに指定される機能/動作を実施するように、コンピュータ、その他のプログラム可能な装置、またはその他のデバイスに読み込まれてもよく、それによって、一連の動作可能なステップを、コンピュータ上、その他のプログラム可能な装置上、またはコンピュータ実装プロセスを生成するその他のデバイス上で実行させる。
【0164】
図内のフローチャートおよびブロック図は、本発明のさまざまな実施形態に従って、システム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。これに関連して、フローチャートまたはブロック図内の各ブロックは、規定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能な命令を備える、命令のモジュール、セグメント、または部分を表してよい。一部の代替の実装では、ブロックに示された機能は、図に示された順序とは異なる順序で発生してよい。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、含まれている機能に応じて、1つのステップとして実行されるか、同時に実行されるか、時間的に部分的または完全に重複する方法で実質的に同時に実行されるか、または場合によっては逆の順序で実行されてよい。ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロック、ならびにブロック図またはフローチャート図あるいはその両方に含まれるブロックの組み合わせは、規定された機能または動作を実行するか、または専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせを実行する専用ハードウェアベースのシステムによって実装され得るということにも注意する。
【0165】
以下では、さまざまな実施例が説明される。
【0166】
実施例1では、デバイスが注目の車両に関連付けられ、このデバイスは、注目の車両および接近する車両がすれ違うのを支援するために使用できる情報領域に関する領域情報を検出するセンサと、車両間ネットワーク(V2VN)プロトコルを介して領域情報をブロードキャストする送信器と、コントローラとを備えている。コントローラは、注目の車両および接近する車両に関連する領域情報および車両情報から支援結果を生成する。車両情報は、情報領域からの注目の車両の第1の距離情報、および情報領域からの接近する車両の第2の距離情報を含む。このデバイスは、注目の車両の少なくとも停止および前進を表す仮想交通情報を車両のフロントガラスに表示するディスプレイを含む。
【0167】
実施例2は実施例1の要素を含んでよく、実施例2では、第1の車列が、第1の方向に移動する注目の車両を含んでいる複数の車両を含み、第2の車列が、第1の方向と反対の第2の方向に移動する接近する車両を含んでいる複数の車両を含み、領域情報が第1の車列の車両およびそれらの車両の後に続く車両の間で共有され、領域情報が第2の車列の車両およびそれらの車両の後に続く車両の間で共有される。
【0168】
実施例3は上記の実施例のいずれかの要素を含んでよく、実施例3では、仮想交通情報が、停止および前進に関連する仮想交通標識を含む。
【0169】
実施例4は先行する実施例の要素を含んでよく、実施例4では、仮想交通情報が、停止および前進に関連付けるように色分けされる。
【0170】
実施例5は上記の実施例のいずれかの要素を含んでよく、実施例5では、仮想交通情報が、注目の車両をどこに向かわせるか、および注目の車両を指示されたとおりにいつ向かわせるかを車両の運転者に表示する、方向の情報を含む。
【0171】
実施例6は先行する実施例の要素を含んでよく、実施例6では、方向の情報が、車両の運転者が注目の車両を移動する方向および位置と一致する、矢印、ボックス、および線を含む。
【0172】
実施例7は上記の実施例のいずれかの要素を含んでよく、実施例7では、コントローラが、車両がすれ違うことができる複数の車線を主に含んでいるが、1つの車線を除くすべての車線を妨害する狭くなっている障害物領域を含んでいる幅広の道路のための第1の支援モード、および車両がすれ違うことができない1車線の狭い区域を主に含んでいるが、車両がすれ違うことができる広くなっている区域を含んでいる狭い道路に対する第2の支援モードで、支援結果を生成する。
【0173】
実施例8は先行する実施例の要素を含んでよく、実施例8では、第1の支援モードで、コントローラが、注目の車両を停止すること、注目の車両を進めること、および接近する車両との交渉から成る群から選択された注目の車両の行動を選択するように、コントローラが、障害物領域から注目の車両までの第1の距離と、障害物領域から接近する車両までの第2の距離とを比較する基本的評価を実行し、ディスプレイが、選択に従って、停止、前進、および交渉の車両の行動を表示する仮想交通情報を表示する。
【0174】
実施例9は先行する実施例の要素を含んでよく、実施例9では、接近する車両との交渉のコントローラの選択に応答して、コントローラが、V2VNを介して、注目の車両の車両ID、優先順位付けされる条件、および通行可能領域を示す交渉情報を後続の車両および接近する車両にブロードキャストし、コントローラが、交渉情報に含まれている優先順位付けされる条件に基づいて、注目の車両の停止または注目の車両の前進を選択する。
【0175】
実施例10は先行する実施例の要素を含んでよく、実施例10では、優先順位付けされる条件が、障害物の位置、現在の待ち時間または予測された待ち時間、注目の車両が高度において上昇しているか、または下降しているか、後続の車両の数、前方に位置する道路上の混雑の状態および交通信号機の状態から成る群から選択された交通の特徴、ならびに待ち状態にある期間に基づく。
【0176】
実施例11は上記の実施例のいずれかの要素を含んでよく、実施例11では、情報の交換を必要とせずに交渉の合意に達するように、同じ優先順位付けされる条件が注目の車両および接近する車両によって利用される。
【0177】
実施例12は上記の実施例のいずれかの要素を含んでよく、実施例12では、コントローラが、障害物領域を通過している第1の車列のすべての車両が妨害されずに障害物領域を通過することを許可され、一方、反対方向からの第2の車列の他の車両が停止されたままである、通行可能領域を決定する。
【0178】
実施例13は上記の実施例のいずれかの要素を含んでよく、実施例13では、コントローラが、狭くなっている障害物領域の向こう側の空き領域がいつ使用可能になるかをさらに決定し、狭くなっている障害物領域の向こう側の空き領域が使用可能でないという決定に起因して、狭くなっている障害物領域の向こう側の空き領域が使用可能であるという決定が行われるまで、注目の車両が停止するということを常に選択する。
【0179】
実施例14は上記の実施例のいずれかの要素を含んでよく、実施例14では、コントローラが、領域情報の項目が他の車両に伝搬されることになる伝搬領域を決定する。
【0180】
実施例15は、注目の車両に関連付けられたデバイスであり、このデバイスは、注目の車両および接近する車両がすれ違うのを支援するために使用できる情報領域に関する領域情報を検出するセンサと、車両間ネットワーク(V2VN)プロトコルを介して領域情報をブロードキャストする送信器と、コントローラとを備えている。コントローラは、基本的評価において、注目の車両および接近する車両に関連する領域情報および車両情報から支援結果を生成する。車両情報は、情報領域からの注目の車両の第1の距離情報、および情報領域からの接近する車両の第2の距離情報を含む。コントローラは、車両がすれ違うことができる複数の車線を主に含んでいるが、1つの車線を除くすべての車線を妨害する狭くなっている区域を含んでいる幅広の道路のための第1の支援モード、および車両がすれ違うことができない1車線の狭い区域を主に含んでいるが、車両がすれ違うことができる広くなっている区域を含んでいる狭い道路に対する第2の支援モードで、支援結果を生成する。第1の支援モードでは、コントローラは、情報領域から注目の車両までの第1の距離と、情報領域から接近する車両までの第2の距離とを比較して、注目の車両の行動を選択する。注目の車両の行動は、注目の車両を停止することであってよい。この行動は、事前に定義された距離基準に基づいて、第1の距離が第2の距離より非常に大きいということから生じる。注目の車両の行動は、注目の車両を前に進めることであってよく、この行動は、事前に定義された距離基準に基づいて、第2の距離が第1の距離より非常に大きいということから生じる。他の事例では、注目の車両の行動は、接近する車両と交渉することであってよい。このデバイスは、停止、前進、および交渉の車両の行動を区別する選択の結果に従って仮想交通情報を表示するディスプレイをさらに備えてよい。
【0181】
実施例16は実施例15の要素を含んでよく、実施例16では、コントローラが、通行可能領域を示す信号を受信し、注目の車両が通行可能領域内にあるかどうかを判定し、通行可能領域内では、障害物領域を通過している第1の車列のすべての車両が妨害されずに障害物領域を通過することが許可され、一方、反対方向からの第2の車列の他の車両が停止されたままであり、注目の車両が通行可能領域内にあるということ、および障害物領域の反対側の空きが使用可能であるということの決定に起因して、前進の結果を仮想交通情報として表示する。
【0182】
実施例17は実施例15および16の要素を含んでよく、実施例17では、第2の支援モードで、コントローラが、接近する車両の通過点の候補(PPC)を接近する車両から受信し、注目の車両のPPCを計算し、注目の車両のPPC内の使用可能な空間を計算し、注目の車両のPPC内の使用可能な空間に応答して、最終的な注目の車両のPPCを決定し、最終的な注目の車両のPPCに関する情報をブロードキャストする。ディスプレイが、最終的な注目の車両のPPCに関連する情報を表示する。
【0183】
実施例18は、注目の車両のデバイスを操作するためのコンピュータ実装方法であり、注目の車両および接近する車両がすれ違うのを支援するために使用できる情報領域に関する領域情報を、センサを使用して検出することと、送信器を使用して、車両間ネットワーク(V2VN)プロトコルを介して領域情報をブロードキャストすることと、コントローラを使用して、注目の車両および接近する車両に関連する領域情報および車両情報から支援結果を生成することであって、車両情報が、情報領域からの注目の車両の第1の距離情報、および情報領域からの接近する車両の第2の距離情報を含む、生成することと、ディスプレイを使用して、注目の車両の少なくとも停止および前進を表す仮想交通情報を車両のフロントガラスに表示することとを含む。
【0184】
実施例19は実施例18の要素を含んでよく、実施例19では、コントローラが、車両がすれ違うことができる複数の車線を主に含んでいるが、1つの車線を除くすべての車線を妨害する狭くなっている障害物領域を含んでいる幅広の道路のための第1の支援モード、および車両がすれ違うことができない1車線の狭い区域を主に含んでいるが、車両がすれ違うことができる広くなっている区域を含んでいる狭い道路に対する第2の支援モードで、支援結果を生成する。
【0185】
実施例20は実施例19の要素を含んでよく、第1の支援モードで、障害物領域から注目の車両までの第1の距離と、障害物領域から接近する車両までの第2の距離とを比較し、コントローラによって、注目の車両を停止すること、注目の車両を進めること、および接近する車両との交渉を含む注目の車両の行動を選択することを含んでいる基本的評価を実行することと、選択の結果に従って、停止、前進、および交渉の車両の行動を区別する仮想交通情報をディスプレイに表示することとをさらに含んでよい。
【0186】
実施例21は、注目の車両のデバイスを操作するためのコンピュータ実装方法である。この方法は、注目の車両および接近する車両がすれ違うのを支援するために使用できる情報領域に関する領域情報を、センサを使用して検出することを含む。この方法は、送信器を使用して、車両間ネットワーク(V2VN)プロトコルを介して領域情報をブロードキャストすることをさらに含む。この方法は、基本的評価動作においてコントローラを使用して、注目の車両および接近する車両に関連する領域情報および車両情報から支援結果を生成することをさらに含み、車両情報は、情報領域からの注目の車両の第1の距離情報および情報領域からの接近する車両の第2の距離情報を含んでいる。コントローラは、異なる支援モードで支援結果を生成する。第1の支援モードは、車両がすれ違うことができる複数の車線を主に含んでいるが、1つの車線を除くすべての車線を妨害する狭くなっている区域を含んでいる幅広の道路用である。第2の支援モードは、車両がすれ違うことができない1車線の狭い区域を主に含んでいるが、車両がすれ違うことができる広くなっている区域を含んでいる狭い道路用である。第1の支援モードでは、この方法は、情報領域から注目の車両までの第1の距離と、情報領域から接近する車両までの第2の距離とを比較して、注目の車両の行動を選択することを含む。注目の車両の行動は停止を含み、この行動は、事前に定義された距離基準に基づいて、第1の距離が第2の距離より非常に大きいということから生じる。注目の車両の行動は前進を含み、この行動は、事前に定義された距離基準に基づいて、第2の距離が第1の距離より非常に大きいということから生じる。他の事例では、注目の車両の行動は、接近する車両と交渉することを含む。この方法は、ディスプレイを使用して、注目の車両の少なくとも停止および前進を表す仮想交通情報を車両のフロントガラスに表示することをさらに含む。
【0187】
実施例22は実施例21の要素を含んでよく、通行可能領域を示す信号を受信し、注目の車両が通行可能領域内にあるかどうかを判定することであって、通行可能領域内では、障害物領域を通過している第1の車列のすべての車両が妨害されずに障害物領域を通過することが許可され、一方、反対方向からの第2の車列の他の車両が停止されたままである、判定することと、注目の車両が通行可能領域内にあるということ、および障害物領域の反対側の空きが使用可能であるということの決定に起因して、前進の結果を仮想交通情報として表示することとをさらに含んでよい。
【0188】
実施例23は実施例21および22の要素を含んでよく、第2の支援モードで、接近する車両の通過点の候補(PPC)を接近する車両から受信することと、注目の車両のPPCを計算することと、注目の車両のPPC内の使用可能な空間を計算することと、注目の車両のPPC内の使用可能な空間に応答して、最終的な注目の車両のPPCを決定することと、最終的な注目の車両のPPCに関する情報をブロードキャストすることと、最終的な注目の車両のPPCに関連する情報を表示することとをさらに含んでよい。
【0189】
実施例24は、注目の車両のデバイスを操作するためのコンピュータ・プログラム製品であり、このコンピュータ・プログラム製品は、コンピュータ可読プログラム・コードが具現化されているコンピュータ可読ストレージ媒体を備えており、このコンピュータ可読プログラム・コードは、プロセッサ上で実行された場合に、注目の車両および接近する車両がすれ違うのを支援するために使用できる情報領域に関する領域情報を検出することと、車両間ネットワーク(V2VN)プロトコルを介して領域情報をブロードキャストすることと、注目の車両および接近する車両に関連する領域情報および車両情報から支援結果を生成することであって、車両情報が、情報領域からの注目の車両の第1の距離情報、および情報領域からの接近する車両の第2の距離情報を含む、生成することと、注目の車両の少なくとも停止および前進を表す仮想交通情報を車両のフロントガラスに表示することとを実行する。
【0190】
実施例25は実施例24の要素を含んでよく、実施例25では、プログラム・コードが、車両がすれ違うことができる複数の車線を主に含んでいるが、1つの車線を除くすべての車線を妨害する狭くなっている障害物領域を含んでいる幅広の道路のための第1の支援モード、および車両がすれ違うことができない1車線の狭い区域を主に含んでいるが、車両がすれ違うことができる広くなっている区域を含んでいる狭い道路に対する第2の支援モードで、支援結果を生成するように、さらに構成される。