(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】認証プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20241126BHJP
【FI】
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2022181656
(22)【出願日】2022-11-14
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-078222(JP,A)
【文献】特開2021-007000(JP,A)
【文献】特許第6727684(JP,B1)
【文献】特開2018-206096(JP,A)
【文献】特開2005-081995(JP,A)
【文献】特開2021-149399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに所定の認証処理を実行させる認証プログラムであって、
前記プロセッサが、
ユーザが所持すべき物品に関する条件を含む所持物条件を取得する所持物条件取得ステップと、
前記ユーザが所持している1または複数の物品を特定する1または複数の物品情報を取得する物品情報取得ステップと、
前記所持物条件取得ステップにおいて取得した前記所持物条件および前記物品情報取得ステップにおいて取得した前記1または複数の物品情報に基づき、
前記ユーザに対する所定の認証処理の結果を、前記コンピュータとネットワークを通じて接続されたユーザ端末に表示させる表示ステップと、
前記表示ステップにおいて表示された認証結果に基づいて前記ユーザに対する所定の認証処理を
前記コンピュータとネットワークを通じて接続された認証端末に実行
させる認証ステップと、
を実行する認証プログラム。
【請求項2】
前記認証ステップは、前記所持物条件と、前記1または複数の物品情報とを比較し、
前記ユーザが所持すべき物品を所持していると判定した場合に、認証を許可するステップと、
前記ユーザが所持すべき物品を所持していないと判定した場合に、認証を許可しないステップと、
を含むステップである、
請求項1記載の認証プログラム。
【請求項3】
前記プロセッサが、
前記認証ステップにおいて、認証が許可されなかった場合に、前記ユーザが所持すべき物品のうち、前記ユーザが所持していない1または複数の物品を特定する1または複数の物品情報を、前記ユーザに提示する物品提示ステップと、
を実行する、
請求項2記載の認証プログラム。
【請求項4】
前記所持物条件取得ステップは、前記ユーザが所持すべき1または複数の情報処理端末、1または複数の資料、1または複数の入れ物のうち少なくとも1つを含む前記所持物条件を取得するステップである、
請求項2記載の認証プログラム。
【請求項5】
ユーザの生体状態に関する条件を含む生体条件を取得する生体条件取得ステップと、
前記ユーザの前記生体状態に関する生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
を実行し、
前記認証ステップは、前記生体条件取得ステップにおいて取得した前記生体条件および前記生体情報取得ステップにおいて取得した前記生体情報に基づき、前記ユーザに対する前記所定の認証処理を実行するステップである、
請求項1記載の認証プログラム。
【請求項6】
前記認証ステップは、前記生体条件と、前記生体情報とを比較し、
前記生体情報が前記生体条件を満たしていると判定した場合に、認証を許可するステップと、
前記生体情報が前記生体条件を満たしていないと判定した場合に、認証を許可しないステップと、
を含むステップである、
請求項5記載の認証プログラム。
【請求項7】
前記プロセッサが、
前記認証ステップにおいて、認証が許可されなかった場合に、前記ユーザが満たすべき生体条件のうち、前記ユーザが満たしていない前記生体情報を、前記ユーザに提示する状態提示ステップと、
を実行する、
請求項6記載の認証プログラム。
【請求項8】
前記生体条件取得ステップは、前記ユーザの体温、血圧、心拍数、および、呼気中アルコール濃度のうち少なくとも1つを含む前記生体条件を取得するステップである、
請求項6記載の認証プログラム。
【請求項9】
前記プロセッサが、
前記ユーザから、所定の装置を操作するための操作リクエストを受け付ける操作受付ステップと、
を実行し、
前記認証ステップは、前記操作受付ステップにおいて受け付けた前記操作リクエストに応じて、前記ユーザに対する前記所定の装置の操作に関する認証処理を実行するステップである、
請求項1記載の認証プログラム。
【請求項10】
前記操作受付ステップは、前記所定の装置を運転するための操作リクエストを受け付けるステップである、
請求項9記載の認証プログラム。
【請求項11】
前記プロセッサが、
前記ユーザから、所定の領域へ移動するための移動リクエストを受け付ける移動受付ステップと、
を実行し、
前記認証ステップは、前記移動受付ステップにおいて受け付けた前記移動リクエストに応じて、前記ユーザに対して前記所定の領域へ移動することに関する認証処理を実行するステップである、
請求項1記載の認証プログラム。
【請求項12】
前記所持物条件取得ステップは、前記ユーザに関連付けられて記憶されたスケジュール情報に基づき特定される前記所持物条件を取得するステップである、
請求項1記載の認証プログラム。
【請求項13】
前記生体条件取得ステップは、前記ユーザに関連付けられて記憶されたスケジュール情報に基づき特定される前記生体条件を取得するステップである、
請求項5記載の認証プログラム。
【請求項14】
前記プロセッサが、
前記認証ステップにおいて実行された前記所定の認証処理に関する認証結果を含む画像をディスプレイに出力する結果出力ステップと、
を実行する、
請求項1記載の認証プログラム。
【請求項15】
前記プロセッサが、
前記認証ステップにおいて、認証が許可されなかった場合に、前記ユーザに対して当該認証が許可されなかった原因、または、当該認証を許可するために必要な情報を、前記ユーザに提示する認証提案ステップと、
を実行する、
請求項1記載の認証プログラム。
【請求項16】
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置であって、
前記プロセッサが、
請求項1から15のいずれか記載の認証プログラムを実行する、
情報処理装置。
【請求項17】
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置を含む情報処理システムであって、
前記プロセッサが、
請求項1から15のいずれか記載の認証プログラムを実行する、
情報処理システム。
【請求項18】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
前記コンピュータが、
請求項1から15のいずれか記載の認証プログラムを実行する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、認証プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが所持する携帯情報処理端末等を用いて、ユーザ本人の本人認証を行う技術が知られている。
特許文献1には、利用者の退場の態様を把握する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが所持すべき物品を所持しているか否かに応じた認証処理が実行できていないという課題がある。
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、ユーザが所持すべき物品を所持しているか否かに応じた認証処理が実行する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに所定の認証処理を実行させる認証プログラムであって、プロセッサが、ユーザが所持すべき物品に関する条件を含む所持物条件を取得する所持物条件取得ステップと、ユーザが所持している1または複数の物品を特定する1または複数の物品情報を取得する物品情報取得ステップと、所持物条件取得ステップにおいて取得した所持物条件および物品情報取得ステップにおいて取得した1または複数の物品情報に基づき、ユーザに対する所定の認証処理を実行する認証ステップと、を実行する認証プログラム。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、ユーザが所持すべき物品を所持しているか否かに応じた認証処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】システム1の機能構成を示すブロック図である。
【
図2】サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】認証端末30の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
【
図6】条件テーブル1013のデータ構造を示す図である。
【
図7】装置テーブル1014のデータ構造を示す図である。
【
図8】エリアテーブル1015のデータ構造を示す図である。
【
図9】所持品テーブル1016のデータ構造を示す図である。
【
図10】状態テーブル1017のデータ構造を示す図である。
【
図11】判定テーブル1018のデータ構造を示す図である。
【
図12】認証処理の動作を示すフローチャートである。
【
図13】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0009】
<システム1の構成>
本開示におけるシステム1は、所定の装置、設備の操作する際の認証、サービス、部屋、領域、エリア等へ移動する際の認証をユーザに対して提供する認証サービスを実現するための情報処理システムである。
例えば、本開示におけるシステム1は、ユーザが、乗用車、商用車、鉄道、飛行機、ドローン、自転車、自動二輪車、建機、重機等の乗り物(モビリティ)を操作(運転)する際に、当該ユーザに運転を許可するか否か(許否)を認証するための認証サービスを提供する情報処理システムである。
例えば、本開示におけるシステム1は、ユーザが、部屋、領域、エリア、乗り物等の内側へ移動(入室、入場)する際に、当該ユーザに移動を許可するか否か(許否)を認証するための認証サービスを提供する情報処理システムである。
システム1は、ネットワークNを介して接続された、サーバ10、ユーザ端末20、認証端末30の情報処理装置を備える。
図1は、システム1の機能構成を示すブロック図である。
図2は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図3は、ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
図4は、認証端末30の機能構成を示すブロック図である。
【0010】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成および、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。サーバ10、ユーザ端末20、認証端末30のそれぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0011】
<サーバ10の構成>
サーバ10は、装置、設備、サービス、部屋、領域、エリア等に関する所定の認証サービスを提供可能な情報処理装置である。
サーバ10は、記憶部101、制御部104を備える。
【0012】
<サーバ10の記憶部101の構成>
サーバ10の記憶部101は、アプリケーションプログラム1011、ユーザテーブル1012、条件テーブル1013、装置テーブル1014、エリアテーブル1015、所持品テーブル1016、状態テーブル1017、判定テーブル1018を備える。
【0013】
アプリケーションプログラム1011は、サーバ10の制御部104を各機能ユニットとして機能させるためのプログラムである。
アプリケーションプログラム1011は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。
【0014】
ユーザテーブル1012は、サービスを利用する会員ユーザ(以下、ユーザ)の情報を記憶し管理するテーブルである。ユーザは、サービスの利用登録を行うことで、当該ユーザの情報がユーザテーブル1012の新しいレコードに記憶される。これにより、ユーザは本開示にかかるサービスを利用できるようになる。
ユーザテーブル1012は、ユーザIDを主キーとして、ユーザID、ユーザ名のカラムを有するテーブルである。
図5は、ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
【0015】
ユーザIDは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。ユーザ識別情報は、ユーザごとにユニークな値が設定されている項目である。
ユーザ名は、ユーザの氏名を記憶する項目である。ユーザ名は、氏名ではなく、ニックネームなど任意の文字列を設定しても良い。
【0016】
条件テーブル1013は、認証処理を実行する際の条件に関する情報(条件情報)を記憶し管理するためのテーブルである。
条件テーブル1013は、条件ID、条件種別、条件データのカラムを有するテーブルである。
図6は、条件テーブル1013のデータ構造を示す図である。
【0017】
条件IDは、条件を識別するための条件識別情報を記憶する項目である。
条件種別は、条件の種類に関する条件種別情報を記憶する項目である。条件種別情報は、ユーザが所有すべき所持物に関する条件が既定された所持物条件と、ユーザが満たすべき生体状態に関する条件が既定された生体条件とのいずれかを特定する情報が記憶される。
条件データは、認証処理を実行する際の条件の内容を記憶する項目である。
条件データは、条件種別が所持物条件である場合には、ユーザが所持すべき物品の物品ID、物品種別、物品名ごとの個数の情報が記憶される。例えば、条件データは、ユーザが所持すべき情報処理端末の種類ごとの個数、資料の名称ごとの個数、鞄等の入れ物ごとの個数を含む。
条件データは、条件種別が生体条件である場合には、ユーザが満たすべき生体情報が記憶される。例えば、条件データは、ユーザが満たすべき体温、血圧、心拍数、呼気中アルコール濃度等の数値範囲を規定した情報を含む。
【0018】
装置テーブル1014は、装置または装置種別ごとに操作するための認証を許可する条件を関連付けて記憶し管理するためのテーブルである。また、装置テーブル1014は、操作するための認証を許可しない条件を関連付けて記憶しても構わない。
装置テーブル1014は、装置識別情報(各装置個体を特定する装置ID)ごとに当該装置を操作するための認証条件にかかる条件識別情報を関連付けて記憶するテーブルである。
装置テーブル1014は、装置種別情報(装置の種類、種別を特定する装置種別)ごとに当該装置種別情報に属する装置を操作するための認証条件にかかる条件識別情報を関連付けて記憶するテーブルである。
装置テーブル1014には、装置IDおよび装置種別の少なくともいずれか1つと、条件IDが関連付けて記憶される。
装置テーブル1014は、装置ID、装置種別、条件IDのカラムを有するテーブルである。
図7は、装置テーブル1014のデータ構造を示す図である。
【0019】
装置IDは、装置を識別するための装置識別情報を記憶する項目である。具体的に、装置IDは、装置の個体を特定するための情報を含む。例えば、装置IDは、装置が自動車である場合には、ナンバープレート等に記載された自動車登録番号であっても良い。
装置種別は、装置の種類に関する装置種別情報を記憶する項目である。
装置種別情報は、装置、設備等の種類を特定する情報を記憶する。装置種別情報は、装置がモビリティである場合には、乗用車、商用車、鉄道、飛行機、ドローン、自転車、自動二輪車等のモビリティの種類を特定する情報を記憶する。
条件IDは、条件識別情報を記憶する項目である。
【0020】
エリアテーブル1015は、エリアまたはエリア種別ごとに当該エリアに移動するための認証を許可する条件を関連付けて記憶し管理するためのテーブルである。エリアテーブル1015は、移動するための認証を許可しない条件を関連付けて記憶しても構わない。
エリアテーブル1015は、エリア識別情報(各エリアを特定するエリアID)ごとに当該エリアへ移動するための認証条件にかかる条件識別情報を関連付けて記憶するテーブルである。
エリアテーブル1015は、エリア種別情報(エリアの種類、種別を特定するエリア種別)ごとに当該エリア種別情報に属するエリアへ移動するための認証条件にかかる条件識別情報を関連付けて記憶するテーブルである。
エリアテーブル1015には、エリアIDおよびエリア種別の少なくともいずれか1つと、条件IDが関連付けて記憶される。
エリアテーブル1015は、エリアID、エリア種別、条件IDのカラムを有するテーブルである。
図8は、エリアテーブル1015のデータ構造を示す図である。
【0021】
エリアIDは、エリアを識別するためのエリア識別情報を記憶する項目である。
エリアは、部屋または廊下などの空間の一部または全体、部屋に置かれた座席、屋外空間においては所定の領域範囲、自動車、バス、列車などの車両空間の一部または全体、自動車、バス、列車などの座席など、ユーザが所在可能な任意の物理的領域を示す。エリア識別情報は、当該物理的領域を識別可能に特定するための情報である。
例えば、エリアIDは、エリアが建物等におけるそれぞれの部屋である場合には、部屋番号等のそれぞれの部屋を特定する識別情報を含む。エリアIDは、エリアがモビリティ等の車室空間等である場合には、モビリティごとの1または複数の車室空間または座席を特定する識別情報を含む。
エリア種別は、エリアの種類に関するエリア種別情報を記憶する項目である。
エリア種別情報は、エリアの種類を特定する情報を記憶する。エリア種別情報は、部屋、廊下、モビリティの運転席、モビリティの助手席等のエリアの種類を特定する情報を記憶する。
条件IDは、条件識別情報を記憶する項目である。
【0022】
所持品テーブル1016は、ユーザが所持する物品に関する情報(所持品情報)を記憶し管理するためのテーブルである。所持品テーブル1016は、ユーザのユーザIDと、物品IDとを関連付けて記憶することにより、ユーザが物品IDにより特定される物品を所持していることを表現する。
所持品テーブル1016は、後述する所持品更新処理により定期的に更新される。
所持品テーブル1016は、物品IDを主キーとして、物品ID、ユーザID、物品種別、物品名、更新日時のカラムを有するテーブルである。
図9は、所持品テーブル1016のデータ構造を示す図である。
【0023】
物品IDは、物品を識別するための物品識別情報を記憶する項目である。物品識別情報は、個別物品ごとにユニークな値が設定されている項目である。
ユーザIDは、ユーザ識別情報を記憶する項目である。
物品種別は、物品識別情報により特定される物品の種類に関する物品種別情報を記憶する項目である。
物品種別情報は、物品の種類を特定する情報を記憶する。物品種別情報は、ライセンスカード、免許証、IDカード、情報処理端末の種類、資料の種類、鞄等の入れ物の種類、工具等の物品の種類を特定する情報を記憶する。1の物品に対して複数の物品種別情報が関連付けて記憶されていても構わない。
物品名は、物品識別情報により特定される物品の名称を記憶する項目である。物品名は任意の文字列を設定することができる。1の物品に対して複数の物品名が関連付けて記憶されていても構わない。
更新日時は、所持品テーブルに新たにレコードが記憶されたり更新された際の記憶日時を記憶する項目である。
【0024】
状態テーブル1017は、ユーザの生体状態、身体状態に関する情報(生体情報)を記憶し管理するためのテーブルである。状態テーブル1017は、ユーザのユーザIDと、状態データとを関連付けて記憶することにより、ユーザの生体状態が状態データに記憶されている状態であることを表現する。
状態テーブル1017は、後述する状態更新処理により定期的に更新される。
状態テーブル1017は、ユーザID、状態データ、更新日時のカラムを有するテーブルである。
図10は、状態テーブル1017のデータ構造を示す図である。
【0025】
ユーザIDは、ユーザ識別情報を記憶する項目である。
状態データは、ユーザの生体状態に関する生体状態情報を記憶する項目である。例えば、状態データは、ユーザの体温、血圧、心拍数、呼気中アルコール濃度の少なくともいずれか1つの値を含む。
更新日時は、状態テーブルに新たにレコードが記憶されたり更新された際の記憶日時を記憶する項目である。
【0026】
判定テーブル1018は、判定に関する情報(判定情報)を記憶し管理するためのテーブルである。判定テーブル1018は、後述する認証処理が実行された場合に、ユーザごとに認証処理の認証結果を関連付けて記憶するテーブルである。
判定テーブル1018は、ユーザID、認証結果、判定日時のカラムを有するテーブルである。
図11は、判定テーブル1018のデータ構造を示す図である。
【0027】
ユーザIDは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。
認証結果は、ユーザに対する認証処理の実行結果である認証結果を記憶する項目である。
認証結果は、認証許否(許可、不許可)を示す情報、認証処理の対象となる操作対象の装置を特定する装置識別情報、認証処理の対象となる移動する領域を特定するエリア識別情報を含む。
判定日時は、判定テーブルに新たにレコードが記憶されたり更新された際の記憶日時を記憶する項目である。
【0028】
<サーバ10の制御部104の構成>
サーバ10の制御部104は、ユーザ登録制御部1041、認証部1042を備える。制御部104は、記憶部101に記憶されたアプリケーションプログラム1011を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0029】
ユーザ登録制御部1041は、本開示に係るサービスの利用を希望するユーザの情報をユーザテーブル1012に記憶する処理を行う。
ユーザテーブル1012に記憶される情報は、ユーザが任意の情報処理端末からサービス提供者が運営するウェブページなどを開き、所定の入力フォームに情報を入力しサーバ10へ送信する。ユーザ登録制御部1041は、受信した情報をユーザテーブル1012の新しいレコードに記憶し、ユーザ登録が完了する。これにより、ユーザテーブル1012に記憶されたユーザはサービスを利用することができるようになる。
ユーザ登録制御部1041によるユーザ情報のユーザテーブル1012への登録に先立ち、サービス提供者は所定の審査を行いユーザによるサービス利用可否を制限しても良い。
ユーザIDは、ユーザを識別できる任意の文字列または数字で良く、ユーザが希望する任意の文字列または数字、もしくはユーザ登録制御部1041が自動的に任意の文字列または数字を設定しても良い。
【0030】
認証部1042は、認証処理を実行する。詳細は後述する。
【0031】
<ユーザ端末20の構成>
ユーザ端末20は、認証サービスを利用するユーザが操作する情報処理装置である。ユーザ端末20は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末でもよいし、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
ユーザ端末20は、記憶部201、制御部204、入力装置206、出力装置208を備える。
【0032】
<ユーザ端末20の記憶部201の構成>
ユーザ端末20の記憶部201は、ユーザID2011、アプリケーションプログラム2012を備える。
【0033】
ユーザID2011はユーザのアカウントIDである。ユーザは、ユーザ端末20からユーザID2011を、サーバ10へ送信する。サーバ10は、ユーザID2011に基づきユーザを識別し、本開示にかかるサービスをユーザに対して提供する。なお、ユーザID2011には、ユーザ端末20を利用しているユーザを識別するにあたりサーバ10から一時的に付与されるセッションIDなどの情報を含む。
【0034】
アプリケーションプログラム2012は、記憶部201に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。
アプリケーションプログラム2012は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。
アプリケーションプログラム2012は、ユーザ端末20に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0035】
<ユーザ端末20の制御部204の構成>
ユーザ端末20の制御部204は、入力制御部2041、出力制御部2042を備える。制御部204は、記憶部201に記憶されたアプリケーションプログラム2012を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0036】
<ユーザ端末20の入力装置206の構成>
ユーザ端末20の入力装置206は、カメラ2061、マイク2062、位置情報センサ2063、モーションセンサ2064、タッチデバイス2065を備える。
【0037】
<ユーザ端末20の出力装置208の構成>
ユーザ端末20の出力装置208は、ディスプレイ2081、スピーカ2082を備える。
【0038】
<認証端末30の構成>
認証端末30は、予め装置または領域等に関連付けられた情報処理端末であり、ユーザによる装置の操作、または、所定の領域等への移動を許可または禁止(制限)するための情報処理装置である。認証端末30は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末でもよいし、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
認証端末30は、記憶部301、制御部304、入力装置306、出力装置308を備える。
【0039】
<認証端末30の記憶部301の構成>
認証端末30の記憶部301は、アプリケーションプログラム3012を備える。
【0040】
アプリケーションプログラム3012は、記憶部301に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。アプリケーションプログラム3012は、認証端末30に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0041】
<認証端末30の制御部304の構成>
認証端末30の制御部304は、入力制御部3041、出力制御部3042を備える。制御部304は、記憶部301に記憶されたアプリケーションプログラム3012を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0042】
<認証端末30の入力装置306の構成>
認証端末30の入力装置306は、カメラ3061を備える。
【0043】
<認証端末30の出力装置308の構成>
認証端末30の出力装置308は、ディスプレイ3081、スピーカ3082、ゲート3083を備える。
【0044】
ゲート3083は、部屋等の所定の領域の内側へユーザが移動することを許可または禁止するための扉(通行ゲート)である。ゲート3083は、制御部304により開閉制御されこれにより、ユーザにより所定の領域への内側への通行を禁止することができる。具体的に、ゲートが開くとユーザは所定の領域の内側へ通行することができ、ゲートが閉じるとユーザは所定の領域の内側へ通行できない。
通行ゲートは、棒状のバーが昇降することにより車両の移動を制限するゲートバー、ポール(ボラード)が昇降することにより車両の移動を制限するライジングボラード等を含む。
【0045】
<システム1の動作>
以下、システム1の各処理について説明する。
図12は、認証処理の動作を示すフローチャートである。
【0046】
<所持品更新処理>
所持品更新処理は、ユーザが所持する物品に関する情報(所持品情報)を更新する処理である。具体的に、ユーザ端末20の制御部204は、定期的にユーザが所持する物品の物品ID、物品種別、物品名を取得する。
例えば、物品にはRFIDタグ、Bluetooth(登録商標)、WiFi等の近距離無線通信手段が備え付けられており、物品ごとに物品IDが付与されているものとする。ユーザ端末20の制御部204は、ユーザが所持することによりユーザ端末20の近傍に所在する物品の物品IDを近距離無線通信により受信し、取得する。なお、物品IDにより特定される物品の物品種別、物品名は、近距離無線通信により取得しても良いし、受信した物品IDに基づき、不図示のテーブル、外部サーバ等に照会することにより取得しても良い。また、ユーザが所持する物品ID、物品種別、物品名は、ユーザがユーザ端末20の入力装置206を操作することにより入力する構成としても良い。
ユーザ端末20の制御部204は、取得したユーザが所持する物品の物品ID、物品種別、物品名を、ユーザID2011とともにサーバ10へ送信する。サーバ10の制御部104は、受信した物品ID、物品種別、物品名、ユーザID2011を、所持品テーブル1016の物品ID、物品種別、物品名、ユーザIDの項目へ記憶する。これにより、ユーザが所持している物品に関する情報が所持品テーブル1016に当該ユーザと関連付けて記憶される。
所持品テーブル1016には、ユーザが所持している物品の物品ID、物品種別、物品名等がリアルタイムで記憶される。
【0047】
<状態更新処理>
状態更新処理は、ユーザの生体状態に関する情報(生体情報)を更新する処理である。具体的に、ユーザ端末20の制御部204は、定期的にユーザの生体状態に関する状態データを取得する。
例えば、ユーザは、体温、血圧、心拍数等の生体状態を計測可能な腕時計型の携帯情報端末(スマートウォッチ等)を身につけているものとする。また、ユーザは、アルコールチェッカー等の呼気中アルコール濃度を計測可能な情報端末を所持しているものとする。または、ユーザが操作しようとする装置、ユーザが移動する領域等に生体状態を計測可能な情報端末等(計測端末)が備え付けられていても良い。
ユーザ端末20の制御部204は、定期的に計測端末から体温、血圧、心拍数、呼気中アルコール濃度等の生体状態に関する生体状態情報を取得する。ユーザ端末20の制御部204は、取得した生体状態情報を、ユーザID2011とともにサーバ10へ送信する。サーバ10の制御部104は、受信した生体状態情報、ユーザID2011を、状態テーブル1017の状態データ、ユーザIDの項目へ記憶する。これにより、ユーザの生体情報が状態テーブル1017に当該ユーザと関連付けて記憶される。
状態テーブル1017には、ユーザの生体情報がリアルタイムで記憶される。
【0048】
<認証処理>
認証処理は、ユーザが、所持している物品に関する条件である所持物条件、生体状態に関する条件である生体条件を満たしているか否かに基づき、認証許否を判定する処理である。
【0049】
<認証処理の概要>
認証処理は、ユーザにより装置等の操作、所定の領域への移動に基づき、所持物条件、生体条件等の条件を取得し、ユーザの所持物に関する所持物情報を取得し、ユーザの生体状態に関する生体情報を取得し、所持物情報、生体情報が条件を満たしているか否かに基づき認証許否を判定し、当該判定結果を認証結果として出力する一連の処理である。
なお、本開示において認証処理はサーバ10が実行する構成としたが、認証処理に含まれる各ステップの全部または一部をユーザ端末20または認証端末30が認証処理を実行する構成としても構わない。
【0050】
<認証処理の詳細>
以下に、認証処理の詳細を説明する。
【0051】
<認証開始処理>
ステップS101において、ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作し、認証処理を実行するためのアプリケーションプログラム2012を実行する。
【0052】
サーバ10の認証部1042は、装置IDを含む操作リクエスト、エリアIDを含む移動リクエストのいずれか一方、または両方を同時に受信し、受け付けても構わない。
【0053】
<認証開始処理(第一実施形態)>
ステップS101において、サーバ10の認証部1042は、ユーザから、所定の装置を操作(運転を含む)するための操作リクエストを受け付ける操作受付ステップを実行する。
具体的に、ユーザ端末20の制御部204は、不図示のサーバ等からユーザが操作可能な1または複数の装置に関する情報(装置情報)を取得し、ユーザ端末20のディスプレイ2081に一覧表示する。例えば、ユーザ端末20の位置情報に基づき、ユーザが乗車中または近傍の1または複数のモビリティの情報(モビリティ情報)を取得し、ユーザ端末20のディスプレイ2081に一覧表示しても良い。
ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作し、ディスプレイ2081に表示された1または複数の装置情報から操作対象の装置情報を選択する。例えば、ユーザは、ディスプレイ2081に表示されている1または複数のモビリティ情報うち、所定のモビリティ情報を運転対象のモビリティとして選択する。
ユーザ端末20の制御部204は、選択された装置情報またはモビリティ情報を特定する装置識別情報(装置ID)、ユーザID2011を含む操作リクエストを、サーバ10へ送信する。サーバ10の認証部1042は、装置ID、ユーザID2011を含む操作リクエストを受信し受け付ける。
【0054】
<認証開始処理(第二実施形態)>
ステップS101において、サーバ10の認証部1042は、ユーザから、所定の領域へ移動するための移動リクエストを受け付ける移動受付ステップを実行する。
具体的に、ユーザは、ユーザ端末20を携帯しながら所定の部屋の内部へ移動するためのゲート3083の前に移動する。なお、ゲート3083の前に限らず、所定の部屋の内部へ移動するための廊下、所定の領域へ移動するためのドア等の前などに移動しても良い。
【0055】
ユーザ端末20の制御部204、または、サーバ10の認証部1042は、ユーザが移動しようとする所定の領域のエリアIDを特定する。
ユーザ端末20の制御部204は、所定の領域へ移動するためのゲート3083等の近傍に配置された認証端末30と通信することにより、ユーザが移動しようとする所定の領域のエリアIDを特定しても良い。
ユーザ端末20の制御部204は、ユーザ端末20のカメラ2061によりゲート3083等の近傍に配置されたQRコード(登録商標)等の二次元バーコード等を撮影し、当該撮影された画像データを解析することにより、ユーザが移動しようとする所定の領域のエリアIDを特定しても良い。
ユーザ端末20の制御部204は、位置情報センサ2063により取得した位置情報に基づき、ユーザが移動しようとする所定の領域のエリアIDを特定しても良い。
ユーザ端末20の制御部204は、定期的にユーザ端末20の位置情報センサ2063により取得した位置情報をサーバ10へ送信する。サーバ10の認証部1042は、ユーザ端末20から受信した位置情報に基づき、不図示の位置情報とエリアIDが関連付けられたテーブル等に基づき、ユーザが移動しようとする所定の領域のエリアIDを特定しても良い。
ユーザ端末20の制御部204は、位置情報センサ2063により取得した位置情報に基づき、ユーザ近傍の1または複数のエリアに関する情報(エリア情報)を取得し、ユーザ端末20のディスプレイ2081に一覧表示する。ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206を操作し、ディスプレイ2081に表示された1または複数のエリア情報から、ユーザが移動しようとする所定の領域のエリア情報を選択する。ユーザ端末20の制御部204は、選択されたエリア情報に関連付けられたエリアIDを特定する。
【0056】
ユーザ端末20の制御部204は、特定されたエリアID、ユーザID2011を含む移動リクエストを、サーバ10へ送信する。サーバ10の認証部1042は、エリアID、ユーザID2011を含む移動リクエストを受信し受け付ける。
【0057】
<条件取得処理(所持物条件)>
ステップS102において、サーバ10の認証部1042は、ユーザが所持すべき物品に関する条件を含む所持物条件を取得する所持物条件取得ステップを実行する。所持物条件取得ステップは、ユーザが所持すべき1または複数の情報処理端末、1または複数の資料、1または複数の入れ物のうち少なくとも1つを含む所持物条件を取得するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の認証部1042は、装置IDを含む操作リクエストを受信した場合には、装置IDに基づき装置テーブル1014の装置IDの項目を検索し、条件IDを取得する。なお、サーバ10の認証部1042は、装置IDを含む操作リクエストを受信せずに、移動リクエストを受信した場合には本処理は実行せずスキップしても構わない。
【0058】
<条件取得処理(生体条件)>
ステップS102において、サーバ10の認証部1042は、ユーザの生体状態に関する条件を含む生体条件を取得する生体条件取得ステップを実行する。生体条件取得ステップは、ユーザの体温、血圧、心拍数、および、呼気中アルコール濃度のうち少なくとも1つを含む生体条件を取得するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の認証部1042は、エリアIDを含む移動リクエストを受信した場合には、エリアIDに基づきエリアテーブル1015のエリアIDの項目を検索し、条件IDを取得する。なお、サーバ10の認証部1042は、エリアIDを含む移動リクエストを受信せずに、操作リクエストを受信した場合には本処理は実行せずスキップしても構わない。
【0059】
<条件取得処理(スケジュール)>
ステップS102において、所持物条件取得ステップは、ユーザに関連付けられて記憶されたスケジュール情報に基づき特定される所持物条件および生体条件の少なくともいずれか1つを取得するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の認証部1042は、受信したユーザID2011に基づき、ユーザの毎日の予定に関するスケジュール情報が記憶された不図示のテーブルまたは外部サーバ等に照会を行い、条件取得処理が実行された日の当該ユーザの予定に関するスケジュール情報を取得する。なお、スケジュール情報がユーザに関連づけられて記憶されていない場合には、本処理は実行せずスキップしても構わない。
【0060】
例えば、ユーザのスケジュール情報には、所定の自動車、建機、重機等(モビリティ)の運転予定が含まれていても良い。この場合、サーバ10の認証部1042は、当該予定に含まれる運転業務において、ユーザにより運転対象となるモビリティを特定する1または複数の装置識別情報(装置ID)を取得し、特定する。サーバ10の認証部1042は、当該装置IDに基づき装置テーブル1014の装置IDの項目を検索し、条件IDを取得する。
この場合、モビリティを運転するために必要となるライセンス、免許証をユーザが所持していること、呼気中アルコール濃度等の身体状態等が所定範囲内(酔っていない状態)であることが、当該ユーザがモビリティを運転するための条件となる。
【0061】
例えば、ユーザのスケジュール情報には、所定の部屋(会議室)で開催される会議に関する会議情報が予定に含まれていても良い。この場合、サーバ10の認証部1042は、当該予定に含まれる会議情報において、ユーザが入室予定となる部屋を特定する1または複数のエリア識別情報(エリアID)を取得し、特定する。サーバ10の認証部1042は、当該エリアIDに基づきエリアテーブル1015のエリアIDの項目を検索し、条件IDを取得する。
この場合、会議に参加するために必要となる資料、文房具、情報端末等をユーザが所持していること、体温等の身体状態等が所定範囲内(発熱等していない状態)であることが、当該ユーザが会議室へ移動するための条件となる。
【0062】
サーバ10の認証部1042は、取得した1または複数の条件IDに基づき、条件テーブル1013の条件IDの項目を検索し、条件種別、条件データを取得する。これにより、サーバ10の認証部1042は、所持物条件、生体条件のいずれか一方、または両方にかかる条件を取得する。
【0063】
ステップS103において、サーバ10の認証部1042は、ユーザが所持している1または複数の物品を特定する1または複数の物品情報を取得する物品情報取得ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の認証部1042は、受信したユーザID2011に基づき所持品テーブル1016のユーザIDの項目を検索し、物品ID、物品種別、物品名の項目を取得する。つまり、サーバ10の認証部1042は、ユーザがどのような物品を所持しているのか、ユーザが所持している物品に関する所持品情報を取得する。
【0064】
ステップS104において、サーバ10の認証部1042は、ユーザの生体状態に関する生体情報を取得する生体情報取得ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の認証部1042は、受信したユーザID2011に基づき状態テーブル1017のユーザIDの項目を検索し、状態データの項目を取得する。つまり、サーバ10の認証部1042は、ユーザの生体状態に関する生体情報を取得する。
【0065】
サーバ10の認証部1042は、ユーザID2011に関連付けられて記憶された所持品情報、生体情報のうち、更新日時において、最新の1の所持品情報、生体情報、または、現在日時(認証処理が実行された日時)から所定期間内の1の所持品情報、生体情報を取得する構成としても良い。
これにより、サーバ10の認証部1042は、認証処理が実行された日時の前後における、ユーザが所持している物品に関する所持品情報、ユーザの生体状態に関する生体情報に基づき、認証処理を実行することができる。サーバ10の認証部1042は、古い所持品情報、古い生体情報に基づく認証処理を避けることができる。
なお、サーバ10の認証部1042は、ユーザの所持品情報、生体情報が取得できなかった場合は、ステップS105において認証を許可しない。
【0066】
ステップS105において、サーバ10の認証部1042は、ステップS102において取得した1または複数の条件ごとに、条件を満たしているか否かを判定し、すべての条件を満たしている場合には認証を許可する。一方、すべての条件を満たしていない場合には認証を許可しない。なお、一部の条件を満たしている場合に、認証を許可する構成としても構わない。
【0067】
ステップS105において、サーバ10の認証部1042は、所持物条件取得ステップにおいて取得した所持物条件および物品情報取得ステップにおいて取得した1または複数の物品情報に基づき、ユーザに対する所定の認証処理を実行する認証ステップを実行する。
認証ステップは、所持物条件と、1または複数の物品情報とを比較し、ユーザが所持すべき物品を所持していると判定した場合に、認証を許可するステップと、ユーザが所持すべき物品を所持していないと判定した場合に、認証を許可しないステップと、を含むステップを実行する。
【0068】
具体的に、サーバ10の認証部1042は、ステップS102において取得した条件が所持物条件である場合には、当該所持物条件とステップS103において取得した所持品情報とを比較する。
例えば、所持物条件の条件データが、「物品IDがM001の物品が2つ」、および、「物品IDがM002の物品が1つ」である場合には、サーバ10の認証部1042は、ステップS103において取得した所持品情報に含まれる物品IDを検索し、ユーザが、物品IDがM001の物品を2つ以上所持しているか、物品IDがM002の物品を1つ以上所持しているか否かを判定する。サーバ10の認証部1042は、ユーザが条件データに規定されている物品を所持していると判定した場合は、認証を許可する。一方、サーバ10の認証部1042は、ユーザが条件データに規定されている物品を所持していないと判定した場合は、認証を許可しない。
同様に、条件データは、物品IDではなく、物品名、物品種別に基づき規定されていても良い。その場合、サーバ10の認証部1042は、ステップS103において取得したユーザが所持している物品の物品名、物品種別と、条件データとを比較することにより、ユーザが条件データに規定されている物品名、物品種別にかかる物品を所持していると判定した場合は、認証を許可する。一方、サーバ10の認証部1042は、ユーザが条件データに規定されている物品名、物品種別にかかる物品を所持していないと判定された場合は、認証を許可しない。
【0069】
ステップS105において、認証ステップは、生体条件取得ステップにおいて取得した生体条件および生体情報取得ステップにおいて取得した生体情報に基づき、ユーザに対する所定の認証処理を実行するステップを実行する。
認証ステップは、生体条件と、生体情報とを比較し、生体情報が生体条件を満たしていると判定した場合に、認証を許可するステップと、生体情報が生体条件を満たしていないと判定した場合に、認証を許可しないステップと、を含むステップを実行する。
【0070】
具体的に、サーバ10の認証部1042は、ステップS102において取得した条件が生体条件である場合には、当該生体条件とステップS104において取得した生体情報とを比較する。
例えば、生体条件の条件データが、「呼気中アルコール濃度がA%以下」である場合には、サーバ10の認証部1042は、ステップS104において取得した生体情報に含まれる呼気中アルコール濃度と比較し、ユーザの呼気中アルコール濃度がA%以下であるか否かを判定する。サーバ10の認証部1042は、ユーザが条件データに規定されている呼気中アルコール濃度であると判定された場合は、認証を許可する。一方、サーバ10の認証部1042は、ユーザが条件データに規定されている呼気中アルコール濃度ではないと判定された場合は、認証を許可しない。
【0071】
なお、サーバ10の認証部1042は、所持物情報、生体情報の取得日時(更新日時)と、現在日時とを比較し、取得日時が現在日時よりも所定期間以上古い場合には、所持物情報、生体情報の内容に関わらず認証を許可しないものとしても良い。例えば、サーバ10の認証部1042は、所持物情報、生体情報が所定期間よりも古いものである場合には、現在のユーザの所持物情報、生体情報ではないため、認証を許可しない。
【0072】
サーバ10の認証部1042は、ユーザID2011、認証結果を、判定テーブル1018のユーザID、認証結果の項目に記憶する。認証結果は、判定された認証許否(許可、不許可)を示す情報、ステップS101の認証開始処理(第一実施形態)において受け付けた装置ID、ステップS101の認証開始処理(第二実施形態)において受け付けたエリアID、を含む。サーバ10の認証部1042は、認証結果を、ユーザ端末20へ送信する。
【0073】
なお、認証結果に、認証を許可しないことを示す情報が含まれている場合には、当該認証結果に、認証が許可されなかった原因、または、認証を許可するために必要な情報を含めても良い。
例えば、ステップS105の判定処理において、サーバ10の認証部1042が、ユーザが所持すべき物品を所持していないと判定した場合に、認証結果に、ユーザが所持すべき物品のうち、ユーザが所持していない1または複数の物品を特定する1または複数の物品情報を含める。
例えば、ステップS105の判定処理において、サーバ10の認証部1042が、生体情報が生体条件を満たしていないと判定した場合に、認証結果に、ユーザが満たすべき生体条件のうち、ユーザが満たしていない生体情報を含める。
【0074】
これにより、ステップS101の認証開始処理(第一実施形態)において、ユーザから所定の装置を操作するための操作リクエストを受け付けた場合において、認証ステップは、操作受付ステップにおいて受け付けた操作リクエストに応じて、ユーザに対する所定の装置の操作に関する認証処理が実行されることになる。
これにより、ステップS101の認証開始処理(第二実施形態)において、ユーザから所定の領域へ移動するための移動リクエストを受け付けた場合において、認証ステップは、移動受付ステップにおいて受け付けた移動リクエストに応じて、ユーザに対して所定の領域へ移動することに関する認証処理が実行されることになる。
【0075】
<認証結果出力処理(第一実施形態)>
ステップS106において、ユーザ端末20の制御部204は、認証ステップにおいて実行された所定の認証処理に関する認証結果を含む画像をディスプレイに出力する結果出力ステップを実行する。
ユーザ端末20の制御部204は、受信した認証結果をユーザ端末20のディスプレイ2081に表示し、ユーザに対して提示する。
例えば、ユーザ端末20の制御部204は、サーバ10から受信した認証結果に認証が許可されたことを示す情報が含まれている場合は、当該認証が許可されたことを示す情報、認証結果に含まれる装置ID、エリアIDがエンコードされたQRコード(登録商標)等の二次元バーコードを生成し、ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示する。
【0076】
ユーザは、ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示された認証結果を、認証端末30のカメラ3061に撮影させる。認証端末30の制御部304は、撮影したQRコード(登録商標)をデコードし、認証結果にかかる情報を取得し特定する。
【0077】
認証結果出力処理(第一実施形態)では、認証処理をユーザ端末20およびサーバ10により予め実行することにより、認証端末30における認証処理の処理時間を短縮することができる。
例えば、認証端末30が所定の部屋への入室を制限するための情報処理端末である場合に、多数のユーザが当該部屋への入室を予定している場合に、それぞれのユーザが、予め自身のユーザ端末20により認証処理を実行する。それぞれのユーザは、ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示された認証結果にかかるQRコード(登録商標)を認証端末30のカメラ3061へ提示するのみで、認証処理を完了させることができる。具体的に、当該部屋へ入室するためのゲートが開放される。このように、本開示にかかる認証サービスにおいては効率的に認証処理を実行させることができる。
【0078】
<認証結果出力処理(第二実施形態)>
ステップS106において、サーバ10の認証部1042は、認証ステップにおいて実行された所定の認証処理に関する認証結果を、コンピュータと異なる外部コンピュータに対して送信する結果送信ステップを実行する。
具体的に、ユーザ端末20の制御部204は、受信した認証結果を、RFIDタグ、Bluetooth(登録商標)、WiFi等の無線通信手段により、認証端末30へ送信する。認証端末30の制御部304は、認証結果にかかる情報を取得し特定する。
【0079】
<認証許可処理>
ステップ106において、認証端末30の制御部304は、取得した認証結果に認証が許可されたことを示す情報が含まれている場合には、当該認証結果に含まれる装置IDに基づき特定される装置の操作を、ユーザに対して許可する。
例えば、認証端末30の制御部304は、ユーザによる当該装置の操作に対する制限を解除する制御を実行する。
例えば、認証端末30の制御部304は、装置がモビリティである場合において、当該モビリティを始動させる制御を実行する。
例えば、認証端末30の制御部304は、装置がモビリティである場合において、当該モビリティを始動させるための鍵を格納する不図示のキーケース等を開放することにより、当該鍵をユーザに対して渡す制御を実行する。ユーザは、当該キーケース等から鍵を受領し、当該モビリティを始動させ、モビリティを運転することができるようになる。
【0080】
認証端末30の制御部304は、取得した認証結果に認証が許可されたことを示す情報が含まれている場合には、当該認証結果に含まれるエリアIDに基づき特定される領域への移動を、ユーザに対して許可する。
例えば、認証端末30の制御部304は、1または複数のエリアIDのそれぞれに関連付けられた所定のゲート3083を開放する制御を実行することにより、ユーザに対して当該ゲート3083の内側(エリアIDに基づき特定される領域の内側)への移動を許可する。
例えば、認証端末30の制御部304は、特定される領域が部屋である場合は、当該部屋へ入室するためのドアの鍵を解錠する。これにより、ユーザは、当該ドアを開くことにより、部屋へ入室することができる。
【0081】
<認証禁止処理>
ステップS106において、サーバ10の認証部1042は、認証ステップにおいて、認証が許可されなかった場合に、ユーザに対して認証が許可されなかった原因、または、認証を許可するために必要な情報を、ユーザに提示する認証提案ステップを実行する。
具体的に、ユーザ端末20の制御部204は、サーバ10から受信した認証結果に認証が許可されたことを示す情報が含まれていない場合は、認証に失敗したことを示すメッセージ等をユーザ端末20のディスプレイ2081に表示することにより、ユーザに認証に失敗したことを通知する。
また、ユーザ端末20の制御部204は、認証結果に含まれる、認証が許可されなかった原因、または、認証を許可するために必要な情報を示すメッセージ等をユーザ端末20のディスプレイ2081に表示する。
これにより、ユーザは自身に対して認証が許可されなかった原因、または、許可されるために必要な条件等を確認することができる。
【0082】
ステップS106において、ユーザ端末20の制御部204は、認証ステップにおいて、認証が許可されなかった場合に、ユーザが所持すべき物品のうち、ユーザが所持していない1または複数の物品を特定する1または複数の物品情報を、ユーザに提示する物品提示ステップを実行する。
具体的に、ユーザ端末20の制御部204は、認証結果に含まれる、ユーザが所持すべき物品のうち、ユーザが所持していない1または複数の物品を特定する1または複数の物品情報を示すメッセージ等をユーザ端末20のディスプレイ2081に表示する。
これにより、ユーザは現在所持していない物品のうち、どのような物品を所持すれば認証の許可を得ることができるのか確認することができる。例えば、ユーザは認証の許可を得るために必要な物品を所持することにより、認証の許可を得ることが出来る。
【0083】
ステップS106において、サーバ10の認証部1042は、認証ステップにおいて、認証が許可されなかった場合に、ユーザが満たすべき生体条件のうち、ユーザが満たしていない生体情報を、ユーザに提示する状態提示ステップを実行する。
具体的に、ユーザ端末20の制御部204は、認証結果に含まれる、ユーザが満たすべき生体条件のうち、ユーザが満たしていない生体情報を示すメッセージ等をユーザ端末20のディスプレイ2081に表示する。
これにより、ユーザはどのような生体情報になれば認証の許可を得ることができるのか確認することができる。例えば、ユーザは認証の許可を得るために必要な生体状態になることにより、認証の許可を得ることが出来る。
【0084】
<コンピュータの基本ハードウェア構成>
図13は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903、通信IF991(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらは通信バス921により相互に電気的に接続される。
【0085】
プロセッサ901とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ901は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0086】
主記憶装置902とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0087】
補助記憶装置903とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0088】
通信IF991とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0089】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0090】
<コンピュータ90の基本機能構成>
コンピュータ90の基本ハードウェア構成(
図13)により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0091】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0092】
制御部は、プロセッサ901が補助記憶装置903に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0093】
記憶部は、主記憶装置902、補助記憶装置903により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ901は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902または補助記憶装置903に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0094】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブル、マスタと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、マスタ、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル、マスタ同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各テーブル、各マスタにはレコードを一意に特定するための主キーとなるカラムが設定されるが、カラムへの主キーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶された特定のテーブル、マスタにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
また、記憶部に、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶させることにより、本開示にかかる情報処理装置、情報処理システムが製造されたものとして捉えることができる。
【0095】
なお、本開示におけるデータベース、マスタは、情報が構造的に規定された任意のデータ構造体(リスト、辞書、連想配列、オブジェクトなど)を含み得る。データ構造体には、データと、任意のプログラミング言語により記述された関数、クラス、メソッドなどを組み合わせることにより、データ構造体と見なし得るデータも含むものとする。
【0096】
通信部は、通信IF991により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0097】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0098】
(付記1)
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに所定の認証処理を実行させる認証プログラムであって、プロセッサが、ユーザが所持すべき物品に関する条件を含む所持物条件を取得する所持物条件取得ステップ(S102)と、ユーザが所持している1または複数の物品を特定する1または複数の物品情報を取得する物品情報取得ステップ(S103)と、所持物条件取得ステップにおいて取得した所持物条件および物品情報取得ステップにおいて取得した1または複数の物品情報に基づき、ユーザに対する所定の認証処理を実行する認証ステップ(S105)と、を実行する認証プログラム。
これにより、ユーザが所持すべき物品を所持しているか否かに応じた認証処理が実行される。
例えば、ユーザが所定の装置を操作する際に、当該操作をするために必要な物品をユーザが所持している場合にのみ、ユーザによる当該所定の装置の操作を許可することができる。
【0099】
(付記2)
認証ステップ(S105)は、所持物条件と、1または複数の物品情報とを比較し、ユーザが所持すべき物品を所持していると判定した場合に、認証を許可するステップと、ユーザが所持すべき物品を所持していないと判定した場合に、認証を許可しないステップと、を含むステップである、付記1記載の認証プログラム。
これにより、ユーザが所持すべき物品を所持している場合には認証が許可され、所持すべき物品を所持していない場合には認証が許可されない。
例えば、ユーザが所定の装置に関する作業を実施する際に、ユーザが当該作業を実施するために必要な物品を所持している場合のみに、ユーザによる当該作業の実施を許可することができる。
【0100】
(付記3)
プロセッサが、認証ステップにおいて、認証が許可されなかった場合に、ユーザが所持すべき物品のうち、ユーザが所持していない1または複数の物品を特定する1または複数の物品情報を、ユーザに提示する物品提示ステップ(S106)と、を実行する、付記2記載の認証プログラム。
これにより、ユーザは現在所持していない物品のうち、どのような物品を所持すれば認証の許可を得ることができるのか確認することができる。
例えば、ユーザは認証の許可を得るために必要な物品を所持することにより、認証の許可を得ることが出来る。
【0101】
(付記4)
所持物条件取得ステップ(S102)は、ユーザが所持すべき1または複数の情報処理端末、1または複数の資料、1または複数の入れ物のうち少なくとも1つを含む所持物条件を取得するステップである、付記2記載の認証プログラム。
例えば、ユーザが所定の領域へ移動する際に、必要となる情報処理端末、資料、入れ物等の物品を所持していない場合には、当該ユーザにより所定の領域への移動を許可しないことができる。
例えば、ユーザが所定の会議への参加を予定している場合において、当該会議へ参加する際に必要となる情報処理端末、資料、鞄等の入れ物を忘れている場合には、当該会議への参加を許可しないことができる。また、忘れ物の内容をユーザに通知し提示することができる。
【0102】
(付記5)
ユーザの生体状態に関する条件を含む生体条件を取得する生体条件取得ステップ(S102)と、ユーザの生体状態に関する生体情報を取得する生体情報取得ステップ(S104)と、を実行し、認証ステップ(S105)は、生体条件取得ステップにおいて取得した生体条件および生体情報取得ステップにおいて取得した生体情報に基づき、ユーザに対する所定の認証処理を実行するステップである、付記1記載の認証プログラム。
これにより、ユーザが所定の生体条件を満たしているか否かに応じた認証処理が実行される。
例えば、ユーザが所定の装置を操作する際に、当該操作をするために健康状態等の生体条件を満たしている場合にのみ、ユーザによる当該所定の装置の操作を許可することができる。
【0103】
(付記6)
認証ステップ(S105)は、生体条件と、生体情報とを比較し、生体情報が生体条件を満たしていると判定した場合に、認証を許可するステップと、生体情報が生体条件を満たしていないと判定した場合に、認証を許可しないステップと、を含むステップである、付記5記載の認証プログラム。
これにより、ユーザが所定の装置を操作する際に、当該操作をするために健康状態等の生体条件を満たしている場合にのみ、ユーザによる当該所定の装置の操作を許可することができる。
【0104】
(付記7)
プロセッサが、認証ステップにおいて、認証が許可されなかった場合に、ユーザが満たすべき生体条件のうち、ユーザが満たしていない生体情報を、ユーザに提示する状態提示ステップ(S106)と、を実行する、付記6記載の認証プログラム。
これにより、ユーザはどのような生体情報になれば認証の許可を得ることができるのか確認することができる。
例えば、ユーザは認証の許可を得るために必要な生体状態になることにより、認証の許可を得ることが出来る。
【0105】
(付記8)
生体条件取得ステップ(S102)は、ユーザの体温、血圧、心拍数、および、呼気中アルコール濃度のうち少なくとも1つを含む生体条件を取得するステップである、付記6記載の認証プログラム。
これにより、ユーザが所定の装置を操作する際に、当該操作をするために健康状態が所定の条件を満たしている場合にのみ、ユーザによる当該所定の装置の操作を許可することができる。
例えば、ユーザの健康状態が当該装置の操作をする安全基準等に達していない場合には、当該ユーザによる当該所定の装置の操作を許可しないことができる。
【0106】
(付記9)
プロセッサが、ユーザから、所定の装置を操作するための操作リクエストを受け付ける操作受付ステップ(S101)と、を実行し、認証ステップ(S105)は、操作受付ステップにおいて受け付けた操作リクエストに応じて、ユーザに対する所定の装置の操作に関する認証処理を実行するステップである、付記1記載の認証プログラム。
これにより、ユーザが所定の装置を操作する際に、当該操作をするために必要な物品をユーザが所持している場合にのみ、ユーザによる当該所定の装置の操作を許可することができる。
例えば、ユーザが所定のライセンスカード、免許証、IDカード等を所持している場合のみ、所定の装置の操作を許可することができる。
【0107】
(付記10)
操作受付ステップ(S101)は、所定の装置を運転するための操作リクエストを受け付けるステップである、付記9記載の認証プログラム。
これにより、ユーザが乗用車、商用車、鉄道、飛行機、ドローン、自転車、自動二輪車等の所定の乗り物を運転する際に、当該運転をするために必要な物品をユーザが所持している場合にのみ、ユーザによる当該所定の乗り物の運転を許可することができる。
例えば、ユーザが所定のライセンスカード、免許証、IDカード等を所持している場合のみ、所定の乗り物の運転を許可することができる。
【0108】
(付記11)
プロセッサが、ユーザから、所定の領域へ移動するための移動リクエストを受け付ける移動受付ステップ(S101)と、を実行し、認証ステップ(S105)は、移動受付ステップにおいて受け付けた移動リクエストに応じて、ユーザに対して所定の領域へ移動することに関する認証処理を実行するステップである、付記1記載の認証プログラム。
これにより、ユーザが所定の領域へ移動する際に、当該所定のエリアへ移動するために必要な物品をユーザが所持している場合にのみ、ユーザによる当該所定の領域への移動を許可することができる。
例えば、ユーザが所定の身分証明書、免許証、IDカード等を所持している場合のみ、所定の領域、居室等への入室、入場を許可することができる。
【0109】
(付記12)
プロセッサが、認証ステップにおいて実行された所定の認証処理に関する認証結果を、コンピュータと異なる外部コンピュータに対して送信する結果送信ステップ(S106)と、を実行する、付記1記載の認証プログラム。
これにより、外部コンピュータは、ユーザに対する認証が許可されたことを受信することができる。例えば、ユーザに対する認証が許可された場合に、外部コンピュータは当該ユーザに対して所定のサービスを提供することができる。
また、ユーザは自身の情報処理端末を用いて自身の認証を行い、当該認証結果を外部コンピュータに送信することにより、外部コンピュータにおける認証処理を省略することができる。例えば、外部コンピュータにおける認証処理にかかる時間等を節約することができ、効率的に認証処理を実行することができる。
【0110】
(付記15)
プロセッサが、認証ステップにおいて実行された所定の認証処理に関する認証結果を含む画像をディスプレイに出力する結果出力ステップ(S106)と、を実行する、付記1記載の認証プログラム。
これにより、ユーザに対する認証結果をディスプレイ等の出力デバイスにより確認することができる。例えば、ユーザは自信の情報処理端末に表示された認証結果を自身で確認することができるとともに、第三者に対して当該認証結果を提示することが可能である。
また、自動車、重機、バス、鉄道等の所定の装置等においては、当該出力された認証結果画面に基づき、当該装置等の運転を当該ユーザに許可しても良い。
【0111】
(付記16)
プロセッサが、認証ステップにおいて、認証が許可されなかった場合に、ユーザに対して当該認証が許可されなかった原因、または、当該認証を許可するために必要な情報を、ユーザに提示する認証提案ステップ(S106)と、を実行する、付記1記載の認証プログラム。
これにより、ユーザは自身に対して認証が許可されなかった原因、または、許可されるために必要な条件等を確認することができる。
【符号の説明】
【0112】
1 システム、10 サーバ、101 記憶部、104 制御部、106 入力装置、108 出力装置、20 ユーザ端末、201 記憶部、204 制御部、206 入力装置、208 出力装置、30 認証端末、301 記憶部、304 制御部、306 入力装置、308 出力装置