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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】人力駆動車用制御装置
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/45 20100101AFI20241126BHJP
【FI】
B62M6/45
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018220195
(22)【出願日】2018-11-26
(65)【公開番号】P2020083042
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-11-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】謝花 聡
【合議体】
【審判長】一ノ瀬 覚
【審判官】高橋 学
【審判官】澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-104277(JP,A)
【文献】特開2017-88155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M6/40-6/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車に取り付けられるモータを制御する制御部を含み、
前記制御部は、
前記人力駆動車に搭乗する搭乗者の身体情報、前記人力駆動車の駆動状態、前記人力駆動車の走行環境、および、前記人力駆動車の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータの推移に応じて前記モータの回生状態を制御し、
前記パラメータを所定の間隔で記録し、記録した記録値の推移に応じて、前記モータの前記回生状態を制御し、
前記パラメータは、人力駆動力に関するものであり、
前記制御部は、所定時間内の前記人力駆動力の平均値が上昇するように前記記録値が推移すると、回生量および回生率の少なくとも1つを増やすように前記モータの前記回生状態を制御する、人力駆動車用制御装置。
【請求項2】
人力駆動車に取り付けられるモータを制御する制御部を含み、
前記制御部は、
前記人力駆動車に搭乗する搭乗者の身体情報、前記人力駆動車の駆動状態、前記人力駆動車の走行環境、および、前記人力駆動車の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータの推移に応じて前記モータの回生状態を制御し、
前記パラメータを所定の間隔で記録し、記録した記録値の推移に応じて、前記モータの前記回生状態を制御し、
前記パラメータは、人力駆動力に関するものであり、
前記制御部は、所定時間内の前記人力駆動力の平均値が下降するように前記記録値が推移すると、回生量および回生率の少なくとも1つを減らすように前記モータの前記回生状態を制御する、人力駆動車用制御装置。
【請求項3】
人力駆動車に取り付けられるモータを制御する制御部を含み、
前記制御部は、
前記人力駆動車に搭乗する搭乗者の身体情報、前記人力駆動車の駆動状態、前記人力駆動車の走行環境、および、前記人力駆動車の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータの推移に応じて前記モータの回生状態を制御し、
前記パラメータを所定の間隔で記録し、記録した記録値の推移に応じて、前記モータの前記回生状態を制御し、
前記パラメータは、人力駆動力に関するものであり、
前記制御部は、所定時間内の前記人力駆動力のピーク値が上昇するように前記記録値が推移すると、回生量および回生率の少なくとも1つを増やすように前記モータの前記回生状態を制御する、人力駆動車用制御装置。
【請求項4】
人力駆動車に取り付けられるモータを制御する制御部を含み、
前記制御部は、
前記人力駆動車に搭乗する搭乗者の身体情報、前記人力駆動車の駆動状態、前記人力駆動車の走行環境、および、前記人力駆動車の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータの推移に応じて前記モータの回生状態を制御し、
前記パラメータを所定の間隔で記録し、記録した記録値の推移に応じて、前記モータの前記回生状態を制御し、
前記パラメータは、人力駆動力に関するものであり、
前記制御部は、所定時間内の前記人力駆動力のピーク値が下降するように前記記録値が推移すると、回生量および回生率の少なくとも1つを減らすように前記モータの前記回生状態を制御する、人力駆動車用制御装置。
【請求項5】
人力駆動車に取り付けられるモータを制御する制御部を含み、
前記制御部は、
前記人力駆動車に搭乗する搭乗者の身体情報、前記人力駆動車の駆動状態、前記人力駆動車の走行環境、および、前記人力駆動車の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータの推移に応じて前記モータの回生状態を制御し、
前記パラメータを所定の間隔で記録し、記録した記録値の推移に応じて、前記モータの前記回生状態を制御し、
所定時間内の前記記録値の平均値が下降したのちに上昇した場合、または、前記所定時間内に前記記録値の平均値が上昇したのちに下降した場合、前記制御部は前記所定時間内の前記記録値の始点値と終点値との差分に応じて前記モータの前記回生状態を制御し、
前記パラメータは、人力駆動力に関する、人力駆動車用制御装置。
【請求項6】
人力駆動車に取り付けられるモータを制御する制御部を含み、
前記制御部は、
前記人力駆動車に搭乗する搭乗者の身体情報、前記人力駆動車の駆動状態、前記人力駆動車の走行環境、および、前記人力駆動車の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータの推移に応じて前記モータの回生状態を制御し、
前記パラメータを所定の間隔で記録し、記録した記録値の推移に応じて、前記モータの前記回生状態を制御し、
所定時間内における前記記録値の始点値が、前記所定時間内の前記記録値の終点値よりも高い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを減らすように前記モータの前記回生状態を制御し、
前記パラメータは、人力駆動力に関する、人力駆動車用制御装置。
【請求項7】
人力駆動車に取り付けられるモータを制御する制御部を含み、
前記制御部は、
前記人力駆動車に搭乗する搭乗者の身体情報、前記人力駆動車の駆動状態、前記人力駆動車の走行環境、および、前記人力駆動車の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータの推移に応じて前記モータの回生状態を制御し、
前記パラメータを所定の間隔で記録し、記録した前記パラメータの推移に応じて、前記モータの前記回生状態を制御し、
前記パラメータは、心拍数、体温、発汗量、走行路の路面勾配、および、走行抵抗の少なくとも1つを含み、
前記制御部は、所定時間内における記録した前記パラメータの始点値が、前記所定時間内の記録した前記パラメータの終点値よりも低い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを減らすように前記モータの前記回生状態を制御する、人力駆動車用制御装置。
【請求項8】
人力駆動車に取り付けられるモータを制御する制御部を含み、
前記制御部は、
前記人力駆動車に搭乗する搭乗者の身体情報、前記人力駆動車の駆動状態、前記人力駆動車の走行環境、および、前記人力駆動車の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータの推移に応じて前記モータの回生状態を制御し、
前記パラメータを所定の間隔で記録し、記録した記録値の推移に応じて、前記モータの前記回生状態を制御し、
所定時間内における前記記録値の始点値と終点値との両方が閾値以上の場合、回生量および回生率の少なくとも1つを第1変化量で変化させ、前記所定時間内における前記記録値の始点値と終点値との両方が、前記閾値未満の場合、回生量および回生率の少なくとも1つを前記第1変化量とは異なる第2変化量で変化させるように前記モータの前記回生状態を制御し、
前記パラメータは、人力駆動力に関する、人力駆動車用制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記パラメータの所定期間における推移に応じて前記モータの前記回生状態を制御する、請求項1から8のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項10】
前記所定期間は、30秒以上である、請求項9に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項11】
前記所定期間は、10分以上である、請求項10に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項12】
前記人力駆動車の駆動状態は、トルク、ケイデンス、および、仕事率の少なくとも1つを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項13】
前記制御部は、1.5秒以下毎の前記パラメータの推移に応じて前記モータの前記回生状態を制御する、請求項1から12のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記人力駆動車に搭乗する搭乗者の身体情報、前記人力駆動車の駆動状態、前記人力駆動車の走行環境、および、前記人力駆動車の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータに応じて、搭乗者によるペダリングの仕事率に対する回生率を制御する、請求項1から13のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されている人力駆動車用制御装置は、1回の使用当たりにおける回生状態に応じて回生制御の制御量を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5479291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、好適に回生状態を制御できる人力駆動車両用制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従う人力駆動車用制御装置は、人力駆動車に取り付けられるモータを制御する制御部を含み、前記制御部は、前記人力駆動車に搭乗する搭乗者の身体情報、前記人力駆動車の駆動状態、前記人力駆動車の走行環境、および、前記人力駆動車の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータの推移に応じて前記モータの回生状態を制御する。
上記第1側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車に搭乗する搭乗者の身体情報、人力駆動車の駆動状態、人力駆動車の走行環境、および、人力駆動車の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータの推移に応じて好適に回生状態を制御できる。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記パラメータの所定期間における推移に応じて前記モータの前記回生状態を制御する。
上記第2側面の人力駆動車用制御装置によれば、パラメータの所定期間における推移に応じて好適に回生状態を制御できる。
【0007】
前記第1または第2側面に従う第3側面の人力駆動車用制御装置において、前記回生状態は、回生量および回生率の少なくとも1つを含む。
上記第3側面の人力駆動車用制御装置によれば、パラメータの推移に応じて回生量および回生率を制御できる。
【0008】
前記第1または第2側面に従う第4側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記パラメータを所定の間隔で記録し、記録した記録値の推移に応じて、前記モータの前記回生状態を制御する。
上記第4側面の人力駆動車用制御装置によれば、パラメータを所定の間隔で記録するため、演算負荷を低減できる。
【0009】
前記第4側面に従う第5側面の人力駆動車用制御装置において、前記パラメータは、人力駆動力に関するものであり、前記制御部は、所定時間内の前記人力駆動力の平均値が上昇するように前記記録値が推移すると、回生量および回生率の少なくとも1つを増やすように前記モータの前記回生状態を制御する。
上記第5側面の人力駆動車用制御装置によれば、所定時間内の人力駆動力の平均値が上昇するように記録値が推移すると、回生量および回生率の少なくとも1つを増やせるため、発電量を増やせる。
【0010】
前記第4側面に従う第6側面の人力駆動車用制御装置において、前記パラメータは、人力駆動力に関するものであり、前記制御部は、所定時間内の前記人力駆動力の平均値が下降するように前記記録値が推移すると、回生量および回生率の少なくとも1つを減らすように前記モータの前記回生状態を制御する。
上記第6側面の人力駆動車用制御装置によれば、所定時間内の人力駆動力の平均値が下降するように記録値が推移すると、回生量および回生率の少なくとも一方を減らせるため、搭乗者の負荷を低減できる。
【0011】
前記第4側面に従う第7側面の人力駆動車用制御装置において、前記パラメータは、人力駆動力に関するものであり、前記制御部は、所定時間内の前記人力駆動力のピーク値が上昇するように前記記録値が推移すると、回生量および回生率の少なくとも1つを増やすように前記モータの前記回生状態を制御する。
上記第7側面の人力駆動車用制御装置によれば、所定時間内の人力駆動力のピーク値が上昇するように記録値が推移すると、回生量および回生率の少なくとも1つを増やせるため、発電量を増やせる。
【0012】
前記第4側面に従う第8側面の人力駆動車用制御装置において、前記パラメータは、人力駆動力に関するものであり、前記制御部は、所定時間内の前記人力駆動力のピーク値が下降するように前記記録値が推移すると、回生量および回生率の少なくとも一方を減らすように前記モータの前記回生状態を制御する。
上記第8側面の人力駆動車用制御装置によれば、所定時間内の人力駆動力のピーク値が下降するように記録値が推移すると、回生量および回生率の少なくとも1つを減らせるため、搭乗者の負荷を低減できる。
【0013】
前記第4側面に従う第9側面の人力駆動車用制御装置において、所定時間内の前記記録値の平均値が下降したのちに上昇した場合、または、前記所定時間内に前記記録値の平均値が上昇したのちに下降した場合、前記制御部は前記所定時間内の前記記録値の始点値と終点値との差分に応じて前記モータの前記回生状態を制御する。
上記第9側面の人力駆動車用制御装置によれば、所定時間内の記録値が上昇および下降する場合、記録値の始点値と終点値との差分に応じて好適に回生状態を制御できる。
【0014】
前記第4側面に従う第10側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、所定時間内における前記記録値の始点値が、前記所定時間内の前記記録値の終点値よりも高い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを減らすように前記モータの前記回生状態を制御する。
上記第10側面の人力駆動車用制御装置によれば、所定時間内の記録値の始点値が終点値よりも高い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを減らせるため、搭乗者の負荷を低減できる。
【0015】
前記第4側面に従う第11側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、所定時間内における前記記録値の始点値が、前記所定時間内の前記記録値の終点値よりも高い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを増やすように前記モータの前記回生状態を制御する。
上記第11側面の人力駆動車用制御装置によれば、所定時間内の記録値の始点値が終点値よりも高い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを増やせるため、発電量を増やせる。
【0016】
前記第4側面に従う第12側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、所定時間内における前記記録値の始点値が、前記所定時間内の前記記録値の終点値よりも低い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを減らすように前記モータの前記回生状態を制御する。
上記第12側面の人力駆動車用制御装置によれば、所定時間内の記録値の始点値が終点値よりも低い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを減らせるため、搭乗者の負荷を低減できる。
【0017】
前記第4側面に従う第13側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、所定時間内における前記記録値の始点値が、前記所定時間内の前記記録値の終点値よりも低い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを増やすように前記モータの前記回生状態を制御する。
上記第13側面の人力駆動車用制御装置によれば、所定時間内の記録値の始点値が終点値よりも低い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを増やせるため、発電量を増やせる。
【0018】
前記第4側面に従う第14側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、所定時間内における前記記録値の始点値と終点値との差分が所定差以内の場合、回生量および回生率の少なくとも1つを変化させないように前記モータの前記回生状態を制御する。
上記第14側面の人力駆動車用制御装置によれば、所定時間内における記録値の始点値と終点値との差分が所定差以内の場合、回生量および回生率の少なくとも1つを変化させないようにモータの回生状態を制御するため、搭乗者が違和感を覚えにくい。
【0019】
前記第4側面に従う第15側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、所定時間内における前記記録値の始点値と終点値との両方が閾値以上の場合、回生量および回生率の少なくとも1つを第1変化量で変化させ、前記所定時間内における前記記録値の始点値と終点値との両方が、前記閾値未満の場合、回生量および回生率の少なくとも1つを前記第1変化量とは異なる第2変化量で変化させるように前記モータの前記回生状態を制御する。
上記第15側面の人力駆動車用制御装置によれば、所定時間内における記録値の始点値と終点値との両方が閾値以上の場合と、所定時間内における記録値の始点値と終点値との両方が閾値未満の場合とのそれぞれの場合において、好適なモータの回生状態の制御を行える。
【0020】
前記第1から第15側面のいずれか1つに従う第16側面の人力駆動車用制御装置において、前記人力駆動車の駆動状態は、トルク、ケイデンス、および、仕事率の少なくとも1つを含む。
上記第16側面の人力駆動車用制御装置によれば、トルク、ケイデンス、および、仕事率の推移に応じて好適に回生状態を制御できる。
【0021】
前記第1、第2、および、第4側面のいずれか1つに従う第17側面の人力駆動車用制御装置において、前記人力駆動車の駆動状態は、仕事率を含み、前記制御部は前記仕事率に対する回生率を調整する。
上記第17側面の人力駆動車用制御装置によれば、仕事率に応じて、好適に回生率を調整できる。
【0022】
前記第1から第17側面のいずれか1つに従う第18側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、1.5秒以下毎の前記パラメータの推移に応じて前記モータの回生状態を制御する。
上記第18側面の人力駆動車用制御装置によれば、1.5秒以下毎のパラメータの推移に応じて、モータの回生状態を好適に制御できる。
【0023】
本発明の第19側面に従う人力駆動車用制御装置は、人力駆動車に取り付けられるモータを制御する制御部を含み、前記制御部は、前記人力駆動車に搭乗する搭乗者の身体情報、前記人力駆動車の駆動状態、前記人力駆動車の走行環境、および、前記人力駆動車の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータに応じて、搭乗者によるペダリングの仕事率に対する回生率を制御する。
上記第19側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車に搭乗する搭乗者の身体情報、人力駆動車の駆動状態、人力駆動車の走行環境、および、人力駆動車の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータに応じて、好適に回生率を制御できる。このため、好適に回生状態を制御できる。
【発明の効果】
【0024】
本開示の人力駆動車両用制御装置は、好適に回生状態を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施形態の人力駆動車用制御装置を含む人力駆動車の側面図。
図2】実施形態の人力駆動車用制御装置の電気的な構成を示すブロック図。
図3図2の制御部によって実行される第1例において回生状態を制御する処理のフローチャート。
図4図2の制御部によって実行される第2例において回生状態を制御する処理のフローチャート。
図5図2の制御部によって実行される第3例において回生状態を制御する処理のフローチャート。
図6図2の制御部によって実行される第4例において回生状態を制御する処理のフローチャート。
図7図2の制御部によって実行される第5例の一例において回生状態を制御する処理のフローチャート。
図8図2の制御部によって実行される第5例の別例において回生状態を制御する処理のフローチャート。
図9図2の制御部によって実行される第6例の一例において回生状態を制御する処理のフローチャート。
図10図2の制御部によって実行される第6例の別例において回生状態を制御する処理のフローチャート。
図11図2の制御部によって実行される第7例の一例において回生状態を制御する処理のフローチャート。
図12図2の制御部によって実行される第7例の別例において回生状態を制御する処理のフローチャート。
図13】第1変形例の制御部によって実行される回生状態を制御する処理のフローチャート。
図14】第2変形例の制御部によって実行される回生状態を制御する処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、その選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、その選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0027】
図1から図12を参照して、実施形態の人力駆動車用制御装置50について説明する。以後、人力駆動車用制御装置50を、単に制御装置50と記載する。制御装置50は、人力駆動車10に設けられる。人力駆動車10は、少なくとも人力駆動力Hによって駆動することができる車両である。人力駆動車10は、車輪の数が限定されず、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する車両も含む。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。自転車は、電気モータによって駆動力が与えられる電動自転車(E-bike)を含む。電動自転車は、電動モータによって車両の推進を補助する電動アシスト自転車を含む。電動自転車は、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施の形態において、人力駆動車10を、2つの車輪を有する自転車として説明する。
【0028】
人力駆動車10は、ホイール12、クランク14、および、車体16を有する。車体16は、フレーム18およびシートポスト20を含む。クランク14には、人力駆動力Hが入力される。クランク14は、フレーム18に対して回転可能なクランク軸14Aと、クランク軸14Aの軸方向の端部にそれぞれ設けられるクランクアーム14Bとを含む。各クランクアーム14Bには、一対のペダル22が個別に連結される。ホイール12は、従動輪12Aおよび駆動輪12Bを含む。駆動輪12Bは、クランク14が回転することによって駆動される。駆動輪12Bは、フレーム18に支持される。クランク14と駆動輪12Bとは、駆動機構24によって連結される。駆動機構24は、クランク軸14Aに結合される第1回転体26を含む。クランク軸14Aと第1回転体26とは、一体に回転するように結合されていてもよく、第1ワンウェイクラッチを介して結合されていてもよい。第1ワンウェイクラッチは、クランク14が前転した場合に、第1回転体26を前転させ、クランク14が後転した場合に、第1回転体26を後転させないように構成される。第1回転体26は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。駆動機構24は、第2回転体28と、連結部材30とをさらに含む。連結部材30は、第1回転体26の回転力を第2回転体28に伝達する。連結部材30は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。
【0029】
第2回転体28は、駆動輪12Bに連結される。第2回転体28は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。第2回転体28と駆動輪12Bとの間には、第2ワンウェイクラッチが設けられていることが好ましい。第2ワンウェイクラッチは、第2回転体28が前転した場合に、駆動輪12Bを前転させ、第2回転体28が後転した場合に、駆動輪12Bを後転させないように構成される。人力駆動車10は、クランク軸14Aの回転速度に対する駆動輪12Bの回転速度の変速比率Bを変更するために用いられる変速機46を含んでいてもよい。変速機46は、例えばフロントディレイラ、リアディレイラおよび内装変速機の少なくとも1つを含む。変速機46は、フロントディレイラのみ、リアディレイラのみ、内装変速機のみ、または、フロントディレイラ、リアディレイラおよび内装変速機のうちの任意の組合せを含んでいてもよい。本実施形態では、第1回転体26および第2回転体28の少なくとも1つは、複数のスプロケットを含む。第1回転体26のみ、第2回転体28のみ、または、第1回転体26および第2回転体28の両方が、複数のスプロケットを含んでいてもよい。本実施形態では、第1回転体26は、1枚のスプロケットを含み、第2回転体28は、複数のスプロケットを含む。ディレイラは、第1回転体26が複数のフロントスプロケットを含む場合、フロントディレイラを含み、第2回転体28が複数のフロントスプロケットを含む場合、リアディレイラを含む。変速機46が内装変速機を含む場合、内装変速機は、例えば、駆動輪12Bのハブに設けられる。
【0030】
人力駆動車10は、前輪および後輪を含む。フレーム18には、フロントフォーク32を介して前輪が取り付けられている。フロントフォーク32にはハンドル部34が取り付けられている。ハンドル部34は、ステム36およびハンドルバー38を含む。フロントフォーク32には、ハンドルバー38がステム36を介して連結されている。以下の実施形態では、後輪を駆動輪12Bとして説明するが、前輪が駆動輪12Bであってもよい。
【0031】
人力駆動車10は、バッテリ40をさらに含む。バッテリ40は、1または複数のバッテリセルを含む。バッテリセルは、充電池を含む。バッテリ40は、人力駆動車10に設けられ、バッテリ40と電気的に接続されている他の電気部品、例えば、制御装置50に電力を供給する。バッテリ40は、制御装置50と有線または無線によって通信可能に接続されている。バッテリ40は、例えば電力線通信(PLC;power line communication)によって制御装置50と通信可能である。バッテリ40は、フレーム18の外部に取り付けられてもよく、少なくとも一部がフレーム18の内部に収容されてもよい。
【0032】
人力駆動車10は、人力駆動車10の推進をアシストするように構成されるモータ42を含む。人力駆動車10は、駆動回路44をさらに含む。駆動回路44は、インバータ回路を含む。モータ42は、駆動回路44と同一のハウジングに設けられることが好ましい。駆動回路44は、バッテリ40からモータ42に供給される電力を制御する。駆動回路44は、制御装置50と有線または無線によって通信可能に接続されている。駆動回路44は、例えばシリアル通信によって制御装置50の制御部52と通信可能である。駆動回路44は、制御装置50に含まれていてもよい。駆動回路44は、制御部52からの制御信号に応じてモータ42を駆動させる。
【0033】
モータ42は、電気モータを含む。モータ42は、ペダル22から後輪までの人力駆動力Hの動力伝達経路、または、前輪に回転を伝達するように設けられる。モータ42は、人力駆動車10のフレーム18、後輪、または、前輪に設けられる。本実施形態では、モータ42は、クランク軸14Aから第1回転体26までの動力伝達経路に結合される。モータ42とクランク軸14Aとの間の動力伝達経路には、クランク軸14Aを人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合にクランク14の回転力によってモータ42が回転しないようにワンウェイクラッチが設けられるのが好ましい。モータ42および駆動回路44が設けられるハウジングには、モータ42および駆動回路44以外の構成が設けられてもよく、例えばモータ42の回転を減速して出力する減速機が設けられてもよい。
【0034】
制御装置50は、人力駆動車10に取り付けられるモータ42を制御する制御部52を含む。制御部52は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部52は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部52は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。制御装置50は、記憶部54をさらに含む。記憶部54には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部54は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。制御部52および記憶部54は、例えばモータ42が設けられるハウジングに設けられる。
【0035】
制御装置50は、好ましくは、クランク回転センサ56、車速センサ58、および、トルクセンサ60をさらに含む。クランク回転センサ56、車速センサ58、および、トルクセンサ60は、モータ42が設けられるハウジングの内部に設けられてもよく、外部に設けられてもよい。クランク回転センサ56、車速センサ58、および、トルクセンサ60の少なくとも1つは、制御装置50に含まれなくてもよい。
【0036】
クランク回転センサ56は、人力駆動車10のクランク14の回転速度Nを検出するために用いられる。クランク回転センサ56は、例えば人力駆動車10のフレーム18またはモータ42が設けられるハウジングに取り付けられる。クランク回転センサ56は、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石が、クランク軸14Aまたはクランク軸14Aから第1回転体26までの間の動力伝達経路に設けられる。クランク回転センサ56は、制御部52と有線または無線によって通信可能に接続されている。クランク回転センサ56は、クランク14の回転速度Nに応じた信号を制御部52に出力する。クランク回転センサ56は、クランク軸14Aから第1回転体26までの人力駆動力Hの動力伝達経路において、クランク軸14Aと一体に回転する部材に設けられてもよい。例えば、クランク回転センサ56は、クランク軸14Aと第1回転体26との間に第1ワンウェイクラッチが設けられない場合、第1回転体26に設けられてもよい。クランク回転センサ56は、人力駆動車10の走行速度Vを検出するために用いられてもよい。この場合、制御部52は、クランク回転センサ56によって検出されるクランク14の回転速度Nと、変速比率Bとに応じて、駆動輪12Bの回転速度を演算して、人力駆動車10の走行速度Vを検出する。変速比率Bに関する情報は、記憶部54に予め記憶されている。
【0037】
人力駆動車10に変速比率Bを変更するための変速機46が設けられる場合、制御部52は、人力駆動車10の走行速度Vと、クランク14の回転速度Nとに応じて、変速比率Bを演算してもよい。この場合、駆動輪12Bの周長、駆動輪12Bの直径、または、駆動輪12Bの半径に関する情報が記憶部54に予め記憶されている。制御装置50は、変速センサを含んでいてもよい。変速センサは、例えば、変速機46に設けられる。変速センサは、変速機46の現在の変速ステージを検出する。変速センサは、制御部52に電気的に接続されている。変速ステージと変速比率Bとの関係は、記憶部54に予め記憶されている。制御部52は、変速センサの検出結果から、現在の変速比率Bを検出することができる。制御部52は、駆動輪12Bの回転速度を変速比率Bで除算することによって、クランク14の回転速度Nを演算できる。この場合、車速センサ58および変速センサをクランク回転センサ56として用いてもよい。変速センサは、変速機46ではなく、変速操作部に設けられてもよく、変速ワイヤに設けられてもよい。
【0038】
車速センサ58は、ホイール12の回転速度を検出するために用いられる。車速センサ58は、有線または無線によって制御部52と電気的に接続されている。車速センサ58は、制御部52と有線または無線によって通信可能に接続されている。車速センサ58は、ホイール12の回転速度に応じた信号を制御部52に出力する。制御部52は、ホイール12の回転速度に基づいて人力駆動車10の走行速度Vを演算する。制御部52は、走行速度Vが所定値以上になると、モータ42を停止する。所定値は、例えば時速25Km、または、時速45Kmである。車速センサ58は、例えば、リードスイッチを構成する磁性体リード、または、ホール素子を含む。車速センサ58は、フレーム18のチェーンステイに取り付けられ、後輪に取り付けられる磁石を検出する構成としてもよく、フロントフォーク32に設けられ、前輪に取り付けられる磁石を検出する構成としてもよい。別の例では、車速センサ58は、GPS(Global Positioning System)受信部を含む。制御部52は、GPS受信部によって取得したGPS情報と、記憶部54に予め記録されている地図情報と、時間とに応じて、人力駆動車10の走行速度Vを検出してもよい。制御部52は、時間を計るためのタイマを含むことが好ましい。
【0039】
トルクセンサ60は、人力駆動力HのトルクTHを検出するために用いられる。トルクセンサ60は、例えば、モータ42が設けられるハウジングに設けられる。トルクセンサ60は、クランク14に入力される人力駆動力HのトルクTHを検出する。トルクセンサ60は、例えば、動力伝達経路に第1ワンウェイクラッチが設けられる場合、第1ワンウェイクラッチよりも上流側に設けられる。トルクセンサ60は、歪センサまたは磁歪センサなどを含む。歪センサは、歪ゲージを含む。トルクセンサ60が歪センサを含む場合、歪センサは、好ましくは、動力伝達経路に含まれる回転体の外周部に設けられる。トルクセンサ60は、無線または有線の通信部を含んでいてもよい。トルクセンサ60の通信部は、制御部52と通信可能に構成される。
【0040】
制御部52は、例えば、人力駆動力Hに対するモータ駆動力が所定のアシスト比率Aになるように、モータ42を制御する。制御部52は、例えば、人力駆動車10の人力駆動力HのトルクTHに対する、モータ42によるモータ駆動力の出力トルクTMが所定のアシスト比率Aになるように、モータ42を制御してもよい。制御部52は、例えば、人力駆動力Hに対するモータ駆動力のアシスト比率Aの異なる複数の動作モードから選択される1つの動作モードでモータ42を制御する。人力駆動車10の人力駆動力HのトルクTHに対するモータ42の出力トルクTMのトルク比率ATを、アシスト比率Aと記載する場合がある。制御部52は、例えば、人力駆動力Hの仕事率WH(ワット)に対して、モータ42の仕事率WX(ワット)が所定のアシスト比率Aになるように、モータ42を制御してもよい。人力駆動車10の人力駆動力Hの仕事率WHに対するモータ駆動力の仕事率WXの比率AWを、アシスト比率Aと記載する場合がある。人力駆動力Hの仕事率WHは、人力駆動力Hとクランク14の回転速度Nとの乗算によって算出される。モータ42の出力が減速機を介して人力駆動力Hの動力経路に入力される場合は、減速機の出力を、モータ駆動力とする。制御部52は、人力駆動力Hの仕事率WHまたはトルクTHに応じて、制御指令をモータ42の駆動回路44に出力する。制御指令は、例えばトルク指令値を含む。
【0041】
制御部52は、モータ駆動力の上限値が所定値以下になるようにモータ42を制御する。制御部52は、例えば、上限値の異なる複数の動作モードから選択される1つの動作モードでモータ42を制御する。モータ駆動力は、モータ42の出力トルクTMを含む。モータ駆動力は、モータ42の仕事率WXを含んでいてもよい。この場合、制御部52は、モータ42の仕事率WXが所定値WX1以下になるようにモータ42を制御する。所定値WX1は、一例では、500ワットである。所定値WX1は、別の例では、300ワットである。制御部52は、トルク比率ATが所定トルク比率AT1以下になるようにモータ42を制御してもよい。所定トルク比率AT1は、一例では、300%である。所定トルク比率AT1は、一例では、200%である。
【0042】
複数の動作モードのそれぞれにおいて、アシスト比率Aおよびモータ駆動力の上限値の少なくとも1つが異なっていてもよい。複数の動作モードのそれぞれにおいて、アシスト比率Aのみ、上限値のみ、または、アシスト比率Aおよび上限値の両方が異なっていてもよい。この場合、制御部52は、モータ駆動力が選択されているモータ42の動作モードにおいて規定されるアシスト比率A以下、かつ、所定値以下になるようにモータ42を制御する。
【0043】
複数の動作モードは、例えば、アシスト比率Aが最大の最大動作モード、アシスト比率Aが最小の最小動作モード、および、アシスト比率Aが最大動作モードよりも小さくかつ最小動作モードよりも大きい中間動作モードを含む。複数の動作モードは、例えば、所定値が最大の最大動作モード、所定値が最小の最小動作モード、および、所定値が最大動作モードよりも小さくかつ最小動作モードよりも大きい中間動作モードを含んでいてもよい。複数の動作モードは、アシスト比率Aの異なる複数の中間動作モードを含んでいてもよく、中間動作モードを含んでいなくてもよい。制御部52は、動作モードを複数の動作モードのうちの1つから他の1つに変更する場合、各動作モードに規定されるアシスト比率Aおよび上限値の少なくとも1つが段階的に大きくなるように、または、段階的に小さくなるように変更することが好ましい。
【0044】
制御部52は、モータ42を回生状態にする回生モードを含む。人力駆動車10は、回生モードにおいて、回生量および回生率の少なくとも1つを変更可能に構成される。制御部52は、モータ42の回生によって生じた電力をバッテリ40に充電する。制御装置50は、搭乗者が回生モードを選択するための操作部を含んでいてもよい。制御部52は、回生モードへの切り替え条件が成立した場合、回生モードに切り替えるようにしてもよい。回生モードへの切り替え条件は、例えば、バッテリ40の残量が所定量以下であることが含まれる。
【0045】
例えば、制御部52は、回生モードにおいて、モータ42によって人力駆動車10の推進をアシストするアシスト状態の時間とモータ42を回生状態にする時間との比率を変更することによって、回生量およびトルクTHまたは仕事率WHに対する回生率を変更する。例えば、制御部52は、アシスト状態の時間に対するモータ42を回生状態にする時間の比率を長くすることによって、回生量および回生率を増やす。例えば、制御部52は、回生モードにおいて、アシスト状態とモータ42の回生状態とを人力駆動力HのトルクTHまたは仕事率WHによって切り替え、アシスト状態とモータ42の回生状態とを切り替えるトルクTHまたは仕事率WHを変更することによって、回生量および回生率を変更する。例えば、制御部52は、トルクTHまたは仕事率WHが第1値以下になった場合、アシスト状態からモータ42の回生状態へ切り替え、第1値を大きくすることによって、回生量および回生率を増やす。第1値は、ゼロ以下の値を選択することもできる。
【0046】
回生量は、ホイール12の所定回転量あたりの電力の発生量であってもよく、第1時間あたりの電力の発生量であってもよい。回生率は、ホイール12が所定量回転する期間に対する電力の発生期間の比率、または、第1時間に対する電力の発生時間の比率であってもよい。
【0047】
制御部52は、回生状態において、バッテリ40の充電に代えてまたは加えて、モータ42以外の電気コンポーネントへの電力の供給を行ってもよい。電気コンポーネントは、例えば、ランプ、または、制動装置を含む。
【0048】
制御部52は、人力駆動車10に搭乗する搭乗者の身体情報、人力駆動車10の駆動状態、人力駆動車10の走行環境、および、人力駆動車10の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータPの推移に応じてモータ42の回生状態を制御する。
【0049】
パラメータPの推移は、パラメータPのピーク値の推移、パラメータPの平均値の推移、パラメータPの微分値の推移、および、パラメータPの積分値の推移の少なくとも1つを含む。
【0050】
搭乗者の身体情報に関するパラメータPは、心拍数、体温、発汗量、呼吸頻度、および、体重の少なくとも1つを含む。制御部52が、搭乗者の身体情報に関するパラメータPの推移に応じてモータ42の回生状態を制御する場合、制御装置50は、搭乗者の身体情報を検出する第1検出部62を含むことが好ましい。
【0051】
第1検出部62は、搭乗者の身体情報に関するパラメータPが心拍数を含む場合、例えば、心拍センサを含む。心拍センサは、例えば、人力駆動車10のハンドルバー38に設けられて、搭乗者の心拍を検出する。心拍センサは、搭乗者の身体に装着可能に構成されて、制御部52に検出結果を送信するようにしてもよい。
【0052】
第1検出部62は、搭乗者の身体情報に関するパラメータPが体温を含む場合、例えば、温度センサを含む。温度センサは、例えば、人力駆動車10のハンドルバー38に設けられて、搭乗者の体温を検出する。温度センサは、搭乗者の身体に装着可能に構成されて、制御部52に検出結果を送信するようにしてもよい。
【0053】
第1検出部62は、搭乗者の身体情報に関するパラメータPが発汗量を含む場合、例えば、水分量センサを含む。水分量センサは、例えば、人力駆動車10のハンドルバー38に設けられて、搭乗者の手の水分量を検出する。水分量センサは、搭乗者の身体に装着可能に構成されて、制御部52に検出結果を送信するようにしてもよい。
【0054】
第1検出部62は、搭乗者の身体情報に関するパラメータPが呼吸頻度を含む場合、例えば、呼気センサを含む。呼気センサは、例えば、人力駆動車10の搭乗者の顔に設けられて、搭乗者の呼気を検出する。
【0055】
第1検出部62は、搭乗者の身体情報に関するパラメータPが体重を含む場合、例えば、荷重センサを含む。荷重センサは、例えば、搭乗者の体重を検出する。荷重センサは、例えば、シートポスト20、サドル、クランク14、クランクアーム14B、ペダル22の少なくとも1つに設けられる。荷重センサが複数個所に設けられる場合、制御部52は、各荷重センサによって検出された荷重の合算値を搭乗者の体重として用いることができる。
【0056】
人力駆動車10の駆動状態は、トルクTH、ケイデンスC、および、仕事率WHの少なくとも1つを含む。制御部52が、人力駆動車10の駆動状態に関するパラメータPの推移に応じてモータ42の回生状態を制御する場合、制御装置50は、人力駆動車10の駆動状態を検出する第2検出部64を含むことが好ましい。
【0057】
第2検出部64は、人力駆動車10の駆動状態に関するパラメータPがトルクTHを含む場合、例えば、トルクセンサを含む。第2検出部64のトルクセンサは、トルクセンサ60と同様に構成される。第2検出部64のトルクセンサは、トルクセンサ60と各別に設けられてもよく、トルクセンサ60を第2検出部64のトルクセンサとして用いてもよい。
【0058】
第2検出部64は、人力駆動車10の駆動状態に関するパラメータPがケイデンスCを含む場合、例えば、クランク回転センサを含む。第2検出部64のクランク回転センサは、クランク回転センサ56と同様に構成される。第2検出部64のクランク回転センサは、クランク回転センサ56と各別に設けられてもよく、クランク回転センサ56を第2検出部64のクランク回転センサとして用いてもよい。ケイデンスCは、クランク14の回転速度Nに相当する。
【0059】
第2検出部64は、人力駆動車10の駆動状態に関するパラメータPが仕事率WHを含む場合、例えば、クランク回転センサおよびトルクセンサを含む。第2検出部64のクランク回転センサは、クランク回転センサ56と同様に構成され、第2検出部64のトルクセンサは、トルクセンサ60と同様に構成される。第2検出部64は、トルクTHおよびケイデンスCのそれぞれを制御部52に出力するようにしてもよく、トルクTHおよびケイデンスCを乗算した人力駆動力Hの仕事率WHを制御部52に出力するようにしてもよい。
【0060】
人力駆動車10の走行環境に関するパラメータPは、天候に関するパラメータP、気温、時刻に関するパラメータP、走行路の路面勾配、および、走行抵抗の少なくとも1つを含む。制御部52が、人力駆動車10の走行環境に関するパラメータPの推移に応じてモータ42の回生状態を制御する場合、制御装置50は、人力駆動車10の走行環境を検出する第3検出部66を含むことが好ましい。
【0061】
第3検出部66は、人力駆動車10の走行環境に関するパラメータPが気温を含む場合、例えば、温度計を含む。
【0062】
第3検出部66は、人力駆動車10の走行環境に関するパラメータPが天候に関するパラメータPを含む場合、無線通信装置を含むことが好ましい。無線通信装置は、例えば、インターネットと通信可能に構成され、インターネット上の天候情報を取得する。天候に関するパラメータPは、例えば、照度および湿度の少なくとも1つを含む。天候に関するパラメータPは、天候に応じて設定される値であってもよい。例えば、天候に応じて設定される値は、例えば、雨は3、曇りは2、晴れは1が設定される。第3検出部66は、天候に関するパラメータPを出力してもよい。制御部52は、第3検出部66の出力に応じて、パラメータPを設定してもよい。
【0063】
第3検出部66は、人力駆動車10の走行環境に関するパラメータPが時刻に関するパラメータPを含む場合、時計を含むことが好ましい。時刻に関するパラメータPは、時刻ごとに設定される値であってもよい。時刻に応じて設定される値は、例えば、夜間が3、昼間は1が設定される。第3検出部66は、時刻に関するパラメータPを出力してもよい。制御部52は、第3検出部66の出力に応じて、パラメータPを設定してもよい。
【0064】
第3検出部66は、人力駆動車10の走行環境に関するパラメータPが走行路の路面勾配を含む場合、例えば、傾斜センサを含む。傾斜センサは、例えば、ジャイロセンサを含む。傾斜センサは、例えば、人力駆動車10のピッチ角度を検出する。
【0065】
人力駆動車10の走行状態は、人力駆動車10の走行速度V、および、人力駆動車10の姿勢の少なくとも1つを含む。制御部52が、人力駆動車10の走行状態に関するパラメータPの推移に応じてモータ42の回生状態を制御する場合、制御装置50は、人力駆動車10の走行状態を検出する第4検出部68を含むことが好ましい。
【0066】
第4検出部68は、人力駆動車10の走行状態に関するパラメータPが走行速度Vを含む場合、例えば、車速センサを含む。第4検出部68の車速センサは、車速センサ58と同様に構成される。第4検出部68の車速センサは、車速センサ58と各別に設けられてもよく、車速センサ58を第4検出部68の車速センサとして用いてもよい。
【0067】
第4検出部68は、人力駆動車10の走行状態に関するパラメータPが人力駆動車10の姿勢を含む場合、例えば、傾斜センサを含む。傾斜センサは、例えば、ジャイロセンサを含む。傾斜センサは、例えば、人力駆動車10のピッチ角度を検出する。
【0068】
制御部52は、第1検出部62、第2検出部64、第3検出部66、または、第4検出部68によって検出された値をパラメータPとして用いてもよく、第1検出部62、第2検出部64、第3検出部66、または、第4検出部68によって検出された値に演算処理を行った値をパラメータPとして用いてもよい。演算処理は、微分処理、積分処理、2つ以上のパラメータPを用いた演算処理、および、パラメータP以外のパラメータを用いた演算処理の少なくとも1つが含まれる。
【0069】
制御部52は、パラメータPの所定期間における推移に応じてモータ42の回生状態を制御する。所定期間は、例えば、1時間、30分、15分、または、10分にすることができる。所定期間を10分以上にすることによって、比較的長期間におけるパラメータPの推移に応じた回生状態の制御を行うことができる。所定期間は、例えば、5分、3分、1分、または、30秒にすることもできる。所定期間を5分以下にすることによって、比較的短期間におけるパラメータPの推移に応じた回生状態の制御を行うことができる。制御部52は、30秒以上のパラメータPの推移に応じて回生状態を制御するため、瞬間的なパラメータPの変化によって回生状態の変更が頻繁に行われることを抑制できる。
【0070】
制御部52は、1.5秒以下毎のパラメータPの推移に応じてモータ42の回生状態を制御することが好ましい。この場合、第1検出部62、第2検出部64、第3検出部66、または、第4検出部68のサンプリング周期が、1.5秒以下であることが好ましい。第1検出部62、第2検出部64、第3検出部66、または、第4検出部68のサンプリング周期は、1.5秒以上であってもよい。制御部52は、1秒以下、0.5秒以下、0.1秒以下、または、0.01秒以下毎のパラメータPの推移に応じてモータ42の回生状態を制御してもよい。制御部52は、第1検出部62、第2検出部64、または、第4検出部68のサンプリング周期毎に検出されたパラメータPの推移に応じてモータ42の回生状態を制御してもよい。制御部52は、第1検出部62、第2検出部64、第3検出部66、または、第4検出部68のサンプリング周期以下毎のパラメータPの推移に応じたモータ42の回生状態を制御することが好ましい。第1検出部62、第2検出部64、第3検出部66、または、第4検出部68のサンプリング周期は、クランク14の回転位相に応じた周期であってもよい。例えば、第1検出部62、第2検出部64、第3検出部66、または、第4検出部68は、クランクアーム14Bが所定位相にある場合にサンプリングを行う。所定位相は、例えば、上死点と下死点との中間位相である。
【0071】
制御部52は、パラメータPを所定の間隔で記録し、記録した記録値Rの推移に応じて、モータ42の回生状態を制御することが好ましい。この場合、記憶部54に記録される記録値Rは、離散値である。具体的には、制御部52は、第1検出部62、第2検出部64、第3検出部66、または、第4検出部68によって検出されたパラメータPを、記憶部54に記録値Rとして記録する。所定の間隔は、第1検出部62、第2検出部64、または、第4検出部68のサンプリング周期であることが好ましい。所定の間隔は、第1検出部62、第2検出部64、または、第4検出部68のサンプリング周期よりも長くてもよい。第1検出部62、第2検出部64、第3検出部66、または、第4検出部68のサンプリング周期がクランク14の回転位相に応じた周期である場合、制御部52は、第1検出部62、第2検出部64、第3検出部66、または、第4検出部68の検出値のうちの、クランク14の回転位相が所定位相を含む所定範囲にある場合の検出値を抽出して記録値Rとして記憶部54に記憶してもよい。
【0072】
回生状態は、回生量および回生率の少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0073】
制御部52は、例えば、以下の第1例から第7例のようにパラメータPの推移に応じてモータ42の回生状態を制御する。制御部52は、第1例から第7例のうちの2つ以上を実行してもよい。第1例から第7例におけるパラメータPは、人力駆動車10に搭乗する搭乗者の身体情報、人力駆動車10の走行環境、および、人力駆動車10の走行状態の少なくとも1つに関するものであってもよい。第1例から第7例におけるパラメータPは、トルクTH、ケイデンスC、および、仕事率WHの少なくとも1つに関するものであってもよい。
【0074】
第1例では、パラメータPは、人力駆動力Hに関するものであり、制御部52は、所定時間T内の人力駆動力Hの平均値AHが上昇するように記録値Rが推移すると、回生量および回生率の少なくとも1つを増やすようにモータ42の回生状態を制御する。人力駆動力Hの平均値AHは、例えば、仕事率WHの平均値を含む。制御部52は、所定時間T内に記録された人力駆動力Hの記録値Rを合算した数値を、所定時間T内に含まれる記録値Rの数で除算することによって、人力駆動力Hの記録値Rの平均値AHを算出する。所定時間T内に含まれる記録値Rの数は、2よりも大きいことが好ましい。例えば、制御部52は、第1時刻から第2時刻までの第1平均値AH11よりも、第2時刻から第3時刻までの第2平均値AH12が大きい場合、所定時間T内の人力駆動力Hの平均値AHが上昇するように記録値Rが推移したと判定する。第1時刻から第2時刻までの時間は所定時間Tであり、第2時刻から第3時刻までの時間は所定時間Tである。平均値AHは、所定時間T内の移動平均値であってもよい。平均値AHが所定時間T内の移動平均値である場合、例えば、制御部52は、第4時刻から第5時刻までの第1移動平均値AH21よりも、第4時刻と第5時刻との間の第6時刻から第7時刻までの第2移動平均値AH22が大きい場合、所定時間T内の人力駆動力Hの平均値AHが上昇するように記録値Rが推移したと判定する。第4時刻から第5時刻までの時間は所定時間Tであり、第6時刻から第7時刻までの時間は所定時間Tである。制御部52が時間的に連続する複数の平均値AHを用いてモータ42の回生状態を制御する場合、所定期間は、時間的に連続する複数の平均値AHを算出するための所定時間Tの合計に相当する。例えば、平均値AHが所定時間T内の平均値であり、かつ、上述の第1平均値AH11および第2平均値AH12を用いてモータ42の回生状態を制御する場合、所定期間は、第1時刻から第3時刻までの時間に相当する。例えば、平均値AHが所定時間T内の移動平均値であり、かつ、上述の第1移動平均値AH21および第2移動平均値AH22を用いてモータ42の回生状態を制御する場合、所定期間は、第4時刻から第7時刻までの時間に相当する。
【0075】
制御部52は、3つ以上の平均値AHを用いて平均値AHが上昇するよう記録値Rが推移したか否かを判定してもよい。制御部52は、3つ以上の平均値AHを用いて平均値AHが上昇するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、判定に用いる平均値AHのうちの最も古い記録値Rを含む平均値AHよりも最も新しい記録値Rを含む平均値AHが大きい場合、平均値AHが上昇するよう記録値Rが推移したと判定してもよい。制御部52は、3つ以上の平均値AHを用いて平均値AHが上昇するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、判定に用いる平均値AHが1つ前の平均値AHよりも常に大きい場合、平均値AHが上昇するよう記録値Rが推移したと判定してもよい。制御部52は、3つ以上の平均値AHを用いて平均値AHが上昇するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、1つ前の平均値AHよりも大きい平均値HAの数が、1つ前の平均値AH以下の平均値HAの数よりも多い場合、平均値AHが上昇するよう記録値Rが推移したと判定してもよい。制御部52は、3つ以上の平均値AHを用いて平均値AHが上昇するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、各平均値AHの変化に応じて、回生量および回生率の少なくとも1つの変化量を変更してもよい。例えば、判定に用いる平均値AHのうちの最も古い記録値Rを含む平均値AHよりも最も新しい記録値Rを含む平均値AHが大きく、かつ、判定に用いる平均値AHに1つ前の平均値AHよりも小さい平均値HAが含まれる場合と、判定に用いる平均値AHのうちの最も古い記録値Rを含む平均値AHよりも最も新しい記録値Rを含む平均値AHが大きく、かつ、判定に用いる平均値AHに1つ前の平均値AHよりも小さい平均値HAが含まれない場合とで、回生量および回生率の少なくとも1つの増加量を異ならせる。
【0076】
制御部52は、平均値AHが上昇した場合、回生量および回生率の少なくとも1つを所定量上昇させるようにモータ42の回生状態を制御してもよい。この場合、制御部52は、平均値AHが、前回の演算周期において判定した平均値AHよりも第1所定値DAH1以上増えた場合、平均値AHが上昇したと判定してもよい。
【0077】
制御部52は、平均値AHが上昇した場合の平均値AHの大きさと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けた第1情報に応じて、モータ42の回生状態を制御してもよい。第1情報は、例えば、記憶部54に記憶される。第1情報は、例えば、平均値AHの大きさと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けたテーブル、マップ、および、関係式の少なくとも1つを含む。第1情報を用いる場合、制御部52は、平均値AHが、前回の演算周期において判定した平均値AHよりも第1所定値DAH1以上増えた場合、平均値AHが上昇したと判定してもよい。
【0078】
制御部52は、平均値AHの上昇量と回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けた第2情報に応じて、モータ42の回生状態を制御してもよい。第2情報は、例えば、記憶部54に記憶される。第2情報は、例えば、平均値AHの上昇量と回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けたテーブル、マップ、および、関係式の少なくとも1つを含む。
【0079】
図3を参照して、第1例においてモータ42の回生状態を制御する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図3に示すフローチャートのステップS11に移行する。制御部52は、図3のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS11からの処理を繰り返す。
【0080】
制御部52は、ステップS11において、所定時間T内の人力駆動力Hの平均値AHが上昇したか否かを判定する。制御部52は、所定時間T内の人力駆動力Hの平均値AHが上昇していない場合、処理を終了する。制御部52は、所定時間T内の人力駆動力Hの平均値AHが上昇した場合、ステップS12に移行する。制御部52は、ステップS12において、回生量および回生率の少なくとも1つを増やし、処理を終了する。
【0081】
第2例では、パラメータPは、人力駆動力Hに関するものであり、制御部52は、所定時間T内の人力駆動力Hの平均値AHが下降するように記録値Rが推移すると、回生量および回生率の少なくとも1つを減らすようにモータ42の回生状態を制御する。例えば、制御部52は、第1時刻から第2時刻までの第1平均値AH11よりも、第2時刻から第3時刻までの第2移動平均値AH22が小さい場合、所定時間T内の人力駆動力Hの平均値AHが下降するように記録値Rが推移したと判定する。平均値AHが所定時間T内の移動平均値である場合、例えば、制御部52は、第4時刻から第5時刻までの第1移動平均値AH21よりも、第6時刻から第7時刻までの第2移動平均値AH22が小さい場合、所定時間T内の人力駆動力Hの平均値AHが下降するように記録値Rが推移したと判定する。
【0082】
制御部52は、3つ以上の平均値AHを用いて平均値AHが下降するよう記録値Rが推移したか否かを判定してもよい。制御部52は、3つ以上の平均値AHを用いて平均値AHが下降するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、判定に用いる平均値AHのうちの最も古い記録値Rを含む平均値AHよりも最も新しい記録値Rを含む平均値AHが小さい場合、平均値AHが下降するよう記録値Rが推移したと判定してもよい。制御部52は、3つ以上の平均値AHを用いて平均値AHが下降するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、判定に用いる平均値AHが1つ前の平均値AHよりも常に小さい場合、平均値AHが下降するよう記録値Rが推移したと判定してもよい。制御部52は、3つ以上の平均値AHを用いて平均値AHが下降するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、1つ前の平均値AHよりも小さい平均値HAの数が、1つ前の平均値AH以上の平均値HAの数よりも多い場合、平均値AHが下降するよう記録値Rが推移したと判定してもよい。制御部52は、3つ以上の平均値AHを用いて平均値AHが下降するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、各平均値AHの変化に応じて、回生量および回生率の少なくとも1つの変化量を変更してもよい。例えば、判定に用いる平均値AHのうちの最も古い記録値Rを含む平均値AHよりも最も新しい記録値Rを含む平均値AHが小さく、かつ、判定に用いる平均値AHに1つ前の平均値AHよりも大きい平均値HAが含まれる場合と、判定に用いる平均値AHのうちの最も古い記録値Rを含む平均値AHよりも最も新しい記録値Rを含む平均値AHが小さく、かつ、判定に用いる平均値AHに1つ前の平均値AHよりも大きい平均値HAが含まれない場合とで、回生量および回生率の少なくとも1つの減少量を異ならせる。
【0083】
制御部52は、平均値AHが下降した場合、回生量および回生率の少なくとも1つを所定量減らすようにモータ42の回生状態を制御してもよい。この場合、制御部52は、平均値AHが、前回の演算周期において判定した平均値AHよりも第2所定値DAH2以上減った場合、平均値AHが下降したと判定してもよい。
【0084】
制御部52は、平均値AHが下降した場合の平均値AHの大きさと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けた第3情報に応じて、モータ42の回生状態を制御してもよい。第3情報は、例えば、記憶部54に記憶される。第3情報は、例えば、平均値AHの大きさと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けたテーブル、マップ、および、関係式の少なくとも1つを含む。第3情報を用いる場合、制御部52は、平均値AHが、前回の演算周期において判定した平均値AHよりも第2所定値DAH2以上減った場合、平均値AHが下降したと判定してもよい。
【0085】
制御部52は、平均値AHの下降量と回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けた第4情報に応じて、モータ42の回生状態を制御してもよい。第4情報は、例えば、記憶部54に記憶される。第4情報は、例えば、平均値AHの下降量と回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けたテーブル、マップ、および、関係式の少なくとも1つを含む。
【0086】
図4を参照して、第2例においてモータ42の回生状態を制御する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図4に示すフローチャートのステップS21に移行する。制御部52は、図4のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS21からの処理を繰り返す。
【0087】
制御部52は、ステップS21において、所定時間T内の人力駆動力Hの平均値AHが下降したか否かを判定する。制御部52は、所定時間T内の人力駆動力Hの平均値AHが下降していない場合、処理を終了する。制御部52は、所定時間T内の人力駆動力Hの平均値AHが下降した場合、ステップS22に移行する。制御部52は、ステップS22において、回生量および回生率の少なくとも1つを減らし、処理を終了する。
【0088】
第3例では、パラメータPは、人力駆動力Hに関するものであり、制御部52は、所定時間T内の人力駆動力Hのピーク値PHが上昇するように記録値Rが推移すると、回生量および回生率の少なくとも1つを増やすようにモータ42の回生状態を制御する。人力駆動力Hのピーク値PHは、例えば、仕事率WHのピーク値を含む。制御部52は、所定時間T内に記録された人力駆動力Hの記録値Rのうちの、最も大きい値をピーク値PHとして選択する。
【0089】
制御部52は、ピーク値PHが上昇した場合、回生量および回生率の少なくとも1つを所定量上昇させるようにモータ42の回生状態を制御してもよい。この場合、制御部52は、ピーク値PHが、前回の演算周期において判定したピーク値PHよりも第3所定値DPH1以上大きくなった場合、ピーク値PHが上昇したと判定してもよい。
【0090】
制御部52は、3つ以上のピーク値PHを用いてピーク値PHが上昇するよう記録値Rが推移したか否かを判定してもよい。制御部52は、3つ以上のピーク値PHを用いてピーク値PHが上昇するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、判定に用いるピーク値PHのうちの最も古いピーク値PHよりも最も新しいピーク値PHが大きい場合、ピーク値PHが上昇するよう記録値Rが推移したと判定してもよい。制御部52は、3つ以上のピーク値PHを用いてピーク値PHが上昇するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、判定に用いるピーク値PHが1つ前のピーク値PHよりも常に大きい場合、ピーク値PHが上昇するよう記録値Rが推移したと判定してもよい。制御部52は、3つ以上のピーク値PHを用いてピーク値PHが上昇するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、1つ前のピーク値PHよりも大きいピーク値PHの数が、1つ前のピーク値PH以下のピーク値PHの数よりも多い場合、ピーク値PHが上昇するよう記録値Rが推移したと判定してもよい。制御部52は、3つ以上のピーク値PHを用いてピーク値PHが上昇するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、各ピーク値PHの変化に応じて、回生量および回生率の少なくとも1つの変化量を変更してもよい。例えば、判定に用いるピーク値PHのうちの最も古いピーク値PHよりも最も新しいピーク値PHが大きく、かつ、判定に用いるピーク値PHに1つ前のピーク値PHよりも小さいピーク値PHが含まれる場合と、判定に用いるピーク値PHのうちの最も古いピーク値PHよりも最も新しいピーク値PHが大きく、かつ、判定に用いるピーク値PHに1つ前のピーク値PHよりも小さいピーク値PHが含まれない場合とで、回生量および回生率の減少量を異ならせる。
【0091】
制御部52は、ピーク値PHが上昇した場合のピーク値PHの大きさと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けた第5情報に応じて、モータ42の回生状態を制御してもよい。第5情報は、例えば、記憶部54に記憶される。第5情報は、例えば、ピーク値PHの大きさと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けたテーブル、マップ、および、関係式の少なくとも1つを含む。第5情報を用いる場合、制御部52は、ピーク値PHが、前回の演算周期において判定したピーク値PHよりも第3所定値DPH1以上大きくなった場合、ピーク値PHが上昇したと判定してもよい。
【0092】
制御部52は、ピーク値PHの上昇量と回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けた第6情報に応じて、モータ42の回生状態を制御してもよい。第6情報は、例えば、記憶部54に記憶される。第6情報は、例えば、ピーク値PHの上昇量と回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けたテーブル、マップ、および、関係式の少なくとも1つを含む。
【0093】
図5を参照して、第3例においてモータ42の回生状態を制御する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図5に示すフローチャートのステップS31に移行する。制御部52は、図5のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS31からの処理を繰り返す。
【0094】
制御部52は、ステップS31において、所定時間T内の人力駆動力Hのピーク値PHが上昇したか否かを判定する。制御部52は、所定時間T内の人力駆動力Hのピーク値PHが上昇していない場合、処理を終了する。制御部52は、所定時間T内の人力駆動力Hのピーク値PHが上昇した場合、ステップS32に移行する。制御部52は、ステップS32において、回生量および回生率の少なくとも1つを増やし、処理を終了する。
【0095】
第4例では、パラメータPは、人力駆動力Hに関するものであり、制御部52は、所定時間T内の人力駆動力Hのピーク値PHが下降するように記録値Rが推移すると、回生量および回生率の少なくとも1つを減らすようにモータ42の回生状態を制御する。人力駆動力Hのピーク値PHは、例えば、仕事率WHのピーク値を含む。制御部52は、所定時間T内に記録された人力駆動力Hの記録値Rのうちの、最も大きい値をピーク値PHとして選択する。
【0096】
制御部52は、ピーク値PHが下降した場合、回生量および回生率の少なくとも1つを所定量減らすようにモータ42の回生状態を制御してもよい。この場合、制御部52は、ピーク値PHが、前回の演算周期において判定したピーク値PHよりも第4所定値DPH2以上小さくなった場合、ピーク値PHが下降したと判定してもよい。
【0097】
制御部52は、3つ以上のピーク値PHを用いてピーク値PHが下降するよう記録値Rが推移したか否かを判定してもよい。制御部52は、3つ以上のピーク値PHを用いてピーク値PHが下降するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、判定に用いるピーク値PHのうちの最も古いピーク値PHよりも最も新しいピーク値PHが小さい場合、ピーク値PHが下降するよう記録値Rが推移したと判定してもよい。制御部52は、3つ以上のピーク値PHを用いてピーク値PHが下降するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、判定に用いるピーク値PHが1つ前のピーク値PHよりも常に小さい場合、ピーク値PHが下降するよう記録値Rが推移したと判定してもよい。制御部52は、3つ以上のピーク値PHを用いてピーク値PHが下降するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、1つ前のピーク値PHよりも小さいピーク値PHの数が、1つ前のピーク値PH以上のピーク値PHの数よりも多い場合、ピーク値PHが下降するよう記録値Rが推移したと判定してもよい。制御部52は、3つ以上のピーク値PHを用いてピーク値PHが下降するよう記録値Rが推移したか否かを判定する場合、各ピーク値PHの変化に応じて、回生量および回生率の少なくとも1つの変化量を変更してもよい。例えば、判定に用いるピーク値PHのうちの最も古いピーク値PHよりも最も新しいピーク値PHが小さく、かつ、判定に用いるピーク値PHに1つ前のピーク値PHよりも大きいピーク値PHが含まれる場合と、判定に用いるピーク値PHのうちの最も古いピーク値PHよりも最も新しいピーク値PHが小さく、かつ、判定に用いるピーク値PHに1つ前のピーク値PHよりも大きいピーク値PHが含まれない場合とで、回生量および回生率の減少量を異ならせる。
【0098】
制御部52は、ピーク値PHが下降した場合のピーク値PHの大きさと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けた第7情報に応じて、モータ42の回生状態を制御してもよい。第7情報は、例えば、記憶部54に記憶される。第7情報は、例えば、ピーク値PHの大きさと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けたテーブル、マップ、および、関係式の少なくとも1つを含む。第7情報を用いる場合、制御部52は、ピーク値PHが、前回の演算周期において判定したピーク値PHよりも第4所定値DPH2以上小さくなった場合、ピーク値PHが下降したと判定してもよい。
【0099】
制御部52は、ピーク値PHの上昇量と回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けた第8情報に応じて、モータ42の回生状態を制御してもよい。第8情報は、例えば、記憶部54に記憶される。第8情報は、例えば、ピーク値PHの上昇量と回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けたテーブル、マップ、および、関係式の少なくとも1つを含む。
【0100】
図6を参照して、第4例においてモータ42の回生状態を制御する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図6に示すフローチャートのステップS41に移行する。制御部52は、図6のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS41からの処理を繰り返す。
【0101】
制御部52は、ステップS41において、所定時間T内の人力駆動力Hのピーク値PHが下降したか否かを判定する。制御部52は、所定時間T内の人力駆動力Hのピーク値PHが下降していない場合、処理を終了する。制御部52は、所定時間T内の人力駆動力Hのピーク値PHが下降した場合、ステップS42に移行する。制御部52は、ステップS42において、回生量および回生率の少なくとも1つを減らし、処理を終了する。
【0102】
第5例では、所定時間T内の記録値Rの平均値ARが下降したのちに上昇した場合、または、所定時間T内に記録値Rの平均値ARが上昇したのちに下降した場合、制御部52は所定時間T内の記録値Rの始点値R1と終点値R2との差分DRに応じてモータ42の回生状態を制御する。第5例のパラメータPは、人力駆動力Hに関するものであることが好ましい。この場合、記録値Rの平均値ARは、人力駆動力Hの平均値AHであることが好ましい。
【0103】
制御部52は、一例では、所定時間T内の記録値Rの平均値ARが下降したのちに上昇した場合、制御部52は所定時間T内の記録値Rの始点値R1と終点値R2との差分DRに応じてモータ42の回生状態を制御する。制御部52は、別例では、所定時間T内に記録値Rの平均値ARが上昇したのちに下降した場合、制御部52は所定時間T内の記録値Rの始点値R1と終点値R2との差分DRに応じてモータ42の回生状態を制御する。制御部52は、第5例において、第5例の一例と別例との両方を実行してもよい。
【0104】
制御部52は、差分DRと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けた第9情報に応じて、モータ42の回生状態を制御してもよい。第9情報は、例えば、記憶部54に記憶される。第9情報は、例えば、差分DRと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けたテーブル、マップ、および、関係式の少なくとも1つを含む。
【0105】
制御部52は、差分DRの正負に応じて回生量および回生率の少なくとも1つを変更してもよい。例えば、制御部52は、差分DRが正の場合および負の場合の一方の場合、回生量および回生率の少なくとも1つを小さくし、差分DRが正の場合および負の場合の他方の場合、回生量および回生率の少なくとも1つを大きくする。制御部52は、差分DRの絶対値が大きいほど、回生量および回生率の少なくとも1つを大きくしてもよく、差分DRの絶対値が小さいほど、回生量および回生率の少なくとも1つを小さくしてもよい。制御部52は、終点値R2が始点値R1よりも高く、かつ、差分DRの絶対値が大きいほど、回生量および回生率の少なくとも1つを大きくしてもよく、終点値R2が始点値R1よりも高く、かつ、差分DRの絶対値が大きいほど、回生量および回生率の少なくとも1つを小さくしてもよい。制御部52は、終点値R2が始点値R1よりも低く、かつ、差分DRの絶対値が大きいほど、回生量および回生率の少なくとも1つを小さくしてもよく、終点値R2が始点値R1よりも低く、かつ、差分DRの絶対値が大きいほど、回生量および回生率の少なくとも1つを大きくしてもよい。
【0106】
図7を参照して、第5例の一例においてモータ42の回生状態を制御する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図7に示すフローチャートのステップS51に移行する。制御部52は、図7のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS51からの処理を繰り返す。
【0107】
制御部52は、ステップS51において、所定時間T内の記録値Rの平均値ARが下降したのちに上昇したか否かを判定する。制御部52は、所定時間T内の記録値Rの平均値ARが下降したのちに上昇していない場合、処理を終了する。制御部52は、所定時間T内の記録値Rの平均値ARが下降したのちに上昇した場合、ステップS52に移行する。制御部52は、ステップS52において、差分DRに応じてモータ42の回生状態を制御し、処理を終了する。
【0108】
図8を参照して、第5例の別例においてモータ42の回生状態を制御する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図8に示すフローチャートのステップS61に移行する。制御部52は、図8のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS61からの処理を繰り返す。
【0109】
制御部52は、ステップS61において、所定時間T内の記録値Rの平均値ARが上昇したのちに下降したか否かを判定する。制御部52は、所定時間T内の記録値Rの平均値ARが上昇したのちに下降していない場合、処理を終了する。制御部52は、所定時間T内の記録値Rの平均値ARが上昇したのちに下降した場合、ステップS62に移行する。制御部52は、ステップS62において、差分DRに応じてモータ42の回生状態を制御し、処理を終了する。
【0110】
第6例では、制御部52は、所定時間T内における記録値Rの始点値R1が、所定時間T内の記録値Rの終点値R2よりも高い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを変更するようにモータ42の回生状態を制御する。第6例のパラメータPは、人力駆動力Hに関するものであることが好ましい。この場合、記録値Rは、人力駆動力Hであることが好ましい。
【0111】
第6例の一例では、制御部52は、所定時間T内における記録値Rの始点値R1が、所定時間T内の記録値Rの終点値R2よりも高い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを減らすようにモータ42の回生状態を制御する。
【0112】
制御部52は、所定時間T内における記録値Rの始点値R1が、所定時間T内の記録値Rの終点値R2よりも高い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを所定量減らすようにモータ42の回生状態を制御してもよい。この場合、制御部52は、始点値R1が、終点値R2よりも第5所定値DRX以上大きくなった場合、所定時間T内における記録値Rの始点値R1が、所定時間T内の記録値Rの終点値R2よりも高くなったと判定してもよい。
【0113】
制御部52は、所定時間T内における始点値R1と終点値R2との差分DRと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けた第10情報に応じて、モータ42の回生状態を制御してもよい。第10情報は、例えば、記憶部54に記憶される。第10情報は、例えば、所定時間T内における始点値R1と終点値R2との差分DRと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けたテーブル、マップ、および、関係式の少なくとも1つを含む。
【0114】
図9を参照して、第6例の一例においてモータ42の回生状態を制御する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図9に示すフローチャートのステップS71に移行する。制御部52は、図9のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS71からの処理を繰り返す。
【0115】
制御部52は、ステップS71において、始点値R1が終点値R2よりも高いか否かを判定する。制御部52は、始点値R1が終点値R2よりも高くない場合、処理を終了する。制御部52は、始点値R1が終点値R2よりも高い場合、ステップS72に移行する。制御部52は、ステップS72において、回生量および回生率の少なくとも1つを減らし、処理を終了する。
【0116】
第6例の別例では、制御部52は、所定時間内における記録値Rの始点値R1が、所定時間T内の記録値Rの終点値R2よりも高い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを増やすようにモータ42の回生状態を制御する。
【0117】
制御部52は、所定時間T内における記録値Rの始点値R1が、所定時間T内の記録値Rの終点値R2よりも高い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを所定量増やすようにモータ42の回生状態を制御してもよい。この場合、制御部52は、始点値R1が、終点値R2よりも第5所定値DRX以上大きくなった場合、所定時間T内における記録値Rの始点値R1が、所定時間T内の記録値Rの終点値R2よりも高くなったと判定してもよい。
【0118】
制御部52は、所定時間T内における始点値R1と終点値R2との差分DRと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けた第11情報に応じて、モータ42の回生状態を制御してもよい。第11情報は、例えば、記憶部54に記憶される。第11情報は、例えば、所定時間T内における始点値R1と終点値R2との差分DRと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けたテーブル、マップ、および、関係式の少なくとも1つを含む。
【0119】
図10を参照して、第6例の別例においてモータ42の回生状態を制御する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図10に示すフローチャートのステップS81に移行する。制御部52は、図10のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS81からの処理を繰り返す。
【0120】
制御部52は、ステップS81において、始点値R1が終点値R2よりも高いか否かを判定する。制御部52は、始点値R1が終点値R2よりも高くない場合、処理を終了する。制御部52は、始点値R1が終点値R2よりも高い場合、ステップS82に移行する。制御部52は、ステップS82において、回生量および回生率の少なくとも1つを増やし、処理を終了する。
【0121】
第7例では、制御部52は、所定時間T内における記録値Rの始点値R1が、所定時間T内の記録値Rの終点値R2よりも低い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを変更するようにモータ42の回生状態を制御する。第7例のパラメータPは、人力駆動力Hに関するものであることが好ましい。この場合、記録値Rは、人力駆動力Hであることが好ましい。
【0122】
第7例の一例では、制御部52は、所定時間T内における記録値Rの始点値R1が、所定時間T内の記録値Rの終点値R2よりも低い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを増やすようにモータ42の回生状態を制御する。
【0123】
制御部52は、所定時間T内における記録値Rの始点値R1が、所定時間T内の記録値Rの終点値R2よりも低い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを所定量増やすようにモータ42の回生状態を制御してもよい。この場合、制御部52は、始点値R1が、終点値R2よりも第6所定値DRY以上小さくなった場合、所定時間T内における記録値Rの始点値R1が、所定時間T内の記録値Rの終点値R2よりも低くなったと判定してもよい。
【0124】
制御部52は、所定時間T内における始点値R1と終点値R2との差分DRと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けた第12情報に応じて、モータ42の回生状態を制御してもよい。第12情報は、例えば、記憶部54に記憶される。第12情報は、例えば、所定時間T内における始点値R1と終点値R2との差分DRと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けたテーブル、マップ、および、関係式の少なくとも1つを含む。
【0125】
図11を参照して、第7例の一例においてモータ42の回生状態を制御する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図11に示すフローチャートのステップS91に移行する。制御部52は、図11のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS91からの処理を繰り返す。
【0126】
制御部52は、ステップS91において、始点値R1が終点値R2よりも低いか否かを判定する。制御部52は、始点値R1が終点値R2よりも低くない場合、処理を終了する。制御部52は、始点値R1が終点値R2よりも低い場合、ステップS92に移行する。制御部52は、ステップS92において、回生量および回生率の少なくとも1つを増やし、処理を終了する。
【0127】
第7例の別例では、制御部52は、所定時間内における記録値Rの始点値R1が、所定時間T内の記録値Rの終点値R2よりも低い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを減らすようにモータ42の回生状態を制御する。
【0128】
制御部52は、所定時間T内における記録値Rの始点値R1が、所定時間T内の記録値Rの終点値R2よりも低い場合、回生量および回生率の少なくとも1つを所定量減らすようにモータ42の回生状態を制御してもよい。この場合、制御部52は、始点値R1が、終点値R2よりも第6所定値DRY以上小さくなった場合、所定時間T内における記録値Rの始点値R1が、所定時間T内の記録値Rの終点値R2よりも低くなったと判定してもよい。
【0129】
制御部52は、所定時間T内における始点値R1と終点値R2との差分DRと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けた第13情報に応じて、モータ42の回生状態を制御してもよい。第13情報は、例えば、記憶部54に記憶される。第13情報は、例えば、所定時間T内における始点値R1と終点値R2との差分DRと回生量および回生率の少なくとも1つとを関連付けたテーブル、マップ、および、関係式の少なくとも1つを含む。
【0130】
図12を参照して、第7例の別例においてモータ42の回生状態を制御する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図12に示すフローチャートのステップS101に移行する。制御部52は、図12のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS101からの処理を繰り返す。
【0131】
制御部52は、ステップS101において、始点値R1が終点値R2よりも低いか否かを判定する。制御部52は、始点値R1が終点値R2よりも低くない場合、処理を終了する。制御部52は、始点値R1が終点値R2よりも低い場合、ステップS102に移行する。制御部52は、ステップS102において、回生量および回生率の少なくとも1つを減らし、処理を終了する。
【0132】
例えば、制御部52は、パラメータPが搭乗者の疲労または精神的な負担が大きくなる場合と対応するように推移する場合に、回生量および回生率の少なくとも1つを減らすことによって、搭乗者の負荷を軽減させることができる。制御部52は、パラメータPが搭乗者の疲労または精神的な負担が小さくなる場合と対応するように推移する場合に、回生量および回生率の少なくとも1つを増やすことによって、バッテリ40への電力の供給量を増やすことができる。
【0133】
例えば、心拍数、体温、発汗量、および、呼吸頻度が上昇するように推移する場合、搭乗者の疲労または精神的な負担が大きいことが考えられる。このため、心拍数、体温、発汗量、または、呼吸頻度が上昇するように推移すると回生量および回生率の少なくとも1つを減らすことによって、搭乗者の負荷を軽減させることができる。また、体重が下降するように推移する場合、搭乗者の疲労または精神的な負担が大きいことが考えられる。このため、体重が下降するように推移すると回生量および回生率の少なくとも1つを減らすことによって、搭乗者の負荷を軽減させることができる。
【0134】
例えば、トルクTH、ケイデンスC、および、仕事率WHが下降するように推移する場合、搭乗者の疲労または精神的な負担が大きいことが考えられる。このため、トルクTH、ケイデンスC、または、仕事率WHが下降するように推移すると回生量および回生率の少なくとも1つを減らすことによって、搭乗者の負荷を軽減させることができる。
【0135】
例えば、気温、走行路の路面勾配、および、走行抵抗が上昇するように推移する場合、搭乗者の疲労または精神的な負担が大きいことが考えられる。このため、気温、走行路の路面勾配、または、走行抵抗が上昇するように推移すると回生量および回生率の少なくとも1つを減らすことによって、搭乗者の負荷を軽減させることができる。また、天候が晴れの場合から曇り、曇りの場合から雨に推移する場合、搭乗者の疲労または精神的な負担が大きいことが考えられる。このため、照度が下降するように推移すると回生量および回生率の少なくとも1つを減らすことによって、搭乗者の負荷を軽減させることができる。また、湿度が上昇するように推移すると回生量および回生率の少なくとも1つを減らすことによって、搭乗者の負荷を軽減させることができる。また、天候に関するパラメータPを、搭乗者の疲労または精神的な負担が大きいと考えられるほど大きな値に設定し、天候に関するパラメータPが上昇するように推移すると回生量および回生率の少なくとも1つを減らすことによって、搭乗者の負荷を軽減させることができる。また、時刻が昼間から夜間に推移する場合、搭乗者の疲労または精神的な負担が大きいことが考えられる。このため、時刻に関するパラメータPを、搭乗者の疲労または精神的な負担が大きいと考えられるほど大きな値に設定し、時刻に関するパラメータPが上昇するように推移すると回生量および回生率の少なくとも1つを減らすことによって、搭乗者の負荷を軽減させることができる。
【0136】
例えば、人力駆動車10のピッチ角度が上昇するように推移する場合、搭乗者の疲労または精神的な負担が大きいことが考えられる。このため、人力駆動車10のピッチ角度が上昇するように推移すると回生量および回生率の少なくとも1つを減らすことによって、搭乗者の負荷を軽減させることができる。また、走行速度Vが下降するように推移する場合、搭乗者の疲労または精神的な負担が大きいことが考えられる。このため、走行速度Vが下降するように推移すると回生量および回生率の少なくとも1つを減らすことによって、搭乗者の負荷を軽減させることができる。
【0137】
制御部52は、パラメータPの所定期間における推移に応じてモータ42の回生状態を制御する。所定期間を比較的長くすることができるため、例えば、1周期におけるパラメータPの変化に応じて回生状態を制御する場合と比較して、搭乗者の疲労または精神的な負担により好適な回生状態の制御を行える。
【0138】
(変形例)
実施形態に関する説明は、本発明に従う人力駆動車用制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う人力駆動車用制御装置は、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0139】
・モータ42は、人力駆動車10の推進をアシストしないものであってもよい。
【0140】
・制御部52は仕事率WHに対する回生率を調整してもよい。この場合、人力駆動車10の駆動状態は、仕事率WHを含むことが好ましい。例えば、人力駆動車10の動力伝達経路とモータ42との間に、動力伝達状態を切り替える切替装置を設け、制御部52は、切替装置を制御することによって、回生量および回生率の少なくとも1つを変更してもよい。この場合、切替装置がクランク軸14Aの回転トルクのうちのモータ42に伝達する比率を変更することによって、搭乗者によるペダリングの仕事率WHに対する回生率を変更できる。
【0141】
・制御部52は、所定時間T内における記録値Rの始点値R1と終点値R2との差分DRが所定差DR1以内の場合、回生量および回生率の少なくとも1つを変化させないようにモータ42の回生状態を制御してもよい。この場合、制御部52は、所定時間T内における記録値Rの始点値R1と終点値R2との差分DRが所定差DR1よりも大きい場合、回生量および回生率の少なくとも1つを変化させることが好ましい。制御部52は、例えば、所定時間T内における記録値Rの始点値R1と終点値R2との差分DRが所定差DR1よりも大きい場合、差分DRに応じて回生量および回生率の少なくとも1つを大きくまたは小さくする。
図13を参照して、第1変形例のモータ42の回生状態を制御する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図13に示すフローチャートのステップS111に移行する。制御部52は、図13のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS111からの処理を繰り返す。
制御部52は、ステップS111において、所定時間T内における記録値Rの始点値R1と終点値R2との差分DRが所定差DR1以内か否かを判定する。制御部52は、所定時間T内における記録値Rの始点値R1と終点値R2との差分DRが所定差DR1以内の場合、ステップS112に移行する。制御部52は、ステップS112において、回生量および回生率の少なくとも1つを変化させないようにモータ42の回生状態を制御し、処理を終了する。制御部52は、ステップS111において、所定時間T内における記録値Rの始点値R1と終点値R2との差分DRが所定差DR1以内ではない場合、ステップS113に移行する。制御部52は、ステップS113において、回生量および回生率の少なくとも1つを変化させるようにモータ42の回生状態を制御し、処理を終了する。
【0142】
・制御部52は、所定時間T内における記録値Rの始点値R1と終点値R2との両方が閾値RX以上の場合、回生量および回生率の少なくとも1つを第1変化量で変化させ、所定時間T内における記録値Rの始点値R1と終点値R2との両方が、閾値RX未満の場合、回生量および回生率の少なくとも1つを第1変化量とは異なる第2変化量で変化させるようにモータ42の回生状態を制御してもよい。この場合、制御部52は、所定時間T内における記録値Rの始点値R1と終点値R2との少なくとも1つが閾値RX未満の場合、回生量および回生率の少なくとも1つを第2変化量で変化させるようにモータ42の回生状態を制御することが好ましい。
図14を参照して、第2変形例のモータ42の回生状態を制御する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図14に示すフローチャートのステップS121に移行する。制御部52は、図14のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS121からの処理を繰り返す。
制御部52は、ステップS121において、所定時間T内における記録値Rの始点値R1が閾値RX以上か否かを判定する。制御部52は、所定時間T内における記録値Rの始点値R1が閾値RX以上の場合、ステップS122に移行する。制御部52は、ステップS122において、所定時間T内における記録値Rの終点値R2が閾値RX以上か否かを判定する。制御部52は、所定時間T内における記録値Rの終点値R2が閾値RX以上の場合、ステップS123に移行する。制御部52は、ステップS123において、回生量および回生率の少なくとも1つを第1変化量で変化するようにモータ42の回生状態を制御し、処理を終了する。制御部52は、ステップS121において、所定時間T内における記録値Rの始点値R1が閾値RX以上ではない場合、ステップS124に移行する。制御部52は、ステップS12において、所定時間T内における記録値Rの終点値R2が閾値RX以上ではない場合、ステップS124に移行する。制御部52は、ステップS12において、回生量および回生率の少なくとも1つを第2変化量で変化するようにモータ42の回生状態を制御し、処理を終了する。
【0143】
・上記第変形例において、制御部52は、所定時間T内における記録値Rの始点値R1と終点値R2との両方が閾値RX未満の場合、回生量および回生率の少なくとも1つを第1変化量で変化させるようにモータ42の回生状態を制御し、かつ、一方のみが閾値RX未満の場合、回生量および回生率の少なくとも1つを第変化量で変化させるようにモータ42の回生状態を制御してもよい。
【0144】
・制御部52は、制御部52は、パラメータPの所定期間における推移に応じてモータ42の回生状態を制御し、かつ、パラメータPの所定期間よりも短い期間における推移に応じてモータ42の回生状態を制御してもよい。この場合、制御部52は、パラメータPの所定期間における推移に応じて変更する回生量および回生率の変化量よりも、パラメータPの所定期間よりも短い期間における推移に応じて変更する回生量および回生率の変化量を小さくすることが好ましい。例えば、制御部52は、パラメータPが所定期間において増加するように推移した場合、第1変化量で回生量および回生率を減らし、パラメータPが所定期間よりも短い期間において減少するように推移した場合、第2変化量で回生量および回生率を減らし、第2変化量は、第1変化量よりも小さい。例えば、制御部52は、パラメータPが所定期間において減少するように推移した場合、第3変化量で回生量および回生率を増やし、パラメータPが所定期間よりも短い期間において増加するように推移した場合、第4変化量で回生量および回生率を減らし、第4変化量は、第3変化量よりも小さい。
【0145】
・制御装置50は、人力駆動車10に取り付けられるモータ42を制御する制御部52を含み、制御部52は、人力駆動車10に搭乗する搭乗者の身体情報、人力駆動車10の駆動状態、人力駆動車10の走行環境、および、人力駆動車10の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータPに応じて、搭乗者によるペダリングの仕事率WHに対する回生率を制御するようにしてもよい。この場合、パラメータPの推移に関わらず、回生率を制御してもよい。例えば、パラメータPが第7所定値PX以上の場合の回生率と、パラメータPが第7所定値PX未満の場合の回生率とを異ならせる。制御部52は、人力駆動車10に搭乗する搭乗者の身体情報、人力駆動車10の駆動状態、人力駆動車10の走行環境、および、人力駆動車10の走行状態の少なくとも1つに関するパラメータPに応じて、回生量を制御するようにしてもよい。
【0146】
・第3変形例の制御部52は、人力駆動力Hが所定駆動力HX以上の場合と、人力駆動力Hが所定駆動力HX未満の場合とで、互いに異なるように回生状態を変更し、所定駆動力HXを、人力駆動車10に搭乗する搭乗者の身体情報、人力駆動車10の駆動状態、人力駆動車10の走行環境、および、人力駆動車10の走行状態に関するパラメータPの推移に応じて変更するようにしてもよい。この場合、パラメータPが増加するように推移する場合の所定駆動力HXを、パラメータPが減少するように推移する場合の所定駆動力HXよりも小さくしてもよく、パラメータPが増加するように推移する場合の所定駆動力HXを、パラメータPが減少するように推移する場合の所定駆動力HXよりも大きくしてもよい。
【0147】
・第3変形例の制御部52は、人力駆動力Hが所定駆動力HX以上の場合と、人力駆動力Hが所定駆動力HX未満の場合とで、パラメータPの推移に対する回生状態の変化を互いに異ならせ、所定駆動力HXを、人力駆動車10に搭乗する搭乗者の身体情報、人力駆動車10の駆動状態、人力駆動車10の走行環境、および、人力駆動車10の走行状態に関するパラメータPの推移に応じて変更するようにしてもよい。例えば、人力駆動力Hが所定駆動力HX以上の場合のパラメータPの変化量に対する回生量および回生率の少なくとも1つの変化量の第1割合を、人力駆動力Hが所定駆動力HX未満の場合のパラメータPの変化量に対する回生量および回生率の少なくとも1つの変化量の第2割合よりも大きくする。第1割合は、第2割合よりも小さくしてもよい。第1割合および第2割合の一方は、ゼロであってもよい。
【0148】
・第3変形例およびその変形例の制御部52は、人力駆動力Hが所定駆動力HX以上の場合と、人力駆動力Hが所定駆動力HX未満の場合とで、互いに異なるように回生状態を変更し、所定駆動力HXは、人力駆動車10に搭乗する搭乗者の心拍数に関するパラメータPの推移に応じて変更するようにしてもよい。例えば、搭乗者の心拍数が所定心拍数以上の場合の回生状態における回生量および回生率を、搭乗者の心拍数が所定心拍数未満の場合の回生状態における回生量および回生率よりも小さくしてもよく、大きくしてもよい。所定心拍数は、例えば、160(bpm;beats per minute)である。
【0149】
・第3変形例およびその変形例の制御部52において、所定駆動力HXを人力駆動車10の走行環境に関するパラメータPの推移に応じて変更する場合、走行環境は、天候、気温、気圧、時刻、および、路面状態の少なくとも1つを含んでいてもよい。走行環境が天候を含む場合、天候に関するパラメータPが晴れから雨に対応する値に推移した場合、所定駆動力HXを上昇させ、天候に関するパラメータPが雨から晴れに対応する値に推移した場合、所定駆動力HXを下降させる。走行環境が気温を含む場合、走行環境に関するパラメータPは、気温を含み、気温が増加するように気温が推移した場合、所定駆動力HXを上昇させ、気温が低下するように気圧が推移した場合、所定駆動力HXを下降させる。走行環境が気圧を含む場合、走行環境に関するパラメータPは、気圧を含み、気圧が低下するように気圧が推移した場合、所定駆動力HXを上昇させ、気圧が増加するように気圧が推移した場合、所定駆動力HXを下降させる。走行環境が時刻を含む場合、時刻に関するパラメータPが夜間から昼間に対応する値に推移した場合、所定駆動力HXを下降させ、時刻に関するパラメータPが昼間から夜間に対応する値に推移した場合、所定駆動力HXを上昇させる。走行環境が路面状態を含む場合、路面状態に関するパラメータPが路面抵抗が小さい状態から大きい状態に推移した場合、所定駆動力HXを上昇させ、路面状態に関するパラメータPが走行抵抗が大きい状態から小さい状態に対応する値に推移した場合、所定駆動力HXを下降させる。
【符号の説明】
【0150】
10…人力駆動車、42…モータ、50…人力駆動車用制御装置、52…制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14