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7593735空気力学的に安定な屋根舗装システムおよびそのためのバラストブロック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】空気力学的に安定な屋根舗装システムおよびそのためのバラストブロック
(51)【国際特許分類】
   E04D 11/00 20060101AFI20241126BHJP
   E04C 1/39 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
E04D11/00 F
E04C1/39
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019085671
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2019194430
(43)【公開日】2019-11-07
【審査請求日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】15/967,934
(32)【優先日】2018-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519157048
【氏名又は名称】ハノーバー プレスト-ペイビング カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Hanover Prest-Paving Company
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】レパスキー,ジョン
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05377468(US,A)
【文献】特開昭60-164544(JP,A)
【文献】米国特許第04655018(US,A)
【文献】特開2001-085728(JP,A)
【文献】VENTLOC INTERLOCKING LIGHTWEIGHT ROOF BALLAST [online],Hanover Architectural Products,2017年,[2022年12月22日検索],インターネット <URL: https://hanoverpavers.com/wp-content/uploads/2022/02/1401-Ventloc_Dtl.pdf>
【文献】VENTLOC,Hanover Architectural Products,2017年,[2022年12月22日検索],インターネット <URL: https://hanoverpavers.com/ventloc-systems/>
【文献】COLUMNS,Vol. 34, No. 2,AIA Dallas,2017年,p. 50,[2022年12月22日検索],インターネット <URL: https://aiadallas.org/media/uploads/columns-docs/columns_spring_2017_final_0512.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 1/00
E04D 11/00
E04D 13/04
E04D 13/064
E04D 13/17
E04C 1/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面、前記上面に対向して位置付けされる下面、および前記上面と前記下面の間に延びる第1の側面を有する本体と、
前記第1の側面に沿って複数のユニットに配置された複数の流体受けチャネルで、上面から下面まで延びてジグザグパターンを形成し、前記複数のユニットの各ユニットは、上面から下面へ互いに向かって対向する角度でV字形に延びる隣接する一対の流体受けチャネルを有する、前記複数の流体受けチャネルとを含み、
前記ユニットが、流体受けチャネルの前記隣接する一対間にV字形の領域を形成し、前記V字形の領域は上面が水平の上部部分と側面が垂直方向に対して斜めの下部部分を含み、前記上部部分が、流体受けチャネルの前記隣接する一対のそれぞれの上面端部間に延び、前記下部部分が、前記ユニットにおける流体受けチャネルの前記隣接する対に沿って中間点から前記流体受チャネルの下面端部に向かって内向きに延びる、バラストブロック。
【請求項2】
前記複数の流体受けチャネルのそれぞれが、前記上面に隣接して配置される第一の幅であって、前記流体受けチャネルに沿って前記下面に隣接して位置付けされた第2の幅へ下方に先細りになる第1の幅を有する、請求項1に記載のバラストブロック。
【請求項3】
前記上面に沿う流体受けチャネルの前記隣接する一対間の第1の距離が、前記下面に沿う前記流体受けチャネルの隣接する一対間の第2の距離よりも大きい、請求項1に記載のバラストブロック。
【請求項4】
前記本体が、前記上面および前記下面に対して垂直に幅方向に延び、前記第1の側面の主面側面と概ね平行な平坦な表面を有する、前記第1の側面に対向して位置付けされる第2の側面をさらに含む、請求項1に記載のバラストブロック。
【請求項5】
前記本体が、前記上面と前記下面とに対して幅方向に垂直に延び、第1の側面と第2の側面との間に延び、前記第1の側面と第2の側面に垂直に位置付けされている第3の側面をさらに含む、請求項4に記載のバラストブロック。
【請求項6】
前記第3の側面に沿って延びる舌部をさらに含む、請求項5に記載のバラストブロック。
【請求項7】
前記舌部が上向きの面と下向きの面を含む、請求項6に記載のバラストブロック。
【請求項8】
前記上向きの面の長さが前記下向きの面の長さより大きい、請求項7に記載のバラストブロック。
【請求項9】
前記上向きの面と下向きの面が互いに向かってある角度で先細りになって延びる、請求項8に記載のバラストブロック。
【請求項10】
前記本体が、前記上面と前記下面とに対して幅方向に垂直で、前記第1の側面と前記第2の側面とに垂直に延び、それらの間で前記第3の側面と対向して延びる第4の側面をさらに含む、請求項7に記載のバラストブロック。
【請求項11】
前記第4の側面が、前記第4の側面に沿って位置付けされ、前記舌部と相補的な形状の溝を含む、請求項10に記載のバラストブロック。
【請求項12】
前記溝が、前記舌部の上向き面と相補的である上部側壁と、
前記舌部の下向き面に相補的である下部側壁とを含む、
請求項11に記載のバラストブロック。
【請求項13】
前記本体が、前記下面に沿って位置付けされ、前記第1の側面から前記第2の側面へ延びる複数の脚部をさらに含む、請求項4に記載のバラストブロック。
【請求項14】
各脚部が前記第1の側面から前記第2の側面に向かって傾斜している斜めの第1の対向端部を有する、請求項13に記載のバラストブロック。
【請求項15】
前記斜めの第1の対向端部は、前記下面の部分が前記第1の側面の前記主面側面と前記斜めの第1の対向端部との間に位置付けされるように前記第1の側面の主面側面から距離を置いて位置付けされている、請求項14に記載のバラストブロック。
【請求項16】
前記本体が、流体受けチャンバーと流体連通している対の前記複数の脚部の間に位置付けされている複数の流体受けチャンバーをさらに含む、請求項13に記載のバラストブロック。
【請求項17】
各流体受けチャンバーは前記複数の脚部の前記対に沿って延び、前記第1の側面と前記第2の側面の両方の上に開放されている、請求項16に記載のバラストブロック。
【請求項18】
上面と、前記上面に対向して位置付けされている下面と、前記上面と前記下面の間に延在している第1の側面を有する本体と、
前記第1の側面に沿って複数のユニットに配置された複数の流体受けチャネルで、上面から下面まで延びて前記第1の側面の最表面に沿ってジグザグパターンを形成し、前記複数のユニットの各ユニットは、上面から下面へ互いに向かって対向する角度でV字形に延びる隣接する一対の流体受けチャネルを有し、前記上面と前記下面に対して垂直な、前記複数の流体受けチャネルと
を有する横向きに連結された複数のバラストブロックを含む屋根舗装システムであって、
前記ユニットが、流体受けチャネルの前記隣接する一対間にV字形の領域を形成し、上面が水平の上部部分と側面が垂直方向に対して斜めの下部部分を含み、前記上部部分が、流体受けチャネルの前記隣接する一対のそれぞれの上面端部間に延び、前記下部部分が、前記ユニットにおける流体受けチャネルの前記隣接する対に沿って中間点から前記流体受けチャネルの下面端部に向かって内向きに延びる、屋根舗装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根舗装システム、およびより詳しくは空気力学的に安定なバラストブロックを有する屋根舗装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
単層保護膜屋根システムは一般的に知られており、特に傾斜の小さい屋根およびデッキに適している。これらのシステムは通常、適所に保持され、さまざまな設計のバラストシステムによって要素から保護された、断熱層を有するかまたは有さない単層不透水性膜を含む。これらのシステムはまた、川の砂利、標準的な舗装ブロック、複合舌溝板、および軽量連結バラストブロックなどの、ゆるく敷いた、丸みのある石を含んでいてもよい。一般に、従来のバラストシステムは、それらが従来のビルドアップ屋根システムよりも大きな風速に耐えることができるので、強風条件への曝露が予想され得る領域でしばしば使用される。
【0003】
従来のバラストブロックは、通常、隣接する格子パターンで屋根の膜の上に敷かれた平らな長方形の押出またはプレキャストコンクリートである。しかし、この構造でも、特定の気象条件下でのバラストブロックの移動を保証するものではない。不規則なまたは危険な屋根の場所を通過するハリケーン力などの高速風は、それらを定位置から持ち上げるために従来のブロックを横切って空気力学的な圧力差を引き起こし得る。単にバラストブロックをより重くして屋根支持体をより強くする代わりに、連結する縁部によって互いに固定された前述の軽量バラストブロックなどの、持ち上げ力に抵抗するためのさまざまな設計が発展してきた。
【0004】
しかしながら、これらの設計努力にもかかわらず、バラストブロックに作用する正味の上向きの空気力学的負荷はそれらを持ち上げ、周囲の人々および/または構造物を危険にさらし、さらに下にある屋根の膜および下部構造物を損傷にさらす。
【0005】
これらの問題に対処しようと試みるかかる一例は、米国特許第5,377,468号に開示されている連結バラストブロック屋根葺きシステムである。'468号特許は、上面からその下面に沿って位置付けされた複数のチャンバーまで延びるチャネルの迷路系を開示している。さらに、チャネルの迷路系は、下にある屋根材を要素に直接さらすことなく、流体が隣接するブロック間を通過することを可能にする。
【0006】
開示された設計は上記の問題のいくつかを解決するが、既知の迷路系のチャネルは、上面から下面にあるチャンバーへの流体の流れの効率を摩擦的に低下させる複数の90°回転をチャネル内に含むので、空気力学的に問題がある。さらに、チャネルのシステムの複雑さは、チャネルのシステムを損傷する可能性を増大させることによって、製造および設置プロセスの堅牢性を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、水および空気などのより効率的な流体の流れを介して従来の設計を改善し、かつ一方で製造および設置プロセス中に堅牢である、連結式バラストブロック屋根葺きシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
バラストブロックは、本体と複数の流体受けチャネルとを備えている。本体は、上面と、上面に対向して位置付けされる下面と、上面と下面との間に延在する第1の側面とを含む。複数の流体受けチャネルは、複数のユニットにある第1の側面に沿って配置され、上面から下面まで延びてジグザグパターンを形成する。複数のユニットの各ユニットは、上面から下面に互いに向かって対向する角度で概ねV字形に延びる隣接する一対の流体受けチャネルを有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、以下の添付する図面を参照して例によって説明される。
図1図1は、本発明による連結バラストブロックを備えた屋根舗装システムを有する建物の概略透視図である。
図2図2は、本発明によるバラストブロックの右上部の透視図である。
図3図3は、図2のバラストブロックの左下部の透視図である。
図4図4は、図2のバラストブロックの正面図である。
図5図5は、図2のバラストブロックの背面図である。
図6図6は、図2のバラストブロックの左立面図である。
図7図7は、屋根舗装システムの区分におけるバラストブロックの平面図である。
図8図8は、図7の線8-8に沿って切断された屋根舗装システムの部分断面図である。
図9図9は、図7の線9-9に沿って切断された屋根舗装システムの部分断面図である。
図10図10は、図7の線10-10に沿って切断された屋根舗装システムの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照して、本発明の例示の実施態様が以下に説明される。
図1に関して、本発明による複数のバラストブロック1を有する屋根舗装システム100が示される。屋根舗装システム100は、バラストブロック1が屋根の表面に沿って配置された状態で、例えば高層ビルの屋根に沿って配置されてもよい。しかしながら、当業者は、屋根舗装システム100が、風、雨、雪、および破片などの外部環境条件にさらされやすい他の表面に沿って利用され得ることを理解するであろう。
【0011】
図2~6に関して、本発明によるバラストブロック1が説明される。一般に、バラストブロック1は、平面における多角形、特に示された実施態様においては長方形である。しかしながら、当業者は他の多角形形状が可能であることを理解するであろう。示された実施態様において、バラストブロック1は、従来の屋根バラストブロック・コンクリート建造物に成形されるが、その他の材料を使用して製造され得る。
【0012】
本発明の例示の実施態様において、バラストブロック1は、本体10、複数の脚部20、複数の流体受けチャンバー30、ならびに複数の流体受けチャネル40を含む。
【0013】
ここで図2図6に関して、本体10を説明する。示されるように、本体10は、上面11、下面12、第1の側面13、第2の側面14、第3の側面15、および第4の側面16を含む。上面11および下面12は本体10の主面に対向している。図示の実施態様において、上面11および下面12は実質的に平面である。しかしながら、当業者は、上面11または下面12が突起、パターン、および/または窪みなどの凹凸を含み得ることを理解するであろう。例えば、上面11は、滑り止め特性および隆起した先端が切り取られたドームを含み得る。
【0014】
第1の側面13は、上面11と下面12とに対して実質的に垂直であり、それらの間で幅方向に延びている。第1の側面13の主面は実質的に平坦である。第2の側面14は、上面11と下面12に対して実質的に垂直に延び、それらの間で幅方向に延びる。第2の側面14は、第1の側面13とは反対側で第1の側面13の平面の主面とほぼ平行に配置されている。図示の実施態様では、第2の側面14は第1の側面13の長さに概ね等しい長さを有し、第2の側面13の表面は実質的に平坦である。
【0015】
第3の側面15は、上面11と下面12に対して実質的に垂直に延び、それらの間で幅方向に延びる。 第3の側面15もまた、第1の側面13および第2の側面14に対して実質的に垂直に延び、それらの間で長さ方向に延びる。
【0016】
第4の側面16は、上面11と下面12とに対して実質的に垂直に延び、それらの間で幅方向に延びる。第4の側面16もまた、第1の側面13および第2の側面14に対して実質的に垂直に延び、それらの間で長さ方向に延びる。さらに、第4の側面16は、第3の側面15に対向しており、第3の側面15とほぼ平行である。第4の側面16は、第3の側面13の長さとほぼ等しい長さを有する。
【0017】
ここで、図3~6に関して、複数の脚部20が説明される。
示されるように、複数の脚部20は、下面12に沿って配置され、本体10から離れる方向に延びる。各脚部20は、下面12とその下にある支持面との間に空間を提供する(以下で詳細に説明する)。図示の実施態様において、各脚部20は概して長方形であり、第1の側面13から第2の側面14まで下面12に沿って延びる。図示の実施態様において、複数の脚部20は互いに概ね平行に位置付けされる。各脚部20の第1の対向端部21は、第1の側面13から第2の側面14に向かって傾斜して斜めになっている。図示の実施態様において、第1の対向端部21は第1の側面13の表面まで延びている。別の実施態様において、下面12の一部が第1の側面13の面と第1の対向端部21との間に配置されるように、第1の対向端部21が第1の側面13の面から距離を置いて配置されることが可能である。
【0018】
各脚部20の第2の対向端部22は、第2の側面14まで延び、その結果、第2の対向端部22は、第2の側面14の面と概ね同一平面内で同一平面上にある。
各脚部20は、脚部20の両側に長さ方向に延びる第1の長さ方向側壁23aと反対側の第2の長さ方向側壁23bとを含む。第1および第2の長さ方向側壁23a、23bの幅は概ね等しく、各脚部20が本体10の表面から延びる距離を決定する。図示の実施態様において、第1の長さ方向側壁23aと第2の長さ方向側壁23bとは、互いに対して斜めに、下面12から傾斜して延びている。しかしながら、当業者は、別の実施態様において、第1の長さ方向側壁23aおよび第2の長さ方向側壁23bは、下面12に対してほぼ垂直に、互いに平行に、脚部20と下面12によって提供される90度の交差角で延びることができることを理解するはずである。
【0019】
ここで、図3~5に関して、複数の流体受けチャンバー30が説明される。
示されるように、複数の流体受けチャンバー30は、脚部20の間に配置され、脚部20の第1および第2の長さ方向側壁23a、24bと下面12とによって画定される。示されるように、各流体受けチャンバー30は、第1の側面13から第2の側面14に向かって脚部20の長さ方向に沿って延びている。各流体受けチャンバー30は、第1の側面13と第2の側面14の両面に開放している。
【0020】
ここで、図2~4に関して、流体受けチャネル40が説明される。
示されるように、複数の流体受けチャネル40は、本体10の第1の側面13に沿って配置される。チャネル40の隣接する対は、ユニット17内に位置付けされ、示される実施態様ではジグザグパターンを形成する。すなわち、各ユニット17は、上面11から下面12に向かって互いに対向する角度で概ねV字形に延びる一対の隣接するチャネル40を含む。ジグザグパターンは、第1の側面13の長さ方向に沿って延びる。図示の実施態様では、第1の側面13は、3、4、5、またはそれ以上のチャネル40の隣接する対のユニット17を含む。上面11に沿ったユニット17の隣接するチャネル40の一対間の距離は、下面12に沿ったチャネル40の一対間の距離よりも大きい。各チャネル40は、チャネル40の長さ方向に沿って、下面端部42上のより小さな第2の幅へ下方に先細りになる上面端部41上の第1の幅を有する。
【0021】
上記のV字形である、ユニット17の隣接するチャネル40の各対間に、上部平坦部80および傾斜した下部81が設けられている。上部平坦部80は、隣接するチャネル40の上面端部41の間に延在し、第1の側面13の平面に沿って平坦面を一般に含む。傾斜した下部81は、ユニット17の隣接するチャネル40の対の長さ方向に沿ってほぼ中間点から、ユニット17のチャネル40の下面の端部42に向かって内向きに延在する。
図2~4に示すように、隣接する対のチャネル40の各ユニット17の下面端部42は、流体受けチャンバー30と流体連通している。
図2~5に示すように、舌部50は本体10の一側面に沿って配置されている。図示の実施態様において、舌部50は第3の側面15の長さ方向に沿って位置付けされ、第3の側面15の表面から外向きに突き出している。舌部50は、上部対向面51と下部対向面52とを有する。図示の実施態様において、上部対向面51の長さは、下部対向面52の長さよりも大きい。別の実施態様において、上部対向面51の長さは下部対向面52の長さと概ね等しい。例示的な実施態様において、舌部50は、上部対向面51および下部対向面52が互いに角度をなすように先細りになっている。別の実施態様において、上部対向面51は下部対向面52と実質的に平行に延在している。
【0022】
図2~5に示すように、溝60も本体10に沿って設けられており、舌部50を補完する。溝60は、第4の側面16の長さ方向に沿って配置され、舌部50に関して相補的な形状をなす。溝60は、舌部50の上部対向面51と相補的な上部側壁61と、舌部50の下部対向面52と相補的な下部側壁62とを含む。図示の実施態様において、上部側壁61の長さは下部側壁62の長さに等しい。別の実施態様において、上部側壁61の長さは下部側壁62の長さよりも長いかまたは短い。
【0023】
ここで、図7~10を参照して、屋根舗装システム100およびそのアッセンブリを説明する。
示されるように、例示的な実施態様における屋根舗装システム100は、パターンで配置された本発明によるバラストブロック1を使用する。図7に示すように、バラストブロック1は、隣接する列のバラストブロック1と互い違いに連結された関係にある横方向にねじれた列の各バラストブロック1と、連続する列に同じ向きで位置付けされる。図示の実施態様において、バラストブロック1は、水不透過性膜Mなどの下にある支持面の上に屋根に沿って着座している。屋根パラペットPにおけるなど、列の端部がフルサイズのバラストブロック1のために十分な空間を有さない場合、バラストブロックを使用して、狭いブロック1aに変更することができる。既存の設備における損傷したバラストブロック1は、図示のように、相補的な半ブロック1bおよび1cと交換することができる。
【0024】
図示の実施態様において、下にある支持面は、単層PVCシートなどの不透水性の膜M、断熱層I、および防水層Wを含むことができる。しかしながら、他の従来の多成分の下にある支持面システムは、使用条件、建築基準などの設計要件に応じて、屋根舗装システム100と共に使用することが企図されている。図示の実施態様において、バラストブロック1の脚部20は屋根膜Mの上に載っており、膜Mはさらに流体受けチャンバー30の第4の側面を画定している。
【0025】
バラストブロック1は、隣接する列に配置され、隣接する列の2つのバラストブロック1のそれぞれ第3および第4の側面16の上の相補的な舌部50および溝60で連結する。従って、敷設されたバラストブロック1は相互に作用して通常の持ち上げ力に抵抗する。
【0026】
隣接するバラストブロック1が膜M上に支持された状態で、1つの隣接するバラストブロック1の平らな第2の側面14は、別の隣接するバラストブロック1の第1の側面13に境を接している。本体10の下面12と膜Mとの間の流体受けチャネル40と流体受けチャンバー30との組み合わせによって、第1の側面13の面を横切って形成された排水および空気流の通路は、図8の矢印Aによって示される。隣接するバラストブロック1が膜M上に支持された状態で、1つのバラストブロック1の平らな第2の面14が別の隣接するバラストブロック1の第1の側面13のチャネル面と境を接すると、水はバラストブロックの上面11から流体受けチャンバー30へ排出される。さらに、通路は、バラストブロック1の上面11と下面12との間の空気力学的に引き起こされる圧力差を最小にするために、バラストブロック1の下のチャンバー30内に連続的な換気を提供する。
さらに、図8の実施態様において矢印AAによって示されるように、各脚部20の第1の対向端部21は斜めになっているので、すべてのチャンバー30とユニット17との間の流体連通は、第1の側面13の全長に沿って達成される。したがって、上記の実施態様で説明したように設置されたとき、バラストブロック1は、空気力学的に安定した屋根舗装システム100を提供する。
【0027】
図8~10に示す実施態様において、損傷したバラストブロック1を容易に交換することができる。定位置に置かれた後に損傷を受けたバラストブロック1は、屋根舗装システム100の一体性を失うことなく、容易に分解されて部分交換式バラストブロック1の1cと交換されることができる。各交換用バラストブロック1b、1cは、第3の側面15と第4の側面16との間の距離の半分よりわずかに小さい長さ方向に寸法決めされている。交換用バラストブロック1bおよび1c内の相補的な舌部50および溝60は、隣接する列のバラストブロック1の重複する舌部50および溝60とそれぞれ連結する。図10に示す実施態様において、第3および第4の側面15、16の反対側の傾斜縁部18、19は、交換用バラストブロック1b、1cの取り付け中に相互間隙を提供し、確実な保持を保証するための接着剤63に取り付け時の傾斜縁部18、19を横切る空間を提供する。別の実施態様において、傾斜した縁部18、19は、取り付け時に平らで互いに平行であり、それらの間に間隙を有し、この間隙は、取り付けクリアランスを提供し、その中に接着剤63を塗布することができる。
【0028】
本発明による連結式バラストブロック1は、互いに協働して異常な風の状況に適した空気力学的に安定な屋根舗装システム100を提供する。バラストブロック1を隣接する列のバラストブロック1と連結するように一列に配列することにより、バラストブロック1の端部間に空気と水が容易に流れるようになり、流体受けチャンバー30内の圧力は、バラストブロック1の上方の空気圧の急激な低下に応答して速やかに均等化される。従って、バラストブロック1がずれる傾向が減少する。
【0029】
さらに、バラストブロック1は軽量で、製造コストが安価で、損傷を被っても設置や交換が比較的容易である。
【0030】
バラストブロックおよび屋根舗装システムの実施態様を詳細に説明してきたが、さまざまな修正、変更、ならびに変化が、添付の特許請求の範囲に規定されるような本発明によるバラストブロックデッキおよび屋根舗装システムの精神と範囲から逸脱することなく行い得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10