(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20241126BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241126BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241126BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V23/00 120
F21V23/00 130
F21V23/00 160
F21V23/00 200
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019110603
(22)【出願日】2019-06-13
【審査請求日】2022-03-03
【審判番号】
【審判請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 克磨
(72)【発明者】
【氏名】木所 孝元
(72)【発明者】
【氏名】保井 祐紀
【合議体】
【審判長】筑波 茂樹
【審判官】横溝 顕範
【審判官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-162596(JP,A)
【文献】特開平4-206307(JP,A)
【文献】特開2009-175376(JP,A)
【文献】特開2011-44401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S8/04
F21V23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源を点灯させる第1電源装置と、
前記光源を保持する支持体と、
磁性体コアと、
前記第1電源装置と接続され、前記磁性体コアに巻き付けられた第1電線と、
前記磁性体コアを前記支持体から離して保持する固定部材と、
を備え、
前記支持体は、前記光源が設けられた第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、を有し、
前記固定部材は、前記第2面から前記第1面と離れる方向に延びる板状の第1部分を有し、
前記磁性体コアは、前記第1部分に固定され、
前記第1電源装置は、前記第1部分に対して前記磁性体コアと反対側に設けられ
、前記第1電源装置と前記磁性体コアは、前記第1部分で隔てられることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記固定部材は、前記第2面に沿って延びる第2部分を有し、
前記第1部分は前記第2部分から延び、
前記第1電源装置は、前記第2部分の上に設けられることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記固定部材は、前記支持体よりも熱伝導率が低いことを特徴とする請求項1または2に記載の照明器具。
【請求項4】
外部電源から電力が入力される入力部を備え、
前記第1電線は、前記第1電源装置と前記入力部とを接続する電線を含むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記第1電線は、前記第1電源装置と前記光源とを接続する電線を含むことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
外部から信号が入力される信号入力部を備え、
前記第1電線は、前記第1電源装置と前記信号入力部とを接続する電線を含むことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記光源を点灯させる第2電源装置と、
前記第2電源装置と接続され、前記磁性体コアに前記第1電線と同方向に巻き付けられた第2電線と、
を備えることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記磁性体コアは、前記第1電源装置と前記第2電源装置との間に設けられることを特徴とする請求項7に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インバータ装置が開示されている。このインバータ装置では、フェライトコアに各相に対応するケーブルをコモンモードコイルとして巻回して、フィルターユニットを構成している。インバータ装置の筐体には、フィルターユニット収容用の凹部が形成される。この凹部は、導風路に開放されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、フェライトリングコアは温度が上昇するとノイズの低減効果が低下する。特許文献1の構成では、フェライトリングコアの冷却のために、導風路にコアを配置する。このため、フェライトリングコアの配置場所が制約されるおそれがある。また、照明器具においては、点灯装置をケースで囲むことがある。この場合、点灯装置の内部に導風路を設けることが難しいことが考えられる。
【0005】
また、照明器具では、光源が発する熱を放熱フィンなどにより放熱することがある。このとき、光源の発熱量が大きい場合、フェライトリングコアを放熱フィンに接触させると、光源から発せられた熱がコアに伝熱するおそれがある。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、磁性体コアの温度上昇を抑制
できる照明器具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る照明器具は、光源と、該光源を点灯させる第1電源装置と、該光源を保持する支持体と、磁性体コアと、該第1電源装置と接続され、該磁性体コアに巻き付けられた第1電線と、該磁性体コアを該支持体から離して保持する固定部材と、を備え、該支持体は、該光源が設けられた第1面と、該第1面と反対側の第2面と、を有し、該固定部材は、該第2面から該第1面と離れる方向に延びる板状の第1部分を有し、該磁性体コアは、該第1部分に固定され、該第1電源装置は、該第1部分に対して該磁性体コアと反対側に設けられ、該第1電源装置と該磁性体コアは、該第1部分で隔てられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る照明器具では、磁性体コアが支持体から離して保持される。従って、磁性体コアの温度上昇を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具の斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具の平面図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明器具の正面図である。
【
図4】実施の形態1の第1の変形例に係る照明器具の平面図である。
【
図5】実施の形態1の第2の変形例に係る照明器具の平面図である。
【
図6】妨害波電力のノイズ測定の結果の一例を説明する図である。
【
図7】実施の形態2に係る照明器具の平面図である。
【
図8】実施の形態3に係る照明器具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係る照明器具について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1の斜視図である。照明器具1は、光源2と、電源装置4と、放熱フィン3を備える。光源2はLEDなどの発光素子を有する。光源2は第1光源2aと第2光源2bを含む。
【0012】
電源装置4は、光源2を点灯させる点灯装置である。電源装置4は、光源2に供給する電力を制御する。
【0013】
放熱フィン3は、光源2が設けられた第1面3aと、第1面3aと反対側の第2面3bとを有する。放熱フィン3は、光源2を保持する支持体に該当する。放熱フィン3は、光源2が発する熱を放熱させる。また、放熱フィン3は、電源装置4が発する熱を放熱させても良い。放熱フィン3は、例えば金属から形成される。
【0014】
図2は、実施の形態1に係る照明器具1の平面図である。電源装置4は、第1電源装置6と第2電源装置7を含む。第1電源装置6は第1光源2aを点灯させる。第2電源装置7は第2光源2bを点灯させる。なお、
図1に示されるように、第1電源装置6、第2電源装置7および後述する磁性体コア12はケース4aに収納される。ケース4aは例えば金属から形成される。
図2では便宜上、ケース4aは省略されている。
【0015】
放熱フィン3の第2面3bには、第1電源装置6、第2電源装置7および入力部5が設けられる。第1電源装置6と第2電源装置7は、第1面3aの長手方向に並ぶ。入力部5は第2電源装置7に隣接して設けられる。入力部5には外部電源から電力が入力される。外部電源は例えば商用交流電源である。
【0016】
第1電源装置6では、第1基板6c上に第1入力端子6a、第1出力端子6b、第1点灯回路、第1制御部等が形成される。一対の第1入力配線8は、第1入力端子6aと入力部5とを接続する。第1点灯回路は、第1入力端子6aを介して外部電源から電力の供給を受け、第1光源2aを点灯させる電力を生成する。第1点灯回路は、入力部5から供給される入力電圧を目標とする電力に変換して第1光源2aに供給する。第1制御部は、第1点灯回路を制御する。第1点灯回路は、例えばスイッチング電源回路である。スイッチング電源回路は、昇圧チョッパ回路およびバックコンバータ回路等を含む。第1点灯回路の出力電力は、第1出力端子6bから出力される。第1出力端子6bは、第1出力配線10によって第1光源2aに接続される。これにより、第1光源2aが点灯する。
【0017】
第2電源装置7では、第2基板7c上に第2入力端子7a、第2出力端子7b、第2点灯回路、第2制御部等が形成される。一対の第2入力配線9は、第2入力端子7aと入力部5とを接続する。第2点灯回路は、第2入力端子7aを介して外部電源から電力の供給を受け、第2光源2bを点灯させる電力を生成する。第2点灯回路は、入力部5から供給される入力電圧を目標とする電力に変換して第2光源2bに供給する。第2制御部は、第2点灯回路を制御する。第2点灯回路は、例えばスイッチング電源回路である。第2点灯回路の出力電力は、第2出力端子7bから出力される。第2出力端子7bは、第2出力配線11によって第2光源2bに接続される。これにより、第2光源2bが点灯する。
【0018】
照明器具1には、ノイズを抑制するための磁性体コア12が設置されるスペースが設けられる。磁性体コア12は、第1電源装置6と第2電源装置7の間に設けられる。第1入力配線8と第2入力配線9は、1つの磁性体コア12に同方向に巻きつけられる。第1入力配線8は、第1電源装置6と接続され、磁性体コア12に巻き付けられた第1電線に該当する。第2入力配線9は、第2電源装置7と接続され、磁性体コア12に第1電線と同方向に巻き付けられた第2電線に該当する。
【0019】
一般に、電子機器からのノイズは規制されている。このため、EMC(Electromagnetic Compatibility)対策として照明器具にノイズフィルタが内蔵されることがある。磁性体コア12は、このようなノイズフィルタとして設けられている。
【0020】
磁性体コア12は環状である。磁性体コア12は、例えばフェライトから形成される。磁性体コア12はフェライトリングまたはフェライトコアとも呼ばれる。磁性体コア12の材質および形状はこれに限らない。磁性体コア12に電線が巻き付けられることで、電線と磁性体コア12はコイルを構成する。このコイルは、高周波ノイズを減衰させるフィルタとして機能する。また、電線を流れるノイズ電流の一部は、磁気損失としてエネルギーを失う。これにより、さらにノイズ除去の効果が向上する。
【0021】
本実施の形態では第1入力配線8と第2入力配線9を磁性体コア12に巻き付けることで、外部電源から侵入するノイズを抑制できる。なお、第1入力配線8と第2入力配線9を同方向で磁性体コア12に巻き付けることで、ノイズ抑制の効果が打ち消し合うことを防止できる。
【0022】
図3は、実施の形態1に係る照明器具1の正面図である。放熱フィン3の第2面3bには、固定部材13が設けられる。固定部材13は固定台とも呼ばれる。固定部材13はL字型である。固定部材13は、第1部分13aと第2部分13bとを有する。第1部分13aは、第2面3bから第1面3aと離れる方向に延びる。第1部分13aは、第2面3bと垂直に伸びる。これに限らず、第1部分13aは第2面3bに対して傾いていても良い。
【0023】
第1部分13aは第2部分13bから延びる。第2部分13bは、第2面3bに沿って延びる。第1電源装置6は、第2部分13bの上に設けられる。固定部材13は、第1電源装置6と放熱フィン3との間に挟み込まれる。固定部材13は、ネジ等で放熱フィン3または第1電源装置6に固定されている。
【0024】
磁性体コア12は、第1部分13aに固定される。
図2に示されるように、磁性体コア12からは接続部20が延びる。接続部20と第1部分13aは固定具21で互いに固定される。固定具21は例えばネジである。磁性体コア12は、第1部分13aのうち、第2部分13bと反対側の端部に固定される。このように、固定部材13は、磁性体コア12を放熱フィン3から離して保持する。
【0025】
第1電源装置6および第1光源2aで発生した熱は放熱フィン3へと伝わる。ここで、本実施の形態では、磁性体コア12は放熱フィン3と接触しない。このため、放熱フィン3からの熱が磁性体コア12へ伝わるのを抑制できる。従って、磁性体コア12の温度上昇を抑制できる。これにより、磁性体コア12によるノイズ低減の効果を有効に発揮させることができる。
【0026】
また、磁性体コア12は、第1電源装置6および第2電源装置7と離れて設けられる。このため、第1電源装置6および第2電源装置7からの熱が磁性体コア12へ伝わるのを抑制できる。従って、磁性体コア12の温度上昇をさらに抑制できる。
【0027】
さらに、第1電源装置6は、第1部分13aに対して磁性体コア12と反対側に設けられる。つまり、第1電源装置6と磁性体コア12は、第1部分13aで隔てられる。このため、第1電源装置6からの熱が磁性体コア12へ伝わるのを抑制でき、磁性体コア12の温度上昇をさらに抑制できる。
【0028】
また、固定部材13は、放熱フィン3よりも熱伝導率が低い。放熱フィン3は例えばアルミから形成される。これに対し、固定部材13は、例えば鉄から形成される。これにより、放熱フィン3からの熱が固定部材13に伝わりにくくなるため、磁性体コア12の温度上昇をさらに抑制できる。
【0029】
また、本実施の形態によれば、小型で簡易な構造の固定部材13により、磁性体コア12の温度上昇を抑制できる。従って、磁性体コア12の温度上昇を抑制するために、照明器具1が大型化することを抑制できる。また、照明器具1の組み立て工程が複雑化することを抑制できる。従って、ノイズ低減の効果を維持しつつ、小型で組立性が良い照明器具1を得ることができる。
【0030】
また、本実施の形態では磁性体コア12を冷却するために導風路を設ける必要がない。このため、第1電源装置6、第2電源装置7および磁性体コア12がケース4aに収納されていても、磁性体コア12の温度上昇を抑制できる。
【0031】
固定部材13の形状は、
図3に示したものに限らない。固定部材13は、磁性体コア12を放熱フィン3から離して保持できれば良い。例えば、固定部材13は、第2電源装置7と放熱フィン3との間に挟み込まれても良い。また、固定部材13は、第1電源装置6と放熱フィン3の間および第2電源装置7と放熱フィン3の間の両方で挟み込まれても良い。この場合、固定部材13は例えばT字型である。また、固定部材13は、磁性体コア12を光源2、他の電子部品または発熱体から離して保持しても良い。また、一つの固定部材13に複数の磁性体コア12が固定されても良い。
【0032】
また、本実施の形態では、磁性体コア12は第2面3bと対向するように固定部材13に保持される。つまり、磁性体コア12の軸が第2面3bと垂直になるように、磁性体コア12は保持される。これに限らず、磁性体コア12は、磁性体コア12の軸が第2面3bと平行になるように保持されても良い。また、磁性体コア12は第2面3bに対して傾いて保持されても良い。
【0033】
また、本実施の形態では、第1入力配線8と第2入力配線9が1つの磁性体コア12に巻き付けられる。このため、第1入力配線8と第2入力配線9を別の磁性体コアに巻き付ける場合よりも、磁性体コア12の数量を削減できる。なお、第1入力配線8と第2入力配線9を磁性体コア12に同じ方向で巻き付けることで、第1入力配線8と第2入力配線9を別の磁性体コアに巻き付ける場合と同様のノイズ抑制効果が得られる。
【0034】
磁性体コア12への巻数は、電源装置4の出力電力に応じて自由に設定できる。磁性体コア12への巻数は、例えば電源装置4の出力電力または出力電流が高いほど大きく設定されても良い。
【0035】
また、本実施の形態の照明器具1には、2つの光源と2つの電源装置が設けられた。これに限らず、照明器具1には光源と電源装置がそれぞれ1つ以上設けられれば良い。
【0036】
図4は、実施の形態1の第1の変形例に係る照明器具201の平面図である。照明器具201では、第1電源装置6と第1光源2aとを接続する第1出力配線10が磁性体コア12に巻き付けられる。また、第2電源装置7と第2光源2bとを接続する第2出力配線11が磁性体コア12に巻き付けられる。第1出力配線10と第2出力配線11は、磁性体コア12に同方向で巻き付けられる。この構成によれば、光源2への配線に侵入するノイズを抑制できる。第1の変形例は、特に光源2への配線に侵入するノイズが大きい場合に有効である。
【0037】
図5は、実施の形態1の第2の変形例に係る照明器具301の平面図である。照明器具301は、複数の磁性体コア12a、12bを備える。固定部材13には、複数の磁性体コア12a、12bが固定される。これに限らず、複数の磁性体コア12a、12bの各々に、別個に固定部材13が設けられても良い。
【0038】
磁性体コア12aには、第1入力配線8と第2入力配線9が同方向で巻き付けられる。磁性体コア12bには、第1出力配線10と第2出力配線11が同方向で巻き付けられる。このような構成によれば、照明器具1、201よりもノイズ低減の効果を向上できる。
【0039】
図6は、妨害波電力のノイズ測定の結果の一例を説明する図である。ノイズ測定は、国際規格CISPR(Comite international Special des Perturbations Radioelectriques)15「電気照明及び類似機器の無線妨害波特性の許容値及び測定法」に準拠して測定した。
図6における比較例のグラフは、1つの磁性体コア12に1つの配線を巻きつけた照明器具でのノイズ測定の結果を示している。つまり、比較例では、第1入力配線8、第2入力配線9、第1出力配線10および第2出力配線11は、別個の磁性体コア12に巻き付けられる。比較例のグラフにおいて、実線81は測定結果のピーク値を示し、実線82はノイズの限度値を示す。限度値は準尖頭値(QP値)である。
【0040】
これに対し、第2の変形例では、第1入力配線8と第2入力配線9が1つの磁性体コア12aに巻き付けられる。また、第1出力配線10と第2出力配線11は1つの磁性体コア12bに巻き付けられる。第2の変形例のグラフにおいて、実線83は測定結果のピーク値を示し、実線84はノイズの限度値の準尖頭値を示す。なお、実線81、83に示される測定結果のピーク値が、実線82、84に示されるノイズの準尖頭値を超えた周波数において、ピーク値および準尖頭値の再測定を行った。再測定により、測定した準尖頭値が実線82、84に示されるノイズの準尖頭値以下であることが確認された。
【0041】
比較例と第2の変形例では、ノイズのレベルは同等である。従って、1つの磁性体コア12に複数の電源装置からの電線を巻き付けても、比較例と同様の効果が得られることが分かる。このように本実施の形態では、複数の電源装置を備える照明器具1において、ノイズ抑制の効果を維持しつつ、磁性体コアの数を減らして照明器具1を小型化できる。
【0042】
一般に、フェライトリングは、配線の巻回のための空間が必要なため、他の電子部品と比較して大きな設置面積を占有する。このため、複数の磁性体コア12を設けると、電子機器の小型化を阻害するおそれがある。これに対し、本実施の形態では、1つの磁性体コア12に複数の電源装置からの電線を巻き付ける。従って、磁性体コア12による照明器具1の大型化を抑制できる。これらの変形は、以下の実施の形態に係る照明器具について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る照明器具については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0043】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る照明器具401の平面図である。照明器具401は、第1電源装置6と第2電源装置7の外周部に複数のポール14が設けられる点が照明器具301と異なる。ポール14の一部は、第1電源装置6において第1基板6cの外側に設けられる。また、ポール14の一部は第1電源装置6において、第1入力端子6aおよび第1出力端子6bよりも外側に設けられる。同様に、ポール14の一部は第2電源装置7において、第2基板7cの外側に設けられる。また、ポール14の一部は第2電源装置7において、第2入力端子7aおよび第2出力端子7bよりも外側に設けられる。
【0044】
第1入力配線8は、入力部5からポール14の外側を通って、磁性体コア12aに至る。また、第1入力配線8は、磁性体コア12aからポール14の外側を通って第1入力端子6aに至る。同様に、第2入力配線9は、入力部5からポール14の外側を通って、磁性体コア12aに至る。また、第2入力配線9は、磁性体コア12aからポール14の外側を通って第2入力端子7aに至る。
【0045】
第1出力配線10は、磁性体コア12bからポール14の外側を通って第1光源2aに至る。第2出力配線11は、第2出力端子7bからポール14の外側を通って磁性体コア12bに至る。また、第2出力配線11は、磁性体コア12からポール14の外側を通って第2光源2bに至る。
【0046】
ノイズは、第1電源装置6および第2電源装置7から放射され、配線に伝わる場合がある。これに対し本実施の形態では、ポール14を用いて、電源装置4の外周部を経由して配線を接続する。従って、第1電源装置6および第2電源装置7から配線に伝わる放射ノイズを抑制できる。本実施の形態は、特に電源装置4の周波数が高い場合に効果が期待できる。
【0047】
なお、ポール14の数および設置場所は、照明器具401または電源装置4の形状に合わせて自由に設定できる。また、ポール14の形状は問わない。ポール14は、第1電源装置6または第2電源装置7の外周部を通るように配線を配置できれば良い。
【0048】
実施の形態3.
図8は、実施の形態3に係る照明器具501の平面図である。照明器具501は信号入力部15を備える。信号入力部15には、外部から信号が入力される。電源装置4は、信号入力部15を介して外部との通信が可能である。
【0049】
第1基板6cには、第1信号入力端子6dが設けられる。第1信号線16は、第1信号入力端子6dと信号入力部15とを接続する。第1電源装置6の第1制御部は、第1信号入力端子6dから入力される信号に応じて第1点灯回路を制御する。
【0050】
第2基板7cには、第2信号入力端子7dが設けられる。第2信号線17は、第2信号入力端子7dと信号入力部15とを接続する。第2電源装置7の第2制御部は、第2信号入力端子7dから入力される信号に応じて第2点灯回路を制御する。
【0051】
第1信号線16と第2信号線17は、磁性体コア12に同方向で巻き付けられる。
【0052】
ノイズは信号線にも重畳される場合がある。これに対し本実施の形態では、信号線を伝搬するノイズを抑制できる。本実施の形態は、特に電源装置4が高速で通信する場合に有効である。
【0053】
また、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 照明器具、2 光源、2a 第1光源、2b 第2光源、3 放熱フィン、3a 第1面、3b 第2面、4 電源装置、4a ケース、5 入力部、6 第1電源装置、6a 第1入力端子、6b 第1出力端子、6c 第1基板、6d 第1信号入力端子、7 第2電源装置、7a 第2入力端子、7b 第2出力端子、7c 第2基板、7d 第2信号入力端子、8 第1入力配線、9 第2入力配線、10 第1出力配線、11 第2出力配線、12、12a、12b 磁性体コア、13 固定部材、13a 第1部分、13b 第2部分、14 ポール、15 信号入力部、16 第1信号線、17 第2信号線、20 接続部、21 固定具、201、301、401、501 照明器具