(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】ベルト装置及びそれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/16 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
G03G15/16
(21)【出願番号】P 2020079639
(22)【出願日】2020-04-28
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 銀河
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-241958(JP,A)
【文献】特開2007-121943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/02
13/14-13/16
15/02
15/14-15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周回移動可能な無端状のベルトを張架する第1張架部材と、前記ベルトの素地及び/又は前記ベルト上のトナー画像の濃度を検知する検知部とを備え、
前記第1張架部材は、前記ベルトの周回軸線の方向である軸線方向に平行な第1平行領域と、前記第1平行領域の前記軸線方向における外側に連接して前記周回軸線に近づく方向に傾斜する第1傾斜領域とを有し、
前記検知部は、前記第1平行領域と前記第1傾斜領域との第1境界に対応する個所、又は、前記第1境界に隣接する内側の所定の第1隣接領域に対応する個所を検知し、
前記第1張架部材は、前記第1平行領域の前記軸線方向における外側に連接して前記第1平行領域から前記周回軸線に近づく方向に退避した外側領域を有していることを特徴とするベルト装置。
【請求項2】
周回移動可能な無端状のベルトを張架する第1張架部材と、前記ベルトの素地及び/又は前記ベルト上のトナー画像の濃度を検知する検知部とを備え、
前記第1張架部材は、前記ベルトの周回軸線の方向である軸線方向に平行な第1平行領域と、前記第1平行領域の前記軸線方向における外側に連接して前記周回軸線に近づく方向に傾斜する第1傾斜領域とを有し、
前記検知部は、前記第1平行領域と前記第1傾斜領域との第1境界に対応する個所、又は、前記第1境界に隣接する内側の所定の第1隣接領域に対応する個所を検知し、
前記第1張架部材は、前記第1隣接領域よりも軸線方向における内側において前記第1平行領域から前記周回軸線に近づく方向に変位する内側変位領域を有していることを特徴とするベルト装置。
【請求項3】
請求項1
又は請求項
2に記載のベルト装置であって、
前記第1傾斜領域に対する傾斜角度が45度以下であることを特徴とするベルト装置。
【請求項4】
請求項
1から請求項
3までの何れか1つに記載のベルト装置であって、
前記第1張架部材は、第1張架ローラであることを特徴とするベルト装置。
【請求項5】
請求項
4に記載のベルト装置であって、
前記検知部は、前記第1張架ローラと前記ベルトとが接触する接触領域と前記接触領域の前記周回軸線回りの周方向における上流側の非接触領域との第2境界の前記上流側に隣接する所定の第2隣接領域に対応する個所を検知することを特徴とするベルト装置。
【請求項6】
請求項
1から請求項
3までの何れか1つに記載のベルト装置であって、
前記第1張架部材は、第1張架板であることを特徴とするベルト装置。
【請求項7】
請求項
6に記載のベルト装置であって、
前記検知部は、前記第1張架板と前記ベルトとが接触する接触領域に対応する個所を検知することを特徴とするベルト装置。
【請求項8】
請求項1から請求項
7までの何れか1つに記載のベルト装置であって、
前記周回軸線回りの周方向において前記第1張架部材よりも下流側に配置された第2張架ローラを備え、
前記第2張架ローラは、前記軸線方向に平行な第2平行領域と、前記第2平行領域の前記軸線方向における外側に連接して前記周回軸線に近づく方向に傾斜する第2傾斜領域とを有していることを特徴とするベルト装置。
【請求項9】
請求項1
又は請求項3から請求項
8までの何れか1つに記載のベルト装置であって、
前記第1張架部材は、前記第1隣接領域よりも軸線方向における内側において前記第1平行領域から前記周回軸線に近づく方向に変位する内側変位領域を有していることを特徴とするベルト装置。
【請求項10】
請求項
2又は請求項9に記載のベルト装置であって、
前記内側変位領域は、前記軸線方向に平行な内側平行領域を含んでいることを特徴とするベルト装置。
【請求項11】
請求項1から請求項1
0までの何れか1つに記載のベルト装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルト装置及びそれを備えた複写機、複合機、ファクシミリ装置、プリンタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
張架部材により周回移動可能な無端状のベルト(例えば転写ベルト)を張架し、検知部によりベルト上のトナー画像の濃度を検知するベルト装置(例えば転写ベルト装置)が従来から知られている。
【0003】
ベルト装置を備えた画像形成装置では、トナー画像の濃度を調整するにあたり、ベルトの素地を検知部にて検知し、検知した素地の検知結果に基づいてゼロ点調整(キャリブレーション)を行う。その後、ベルト上にトナー画像を形成し、形成したトナー画像を検知部にて検知し、検知したトナー画像の検知結果に基づいてトナー画像の濃度を調整する。
【0004】
このような画像形成装置では、ベルトの素地及び/又はトナー画像を検知部で検知する際に、ベルト自身の表面の波打ちによる皺により、ベルトの素地及び/又はトナー画像を精度よく検知することができないことがある。
【0005】
この点に関し、特許文献1には、周面の回転軸線方向の中央部から両端に向かって直径が減少する正クラウン形状に形成された張架ローラを備えたベルト装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のベルト装置では、ベルトにおいて張架ローラ付近では波打ちによる皺を抑制することができるものの、検知部の配置位置によっては、依然として、ベルトの素地及び/又はトナー画像を精度よく検知することができない。
【0008】
そこで、本発明は、ベルトの波打ちによる皺を抑制することができる上、ベルトの素地及び/又はトナー画像を精度よく検知することができるベルト装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明者は、次の知見を得た。すなわち、張架部材により周回移動可能な無端状のベルトを張架し、検知部によりベルト上のトナー画像の濃度を検知するベルト装置においては、ベルトの周回軸線の方向である軸線方向に平行な第1平行領域と、第1平行領域の軸線方向における外側に連接して周回軸線に近づく方向に傾斜する第1傾斜領域とを有している第1張架部材を用い、第1平行領域と第1傾斜領域との第1境界に対応する個所を検知部にて検知することで、ベルトの素地及び/又はトナー画像を精度よく検知することができることを見出した。ここで、検知部は、第1境界に対応する個所を検知するようにすることが好ましいが、検知部の検知誤差、第1張架部材の寸法ばらつき、検知部の取り付けばらつきによって、第1境界よりも外側(傾斜領域)に対応する個所を検知してしまうと、検知精度が悪化することがある。従って、検知部の検知誤差、第1張架部材の寸法ばらつき、検知部の取り付けばらつきを考慮すると、第1境界に隣接する内側の所定の第1隣接領域を検知することが好ましい。
【0010】
本発明は、かかる知見に基づき完成したものであり、次の第1態様又は第2態様のベルト装置及び画像形成装置を提供する。
(1)第1態様のベルト装置
本発明に係る第1態様のベルト装置は、周回移動可能な無端状のベルトを張架する第1張架部材と、前記ベルトの素地及び/又は前記ベルト上のトナー画像の濃度を検知する検知部とを備え、前記第1張架部材は、前記ベルトの周回軸線の方向である軸線方向に平行な第1平行領域と、前記第1平行領域の前記軸線方向における外側に連接して前記周回軸線に近づく方向に傾斜する第1傾斜領域とを有し、前記検知部は、前記第1平行領域と前記第1傾斜領域との第1境界に対応する個所、又は、前記第1境界に隣接する内側の所定の第1隣接領域に対応する個所を検知し、前記第1張架部材は、前記第1平行領域の前記軸線方向における外側に連接して前記第1平行領域から前記周回軸線に近づく方向に退避した外側領域を有していることを特徴とする。
(2)第2態様のベルト装置
本発明に係る第2態様のベルト装置は、周回移動可能な無端状のベルトを張架する第1張架部材と、前記ベルトの素地及び/又は前記ベルト上のトナー画像の濃度を検知する検知部とを備え、前記第1張架部材は、前記ベルトの周回軸線の方向である軸線方向に平行な第1平行領域と、前記第1平行領域の前記軸線方向における外側に連接して前記周回軸線に近づく方向に傾斜する第1傾斜領域とを有し、前記検知部は、前記第1平行領域と前記第1傾斜領域との第1境界に対応する個所、又は、前記第1境界に隣接する内側の所定の第1隣接領域に対応する個所を検知し、前記第1張架部材は、前記第1隣接領域よりも軸線方向における内側において前記第1平行領域から前記周回軸線に近づく方向に変位する内側変位領域を有していることを特徴とする。
(3)画像形成装置
本発明に係る画像形成装置は、前記本発明に係る第1態様又は第2態様のベルト装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、ベルトの波打ちによる皺を回避することができる上、ベルトの素地及び/又はトナー画像を精度よく検知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を透視的に示す正面図である。
【
図2】
図1に示す画像形成装置における転写ベルト装置を右斜め上方から視た斜視図である。
【
図3】転写ベルト装置の
図2に示すA-A線に沿った断面図である。
【
図4】転写ベルト装置を右側面から視た側面図である。
【
図5】
図3に示す第1張架部材及び検知部部分を2次転写ローラと共に示す断面図である。
【
図6】第1実施形態に係る第1張架部材として第1張架ローラを用いた例を模式的に示す断面図である。
【
図7】第1実施形態に係る第1張架部材及び第2張架ローラをシートと共に模式的に示す断面図である。
【
図8】第2実施形態として第1実施形態に係る第1張架部材において外側領域を設けた例を模式的に示す断面図である。
【
図9A】第3実施形態として第1実施形態に係る第1張架部材に内側変位領域を設けた例を模式的に示す断面図である。
【
図9B】第3実施形態として第2実施形態に係る第1張架部材に内側変位領域を設けた例を模式的に示す断面図である。
【
図10】第4実施形態として第1張架板を設けた例を示す断面図である。
【
図11A】第4実施形態に係る第1張架板を正面側の左側下方から視た斜視図である。
【
図11B】第4実施形態に係る第1張架板を正面側の右側下方から視た斜視図である。
【
図12A】第4実施形態に係る第1張架板を背面側の右側下方から視た斜視図である。
【
図12B】第4実施形態に係る第1張架板を背面側の左側下方から視た斜視図である。
【
図13】第4実施形態に係る転写ベルト装置における第1張架板、転写ベルト及び検知部の
図10に示すB-B線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0014】
〔画像形成装置全体の説明〕
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置100の概略構成を透視的に示す正面図である。なお、
図1及び後述する
図2から
図5、
図10から
図13において、符号Xは、左右方向を、符号Yは、前後方向を、符号Zは、上下方向を示している。
【0015】
画像形成装置100は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を有する複合機であり、画像読取装置102によって読み取られた原稿Gの画像を外部に送信する。また、画像形成装置100は、画像読取装置102にて読み取った原稿Gの画像又は外部から受信した画像をカラー若しくは単色で用紙等のシートPに画像形成する。
【0016】
画像読取部130の上側には、画像読取部130に対して開閉自在に支持された原稿送り装置160〔自動原稿搬送装置(ADF)〕が設けられている。画像読取装置102は、原稿送り装置160を備えている。原稿送り装置160は、1枚又は複数枚の原稿Gを1枚ずつ順に搬送する。画像読取装置102は、原稿送り装置160により1枚又は複数枚の原稿のうち1枚ずつ搬送される原稿Gを読み取る。画像読取装置102は、原稿Gを載置する原稿載置台130a(原稿セット台)と、原稿載置台130a上に載置された原稿を読み取る載置原稿読取機能とを備えている。画像形成装置100は、原稿送り装置160が開かれると、画像読取部130の上方の原稿載置台130aが開放され、原稿Gを手置きで置くことができるようになっている。また、原稿送り装置160は、原稿Gを載置する原稿載置トレイ161(載置トレイ)と、外部に排出された原稿Gを積載する原稿排出トレイ162(排出トレイ)とを備えている。画像読取装置102は、原稿送り装置160にて搬送された原稿Gを読み取る搬送原稿読取機能を備えている。原稿送り装置160は、原稿載置トレイ161に載置された原稿Gを画像読取部130における原稿読取部130b上に搬送する。画像読取部130は、走査光学系130cを走査して原稿載置台130aに載置された原稿を読み取るか又は原稿送り装置160にて搬送される原稿Gを読み取って画像データを生成する。
【0017】
画像形成装置本体101は、光走査装置1、現像装置2、感光体ドラム3(像担持体の一例)、ドラムクリーニング装置4、帯電器5、転写ベルト装置70(中間転写ベルト装置)(ベルト装置の一例)、2次転写装置11、定着装置12、シート搬送路S、給紙カセット18、シート排出トレイ141(胴内排出トレイ)を備えている。
【0018】
画像形成装置100では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像、又は、単色(例えば、ブラック)を用いたモノクロ画像に応じた画像データが扱われる。画像形成装置100の画像転写部50には、4種類のトナー像を形成するための現像装置2、感光体ドラム3、ドラムクリーニング装置4及び帯電器5が4つずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ及びイエローに対応付けられ、4つの画像ステーションPa,Pb,Pc,Pdが構成されている。
【0019】
光走査装置1は、感光体ドラム3の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置2は、感光体ドラム3の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム3の表面にトナー像を形成する。ドラムクリーニング装置4は、感光体ドラム3の表面の残留トナーを除去及び回収する。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させる。上述した一連の動作によって、各感光体ドラム3の表面に各色のトナー像が形成される。
【0020】
転写ベルト装置70は、転写ローラ6(中間転写ローラ)、無端状の転写ベルト71(中間転写ベルト)(ベルトの一例)、転写駆動ローラ72、転写従動ローラ73及びクリーニング装置9(ベルトクリーニング装置)を備えている。転写ローラ6は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4つずつ転写ベルト71の内側に設けられている。転写ローラ6は、感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像を周方向Cへ周回移動する転写ベルト71に転写する。
【0021】
転写ベルト71は、転写駆動ローラ72及び転写従動ローラ73に張架されている。画像形成装置100では、クリーニング装置9によって残留トナーを除去及び回収し、各感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像を順次転写して重ね合わせて、転写ベルト71の表面にカラーのトナー像を形成する。クリーニング装置9は、シートPに転写されずに転写ベルト71の表面に残った廃トナーを除去及び回収する。
【0022】
2次転写装置11は、2次転写ローラ11a(対向ローラの一例)と転写ベルト71との間に転写ニップ領域TN(ニップ領域)を形成しており、シート搬送路Sを通じて搬送されてきたシートPを転写ニップ領域TNに挟み込んで搬送する。シートPは、転写ニップ領域を通過する際に、転写ベルト71の表面のトナー像が転写されて定着装置12に搬送される。
【0023】
定着装置12は、シートPを挟んで回転する定着ローラ31及び加圧ローラ32を備えている。定着装置12は、定着ローラ31及び加圧ローラ32の間にトナー像が転写されたシートPを挟み込んで加熱及び加圧し、トナー像をシートPに定着させる。
【0024】
給紙カセット18は、画像形成に使用するシートPを蓄積しておくためのカセットであり、光走査装置1の下側に設けられている。シートPは、ピックアップローラ16によって給紙カセット18から引き出されて、シート搬送路Sに搬送される。シート搬送路Sに搬送されたシートPは、2次転写装置11や定着装置12を経由し、排出ローラ17に搬送され、排出部140におけるシート排出トレイ141に排出される。シート搬送路Sには、搬送ローラ13、レジストローラ14及び排出ローラ17が配置されている。搬送ローラ13は、シートPの搬送を促す。レジストローラ14は、シートPを一旦停止させて、シートPの先端を揃える。レジストローラ14は、一旦停止したシートPを転写ベルト71上のカラートナー像のタイミングに合わせて搬送する。転写ベルト71上のカラートナー像は、転写ベルト71と2次転写ローラ11aとの間の転写ニップ領域TNでシートPに転写される。
【0025】
なお、
図1では、給紙カセット18が1つとされているがこれに限定されず、複数の給紙カセット18を設けた構成とし、それぞれに異なる種類のシートPを積載してもよい。
【0026】
また、画像形成装置100は、シートPの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、シートPを排出ローラ17からシート反転経路Srに逆方向に搬送する。画像形成装置100は、逆方向に搬送されたシートPの表裏を反転し、レジストローラ14に再度導く。また、画像形成装置100は、レジストローラ14に導かれたシートPを表面と同様にして裏面に画像形成し、シート排出トレイ141に搬出する。
【0027】
〔転写ベルト装置〕
図2は、
図1に示す画像形成装置100における転写ベルト装置70を右斜め上方から視た斜視図である。
図3は、転写ベルト装置70の
図2に示すA-A線に沿った断面図である。
図4は、転写ベルト装置70を右側面から視た側面図である。
図5は、
図3に示す第1張架部材74及び検知部75,75部分を2次転写ローラ11aと共に示す断面図である。
【0028】
転写ベルト装置70は、転写ベルト71と、転写駆動ローラ72と、転写従動ローラ73と、第1張架部材74と、検知部75,75とを備えている。転写ベルト71は、周回移動可能な無端状のベルトである。転写駆動ローラ72、転写従動ローラ73及び第1張架部材74は、転写ベルト71に巻き掛けらており、転写ベルト71を張架している。転写駆動ローラ72は、図示を省略した回転駆動部(駆動モータ)からの回転駆動力が駆動ギヤ72a(
図2参照)を介して伝達される。これにより、転写ベルト71は、周回軸線α回りの周方向Cに周回移動することができる。検知部75,75は、転写ベルト71の素地を検知する(読み取る)。また、検知部75,75は、画像転写部50にて形成されて転写ローラ6にて転写ベルト71上に転写されたトナー画像(例えば、調整用パターン画像、所謂パッチ画像)の濃度を検知する。検知部75,75は、発光素子(具体的に発光ダイオード)を含む発光部751と、受光素子(具体的にはフォトダイオード)を含む受光部752とを備えている。発光部751は、転写ベルト71の素地及び/又は転写ベルト71上のトナー画像に出射光L1(
図4参照)を照射する。受光部752は、転写ベルト71の素地及び/又は転写ベルト71上のトナー画像から反射してきた反射光L2(
図4参照)を受光する。画像形成装置100では、トナー画像の濃度を調整するにあたり、転写ベルト71の素地を検知部75,75にて検知し、検知した素地の検知結果に基づいてゼロ点調整(キャリブレーション)を行う。その後、転写ベルト71上にトナー画像を形成し、形成したトナー画像を検知部75,75にて検知し、検知したトナー画像の検知結果に基づいてトナー画像の濃度を調整する。
【0029】
ところで、従来の画像形成装置では、転写ベルトの素地及び/又はトナー画像を検知部で検知する際に、ベルト自身の表面の波打ちによる皺により、ベルトの素地及び/又はトナー画像を精度よく検知することができないことがある。
【0030】
(本実施の形態について)
この点、本実施の形態では、
図6から
図13に示すような構成としている。すなわち、第1張架部材74は、第1平行領域741と、第1傾斜領域742,742とを有している(
図6から
図9B、
図11Aから
図13参照)。第1平行領域741は、表面741aが周回軸線αの方向である軸線方向Mに平行な領域である。第1傾斜領域742,742は、第1平行領域741の軸線方向Mにおける外側に連接して周回軸線αに近づく方向に傾斜している。詳しくは、第1傾斜領域742,742は、第1平行領域741の軸線方向Mにおける少なくとも一方の外側(この例では両外側)に連接して第1平行領域741に接する第1仮想線β1に対する距離が軸線方向Mにおける端部に向かうほど次第に大きくなっていく領域である。こうすることで、第1平行領域741から第1傾斜領域742,742に向けて転写ベルト71を張ることができ、これにより、転写ベルト71の波打ちによる皺を抑制することができる。
【0031】
そして、検知部75,75は、第1平行領域741と第1傾斜領域742,742との第1境界743,743に隣接する内側の所定の第1隣接領域744,744に対応する個所を検知する構成とされている。なお、検知部75,75は、第1境界743,743に対応する個所を検知する構成とされていてもよい。こうすることで、転写ベルト71の素地及び/又はトナー画像を精度よく検知することができる。
【0032】
ところで、第1傾斜領域742,742に対する傾斜角度θ1,θ1が45度を超えると、第1平行領域741から第1傾斜領域742,742への転写ベルト71の張り性が悪化し易い上、第1境界743,743の角部により転写ベルト71の損傷(例えば転写ベルト71への折り目の筋や破損)が発生し易い。
【0033】
この点、本実施の形態において、第1張架部材74における第1傾斜領域742,742に対する傾斜角度θ1,θ1が45度以下である。こうすることで、第1平行領域741から第1傾斜領域742,742への転写ベルト71の張り性の悪化を抑制することができる上、第1境界743,743の角部による転写ベルト71の損傷を抑制することができる。
【0034】
(第1実施形態)
図6は、第1実施形態に係る第1張架部材74として第1張架ローラ74aを用いた例を模式的に示す断面図である。
【0035】
本実施の形態において、
図6に示すように、第1張架部材74は、第1張架ローラ74aである。第1傾斜領域742,742は、第1平行領域741の軸線方向Mにおける外側に連接して軸線方向Mにおける端部に向かうほど第1張架ローラ74aの直径r1a,r1aが次第に小さくなっていく領域である。こうすることで、第1張架ローラ74aにより第1平行領域741から第1傾斜領域742,742に向けて転写ベルト71を確実に張ることができ、これにより、転写ベルト71の波打ちによる皺を確実に抑制することができる。
【0036】
第1隣接領域744,744の軸線方向Mにおける第1距離d1は、第1平行領域741の周長の半分(第1平行領域741の第1直径をr1とすると、r1×π/2、具体的にはr1=8mmで12.6mm)程度、或いは、第1平行領域741の軸線方向Mにおける第2距離d2の20分の1(d2/20)、具体的にはd2=230mmで11.5mm)程度以下とすることができる。この例では、第1隣接領域744,744の第1距離d1は、10mmとされている。第1傾斜領域742,742の軸線方向Mにおける第3距離d3,d3は、43mm,43mmとされ、第1傾斜領域742,742の傾斜角度θ1,θ1は、0.4度とされている。また、検知部75,75は、検知位置が中央線745(第1平行領域741の中央)から所定の第4距離d4だけ離れるように配置されている。第4距離d4は、シートPの軸線方向Mにおける最大サイズの3分の1程度から転写ベルト71の軸線方向Mにおける幅の3分の1程度の間の範囲とすることができる。本実施の形態では、シートPの軸線方向Mにおける最大サイズがA3縦サイズ、A4横サイズ(297mm)とされている。この場合、転写ベルト71の軸線方向Mにおける幅は、例えば、335mmとし、第4距離d4は、例えば、110mmとすることができる。
【0037】
ところで、検知部75,75の周回軸線α回りの周方向Cにおける配置に関し、
図5に示すように、第1張架ローラ74aと転写ベルト71とが接触する接触領域711a、及び、接触領域711aの周方向Cにおける下流側の非接触領域712では、転写ベルト71の波打ちによる皺が発生し易く、検知部75,75が接触領域711aに対応する個所、及び、下流側の非接触領域712に対応する個所を検知すると、転写ベルト71の素地及び/又はトナー画像の検知精度が悪化する。これに対し、接触領域711aと接触領域711aの周方向Cにおける上流側の非接触領域713との第2境界714の上流側に隣接する所定の第2隣接領域715では、転写ベルト71の波打ちによる皺が発生し難い。
【0038】
この点、本実施の形態において、検知部75,75は、第2隣接領域715に対応する個所を検知する。こうすることで、第2隣接領域715において転写ベルト71の波打ちによる皺が発生し難いことから、検知部75,75が第2隣接領域715に対応する個所を検知することにより、転写ベルト71の素地及び/又はトナー画像の検知精度の悪化を効果的に防止することができる。
【0039】
第2隣接領域715の周方向Cにおける第5距離d5は、第1張架ローラ74aの半径(第1直径r1の半分、この例では8mm/2=4mm)程度以下とすることができる。この例では、第2隣接領域715の第5距離d5は、3.5mmとされている。
【0040】
ところで、
図5に示すように、第1張架部材74(この例では第1張架ローラ74a)よりも周回軸線α回りの周方向Cにおける下流側には、転写ベルト71と2次転写ローラ11a(対向ローラ)との転写ニップ領域TN(ニップ領域)が存在する。そうすると、転写画像の画質を向上させるという観点から、転写ベルト71の転写ニップ領域TNよりも周方向Cにおける上流側では軸線方向Mにおける全体に対して波打ちによる皺を抑制する必要がある。
【0041】
この点、本実施の形態において、転写ベルト装置70は、第2張架ローラ76を備えている。第2張架ローラは、周回軸線α回りの周方向Cにおいて第1張架部材74(74a)よりも下流側、かつ、転写ベルト71と2次転写ローラ11a(対向ローラ)との転写ニップ領域TN(ニップ領域)よりも上流側に配置されている。すなわち、第2張架ローラ76は、転写ベルト71の周回移動経路において第1張架部材74(74a)と転写ニップ領域TN(ニップ領域)との間において転写ベルト71の内側に設けられている。
【0042】
図7は、第1実施形態に係る第1張架部材74(74a)及び第2張架ローラ76をシートPと共に模式的に示す断面図である。
【0043】
図7に示すように、第2張架ローラ76は、第2平行領域761と、第2傾斜領域762,762とを有している。第2平行領域761は、表面が軸線方向Mに平行な領域である。第2傾斜領域762,762は、第2平行領域761の軸線方向Mにおける外側に連接して周回軸線αに近づく方向に傾斜している。詳しくは、第2傾斜領域762,762は、第2平行領域761の軸線方向Mにおける外側に連接して第2平行領域761に接する第2仮想線β2に対する距離が軸線方向Mにおける端部に向かうほど次第に大きくなっていく領域である。第2傾斜領域762,762は、第2平行領域761の軸線方向Mにおける外側に連接して軸線方向Mにおける端部に向かうほど第2張架ローラ76の直径r2a,r2aが次第に小さくなっていく領域である。こうすることで、転写ベルト71の転写ニップ領域TN(ニップ領域)よりも周方向Cにおける上流側において軸線方向Mにおける全体に対して波打ちによる皺を抑制することができ、これにより、トナー画像の画質を向上させることができる。
【0044】
第2平行領域761の軸線方向Mにおける第7距離d7は、第2張架ローラ76のローラ部の軸線方向Mにおける第6距離d6の15分の1〔d6/15、具体的にはd6=316mmで21mm〕程度以下とすることができる。具体的には、第2平行領域761の軸線方向Mにおける第7距離d7は、20mmとされている。第2傾斜領域762,762の軸線方向Mにおける第8距離d8,d8は、148mm,148mmとされ、第2平行領域761の第2直径r2は、12.67mmとされ、第2傾斜領域762,762の傾斜角度θ2,θ2は、0.58度とされている。
【0045】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態に係る第1張架部材74(74a)において外側領域を設けた以外は第1実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0046】
図8は、第2実施形態として第1実施形態に係る第1張架部材74(74a)において外側領域746,746を設けた例を模式的に示す断面図である。
【0047】
図8に示すように、第1張架部材74(74b)は、外側領域746,746を有している。外側領域746,746は、第1平行領域741の軸線方向Mにおける外側に連接して第1平行領域741から周回軸線αに近づく方向に退避している。詳しくは、外側領域746,746は、第1平行領域741の軸線方向Mにおける外側に連接して第1仮想線β1から転写ベルト71の径方向における内側に遠ざかる位置に退避する領域である。こうすることで、第1傾斜領域742,742の傾斜角度θ1,θ1を大きくすることができ、これにより、第1平行領域741から第1傾斜領域742,742へのベルトの張り性を向上させることができる。
【0048】
第1張架部材74(74b)において、外側領域746,746は、表面が軸線方向Mに平行な外側平行領域を含む。こうすることで、第1張架部材74(74b)の加工性を向上させることができる上、第1平行領域741から第1傾斜領域742,742へのベルトの張り性を向上させることができる。
【0049】
第1張架ローラ74bにおいて、外側領域746,746の外側平行領域は、第1平行領域741の第1直径r1よりも小さい第3直径r3,r3の領域である。第1傾斜領域742,742の軸線方向Mにおける第3距離d3,d3は、第1傾斜領域742,742の傾斜角度θ1,θ1によって決めることができる。具体的には、第1傾斜領域742,742の傾斜角度θ1,θ1は、45度とされ、第3距離d3,d3は、1.5mm,1.5mmとされている。従って、外側領域746,746の外側平行領域の第3直径r3,r3は、5mm,5mmとされ、外側領域746,746の外側平行領域の軸線方向Mにおける第9距離d9,d9は、41.5mmとされている。
【0050】
(第3実施形態)
ところで、転写ベルト71が第1張架部材74(74a,74b)の第1隣接領域744,744よりも軸線方向Mにおける内側で接触していると、その接触領域747(
図6、
図8参照)で転写ベルト71の波打ちによる皺が発生し易い。従って、転写ベルト71が第1張架部材74(74a,74b)の第1隣接領域744,744よりも軸線方向Mにおける内側において接触領域747を少なく或いはなくすことが望まれる。
【0051】
図9A及び
図9Bは、それぞれ、第3実施形態として第1実施形態に係る第1張架部材74(74a)及び第2実施形態に係る第1張架部材74(74b)に内側変位領域748を設けた例を模式的に示す断面図である。
【0052】
第3実施形態では、第1実施形態に係る第1張架部材74(74a)及び第2実施形態に係る第1張架部材74(74b)に内側変位領域748を設けた以外は第1実施形態及び第2実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0053】
図9A及び
図9Bに示すように、第1張架部材74(74c,74d)は、内側変位領域748を有している。内側変位領域748は、第1隣接領域744,744よりも軸線方向Mにおける内側において第1平行領域741から周回軸線αに近づく方向に変位している。詳しくは、内側変位領域748は、第1隣接領域744,744よりも軸線方向Mにおける内側において第1仮想線β1から遠ざかる位置に変位する領域である。こうすることで、転写ベルト71を第1張架部材74(74a,74b)の第1隣接領域744,744よりも軸線方向Mにおける内側において接触領域747を少なく或いはなくす(この例ではなくす)ことができ、これにより、第1隣接領域744,744よりも軸線方向Mにおける内側での転写ベルト71の波打ちによる皺の発生を効果的に防止することができる。
【0054】
本実施の形態において、内側変位領域748は、内側平行領域748aと内側傾斜領域748b,748bとを含んでいる。内側平行領域748aは、表面が軸線方向Mに平行な領域である。内側傾斜領域748b,748bは、内側平行領域748aの軸線方向Mにおける外側に連接して周回軸線αから遠ざかる方向に傾斜している。詳しくは、内側傾斜領域748b,748bは、内側平行領域748aの軸線方向Mにおける外側に連接して第1平行領域741に接する第1仮想線β1に対する距離が軸線方向Mにおける外側に向かうほど次第に小さくなっていく領域である。こうすることで、第1張架部材74(74c,74d)の加工性を向上させることができる上、第1隣接領域よりも軸線方向Mにおける内側でのベルトの波打ちによる皺の発生を効果的に防止することができる。
【0055】
第1張架ローラ74c,74dにおいて、内側平行領域748aは、第1平行領域741の第1直径r1よりも小さい第4直径r4の領域である。内側傾斜領域748b,748bは、内側平行領域748aの軸線方向Mにおける内側に連接して軸線方向Mにおける端部に向かうほど第1張架ローラ74aの直径r1b,r1bが次第に小さくなっていく領域である。具体的には、内側傾斜領域748b,748bの第1仮想線β1に対する傾斜角度θ3,θ3は、45度とされ、内側傾斜領域748b,748bの軸線方向Mにおける第11距離d11,d11は、1.5mm,1.5mmとされている。従って、内側平行領域748aの第4直径r4は、5mmとされ、内側平行領域748aの軸線方向Mにおける第10距離d10は、207mmとされている。なお、第1張架ローラ74dにおいて、第3直径r3,r3と第4直径r4,r4とは、等しくてもよいし、異なっていてもよい。
【0056】
(第4実施形態)
第4実施形態では、第1実施形態から第3実施形態に係る第1張架ローラ74a~74cに代えて第1張架板74eを設けた以外は第1実施形態から第3実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0057】
図10は、第4実施形態として第1張架板74eを設けた例を示す断面図である。
図11A及び
図11Bは、それぞれ、第4実施形態に係る第1張架板74eを正面側の左側下方及び右側下方から視た斜視図である。
図12A及び
図11Bは、それぞれ、第4実施形態に係る第1張架板74eを背面側の右側下方及び左側下方から視た斜視図である。
図13は、第4実施形態に係る転写ベルト装置70における第1張架板74e、転写ベルト71及び検知部75,75の
図10に示すB-B線に沿った断面図である。
【0058】
本実施の形態において、第1張架部材74として第1張架板74eを設けることで、第1張架板74eにより第1平行領域741から第1傾斜領域742に向けて転写ベルト71を確実に張ることができ、それだけ、転写ベルト71の波打ちによる皺を抑制することができる。
【0059】
ところで、第1張架板74eと転写ベルト71とが接触する接触領域711b(
図10参照)では、転写ベルト71の波打ちによる皺が発生し難い。
【0060】
この点、本実施の形態において、検知部75,75は、第1張架板74eと転写ベルト71とが接触する接触領域711bに対応する個所を検知する。こうすることで、転写ベルト71の波打ちによる皺が発生し難く、これにより、転写ベルト71の素地及び/又はトナー画像の検知精度の悪化を回避することができる。
【0061】
第4実施形態では、第1実施形態から第3実施形態の構成と同様の構成とすることができる。
【0062】
すなわち、本実施の形態において、第1張架板74eにおける第1傾斜領域742,742に対する傾斜角度θ1,θ1(
図13参照)が45度以下である。
【0063】
図13に示すように、本実施の形態において、第1張架板74eは、外側領域746,746を有している。外側領域746,746は、第1平行領域741の軸線方向Mにおける外側に連接して第1平行領域741から周回軸線αに近づく方向に退避した領域である。
【0064】
この例では、第1隣接領域744,744の第1距離d1は、10mmとされている。第1傾斜領域742,742の軸線方向Mにおける第3距離d3,d3は、1.5mm,1.5mmとされ、第1傾斜領域742,742の傾斜角度θ1,θ1は、45度とされている。
【0065】
本実施の形態において、外側領域746,746は、表面が軸線方向Mに平行な外側平行領域を含む。
【0066】
第1張架板74eは、内側変位領域748を有している。内側変位領域748は、第1隣接領域744,744よりも軸線方向Mにおける内側において第1平行領域741から周回軸線αに近づく方向に変位する領域である。
【0067】
本実施の形態において、内側変位領域748は、内側平行領域748aと内側傾斜領域748b,748bとを含んでいる。内側平行領域748aは、表面が軸線方向Mに平行な領域である。内側傾斜領域748b,748bは、内側平行領域748aの軸線方向Mにおける外側に連接して周回軸線αから遠ざかる方向に傾斜している。詳しくは、内側傾斜領域748b,748bは、内側平行領域748aの軸線方向Mにおける外側に連接して第1平行領域741に接する第1仮想線β1に対する距離が軸線方向Mにおける外側に向かうほど次第に小さくなっていく領域である。具体的には、内側傾斜領域748b,748bの第1仮想線β1に対する傾斜角度θ3,θ3は、45度とされ、内側傾斜領域748b,748bの軸線方向Mにおける第11距離d11,d11は、1.5mm,1.5mmとされている。また、内側平行領域748aの軸線方向Mにおける第10距離d10は、174mmとされている。
【0068】
なお、第1平行領域741における内側変位領域748を除く領域には、保護部材749,749(
図11Aから
図12B参照)が設けられている。
【0069】
(その他の実施の形態)
第1実施形態から第4実施形態では、第1張架部材74(74a~74e)を転写ベルト71の下側に設けるようにしたが、転写ベルト71の上側に設けるようにしてもよい。
【0070】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、係る実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0071】
100 画像形成装置
11a 2次転写ローラ(対向ローラの一例)
70 転写ベルト装置(ベルト装置の一例)
71 転写ベルト(ベルトの一例)
711a 接触領域
711b 接触領域
712 非接触領域
713 非接触領域
714 第2境界
715 第2隣接領域
72 転写駆動ローラ
72a 駆動ギヤ
73 転写従動ローラ
74 第1張架部材
741 第1平行領域
741a 表面
742 第1傾斜領域
743 第1境界
744 第1隣接領域
745 中央線
746 外側領域
747 接触領域
748 内側変位領域
748a 内側平行領域
748b 内側傾斜領域
749 保護部材
74a 第1張架ローラ
74b 第1張架ローラ
74c 第1張架ローラ
74d 第1張架ローラ
74e 第1張架板
75 検知部
751 発光部
752 受光部
76 第2張架ローラ
761 第2平行領域
762 第2傾斜領域
C 周方向
L1 出射光
L2 反射光
M 軸線方向
P シート
TN 転写ニップ領域
α 周回軸線
β1 第1仮想線
β2 第2仮想線
θ1 傾斜角度
θ2 傾斜角度
θ3 傾斜角度