(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】シャッター装置の構造
(51)【国際特許分類】
E06B 9/56 20060101AFI20241126BHJP
E06B 9/62 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
E06B9/56 A
E06B9/62 B
(21)【出願番号】P 2021001990
(22)【出願日】2021-01-08
【審査請求日】2023-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 忠明
(72)【発明者】
【氏名】小林 正典
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-42270(JP,A)
【文献】特開2005-68755(JP,A)
【文献】実開昭59-2895(JP,U)
【文献】実開平6-22497(JP,U)
【文献】実開平6-20891(JP,U)
【文献】特開2015-151843(JP,A)
【文献】米国特許第6059008(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/56-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッターカーテンを昇降させ建物開口を開閉する巻取式のシャッター装置の構造であって、
前記建物開口の上部に設けられ前記シャッターカーテンを巻き取って収納する収納部と、
前記収納部に設けられ端部が建物躯体に固定されるシャフトと、
前記シャフトに対して回転自在に取り付けられ前記シャッターカーテンの上縁が接続される複数のホイルと、
一端が前記ホイルに固定され他端が前記シャフトにスプリング固定部材により固定されて前記シャフトに対する前記ホイルの回転を助勢するスプリングと、
前記シャフトに沿って延在し前記複数のホイルを連結する連結杆と、
隣り合う前記ホイル間となる前記連結杆の長手方向略中央に設けられ前記連結杆を前記シャフトから離間して保持する離間部材と、
を具備
し、
前記離間部材は、一対の支持部材よりなり、
該支持部材は、底辺部に前記シャフトが嵌まる半円状の軸受凹部を有し、頂部に前記連結杆が嵌まる略コ字状の連結杆載置凹部が形成されており、
前記シャフトを前記軸受凹部で挟み、該シャフトに回転自在に外嵌されて前記底辺部同士を係止して一体化し、前記連結杆載置凹部を前記シャフトを挟んで両側に配置して前記連結杆を嵌入させることを特徴とするシャッター装置の構造。
【請求項2】
シャッターカーテンを昇降させ建物開口を開閉する巻取式のシャッター装置の構造であって、
前記建物開口の上部に設けられ前記シャッターカーテンを巻き取って収納する収納部と、
前記収納部に設けられ端部が建物躯体に固定されるシャフトと、
前記シャフトに対して回転自在に取り付けられ前記シャッターカーテンの上縁が接続される複数のホイルと、
一端が前記ホイルに固定され他端が前記シャフトにスプリング固定部材により固定されて前記シャフトに対する前記ホイルの回転を助勢するスプリングと、
前記シャフトに沿って延在し前記複数のホイルを連結する連結杆と、
隣り合う前記ホイル間となる前記連結杆の長手方向略中央に設けられ前記連結杆を前記シャフトから離間して保持する離間部材と、
を具備し、
前記離間部材は、前記ホイルを二分割した形状とされる一対の支持部材よりなり、
該支持部材は、組み合わせた状態で、
内周にシャフト貫通穴が形成されて前記シャフトの外周に回転自在に外嵌され、
外周の外側鍔部の近傍に前記連結杆が挿入される一対の保持穴が形成されており、
該一対の保持穴の中央を通る位置で直径方向に半円状に二分割された形状とされることを特徴とするシャッター装置の構造。
【請求項3】
シャッターカーテンを昇降させ建物開口を開閉する巻取式のシャッター装置の構造であって、
前記建物開口の上部に設けられ前記シャッターカーテンを巻き取って収納する収納部と、
前記収納部に設けられ端部が建物躯体に固定されるシャフトと、
前記シャフトに対して回転自在に取り付けられ前記シャッターカーテンの上縁が接続される複数のホイルと、
一端が前記ホイルに固定され他端が前記シャフトにスプリング固定部材により固定されて前記シャフトに対する前記ホイルの回転を助勢するスプリングと、
前記シャフトに沿って延在し前記複数のホイルを連結する連結杆と、
隣り合う前記ホイル間となる前記連結杆の長手方向略中央に設けられ前記連結杆を前記シャフトから離間して保持する離間部材と、
を具備し、
前記複数のホイルの外周を覆って前記ホイルに固定され外周面に前記シャッターカーテンの上縁が接続される巻取パイプを備え、
前記離間部材が、前記巻取パイプの外周から貫通して前記連結杆に螺着する螺着部材からなることを特徴とするシャッター装置の構造。
【請求項4】
シャッターカーテンを昇降させ建物開口を開閉する巻取式のシャッター装置の構造であって、
前記建物開口の上部に設けられ前記シャッターカーテンを巻き取って収納する収納部と、
前記収納部に設けられ端部が建物躯体に固定されるシャフトと、
前記シャフトに対して回転自在に取り付けられ前記シャッターカーテンの上縁が接続される複数のホイルと、
一端が前記ホイルに固定され他端が前記シャフトに固定されて前記シャフトに対する前記ホイルの回転を助勢するスプリングと、
前記シャフトに沿って延在し前記複数のホイルを連結する連結杆と、
前記スプリングの他端を前記シャフトに固定するスプリング固定部材の前記シャフトにおける半径方向外側の突出先端部に被着されて凸曲面状の外表面を有するキャップと、
を具備することを特徴とするシャッター装置の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
シャッターカーテンを巻き取り、巻き戻して昇降させ、建物開口を開閉する巻取式のシャッター装置が知られている(特許文献1等参照)。この種のシャッター装置には、建物開口の上部に設けられ、シャッターカーテンを巻き取って収納する収納部と、収納部内に設けられ端部が建物躯体に固定されるシャフトと、シャフトに対して回転自在に取り付けられシャッターカーテンの上縁が接続される複数のホイルと、一端がシャフトにスプリング固定部材により固定され他端がホイルに固定されてシャフトに対するホイルの回転を助勢するスプリングと、シャフトに沿って延在し複数のホイルを連結する連結杆とを備えるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシャッター装置では、シャッターカーテンの巻取時や、繰出時に、
図10に示すシャフト501の周りをホイル503が回転し、連結杆505が回転移動するが、この連結杆505が、シャフト501にスプリング507の一端を固定するスプリング固定部材509の突出先端部511に干渉し、衝突、或いは引っ掛かり、回転のたびに異音を発することがあった。
【0005】
近年の収納部の小型化による要請から、巻取パイプ513は小径化の傾向がある。このことから、シャフト501の外径は細くなり、ホイル503の外径も必要十分な外径に設定される。これらの部材は小さく構成できるが、スプリング固定部材509は強度を確保するために小型化に限界があり、その結果、突出しやすくなっている。
また、連結杆505は、隣接するホイル503同士の距離が離れていると、自重により回転半径方向の内側、すなわちシャフト501に近接する方向に撓みやすくなる。さらに、連結杆505は、遠心力で巻取パイプ513の内面に当り、その反動でシャフト501側に変位し、スプリング固定部材509に干渉する場合もある。
【0006】
これらの現象は、巻取パイプ513の中で発生するため、目視が困難であり、異音は確認できるものの、原因が分からず、巻取パイプ513を切断しても把握が困難であった。そして、シャッター動作時に大きな騒音が発生すれば、ユーザの不安を助長することとなり、それによる再製作や再工事等には多大な労力、コストが発生した。また、現場でこの種の不具合を解消するような作業を行う場合には、ホイル503と巻取パイプ513とを固定するリベット515を全て外し、巻取パイプ513をホイル503から引き抜いて、取り外す必要がある。この場合にも多大な労力、コストが発生するとともに、高所作業に伴う安全対策も必要となった。
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、ホイル同士を連結する連結杆と、シャフトに設けられるスプリング固定部材との干渉を抑制し、異音の発生を抑制できるシャッター装置の構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のシャッター装置の構造は、シャッターカーテン13を昇降させ建物開口15を開閉する巻取式のシャッター装置1の構造であって、
前記建物開口15の上部に設けられ前記シャッターカーテン13を巻き取って収納する収納部17と、
前記収納部17に設けられ端部が建物躯体に固定されるシャフト29と、
前記シャフト29に対して回転自在に取り付けられ前記シャッターカーテン13の上縁が接続される複数のホイル31と、
一端が前記ホイル31に固定され他端が前記シャフト29にスプリング固定部材55により固定されて前記シャフト29に対する前記ホイル31の回転を助勢するスプリング33と、
前記シャフト29に沿って延在し前記複数のホイル31を連結する連結杆35と、
隣り合う前記ホイル31間となる前記連結杆35の長手方向略中央に設けられ前記連結杆35を前記シャフト29から離間して保持する離間部材37と、
を具備し、
前記離間部材37は、一対の支持部材61よりなり、
該支持部材61は、底辺部に前記シャフト29が嵌まる半円状の軸受凹部63を有し、頂部に前記連結杆35が嵌まる略コ字状の連結杆載置凹部65が形成されており、
前記シャフト29を前記軸受凹部63で挟み、該シャフト29に回転自在に外嵌されて前記底辺部同士を係止して一体化し、前記連結杆載置凹部65を前記シャフト29を挟んで両側に配置して前記連結杆35を嵌入させることを特徴とする。
【0009】
このシャッター装置の構造では、連結杆35が、長尺の鋼製材料からなり、ホイル31同士を所定の間隔に保持し、各ホイル31が連れ回るようにして連結している。連結杆35は、ホイル31同士の間隔が長くなると、長手方向中央付近が撓みやすく、自重によりシャフト29に接近しやすくなる。シャフト29には、ホイル31の回転を助勢するコイル状のスプリング33が外挿される。スプリング33は、シャフト29の一端側で一方のホイル31に一端が固定される。一方、スプリング33は、シャフト29の長手方向中央付近で他端がシャフト29に固定される。これにより、ホイル31には、スプリング33の捩れ方向の復元力が回転時の助勢力となって作用するようになっている。スプリング33の他端は、スプリング固定部材55によって固定され、この位置は連結杆35が撓んで最もシャフト29に接近する位置となる。そこで、シャッター装置の構造では、連結杆35の長手方向略中央が、離間部材37により保持される。離間部材37は、一対の支持部材61よりなり、シャフト29の外周と連結杆35とに渡って設けられる。離間部材37は、内側部分の軸受凹部63がシャフト29に回転自在に嵌って支持(外嵌)される。一方、離間部材37は、外側部分の連結杆載置凹部65が連結杆35に固定される。これにより、連結杆35は、ホイル31同士の間隔が大きくなっても長手方向略中央が離間部材37を介してシャフト29に支持されるので、シャフト29に接近する方向の撓みが規制される。その結果、連結杆35がシャフト29に接近する方向に変位しなくなり、連結杆35とスプリング固定部材55との干渉を防止でき、異音の発生を抑制できる。
【0010】
本発明の請求項2記載のシャッター装置の構造は、シャッターカーテン13を昇降させ建物開口15を開閉する巻取式のシャッター装置1の構造であって、
前記建物開口15の上部に設けられ前記シャッターカーテン13を巻き取って収納する収納部17と、
前記収納部17に設けられ端部が建物躯体に固定されるシャフト29と、
前記シャフト29に対して回転自在に取り付けられ前記シャッターカーテン13の上縁が接続される複数のホイル31と、
一端が前記ホイル31に固定され他端が前記シャフト29にスプリング固定部材55により固定されて前記シャフト29に対する前記ホイル31の回転を助勢するスプリング33と、
前記シャフト29に沿って延在し前記複数のホイル31を連結する連結杆35と、
隣り合う前記ホイル31間となる前記連結杆35の長手方向略中央に設けられ前記連結杆35を前記シャフト29から離間して保持する離間部材71と、
を具備し、
前記離間部材71は、前記ホイル31を二分割した形状とされる一対の支持部材73よりなり、
該支持部材73は、組み合わせた状態で、
内周にシャフト貫通穴77が形成されて前記シャフト29の外周に回転自在に外嵌され、
外周の外側鍔部81の近傍に前記連結杆35が挿入される一対の保持穴57が形成されており、
該一対の保持穴57の中央を通る位置で直径方向に半円状に二分割された形状とされることを特徴とする。
【0011】
このシャッター装置の構造では、離間部材71が、シャフト29の外周と連結杆35とに渡って設けられる。離間部材71は、内側部分がシャフト29に回転自在に嵌って支持(外嵌)される。一方、離間部材71は、外側部分が連結杆35に固定される。離間部材71を構成する支持部材73は、既存のホイル31を半割したものを流用することができる。すなわち、既存のホイル31は、ホイル本体側板75の内周に、シャフト29が貫通するシャフト貫通穴77が形成される。シャフト貫通穴77の周囲には、シャフト29の外周に接する内側鍔部79が形成される。また、ホイル本体側板75の外周には、巻取パイプ47の内周に固定可能な外側鍔部81が形成される。ホイル本体側板75には、外側鍔部81の近傍に、上述した一対の保持穴57が形成される。支持部材73は、この既存のホイル31を、一対の保持穴57の中央を通るように、直径方向に二分割したものを使用することができる。支持部材73は、それぞれの保持穴57に連結杆35が挿入され溶接固定される。この支持部材73によれば、既存のホイル31を流用することにより、専用部材を新たに製作することなく、連結杆35を容易にかつ安価にシャフト29に支持することができる。これにより、連結杆35は、ホイル31同士の間隔が大きくなっても長手方向略中央が離間部材71を介してシャフト29に支持されるので、シャフト29に接近する方向の撓みが規制される。その結果、連結杆35がシャフト29に接近する方向に変位しなくなり、連結杆35とスプリング固定部材55との干渉を防止でき、異音の発生を抑制できる。
【0012】
本発明の請求項3記載のシャッター装置の構造は、シャッターカーテン13を昇降させ建物開口15を開閉する巻取式のシャッター装置1の構造であって、
前記建物開口15の上部に設けられ前記シャッターカーテン13を巻き取って収納する収納部17と、
前記収納部17に設けられ端部が建物躯体に固定されるシャフト29と、
前記シャフト29に対して回転自在に取り付けられ前記シャッターカーテン13の上縁が接続される複数のホイル31と、
一端が前記ホイル31に固定され他端が前記シャフト29にスプリング固定部材55により固定されて前記シャフト29に対する前記ホイル31の回転を助勢するスプリング33と、
前記シャフト29に沿って延在し前記複数のホイル31を連結する連結杆35と、
隣り合う前記ホイル31間となる前記連結杆35の長手方向略中央に設けられ前記連結杆35を前記シャフト29から離間して保持する離間部材83と、
を具備し、
前記複数のホイル31の外周を覆って前記ホイル31に固定され外周面に前記シャッターカーテン13の上縁が接続される巻取パイプ47を備え、
前記離間部材83が、前記巻取パイプ47の外周から貫通して前記連結杆35に螺着する螺着部材85からなることを特徴とする。
【0013】
このシャッター装置の構造では、連結杆35の長手方向略中央が、巻取パイプ47の外周から貫通した螺着部材85により巻取パイプ47の内周面に固定される。螺着部材85としては、下穴を穿設しながら螺刻が行える例えばタッピングネジ等が用いられる。
これにより、連結杆35は、長手方向略中央が巻取パイプ47の内周面に保持されることになり、撓みによってシャフト29のスプリング固定部材55に接近しなくなる。また、離間部材に螺着部材85を用いるシャッター装置の構造によれば、巻取パイプ47と、両側のホイル31とにより塞がれた巻取パイプ47の中に位置する連結杆35を、巻取パイプ47の外側から螺着部材85により巻取パイプ47に固定できる。これにより、シャッター装置の構造では、通常、外部からアクセスできない密閉状態の巻取パイプ47内に位置する連結杆35の固定作業を容易に行うことができる。
【0014】
本発明の請求項4記載のシャッター装置の構造は、シャッターカーテン13を昇降させ建物開口15を開閉する巻取式のシャッター装置の構造であって、
前記建物開口15の上部に設けられ前記シャッターカーテン13を巻き取って収納する収納部17と、
前記収納部17に設けられ端部が建物躯体に固定されるシャフト29と、
前記シャフト29に対して回転自在に取り付けられ前記シャッターカーテン13の上縁が接続される複数のホイル31と、
一端が前記ホイル31に固定され他端が前記シャフト29に固定されて前記シャフト29に対する前記ホイル31の回転を助勢するスプリング33と、
前記シャフト29に沿って延在し前記複数のホイル31を連結する連結杆35と、
前記スプリング33の他端を前記シャフト29に固定するスプリング固定部材55の前記シャフト29における半径方向外側の突出先端部56に被着されて凸曲面状の外表面を有するキャップ87,93と、
を具備することを特徴とする。
【0015】
このシャッター装置の構造では、スプリング33の他端をシャフト29に固定しているスプリング固定部材55の突出先端部56が、キャップ87,93により覆われる。キャップ87,93は、外表面が凸曲面状に形成される。このシャッター装置の構造では、スプリング固定部材55への連結杆35の直接的な衝突は回避され、連結杆35がスプリング固定部材55を覆うキャップ87,93の外表面に接触するのみで滑る。また、このシャッター装置の構造は、スプリング33の組み付け工程で、スプリング固定部材55にキャップ87,93を被着できるので、騒音や引っ掛かりの対策作業を簡単かつ安価に行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る請求項1記載のシャッター装置の構造によれば、一対の支持部材よりなる離間部材にて、それぞれの軸受凹部でシャフトを挟み、一体化した状態でシャフトに回転自在となり、それぞれの連結杆載置凹部に連結杆の長手方向中央部が取り付けられて、これにより、ホイル同士を連結する連結杆と、シャフトに設けられるスプリング固定部材との干渉を抑制し、異音の発生を抑制できる。
【0017】
本発明に係る請求項2記載のシャッター装置の構造によれば、離間部材を構成する支持部材は、既存のホイルを半割したものを流用することができ、専用部材を新たに製作することなく、連結杆を容易にかつ安価にシャフトに支持することができ、この離間部材によって、連結杆がシャフトに接近する方向に変位しなくなり、連結杆とスプリング固定部材との干渉を防止でき、異音の発生を抑制できる。
【0018】
本発明に係る請求項3記載のシャッター装置の構造によれば、螺着部材によって、巻取パイプの内側に位置する連結杆を巻取パイプの内側に螺着できるので、連結杆がシャフトに接近する方向に変位しなくなり、連結杆とスプリング固定部材との干渉を防止でき、異音の発生を抑制できる。
【0019】
本発明に係る請求項4記載のシャッター装置の構造によれば、スプリング固定部材の突出先端部に、凸曲面状を有するキャップが被着されるので、連結杆が変位してもキャップの凸曲面に当たって滑り、衝突や引っ掛かり、異音などの不具合の発生を簡単かつ安価に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るシャッター装置の構造を備えたシャッター装置の正面図である。
【
図2】
図1に示した巻取部における巻取パイプ内部の正面図である。
【
図5】
図4に示したシャフト、離間部材および連結杆の分解斜視図である。
【
図6】第1実施形態の変形例に係る離間部材を用いたシャッター装置の構造を表す分解斜視図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係るシャッター装置の構造を備えた巻取部における巻取パイプ内部の正面図である。
【
図8】本発明の第3実施形態に係るシャッター装置の構造を備えた巻取部の軸線に垂直な断面図である。
【
図9】第3実施形態の変形例に係るキャップを用いた巻取部の軸線に垂直な断面図である。
【
図10】従来のシャッター装置における巻取部の軸線に垂直な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るシャッター装置の構造を備えたシャッター装置11の正面図である。
本実施形態に係るシャッター装置の構造は、シャッターカーテン13を昇降させて、建物開口15を開閉する巻取式のシャッター装置11に適用される。シャッター装置11は、手動による巻取式のシャッター装置、または電動モータ等にて構成される開閉機を備えた電動による巻取式のシャッター装置のいずれであってもよく、以下に説明するスプリング33による助勢構造を備えたシャッター装置である。
【0022】
シャッター装置11は、例えば壁面に構成される窓などの建物開口15の上部に固定される横長直方体状の収納部17を有する。建物開口15の左右には、上下方向に延在する一対の平行なガイドレール19が固定される。建物開口15の下端には、間口方向に渡って延在する下枠21が固定される。一対のガイドレール19は、それぞれの下端が、下枠21の一端と、他端に連結される。収納部17の下面には、建物開口15の開口間口方向に沿って延在するスリット状のカーテン出入口(図示略)が設けられている。カーテン出入口からは、収納部17内の巻取部23に巻き取られて収容されたシャッターカーテン13が繰り出し方向の先端側(幅木側)から降下される。
【0023】
カーテン出入口から繰り出されたシャッターカーテン13は、開口間口方向両側のカーテン端縁25が、左右それぞれのガイドレール19に挿入されて案内される。シャッターカーテン13の繰り出し方向の先端には、開口間口方向に渡って長尺の幅木27が設けられる。シャッター装置11は、収納部17のカーテン出入口からシャッターカーテン13が繰り出され、ガイドレール19に案内されて建物開口15を下降し、幅木27が下枠21に着地することにより建物開口15を閉鎖する。また、シャッター装置11は、収納部内にシャッターカーテン13が巻き取られ、ガイドレール19に案内されてシャッターカーテン13が建物開口15を上昇し、幅木27がカーテン出入口に当たることにより建物開口15を開放する。
【0024】
シャッターカーテン13は、開口間口方向に長尺に形成した複数のスラット同士が上下縁同士を係合することにより、鉛直面に沿う方向に面状となって展開されるとともに、水平軸周りに円筒状となって巻き取り自在となる。シャッターカーテン13は、収納部17内に端部を固定されたシャフト29を回転中心として回転する円筒状の巻取部23に上縁が固定され、巻取部23の外周に巻き取られる。
【0025】
図2は、
図1に示した巻取部23における巻取パイプ内部の正面図である。
シャッター装置の構造は、収納部17と、シャフト29と、ホイル31と、スプリング33と、連結杆35と、離間部材37とを主要な構成として有する。
【0026】
建物開口15を挟む左右両側の建物躯体の上端には、シャフト29の端部を支持するブラケット39のベース板41が固定される。ベース板41には、建物開口15に向かって水平に突出する軸受部43が設けられる。軸受部43は、シャフト29の端部を支持する。シャフト29は、軸受部43を貫通する固定ボルト45により端部が回転不能となって固定される。なお、シャフト29は、建物開口15の開口間口方向に、分割されていてもよい。例えば二分割されるシャフト29では、建物開口15の左右に固定された一対のブラケット39のそれぞれに左側の端部、右側の端部が片持ち状となって固定される。
【0027】
シャッター装置11は、手動による巻取式のシャッター装置の場合、左右のシャフト29の少なくとも一方に、助勢用のスプリング33が外挿される。また、シャッター装置11は、電動による巻取式のシャッター装置の場合、左右のシャフト29の一方に、助勢用のスプリング33が外挿され、他方に、モータを含む開閉機が取り付けられる。
【0028】
シャフト29には、軸線に沿う方向に離間して複数のホイル31が回転自在に取り付けられる。本実施形態では、開口間口方向に二分割されたシャフトの内、
図2に示すように、一方(右方)のシャフト29に、二つのホイル31が離間して取り付けられている。それぞれのホイル31には、シャッターカーテン13の上縁が直接、或いは後述の巻取パイプ47を介して接続される。ホイル31は、シャフト29に対して回転することにより、その外周にシャッターカーテン13が巻き取られ、或いは、これを繰り出す。
【0029】
シャフト29には、コイル状のスプリング33が外挿される。スプリング33は、例えば一方のホイル31から、シャフト29のほぼ長手方向中央までの長さを有する。スプリング33の一端は、ホイル31に固定される。スプリング33とホイル31の固定は、ホイル31をシャフト29に沿う方向で貫通したボルト48と、スプリング33の一端に形成された環部50に挿通されるボルト48先端に螺合して環部50をホイル31とで締結するフランジ付きナット52とにより行われる。
【0030】
スプリング33は、他端がシャフト29にスプリング固定部材55により固定される。スプリング固定部材55は、例えばシャフト29を直径方向に貫通するボルト49と、スプリング33の他端に形成された環部51に挿通されるボルト49先端に螺合して環部51をシャフト29とで締結するフランジ付きナット53とからなる。
【0031】
これにより、スプリング33は、シャッターカーテン13とともにホイル31が回転されると、シャフト29を回転中心に捩れ、ばね弾性力に抗して縮径方向または拡径方向に変形し、反発力が蓄積されることになる。この蓄積された反発力は、シャッターカーテン13が下降する際の下降速度緩和、シャッターカーテン13が巻き上げられる際の巻き上げトルクの軽減に寄与する。
【0032】
シャフト29の半径方向外側には、シャフト29に沿って延在する細長板状の連結杆35が配置される。本実施形態では、連結杆35は、シャフト29の円周方向に等間隔で二つが設けられる。それぞれの連結杆35は、両端が、左右のホイル31の外周に固定される。つまり、連結杆35は、二つのホイル31を連結する。
【0033】
図3は、
図2のA-A断面図である。
連結杆35は、ホイル31の直径方向両端側に穿設された矩形状の保持穴57に端が挿入されて、ホイル31に溶接固定される。連結杆35の外側には、二つのホイル31に渡って筒状の巻取パイプ47が外挿される。巻取パイプ47は、外周側からホイル31を貫通して止められるリベット59によりそれぞれのホイル31に固定される。巻取パイプ47の外周には、シャッターカーテン13の上縁が固定される。巻取パイプ47は、例えば所定の強度を有した軽量なアルミ製となる。
【0034】
なお、巻取部23は、巻取パイプ47が設けられなくてもよい。この場合。シャッターカーテン13の上縁は、それぞれのホイル31の外周に直接固定されることになる。
【0035】
図4は、
図2のB-B断面図である。
シャフト29の外周と、それぞれの連結杆35との間には、離間部材37が設けられる。離間部材37は、
図2に示すように、隣り合う二つのホイル31の略中間位置で、連結杆35の長手方向略中央に設けられる。離間部材37は、それぞれの連結杆35をシャフト29から離間して保持する。
【0036】
本実施形態において、離間部材37は、シャフト29の外周に回転自在に外嵌されて連結杆35を保持する。
【0037】
図5は、
図4に示したシャフト29、離間部材37および連結杆35の分解斜視図である。
離間部材37は、山形に形成した一対の支持部材61を上下方向から組み合わせて使用される。支持部材61は、樹脂部材からなる。支持部材61は、底辺部にシャフト29が嵌る半円状の軸受凹部63を有する。支持部材61の頂部には、連結杆35が嵌る略コ字状の連結杆載置凹部65が形成される。支持部材61の底辺部には、軸受凹部63を挟む一方側に係止爪67が突設される。軸受凹部63を挟んで係止爪67と反対側の底辺部には、係止爪67に係止する係止部69が形成される。一対の支持部材61は、同一形状のものを使用することができる。すなわち、一対の支持部材61は、一方の表裏を反転させることで、軸受凹部63でシャフト29を挟み、係止爪67と係止部69とを互いに係止することにより一体化となり、シャフト29に回転自在に取り付けられる。そして、組み立てられた一対の支持部材61のそれぞれの連結杆載置凹部65がシャフト29を挟んで両側に位置することとなり、各連結杆35の長手方向中央が嵌入する。なお、離間部材37の各連結杆載置凹部61と連結杆35とは、例えばビス止めや接着などの固定手段で互いを固定することとしてもよく、単に係止させるのみであってもよい。
【0038】
図6は、第1実施形態の変形例に係る離間部材71を用いたシャッター装置の構造を表す分解斜視図である。
支持部材61は、上記の構造や形状に限定されない。
図6に示すように、支持部材73は、既存のホイル31を半割したものを流用することができる。すなわち、既存のホイル31は、ホイル本体側板75の内周に、シャフト29が貫通するシャフト貫通穴77が形成される。シャフト貫通穴77の周囲には、シャフト29の外周に接する内側鍔部79が形成される。また、ホイル本体側板75の外周には、巻取パイプ47の内周に固定可能な外側鍔部81が形成される。ホイル本体側板75には、外側鍔部81の近傍に、上述した一対の保持穴57が形成される。支持部材73は、この既存のホイル31を、
図6に示すように、一対の保持穴57の中央を通るように、直径方向に二分割したものを使用することができる。
【0039】
支持部材73は、それぞれの保持穴57に連結杆35が挿入され溶接固定される。この支持部材73によれば、既存のホイル31を流用することにより、専用部材を新たに製作することなく、連結杆35を容易にかつ安価にシャフト29に支持することができる。
【0040】
次に、上記した第1実施形態における構成の作用を説明する。
【0041】
本実施形態に係るシャッター装置の構造では、シャフト29が建物躯体に対して固定されて不動となる。シャフト29には、複数のホイル31が回転自在に設けられる。隣接するホイル同士の間には、連結杆35がそれぞれのホイル31の外周に固定されて、シャフト29と平行に配置されている。連結杆35は、シャフト29に対し、ホイル31と一体となって回転する。
【0042】
連結杆35は、長尺の鋼製材料からなり、ホイル31同士を所定の間隔に保持するようにして連結し、各ホイル31の回転を伝達している。連結杆35は、隣り合う二つのホイル31同士の間隔が長くなると、長手方向中央が撓みやすく、自重によりシャフト29に接近しやすくなる。
【0043】
シャフト29には、ホイル31の回転を助勢するコイル状のスプリング33が外挿される。スプリング33は、シャフト29の一端側で一方のホイル31に一端が固定される。一方、スプリング33は、シャフト29の長手方向略中央で他端がシャフト29に固定される。これにより、ホイル31には、スプリング33の捩れ方向の復元力が回転時の助勢力となって作用するようになっている。
【0044】
スプリング33の他端は、スプリング固定部材55によって固定されており、この位置は、連結杆35が撓んだ場合に最もシャフト29に接近する位置となる。
【0045】
そこで、シャッター装置の構造では、連結杆35の長手方向略中央が、離間部材37により保持される。連結杆35は、離間部材37により長手方向略中央が保持されることにより、隣り合う二つのホイル31同士の間隔が大きくなっても長手方向略中央がシャフト29に接近する方向に撓まなくなる。これにより、シャッター装置の構造では、ホイル31同士の間隔が長くなっても、連結杆35の長手方向略中央がスプリング固定部材55に干渉しなくなる。
【0046】
また、ホイル31に溶接固定される連結杆35の取付精度に寸法誤差などがあり、連結杆35に反りや歪みがあることで、回転時に撓むことがあっても、離間部材37により連結杆35が定位置に留まる。これによっても、連結杆35がスプリング固定部材55に干渉することによる引っ掛かりや異音などの不具合の発生が抑制される。
【0047】
また、このシャッター装置の構造では、離間部材37が、シャフト29の外周と連結杆35とに渡って設けられる。離間部材37は、回転半径の外側部分が連結杆35に固定される。一方、離間部材37は、回転半径の内側部分がシャフト29に回転自在に嵌って支持(外嵌)される。これにより、連結杆35は、隣り合うホイル31同士の間隔が大きくなっても長手方向略中央が離間部材37を介してシャフト29に支持されるので、シャフト29に接近する方向の撓みが規制される。その結果、連結杆35がシャフト29に接近する方向に変位しなくなり、連結杆35とスプリング固定部材55との干渉を防止でき、異音の発生を抑制できる。
【0048】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るシャッター装置の構造を説明する。
【0049】
図7は、本発明の第2実施形態に係るシャッター装置の構造を備えた巻取部23における巻取パイプ47内部の正面図である。なお、第2実施形態においては第1実施形態で示した部材・部位と同等の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
このシャッター装置の構造は、複数のホイル31の外周を覆って各ホイル31に固定され、外周面にシャッターカーテン13の上縁が接続される巻取パイプ47を備える。離間部材83は、巻取パイプ47の外周から貫通して連結杆35に螺着する螺着部材85からなる。螺着部材85には、例えばタッピングネジを好適に用いることができる。
【0050】
次に、上記した第2実施形態における構成の作用を説明する。
【0051】
このシャッター装置の構造では、巻取パイプ47が、複数のホイル31の外周に渡って外挿される。複数のホイル31は、それぞれの外周から半径方向の内側に位置する保持穴57に、連結杆35が通されて溶接されることにより、連結されている。従って、連結杆35は、巻取パイプ47がホイル31の外周に外嵌されることで、巻取パイプ47の内周面に接近して配置される。
【0052】
連結杆35は、長手方向略中央が、巻取パイプ47の外周から貫通した螺着部材85により巻取パイプ47の内周面に固定される。螺着部材85としては、下穴を穿設しながら螺刻が行える例えばタッピングネジ等が用いられる。なお、この螺着部材85の螺着固定は、巻取パイプ47の端部から延出している連結杆35の端部の位置を目印として、ここから巻取パイプ47の外周面における連結杆35の延在方向を仮定し、また、ホイル31の固定位置をリベット59から特定し、これらの位置から、隣り合う二つのホイル31の中間位置、連結杆35の長手方向略中間位置を割り出し、罫書くなど行い、螺着作業を行って締結固定とする。
【0053】
これにより、連結杆35は、長手方向略中央が巻取パイプ47の内周面に保持され、撓みによってシャフト29のスプリング固定部材55に接近しなくなる。
【0054】
また、離間部材83に螺着部材85を用いるシャッター装置の構造では、巻取パイプ47と、両側のホイル31とにより塞がれた巻取パイプ47の中に位置する連結杆35を、巻取パイプ47の外側から螺着部材85により巻取パイプ47に固定できる。これにより、シャッター装置の構造では、通常、外部からアクセスできない密閉状態の巻取パイプ内に位置する連結杆35の固定作業を容易に行うことができる。その結果、巻取パイプ47の内側に位置する連結杆35を巻取パイプ47の内側に螺着できるので、連結杆35がシャフト29に接近する方向に変位しなくなり、連結杆35とスプリング固定部材55との干渉を防止でき、異音の発生を抑制できる。
【0055】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るシャッター装置の構造を説明する。
【0056】
図8は、本発明の第3実施形態に係るシャッター装置の構造を備えた巻取部23の軸線に垂直な断面図である。なお、第3実施形態においては上述した第1実施形態で示した部材・部位と同等の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。また、
図8中の二点鎖線は、撓みにより変位した連結杆35の位置を示す。
第3実施形態に係るシャッター装置の構造は、スプリング固定部材55のシャフト29における半径方向外側の突出先端部56に、キャップ87が被着される。キャップ87は、凸曲面状の外表面89を有する。
【0057】
キャップ87は、底面側に、ボルト先端部と、フランジ付きナット53とを覆う段付嵌合穴91が形成される。キャップ87は、例えば摩擦係数が低く耐摩耗性の良い樹脂素材よりなる。キャップ87は、例えば接着剤によりスプリング固定部材55に固定される。また、キャップ87は、段付嵌合穴91の最深部に、ボルト49に螺合する雌ねじ部が形成されてもよい。この場合、キャップ87は、ボルト49の軸線を挟む平行な二側面により平面視で略矩形状に形成されてもよい。これにより、キャップ87は、平行な二側面をスパナ等の工具を用いて挟持し、ボルト49に容易に螺着可能とすることができる。
【0058】
図9は、第3実施形態の変形例に係るキャップ93を用いた巻取部23の軸線に垂直な断面図である。なお、
図9中の二点鎖線は、撓みにより変位した連結杆35の位置を示す。
また、
図9に示すように、キャップ93は、凸曲面状の頂部が平坦部95となる円錐台形状に形成されてもよい。キャップ93は、平坦部95が設けられることにより、撓んだ連結杆35により干渉しにくくできる。
【0059】
次に、上記した第3実施形態における構成の作用を説明する。
【0060】
このシャッター装置の構造では、スプリング33の他端をシャフト29に固定しているスプリング固定部材55の突出先端部56が、キャップ87或いはキャップ93により覆われる。キャップ87およびキャップ93は、略同等の作用を有するので、以下、キャップ87を代表例に説明する。
【0061】
キャップ87は、外表面89が凸曲面状に形成される。このシャッター装置の構造では、スプリング固定部材55への連結杆35の直接的な衝突は回避され、連結杆35がスプリング固定部材55を覆うキャップ87,93の外表面に接触するのみで滑る。
【0062】
このシャッター装置の構造は、スプリング33の組み付け工程で、スプリング固定部材55にキャップ87を被着できるので、騒音や引っ掛かりの対策作業を簡単に行うことができる。その結果、連結杆35が撓みシャフト29に接近するような変位が起こってもキャップ87の凸曲面に当たって滑り、衝突や引っ掛かりを防ぎ、異音などの不具合の発生を簡単かつ安価に抑制できる。
【0063】
従って、本実施形態に係るシャッター装置の構造によれば、隣り合うホイル31同士を連結する連結杆35と、シャフト29に設けられるスプリング固定部材55との干渉を抑制し、シャッター動作時の異音の発生を抑制できる。
【符号の説明】
【0064】
11…シャッター装置
13…シャッターカーテン
15…建物開口
17…収納部
29…シャフト
31…ホイル
33…スプリング
35…連結杆
37,71,83…離間部材
47…巻取パイプ
55…スプリング固定部材
56…突出先端部
85…螺着部材
87,93…キャップ
89…外表面