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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】光送受信モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20241126BHJP
   G02B 6/32 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
G02B6/42
G02B6/32
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021007669
(22)【出願日】2021-01-21
(65)【公開番号】P2022112057
(43)【公開日】2022-08-02
【審査請求日】2023-11-15
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、総務省、電波資源拡大のための研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】安田 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】若林 知敬
(72)【発明者】
【氏名】田中 聡
【審査官】野口 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-154084(JP,A)
【文献】特開2003-161865(JP,A)
【文献】特開2015-161909(JP,A)
【文献】特開2008-224954(JP,A)
【文献】特開2007-079090(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0199033(US,A1)
【文献】特開2016-102864(JP,A)
【文献】特開2017-203793(JP,A)
【文献】国際公開第2017/203786(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/26-6/27
6/30-6/34
6/42-6/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバとの間で光の送受信を行うことが可能な受発光素子と、
前記受発光素子と前記光ファイバとを光学的に接続することが可能なレンズを有するレンズブロックと、
前記レンズブロックが固定される基板と、
前記レンズブロックの近傍に配置され、前記基板に形成された配線と電気的に接続される電気的接続部材と、
流動性材料を固化させることで、前記レンズブロックの外表面の一部及び前記電気的接続部材の外表面の一部に接触するように形成され、前記レンズブロックと前記電気的接続部材とを固定する固定部と、
前記レンズブロックが固定された側の面が上側となるように前記基板を配置した状態で、前記レンズブロックの天面が固定される他の基板と、
を備える、
光送受信モジュール。
【請求項2】
前記基板に前記電気的接続部材が固定されている、
請求項1に記載の光送受信モジュール。
【請求項3】
複数の前記電気的接続部材が前記固定部により前記レンズブロックに固定されている、
請求項1または請求項2に記載の光送受信モジュール。
【請求項4】
前記固定部は、
流動性材料を固化させることで形成される第1の固定部と、
前記第1の固定部が形成された後に、流動性材料を固化させることで形成される第2の固定部と、
を備える、
請求項1からのいずれか1項に記載の光送受信モジュール。
【請求項5】
前記固定部の少なくとも一部が、前記基板と略同等の線膨張係数を有する流動性材料を固化させることで形成されている、
請求項1からのいずれか1項に記載の光送受信モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光送受信モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の光送受信モジュールとしては、特許文献1に開示されたものが提案されている。この特許文献1では、光素子が回路基板上に固定されており、この光素子を光ファイバに光学的に接続させることが可能なレンズブロックが、接着剤を用いて回路基板に固定されている。また、光ファイバが光コネクタに接続されており、この光コネクタがレンズブロックに着脱可能に取り付けられるようにしている。そして、レンズブロックに光ファイバが接続された光コネクタを取り付けることで、光素子と光ファイバとが光学的に接続されるようにしている。
【0003】
ただし、レンズブロックを単に接着剤を用いて回路基板に固定させただけでは、光ファイバの抜き差しや周辺環境の温度変化等によりレンズブロックに力が加えられた際に、レンズブロックが位置ずれしてしまったり回路基板から外れてしまったりするおそれがある。
【0004】
このように、レンズブロックが位置ずれしてしまったり回路基板から外れてしまったりすると、光素子と光ファイバとの光学的な接続の信頼性が低下してしまう。
【0005】
そのため、この特許文献1では、レンズブロックの回路基板への固定を補強するためのレンズ補強材を回路基板上に設置し、このレンズ補強材をレンズブロックに接着させている。こうすることで、レンズブロックが回路基板に、より強固に固定されるようにして、光素子と光ファイバとの光学的な接続の信頼性が高められるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2008-224954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の技術では、レンズブロックの回路基板への固定を補強するための部材を別途用意する必要がある。さらに、レンズブロックの回路基板への固定を補強するための部材を設置するためのスペースを設ける必要もある。
【0008】
このように、前記従来の技術では、光素子と光ファイバとの光学的な接続の信頼性を高めることは可能であるが、構成が複雑化してしまうという課題があった。
【0009】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、構成の簡素化を図りつつ、光学的な接続の信頼性をより向上させることが可能な光送受信モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の態様に係る光送受信モジュールは、光ファイバとの間で光の送受信を行うことが可能な受発光素子と、前記受発光素子と前記光ファイバとを光学的に接続することが可能なレンズを有するレンズブロックと、前記レンズブロックが固定される基板と、前記レンズブロックの近傍に配置され、前記基板に形成された配線と電気的に接続される電気的接続部材と、流動性材料を固化させることで形成され、前記レンズブロックと前記電気的接続部材とを固定する固定部と、を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、構成の簡素化を図りつつ、光学的な接続の信頼性をより向上させることが可能な光送受信モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係る光送受信モジュールの一例を示す平面図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3図1のB-B断面図である。
図4】第1実施形態に係る光送受信モジュールの第1変形例を示す図であって、図3に対応する断面図である。
図5】第1実施形態に係る光送受信モジュールの第2変形例を示す図であって、図3に対応する断面図である。
図6】第1実施形態に係る光送受信モジュールが備える回路基板、レンズ、チップインダクタの線膨張率を説明する図である。
図7】第2実施形態に係る光送受信モジュールの一例を示す平面図である。
図8図7のC-C断面図である。
図9】第3実施形態に係る光送受信モジュールの一例を示す平面図である。
図10図9のD-D断面図である。
図11】第4実施形態に係る光送受信モジュールの一例を示す平面図である。
図12図11のE-E断面図である。
図13図11のF-F断面図である。
図14】第5実施形態に係る光送受信モジュールの一例を示す平面図である。
図15図14のG-G断面図である。
図16図14のH-H断面図である。
図17】第6実施形態に係る光送受信モジュールの一例を示す平面図である。
図18図17のI-I断面図である。
図19図17のJ-J断面図である。
図20】第7実施形態に係る光送受信モジュールの一例を示す平面図である。
図21図20のK-K断面図である。
図22】第8実施形態に係る光送受信モジュールの一例を示す平面図である。
図23】第9実施形態に係る光送受信モジュールの一例を示す平面図である。
図24】第10実施形態に係る光送受信モジュールの一例を示す平面図である。
図25図24のL-L断面図である。
図26図24のM-M断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を用いて本実施形態に係る光送受信モジュールについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0014】
また、以下の複数の実施形態及びその変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0015】
また、以下の複数の実施形態及びその変形例では、光送信機能および光受信機能のうち少なくともいずれか一方の機能を有するモジュールのことを光送受信モジュールとして説明している。そして、受光機能および発光機能のうち少なくともいずれか一方の機能を有する素子のことを受発光素子として説明している。
【0016】
また、以下の各実施形態及びその変形例では、回路基板の厚さ方向を鉛直方向に一致させつつ、回路基板の上部でレンズブロックを固定させた状態における上下方向を光送受信モジュールの上下方向と規定して説明する。
【0017】
また、第10実施形態以外の実施形態及びその変形例では、受発光素子と光ファイバとを光学的に接続させた状態における光ファイバの軸方向(光ファイバが延伸する方向)を光送受信モジュールの前後方向と規定して説明する。そして、光ファイバにおけるレンズブロックに接続される側を前後方向の後方と規定して説明する。また、上下方向および前後方向と直交する方向を光送受信モジュールの幅方向と規定して説明する。
【0018】
なお、第10実施形態では、チップインダクタ、レンズブロック及び電気コネクタが並設される方向を光送受信モジュールの幅方向と規定して説明する。そして、上下方向および幅方向と直交する方向を光送受信モジュールの前後方向と規定して説明する。また、回路基板におけるレンズブロックが固定される側を前後方向の前方と規定して説明する。
【0019】
(第1実施形態)
本実施形態に係る光送受信モジュール1は、図1から図3に示すように、回路基板(基板)10と、この回路基板10に固定されるレンズブロック20と、同一の回路基板10に実装される受発光素子30と、を備えている。
【0020】
この光送受信モジュール1は、光ファイバ100が受発光素子30と光学的に接続されて、受発光素子30と光ファイバ100との間で光の送受信を行うことができるように構成されている。
【0021】
具体的には、図1及び図2に示すように、光ファイバ100の一端が光コネクタ110に接続されており、レンズブロック20には、この光コネクタ110を着脱可能に取り付けることが可能なコネクタ部215が形成されている。
【0022】
そして、光ファイバ100が接続された光コネクタ110をコネクタ部215に取り付けた際には、レンズブロック20が備えるレンズ211を介して受発光素子30と光ファイバ100とが光学的に接続されるようにしている。
【0023】
このような光送受信モジュール1は、例えば、光信号と電気信号との相互変換を行う光トランシーバなどの用途に用いることができる。
【0024】
回路基板10は、図1に示すように、平面視で略矩形板状をしており、基板本体111と、基板本体111に形成された配線112と、を備えている。基板本体111は、例えば、ガラスエポキシ樹脂などの絶縁性材料によって形成することができ、配線112は、例えば、銅などの導電性材料によって形成することができる。なお、回路基板10は、図示省略した筐体などに固定されている。
【0025】
さらに、本実施形態では、回路基板10の上面10aに、レンズブロック20が固定されるとともに、受発光素子30が実装されるようにしている。すなわち、回路基板10における同一の面上にレンズブロック20及び受発光素子30が固定されている。
【0026】
受発光素子30は、受発光面31を備えており、受発光面31が上方を向くようにした状態で回路基板10に固定されている。この受発光素子30は、例えば、銀エポキシ等の導電性樹脂や接着剤により回路基板10の上面10aに固定することができる。
【0027】
このとき、受発光素子30は、配線112と電気的に接続された状態で回路基板10に固定されている。本実施形態では、配線112は、回路基板10の上面10aに形成された第1の配線112aを備えており、この第1の配線112aに受発光素子30が電気的に接続されている。
【0028】
また、回路基板10には、配線112と電気的に接続される電気的接続部材40が実装されている。本実施形態では、電気的接続部材40としてのチップコンデンサ41、チップインダクタ42及び電気コネクタ43が第1の配線112aと電気的に接続された状態で回路基板10に固定されている。この電気的接続部材40は、例えば、半田70等の固定用材料により回路基板10に固定することができる。
【0029】
そして、チップコンデンサ41及びチップインダクタ42を第1の配線112aに電気的に接続させることで、回路基板10にバイアスティ回路113が形成されるようにしている。
【0030】
このバイアスティ回路113は、受発光素子30が発光素子としての機能を有する場合は、受発光素子30へのバイアス電流(DC成分)と電気信号(AC成分)とを合わせるために用いられる回路である。
【0031】
一方、受発光素子30が受光素子としての機能を有する場合は、受発光素子30への逆電圧(DC成分)と受発光素子30からの電気信号(AC成分)を分離するために用いられる回路である。
【0032】
そして、受発光素子30は、このバイアスティ回路113と電気的に接続されるように回路基板10に実装されている。こうすることで、受発光素子30にチップインダクタ42を介して電力が供給されるようにしている。なお、チップインダクタ42の電力入力側には、第1の配線112aを介して電気コネクタ43が電気的に接続されるように設けられている。
【0033】
レンズブロック20は、図3に示すように、本体部21と、本体部21内に埋設されて光を反射させるミラー22と、を備えている。
【0034】
本実施形態では、本体部21は、略水平方向に延在する矩形板状のレンズ211と、レンズ211の幅方向の両端から下方に延在するように連設された一対の脚部212と、を備えている。このように、本実施形態では、本体部21は、前後方向から見た状態で略U字状をしており、一対の脚部212の間には、内凹部213が形成されている。
【0035】
したがって、本実施形態では、本体部21は、略水平方向に延在する天面21aと、天面21aの外周端に連設され、略鉛直方向に延在する外側面21bと、外側面21bの下端に連設され、略水平方向に延在する底面21cと、を備えている。そして、内凹部213が、略水平方向に延在する内奥面21dと、内奥面21dの幅方向の両端から下方に延在するように連設された一対の内側面21eにより画成されている。
【0036】
なお、内側面21eは、底面21cの幅方向の内側の端部に略鉛直方向に延在するように連設されており、内奥面21dは、内側面21eの上端に略水平方向に延在するように連設されている。
【0037】
また、レンズ211の内奥面21d側には、下方に突出する略半球状の突起214が形成されている。そして、レンズ211の内部には、ミラー22が、鏡面が突起214と対向するようにした状態で埋設されている。
【0038】
本実施形態では、ミラー22は、前方かつ上方に傾斜するようにした状態でレンズ211内に埋設されている。すなわち、鏡面が斜め下方を向いた状態で突起214と対向するように、ミラー22をレンズ211内に埋設させている。
【0039】
さらに、本実施形態では、鉛直面に対して約45度傾斜させた状態でミラー22をレンズ211内に埋設している。こうすることで、下方から上方に向かう鉛直方向の光を前方に向かうように屈曲させることができ、前方から後方に向かう水平方向の光を下方に向かうように屈曲させることができるようにしている。
【0040】
そして、底面21cを接着剤71により回路基板10の上面10aに固定することで、レンズブロック20が回路基板10に固定されるようにしている。このとき、突起214が受発光素子30の受発光面31と対向するようにした状態で、レンズブロック20が回路基板10に固定されるようにしている。こうすることで、受発光面31、突起214及びミラー22が上下方向に並ぶように配置されるようにしている。
【0041】
また、レンズ211の前部には、光コネクタ110が着脱可能に取り付けられるコネクタ部215が形成されている。そして、光ファイバ100が接続された光コネクタ110をコネクタ部215に取り付けた際に、光ファイバ100の後端面がミラー22と対向するようにしている。
【0042】
こうすることで、受発光面31から上方に向けて出射されてレンズ211内に導光された光が、ミラー22により前方を向くように反射されて光ファイバ100に伝送されるようにしている。一方、光ファイバ100から後方に向けて出射されてレンズ211内に導光された光が、ミラー22により下方を向くように反射されて受発光面31に伝送されるようにしている。
【0043】
すなわち、光ファイバ100付きの光コネクタ110をコネクタ部215に取り付けることで、レンズ211を介して受発光素子30と光ファイバ100とを光学的に接続させて、受発光素子30と光ファイバ100との間で光の送受信を行えるようにしている。
【0044】
なお、本実施形態では、本体部21は、アクリル樹脂等の透光性を有する材料を用いて一体に形成されている。ただし、本体部21の全てを、透光性を有する材料で形成する必要はなく、例えば、透光性を有していない材料で脚部212を形成することも可能である。また、本体部21の全てを一体に成形する必要もなく、例えば、脚部212をレンズ211とは別体に形成することも可能である。
【0045】
ところで、レンズブロック20を単に接着剤71を用いて回路基板10に固定させただけでは、光ファイバ100の抜き差しする際に、レンズブロック20が位置ずれしてしまったり回路基板10から外れてしまったりするおそれがある。
【0046】
そのため、本実施形態においても、上述した特許文献1のように、補強部材50を用いてレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにし、レンズブロック20が回路基板10に、より強固に固定されるようにしている。こうすることで、受発光素子30と光ファイバ100との光学的な接続の信頼性が高められるようにしている。
【0047】
ここで、本実施形態では、補強部材50を別途設けるのではなく、光送受信モジュール1で通常使用される既存の電気的接続部材40を補強部材50として利用して、レンズブロック20が回路基板10に、より強固に固定されるようにしている。
【0048】
具体的には、レンズブロック20の幅方向の一方側の近傍に、チップインダクタ42をレンズブロック20とは離間した状態で配置している。本実施形態では、レンズブロック20を回路基板10の前側かつ左右方向の中央部に固定しつつ、チップインダクタ42を回路基板10の前側かつ左右方向の一方側に実装している。
【0049】
そして、このチップインダクタ42とレンズブロック20とを、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定することで、レンズブロック20が回路基板10に、より強固に固定されるようにしている。
【0050】
この固定部60を形成する流動性材料としては、例えば、UV硬化型、熱硬化型、熱可塑性型等の接着剤を用いることができる。
【0051】
そして、チップインダクタ42とレンズブロック20との間に形成される隙間に接着剤を流し込んで硬化させることで、固定部60が形成されるようにしている。
【0052】
このとき、本実施形態では、レンズブロック20の外側面21bと、レンズブロック20を回路基板10に固定する接着剤71と、に接触するように固定部60を形成している。また、補強部材50の側面50bと、底面50cを第1の配線112a上に載置した状態で補強部材50を回路基板10に固定する半田70と、に接触するように固定部60を形成している。さらに、回路基板10の上面10aにも接触するように固定部60を形成している。
【0053】
こうすることで、レンズブロック20及び補強部材50が、回路基板10との固定部分も含めて固定部60によって固定されるようにし、レンズブロック20を回路基板10に、より強固に固定させることができるようにしている。
【0054】
なお、レンズブロック20の天面21aや補強部材50の天面50aから回路基板10の上面10aにかけて固定部60を接触させることも可能である。
【0055】
また、フィラー入りの接着剤を用いて固定部60を形成することも可能である。こうすれば、接着剤の線膨張係数を小さくして回路基板10や電気的接続部材40の線膨張係数に近づけることができるため、受発光素子30と光ファイバ100との光学的な接続の信頼性をより向上させることができるようになる。
【0056】
また、接着剤を塗布する部分(固定部60が接触する部分)の表面を、接着剤を塗布する前に荒らしたり、化学処理を行ったり等することも可能である。こうすれば、接着剤による接着強度をより向上させることができるようになる。
【0057】
なお、図4及び図5に示すように、回路基板10の上面10aとは接触しないように固定部60を形成することも可能である。このような固定部60は、例えば、粘性の高い接着剤を用いることで形成することができる。
【0058】
図4には、レンズブロック20の外側面21bと補強部材50の側面50bとに接触するように形成された固定部60を例示している。一方、図5には、レンズブロック20の天面21a及び外側面21bと、補強部材50の天面50a及び側面50bと、に接触するように形成された固定部60を例示している。
【0059】
このような固定部60によって、レンズブロック20と補強部材50とを固定させることでも、レンズブロック20を回路基板10に、より強固に固定させることができる。
【0060】
このような固定部60を形成する際には、温度変化による剥離防止の観点から、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる接着剤(流動性材料)を用いるのが望ましい。
【0061】
以下では、図6を用いてその理由を説明する。図6は、2つの部品(レンズブロック20と補強部材50)を、互いに離間した状態で回路基板10に搭載し、その間に固定部60を形成したものを模式的に示した平面図である。以下の理由説明においては、図6の上下に延在する矢印の方向を上下方向、左右に延在する矢印の方向を左右方向として説明する。
【0062】
まず、2つの部品(レンズブロック20と補強部材50)や回路基板10の温度変化による上下方向への膨張・収縮を考える。この場合、接着剤(流動性材料)の線膨張係数は2つの部品(レンズブロック20と補強部材50)の中間の線膨張係数とするのが望ましい。接着剤(流動性材料)の線膨張係数を2つの部品の中間の線膨張係数にすると、固定部60とレンズブロック20との間の線膨張差を小さくしつつ、固定部60と補強部材50との間の線膨張差を小さくすることができるためである。
【0063】
しかしながら、図6では、固定部60が2つの部品(レンズブロック20と補強部材50)の間に挟み込まれた構造をしており、固定部60及び2つの部品(レンズブロック20と補強部材50)には、上下方向に対称的な力がかかるようになっている。そのため、仮に、固定部60と各部品との間の線膨張差が大きかったとしても、線膨張差に起因する固定部60の剥離や、固定部60により固定されたレンズブロック20の動きが生じづらい構造になっている。
【0064】
一方、2つの部品(レンズブロック20と補強部材50)や回路基板10の温度変化による左右方向への膨張・収縮を考えると、回路基板10の膨張・収縮のみが接着剤に影響をおよぼすと考えられる。
【0065】
以上のことを総合して考えると、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる接着剤(流動性材料)を用いて固定部60を形成するのが望ましい。
【0066】
なお、固定部60を形成する流動性材料として固定用樹脂を用いることも可能である。固定用樹脂としては、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。固定用樹脂を用いる場合も、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなるものを用いるのが好ましい。
【0067】
以上説明したように、本実施形態では、レンズブロック20が固定される回路基板10に実装されたチップインダクタ42(光送受信モジュール1で通常使用される既存の電子部品)を補強部材50として利用している。こうすることで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0068】
(第2実施形態)
本実施形態に係る光送受信モジュール1Aは、上記第1実施形態で示した光送受信モジュール1とほぼ同様の構成をしている。
【0069】
すなわち、本実施形態に係る光送受信モジュール1Aは、光ファイバ100との間で光の送受信を行うことが可能な受発光素子30を備えている。また、光送受信モジュール1Aは、受発光素子30と光ファイバ100とを光学的に接続することが可能なレンズ211を有するレンズブロック20を備えている。
【0070】
さらに、光送受信モジュール1Aは、レンズブロック20が固定される回路基板(基板)10と、レンズブロック20の近傍に配置され、回路基板(基板)10に形成された配線112と電気的に接続される電気的接続部材40と、を備えている。
【0071】
そして、光送受信モジュール1Aは、流動性材料を固化させることで形成され、レンズブロック20と電気的接続部材40とを固定する固定部60を備えている。
【0072】
そして、本実施形態においても、通常使用される既存の電子部品としての電気的接続部材40を補強部材50として利用することで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。本実施形態においても、補強部材50としてチップインダクタ42が用いられている。
【0073】
ここで、本実施形態では、図7及び図8に示すように、チップインダクタ42が、レンズブロック20が固定される回路基板10とは異なる回路基板(基板)10Aに実装されている。
【0074】
そして、回路基板10Aに実装されたチップインダクタ42が、回路基板10に固定されたレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。
【0075】
具体的には、レンズブロック20を回路基板10の前側かつ左右方向の一方側に固定しつつ、チップインダクタ42を回路基板10Aの前側に実装している。そして、回路基板10Aを回路基板10の左右方向の一方側に配置することで、チップインダクタ42がレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。
【0076】
そして、このチップインダクタ42とレンズブロック20とを、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定することで、レンズブロック20が回路基板10に、より強固に固定されるようにしている。
【0077】
なお、本実施形態では、チップインダクタ42は、回路基板10Aの上面10aA上に形成された第1の配線112aA(配線112A)と電気的に接続されるようにした状態で、回路基板10Aに固定されている。そして、回路基板10Aの第1の配線112aAと回路基板10の第1の配線112aとがボンディングワイヤ48を介して電気的に接続されている。また、電気コネクタ43も、回路基板10Aの上面10aA上に実装されており、この電気コネクタ43が第1の配線112aA(配線112A)を介してチップインダクタ42と電気的に接続されるようにしている。
【0078】
このように、本実施形態では、回路基板10とは異なる回路基板10Aに実装されたチップインダクタ42及び電気コネクタ43も、回路基板10に形成された配線112と電気的に接続される電気的接続部材40である。また、ボンディングワイヤ48も回路基板10に形成された配線112と電気的に接続される電気的接続部材40である。
【0079】
そして、本実施形態においても、固定部60を形成する流動性材料として、例えば、UV硬化型、熱硬化型、熱可塑性型等の接着剤を用いることができる。
【0080】
ここで、本実施形態では、レンズブロック20の外側面21bと、レンズブロック20を回路基板10に固定する接着剤71と、に接触するように固定部60を形成している。また、補強部材50の側面50bと、底面50cを第1の配線112aA上に載置した状態で補強部材50を回路基板10Aに固定する半田70と、に接触するように固定部60を形成している。さらに、回路基板10の上面10aと、回路基板10Aの上面10aAと、にも接触するように固定部60を形成している。
【0081】
こうすることで、レンズブロック20を回路基板10に、より強固に固定させることができるようにしている。
【0082】
なお、本実施形態においても、フィラー入りの接着剤を用いて固定部60を形成することも可能であるし、接着剤を塗布する部分(固定部60が接触する部分)の表面を、接着剤を塗布する前に荒らしたり、化学処理を行ったり等することも可能である。
【0083】
さらに、固定部60を形成する流動性材料として、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの固定用樹脂を用いることも可能である。
【0084】
そして、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料(接着剤や固定用樹脂)を用いて固定部60を形成することも可能である。なお、回路基板10Aの線膨張係数も回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなるようにするのが望ましい。
【0085】
以上説明したように、本実施形態では、レンズブロック20が固定される回路基板10とは異なる回路基板10Aに実装されたチップインダクタ42(光送受信モジュール1Aで通常使用される既存の電子部品)を補強部材50として利用している。こうすることで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0086】
(第3実施形態)
本実施形態に係る光送受信モジュール1Bは、上記第1実施形態で示した光送受信モジュール1とほぼ同様の構成をしている。
【0087】
すなわち、本実施形態に係る光送受信モジュール1Bは、光ファイバ100との間で光の送受信を行うことが可能な受発光素子30を備えている。また、光送受信モジュール1Bは、受発光素子30と光ファイバ100とを光学的に接続することが可能なレンズ211を有するレンズブロック20を備えている。
【0088】
さらに、光送受信モジュール1Bは、レンズブロック20が固定される回路基板(基板)10と、レンズブロック20の近傍に配置され、回路基板(基板)10に形成された配線112と電気的に接続される電気的接続部材40と、を備えている。
【0089】
そして、光送受信モジュール1Bは、流動性材料を固化させることで形成され、レンズブロック20と電気的接続部材40とを固定する固定部60を備えている。
【0090】
また、本実施形態においても、通常使用される既存の電子部品としての電気的接続部材40を補強部材50として利用することで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0091】
ここで、本実施形態では、図9及び図10に示すように、電気的接続部材40としての電気コネクタ43を補強部材50として利用している。この電気コネクタ43は、レンズブロック20が固定される回路基板10と同一の基板、すなわち、回路基板10に実装されている。
【0092】
そして、回路基板10に実装された電気コネクタ43が、回路基板10に固定されたレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。
【0093】
具体的には、レンズブロック20を回路基板10の前側かつ左右方向の中央部に固定しつつ、電気コネクタ43を回路基板10の前側かつ左右方向の一方側に実装している。こうすることで、電気コネクタ43がレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。
【0094】
そして、この電気コネクタ43とレンズブロック20とを、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定することで、レンズブロック20が回路基板10に、より強固に固定されるようにしている。
【0095】
なお、本実施形態では、チップインダクタ42は、電気コネクタ43の後方で回路基板10Aに実装されている。そして、電気コネクタ43が第1の配線112aA(配線112A)を介してチップインダクタ42と電気的に接続されるようにしている。
【0096】
そして、本実施形態においても、固定部60を形成する流動性材料として、例えば、UV硬化型、熱硬化型、熱可塑性型等の接着剤を用いることができる。
【0097】
なお、本実施形態においても、フィラー入りの接着剤を用いて固定部60を形成することも可能であるし、接着剤を塗布する部分(固定部60が接触する部分)の表面を、接着剤を塗布する前に荒らしたり、化学処理を行ったり等することも可能である。
【0098】
さらに、固定部60を形成する流動性材料として、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの固定用樹脂を用いることも可能である。
【0099】
そして、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料(接着剤や固定用樹脂)を用いて固定部60を形成することも可能である。
【0100】
以上説明したように、本実施形態では、レンズブロック20が固定される回路基板10に実装された電気コネクタ43(光送受信モジュール1Bで通常使用される既存の電子部品)を補強部材50として利用している。こうすることで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0101】
(第4実施形態)
本実施形態に係る光送受信モジュール1Cは、上記第1実施形態で示した光送受信モジュール1とほぼ同様の構成をしている。
【0102】
すなわち、本実施形態に係る光送受信モジュール1Cは、光ファイバ100との間で光の送受信を行うことが可能な受発光素子30を備えている。また、光送受信モジュール1Cは、受発光素子30と光ファイバ100とを光学的に接続することが可能なレンズ211を有するレンズブロック20を備えている。
【0103】
さらに、光送受信モジュール1Cは、レンズブロック20が固定される回路基板(基板)10と、レンズブロック20の近傍に配置され、回路基板(基板)10に形成された配線112と電気的に接続される電気的接続部材40と、を備えている。
【0104】
そして、光送受信モジュール1Cは、流動性材料を固化させることで形成され、レンズブロック20と電気的接続部材40とを固定する固定部60を備えている。
【0105】
また、本実施形態においても、通常使用される既存の電子部品としての電気的接続部材40を補強部材50として利用することで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0106】
ここで、本実施形態では、図11から図13に示すように、電気的接続部材40としてのチップインダクタ42及び電気コネクタ43の2つの部材を補強部材50として利用している。このチップインダクタ42及び電気コネクタ43は、レンズブロック20が固定される回路基板10と同一の基板、すなわち、回路基板10に実装されている。
【0107】
このように、本実施形態では、複数の電気的接続部材40が固定部60によりレンズブロック20に固定されるようにしている。
【0108】
そして、回路基板10に実装されたチップインダクタ42及び電気コネクタ43が、回路基板10に固定されたレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。
【0109】
具体的には、レンズブロック20を回路基板10の前側かつ左右方向の中央部に固定しつつ、チップインダクタ42を回路基板10の前側かつ左右方向の一方側に実装している。そして、電気コネクタ43を回路基板10の前側かつ左右方向の他方側に実装している。こうすることで、チップインダクタ42及び電気コネクタ43がレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。このとき、チップインダクタ42及び電気コネクタ43は、間にレンズブロック20を介在させた状態で回路基板10上に配置されている。すなわち、チップインダクタ42、レンズブロック20及び電気コネクタ43は、幅方向にこの順で並設されるように回路基板10上に配置されている。
【0110】
そして、チップインダクタ42とレンズブロック20とを、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定しつつ、電気コネクタ43とレンズブロック20とを、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定している。こうすることで、レンズブロック20が回路基板10に、より強固に固定されるようにしている。
【0111】
このように、本実施形態では、光ファイバ100を挟んでチップインダクタ42と反対側に電気コネクタ43を配置している。そして、レンズブロック20の一方の端を固定部60によりチップインダクタ42に固定させつつ、レンズブロック20の他端を、チップインダクタ42と固定する固定部60とは別に形成された固定部60により電気コネクタ43に固定させている。
【0112】
なお、本実施形態では、電気コネクタ43が、回路基板10の上面10aとは別の層(裏面や4層基板であれば2層~4層など)に形成された第2の配線112bによってチップインダクタ42と電気的に接続されるようにしている。この第2の配線112bは、図示省略したスルーホールを介して第1の配線112aと電気的に接続されている。
【0113】
そして、本実施形態においても、固定部60を形成する流動性材料として、例えば、UV硬化型、熱硬化型、熱可塑性型等の接着剤を用いることができる。
【0114】
また、本実施形態においては、2つの固定部60のうち少なくともいずれか一方の固定部60を、フィラー入りの接着剤を用いて形成することが可能である。ここで、2つの固定部60とは、チップインダクタ42とレンズブロック20とを固定する固定部60と、電気コネクタ43とレンズブロック20とを固定する固定部60のことである。
【0115】
また、接着剤を塗布する部分(固定部60が接触する部分)の表面を、接着剤を塗布する前に荒らしたり、化学処理を行ったり等することも可能である。このような処理は、固定部60が接触する部分の一部にだけ施すことも可能である。
【0116】
さらに、固定部60を形成する流動性材料として、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの固定用樹脂を用いることも可能である。すなわち、2つの固定部60のうち少なくともいずれか一方の固定部60を、固定用樹脂を用いて形成することも可能である。
【0117】
そして、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料(接着剤や固定用樹脂)を用いて固定部60を形成することも可能である。このとき、2つの固定部60の両方を、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料を用いて形成することもできる。
【0118】
また、固定部60の少なくとも一部が、回路基板10と略同等の線膨張係数を有する流動性材料を固化させることで形成されるようにしてもよい。すなわち、いずれか一方の固定部60だけ、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料を用いて形成してもよい。この場合、後の工程で用いる流動性材料を、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料とするのが望ましい。
【0119】
以上説明したように、本実施形態では、レンズブロック20が固定される回路基板10に実装されたチップインダクタ42及び電気コネクタ43(光送受信モジュール1Cで通常使用される既存の電子部品)を補強部材50として利用している。こうすることで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0120】
(第5実施形態)
本実施形態に係る光送受信モジュール1Dは、上記第4実施形態で示した光送受信モジュール1Cとほぼ同様の構成をしている。
【0121】
すなわち、本実施形態に係る光送受信モジュール1Dは、光ファイバ100との間で光の送受信を行うことが可能な受発光素子30を備えている。また、光送受信モジュール1Dは、受発光素子30と光ファイバ100とを光学的に接続することが可能なレンズ211を有するレンズブロック20を備えている。
【0122】
さらに、光送受信モジュール1Dは、レンズブロック20が固定される回路基板(基板)10と、レンズブロック20の近傍に配置され、回路基板(基板)10に形成された配線112と電気的に接続される電気的接続部材40と、を備えている。
【0123】
そして、光送受信モジュール1Dは、流動性材料を固化させることで形成され、レンズブロック20と電気的接続部材40とを固定する固定部60を備えている。
【0124】
また、本実施形態においても、通常使用される既存の電子部品としての電気的接続部材40を補強部材50として利用することで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0125】
また、本実施形態においても、図14から図16に示すように、電気的接続部材40としてのチップインダクタ42及び電気コネクタ43の2つの部材を補強部材50として利用している。このチップインダクタ42及び電気コネクタ43は、レンズブロック20が固定される回路基板10と同一の基板、すなわち、回路基板10に実装されている。
【0126】
このように、本実施形態においても、複数の電気的接続部材40が固定部60によりレンズブロック20に固定されるようにしている。
【0127】
そして、回路基板10に実装されたチップインダクタ42及び電気コネクタ43が、回路基板10に固定されたレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。
【0128】
具体的には、レンズブロック20を回路基板10の前側かつ左右方向の中央部に固定しつつ、チップインダクタ42を回路基板10の前側かつ左右方向の一方側に実装している。そして、電気コネクタ43を回路基板10の前側かつ左右方向の他方側に実装している。こうすることで、チップインダクタ42及び電気コネクタ43がレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。このとき、チップインダクタ42及び電気コネクタ43は、間にレンズブロック20を介在させた状態で回路基板10上に配置されている。すなわち、チップインダクタ42、レンズブロック20及び電気コネクタ43は、幅方向にこの順で並設されるように回路基板10上に配置されている。
【0129】
そして、チップインダクタ42とレンズブロック20とを、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定しつつ、電気コネクタ43とレンズブロック20とを、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定している。こうすることで、レンズブロック20が回路基板10に、より強固に固定されるようにしている。
【0130】
このように、本実施形態においても、光ファイバ100を挟んでチップインダクタ42と反対側に電気コネクタ43を配置している。そして、レンズブロック20の一方の端を固定部60によりチップインダクタ42に固定させつつ、レンズブロック20の他端を、チップインダクタ42と固定する固定部60とは別に形成された固定部60により電気コネクタ43に固定させている。
【0131】
また、本実施形態においても、電気コネクタ43が、回路基板10の上面10aとは別の層(裏面や4層基板であれば2層~4層など)に形成された第2の配線112bによってチップインダクタ42と電気的に接続されるようにしている。この第2の配線112bは、図示省略したスルーホールを介して第1の配線112aと電気的に接続されている。
【0132】
ここで、本実施形態では、固定部60が、流動性材料を固化させることで形成される第1の固定部61と、第1の固定部61が形成された後に、流動性材料を固化させることで形成される第2の固定部62と、を備えている。
【0133】
すなわち、レンズブロック20と電気的接続部材40とを固定する固定部60を2回(複数回)に分けて形成するようにしている。
【0134】
こうすることで、固定部60の厚さを厚くし、固定部60のレンズブロック20や電気的接続部材40との接触面積をより大きくすることができるようにしている。
【0135】
本実施形態では、まず、チップインダクタ42とレンズブロック20とを第1の固定部61で固定しつつ、電気コネクタ43とレンズブロック20とを第1の固定部61で固定している。
【0136】
その後、前後方向から見た状態で、チップインダクタ42、電気コネクタ43及びレンズブロック20の概ね全体を覆うように第2の固定部62を形成する。
【0137】
こうすることで、前後方向から見た状態で、チップインダクタ42、電気コネクタ43及びレンズブロック20の概ね全体が固定部60で固定されるようにしている。
【0138】
そして、本実施形態においても、固定部60を形成する流動性材料として、例えば、UV硬化型、熱硬化型、熱可塑性型等の接着剤を用いることができる。
【0139】
また、本実施形態においても、2つの第1の固定部61のうち少なくともいずれか一方の第1の固定部61を、フィラー入りの接着剤を用いて形成することが可能である。
【0140】
また、接着剤を塗布する部分(第1の固定部61が接触する部分)の表面を、接着剤を塗布する前に荒らしたり、化学処理を行ったり等することも可能である。このような処理は、固定部60が接触する部分の一部にだけ施すことも可能である。
【0141】
さらに、第1の固定部61を形成する流動性材料として、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの固定用樹脂を用いることも可能である。すなわち、2つの第1の固定部61のうち少なくともいずれか一方の第1の固定部61を、固定用樹脂を用いて形成することも可能である。
【0142】
そして、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料(接着剤や固定用樹脂)を用いて第1の固定部61を形成することも可能である。このとき、2つの第1の固定部61の両方を、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料を用いて形成することもできる。
【0143】
また、第1の固定部61の少なくとも一部が、回路基板10と略同等の線膨張係数を有する流動性材料を固化させることで形成されるようにしてもよい。すなわち、いずれか一方の第1の固定部61だけ、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料を用いて形成してもよい。この場合、後の工程で用いる流動性材料を、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料とするのが望ましい。
【0144】
なお、第1の固定部61を形成する流動性材料と第2の固定部62を形成する流動性材料とは、同一の材料とすることも可能であるし、異なる材料とすることも可能である。
【0145】
以上説明したように、本実施形態では、レンズブロック20が固定される回路基板10に実装されたチップインダクタ42及び電気コネクタ43(光送受信モジュール1Dで通常使用される既存の電子部品)を補強部材50として利用している。こうすることで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0146】
(第6実施形態)
本実施形態に係る光送受信モジュール1Eは、上記第4実施形態で示した光送受信モジュール1Cとほぼ同様の構成をしている。
【0147】
すなわち、本実施形態に係る光送受信モジュール1Eは、光ファイバ100との間で光の送受信を行うことが可能な受発光素子30を備えている。また、光送受信モジュール1Eは、受発光素子30と光ファイバ100とを光学的に接続することが可能なレンズ211を有するレンズブロック20を備えている。
【0148】
さらに、光送受信モジュール1Eは、レンズブロック20が固定される回路基板(基板)10と、レンズブロック20の近傍に配置され、回路基板(基板)10に形成された配線112と電気的に接続される電気的接続部材40と、を備えている。
【0149】
そして、光送受信モジュール1Eは、流動性材料を固化させることで形成され、レンズブロック20と電気的接続部材40とを固定する固定部60を備えている。
【0150】
また、本実施形態においても、通常使用される既存の電子部品としての電気的接続部材40を補強部材50として利用することで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0151】
ここで、本実施形態では、図17から図19に示すように、電気的接続部材40としてのチップインダクタ42及び電気コネクタ43の2つの部材を補強部材50として利用している。このチップインダクタ42及び電気コネクタ43は、レンズブロック20が固定される回路基板10と同一の基板、すなわち、回路基板10に実装されている。
【0152】
このように、本実施形態では、複数の電気的接続部材40が固定部60によりレンズブロック20に固定されるようにしている。
【0153】
そして、回路基板10に実装されたチップインダクタ42及び電気コネクタ43が、回路基板10に固定されたレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。
【0154】
具体的には、レンズブロック20を回路基板10の前側かつ左右方向の中央部に固定しつつ、チップインダクタ42を回路基板10の前側かつ左右方向の一方側に実装している。そして、電気コネクタ43を回路基板10の前側かつ左右方向の他方側に実装している。こうすることで、チップインダクタ42及び電気コネクタ43がレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。このとき、チップインダクタ42及び電気コネクタ43は、間にレンズブロック20を介在させた状態で回路基板10上に配置されている。すなわち、チップインダクタ42、レンズブロック20及び電気コネクタ43は、幅方向にこの順で並設されるように回路基板10上に配置されている。
【0155】
そして、チップインダクタ42とレンズブロック20とを、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定しつつ、電気コネクタ43とレンズブロック20とを、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定している。こうすることで、レンズブロック20が回路基板10に、より強固に固定されるようにしている。
【0156】
このように、本実施形態においても、光ファイバ100を挟んでチップインダクタ42と反対側に電気コネクタ43を配置している。そして、レンズブロック20の一方の端を固定部60によりチップインダクタ42に固定させつつ、レンズブロック20の他端を、チップインダクタ42と固定する固定部60とは別に形成された固定部60により電気コネクタ43に固定させている。
【0157】
また、本実施形態においても、電気コネクタ43が、回路基板10の上面10aとは別の層(裏面や4層基板であれば2層~4層など)に形成された第2の配線112bによってチップインダクタ42と電気的に接続されるようにしている。そして、この第2の配線112bは、図示省略したスルーホールを介して第1の配線112aと電気的に接続されている。
【0158】
また、本実施形態においても、2つの固定部60のうち少なくともいずれか一方の固定部60を、フィラー入りの接着剤を用いて形成することが可能である。ここで、2つの固定部60とは、チップインダクタ42とレンズブロック20とを固定する固定部60と、電気コネクタ43とレンズブロック20とを固定する固定部60のことである。
【0159】
また、接着剤を塗布する部分(固定部60が接触する部分)の表面を、接着剤を塗布する前に荒らしたり、化学処理を行ったり等することも可能である。このような処理は、固定部60が接触する部分の一部にだけ施すことも可能である。
【0160】
さらに、固定部60を形成する流動性材料として、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの固定用樹脂を用いることも可能である。すなわち、2つの固定部60のうち少なくともいずれか一方の固定部60を、固定用樹脂を用いて形成することも可能である。
【0161】
そして、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料(接着剤や固定用樹脂)を用いて固定部60を形成することも可能である。このとき、2つの固定部60の両方を、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料を用いて形成することもできる。
【0162】
また、固定部60の少なくとも一部が、回路基板10と略同等の線膨張係数を有する流動性材料を固化させることで形成されるようにしてもよい。すなわち、いずれか一方の固定部60だけ、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料を用いて形成してもよい。この場合、後の工程で用いる流動性材料を、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料とするのが望ましい。
【0163】
ここで、本実施形態では、光送受信モジュール1Eが、上面(レンズブロック20が固定された側の面)10aが上側となるように回路基板10を配置した状態で、レンズブロック20の天面21aが固定される他の基板10Eをさらに備えている。
【0164】
こうすることで、レンズブロック20を回路基板10と他の基板10Eとで挟み込んで固定することができるようにしている。本実施形態では、他の基板10Eは、接着剤71によってレンズブロック20の天面21aに固定されている。
【0165】
さらに、本実施形態では、他の基板10Eも回路基板であり、他の基板10Eには、電源電圧制御などを行うチップ44等が実装されている。こうすることで、回路をより集積化させることができるようにしている。
【0166】
なお、他の基板10Eとして、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなるものを用いるのが望ましい。
【0167】
また、他の基板10Eは、回路基板10とでレンズブロック20を挟み込むことができればよく、様々な大きさの他の基板10Eを用いることが可能である。
【0168】
以上説明したように、本実施形態では、レンズブロック20が固定される回路基板10に実装されたチップインダクタ42及び電気コネクタ43(光送受信モジュール1Eで通常使用される既存の電子部品)を補強部材50として利用している。こうすることで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0169】
(第7実施形態)
本実施形態に係る光送受信モジュール1Fは、上記第1実施形態で示した光送受信モジュール1とほぼ同様の構成をしている。
【0170】
すなわち、本実施形態に係る光送受信モジュール1Fは、光ファイバ100との間で光の送受信を行うことが可能な受発光素子30を備えている。また、光送受信モジュール1Fは、受発光素子30と光ファイバ100とを光学的に接続することが可能なレンズ211を有するレンズブロック20を備えている。
【0171】
さらに、光送受信モジュール1Fは、レンズブロック20が固定される回路基板(基板)10と、レンズブロック20の近傍に配置され、回路基板(基板)10に形成された配線112と電気的に接続される電気的接続部材40と、を備えている。
【0172】
そして、光送受信モジュール1Fは、流動性材料を固化させることで形成され、レンズブロック20と電気的接続部材40とを固定する固定部60を備えている。
【0173】
また、本実施形態においても、通常使用される既存の電子部品としての電気的接続部材40を補強部材50として利用することで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0174】
ここで、本実施形態では、図20及び図21に示すように、電気コネクタ43を用いずに、電線45が回路基板10に半田付け等により直接実装されている。本実施形態では、電線45は、電源線45aとグランド線45bとを備えている。
【0175】
そして、この電気的接続部材40としての電源線45a及びグランド線45bの2つの部材を補強部材50として利用している。この電源線45a及びグランド線45bは、それぞれの端子451a,451bが、レンズブロック20が固定される回路基板10と同一の基板、すなわち、回路基板10に実装されている。
【0176】
このように、本実施形態では、複数の電気的接続部材40が固定部60によりレンズブロック20に固定されるようにしている。
【0177】
そして、回路基板10に実装された電源線45aの端子451a及びグランド線45bの端子451bが、回路基板10に固定されたレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。
【0178】
具体的には、レンズブロック20を回路基板10の前側かつ左右方向の中央部に固定しつつ、電源線45aの端子451a及びグランド線45bの端子451bを、回路基板10の前側かつ左右方向の一方側に前後方向に並設された状態で実装している。こうすることで、電源線45aの端子451a及びグランド線45bの端子451bがレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。
【0179】
そして、電源線45aの端子451a及びグランド線45bの端子451bとレンズブロック20とを、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定している。こうすることで、レンズブロック20が回路基板10に、より強固に固定されるようにしている。なお、本実施形態では、電源線45aの端子451a及びグランド線45bの端子451bが1つの固定部60によってレンズブロック20に固定されている。
【0180】
そして、本実施形態においても、固定部60を形成する流動性材料として、例えば、UV硬化型、熱硬化型、熱可塑性型等の接着剤を用いることができる。
【0181】
また、本実施形態においても、固定部60をフィラー入りの接着剤を用いて形成することが可能である。
【0182】
また、接着剤を塗布する部分(固定部60が接触する部分)の表面を、接着剤を塗布する前に荒らしたり、化学処理を行ったり等することも可能である。このような処理は、固定部60が接触する部分の一部にだけ施すことも可能である。
【0183】
さらに、固定部60を形成する流動性材料として、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの固定用樹脂を用いることも可能である。
【0184】
そして、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料(接着剤や固定用樹脂)を用いて固定部60を形成することも可能である。
【0185】
以上説明したように、本実施形態では、レンズブロック20が固定される回路基板10に実装された電源線45a及びグランド線45b(光送受信モジュール1Fで通常使用される既存の電子部品)を補強部材50として利用している。こうすることで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0186】
(第8実施形態)
本実施形態に係る光送受信モジュール1Gは、上記第4実施形態で示した光送受信モジュール1Cとほぼ同様の構成をしている。
【0187】
すなわち、本実施形態に係る光送受信モジュール1Gは、光ファイバ100との間で光の送受信を行うことが可能な受発光素子30を備えている。また、光送受信モジュール1Gは、受発光素子30と光ファイバ100とを光学的に接続することが可能なレンズ211を有するレンズブロック20を備えている。
【0188】
さらに、光送受信モジュール1Gは、レンズブロック20が固定される回路基板(基板)10と、レンズブロック20の近傍に配置され、回路基板(基板)10に形成された配線112と電気的に接続される電気的接続部材40と、を備えている。
【0189】
そして、光送受信モジュール1Gは、流動性材料を固化させることで形成され、レンズブロック20と電気的接続部材40とを固定する固定部60を備えている。
【0190】
また、本実施形態においても、通常使用される既存の電子部品としての電気的接続部材40を補強部材50として利用することで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0191】
ここで、本実施形態では、図22に示すように、電気的接続部材40としてのチップインダクタ42及び電気コネクタ43の2つの部材を補強部材50として利用している。このチップインダクタ42及び電気コネクタ43は、レンズブロック20が固定される回路基板10と同一の基板、すなわち、回路基板10に実装されている。
【0192】
このように、本実施形態では、複数の電気的接続部材40が固定部60によりレンズブロック20に固定されるようにしている。
【0193】
そして、回路基板10に実装されたチップインダクタ42及び電気コネクタ43が、回路基板10に固定されたレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。
【0194】
ここで、本実施形態では、レンズブロック20を回路基板10の前側かつ左右方向の中央部に固定しつつ、左右方向の一方側においてレンズブロック20よりも後方に位置させた状態でチップインダクタ42を回路基板10に実装している。そして、電気コネクタ43を回路基板10の前側かつ左右方向の他方側に実装している。こうすることで、チップインダクタ42及び電気コネクタ43がレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。このとき、チップインダクタ42は、前後方向でレンズブロック20と対向した状態で回路基板10上に配置されている。なお、チップインダクタ42の替わりに電気コネクタ43を前後方向でレンズブロック20と対向させるようにしてもよいし、チップインダクタ42及び電気コネクタ43の両方を前後方向でレンズブロック20と対向させるようにしてもよい。
【0195】
そして、チップインダクタ42とレンズブロック20とを、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定しつつ、電気コネクタ43とレンズブロック20とを、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定している。こうすることで、レンズブロック20が回路基板10に、より強固に固定されるようにしている。
【0196】
また、本実施形態においても、光ファイバ100を挟んでチップインダクタ42と反対側に電気コネクタ43を配置している。ここで、本実施形態では、レンズブロック20の前後方向の後端を固定部60によりチップインダクタ42に固定させている。さらに、レンズブロック20の幅方向の他端を、チップインダクタ42と固定する固定部60とは別に形成された固定部60により電気コネクタ43に固定させている。
【0197】
また、本実施形態においても、電気コネクタ43が、回路基板10の上面10aとは別の層(裏面や4層基板であれば2層~4層など)に形成された第2の配線112bによってチップインダクタ42と電気的に接続されるようにしている。この第2の配線112bは、図示省略したスルーホールを介して第1の配線112aと電気的に接続されている。
【0198】
そして、本実施形態においても、固定部60を形成する流動性材料として、例えば、UV硬化型、熱硬化型、熱可塑性型等の接着剤を用いることができる。
【0199】
また、本実施形態においても、2つの固定部60のうち少なくともいずれか一方の固定部60を、フィラー入りの接着剤を用いて形成することが可能である。ここで、2つの固定部60とは、チップインダクタ42とレンズブロック20とを固定する固定部60と、電気コネクタ43とレンズブロック20とを固定する固定部60のことである。
【0200】
また、接着剤を塗布する部分(固定部60が接触する部分)の表面を、接着剤を塗布する前に荒らしたり、化学処理を行ったり等することも可能である。このような処理は、固定部60が接触する部分の一部にだけ施すことも可能である。
【0201】
さらに、固定部60を形成する流動性材料として、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの固定用樹脂を用いることも可能である。すなわち、2つの固定部60のうち少なくともいずれか一方の固定部60を、固定用樹脂を用いて形成することも可能である。
【0202】
そして、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料(接着剤や固定用樹脂)を用いて固定部60を形成することも可能である。このとき、2つの固定部60の両方を、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料を用いて形成することもできる。
【0203】
また、固定部60の少なくとも一部が、回路基板10と略同等の線膨張係数を有する流動性材料を固化させることで形成されるようにしてもよい。すなわち、いずれか一方の固定部60だけ、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料を用いて形成してもよい。この場合、後の工程で用いる流動性材料を、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料とするのが望ましい。
【0204】
以上説明したように、本実施形態では、レンズブロック20が固定される回路基板10に実装されたチップインダクタ42及び電気コネクタ43(光送受信モジュール1Gで通常使用される既存の電子部品)を補強部材50として利用している。こうすることで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0205】
(第9実施形態)
本実施形態に係る光送受信モジュール1Hは、上記第4実施形態で示した光送受信モジュール1Cとほぼ同様の構成をしている。
【0206】
すなわち、本実施形態に係る光送受信モジュール1Hは、光ファイバ100との間で光の送受信を行うことが可能な受発光素子30を備えている。また、光送受信モジュール1Hは、受発光素子30と光ファイバ100とを光学的に接続することが可能なレンズ211を有するレンズブロック20を備えている。
【0207】
さらに、光送受信モジュール1Hは、レンズブロック20が固定される回路基板(基板)10と、レンズブロック20の近傍に配置され、回路基板(基板)10に形成された配線112と電気的に接続される電気的接続部材40と、を備えている。
【0208】
そして、光送受信モジュール1Hは、流動性材料を固化させることで形成され、レンズブロック20と電気的接続部材40とを固定する固定部60を備えている。
【0209】
また、本実施形態においても、通常使用される既存の電子部品としての電気的接続部材40を補強部材50として利用することで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0210】
ここで、本実施形態では、図23に示すように、電気的接続部材40としての増幅器46と、増幅器46へ供給する電力のノイズを除くためのコンデンサ47とが、回路基板10に実装されている。本実施形態では、1つの増幅器46と3つのコンデンサ47とが回路基板10に実装されている。
【0211】
そして、電気的接続部材40としてのチップインダクタ42、電気コネクタ43及びコンデンサ47(3つのコンデンサ47のうちの1つのコンデンサ47)を、補強部材50として利用している。すなわち、3つの電気的接続部材40を補強部材50として利用している。このチップインダクタ42、電気コネクタ43及びコンデンサ47は、レンズブロック20が固定される回路基板10と同一の基板、すなわち、回路基板10に実装されている。
【0212】
このように、本実施形態では、複数の電気的接続部材40が固定部60によりレンズブロック20に固定されるようにしている。
【0213】
そして、回路基板10に実装されたチップインダクタ42、電気コネクタ43及び1つのコンデンサ47が、回路基板10に固定されたレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。
【0214】
具体的には、レンズブロック20を回路基板10の前側かつ左右方向の中央部に固定しつつ、チップインダクタ42を回路基板10の前側かつ左右方向の一方側に実装している。そして、電気コネクタ43を回路基板10の前側かつ左右方向の他方側に実装しつつ、コンデンサ47を、左右方向の他方側においてレンズブロック20よりも後方に位置させた状態で回路基板10に実装されている。こうすることで、チップインダクタ42、電気コネクタ43及び1つのコンデンサ47がレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。このとき、チップインダクタ42及び電気コネクタ43は、間にレンズブロック20を介在させた状態で回路基板10上に配置されている。すなわち、チップインダクタ42、レンズブロック20及び電気コネクタ43は、幅方向にこの順で並設されるように回路基板10上に配置されている。
【0215】
そして、チップインダクタ42とレンズブロック20とを、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定している。さらに、電気コネクタ43、1つのコンデンサ47及びレンズブロック20を、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定している。こうすることで、レンズブロック20が回路基板10に、より強固に固定されるようにしている。
【0216】
このように、本実施形態では、光ファイバ100を挟んでチップインダクタ42と反対側に電気コネクタ43を配置している。そして、レンズブロック20の一方の端を固定部60によりチップインダクタ42に固定させつつ、レンズブロック20の他端を、チップインダクタ42と固定する固定部60とは別に形成された固定部60により電気コネクタ43に固定させている。このとき、1つのコンデンサ47も、電気コネクタ43とともにチップインダクタ42と固定する固定部60とは別に形成された固定部60により固定されるようにしている。
【0217】
なお、本実施形態では、電気コネクタ43が、回路基板10の上面10aとは別の層(裏面や4層基板であれば2層~4層など)に形成された第2の配線112bによってチップインダクタ42と電気的に接続されるようにしている。この第2の配線112bは、図示省略したスルーホールを介して第1の配線112aと電気的に接続されている。
【0218】
そして、本実施形態においても、固定部60を形成する流動性材料として、例えば、UV硬化型、熱硬化型、熱可塑性型等の接着剤を用いることができる。
【0219】
また、本実施形態においても、2つの固定部60のうち少なくともいずれか一方の固定部60を、フィラー入りの接着剤を用いて形成することが可能である。ここで、2つの固定部60とは、チップインダクタ42とレンズブロック20とを固定する固定部60と、電気コネクタ43、1つのコンデンサ47及びレンズブロック20を固定する固定部60のことである。
【0220】
また、接着剤を塗布する部分(固定部60が接触する部分)の表面を、接着剤を塗布する前に荒らしたり、化学処理を行ったり等することも可能である。このような処理は、固定部60が接触する部分の一部にだけ施すことも可能である。
【0221】
さらに、固定部60を形成する流動性材料として、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの固定用樹脂を用いることも可能である。すなわち、2つの固定部60のうち少なくともいずれか一方の固定部60を、固定用樹脂を用いて形成することも可能である。
【0222】
そして、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料(接着剤や固定用樹脂)を用いて固定部60を形成することも可能である。このとき、2つの固定部60の両方を、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料を用いて形成することもできる。
【0223】
また、固定部60の少なくとも一部が、回路基板10と略同等の線膨張係数を有する流動性材料を固化させることで形成されるようにしてもよい。すなわち、いずれか一方の固定部60だけ、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料を用いて形成してもよい。この場合、後の工程で用いる流動性材料を、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料とするのが望ましい。
【0224】
このように、本実施形態では、レンズブロック20が固定される回路基板10に実装されたチップインダクタ42、電気コネクタ43及び1つのコンデンサ47(光送受信モジュール1Hで通常使用される既存の電子部品)を補強部材50として利用している。こうすることで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0225】
(第10実施形態)
本実施形態に係る光送受信モジュール1Iは、上記第4実施形態で示した光送受信モジュール1Cとほぼ同様の構成をしている。
【0226】
すなわち、本実施形態に係る光送受信モジュール1Iは、光ファイバ100との間で光の送受信を行うことが可能な受発光素子30を備えている。また、光送受信モジュール1Iは、受発光素子30と光ファイバ100とを光学的に接続することが可能なレンズ211を有するレンズブロック20を備えている。
【0227】
さらに、光送受信モジュール1Iは、レンズブロック20が固定される回路基板(基板)10と、レンズブロック20の近傍に配置され、回路基板(基板)10に形成された配線112と電気的に接続される電気的接続部材40と、を備えている。
【0228】
そして、光送受信モジュール1Iは、流動性材料を固化させることで形成され、レンズブロック20と電気的接続部材40とを固定する固定部60を備えている。
【0229】
また、本実施形態においても、通常使用される既存の電子部品としての電気的接続部材40を補強部材50として利用することで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0230】
ここで、本実施形態では、図24から図26に示すように、レンズ211にミラー22が埋設されていないレンズブロック20が用いられている。そして、受発光素子30と光ファイバ100との間で、上下方向の光を屈曲させることなく送受信させることができるようにしている。
【0231】
具体的には、本体部21が、レンズ211と脚部212とで下方に開口する略円筒状に形成されており、上方に開口する略円筒状のコネクタ部215が本体部21の天面21aに形成されている。
【0232】
そして、光ファイバ100が接続された光コネクタ110をコネクタ部215に取り付けた際に、光ファイバ100の端面(下端面)が突起214と対向するようにしている。こうすることで、受発光面31、突起214及び光ファイバ100の端面(下端面)が上下方向に並ぶように配置されるようにしている。
【0233】
また、本実施形態においても、電気的接続部材40としてのチップインダクタ42及び電気コネクタ43の2つの部材を補強部材50として利用している。このチップインダクタ42及び電気コネクタ43は、レンズブロック20が固定される回路基板10と同一の基板、すなわち、回路基板10に実装されている。
【0234】
このように、本実施形態では、複数の電気的接続部材40が固定部60によりレンズブロック20に固定されるようにしている。
【0235】
そして、回路基板10に実装されたチップインダクタ42及び電気コネクタ43が、回路基板10に固定されたレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。
【0236】
具体的には、レンズブロック20を回路基板10の前側かつ左右方向の中央部に固定しつつ、チップインダクタ42を回路基板10の前側かつ左右方向の一方側に実装している。そして、電気コネクタ43を回路基板10の前側かつ左右方向の他方側に実装している。こうすることで、チップインダクタ42及び電気コネクタ43がレンズブロック20の近傍に配置されるようにしている。このとき、チップインダクタ42及び電気コネクタ43は、間にレンズブロック20を介在させた状態で回路基板10上に配置されている。すなわち、チップインダクタ42、レンズブロック20及び電気コネクタ43は、幅方向にこの順で並設されるように回路基板10上に配置されている。
【0237】
そして、チップインダクタ42とレンズブロック20とを、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定しつつ、電気コネクタ43とレンズブロック20とを、流動性材料を固化させることで形成される固定部60により固定している。こうすることで、レンズブロック20が回路基板10に、より強固に固定されるようにしている。
【0238】
このように、本実施形態では、光ファイバ100を挟んでチップインダクタ42と反対側に電気コネクタ43を配置している。そして、レンズブロック20の一方の端を固定部60によりチップインダクタ42に固定させつつ、レンズブロック20の他端を、チップインダクタ42と固定する固定部60とは別に形成された固定部60により電気コネクタ43に固定させている。
【0239】
なお、本実施形態では、電気コネクタ43が、回路基板10の上面10aとは別の層(裏面や4層基板であれば2層~4層など)に形成された第2の配線112bによってチップインダクタ42と電気的に接続されるようにしている。この第2の配線112bは、図示省略したスルーホールを介して第1の配線112aと電気的に接続されている。
【0240】
そして、本実施形態においても、固定部60を形成する流動性材料として、例えば、UV硬化型、熱硬化型、熱可塑性型等の接着剤を用いることができる。
【0241】
また、本実施形態においても、2つの固定部60のうち少なくともいずれか一方の固定部60を、フィラー入りの接着剤を用いて形成することが可能である。ここで、2つの固定部60とは、チップインダクタ42とレンズブロック20とを固定する固定部60と、電気コネクタ43とレンズブロック20とを固定する固定部60のことである。
【0242】
また、接着剤を塗布する部分(固定部60が接触する部分)の表面を、接着剤を塗布する前に荒らしたり、化学処理を行ったり等することも可能である。このような処理は、固定部60が接触する部分の一部にだけ施すことも可能である。
【0243】
さらに、固定部60を形成する流動性材料として、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの固定用樹脂を用いることも可能である。すなわち、2つの固定部60のうち少なくともいずれか一方の固定部60を、固定用樹脂を用いて形成することも可能である。
【0244】
そして、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料(接着剤や固定用樹脂)を用いて固定部60を形成することも可能である。このとき、2つの固定部60の両方を、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料を用いて形成することもできる。
【0245】
また、固定部60の少なくとも一部が、回路基板10と略同等の線膨張係数を有する流動性材料を固化させることで形成されるようにしてもよい。すなわち、いずれか一方の固定部60だけ、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料を用いて形成してもよい。この場合、後の工程で用いる流動性材料を、線膨張係数が回路基板10の線膨張係数とほぼ同じとなる流動性材料とするのが望ましい。
【0246】
このように、本実施形態では、レンズブロック20が固定される回路基板10に実装されたチップインダクタ42及び電気コネクタ43(光送受信モジュール1Iで通常使用される既存の電子部品)を補強部材50として利用している。こうすることで、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強できるようにしている。
【0247】
[作用・効果]
以下では、上記各実施形態及びその変形例で示した光送受信モジュールの特徴的構成及びそれにより得られる効果を説明する。
【0248】
上記各実施形態及びその変形例で示した光送受信モジュール1~1Iは、光ファイバ100との間で光の送受信を行うことが可能な受発光素子30を備えている。また、光送受信モジュール1~1Iは、受発光素子30と光ファイバ100とを光学的に接続することが可能なレンズ211を有するレンズブロック20を備えている。さらに、光送受信モジュール1~1Iは、レンズブロック20が固定される回路基板(基板)10と、レンズブロック20の近傍に配置され、回路基板(基板)10に形成された配線112と電気的に接続される電気的接続部材40と、を備えている。そして、光送受信モジュール1~1Iは、流動性材料を固化させることで形成され、レンズブロック20と電気的接続部材40とを固定する固定部60を備えている。
【0249】
こうすれば、レンズブロック20が、回路基板(基板)10だけでなく、半田70等の固定用材料により基板等(例えば、回路基板10や回路基板10とは異なる基板10Aなど)に固定される電気的接続部材40にも固定されることになる。すなわち、電気的接続部材40をレンズブロック20の回路基板(基板)10への固定を補強する補強部材50として利用することができる。
【0250】
このとき、光送受信モジュール1~1Iで通常使用される既存の電子部品や電線などの電気的接続部材40を補強部材50として利用すれば、新たな部品を用いることなくレンズブロック20の回路基板10への固定を補強することが可能になる。このように、既存の部品を補強部材50として用いるようにすれば、より簡素な構成で、レンズブロック20の回路基板10への固定強度を高めることができ、光学的な接続の信頼性をより向上させることが可能になる。
【0251】
したがって、上記各実施形態及びその変形例で示した構成とすれば、構成の簡素化を図りつつ、光学的な接続の信頼性をより向上させることが可能な光送受信モジュールを提供することが可能になる。
【0252】
また、回路基板(基板)10に電気的接続部材40が固定されていてもよい。
【0253】
こうすれば、レンズブロック20が固定される回路基板(基板)10と同一の基板に固定される電気的接続部材40が、レンズブロック20の回路基板(基板)10への固定を補強する補強部材50となる。すなわち、レンズブロック20が、回路基板(基板)10に直接固定されるだけでなく、補強部材50としての電気的接続部材40を介しても回路基板(基板)10に固定されることになる。そのため、レンズブロック20の回路基板10への固定強度をより向上させることができるようになる。
【0254】
また、複数の電気的接続部材40が固定部60によりレンズブロック20に固定されていてもよい。
【0255】
こうすれば、レンズブロック20の回路基板10への固定強度をより向上させることができる。このとき、2つの電気的接続部材40の間にレンズブロック20が介在するように複数の電気的接続部材40を配置するのが好ましい。こうすれば、レンズブロック20が両端から挟み込むようにした状態で電気的接続部材40に固定されることになるため、レンズブロック20の回路基板10への固定強度をさらに向上させることが可能になる。
【0256】
また、上面(レンズブロック20が固定された側の面)10aが上側となるように基板10を配置した状態で、レンズブロック20の天面21aが固定される他の基板10Eをさらに備えるようにしてもよい。
【0257】
こうすれば、レンズブロック20を回路基板10と他の基板10Eとで挟み込んで固定することができるようになるため、レンズブロック20の回路基板10への固定強度をより向上させることが可能になる。
【0258】
また、固定部60が、流動性材料を固化させることで形成される第1の固定部61と、第1の固定部61が形成された後に、流動性材料を固化させることで形成される第2の固定部62と、を備えるようにしてもよい。
【0259】
こうすれば、固定部60の厚さを厚くすることができる。すなわち、固定部60のレンズブロック20や電気的接続部材40との接触面積をより大きくすることができる。その結果、レンズブロック20を回路基板10に、より強固に固定することが可能になる。
【0260】
なお、厚みのある固定部60を1度にまとめて形成すると、接着層が厚くなってしまい仮固定がうまくいかないことがある。
【0261】
これに対して、レンズブロック20と電気的接続部材40とを固定する固定部60を2回(複数回)に分けて形成するようにすれば、第1の固定部61によりレンズブロック20と電気的接続部材40とを仮固定することが可能になる。そして、第1の固定部61によりレンズブロック20と電気的接続部材40とを仮固定した後に、第2の固定部62によりレンズブロック20と電気的接続部材40とを固定することが可能になる。
【0262】
したがって、より確実に、レンズブロック20を回路基板10に、より強固に固定することが可能になる。
【0263】
また、固定部60の少なくとも一部が、回路基板10と略同等の線膨張係数を有する流動性材料を固化させることで形成されていてもよい。
【0264】
このように、固定部60を形成する流動性材料の線膨張係数を回路基板(基板)10にそろえるようにすれば、温度変化により熱膨張が生じた際に固定部60がレンズブロック20や電気的接続部材40から剥離してしまうことを抑制することが可能になる。その結果、光学的な接続の信頼性をより向上させることが可能になる。
【0265】
[その他]
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0266】
例えば、上記各実施形態及びその変形例で示した構成を適宜組み合わせた光送受信モジュールとすることが可能である。
【0267】
また、上記各実施形態及びその変形例では、光コネクタ110に1本の光ファイバ100を接続させたものを例示したが、このような構成に限られるものではなく、光コネクタ110に複数本の光ファイバ100を接続させるようにすることも可能である。この場合、複数個の受発光素子を用い、各受発光素子が複数本の光ファイバ100のうちの1本と光学的に接続されるようにするのが好ましい。
【0268】
また、レンズブロックや電気的接続部材、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0269】
1~1I 光送受信モジュール
10 回路基板(基板)
10a 上面(レンズブロックが固定された側の面)
10E 他の回路基板(他の基板)
112 配線
20 レンズブロック
21a 天面
211 レンズ
30 受発光素子
40 電気的接続部材
60 固定部
61 第1の固定部
62 第2の固定部
100 光ファイバ
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