(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】リミットスイッチ
(51)【国際特許分類】
H01H 21/28 20060101AFI20241126BHJP
H01H 9/16 20060101ALI20241126BHJP
H01H 36/00 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
H01H21/28 Q
H01H9/16 G
H01H36/00 M
H01H36/00 P
(21)【出願番号】P 2021043267
(22)【出願日】2021-03-17
【審査請求日】2023-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】富田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】中村 善太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ スアン チン
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-10346(JP,U)
【文献】実開昭54-68174(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 21/28
H01H 36/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットと、前記ターゲットの有無を検出するように構成された近接センサとからなる無接点スイッチと、
前記無接点スイッチを収容するハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられ、外部から加えられる機械的なエネルギーを前記ターゲットの運動に変換するように構成されたアクチュエータと、
前記ハウジングに収容され、前記アクチュエータの動きに応じて、前記ターゲットの位置を、前記近接センサが前記ターゲットを検出する第1の位置と、前記近接センサが前記ターゲットを検出しない第2の位置との間で切り換えるように構成されたスナップアクション機構と、
前記ターゲットの位置が前記第1の位置と前記第2の位置との間で切り換えられたときに音を発生する音発生機構と
を有
し、
前記スナップアクション機構は、
前記プランジャの一端に連結されたフレームと、
一端が前記フレームによって支持され、他端が前記ターゲットを支持する可動ばねと、
前記ターゲットの移動を規制する規制部材と
を備える、
リミットスイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載されたリミットスイッチにおいて、
前記音発生機構は、
前記ターゲットの位置が前記第1の位置と前記第2の位置との間で切り換えられたときに前記ターゲットと衝突して音を発生するように構成された被衝突部材を含む、
リミットスイッチ。
【請求項3】
請求項2に記載されたリミットスイッチにおいて、
前記アクチュエータは、外部から機械的なエネルギーが加えられたときに、直線運動するプランジャを含
む、
リミットスイッチ。
【請求項4】
請求項3に記載されたリミットスイッチにおいて、
前記規制部材は、前記被衝突部材を兼ねる、
リミットスイッチ。
【請求項5】
請求項3または4に記載されたリミットスイッチにおいて、
前記ターゲットは、前記ターゲットの移動方向とは異なる方向に延びる腕を有し、
前記規制部材は、前記ターゲットの移動方向に沿って延在し、前記腕を挿通する窓を有する、
リミットスイッチ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載されたリミットスイッチにおいて、
前記ターゲットは、金属または磁性体からなり、
前記近接センサは、前記ターゲットを磁気的に検出する磁気センサである、
リミットスイッチ。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載されたリミットスイッチにおいて、
前記近接センサは、前記ターゲットを光学的に検出する光学センサである、
リミットスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リミットスイッチに関し、特に近接センサを用いた無接点リミットスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なリミットスイッチは、ハウジング内に封入されたマイクロスイッチを備え、アクチュエータを介してこのマイクロスイッチを操作し、検出対象の機械的な変位を電気信号に変換して出力するスイッチである。リミットスイッチは、例えば、工作機械、生産機械、搬送装置、産業用車両、及び、産業用ロボット等の各種設備や装置において、被検出物体の存在有無、位置、及び、変位等を検出するために使用されている。
【0003】
マイクロスイッチは機械的な接点を有するため、リミットスイッチが塵、埃、水分等の異物が飛散する環境下で使用される場合には、異物がスイッチ内部に侵入することにより動作不良が発生するリスクがある。そこで、機械的なマイクロスイッチに替えて、近接センサを用いた無接点スイッチをハウジング内に封入したリミットスイッチが提案されている(特許文献1、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3131219号公報
【文献】実開昭58-10346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ハウジング内に無接点スイッチを封入したリミットスイッチでは、動作位置を確認するときに、無接点スイッチを構成する近接センサに通電しなければならなかった。
【0006】
そこで、本発明は、近接センサに通電しなくても動作位置を確認することができるリミットスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明に係るリミットスイッチは、ターゲットと、前記ターゲットの有無を検出するように構成された近接センサとからなる無接点スイッチと、前記無接点スイッチを収容するハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ、外部から加えられる機械的なエネルギーを前記ターゲットの運動に変換するように構成されたアクチュエータと、前記ハウジングに収容され、前記アクチュエータの動きに応じて、前記ターゲットの位置を、前記近接センサが前記ターゲットを検出する第1の位置と、前記近接センサが前記ターゲットを検出しない第2の位置との間で切り換えるように構成されたスナップアクション機構と、前記ターゲットの位置が前記第1の位置と前記第2の位置との間で切り換えられたときに音を発生する音発生機構とを有する。
【0008】
上記のリミットスイッチの一実施の形態において、前記音発生機構は、前記ターゲットの位置が前記第1の位置と前記第2の位置との間で切り換えられたときに前記ターゲットと衝突して音を発生するように構成された被衝突部材を含むようにしてもよい。
【0009】
また、上記のリミットスイッチの一実施の形態において、前記アクチュエータは、外部から機械的なエネルギーが加えられたときに、直線運動するプランジャを含み、前記スナップアクション機構は、前記プランジャの一端に連結されたフレームと、一端が前記フレームによって支持され、他端が前記ターゲットを支持する可動ばねと、前記ターゲットの移動を規制する規制部材とを備えるようにしてもよい。
【0010】
また、上記のリミットスイッチの一実施の形態において、前記規制部材は、前記被衝突部材を兼ねるようにしてもよい。
【0011】
また、上記のリミットスイッチの一実施の形態において、前記ターゲットは、前記ターゲットの移動方向とは異なる方向に延びる腕を有し、前記規制部材は、前記ターゲットの移動方向に沿って延在し、前記腕を挿通する窓を有するようにしてもよい。
【0012】
また、上記のリミットスイッチの一実施の形態において、前記ターゲットは、金属または磁性体からなり、前記近接センサは、前記ターゲットを磁気的に検出する磁気センサであってもよい。
【0013】
また、上記のリミットスイッチの一実施の形態において、前記近接センサは、前記ターゲットを光学的に検出する光学センサであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、スナップアクション機構によるターゲットの移動に伴って音を発生する音発生機構を備えるので、近接センサに通電しなくても、リミットスイッチの動作位置を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係るリミットスイッチの外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態に係るリミットスイッチのカバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態に係るリミットスイッチのハウジングからアクチュエータとスナップアクション機構を分離した状態を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態に係るリミットスイッチのアクチュエータとスナップアクション機構の外観を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施の形態に係るリミットスイッチのアクチュエータとスナップアクション機構の断面図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態に係るリミットスイッチのスナップアクション機構の内部構造を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施の形態に係るリミットスイッチのスナップアクション機構の内部構造を示す図である。
【
図8】
図8は、アクチュエータのストロークと可動ばね41に働く力との関係を表すグラフと、ストロークとターゲット50の位置との関係を表すグラフである。
【
図9】
図9は、本実施の形態に係るリミットスイッチの動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
[リミットスイッチの構成]
図1~
図7は、本実施の形態に係るリミットスイッチ1の構造を示す図である。リミットスイッチ1は、ターゲット50と、このターゲットの有無を検出するように構成された近接センサ60とからなる無接点スイッチと、この無接点スイッチを収容するハウジング11と、ハウジング11に取り付けられ、外部から加えられる機械的なエネルギーをターゲット50の運動に変換するように構成されたアクチュエータと、ハウジング11に収容され、アクチュエータの動きに応じて、ターゲット50の位置を、近接センサ60がターゲット50を検出する第1の位置と、近接センサ60がターゲット50を検出しない第2の位置との間で切り換えるように構成されたスナップアクション機構と、ターゲット50の位置が第1の位置と第2の位置との間で切り換えられたときに音を発生する音発生機構とを備えている。このうちターゲット50を含むスナップアクション機構と近接センサ60とは、ハウジング11内に収容され、カバー12によって封入される。
【0018】
このうち、ハウジング11およびカバー12は、アルミニウムなどの金属や樹脂から形成される。ハウジング11とカバー12とは、カバー12をボルト等によりハウジング11にシール材を介して固定することによって、内部に収容する近接センサ60等を、外力、水、油、ガス、塵埃などから保護する封入ケースを構成する。
【0019】
<アクチュエータ>
ハウジング11に取付けられたアクチュエータは、ローラレバー21が取り付けられたシャフト22と、ハウジング11に形成された開口部11aからハウジング内部に挿入プランジャ23(23a,23b,23c)とからなる、いわゆる回転レバータイプのアクチュエータである。
シャフト22の一部には、
図4に示すように、切り欠きが設けられ、プランジャ23に対するカムが形成されている。外部からローラレバー21に機械的なエネルギーが加えられると、シャフト22の回転運動を通じて、プランジャ23は直線運動する。シャフト22とプランジャ23とが当接してカムを形成する部分は、ヘッドカバー20によって覆われており、外力、水、油、ガス、塵埃などから保護されている。
【0020】
なお、本実施の形態に係るリミットスイッチ1においては、回転レバータイプのアクチュエータを用いるものとするが、これはあくまでも一例にすぎず、例えば、プランジャタイプのアクチュエータや、ヒンジレバータイプのアクチュエータなど、他のタイプのアクチュエータを用いてもよい。
【0021】
<無接点スイッチ>
無接点スイッチは、アクチュエータの動作に応じて移動するターゲット50と、ターゲット50を検出するように構成された近接センサ60とから構成される。近接センサ60は、ターゲット50の有無を表す電気信号を、リミットスイッチ1のON/OFFを表すセンサ信号として、ハウジング11に設けられた導管口11bから引き出されるケーブル61に出力する。
【0022】
近接センサ60は、ターゲット(検出対象物)が近接することによって生じる物理量の変化に基づいてターゲットの有無を検出するセンサである。すなわち、近接センサ60は、ターゲット50と近接センサ60の検出面60aとの距離が所定の値以下となったときにターゲット50を検出したことを表すセンサ信号を出力する。近接センサ60には、その検出方式によって、例えば、電磁誘導により金属からなるターゲットに発生する渦電流を利用する誘導形、ホール素子や磁気抵抗素子などの固体磁気素子を備えた磁気形、ターゲットの接近による電気的な容量の変化を捉える静電容量形、光電変換素子を用いた光電形等、様々なものがある。
【0023】
本実施の形態に係るリミットスイッチ1においては、金属または磁性体からなるターゲット50と、近接センサ60としてターゲット50を磁気的に検出する磁気形近接センサとを用いて無接点スイッチを構成するものとして説明する。なお、磁気形近接センサは、例えば、交流磁界を発生する検出コイルを備え、金属からなるターゲット50に発生した渦電流によるインピーダンスの変化を検出する近接センサである。
【0024】
なお、本発明においては、近接センサ60は、磁気形近接センサに限定されず、他の検出方式によるものを用いて無接点スイッチを構成してもよい。いずれの検出方式であっても、近接センサ60は、その検出面60aがプランジャ23(23c)の端部と対向し、かつ、プランジャ23と同軸線上に位置するように、必要に応じてスペーサ11cを介して、ハウジング11の内壁面に固定される。
【0025】
<スナップアクション機構および音発生機構>
本実施の形態に係るリミットスイッチ1におけるスナップアクション機構は、プランジャ23(23c)の端部に、Eリング43を介してボルト42によって固定されたフレーム40と、一端がフレーム40に支持されて、他端がターゲット50を支持する一対の可動ばね41と、ハウジング11に形成された開口部11aから近接センサ60の検出面60aにかけて延在する筒状のホルダ30とを含んでいる。
【0026】
図6に示すように、フレーム40は、プランジャ23に取り付ける取り付け部40aと、互いに離間して設けられ、可動ばね41の一端を支持する支持部40bと、取り付け部40aと支持部40bとを連結する連結部40cとから構成された、金属または樹脂から形成された部材である。
【0027】
可動ばね41は、
図7に示すように、湾曲した板ばねである。このような可動ばね41は、例えば、りん青銅、ベリリウム銅、ステンレス等からなる。可動ばね41の一端部41aは、他の部分よりも幅が狭く形成されて、フレーム40の支持部40bに設けられた凹部に載置される。また、可動ばね41の他端部41bは、ターゲット50の両面にそれぞれ設けられた溝50dに当接する。このようにして一対の可動ばね41は、ターゲット50を、一対の支持部40bに挟まれた空間内に揺動可能に支持するとともに、後述するスナップアクション動作を実現する。
【0028】
ターゲット50は、
図7に示すように、平面視で十字状に形成された金属製の部材である。本実施の形態に係るリミットスイッチ1において、ターゲット50は、近接センサ60と対向する端面50bを有する本体部50cと、アクチュエータの動きに応じたターゲット50の移動方向とは異なる方向に、より具体的には、ターゲット50の移動方向と直交する方向に延びる腕部50aとを備えている。
【0029】
筒状のホルダ30は、その一端がリング32によってハウジング11の開口部11aに位置決めされ、近接センサ60の検出面60aの近傍まで延在して、その他端には、ホルダカバー31が取り付けられている。ホルダ30は、その内部にプランジャ23(23c)と、フレーム40と、可動ばね41と、ターゲット50を収容する。また、プランジャ23とホルダ30との間には圧縮ばね24が設けられる。ホルダカバー31には、開口31aが形成されており、ターゲット50の本体部50cの端面50bは、この開口31aから近接センサ60の検出面60aと対向する。このようなホルダ30およびホルダカバー31は、例えば、樹脂によって形成することができる。
【0030】
また、
図4および
図5に示すように、ホルダ30には、点対称の位置に1対の窓30aが形成されており、この窓30aには、ターゲット50の腕部50aが挿通されている。この窓30aのホルダ30の長手方向に沿った高さは、同方向に沿ったターゲット50の腕部50aの高さよりも高く設定されている。したがって、ターゲット50の腕部50aホルダ30の窓30aに挿通されていることによって、ホルダ30は、ターゲット50の移動を規制する規制部材として作用する。ターゲット50は、ホルダ30によってその移動が規制されるが、近接センサ60がターゲット50を検出する第1の位置と、検出しない第2の位置との間を移動することができる。
【0031】
ここでターゲット50は、可動ばね41によって支持され、かつ、ホルダ30によってその移動を規制されているので、プランジャ23およびフレーム40が移動する速度とは無関係に、上述した第1の位置と第2の位置との間を素早く移動する、いわゆるスナップアクション動作が実現される。
【0032】
ターゲット50が第1の位置と第2の位置との間で素早く移動すると、ターゲット50の腕部50aや本体部50cがホルダ30の窓30aの上縁部やホルダカバー31にそれぞれ衝突して、音を発生させる。このようにホルダ30およびホルダカバー31とスナップアクション動作を行うターゲット50とは、音発生機構を構成し、ホルダ30およびホルダカバー31は、ターゲット50と衝突して音を発生するように構成された被衝突部材としても作用する。すなわち、ターゲット50の移動を規制するホルダ30は、被衝突部材を兼ねている。
【0033】
[リミットスイッチの動作]
図8に、アクチュエータのストロークと可動ばね41に働く力との関係を表すグラフと、ストロークとターゲット50の位置との関係を表すグラフとを示す。また、アクチュエータの動作とスナップアクションによるターゲット50の移動の様子を
図9に示す。
【0034】
まず、ローラレバー21が自由位置(FP)にあるときは、ターゲット50は近接センサ60によって検出される第1の位置にある。ローラレバー21が自由位置にあることから、このときのセンサ信号を「OFF」とする。
【0035】
ローラレバー21が検出対象と接触して
図9において右に回転すると、シャフト22が回転し、カムの作用によってプランジャ23およびフレーム40が紙面下方向に押し下げられ、可動ばね41にかかる力が増大していく。そして、ローラレバー21が動作位置(OP)に達すると、スナップアクションによってターゲット50が、近接センサ60によって検出されない第2の位置に移動する。この状態は、ローラレバー21によって検出対象を検出したことになるので、このとき近接センサ60から出力されるセンサ信号を「ON」とする。このとき、ターゲット50がホルダ30に衝突することによって、リミットスイッチ1がOFF状態からON状態に切り替わったタイミングで音が発生する。
【0036】
この状態からローラレバー21がさらに右に回転すると、移動ばね41にかかる力は増大するものの、ターゲット50は、第2の位置に留まり続ける。
【0037】
この状態からローラレバー21が自由位置(FP)に向けて左に回転すると、圧縮ばね24によって、フレーム40を支持するプランジャ23が押し上げられ、可動ばね41にかかる力は徐々に減少していくが、ローラレバー21がもどりの位置(RP)に到達すると、それまで第2の位置にあったターゲット50がスナップアクションによって第1の位置に移動して、センサ信号は「ON」から「OFF」に切り替わるとともに、このタイミングでターゲット50がホルダカバー31に衝突して音を発生する。
【0038】
なお、
図8からもわかるように、ローラレバー21のストローク(変位)と力との関係、およびストロークとターゲット50の位置との関係は、スナップアクション機構に伴って、動作と戻りの行程にズレがあるヒステリシス曲線となる。しかし、リミットスイッチ1のセンサ信号の切り替わりと、ターゲット50がホルダ30またはホルダカバー31に衝突して音が発生するタイミングは常に同期している。
【0039】
このようにスナップアクションによってターゲット50の位置が切り替わることによって、リミットスイッチ1のセンサ信号の状態が切り替わるタイミングで音が発生するので、近接センサ60に通電しなくてもリミットスイッチ1の動作位置を確認することができる。
【0040】
なお、上述した実施の形態に係るリミットスイッチ1においては、無接点スイッチを構成する近接センサ60として磁気センサを用いた例について説明したが、本発明においては、磁気センサに替えて、他の検出方式を用いたセンサ、例えば、光電変換素子を用いてターゲットを光学的に検出する光学センサを用いてもよい。この場合、ターゲットは、その位置に応じて、光源から射出された光を反射して光学センサに入射させ、または光学センサに入射する光を遮断する部材となる。
【0041】
また、上述した実施の形態に係るリミットスイッチ1においては、ローラレバー21が自由位置(FP)にあるときをOFF状態とし、動作位置(OP)に達するとON状態となるものとして説明したが、ローラレバー21が自由位置(FP)にあるときをON状態とし、動作位置(OP)に達するとOFF状態とすることも可能であり、近接センサ60のセンサ信号の状態とリミットスイッチの状態とをどのように関連付けるかは、用途・目的に応じて適宜選択することが可能である。
【0042】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、物体の検出や自動制御の分野において利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1…リミットスイッチ、11…ハウジング、12…カバー、20…ヘッドカバー、21…ローラレバー、22…シャフト、23…プランジャ、24…圧縮ばね、30…ホルダ、30a…窓、31…ホルダカバー、40…フレーム、41…可動ばね、50…ターゲット、50a…腕部、50b…端面、50c…本体部、50d…溝、60…近接センサ、60a…検出面。