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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】内燃機関
(51)【国際特許分類】
   F01P 5/06 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
F01P5/06 510A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021043894
(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公開番号】P2022143408
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 亘
(72)【発明者】
【氏名】松原 泰則
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 卓
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-209509(JP,A)
【文献】特開2005-067320(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0261259(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0232379(US,A1)
【文献】国際公開第2019/187113(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/00-34/01、34/412-34/90、
42/00-42/08、43/06 -43/077
E01H 1/00-15/00
F01P 1/00-11/20
F02F 1/00- 1/42、 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクシャフトで駆動される冷却ファンを覆うファンカバーと、
前記ファンカバーを覆うトップカバーと、
前記ファンカバーと前記トップカバーとの間に冷却風通路を備え、
前記トップカバーは、略平面状の上面と、前記上面の周囲から下方に向けて傾斜して延びる側面と、を備え、前記側面には、冷却風を取り込む多数の孔から構成された冷却風側面取込口が設けられ、
前記ファンカバーは、前記冷却風通路中に前記トップカバーの前記上面の裏面に対向する第1リブを備え、
前記第1リブは、前記ファンカバーに形成された冷却風を取り入れる取入用開口の周縁部に、前記取入用開口の略全周に亘って設けられており、
前記トップカバーの裏面には、下方に延在し、前記第1リブに略水平方向において対向する第2リブが備えられ、
前記第1リブと前記第2リブとの間隙は、前記冷却風側面取込口の開口幅よりも狭く形成されている
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
前記第2リブは、前記傾斜した側面から離れた箇所に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
前記ファンカバーは、前記トップカバーに対向する面にリコイルを固定する固定部を有し、前記第1リブは、前記固定部の外側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項4】
前記クランクシャフトが略鉛直方向に延在し、作業機に用いられるバーチカル型であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項5】
前記作業機は、下部にブレードを有する芝刈機であることを特徴とする請求項に記載の内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、芝刈機などに用いられる内燃機関が知られている。
このような芝刈機に用いられる内燃機関として、従来、シリンダおよびクランクケースの外方ならびに冷却ファンを覆うように設けられる第1カバーと、第1カバーに着脱可能に設けられる第2カバーとを備え、第1カバーは、冷却ファンに臨む位置に設けられる第1開口部と、第2開口部と、第1開口部と第2開口部との間に立設される壁部とを含み、第2カバーは、第1開口部に臨む位置に設けられる吸気口を含み、第1開口部と第2開口部とを覆いかつ第1カバーと第2カバーとの間で壁部近傍に冷却風の排出口が形成されるように前記第1カバーに取り付けられる技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6200074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、壁部により、芝や草などの異物が吸気口から第2開口部に入ることを抑制できるもののカバーの隙間から芝草などが侵入することを抑制することができない。
本発明は、前記した点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、冷却風の取り込み箇所からの塵芥などの侵入することを抑制することができる内燃機関を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、クランクシャフトで駆動される冷却ファンを覆うファンカバーと、前記ファンカバーを覆うトップカバーと、前記ファンカバーと前記トップカバーとの間に冷却風通路を備え、前記トップカバーは、略平面状の上面と、前記上面の周囲から下方に向けて傾斜して延びる側面と、を備え、前記側面には、冷却風を取り込む多数の孔から構成された冷却風側面取込口が設けられ、前記ファンカバーは、前記冷却風通路中に前記トップカバーの前記上面の裏面に対向する第1リブを備え、前記第1リブは、前記ファンカバーに形成された冷却風を取り入れる取入用開口の周縁部に、前記取入用開口の略全周に亘って設けられており、前記トップカバーの裏面には、下方に延在し、前記第1リブに略水平方向において対向する第2リブが備えられ、前記第1リブと前記第2リブとの間隙は、前記冷却風側面取込口の開口幅よりも狭く形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、トップカバーからファンカバーに冷却風が取り込まれる際に、冷却風の取込量を確保することができるとともに、第1リブにより塵芥などの侵入を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態に係る内燃機関の構成を示す斜視図である。
図2】本実施の形態の内燃機関の分解斜視図である。
図3】本実施の形態トップカバーを示す斜視図である。
図4】本実施の形態のトップカバーの裏面側を示す斜視図である。
図5】本実施の形態のファンカバーを示す斜視図である。
図6】本実施の形態のファンカバーを示す平面図である。
図7】本実施の形態のリコイルが装着されたファンカバーを示す平面図である。
図8】本実施の形態のトップカバーおよびファンカバー部分の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0009】
[実施の形態]
図1は、本実施の形態に係る内燃機関の構成を示す斜視図である。図2は、本実施の形態の内燃機関の分解斜視図である。図3は、本実施の形態トップカバーを示す斜視図である。図4は、本実施の形態のトップカバーの裏面側を示す斜視図である。図5は、本実施の形態のファンカバーを示す斜視図である。図6は、本実施の形態のファンカバーを示す平面図である。図7は、本実施の形態のリコイルが装着されたファンカバーを示す平面図である。図8は、本実施の形態のトップカバーおよびファンカバー部分の縦断面図である。
【0010】
図1および図2に示すように、本実施の形態においては、内燃機関1は、シリンダヘッド2を備えている。
シリンダ(図示せず)は、略水平方向に延在するように設けられている。シリンダの内部を往復運動する図示しないピストンに連結されたクランクシャフト3は、略鉛直方向に延在するように設けられている。すなわち、内燃機関1は、バーチカル型の内燃機関1である。
内燃機関1の上部には、クランクシャフト3により回転駆動される冷却ファン10が取付けられている。冷却ファン10は、周方向に配列された複数の羽根11を備えている。
【0011】
図2図5図6図7に示すように、内燃機関1の上方には、冷却ファン10の周囲を被覆するファンカバー12が設けられている。ファンカバー12の上面には、冷却風の取入用開口13が形成されている。取入用開口13の周縁部には、平面部14が形成されている。平面部14には、リコイル20が取付けられている。平面部14の周方向の3箇所に固定部15が設けられ、リコイル20は、固定部15にボルト16で締結することで、ファンカバー12に固定されている。
リコイル20には、リコイルレバー21が設けられている。
リコイル20は、ケーシング22を備えている。ケーシング22には、複数の開口23が形成されており、この開口23部分には、フィルタ24が設けられている。
【0012】
図3図4図8に示すように、内燃機関1の上部には、内燃機関1の上方全域を被覆するトップカバー30が設けられている。トップカバー30は、内燃機関1を冷却するための冷却風を取り込むためのものであり、トップカバー30から取り込まれた冷却風がファンカバー12に至る冷却風通路が形成される。
【0013】
トップカバー30は、略平面状の上面31と、上面31の周囲から下方に向けて傾斜して延びる側面32と、を備えている。
側面32の内、側面32の前後方向は、ファンカバー12の外周と所定間隔を持っており、内燃機関1の両側部分は、ファンカバー12の外周に前後方向と比較して近接した所定間隔を持って配置されている。さらに、トップカバー30の下端42とファンカバー12の下端44との間には、トップカバー30の下面から冷却風43を取り込む冷却風取込用間隙45が設けられている。
トップカバー30の上面31には、略環状の冷却風上面取込口33が設けられている。側面32には、冷却風側面取込口34が設けられている。冷却風上面取込口33と冷却風側面取込口34と冷却風取込用間隙45とにより、本発明にいう冷却風取込部が構成される。
【0014】
冷却風上面取込口33は、多数の孔から構成されており、この孔は、ハニカム状に形成されている。これにより、各孔の複数方向の開口幅が小さいので塵芥が侵入しにくく、冷却風上面取込口33に乗った塵芥などを手で払いのけることができる。加えて、冷却風上面取込口33全体の強度と開口面積を保つことができる。
冷却風側面取込口34は、多数の孔から構成されており、この孔は、略長方形に形成されている。
冷却風上面取込口33は冷却風上面取込口33上に乗った塵芥が作業中に生じる振動によって孔から侵入する可能性がより高いため、冷却風側面取込口34の孔の開口面積より、冷却風上面取込口33の孔の開口面積の方が小さくなるように形成されている。
冷却風取込用間隙45は、トップカバー30の下面から冷却風43を取り込むように構成されており、冷却風取込用間隙45周辺に付着した塵芥などは重力によって落下するため、塵芥などによる閉塞が起きない。これにより、冷却風上面取込口33および冷却風側面取込口34が塵芥などに覆われてしまっても冷却風の取込量を確保することができる。
【0015】
図5および図6に示すように、ファンカバー12の平面部14には、トップカバー30に対向する第1リブ40が形成されている。第1リブ40は、平面部14の略全周に亘って設けられている。第1リブ40は、ファンカバー12の固定部15より外周側に設けられている。第1リブ40の一部は、リコイルレバー21の取付部分を受け入れるため外周に向けてわずかに突出している。このようにトップカバー30に対向する第1リブ40を設けることで、冷却風通路を通る塵芥などが第1リブ40を越えなければファンカバー12の取入用開口13に侵入できないため、冷却風通路を通る塵芥などが侵入することを抑制することができる。また、第1リブ40はトップカバー30に対向して上向きに形成されているため、第1リブ40によって侵入が阻害された塵芥などは重力によって第1リブ40の外周に留められた後に冷却風取込用間隙42から排出されるため、冷却風上面取込口33周囲に蓄積し、冷却風に乗って侵入することを抑制することができる。
【0016】
また、図4に示すように、トップカバー30の裏面側には、下方に延在し第1リブ40の外側に配置される第2リブ41が設けられている。第2リブ41は、本実施の形態においては、側面32を除き、内燃機関1の前方に対応する位置と、内燃機関1の後方の一部とに形成されている。すなわち、第2リブ41は、側面32から離れた箇所であるトップカバー30とファンカバー12との間隙が大きい箇所にのみ形成されている。
なお、第2リブ41は、第1リブ40に対応するように全周に亘って形成するようにしてもよい。また、第2リブ41は、第1リブ40の内側に配置するようにしてもよい。
【0017】
図8に示すように、第2リブ41は、第1リブ40の外周側に位置しており、第2リブ41と第1リブ40とは、略水平方向において、互いに対向している。このように下方にファンカバー12との間隙を有する第2リブ41をトップカバー30の上方に第1リブ40の外周側に配置することで、第2リブ41で侵入することを抑制された塵芥などは重力によって第1リブ40の外周に留められるため、より塵芥などが侵入しにくい。
本実施の形態においては、第1リブ40と第2リブ41との水平方向における間隙は、冷却風側面取込口34の孔の幅寸法より小さい寸法に形成されている。例えば、冷却風側面取込口34の孔の幅寸法が5mm程度とした場合、第1リブ40と第2リブ41との間隙は、5mmより小さくなるように形成されている。
このように第1リブ40と第2リブ41との間隙を冷却風側面取込口34の開口幅よりも狭く形成することで、仮に冷却風取込用間隙45から塵芥などが侵入した場合でも、第1リブ40と第2リブ41との間隙から塵芥などが侵入することを抑制することができる。
【0018】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
本実施の形態においては、内燃機関1を駆動すると、クランクシャフト3の駆動により、冷却ファン10が回転駆動される。この冷却ファン10の回転駆動により、トップカバー30の冷却風取込用間隙45、冷却風上面取込口33および冷却風側面取込口34から冷却風が取り込まれる。
ファンカバー12の取入用開口13の対向する位置にある冷却風上面取込口33から取り込まれた冷却風は、そのまま冷却ファン10により、ファンカバー12の取入用開口13を介して内燃機関1に送られる。この場合に、冷却風上面取込口33は、開口面積を小さく形成しているので、塵芥などの侵入を抑制することができる。
【0019】
一方、冷却風取込用間隙45、ファンカバー12の取入用開口13の対向していない位置にある冷却風上面取込口33、冷却風側面取込口34から取り込まれた冷却風は、第1リブ40と第2リブ41との間隙を通り、ファンカバー12の取入用開口13から内燃機関1に送られる。
この場合に、第1リブ40と第2リブ41との間隙にラビリンス構造を形成することができるので、このラビリンス構造により、第1リブ40と第2リブ41との間隙を冷却風が通過する際に、塵芥などの侵入を抑制することができる。
また、第2リブ41が設けられていないトップカバー30の側面32部分においては、この側面32と第1リブ40とが接近しているので、冷却風の流れに抵抗を付与することができ、これにより、塵芥などの侵入を抑制することができる。さらに、第2リブ41が設けられていないため、第1リブ40の外周に留められた塵芥などが第2リブ41とファンカバー12と間に詰まらず、第2リブ41が設けられていないトップカバー30の下端42とファンカバー12の下端44との間に形成された冷却風取込用間隙45から塵芥などを排出されやすくなる。このとき、第2リブ41が設けられていないトップカバー30の側面32部分に対向するファンカバー12の平面部14における第1リブ40より外周側の幅を狭く設定すると良い。
【0020】
以上述べたように、本実施の形態においては、クランクシャフト3で駆動される冷却ファン10を覆うファンカバー12と、ファンカバー12を覆うトップカバー30と、ファンカバー12とトップカバー30との間に冷却風通路を備え、ファンカバー12は、冷却風通路中にトップカバー30に対向する第1リブ40を備えている。
これにより、トップカバー30からファンカバー12に冷却風が取り込まれる際に、冷却風の取込量を確保することができるとともに、第1リブ40により塵芥などの侵入を抑制することができる。
【0021】
また、本実施の形態においては、トップカバー30は、第1リブ40に対向する第2リブ41を備えている。
これにより、第1リブ40と第2リブ41との間隙にラビリンス構造を形成することができ、このラビリンス構造により、塵芥などの侵入を抑制することができる。
【0022】
また、本実施の形態においては、トップカバー30は、冷却風取込部を備え、冷却風取込部は、上面31と、上面31から下方に向けて傾斜した側面32とを有し、側面32に冷却風側面取込口を備えている。
これにより、冷却風側面取込口34によりトップカバー30の側面32から冷却風の取り込みを行うことができ、作業により舞い上がった塵芥などの侵入を抑制して、冷却風の取込量を確保することができる。
【0023】
また、本実施の形態においては、第1リブ40と第2リブ41と間隙は、冷却風側面取込口34(側面取込口)の開口幅よりも狭く形成されている。
これにより、第1リブ40と第2リブ41との間隙を冷却風側面取込口34の開口幅よりも狭く形成することで、仮に冷却風側面取込口34から塵芥などが侵入した場合でも、第1リブ40と第2リブ41との間隙から塵芥などが侵入することを抑制することができる。
【0024】
また、本実施の形態においては、第2リブ41は、傾斜した側面32から離れた箇所に形成されている。
これにより、第2リブ41を傾斜した側面32から離れた箇所であるトップカバー30とファンカバー12との間隙が大きい箇所にのみ形成することで、トップカバー30の側面32から離れた箇所では、第1リブ40と第2リブ41とによりラビリンス構造を形成して塵芥などの侵入を抑制することができるとともに、トップカバー30の側面32付近では、この側面32と第1リブ40とにより冷却風の流れに抵抗を付与することで、塵芥などの侵入を抑制することができる。
【0025】
また、本実施の形態においては、ファンカバー12は、トップカバー30に対向する面にリコイル20を固定する固定部15を有し、第1リブ40は、固定部15の外側に設けられている。
これにより、リコイル20の内部およびリコイル20の下流側に配置される冷却ファン10への塵芥などの侵入を抑制することできる。
【0026】
また、本実施の形態においては、クランクシャフト3が略鉛直方向に延在し、作業機に用いられるバーチカル型である。
これにより、作業により舞い上がる塵芥などの侵入を抑制することができる。
【0027】
また、本実施の形態においては、作業機は、下部にブレードを有する芝刈機である。
これにより、芝刈機による芝刈り作業により舞い上がる切り芝などの塵芥の侵入を抑制することができる。
【0028】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0029】
[上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成をサポートする。
【0030】
(構成1)クランクシャフトで駆動される冷却ファンを覆うファンカバーと、前記ファンカバーを覆うトップカバーと、前記ファンカバーと前記トップカバーとの間に冷却風通路を備え、前記ファンカバーは、前記冷却風通路中に前記トップカバーに対向する第1リブを備えていることを特徴とする内燃機関。
この構成によれば、トップカバーからファンカバーに冷却風が取り込まれる際に、冷却風の取込量を確保することができるとともに、第1リブにより塵芥などの侵入を抑制することができる。
【0031】
(構成2)前記トップカバーは、前記第1リブに対向する第2リブを備えていることを特徴とする構成1に記載の内燃機関。
この構成によれば、第1リブと第2リブとの間隙にラビリンス構造を形成することができ、このラビリンス構造により、塵芥などの侵入を抑制することができる。
【0032】
(構成3)前記トップカバーは、冷却風取込部を備え、前記冷却風取込部は、上面と、上面から下方に向けて傾斜した側面とを有し、前記側面に冷却風取り込み用の冷却風側部取込口を備えていることを特徴とする構成2に記載の内燃機関。
この構成によれば、冷却風側部取込口によりトップカバーの側面から冷却風の取り込みを行うことができ、作業により舞い上がった塵芥などの侵入を抑制して、冷却風の取込量を確保することができる。
【0033】
(構成4)前記第1リブと前記第2リブとの間隙は、前記冷却風側部取込口の開口幅よりも狭く形成されていることを特徴とする構成3に記載の内燃機関。
この構成によれば、第1リブと第2リブとの間隙を冷却風側部取込口の開口幅よりも狭く形成することで、仮に冷却風側部取込口から塵芥などが侵入した場合でも、第1リブと第2リブとの間隙から塵芥などが侵入することを抑制することができる。
【0034】
(構成5)前記第2リブは、前記傾斜した側面から離れた箇所に形成されていることを特徴とする構成3に記載の内燃機関。
この構成によれば、第2リブを傾斜した側面から離れた箇所であるトップカバーとファンカバーとの間隙が大きい箇所にのみ形成することで、トップカバーの側面から離れた箇所では、第1リブと第2リブとによりラビリンス構造を形成して塵芥などの侵入を抑制することができるとともに、トップカバーの側面付近では、この側面と第1リブとにより冷却風の流れに抵抗を付与することで、塵芥などの侵入を抑制することができる。
【0035】
(構成6)前記ファンカバーは、前記トップカバーに対向する面にリコイルを固定する固定部を有し、前記第1リブは、前記固定部の外側に設けられていることを特徴とする構成1から構成5のいずれか一項に記載の内燃機関。
この構成によれば、リコイルの内部およびリコイルの下流側に配置される冷却ファンへの塵芥などの侵入を抑制することできる。
【0036】
(構成7)前記クランクシャフトが略鉛直方向に延在し、作業機に用いられるバーチカル型であることを特徴とする構成1から構成7のいずれか一項に記載の内燃機関。
この構成によれば、作業により舞い上がる塵芥などの侵入を抑制することができる。
【0037】
(構成8)前記作業機は、下部にブレードを有する芝刈機であることを特徴とする構成7に記載の内燃機関。
この構成によれば、芝刈機による芝刈り作業により舞い上がる切り芝などの塵芥の侵入を抑制することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 内燃機関
2 シリンダヘッド
3 クランクシャフト
10 冷却ファン
12 ファンカバー
13 取入用開口
14 平面部
15 固定部
20 リコイル
21 リコイルレバー
30 トップカバー
31 上面
32 側面
33 冷却風上面取込口
34 冷却風側面取込口
40 第1リブ
41 第2リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8