(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】認知機能の推定装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241126BHJP
A61B 5/18 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
G08G1/16 F
A61B5/18
(21)【出願番号】P 2021048738
(22)【出願日】2021-03-23
【審査請求日】2024-02-09
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和元年度、国立研究開発法人科学技術振興機構研究成果展開事業 センター・オブ・イノベーションプログラム『人がつながる“移動”イノベーション拠点』委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人東海国立大学機構
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】田中 貴紘
(72)【発明者】
【氏名】青木 宏文
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-254694(JP,A)
【文献】特開2011-227883(JP,A)
【文献】特開2019-124975(JP,A)
【文献】特開2014-174848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
B62D 6/00- 6/10
A61B 5/06- 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象ドライバの運転時の操舵角の時系列変化情報に基づき、ステアリングブレ量を算出する算出部と、
あらかじめ複数のドライバによって行われた実験により前記ステアリングブレ量とドライバの年齢との関係が対応付けられた情報と、前記対象ドライバの実年齢と、前記算出部で算出した前記対象ドライバの運転のステアリングブレ量と、に基づいて、前記対象ドライバの認知機能の推定を行う推定部と、を備える、
認知機能の推定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車運転を利用した認知機能の推定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、特開2008-56059号公報がある。この公報に記載されたドライバの状態の推定方法では、運転者の心拍や発汗、ハンドルの操舵やブレーキ操作の情報を取得し、ドライバのモデルを作成して、ドライバの状態を推定する。
【0003】
より具体的には、この公報に記載されたドライバの状態の推定方法では、ハンドル操作が不安定であること、アクセル操作が不安定であること、ブレーキ操作が急であること、前方車両の相対速度が不安定であること、等の情報を利用することで、ドライバの覚醒度が低下していることを推定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した従来のドライバの状態の推定方法では、ドライバの運転時の状態が、正常であるか、覚醒度が低下した状態であるか、緊張状態であるか、疲労状態であるか等を推定するものであって、ドライバの本質的な認知機能の推定を行うものではない。
本発明は、自動車運転を利用してドライバの認知機能を推定する、認知機能の推定装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる認知機能の推定装置は、対象ドライバの運転時の操舵角の時系列変化情報に基づき、ステアリングブレ量を算出する算出部と、あらかじめ複数のドライバによって行われた実験により前記ステアリングブレ量とドライバの年齢との関係が対応付けられた情報と、前記対象ドライバの実年齢と、前記算出部で算出した前記対象ドライバの運転のステアリングブレ量と、に基づいて、前記対象ドライバの認知機能の推定を行う推定部と、を備える。
これにより、ハンドル操舵角の変化量に基づいて、ドライバの認知機能を推定することができる。
【発明の効果】
【0007】
これにより、ドライバの認知機能を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】車両に設けられた認知機能の推定装置の構成を示す図である。
【
図2】ステアリングブレ量の時間変化の一例を示した図である。
【
図3】ステアリングブレ量と年齢との間で正相関があることを示す図である。
【
図4】ステアリングブレ量とMMSEの点数には負相関があることを示す図である。
【
図5】ステアリングブレ量とTMTに正相関があることを示す図である。
【
図6】ステアリングブレ量と緊急反応検査反応時間に正相関があることを示す図である。
【
図7】ステアリングブレ量と信号確認検査反応時間に正相関があることを示す図である。
【
図8】ステアリングブレ量と側方警戒検査において反応時間に対して正相関があることを示す図である。
【
図9】ステアリングブレ量と側方警戒検査において正解率に負相関があることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、車両1は、ドライバが操作するハンドル11と、ハンドル11の操舵角を取得する操舵角取得部12と、操舵角取得部12により取得された情報を記憶する記憶部13と、記憶部13に記憶された情報からステアリングブレ量(ハンドルブレ量)を算出する算出部14と、算出部14で算出されたステアリングブレ量を利用してドライバの認知機能を推定する推定部15と、位置計測装置16と、を備える。
【0010】
以下では、車両1に設けられている認知機能の推定装置2として、操舵角取得部12と、記憶部13と、算出部14と、推定部15が設けられているものとして説明する。さらに、認知機能の推定装置2を用いることにより、認知機能の推定を行う対象である車両1の運転者(ドライバ)のことを、対象ドライバと記載することがある。
【0011】
ハンドル11は、ドライバが車両1のステアリング機構を操作し、回転させて進行方向を調整させるための環状の部品である。
【0012】
操舵角取得部12は、ハンドル11に接続されたセンサである。例えば、操舵角取得部12に用いるセンサとして、角度センサを利用することができる。操舵角取得部12では、ドライバによるハンドル11の操作によるステアリング操舵角(以下、操舵角)を取得する。
【0013】
操舵角取得部12は、ハンドル11に直接接続して設けられていてもよく、ハンドル11の操作に応じて動作する他のステアリング部品に接続された状態で、接続された部品の動作を計測するものであってもよい。
【0014】
より具体的には、操舵角取得部12では、車両1が直線路を走行している際に、10msごとにハンドル11の操舵角の絶対値を取得することとする。ここで、操舵角の絶対値とは、ハンドル11の操作さにおける中央からの左右のずれである。
【0015】
記憶部13は、操舵角取得部12により取得された、ドライバによるハンドル11の操舵角の情報を記憶する。
【0016】
さらに記憶部13では、複数のドライバの運転によって、操舵角取得部12により取得された操舵角の情報から、後述する算出部14で算出されたステアリングブレ量の情報と、このステアリングブレ量に関連付けられたドライバの年齢に関する情報を記憶している。
【0017】
算出部14は、記憶部13に記憶されている対象ドライバの運転の操舵角の時系列変化情報から、操舵角のブレ量であるステアリングブレ量の算出を行う。算出部14では、操舵角取得部12で取得された10msごとの平均の操舵角の絶対値を用い、この操舵角の絶対値の3秒間~10秒間の平均値を、ステアリングブレ量として算出することができる。
【0018】
また例えば、対象ドライバによる1回の運転により、操舵角取得部12では所定の長時間の操舵角の情報を取得することができる。
図2は、ステアリングブレ量の時間変化の一例を示した図である。また、算出部14は、算出したステアリングブレ量を記憶部13に記憶させる。
【0019】
推定部15は、算出部14により算出されたステアリングブレ量を利用して、対象ドライバの認知機能の推定を行う。
【0020】
具体的には推定部15は、記憶部13に記憶されている複数のドライバの運転で算出されたステアリングブレ量の情報と、このステアリングブレ量との関係が対応付けされた複数のドライバの年齢と、対象ドライバのステアリングブレ量と、に基づいて、対象ドライバの認知機能の推定を行う。この認知機能の推定については、後述する。
【0021】
位置計測装置16にはGPS(Global Positioning System)を利用することができる。これにより位置計測装置16では、車両1が走行している位置の情報を取得する。
【0022】
なお、記憶部13では予め地図情報を記憶しておくとともに、位置計測装置16によって車両1が走行している場所を特定することができる。これにより、車両1が直線路を走行していることを検知することができる。そのため、操舵角取得部12では、車両1が直線路を走行していることが判明している場合に、操舵角の取得を実行させることができる。
【0023】
次に、推定部15において、ステアリングブレ量を用いてドライバの認知機能を推定することができることについて説明する。
【0024】
ここで一般的に、高齢となるほど、認知症判断のためのスクリーニングテスト(MMSE:Mini-Mental State Examination)の点数、注意機能・注意配分機能・注意維持機能(TMT A,TMT B:Trail Making Test_A,B)、側方への注意機能や刺激への反応速度が低下することが知られている。
【0025】
例えば
図3は、複数の被験者で実験を行った結果、ステアリングブレ量と年齢との間で正相関があることが示された図である。言い換えると、高齢になるほどブレ量が増加することが示されている。
【0026】
図4は、複数の被験者で実験を行った結果、ステアリングブレ量とMMSEの点数には負相関があることが示された図である。言い換えると、ブレ量が増えるほどMMSEの点数が低下し、認知症に近い状態となることが示されている。
【0027】
図5は、複数の被験者による実験を行った結果、ステアリングブレ量とTMTに正相関があることが示された図である。言い換えると、ステアリングブレ量が増えるほど、ドライバの注意機能が低下していることが示されている。
【0028】
図6は、複数の被験者による実験を行った結果、ステアリングブレ量と緊急反応検査反応時間に正相関があることが示された図である。言い換えると、ステアリングブレ量が増えるほど刺激への反応が遅くなることが示されている。
【0029】
図7は、複数の被験者による実験を行った結果、ステアリングブレ量と信号確認検査反応時間に正相関があることが示された図である。言い換えると、ステアリングブレ量が増えるほど信号色への反応が遅くなることが示されている。
【0030】
図8及び
図9は、複数の被験者による実験を行った結果、ステアリングブレ量と側方警戒検査において反応時間に対して正相関があり、正解率に負相関があることが示された図である。言い換えると、ステアリングブレ量が増えるほど側方刺激に対する反応時間が長くなり、正確性も低下することが示されている。
【0031】
したがって
図3~
図9に示すように、ステアリングブレ量から、運転に必要となる注意機能や刺激反応に関する認知機能の能力を推定することができる。したがって、推定部15では、ステアリングブレ量を利用することで、ドライバの認知機能を推定することができる。
【0032】
ここで、対象ドライバの認知機能の推定手順の一例について説明する。
【0033】
操舵角取得部12は、位置計測装置16により直線路であると判明している道路で対象ドライバが運転を行った際に、操舵角の取得を行う。操舵角取得部12で取得された操舵角の情報は記憶部13に記憶される。
【0034】
算出部14では、記憶された対象ドライバにかかる操舵角の情報から、対象ドライバにかかるステアリングブレ量を算出する。
【0035】
一方で、記憶部13では、複数のドライバのステアリングブレ量と、夫々のステアリングブレ量に対応付けられたドライバの年齢の情報を記憶している。ここで
図3に示したように、ステアリングブレ量は年齢に対して正相関の関係である。したがって例えば、記憶部13では、ドライバの年齢と対応したステアリング量の情報が記憶された状態となる。
【0036】
推定部15では、対象ドライバが運転した際に取得された操舵角の情報から算出されたステアリングブレ量と、記憶部13にあらかじめ記憶された複数のドライバのステアリングブレ量及び年齢の情報と、を比較する。
【0037】
これにより、ステアリングブレ量から、対象ドライバが相当する年齢が推定できる。
【0038】
車両1では、推定された対象ドライバの年齢に応じて、各種の機能の動作設定の調整を行うことができる。例えば、車両1では、アラートが必要である場合に、対象ドライバに対して推定された年齢に応じて、そのアラートを発生させるタイミングを調整することができる。
【0039】
ここでアラートの発生が必要な場合とは、前方の信号や側方の接近物への注意を促す場合等である。例えば、車両1では、推定部15による認知機能の推定によって、認知機能が低下していると判明したドライバに対してアラートを発生させる場合に、早めにアラートを発生させる等の調整を行うことができる。
【0040】
また仮に、認知機能の推定装置2に対して、対象のドライバの実年齢などの個人の属性情報が入力された場合であって、実年齢よりも高齢に相当するステアリングブレ量であると推定された場合には、推定部15では、対象ドライバの認知機能の低下が認められると判断することができる。
【0041】
このような場合には、個人の属性情報に基づくステアリングブレの範囲を許容範囲として、許容範囲から逸脱した場合にアラートを発生させるようにすることも可能である。
【0042】
さらに、推定部15による対象ドライバの認知機能の低下の推定結果は、車両1の外部に伝達され、利用されることとしてもよい。例えば、対象ドライバの認知機能の情報は、あらかじめ連絡先として設定されている対象ドライバの家族に対して、連絡することとしてもよい。
【0043】
また、推定部15による対象ドライバの認知機能の推定結果に応じて、車両1以外の箇所に設置された装置に対して、設定変更を行うことも可能である。一例として、推定部15の推定結果に応じて、対象ドライバの自宅等に設置された他の装置について、対象ドライバが行う入力操作に対する反応速度の調整や、誤操作に対する検知のレベルの変更等を行うことができる。
【0044】
また推定部15による対象ドライバの認知機能の推定を、長期間にわたって複数回の推定を行うことができる。これにより例えば、1か月ごとの認知機能の変化の推移を取得することも可能である。
【0045】
認知機能の推定装置2は、ドライバの認知機能の推定を行う際に、ドライバによる車両1を運転した際の走行全体のデータを用いて行うことができるが、特に直線路についてフォーカスして推定のための演算を行うことで、推定精度を向上させることができる。なおこの場合には、直線路において、10秒程度連続して測定した連続データが必要となる。
【0046】
ここで例えば、認知機能の推定装置2では、車両1が走行した際における路の状態について、直線路と、カーブ・左右折と、を分けることができる。そして認知機能の推定装置2は、直線路のみを抽出し、対象ドライバの認知機能の推定のための演算を行う。
【0047】
また認知機能の推定装置2では、速度や時間の条件を追加することによって、対象ドライバの認知機能の推定精度の向上をはかることができる。例えば、認知機能の推定装置2は、所定の速度以上の走行を所定の時間以上行った連続データを用いることとすることで、推定精度を向上させることができる。
【0048】
さらに認知機能の推定装置2では、この直線路の抽出と、速度や時間の条件の追加と、の両方を組み合わせた条件で演算を行うことにより、対象ドライバの認知機能の推定精度をさらに向上させることができる。
【0049】
具体的には、認知機能の推定装置2では、対象とするデータを、GPS情報や地図情報と合わせて対象道路タイプ(住宅路)と進路(直進)と、を条件とすることによって抽出するとともに、走行速度が40km/h以下で10秒程度の連続データ区間が3つ以上であるものを対象とする、という条件を組み合わせることができる。このように認知機能の推定装置2において、条件を組み合わせて設定して推定を行うことで、ドライバごとに演算結果がより顕著となることが期待されるため、対象ドライバの認知機能の推定精度をさらに向上させることができる。
【0050】
なお、路が直線路であるか否かを判定する直線判定の方法は、GPSを用いる方法に限られず、画像センサや、G/ヨーレートセンサ+速度、による方法を用いても良く、これらの方法に限られない。
【0051】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。すなわち上記の記載は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされており、当業者であれば、実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。
【0052】
例えば、操舵角取得部12により取得された操舵角から、算出部14によるステアリングブレ量の算出と、推定部15による対象ドライバの認知機能の推定を、対象ドライバによる運転中にリアルタイムで行うことができるが、これに限られない。すなわち記憶部13で情報を記憶しておくことを利用して、推定部15による対象ドライバの認知機能の推定について、運転の終了後に演算処理を行うこととしてもよい。あるいは、算出部14によるステアリングブレ量の算出と、推定部15による対象ドライバの認知機能の推定の演算は、運転の終了後に行うこととしてもよい。
【0053】
また例えば、操舵角取得部12は所定の時間中に複数回の操舵角の取得を行い、算出部14ではこの複数回の操舵角の情報から複数のステアリングブレ量の情報を取得することができる。このとき、推定部15では、所定の期間内における複数のステアリングブレ量の情報から、複数回の認知機能の推定が行われることとしてもよい。
【0054】
この場合、認知機能の推定装置2では認知機能の推定結果として、複数回出力される推定結果のうちいずれの結果を利用するか、又は平均値や中央値を利用するか等、選択して利用することができる。
【0055】
また上記では具体例として、推定のために用いる連続データについて、走行速度の基準を40km/hとし、連続データ区間のTime Windowsの基準を10秒間とするものとして説明したが、これに限られず、基準の速度及び基準の時間は任意に変更することができる。
【0056】
また、認知機能の推定装置2は、主記憶装置や補助記憶装置、CPU(Central Processing Unit)を有するコンピュータにより実現することができる。さらに、このコンピュータでは、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することが可能である。また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0057】
また、上述の実施の形態では認知機能の推定装置2は、車両1に設けられているものとして記載したが、一部の機能は車両1に設けられていなくてもよい。例えば、複数のドライバのステアリングブレの情報や年齢の情報の記憶しておくための記憶部13や、算出部14、推定部15として動作するコンピュータは、車両1の外部に設けられていてもよい。この場合、操舵角取得部12で取得された操舵角の情報を、通信回線を介してリアルタイムで、外部に設けられたサーバーに送信して、サーバーで処理することも可能である。または、操舵角取得部12で取得された操舵角の情報は、運転中には記憶部13に蓄積しておき、運転後に蓄積された操舵角の情報をサーバーに入力して演算処理することも可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 車両
2 認知機能の推定装置
11 ハンドル
12 操舵角取得部
13 記憶部
14 算出部
15 推定部
16 位置計測装置