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特許7593860稼働状況管理装置、稼働状況管理方法、および、稼働状況管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】稼働状況管理装置、稼働状況管理方法、および、稼働状況管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20241126BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241126BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021058518
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022155160
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 正已
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】清山 昂平
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-026695(JP,A)
【文献】特開2019-128684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた稼働状況管理装置であって、
前記記憶部は、
機械、および、同等機能の機械を識別可能とする同等機能識別子を紐付けて設定した機械マスタを記憶する機械記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
前記機械、当該機械の入庫作業所、および、当該機械の返却予定日を紐付けて設定した移動データを取得する移動取得手段と、
前記機械の手配を依頼する手配作業所、当該手配作業所に必要とする前記機械、および、当該機械の使用開始予定日を紐付けて設定した機械手配依頼データを取得する機械手配依頼取得手段と、
前記移動データ、前記機械手配依頼データ、および、前記機械マスタに基づいて、前記機械の入庫作業所と前記手配作業所との距離が、前記同等機能の機械の前記入庫作業所と前記手配作業所との距離よりも遠く、且つ、当該同等機能の機械の前記返却予定日が前記使用開始予定日より前の場合、当該手配作業所を前記入庫作業所での稼働終了後に当該同等機能の機械を移動させる次入庫作業所候補として取得する候補取得手段と、
前記入庫作業所での所定期間における前記機械の拘束日数を設定した稼働実績データを取得する稼働実績取得手段と、
前記稼働実績データに基づいて、前記機械の稼働率を算出する稼働率算出手段と、
を備えたことを特徴とする稼働状況管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記移動データに基づいて、前記機械、前記入庫作業所である所在場所、および、当該所在場所における当該機械の現在庫数を紐付けて設定した在庫データを取得し、当該在庫データを前記記憶部に登録する在庫取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の稼働状況管理装置。
【請求項3】
前記在庫取得手段は、
更に、前記在庫データに基づいて、前記機械、前記所在場所、前月末在庫数、当月入庫数、当月出庫数、および、当月末在庫数を紐付けて設定した月別在庫データを取得することを特徴とする請求項に記載の稼働状況管理装置。
【請求項4】
前記在庫取得手段は、
更に、前記移動データ、および、前記在庫データに基づいて、作業所別機械配置表データ、および/または、機械別作業所配置表データを取得し、
前記制御部は、
前記作業所別機械配置表データ、および/または、前記機械別作業所配置表データを表示させる機械表示手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項またはに記載の稼働状況管理装置。
【請求項5】
前記稼働率算出手段は、
更に、前記稼働実績データ、および、前記稼働率に基づいて、機械稼働率一覧表データを取得し、
前記制御部は、
前記機械稼働率一覧表データを表示させる機械表示手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1からのいずれか一つに記載の稼働状況管理装置。
【請求項6】
前記移動取得手段は、
更に、前記移動データに基づいて、前記入庫作業所に対応するプロジェクトを設定したプロジェクト基本データを前記記憶部に登録し、且つ、前記入庫作業所を在庫管理場所として設定した倉庫マスタを前記記憶部に設定することを特徴とする請求項1からのいずれか一つに記載の稼働状況管理装置。
【請求項7】
記憶部と制御部を備えた稼働状況管理装置に実行させるための稼働状況管理方法であって、
前記記憶部は、
機械、および、同等機能の機械を識別可能とする同等機能識別子を紐付けて設定した機械マスタを記憶する機械記憶手段、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記機械、当該機械の入庫作業所、および、当該機械の返却予定日を紐付けて設定した移動データを取得する移動取得ステップと、
前記機械の手配を依頼する手配作業所、当該手配作業所に必要とする前記機械、および、当該機械の使用開始予定日を紐付けて設定した機械手配依頼データを取得する機械手配依頼取得ステップと、
前記移動データ、前記機械手配依頼データ、および、前記機械マスタに基づいて、前記機械の入庫作業所と前記手配作業所との距離が、前記同等機能の機械の前記入庫作業所と前記手配作業所との距離よりも遠く、且つ、当該同等機能の機械の前記返却予定日が前記使用開始予定日より前の場合、当該手配作業所を前記入庫作業所での稼働終了後に当該同等機能の機械を移動させる次入庫作業所候補として取得する候補取得ステップと、
前記入庫作業所での所定期間における前記機械の拘束日数を設定した稼働実績データを取得する稼働実績取得ステップと、
前記稼働実績データに基づいて、前記機械の稼働率を算出する稼働率算出ステップと、
を含むことを特徴とする稼働状況管理方法。
【請求項8】
記憶部と制御部を備えた稼働状況管理装置に実行させるための稼働状況管理プログラムであって、
前記記憶部は、
機械、および、同等機能の機械を識別可能とする同等機能識別子を紐付けて設定した機械マスタを記憶する機械記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
前記機械、当該機械の入庫作業所、および、当該機械の返却予定日を紐付けて設定した移動データを取得する移動取得ステップと、
前記機械の手配を依頼する手配作業所、当該手配作業所に必要とする前記機械、および、当該機械の使用開始予定日を紐付けて設定した機械手配依頼データを取得する機械手配依頼取得ステップと、
前記移動データ、前記機械手配依頼データ、および、前記機械マスタに基づいて、前記機械の入庫作業所と前記手配作業所との距離が、前記同等機能の機械の前記入庫作業所と前記手配作業所との距離よりも遠く、且つ、当該同等機能の機械の前記返却予定日が前記使用開始予定日より前の場合、当該手配作業所を前記入庫作業所での稼働終了後に当該同等機能の機械を移動させる次入庫作業所候補として取得する候補取得ステップと、
前記入庫作業所での所定期間における前記機械の拘束日数を設定した稼働実績データを取得する稼働実績取得ステップと、
前記稼働実績データに基づいて、前記機械の稼働率を算出する稼働率算出ステップと、
を実行させるための稼働状況管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、稼働状況管理装置、稼働状況管理方法、および、稼働状況管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、林産事業の作業現場(事業地)における使用機械の移動状況、および、稼働時間の入力を受け付けて、機械の稼働および移動状況を集計して稼働時間の累計を算出することにより、各機械の稼働率を算出する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許6319704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、機械を効率的にどの現場に次に移動させるかを管理し、且つ、機械毎の稼働率を把握することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、機械の投入(移動)情報および稼働実績を登録させることで稼働率を算出することにより、有効に活用できているかの確認を可能とし、予め現場毎に機械の必要時期の申請を受け付け、現在の機械の配置場所および次に投入するべき現場を把握可能とすることにより、効率的な配置予定の検討を支援する稼働状況管理装置、稼働状況管理方法、および、稼働状況管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る稼働状況管理装置は、記憶部と制御部とを備えた稼働状況管理装置であって、前記制御部は、機械、当該機械の入庫作業所、および、当該機械の返却予定日を紐付けて設定した移動データを取得する移動取得手段と、前記機械の手配を依頼する手配作業所、当該手配作業所に必要とする前記機械、および、当該機械の使用開始予定日を紐付けて設定した機械手配依頼データを取得する機械手配依頼取得手段と、前記移動データ、および、前記機械手配依頼データに基づいて、前記入庫作業所での稼働終了後に前記機械を移動させる次入庫作業所候補を取得する候補取得手段と、前記入庫作業所での所定期間における前記機械の拘束日数を設定した稼働実績データを取得する稼働実績取得手段と、前記稼働実績データに基づいて、前記機械の稼働率を算出する稼働率算出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る稼働状況管理装置において、前記記憶部は、前記機械、および、同等機能の前記機械を識別可能とする同等機能識別子を紐付けて設定した機械マスタを記憶する機械記憶手段、を備え、前記候補取得手段は、前記移動データ、前記機械手配依頼データ、および、前記機械マスタに基づいて、前記入庫作業所での稼働終了後に前記機械を移動させる前記次入庫作業所候補を取得することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る稼働状況管理装置において、前記候補取得手段は、前記移動データ、前記機械手配依頼データ、および、前記機械マスタに基づいて、前記機械の入庫作業所と前記手配作業所との距離が、前記同等機能の機械の前記入庫作業所と前記手配作業所との距離よりも遠く、且つ、当該同等機能の機械の前記返却予定日が前記使用開始予定日より前の場合、当該手配作業所を前記入庫作業所での稼働終了後に当該同等機能の機械を移動させる前記次入庫作業所候補として取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る稼働状況管理装置において、前記制御部は、前記移動データに基づいて、前記機械、前記入庫作業所である所在場所、および、当該所在場所における当該機械の現在庫数を紐付けて設定した在庫データを取得し、当該在庫データを前記記憶部に登録する在庫取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る稼働状況管理装置において、前記在庫取得手段は、更に、前記在庫データに基づいて、前記機械、前記所在場所、前月末在庫数、当月入庫数、当月出庫数、および、当月末在庫数を紐付けて設定した月別在庫データを取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る稼働状況管理装置において、前記在庫取得手段は、更に、前記移動データ、および、前記在庫データに基づいて、作業所別機械配置表データ、および/または、機械別作業所配置表データを取得し、前記制御部は、前記作業所別機械配置表データ、および/または、前記機械別作業所配置表データを表示させる機械表示手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る稼働状況管理装置において、前記稼働率算出手段は、更に、前記稼働実績データ、および、前記稼働率に基づいて、機械稼働率一覧表データを取得し、前記制御部は、前記機械稼働率一覧表データを表示させる機械表示手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る稼働状況管理装置において、前記移動取得手段は、更に、前記移動データに基づいて、前記入庫作業所に対応するプロジェクトを設定したプロジェクト基本データを前記記憶部に登録し、且つ、前記入庫作業所を在庫管理場所として設定した倉庫マスタを前記記憶部に設定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る稼働状況管理方法は、制御部を備えた稼働状況管理装置に実行させるための稼働状況管理方法であって、前記制御部で実行させる、機械、当該機械の入庫作業所、および、当該機械の返却予定日を紐付けて設定した移動データを取得する移動取得ステップと、前記機械の手配を依頼する手配作業所、当該手配作業所に必要とする前記機械、および、当該機械の使用開始予定日を紐付けて設定した機械手配依頼データを取得する機械手配依頼取得ステップと、前記移動データ、および、前記機械手配依頼データに基づいて、前記入庫作業所での稼働終了後に前記機械を移動させる次入庫作業所候補を取得する候補取得ステップと、前記入庫作業所での所定期間における前記機械の拘束日数を設定した稼働実績データを取得する稼働実績取得ステップと、前記稼働実績データに基づいて、前記機械の稼働率を算出する稼働率算出ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る稼働状況管理プログラムは、制御部を備えた稼働状況管理装置に実行させるための稼働状況管理プログラムであって、前記制御部において、機械、当該機械の入庫作業所、および、当該機械の返却予定日を紐付けて設定した移動データを取得する移動取得ステップと、前記機械の手配を依頼する手配作業所、当該手配作業所に必要とする前記機械、および、当該機械の使用開始予定日を紐付けて設定した機械手配依頼データを取得する機械手配依頼取得ステップと、前記移動データ、および、前記機械手配依頼データに基づいて、前記入庫作業所での稼働終了後に前記機械を移動させる次入庫作業所候補を取得する候補取得ステップと、前記入庫作業所での所定期間における前記機械の拘束日数を設定した稼働実績データを取得する稼働実績取得ステップと、前記稼働実績データに基づいて、前記機械の稼働率を算出する稼働率算出ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、機械の稼働状況管理、および、効率的な稼働補助機能を実現することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、重機や機材を自社資産として保持し、その減価償却費を工事原価に賦課している企業、または、原価に占めるその割合が多い企業において、事前に配置計画を登録させることで稼働率向上を図ることができ、経営効果を向上させることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、機械の配置状況を把握できるため、配置計画の精度の向上、効率化が見込めるという効果を奏する。また、本発明によれば、機材の稼働率把握と、稼働中実績および施工予定から機材の配置予定立案の支援とを実現できるため、効率的な機械配置および遊休資産の削減による経営効果の向上を図ることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、機械の移動データの登録を随時行うことにより、作業所毎にどの機械があるのかの管理を可能とするという効果を奏する。また、本発明によれば、作業所別機械配置表を出力することにより、作業所(現場)毎の未使用機械を確認させることができ、機械別作業所配置表を出力することにより、機械毎に未使用機械を確認させることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、月末等に作業現場毎の稼動日数が登録されることにより、稼働率の確認をさせ、稼働率の低い機械の扱い(廃棄、売却等)を検討させる材料を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本実施形態における稼働状況管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態における稼働状況管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、本実施形態における稼働状況管理処理の一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態における稼働状況管理処理の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における稼働状況管理処理の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態における稼働状況管理処理の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における稼働状況管理処理の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態における稼働状況管理処理の一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態における稼働状況管理処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0019】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0020】
従来から、機械稼働率の確認を行っていたが、機械によって稼働率の基準が違い、それが客観的に判断できずに属人的になっており、機械の投入についても属人的な判断となっていた。
【0021】
そこで、本実施形態においては、作業所からどの機械がいつからいつまで必要なのかを示す手配依頼を登録可能とし、機械の移動入力における返却予定日および必要日を加味して、移動計画を提案する仕組みを提供している。また、本実施形態においては、稼働実績に基づく機械稼働率一覧表を画面照会可能とし、移動履歴も画面照会可能としている。また、本実施形態においては、作業現場(プロジェクト)登録時に、倉庫マスタを自動作成することにより、入力間違いを無くすとともに、作業所別の機械の在庫(配置場所)管理を実現している。
【0022】
[2.構成]
本実施形態に係る稼働状況管理装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態における稼働状況管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、稼働状況管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、稼働状況管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0024】
稼働状況管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。稼働状況管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、稼働状況管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、稼働状況管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、プロジェクトデータベース106aと倉庫マスタ106bと機械マスタ106cとを備えている。
【0028】
プロジェクトデータベース106aは、プロジェクトデータを記憶する。ここで、プロジェクトデータは、プロジェクト基本データ、移動データ、機械手配依頼データ、稼働実績データ、在庫データ、月別在庫データ、作業所別機械配置表データ、機械別作業所配置表データ、および/または、機械稼働率一覧表データ等を含んでいてもよい。ここで、プロジェクト基本データは、入庫作業所に対応するプロジェクトが設定されていてもよい。
【0029】
倉庫マスタ106bは、入庫作業所を(機械の)在庫管理場所として設定したマスタである。
【0030】
機械マスタ106cは、機械、および、同等機能の機械を識別可能とする同等機能識別子を紐付けて設定したマスタである。
【0031】
制御部102は、稼働状況管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、移動取得部102aと在庫取得部102bと機械手配依頼取得部102cと候補取得部102dと稼働実績取得部102eと稼働率算出部102fと機械表示部102gとを備えている。
【0032】
移動取得部102aは、機械の返却予定日を設定した移動データを取得する。ここで、移動取得部102aは、機械、当該機械の入庫作業所、および、当該機械の返却予定日を紐付けて設定した移動データを取得してもよい。また、移動取得部102aは、移動データに基づいて、入庫作業所に対応するプロジェクトを設定したプロジェクト基本データをプロジェクトデータベース106aに登録し、且つ、入庫作業所を在庫管理場所として設定した倉庫マスタ106bを記憶部106に設定してもよい。
【0033】
在庫取得部102bは、所在場所における機械の現在庫数を設定した在庫データを取得する。ここで、在庫取得部102bは、移動データに基づいて、機械、入庫作業所である所在場所、および、当該所在場所における当該機械の現在庫数を紐付けて設定した在庫データを取得し、当該在庫データをプロジェクトデータベース106aに登録してもよい。また、在庫取得部102bは、在庫データに基づいて、機械、所在場所、前月末在庫数、当月入庫数、当月出庫数、および、当月末在庫数を紐付けて設定した月別在庫データを取得してもよい。また、在庫取得部102bは、移動データ、および、在庫データに基づいて、作業所別機械配置表データ、および/または、機械別作業所配置表データを取得してもよい。
【0034】
機械手配依頼取得部102cは、機械の手配を依頼する機械手配依頼データを取得する。ここで、機械手配依頼取得部102cは、機械の手配を依頼する手配作業所、当該手配作業所に必要とする機械、および、当該機械の使用開始予定日を紐付けて設定した機械手配依頼データを取得してもよい。また、機械手配依頼取得部102cは、機械手配依頼データをプロジェクトデータベース106aに登録してもよい。
【0035】
候補取得部102dは、入庫作業所での稼働終了後に機械を移動させる次入庫作業所候補を取得する。ここで、候補取得部102dは、移動データ、および、機械手配依頼データに基づいて、入庫作業所での稼働終了後に機械を移動させる次入庫作業所候補を取得してもよい。また、候補取得部102dは、移動データ、機械手配依頼データ、および、機械マスタ106cに基づいて、入庫作業所での稼働終了後に機械を移動させる次入庫作業所候補を取得してもよい。また、候補取得部102dは、移動データ、機械手配依頼データ、および、機械マスタ106cに基づいて、機械の入庫作業所と手配作業所との距離が、同等機能の機械の入庫作業所と手配作業所との距離よりも遠く、且つ、当該同等機能の機械の返却予定日が使用開始予定日より前の場合、当該手配作業所を入庫作業所での稼働終了後に当該同等機能の機械を移動させる次入庫作業所候補として取得してもよい。また、候補取得部102dは、次入庫作業所候補を確認可能な機械移動予定照会画面を出力させてもよい。
【0036】
稼働実績取得部102eは、機械の稼働実績データを取得する。ここで、稼働実績取得部102eは、入庫作業所での所定期間における機械の拘束日数を設定した稼働実績データを取得してもよい。また、稼働実績取得部102eは、稼働実績データをプロジェクトデータベース106aに登録してもよい。
【0037】
稼働率算出部102fは、機械の稼働率を算出する。ここで、稼働率算出部102fは、稼働実績データに基づいて、機械の稼働率を算出してもよい。また、稼働率算出部102fは、稼働実績データ、および、稼働率に基づいて、機械稼働率一覧表データを取得してもよい。また、稼働率算出部102fは、機械稼働率一覧表データをプロジェクトデータベース106aに登録してもよい。
【0038】
機械表示部102gは、作業所別機械配置表データ、機械別作業所配置表データ、および/または、機械稼働率一覧表データを表示させる。
【0039】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図2から図9を参照して説明する。
【0040】
[稼働状況管理処理]
ここで、図2を参照して、本実施形態における稼働状況管理処理の一例について説明する。図2は、本実施形態における稼働状況管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0041】
図2に示すように、移動取得部102aは、ユーザにより入力装置112を介して、機械、当該機械の入庫作業所、および、当該機械の返却予定日が設定された場合、機械、当該機械の入庫作業所、および、当該機械の返却予定日を紐付けて設定した移動データを取得する(ステップSA-1)。
【0042】
そして、移動取得部102aは、移動データに基づいて、入庫作業所に対応するプロジェクトを設定したプロジェクト基本データをプロジェクトデータベース106aに登録し、且つ、入庫作業所を在庫管理場所(倉庫)として設定したレコードを倉庫マスタ106bに設定する(ステップSA-2)。
【0043】
そして、在庫取得部102bは、移動データに基づいて、機械、入庫作業所である所在場所(倉庫)、および、当該所在場所における当該機械の現在庫数を紐付けて設定した在庫データを取得し、当該在庫データをプロジェクトデータベース106aに登録し、在庫データに基づいて、機械、所在場所、前月末在庫数、当月入庫数、当月出庫数、および、当月末在庫数を紐付けて設定した月別在庫データを取得し、当該月別在庫データをプロジェクトデータベース106aに登録する(ステップSA-3)。
【0044】
そして、在庫取得部102bは、移動データ、および、在庫データに基づいて、作業所別機械配置表データ、および/または、機械別作業所配置表データを取得し、機械表示部102gは、作業所別機械配置表データ、および/または、機械別作業所配置表データを出力装置114に表示させる(ステップSA-4)。
【0045】
そして、機械手配依頼取得部102cは、ユーザにより入力装置112を介して、機械の手配を依頼する手配作業所、当該手配作業所に必要とする機械、および、当該機械の使用開始予定日が設定された場合、機械の手配を依頼する手配作業所、当該手配作業所に必要とする機械、および、当該機械の使用開始予定日を紐付けて設定した機械手配依頼データを取得する(ステップSA-5)。
【0046】
そして、候補取得部102dは、移動データ、機械手配依頼データ、および、機械マスタ106cに基づいて、入庫作業所での稼働終了後に機械を移動させる次入庫作業所候補を取得し、次入庫作業所候補を確認可能な機械移動予定照会画面を出力装置114に表示させる(ステップSA-6)。
【0047】
そして、稼働実績取得部102eは、ユーザにより入力装置112を介して、入庫作業所、稼働期間、稼働中の機械、および、拘束日数が設定された場合、入庫作業所での稼働期間における機械の拘束日数を設定した稼働実績データを取得する(ステップSA-7)。
【0048】
そして、稼働率算出部102fは、稼働実績データに基づいて、機械の稼働率を算出し、稼働実績データ、および、稼働率に基づいて、機械稼働率一覧表データを取得する(ステップSA-8)。
【0049】
そして、機械表示部102gは、機械稼働率一覧表データを出力装置114に表示させ(ステップSA-9)、処理を終了する。
【0050】
ここで、図3から図9を参照して、本実施形態における稼働状況管理処理の一例について説明する。図3から図9は、本実施形態における稼働状況管理処理の一例を示す図である。
【0051】
図3に示すように、本実施形態においては、プロジェクトにおける機械の移動入力が行われる際に、返却予定日が予め登録されることで、返却予定日を設定した移動データが作成され、プロジェクト入力により倉庫との紐付けも実行される。すなわち、本実施形態においては、PJ(プロジェクト)基本データ登録と同時に、倉庫データの重複入力無しに、1PJコードに対して1倉庫コードが設定され、倉庫マスタも更新される。
【0052】
そして、図4に示すように、本実施形態においては、移動データに基づいて、どこに在庫があるのかを示す在庫データが更新され、1か月の中でどこに在庫が増えてどこに在庫が減ったかを示す月別在庫データが更新される。
【0053】
そして、図5に示すように、本実施形態においては、移動データ、および、在庫データに基づいて、作業所別機械配置表データ、および、機械別作業所配置表データが出力される。ここで、本実施形態においては、配置表出力時、「未使用分のみ」の条件が指定された場合、未使用の機械のみ抽出され、出力されてもよい。
【0054】
そして、図6に示すように、本実施形態においては、ユーザにより作業所毎に必要な機械のデータが事前に登録され、使用開始日が指定された場合、機械手配依頼データが取得される。
【0055】
そして、図7に示すように、本実施形態においては、移動データ、機械手配依頼データおよび機械マスタ106cに基づいて、次入庫作業所候補が取得され、機械移動予定照会画面が表示されるため、機械の管理部署にて、依頼データを元に、必要な機械がどこにあるかを確認し、どこへ移動することが効率的かを検討することができる。また、本実施形態においては、機械の管理部署にて、同等機能の機械の候補を確認し、違う機械でも問題無いかを検討することができる。
【0056】
そして、図8に示すように、本実施形態においては、移動データおよび当月末の月別在庫データに基づいて、対象機械データを設定した稼働実績入力画面が表示され、ユーザにより当月の機械の稼動実績が登録された場合、稼働状況が反映され、「拘束日数÷歴日数×100」の式により稼働率が算出される。
【0057】
そして、図9に示すように、本実施形態においては、稼動実績データより拘束日数を集計した機械稼働率一覧表データが出力される。
【0058】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0061】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0062】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0063】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0064】
また、稼働状況管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0065】
例えば、稼働状況管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて稼働状況管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0066】
また、このコンピュータプログラムは、稼働状況管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0067】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0068】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0069】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0070】
また、稼働状況管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、稼働状況管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0071】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、機械・資機材を扱う土木業、および、建築業等を含む建設業界において有用である。
【符号の説明】
【0073】
100 稼働状況管理装置
102 制御部
102a 移動取得部
102b 在庫取得部
102c 機械手配依頼取得部
102d 候補取得部
102e 稼働実績取得部
102f 稼働率算出部
102g 機械表示部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a プロジェクトデータベース
106b 倉庫マスタ
106c 機械マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9