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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】弁機構、及び、シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/00 20060101AFI20241126BHJP
   A47K 3/28 20060101ALI20241126BHJP
   B05B 1/18 20060101ALI20241126BHJP
   B05B 1/30 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
F16K27/00 B
A47K3/28
B05B1/18 101
B05B1/30
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021058652
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022155242
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000242378
【氏名又は名称】株式会社KVK
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 純也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 喜好
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-131976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00
A47K 3/28
B05B 1/18
B05B 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネジ溝を有する筒状の弁ケースと、
ネジ溝を有するとともに当該ネジ溝が前記弁ケースのネジ溝に螺合した状態で前記弁ケースに接続されるインナーパイプと、
前記弁ケース内に配置されて前記弁ケース及び前記インナーパイプの内部を流通する流体の流れを制御する弁部材とを備える弁機構であって、
前記弁部材は、弁体と、当該弁体を収容するケース体とを有しており、
前記弁ケース及び前記インナーパイプは、互いに前記ケース体を挟み込むことによって前記弁ケースの軸方向に沿う前記ケース体の移動を規制する規制部を有し、
前記弁ケースの規制部は、前記弁ケースの内周面から径方向内側に突出した突起で構成されていることを特徴とする弁機構。
【請求項2】
ネジ溝を有する筒状の弁ケースと、
ネジ溝を有するとともに当該ネジ溝が前記弁ケースのネジ溝に螺合した状態で前記弁ケースに接続されるインナーパイプと、
前記弁ケース内に配置されて前記弁ケース及び前記インナーパイプの内部を流通する流体の流れを制御する弁部材とを備える弁機構であって、
前記弁部材は、弁体と、当該弁体を収容するケース体とを有しており、
前記弁ケース及び前記インナーパイプは、互いに前記ケース体を挟み込むことによって前記弁ケースの軸方向に沿う前記ケース体の移動を規制する規制部を有し、
前記弁ケースは、当該弁ケースの内周面に前記ネジ溝を有し、
前記インナーパイプは、当該インナーパイプの外周面に前記ネジ溝を有しており、
前記インナーパイプの規制部は、前記インナーパイプの先端部から当該インナーパイプの軸方向に沿って突出した突起で構成されていることを特徴とする弁機構。
【請求項3】
ネジ溝を有する筒状の弁ケースと、
ネジ溝を有するとともに当該ネジ溝が前記弁ケースのネジ溝に螺合した状態で前記弁ケースに接続されるインナーパイプと、
前記弁ケース内に配置されて前記弁ケース及び前記インナーパイプの内部を流通する流体の流れを制御する弁部材とを備える弁機構であって、
前記弁部材は、弁体と、当該弁体を収容するケース体とを有しており、
前記弁ケース及び前記インナーパイプは、互いに前記ケース体を挟み込むことによって前記弁ケースの軸方向に沿う前記ケース体の移動を規制する規制部を有し、
前記弁ケースの内周面と前記ケース体の外周面との間に、前記流体の流路となる隙間を有し、
前記弁ケース及び前記インナーパイプの少なくとも一方は、前記弁ケースの径方向に沿う前記ケース体の移動を規制する径方向規制部を有することを特徴とする弁機構。
【請求項4】
ネジ溝を有する筒状の弁ケースと、
ネジ溝を有するとともに当該ネジ溝が前記弁ケースのネジ溝に螺合した状態で前記弁ケースに接続されるインナーパイプと、
前記弁ケース内に配置されて前記弁ケース及び前記インナーパイプの内部を流通する流体の流れを制御する弁部材とを備える弁機構であって、
前記弁部材は、弁体と、当該弁体を収容するケース体とを有しており、
前記弁ケース及び前記インナーパイプは、互いに前記ケース体を挟み込むことによって前記弁ケースの軸方向に沿う前記ケース体の移動を規制する規制部を有し、
前記弁ケースに、前記弁体が当接する弁座が設けられていることを特徴とする弁機構。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の弁機構を備えるシャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁機構、及び、シャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、シャワーヘッドについて記載している。
図9に示すように、シャワーヘッド60はシャワーケース61を有する。また、シャワーケース61内に、ネジ溝62aを有する挿入筒62と、ネジ溝63aを有するインナーパイプ63と、弁部材64とを有する。弁部材64は、弁体65と、当該弁体65を収容する筒状のケース体66とを有する。ケース体66は、軸方向の両端部にネジ溝66a、66bを有している。ケース体66の一端部のネジ溝66aに挿入筒62のネジ溝62aが螺合した状態でケース体66と挿入筒62は接続される。また、ケース体66の他端部のネジ溝66bにインナーパイプ63のネジ溝63aが螺合した状態でケース体66とインナーパイプ63は接続される。弁部材64は、挿入筒62とインナーパイプ63の内部を流通する流体の流れを制御する。挿入筒62、インナーパイプ63、及び、弁部材64で弁機構が構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-7026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1等のシャワーヘッド60において、弁機構を組み立てる際には、挿入筒62とケース体66、及び、インナーパイプ63とケース体66の2箇所を螺合させる必要があった。複数箇所を螺合させる必要があるため、弁機構の組み立て作業が煩雑になるという課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための弁機構は、ネジ溝を有する筒状の弁ケースと、ネジ溝を有するとともに当該ネジ溝が前記弁ケースのネジ溝に螺合した状態で前記弁ケースに接続されるインナーパイプと、前記弁ケース内に配置されて前記弁ケース及び前記インナーパイプの内部を流通する流体の流れを制御する弁部材とを備える弁機構であって、前記弁部材は、弁体と、当該弁体を収容するケース体とを有しており、前記弁ケース及び前記インナーパイプは、互いに前記ケース体を挟み込むことによって前記弁ケースの軸方向に沿う前記ケース体の移動を規制する規制部を有することを要旨とする。
【0006】
この構成によれば、ケース体を挟み込んだ状態で弁ケースとインナーパイプを螺合させると、弁ケースとインナーパイプの規制部によって、弁ケースの軸方向に沿うケース体の移動を規制することができる。弁機構を組み立てる際の螺合が1箇所でよいため、弁機構の組み立て作業を効率良く行うことができる。
【0007】
上記弁機構について、前記弁ケースの規制部は、前記弁ケースの内周面から径方向内側に突出した突起で構成されていることが好ましい。この構成によれば、弁ケースの内周を流体の流路として容易に活用することができる。
【0008】
上記弁機構について、前記弁ケースは、当該弁ケースの内周面に前記ネジ溝を有し、前記インナーパイプは、当該インナーパイプの外周面に前記ネジ溝を有しており、前記インナーパイプの規制部は、前記インナーパイプの先端部から当該インナーパイプの軸方向に沿って突出した突起で構成されていることが好ましい。この構成によれば、ケース体とインナーパイプとの間に、所定の隙間を確保することができる。そのため、この隙間を流体の流路として容易に活用することができる。
【0009】
上記弁機構について、前記弁ケースの内周面と前記ケース体の外周面との間に、前記流体の流路となる隙間を有し、前記弁ケース及び前記インナーパイプの少なくとも一方は、前記弁ケースの径方向に沿う前記ケース体の移動を規制する径方向規制部を有することが好ましい。この構成によれば、弁ケースの内周面とケース体の外周面との間の流路を安定的に確保することができる。
【0010】
上記弁機構を備えるシャワーヘッドであることが好ましい。この構成によれば、上記弁機構の効果を奏するシャワーヘッドとすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の弁機構によれば、組み立て作業を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】シャワーヘッドの斜視図。
図2】シャワーヘッドの分解斜視図。
図3】弁ケースの斜視図。
図4】インナーパイプの斜視図。
図5】シャワーヘッドの部分断面図。
図6】弁機構が閉じた状態のシャワーヘッドの部分断面図。
図7】弁機構が開いた状態のシャワーヘッドの部分断面図。
図8】変更例のシャワーヘッドの部分断面図。
図9】従来技術のシャワーヘッドの部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
弁機構の実施形態を説明する。
以下では、シャワーヘッドに用いられる弁機構の実施形態について説明する。
図1に示すように、シャワーヘッド1は、キッチン、洗面所、浴室等の水栓(図示省略)にホース(図示省略)を介して接続されている。
【0014】
シャワーヘッド1は、使用者が把持して使用することが可能な筒状の把持部3と、水栓からの湯水が吐出されるヘッド部2とを有する。把持部3の基端部にホースが接続されている。把持部3の先端部にヘッド部2を有している。
【0015】
シャワーヘッド1は、把持部3にスイッチボタンとしての揺動スイッチ6を有する。揺動スイッチ6を操作することにより、ヘッド部2からの湯水の吐水と止水を切り換えることができる。
【0016】
シャワーヘッド1を構成する各部材について説明する。
図2に示すように、シャワーヘッド1は、シャワーフェイス1aと、シャワーノズル1bと、インナーカップ1cとを有する。また、シャワーヘッド1は、第1ケース4と、第2ケース5とを有する。第1ケース4は、円筒を軸心に沿って2等分に切断した形状における一方の形状を有している。第1ケース4は、揺動スイッチ6を挿通させる貫通孔4aを有している。第2ケース5は、円筒を軸心に沿って2等分に切断した形状における他方の形状を有する直線部5aと、直線部5aの長さ方向の一端側に円板部5bとを有している。円板部5bの外周縁に、円板部5bの厚さ方向に延びる周壁5cを有している。
【0017】
シャワーフェイス1aと、シャワーノズル1bと、インナーカップ1cと、第2ケース5の円板部5bとが組み付けられてヘッド部2が構成される。また、第1ケース4と、第2ケース5の直線部5aとが組み付けられて把持部3が構成される。
【0018】
シャワーヘッド1は、把持部3内に配置される円筒状の弁ケース20と、インナーパイプ10とを有する。
図3に示すように、弁ケース20は、他端側の端部の内周にネジ溝20aを有する。
【0019】
図4に示すように、インナーパイプ10は、一端側の端部の外周にネジ溝10aを有する。
弁ケース20のネジ溝20aとインナーパイプ10のネジ溝10aが螺合した状態で、弁ケース20とインナーパイプ10は接続される。
【0020】
図1に示すように、インナーパイプ10の他端側は、把持部3から露出しており、この露出した箇所にホースが接続される。
図2に示すように、シャワーヘッド1は、弁ケース20内に配置されるスライド部材21と、弁部材30とを有する。また、シャワーヘッド1は、インナーパイプ10に配置される圧逃がし弁部材40を有する。弁部材30と、圧逃がし弁部材40の詳細については後述する。
【0021】
シャワーヘッド1は、ピン7を用いて弁ケース20に取り付けられてスライド部材21を操作する揺動スイッチ6を有する。揺動スイッチ6は、シャワーヘッド1を構成する各部材が組み付けられた状態で第1ケース4の貫通孔4aから露出する。揺動スイッチ6を操作することにより、スライド部材21を弁ケース20の軸方向に沿ってスライドさせることができる。スライド部材21をスライドさせることにより、弁部材30の開閉状態を切り換えることができる。
【0022】
また、シャワーヘッド1は、インナーカップ1cと弁ケース20とに接続されるジョイント22を有する。ジョイント22は、一端側の端部がインナーカップ1cに接続されるとともに、他端側の端部が弁ケース20の一端側の端部に接続される。シャワーヘッド1を構成する各部材が組み付けられた状態で、ジョイント22は、ヘッド部2内と把持部3内に跨って配置される。
【0023】
以上の各部材を組み付けることにより、シャワーヘッド1は形成される。シャワーヘッド1を構成する各部材を組み付ける手順は特に制限されず、適宜、図示を省略したビス等の固定治具を用いて組み付けを行ってもよい。
【0024】
各部材が組み付けられた状態において、ホース内を流通する流体としての湯水は、インナーパイプ10の他端側からインナーパイプ10内を流通する。さらに、インナーパイプ10の一端側から弁ケース20の他端側へと流通して、弁ケース20内の弁部材30に達する。
【0025】
後述のように、弁部材30が開状態のとき、湯水は弁ケース20内を流通し、弁ケース20の一端側からジョイント22へと流通する。さらにジョイント22を経由してインナーカップ1c内を流通し、シャワーノズル1bから吐出される。弁部材30が閉状態のとき、弁ケース20内で湯水の流通が規制される。
【0026】
このように、弁部材30は、弁ケース20とインナーパイプ10の内部を流通する湯水の流れを制御している。弁ケース20、インナーパイプ10、及び、弁部材30で、弁機構が構成される。
【0027】
弁機構について説明する。
弁機構を構成する弁ケース20について説明する。
図2、3に示すように、弁ケース20は、円筒状に構成されている。
【0028】
弁ケース20は、断面が円形状の周壁20bを有する。周壁20bの軸方向における他端側の端部の内周にネジ溝20aを有する。また、周壁20bの軸方向における中央部に縮径部を有する。縮径部により、周壁20bの内周には、内周の全周から径方向内側に突出した凸壁20cを有する。凸壁20cの中央部に貫通孔20dを有している。この貫通孔20dは、後述する主弁31の小径部31aが挿通する大きさを有している。また、凸壁20cの表面であって、周壁20bの軸方向における他端側に面する面、言い換えれば、インナーパイプ10に対向する側の面は、主弁31に取り付けられたゴム部材31cが当接する弁座として機能する。
【0029】
図3に示すように、弁ケース20は、周壁20bの内周面から径方向内側に突出した突起を有している。以下、この突起を弁ケース側突起23ともいう。弁ケース側突起23は、周壁20bの内周面において、周方向に沿って略等間隔となる位置に3つ設けられている。3つの弁ケース側突起23は、同じ形状を有している。
【0030】
なお、図3では、3つの弁ケース側突起23のうちの2つが見える状態を表している。
弁ケース側突起23は、凸壁20cの面と弁ケース20の周壁20bの内周面との境界部分から凸壁20cと一体になって径方向内側に突出している。さらに、周壁20bの他端側に向かって延びており、壁状に形成されている。
【0031】
弁ケース側突起23は、凸壁20cの面から周壁20bの他端側の端部に向かって略一定の突出高さとなる第1平行部23aを有する。
なお、上記突出高さとは、周壁20bの内周面から径方向内側に延びる寸法を意味するものとする。また、上記第1平行部23aは、突出高さが周壁20bの軸方向に沿って一定となっている。言い換えれば、第1平行部23aの頂部は、周壁20bの軸方向に平行に延びている。
【0032】
弁ケース側突起23は、第1平行部23aの他端側の端部に段差部23bを有する。この段差部23bは、周壁20bの径方向に沿って延びている。弁ケース側突起23は、段差部23bからさらに周壁20bの他端側に延びるテーパ部23cを有する。テーパ部23cにおける段差部23bに接する箇所の高さは、第1平行部23aの突出高さの約半分となっている。テーパ部23cは、周壁20bの他端側に向かって突出高さが一定の割合で小さくなっている。
【0033】
弁ケース側突起23は、テーパ部23cの他端側の端部からさらに周壁20bの他端側に向かって略一定の突出高さとなる第2平行部23dを有する。第2平行部23dの突出高さは、第1平行部23aの突出高さの約3分の1となっている。
【0034】
弁機構を構成するインナーパイプ10について説明する。
図2、4に示すように、インナーパイプ10は、円筒状に構成されている。
インナーパイプ10は、断面が円形状の周壁10bを有する。周壁10bの軸方向における一端側の端部の外周にネジ溝10aを有する。ネジ溝10aよりも他端側に、全周に亘って径方向外側に突出した当接壁10cを有する。後述のように、弁ケース20のネジ溝20aにインナーパイプ10のネジ溝10aを螺合させた際に、弁ケース20の周壁20bの他端側の端部が、インナーパイプ10の当接壁10cに当接することによって、それ以上の螺合が規制される。
【0035】
また、周壁10bの軸方向における一端側の端部の内側に、後述する圧逃がし弁部材40を収容する収容室11を有する。
また、周壁10bの先端部である一端側の端部に、軸方向に沿って突出した突起を有している。以下、この突起をインナーパイプ側突起13ともいう。インナーパイプ側突起13は、周壁10bの一端側の端部において、周方向に沿って略等間隔となる位置に3つ設けられている。3つのインナーパイプ側突起13は、同じ形状を有している。
【0036】
インナーパイプ側突起13は、矩形板状に構成されている。インナーパイプ側突起13の先端面は、周壁10bの軸方向に直交して延びている。
弁機構を構成する弁部材について説明する。
【0037】
図2、5、6に示すように、弁部材30は、弁体としての主弁31及び副弁32と、付勢部材としてのスプリング33と、ケース体50とを有する。
主弁31は、円筒状に構成されている。主弁31は、軸方向の一端側に位置する小径部31aと、小径部31aよりも軸方向の他端側に位置する大径部31bとを有する。主弁31の小径部31aの内径は、大径部31bの内径よりも小さく構成されている。
【0038】
主弁31の大径部31bに環状のゴム部材31cが取り付けられている。このゴム部材31cは、主弁31の大径部31bを部分的に貫通して、大径部31bの外周面と内周面の両方に位置するように取り付けられている。主弁31の大径部31bにおけるゴム部材31cよりも他端側の外周にパッキン31d(図6参照)が取り付けられている。
【0039】
主弁31の小径部31aは、軸方向に延びるリブ31eを有する。このリブ31eは、小径部31aの外周において周方向に沿って略等間隔となる位置に4つ設けられている。
図6に示すように、副弁32は、棒状に構成されている。副弁32の軸方向における中央部に、全周に亘って径方向外側に延びる鍔部32aを有する。鍔部32aよりも軸方向の一端側を先端軸部32bとし、鍔部32aよりも軸方向の他端側を基端軸部32cとする。
【0040】
付勢部材としてのスプリング33の外径は、副弁32の鍔部32aの外径と略等しく構成されている。
ケース体50は、有底筒状に構成されており、底壁51と、底壁51の周縁から底壁51の厚さ方向に延びる周壁52を有している。底壁51の中央部に貫通孔51aを有する。この貫通孔51aの内径は、副弁32の基端軸部32cの外径よりも若干大きく構成されている。
【0041】
ケース体50の周壁52は、軸方向に沿って平行に延びる平行部52aと、平行部52aよりも一端側にテーパ部52bを有している。テーパ部52bは、周壁52の外周面において、一端側の端部である先端部に向かうにつれて周壁52の外径が一定の割合で小さくなるように構成されている。
【0042】
弁部材30を構成する各部材の組み付け構成について説明する。
図6に示すように、主弁31の大径部31bの他端側から、主弁31の内部に副弁32の先端軸部32bを挿入する。そして、副弁32の鍔部32aを、主弁31の内周に位置するゴム部材31cに当接させる。この状態で、副弁32の先端軸部32bの先端が主弁31の小径部31aから突出する。
【0043】
さらに、主弁31の大径部31bの他端側からスプリング33を挿入する。スプリング33の軸方向における一端側の端部を、副弁32の鍔部32aに当接させる。
さらに、主弁31の大径部31bの他端側からケース体50を取り付ける。具体的には、主弁31の大径部31bに取り付けたパッキン31dが、ケース体50の周壁52内に当接した状態で、主弁31の大径部31bを周壁52内に収容する。この際、副弁32の基端軸部32cをケース体50の底壁51の貫通孔51aに挿入する。
【0044】
主弁31の大径部31bをケース体50の周壁52内に収容することにより、スプリング33の他端側の端部がケース体50の底壁51に当接する。これにより、スプリング33の一端側の端部が、副弁32の鍔部32aを付勢する。副弁32の鍔部32aは、主弁31のゴム部材31cを付勢した状態でゴム部材31cに当接する。この状態で、主弁31の大径部31bの内側と、ケース体50の周壁52の内側とに跨って圧力室Rが形成される。
【0045】
以上のように弁部材30を構成する各部材は組み付けられる。弁部材30を構成する各部材を組み付けた状態で、ケース体50の周壁52には主弁31の大径部31bが収容されるものの、主弁31の小径部31aは収容されず、周壁52から露出した状態となる。言い換えれば、主弁31は、一部のみがケース体50に収容された状態となる。
【0046】
弁機構の組み立て手順について説明する。
図5、6に示すように、弁機構を組み立てる際は、弁ケース20の他端側の内周に、弁部材30をその一端側から挿入する。そして、弁部材30の主弁31の小径部31aを、弁ケース20の凸壁20cの貫通孔20dに挿通させる。弁部材30のゴム部材31cを、弁座として機能する凸壁20cに当接させる。
【0047】
また、ケース体50の周壁52を、弁ケース20の内周に設けられた3つの弁ケース側突起23に当接させる。具体的には、ケース体50の周壁52の先端部を、弁ケース側突起23の段差部23bに当接させる。さらに、ケース体50の周壁52のテーパ部52bを、弁ケース側突起23のテーパ部23cに当接させる。さらに、ケース体50の周壁52の平行部52aを、弁ケース側突起23の第2平行部23dに当接させる。ケース体50の周壁52における平行部52aが、弁ケース側突起23の第2平行部23dに当接することにより、弁ケース20の周壁20bの内周面と、ケース体50の周壁52の外周面との間に所定の隙間Tが確保される。この隙間Tが、弁機構内を流通する流体の流路となる。
【0048】
次に、弁ケース20の他端側内周のネジ溝20aに、インナーパイプ10の一端側外周のネジ溝10aを螺合させて、弁ケース20とインナーパイプ10を接続する。弁ケース20の周壁20bの他端側の端部が、インナーパイプ10の当接壁10cに当接して、それ以上の螺合が規制される。
【0049】
この状態で、3つのインナーパイプ側突起13の先端面が、弁部材30のケース体50の底壁51に当接する。インナーパイプ側突起13がケース体50の底壁51に当接することにより、インナーパイプ10の周壁10bと、ケース体50の底壁51との間に所定の隙間Uが形成される。この隙間Uが、流体の流路となる。
【0050】
ケース体50に収容されたスプリング33によって、副弁32の鍔部32aは、主弁31のゴム部材31cに対して付勢した状態で当接する。さらに、弁部材30のゴム部材31cは、副弁32の鍔部32aに当接したスプリング33の付勢力によって、弁ケース20の凸壁20cに付勢した状態で当接する。弁部材30のゴム部材31cが弁ケース20の凸壁20cに当接するとともに、副弁32の鍔部32aがゴム部材31cに当接することにより、弁機構は閉じた状態となる。
【0051】
以上の手順により弁機構を組み立てることができる。弁機構を組み立てる手順は上記手順に限定されず、適宜順番を入れ替えて行ってもよい。
弁機構が組み立てられた状態で、弁ケース20及びインナーパイプ10は、互いにケース体50を挟み込んだ状態となる。具体的には、ケース体50の周壁52の先端部が、弁ケース側突起23の段差部23bに当接して、弁ケース20の軸方向に沿う一端側へのケース体50の移動が規制される。また、ケース体50の周壁52のテーパ部52bが弁ケース側突起23のテーパ部23cに当接し、ケース体50の周壁52における平行部52aが、弁ケース側突起23の第2平行部23dに当接する。これらにより、弁ケース20の径方向に沿うケース体50の移動が規制される。
【0052】
さらに、ケース体50の底壁51にインナーパイプ側突起13が当接することにより、弁ケース20の軸方向に沿うケース体50の移動も規制される。
以上のように、弁機構を組み立てることにより、弁ケース20の軸方向と径方向に沿うケース体50の移動を規制することができる。そのため、弁ケース側突起23とインナーパイプ側突起13は、軸方向に沿うケース体50の移動を規制する軸方向規制部として機能する。さらに、弁ケース側突起23は、径方向に沿うケース体50の移動を規制する径方向規制部としても機能する。なお、軸方向規制部と径方向規制部をまとめて、規制部ともいうものとする。
【0053】
弁機構の動作機構について説明する。
図6に示すように、弁機構が閉じた状態では、弁部材30のゴム部材31cと、弁ケース20の凸壁20cとが当接した箇所よりも上流側、すなわち、図6における凸壁20cよりも右側が、図示しない湯水で満たされた状態となる。また、弁部材30の圧力室R内も湯水で満たされた状態となる。
【0054】
揺動スイッチ6を操作して、スライド部材21を弁ケース20の軸方向他端側である図6の右側にスライドさせると、スライド部材21の板状突片21aが副弁32の先端軸部32bに当接する。さらに、スライド部材21の板状突片21aが副弁32を図6の右側に移動させると、副弁32の鍔部32aとゴム部材31cの当接が解除される。これにより、圧力室R内の湯水が、弁ケース20の凸壁20cの貫通孔20dを流通して弁ケース20の一端側へと流通する。
【0055】
さらに、スライド部材21の板状突片21aを図6の右側に移動させると、スライド部材21の板状突片21aが、主弁31の小径部31aに当接する。
図7に示すように、さらに、スライド部材21の板状突片21aが主弁31を図7の右側に移動させると、ゴム部材31cと凸壁20cとの当接が解除されて、弁機構が開いた状態となる。
【0056】
これにより、ゴム部材31cと凸壁20cの当接部分よりも上流側に位置する湯水が弁ケース20の一端側へと流通する。圧力室R内の湯水を先行して弁ケース20の一端側へ流通させることにより、ゴム部材31cに対して凸壁20c側に付与する流体の圧力を軽減して、ゴム部材31cを移動させやくすることができる。
【0057】
弁機構が開いた状態から閉じた状態にする際には、上記の操作を反対の順序で行えばよい。弁機構が閉じた状態になると、ケース体50の底壁51の貫通孔51aを経由して、圧力室R内に湯水が充填される。
【0058】
圧逃がし弁部材について説明する。
図2、6に示すように、圧逃がし弁部材40は、弁体41と、パッキン42と、パッキンホルダー43と、付勢部材としてのスプリング44とを有する。
【0059】
弁体41は、円筒状に構成されている。弁体41の軸方向における中央部の外周にOリング45が取り付けられている。弁体41は、Oリング45が取り付けられた箇所よりも他端側の外周にネジ溝41aを有する。
【0060】
弁体41は、他端側の端部から一端側に向かって内径が大きく構成された凹部41bを有する。この凹部41bに、後述するパッキン42の鍔部42bが収容される。
パッキン42は、円柱状に構成されている。パッキン42は、円柱状の軸部42aを有する。また、軸部42aの一端側の端部に鍔部42bを有する。鍔部42bは、軸部42aの全周に亘って円板状に形成されている。
【0061】
パッキンホルダー43は、有底筒状に構成されている。パッキンホルダー43は、周壁43aと底壁43bとを有している。周壁43aの内径は、パッキン42の軸部42aの外径よりも若干大きく構成されている。周壁43aの一端側の端部に全周に亘ってフランジ部43cを有する。フランジ部43cの外径は、パッキン42の鍔部42bの外径と略等しく構成されている。フランジ部43cは、周方向に略等間隔となる位置に径方向外側に突出した4つの突起43dを有している。
【0062】
付勢部材としてのスプリング44の外径は、パッキンホルダー43の周壁43aの外径よりも若干大きく、パッキンホルダー43のフランジ部43cの外径と略等しく構成されている。
【0063】
圧逃がし弁部材40の組み付け構成について説明する。
図6に示すように、インナーパイプ10の一端側から、圧逃がし弁部材40を収容する収容室11にスプリング44を挿入する。さらに、収容室11にパッキンホルダー43をパッキンホルダー43の他端側から挿入する。この状態で、スプリング44の他端側が収容室11の底部に当接するとともに、スプリング44の一端側をパッキンホルダー43のフランジ部43cに当接する。また、パッキンホルダー43のフランジ部43cに設けられた4つの突起43dが、収容室11の内面に当接する。これにより、収容室11の内面とパッキンホルダー43のフランジ部43cの外周面との間に、突起43dの高さ分だけ隙間が形成される。
【0064】
さらに、収容室11にパッキン42を他端側から挿入する。パッキン42の軸部42aをパッキンホルダー43の周壁43a内に収容し、パッキン42の鍔部42bをパッキンホルダー43のフランジ部43cに当接させる。
【0065】
さらに、収容室11に弁体41を他端側から挿入する。この際、収容室11の内周に設けられたネジ溝11aに、弁体41のネジ溝41aを螺合させて両者を接続する。弁体41の外周のOリング45が、収容室11におけるネジ溝11aよりも一端側の内周面に当接して、両者の間が水密状態となる。収容室11に弁体41を接続させた状態で、パッキン42の鍔部42bが、弁体41の凹部41bに収容される。スプリング44の付勢力により、パッキン42の鍔部42bは弁体41の凹部41bに当接する。これにより、弁体41とパッキン42との間が水密状態となる。
【0066】
圧逃がし弁部材40の動作機構について説明する。
弁ケース20の凸壁20cに当接したゴム部材31cよりも上流側の流体の圧力、言い換えれば、弁ケース20とインナーパイプ10の流路全体における一次側の流体の圧力によって、圧逃がし弁部材40のパッキン42は、収容室11の底部側である図6の右側に付勢される。通常、パッキン42にはパッキンホルダー43を介してスプリング44からの付勢力が加わることにより、パッキン42の鍔部42bが弁体41の凹部41bに当接した状態が維持される。
【0067】
上記一次側の圧力が所定の圧力よりも高くなると、スプリング44からの付勢力よりも収容室11の底部側に向かう圧力の方が大きくなる。すると、パッキン42が収容室11の底部側に移動して、弁体41の凹部41bとパッキン42の鍔部42bとの接触が解除される。これにともない、弁体41の凹部41bとパッキン42の鍔部42bとの隙間を通って流体が流通する。流体は、パッキンホルダー43のフランジ部43cと収容室11の内周面との間の隙間を流通する。そして、収容室11の底部に設けられた図示しない貫通孔からインナーパイプ10の外側へ流出する。これにより、弁機構内の圧力が高くなりすぎることを抑制することができる。
【0068】
シャワーヘッド1の流路内において、弁ケース20の凸壁20cに当接したゴム部材31cよりも下流側、言い換えれば、弁機構の二次側へ流体を流通させて圧力を逃してもよい。しかし、この場合、通常発生するシャワーノズル1bからの水垂れと区別がつきにくい。本実施形態のように、インナーパイプ10の外側、すなわち、把持部3の流路の外側に流体を逃がす態様であると、使用者が目視しやすい。そのため、使用者が一次側の圧力が所定の圧力よりも高くなっていることを認識しやすくなる。
【0069】
本実施形態の作用について説明する。
図5に示すように、ケース体50の周壁52の先端部が、弁ケース側突起23の段差部23bに当接することにより、弁ケース20の軸方向に沿う一端側へのケース体50の移動が規制される。また、ケース体50の底壁51にインナーパイプ側突起13が当接することにより、弁ケース20の軸方向に沿う他端側へのケース体50の移動も規制される。これらにより、弁ケース20の軸方向に沿うケース体50の移動が規制される。
【0070】
さらに、ケース体50の周壁52のテーパ部52bが弁ケース側突起23のテーパ部23cに当接し、ケース体50の周壁52の平行部52aが、弁ケース側突起23の第2平行部23dに当接する。これにより、弁ケース20の径方向に沿うケース体50の移動が規制される。ケース体50の移動を規制することにより、弁ケース20の軸方向と径方向の両方向において、ケース体50の移動が規制される。
【0071】
本実施形態の効果について説明する。
(1)弁ケース20の内部に弁部材30を配置した状態で、弁ケース20の他端側内周のネジ溝20aに、インナーパイプ10の一端側外周のネジ溝10aを螺合させて、弁ケース20とインナーパイプ10を接続する。これにより、弁ケース20及びインナーパイプ10でケース体50を挟み込むことができる。具体的には、弁ケース側突起23とインナーパイプ側突起13とでケース体50を軸方向側と径方向側の両方から挟み込むことができる。したがって、弁ケース20の軸方向と径方向の両方向において、ケース体50の移動を規制することができる。一箇所を螺合させるだけで、ケース体50の移動を規制することができるため、弁機構の組み立て作業を効率良く行うことができる。
【0072】
(2)弁ケース側突起23は、弁ケース20の周壁20bの内周面から径方向内側に突出した突起で構成されている。したがって、弁ケース20の周壁20bの内周を流体の流路として容易に活用することができる。
【0073】
(3)インナーパイプ側突起13は、インナーパイプ10の周壁10bの一端側の端部から周壁10bの軸方向に沿って突出した突起で構成されている。したがって、ケース体50とインナーパイプ10との間の隙間を流体の流路として容易に活用することができる。
【0074】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態において、弁ケース20、インナーパイプ10、及び、弁部材30の主弁31は円筒状に構成されていたが、この態様に限定されない。軸心に直交する断面形状が矩形状や、角部が3、もしくは4より多い多角形状や、楕円形状等の筒状であってもよい。
【0075】
・本実施形態において、弁機構を構成する弁部材30は、主弁31と副弁32とを有していたが、この態様に限定されない。弁機構は、副弁32を有することなく構成されていてもよい。
【0076】
図8に示すように、例えば、弁部材30が副弁を有してなく、ケース体50の内部に配置されたスプリング33が、直接、主弁31を付勢するように構成されていてもよい。ケース体50の周壁52は、弁ケース20の周壁20bの内周面に接することにより、径方向への移動が規制されている。また、弁ケース20は、弁ケース20の周壁20bの肉厚が全周に亘って大きく構成された肉厚部23eを有し、この肉厚部23eにケース体50の周壁52の先端部が当接することにより、軸方向一端側への移動が規制されている。ケース体50の底壁51の一部には貫通孔51bが設けられており、この貫通孔51bと、ケース体50の周壁52の内側とが、湯水の流路として利用される。この態様では、弁ケース20の肉厚部23eが、軸方向規制部として機能する。すなわち、軸方向規制部は、弁ケース20の周壁20bの内周面から径方向内側に突出した突起に限定されず、周壁20bの肉厚部23eによって構成されていてもよい。
【0077】
・本実施形態において、弁ケース側突起23は、軸方向と径方向の両方向でケース体50の移動を規制しており、軸方向規制部と径方向規制部の両方の機能を備えていたが、この態様に限定されない。弁ケース側突起は、軸方向規制部のみで構成されていてもよいし、軸方向規制部とは別に径方向規制部が設けられていてもよい。
【0078】
・インナーパイプ側突起13は、インナーパイプ10の周壁10bの一端側の端部から周壁10bの軸方向に沿って突出した突起に限定されない。例えば、インナーパイプ10の周壁10bの一端側の端部が、ケース体50の底壁51に当接するように構成されていてもよい。すなわち、インナーパイプ10の周壁10bの一端側の端部が軸方向規制部として機能してもよい。この態様では、例えば、インナーパイプ10の周壁10bの一端側の端部に、軸方向に延びる切欠を設けることにより、流体の流路を確保することができる。
【0079】
・インナーパイプ側突起13は、軸方向規制部に限定されない。インナーパイプ側突起13は、軸方向規制部と径方向規制部の両方の機能を備えていてもよい。また、軸方向規制部とは別に径方向規制部が設けられていてもよい。
【0080】
・弁ケース側突起23とインナーパイプ側突起13の両方が、軸方向規制部のみで構成されていてもよい。例えば、弁ケース20の凸壁20cの貫通孔20dに挿通された主弁31の小径部31aによって、径方向へのケース体50の移動を抑制してもよい。
【0081】
・本実施形態において、弁ケース20の他端側の端部の内周にネジ溝20aが形成され、インナーパイプ10の一端側の端部の外周にネジ溝10aが形成されていたが、この態様に限定されない。弁ケース20の他端側の端部の外周にネジ溝が形成され、インナーパイプ10の一端側の端部の内周にネジ溝が形成されていてもよい。
【0082】
・本実施形態において、弁部材30は、弁ケース20内に収容されていたが、この態様に限定されない。弁部材30は、インナーパイプ10内に収容されていてもよい。
・本実施形態の弁機構は、シャワーヘッド1に用いられていたが、この態様に限定されない。シャワーヘッド1以外の流体の制御を行う用途に用いることができる。
【符号の説明】
【0083】
10…インナーパイプ、10a…ネジ溝、13…インナーパイプ側突起、20…弁ケース、20a…ネジ溝、23…弁ケース側突起、30…弁部材、31…主弁(弁体)、32…副弁(弁体)、50…ケース体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9