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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】屈曲管
(51)【国際特許分類】
   F16L 43/00 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
F16L43/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021059701
(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2022156149
(43)【公開日】2022-10-14
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 耕史
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-525525(JP,A)
【文献】特開2015-218815(JP,A)
【文献】中国実用新案第212361199(CN,U)
【文献】独国特許出願公開第10329719(DE,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0054727(KR,A)
【文献】国際公開第2017/126581(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-0289667(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0178256(US,A1)
【文献】国際公開第2014/046063(WO,A1)
【文献】特開2011-117465(JP,A)
【文献】特開昭51-061019(JP,A)
【文献】国際公開第2017/109950(WO,A1)
【文献】特表2015-534006(JP,A)
【文献】実開平06-041935(JP,U)
【文献】米国特許第06179343(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空管で形成されて入口部と、前記入口部から直線状の延びる入口直線部と、前記入口直線部から屈曲される屈曲部と、前記屈曲部から出口側に延びる出口直線部と、出口部と、を備えた屈曲管において、
前記入口部の入口端は、真円形状の最小断面形状に形成され、
前記入口直線部は、断面積が漸次増加するように、真円形状、長径が前記入口直線部の中心軸を通る楕円形状、または前記真円と前記楕円とを組み合わせた形状に形成され、
前記屈曲部は、前記入口直線部よりも大きい断面形状を有する異形長円形状とするとともに、前記屈曲部の中央で最大の断面形状となるように形成され、
前記出口直線部は、断面積が漸次増加するように、真円形状、長径が前記出口直線部の中心軸を通る楕円形状、または前記真円と前記楕円とを組み合わせた形状とするとともに、前記出口部の直前で最大の断面積となるように形成し、
前記出口部の出口端は、前記入口端と同じ真円形状に形成したことを特徴とする屈曲管。
【請求項2】
前記異形長円形状は、楕円形状の片側の弧と2つの真円とを重なり合わせて楕円形状と真円形状との円弧を結んだ形状とし、2つの真円形状は、屈曲部の内側に位置する形状で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の屈曲管。
【請求項3】
前記屈曲部は、前記入口直線部と前記出口直線部とがそれぞれ直角に延びる曲げ形状とされ、
前記入口部、前記入口直線部と、前記屈曲部、前記出口直線部および前記出口部の流路断面における中心点を、入口から出口につないで形成される中心線は、前記屈曲部の入口側と出口側では外側寄りに位置し、前記屈曲部の中央では内側寄りに位置するように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の屈曲管。
【請求項4】
前記入口部から前記入口直線部までの形状および前記出口部から前記出口直線部までの形状は、それぞれ前記入口側および出口側が小径とされる絞り形状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の屈曲管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屈曲管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、配管が挿着される曲がりパイプにおいて、曲がり部の断面形状を、長円形状とした。配管が挿着される曲がりパイプにおいて、曲がり部の断面係数を、直管部の断面係数より大きくした。曲がり部の断面形状を、長円形状とした又は曲がり部の断面係数を、直管部の断面係数より大きくした曲がりパイプが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平08-261383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、配管の曲がり部における断面形状が長円形状に形成されているものであるが、このような構成では、屈曲部での流体の剥離による全圧の損失を招き、出口流れの流速の不均一を招く課題がある。
本発明は、前記した点に鑑みてなされたものであり、屈曲部での流体の剥離を抑制して、全圧の損失や出口流れの流速不均一を抑制して、流体を効率良く流すことのできる屈曲管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、中空管で形成されて入口部と、前記入口部から直線状の延びる入口直線部と、前記入口直線部から屈曲される屈曲部と、前記屈曲部から出口側に延びる出口直線部と、出口部と、を備えた屈曲管において、前記入口部の入口端は、真円形状の最小断面形状に形成され、前記入口直線部は、断面積が漸次増加するように、真円形状、長径が前記入口直線部の中心軸を通る楕円形状、または前記真円と前記楕円とを組み合わせた形状に形成され、前記屈曲部は、前記入口直線部よりも大きい断面形状を有する異形長円形状とするとともに、前記屈曲部の中央で最大の断面形状となるように形成され、前記出口直線部は、断面積が漸次増加するように、真円形状、長径が前記出口直線部の中心軸を通る楕円形状、または前記真円と前記楕円とを組み合わせた形状とするとともに、前記出口部の直前で最大の断面積となるように形成し、前記出口部の出口端は、前記入口端と同じ真円形状に形成したことを特徴とする。

【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、屈曲管で屈曲部での流体の剥離を抑制して、全圧の損失や出口流れの流速不均一を抑制して、流体を効率良く流すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る屈曲管が適用されるガスタービンの実施の形態を示す断面図である。
図2】本実施の形態における屈曲管を示す斜視図である。
図3】A0位置における断面形状を示す説明図である。
図4】A1位置における断面形状を示す説明図である。
図5】A2位置における断面形状を示す説明図である。
図6】A3位置における断面形状を示す説明図である。
図7】A4位置における断面形状を示す説明図である。
図8】A5位置における断面形状を示す説明図である。
図9】A6位置における断面形状を示す説明図である。
図10】A7位置における断面形状を示す説明図である。
図11】A8位置における断面形状を示す説明図である。
図12】A0位置からA8位置における断面形状、断面積、中心点、縦横寸法をそれぞれ示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態]
図1は、本発明に係る屈曲管が適用されるガスタービンの実施の形態を示す断面図である。
図1に示すように、ガスタービン10は、筒状のケーシング11を備えている。ケーシング11の内部には、図示しないタービン羽根により回転駆動される回転軸12が軸受13により回転自在に支持されている。
回転軸12の外周側には、ロータ14が取付けられている。ロータ14の外周側には、ステータ15が配置されており、ロータ14とステータ15とにより発電機16が構成されている。
そして、回転軸12の回転駆動により、ステータ15の内側で、ロータ14を回転させることで、発電を行うように構成されている。
【0009】
ステータ15の外周側には、ウォータージャケット17が配置されている。ウォータージャケット17には、冷却水が供給される冷却水流路18が形成されている。
ウォータージャケット17には、冷却水を排水するための屈曲管20が接続されている。
【0010】
次に、本発明に係る屈曲管20の実施の形態について説明する。
図2は、本発明に係る屈曲管20を示す斜視図である。
図2に示すように、屈曲管20は、略直角に屈曲する形状を有している。屈曲管20は、中空管で形成されて入口部21と、入口部21から直線状の延びる入口直線部22と、入口直線部22から屈曲される屈曲部23と、屈曲部23から出口側に延びる出口直線部24と、出口部25と、を備えている。
ここで、以下の説明では、屈曲管20の屈曲されている側(図2において下側)を内側、反対側(図2において上側)を外側と称する。
【0011】
屈曲管20の入口部21の入口端は、真円形状の最小の断面形状に形成されている。
入口部21から延びる入口直線部22は、断面積が漸次増加するように、真円形状、長径が入口直線部22の中心軸を通る楕円形状、または真円形状と楕円形状とを組み合わせた形状に形成されている。
屈曲部23は、入口直線部22よりも大きい断面積を有する異形長円形状とするとともに、屈曲部23の中央で最大流路断面積となるように形成されている。
出口直線部24は、断面積が漸次増加するように、真円形状、長径が出口直線部24の中心軸を通る楕円形状、または真円形状と楕円形状とを組み合わせた形状とするとともに、出口部25の直前で最大の断面積となるように形成されている。
出口部25の出口端は、入口端と同じ真円形状に形成されている。
【0012】
そして、屈曲管20の入口部21、入口直線部22、屈曲部23、出口直線部24および出口部25の断面形状における中心点を、入口から出口につないで形成される中心線は、屈曲部23の入口側と出口側では外側寄りに位置し、屈曲部23の中央では内側寄りに位置するように形成されている。
ここで、異形長円形状とは、楕円形状の片側の弧と2つの真円形状とを重なり合わせて楕円形状と真円形状との円弧を結ぶ形状とし、2つの真円形状は、屈曲部23の内側に位置する形状である。
【0013】
次に、入口部21、入口直線部22、屈曲部23、出口直線部24および出口部25の具体的な形状について説明する。
入口部21はA0位置、入口直線部22はA1位置、A2位置、A3位置、屈曲部23はA4位置、出口直線部24はA5位置、A6位置、A7位置、出口部25はA8位置での断面形状について説明する。
図3は、A0位置における断面形状を示す説明図である。図4は、A1位置における断面形状を示す説明図である。図5は、A2位置における断面形状を示す説明図である。図6は、A3位置における断面形状を示す説明図である。図7は、A4位置における断面形状を示す説明図である。図8は、A5位置における断面形状を示す説明図である。図9は、A6位置における断面形状を示す説明図である。図10は、A7位置における断面形状を示す説明図である。図11は、A8位置における断面形状を示す説明図である。図12は、A0位置からA8位置における断面形状、断面積、中心点、縦横寸法をそれぞれ示す表である。
【0014】
A0位置からA1位置までの中心軸間距離は3mm、A1位置からA2位置までの中心軸間距離は22mm、A2位置からA3位置までの中心軸間距離は30mmである。A4位置は、屈曲部23の中心部である。A5位置からA6位置までの中心軸間距離は30mm、A6位置からA7位置までの中心軸間距離は22mm、A7位置からA8位置までの中心軸間距離は3mmである。
【0015】
A0位置における断面形状は、図3および図12に示すように、中心点が中心軸と一致しており、半径が7.5mmの真円形状とされている。
A1位置における断面形状は、図4に示すように、中心点が中心軸から屈曲管20の内側方向に0.1mmずれた位置に配置された楕円形状とされている。A1位置の断面形状は、中心点から縦方向(内側から外側方向)の半径が8.2mmとされ、中心点から横方向の半径が8.1mmとされている。すなわち、A1位置の断面形状は、縦方向に長径が位置する楕円形状とされている。
【0016】
A2位置における断面形状は、図5および図12に示すように、中心点が中心軸から屈曲管20の外側方向に0.2mmずれた位置に配置された真円形状とされている。A2位置の断面形状は、半径が8.5mmの真円形状とされている。
【0017】
A3位置における断面形状は、図6および図12に示すように、中心点が中心軸から屈曲管20の外側方向に0.05mmずれた位置に配置されている。A3位置の断面形状は、中心点から縦方向(内側から外側方向)の半径が8.4mmとされ、中心点から横方向の半径が8.7mmとされた楕円形状の一部を備えている。
また、A3位置における断面形状は、半径が8mmとされた2つの真円形状を中心点が0.8mmずれるように横方向に重ねて配置し、内側の円弧形状は、2つの真円形状の下側の円弧を結んだ形状とされている。A3位置の断面形状の外側の円弧形状は、前述の楕円形状の円弧形状と一致しており、これにより、屈曲管20の内側の形状と外側の形状とは、非対称となる形状とされている。
【0018】
A4位置における断面形状は、図7および図12に示すように、中心点が中心軸から屈曲管20の内側方向に0.6mmずれた位置に配置されている。A4位置の断面形状は、半径が8.5mmの真円形状の一部を備えている。
また、A4位置における断面形状は、半径が7.5mmとされた2つの真円形状を中心点が1.9mmずれるように横方向に重ねて配置し、内側の円弧形状は、2つの真円形状の下側の円弧を結んだ形状とされている。A4位置の断面形状の外側の円弧形状は、前述の真円形状の円弧形状と一致しており、これにより、屈曲管20の内側の形状と外側の形状とは、非対称となる形状とされている。
【0019】
A5位置における断面形状は、図8および図12に示すように、中心点が中心軸から屈曲管20の外側方向に0.1mmずれた位置に配置されている。A5位置の断面形状は、中心点から縦方向(内側から外側方向)の半径が8.4mmとされ、中心点から横方向の半径が8.3mmとされた楕円形状の一部を備えている。
また、A5位置における断面形状は、半径が5.9mmとされた2つの真円形状を中心点が2.6mmずれるように横方向に重ねて配置し、内側の円弧形状は、2つの真円形状の下側の円弧を結んだ形状とされている。A5位置の断面形状の外側の円弧形状は、前述の楕円形状の円弧形状と一致しており、これにより、屈曲管20の内側の形状と外側の形状とは、非対称となる形状とされている。
【0020】
A6位置における断面形状は、図9および図12に示すように、中心点が中心軸から屈曲管20の外側方向に0.3mmずれた位置に配置された楕円形状とされている。A6位置の断面形状は、中心点から縦方向(内側から外側方向)の半径が8.8mmとされ、中心点から横方向の半径が8.5mmとされている。すなわち、A6位置の断面形状は、縦方向に長径が位置する楕円形状とされている。
【0021】
A7位置における断面形状は、図10および図12に示すように、中心点が中心軸から屈曲管20の外側方向に0.2mmずれた位置に配置された真円形状とされている。真円形状の半径は、9.0mmとされている。
A8位置における断面形状は、図11および図12に示すように、中心点が中心軸と一致しており、半径が7.5mmの真円形状とされている。すなわち、A8位置の断面形状は、入口部21のA0の断面形状と同一とされている。
【0022】
A1からA4までの断面積は、図12に示すように、入口直線部22のA1位置では、208.6mm2、入口直線部22のA2位置では、227.0mm2、入口直線部22のA3位置では、231.4mm2となっており、入口部21から出口方向に向けて入口直線部22の断面積が漸次増加するように形成されている。
また、A5からA7までの断面積は、出口直線部24のA5位置では、221.6mm2、出口直線部24のA6位置では、235.6mm2、出口直線部24のA7の位置では、254.5mm2となっており、出口方向に向けて出口直線部24の断面積が漸次増加するように形成されている。
【0023】
また、屈曲部23のA4位置では、232.4mm2となっており、入口直線部22のA3位置の231.4mm2および出口直線部24のA5位置の221.6mm2より大きい断面積となるように形成されている。
【0024】
A0位置とA1位置の断面積は、入口部21のA0位置では、176.7mm2、入口直線部22のA1位置では、208.6mm2とされており、入口部21が小径とされる絞り形状に形成されている。
同様に、A7位置とA8位置の断面積は、出口直線部24のA7位置では、254.5mm2、出口部25のA8位置では、176.7mmとされており、出口部25が小径とされる絞り形状に形成されている。
【0025】
また、入口部21、入口直線部22と、屈曲部23、出口直線部24および出口部25の流路断面における中心点を、入口から出口につないで形成される中心線は、屈曲部23の入口側と出口側では外側寄りに位置し、屈曲部23の中央では内側寄りに位置するように形成されている。具体的には、A3位置における中心点は、中心軸から屈曲管20の外側方向に0.05mmずれた位置に配置されており、A5位置における中心点は、中心軸から屈曲管20の外側方向に0.1mmずれた位置に配置されている。
A4位置における中心点は、中心軸から屈曲管20の内側方向に0.6mmずれた位置に配置されている。
【0026】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
本実施の形態においては、屈曲管20の断面形状を、真円形状、楕円形状または真円形状と楕円形状とを組み合わせた形状に形成するとともに、入口直線部22および出口直線部24を、断面積が漸次増加するように形成し、入口部21から出口部25の流路断面における中心点をつないで形成される中心線を、屈曲部23の入口側と出口側では外側寄りに位置し、屈曲部23の中央では内側寄りに位置するように形成することで、屈曲管20の屈曲部23での流体の剥離を抑制して、全圧の損失や出口流れの流速不均一を抑制しすることができる。
これにより、効率の良い配管形状を得ることができる。
【0027】
前述の図3から図11に示す本実施の形態の断面形状を備えた屈曲管20と、直径が18mmの断面形状真円形状の屈曲管(比較例)とにそれぞれ流量5(l/min)で冷却水を流し、屈曲管20の全圧力損失係数を測定した。
その結果、比較例では、全圧力損失係数が0.551であった。
これに対して、本実施の形態の屈曲管20では、全圧力損失係数が0.086であり、損失を1/6に低減することがわかった。
【0028】
本実施の形態の屈曲管20を製造する場合は、例えば、樹脂材料などを型物成型または3Dプリンタなどの積層成型により一体成型することで、製造することができる。
【0029】
以上述べたように、本実施の形態においては、入口部21の入口端は、真円形状の最小の断面形状に形成され、入口直線部22は、断面積が漸次増加するように、真円形状、長径が入口直線部22の中心軸を通る楕円形状、または真円形状と楕円形状とを組み合わせた形状に形成され、屈曲部23は、入口直線部22よりも大きい断面積を有する異形長円形状とするとともに、屈曲部23の中央で最大の断面積となるように形成され、出口直線部24は、断面積が漸次増加するように、真円形状、長径が入口直線部22の中心軸を通る楕円形状、または真円形状と楕円形状とを組み合わせた形状とするとともに、出口部25の直前で最大の断面積となるように形成し、出口部25の出口端は、入口端と同じ真円形状に形成した。
これにより、屈曲管20で屈曲部23での流体の剥離を抑制して、全圧の損失や出口流れの流速不均一を抑制して、流体を効率良く流すことが可能となる。
【0030】
また、本実施の形態においては、異形長円形状は、楕円形状の片側の弧と2つの真円とを重なり合わせて楕円形状と真円との接線を接続した形状とし、2つの真円形状は、屈曲部23の内側に位置する形状で形成されている。
これにより、屈曲部23中央を含む屈曲幅域において、楕円形状の片側の弧と2つの真円とを重なり合わせて楕円形状と真円との接線を接続した形状とすることで、屈曲部23の内側での流体の流れ抵抗を抑制して損失低減を図ることができる。
【0031】
また、本実施の形態においては、屈曲部23は、入口直線部22と出口直線部24とがそれぞれ直角に延びる曲げ形状とされ、入口部21、入口直線部22と、屈曲部23、出口直線部24および出口部25の流路断面における中心点を、入口から出口につないで形成される中心線は、屈曲部23の入口側と出口側では外側寄りに位置し、屈曲部23の中央では内側寄りに位置するように形成されている。
これにより、中心点を入口から出口につないで形成される中心線は、屈曲部23の入口側と出口側では外側寄りに位置させ、屈曲部23の中央では内周寄りに位置させることで、屈曲部23を流れる流体の配管の曲率を緩やかに、かつ、滑らかに連続させることができ、流体の流れ抵抗を抑制することができる。
【0032】
また、本実施の形態においては、入口部21から入口直線部22までの形状および出口部25から出口直線部24までの形状は、それぞれ入口側および出口側が小径とされる絞り形状に形成されている。
これにより、屈曲管20の入口部21および出口部25での剛性を確保しながら、流路の拡張を短い距離で行うことかでき、流路面積を確保することができる。
【0033】
また、本実施の形態においては、型物成型または積層成型により一体成型されている。
これにより、屈曲管20を型物成型または積層成型により一体成型したので、従来のパイプ曲げ成型では難しい複雑な配管形状を成型することができる。
【0034】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0035】
[上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成をサポートする。
【0036】
(構成1)中空管で形成されて入口部と、前記入口部から直線状の延びる入口直線部と、前記入口直線部から屈曲される屈曲部と、前記屈曲部から出口側に延びる出口直線部と、出口部と、を備えた屈曲管において、前記入口部の入口端は、真円形状の最小断面形状に形成され、前記入口直線部は、断面積が漸次増加するように、真円形状、長径が前記入口直線部の中心軸を通る楕円形状、または前記真円と前記楕円とを組み合わせた形状に形成され、前記屈曲部は、前記入口直線部よりも大きい断面形状を有する異形長円形状とするとともに、前記屈曲部の中央で最大の断面形状となるように形成され、前記出口直線部は、断面積が漸次増加するように、真円形状、長径が前記入口直線部の中心軸を通る楕円形状、または前記真円と前記楕円とを組み合わせた形状とするとともに、前記出口部の直前で最大の断面積となるように形成し、前記出口部の出口端は、前記入口端と同じ真円形状に形成したことを特徴とする屈曲管。
この構成によれば、屈曲管で屈曲部での流体の剥離を抑制して、全圧の損失や出口流れの流速不均一を抑制して、流体を効率良く流すことが可能となる。
【0037】
(構成2)前記異形長円形状は、楕円形状の片側の弧と2つの真円とを重なり合わせて楕円形状と真円との接線を接続した形状とし、2つの真円形状は、屈曲部の内側に位置する形状で形成されていることを特徴とする構成1に記載の屈曲管。
この構成によれば、屈曲部中央を含む屈曲幅域において、楕円形状の片側の弧と2つの真円とを重なり合わせて楕円形状と真円形状との円弧を結んだ形状とすることで、屈曲部の内側での流体の流れ抵抗を抑制して損失低減を図ることができる。
【0038】
(構成3)前記屈曲部は、前記入口直線部と前記出口直線部とがそれぞれ直角に延びる曲げ形状とされ、前記入口部、前記入口直線部と、前記屈曲部、前記出口直線部および前記出口部の流路断面における中心点を、入口から出口につないで形成される中心線は、前記屈曲部の入口側と出口側では外側寄りに位置し、前記屈曲部の中央では内側寄りに位置するように形成されていることを特徴とする構成1または構成2に記載の屈曲管。
この構成によれば、中心点を入口から出口につないで形成される中心線は、屈曲部の入口側と出口側では外側寄りに位置させ、屈曲部の中央では内周寄りに位置させることで、屈曲部を流れる流体の配管の曲率を緩やかに、かつ、滑らかに連続させることができ、流体の流れ抵抗を抑制することができる。
【0039】
(構成4)前記入口部から前記入口直線部までの形状および前記出口部から前記出口直線部までの形状は、それぞれ前記入口側および出口側が小径とされる絞り形状に形成されていることを特徴とする構成1から構成3のいずれか一項に記載の屈曲管。
この構成によれば、屈曲管の入口部および出口部での剛性を確保しながら、流路の拡張を短い距離で行うことかでき、流路面積を確保することができる。
【0040】
(構成5)型物成型または積層成型により一体成型されていることを特徴とする構成1から構成4のいずれか一項に記載の屈曲管。
この構成によれば、屈曲管を型物成型または積層成型により一体成型したので、従来のパイプ曲げ成型では難しい複雑な配管形状を成型することができる。
【符号の説明】
【0041】
10 ガスタービン
11 ケーシング
12 回転軸
13 軸受
14 ロータ
15 ステータ
16 発電機
17 ウォータージャケット
18 冷却水流路
20 屈曲管
21 入口部
22 入口直線部
23 屈曲部
24 出口直線部
25 出口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12