(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】表示装置、発光ダイオード基板及び表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20241126BHJP
H01L 33/40 20100101ALI20241126BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/40
H05K13/04 B
(21)【出願番号】P 2021112026
(22)【出願日】2021-07-06
【審査請求日】2021-07-06
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-28
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】202110042784.4
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】501358079
【氏名又は名称】友達光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】AUO Corporation
【住所又は居所原語表記】No.1,Li-Hsin Rd.2,Science-Based Industrial Park,Hsinchu,Taiwan.
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 世雄
(72)【発明者】
【氏名】呉 仰恩
【合議体】
【審判長】波多江 進
【審判官】吉野 三寛
【審判官】野村 伸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-066053(JP,A)
【文献】特開2015-138870(JP,A)
【文献】特開2020-064118(JP,A)
【文献】特開2006-303542(JP,A)
【文献】特開2007-200920(JP,A)
【文献】特開2020-31210(JP,A)
【文献】特開2012-169368(JP,A)
【文献】国際公開第2019/188063(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と、
2つの電極が該回路基板の2つのパッドに接続される発光ダイオードと、
を含み、
該発光ダイオードの各該電極は、
該発光ダイオードの半導体積層に直接接続される第1導電層と、
該第1導電層を通って該発光ダイオードの該半導体積層に電気的に接続される障壁層と、
該障壁層をこれらの該パッドの対応する1つに電気的に接続し、その融点が摂氏260度より低い金属層と、
を含み、
該第1導電層のために選定された材料の該半導体積層に対する付着力は該障壁層のために選定された材料の該半導体積層に対する付着力より大き
く、
該2つの電極のそれぞれは、さらに、
該障壁層と該金属層との間に位置する第2導電層を含み、該金属層の、該第2導電層が選定された材料に対する湿潤性は該金属層の、該障壁層のために選定された材料に対する湿潤性より大きい、ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
該第1導電層のために選定された材料は、チタン、クロム又は前記材料の組合せを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
該障壁層のために選定された材料は、ニッケル、銅、パラジウム又は前記材料の組合せを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
該金属層のために選定された材料は、スズ、インジウム、ビスマス、スズとビスマスの合金、スズとインジウムの合金、スズと銅の合金、スズと銀の合金、スズとアンチモンの合金、スズと亜鉛の合金、スズと銀と銅の合金、スズと銀と銅とビスマスの合金又は前記材料の組合せ又は積み重ねを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
該2つのパッドのために選定された材料は、金、ニッケル、銅、スズ、インジウム、スズと銀の合金、スズと銅の合金、スズと銀と銅の合金又は前記材料の組合せ又は積み重ねを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
該第2導電層の厚さは該障壁層の厚さ以下である、ことを特徴とする請求項
1に記載の表示装置。
【請求項7】
該第2導電層のために選定された材料は、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル又は前記材料の組合せを含む、ことを特徴とする請求項
1に記載の表示装置。
【請求項8】
該2つのパッドの厚さは8μm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
成長基板と、
発光ダイオードと、
を含み、
該発光ダイオードは、
該成長基板に形成される半導体積層と、
該半導体積層に形成される2つの電極と、
を含み、
各該電極は、
該半導体積層に直接形成される第1導電層と、
該第1導電層に形成される障壁層と、
該障壁層に形成され、融点が摂氏260度より低い金属層と、
を含み、
該第1導電層のために選定された材料の該半導体積層に対する付着力は該障壁層のために選定された材料の該半導体積層に対する付着力より大き
く、
該2つの電極のそれぞれは、さらに、
該障壁層と該金属層との間に位置する第2導電層を含み、
該金属層の、該第2導電層のために選定された材料に対する湿潤性は該金属層の、該障壁層のために選定された材料に対する湿潤性より大きい、ことを特徴とする発光ダイオード基板。
【請求項10】
該第2導電層の厚さは該障壁層の厚さ以下である、ことを特徴とする請求項
9に記載の発光ダイオード基板。
【請求項11】
該第1導電層のために選定された材料は、チタン、クロム又は前記材料の組合せを含み、該障壁層のために選定された材料は、ニッケル、銅、パラジウム又は前記材料の組合せを含み、該第2導電層のために選定された材料は、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル又は前記材料の組合せを含み、該金属層のために選定された材料は、スズ、インジウム、ビスマス、スズとビスマスの合金、スズとインジウムの合金、スズと銅の合金、スズと銀の合金、スズとアンチモンの合金、スズと亜鉛の合金、スズと銀と銅の合金、スズと銀と銅とビスマスの合金又は前記材料の組合せ又は積み重ねを含む、ことを特徴とする請求項
9に記載の発光ダイオード基板。
【請求項12】
複数の発光ダイオードを形成することを含み、
各該発光ダイオードは、
半導体積層と、
該半導体積層に形成される2つの電極と、
を含み、
各該電極は、
該半導体積層に直接形成される第1導電層と、
該第1導電層に形成される障壁層と、
該障壁層に形成され、融点が摂氏260度より低い金属層と、
を含み、
該第1導電層のために選定された材料の該半導体積層に対する付着力は該障壁層のために選定された材料の該半導体積層に対する付着力より大きく、
該2つの電極のそれぞれは、さらに、
該障壁層と該金属層との間に位置する第2導電層を含み、
該金属層の、該第2導電層のために選定された材料に対する湿潤性は該金属層の、該障壁層のために選定された材料に対する湿潤性より大きく、
そのうち1つの発光ダイオードを複数のパッドを含む回路基板に転置し、該そのうち1つの発光ダイオードの位置は該回路基板のそのうち2つのパッドに対応し、
該そのうち1つの発光ダイオードを加熱し、該そのうち1つの発光ダイオードのこれらの該金属層を該そのうち2つのパッドに共晶接合させる、ことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項13】
該そのうち1つの発光ダイオードを加熱する方法は、伝導加温、シングルポイントレーザー、平面レーザー又はリニアレーザーを含む、ことを特徴とする請求項
12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項14】
さらに、
そのうちのもう1つの発光ダイオードを該回路基板に転置し、該そのうちのもう1つの発光ダイオードの位置は該回路基板のそのうちのもう2つのパッドに対応することと、
該そのうち1つの発光ダイオード及び該そのうちのもう1つの発光ダイオードを検査し、該そのうちのもう1つの発光ダイオードは正常に発光できないことと、
該そのうちのもう1つの発光ダイオードを該回路基板から取り除くことと、
そのうちのまたもう1つの発光ダイオードを該回路基板の該そのうちのもう2つのパッドに転置することと、
該そのうちのまたもう1つの発光ダイオードを加熱し、該そのうちのまたもう1つの発光ダイオードのこれらの該金属層を該そのうちのもう2つのパッドに電気的に接続させることと、
を含む、ことを特徴とする請求項
12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項15】
該そのうちのもう1つの発光ダイオードを該回路基板から取り除いた後、該そのうちのもう1つの発光ダイオードのこれらの該金属層の一部は該回路基板の該そのうち2つのパッドに残される、ことを特徴とする請求項14に記載の表示装置の製造方法。
【請求項16】
さらに、
該そのうち1つの発光ダイオードは成長基板に形成されることと、
該そのうち1つの発光ダイオードを該成長基板から第1転置基盤に転置することと、
該そのうち1つの発光ダイオードを該第1転置基盤から第2転置基盤に転置することと、
該そのうち1つの発光ダイオードを該第2転置基盤から該回路基板に転置することと、
を含む、ことを特徴とする請求項
12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】
該第1転置基盤はテープ又は粘着層付きの透明基板を含む、ことを特徴とする請求項
16に記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】
さらに、
該そのうち1つの発光ダイオードは成長基板に形成されることを含み、
該成長基板は基盤及び該基盤に位置するテザー構造を含み、該そのうち1つの発光ダイオードは該テザー構造に固定され、該そのうち1つの発光ダイオードのこれらの該電極は該そのうち1つの発光ダイオードの該基盤に背面する一側に位置する、ことを特徴とする請求項
12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項19】
さらに、
該そのうち1つの発光ダイオードは成長基板に形成されることを含み、該成長基板は基盤及び該基盤に位置するテザー構造を含み、該そのうち1つの発光ダイオードは該テザー構造に固定され、該そのうち1つの発光ダイオードのこれらの該電極は該そのうち1つの発光ダイオードの該基盤に面する一側に位置する、ことを特徴とする請求項
12に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置、発光ダイオード基板及び表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)は発光素子であり、低電力消費、高輝度、高解像度及びカラーの彩度が高い等の特性を有するため、発光ダイオード表示パネルの画素構造の構成に適用されている。
【0003】
発光ダイオードを回路基板に転置する技術を物質移動(Mass Transfer)と称する。一般的に言えば、回路基板に全表面の導電接着剤が形成され、続いて、移動装置によって発光ダイオードを回路基板に転置することができる。回路基板に形成された導電接着剤を介して発光ダイオードを固定し、発光ダイオードを導電接着剤に固定した後、移動装置を取り除く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術において、発光ダイオードを移動する時、発光ダイオードの転置エラー又は発光ダイオードの不良等の問題が発生しやすいため、表示装置の一部の画素が正常に作動できず、表示装置の表示品質に厳重な影響が及ぼされる。一般的に、転置エラー又は不良な発光ダイオードを取り除き、取り除いた発光ダイオードの代わりに修復用の発光ダイオードを回路基板に転置する。しかしながら、従来技術の導電接着剤はいずれも回路基板に大面積に形成されるため、洗浄し難く、修復時、元の導電接着剤を特定の小領域に形成することのみでも相当困難であり、時間もかかる。本発明は、その発光ダイオードと回路基板との接合が改善された表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、その発光ダイオードと回路基板との接合が改善された発光ダイオード基板を提供する。
【0006】
本発明は発光ダイオードと回路基板との接合部に裂け目が生じる問題を軽減することができる発光ダイオード基板の製造方法を提供する。
【0007】
本発明の少なくとも1つの実施形態では表示装置が提供される。表示装置は回路基板及び発光ダイオードを含む。発光ダイオードの2つの電極は回路基板の2つのパッドに接続される。発光ダイオードの各電極は発光ダイオードの半導体積層に接続される第1導電層と、第1導電層を通って発光ダイオードの半導体積層に電気的に接続される障壁層と、障壁層をパッドの対応する1つに電気的に接続し、融点が摂氏260度より低い金属層と、を含む。第1導電層が選定された材料の半導体積層に対する付着力は障壁層が選定された材料の半導体積層に対する付着力より大きい。
【0008】
本発明の少なくとも1つの実施形態では発光ダイオード基板が提供される。発光ダイオード基板は成長基板及び発光ダイオードを含む。発光ダイオードは成長基板に形成される半導体積層及び半導体積層に形成される2つの電極を含む。各電極は半導体積層に形成される第1導電層と、第1導電層に形成される障壁層と、障壁層に形成され、融点が摂氏260度より低い金属層と、を含む。第1導電層のために選定された材料の半導体積層に対する付着力は障壁層のために選定された材料の半導体積層に対する付着力より大きい。
【0009】
本発明の少なくとも1つの実施形態では表示装置の製造方法を提供される。表示装置の製造方法は、複数の発光ダイオードを形成することと、そのうち1つの発光ダイオードを回路基板に転置することと、そのうち1つの発光ダイオードを加熱することと、を含む。各発光ダイオードは半導体積層及び半導体積層に形成される2つの電極を含む。各電極は、半導体積層に形成される第1導電層と、第1導電層に形成される障壁層と、障壁層に形成され、融点が摂氏260度より低い金属層と、を含む。第1導電層のために選定された材料の半導体積層に対する付着力は障壁層のために選定された材料の半導体積層に対する付着力より大きい。回路基板は複数のパッドを含む。そのうち1つの発光ダイオードの位置は回路基板のそのうち2つのパッドに対応する。そのうち1つの発光ダイオードの金属層はそのうち2つのパッドに共晶接合される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施例に基づく発光ダイオード基板の断面図である。
【
図2】本発明の一実施例に基づく発光ダイオード基板の断面図である。
【
図3A】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その1)である。
【
図3B】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その2)である。
【
図3C】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その3)である。
【
図3D】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その4)である。
【
図3E】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その5)である。
【
図3F】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その6)である。
【
図3G】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その7)である。
【
図4A】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その1)である。
【
図4B】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その2)である。
【
図4C】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その3)である。
【
図4D】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その4)である。
【
図5A】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その1)である。
【
図5B】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その2)である。
【
図5C】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その3)である。
【
図5D】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その4)である。
【
図5E】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その5)である。
【
図6A】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その1)である。
【
図6B】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その2)である。
【
図6C】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その3)である。
【
図7A】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その1)である。
【
図7B】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その2)である。
【
図7C】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その3)である。
【
図7D】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その4)である。
【
図7E】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その5)である。
【
図7F】本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図(その6)である。
【
図8A】本発明の一実施例に基づく表示装置を修復する方法の断面図(その1)である。
【
図8B】本発明の一実施例に基づく表示装置を修復する方法の断面図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は本発明の一実施形態に基づく発光ダイオード基板の断面図である。
【0012】
図1を参照する。発光ダイオード基板10は成長基板100及び発光ダイオードLを含む。発光ダイオードLは半導体積層SM及び2つの電極E1、E2を含む。
【0013】
いくつかの実施例において、成長基板100はガリウムヒ素(GaAs)基板、ガリウムリン(GaP)基板、リン化インジウム(InP)基板、サファイア基板、炭化ケイ素(SiC)基板、窒化ガリウム(GaN)基板、又はその他のエピタキシープロセスに適用している成長基板である。いくつかの実施例において、成長基板100が凹凸の表面を有するように、成長基板100の表面はナノインプリントプロセスを介してパターニングする。いくつかの実施例において、緩衝層110は成長基板100の表面に形成される。緩衝層110は後続のエピタキシープロセスの歩留まりを向上させることに有益である。いくつかの実施例において、緩衝層110の材料は窒化アルミニウム又はその他の適切な材料である。
【0014】
半導体積層SMは成長基板100に形成されている。いくつかの実施例において、半導体積層SMはエピタキシープロセス及びパターニングプロセスを介して緩衝層110に形成されている。半導体積層SMは第1半導体層130、発光層140及び第2半導体層150を含む。第1半導体層130と第2半導体層150のうちの1つはN型ドーピング半導体であり、もう1つはP型ドーピング半導体である。例えば、第1半導体層130はN型半導体層であり、第2半導体層150はP型半導体層である。
【0015】
第1半導体層130および第2半導体層150の材料は、例えば、窒化ガリウム、窒化インジウムガリウム(InGaN)、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムインジウムリン(AlGaInP)又はその他のIIIA族とVA族元素により構成された材料又はその他の適切な材料を含むが、本発明はこれに限定されない。
【0016】
発光層140は第1半導体層130と第2半導体層150との間に位置している。発光層140は、例えば、単一量子井戸(SQW)、多重量子井戸(MQW)又はその他の量子井戸のような量子井戸(Quantum Well、QW)を有し、P型ドープされた半導体層により提供される電気ホールとN型ドープされた半導体層により提供される電子は発光層140に結合することができ、光の形でエネルギーを放出する。
【0017】
本実施例において、半導体積層SMはさらに低ドープされた(又はドープされていない)半導体層120を含む。半導体層120は第1半導体層130と成長基板100との間に位置している。半導体層120の材料は、例えば、窒化ガリウム、窒化インジウムガリウム(InGaN)、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムインジウムリン(AlGaInP)又はその他のIIIA族とVA族元素により構成された材料又はその他の適切な材料を含むが、本発明はこれに限定されない。
【0018】
本実施例において、発光ダイオードLは青色発光ダイオード又は緑色発光ダイオードであり、半導体層120、第1半導体層130、発光層140及び第2半導体層150の材料は窒化ガリウムを含み、成長基板100はサファイア基板であるが、本発明はこれに限定されない。その他の実施例において、発光ダイオードLはその他の色の発光ダイオードであり、半導体層120、第1半導体層130、発光層140及び第2半導体層150の材料はその他の材料を含む。
【0019】
絶縁層iは半導体積層SMに形成されている。絶縁層iは、それぞれ第1半導体層130の一部の上面と第2半導体層150の一部の上面を露出させる少なくとも2つの開口を有する。
【0020】
2つの電極E1、E2は半導体積層SMに形成されている。いくつかの実施例において、電極E1、E2は絶縁層iの開口を通って、それぞれ第1半導体層130と第2半導体層150に電気的に接続されている。
【0021】
電極E1、E2のそれぞれは第1導電層C1、障壁層BL及び金属層SRを含む。
【0022】
第1導電層C1は半導体積層SMに形成され、それぞれ第1半導体層130及び第2半導体層150に接触している。障壁層BLは第1導電層C1に形成されている。障壁層BLは第1導電層C1の上表面全体を被覆している。いくつかの実施例において、第1導電層C1のために選定された材料の半導体積層SMに対する付着力は障壁層BLのために選定された材料の半導体積層SMに対する付着力より大きい。言い換えれば、障壁層BLに比べ、第1導電層C1は、第1半導体層130及び第2半導体層150によりよく付着することができる。
【0023】
いくつかの実施例において、第1導電層C1の厚さT1は0.01μm~0.09μmである。いくつかの実施例において、第1導電層C1のために選定された材料はチタン、クロム又は前記材料の組合せ又はその他のエピタキシャル層との付着力が良い材料を含む。いくつかの実施例において、第1導電層C1を形成する方法は、蒸着、電気めっき又はその他の適切なプロセスを含む。
【0024】
いくつかの実施例において、障壁層BLの厚さT2は0.1μm~5μmである。いくつかの実施例において、障壁層BLのために選定された材料は、ニッケル、銅、パラジウム又は前記材料の組合せを含む。いくつかの実施例において、障壁層BLを形成する方法は、蒸着、電気めっき又はその他の適切なプロセスを含む。
【0025】
金属層SRは障壁層BLに形成されている。金属層SRの融点は摂氏260度より低い。
【0026】
いくつかの実施例において、金属層SRの厚さT4は0.1μm~8μmである。いくつかの実施例において、金属層SRのために選定された材料は、スズ、インジウム、ビスマス、スズとビスマスの合金、スズとインジウムの合金、スズと銅の合金、スズと銀の合金、スズとアンチモンの合金、スズと亜鉛の合金、スズと銀と銅の合金、スズと銀と銅とビスマスの合金又は前記材料の組合せを含む。いくつかの実施例において、金属層SRを形成する方法は、蒸着、電気めっき又はその他の適切なプロセスを含む。
【0027】
いくつかの実施例において、金属層SRをその他の素子に共晶接合させるために、金属層SRに対して加熱する時、障壁層BLは金属層SRにおける金属元素が第1導電層C1に拡散することを遮断することができ、これにより、金属層SRと第1導電層C1との接着性がよくなく、反応して金属間化合物(intermetallic compound)を生成できないため、金属層SRと第1導電層C1との間に裂け目が生じることが回避される。これにより、発光ダイオードLをその他の素子によりよく接合させることができる。
【0028】
いくつかの実施例において、電極E1、E2のそれぞれは第2導電層C2を選択的に含む。第2導電層C2は障壁層BLに形成され、障壁層BLと金属層SRとの間に位置している。第2導電層C2は障壁層BLの上表面全体を被覆している。金属層SRの、第2導電層C2のために選定された材料に対する湿潤性は金属層SRの、障壁層BLのために選定された材料に対する湿潤性より大きい。言い換えれば、金属層SRは第2導電層C2の表面によく平坦化することができる。いくつかの実施例において、金属層SRは第2導電層C2の上表面全体を被覆している。
【0029】
いくつかの実施例において、第2導電層C2の厚さT3は障壁層BLの厚さT2以下であり、これにより、第2導電層C2と金属層SRとの間に形成されている金属間化合物が減少する。いくつかの実施例において、第2導電層C2の厚さT3は0.01μm~0.1μmである。いくつかの実施例において、第2導電層C2のために選定された材料は、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル又は前記材料の組合せを含む。いくつかの実施例において、第2導電層C2を形成する方法は、蒸着、電気めっき又はその他の適切なプロセスを含む。
【0030】
いくつかの実施例において、第1導電層C1は絶縁層iの開口及び絶縁層iの表面に共形的に形成(conformally formed)されている。障壁層BLは第1導電層C1に共形的に形成されている。第2導電層C2は障壁層BLに共形的に形成されている。金属層SRは第2導電層C2に共形的に形成されている。いくつかの実施例において、第1導電層C1、障壁層BL、第2導電層C2及び金属層SRの中央の絶縁層iの開口に対応する位置は少々下に向けて凹んでいるが、本発明はこれに限定されない。
【0031】
いくつかの実施例において、第1導電層C1、障壁層BL、第2導電層C2及び金属層SRの形は同じマスクによって定義することができ、これにより、第1導電層C1が成長基板100に垂直に投影する形、障壁層BLが成長基板100に垂直に投影する形、第2導電層C2が成長基板100に垂直に投影する形及び金属層SRが成長基板100に垂直に投影する形は、実質的に互いに同じであることが可能である。その他の実施例において、電極E1、E2における上層は下層の側面を選択的に被覆し、例えば、プロセスにサイズが異なる光マスクを使用する可能性があり、又は電気めっきプロセスの誤差によって上層を下層の側面に接触させる可能性がある。例を挙げると、金属層SRは第2導電層C2の側面、障壁層BLの側面及び第1導電層C1の側面を選択的に被覆するが、本発明はこれに限定されない。
【0032】
図2は本発明の一実施例に基づく発光ダイオード基板の断面図である。
図2の実施例は
図1の実施例の素子の記号と一部の内容を引き続き使用し、同じ又は類似する記号を採用して同じ又は類似する素子を表示し、同じ技術的内容の説明を省略する点に留意されたい。省略された部分の説明について、前記実施例を参照することができるため、ここで繰り返して説明しない。
【0033】
図2の発光ダイオード基板20と
図1の発光ダイオード基板10との主な差異は、発光ダイオード基板20の半導体積層SMaが発光ダイオード基板10の半導体積層SMと異なることである。
【0034】
図2を参照する。半導体積層SMaは成長基板100に形成されている。いくつかの実施例において、半導体積層SMaはエピタキシープロセスを介して緩衝層110に形成されている。半導体積層SMaは第1半導体層130、発光層140及び第2半導体層150を含む。第1半導体層130と第2半導体層150のうちの1つはN型ドーピング半導体であり、もう1つはP型ドーピング半導体である。例を挙げると、第1半導体層130はN型半導体層であり、第2半導体層150はP型半導体層である。発光層140は第1半導体層130と第2半導体層150との間に位置している。
【0035】
本実施例において、半導体積層SMaはさらに第3半導体層160を含む。第3半導体層160は第2半導体層150に形成され、第3半導体層160と第2半導体層150は同じ型の半導体層(例えば、いずれもP型半導体層である)である。
【0036】
本実施例において、発光ダイオードLaは赤色発光ダイオードであり、半導体層120、第1半導体層130、発光層140及び第2半導体層150の材料はアルミニウムガリウムインジウムリンを含み、第3半導体層160の材料はガリウムリンを含み、成長基板100はガリウムヒ素基板を含むが、本発明はこれに限定されない。その他の実施例において、発光ダイオードLaはその他の色の発光ダイオードであり、第1半導体層130、発光層140、第2半導体層150及び第3半導体層160の材料はその他の材料を含む。
【0037】
図3A~
図3Gは本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図である。
【0038】
図3Aを参照する。複数の発光ダイオードL1は成長基板100に形成されている。各発光ダイオードL1は半導体積層SM1及び2つの電極E1、E2を含む。2つの電極E1、E2は半導体積層SM1に形成されている。発光ダイオードL1の構造は
図1の発光ダイオードL又は
図2の発光ダイオードLaに類似する。関連する説明は
図1と
図2を参照する。
【0039】
図3Bを参照する。そのうち1つ又は複数の発光ダイオードL1を成長基板100から第1転置基盤TS1に転置する。本実施例において、第1転置基盤TS1は基盤SB1及び粘着層AD1を含む。いくつかの実施例において、第1転置基盤TS1はテープであり、基盤SB1は軟質材料を含む。いくつかの実施例において、第1転置基盤TS1はテープであり、基盤SB1を含まず、粘着層AD1は基盤SB1に固定されず、その他の支持構造(例えば、金属環)によって固定される。基盤SB1は透明基盤であり、材料は、例えば、ガラス又はサファイア基材又はその他の適切な材料であり、粘着層AD1は粘着材であり、材料は、例えば、テープ、高分子材料又は粘性を有する材料であり、粘着層AD1は全面的に透明基板に位置してもよく、又は局部的に透明基板に位置してもよい(発光ダイオードの接着部のみに位置している)。
【0040】
発光ダイオード基板10を第1転置基盤TS1と共に貼り付け、成長基板100の発光ダイオードL1を第1転置基盤TS1に向けさせ、続いて、レーザーリフトオフ(Laser lift off)法によって1つ又は複数の発光ダイオードL1を成長基板100から第1転置基盤TS1の粘着層AD1に転置する。
【0041】
本実施例において、レーザーLSによって転置しようとする発光ダイオードL1をリフトオフし、第1転置基盤TS1の発光ダイオードL1の間の間隔を調整する。
図3Bにおいて、リフトオフされた発光ダイオードL1の底部は太線で表示する。本実施例において、第1転置基盤TS1の発光ダイオードL1の間の間隔Ph2は成長基板100の発光ダイオードL1の間の間隔Ph1より大きい(即ち、発光ダイオードL1の転置後の間隔は転置前の間隔より大きい)。
【0042】
本実施例において、一部の発光ダイオードL1は第1転置基盤TS1に転置し、他部の発光ダイオードL1は成長基板100に残される。本実施例において、発光ダイオードL1の電極E1、E2は発光ダイオードL1の第1転置基盤TS1に向ける一側に位置している。
【0043】
図3Cを参照し、そのうち1つ又は複数の発光ダイオードL1を第1転置基盤TS1から第2転置基盤TS2に転置する。第2転置基盤TS2は基盤SB2及び粘着層AD2を含む。いくつかの実施例において、基盤SB2は、例えば、セラミック、金属又はその他の適切な材料である熱伝導材料を含む。いくつかの実施例において、基盤SB2は、例えば、ガラス、サファイア又はその他の適切な材料である透明材料を含む。
【0044】
本実施例において、第1転置基盤TS1はテープを含み、粘着層AD2の粘性は粘着層AD1(又は前記テープ)の粘性より大きい。第2転置基盤TS2を第1転置基盤TS1の発光ダイオードL1に貼り合わせた後(例えば、第2転置基盤TS2を発光ダイオードL1に接触させるように、第2転置基盤TS2を移動し、及び/又は第2転置基盤TS2を発光ダイオードL1に接触させるように、第1転置基盤TS1を移動する)、第1転置基盤TS1を取り除く。粘着層AD2の粘性が粘着層AD1の粘性より大きいため、第1転置基盤TS1を取り除いた後、発光ダイオードL1は第2転置基盤TS2に残される。
【0045】
その他の実施例において、第1転置基盤TS1の基盤SB1は透明基盤である。第1転置基盤TS1と第2転置基盤TS2を重ねさせるように、第1転置基盤TS1又は第2転置基盤TS2を移動し、続いて、基盤SB1の一側からレーザーを発光ダイオードL1に照射し、レーザーリフトオフ法を介して発光ダイオードL1を第1転置基盤TS1から第2転置基盤TS2の粘着層AD2に転置する。
【0046】
本実施例において、第2転置基盤TS2の発光ダイオードL1の間の間隔Ph3は第1転置基盤TS1の発光ダイオードL1の間の間隔Ph2にほぼ等しい。本実施例において、発光ダイオードL1の電極E1、E2は発光ダイオードL1の第2転置基盤TS2に背面する一側に位置している。
【0047】
図3Dを参照する。
図3A~
図3Cに類似する方法で1つ又は複数の発光ダイオードL2を第2転置基盤TS2に移動する。発光ダイオードL2は半導体積層SM2及び電極E1、E2を含む。発光ダイオードL2の構造は
図1の発光ダイオードL又は
図2の発光ダイオードLaに類似する。関連する説明は
図1と
図2を参照する。
【0048】
図3Eを参照する。
図3A~
図3Cに類似する方法で1つ又は複数の発光ダイオードL3を第2転置基盤TS2に移動する。発光ダイオードL3は半導体積層SM3及び電極E1、E2を含む。発光ダイオードL3の構造は
図1の発光ダイオードL又は
図2の発光ダイオードLaに類似する。関連する説明は
図1と
図2を参照する。
【0049】
本実施例において、発光ダイオードL1、発光ダイオードL2及び発光ダイオードL3はそれぞれ青色発光ダイオード、緑色発光ダイオード及び赤色発光ダイオードである。本実施例において、発光ダイオードL1、発光ダイオードL2及び発光ダイオードL3は順に第2転置基盤TS2に転置するが、本発明は発光ダイオードL1、発光ダイオードL2及び発光ダイオードL3が第2転置基盤TS2に転置する順番を限定していない。発光ダイオードL1、発光ダイオードL2及び発光ダイオードL3が第2転置基盤TS2に転置する順番は実際の需要に応じて調整することができる。
【0050】
図3Fを参照する。発光ダイオードL1、L2、L3を第2転置基盤TS2から回路基板200に転置する。本実施例において、第2転置基盤TS2の発光ダイオードL1、L2、L3の間の間隔は、回路基板200の発光ダイオードL1、L2、L3の間の間隔にほぼ等しい。回路基板200は硬質基板又は軟質基板である。回路基板200は、例えば、ガラス、プリント基板、ポリイミド(Polyimide)、シリコン基板等を含む。本発明は、発光ダイオードL1、発光ダイオードL2及び発光ダイオードL3が同一第2転置基盤TS2から回路基板200に同時に転置することに限定していない。その他の実施例において、発光ダイオードL1、発光ダイオードL2及び発光ダイオードL3はそれぞれ各自の第2転置基盤TS2から回路基板200に転置することができる。
【0051】
本実施例において、回路基板200は複数のパッドPを含む。各発光ダイオードL1、L2、L3の位置は回路基板200の2つのパッドPに対応する。いくつかの実施例において、パッドPは回路基板200における能動素子(未図示)又は信号線(未図示)に電気的に接続されている。いくつかの実施例において、その他の追加の駆動チップ(例えば、マイクロチップ(micro chips))又は駆動回路基板は回路基板200に接合されている。いくつかの実施例において、回路基板200は表示パネル内又はバックライトモジュール内に適用されている。
【0052】
いくつかの実施例において、パッドPのために選定された材料は、金、ニッケル、銅、スズ、インジウム、スズと銀の合金、スズと銅の合金、スズと銀と銅の合金又は前記材料の組合せ又は積み重ねを含む。いくつかの実施例において、パッドPの厚さT5は8μm以下であり、これにより、パッドPが応力によって損害しやすい問題が改善される。
【0053】
いくつかの実施例において、第2転置基盤TS2の基盤SB2は熱伝導材料含む。第2転置基盤TS2を回路基板200に押し付け、続いて、発光ダイオードL1、L2、L3に対して加熱するように、第2転置基盤TS2によって熱を発光ダイオードL1、L2、L3に伝導する。発光ダイオードL1、L2、L3の電極E1、E2における金属層SRはそれぞれ回路基板200の対応するパッドPに接続されている。
【0054】
いくつかの実施例において、基盤SB2は、例えば、ガラス、サファイア又はその他の適切な材料である透明材料を含む。第2転置基盤TS2を回路基板200に押し付け、続いて、発光ダイオードL1、L2、L3に対して加熱するように、レーザーを基盤SB2を通して発光ダイオードL1、L2、L3に照射する。発光ダイオードL1、L2、L3の電極E1、E2における金属層SRはそれぞれ回路基板200の対応するパッドPに接続されている。
【0055】
いくつかの実施例において、パッドPは金属層SRとよりよく共晶接合できる材料が選定され、発光ダイオードL1、L2、L3に対して加熱した後、金属層SRはパッドPに共晶接合され、金属層SRは障壁層BLが対応するパッドPに電気的に接続される。
【0056】
図3Gを参照する。第2転置基盤TS2を取り除く。本実施例において、発光ダイオードL1、L2、L3は異なる色の発光ダイオード(例えば、青色、緑色及び赤色)を含むが、本発明はこれに限定されない。その他の実施例において、単一色の発光ダイオードL1のみを回路基板200に転置し、その他の色の変換素子(例えば、量子ドット(Quantum dot)材料又は蛍光体(Phosphor)材料等)を介して発光ダイオードL1が発する光線をその他の色の光線に変換する。言い換えれば、その他の実施例において、発光ダイオードL2、L3の形成及び発光ダイオードL2、L3の移動ステップを省略することができる。
【0057】
要するに、障壁層BLは金属層SRにおける金属元素が第1導電層C1に拡散することを遮断することができ、これにより、金属層SRと第1導電層C1との接着性がよくなく、反応して金属間化合物を生成できないため、金属層SRと第1導電層C1との間に裂け目が生じることが回避される。これにより、発光ダイオードL1、L2、L3をよりよくパッドPに接合させることができる。また、発光ダイオードL1、L2、L3の電極E1、E2に金属層SRが含まれるため、回路基板200にソルダーボール又は導電接着剤を設置する必要がなく、発光ダイオードL1、L2、L3を回路基板200に接合することができる。
【0058】
図4A~
図4Dは本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図である。
【0059】
図4Aを参照する。発光ダイオードL1が成長基板100(
図3Aに示すように)に形成された後、成長基板100の複数の発光ダイオードL1を成長基板100から第1転置基盤TS1に転置する。
【0060】
本実施例において、第1転置基盤TS1は基盤SB1及び粘着層AD1を含む。本実施例において、基盤SB1は、材料が、例えば、ガラス、サファイア又はその他の適切な材料である透明基盤である。成長基板100を第1転置基盤TS1に移動し、成長基板100の発光ダイオードL1を第1転置基盤TS1に向けさせ、続いて、レーザーリフトオフ(Laser lift off)法によって複数の発光ダイオードL1を成長基板100から第1転置基盤TS1の粘着層AD1に転置する。
【0061】
本実施例において、第1転置基盤TS1の発光ダイオードL1の間の間隔は成長基板100の発光ダイオードL1の間の間隔にほぼ等しい(即ち、発光ダイオードL1の転置後の間隔は転置前の間隔にほぼ等しい)。
【0062】
本実施例において、発光ダイオードL1の電極E1、E2は発光ダイオードL1の第1転置基盤TS1に向ける一側に位置している。
【0063】
図4Bを参照する。1つ又は複数の発光ダイオードL1を第1転置基盤TS1から第2転置基盤TS2に転置する。第2転置基盤TS2は基盤SB2及び粘着層AD2を含む。いくつかの実施例において、基盤SB2は、例えば、セラミック、金属又はその他の適切な材料である熱伝導材料を含む。いくつかの実施例において、基盤SB2は、例えば、ガラス、サファイア又はその他の適切な材料である透明材料を含む。
【0064】
本実施例において、第1転置基盤TS1の基盤SB1は透明基盤である。第1転置基盤TS1と第2転置基盤TS2とを位置合わせするように、第1転置基盤TS1又は第2転置基盤TS2を移動し、続いて、基盤SB1の一側からレーザーLSを発光ダイオードL1に照射し、レーザー移動(Laser Transfer)法を介して発光ダイオードL1を第1転置基盤TS1から第2転置基盤TS2の粘着層AD2に転置する。
【0065】
本実施例において、レーザーLSによって転置しようとする複数の発光ダイオードL1を選択し、転置した後の発光ダイオードL1の間には間隔Ph3を有する。本実施例において、第2転置基盤TS2の発光ダイオードL1の間の間隔Ph3は第1転置基盤TS1の発光ダイオードL1の間の間隔Ph2より大きい(即ち、発光ダイオードL1の転置後の間隔は転置前の間隔より大きい)。
【0066】
本実施例において、発光ダイオードL1の電極E1、E2は発光ダイオードL1の第2転置基盤TS2に背面する一側に位置している。
【0067】
図4Cを参照する。
図4Aと
図4Bに類似する方法で1つ又は複数の発光ダイオードL2を第2転置基盤TS2に移動する。発光ダイオードL2は半導体積層SM2及び電極E1、E2を含む。発光ダイオードL2の構造は
図1の発光ダイオードL又は
図2の発光ダイオードLaに類似する。関連する説明は
図1と
図2を参照する。
【0068】
図4Dを参照する。
図4Aと
図4Bに類似する方法で1つ又は複数の発光ダイオードL3を第2転置基盤TS2に移動する。発光ダイオードL3は半導体積層SM3及び電極E1、E2を含む。発光ダイオードL3の構造は
図1の発光ダイオードL又は
図2の発光ダイオードLaに類似する。関連する説明は
図1と
図2を参照する。
【0069】
本実施例において、発光ダイオードL1、発光ダイオードL2及び発光ダイオードL3はそれぞれ青色発光ダイオード、緑色発光ダイオード及び赤色発光ダイオードである。本実施例において、発光ダイオードL1、発光ダイオードL2及び発光ダイオードL3は順に第2転置基盤TS2に転置するが、本発明は発光ダイオードL1、発光ダイオードL2及び発光ダイオードL3が第2転置基盤TS2に転置する順番を限定していない。発光ダイオードL1、発光ダイオードL2及び発光ダイオードL3が第2転置基盤TS2に転置する順番は実際の需要に応じて調整することができる。
【0070】
発光ダイオードL1、L2、L3を第2転置基盤TS2に移動した後、
図3Fと
図3Gに類似するプロセスで発光ダイオードL1、L2、L3を回路基板200に接合する。関連する説明は
図3Fと
図3Gの関連する段落を参照し、ここで繰り返して説明しない。
【0071】
要するに、障壁層BLは金属層SRにおける金属元素を第1導電層C1に拡散することを遮断することができ、これにより、金属層SRと第1導電層C1との接着性がよくなく、反応して金属間化合物を生成できないため、金属層SRと第1導電層C1との間に裂け目が生じることが回避される。これにより、発光ダイオードL1、L2、L3をパッドPによりよく接合させることができる。
【0072】
図5A~
図5Eは本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図である。
【0073】
図5Aを参照する。複数の発光ダイオードL1が成長基板100aに形成される。本実施例において、成長基板100aは基盤102及びテザー構造104を含む。いくつかの実施例において、犠牲層(未図示)及びテザー構造104を基盤102に形成し、続いて、テザー構造104を接続する発光ダイオードL1を形成し、その後、発光ダイオードL1と基盤102との間に隙間を有させるように犠牲層を取り除く。犠牲層を取り除いた後、発光ダイオードL1は成長基板100aのテザー構造104に固定されている。
【0074】
本実施例において、各発光ダイオードL1は半導体積層SM1及び2つの電極E1、E2を含む。2つの電極E1、E2は半導体積層SM1に形成されている。発光ダイオードL1の構造は
図1の発光ダイオードL又は
図2の発光ダイオードLaに類似する。関連する説明は
図1と
図2を参照する。
【0075】
本実施例において、発光ダイオードL1の電極E1、E2は発光ダイオードL1の基盤102に背面する一側に位置している。
【0076】
移動装置TDで1つ又は複数の発光ダイオードL1を持ち上げる。発光ダイオードL1を成長基板100aから持ち上げる時、テザー構造104は力によって壊れる。いくつかの実施例において、一部の壊れたテザー構造104’は持ち上げられる発光ダイオードL1に残され、他部の壊れたテザー構造104”は基盤102に残されるが、本発明はこれに限定されない。
【0077】
本実施例において、移動装置TDの粘性材料は、例えば、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane、PDMS)等を含み、移動装置TDは移動装置TDと発光ダイオードL1との間のファンデルワールス力を介して発光ダイオードL1を持ち上げる。その他の実施例において、移動装置TDは、例えば、真空吸着力又は静電気等のその他の方法で発光ダイオードL1を持ち上げる。
【0078】
図5Bを参照する。移動装置TDを介して1つ又は複数の発光ダイオードL1を第1転置基盤TS1に転置する。第1転置基盤TS1は基盤SB1及び粘着層AD1を含む。いくつかの実施例において、基盤SB1は、例えば、セラミック、金属又はその他の適切な材料である熱伝導材料を含む。いくつかの実施例において、基盤SB1は、例えば、ガラス、サファイア又はその他の適切な材料である透明材料を含む。
【0079】
発光ダイオードL1を第1転置基盤TS1の粘着層AD1に固定させ、続いて、移動装置TDを取り除く。
【0080】
いくつかの実施例において、複数の発光ダイオードL1を第1転置基盤TS1に転置し、第1転置基盤TS1の発光ダイオードL1の間の間隔は成長基板100の発光ダイオードL1の間の間隔より大きい(即ち、発光ダイオードL1の転置後の間隔は転置前の間隔より大きい)。
【0081】
本実施例において、発光ダイオードL1の電極E1、E2は発光ダイオードL1の第1転置基盤TS1に背面する一側に位置している。
【0082】
図5Cを参照する。
図5Aと
図5Bに類似する方法を介して発光ダイオードL2、L3を形成し、発光ダイオードL2、L3を第1転置基盤TS1に転置する。
【0083】
図5Dを参照する。第1転置基盤TS1を反転し、発光ダイオードL1、L2、L3を第1転置基盤TS1から回路基板200に転置する。本実施例において、第1転置基盤TS1の発光ダイオードL1、L2、L3の間の間隔は、回路基板200の発光ダイオードL1、L2、L3の間の間隔にほぼ等しい。
【0084】
本実施例において、回路基板200は複数のパッドPを含む。パッドPは回路基板200における能動素子(未図示)又は信号線(未図示)に電気的に接続されている。各発光ダイオードL1、L2、L3の位置は回路基板200の2つのパッドPに対応している。
【0085】
いくつかの実施例において、パッドPが選定された材料は、金、ニッケル、銅、スズ、インジウム、スズと銀の合金、スズと銅の合金、スズと銀と銅の合金又は前記材料の組合せを含む。いくつかの実施例において、パッドPの厚さT5は8μm以下であるため、パッドPが応力によって損害しやすい問題が改善される。
【0086】
いくつかの実施例において、第1転置基盤TS1の基盤SB1は熱伝導材料含む。第1転置基盤TS1を回路基板200に押し付け、続いて、発光ダイオードL1、L2、L3に対して加熱するように、第1転置基盤TS1によって熱を発光ダイオードL1、L2、L3に伝導する。発光ダイオードL1、L2、L3の電極E1、E2における金属層SRはそれぞれ回路基板200の対応するパッドPに接続されている。
【0087】
いくつかの実施例において、基盤SB1は、例えば、ガラス、サファイア又はその他の適切な材料である透明材料を含む。第1転置基盤TS1を回路基板200に押し付け、続いて、発光ダイオードL1、L2、L3に対して加熱するように、レーザーを、基盤SB1を通して発光ダイオードL1、L2、L3に照射する。発光ダイオードL1、L2、L3の電極E1、E2における金属層SRはそれぞれ回路基板200の対応するパッドPに接続されている。本実施例において、発光ダイオードL1、L2、L3を加熱する方法はシングルポイントレーザー、平面レーザー又はリニアレーザーを含む。その他の実施例において、発光ダイオードL1、L2、L3を加熱する方法は伝導加温を含む。
【0088】
いくつかの実施例において、パッドPは金属層SRとよりよく共晶接合できる材料を選定し、発光ダイオードL1、L2、L3に対して加熱した後、金属層SRはパッドPに共晶接合され、金属層SRは障壁層BLを対応するパッドPに電気的に接続している。
【0089】
本実施例において、第2転置基盤を使用することは必要ではなく、発光ダイオードL1、L2、L3を回路基板200に転置することができる。
【0090】
【0091】
要するに、障壁層BLは金属層SRにおける金属元素を第1導電層C1に拡散することを遮断することができ、これにより、金属層SRと第1導電層C1との接着性がよくなく、反応して金属間化合物を生成できないため、金属層SRと第1導電層C1との間に裂け目が生じることが回避される。これにより、発光ダイオードL1、L2、L3をパッドPによりよく接合させることができる。また、発光ダイオードL1、L2、L3の電極E1、E2に金属層SRが含まれるため、回路基板200にソルダーボール又は導電接着剤を設置する必要がなく、発光ダイオードL1、L2、L3を回路基板200に接合することができる。
【0092】
図6A~
図6Cは本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図である。
【0093】
図6Aを参照する。複数の発光ダイオードL1が成長基板100aに形成される。本実施例において、成長基板100aは基盤102及びテザー構造104を含む。いくつかの実施例において、犠牲層(未図示)及びテザー構造104を基盤102に形成し、続いて、テザー構造104に接続する発光ダイオードL1を形成し、その後、発光ダイオードL1と基盤102との間に隙間を有させるように犠牲層を取り除く。犠牲層を取り除いた後、発光ダイオードL1は成長基板100aのテザー構造104に固定されている。
【0094】
本実施例において、各発光ダイオードL1は半導体積層SM1及び2つの電極E1、E2を含む。2つの電極E1、E2は半導体積層SM1に形成されている。発光ダイオードL1の構造は
図1の発光ダイオードL又は
図2の発光ダイオードLaに類似する。関連する説明は
図1と
図2を参照する。
【0095】
本実施例において、発光ダイオードL1の電極E1、E2は発光ダイオードL1の基盤102に面する一側に位置している。
【0096】
移動装置TDで1つ又は複数の発光ダイオードL1を持ち上げる。発光ダイオードL1を成長基板100aから持ち上げる時、テザー構造104は力によって壊れる。いくつかの実施例において、一部の壊れたテザー構造104’は持ち上げられた発光ダイオードL1に残され、他部の壊れたテザー構造104”は基盤102に残されるが、本発明はこれに限定されない。
【0097】
本実施例において、移動装置TDの粘性材料は、例えば、ポリジメチルシロキサン等を含み、移動装置TDは移動装置TDと発光ダイオードL1との間のファンデルワールス力を介して発光ダイオードL1を持ち上げる。その他の実施例において、移動装置TDは、例えば、真空吸着力又は静電気等のその他の方法で発光ダイオードL1を持ち上げる。
【0098】
図6Bを参照する。移動装置TDを介して発光ダイオードL1を回路基板200に転置する。
【0099】
本実施例において、回路基板200は複数のパッドPを含む。パッドPは回路基板200における能動素子(未図示)又は信号線(未図示)に電気的に接続されている。各発光ダイオードL1の位置は回路基板200の2つのパッドPに対応している。
【0100】
いくつかの実施例において、パッドPが選定された材料は、金、ニッケル、銅、スズ、インジウム、スズと銀の合金、スズと銅の合金、スズと銀と銅の合金又は前記材料の組合せを含む。いくつかの実施例において、パッドPの厚さT5は8μm以下であるため、パッドPが応力によって損害しやすい問題を改善する。
【0101】
図6Cを参照する。
図6Aと
図6Bに類似する方法を介して発光ダイオードL2、L3を形成し、発光ダイオードL2、L3を回路基板200に転置する。
【0102】
発光ダイオードL1、L2、L3の金属層SRをパッドPに共晶接合させるように、発光ダイオードL1、L2、L3を加熱する。
【0103】
要するに、障壁層BLは金属層SRにおける金属元素を第1導電層C1に拡散することを遮断することができ、これにより、金属層SRと第1導電層C1との接着性がよくなく、反応して金属間化合物を生成できないため、金属層SRと第1導電層C1との間に裂け目が生じることが回避される。これにより、発光ダイオードL1、L2、L3をパッドPによりよく接合させることができる。また、発光ダイオードL1、L2、L3の電極E1、E2に金属層SRが含まれるため、回路基板200にソルダーボール又は導電接着剤を設置する必要がなく、発光ダイオードL1、L2、L3を回路基板200に接合することができる。
【0104】
図7A~
図7Fは本発明の一実施例に基づく表示装置の製造方法の断面図である。
【0105】
図7Aを参照する。複数の発光ダイオードL1が成長基板100aに形成される。本実施例において、成長基板100aは基盤102及びテザー構造104を含む。いくつかの実施例において、犠牲層(未図示)及びテザー構造104が基盤102に形成され、続いて、テザー構造104に接続する発光ダイオードL1が形成され、その後、発光ダイオードL1と基盤102との間に隙間を有させるように犠牲層を取り除く。犠牲層を取り除いた後、発光ダイオードL1は成長基板100aのテザー構造104に固定される。
【0106】
本実施例において、各発光ダイオードL1は半導体積層SM1及び2つの電極E1、E2を含む。2つの電極E1、E2は半導体積層SM1に形成されている。発光ダイオードL1の構造は
図1の発光ダイオードL又は
図2の発光ダイオードLaに類似する。関連する説明は
図1と
図2を参照する。
【0107】
本実施例において、発光ダイオードL1の電極E1、E2は発光ダイオードL1の基盤102に面する一側に位置している。
【0108】
移動装置TDで1つ、複数又は全部の発光ダイオードL1を持ち上げる。発光ダイオードL1を成長基板100aから持ち上げる時、テザー構造104は力によって壊れる。いくつかの実施例において、一部の壊れたテザー構造104’は持ち上げられた発光ダイオードL1に残され、他部の壊れたテザー構造104”は基盤102に残されるが、本発明はこれに限定されない。
【0109】
本実施例において、移動装置TDの粘性材料は、例えば、ポリジメチルシロキサン等を含み、移動装置TDは移動装置TDと発光ダイオードL1との間のファンデルワールス力を介して発光ダイオードL1を持ち上げる。その他の実施例において、移動装置TDは、例えば、真空吸着力又は静電気等のその他の方法で発光ダイオードL1を持ち上げる。
【0110】
図7Bを参照する。移動装置TDを介して発光ダイオードL1を第1転置基盤TS1に転置する。
【0111】
本実施例において、第1転置基盤TS1は基盤SB1及び粘着層AD1を含む。いくつかの実施例において、第1転置基盤TS1はテープであり、基盤SB1は軟質材料を含む。いくつかの実施例において、第1転置基盤TS1はテープであり、基盤SB1を含まず、粘着層AD1は基盤SB1に固定されず、その他の支持構造(例えば、金属環)によって固定される。いくつかの実施例において、基盤SB1は透明基盤であり、材料は、例えば、ガラス、サファイア又はその他の適切な材料である。
【0112】
本実施例において、一部の発光ダイオードL1を第1転置基盤TS1に転置し、他部の発光ダイオードL1は成長基板100aに残される。本実施例において、発光ダイオードL1の電極E1、E2は発光ダイオードL1の第1転置基盤TS1に向ける一側に位置している。
【0113】
図7Aと
図7Bを参照する。いくつかの実施例において、第1転置基盤TS1の発光ダイオードL1の間の間隔Ph2は成長基板100の発光ダイオードL1の間の間隔Ph1以上(即ち、発光ダイオードL1の転置後の間隔は転置前の間隔以上である)である。
【0114】
図7Cを参照する。そのうち1つ、複数又は全部の発光ダイオードL1を第1転置基盤TS1から第2転置基盤TS2に転置する。第2転置基盤TS2は基盤SB2及び粘着層AD2を含む。いくつかの実施例において、基盤SB2は、例えば、セラミック、金属又はその他の適切な材料である熱伝導材料を含む。いくつかの実施例において、基盤SB2は、例えば、ガラス、サファイア又はその他の適切な材料である透明材料を含む。
【0115】
本実施例において、第1転置基盤TS1の基盤SB1は透明基盤である。第1転置基盤TS1を第2転置基盤に移動した後、基盤SB1の一側からレーザーLSを発光ダイオードL1に照射し、レーザー移動法を介して少なくとも一部の発光ダイオードL1を第1転置基盤TS1から第2転置基盤TS2の粘着層AD2に転置する。
【0116】
その他の実施例において、第1転置基盤TS1はテープを含み、粘着層AD2の粘性は粘着層AD1(又は前記テープ)の粘性より大きい。第2転置基盤TS2を第1転置基盤TS1の発光ダイオードL1に貼り合わせた後、第1転置基盤TS1を取り除く。粘着層AD2の粘性は粘着層AD1の粘性より大きいため、第1転置基盤TS1を取り除いた後、発光ダイオードL1は第2転置基盤TS2に残される。
【0117】
本実施例において、一部の発光ダイオードL1を第2転置基盤TS2に転置し、他部の発光ダイオードL1は第1転置基盤TS1に残されるが、本発明はこれに限定されない。その他の実施例において、第1転置基盤TS1の発光ダイオードL1の全部は第2転置基盤TS2に転置される。
【0118】
本実施例において、発光ダイオードL1の電極E1、E2は発光ダイオードL1の第2転置基盤TS2に背面する一側に位置している。
【0119】
図7Dを参照する。
図7A~
図7Cに類似する方法で1つ又は複数の発光ダイオードL2、L3を第2転置基盤TS2に移動する。発光ダイオードL2は半導体積層SM2及び電極E1、E2を含み、発光ダイオードL3は半導体積層SM3及び電極E1、E2を含む。発光ダイオードL2、L3の構造は
図1の発光ダイオードL又は
図2の発光ダイオードLaに類似する。関連する説明は
図1と
図2を参照する。
【0120】
図7Eを参照する。発光ダイオードL1、L2、L3を第2転置基盤TS2から回路基板200に転置する。本実施例において、第2転置基盤TS2の発光ダイオードL1、L2、L3の間の間隔は、回路基板200の発光ダイオードL1、L2、L3の間の間隔にほぼ等しい。
【0121】
本実施例において、回路基板200は複数のパッドPを含む。パッドPは回路基板200における能動素子(未図示)又は信号線(未図示)に電気的に接続されている。各発光ダイオードL1、L2、L3の位置は回路基板200の2つのパッドPに対応している。
【0122】
いくつかの実施例において、パッドPが選定された材料は、金、ニッケル、銅、スズ、インジウム、スズと銀の合金、スズと銅の合金、スズと銀と銅の合金又は前記材料の組合せを含む。いくつかの実施例において、パッドPの厚さT5が8μm以下であるため、パッドPが応力によって損害しやすい問題を改善する。
【0123】
いくつかの実施例において、第2転置基盤TS2の基盤SB2は熱伝導材料含む。第2転置基盤TS2を回路基板200に押し付け、続いて、発光ダイオードL1、L2、L3に対して加熱するように、第2転置基盤TS2によって熱を発光ダイオードL1、L2、L3に伝導する。発光ダイオードL1、L2、L3の電極E1、E2における金属層SRはそれぞれ回路基板200の対応するパッドPに接続されている。
【0124】
いくつかの実施例において、基盤SB2は、例えば、ガラス、サファイア又はその他の適切な材料である透明材料を含む。第2転置基盤TS2を回路基板200に押し付け、続いて、発光ダイオードL1、L2、L3に対して加熱するように、レーザーを、基盤SB2を通して発光ダイオードL1、L2、L3に照射する。発光ダイオードL1、L2、L3の電極E1、E2における金属層SRはそれぞれ回路基板200の対応するパッドPに接続されている。
【0125】
いくつかの実施例において、パッドPは金属層SRとよりよく共晶接合できる材料を選定し、発光ダイオードL1、L2、L3に対して加熱した後、金属層SRはパッドPに共晶接合され、金属層SRは障壁層BLを対応するパッドPに電気的に接続している。
【0126】
【0127】
要するに、障壁層BLは金属層SRにおける金属元素を第1導電層C1に拡散することを遮断することができ、これにより、金属層SRと第1導電層C1との接着性がよくなく、反応して金属間化合物を生成できないため、金属層SRと第1導電層C1との間に裂け目が生じることが回避される。これにより、発光ダイオードL1、L2、L3をパッドPによりよく接合させることができる。また、発光ダイオードL1、L2、L3の電極E1、E2に金属層SRが含まれるため、回路基板200にソルダーボール又は導電接着剤を設置する必要がなく、発光ダイオードL1、L2、L3を回路基板200に接合することができる。
【0128】
図8Aと
図8Bは本発明の一実施例に基づく表示装置を修復する方法の断面図である。
【0129】
図8Aを参照する。上記いずれかの実施例の方法で発光ダイオードL1、L2、L3を回路基板200に転置した後、発光ダイオードL1、L2、L3を検査する。本実施例において、発光ダイオードL2は正常に発光することができない。例を挙げると、発光ダイオードL2は移動過程中にパッドPに正確に位置合わせできず又は加熱過程中にパッドPに正確に接合されていないことにより、発光ダイオードL2が正常に発光できないことになる。いくつかの実施例において、発光ダイオードL2の自身の故障により、発光ダイオードL2が正常に発光できないことになる。
【0130】
本実施例において、レーザーLSを利用し発光ダイオードL2を回路基板200から取り除くことができる。しかし、本発明はこれに限定されず、その他の実施例において、発光ダイオードL2は加熱又はピックアンドプレイスモジュール等の方法で取り除くことができる。
【0131】
いくつかの実施例において、発光ダイオードL2を回路基板200から取り除いた後、発光ダイオードL2の金属層SRの一部は回路基板200のパッドPに残される。例を挙げると、発光ダイオードL2に対してレーザーを照射し又は加熱することにより、発光ダイオードL2の電極E1、E2における金属層SRを熔解させた後、発光ダイオードL2を取り除く。一部の熔解した金属層SRbはパッドPに残され、他部の金属層SRaは発光ダイオードL2と共に持ち上げられる。
【0132】
図8Bを参照し、発光ダイオードL2’は回路基板200のパッドPに転置する。発光ダイオードL2’の構造は
図1の発光ダイオードL又は
図2の発光ダイオードLaに類似する。関連する説明は
図1と
図2を参照する。発光ダイオードL2’と発光ダイオードL2は同じ色の発光ダイオードであり、発光ダイオードL2’と発光ダイオードL2はいずれも半導体積層SM2を含む。
【0133】
本実施例において、レーザーLSによって基盤PDから発光ダイオードL2’を回路基板200のパッドPに選択的に転置する。本実施例において、基盤PDは転置基盤であり、基盤PDの表面は粘着層PDaを有する。その他の実施例において、基盤PDは成長基板である。本実施例において、移動装置TD(
図7Aに示すように)又はその他のピックアンドプレース装置を使用して発光ダイオードL2’を回路基板200のパッドPに転置することができる。
【0134】
正常に発光できない発光ダイオードL2を取り除いたため、回路基板200のパッドPの接合可能な特性に影響を与えず、発光ダイオードL2’は元の発光ダイオードL2に対応するパッドPを直接利用し、回路基板200に電気的に接続されることができる。続いて、発光ダイオードL2’の金属層SRを元の発光ダイオードL2に対応するパッドPに電気的に接続させるように、回路基板200のパッドP及び/又は発光ダイオードL2’の電極E1、E2をレーザーによって照射し又は加熱する。いくつかの実施例において、発光ダイオードL2’の金属層SRは発光ダイオードL2のパッドPに残した金属層SRbと互いに融合することができる。
【0135】
本実施例において、発光ダイオードL2’は元の発光ダイオードL2に対応するパッドPに置かれたが、本発明はこれに限定されない。その他の実施例において、発光ダイオードL2’は元の発光ダイオードL2に対応するパッドPの周りのその他の修復用の冗長性パッド(redundancy pad、未図示)に置かれ、発光ダイオードL2’を冗長性パッドによって回路基板200におけるその他の素子に電気的に接続させる。
【0136】
本実施例において、修復用の発光ダイオードL2’の電極E1、E2に金属層SRが含まれるため、回路基板200にソルダーボール又は導電接着剤を追加的に形成する必要がなく、発光ダイオードL2’を回路基板200に接合することができる。また、回路基板200にソルダーボール又は導電接着剤を追加的に形成する必要がないため、修復プロセスは追加的に形成されたソルダーボール又は導電接着剤によってオフセットして失敗することができない。言い換えれば、発光ダイオードL2’の金属層SRは修復プロセスの歩留まりと精度を向上させる。
【0137】
本実施例において、発光ダイオードL1、L2、L3は異なる色の発光ダイオード(例えば、青色、緑色及び赤色)を含むが、本発明はこれに限定されない。その他の実施例において、発光ダイオードL1、L2、L3、L2’は同じ色の発光ダイオードを含み、その他の色の変換素子(例えば、量子ドット(Quantum dot)材料又は蛍光体(Phosphor)材料等)を介して発光ダイオードL1、L2、L3、L2’が発する光線をその他の色の光線に変換する。
【0138】
以上をまとめると、本発明の発光ダイオードの電極は第1導電層、障壁層及び金属層を含む。障壁層は金属層における金属元素を第1導電層に拡散することを遮断することができ、これにより、金属層と第1導電層との接着性がよくなく、反応して金属間化合物を生成できないため、金属層と第1導電層との間に裂け目が生じることが回避される。これにより、発光ダイオードをパッドによりよく接合させることができる。また、発光ダイオードの電極に金属層が含まれるため、回路基板にソルダーボール又は導電接着剤を設置する必要がなく、発光ダイオードを回路基板に接合することができる。要するに、発光ダイオードとパッドの接合プロセス後、検査によって不良な発光ダイオードを発見した場合、不良な発光ダイオードのメンテナンスと再接合に対し、電極に金属層が含まれた発光ダイオードを使用することによって簡単、正確にメンテナンスすることができる。
【符号の説明】
【0139】
10、20 発光ダイオード基板
100、100a 成長基板
102 基盤
104 テザー構造
104’、104” 壊れたテザー構造
110 緩衝層
120 半導体層
130 第1半導体層
140 発光層
150 第2半導体層
160 第3半導体層
200 回路基板
E1、E2 電極
AD1、AD2、PDa 粘着層
BL 障壁層
C1 第1導電層
C2 第2導電層
i 絶縁層
L、La、L1、L2、L2’、L3 発光ダイオード
LS レーザー
P パッド
PD 基盤
Ph1、Ph2、Ph3 間隔
SM、SMa、SM1、SM2、SM3 半導体積層
SR、SRa、SRb 金属層
T1、T1、T2、T3、T4、T5 厚さ
TD 移動装置
TS1 第1転置基盤
TS2 第2転置基盤