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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20241126BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20241126BHJP
【FI】
G06Q40/02
G06Q10/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021164899
(22)【出願日】2021-10-06
(65)【公開番号】P2023055480
(43)【公開日】2023-04-18
【審査請求日】2023-03-29
【審判番号】
【審判請求日】2024-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 顕範
【合議体】
【審判長】松田 直也
【審判官】間野 裕一
【審判官】古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-133879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、金融機関の口座における入出金情報を提供するためのプログラムであって、
前記メモリには、ユーザから受け付けた、前記ユーザが利用する前記金融機関を識別する情報及び前記金融機関の口座を識別する情報が登録され、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記金融機関を識別する情報及び前記金融機関の口座を識別する情報から、前記ユーザごとに、前記金融機関の口座情報を取得するステップと、
前記金融機関の口座に対する、入出金に関する情報を登録するステップと、
登録した前記入出金に関する情報に基づき、前記金融機関の口座の将来における残高を予測するステップと、
前記ユーザの操作により、1または複数の前記口座情報、登録した前記入出金に関する情報、及び予測した前記口座の残高の情報を、前記ユーザに提示するステップと、
前記口座情報を、他の金融機関へ提供するステップと、を実行させ、
前記入出金に関する情報を登録するステップにおいて、過去の前記口座情報における前記入出金に関する情報を読み取り、前記入出金が所定の期間ごとに発生する前記入出金であるか否かを判定し、判定結果に基づき、前記所定の期間ごとに発生する前記入出金に関する情報を登録し、
前記ユーザに提示するステップにおいて、前記入出金に関する情報に基づく前記口座の残高の推移予想を示す予測レポートを生成し、前記ユーザに提示する、プログラム。
【請求項2】
前記入出金に関する情報を登録するステップにおいて、前記ユーザからの入力により、前記金融機関の口座に対する、入出金に関する情報の登録を受け付けて登録する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記ユーザからの入力により、前記金融機関の口座に対する、入出金に関するテキスト情報の登録を受け付け、前記テキスト情報を前記金融機関の口座に対するタグ情報として登録する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ユーザに提示するステップにおいて、1または複数の前記口座情報、前記入出金に関する情報、及び前記口座の残高の情報をそれぞれ集約するアグリゲーションを行い、前記ユーザの選択操作により、各金融機関の情報または集約した情報を、前記ユーザに提示する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ユーザに提示するステップにおいて、前記入出金に関する情報の日付ごとにカレンダーに関連付けて、前記カレンダーと共に前記ユーザに提示する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記ユーザからの入力により、前記カレンダーにおける任意の日付の選択を受け付け、選択された前記日付における前記入出金に関する情報と、予測した前記口座の残高の情報とを、前記ユーザに提示する、請求項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記プログラムは、さらに、
予測した前記口座の残高が不足する場合、前記ユーザに対してアラート通知を行うステップを実行させる、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記プログラムは、さらに、
予測した前記口座の残高が不足する場合、前記ユーザに対して、前記ユーザが利用可能な融資に関する情報を提示するステップを実行させる、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記ユーザが利用可能な融資に関する情報を提示するステップにおいて、前記口座情報を提供した他の金融機関が提供する、前記ユーザが利用可能な融資に関する情報を提示する、請求項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記ユーザが利用可能な融資に関する情報を提示するステップにおいて、前記ユーザに対して、前記ユーザが利用可能な融資の利用申込を受け付ける申込受付手段を提示する、請求項または請求項に記載のプログラム。
【請求項11】
制御部と、記憶部とを備え、金融機関の口座における入出金情報を提供する情報処理装置であって、
前記記憶部には、ユーザから受け付けた、前記ユーザが利用する前記金融機関を識別する情報及び前記金融機関の口座を識別する情報が登録され、
前記制御部は、
前記金融機関を識別する情報及び前記金融機関の口座を識別する情報から、前記ユーザごとに、前記金融機関の口座情報を取得するステップと、
前記金融機関の口座に対する、入出金に関する情報を登録するステップと、
登録した前記入出金に関する情報に基づき、前記金融機関の口座の将来における残高を予測するステップと、
前記ユーザの操作により、1または複数の前記口座情報、登録した前記入出金に関する情報、及び予測した前記口座の残高の情報とを、前記ユーザに提示するステップと、
前記口座情報を、他の金融機関へ提供するステップと、を実行し、
前記入出金に関する情報を登録するステップにおいて、過去の前記口座情報における前記入出金に関する情報を読み取り、前記入出金が所定の期間ごとに発生する前記入出金であるか否かを判定し、判定結果に基づき、前記所定の期間ごとに発生する前記入出金に関する情報を登録し、
前記ユーザに提示するステップにおいて、前記入出金に関する情報に基づく前記口座の残高の推移予想を示す予測レポートを生成し、前記ユーザに提示する、情報処理装置。
【請求項12】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行され、金融機関の口座における入出金情報を提供するための方法であって、
前記メモリには、ユーザから受け付けた、前記ユーザが利用する前記金融機関を識別する情報及び前記金融機関の口座を識別する情報が登録され、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記金融機関を識別する情報及び前記金融機関の口座を識別する情報から、前記ユーザごとに、前記金融機関の口座情報を取得するステップと、
前記金融機関の口座に対する、入出金に関する情報を登録するステップと、
登録した前記入出金に関する情報に基づき、前記金融機関の口座の将来における残高を予測するステップと、
前記ユーザの操作により、1または複数の前記口座情報、登録した前記入出金に関する情報、及び予測した前記口座の残高の情報とを、前記ユーザに提示するステップと、
前記口座情報を、他の金融機関へ提供するステップと、を実行し、
前記入出金に関する情報を登録するステップにおいて、過去の前記口座情報における前記入出金に関する情報を読み取り、前記入出金が所定の期間ごとに発生する前記入出金であるか否かを判定し、判定結果に基づき、前記所定の期間ごとに発生する前記入出金に関する情報を登録し、
前記ユーザに提示するステップにおいて、前記入出金に関する情報に基づく前記口座の残高の推移予想を示す予測レポートを生成し、前記ユーザに提示する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信技術の発展に伴い、銀行等の各種金融機関では、ユーザに対して当該ユーザが保有する口座についての各種情報を、ユーザの端末装置に表示させるサービスが提供されている。
【0003】
このような口座についての各種情報を提供するための技術として、特許文献1には、ユーザが保有する複数の金融機関の口座について、入出金明細及び口座残高の情報を取得し、取得した複数の入出金明細及び口座残高についてユーザごとに集約し、ユーザに提供するシステムについての技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-133879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、入出金明細の情報から、将来の口座残高が不足するおそれがある場合も想定されるが、このような場合に備え、ユーザに対して適切な融資情報を提供することが求められている。一方、融資を行う金融機関(資金提供機関)でも、融資対象者の金融機関の口座における入出金の情報を活用したいというニーズがある。
【0006】
そこで、本開示では、金融機関の口座情報を取得して将来における残高予測を行い、ユーザに情報提供すると共に、他の金融機関へ口座情報を提供する技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、金融機関の口座における入出金情報を提供するためのプログラムが提供される。メモリには、ユーザから受け付けた、ユーザが利用する金融機関を識別する情報及び金融機関の口座を識別する情報が登録される。プログラムは、プロセッサに、金融機関を識別する情報及び金融機関の口座を識別する情報から、ユーザごとに、金融機関の口座情報を取得するステップと、金融機関の口座に対する、入出金に関する情報を登録するステップと、登録した入出金に関する情報に基づき、金融機関の口座の将来における残高を予測するステップと、ユーザの操作により、1または複数の口座情報と、登録した入出金に関する情報と、予測した口座の残高の情報とを、ユーザに提示するステップと、口座情報を、他の金融機関へ提供するステップと、を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態によると、制御部と、記憶部とを備え、金融機関の口座における入出金情報を提供する情報処理装置が提供される。記憶部には、ユーザから受け付けた、ユーザが利用する金融機関を識別する情報及び金融機関の口座を識別する情報が登録される。制御部は、金融機関を識別する情報及び金融機関の口座を識別する情報から、ユーザごとに、金融機関の口座情報を取得するステップと、金融機関の口座に対する、入出金に関する情報を登録するステップと、登録した入出金に関する情報に基づき、金融機関の口座の将来における残高を予測するステップと、ユーザの操作により、1または複数の口座情報と、登録した入出金に関する情報と、予測した口座の残高の情報とを、ユーザに提示するステップと、口座情報を、他の金融機関へ提供するステップと、を実行する。
【0009】
また、本開示の一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行され、金融機関の口座における入出金情報を提供するための方法が提供される。メモリには、ユーザから受け付けた、ユーザが利用する金融機関を識別する情報及び金融機関の口座を識別する情報が登録される。方法は、プロセッサが、金融機関を識別する情報及び金融機関の口座を識別する情報から、ユーザごとに、金融機関の口座情報を取得するステップと、金融機関の口座に対する、入出金に関する情報を登録するステップと、登録した入出金に関する情報に基づき、金融機関の口座の将来における残高を予測するステップと、ユーザの操作により、1または複数の口座情報と、登録した入出金に関する情報と、予測した口座の残高の情報とを、ユーザに提示するステップと、口座情報を、他の金融機関へ提供するステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ユーザから受け付けた、ユーザが利用する金融機関を識別する情報及び金融機関の口座を識別する情報から、ユーザごとに金融機関の口座情報を取得し、登録した入出金に関する情報に基づき残高を予測する。そのため、ユーザが保有する金融機関の入出金管理及び残高管理を容易にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1の口座情報管理システム1の全体の構成を示す図である。
図2】実施の形態1の口座情報管理システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態1の口座情報管理システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図4】サーバ20が記憶するユーザデータベース2021、金融機関口座データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
図5】サーバ20が記憶する入出金データベース2023のデータ構造の例を示す図である。
図6】実施の形態1の口座情報管理システム1による口座登録処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図7】実施の形態1の口座情報管理システム1による入出金情報登録処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図8】実施の形態1の口座情報管理システム1による口座情報提示処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図9】端末装置10に表示する口座情報提示の画面例を示す図である。
図10】端末装置10に表示する残高推移予測の画面例を示す図である。
図11】実施の形態2の口座情報管理システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図12】実施の形態3の口座情報管理システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
<概要>
以下、本開示に係る口座情報管理システムについて説明する。この口座情報管理システムは、金融機関に開設している口座の入出金明細、口座残高等の情報を取得し、口座を開設しているユーザの端末装置に表示して提示するためのシステムである。この口座情報管理システムは、金融機関が提供しているサーバにアクセスし、API(Application Programming Interface)連携等により、金融機関が管理している口座の入出金明細、口座残高等の情報を取得するシステムである。また、本開示に係る口座情報管理システムは、例えばクラウドサーバ等によりWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)によって提供されるシステムであり、この口座情報管理システムのサービスを利用するユーザが、所定の認証によりアクセス可能に構成されている。
【0014】
本開示に係る口座情報管理システムは、特定の金融機関が提供しているシステムのように、1つの(当該)金融機関の口座情報のみが表示されるシステムとは異なり、ユーザが登録している1または複数の金融機関について、口座の入出金明細、口座残高等の情報をそれぞれ取得し、各金融機関の情報を集約するアグリゲーションを行うように構成されている。ユーザは、端末装置の操作により、各金融機関の情報を集約した情報(合計の情報)、または各金融機関の情報を選択して提示させることが可能である。そのため、ユーザが登録している1または複数の金融機関のサーバにそれぞれアクセスし、API連携等により口座情報等をそれぞれ取得するように構成されている。
【0015】
また、本開示に係る口座情報管理システムは、入出金に関する情報を登録するように構成されている。入出金に関する情報とは、例えば、将来発生する予定の入出金に関する情報であり、ユーザからの入力により、金融機関の口座に対する入出金に関する情報の登録を受け付けてもよく、過去の入出金に関する情報から推論して入出金に関する情報を登録するように構成してもよい。この入出金に関する情報は、定期的に(例えば、毎月)発生する入出金、例えば毎月発生する家賃のような出金(支払)の情報や、事業者の場合における定額サービスに対する入金の情報でもよく、不定期に随時発生する各種支払いや入金の情報でもよい。
【0016】
さらに、本開示に係る口座情報管理システムは、金融機関の口座情報の残高と、登録した入出金に関する情報から、将来における口座の残高を予測し、ユーザの端末装置に表示して提示するように構成されている。例えば、現在の残高から、将来発生する入出金の情報による金額を増減させることで、将来における口座の残高を予測する。ユーザは、端末装置の操作により、将来の任意の日付における口座の残高を把握することが可能である。さらにまた、本開示に係る口座情報管理システムは、予測による口座の残高が不足する場合、ユーザに対して適切な融資情報を提供できるように構成されている。
【0017】
また、本開示に係る口座情報管理システムは、ユーザの口座情報を、他の金融機関へ提供するように構成されている。融資を行う金融機関(資金提供機関)では、融資対象者の金融機関の口座における入出金の情報を活用したいというニーズがある。そのため、この口座情報管理システムは、このような構成により、例えば入出金の情報に基づく適切な与信審査が可能な構成となっている。
【0018】
上記のような構成により、ユーザが保有する金融機関の入出金管理及び残高管理を容易にし、この口座情報管理システムをユーザが選択するインセンティブを高めることを可能にしている。
【0019】
<第1の実施の形態>
以下、口座情報管理システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0020】
<1 口座情報管理システム1の全体構成>
図1は、実施の形態1の口座情報管理システム1の全体の構成を示す図である。図1に示すように、口座情報管理システム1は、複数の端末装置(図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20と、金融機関サーバ30とを含む。端末装置10とサーバ20と金融機関サーバ30とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。
【0021】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用して口座情報管理システム1の機能である、金融機関に開設している口座の入出金明細、口座残高等の情報を参照する者(個人でもよく、法人の担当者等でもよい)をいう。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0022】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0023】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0024】
サーバ20は、ユーザが金融機関に開設している口座の識別情報(口座番号等)、口座情報、入出金情報を管理する装置である。サーバ20は、1または複数の金融機関が提供しているサーバにアクセスし、口座の識別情報からAPI連携等により、金融機関が管理している口座の入出金明細、口座残高等の情報を取得し、端末装置10へ送信する。サーバ20は、端末装置10から送信された、またはサーバ20が推論することにより、口座の入出金に関する情報を登録する。また、サーバ20は、入出金に関する情報から将来における口座の残高を予測し、端末装置10へ送信する。
【0025】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0026】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0027】
金融機関サーバ30は、銀行等の金融機関により提供されるサーバ装置であり、ユーザが使用している金融機関口座(例えば、普通預金口座または当座預金口座)として口座情報管理システム1に登録している、金融機関口座の各種データを管理する。金融機関サーバ30は、例えば所定のAPI等を介して、口座情報の参照要求を受け付けると、所定の認証が行われ、正当なデータである場合に該当するユーザの金融機関口座の情報を送信する。金融機関サーバ30は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。
【0028】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1の口座情報管理システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131及びマウス132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、ディスプレイ150と、記憶部160と、制御部170とを含む。端末装置10は、図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0029】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0030】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0031】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部170へ与える。
【0032】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、マウス132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0033】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部170へ出力する。
【0034】
マウス132は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス132は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部170へ出力する。
【0035】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部170へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0036】
ディスプレイ150は、制御部170の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ150は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0037】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部160は、ユーザ情報161を記憶する。
【0038】
ユーザ情報161は、端末装置10を使用して口座情報管理システム1の機能である金融機関に開設している口座の入出金明細、口座残高等の情報を参照する、個人または法人であるユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、ユーザの氏名または名称等が含まれる。
【0039】
制御部170は、記憶部160に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部170は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションである。制御部170は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部171と、送受信部172と、データ処理部173と、通知制御部174としての機能を発揮する。
【0040】
入力操作受付部171は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0041】
送受信部172は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0042】
データ処理部173は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0043】
通知制御部174は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部174は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0044】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、実施の形態1の口座情報管理システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0045】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0046】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、ユーザデータベース2021と、金融機関口座データベース2022と、入出金データベース2023等を記憶する。
【0047】
ユーザデータベース2021は、口座情報管理システム1の管理対象である金融機関の口座を保有するユーザの情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0048】
金融機関口座データベース2022は、口座情報管理システム1の管理対象である金融機関の口座の識別情報、具体的には口座番号等の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0049】
入出金データベース2023は、口座情報管理システム1の管理対象である金融機関の口座における入出金明細の情報、及び登録された入出金に関する情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0050】
制御部203は、サーバ20のプロセッサ29がプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、金融機関情報登録モジュール2033、口座情報取得モジュール2034、入出金情報登録モジュール2035、口座残高予測モジュール2036、口座情報提示モジュール2037、及び口座情報提供モジュール2038に示す機能を発揮する。
【0051】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0052】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0053】
金融機関情報登録モジュール2033は、口座情報管理システム1のユーザからの端末装置10の入力により、または取得指示により、ユーザが利用している金融機関の口座の識別情報を取得して登録する処理を制御する。金融機関の口座の識別情報とは、具体的には例えば、金融機関を識別する金融機関コード、当該金融機関における支店を識別する支店コード、普通預金、当座預金等の別を示す口座種類、及び口座番号であり、これらの情報により1の金融機関の口座が識別される。また、金融機関情報登録モジュール2033は、ユーザが利用している1または複数の金融機関の口座について、識別情報を取得して登録する。なお、1または複数の金融機関の口座とは、1の金融機関に開設されている複数の口座、及び複数の金融機関に開設されている口座の両方を含む。
【0054】
金融機関情報登録モジュール2033は、ユーザが端末装置10から入力する金融機関の口座の識別情報を受け付けることにより取得してもよく、ユーザが外部のサーバ装置等に登録してある金融機関の口座の識別情報を取得してもよい。ユーザが端末装置10から入力する金融機関の口座の識別情報は、Webページ等による入力フォームに入力した入力情報でもよく、当該金融機関の情報連携により取得してもよい。外部のサーバ装置は、いわゆるSaaSによって提供される、当該金融機関が提供するサービス等でもよい。なお、外部のサーバ装置等により金融機関の口座の識別情報を管理する場合、サーバ20の機能として、金融機関情報登録モジュール2033を備えなくてもよい。
【0055】
金融機関情報登録モジュール2033は、例えば、取得した金融機関の口座の識別情報を、ユーザの識別情報に紐づけて、金融機関口座データベース2022に登録して記憶させる。
【0056】
口座情報取得モジュール2034は、金融機関情報登録モジュール2033が取得した(金融機関口座データベース2022に登録されている)ユーザの金融機関の口座の識別情報から、口座情報管理システム1のユーザごとに、識別情報に対応する口座情報を取得する処理を制御する。口座情報取得モジュール2034が取得する口座情報は、例えば、口座の入出金明細、口座残高等の情報である。口座情報取得モジュール2034は、例えば、ユーザが登録している1または複数の金融機関サーバ30にそれぞれアクセスし、API連携等により口座情報等をそれぞれ取得する。
【0057】
口座情報取得モジュール2034は、1の金融機関の口座情報だけではなく、ユーザが登録している1または複数の金融機関について、それぞれの金融機関サーバ30にアクセスし、入出金明細、口座残高等の口座情報をそれぞれ取得する。また、口座情報取得モジュール2034は、取得した金融機関ごとの口座情報を集約する、アグリゲーションの処理を行う。口座情報取得モジュール2034が行うアグリゲーション処理は、例えば、各金融機関の入出金明細を日付順にソートし、取得した金融機関ごとの残高を合計する処理であるが、これに限られない。
【0058】
口座情報取得モジュール2034は、例えば、取得した金融機関の口座情報を、ユーザの識別情報に紐づけて、入出金データベース2023に登録して記憶させる。
【0059】
入出金情報登録モジュール2035は、ユーザが利用している金融機関の口座に対する入出金に関する情報を取得して登録する処理を制御する。入出金情報登録モジュール2035が登録する入出金に関する情報とは、例えば、金融機関の口座において将来発生する予定の入出金に関する情報であり、発生する予定の日付、入金/出金の別、及びその金額が含まれる。また、複数の金融機関の口座情報が登録されている場合、どの口座に対する入出金に関する情報であるかを示す、口座の識別情報が含まれてもよい。また、入出金に関する情報は、定期的に(例えば、毎月)発生する入出金、例えば毎月発生する家賃のような出金(支払)の情報や、給与のような入金の情報、事業者の場合における定額サービスに対する入金の情報でもよい。この場合、定期的に発生する入出金の情報は、必ずしも同一の金額である必要はなく、公共料金の支払のように使用量に応じて毎回金額が異なるものであってもよい。さらに、入出金に関する情報は、不定期に随時発生する各種支払いや入金の情報でもよい。
【0060】
入出金情報登録モジュール2035は、ユーザからの端末装置10の入力により、金融機関の口座に対する入出金に関する情報の登録を受け付けてもよい。ユーザが端末装置10から入力する入出金に関する情報は、Webページ等による入力フォームに入力した入力情報でもよい。この場合、入力フォームに新たな入出金情報を入力した情報を受け付けてもよく、過去の入出金に関する情報から、例えば同じ入出金が翌月以降も発生する、というように関連付けた入力を受け付けてもよい。また、入出金に関するテキスト情報の登録を受け付け、このテキスト情報を口座の入出金に紐づけるタグ情報として登録してもよい。入出金に関するテキスト情報(登録するタグ情報)とは、例えば、入出金情報を補足するための情報であり、入出金の相手に関する情報や、金額が一定であること/変動すること、当該入出金の予定日が祝祭日になった場合はいつになるのか、等の情報である。
【0061】
また、入出金情報登録モジュール2035は、過去の入出金に関する情報から、この入出金が所定の期間ごとに発生する入出金であるか否かを判定し、入出金に関する情報に関連付けて登録してもよい。具体的には、入出金情報登録モジュール2035は、過去の入出金に関する情報から、同じ入出金が翌月以降も発生する、というような推論を行い、入出金に関する情報に関連付けて登録してもよい。このとき、入出金情報登録モジュール2035は、上記のような過去の入出金に関する情報と将来の入出金に関する情報との対応関係を推論するための機械学習モデルを使用して判定してもよい。このような機械学習モデルは、入出金情報登録モジュール2035の機能として行われた機械学習により生成してもよく、他の装置により機械学習が行われた結果生成された機械学習モデルを取得してもよい。このような機械学習は、所定の教師データを使用した教師あり機械学習により行われてもよく、教師なし機械学習により行われてもよく、ディープラーニングにより行われてもよい。また、入出金情報登録モジュール2035による推定結果と、その後の入出金の状況等からさらなる機械学習を行い、その学習結果をマージするアグリゲーション処理を行ってもよい。
【0062】
入出金情報登録モジュール2035は、例えば、取得した入出金に関する情報を、ユーザの識別情報に紐づけて、入出金データベース2023に登録して記憶させる。
【0063】
口座残高予測モジュール2036は、口座情報取得モジュール2034が取得した金融機関の口座残高について、入出金情報登録モジュール2035が登録した将来発生する予定の入出金に関する情報に基づき、将来の残高を予測する処理を制御する。口座残高予測モジュール2036は、例えば、金融機関の口座残高の金額から、将来発生する予定の入出金に関する金額を増減させ、将来の任意の日付における口座残高の予測金額を算出する残高予測シミュレーションを行ってもよい。このとき、口座残高予測モジュール2036は、ユーザが登録している1または複数の金融機関について、それぞれの入出金に関する情報に基づき、将来の残高を予測し、さらにその合計を算出する。
【0064】
口座残高予測モジュール2036は、例えば、予測した将来の口座残高の情報を、ユーザの識別情報に紐づけて、入出金データベース2023に登録して記憶させる。
【0065】
口座情報提示モジュール2037は、口座情報取得モジュール2034が取得した口座情報(口座の入出金明細、口座残高等の情報)と、入出金情報登録モジュール2035が登録した将来発生する予定の入出金に関する情報と、口座残高予測モジュール2036が予測した将来の口座残高とを、当該ユーザの端末装置10へ送信し、ユーザに提示する処理を制御する。口座情報提示モジュール2037は、ユーザからの端末装置10の入力により、各金融機関の口座情報、入出金に関する情報、予測の口座残高を集約した情報(合計の情報)として提示してもよく、ユーザが選択した金融機関の口座情報、入出金に関する情報、予測の口座残高を提示してもよい。
【0066】
また、口座情報提示モジュール2037は、ユーザからの端末装置10の入力により、任意の日付(過去でもよく、未来でもよい)における、金融機関の口座情報、入出金に関する情報、予測の口座残高を提示してもよい。このとき、任意の日付が過去の日付の場合は、提示する情報は実際の(実績)情報であり、未来の日付の場合は、提示する情報は予測の情報である。
【0067】
さらに、口座情報提示モジュール2037は、口座残高予測モジュール2036による予測結果に基づく、口座の残高の推移予測を示す予測レポートを生成し、ユーザに提示してもよい。この予測レポートは、例えば、所定の期間における口座の残高の推移予測を示すグラフ等であってもよいが、これに限られない。
【0068】
さらにまた、口座情報提示モジュール2037は、ユーザの端末装置10にカレンダーを表示させ、カレンダーの日付ごとに、将来発生する予定の入出金に関する情報と、その日の口座の残高の予測金額を、ユーザに提示してもよい。このとき、口座情報提示モジュール2037は、ユーザからの端末装置10の入力により、カレンダー上で選択された任意の日付(過去でもよく、未来でもよい)における、金融機関の口座情報、入出金に関する情報、予測の口座残高を提示してもよい。
【0069】
口座情報提供モジュール2038は、口座情報取得モジュール2034が取得したユーザの口座情報を、他の金融機関へ提供するため、当該他の金融機関が提供する金融機関サーバ30へ送信する処理を制御する。口座情報提供モジュール2038は、当該他の金融機関が提供する金融機関サーバ30にアクセスし、API連携等により口座情報を送信する。このとき、他の金融機関は1の金融機関に限られず、複数の金融機関であってもよい。この口座情報は、他の金融機関(資金提供機関)で融資を行う場合に、与信情報として活用される。
【0070】
<2 データ構造>
図4は、サーバ20が記憶するユーザデータベース2021、金融機関口座データベース2022のデータ構造の例を示す図である。また、図5は、サーバ20が記憶する入出金データベース2023のデータ構造の例を示す図である。
【0071】
図4に示すように、ユーザデータベース2021のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「氏名/名称」と、項目「住所」と、項目「連絡先1」と、項目「連絡先2」等を含む。
【0072】
項目「ユーザID」は、口座情報管理システム1を使用するユーザ(アカウント登録しているユーザ)それぞれを識別する情報である。
【0073】
項目「氏名/名称」は、口座情報管理システム1を使用するユーザが個人である場合の氏名、またはユーザが法人である場合の法人名称を示す情報である。
【0074】
項目「住所」は、口座情報管理システム1を使用するユーザの住所(所在地)を示す情報である。
【0075】
項目「連絡先1」は、口座情報管理システム1を使用するユーザが登録している自己の連絡先の情報であり、例えば自宅(所在地)の電話番号が格納されている。
【0076】
項目「連絡先2」は、口座情報管理システム1を使用するユーザが登録している自己の連絡先の情報であり、例えば携帯電話の電話番号が格納されている。
【0077】
なお、項目「連絡先1」、「連絡先2」は電話番号に限られず、ユーザに対する連絡手段であればメールアドレス等でもよい。
【0078】
サーバ20は、口座情報管理システム1を利用するユーザの増減に伴って、ユーザデータベース2021のレコードを追加/削除する。
【0079】
金融機関口座データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「口座識別情報」等を含む。
【0080】
項目「ユーザID」は、口座情報管理システム1を使用するユーザ(アカウント登録しているユーザ)それぞれを識別する情報であり、ユーザデータベース2021の項目「ユーザID」に対応している。
【0081】
項目「口座識別情報」は、口座情報管理システム1を使用するユーザが使用している金融機関の口座を一意に定めるための情報であり、具体的には、項目「口座ID」と、項目「金融機関コード」と、項目「支店コード」と、項目「種類」と、項目「口座番号」等を含む。
【0082】
項目「口座ID」は、口座情報管理システム1を使用するユーザが使用している金融機関の口座を識別する情報である。
【0083】
項目「金融機関コード」は、口座情報管理システム1を使用するユーザが使用している金融機関を識別する情報であり、全国銀行協会により各金融機関に割り当てられた4桁のコード情報である。
【0084】
項目「支店コード」は、口座情報管理システム1を使用するユーザが使用している金融機関における支店を識別する情報であり、金融機関ごとに、各本支店に割り当てられた3桁のコード情報である。
【0085】
項目「種類」は、口座情報管理システム1を使用するユーザが使用している金融機関の口座の種類を示す情報であり、例えば、普通預金を示す「普通」、または当座預金を示す「当座」が格納されている。
【0086】
項目「口座番号」は、口座情報管理システム1を使用するユーザが使用している金融機関の口座番号を示す情報であり、例えば、各口座に割り当てられた7桁のコード情報である。
【0087】
サーバ20の金融機関情報登録モジュール2033は、ユーザから、または外部のサーバ装置等から金融機関の口座の識別情報を取得することに伴って、金融機関口座データベース2022の項目「口座識別情報」のレコードを追加する。
【0088】
図5に示すように、入出金データベース2023のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「口座ID」と、項目「入出金詳細情報」等を含む。
【0089】
項目「ユーザID」は、口座情報管理システム1を使用するユーザ(アカウント登録しているユーザ)それぞれを識別する情報であり、ユーザデータベース2021の項目「ユーザID」に対応している。
【0090】
項目「口座ID」は、口座情報管理システム1を使用するユーザが使用している金融機関の口座を識別する情報であり、金融機関口座データベース2022の項目「口座ID」に対応している。
【0091】
項目「入出金詳細情報」は、口座情報管理システム1を使用するユーザの金融機関の口座における実際の入出金を記録した入出金に関する情報、及び将来発生する予定の入出金に関する情報であり、具体的には、項目「日付」と、項目「摘要」と、項目「支払/預り金額」と、項目「差引残高」等を含む。この項目「入出金詳細情報」は、金融機関サーバ30の金融機関において、口座に対する入出金があると日々記録される情報、及び入出金情報登録モジュール2035が登録した将来発生する予定の入出金に関する情報であり、例えば、項目「日付」の順に時系列で、最新の情報がレコードとして追加されるように構成されている。
【0092】
項目「日付」は、口座情報管理システム1を使用するユーザの金融機関の口座における入出金が発生した日付、または将来発生する入出金の予定日付を示す情報である。
【0093】
項目「摘要」は、口座情報管理システム1を使用するユーザの金融機関の口座における入出金に関する内容を示す情報であり、例えば、振込による入出金があったことを示す「振込」、口座振替による入出金があったことを示す「口座振替」等が格納されている。なお、入出金情報登録モジュール2035が登録した将来発生する予定の入出金に関する情報の場合には、予定の情報であることを示す情報(予定)が格納されている。
【0094】
項目「支払/預り金額」は、口座情報管理システム1を使用するユーザの金融機関の口座における入出金の金額を示す情報である。
【0095】
項目「差引残高」は、口座情報管理システム1を使用するユーザの金融機関の口座における、項目「支払/預り金額」に格納された金額の入出金があった後の残高の金額を示す情報である。
【0096】
サーバ20の口座情報取得モジュール2034は、口座情報を取得することに伴って、入出金データベース2023の項目「入出金詳細情報」にレコードを追加する。入出金情報登録モジュール2035は、将来発生する予定の入出金に関する情報を取得することに伴って、入出金データベース2023の項目「入出金詳細情報」にレコードを追加する。
【0097】
<3 動作>
以下、図6ないし図8を参照しながら、第1の実施の形態における口座情報管理システム1による口座登録処理、入出金情報登録処理及び口座情報提示処理について説明する。
【0098】
図6は、実施の形態1の口座情報管理システム1による口座登録処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0099】
ステップS111の前処理として、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザから、口座情報管理システム1のサービスを利用するために必要な認証を行うためのユーザID及びパスワードを入力する操作を受け付ける。送受信部172は、受け付けたユーザID及びパスワード、及びユーザ情報をサーバ20へ送信する。サーバ20は、ユーザID及びパスワードを、通信部201を介して受け付けて当該ユーザのユーザID及びパスワードが正当であることを確認し、所定の認証を行う。正当である場合、サーバ20は、認証完了の情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された認証完了の情報を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた認証完了の情報を、ディスプレイ150に表示させ、ステップS111が開始される。
【0100】
ステップS111において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザからの操作により、金融機関の口座情報を入力する金融機関情報登録画面の表示指示を受け付ける。送受信部172は、受け付けた表示指示を、サーバ20へ送信する。端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された金融機関情報登録画面の表示データを受け付ける。通知制御部174は、受け付けた金融機関情報登録画面の表示データを、ディスプレイ150に表示させる。
【0101】
ステップS121において、サーバ20は、端末装置10から送信された金融機関情報登録画面の表示指示を、通信部201を介して受け付ける。サーバ20は、金融機関情報登録画面の表示データを、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0102】
ステップS112において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザからの操作により、金融機関の口座識別情報、具体的には例えば、金融機関コード、支店コード、口座種類、及び口座番号の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた口座識別情報を、サーバ20へ送信する。
【0103】
ステップS122において、サーバ20の金融機関情報登録モジュール2033は、端末装置10から送信された金融機関の口座識別情報を、通信部201を介して受け付ける。金融機関情報登録モジュール2033は、受け付けた金融機関の口座識別情報を金融機関口座データベース2022に登録する。
【0104】
なお、金融機関情報登録モジュール2033が外部のサーバ装置等にアクセスし、外部のサーバ装置等により金融機関の口座の識別情報を管理する場合、図6に示す口座登録処理は行われない。
【0105】
以上のように、口座情報管理システム1では、ユーザからの入力により、または外部のサーバ装置等から、金融機関の口座識別情報を取得する。これらの情報は、ユーザの金融機関の口座情報を取得するためのもとになる。
【0106】
図7は、実施の形態1の口座情報管理システム1による入出金情報登録処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0107】
ステップS211において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザからの操作により、金融機関の口座に対する入出金に関する情報を登録する入出金情報登録画面を表示する表示指示を受け付ける。送受信部172は、受け付けた表示指示を、サーバ20へ送信する。端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された入出金情報登録画面の表示データを受け付ける。通知制御部174は、受け付けた入出金情報登録画面の表示データを、ディスプレイ150に表示させる。
【0108】
ステップS221において、サーバ20は、端末装置10から送信された、金融機関の口座に対する入出金に関する情報を登録する入出金情報登録画面の表示指示を、通信部201を介して受け付ける。サーバ20は、入出金情報登録画面の表示データを、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0109】
ステップS212において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザからの操作により、入出金に関する情報の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた入出金に関する情報を、サーバ20へ送信する。
【0110】
ステップS222において、サーバ20の入出金情報登録モジュール2035は、端末装置10から送信された入出金に関する情報を、通信部201を介して受け付ける。入出金情報登録モジュール2035は、受け付けた入出金に関する情報を入出金データベース2023に登録する。
【0111】
ステップS223において、サーバ20の口座残高予測モジュール2036は、ステップS222で受け付けた入出金に関する情報に基づき、将来発生する予定の入出金に関する金額を増減させ、将来の任意の日付における口座残高の予測金額を算出する残高予測シミュレーションを行う。
【0112】
以上のように、口座情報管理システム1では、入出金に関する情報に基づき、将来の任意の日付における口座残高の予測金額を算出する。これにより、将来の任意の日付における口座の残高を把握することが可能になる。
【0113】
図8は、実施の形態1の口座情報管理システム1による口座情報提示処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0114】
ステップS311において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザからの操作により、口座情報(口座の入出金明細、口座残高等の情報)、入出金に関する情報、及び口座残高を表示する口座情報画面を表示する表示指示を受け付ける。送受信部172は、受け付けた表示指示を、サーバ20へ送信する。端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された口座情報画面の表示データを受け付ける。通知制御部174は、受け付けた口座情報画面の表示データを、ディスプレイ150に表示させる。
【0115】
ステップS321において、サーバ20は、端末装置10から送信された、口座情報、入出金に関する情報、及び口座残高を表示する口座情報画面の表示指示を、通信部201を介して受け付ける。
【0116】
ステップS322において、サーバ20の口座情報取得モジュール2034は、ユーザが登録している1または複数の金融機関について、それぞれの金融機関サーバ30にアクセスし、API連携等により、入出金明細、口座残高等の口座情報をそれぞれ取得する。口座情報取得モジュール2034は、取得した口座情報を入出金データベース2023に登録する。
【0117】
ステップS323において、サーバ20の口座残高予測モジュール2036は、ステップS322で取得した金融機関の口座残高について、ステップS222で登録した将来発生する予定の入出金に関する情報に基づき、将来の残高を予測する。ステップS323では、例えば、金融機関の口座残高の金額から、将来発生する予定の入出金に関する金額を増減させ、将来の任意の日付における口座残高の予測金額を算出する残高予測シミュレーションを行う。口座残高予測モジュール2036は、取得した入出金に関する情報を、入出金データベース2023に登録する。
【0118】
ステップS324において、サーバ20の口座情報提示モジュール2037は、ステップS322で取得した金融機関の口座残高と、ステップS222で登録した将来発生する予定の入出金に関する情報と、ステップS323で予測した将来の口座残高予測とを、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0119】
ステップS314において、端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された金融機関の口座残高、将来発生する予定の入出金に関する情報、及び将来の口座残高予測を受け付ける。通知制御部174は、受け付けたこれらの情報を、ディスプレイ150に表示させる。
【0120】
以上のように、口座情報管理システム1では、ユーザの口座情報(口座の入出金明細、口座残高等の情報)と、将来発生する予定の入出金に関する情報と、将来の口座残高予測とを、ユーザに提示する。これにより、将来の任意の日付における口座の残高を容易に把握することが可能になる。
【0121】
<4 画面例>
以下、図9及び図10を参照しながら、口座情報管理システム1による口座情報提示処理における口座情報提示及び残高推移予測の画面例について説明する。
【0122】
図9は、端末装置10に表示する口座情報提示の画面例を示す図である。図9の画面例は、口座情報取得モジュール2034が取得した口座情報(口座の入出金明細、口座残高等の情報)と、入出金情報登録モジュール2035が登録した将来発生する予定の入出金に関する情報と、口座残高予測モジュール2036が予測した将来の口座残高とが表示された画面例を示す。図8のステップS314に相当する。
【0123】
図9に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、口座情報、予定の入出金に関する情報、及び予測される将来の口座残高を表示する画面として、現在の口座残高を示す口座残高表示欄1031aと、金融機関の口座識別情報を示す口座番号等表示欄1031bと、入出金情報(未来の日付の場合は予定の入出金に関する情報)を示す入出金表示欄1031cと、任意の日付における口座残高(未来の日付の場合は予測の)を示す口座予測残高表示欄1031dとが表示されている。口座番号等表示欄1031bに表示される口座番号等の情報は、金融機関口座データベース2022に格納されている口座の識別情報であり、図9に示す口座情報提示は当該金融機関の口座情報等である。
【0124】
図9に示す画面において、所定の操作により、複数の金融機関についての情報をアグリゲートして表示させるように指示すると、口座残高表示欄1031a、入出金表示欄1031c、及び口座予測残高表示欄1031dには、複数の金融機関について集約された情報が表示される。このとき、複数の金融機関のうちの一部の金融機関の口座を選択可能に構成し、該当する金融機関の口座についての情報のみを表示させるように構成してもよい。また、図9に示す画面において、所定の操作により、任意の日付を選択して表示させるように指示すると、口座残高表示欄1031a、入出金表示欄1031c、及び口座予測残高表示欄1031dには、当該日付の(未来の日付の場合は予測の)情報が表示される。
【0125】
図10は、端末装置10に表示する残高推移予測の画面例を示す図である。図10の画面例は、口座残高予測モジュール2036が予測した、将来の任意の日付における口座残高の推移を示す残高予測シミュレーションが端末装置10に送信されて表示された画面例を示す。図8のステップS314に相当する。
【0126】
図10に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、残高予測シミュレーションの表示範囲の期間を選択可能な表示期間選択欄1032aと、口座残高の推移を示す残高予測シミュレーション表示欄1032bと、が表示されている。残高予測シミュレーション表示欄1032bは、例えば、過去の口座残高の推移を実線のグラフで示す実績推移グラフ1032cと、未来の口座残高の推移の予測を破線のグラフで示す予測推移グラフ1032dと、が表示されている。
【0127】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、ユーザからの入力により、または外部のサーバ装置等から、金融機関の口座識別情報を取得する。この口座識別情報から、ユーザの口座情報(口座の入出金明細、口座残高等の情報)を取得する。また、ユーザからの入力により、または過去の入出金情報からの推測により、入出金に関する情報を取得する。さらに、ユーザの口座情報と、将来発生する予定の入出金に関する情報と、将来の口座残高予測とを、ユーザに提示する。そのため、将来の任意の日付における口座の残高を容易に把握することが可能になる。これにより、この口座情報管理システムをユーザが選択するインセンティブを高めることが可能である。
【0128】
また、ユーザの口座情報について、1の金融機関の口座情報だけではなく、ユーザが登録している1または複数の金融機関について、それぞれの金融機関サーバにアクセスし、API連携等により、入出金明細、口座残高等の口座情報をそれぞれ取得する。これにより、複数の金融機関の口座情報について一括管理をすることが可能になる。
【0129】
さらに、取得したユーザの口座情報を、他の金融機関へ提供する。これは、融資を行う金融機関(資金提供機関)では、融資対象者の金融機関の口座における入出金の情報を活用したいというニーズがあるからである。これにより、入出金の情報に基づく適切な与信審査が可能になる。
【0130】
<第2の実施の形態>
以下、口座情報管理システム1の他の実施の形態について説明する。
【0131】
<1 口座情報管理システム1の全体構成>
図11は、実施の形態2の口座情報管理システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。第2の実施の形態における口座情報管理システム1の全体の構成、端末装置10の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、繰り返して説明しない。サーバ20の構成については、図11に示すように、新たにアラート通知モジュール2039の機能を備える以外、第1の実施の形態と同様である。以下、第2の実施の形態におけるアラート通知モジュール2039の機能について説明する。
【0132】
アラート通知モジュール2039は、口座残高予測モジュール2036が予測した将来の口座残高が、将来不足すると予測される場合、ユーザの端末装置10にアラートを送信してユーザに対してアラート通知を行う処理を制御する。アラート通知モジュール2039は、例えば、予測の口座残高が、将来発生する出金(支払)ができないと判定される場合、ユーザに対してアラートを送信する。このとき、アラート通知モジュール2039は、ユーザに対して電子メール等の手段でアラートを送信してもよく、端末装置10に対してプッシュ通知によりアラートを送信してもよい。
【0133】
<2 データ構造>
第2の実施の形態におけるデータ構造は、第1の実施の形態と同様であるので、繰り返して説明しない。
【0134】
<3 動作>
第2の実施の形態における動作は、第1の実施の形態と同様であるので、繰り返して説明しない。
【0135】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、将来の口座残高が不足すると予測される場合、ユーザに対してアラート通知を行う。これにより、将来の残高不足を防止し、口座情報についてより適切に管理することが可能になる。
【0136】
<第3の実施の形態>
以下、口座情報管理システム1の他の実施の形態について説明する。
【0137】
<1 口座情報管理システム1の全体構成>
図12は、実施の形態3の口座情報管理システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。第3の実施の形態における口座情報管理システム1の全体の構成、端末装置10の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、繰り返して説明しない。サーバ20の構成については、図12に示すように、新たに融資情報提供モジュール2040の機能を備える以外、第1の実施の形態と同様である。以下、第2の実施の形態における融資情報提供モジュール2040の機能について説明する。
【0138】
融資情報提供モジュール2040は、口座残高予測モジュール2036が予測した将来の口座残高が、将来不足すると予測される場合、当該ユーザが利用可能な融資に関する情報を、ユーザの端末装置10に送信して提示する処理を制御する。融資情報提供モジュール2040は、例えば、予測の口座残高が、将来発生する出金(支払)ができないと判定される場合、当該ユーザの口座の入出金明細や口座残高から、利用可能と判定される融資に関する情報を、記憶部202が記憶する融資に関する情報(図示は省略)から、または他の金融機関等から抽出し、ユーザに対して提示する。このとき、口座情報提供モジュール2038が口座情報を提供した他の金融機関の融資情報を金融機関サーバ30から取得し、ユーザに提示してもよい。さらに、融資情報提供モジュール2040は、提示した融資に関する情報への申込手段である申込ボタンや当該金融機関へのリンクを、ユーザに対して提示してもよい。
【0139】
<2 データ構造>
第2の実施の形態におけるデータ構造は、第1の実施の形態と同様であるので、繰り返して説明しない。
【0140】
<3 動作>
第2の実施の形態における動作は、第1の実施の形態と同様であるので、繰り返して説明しない。
【0141】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、将来の口座残高が不足すると予測される場合、ユーザに対して利用可能な融資に関する情報を提示する。これにより、将来の残高不足を防止し、口座情報についてより適切に管理することが可能になる。
【0142】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0143】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0144】
(付記1)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータに実行させ、金融機関の口座における入出金情報を提供するためのプログラムであって、メモリ25には、ユーザから受け付けた、前記ユーザが利用する前記金融機関を識別する情報及び前記金融機関の口座を識別する情報(2022)が登録され、プログラムは、プロセッサ29に、金融機関を識別する情報及び金融機関の口座を識別する情報から、ユーザごとに、金融機関の口座情報を取得するステップ(S322)と、金融機関の口座に対する、入出金に関する情報を登録するステップ(S222)と、登録した入出金に関する情報に基づき、金融機関の口座の将来における残高を予測するステップ(S223、S323)と、ユーザの操作により、1または複数の口座情報、登録した入出金に関する情報、及び予測した口座の残高の情報を、前記ユーザに提示するステップ(S324)と、口座情報を、他の金融機関へ提供するステップと、を実行させる、プログラム。
【0145】
(付記2)入出金に関する情報を登録するステップにおいて、ユーザからの入力により、金融機関の口座に対する、入出金に関する情報の登録を受け付けて登録する、(付記1)に記載のプログラム。
【0146】
(付記3)ユーザからの入力により、金融機関の口座に対する、入出金に関するテキスト情報の登録を受け付け、テキスト情報を金融機関の口座に対するタグ情報として登録する、(付記2)に記載のプログラム。
【0147】
(付記4)入出金に関する情報を登録するステップにおいて、過去の口座情報における入出金に関する情報に基づき、金融機関の口座に対する、入出金に関する情報を登録する、(付記1)から(付記3)のいずれかに記載のプログラム。
【0148】
(付記5)過去の口座情報における入出金に関する情報を読み取り、入出金が所定の期間ごとに発生する入出金であるか否かを判定し、判定結果に基づき、所定の期間ごとに発生する入出金に関する情報を登録する、(付記4)に記載のプログラム。
【0149】
(付記6)ユーザに提示するステップにおいて、1または複数の口座情報、入出金に関する情報、及び口座の残高の情報をそれぞれ集約するアグリゲーションを行い、ユーザの選択操作により、各金融機関の情報または集約した情報を、ユーザに提示する、(付記1)から(付記5)のいずれかに記載のプログラム。
【0150】
(付記7)ユーザに提示するステップにおいて、入出金に関する情報に基づく口座の残高の推移予想を示す予測レポートを生成し、ユーザに提示する、(付記1)から(付記6)のいずれかに記載のプログラム。
【0151】
(付記8)ユーザに提示するステップにおいて、入出金に関する情報の日付ごとにカレンダーに関連付けて、カレンダーと共にユーザに提示する、(付記1)から(付記7)のいずれかに記載のプログラム。
【0152】
(付記9)ユーザからの入力により、カレンダーにおける任意の日付の選択を受け付け、選択された日付における入出金に関する情報と、予測した口座の残高の情報とを、ユーザに提示する、(付記8)に記載のプログラム。
【0153】
(付記10)プログラムは、さらに、予測した口座の残高が不足する場合、ユーザに対してアラート通知を行うステップを実行させる、(付記1)から(付記9)のいずれかに記載のプログラム。
【0154】
(付記11)プログラムは、さらに、予測した口座の残高が不足する場合、ユーザに対して、ユーザが利用可能な融資に関する情報を提示するステップを実行させる、(付記1)から(付記10)のいずれかに記載のプログラム。
【0155】
(付記12)ユーザが利用可能な融資に関する情報を提示するステップにおいて、口座情報を提供した他の金融機関が提供する、ユーザが利用可能な融資に関する情報を提示する、(付記11)に記載のプログラム。
【0156】
(付記13)ユーザが利用可能な融資に関する情報を提示するステップにおいて、ユーザに対して、ユーザが利用可能な融資の利用申込を受け付ける申込受付手段を提示する、(付記11)または(付記12)に記載のプログラム。
【0157】
(付記14)制御部203と、記憶部202とを備え、金融機関の口座における入出金情報を提供する情報処理装置であって、記憶部202には、ユーザから受け付けた、前記ユーザが利用する前記金融機関を識別する情報及び前記金融機関の口座を識別する情報(2022)が登録され、制御部203は、金融機関を識別する情報及び金融機関の口座を識別する情報から、ユーザごとに、金融機関の口座情報を取得するステップ(S322)と、金融機関の口座に対する、入出金に関する情報を登録するステップ(S222)と、登録した入出金に関する情報に基づき、金融機関の口座の将来における残高を予測するステップ(S223、S323)と、ユーザの操作により、1または複数の口座情報、登録した入出金に関する情報、及び予測した口座の残高の情報を、前記ユーザに提示するステップ(S324)と、口座情報を、他の金融機関へ提供するステップと、を行う、情報処理装置。
【0158】
(付記11)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータにより実行され、金融機関の口座における入出金情報を提供するための方法であって、メモリ25には、ユーザから受け付けた、前記ユーザが利用する前記金融機関を識別する情報及び前記金融機関の口座を識別する情報(2022)が登録され、方法は、プロセッサ29が、金融機関を識別する情報及び金融機関の口座を識別する情報から、ユーザごとに、金融機関の口座情報を取得するステップ(S322)と、金融機関の口座に対する、入出金に関する情報を登録するステップ(S222)と、登録した入出金に関する情報に基づき、金融機関の口座の将来における残高を予測するステップ(S223、S323)と、ユーザの操作により、1または複数の口座情報、登録した入出金に関する情報、及び予測した口座の残高の情報を、前記ユーザに提示するステップ(S324)と、口座情報を、他の金融機関へ提供するステップと、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0159】
10 端末装置、20 サーバ、80 ネットワーク、130 操作受付部、161 ユーザ情報、22 通信IF、23 入出力IF、25 メモリ、26 ストレージ、29 プロセッサ、201 通信部、202 記憶部、2021 ユーザデータベース、2022 金融機関口座データベース、2023 入出金データベース、203 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12