(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】販売管理装置、販売管理方法及び販売管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/14 20120101AFI20241126BHJP
【FI】
G06Q20/14
(21)【出願番号】P 2021201738
(22)【出願日】2021-12-13
【審査請求日】2024-05-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-242360(JP,A)
【文献】特開2006-107427(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された各請求先の回収予定日及び回収予定金額を含む債権の回収予定データを取得する取得部と、
各前記請求先が売掛金流動化対象となるか否かを示す売掛金流動化対象情報が記憶された請求先マスタを参照することで、前記回収予定データを取得した各前記請求先のうち、売掛金流動化対象に指定されている請求先を検出する検出部と、
前記取得部で取得された各前記請求先の回収予定データのうち、前記検出部で検出された売掛金流動化対象に指定されている請求先の回収予定データを一覧表示する表示制御部と、
前記売掛金流動化対象に指定されている請求先の一覧に基づいて行われた債権の振替処理を反映させた前記回収予定データを生成する回収データ生成部と、
を有する販売管理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、所定の優先順位に沿って、前記請求先の回収予定データを一覧表示すること
を特徴とする請求項1に記載の販売管理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記回収予定金額が高い順、又は、回収予定日が早い順に、前記請求先の回収予定データを一覧表示すること
を特徴とする請求項2に記載の販売管理装置。
【請求項4】
前記債権の振替処理を反映させた各前記請求先の与信額を示す与信管理集計表を生成する与信管理集計表生成部を、さらに備えること
を特徴とする
請求項1から請求項3のうち、いずれか一項に記載の販売管理装置。
【請求項5】
前記債権の振替処理を反映させた仕訳データを生成する仕訳データ生成部と、
生成された仕訳データを会計システムに計上する計上部と、をさらに備えること
を特徴とする
請求項4に記載の販売管理装置。
【請求項6】
取得部が、入力された各請求先の回収予定日及び回収予定金額を含む債権の回収予定データを取得する取得ステップと、
検出部が、各前記請求先が売掛金流動化対象となるか否かを示す売掛金流動化対象情報が記憶された請求先マスタを参照することで、前記回収予定データを取得した各前記請求先のうち、売掛金流動化対象に指定されている請求先を検出する検出ステップと、
表示制御部が、前記取得ステップで取得された各前記請求先の回収予定データのうち、前記検出ステップで検出された売掛金流動化対象に指定されている請求先の回収予定データを一覧表示する表示制御ステップと、
回収データ生成部が、前記売掛金流動化対象に指定されている請求先の一覧に基づいて行われた債権の振替処理を反映させた前記回収予定データを生成する回収データ生成ステップと、
を有する販売管理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
入力された各請求先の回収予定日及び回収予定金額を含む債権の回収予定データを取得する取得部と、
各前記請求先が売掛金流動化対象となるか否かを示す売掛金流動化対象情報が記憶された請求先マスタを参照することで、前記回収予定データを取得した各前記請求先のうち、売掛金流動化対象に指定されている請求先を検出する検出部と、
前記取得部で取得された各前記請求先の回収予定データのうち、前記検出部で検出された売掛金流動化対象に指定されている請求先の回収予定データを一覧表示する表示制御部
と、
前記売掛金流動化対象に指定されている請求先の一覧に基づいて行われた債権の振替処理を反映させた前記回収予定データを生成する回収データ生成部として機能させること
を特徴とする販売管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売管理装置、販売管理方法及び販売管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、資金繰りのための早期資金化又は企業グループ内での資金流動のために、当初入金予定先とは異なる取引先へ債権を譲渡することが頻繁に行われている(流動化)。
【0003】
特許文献1(特開2005-275955号公報)には、一連の流動化事務を迅速かつ高い精度で完結させることを目的とした流動化債権管理システムが開示されている。この流動化債権管理システムの場合、銘柄申請処理プログラム、流動化実行プログラム、及び、債権回収処理プログラムを備えている。流動化実行プログラムは、各グループ会社から送信された債権情報を取得して債権情報記憶部に格納し、この債権情報に基づいて、残高集中率を算出する。そして、予め上限情報が格納されたマスタ情報記憶部より上限情報を読み出し、残高集中率が当該上限情報を超過しているか否かを判定する。さらに、残高集中率が上限情報を超過している場合には、超過していることを示す情報を統括会社及び(又は)特定目的会社の端末に対して送信する。これにより、一連の流動化事務を迅速かつ高い精度で完結させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、多くの取引先の債権を取り扱う場合、債権管理が煩雑となる問題があった。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、債権管理を容易化可能とした販売管理装置、販売管理方法及び販売管理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る販売管理装置は、入力された各請求先の回収予定日及び回収予定金額を含む債権の回収予定データを取得する取得部と、各請求先が売掛金流動化対象となるか否かを示す売掛金流動化対象情報が記憶された請求先マスタを参照することで、回収予定データを取得した各請求先のうち、売掛金流動化対象に指定されている請求先を検出する検出部と、取得部で取得された各請求先の回収予定データのうち、検出部で検出された売掛金流動化対象に指定されている請求先の回収予定データを一覧表示する表示制御部と、売掛金流動化対象に指定されている請求先の一覧に基づいて行われた債権の振替処理を反映させた回収予定データを生成する回収データ生成部と、を有する。
【0008】
また、本願発明に係る販売管理方法は、上述の課題を解決するために、取得部が、入力された各請求先の回収予定日及び回収予定金額を含む債権の回収予定データを取得する取得ステップと、検出部が、各請求先が売掛金流動化対象となるか否かを示す売掛金流動化対象情報が記憶された請求先マスタを参照することで、回収予定データを取得した各請求先のうち、売掛金流動化対象に指定されている請求先を検出する検出ステップと、表示制御部が、取得ステップで取得された各請求先の回収予定データのうち、検出ステップで検出された売掛金流動化対象に指定されている請求先の回収予定データを一覧表示する表示制御ステップと、回収データ生成部が、売掛金流動化対象に指定されている請求先の一覧に基づいて行われた債権の振替処理を反映させた回収予定データを生成する回収データ生成ステップと、を有する。
【0009】
また、本願発明に係る販売管理プログラムは、上述の課題を解決するために、コンピュータを、入力された各請求先の回収予定日及び回収予定金額を含む債権の回収予定データを取得する取得部と、各請求先が売掛金流動化対象となるか否かを示す売掛金流動化対象情報が記憶された請求先マスタを参照することで、回収予定データを取得した各請求先のうち、売掛金流動化対象に指定されている請求先を検出する検出部と、取得部で取得された各請求先の回収予定データのうち、検出部で検出された売掛金流動化対象に指定されている請求先の回収予定データを一覧表示する表示制御部と、売掛金流動化対象に指定されている請求先の一覧に基づいて行われた債権の振替処理を反映させた回収予定データを生成する回収データ生成部として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、債権管理を容易化できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態の販売管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、売掛金に対する、実施の形態の販売管理装置の処理概要を示す図である。
【
図3】
図3は、実施の形態の販売管理装置における、売掛金に対する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施の形態の販売管理装置における、流動化対象一覧の表示処理、及び、売掛金の振替処理を説明するための図である。
【
図5】
図5は、債権の振替入力画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、債権の振替処理を反映させた与信管理集計表の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、売掛金の振替処理を反映させた仕訳データを会計システムに計上する動作を説明するための図である。
【
図8】
図8は、受取手形に対する、実施の形態の販売管理装置の処理概要を示す図である。
【
図9】
図9は、実施の形態の販売管理装置における、受取手形に対する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施の形態の販売管理装置における、流動化対象一覧の表示処理、及び、受取手形の振替処理を説明するための図である。
【
図11】
図11は、受取手形の振替処理用の画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、受取手形の振替処理を反映させた仕訳データを会計システムに計上する動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した実施の形態となる販売管理装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
(ハードウェア構成)
図1は、実施の形態の販売管理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この販売管理装置1としては、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置の他、ノート型のパーソナルコンピュータ装置又はタブレット型のパーソナルコンピュータ装置を用いることができる。また、販売管理装置1としては、PDA(Personal Digital Assistants)装置又はスマートフォン等携帯型情報処理装置を用いることができる。このような販売管理装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。
【0014】
入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置及びマウス装置、及びマイクロホン装置の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置を用いることができる。
【0015】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、それぞれ所定の情報が記憶された記憶領域である請求先マスタ11、及び、与信マスタ12が設けられている。
【0016】
請求先マスタ11には、請求先となる各企業と、各企業が、売掛金の流動化対象となるか否かを示す情報である売掛流動化対象フラグが関連付けされて記憶されている。与信マスタ12には、各企業に対する与信額が設定され記憶されている。
【0017】
通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網等のネットワーク8に接続されている。ネットワーク8には、会計端末装置9が接続されており、販売管理装置1で行われる債権の振替処理に対応する仕訳データが計上される。なお、この例では、仕訳データは、ネットワーク8を介して会計端末装置9の会計システムに計上することとして説明を進めるが、
図1に点線のブロックで示すように記憶部2内に設けた会計システムに計上してもよい。
【0018】
(機能構成)
次に、記憶部2には、販売管理プログラムが記憶されている。制御部3は、この販売管理プログラムを実行することで、取得部21、データ処理部22、表示制御部23、出力制御部24、及び、通信制御部25として機能する。
【0019】
取得部21は、売上入力処理又は振替処理等の、業務オペレータの入力操作に応じた情報を取得する。データ処理部22は、取得部21で取得された情報に基づいて、例えば売上入力による回収予定データを生成し、また、振替処理による仕訳データを生成する。表示制御部23は、債権振替入力を行うためのメイン画面、サブ画面、回収予定データ、流動化対象一覧等を、出力装置7を介して表示する。出力制御部24は、債権の振替処理を反映した仕訳データに基づいて生成される残高試算表を、出力装置7を介して出力(印刷又は表示)する。通信制御部25は、債権の振替処理が反映された仕訳データを会計端末装置9に送信して計上する。
【0020】
(売掛金の処理概要)
次に、
図2に、債権の一例である売掛金に対する、実施の形態の販売管理装置1の処理概要を示す。売掛金の場合、業務オペレータは、販売管理装置1に対して「売掛/売上」の売上入力を行う。売掛金の振替処理を行わない場合は、そのまま「現金(CASH)/売掛」の入金処理が行われる。
【0021】
これに対して、売掛金を所定の企業に振り替える振替処理も可能となっている。実施の形態の販売管理装置1では、この振替処理を行う際、振替先として指定可能な企業を一覧表示する(流動化対象一覧)。これにより、業務オペレータは、一目で振替先として指定可能な企業を認識できる。このため、この振替先として指定可能な企業に対して、迅速に売掛金の振替処理を完了させることができる。
【0022】
振替処理が完了すると、振替処理の結果となる「現金(CASH)/未納」の入金処理が行われる。また、振替処理が完了すると、振替処理の結果を反映させた仕訳データが生成され、ネットワーク上又は記憶部2の会計システムに計上される。また、振替処理が完了すると、実施の形態の販売管理装置1は、各企業に設定されている与信額を示す与信額管理表に対して、振替処理の結果を反映させる。これにより、振替処理した債権金額を除いた実債権金額で、与信管理を行うことができる。
【0023】
(売掛金の処理の詳細)
次に、このような売掛金に対する、実施の形態の販売管理装置1の処理動作を、
図3のフローチャートを用いて詳細に説明する。まず、業務オペレータは、売掛金の売上入力、又は、他の債権の一例である受取手形の受取手形入力を指定操作する。ステップS1では、取得部21が、業務オペレータにより売掛金の売上入力が指定されたか否かを判別する。業務オペレータにより売掛金の売上入力が指定されたものと判別された場合(ステップS1:Yes)、処理がステップS2に進む。
【0024】
なお、業務オペレータにより受取手形の受取手形入力が指定されたものと判別された場合(ステップS1:No)、処理が
図9のフローチャートのステップS21に進む。受取手形入力の処理動作は、後述する。
【0025】
業務オペレータにより売掛金の売上入力が指定されることで処理がステップS2に進むと、データ処理部22が、各請求先の回収予定金額及び回収予定日等を含む回収予定データを生成する。
図4(b)は、この回収予定データの一例を示している。回収予定データは、
図4(b)に示すように、A会社~D会社等の請求先、4月1日等の計上日、9月30日等の回収予定日、各請求先の回収予定金額及び入金済金額等を含んで構成される。
【0026】
次に、回収予定データが生成されると、表示制御部23は、ステップS3において、業務オペレータにより売掛金の振替処理が可能な請求先の一覧表示を指定する流動化対象一覧表示操作が行われたか否かを判別する。表示制御部23は、流動化対象一覧表示操作を検出すると(ステップS3:Yes)、
図4(a)に例示する請求先マスタ11を参照し、売掛金の振替処理が可能な請求先を検出する。
【0027】
具体的には、請求先マスタ11には、
図4(a)に示すように、各請求先名及び請求先名に付された固有の請求先コードと共に、その請求先が、例えば売掛金又は受取手形等の債権の振替が可能な請求先であるか否かを示す売掛流動化対象フラグ(売掛流動化対象FLG)が記憶されている。なお、「1」の売掛流動化対象フラグは、その請求先が債権の振替が可能な請求先であることを示し、「0」の売掛流動化対象フラグは、その請求先が債権の振替が不可な請求先であることを示す。
【0028】
表示制御部23は、検出部の一例として機能し、債権の振替が可能な請求先であることを示す、「1」の売掛流動化対象フラグが付加されている請求先を、請求先マスタ11から検出する。
図4(a)の例の場合、A会社及びD会社に、債権の振替が可能な請求先であることを示す、「1」の売掛流動化対象フラグが付加されている。このため、表示制御部23は、A会社及びD会社を請求先マスタ11から検出する。そして、このA会社及びD会社の、
図4(b)に示した回収予定データを参照し、
図4(c)に示すように、A会社及びD会社の計上日、請求先名、回収予定日、及び、振替可能な金額の一覧となる流動化対象一覧を表示する(ステップS4)。
【0029】
この流動化対象一覧を表示することで、業務オペレータは、債権の振替先となり得る請求先を一目に認識することができる。請求先が多い場合、流動化可能な債権と流動化できない債権が混在し管理が煩雑となる。しかし、実施の形態の販売管理装置1は、このような流動化対象一覧を表示することで、債権の振替先となり得る請求先を迅速かつ明確に認識して以下に説明する振替処理を行うことができる。このため、債権の振替処理を、正確かつ迅速に実行可能とすることができる。
【0030】
ここで、表示制御部23は、流動化対象一覧を表示する場合、
図4(c)に示すように、上の行から下の行にかけて、振替可能な金額が多い順に、各請求先を並べて表示する。
図4(c)の例は、A会社の振替可能な金額が「1000円」で、D会社の振替可能な金額が「4000円」である。このため、表示制御部23は、流動化対象一覧に、まず、D会社を表示し、次の行にA会社を表示する。これにより、振替可能な金額が多い順に、各請求先が並べて表示されるため、業務オペレータは、振替可能な金額を迅速に認識でき、以下に説明する債権の振替処理を、さらに正確かつ迅速に実行可能とすることができる。
【0031】
なお、この例では、金額が多い順に流動化対象を一覧表示することとした。しかし、業務オペレータ等により指定された、例えば回収予定日が早い順等の他の優先順位に従って、流動化対象を並べ替えて一覧表示してもよい(他の優先順位で流動化対象を一覧表示してもよい)。
【0032】
次に、業務オペレータは、このような流動化対象一覧で示される請求先に対して、債権の振替操作を行う。
図3のフローチャートのステップS5では、データ処理部22が、業務オペレータの振替操作の有無を判別している。データ処理部22は、業務オペレータによる振替操作を検出すると(ステップS5:Yes)、この債権の振替操作を反映した回収予定データを生成する。表示制御部23は、生成された回収予定データを表示する(ステップS6)。
【0033】
具体的には、表示制御部23は、業務オペレータにより債権の振替処理が指定されると、
図5に例示する債権の振替入力画面を表示する。このうち、
図5(a)は、債権の振替入力画面のメイン画面の一例である。この
図5(a)に示すように、債権の振替入力画面のメイン画面は、債権の振替を行う請求先の入力欄(抽出条件)、振替先となる企業の入力欄、譲渡可能な明細の表示欄(明細表示部)を含んで構成される。
【0034】
業務オペレータは、このメイン画面を介して、債権の振替先として例えば「Z社」を指定し、債権の振替を行う請求先として「D社」を指定する。債権の振替を行う請求先として「D社」が指定されると、表示制御部23は、D社の譲渡する債権の明細を明細表示部に一覧表示する。業務オペレータは、この一覧表示された債権の明細の中から譲渡する債権の明細を選択操作する。表示制御部23は、一覧表示された債権の明細のうち、譲渡する債権の明細が選択操作されると、
図5(b)に例示する、債権振替入力画面のサブ画面を表示する。
【0035】
表示制御部23は、メイン画面から選択された譲渡する債権の明細に対応する、例えば「X0001」等の振替元番号、「4000円」等の振替元金額、及び、「9月30日」等の当初の回収予定日をサブ画面に表示する。また、表示制御部23は、このサブ画面に、振替を行う日付の入力欄(振替日の入力欄)、及び、振替を行う金額の入力欄(振替金額の入力欄)を表示する。業務オペレータは、振替日の入力欄に債権の振替を行う所望の日付を入力すると共に、振替金額の入力欄に振替を行う金額を入力する。そして、このサブ画面に設けられている「登録」の文字が記載された登録ボタンを操作する。これにより、データ処理部22は、回収データ生成部の一例として機能し、業務オペレータによる債権の振替操作を反映した回収予定データを生成する。
【0036】
図4(d)は、債権の振替処理を反映した回収予定データの一例である。この
図4(d)の例は、D会社から4000円の債権をZ会社に振替処理した例である。また、
図4(d)の例は、A会社から1000円の債権をZ会社に振替処理した例である。この場合、データ処理部22は、A会社の入金済金額を「1000円」とすることで、A会社の「1000円」の債権の消込を行い、代わりにZ会社の回収予定金額に「1000円」の債権を計上する。同様に、データ処理部22は、D会社の入金済金額を「4000円」とすることで、D会社の「4000円」の債権の消込を行い、代わりにZ会社の回収予定金額に「4000円」の債権を計上する。これにより、A会社及びD会社の債権が、まとめてZ会社に振替処理される。
【0037】
次に、
図3のフローチャートのステップS7では、データ処理部22が、与信管理集計表生成部の一例として機能し、このような債権の振替処理結果を、与信管理集計表に反映する。すなわち、記憶部2に記憶されている与信マスタ12には、
図6(a)に示すように、A会社~D会社の各請求先に対して、例えば「10000円」等の与信額が設定されている。データ処理部22は、与信マスタ12を参照することで、
図6(b)に示すように、基準日、請求先、与信額、債権残高、手形未決済残、計上可能額(与信残)を含む与信管理集計表を生成する。データ処理部22は、債権の振替処理が行われると、この与信管理集計表に対して、債権の振替処理結果を反映させる。
【0038】
具体的には、
図6(b)において、A会社の場合、上述のように「1000円」の債権が消込まれたため、計上可能額(与信残)は、「10000円」となる。これに対して、B会社の場合、「2000円」の債権残高がある。このため、B会社の計上可能額(与信残)は、「8000円」となる。また、C会社の場合、「3000円」の債権残高がある。また、このC会社は、後述する「7000円」の手形未決済残がある。このため、合計した債権の金額は「10000円」となるため、計上可能額(与信残)は、「0円」となる。また、D会社の場合、債権残高は「0円」であるが、後述する手形未決済残は「80000円」となっている。このため、計上可能額(与信残)は、「2000円」となる。
【0039】
なお、この例において譲渡先となっているZ会社の与信管理は、一般的には行われない。一例ではあるが、この実施の形態の場合、与信マスタ12にZ会社は登録されていない。このため、Z会社は、与信管理集計表には表示されない。
【0040】
次に、
図3のフローチャートのステップS8では、表示制御部23が、業務オペレータによる、上述の与信管理集計表の表示操作の有無を監視する。与信管理集計表の表示操作を検出すると(ステップS8:Yes)、表示制御部23は、ステップS9において、上述のように、債権の振替処理結果を反映させた与信管理集計表を表示する。これにより、債権に応じた与信額の変動を認識でき、各請求先に対する正確な与信管理を行うことができる。
【0041】
次に、
図3のフローチャートのステップS10では、データ処理部22が、業務オペレータによる、仕訳操作の有無を監視する。仕訳操作を検出すると(ステップS10:Yes)、データ処理部22は、仕訳データ生成部の一例として機能し、業務オペレータの操作に対応する債権の振替処理を反映させた仕訳データを生成する。通信制御部25は、計上部の一例として機能し、生成された仕訳データを、通信インターフェース部4及びネットワーク8を介して会計端末装置9の会計システムに計上する(ステップS11)。なお、上述のように、記憶部2に会計システムが設けられている場合は、この記憶部2の会計システムに、生成された仕訳データを計上してもよい。
【0042】
具体的には、
図7(a)は、売掛金の売上入力を行った、4月1日時点の仕訳データの一例である。この
図7(a)の例は、4月1日を計上日として、借方を売掛金とし、貸方を売上とする、1000円、2000円、3000円及び4000円の仕訳データを、それぞれ会計システムに計上した例である。
【0043】
次に、上述のように、6月1日に、A会社とD会社の債権をZ会社へ振替処理したとする。この場合、
図7(b)に示すように、それぞれ6月1日を計上日として、借方を未収譲渡とし、貸方を売掛金とする1000円及び2000円の仕訳データが生成され、会計システムに計上される。
【0044】
これにより、会計システムにおいて、
図7(c)に示すように、6月1日を基準日とし、勘定科目を売掛金とする7000円の残高金額を示す残高試算表が生成される。なお、この
図7(c)に示す15000円の残高金額は、後述する受取手形の残高金額である。また、
図7(c)に示す未収譲渡の14000円の残高金額は、この14000円のうち、3000円の残高金額が、売掛金の残高金額である。残り11000円の残高金額は、後述する受取手形の残高金額である。詳しくは、後述する。
【0045】
図1に示す出力制御部24は、会計端末装置9の会計システム又は記憶部2の会計システムから残高試算表を取得する。そして、出力制御部24は、業務オペレータの出力指示に従って、この残高試算表を、出力装置7を介して出力(印刷又は表示)する。これにより、債権の振替処理が反映された正確な残高金額を認識し債権管理を行うことができる。
【0046】
(受取手形の処理概要)
次に、
図8に、他の債権の一例となる受取手形に対する、実施の形態の販売管理装置1の処理概要を示す。受取手形の場合、業務オペレータは、販売管理装置1に対して「受取手形/売掛」の受取手形入力を行う。受取手形の振替処理を行わない場合は、そのまま「現金(CASH)/受取手形」の取立入力が行われる。
【0047】
これに対して、受取手形を所定の企業に振り替える振替処理も可能となっている。実施の形態の販売管理装置1では、この振替処理を行う際、振替先として指定可能な企業を一覧表示する(流動化対象一覧)。これにより、業務オペレータは、一目で振替先として指定可能な企業を認識できる。このため、この振替先として指定可能な企業に対して、迅速に受取手形の振替処理を完了させることができる。
【0048】
振替処理が完了すると、振替処理の結果となる「現金(CASH)/未納」の入金処理が行われる。また、振替処理が完了すると、振替処理の結果を反映させた仕訳データが生成され、ネットワーク上又は記憶部2の会計システムに計上される。また、振替処理が完了すると、実施の形態の販売管理装置1は、各企業に設定されている与信額を示す与信額管理表に対して、振替処理の結果を反映させる。これにより、振替処理した債権金額を除いた実債権金額で、与信管理を行うことができる。
【0049】
(受取手形の処理の詳細)
次に、このような受取手形に対する、実施の形態の販売管理装置1の処理動作を、
図9のフローチャートを用いて詳細に説明する。上述の
図3のフローチャートにおいて、業務オペレータの操作が売掛金の売上入力操作ではないと判別されると(ステップS1:No)、
図9のフローチャートのステップS21に処理が進む。
【0050】
ステップS21では、データ処理部22が、各請求先の回収予定金額及び回収予定日等を含む受取手形データ(回収予定データの他の例)を生成する。
図10(b)は、この受取手形データの一例を示している。受取手形データは、
図10(b)に示すように、A会社~D会社等の請求先、3月1日等の提出日、9月30日等の決済日、各請求先の手形金額及び入金済金額等を含んで構成される。
【0051】
次に、受取手形データが生成されると、表示制御部23は、ステップS22において、業務オペレータにより受取手形の振替処理が可能な請求先の一覧表示を指定する流動化対象一覧表示操作が行われたか否かの判別を行う。表示制御部23は、流動化対象一覧表示操作を検出すると(ステップS22:Yes)、
図10(a)に例示する請求先マスタ11を参照し、受取手形の振替処理が可能な請求先を検出する。
【0052】
請求先マスタ11には、
図10(a)に示すように、各請求先名及び請求先名に付された固有の請求先コードと共に、その請求先が、例えば売掛金又は受取手形等の債権の振替が可能な請求先であるか否かを示す売掛流動化対象フラグ(売掛流動化対象FLG)が記憶されている。なお、「1」の売掛流動化対象フラグは、その請求先が債権の振替が可能な請求先であることを示し、「0」の売掛流動化対象フラグは、その請求先が債権の振替が不可な請求先であることを示す。
【0053】
表示制御部23は、債権の振替が可能な請求先であることを示す、「1」の売掛流動化対象フラグが付加されている請求先を、請求先マスタ11から検出する。
図10(a)の例の場合、A会社及びB会社に、債権の振替が可能な請求先であることを示す、「1」の売掛流動化対象フラグが付加されている。このため、表示制御部23は、A会社及びB会社を請求先マスタ11から検出する。そして、このA会社及びB会社の、
図10(b)に示した受取手形データを参照し、
図10(c)に示すように、A会社及びB会社の提出日、請求先名、決済日、及び、振替可能な金額の一覧となる流動化対象一覧を表示する(ステップS23)。
【0054】
この流動化対象一覧を表示することで、業務オペレータは、債権の振替先となり得る請求先を一目に認識することができる。請求先が多い場合、流動化可能な債権と流動化できない債権が混在し管理が煩雑となる。しかし、実施の形態の販売管理装置1は、このような流動化対象一覧を表示することで、債権の振替先となり得る請求先を迅速かつ明確に認識して以下に説明する振替処理を行うことができる。このため、債権の振替処理を、正確かつ迅速に実行可能とすることができる。
【0055】
ここで、表示制御部23は、流動化対象一覧を表示する場合、
図10(c)に示すように、上の行から下の行にかけて、振替可能な金額が多い順に、各請求先を並べて表示する。
図10(c)の例は、A会社の振替可能な金額が「5000円」で、B会社の振替可能な金額が「6000円」である。このため、表示制御部23は、流動化対象一覧に、まず、B会社を表示し、次の行にA会社を表示する。これにより、振替可能な金額が多い順に、各請求先が並べて表示されるため、業務オペレータは、振替可能な金額を迅速に認識でき、以下に説明する債権の振替処理を、さらに正確かつ迅速に実行可能とすることができる。なお、上述のように、金額以外の他の優先順位で流動化対象を一覧表示してもよい。
【0056】
次に、業務オペレータは、このような流動化対象一覧で示される請求先に対して、債権の振替操作を行う。
図9のフローチャートのステップS24では、データ処理部22が、業務オペレータによる振替操作の有無を判別している。業務オペレータにより振替操作が行われると(ステップS24:Yes)、データ処理部22は、業務オペレータによる債権の振替操作を反映した受取手形データを生成する。表示制御部23は、生成された受取手形データを表示する(ステップS25)。
【0057】
具体的には、表示制御部23は、業務オペレータにより債権の振替処理が指定されると、
図11に例示する受取手形の振替処理用の画面を表示する。このうち、
図11(a)は、手形譲渡入力画面の一例である。この
図11(a)に示すように、手形譲渡入力画面は、受取手形の振替先となる企業の入力欄、譲渡日の入力欄、及び、譲渡可能な明細の表示欄を含んで構成される。
【0058】
業務オペレータは、この手形譲渡入力画面を介して、受取手形の振替先として例えば「Z社」を指定し、受取手形の譲渡対象として「B会社」を選択する。そして、業務オペレータは、手形譲渡入力画面に「登録」の文字が記載された登録ボタンを操作する。この登録ボタンが操作されると、表示制御部23は、
図11(b)に例示する、債権計上入力画面を表示する。
【0059】
表示制御部23は、手形譲渡入力画面に入力された6月1日の譲渡日を、債権計上入力画面の計上日として表示し、手形譲渡入力画面に振替先として入力されたZ社を、債権計上入力画面の請求先として表示する。また、表示制御部23は、手形譲渡入力画面で選択された手形番号が「T002」のB会社の「6000円」の金額を、債権計上入力画面の明細金額として明細欄に表示する。業務オペレータは、このような債権計上入力画面に対して、例えば7月31日等の回収予定日を入力し、この債権計上入力画面に設けられている、「登録」の文字が記載された登録ボタンを操作する。これにより、データ処理部22は、業務オペレータによる受取手形の振替操作を反映した受取手形データを生成する。
【0060】
図10(d)は、受取手形の振替処理を反映した受取手形データの一例である。この
図10(d)の例は、A会社から5000円の手形をZ社に売却し、B会社から6000円の手形をZ社に売却した例である。これにより、A会社及びB会社の手形が、まとめてZ会社に振替処理される。なお、このような振替処理後におけるZ社の債権は、回収予定データとなるため、受取手形データには反映されない。
【0061】
次に、
図9のフローチャートのステップS26では、データ処理部22が、このような受取手形の振替処理結果を、与信管理集計表に反映する。すなわち、
図6(a)を用いて説明したように、与信マスタ12には、A会社~D会社の各請求先に対して、例えば「10000円」等の与信額が設定されている。データ処理部22は、与信マスタ12を参照することで、
図6(b)に示すように、基準日、請求先、与信額、債権残高、手形未決済残、計上可能額(与信残)を含む与信管理集計表を生成する。データ処理部22は、受取手形の振替処理が行われると、この与信管理集計表に対して、受取手形の振替処理結果を反映させる。
【0062】
具体的には、
図6(b)において、A会社の場合、上述のように「1000円」の債権が消込まれたため、計上可能額(与信残)は、「10000円」となる。これに対して、B会社の場合、「2000円」の債権残高がある。このため、B会社の計上可能額(与信残)は、「8000円」となる。また、C会社の場合、「3000円」の債権残高、及び、「7000円」の手形未決済残がある。このため、合計した債権の金額は「10000円」となるため、計上可能額(与信残)は、「0円」となる。また、D会社の場合、債権残高は「0円」であるが、手形未決済残は「80000円」となっている。このため、計上可能額(与信残)は、「2000円」となる。
【0063】
なお、この例において譲渡先となっているZ会社の与信管理は、一般的には行われない。一例ではあるが、この実施の形態の場合、与信マスタ12にZ会社は登録されていない。このため、Z会社は、与信管理集計表には表示されない。
【0064】
次に、
図9のフローチャートのステップS27では、表示制御部23が、業務オペレータによる、上述の与信管理集計表の表示操作の有無を監視する。与信管理集計表の表示操作を検出すると(ステップS27:Yes)、表示制御部23は、ステップS28において、上述のように、受取手形の振替処理結果を反映させた与信管理集計表を表示する。これにより、債権に応じた与信額の変動を認識でき、各請求先に対する正確な与信管理を行うことができる。
【0065】
次に、
図9のフローチャートのステップS29では、データ処理部22が、業務オペレータによる、仕訳操作の有無を監視する。仕訳操作を検出すると(ステップS29:Yes)、データ処理部22は、業務オペレータの操作に対応する仕訳データを生成する。通信制御部25は、生成された仕訳データを、通信インターフェース部4及びネットワーク8を介して会計端末装置9の会計システムに計上する(ステップS30)。なお、上述のように、記憶部2に会計システムが設けられている場合は、この記憶部2の会計システムに、生成された仕訳データを計上してもよい。
【0066】
具体的には、
図12(a)は、受取手形の受取手形入力を行った、3月1日時点の仕訳データの一例である。この
図12(a)の例は、3月1日を計上日として、借方を受取手形とし、貸方を売掛金などとする、5000円、6000円、7000円及び8000円の仕訳データを、それぞれ会計システムに計上した例である。
【0067】
次に、上述のように、6月1日に、A会社とB会社の受取手形をZ会社へ振替処理したとする。この場合、
図12(b)に示すように、それぞれ6月1日を計上日として、借方を未収譲渡とし、貸方を受取手形とする5000円及び6000円の仕訳データが生成され、会計システムに計上される。
【0068】
これにより、会計システムにおいて、
図12(c)に示すように、6月1日を基準日とし、勘定科目を受取手形とする15000円の残高金額を示す残高試算表が生成される。なお、この15000円の残高金額の内訳は、以下のとおりである。すなわち、
図12(a)に示した3月1日の受取手形の入力時点での仕訳データの合計金額が「5000円+6000円+7000円+8000円=25000円」である。これに対して、
図12(b)に示した6月1日の振替処理により、「5000円+6000円=11000円」がZ社に振替処理された。このため、6月1日時点の残高金額は、
図12(c)に示すように、「15000円」となる。
【0069】
なお、この
図12(c)に示す7000円の残高金額は、上述の売掛金の振替処理による残高金額である。また、
図12(c)に示す未収譲渡の14000円の残高金額のうち、3000円の残高金額が、売掛金の残高金額である。残り11000円の未収譲渡の残高金額は、
図12(c)に示した振替処理による受取手形の残高金額である(5000円+6000円=11000円)。
【0070】
図1に示す出力制御部24は、会計端末装置9の会計システム又は記憶部2の会計システムから残高試算表を取得する。そして、出力制御部24は、業務オペレータの出力指示に従って、この残高試算表を、出力装置7を介して出力(印刷又は表示)する。これにより、債権の振替処理が反映された正確な残高金額を認識し債権管理を行うことができる。
【0071】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の販売管理装置1は、以下の効果を得ることができる。
【0072】
取引先が多い場合、流動化可能な債権と流動化できない債権が混在し管理が煩雑になってしまう。また、流動化する債権は当初入金予定日と実入金日が異なるため、正確な資金繰り予定の管理が難しい。しかし、実施の形態の販売管理装置1は、譲渡可能な債権候補を一覧で確認できる。このため、債権管理を容易化できる。また、債権候補を一覧表示する際に、回収予定日又は金額等の優先順位に従って表示することで、業務オペレータが譲渡可能な債権候補を、さらに容易に認識でき、債権管理を、さらに容易化できる。
【0073】
債権の振替処理結果となる回収予定データ又は受取手形データにより、債権の譲渡前及び譲渡後の、それぞれの債権の入金予定先と入金予定日が正確に管理できる。
【0074】
また、債権の振替処理を与信管理集計表に反映させることで、債権の譲渡後に、譲渡した債権金額を除いた実債権金額での与信管理を可能とすることができる。
【0075】
債権の振替処理後の仕訳データを生成して会計システムに送信することで、販売管理装置1側で債権譲渡後の回収予定明細を確認でき、また、会計システム側でも譲渡後の残高管理を行うことができる。
【0076】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0077】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0078】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0079】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0080】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0081】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0082】
また、販売管理装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0083】
例えば、販売管理装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて販売管理装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0084】
また、この販売管理装置1の販売管理プログラムは、販売管理装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0085】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための搬送温度管理プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0086】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した販売管理装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0087】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0088】
また、販売管理装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0089】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、債権を取り扱う業務に有用である。具体的には、例えば資金繰りが厳しく早期資金化のために債権譲渡・ファクタリングを行っている会社の債権業務、企業グループのファイナンス会社がまとめて債権管理を行う会社の債権業務、又は、売掛金及び受取手形が混在し、かつ与信管理を行っている会社の債権業務に有用である。
【符号の説明】
【0091】
1 販売管理装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
8 ネットワーク
9 会計端末装置
11 請求先マスタ
12 与信マスタ
21 取得部
22 データ処理部
23 表示制御部
24 出力制御部
25 通信制御部