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▶ ソウル バイオシス カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】発光素子パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/54 20100101AFI20241126BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20241126BHJP
   H01L 33/08 20100101ALI20241126BHJP
【FI】
H01L33/54
H01L33/62
H01L33/08
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021556345
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-23
(86)【国際出願番号】 KR2020003744
(87)【国際公開番号】W WO2020190046
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】62/820,482
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/819,786
(32)【優先日】2020-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジョン ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム,チャン ヨン
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0293811(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0288093(US,A1)
【文献】特開2010-062351(JP,A)
【文献】国際公開第2018/176657(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
G09F 9/30- 9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面及び背面を有する印刷回路基板と、
前記前面上に設けられ、前記前面に向かう方向に光を出射する少なくとも一つの発光素子と、
前記印刷回路基板上に設けられ、前記発光素子を取り囲むモールディング層と、を含み、
前記発光素子は、
前記印刷回路基板上に設けられた発光構造体と、
前記発光構造体上に設けられた基板と、
前記発光構造体と前記印刷回路基板との間に設けられた多数個のバンプ電極と、を含み、
前記発光構造体は、
第1光を出射する第1エピタキシャルスタックと、
前記第1光と異なる波長帯域の第2光を出射する第2エピタキシャルスタックと、
前記第1及び第2光と異なる波長帯域の第3光を出射する第3エピタキシャルスタックと、を含み、
前記第1乃至第3エピタキシャルスタックのそれぞれは、
p型半導体層と、
n型半導体層と、
前記p型半導体層と前記n型半導体層との間に設けられた活性層と、を含み、
前記第1エピタキシャルスタックの前記n型半導体層は、上面の一部が陥没し、コンタクト電極が設けられる陥没部分を有し、
前記モールディング層は、前記基板の上面を覆い、前記モールディング層の外部に露出した表面には微細凹凸部が設けられ、
前記モールディング層は、光を拡散するフィラーを含み、
前記フィラーは、シリカまたはアルミナを含む、発光素子パッケージ。
【請求項2】
前記微細凹凸部は、プラズマ処理、マイクロサンドブラスト処理、パターン転写、乾式研磨、及び湿式エッチングのうち少なくとも一つによって製造された、請求項1に記載の発光素子パッケージ。
【請求項3】
前記モールディング層は、実質的に平らな上面を有する、請求項2に記載の発光素子パッケージ。
【請求項4】
前記モールディング層は、前記発光構造体と前記印刷回路基板との間の少なくとも一部に充填された、請求項1に記載の発光素子パッケージ。
【請求項5】
前記モールディング層は、50%以上の外部光散乱率を有する、請求項3に記載の発光素子パッケージ。
【請求項6】
前記印刷回路基板は、前記前面に設けられた各上部電極、前記背面に設けられた各下部電極、及び前記各上部電極と前記各下部電極とを接続する各ビア電極を含み、前記各バンプ電極のそれぞれは、対応する各上部電極のそれぞれに接続される、請求項1に記載の発光素子パッケージ。
【請求項7】
前記各下部電極のうち互いに隣接した二つの下部電極の間の距離は、前記各上部電極のうち互いに隣接した二つの上部電極の間の距離より大きい、請求項6に記載の発光素子パッケージ。
【請求項8】
前記発光素子は複数個で設けられる、請求項6に記載の発光素子パッケージ。
【請求項9】
前記各発光素子は4個で設けられ、請求項8に記載の発光素子パッケージ。
【請求項10】
前記各バンプ電極は、
前記第1エピタキシャルスタックのp型半導体層に接続された第1バンプ電極と、
前記第2エピタキシャルスタックのp型半導体層に接続された第2バンプ電極と、
前記第3エピタキシャルスタックのp型半導体層に接続された第3バンプ電極と、
前記第1乃至第3エピタキシャルスタックの各n型半導体層に接続された第4バンプ電極と、を含む、請求項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項11】
前記各発光素子は第1乃至第4発光素子を含み、
前記各下部電極は、第1乃至第6スキャンパッド、及び第1及び第2データパッドを含み、
前記第1発光素子は、前記第1乃至第3スキャンパッド及び前記第1データパッドに接続され、
前記第2発光素子は、前記第1乃至第3スキャンパッド及び前記第2データパッドに接続され、
前記第3発光素子は、前記第4乃至第6スキャンパッド及び前記第1データパッドに接続され、
前記第4発光素子は、前記第4乃至第6スキャンパッド及び前記第2データパッドに接続される、請求項9に記載の発光素子パッケージ。
【請求項12】
各発光素子において、前記各バンプ電極は第1乃至第4バンプ電極を含み、前記第1乃至第3バンプ電極には第1乃至第3スキャン信号が印加され、前記第4バンプ電極にはデータ信号が印加される、請求項11に記載の発光素子パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子パッケージ及びこれを適用したアプリケーションに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)を使用する多様な装置が開発されている。発光ダイオードを光源として使用する装置としては、一般的な照明や表示装置を挙げることができる。発光ダイオードを使用する各装置は、最終基板上に個別的に成長した赤色(Red、R)、緑色(Green、G)及び青色(Blue、B)発光ダイオード(LED)の各構造を形成することによって得られる。
【0003】
このような発光ダイオードを多様な装置に適用するためには、構造が簡単で、製造が容易である必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態は、簡単な構造を有しながらも製造方法が単純な発光素子パッケージ及びそのアプリケーションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージは、前面及び背面を有する印刷回路基板と、前記前面上に設けられ、前記前面に向かう方向に光を出射する少なくとも一つの発光素子と、前記印刷回路基板上に設けられ、前記発光素子を取り囲むモールディング層と、を含み、前記発光素子は、前記印刷回路基板上に設けられた発光構造体、前記発光構造体上に設けられた基板、及び前記発光構造体と前記印刷回路基板との間に設けられた多数個のバンプ電極を含む。前記モールディング層は、前記基板の上面を覆い、前記モールディング層の外部に露出した表面には微細凹凸部が設けられてもよい。
【0006】
本発明の一実施形態において、微細凹凸部は、プラズマ処理、マイクロサンドブラスト処理、パターン転写、乾式研磨及び湿式エッチングのうち少なくとも一つによって製造され得る。
【0007】
本発明の一実施形態において、前記モールディング層は、実質的に平らな上面を有してもよい。
【0008】
本発明の一実施形態において、前記モールディング層は、外部光の一部を反射、散乱、又は吸収することができる。
【0009】
本発明の一実施形態において、前記モールディング層は、前記発光構造体と前記印刷回路基板との間の少なくとも一部に充填されてもよい。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記モールディング層は、約50%以上の外部光反射率、外部光散乱率、又は外部光吸収率を有してもよい。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記モールディング層はブラックカラーを有してもよい。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記印刷回路基板は、前記前面に設けられた各上部電極、前記背面に設けられた各下部電極、及び前記各上部電極と前記各下部電極とを接続する各ビア電極を含み、前記各バンプ電極は、対応する各上部電極に接続されてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態において、互いに隣接した二つの下部電極の間の距離は、互いに隣接した二つの上部電極の間の距離より大きくてもよい。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記発光素子は複数個で設けられてもよい。例えば、前記各発光素子は4個で設けられ、前記発光素子のそれぞれの発光構造体は、前記基板上に順次積層され、互いに異なる波長帯域の光を出射し、光出射領域が互いに重畳する複数のエピタキシャルスタックを含んでもよい。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記複数個のエピタキシャルスタックは、第1光を出射する第1エピタキシャルスタックと、前記第1エピタキシャルスタック上に設けられ、前記第1光と異なる波長帯域の第2光を出射する第2エピタキシャルスタックと、前記第2エピタキシャルスタック上に設けられ、前記第1及び第2光と異なる波長帯域の第3光を出射する第3エピタキシャルスタックとを含んでもよい。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記第1乃至第3エピタキシャルスタックのそれぞれは、p型半導体層と、n型半導体層と、前記p型半導体層と前記n型半導体層との間に設けられた活性層と、を含んでもよい。
【0017】
本発明の一実施形態において、前記各バンプ電極は、前記第1エピタキシャルスタックのp型半導体層に接続された第1バンプ電極と、前記第2エピタキシャルスタックのp型半導体層に接続された第2バンプ電極と、前記第3エピタキシャルスタックのp型半導体層に接続された第3バンプ電極と、前記第1乃至第3エピタキシャルスタックの各n型半導体層に接続された第4バンプ電極と、を含んでもよい。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記各発光素子は、第1乃至第4発光素子を含み、前記各下部電極は、第1乃至第6スキャンパッド、及び第1及び第2データパッドを含み、前記第1発光素子は、前記第1乃至第3スキャンパッド及び前記第1データパッドに接続され、前記第2発光素子は、前記第1乃至第3スキャンパッド及び前記第2データパッドに接続され、前記第3発光素子は、前記第4乃至第6スキャンパッド及び前記第1データパッドに接続され、前記第4発光素子は、前記第4乃至第6スキャンパッド及び前記第2データパッドに接続されてもよい。
【0019】
本発明の一実施形態において、各発光素子において、前記各バンプ電極は、第1乃至第4バンプ電極を含み、前記第1乃至第3バンプ電極には第1乃至第3スキャン信号が印加され、前記第4バンプ電極にはデータ信号が印加されてもよい。
【0020】
本発明の一実施形態において、前記モールディング層は、真空ラミネート(vacuum laminate)法で形成されてもよい。
【0021】
本発明の一実施形態において、発光素子パッケージは、表示装置又は車両用照明装置に採用可能であり、この場合、ベース基板と、前記ベース基板上に設けられた少なくとも1個の発光素子パッケージとを含んでもよい。
【0022】
本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージは、各発光素子を形成し、印刷回路基板上に前記各発光素子を配置し、前記各発光素子を覆うように前記印刷回路基板上に真空ラミネート法でモールディング層を形成し、前記モールディング層の外部に露出した表面を処理することによって前記モールディング層の表面に微細凹凸部を形成し、前記印刷回路基板及びモールディング層を切断し、発光素子パッケージを形成することによって製造されてもよい。また、前記モールディング層は、前記基板の上面を覆い、外部光の一部を反射、散乱、又は吸収する材料を含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一実施形態によると、簡単な構造を有しながらも製造方法が単純な発光素子パッケージを提供することができる。また、本発明の一実施形態によると、前記発光素子を用いた表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る発光素子を示した断面図である。
図2a】本発明の一実施形態に係る発光素子を具体的に示した平面図である。
図2b図2aのA-A’線に沿った断面図である。
図3a】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次示した平面図である。
図3b】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次示した図であって、図3aのA-A’線に沿った断面図である。
図4a】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次示した平面図である。
図4b】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次示した図であって、図4aのA-A’線に沿った断面図である。
図5a】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次示した平面図である。
図5b】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次示した図であって、図5aのA-A’線に沿った断面図である。
図6a】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次示した平面図である。
図6b】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次示した図であって、図6aのA-A’線に沿った断面図である。
図7a】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次示した平面図である。
図7b】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次示した図であって、図7aのA-A’線に沿った断面図である。
図8a】発光素子パッケージの製造方法を順次示した図である。
図8b】発光素子パッケージの製造方法を順次示した図である。
図8c】発光素子パッケージの製造方法を順次示した図である。
図8d】発光素子パッケージの製造方法を順次示した図である。
図8e】発光素子パッケージの製造方法を順次示した図である。
図9a】モールディング層をプラズマ処理した場合と、モールディング層をプラズマ処理していない場合をそれぞれ示したSEM(scanning electron microscope)写真である。
図9b】モールディング層をプラズマ処理した場合と、モールディング層をプラズマ処理していない場合をそれぞれ示したSEM(scanning electron microscope)写真である。
図10a】インプリントモールドを用いてモールディング層の表面に微細凹凸部を形成する工程を順次示した断面図である。
図10b】インプリントモールドを用いてモールディング層の表面に微細凹凸部を形成する工程を順次示した断面図である。
図10c】インプリントモールドを用いてモールディング層の表面に微細凹凸部を形成する工程を順次示した断面図である。
図10d】インプリントモールドを用いてモールディング層の表面に微細凹凸部を形成する工程を順次示した断面図である。
図10e】インプリントモールドを用いてモールディング層の表面に微細凹凸部を形成する工程を順次示した断面図である。
図11a】本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージを示した平面図であって、一つの印刷回路基板に4個の発光素子がマトリックス状に実装されたことを示した上面図である。
図11b図11aに示した発光素子パッケージの背面図である。
図12図11a及び図11bに示した発光素子パッケージの回路図である。
図13】表示装置や車両用照明装置などに適用するために多数個の発光素子パッケージをベース基板に実装し、光源モジュールを製造したことを示した概略的な断面図である。
図14】本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージが表示装置に適用される場合を概念的に示した平面図である。
図15図14のP1部分を拡大して示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有し得るので、特定の実施形態を図面に例示し、これを本文で詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物及び代替物を含むものと理解しなければならない。
【0026】
以下、添付の各図面を参照して本発明の好適な実施形態をより詳細に説明する。
【0027】
本発明は、発光素子、より詳細には、光を出射する発光素子に関する。本発明の発光素子は、光源として多様な装置に採用され得る。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る発光素子を示した断面図である。
【0029】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る発光素子は、順次積層された複数個のエピタキシャルスタックからなる発光構造体を含む。発光構造体は基板11上に設けられる。
【0030】
基板11は、前面及び背面を有する板状に設けられる。
【0031】
発光構造体に含まれる複数のエピタキシャルスタックは、2個以上で設けられ、それぞれが互いに異なる波長帯域の光を出射することができる。すなわち、エピタキシャルスタックは、複数個で設けられ、それぞれが互いに同一又は異なるエネルギーバンドを有する。本実施形態では、発光構造体が、基板11の前面上にエピタキシャルスタックが順次積層された3個の層からなることを示したので、複数のエピタキシャルスタックは、基板11の前面から第3エピタキシャルスタック40、第2エピタキシャルスタック30、及び第1エピタキシャルスタック20の順に積層される。
【0032】
基板11は、光透過性絶縁材料で形成されてもよい。
【0033】
基板11の材料は、基板11の前面上に設けられるエピタキシャルスタック、すなわち、第3エピタキシャルスタック40を成長できる成長基板のうち一つで提供されてもよい。本発明の一実施形態において、基板11は、サファイア(Al)、シリコンカーバイド(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化アルミニウム(AlN)、ガリウム酸化物(Ga)、又はシリコン基板(Si)であってもよい。
【0034】
各エピタキシャルスタックは、前記基板11の背面に向かう方向(図1では下側方向)に光を出射する。このとき、一つのエピタキシャルスタックから出射された光は、光経路に位置した他のエピタキシャルスタックを透過しながら基板11の背面に向かう方向に進行する。
【0035】
本実施形態において、第1エピタキシャルスタック20は第1光を出射し、第2エピタキシャルスタック30は第2光を出射し、第3エピタキシャルスタック40は第3光を出射することができる。ここで、第1乃至第3光は、互いに同一又は異なる光であってもよい。本発明の一実施形態において、第1乃至第3光は、可視光線波長帯域のカラー光であってもよい。
【0036】
本発明の一実施形態において、第1乃至第3光は、順次短い波長を有する互いに異なる波長帯域の光であってもよい。すなわち、第1乃至第3光は、互いに同一又は異なる波長帯域を有してもよく、第1光から第3光に行くほど高いエネルギーを有する短波長帯域の光であってもよい。本実施形態において、第1光は赤色光で、第2光は緑色光で、第3光は青色光であってもよい。
【0037】
しかし、第1乃至第3光は、順次長い波長を有する互いに異なる波長帯域の光であってもよく、又は、波長の長さに関係なく不規則に配置された互いに異なる波長帯域の光であってもよい。一実施形態としては、第1光は赤色光で、第2光は青色光で、第3光は緑色光であってもよい。
【0038】
上記のような構造を有する本発明の一実施形態に係る発光構造体において、各エピタキシャルスタックには、それぞれ発光信号を印加する信号配線が独立的に接続され、これによって、各エピタキシャルスタックが独立的に駆動する。その結果、各エピタキシャルスタックからの光の出射有無が決定されることによって多様なカラーが実現され得る。また、互いに異なる波長の光を出すエピタキシャルスタックが上下に重畳して形成されるので、狭い面積への形成が可能である。
【0039】
より詳細に説明すると、本発明の一実施形態に係る発光積層体において、基板11上には第3エピタキシャルスタック40が設けられ、第3エピタキシャルスタック40上には第2接着層63を挟んで第2エピタキシャルスタック30が設けられ、第2エピタキシャルスタック30上には第1接着層61を挟んで第1エピタキシャルスタック20が設けられてもよい。
【0040】
第1及び第2接着層61、63は、非導電性材料からなってもよく、光透過性を有する材料を含む。例えば、第1及び第2接着層61、63には、光学的に透明な接着剤(Optically Clear Adhesive)が使用されてもよい。しかし、本発明の一実施形態がこれに限定されるのではなく、第1及び第2接着層61、63は、特定の波長に対しては光学的に透明であってもよい。例えば、第1及び第2接着層61、63は、特定の波長のみを透過させることによって所定のカラーを示すカラーフィルターであってもよい。前記カラーは、多様な色から選択可能であり、例えば、赤色、青色、又は緑色であってもよく、これと異なる色であってもよい。
【0041】
第3エピタキシャルスタック40は、下部から上部方向に順次配置されたn型半導体層41、活性層43、及びp型半導体層45を含む。第3エピタキシャルスタック40のn型半導体層41、活性層43、及びp型半導体層45は、青色光を出射する半導体材料を含んでもよい。第3エピタキシャルスタック40のp型半導体層45の上部には第3p型コンタクト電極45pが設けられる。
【0042】
第2エピタキシャルスタック30は、下部から上部方向に順次配置されたp型半導体層35、活性層33、及びn型半導体層31を含む。第2エピタキシャルスタック30のp型半導体層35、活性層33、及びn型半導体層31は、緑色光を出射する半導体材料を含んでもよい。第2エピタキシャルスタック30のp型半導体層35の下部には第2p型コンタクト電極35pが設けられる。
【0043】
第1エピタキシャルスタック20は、下部から上部方向に順次配置されたp型半導体層25、活性層23、及びn型半導体層21を含む。第1エピタキシャルスタック20のp型半導体層25、活性層23、及びn型半導体層21は、赤色光を出射する半導体材料を含んでもよい。第1エピタキシャルスタック20のp型半導体層25の下部には第1p型コンタクト電極25pが設けられてもよい。
【0044】
第1エピタキシャルスタック20のn型半導体層21の上部には第1n型コンタクト電極が設けられてもよい。第1n型コンタクト電極21nは、単一層、又は多重層の金属からなってもよい。例えば、第1n型コンタクト電極21nには、Al、Ti、Cr、Ni、Au、Ag、Sn、W、Cuなどの金属又はこれらの合金を含む多様な材料が使用され得る。
【0045】
本実施形態において、第1乃至第3p型コンタクト電極25p、35p、45pは、光を透過できるように透明導電性材料からなってもよい。
【0046】
本実施形態において、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40のn型半導体層21、31、41には共通配線が接続されてもよい。ここで、共通配線は、共通電圧が印加される配線である。また、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40のp型半導体層25、35、45には、p型コンタクト電極25p、35p、45pを介して発光信号配線がそれぞれ接続されてもよい。より詳細には、第1n型コンタクト電極21n、第2及び第3n型半導体層31、41には共通配線を介して共通電圧Sが印加され、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40のp型コンタクト電極25p、35p、45pには発光信号が発光信号配線を介して印加されることによって、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40の発光が制御される。ここで、発光信号は、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40のそれぞれに対応する第1乃至第3発光信号S、S、Sを含む。本発明の一実施形態において、第1発光信号Sは赤色光、第2発光信号Sは緑色光、第3発光信号Sは青色光の発光に対応する信号であってもよい。
【0047】
上述した実施形態によると、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40は、各エピタキシャルスタックに印加された発光信号によって駆動する。すなわち、第1エピタキシャルスタック20は第1発光信号Sによって駆動し、第2エピタキシャルスタック30は第2発光信号Sによって駆動し、第3エピタキシャルスタック40は第3発光信号Sによって駆動する。ここで、第1、第2、及び第3発光信号S、S、Sは、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40に互いに独立的に印加され、その結果、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40はそれぞれ独立的に駆動する。発光積層体は、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40から下部方向に出射された第1乃至第3光の組み合わせによって最終的に多様なカラー及び多様な光量の光を提供することができる。
【0048】
上述した実施形態では、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40のn型半導体層21、31、41に共通電圧が供給され、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40のp型半導体層25、35、45には発光信号が印加されることを説明したが、本発明の実施形態がこれに限定されるのではない。本発明の他の実施形態では、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40のp型半導体層25、35、45には共通電圧が供給され、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40のn型半導体層21、31、41には発光信号が印加され得る。
【0049】
上記のような構造を有する本発明の一実施形態に係る発光積層体は、カラーを実現するにおいて、互いに異なる光が互いに離隔した他の平面上で実現されるのではなく、互いに異なる光の一部を重畳した領域で提供するので、発光素子の小型化及び集積化が可能である。本発明によると、互いに異なる光を具現化する発光素子の一部を一つの領域で重畳させることによって積層体として提供し、その結果、既存の発明に比べて著しく小さい面積でフルカラーの実現が可能である。これによって、小さい面積でも高解像度装置の製造が可能である。また、上記のような構造を有する発光積層体において、互いに異なる波長帯域の光を出射する各エピタキシャルスタックではなく、互いに同一の波長帯域の光を出射する各エピタキシャルスタックが積層された場合は、光の強さが多様に制御された発光装置の製造が可能である。
【0050】
本発明の一実施形態に係る発光積層体は、一つの基板上に多層のエピタキシャルスタックを順次積層した後、多層のエピタキシャルスタックに最小限の工程を通じてコンタクト部を形成し、配線部を接続する。また、個別カラーの発光素子を別々に製造しながら個別的に実装する既存の表示装置の製造方法に比べて、本発明では、多数個の発光素子の代わりに一つの発光積層体のみを実装すればよいので、製造方法が著しく簡単になる。
【0051】
本発明の一実施形態に係る発光素子は多様な形態で具現化され得るので、図2a及び図2bを参照して具体的な実施形態を説明する。
【0052】
図2aは、本発明の一実施形態に係る発光素子を具体的に示した平面図で、図2bは、図2aのA-A’線に沿った断面図である。
【0053】
図2a及び図2bを参照すると、本発明の一実施形態に係る発光素子は、基板11と、基板上に設けられ、複数のエピタキシャルスタックを含む発光構造体と、発光構造体上に設けられた各バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpとを含む。発光構造体は、基板11上に積層された第3エピタキシャルスタック40、第2エピタキシャルスタック30、及び第1エピタキシャルスタック20を含む。
【0054】
第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40のそれぞれは、p型半導体層、n型半導体層、及びp型半導体層とn型半導体層との間に設けられた活性層を含む。図面では、各エピタキシャルスタックのn型半導体層、p型半導体層、及び活性層を一つの層のエピタキシャルスタックで表示した。
【0055】
第3エピタキシャルスタック40上には、第3p型コンタクト電極45p、第2接着層63、及び第2p型コンタクト電極35pが順次設けられる。第2p型コンタクト電極35pは第2エピタキシャルスタック30と直接接触する。
【0056】
第2エピタキシャルスタック30上には、第1接着層61及び第1p型コンタクト電極25pが順次設けられる。第1p型コンタクト電極25pは第1エピタキシャルスタック20と直接接触する。
【0057】
第1エピタキシャルスタック20上には第1n型コンタクト電極21nが設けられる。第1n型半導体層21は、上面の一部が陥没した構造を有してもよく、第1n型コンタクト電極21nがその陥没した部分に設けられてもよい。
【0058】
第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40が積層された基板11上には、単層又は多層の絶縁膜が設けられる。本発明の一実施形態において、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40の側面及び上面の一部には、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40の積層体をカバーする第1絶縁膜81及び第2絶縁膜83が設けられてもよい。第1及び/又は第2絶縁膜81、83は、多様な有/無機絶縁性材料からなってもよく、その材料や形態が限定されるのではない。例えば、第1及び/又は第2絶縁膜81、83は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、Al又はDBR(distributed Bragg reflector)として設けられてもよい。また、第1及び/又は第2絶縁膜81、83はブラックカラーの有機高分子膜であってもよい。
【0059】
画素には、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40に配線部を接続するためのコンタクト部が設けられる。コンタクト部は、第1エピタキシャルスタック20に発光信号を供給するための第1コンタクト部20C、第2エピタキシャルスタック30に発光信号を供給するための第2コンタクト部30C、第3エピタキシャルスタック40に発光信号を供給するための第3コンタクト部40C、及び第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40に共通電圧を印加するための第4コンタクト部50Cを含む。本発明の一実施形態において、第1乃至第4コンタクト部20C、30C、40C、50Cは、平面上から見たとき、多様な位置に設けられ得る。
【0060】
第1乃至第4コンタクト部20C、30C、40C、50Cは、それぞれ第1乃至第4パッド20pd、30pd、40pd、50pd、及び第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpを含んでもよい。
【0061】
第1乃至第4パッド20pd、30pd、40pd、50pdのそれぞれは、互いに離隔して絶縁される。
【0062】
第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpのそれぞれは、互いに離隔して絶縁され、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40と重畳する領域、すなわち、光出射領域に設けられてもよい。第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpのそれぞれは、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40の縁部にわたって形成されてもよく、これによって、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40の各活性層の各側面をカバーすることができる。
【0063】
第1コンタクト部20Cは、互いに電気的に接続される第1パッド20pd及び第1バンプ電極20bpを含む。第1パッド20pdは、第1エピタキシャルスタック20の第1p型コンタクト電極25p上に設けられ、第1絶縁膜81に設けられた第1コンタクトホール20CHを介して第1p型コンタクト電極25pに接続される。第1バンプ電極20bpは、少なくとも一部が第1パッド20pdと重畳する。第1バンプ電極20bpは、第1パッド20pdと重畳した領域で第2絶縁膜83を挟んで第1スルーホール20ctを介して第1パッド20pdと接続される。
【0064】
第2コンタクト部30Cは、互いに電気的に接続される第2パッド30pd及び第2バンプ電極30bpを含む。第2パッド30pdは、第2p型コンタクト電極35p上に設けられ、第1絶縁膜81に形成された第2コンタクトホール30CHを介して第2p型コンタクト電極35pに接続される。第2バンプ電極30bpは、少なくとも一部が第2パッド30pdと重畳する。第2バンプ電極30bpは、第2パッド30pdと重畳した領域で第2絶縁膜83を挟んで第2スルーホール30ctを介して第2パッド30pdと接続される。
【0065】
第3コンタクト部40Cは、互いに電気的に接続される第3パッド40pd及び第3バンプ電極40bpを含む。第3パッド40pdは、第3p型コンタクト電極45p上に設けられ、第1絶縁膜81に形成された第3コンタクトホール40CHを介して第3p型コンタクト電極45pに接続される。第3バンプ電極40bpは、少なくとも一部が第3パッド40pdと重畳する。第3バンプ電極40bpは、第3パッド40pdと重畳した領域で第2絶縁膜83を挟んで第3スルーホール40ctを介して第3パッド40pdと接続される。
【0066】
第4コンタクト部50Cは、互いに電気的に接続される第4パッド50pd及び第4バンプ電極50bpを含む。第4パッド50pdは、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40の第1n型コンタクト電極21n、第2及び第3n型半導体層上にそれぞれ設けられた第1乃至第3サブコンタクトホール50CHa、50CHb、50CHcを介してそれぞれ第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40に接続される。ここで、第3エピタキシャルスタック40は、上面の一部が除去されることによって第3n型半導体層が露出しており、第4パッド50pdは第3半導体層の第3n型半導体層に接続される。
【0067】
より詳細に、第4パッド50pdは、第1エピタキシャルスタック20の第1n型コンタクト電極上に設けられた第1サブコンタクトホール50CHaを介して第1エピタキシャルスタック20に接続され、第2エピタキシャルスタック30の第2n型半導体層上に設けられた第2サブコンタクトホール50CHbを介して第2エピタキシャルスタック30に接続され、第3エピタキシャルスタック40の第3n型半導体層上に設けられた第3サブコンタクトホール50CHcを介して第3エピタキシャルスタック40に接続される。第4バンプ電極50bpは、少なくとも一部が第4パッド50pdと重畳する。第4バンプ電極50bpは、第4パッド50pdと重畳した領域で第2絶縁膜83を挟んで第4スルーホール50ctを介して第4パッド50pdに接続される。
【0068】
本発明の一実施形態において、図示してはいないが、基板11には、第1乃至第4コンタクト部20C、30C、40C、50Cに対応して設けられ、第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpのそれぞれに電気的に接続される配線部(図5参照)及び/又は配線部と接続された薄膜トランジスタなどの駆動素子がさらに設けられてもよい。例えば、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40には、第1乃至第3バンプ電極20bp、30bp、40bpを介して第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40のそれぞれに発光信号を供給する第1乃至第3発光信号配線、及び第4バンプ電極50bpを介して第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40のそれぞれに共通電圧を供給する共通配線が接続されてもよい。本実施形態において、第1乃至第3発光信号配線は第1乃至第3スキャン配線に、共通配線はデータ配線にそれぞれ対応し得る。
【0069】
図3a乃至図7bは、本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次示した図であって、図3a、図4a、図5a、図6a、及び図7aは平面図で、図3b、図4b、図5b、図6b、及び図7bは、図3a、図4a、図5a、図6a、及び図7aのA-A’線に沿った断面図である。
【0070】
図3a及び図3bを参照すると、基板11上に発光構造体が形成される。発光構造体においては、第3エピタキシャルスタック40、第3p型コンタクト電極45p、第2接着層63、第2p型コンタクト電極35p、第2エピタキシャルスタック30、第1接着層61、第1p型コンタクト電極25p、第1エピタキシャルスタック20、及び第1n型コンタクト電極21nが化学気相蒸着法、金属有機化学気相蒸着法、分子線蒸着法などの多様な工程を通じて順次成長し得る。
【0071】
発光構造体は、全体的な配線接続構造などを考慮して多様な形状にパターニングされ得る。例えば、上述した各コンタクトホール、各スルーホール、及び各パッドの位置を考慮して、平面上から見たときに多角形の形態で形成されてもよい。
【0072】
一実施形態によると、エッチング工程を通じて第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40及び第1乃至第3p型コンタクト電極25p、35p、45pの一部がエッチングされ、第1乃至第4コンタクトホール20CH、30CH、40CH、50CH(図4a及び図4b参照)が形成される位置の上面が露出し得る。
【0073】
図4a及び図4bを参照すると、垂直に積層された発光構造体上にコンフォーマルに(conformally)第1絶縁膜81が形成されてもよい。第1絶縁膜81は、酸化物、例えば、シリコン酸化物及び/又はシリコン窒化物を含んでもよい。
【0074】
第1絶縁膜81は、パターニングされることによって一部が除去され、その結果、第1乃至第4コンタクトホール20CH、30CH、40CH、50CHが形成される。
【0075】
第1コンタクトホール20CHは、第1p型コンタクト電極25p上に配置され、第1p型コンタクト電極25pの一部を露出させる。第2コンタクトホール30CHは、第2エピタキシャルスタック30上に配置され、第2p型コンタクト電極35pの一部を露出させる。第3コンタクトホール40CHは、第3p型コンタクト電極45p上に配置され、第3p型コンタクト電極45pの一部を露出させる。第4コンタクトホール50CHは、第1乃至第3サブコンタクトホール50CHa、50CHb、50CHcを含み、第1乃至第3サブコンタクトホール50CHa、50CHb、50CHcのそれぞれは、第1n型コンタクト電極21n、第2エピタキシャルスタック30の第2n型半導体層、第3エピタキシャルスタック40の第3n型半導体層上に配置され、第1n型コンタクト電極21n、第2エピタキシャルスタック30の第2n型半導体層、第3エピタキシャルスタック40の第3n型半導体層の一部を露出させる。
【0076】
図5a及び図5bを参照すると、第1乃至第4コンタクトホール20CH、30CH、40CH、50CHが形成された第1絶縁膜81上に第1乃至第4パッド20pd、30pd、40pd、50pdが形成される。第1乃至第4パッド20pd、30pd、40pd、50pdを形成するための導電膜材料としては、金属を含む多様な導電体が使用可能であり、例えば、第1乃至第4パッド20pd、30pd、40pd、50pdは、Ni、Ag、Au、Pt、Ti、Al及びCrのうち少なくともいずれか一つからなってもよい。
【0077】
第1乃至第4パッド20pd、30pd、40pd、50pdは、第1乃至第4コンタクトホール20CH、30CH、40CH、50CHが形成された部分と重畳するように形成される。ここで、第4パッド50pdは、第1乃至第3サブコンタクトホール50CHa、50CHb、50CHcが形成された部分に同時に重畳するように形成されてもよい。
【0078】
図6a及び図6bを参照すると、第1絶縁膜81上には、コンフォーマルに第2絶縁膜83が形成されてもよい。第2絶縁膜83は、酸化物、例えば、シリコン酸化物及び/又はシリコン窒化物を含んでもよい。
【0079】
第2絶縁膜83は、パターニングされることによって一部が除去され、その結果、第1乃至第4スルーホール20ct、30ct、40ct、50ctが形成される。
【0080】
第1乃至第4スルーホール20ct、30ct、40ct、50ctは、それぞれ第1乃至第4パッド20pd、30pd、40pd、50pd上に配置され、第1乃至第4パッド20pd、30pd、40pd、50pdの一部を露出させる。
【0081】
図7a及び図7bを参照すると、第1乃至第4スルーホール20ct、30ct、40ct、50ctが形成された第2絶縁膜83上に第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpが形成される。
【0082】
第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpは、それぞれ第1乃至第4スルーホール20ct、30ct、40ct、50ctが形成された部分と重畳するように形成され、その結果、第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpは、第1乃至第4スルーホール20ct、30ct、40ct、50ctを介して第1乃至第4パッド20pd、30pd、40pd、50pdにそれぞれ接続される。
【0083】
第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpは、対応する第1乃至第4パッド20pd、30pd、40pd、50pdより広い面積を有してもよい。また、第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpは、平面上から見たとき、第1乃至第3エピタキシャルスタック20、30、40が光を出射する光出射領域と少なくとも一部が重畳してもよい。
【0084】
第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpは、多様な金属を用いてめっき法で形成されてもよい。第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpは、めっき工程で金属層を形成するためのシード層(seed layer)をさらに含んでもよい。シード層には、多様な金属、例えば、Cu、Ni、Tiなどを含む金属が使用可能であり、シード層は、めっきしようとする金属材料によって多様に変更され得る。
【0085】
第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpをめっき法で形成する場合、第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpの上面を平らに形成することが可能である。発光構造体は、外部配線との接続のためのコンタクト構造を形成するためのエッチングなどによって上部段差を有するが、他の素子との接続時、段差により、一般的な金属層の形成時に他の素子と発光構造体との間の電気的接続が困難になり得る。しかし、めっき法で形成する場合、段差が大きいエピタキシャル層からなる発光構造体上でも平らな上面を有する各電極の形成が可能である。これに加えて、めっきした第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpは、それ自体でも平らな上面を有し得るが、扁平度を高めるために追加的に第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpの上面に対して研磨が行われてもよい。
【0086】
第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpは、半導体素子における配線材料として使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、SnAg、Sn、CuSn、CuN、CuAg、Sb、Ni、Zn、Mo、Coなどの金属及び/又は金属合金からなってもよい。本発明の一実施形態において、第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpは、Snのみからなってもよく、又はCu/Ni/Snからなってもよい。第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpがCu/Ni/Snからなる場合、発光構造体への不純物の内部拡散が最小化され得るので、特に、Cuが各バンプ電極の材料として使用されることによって、発光構造体へのSnの浸透を防止することができる。
【0087】
第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpは、めっき法を用いて形成した後、追加的な熱処理工程、すなわち、リフロー工程を通じて第1乃至第4バンプ電極20bp、30bp、40bp、50bpの強度を高めることができる。
【0088】
本発明の一実施形態において、上述したような構造を有する発光素子は、パッケージとして具現化され、他の装置、例えば、印刷回路基板上に実装されることによって一つの発光素子パッケージとして機能することができる。その結果、他の装置への実装が容易な構造からなるように、多様な配線が追加的に設けられ得る。
【0089】
図8a乃至図8eは、発光素子パッケージの製造方法を順次示した図である。図8a乃至図8eにおいて、説明の便宜のために、第1乃至第3エピタキシャルスタックは、発光構造体10として単純化して示し、第1乃至第4パッド及び第1乃至第4バンプ電極も、パッドpd及びバンプ電極bpとして単純化して示した。特に、図面では、発光構造体10は、上面が平らなものとして単純化して示したが、上面に段差及び/又は傾斜を有する構造である。
【0090】
本発明の一実施形態において、配線などが形成された印刷回路基板11pなどに少なくとも一つの発光素子110を実装することによって発光素子パッケージを形成することができる。発光素子パッケージは、特に多数個の発光素子110を含んでもよい。
【0091】
図8aを参照すると、印刷回路基板11pが準備され、印刷回路基板11p上に多数個の発光素子110が配置される。
【0092】
印刷回路基板11pは、多様な素子の間の電気的接続のための各配線及び各電極が形成されたものであって、印刷回路基板11pの表面に少なくとも一つの発光素子110が実装されてもよい。印刷回路基板11pは、それらの各配線の配置によって多様な形態で提供され得るが、本実施形態では、説明の便宜のために基板11の前面、背面、及び前面と背面との間に各電極が設けられたことを示した。しかし、印刷回路基板11pの各配線の配置は、これに限定されるのではない。本発明の一実施形態において、印刷回路基板11pは、可撓性を有してもよく、可撓性を有さなくてもよい。
【0093】
本発明の一実施形態において、印刷回路基板11pは前面及び背面を有する。印刷回路基板11pの前面には各上部電極11paが、背面には設けられた各下部電極11pcが、そして、印刷回路基板11pの前面及び背面を貫通して各上部電極11paと各下部電極11pcとを接続する各ビア電極11pbが設けられる。印刷回路基板11pの前面は、各発光素子110が実装される面である。本発明の一実施形態において、印刷回路基板11pの各上部電極11paは、後で付着する各発光素子110の各バンプ電極bpに対応する位置に形成される。
【0094】
印刷回路基板11p上の各配線及び/又は各電極は、ENIG(Electroless Nikel Immersion Gold)で表面処理されてもよい。例えば、本発明の一実施形態において、特に各上部電極11paはENIGで表面処理されてもよい。印刷回路基板11p上の各配線及び/又は各電極がENIG処理される場合、高温で一部が溶けながら各発光素子110の各バンプ電極bpと容易に接続され得る。
【0095】
各発光素子110は、キャリア基板11c上に付着し、印刷回路基板11pの上部に配置される。キャリア基板11cは、各発光素子110を移送するためのものであって、一面に接着層13が形成されており、接着層13によって各発光素子110がキャリア基板11cに付着する。接着層13は、強い耐熱性を有しながらも各発光素子110の着脱が可能なシリコン系高分子であってもよく、テープやシートの形態で製造され、キャリア基板11cの下面に設けられてもよい。接着層13は、各発光素子110がキャリア基板11cに安定的に付着し得る程度の接着力を有し、各発光素子110を印刷回路基板11pに付着させるとき、容易に分離され得る程度の接着力を有するものを準備することができる。すなわち、接着層13の発光素子110に対する接着力は、各発光素子110と印刷回路基板11pとの間の接着力より小さい値を有してもよい。
【0096】
各発光素子110は、基板11が上部に位置し、発光構造体10が下部に位置する反転した形態でキャリア基板11cの下部に付着し得る。ここで、キャリア基板11cに付着した発光素子110は、基板11の背面がキャリア基板11c上の接着層13に付着し、基板11が上側に、発光構造体10が下側に来るように反転した形態を有する。各発光素子110は、キャリア基板11cに付着した状態で印刷回路基板11p上に離隔して配置される。
【0097】
図8bを参照すると、各発光素子110は印刷回路基板11p上に付着し、キャリア基板11c及び接着層13は除去される。キャリア基板11c上に付着した各発光素子110は、各バンプ電極bpが印刷回路基板11pの対応する各上部電極11paに接触するように上部から下部方向に圧着し得る。前記圧着段階は、高温で行われてもよく、印刷回路基板11p上の各上部電極11paの一部が溶けながら各発光素子110の各バンプ電極bpと接続される。キャリア基板11cは後で除去されるが、キャリア基板11c上の接着層13が各発光素子110の各バンプ電極bpと印刷回路基板11pの各上部電極11paとの接着力より弱い接着力を有することによって、キャリア基板11cが各発光素子110から容易に分離され得る。
【0098】
このように各バンプ電極bpが印刷回路基板11pの各上部電極11paに付着することによって、全体的な構造は、下部から上部方向に印刷回路基板11p、各バンプ電極bp、各パッドpd、発光構造体10、及び基板11の順に配置される。発光構造体10からの光は、発光構造体10から基板11の背面に向かう方向(図面では上側方向)に進行し、その結果、印刷回路基板11pの前面に向かう方向は、光が出射される方向になる。
【0099】
図8cを参照すると、各発光素子110が実装された印刷回路基板11p上にモールディング層90が形成される。モールディング層90は、光の少なくとも一部を透過する性質を有し、外部光の一部を反射、散乱、及び/又は吸収する。モールディング層90は、発光素子110の少なくとも一部を覆い、外部光の一部を多様な方向に反射、散乱、及び/又は吸収することによって、特定の方向、特にユーザーが視認可能な方向に外部光が反射されることを防止する。また、モールディング層90は、発光素子110の少なくとも一部を覆い、外部からの湿気及び/又は物理的な衝撃からの発光素子110の損傷を防止することによって発光素子110の信頼性を高める。
【0100】
モールディング層90は、外部光の一部を多様な方向に反射、散乱、及び/又は吸収できるように提供され、特に、前記モールディング層90はブラックカラーを有してもよい。しかし、ブラックカラー以外にも、外部光のユーザー方向への反射を最大限防止するために外部光の一部を多様な方向に反射、散乱、及び/又は吸収できるものであれば、ブラックカラー以外の他のカラーを有してもよい。
【0101】
外部光の特定方向への反射を防止するために、モールディング層90は、発光素子110の少なくとも一部を取り囲み、特に、発光素子110内の基板11の背面を覆うように形成される。本発明の一実施形態において、モールディング層90が基板11の背面を覆うように形成されることによって、外部からの光が基板11の背面によって反射され、ユーザーの目に視認されることを防止する。このような外部光の特定方向への反射を防止するために、モールディング層90は、外部光のうち約50%以上の外部光を多様な方向に反射、散乱又は吸収することができる。本発明の一実施形態において、モールディング層90は、約80%以上の外部光を反射、散乱又は吸収することができる。
【0102】
モールディング層90は、発光構造体10から基板11の背面方向(すなわち、上側方向)に向かう光を最大限出射できるように、透過性を有し得る厚さで形成されてもよい。例えば、モールディング層90は、発光構造体10の背面上に設けられるとき、発光構造体からの光の50%以上が透過される厚さで形成されてもよく、発光構造体10の背面からの高さが100マイクロメートル以下になる厚さで設けられてもよい。又は、モールディング層90は、発光構造体10の背面からの高さが発光素子の厚さより小さく設けられてもよい。
【0103】
モールディング層90は、基板11の背面側に形成されるだけでなく、発光素子110の側面、すなわち、基板11の側面及び発光構造体10の側面を覆うことができる。モールディング層90が発光素子110の側面も覆うことによって、発光素子110の側面を介して出射される光の少なくとも一部がモールディング層90によって吸収され得る。これによって、モールディング層90は、発光構造体10から出射された光が、隣接した発光構造体10から出射された光と混合されることを防止することができる。
【0104】
本発明の一実施形態において、モールディング層90は、有機高分子のうち光を吸収する有機高分子からなってもよい。本発明の一実施形態において、モールディング層90は、有機高分子に加えて、その内部に有/無機フィラーをさらに含んでもよく、有/無機フィラーをさらに含まなくてもよい。例えば、モールディング層90がフィラーを含む場合、フィラーは無機フィラーであってもよい。無機フィラーとしては、多様なものが使用可能であり、例えば、シリカ、アルミナなどが使用されてもよい。
【0105】
また、モールディング層90は、発光構造体10と印刷回路基板11pとの間の少なくとも一部に充填される。すなわち、モールディング層90は、各バンプ電極bpが設けられた発光構造体10と印刷回路基板11pとの間の空のスペースを充填することができる。発光構造体10と印刷回路基板11pとの間の空間をモールディング層90が充填することによって、発光構造体10から発生した熱が効果的に分散され得る。その結果、各発光素子110の放熱特性が向上する。
【0106】
本発明の一実施形態において、モールディング層90は、ラミネート法、塗布法、化学気相蒸着法、印刷法、トランスファーモールディング法などの多様な方式で製造され得る。モールディング層90の製造時、モールディング層90の表面を平坦化するための追加的な工程を含み、多様な薄膜化工程が使用され得る。例えば、モールディング層90の表面の平坦化のために、塗布後、モールディング層90の材料が硬化される前に、スキージング(squeegeeing)を行ったり、平らなプレートを用いて加圧平坦化を行うことができる。また、モールディング層90の材料が硬化された後、表面に研磨(polishing)やラッピング(lapping)が行われてもよい。
【0107】
本発明の一実施形態において、モールディング層90がトランスファーモールディング法で形成されることによって、モールディング層90が平らな上面を得ることができる。トランスファーモールディング方式は、発光素子が実装された一定単位のパッケージを成形金型に載置した後、金型の内部に固体状態で液状化させた樹脂を圧入して成形する圧出成形を通じて行われてもよい。
【0108】
モールディング層90の表面を平坦化するための方法のうちラミネート法は、真空で行われる真空ラミネート(vacuum laminate)法であってもよい。この場合、モールディング層90は、フィルム形態の有機高分子シートで形成されてもよく、有機高分子シートを各発光素子110が実装された印刷回路基板11p上に配置した後、これを真空雰囲気下で加熱及び加圧することによって形成されてもよい。有機高分子シートは、高温高圧で一部の流動性を帯びることができ、このような流動性により、各発光素子110の間の領域及び各発光素子110と印刷回路基板11pとの間の空間にまで充填され得る。その後、有機高分子シートは硬化される。
【0109】
本発明の一実施形態において、モールディング層90が真空ラミネート法で形成されることによって、モールディング層90が平らな上面を得ることができる。既存では、モールディング層90は、有機高分子材料を塗布した後で硬化する工程を用いて形成していたので、この場合、各発光素子110が実装された部分と各発光素子110が実装されていない領域との間に上面高さの差が発生した。上面高さの差は、各発光素子110から出射された光の不均一性を引き起こす。しかし、本発明の一実施形態によると、モールディング層90の上面を平らに形成することによって、各発光素子110の位置に関係なく光の均一度を増加させる。
【0110】
これに加えて、モールディング層90が設けられることによって各発光素子110を安定的に保持するので、発光素子パッケージの剛性が増加するという効果を得ることができる。特に、モールディング層90は、印刷回路基板11pと各発光素子110との間の空間を充填できるので、印刷回路基板11pと各発光素子110との接着力を増加させるという効果があり得る。その結果、全体の発光素子パッケージの剛性がさらに増加する。
【0111】
図8dを参照すると、モールディング層90の表面をテクスチャリングし、モールディング層90の外部に露出した表面に微細凹凸部91を形成する。微細凹凸部91は、乱反射のためのものであって、外部からの光が微細凹凸部91によって乱反射されることによって、ユーザーの視野に外部光が反射されることをさらに最小化するためのものである。発光素子パッケージが多様な照明や表示装置などのアプリケーションに使用される場合、発光素子の基板11がユーザーの視線に対向する位置に配置されるので、基板11によって反射される光を最大限防止する必要がある。これによって、光散乱性、光反射性、及び光吸収性を有するモールディング層90に加えて、追加的に微細凹凸部91を形成することによって、外部光の反射によるユーザーへのグレアを一層減少させる。
【0112】
本発明の一実施形態において、モールディング層は、その内部にシリカやアルミナなどのフィラーをさらに含んでもよいので、テクスチャリング後、このような各フィラー粒子がモールディング層の表面に露出し得る。この場合、各フィラー粒子が表面上でランダムに露出することによって、外部光の散乱度をさらに向上させることができる。
【0113】
微細凹凸部91を形成する方法には多様な方法があり得る。本発明の一実施形態では、プラズマを用いてモールディング層90の表面をエッチングすることができる。
【0114】
図9a及び図9bは、プラズマ処理をした場合と、プラズマ処理をしていない場合のモールディング層の表面をそれぞれ示したSEM写真である。
【0115】
図9aを見ると、プラズマ処理後、モールディング層の表面には、多数のフィラーがランダムに外部に露出していることを確認することができる。多数のフィラーは、多様な大きさ及び頻度で外部表面に露出しており、これによって、フィラーによる外部光の散乱効果が著しく上昇し得る。
【0116】
これに比べて、図9bを見ると、プラズマ処理後に比べて、プラズマ処理をしていない場合、表面に露出したフィラーの個数が著しく小さいことを確認することができる。これを通じて、プラズマ処理を用いてモールディング層の表面に微細凹凸部を容易に形成できることを確認することができる。
【0117】
ここで、プラズマ処理前やプラズマ処理後の成分を分析した結果、モールディング層の成分変化は観察されていないので、モールディング層の変性なく微細凹凸部を形成できることが分かる。
【0118】
本発明の一実施形態において、プラズマ処理以外にも、マイクロサンドブラストを用いて表面を粗くし、微細凹凸部を形成することができる。マイクロサンドブラストを用いる場合、数マイクロメートル乃至数十マイクロメートルの微粒子をモールディング層の表面に高圧で噴射し、超音波洗浄などでモールディング層の表面を洗浄した後で乾燥させることによって、モールディング層の表面に微細凹凸部を形成することができる。又は、モールディング層90の表面を乾式で研磨したり、湿式でエッチングするなどの方法は、単独で使用してもよく、又は上述した方法と混合して使用してもよい。
【0119】
本発明の一実施形態によると、微細凹凸パターンが形成されたインプリントモールドを用いて微細凹凸パターンをモールディング層の表面に転写することによって、モールディング層の表面に微細凹凸部を形成することができる。
【0120】
図10a乃至図10eは、インプリントモールドを用いてモールディング層の表面に微細凹凸部を形成する工程を順次示した断面図である。
【0121】
図10aを参照すると、まず、マスターモールドMMを製造する。マスターモールドMMは、モールディング層の表面に転写する微細凹凸部と同一のパターン(91で表示される)が形成されたものであって、以降、インプリントモールドIMPに逆パターンを形成するためのものである。
【0122】
図10bを参照すると、マスターモールドMM上にインプリントモールドIMP材料を塗布し、インプリントモールドIMPを硬化させた後、インプリントモールドIMPをマスターモールドMMから分離する。これによって、インプリントモールドIMPの下面には、マスターモールドMM上の微細凹凸部の逆パターン(91Rで表示される)が形成される。
【0123】
図10cを参照すると、逆パターン91Rが形成されたインプリントモールドIMPをモールディング層90の上部に配置した後、上部から下部方向に加圧する。
【0124】
図10dを参照すると、インプリントモールドIMPの加圧により、インプリントモールドIMPの逆パターン91Rがモールディング層90の上面に転写され、転写後、インプリントモールドIMPはモールディング層90から分離される。
【0125】
図10eを参照すると、インプリントモールドIMPが除去されたモールディング層90の上面に微細凹凸部91が形成される。
【0126】
本実施形態によると、マスターモールド上の微細凹凸パターンが如何なる形状であるのかによって最終的なモールディング層の微細凹凸部の形状が決定される。これによって、マスターモールドの微細凹凸パターンの場合、必要によって形状、密度などを異ならせて形成することができる。その結果、モールディング層の微細凹凸部の形状、密度なども制御可能であり、結局、モールディング層の上面微細凹凸部による外部光の散乱度などを容易に調節することができる。
【0127】
再度図8eを参照すると、微細凹凸部を有するモールディング層90が形成された後、印刷回路基板11p及び各発光素子110が適切な大きさで発光素子パッケージ内に含まれるようにカッティングされることによって発光素子パッケージが形成される。このとき、発光素子110が個別的に分離されて含まれるようにカッティングされてもよく、多数個の発光素子110が含まれるように広い面積にカッティングされてもよい。カッティング時の各発光素子110の個数及び面積などは、後で各発光素子110が実装される装置によって異なる形に設定されてもよい。
【0128】
発光素子パッケージにおいて、一つの発光素子パッケージをなす印刷回路基板上に実装される各発光素子の個数は多様に変更され得る。図11aは、本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージを示した平面図であって、一つの印刷回路基板に4個の発光素子がマトリックス状に実装されたことを示した上面図で、図11bは、図11aに示した発光素子パッケージの背面図である。図12は、図11a及び図11bに示した発光素子パッケージの回路図である。
【0129】
図11a、図11b、及び図12を参照すると、発光素子パッケージ110Dは、印刷回路基板11pと、印刷回路基板11p上に2X2の形状に実装された4個の発光素子110とを含む。しかし、発光素子パッケージ110Dの個数及び配列形態は、これに限定されるのではなく、多様なマトリックス状、例えば、1X1、3X3、4X4などに配列され得る。各発光素子110は、上述したように、第1乃至第3エピタキシャルスタックが垂直方向に積層された構造を有する。これによって、第1乃至第3エピタキシャルスタックは、それぞれ光を発生させる発光ダイオードに相応する。例えば、第1乃至第3エピタキシャルスタックは、赤色光を発光する第1発光ダイオード、緑色光を発光する第2発光ダイオード、及び青色光を発光する第3ダイオードにそれぞれ対応し得る。
【0130】
まず、図12を参照すると、4個の発光素子を駆動するために第1乃至第6スキャン配線SC1、SC2、SC3、SC4、SC5、SC6、及び第1及び第2データ配線DT1、DT2が4個の発光素子に接続される。4個の発光素子を第1乃至第4発光素子110p、110q、110r、110sとすると、第1発光素子110pは第1乃至第3スキャン配線SC1、SC2、SC3及び第1データ配線DT1に接続され、第2発光素子110qは第1乃至第3スキャン配線SC1、SC2、SC3及び第2データ配線DT2に接続される。そして、第3発光素子110rは第4乃至第6スキャン配線SC4、SC5、SC6及び第1データ配線DT1に接続され、第4発光素子110sは第4乃至第6スキャン配線SC4、SC5、SC6及び第2データ配線DT2に接続される。
【0131】
第1乃至第4発光素子110p、110q、110r、110sのそれぞれに含まれた3個の発光ダイオードは、スキャン配線を介してスキャン信号が供給されるとき、データ配線を介して入力されるデータ信号に対応して選択的に発光する。各ダイオードは、スキャン配線とデータ配線との間に接続され、p型半導体層とn型半導体層との間に閾値電圧以上の電圧が印加されるとき、印加された電圧の大きさに相応する輝度で発光する。すなわち、スキャン配線に印加されるスキャン信号及び/又はデータ配線に印加されるデータ信号の電圧を調節することによって、各発光ダイオードの発光を制御することができる。一例として、各フレーム期間の間、それぞれの発光ダイオードは、入力されたデータ信号に相応する輝度で発光する。ブラック輝度に相応するデータ信号を受けた各発光ダイオードは、該当のフレーム期間の間、非発光となることによってブラックを表示する。
【0132】
本発明の一実施形態では、このように6個のスキャン配線及び2個のデータ配線を設けることによって、第1乃至第4発光素子110p、110q、110r、110sを個別的に駆動することができる。
【0133】
このために、各発光素子は、印刷回路基板11p上の対応する位置に実装される。再度図11a及び図11bを参照すると、印刷回路基板11pの前面には、各発光素子110に対応する位置に各上部電極11paが設けられる。すなわち、一つの発光素子110は4個のバンプ電極bpを有し、印刷回路基板11pには、一つの発光素子110に対して4個の上部電極11paが設けられる。各発光素子110の4個のバンプ電極bpは、1対1で4個の上部電極11paに重畳して配置されながら接続される。
【0134】
本発明の一実施形態において、第1発光素子110の第1乃至第4バンプ電極のうち第1乃至第3バンプ電極はそれぞれ第1乃至第3スキャン配線に接続され、第4バンプ電極は第1データ配線に接続される。第2発光素子110の第1乃至第4バンプ電極のうち第1乃至第3バンプ電極はそれぞれ第1乃至第3スキャン配線に接続され、第4バンプ電極は第2データ配線に接続される。第3発光素子110の第1乃至第4バンプ電極のうち第1乃至第3バンプ電極はそれぞれ第4乃至第6スキャン配線に接続され、第4バンプ電極は第1データ配線に接続される。第4発光素子110の第1乃至第4バンプ電極のうち第1乃至第3バンプ電極はそれぞれ第4乃至第6スキャン配線に接続され、第4バンプ電極は第2データ配線に接続される。
【0135】
印刷回路基板11pの背面には、合計8個の下部電極が配置される。8個の下部電極は、第1乃至第6スキャン配線にスキャン信号を供給する第1乃至第6スキャンパッドと、第1及び第2データ配線にデータ信号を供給する第1及び第2データパッドに対応する。例えば、印刷回路基板11pの背面に形成された8個の下部電極を第1乃至第8下部電極11pc_1、11pc_2、…、11pc_8とすると、第1乃至第6下部電極11pc_1、11pc_2、…、11pc_6は第1乃至第6スキャンパッドに対応し、第7及び第8下部電極11pc_7、11pc_8は第1及び第2データパッドに対応する。しかし、第1乃至第6スキャンパッド、及び第1及び第2データパッドは、その配置及び順序に限定がなく、印刷回路基板11pの背面に多様な形態及び面積で配置可能であり、これと異なる順序に設定されてもよい。
【0136】
本発明の一実施形態において、互いに隣接した二つの下部電極の間の距離は、互いに隣接した二つの上部電極の間の距離より大きくてもよい。発光素子パッケージを形成するにおいて、印刷回路基板の各下部電極は、発光素子パッケージを他の電子素子に実装するとき、他の電子素子との電気的接続のための各接続電極として機能し得るので、互いに隣接した二つの下部電極の間の間隔が相対的に広く形成されることによって、発光素子パッケージが他の電子素子にさらに容易に実装され得る。
【0137】
上述したように、本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージは、簡単な構造の印刷回路基板を使用し、その印刷回路基板上に個別駆動が可能な各発光素子を容易に実装することができる。また、4個の発光素子を駆動するにおいて、単に8個の入力端子(すなわち、8個の下部電極)のみを備えてもよいので、簡単な構造で多数個の発光素子の駆動が可能である。
【0138】
本発明の一実施形態によると、発光素子パッケージは、単一素子を光源として使用したり、多数個の発光素子パッケージを再度ベース基板上に実装してモジュール化した後、そのモジュールを光源として用いるなど、多様な形態で他の装置に適用することができる。発光素子パッケージを用いた装置としては、表示装置、生活照明装置、車両用照明(車両用ヘッドライト、照明灯、後尾灯など)、各種装飾用照明装置などを挙げることができる。
【0139】
図13は、表示装置や車両用照明装置などに適用するために多数個の発光素子パッケージ110Dをベース基板110bに実装し、光源モジュールを製造したことを示した概略的な断面図である。
【0140】
図13を参照すると、各配線が形成されたベース基板110bを準備し、ベース基板110b上に多数個の発光素子パッケージ110Dを実装することができる。ベース基板110bは、可撓性を有してもよく、可撓性を有さなくてもよい。
【0141】
ベース基板110b上の各配線は、各発光素子パッケージ110Dの各下面電極に対応するように設けられる。ベース基板110b上の各配線は、各接続電極11sを介して発光素子パッケージの各下面電極に接続されてもよい。本発明の一実施形態において、各接続電極11sは、ソルダーの形態で設けられてもよい。
【0142】
図13のようにベース基板上に各発光素子パッケージを実装する場合、いずれか一つの発光素子パッケージに欠陥が発生すると、その発光素子パッケージのみを良品に交換する方式で容易にリペアすることができる。
【0143】
図14は、本発明の一実施形態に係る発光素子パッケージが表示装置に適用される場合を概念的に示した平面図で、図15は、図14のP1部分を拡大して示した平面図である。
【0144】
図14及び図15を参照すると、本発明の一実施形態に係る発光素子は、多様なカラーの表現が可能な表示装置に画素として採用され得る。多数の発光素子は、上述した各発光素子パッケージ110Dの形態でベース基板上に多数個で装着されてもよい。
【0145】
本発明の一実施形態に係る表示装置100は、任意の視覚情報、例えば、テキスト、ビデオ、写真、2次元又は3次元映像などを表示する。
【0146】
表示装置100は、多様な形状に設けられ得るので、矩形などの直線の辺を含む閉鎖された形態の多角形、曲線からなる辺を含む円、楕円など、直線及び曲線からなる辺を含む半円、半楕円などの多様な形状に設けられ得る。本発明の一実施形態においては、前記表示装置が矩形状に設けられたことを示した。
【0147】
表示装置100は、映像を表示する複数の画素を有する。各画素のそれぞれは、映像を表示する最小単位であって、一つの発光素子として具現化され得る。これによって、本実施形態では、各画素を110で表示した。各画素110は、上述した構造の発光素子を含み、白色光及び/又はカラー光を出すことができる。
【0148】
本発明の一実施形態において、各画素は、赤色光を出射する第1画素110、緑色光を出射する第2画素110、及び青色光を出射する第3画素110を含む。第1乃至第3画素110、110、110は、上述した発光素子の第1乃至第3エピタキシャルスタックにそれぞれ対応し得る。
【0149】
第1乃至第3画素110、110、110が出射する光は、これに限定されるのではなく、少なくとも二つの画素が互いに同一のカラーの光を出射したり、それぞれ互いに異なる光を出射し、イエロー、マゼンタ、シアンなどのように、上述したカラーと異なるカラーの光を出射することもできる。
【0150】
各画素110は行列状に配置される。ここで、各画素110が行列状に配列されることは、各画素110が行や列に沿って正確に一列に配列される場合のみを意味するのではなく、全体的に行や列に沿って配列されるが、ジグザグ状に配列される形態などのように細部的な位置が変わり得ることを意味する。
【0151】
本実施形態によると、多数個の発光素子パッケージをベース基板に実装するだけでも、多様な大きさの照明装置などを容易に製造することができる。例えば、多数個の発光素子パッケージを用いて大面積の表示装置を容易に製造することができる。また、ベース基板や印刷回路基板が可撓性を有する場合、表示装置も可撓性を有し得るので、多様な形態の表示装置、例えば、ローラブル表示装置、フォルダブル表示装置、カーブド表示装置などを容易に製造することができる。
【0152】
以上では、本発明の好適な実施形態を参照して説明したが、当該技術分野で熟練した当業者又は当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更可能であることを理解できる。
【0153】
よって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載した内容に限定されるのではなく、特許請求の範囲によって定められるべきである。。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図9a
図9b
図10a
図10b
図10c
図10d
図10e
図11a
図11b
図12
図13
図14
図15