(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】一回分のパスタを調理するための機械のディスペンサ
(51)【国際特許分類】
A23L 7/109 20160101AFI20241126BHJP
A47J 27/04 20060101ALI20241126BHJP
A47J 27/14 20060101ALI20241126BHJP
A47J 27/16 20060101ALI20241126BHJP
A47J 36/24 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
A23L7/109 K
A47J27/04 D
A47J27/14 F
A47J27/16 B
A47J36/24
(21)【出願番号】P 2021561788
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 IB2020053613
(87)【国際公開番号】W WO2020212907
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-03-29
(31)【優先権主張番号】102019000005916
(32)【優先日】2019-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520407079
【氏名又は名称】パスティフィッチョ・ラナ・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ルカ・ラナ
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト・ルイジ・コローニ
(72)【発明者】
【氏名】マッティア・デ・サンティス
【審査官】手島 理
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06582743(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2011/0256287(US,A1)
【文献】特開平06-304067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A47J
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ内の一回分のパスタを調理するための機械のディスペンサであって、前記ディスペンサ(5)はノズル本体(13)を含み、前記ノズル本体(13)は、蒸気供給チャネル(15)と流体連通している少なくとも1つの第1の開口(23)と、温水供給チャネル(16)と流体連通している少なくとも1つの第2の開口(24)とを含み、前記ディスペンサ(5)はさらに、前記ノズル本体(13)の周りに配置されて前記コンテナ(3)を閉じるように構成される蓋(14)を含
み、
前記ノズル本体(13)は縦軸(A1)周りに延在し、前記縦軸(A1)に沿って下方に延在する中心突出部(19)を含み、前記中心突出部(19)に沿って前記第1の開口(23)が配置され、
前記ノズル本体(13)は少なくとも1つの壁(33、34)を含み、前記少なくとも1つの壁(33、34)は前記中心突出部(19)の周りに延在し、前記縦軸(A1)周りに分配された前記温水供給チャネル(16)と流体連通している複数の第2の開口(24)を有している、
ディスペンサ。
【請求項2】
前記蓋(14)は、前記ノズル本体(13)に固定される、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記蓋(14)は、前記ノズル本体(13)から着脱可能である、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項4】
前記蓋(14)は環状壁(25)を含み、前記環状壁(25)は、前記コンテナ(3)の上縁部(32)に接触して設置されるように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項5】
前記蓋(14)は、前記コンテナ(3)の周りに配置されるように構成された縁部壁(26)を含む、請求項4に記載のディスペンサ。
【請求項6】
前記蓋(14)は、前記ノズル本体(13)と結合されるように構成された接続壁(27)を含む、請求項4または5に記載のディスペンサ。
【請求項7】
前記ノズル本体(13)は、前記中心突出部(19)に沿って分配された複数の第1の開口(23)を含み、特に、少なくとも1つの第1の開口(23)は、前記縦軸(A1)に平行なそれぞれの第1の軸に沿って延在し、残りの第1の開口(23)は、前記縦軸(A1)に対して傾いたそれぞれの第1の軸に沿って延在する、
請求項1から6のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項8】
複数の前記第2の開口(24)
のうちのいくつかは、前記縦軸(A1)に平行なそれぞれの第2の軸に沿って延在し、
複数の前記第2の開口(24)
のうちの他は、前記縦軸(A1)に対して傾いたそれぞれの第2の軸に沿って延在する、請求項
1から7のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項9】
コンテナ内の一回分のパスタを調理するための機械のディスペンサであって、前記ディスペンサ(5)はノズル本体(13)を含み、前記ノズル本体(13)は、蒸気供給チャネル(15)と流体連通している少なくとも1つの第1の開口(23)と、温水供給チャネル(16)と流体連通している少なくとも1つの第2の開口(24)とを含み、前記ディスペンサ(5)はさらに、前記ノズル本体(13)の周りに配置されて前記コンテナ(3)を閉じるように構成される蓋(14)を含み、
前記ディスペンサ(5)は固定本体(12)を含み、前記固定本体(12)は前記機械(2)に固定され、前記少なくとも1つの蒸気供給チャネル(15)と前記少なくとも1つの温水供給チャネル(16)とを有し、前記固定本体(12)および前記ノズル本体(13)は、前記少なくとも1つの蒸気供給チャネル(15)および前記少なくとも1つの第1の開口(23)と流体連通している第1のチャンバ(20)と、前記少なくとも1つの温水供給チャネル(16)および前記少なくとも1つの第2の開口(24)と流体連通している第2のチャンバ(21)とを画定するように形作られて互いに結合され、特に、前記第2のチャンバ(21)は前記第1のチャンバ(20)の周りに延在する、
ディスペンサ。
【請求項10】
前記固定本体(12)は、1つの単独蒸気供給チャネル(15)の周りに配置された複数の温水供給チャネル(16)を有する、
請求項9に記載のディスペンサ。
【請求項11】
前記ノズル本体(13)は、前記固定本体(12)から着脱可能であり、バイオネット接続によって前記固定本体(12)に結合された円筒壁(18)を含む、
請求項9または10に記載のディスペンサ。
【請求項12】
コンテナ内の一回分のパスタを調理するための機械であって、前記機械(2)は、
請求項1から11のいずれか一項に記載の前記ディスペンサ(5)と、上部支持構造(6)および前記上部支持構造(6)に面する下部支持構造(7)を含むフレーム(4)とを含み、前記ディスペンサ(5)は前記上部支持構造(6)から吊るされ、前記少なくとも1つの第1の開口および前記少なくとも1つの第2の開口(23、24)は前記下部支持構造(7)に面し、前記下部支持構造(7)は前記コンテナ(3)を支持するように構成される、機械。
【請求項13】
前記下部支持構造(7)は、縦軸(A1)に沿って前記ディスペンサ(5)と整列された前記コンテナ(3)を支持するように構成され、前記縦軸(A1)に沿って移動可能な支持壁(10)を含むガイドデバイス(9)と、支持面を上向きに押すように構成された少なくとも1つの弾性要素(11)とを含む、
請求項12に記載の機械。
【請求項14】
一回分のパスタを調理するためのシステムであって、前記システムは、
請求項12または13に記載の機械(2)と、前記一回分のパスタ(P)を含有し、ノズル本体(13)を少なくとも部分的に収容して、下部支持構造(7)の上に立つように構成されたコンテナ(3)とを含む、システム。
【請求項15】
前記コンテナ(3)およびディスペンサ(5)は、少なくとも1つの第1の開口および少なくとも1つの第2の開口(23、24)が前記コンテナ(3)内部に収納されるように構成され、前記少なくとも1つの第1の開口(23)は前記一回分のパスタ(P)の中に配置され、前記少なくとも1つの第2の開口(24)は前記一回分のパスタ(P)の上に配置される、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コンテナ(3)は、底部壁(29)と、側部壁(30)と、前記底部壁(29)と対向して縁部(32)によって囲まれた上部開口(31)とを含み、前記側部壁(30)に属する2点間の最大距離は、前記底部壁(29)と前記上部開口(31)の前記縁部(32)との間の距離より大きく、特に、前記側部壁(30)に属する2点間の前記最大距離は、前記底部壁(29)と前記上部開口(31)の前記縁部(32)との間の前記距離の2倍より大きい、
請求項14または15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、2019年4月16日に出願されたイタリア特許出願第102019000005916号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一回分の食品を調理するための機械のディスペンサに関する。
【0003】
特に、本発明は、コンテナ内の一回分の生パスタを調理するための機械のディスペンサに関し、これは、たとえばレストランまたはバーにおける食品サービス分野と、家庭の両方で使用されるように構成されているが、そのために普遍性を失うことはない。
【背景技術】
【0004】
一般に、一回分の食品を調理するための機械において使用されるディスペンサは、ディスペンサの末端部に配置された少なくとも1つのノズルによって、一回分の食品を含有するコンテナ内に蒸気を供給するように構成される。
【0005】
特許文献1は、蒸気もしくは熱風または蒸気と熱風の混合を介して食品を調理するためのデバイスを開示する。
【0006】
特許文献2および特許文献3は、蒸気をコンテナ内に導くことによってコンテナ内部の食品を調理する方法を教示する。
【0007】
現在知られている調理用ディスペンサは、クイックサービス食品分野が要求する短時間で一回分のパスタを調理することと同時に、均質な調理を確保すること、および一回分のパスタの官能特性を維持することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第6,582,743号明細書
【文献】国際公開第2018/044160号パンフレット
【文献】米国特許出願公開第2018/199748号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、従来技術の欠点を軽減するディスペンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、コンテナ内の一回分のパスタを調理するための機械のディスペンサが提供され、ディスペンサはノズル本体を含み、ノズル本体は蒸気供給チャネルと流体連通している少なくとも1つの第1の開口と、温水供給チャネルと流体連通している少なくとも1つの第2の開口とを含み、ディスペンサはさらに、ノズル本体の周りに配置されてコンテナを閉じるように構成される蓋を含む。
【0011】
本ディスペンサのおかげで、蒸気と温水とは、別々にまたは同時におよび/または任意のシーケンスに従って供給することができ、蒸気の超過気圧が維持され得る実質的に閉じた区画内で異なるタイプのパスタの調理の時間と品質とを最適化するようになっている。
【0012】
さらに、蒸気のための第1の開口および温水のための第2の開口を有する1つの単独ノズル本体は、ディスペンサを構造的観点から簡素化することを可能にする。
【0013】
一実施形態によれば、蓋は、ノズル本体に固定される。
【0014】
このようにして、蓋は、簡単かつ速やかにノズル本体とともに機械から取り除かれ得る。
【0015】
さらなる実施形態によれば、蓋は、ノズル本体から着脱可能である。
【0016】
このようにして、必要ならば、蓋は、ノズル本体とは無関係に取り除かれ得る。
【0017】
特に、蓋は、環状壁を含み、環状壁は、コンテナの上縁部に接触して設置されるように構成される。
【0018】
環状壁のおかげで、蓋は、コンテナとともに、外部環境に対する超過気圧を生成することが可能な閉じた区画を形成することができる。
【0019】
特に、蓋は、コンテナの周りに配置されるように構成された縁部壁を含む。
【0020】
このようにして、蓋の封止能力が向上する。
【0021】
特に、蓋は、ノズル本体に結合されるように構成された接続壁を含む。
【0022】
このようにして、蓋は、効率的な方式でノズル本体に結合され得る。
【0023】
特に、ノズル本体は、縦軸周りに延在して中心突出部を含み、中心突出部は縦軸に沿って下方に延び、縦軸に沿って前記第1の開口が配置される。
【0024】
このようにして、蒸気は、突出部の規定された点から供給され得る。
【0025】
より詳細には、ノズル本体は、中心突出部に沿って分配された複数の第1の開口を含み、特に、少なくとも1つの第1の開口は、縦軸に平行なそれぞれの第1の軸に沿って延在し、残りの第1の開口は、縦軸に対して傾いたそれぞれの第1の軸に沿って延在する。
【0026】
複数の第1の開口のおかげで、ノズル本体は、中心突出部から複数の異なる方向に蒸気を供給することができる。言い換えれば、ノズル本体は、一回分のパスタの内部で蒸気を均一に分配することによって蒸気を供給することができ、一回分のパスタを迅速かつ均質に調理するようになっている。
【0027】
特に、ノズル本体は少なくとも1つの壁を含み、少なくとも1つの壁は中心突出部の周りに延在し、温水供給チャネルと流体連通している複数の第2の開口を有して縦軸周りに分配され、特に、いくつかの第2の開口は縦軸に平行なそれぞれの第2の軸に沿って延在し、他の第2の開口は縦軸に対して傾いたそれぞれの第2の軸に沿って延在する。
【0028】
複数の第2の開口のおかげで、ノズル本体は、中心突出部の周りに延在する壁から複数の異なる方向に温水を供給することができる。言い換えれば、ノズル本体は、一回分のパスタの上に温水を均一に分配することによって温水を供給することができ、一回分のパスタが均質に調理されることを可能にするようになっている。
【0029】
特に、ディスペンサは固定本体を含み、固定本体は機械に固定され、少なくとも1つの蒸気供給チャネルと少なくとも1つの温水供給チャネルとを有し、固定本体およびノズル本体は、少なくとも1つの蒸気供給チャネルおよび少なくとも1つの第1の開口と流体連通している第1のチャンバと、少なくとも1つの温水供給チャネルおよび少なくとも1つの第2の開口と流体連通している第2のチャンバとを画定するように形作られて互いに結合され、特に、第2のチャンバは第1のチャンバの周りに延在する。
【0030】
このようにして、蒸気および温水を、それぞれ第1および第2のチャンバ内に集めることができ、第1および第2の開口から、それぞれ、蒸気および温水を均一に供給することを確実にするようになっている。
【0031】
特に、固定本体は、1つの単独蒸気供給チャネルの周りに配置された複数の温水供給チャネルを有する。
【0032】
このようにして、第1および第2のチャンバは、簡単かつ均一な方式で供給され得る。
【0033】
特に、ノズル本体は固定本体から着脱可能であり、バイオネット接続によって固定本体に結合された円筒壁を含む。
【0034】
このようにして、ノズル本体が、交換されるか、またはたとえば、洗浄するために機械から一時的に取り外される必要があるとき、ノズル本体は、必要ならば、簡単かつ迅速な方式で機械から取り出すことができ、その結果、ねじなどの固定要素を用いる動作が回避される。
【0035】
本発明の別の目的は、一回分のパスタを調理するための機械を提供することであり、機械は、上記で説明したディスペンサと、上部支持構造および上部支持構造に面する下部支持構造を含むフレームとを含み、ディスペンサは上部支持構造から吊るされ、少なくとも1つの第1の開口および少なくとも1つの第2の開口は下部支持構造に面し、下部支持構造はコンテナを支持するように構成される。
【0036】
このようにして、温水および蒸気は、コンテナの上に配置されたディスペンサから供給され得る。
【0037】
特に、下部支持構造は、縦軸に沿ってディスペンサと整列されたコンテナを支持するように構成され、縦軸に沿って移動可能な支持壁を含むガイドデバイスと、支持面を上向きに押すように構成された少なくとも1つの弾性要素とを含む。
【0038】
このようにして、上部支持構造からのコンテナの距離を機械的に制御して、コンテナ内部の圧力の値を制限することができる。
【0039】
本発明の別の目的は、一回分のパスタを調理するためのシステムを提供することであり、システムは、上記で説明した機械と、一回分のパスタを含有し、ノズル本体を少なくとも部分的に収容して、下部支持構造の上に立つように構成されたコンテナとを含む。
【0040】
このシステムのおかげで、温水および蒸気は、一回分のパスタを含有するコンテナに別々に注入され得る。
【0041】
特に、コンテナおよびディスペンサは、少なくとも1つの第1の開口および少なくとも1つの第2の開口がコンテナ内部に収納されるように構成され、少なくとも1つの第1の開口は一回分のパスタの中に配置され、少なくとも1つの第2の開口は一回分のパスタの上に配置される。
【0042】
このようにして、一回分のパスタを迅速かつ均質な方式で調理するために、蒸気が一回分のパスタ内に供給され得ると同時に、温水が一回分のパスタの上に供給され得る。
【0043】
特に、コンテナは、底部壁と、側部壁と、底部壁と対向して縁部によって区切られる上部開口とを含み、側部壁に属する2点間の最大距離は、底部壁と上部開口の縁部との間の距離より大きく、特に、側部壁に属する2点間の最大距離は、底部壁と上部開口の縁部との間の距離の2倍より大きい。
【0044】
このようにして、コンテナ内部に供給される温水および蒸気は、均一な方式で分配され得る。
【0045】
より詳細には、コンテナ内部に含有される一回分のパスタは、一回分のパスタの調理を容易にするために、均質かつ広範に温水で湿らされ得る。
【0046】
本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的な実施形態の以下の説明を、添付の図面を参照しながら読めば明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】簡明にするために部品が取り除かれた、本発明による一回分のパスタを調理するためのシステムの斜視図である。
【
図2】簡明にするために部品が取り除かれた、動作構成における
図1のシステムのディスペンサおよびコンテナの断面図である。
【
図3】簡明にするために部品が取り除かれた、
図2のディスペンサの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1を参照すると、番号1は、全体的に、一回分のパスタP(
図2)を調理するためのシステムを示す。
【0049】
システム1は、一回分の生パスタPを調理するための機械2と、一回分のパスタP(
図2)を含有するように構成されたコンテナ3とを含む。
【0050】
図2を参照すると、一回分のパスタは、単一の要素間に空間が存在し、それが蒸気の循環と水の移動とを可能にするようにコンテナ3内部に配置された複数の単一のパスタ要素を含む。
【0051】
図1を参照すると、機械2は、フレーム4とディスペンサ5とを含む。さらに、機械2は、温水分配パイプと蒸気分配パイプ(添付図に示されない)とを含む。
【0052】
フレーム4は、上部支持構造6と、上部支持構造6に面する下部支持構造7とを含む。
【0053】
図1に示す例では、上部支持構造6は下部壁8を含み、下部壁8からディスペンサ5が突出する。下部支持構造7は、ガイドデバイス9と支持壁10とを支持し、支持壁10は、ディスペンサ5の下のコンテナ3に対して担持および支持する面を画定するように構成される。
【0054】
特に、支持壁10は弾性的に支持され、支持壁10が垂直方向に並進することを可能にするようになっている。より詳細には、ガイドデバイス9は、柱状に結合された2つの本体と、支持壁10を上部支持構造6の方に押す、少なくとも1つの弾性要素11とを含む。
図1に示す例では、複数の弾性要素11が見える。
【0055】
ディスペンサ5は、機械2と一体である固定本体12と、ノズル本体13(
図2)と、蓋14とを含む。
【0056】
図2を参照すると、ディスペンサ5は、縦軸A1に沿って延在する。固定本体12は、縦軸A1と実質的に一致する軸A2に沿って延在する蒸気供給チャネル15と、縦軸A1に実質的に平行で軸A1から均等に離隔される2つのそれぞれの軸A3およびA4に沿って延在する2つの温水供給チャネル16とを有する。
【0057】
固定本体12は、円筒壁を含む付属物17を有し、付属物17は、ノズル本体13に結合されて蒸気供給チャネル15の末端部を区切るように構成される。
【0058】
蒸気供給チャネル15は、添付図に示されない蒸気分配パイプに流体接続され、温水供給チャネル16は、添付図に示されない温水分配パイプに流体接続される。
【0059】
ノズル本体13は縦軸A1周りに展開し、バイオネット結合によって着脱可能に固定本体12に結合されるように形作られた円筒壁18を含む。
【0060】
ノズル本体13は、縦軸A1に沿って延在する中心突出部19を含む。
【0061】
固定本体12およびノズル本体13は、蒸気供給チャネル15と流体連通している中心チャンバ20と、2つの温水供給チャネル16と流体連通している、チャンバ20の周りに配置されたチャンバ21とを形成するように結合される。
【0062】
特に、ノズル本体13は、中心突出部19の拡張部(extension)を形成する、付属物17の周りに配置された内側円筒壁22を含み、付属物17に結合され、流体封止方式でチャンバ20をチャンバ21から分離する。
【0063】
ノズル本体13は、蒸気をコンテナ3に供給するための複数の開口23を含み、複数の開口23は中心突出部19に沿って分配され、それぞれの軸に沿って延在する。
【0064】
特に、縦軸A1に沿って、中心突出部19の下端に対応して配置された少なくとも1つの開口23は、縦軸A1に平行なそれぞれの軸に沿って延在する一方で、残りの開口23は、縦軸A1に対して傾いているそれぞれの軸に沿って縦軸A1周りに延在する。
【0065】
複数の開口23は、チャンバ20とコンテナ3とを流体接続する。
【0066】
さらに、ノズル本体13は壁33と壁34とを含み、壁33および壁34は、中心突出部19の周りに延在し、温水をコンテナ3に供給するための複数の開口24を有する。
【0067】
特に、いくつかの開口24は、縦軸A1に平行なそれぞれの軸に沿って延在し、その他の開口24は、縦軸A1に対して傾いているそれぞれの軸に沿って延在する。
【0068】
複数の開口24は、チャンバ21とコンテナ3とを流体接続する。
【0069】
蓋14はノズル本体13の周りに配置され、コンテナ3を閉じるように構成される。言い換えれば、ディスペンサ5およびコンテナ3は、一回分のパスタPを含有する、実質的に閉じた区画を形成するように結合される。
【0070】
特に、蓋14は、平坦であってコンテナ3の縁部と接触して設置されるように構成された環状壁25と、コンテナ3の周りに設置されるように構成された縁部壁26と、実質的に円筒形であってノズル本体13に結合されるように構成された接続壁27とを含む。
【0071】
さらに、蓋14は、固定要素28によってノズル本体13に結合され、それゆえ、ノズル本体13から選択的に取り外され得る。
【0072】
添付図に示されない本発明の変異形態では、蓋14は、ノズル本体13と一体的に固定される。
【0073】
コンテナ3は、底部壁29と、側部壁30と、上部開口31とを含み、上部開口31は底部壁29に対向して縁部32によって区切られ、底部壁29に沿った、側部壁30に属する2点間の最大距離は、底部壁29と上部開口31の縁部32との間の距離より大きい。
【0074】
図2に示す例では、コンテナ3は、円形の形状を有する底部壁29と、わずかに裾が広がった側部壁30とを有する。この構成では、底部壁29の直径は、底部壁29と上部開口31の縁部32との間の距離の2倍より大きい。
【0075】
図3を参照すると、ノズル本体13の開口23および24の分配を明確に見ることができる。
【0076】
特に、開口23は、中心突出部19の縁部のエリア内で縦軸A1周りに分配される。
【0077】
縦軸A1に平行な軸を有する開口24は、中心突出部19に隣接する壁33に沿って縦軸A1周りに配置される。
【0078】
縦軸A1に対して傾いている軸を有する開口24は、壁33および壁18に隣接する傾斜壁34に沿って縦軸A1周りに配置される。
【0079】
使用中、
図2を参照すると、蒸気は、蒸気分配パイプから、機械2によって制御される所与の圧力において、蒸気供給チャネル15まで搬送され、温水は、水分配パイプから、機械2によって制御される温度および圧力において、温水供給チャネル16まで搬送される。
【0080】
続いて、蒸気は蒸気供給チャネル15からチャンバ20に流れ、温水は温水供給チャネル16からチャンバ21に流れる。
【0081】
開口23は、チャンバ20とコンテナ3の内側とを流体接続して蒸気を種々の方向に供給し、このようにして、コンテナ3の中に含有される一回分のパスタPの内側に蒸気を均一に分配する。
【0082】
開口24は、チャンバ21とコンテナ3の内側とを流体接続して温水を種々の方向に供給し、このようにして、コンテナ3の中に含有される一回分のパスタPの上に温水を均一に分配する。
【0083】
ディスペンサ5の構成は、蒸気が、一回分のパスタP内に直接供給されることを可能にする一方で、温水が、一回分のパスタPの上に雨のように分配される。一回分のパスタPが、空間を画定する単一の要素から成るという事実のおかげで、蒸気は、一回分のパスタPの中を自由に循環して、単一の要素と接触することができる。同様に、温水は、一回分のパスタPのすべての単一の要素を均一に通り抜けるように流れる。
【0084】
蒸気および温水のコンテナ3への供給は、同時に、または任意の他の時間シーケンスに従って発生することができる。
【0085】
蓋14は、コンテナ3を閉じて上部開口31をノズル本体13とともにカバーし、コンテナ3の内側に加わる、外部環境に対する超過気圧を保持することを可能にする。
【0086】
図1を参照すると、使用中、コンテナ3の内側に加わる超過気圧は、機械的に制御されて制限される。詳細には、蒸気の圧力によってもたらされる力は、コンテナ3および支持壁10を下方に押し、支持壁10の上の弾性要素11によってもたらされる上向きの力とは正反対である。
【0087】
特に、コンテナ3の内側にかかる圧力が増加するにつれて、支持壁10、蓋14、およびノズル本体13の上にもたらされる力は増加する。蒸気の圧力が所定の値を超えると、その圧力が支持壁10を下方に移動させ、その結果、コンテナ3の縁部32と蓋14との間にスリットを生成し、そのスリットから外部環境に対する超過気圧における蒸気を逃がして、コンテナ3の内側の圧力の値を低減させる。
【0088】
コンテナ3の内側にかかる圧力の値が減少するにつれて、弾性要素11によって支持壁10にもたらされる上向きの力が前記スリットを閉じる傾向にあり、その結果、コンテナ3の縁部32と蓋14との間の接触を復元する。
【0089】
言い換えれば、ガイドデバイス9は、コンテナ3の挿入および取り出しを容易にすることに加えて、前記圧力が高くなりすぎる場合にコンテナ3の中の蒸気の圧力を低減することを可能にする。
【0090】
添付の特許請求の範囲に記載される保護の範囲から逸脱することなく、本発明に対して変更形態が作成され得ることは明白である。
【符号の説明】
【0091】
1 システム
2 機械
3 コンテナ
4 フレーム
5 ディスペンサ
6 上部支持構造
7 下部支持構造
8 下部壁
9 ガイドデバイス
10 支持壁
11 弾性要素
12 固定本体
13 ノズル本体
14 蓋
15 蒸気供給チャネル
16 温水供給チャネル
17 付属物
18 円筒壁
19 中心突出部
20 中心チャンバ
21 チャンバ
22 内側円筒壁
23 第1の開口
24 第2の開口
25 環状壁
26 縁部壁
27 接続壁
28 固定要素
29 底部壁
30 側部壁
31 上部開口
32 縁部
33 壁
34 傾斜壁