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特許7593945有線ローカルエリアネットワークにおけるコリジョンのエミュレート、並びに関連するシステム、方法、及びデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】有線ローカルエリアネットワークにおけるコリジョンのエミュレート、並びに関連するシステム、方法、及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/413 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
H04L12/413
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021565015
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-30
(86)【国際出願番号】 US2020027275
(87)【国際公開番号】W WO2020226836
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】62/842,873
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397050741
【氏名又は名称】マイクロチップ テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MICROCHIP TECHNOLOGY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】アイヤー、ヴェンカトラマン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ディクソン
(72)【発明者】
【氏名】ザン、ジョン ジュンリン
(72)【発明者】
【氏名】レンシュラー、マイケル
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0322105(US,A1)
【文献】特表2004-517558(JP,A)
【文献】米国特許第06067408(US,A)
【文献】特開2015-126303(JP,A)
【文献】PIERGIORGIO BERUTO , ANTONIO ORZELLI,802.3cg draft 2.0 PICA (Clause 148) Overview,Canova Tech,米国,2018年07月09日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークノードのための物理レイヤデバイスであって、該物理レイヤデバイスは、
前記ネットワークノードの伝送機会外の伝送パケットを受信するように構成されたバッファであって、前記伝送パケットは有線ローカルエリアネットワークの共有通信媒体における伝送のための媒体アクセス制御サブレイヤによって提供され、前記物理レイヤデバイスが物理レベルコリジョン回避(PLCA)サブレイヤを実装するように構成された、バッファと、
制御回路であって、
前記バッファによって記憶されたデータの量が少なくとも閾値量であること、又は
前記受信された伝送パケットが、可変遅延を生じる高精度時間プロトコル(PTP)パケットであること、のいずれか一方を含む少なくとも1つのイベントを検出することと、
前記少なくとも1つの検出されたイベントに応答して、コリジョン信号を前記媒体アクセス制御サブレイヤにアサートすることによって、前記ネットワークノードにおけるコリジョンをエミュレートすることと、を行うように構成された制御回路と、を備える、物理レイヤデバイス。
【請求項2】
前記制御回路は、前記受信された伝送パケットが前記ネットワークノードの伝送機会外に受信された前記PTPパケットであるという検出に応答して、少なくとも64バイトを含むように前記PTPパケットをパディングするように構成される、請求項1に記載の物理レイヤデバイス。
【請求項3】
前記制御回路は、前記受信された伝送パケットが前記ネットワークノードの伝送機会外に受信された前記PTPパケットであるという検出に応答して、エラーを引き起こすパターンを含むように前記PTPパケットをパディングするように構成される、請求項1に記載の物理レイヤデバイス。
【請求項4】
前記パターンは、010101を含む、請求項3に記載の物理レイヤデバイス。
【請求項5】
前記制御回路は、前記受信された伝送パケットが前記ネットワークノードの伝送機会外に受信された前記PTPパケットであるという検出に応答して、前記PTPパケットにエラーデリミタを追加するように構成される、請求項1に記載の物理レイヤデバイス。
【請求項6】
受信された前記伝送パケットは、前記ネットワークノードの伝送機会外に受信された前記PTPパケットであるという検出に応答して、前記制御回路が、
前記PTPパケットが少なくとも64バイトのペイロードを含み、パターンがエラーを引き起こすように、前記PTPパケットを前記パターンでパディングすることと、
ストリーム終端デリミタを前記PTPパケットに追加することと、を行うように構成される、請求項1に記載の物理レイヤデバイス。
【請求項7】
前記制御回路は、前記ネットワークノードの伝送機会内の伝送イネーブル(TX_EN)信号のアサートされることに応答して、又はエミュレートされたコリジョン後のキャリアセンス(CRS)信号のデアサートされることに応答して、前記PTPパケットによって生じた固定遅延を検出するように構成される、請求項1に記載の物理レイヤデバイス。
【請求項8】
ネットワークノードのための物理レイヤデバイスであって、前記物理レイヤデバイスは、
前記ネットワークノードの伝送機会外の伝送パケットを受信し、有線ローカルエリアネットワークの共有伝送媒体における伝送のための前記伝送パケットを記憶するように構成されたバッファであって、前記物理レイヤデバイスが物理レベルコリジョン回避(PLCA)サブレイヤを実装するように構成された、バッファと、
制御回路であって、
前記バッファに記憶されたデータの量が少なくとも閾値量であると判定することと、
前記データの量が少なくとも前記閾値量であることに応答して、コリジョン信号をアサートすることによってコリジョンをエミュレートすることと、を行うように構成された、制御回路と、を備える、物理レイヤデバイス。
【請求項9】
前記閾値量は、最大49.5バイトであるようにプログラム可能である、請求項8に記載の物理レイヤデバイス。
【請求項10】
前記有線ローカルエリアネットワークは、9つ以上のノードを含む、請求項8に記載の物理レイヤデバイス。
【請求項11】
前記制御回路は、媒体独立インターフェース(MII)上で前記コリジョンをエミュレートするように構成される、請求項8に記載の物理レイヤデバイス。
【請求項12】
ネットワークノードのための物理レイヤデバイスであって、前記物理レイヤデバイスは、
有線ローカルエリアネットワークの共有伝送媒体における伝送のための媒体アクセス制御サブレイヤから受信した伝送パケットを記憶するように構成されたバッファであって、前記有線ローカルエリアネットワークが物理レベルコリジョン回避(PLCA)サブレイヤを含む、バッファと、
制御回路であって、
前記記憶された伝送パケットを、高精度時間プロトコル(PTP)パケットとして識別することと、
前記記憶された伝送パケットが前記PTPパケットとして識別され、前記識別されたPTPパケットが可変遅延を生じていることに応答して、コリジョン信号を前記媒体アクセス制御サブレイヤにアサートすることによって前記ネットワークノードにおけるコリジョンをエミュレートすることと、を行うように構成された、制御回路と、を備える、物理レイヤデバイス。
【請求項13】
前記制御回路は、前記バッファによって記憶されたデータの量が所定の閾値レベルを超過することに応答して、前記コリジョン信号を前記媒体アクセス制御サブレイヤにアサートすることによってコリジョンをエミュレートするように更に構成される、請求項12に記載の物理レイヤデバイス。
【請求項14】
前記制御回路は、
パディングされたPTPパケットが少なくとも64バイトを含み、パターンがエラーを引き起こすように、前記PTPパケットを前記パターンでパディングすること、又は
ストリーム終端デリミタを前記PTPパケットに追加すること、のうちの少なくとも一方を行うように更に構成される、請求項12に記載の物理レイヤデバイス。
【請求項15】
前記制御回路は、媒体独立インターフェース(MII)又は縮小媒体独立インターフェース(RMII)上で前記コリジョンをエミュレートするように構成される、請求項12に記載の物理レイヤデバイス。
【請求項16】
有線ローカルエリアネットワークであって、該有線ローカルエリアネットワークは、
物理レイヤ(PHY)を含むノードであって、前記PHYは、物理レベルコリジョン回避(PLCA)サブレイヤを含み、前記PHYは、
前記ノードの先入れ先出し(FIFO)バッファに記憶されたデータの量が少なくとも閾値量であることと、受信されたパケットが、可変遅延を生じている高精度時間プロトコル(PTP)パケットであることと、の少なくとも一方を含む少なくとも1つのイベントを検出することと、
前記少なくとも1つの検出されたイベントに応答して、前記ノードにおいてコリジョンをエミュレートすることと、を行うように構成された、ノードを備える、有線ローカルエリアネットワーク。
【請求項17】
前記PHYは、
前記PTPパケットをパターンでパディングし、それにより、前記パディングされたPTPパケットが少なくとも64バイトを含み、前記パターンが巡回冗長検査(CRC)エラーを引き起こすことと、
ストリーム終端デリミタを前記PTPパケットに追加することと、を行うように更に構成された、請求項16に記載の有線ローカルエリアネットワーク。
【請求項18】
前記受信されたパケットは、前記ノードの媒体アクセス制御サブレイヤから受信される、請求項16に記載の有線ローカルエリアネットワーク。
【請求項19】
前記閾値量は、49.5バイト又は64バイトのうちの一方以下であるようにプログラム可能である、請求項16に記載の有線ローカルエリアネットワーク。
【請求項20】
物理レベルコリジョン回避(PLCA)サブレイヤを含む有線ローカルエリアネットワークを含む車両であって、前記有線ローカルエリアネットワークは、
いくつかのノードであって、該いくつかのノードのうちの少なくとも1つのノードは、
少なくとも1つのイベントを検出することであって、前記少なくとも1つのイベントが、前記ノードの先入れ先出し(FIFO)バッファに記憶されたデータの量が少なくとも閾値量であることと、前記ノードのリンクレイヤから前記ノードで受信された伝送パケットが高精度時間プロトコル(PTP)パケットであり、可変遅延を生じていることと、
のうちの少なくとも一方を含む、検出することと、
前記少なくとも1つの検出されたイベントに応答して、前記少なくとも1つのノードにおけるコリジョンをエミュレートすることと、を行うように構成された、いくつかのノードを備える、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2019年5月3日に出願された「EMULATING COLLISIONS IN AN 10SPE NETWORK」と題する米国特許仮出願第62/842,873号の利益を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、有線ローカルエリアネットワークに関し、より詳細には、有線ローカルエリアネットワーク(例えば、10SPEネットワーク)におけるコリジョンをエミュレートすることに関する。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ及び外部周辺機器を接続するための様々なインターフェース規格を使用して、高速での接続性を提供し得る。コンピュータを(例えば、Local Area Network(LAN)及びWide Area Network(WAN)において)接続するための広く使用されているフレキシブルなネットワーキング規格は、Ethernetプロトコルである。Ethernet通信は、一般に、複数のエンドポイントのネットワーク内のポイントツーポイント通信を指す。Ethernetは、一般に、共有リソースを効率的に使い、管理及び再構成が容易であり、多くのシステムにわたって互換性がある。
【0004】
本開示は、特定の実施形態を具体的に指摘し明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本開示の範囲内の実施形態の様々な特徴及び利点は、添付の図面と併せて読むと、以下の説明からより容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】スイッチ及びいくつかのノードを含む例示的なネットワークを示す。
図2】インターフェースを介して10SPE媒体などの共有伝送媒体に結合された物理レイヤ(PHY)を含む例示的なノードを示す。
図3】いくつかの実施形態による、物理レベルコリジョン回避(PLCA)サブレイヤの線についてのバスサイクル数を示す。
図4】いくつかの実施形態による、図3に示される第2のバスサイクルに関連付けられた信号タイミング図を示す。
図5】本開示の様々な実施形態による、PLCAを含むネットワークのノードに関連付けられた例示的な信号タイミング図を示す。
図6】PTPパケットが、ノードのMACからノードのPHYにおいてノードの伝送機会(transmit opportunity、TO)外で受信される、信号タイミング図を示す。
図7】PTPパケットが、ノードに対するTO中にノードのMACからノードのPHYにおいて受信される、信号タイミング図を示す。
図8】10SPEネットワークなど、ネットワークを動作させる例示的な方法のフローチャートである。
図9】いくつかの実施形態による、ネットワークノードを動作させる第1の方法を示すフローチャートである。
図10】いくつかの実施形態による、ネットワークノードを動作させる第2の方法を示すフローチャートである。
図11】いくつかの実施形態による、ノードの機能ブロック図である。
図12】ネットワークを含む車両を示す。
図13】いくつかの実施形態において使用され得るコンピューティングデバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部をなし、本開示を実施し得る実施形態の具体例を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本開示を実施できるように十分に詳細に説明される。しかしながら、他の実施形態が用いられ得、本開示の範囲から逸脱することなく、構造、材料、及びプロセスを変えられ得る。
【0007】
本明細書に提示する図は、任意の特定の方法、システム、デバイス、又は構造の実際の図であることを意図するものではなく、本開示の実施形態を説明するために用いられる理想化した表現にすぎない。本明細書に提示する図面は、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。様々な図面における類似の構造又は構成要素は、読者の便宜のために同一又は類似の付番を保持し得る。しかしながら、付番における類似性は、構造又は構成要素が必ずしもサイズ、組成、構成、又は任意の他の特性において同一であることを意味するものではない。
【0008】
以下の説明は、当業者が開示される実施形態を実施することを可能にするのを補助するための実施例を含み得る。「例示的な」、「例として」、「例えば」という用語の使用は、関連する説明が、説明的なものであることを意味し、本開示の範囲は、実施例及び法的等価物を包含することを意図するものであり、かかる用語の使用は、実施形態又は本開示の範囲を特定の構成要素、ステップ、特徴、機能などに限定することを意図するものではない。
【0009】
本明細書で概して説明され、図面に例示される実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置及び設計され得ることが容易に理解されるであろう。したがって、様々な実施形態の以下の説明は、本開示の範囲を限定することを目的とするものではなく、単に様々な実施形態を表すものである。実施形態の様々な態様が図面に提示され得るが、図面は、具体的に指示されていない限り、必ずしも尺度どおりに描画されていない。
【0010】
更に、図示及び説明する具体的な実装形態は、単なる例であり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実施する唯一の方式と解釈されるべきでない。要素、回路、及び機能は、不要に詳述して本開示を不明瞭にしないように、ブロック図の形態で示され得る。逆に、図示し、説明する具体的な実装形態は、単に例示的なものであり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実装する唯一の方法と解釈されるべきではない。更に、様々なブロック間での論理のブロック定義及びパーティショニングは、例示的な具体的な実装形態である。当業者には、本開示が多数の他のパーティショニングソリューションによって実施され得ることが容易に明らかになるであろう。大部分については、タイミングの考察などに関する詳細は省略されており、かかる詳細は、本開示の完全な理解を得るために必要ではなく、当業者の能力の範囲内である。
【0011】
当業者であれば、情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して表され得ることを理解するであろう。いくつかの図面は、表示及び説明を明確にするために、単一の信号として信号を例示し得る。当業者は、信号が信号のバスを表し得、このバスは様々なビット幅を有してよく、本開示は、単一のデータ信号を含む任意の数のデータ信号で実施され得ることを理解するであろう。
【0012】
本明細書に開示する実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、別個のゲート若しくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、又は本明細書で説明される機能を実行するように設計されたこれらの任意の組み合わせを用いて実装、又は実行され得る。汎用プロセッサ(本明細書では、ホストプロセッサ又は単にホストと呼ばれこともある)は、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンでもあってもよい。プロセッサはまた、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のかかる構成の組み合わせとして実装され得る。プロセッサを含む汎用コンピュータは専用コンピュータとみなされ、汎用コンピュータは、本開示の実施形態に関連するコンピューティング命令(例えば、ソフトウェアコード)を実行するように構成される。
【0013】
実施形態は、フローチャート、フロー図、構造図、又はブロック図として示すプロセスに関して説明され得る。フローチャートは、順次プロセスとして動作行為を説明し得るが、これらの行為の多くは、別の順序で、並行して、又は実質的に同時に実行できる。加えて、行為の順序は再調整され得る。プロセスは、方法、スレッド、機能、手順、サブルーチン、サブプログラムなどに対応し得る。更に、本明細書で開示される方法は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方において実施され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令又はコードとして記憶され得る、又は送信され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及びコンピュータプログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意の媒体など通信媒体の両方を含む。
【0014】
「第1」、「第2」などの表記を使用した、本明細書の要素に対する任意の言及は、かかる制限が明示的に記載されていない限り、それらの要素の数量又は順序を限定しない。むしろ、これらの表記は、本明細書において、2つ以上の要素又は要素の例を区別する便利な方法として使用され得る。したがって、第1の要素及び第2の要素への言及は、2つの要素のみが用いられ得ること、又は何らかの方法で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味するものではない。加えて、特に明記しない限り、要素のセットは、1つ以上の要素を含んでよい。
【0015】
本明細書で使用されるとき、所与のパラメータ、特性、又は条件に言及する際の「実質的に(substantially)」という用語は、所与のパラメータ、特性、又は条件が、例えば許容可能な製造許容差の範囲内などの、小さいばらつきを満たすことを当業者が理解するであろう程度を意味し、かつ含む。一例として、実質的に満たされる特定のパラメータ、特性、又は条件に応じて、パラメータ、特性、又は条件は、少なくとも90%満たされ得るか、少なくとも95%満たされ得るか、更には少なくとも99%満たされ得る。
【0016】
10SPE(すなわち、10Mbps Single Pair Ethernet)は、IEEE 802.3cg(商標)として、米国電気電子学会(IEEE)により現在開発中のネットワーク技術仕様である。10SPEを使用して、マルチドロップネットワーク上でのコリジョンのない決定論的伝送を提供し得る。10SPE仕様は、任意選択的な物理レベルコリジョン回避(PLCA)リコンシリエーションサブレイヤを含むことを意図しており、これを使用してマルチドロップバス上での物理的コリジョンを回避する。
【0017】
自動車、トラック、バス、船舶、及び/又は航空機などの車両は車両通信ネットワーク(例えば、Ethernetなどの有線ローカルエリアネットワーク)を含み得るが、この車両通信ネットワークは10SPEを実装し得る。車両通信ネットワークの複雑性は、ネットワーク内の電子デバイスの数に応じて変化することがある。例えば、高度車両通信ネットワークは、例えば、エンジン制御、変速機制御、安全制御(例えば、アンチロックブレーキ)、及び排出制御のための様々な制御モジュールを含み得る。これらのモジュールをサポートするために、車載産業は様々な通信プロトコルに依存する。
【0018】
車載サブネットは、少数(例えば、8つ以下)のノード(例えば、PLCAノード)を有し得る。しかし、他の用途(例えば、産業用、サーババックプレーン、又はモノのインターネット)では、より多くのノードを有し得るか、又は必要とされ得る。従来のシステムでは、PLCAの基本定数に起因して、ノード数が制限されることがある。更に、PLCA内の伝送先入れ先出し(TX FIFO)バッファは、媒体アクセス制御サブレイヤ(MAC)フレームに可変遅延を追加してもよく、したがって、従来のシステムでは、MACの高精度時間プロトコル(PTP)機能は使用できないことがある。
【0019】
本明細書に開示される様々な実施形態は、PLCA機能性を向上させるために、ネットワーク(例えば、10SPEマルチドロップハーフデュプレックスサブネット)上のコリジョンをエミュレートすることに関する。より具体的には、様々な実施形態は、1つ以上のイベント(例えば、ノードのTX FIFOバッファに記憶されたデータの量が、少なくとも所定の量であること、及び/又はノードで記憶されたパケットが高精度時間プロトコル(PTP)パケットであること)に応答して、ネットワーク上で論理的コリジョンをエミュレートすることに関し得る。本明細書で使用される場合、「エミュレートされたコリジョン」という用語は、ネットワークノードの伝送先入れ先出し(TX FIFO)バッファに記憶されたデータの閾値量又はMACからのPTPパケットの検出に応答してネットワークノードの物理レイヤデバイス(PHY)によるコリジョン信号(例えば、「COL」)のアサートされること(例えば、論理レベルローから論理レベルハイへ遷移すること)を指す。少なくともデータの閾値量が伝送FIFOバッファに記憶される場合、伝送FIFOバッファフルと呼ぶ。PTP(precision time protocol、高精度時間プロトコル)パケットは、IEEE 802.1AS又はIEEE 1588を実装する際に使用されるパケットである。COLは、MACから受信された伝送イネーブル信号(例えば、「TX_EN」)がデアサートされるまで、COLはアサートされた状態(例えば、論理レベルハイ)に保持され得、PHYは、TX_EN信号のデアサートされることに続いてCOL信号をデアサートし得る。場合によっては、COLのアサートされることは、ネットワークノードの伝送機会まで、キャリアセンス信号(例えば、「CRS」)をアサートされた状態(例えば、論理レベルハイ状態)に保持することを伴い得る。
【0020】
エミュレートされたコリジョンを使用することにより、増加したノードの数を有効にし、PLCAを使用するときにMACによる高精度時間プロトコル(PTP)をハンドリングすることを可能にする。これは、コリジョンに対する従来のMACデバイスのプログラムされた応答を活用して非コリジョン問題を解決することにより、本明細書に開示される実施形態による物理レイヤデバイスによって達成され得る。したがって、本明細書に開示される実施形態による物理レイヤデバイスは、物理レイヤ側の増加したノード及びPTPパケットの数をハンドリングするための戦略的な方法でコリジョンを(例えば、COL信号及びCRS信号を使用して)シグナリングし得る。
【0021】
例えば、いくつかの実施形態は、(例えば、産業自動化、サーババックプレーンなどと共に使用するために)PLCAを使用して、多数の(例えば、32を超える)ノードを有するサブネットワークを可能にし得る。この多数のノードは、PLCA TX FIFOがフルであるときにコリジョンをエミュレートすることによって可能になり得る。したがって、伝送データをバス上で伝送するためにノードの伝送機会を待っている間に、MACからの比較的大量の伝送データ(例えば、TXD)の蓄積により、ネットワークノードのTX FIFOがフルであるとき、コリジョンをエミュレートする(COLをアサートする)ことにより、コリジョンが生じたことがMACにシグナリングされ得、COL信号及びCRS信号のデアサートされるまでMACに待機させる。
【0022】
更に、いくつかの実施形態は、PLCAを利用しながら、ノードのネイティブタイムスタンプユニットを使用してそのノードの媒体アクセス制御(MAC)において高精度時間プロトコル(PTP)パケットがハンドリングされることを可能にし得る。例えば、いくつかの実施形態は、外部タイムスタンプサポートを有し得ない構成要素(例えば、10SPEコントローラ/スイッチ)がPTPを使用することを可能にし得る。MACから受信されたPTPフレームのPHYによる検出時にエミュレートされたコリジョン(COL信号のアサート)は、伝送機会が利用可能でないときに、PTPフレームと共にTX FIFOを使用することを防止し、結果として可変TX FIFO遅延は導入されず、対応するPTPパケットが物理レイヤデバイス(PHY)を通じて既知の遅延を有することができるようにする。より具体的には、MACは、CRS信号がデアサートされるまで待って、PTPパケットをPHYに再伝送するように構成される。PHYがPHYの伝送機会においてCRS信号をデアサートするため、PHYは、PHYの伝送機会中にMACから再送PTPパケットを受信し、いかなる種類の可変遅延バッファにもPTPパケットを保持せずに、PTPパケットは直ちに共有伝送媒体(例えば、10SPE媒体)上で伝送され得る。
【0023】
ここで、本開示の様々な実施形態について、添付図面を参照して解説する。
【0024】
図1は、スイッチ102及びN個のノード116(例えば、これらに限定されないが、ノード104、ノード106、ノード108及びノード118)を含む例示的なネットワーク100を示している。例えば、ネットワーク100は、ハーフデュプレックス、マルチドロップネットワークを含み得る10SPEネットワークなどの有線ローカルエリアネットワークを含み得る。更に、例えば、ネットワーク100、より具体的には、ネットワーク100の1つ以上のノード116は、物理レイヤコリジョン回避(PLCA)サブレイヤを含み得、及び/又は実装し得る。PLCAは、物理(PHY)レイヤと媒体アクセス制御(MAC)レイヤとの間のリコンシリエーションサブレイヤである。いくつかの実施形態では、PLCAはPHYに実装される。ネットワーク100は、本明細書では「サブネット」又は「サブネットワーク」と呼ばれることもある。
【0025】
例えば、ノード116は、1つ以上のセンサを含み得、ノード116のそれぞれは、一意のID(例えば、ノード0、ノード1、ノード2、...ノードN)を含み得る。いくつかの実施形態では、ノード116の個数Nは、これに限定されないが、9以上(例えば、N>8)であってもよい。スイッチ102は、いくつかのポート(例えば、同じ又は異なる速度のために構成されるポート110、ポート112、ポート114)を含み、データを受信し、異なるデバイス(例えば、これに限定されないが、制御ユニット、センサ(ノード))にデータを伝達するように構成され得る。
【0026】
図2は、リンクレイヤ216の媒体アクセス制御サブレイヤ220内に存在する媒体アクセス制御(MAC)デバイス208、及び有線ローカルエリアネットワーク(例えば、図1のネットワーク100)の物理レイヤ218内に存在する物理レイヤデバイス(PHY 202)を含む、例示的なノード200を示している。PHY 202は、インターフェース206を介して10SPE媒体204などの共有伝送媒体に結合される。10SPE媒体204は、PHY 202及びMAC 208のそれぞれのインスタンスを含むノードを含む、ネットワーク(例えば、ネットワーク100)の一部分であるノードのための通信経路である物理媒体を含み得る。非限定的な実施例として、10SPE媒体204は、単一ペアEthernetに使用されるような単一のツイストペアを含み得る。ベースバンドネットワーク(例えば、これに限定されないが、マルチドロップネットワーク)にあるデバイスは、同じ物理伝送媒体を共有し、典型的には、伝送のためにその媒体の帯域幅全体を使用する(すなわち、ベースバンド伝送において使用されるデジタル信号は、媒体の帯域幅全体を占有する)。その結果、ベースバンドネットワーク上の1つのデバイスのみが、所与の瞬間に伝送し得る。そのため、媒体アクセス制御方法を使用して、10SPE媒体204に関する競合をハンドリングする。
【0027】
いくつかの実施形態では、ノード116のうちの1つ(例えば、ノード104、ノード106、ノード108及びノード118(図1を参照))は、ノード200を含み得る。MAC 208は、媒体独立インターフェース(MIIインターフェース212)及び/又は管理データ入力/出力インターフェース(MDIOインターフェース214)を介してPHY 202に結合されたコントローラを含み得る。更に、例えば、PHY 202は、媒体依存インターフェース(MDIインターフェース210)を介してインターフェース206に結合され得る。PHY 202は、他の信号の中でも、コリジョン信号COL及びキャリアセンス信号CRSをMIIインターフェース212を通じてMAC 208に提供するように構成され得る。MAC 208は、他の信号の中でも、伝送データビットTXD(例えば、TXD0-TXD3)及び伝送イネーブル信号TX_ENをPHY 202に提供するように構成され得る。MAC 208は、リンクレイヤ動作を実行するように構成されるため、PHY 202は、リンクレイヤ216であるMAC 208からTXD信号及びTX_EN信号を受信するように構成される。
【0028】
少なくともいくつかの実施形態によれば、ネットワーク(例えば、ネットワーク100)は、コリジョン検出付きキャリアセンス多重アクセス(CSMA/CD)式媒体アクセス制御を利用し得る。更に、いくつかの実施形態では、PLCAを利用し得る(例えば、物理的(電気的)コリジョンを回避)。
【0029】
ネットワークの企図された動作中に、ビーコン(例えば、マスタノードを介して生成される)は、バスサイクルを開始し得、ネットワークの各ノードは伝送機会(TO)(例えば、2バイト)を有し、TOはそれのIDの順で(すなわち、ラウンドロビン方式で)割り振られ得る。より具体的には、ノード0(例えば、マスタノード)(ノード104)はTOを有し、続いてノード1(ノード106)のためのTO、続いてノード2(ノード108)のためのTO、続いてノードN(ノード118)のためのTOを有し得る(図1)など。
【0030】
図3は、いくつかの実施形態による、物理レベルコリジョン回避(PLCA)サブレイヤの線346(例えば、図2の10SPE媒体204)についてのバスサイクル300の数を示す。具体的には、図3は、第1のバスサイクル348及び第2のバスサイクル350を示している。バスサイクル300は、線346の複数のタイムスロット352(例えば、タイムスロット302~タイムスロット332)を含む。タイムスロット352はそれぞれ、様々なネットワークノード(例えば、ノード0、ノード1、ノード2、ノード3、ノード4、...ノードN、例えば、図1のノード116)のうちの1つに対応する数(例えば、0、1、2、3、4、N、N数はネットワークノードの数より1つ少ない)でラベル付けされ、ネットワークノードは、それぞれタイムスロット352のうちの1つの間に通信することになる。非限定的な実施例として、N数は7であってもよく、これにより、8つのネットワークノードに対応する。ノード116は、これらのネットワークノードを含み得る。また、図3は、バスサイクル300のそれぞれにおける通信が、ビーコン338、サイレンス340、データ342又はコミット信号344を含むかどうかを示している。例えば、図3に示されるように、ビーコン338は、タイムスロット302、タイムスロット304、及びタイムスロット306のそれぞれの間にノード0(例えば、マスタノード)によって送信され得る。また、サイレンス340は、タイムスロット308~タイムスロット326のそれぞれの間に、線346に存在し得る(すなわち、データは、タイムスロット306~タイムスロット326の間に伝送されない)。更に、タイムスロット332では、コミット信号344が送信され得る(すなわち、ノード3が、例えば、バスをキャプチャした後にデータ342のパケットを送信することによって)伝送され得る。データ342は、タイムスロット328~タイムスロット330の間に送信され得る。より具体的には、ノード1は、タイムスロット328中にデータ342を送信し得、ノード3は、タイムスロット330中にデータ342を送信し得る。
【0031】
バスサイクル300のそれぞれの間に、マスタノード(ノード0)は、ビーコン338を送信し得、その後に、ノード(ノード0~ノードN)のそれぞれのための1つ以上のタイムスロット352が続く。図3に示されるように、第1のバスサイクル348は、ノード0によって伝送されるビーコン338を有するタイムスロット302を含み、次いで、サイレンス340を有するタイムスロット308~タイムスロット314を含み、それらの間、ノード0~ノードNはサイレンスのままである(すなわち、ノード0に対応するタイムスロット308、ノード1に対応するタイムスロット310、ノード2~N-1に対応するタイムスロット312、及びノードNに対応するタイムスロット314の間のサイレンス340。第1のバスサイクル348と関連して示されるように、ノードのそれぞれは、バスサイクル中の最小タイムスロット長336しか必要としない場合、第1のバスサイクル334に関して示されるように、バスサイクルは最小バスサイクル長を有することに留意されたい。
【0032】
第1のバスサイクル348の後に、第2のバスサイクル350が生じ得る。第2のバスサイクル350中に、マスタノード(例えば、ノード0)は、タイムスロット304中にビーコン338を送信し得、次いで、ノード0に対応する最小タイムスロット長336のタイムスロット316中にサイレンス340を送信し得る。第2のバスサイクル350は、タイムスロット328中にノード1によって伝送されるデータ342を含み、次いで、ノード2に対応するタイムスロット318についてサイレンス340を含む。タイムスロット332において、第2のバスサイクル350は、(例えば、バスをキャプチャした後にデータ342のパケットを送信するように)コミット信号344、続いてデータ342を搬送するタイムスロット330を含み、コミット信号344及びデータ342がノード3によって伝送される。第2のバスサイクル350は、ノード4に対応するタイムスロット320、ノード5~ノードN 1に対応するタイムスロット322、及びノードNに対応するタイムスロット324のそれぞれの間に伝送されるサイレンス340を更に含む。タイムスロット306における追加のビーコン338、及びサイレンス340として示されるタイムスロット326においてノード0から開始する個々のノード伝送は、次いで、第2のバスサイクル350に続く。
【0033】
図4は、いくつかの実施形態による、図3に示される第2のバスサイクル350(例えば、PLCAサブレイヤ)に関連付けられた信号タイミング図400を示している。非限定的な実施例として、信号タイミング図400は、8つのノードを有するバスに関連付けられ得る。信号タイミング図400は、図3の線346上の線信号424、及びノード1信号420、ノード3信号422、及び現在ノード識別情報(curID情報)442を示している。いくつかの実施形態では、ノードのうちの1つ以上のPHYは、データ記憶装置418(例えば、データレジスタ、揮発性データ記憶装置、不揮発性データ記憶装置)内にcurID情報442に記憶して、どのノードが現在伝送機会を有するかをPHYが追跡することができ得る。ノード1信号420は、TXEN線402上の伝送イネーブル信号(MACからのTXEN信号426)、TXD線404上の伝送データ信号(MACからのTXD信号428)、CRS線406上のキャリアセンス信号(MACからのCRS信号430)、及びCOL線408上のコリジョン検出信号(MACへのCOL信号432)を含むMIIインターフェース(例えば、図2のMIIインターフェース212)の信号を含む。同様に、ノード3信号422は、(例えば、ノード3のPHYとMACとの間のMIIインターフェースの)TXEN線410上のTXEN信号434、TXD線412上のTXD信号436、CRS線414上のCRS信号438、及びCOL線416上のCOL信号440を含む、MIIインターフェース(例えば、図2のMIIインターフェース212)の信号を含む。curID情報442は、どのノード(例えば、ノード0~ノード7)が線346上でデータ342を伝送するように指定されるか(すなわち、どのノードが現在伝送機会を割り当てられるか)を示す識別情報を示す。
【0034】
図4は、ノード3通信とノード1通信との間の論理的コリジョン、及びノード3のPHYのコリジョンシグナリングに対するノード3のMACの反応に応答するノード3のPHYのシグナリングの実施例を示している。図4は、エミュレートされたコリジョンを示していないが、図4は、ノード3のPHYによってシグナリングされたコリジョンに対するノード3のMACのプログラムされた応答を示し、MACがエミュレートされたコリジョンにどのように応答するかを示している。PHYからのコリジョンシグナリングに対するMACのこのプログラムされた応答は、以下で説明される実施形態において活用される。この実施例では、第1のノード(PHY#1を含むノード1)及び第3のノード(PHY#3を含むノード3)は、伝送データ342として、それらのそれぞれの伝送FIFOにおいて伝送すべきデータを有し、他のノードはサイレントである。この実施例では、ノード1は、それ自体のタイムスロット(伝送機会)が利用可能になるまでその伝送を延期し得、ノード3は、ノード1が伝送しているタイムスロット中にコリジョンをシグナリングし得る。
【0035】
図4に示されるように、データ記憶装置418上のcurID情報442によって指定されたノード7で終了する前のバスサイクル(例えば、図3の第1のバスサイクル348)に続いて、ノード0は、線346上でビーコン338を送信する。データ記憶装置418上のcurID情報442によってノード0が線346上で伝送機会を有するように指定された後に、curID情報442はノード1を示し、ノード1は、線346上でデータ342を送信する。ノード1が線346上でデータ342を送信している間に、ノード3のMACは、TXD線412上でTXD信号436としてデータ342を送信しようとする。PLCAでは、MACは伝送機会を追跡せず、その結果、MACは、それのノードの伝送機会がいつ生じるかを通知されない。したがって、MACは、ノードのうちのいずれかの伝送機会のうちのいずれかの間に、PHYに伝送データを提供し得る。この実施例では、ノード3のMACは、線410上のTX_EN信号434をアサートし、ノード1が線346上でデータを伝送している間に、TXD信号436としてTXD線412を介してデータ342をノード3のPHYに提供する。
【0036】
しかし、ノード1が現在線346上でデータ342を送信しているため、論理的コリジョンが結果として生じる(すなわち、ノード3に関連付けられたCOL信号440がハイに遷移し、ジャム信号444がTXD線412のTXD信号436においてアサートされる)。別の言い方をすれば、ノード3のMACは、データ342を送信しようとするが、ノード1はデータ342を伝送し、論理的コリジョン(すなわち、ノード3に関連付けられたCOL信号440がハイに遷移する)及びジャム信号444をもたらす。ジャム信号は、MACからTXD線412上のPHYに送信された32ビット信号であり、他のノードにパケットを破棄するように指示する。非限定的な実施例として、ジャム信号444は4バイトを含み得るか、又は4~6バイトの範囲のバイト数を含み得る。その結果、PHYは、データ342及びジャム信号444をバッファに記憶し、その後、データ342及びジャム信号444を含むパケットを線346上で伝送する場合、そのパケット中にジャム信号444が存在することは、他のノードにパケットを破棄すべきことを指示し得る。
【0037】
ノード3のCRS線414のCRS信号438がハイのままである間に、ノード1は線346上のデータ342の送信を終了し、curID情報442はノード2を示す。次いで、curID情報442はノード3を示す。続いて、ノード3信号422のCRS信号438はハイ446からロー448に遷移し、その後に、ノード3は、線346上でコミット信号344及びデータ342を送信し得る。図4に示されるように、ノード3に関連付けられたCRS信号438はハイに設定され、ノード3のMACがそれのタイムスロット(すなわち、curID情報442=3)まで伝送するのを防止する。続いて、ノード3に関連付けられたCRS信号438はローに設定され、ノード3のMACが(パケット間ギャップの後に)TXD線412上でパケットを配信することができる。したがって、ノード3のPHY 202は、PHY(PHY#3)のTOに到達するまで、ノード2のサイレント期間中にCRS信号438をハイに維持し、その到達時点において、ノード3のPHYは、線346上でコミット信号344を伝送し、CRS信号438をノード3のMACにデアサートする。PLCAについては、データは、ノードにおいて、コリジョン(COL)及び/又はジャム(JAM)中に他のノードから線346を介して受信され得ることに留意されたい。この実施例では、論理的コリジョンが存在する(ノード1がそれの伝送機会中にデータを伝送している間に、ノード3のMACがデータを伝送しようとする)が、物理的コリジョンは存在せず(ノード1の伝送中に、ノード3のPHYはMACから受信したデータ342を伝送しない)、ノード3の伝送は、追加の遅延なし(例えば、MAXバックオフ+待ち時間<MINパケットサイズ)に、ノード1の伝送の後に(例えば、その直後に)生じる。本明細書で使用される「論理的コリジョン」という用語は、別のノードが共有伝送媒体上で伝送している間に、共有伝送媒体に伝送されるべき伝送データがMACからPHYに伝送されることを指す。
【0038】
図4に示されるように、2つ以上のノードは、それのMACからデータ342を受信し得るが、ノードは、それの伝送機会まで線346上でデータ342を伝送しなくてもよい。したがって、ノードは、そのノードのタイムスロットが生じるまで、それぞれのPHY 202内に位置するローカル(伝送)FIFO(「遅延線」)内にデータ342を記憶(「ストアアンドフォワード」)し得る。例えば、FIFOは、49.5バイト以下の記憶又は64バイト以下の記憶を含むようにプログラム可能であり得るが、最小Ethernetパケットのサイズであってもよい。FIFOの49.5バイト以下の記憶を選択することは、FIFOがパケット全体(例えば、これに限定されないが、64バイトを含み得る)を記憶することを防止し得る。その結果、ストアアンドフォワードが、一般に、FIFO内のパケット全体の記憶に基づいて動作するため、FIFO記憶が49.5バイト以下でプログラム可能に設定されている場合に、ストアアンドフォワード動作は防止され得る。いくつかの実施例では、例えば、ネットワーク内のノードの数が比較的多い(例えば、従って、ノードのTO間の期間が比較的長い)、及び/又はノードのTO前の期間が比較的長い(例えば、ノードのTOがサイクル内で遅延している)(すなわち、ノードのIDに依る)場合、ノードの遅延線(TX FIFO)は、フル(例えば、これらに限定されないが、49.5バイト以下、又は64バイト以下にプログラム可能に設定される)又はほぼフルになり得る。2つのノードしか有しない場合であっても、バスサイクルは、例えば、(例えば、ID範囲に対応する)最大256 TOを含み得る。これは、ノードのPHY内のバッファがフルになること、及びノードにおけるレイトコリジョン検出など、複数の問題をもたらし得る。レイトコリジョンは、MACからPHYへのパケット伝送において、管理規格によって許可されるよりも更に生じるコリジョンである。非限定的な例として、レイトコリジョン閾値は、49.5バイト又は64バイト以下にプログラム可能に設定され得る。PLCAでは、FIFO深さは、少なくともTO長にノードの数を乗じたものなければならない。したがって、FIFO深さを制限する(例えば、FIFO深さをその最大容量未満に制限する)ことなくコリジョンをエミュレートすることにより、レイトコリジョンをもたらし得る。これは、FIFO深さが管理規格によって設定されたレイトコリジョン閾値よりも大きい場合、データのレイトコリジョン閾値量が既に伝送された後まで、FIFOがフルにならないことがあるために生じ得る。FIFO深さは、FIFOが記憶することが可能であるデータの最大量である。いくつかの実施形態では、FIFO深さは、レイトコリジョン閾値(例えば、これらに限定されないが、49.5バイト又は64バイト以下)に限定され得る。しかし、FIFO深さは変化することが可能であり、これは、FIFO深さが制御可能であり得ることを意味する。その結果、異なるノードは、異なるFIFO深さを使用して、1つのノードが異なる時間に異なるFIFO深さを使用することを含み得る。
【0039】
図4は、TXEN信号434、TXD信号436、CRS信号438、及びCOL信号440の相互作用を示している。例えば、CRS信号438は、PHYのFIFOにデータを書き込むとき、又はTX_EN信号434がアサートされるときに、PHYが線346上のアクティビティ(例えば、キャリアが線346でセンスされる)を検出するたびにアサートされる。図4では、CRS信号438は、TXD信号436からのデータ342がPHYのFIFOに書き込まれることに応答して、又はTO外でのTX_EN信号434のアサートされたことに応答して、アサートされる。COL信号440のアサートされることに続いて、CRS信号438は、ノードの次の伝送機会までアサートされた状態で保持される。COL信号440は、別のノード(例えば、ノード1)が線346上で既にデータ342を伝送しており、MACがTXD線412上でデータ342を伝送しているという、PHYによる検出に応答してアサートされる。したがって、ノード3のPHYは、ノード3のTOまでCRS信号438をハイに保持する。COL信号440に応答して、MACはTXD線412上でのデータの伝送をバックオフする。CRS信号438がアサートされた状態である間、MACは、伝送データ342をPHYに提供することを遅らせる。ノード3のTOにおいて、CRS信号438はローに遷移し、これにより、MACに対して、ノード3のTOが訪れ、ノード3がデータを伝送し得ることをシグナリングする。PHYは、線346にコミット信号344を提供して、ノード3がそれのTO中にデータ342を伝送することになることを示し、MACはTXEN信号434をアサートしてPHYにデータ342を提供する。PHYは、コミット信号344に続いてデータ342を線346に提供する。
【0040】
本開示の様々な実施形態によれば、コリジョン(「COL」)は、TX FIFOバッファがフル状態に近づく、又はそれに到達することに応答してエミュレートされ得る。すなわち、TX FIFOバッファに記憶されたデータの量が少なくとも所定の閾値量である(例えば、伝送FIFOがフルであるとみなされるが、物理的にはほぼフルであり得る)ことに応答して、コリジョンがエミュレートされ得る。上述したように、COL信号(例えば、COL信号440)のアサートされることに続いて、CRS信号(例えば、CRS信号438)は、ノードの次のTOまでアサートされたままであり得、これにより、MACに、伝送データをPHYに提供することを控えさせる。したがって、TX FIFOバッファがフル状態に近づくか、又はフル状態に到達することに応答してCOL信号をアサートすることにより、MACに、PHYの既にフルであるTX FIFOバッファに更なる伝送データを提供することを控えさせる。例えば、所定の閾値量は、約49.5バイト又は64バイト以下にプログラム可能に設定され得る。これらの実施形態のいくつかでは、キャリアセンスCRS及びコリジョンCOLは、PHYからMAC(例えば、MIIインターフェースのCOL)への排他的なコリジョンシグナリングを提供するインターフェースを介して(すなわち、これに限定されないが、MIIインターフェースにおけるCOLのための専用線などのコリジョンが検出されたことをシグナリングする専用線を使用して)アサートされ、更なるデータ342がMACからそれのPHYへ転送されることを防止し得る。
【0041】
図5は、本開示の様々な実施形態による、PLCAを含むネットワークのノードに関連付けられた例示的な信号タイミング図500を示している。信号タイミング図500は、伝送機会(ビーコン526及びTO 0~TO 30を含むTO 502)、ノードのキャリアセンスCRSに関連付けられたCRS信号504、及びノードにおけるコリジョンCOLに関連付けられたCOL信号510を示している。信号タイミング図500はまた、ノードのMAC(MAC行動506)及びPHY(PHY行動508)の行為も示している。
【0042】
信号タイミング図500では、TO#5の開始時に、MACはPHYにデータを伝送し530、PHYはMACから受信したデータをバッファし528、PHYは、PHYがMACからのデータをバッファすること528に応答して、キャリアセンスCRS信号504をハイに遷移させる。更に、この実施例では、PHYのバッファ(例えば、伝送(TX)FIFOバッファ)がフル又はほぼフルになることに応答して(例えば、バッファフル閾値534において)、コリジョンは、(コリジョンエミュレーション524によって示されるように)エミュレートされ得、すなわち、COL信号510がアサートされる。更に、MACは、(例えば、バックオフ状態で)キャリアセンスCRS信号504が(例えば、TO#30において、ノードの次のノードのTOの到来に応答して)ローに遷移するのを待ち512、パケット間ギャップ(IPG 514)の後に、MACはデータを伝送する516。更に、COL信号510及びキャリアセンスCRS信号504がローに遷移した後に、PHYは(コミット信号、コミット520を線上で伝送することによって)バスをキャプチャし得る(すなわち、IPG 514を待っている間に他のノードの他のPHYがバスをキャプチャすることを防止するために)。IPG 514の後に、PHYはデータを伝送し得る522。
【0043】
TX FIFOがフル状態に近づく又は到達することに応答してコリジョンをエミュレートすることにより、TX FIFOデータ記憶に関連付けられた問題の蓋然性を防止又は低減し得る。したがって、この実施形態は、ノード(例えば、PCLAノード)を(例えば、サブネットワーク上で)追加することを可能にし得る。例えば、様々な実施形態は、PLCAを有する10SPEサブネットワーク上の多数のノード(例えば、>32ノード)を可能にし得る。
【0044】
10SPEネットワークに関連付けられた別の問題は、時間依存パケットである高精度時間プロトコル(PTP)パケットの使用に関し得る。PTPについては、MIIインターフェースにおいて参照されるタイムスタンプは、固定リンク遅延を想定し得る。しかし、PLCAは可変遅延を含む。したがって、PTPパケットは、PHY内で(例えば、TX FIFOによって)可変遅延を起こし得る。このように、従来のシステムでは、PLCAとPTPを併用することができなかった。PHYによる、MACから受信されたPTPパケットの検出に応答してコリジョンをエミュレートすることにより、ノードのTO中にMACをバックオフさせてPTPパケットを再伝送させ、PHYのFIFOバッファに関連付けられた遅延を回避し得る。
【0045】
本開示のいくつかの実施形態によれば、コリジョンをエミュレートして、ノードのMACが、それのネイティブタイムスタンプユニットを使用してPTPクロック同期をハンドリングすることを可能にし得る。より具体的には、様々な実施形態によれば、PTPパケットは、ノードにおいてPHYによって検出され得、FIFOバッファを通じて可変遅延を起こし得るPTPパケットの検出に応答して、コリジョンがノードにおいてエミュレートされ得る(例えば、それにより、コリジョン後にリトライされると、パケットのノードの伝送FIFOバッファを通じて遅延することはなく、結果として、リトライされたパケットについてノードのPHYを通じて固定遅延が存在する)。より具体的には、ノードのTOがPTPパケットのタイムスタンプに対して可変遅延をもたらすまで、FIFOバッファ内のPTPパケットを保持するのではなく、エミュレートされたコリジョンがアサートされ、エミュレートされたコリジョンがデアサートされると、PTPパケットは、PTPパケットに提供された新しいタイムスタンプを用いてMACによってリトライされる。エミュレートコリジョンは、それぞれのノードのTOでデアサートされ、これにより、MACは、それのノードのそれぞれのTO中にPTPパケットを再伝送し得る。したがって、この場合のコリジョンエミュレーションの使用は、PTPパケットがFIFOバッファに保持されることを防止し、代わりに、MACはそれのノードのTO中にPTPパケットを再伝送することができる。これは、コリジョンを起こす伝送パケットが、FIFO遅延が追加されないときに、新しいタイムスタンプを用いてMACによって再伝送されるために生じ得る。
【0046】
図6は、PTPパケットの伝送データ612が、ノードの伝送機会(TO)外でノードのMACからそのノードのPHYにおいて受信される、信号タイミング図600を示している。すなわち、PHYがMACからPTPパケットの伝送データ612を受信するときは、そのノードのTOではない。却って、信号タイミング図600に示されるように、伝送データ612は、そのノードのための(論理レベルハイ616におけるTO信号610によって示される)TOの前に、PHYのFIFOバッファ602において受信される。TX_EN信号604はアサートされ、MACが伝送データ612を伝送していることをシグナリングする。CRS信号608は、TX_EN信号604のアサートされたことに応答してアサートされる。
【0047】
PHYは、伝送データ612がPTPパケットのためのものであると判定する。非限定的な例として、PHYは、伝送データ612内のPTPヘッダ622を検出し得る。伝送データ612がPTPパケットのためのものであると判定したことに応答して、コリジョンがエミュレートされ得る(COL信号606が論理レベルローから論理レベルハイへ遷移する618)。TX_EN信号604がデアサートされ、MACがCOL信号606のアサートされたことに応答して伝送データ612の伝送をバックオフするときにCOL信号606がデアサートされる限り、COL信号606がどれだけ長くアサートされたままであるかは重要ではない。ただし、COL信号606の長さは、これに限定されないが、約4~6バイト長であり得る。いくつかの実施形態では、図6に示されるように、COL信号606は、TX_EN信号604のデアサートされる前にデアサートされる(例えば、TX_EN信号604は、COL信号606のアサートされた後に12バイトをデアサートし得る)。ただし、いくつかの実施形態では、COL信号606は、MACがTXD線(図示せず)にジャム信号を提供するか、又はTX_EN信号604がデアサートされるまで、アサートされたままであり得る。
【0048】
PHYによる伝送のためにMACから受信したパケットをPTPパケットとして識別する情報は、最初にアクセスされないことがあることに留意されたい。すなわち、例えば、PTPパケットとしてパケットを識別する情報は、パケットのバイト25であってもよい。このように、パケットがPTPパケットであるとPHYが判定するのに、いくらかの時間を要し得る。このように、図6に示される実施例では、伝送データ612がPTPパケットのためのものであると判定されたときに、伝送データ612の一部は既にFIFO602に記憶され得る。伝送データ612がPTPパケットのためであるため、PHYはコリジョンをエミュレートし得る。しかし、PTPパケットの伝送データ612の一部が既にFIFO 602に記憶されているため、FIFO 602上の伝送データ612の記憶を単に停止することは、ラントパケット(すなわち、49.5バイト又は64バイト未満)をもたらし得るが、これが線上で伝送されるのを可能にされる(又は推奨される)ことはない。ラントパケットは、64バイト未満のペイロード(例えば、追加の8バイトのプリアンブルを伴う)を有するパケットであり得るが、ラントパケットを49.5バイト未満に制限することは、PHY及び/又はネットワークにおける比較的大きい遅延を補償し得る。その結果、様々な実施形態によれば、伝送データ612は「パディングアウト」され得る。この実施例では、バイト番号25が到来し、FIFO 602に記憶されている伝送データ612がPTPパケットのためのものであると判定された後に、COL信号606が論理レベルローから論理レベルハイへ遷移618することによってコリジョンがエミュレートされ得、伝送データ612がパディングアウトされ得、ストリーム終端デリミタ(ESD)620が伝送データ612に追加され得る。例えば、パディングは、巡回冗長検査(CRC)エラーを保証するように選択され得る。より具体的には、パディングが010101を含み、不良CRCを強制し得る。更に、少なくともいくつかの実施形態によれば、ESDエラー620(例えば、ESD_ERR、図示せず)が伝送データ612に追加され得る(すなわち、それにより、この場合、伝送データ612がエミュレートされたコリジョンを起こして破損しているため、受信ノードは、伝送データ612が、それが線上で伝送されたときに、エラーパケットの一部分であることを知る)。別の言い方をすれば、ストリーム終端デリミタ(例えば、ESDエラー620)が、伝送データ612に追加され得る。
【0049】
ノードに対するTO 616の到来に応答して、CRS信号608がデアサートする。この時点で、PHYは、線にコミット信号(図示せず)を提供して、PTPパケット614がMACから受信されるまで線を予約する。CRS信号608のデアサートされたことに応答して、MACは、TX_EN信号604をアサートし、PTPパケット614をPHYに提供する。PHYは、ノードのTO 616中に、FIFO深さをゼロ(ゼロFIFO遅延に対応する)に設定し、FIFO 602はPTPパケット614を受信する。ゼロFIFO遅延で、PTPパケット614は、線(図示せず)に提供される。その結果、PTPパケット614は、PHYを通じて一定の遅延を伴って線に提供される。FIFOバッファ以外に、PHYは、それに関連付けられた固定遅延を有する。その結果、PHYは、PTPパケット614に固定遅延(PTPパケット614がMACからPHYによって受信されてからPTPパケットが線上で伝送されるまでの遅延)を導入し得る。遅延が固定されているため、PTPパケットのタイムスタンプは、FIFOバッファの可変遅延が回避されているために不正確になることがなくてもよい。
【0050】
図7は信号タイミング図700を示しており、PTPパケット702が、ノードのPHYにおいて、ノードの伝送機会(TO、TO信号610の論理レベルハイ704によって示される)中にノードのMACから受信される。この実施例では、PTPパケット702は、ノードのTO中に受信されるため、エミュレートされたコリジョンは使用されなくてもよい。PHYは、FIFO 602で受信されたパケット(図示せず)がPTPパケット702であることをTO信号610の論理レベルハイ704の時点で認識しないが、PTPパケット702はゼロFIFO遅延を生じる。PTPパケット702がノードのTOのTO中に受信されたため、受信されたパケットがPTPパケット702であるとPHYが(例えば、PTPパケット702の25番目のバイトで)判定しても、COL信号606は論理レベルロー状態のままである。信号のバランスは、図7に関連して上述した意味を有する。代替的に、PHYが、ノードのTOであっても受信されたパケットがPTPパケットであると判定したときに、PTPパケット702は、PTPパケット702のプリアンブルの前にコミット信号が先行して、ノードの次のTOで伝送され得る。結果として、この代替的な実施形態では、コミット信号の存在は、コリジョンがエミュレートされるべきではないことをシグナリングし得る。
【0051】
図8は、10SPEネットワークなど、ネットワークを動作させる例示的方法800のフローチャートである。方法800は、本開示で説明される、少なくとも1つの実施形態に従って並べ替えられ得る。方法800は、いくつかの実施形態では、ネットワーク100(図1を参照)、ノード200(図2を参照)、ネットワーク1202(図12を参照)、それらの構成要素の1つ以上、又は別のシステム若しくはデバイスによって実行され得る。これら及び他の実施形態では、方法800は、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された命令の実行に基づいて実行され得る。個別のブロックとして示されているが、様々なブロックは、所望の実装形態に応じて、追加ブロックに分割されるか、より少ないブロックに組み合わせるか、又は削除され得る。
【0052】
方法800は、ブロック802で開始し得、ネットワーク内のノードにおける少なくとも1つのイベントが検出され得る。例えば、ネットワークは、PLCAを実装する10SPEネットワークを含み得る。少なくとも1つのイベントは、ブロック804及び808のうちの少なくとも一方を含む。例えば、少なくとも1つのイベントは、ノードのTX FIFOバッファに記憶されたデータの量が、少なくとも閾値量を含み得(ブロック804)、これは、上述のように、TX FIFOがフルである、及び/又はノード(例えば、ノードのPHY)で受信されたパケットが高精度時間プロトコル(PTP)パケットである(ブロック806)と説明され得る。ブロック804において、方法は、ノードのFIFOバッファ内の第1のバッファに記憶されたデータの量が、少なくとも閾値量であることを含む。例えば、データの閾値量は、49.5バイト又は64バイト以下であり得る。非限定的な例として、ブロック804はブロック806を含み得る。ブロック806は、バッファに記憶されたデータの量が約49.5バイト又は64バイトであることを検出することを含む。FIFOバッファに記憶されたデータの量が少なくとも閾値量である(ブロック804)という検出(ブロック802)に応答して、方法800はブロック812に進み得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、ブロック802において少なくとも1つのイベントを検出することは、ブロック808において受信されたパケットがPTPパケットであることを検出することを含む。いくつかのそのような実施形態では、ブロック808はPTPパケットをパディングすることを含む(例えば、それにより、パディングされたPTPパケットは64バイトを含み、及び/又はエラーを引き起こすパターン(例えば、010101)を含み、又はブロック810においてストリーム終端デリミタをPTPパケットに追加する)。受信されたパケットがPTPパケットである(ブロック808)という検出(ブロック802)に応答して、方法800はブロック812に進み得る。
【0054】
ブロック812において、ノードにおけるコリジョンは、検出された少なくとも1つのイベントに応答してエミュレートされ得る。より具体的には、ノードのTX FIFOバッファに記憶されたデータの量が少なくとも閾値量であること、及び/又はノードで受信されたパケット(例えば、ノードのPHY)が高精度時間プロトコル(PTP)パケットであることに応答して、コリジョンがエミュレートされ得る。更に、例えば、コリジョンは、ノードの媒体独立インターフェース(MII)又は縮小媒体独立インターフェース(RMII)上でエミュレートされ得る。
【0055】
本開示の範囲から逸脱することなく、方法800に、修正、追加、又は省略を行われ得る。例えば、方法800の動作は、異なる順序で実装され得る。更に、概説された動作及び行動は、実施例として提供されるにすぎず、動作及び行動の一部は任意選択的であってもよく、より少ない動作及び行動に組み合わされてもよく、又は、開示される実施形態の本質から逸脱することなく、追加の動作及び行動に拡張され得る。
【0056】
図9は、いくつかの実施形態による、ネットワークノードを動作させる方法900を示すフローチャートである。ブロック902では、方法900は、10SPEネットワーク内のノードにおいて、ノードのバッファに記憶されたデータの量が少なくとも閾値量であると判定し、これは、上述のように、TX FIFOがフルであると説明され得る。いくつかの実施形態では、ノードのバッファ内に記憶されたデータの量が少なくとも閾値であると判定することは、ブロック904において、ノードのバッファ内に記憶されたデータの量が実質的に49.5バイト又は64バイトであると判定することを含む。
【0057】
ブロック906において、方法900は、データの量が少なくとも閾値量であることに応答して、ノードにおけるコリジョンをエミュレートする。いくつかの実施形態では、コリジョンをエミュレートすることは、ノードのMIIインターフェース上でコリジョンをエミュレートすることを含む。
【0058】
図10は、いくつかの実施形態による、ネットワークノードを動作させる方法1000を示すフローチャートである。ブロック1002では、方法1000は、10SPEネットワーク内のノードにおいて受信したパケットを高精度時間プロトコル(PTP)パケットとして識別する。ブロック1004では、方法1000は、固定された(例えば、これに限定されないが、ゼロ)バッファ(例えば、FIFO)遅延を起こしたPTPパケットが、ノードのTO中に受信されたかどうかを判定する。はいの場合、方法はブロック1006で終了し、PTPパケットは共有伝送線に正常に伝送される。しかし、PTPパケットが固定バッファ遅延を起こしていなかったと判定された場合は、ブロック1008において、方法800は、受信されたパケットがPTPパケットであり、そのPTPパケットが固定バッファ遅延を起こしていないことに応答してノードにおけるコリジョンをエミュレートする。また、ブロック1010において、方法800はPTPパケットをパディングする。
【0059】
いくつかの実施形態では、PTPパケットをパディングするブロック1010はブロック1012を含み、PTPパケットをパターンでパディングし、それにより、パディングされたPTPパケットは少なくとも64バイトを含み、パターンはエラーを引き起こす。いくつかの実施形態では、PTPパケットをパディングするブロック1010はブロック1014を含み、ストリーム終端デリミタをPTPパケットに追加する。
【0060】
図11は、いくつかの実施形態によるノード1100の機能ブロック図である。ノード1100は、MAC 1102及びPHY 1104を含み、PHY 1104は、MAC 1102に(MII又はRMIIインターフェースであり得るインターフェース1142を介して)、及び共有伝送媒体(例えば、図2の10SPE媒体204)に、動作可能に結合される。10SPE媒体204は、それに動作可能に結合された複数のノード(図示せず)を有し得る。PHY 1104は、MAC 1102から(例えば、インターフェース1142のTXD信号を介して)パケット1128を受信し、イベントに応答してコリジョンをエミュレートするように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、イベントは、PHY 202のバッファ1106に記憶されたデータの量が少なくとも閾値量(例えば、これに限定されないが、バッファフル閾値534又はバッファほぼフル閾値)であることを含む。いくつかの実施形態では、イベントは、MAC 1102から受信したパケット1128がPTPパケットであるという検出を含む。
【0061】
PHY 1104は、制御回路1134に動作可能に結合されたバッファ1106を含む。制御回路1134は、伝送機会検出器1136、パケットパッダ1108、デリミタ生成器1110、エラーパターン生成器1140、閾値検出器1112、コリジョンエミュレータ1114、及びPTPパケット検出器1116を含む。いくつかの実施形態では、バッファ1106は、FIFOバッファを含む。MAC 1102からのパケット1128の受信に応答して、パケット1128は、制御可能な深さを有し得るバッファ1106に提供される。バッファ1106の深さは、伝送機会検出器1136からのTO信号1122に応答して制御され得る。伝送機会検出器1136は、TO信号1122を生成して、現在がノード1100の伝送機会であるか否かを示すように構成される。TO信号1122がノード1100の伝送機会であることを示す場合、バッファ1106の深さはゼロに設定され得る。このような場合は、バッファされたパケット1130は、バッファ1106からインターフェース1138にルーティングされ、次いで、ゼロバッファ遅延を伴って伝送パケット1148として線204にルーティングされる。しかし、TO信号1122がノード1100の伝送機会ではないことを示す場合、バッファ1106の深さは、非ゼロ値(例えば、レイトコリジョン閾値)に設定され得る。このような場合は、バッファ1106はパケット1128を記憶し、バッファされたパケット1130をインターフェース1138に提供し、次いで、ノード1100の次のTOにおいて伝送パケット1148として線204に提供する。
【0062】
PTPパケット検出器1116は、パケット1128がノード1100のTO中に受信されたかどうかを示すTO信号1122を受信するように構成される。PTPパケット検出器1116はまた、TO信号1122が、パケット1128がノード1100のTO中に受信されなかったことを示すときに、バッファ1106によって受信されたパケット1128がPTPパケットであるかどうかを検出するように構成させる。PTPパケット検出器1116は、パケット1128がPTPパケットであるかどうかをコリジョンエミュレータ1114及びパケットパッダ1108に示すPTP検出信号1132を提供するように構成される。
【0063】
場合によっては、パケットパッダ1108は、PTPパケット1128をパディングするように構成される。例えば、パケットパッダ1108は、パケット1128が、ノード1100のTO外で受信されたPTPパケットであることを示すPTP検出信号に応答して、バッファ1106内のパケット1128に追加されるべきパディング1118を提供するように構成され得る。非限定的な実施例として、パディング1118は、(エラーパターン生成器1140によって提供される)パターン1146を含み、エラー(例えば、巡回冗長検査(CRC)エラー)を引き起こし得る。特定の非限定的な実施例として、パディング1118は、010101パターンを含み得る。また、非限定的な実施例として、パケットパッダ1108は、バッファ1106内のパケット1128に(例えば、エラーパターン生成器1140によって提供される)エラーを追加するように構成され得る。いくつかの実施形態では、パケットパッダ1108は、パケット1128をパターンでパッド1128にパディングするように構成され、それにより、パケット1128は、少なくとも64バイトを含み、パターンはエラーを引き起こす。
【0064】
いくつかの実施形態では、パケットパッダ1108は、パケット1128を(例えば、デリミタ生成器1110によって生成される)デリミタ1126でパッド1128をパッドパディングするように構成される。デリミタ生成器1110は、バッファ1106内のパケット1128に追加されるべきデリミタ1126を生成して提供するように構成される。いくつかの実施形態では、デリミタ1126は、ストリーム終端デリミタを含む。したがって、パケットパッダ1108は、パケット1128にストリーム終端デリミタを追加するように構成され得る。パケットパッダ1108が、エラーパターン生成器1140からのパターン1146、又はデリミタ生成器1110からデリミタ1126を含むパディング1118を追加するかどうかにかかわらず、パディングは、ノード1100のTO外で受信されたPTPパケットの一部分をパディングして、コリジョンがエミュレートされるのに応答してラントパケットが線204に放出されることを回避できる。
【0065】
閾値検出器1112は、バッファ1106内に記憶されたデータの量を検出するように構成され、一方、バッファは、非ゼロ深さ(すなわち、ノード1100のTO外)に設定される。閾値検出器1112は、バッファ1106内に記憶されたデータの検出された量を1つ以上の閾値量と比較するように構成され得る。例えば、閾値量は、バッファフル閾値(例えば、図5のバッファフル閾値534)、バッファほぼフル閾値、レイトコリジョン閾値532(図5)、他の閾値、又はこれらの任意の組み合わせに対応する量を含み得る。いくつかの実施形態では、バッファ1106は、49.5バイト又は64バイトのデータを記憶するように構成され(例えば、バッファ深さは49.5バイト又は64バイトに設定される)、対応するバッファフル閾値は、49.5バイト又は64バイト以下にプログラム可能に設定される。閾値検出器1112が、バッファ1106に記憶されたデータの量が、1つ以上の閾値量(例えば、49.5バイト又は64バイト以下)に到達するか、又はそれを超過するのを検出することに応答して、閾値検出器1112は、1つ以上の閾値量に到達したか又は超過したことを示す閾値検出信号1120を提供するように構成される。閾値検出器1112は、閾値検出信号1120をコリジョンエミュレータ1114に提供するように構成される。上記のように、閾値検出信号1120がアサートされると、バッファ1106は、閾値に関係なく、フルであると説明される。
【0066】
コリジョンエミュレータ1114は、閾値検出器1112から閾値検出信号1120を、PTPパケット検出器1116からPTP検出信号1132を、及び伝送機会検出器1136からTO信号1122を受信するように構成される。したがって、コリジョンエミュレータ1114は、MAC 1102から受信されたパケット1128がノード1100のTO中に受信されたPTPパケットであるかどうか、及びバッファ1106によって記憶されたデータの量が1つ以上の閾値を超過しているかどうかを通知される。この情報を使用して、コリジョンエミュレータ1114は、閾値検出信号1120又はPTP検出信号1132のうちの少なくとも一方に応答して、ノードにおけるコリジョンをエミュレートするように構成される。いくつかの実施形態では、コリジョンエミュレータ1114は、COL信号1124をアサートし、ノード1100の次のTOまでCRS信号1144をアサートされた状態に維持することによって、コリジョンをエミュレートするように構成される。いくつかの実施形態では、コリジョンエミュレータ1114は、COL信号1124をアサートすることによってコリジョンをエミュレートする(例えば、MIIであり得るインターフェース1142のCOL信号1124を論理レベルハイに遷移させる)ように構成される。
【0067】
上述のように、コリジョンエミュレータ1114はまた、TO信号1122を受信するように構成される。また上述のように、TO信号1122はアサートされ、ノード1100の伝送機会であることをシグナリングする。したがって、コリジョンエミュレータ1114は、TO信号1122がデアサートされる(例えば、PTPパケット1128は、ノード1100の伝送機会外に受信される)場合にのみ、PTP検出信号1132に応答してコリジョンをエミュレートするように構成され得る。
【0068】
TX_EN(図示せず)に応答して、バッファ1106は、パケット1128をバッファして、パケット1128の少なくとも一部分及びそれに追加された(例えば、最小パケット長まで追加された)任意のパディング1118を含むバッファされたパケット1130をインターフェース1138に生成し、次いで、バッファされたパケット1130を、適切な時間に(例えば、TO信号1122によって示されるノード1100の次のTOにおいて)、伝送されたパケット1148として10SPE媒体204に提供する。すなわち、TX_EN信号に応答して、パケット1128はバッファされ、ノードの次のTOにおいてインターフェース1138に提供される。例えば、制御回路1134は、TO信号1122がアサートされる間に到来するパケット1128に応答して、遅延なしに(すなわち、バッファ1106の深さをゼロに設定して)10SPE媒体204にパケット1128を提供するように構成される。したがって、パケット1128がノード1100のTO間に受信されたPTPパケット(例えば、MAC 1102から受信される最初のPTPパケット、又はMACから以前に受信されたPTPパケットの再伝送)である場合、PTPパケットは、バッファ1106によって遅延されることなくインターフェース1138に配信され、その結果、伝送されたパケット1148として、固定遅延を伴って10SPE媒体204に伝送される。別の実施例として、バッファ1106は、MACからPHY(例えば、図4のTXEN信号426又はTXEN信号434、図6のTX_EN信号604)の伝送イネーブル信号TX_ENのアサートされたことに応答して、バッファされたパケット1130を(例えば、伝送されたパケット1148としてインターフェース1138を介して)10SPE媒体204に提供するように構成される。TX_EN信号は、コリジョンエミュレータ1114によって提供されるエミュレートされたコリジョンに続いて、MACによってアサートされ得るが、これは、インターフェース1142のCRS信号1144のデアサートされた後であり得る。
【0069】
図12は、いくつかのノード(例えば、増幅器、マイクロフォン、アンテナ、スピーカ、センサなど)を有する、ネットワーク1202(例えば、10SPEネットワーク)を含む、車両1200(例えば、トラック、バス、船舶、及び/又は航空機)を示している。いくつかの実施形態によれば、ネットワーク1202は、車両ネットワークを含み得る。更に、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのノード(例えば、ノードのPHY)は、少なくとも1つのイベントを検出するように構成され得る。少なくとも1つのイベントは、ノードのFIFOバッファに記憶されたデータの量が少なくとも閾値量であること、及び/又は、ノードにおいて受信されたパケットが高精度時間プロトコル(PTP)パケットであることを含み得る。更に、ノードは、少なくとも1つのイベントの検出に応答して、ノードにおけるコリジョンをエミュレートするように構成され得る。
【0070】
本明細書に開示されるように、ノードのFIFOバッファが所定の閾値レベルに到達することに応答してコリジョンをエミュレートすることは、本明細書で説明されるように、ネットワーク上の多数のノード及び/又は伝送機会間の長期間に関連付けられた問題を解決し得る。更に、コリジョンをエミュレートすることにより、本明細書で説明されるように、PTPパケットが伝送FIFOを通じて可変遅延を発生することを防止し得る。
【0071】
本明細書に開示される実施形態の機能要素(例えば、機能、動作、動作、プロセス、及び/又は方法)は、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせで実装され得ることが、当業者には理解されるであろう。図13は、本明細書に開示される機能要素の実装形態の非限定的な実施例を示している。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される機能要素の一部又は全ての部分は、機能的要素を実行するために特別に構成されたハードウェアによって実行され得る。
【0072】
図13は、回路1300のブロック図であり、いくつかの実施形態において、回路1300を使用して、本明細書に開示される様々な機能、動作、行為、プロセス、及び/又は方法を実装し得る。回路1300は、1つ以上のデータ記憶デバイス(本明細書では「記憶装置1304」と呼ばれることもある)に動作可能に結合された1つ以上のプロセッサ1302(本明細書では「プロセッサ1302」と呼ばれることもある)を含む。記憶装置1304は、それに記憶された機械実行可能コード1306を含み、プロセッサ1302は論理回路1308を含む。機械実行可能コード1306は、論理回路1308によって実施(例えば、実行)され得る機能要素を説明する情報を含む。論理回路1308は、機械実行可能コード1306によって記述される機能要素を実装(例えば、実行)するように適合される。回路1300は、機械実行可能コード1306によって記述される機能要素を実行するとき、本明細書に開示される機能要素を実行するように構成された専用ハードウェアとして見なされるべきである。いくつかの実施形態では、プロセッサ1302は、機械実行可能コード1306によって記述される機能的要素を、順次に、同時に(例えば、1つ以上の異なるハードウェアプラットフォーム上で)、又は1つ以上の並列処理ストリームにおいて、実行するように構成され得る。
【0073】
プロセッサ1302の論理回路1308によって実装されるとき、機会実行可能コード1306は、本明細書に開示される実施形態の動作を実行するようにプロセッサ1302を適合させるように構成される。例えば、機械実行可能コード1306は、図8の方法800、図9の方法900、及び/又は図10の方法1000の少なくとも一部分又は全体を実行するようにプロセッサ1302を適合させるように構成され得る。別の実施例として、機械実行可能コード1306は、図2のPHY 202について述べた動作の少なくとも一部分若しくは全体、及び/又は図11の制御回路1134を実行するようにプロセッサ1302を適合させるように構成され得る。特定の非限定的な実施例として、機械実行可能コード1306は、少なくとも1つの検出されたイベント(例えば、これらに限定されないが、受信されたパケットがPTPパケットの可変遅延であるという検出、バッファに記憶されたデータの量が少なくとも閾値量であるという検出)に応答してコリジョンをエミュレートするようにプロセッサ1302を適合させるように構成され得る。
【0074】
プロセッサ1302は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、プログラマブル論理コントローラ(PLC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラム可能な論理デバイス、別個のゲート若しくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、他のプログラマブルデバイス、又は本明細書に開示される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを含み得る。プロセッサを含む汎用コンピュータは、専用コンピュータとみなされ、同時に、汎用コンピュータは、本開示の実施形態に関する機械実行可能コード1306(例えば、ソフトウェアコード、ファームウェアコード、ハードウェア記述)に対応する機能要素を実行するように構成される。汎用プロセッサ(本明細書では、ホストプロセッサ又は単にホストとも呼ばれることもある)は、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサ1302は、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンを含み得ることに留意されたい。プロセッサ1302はまた、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のこのような構成の組み合わせなど、コンピューティングデバイスの組合せとして実装され得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、記憶装置1304は、揮発性データ記憶装置(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性データ記憶装置(例えば、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)など)を含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ1302及び記憶装置1304は、単一のデバイス(例えば、半導体デバイス製品、システムオンチップ(system on chip、SOC)など)に実装され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ1302及び記憶装置1304は、別個のデバイスに実装され得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、機械実行可能コード1306は、コンピュータ可読命令(例えば、ソフトウェアコード、ファームウェアコード)を含み得る。非限定的な実施例として、コンピュータ可読命令は、記憶装置1304によって記憶され、プロセッサ1302によって直接アクセスされ、少なくとも論理回路1308を使用してプロセッサ1302によって実行され得る。また、非限定的な実施例として、コンピュータ可読命令は、記憶装置1304に記憶され、実行のためにメモリデバイス(図示せず)に転送され、少なくとも論理回路1308を使用してプロセッサ1302によって実行され得る。したがって、いくつかの実施形態では、論理回路1308は、電気的に構成可能な論理回路1308を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、機械実行可能コード1306は、論理回路1308内に実装されるハードウェア(例えば、回路)を記述し、機能要素を実行し得る。このハードウェアは、ローレベルトランジスタレイアウトからハイレベル記述言語までの様々な抽象化レベルのいずれかで記述され得る。高レベルの抽象化では、IEEE Standard ハードウェア記述言語(HDL)などのハードウェア記述言語(HDL)が使用され得る。非限定的な例として、Verilog(商標)、SystemVerilog(商標)又は超大規模集積(VLSI)ハードウェア記述言語(VHDL(商標))が使用され得る。
【0078】
HDL記述は、所望に応じて、多数の他の抽象化レベルのうちのいずれかにおける記述に変換され得る。非限定的な実施例として、高レベル記述を、レジスタ転送言語(RTL)、ゲートレベル(GL)記述、レイアウトレベル記述、又はマスクレベル記述などの論理レベル記述に変換することができる。非限定的な例として、論理回路1308のハードウェア論理回路(例えば、これらに限定されないが、ゲート、フリップフロップ、レジスタ)によって実行されるマイクロ動作は、RTLに記述され、次いで合成ツールによってGL記述に変換されてもよく、GL記述は、配置及びルーティングツールによってレイアウトレベル記述に変換され得、このレイアウトレベル記述は、プログラム可能論理デバイス、別個ゲート若しくはトランジスタ論理、個別のハードウェア構成要素、又はそれらの組み合わせの集積回路の物理的レイアウトに対応する。したがって、いくつかの実施形態では、機械実行可能コード1306は、HDL、RTL、GL記述、マスクレベル記述、他のハードウェア記述、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0079】
機械実行可能コード1306が(任意の抽象化レベルにおける)ハードウェア記述を含む実施形態では、システム(図示しないが、記憶装置1304を含む)は、機械実行可能コード1306によって記述されるハードウェア記述を実施するように構成され得る。非限定的な実施例として、プロセッサ1302は、プログラム可能論理デバイス(例えば、FPGA又はPLC)を含む得、論理回路1308は、ハードウェア記述に対応する回路を論理回路1308に実装するように電気的に制御され得る。また、非限定的な実施例として、論理回路1308は、機械実行可能コード1306のハードウェア記述に従って製造システム(図示しないが、記憶装置1304を含む)によって製造されたハードワイヤード論理を含み得る。
【0080】
機械実行可能コード1306がコンピュータ可読命令又はハードウェア記述を含むかどうかにかかわらず、論理回路1308は、機械実行可能コード1306の機能要素を実装するときに、機械実行可能コード1306によって記述された機能要素を実行するように適合される。ハードウェア記述は機能要素を直接記述しなくともよいが、ハードウェア記述は、ハードウェア記述によって記述されたハードウェア要素が実行することができる機能要素を間接的に記述することに留意されたい。
【0081】
本開示で使用される用語、及び特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)において使用される用語は、一般に「オープン」用語として意図される(例えば、用語「含んでいる(including)」は、「含んでいるが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、「有している」という用語は、「少なくとも有している」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は、「含むが、これに限定されない」などと解釈されるべきである。
【0082】
加えて、特定の数の導入された請求項列挙が意図される場合、このような意図は請求項に明示的に列挙されることになり、このような列挙がない場合には、このような意図は存在しない。例えば、理解を助けるものとして、以下の添付の請求項は、請求項の列挙を導入するための導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用を含むことがある。しかし、このような語句の使用は、たとえ同じ請求項が導入語句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」、及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」又は「an」による請求項列挙の導入が、そのような導入された請求項列挙を含む任意の特定の請求項を、そのような列挙のうちの1つのみを含む実施形態に限定するものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)。請求項列挙を導入するために使用される明確な冠詞の使用についても同じことが当てはまる。
【0083】
加えて、導入された請求項列挙の特定の数が明示的に列挙される場合であっても、当業者は、このような列挙が少なくとも列挙された数を意味すると解釈されるべきであることを、認識するであろう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの列挙」の明白な列挙は、少なくとも2つの列挙又は2つ以上の列挙を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、及びCなどのうちの1つ以上」に類似した慣例が使用される場合、一般に、このような構造は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、又はA、B、及びCを一緒に含むことを意図する。
【0084】
更に、2つ以上の代替用語を提示する任意の離接語又は語句は、説明、請求項、又は図面のいずれかにおいて、用語のうちの1つ、用語のいずれか又は両方の用語を含む可能性を企図するものと理解されるべきである。例えば、語句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるべきである。
【0085】
例示的な実施形態(「実施例」)の非網羅的かつ非限定的なリストは、以下の通りである。以下に列挙される例示的な実施形態の全てが、以下に列挙される例示的な実施形態及び上述の実施形態の他の全てと組み合わせ可能であると個々に示されてはいない。しかし、これらの例示的な実施形態は、実施形態が組み合わせ可能ではないことが当業者には明らかである場合を除き、全ての他の例示的な実施形態及び上述の実施形態と組み合わせ可能であることが意図される。
【0086】
実施例1:物理レベルコリジョン回避(PLCA)サブレイヤを含む10SPEネットワーク内のノードにおいて、ノードの先入れ先出し(FIFO)バッファに記憶されたデータの量は少なくとも閾値量であること、受信されたパケットは高精度時間プロトコル(PTP)パケットであること、のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのイベントを検出するステップと、その検出された少なくとも1つのイベントに応答して、ノードにおけるコリジョンをエミュレートするステップと、を含む、方法。
【0087】
実施例2:少なくとも1つのイベントを検出するステップは、受信されたパケットが高精度時間プロトコル(PTP)パケットであることを検出するステップを含み、この方法は、少なくとも64バイトを含むようにPTPパケットをパディングするステップを更に含む、実施例1に記載の方法。
【0088】
実施例3:少なくとも1つのイベントを検出するステップは、受信されたパケットが高精度時間プロトコル(PTP)パケットであることを検出するステップを含み、この方法は、エラーを引き起こすパターンを含むようにPTPパケットをパディングするステップを更に含む、実施例1及び2のいずれか1つに記載の方法。
【0089】
実施例4:パターンを含むようにPTPパケットをパディングするステップは、010101を含むパターンを含むようにPTPパケットをパディングするステップを含む、実施例3に記載の方法。
【0090】
実施例5:少なくとも1つのイベントを検出するステップは、受信されたパケットが高精度時間プロトコル(PTP)パケットであることを検出するステップを含み、この方法は、PTPパケットにエラーを追加するステップを更に含む、実施例1に記載の方法。
【0091】
実施例6:少なくとも1つのイベントを検出するステップは、受信されたパケットが高精度時間プロトコル(PTP)パケットであることを検出するステップを含み、この方法は、PTPパケットが少なくとも64バイトを含み、パターンがエラーを引き起こすように、PTPパケットをパターンで追加するステップと、ストリーム終端デリミタをPTPパケットに追加するステップと、を更に含む、実施例1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0092】
実施例7:検出するステップは、FIFOバッファに記憶されたデータの量が約49.5バイト又は64バイトであると検出するステップを含む、実施例1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0093】
実施例8:10SPEネットワーク内のノードにおいて、ノードのバッファに記憶されたデータの量が少なくとも閾値量であると判定するステップと、データの量が少なくとも閾値量であることに応答してノードでのコリジョンをエミュレートするステップと、を含む方法。
【0094】
実施例9:ノードのバッファに記憶されたデータの量が少なくとも閾値であると判定するステップは、ノードのバッファに記憶されたデータの量は、実質的に49.5バイト又は64バイトであると判定するステップを含む、実施例8に記載の方法。
【0095】
実施例10:10SPEネットワークは9つ以上のノードを含む、実施例8及び9のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
実施例11:コリジョンをエミュレートするステップは、ノードの媒体独立インターフェース(MII)上のコリジョンをエミュレートするステップを含む、実施例8~10のいずれか1つに記載の方法。
【0097】
実施例12:10SPEネットワーク内のノードにおいて受信されたパケットを高精度時間プロトコル(PTP)パケットとして識別するステップと、受信されたパケットがPTPパケットであることに応答してノードにおけるコリジョンをエミュレートするステップと、を含む方法。
【0098】
実施例13:パケットがノードの伝送機会(TO)中に受信されたかどうかを判定するステップを更に含み、コリジョンをエミュレートするステップは、受信されたパケットがPTPパケットであり、そのパケットがそれのTO外で受信されることに応答して、ノードにおけるコリジョンをエミュレートするステップを含む、実施例12に記載の方法。
【0099】
実施例14:PTPパケットは少なくとも64バイトを含み、パターンがエラーを引き起こすように、PTPパケットをパターンでパディングするステップ、及びストリーム終端デリミタをPTPパケットに追加するステップ、のうちの少なくとも一方を更に含む、実施例12及び13のいずれか1つに記載の方法。
【0100】
実施例15:コリジョンをエミュレートするステップは、ノードの媒体独立インターフェース(MII)上のコリジョンをエミュレートするステップを含む、実施例12~14のいずれか1つに記載の方法。
【0101】
実施例15A:コリジョンをエミュレートするステップは、ノードの縮小媒体独立(、RMII)上でコリジョンをエミュレートするステップを含む、実施例12~14のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
実施例16:物理レベルコリジョン回避(PLCA)サブレイヤを含む物理レイヤ(PHY)を含むノードであって、PHYは、ノードの先入れ先出し(FIFO)バッファに記憶されたデータの量が少なくとも閾値量であることと、受信されたパケットが高精度時間プロトコル(PTP)パケットであることと、のうちの少なくとも一方を含む少なくとも1つのイベントを検出することと、検出された少なくとも1つのイベントに応答して、ノードにおいてコリジョンをエミュレートすることと、を行うように構成された、ノードを備える、10SPEネットワーク。
【0103】
実施例17:PHYは、PTPパケットが少なくとも64バイトを含み、パターンが巡回冗長検査(CRC)エラーを引き起こすように、PTPパケットをパターンでパディングすることと、ストリーム終端デリミタをPTPパケットに追加することと、を行うように更に構成された、実施例16に記載の10SPEネットワーク。
【0104】
実施例18:受信されたパケットは、ノードの媒体アクセス制御(MAC)から受信される、実施例16及び17のいずれか1つに記載の10SPEネットワーク。
【0105】
実施例19:閾値量は49.5バイト又は64バイト以下である、実施例16~18のいずれか1つに記載の10SPEネットワーク。
【0106】
実施例20:10SPEネットワークを含む車両であって、いくつかのノードを備え、そのいくつかのノードのちの少なくとも1つのノードが、少なくとも1つのイベントを検出することであって、少なくとも1つのイベントが、ノードの先入れ先出し(FIFO)バッファに記憶されたデータの量が少なくとも閾値量であることと、ノードにおいて受信されたパケットが高精度時間プロトコル(PTP)パケットであることと、のうちの少なくとも一方を含む少なくとも1つのイベントを含む、検出することと、検出された少なくとも1つのイベントに応答してコリジョンをエミュレートすることと、を行うように構成された、10SPEネットワークを含む車両。
【0107】
実施例21:ネットワークノードのための物理レイヤデバイスであって、物理レイヤデバイスは、有線ローカルエリアネットワークの共有通信媒体における伝送のために媒体アクセス制御サブレイヤによって提供された伝送パケットを受信するように構成されたバッファであって、物理レイヤデバイスが、物理レベルコリジョン回避(PLCA)サブレイヤを実装するように構成された、バッファと、制御回路であって、バッファによって記憶されたデータの量が少なくとも閾値量であることと、又は受信された伝送パケットが可変遅延を生じている高精度時間プロトコル(PTP)パケットであることと、のうちの少なくとも一方のイベントを検出することと、検出された少なくとも1つのイベントに応答してコリジョン信号をアサートすることによってノードにおいてコリジョンをエミュレートすることと、を行うように構成された制御回路と、を備える、物理レイヤデバイス。
【0108】
実施例22:制御回路は、受信された伝送パケットがネットワークノードの伝送機会外に受信されたPTPパケットであるという検出に応答して、少なくとも64バイトを含むようにPTPパケットをパディングするように構成される、実施例21に記載の物理レイヤデバイス。
【0109】
実施例23:制御回路は、受信された伝送パケットがネットワークノードの伝送機会外に受信されたPTPパケットであるという検出に応答して、エラーを引き起こすパターンを含むようにPTPパケットをパディングするように構成される、実施例21及び22のいずれか1つに記載の物理レイヤデバイス。
【0110】
実施例24:パターンは010101を含む、実施例23に記載の物理レイヤデバイス。
【0111】
実施例25:制御回路は、受信された伝送パケットがネットワークノードの伝送機会外に受信されたPTPパケットであるという検出に応答して、PTPパケットにエラーデリミタを追加するように構成される、実施例21に記載の物理レイヤデバイス。
【0112】
実施例26:受信された伝送パケットはネットワークノードの伝送機会外に受信されたPTPパケットであるという検出に応答して、制御回路が、PTPパケットが少なくとも64バイトのペイロードを含み、パターンがエラーを引き起こすように、PTPパケットをパターンでパディングすることと、ストリーム終端デリミタをPTPパケットに追加することと、を行うように構成される、実施例21~25のいずれか1つに記載の物理レイヤデバイス。
【0113】
実施例26A:制御回路は、ネットワークノードの伝送機会内の伝送イネーブル(TX_EN)信号のアサートされることに応答して、又はエミュレートされたコリジョン後、キャリアセンス(CRS)信号のデアサートされることに応答して、PTPパケットによって生じる固定遅延を検出するように構成される、実施例21~26のいずれか1つに記載の物理レイヤデバイス。
【0114】
実施例27:バッファが、49.5バイト又は64バイトのデータを記憶するように構成される、実施例21~26Aのいずれか1つに記載の物理レイヤデバイス。
【0115】
実施例28:バッファの深さが、ネットワークノードの伝送機会中にゼロに設定され、ネットワークノードの伝送機会外に非ゼロ値に設定される、実施例21~27のいずれか1つに記載の物理レイヤデバイス。
【0116】
実施例29:ネットワークノードのための物理レイヤデバイスであって、物理レイヤデバイスは、有線ローカルエリアネットワークの共有伝送媒体における伝送のために伝送パケットを記憶するように構成されたバッファであって、物理レイヤデバイが物理レベルコリジョン回避(PLCA)サブレイヤを実装するように構成された、バッファと、制御回路であって、バッファに記憶されたデータの量が少なくとも閾値量であると判定することと、データの量が少なくとも閾値量であることに応答してコリジョン信号をアサートすることによってコリジョンをエミュレートすることと、を行うように構成された制御回路と、を備える、物理レイヤデバイス。
【0117】
実施例30:閾値量は最大49.5バイトであるようにプログラム可能である、実施例29に記載の物理レイヤデバイス。
【0118】
実施例31:有線ローカルエリアネットワークは9つ以上のノードを含む、実施例29及び30のいずれか1つに記載の物理レイヤデバイス。
【0119】
実施例32:制御回路は、媒体独立インターフェース(MII)又は縮小媒体独立インターフェース(RMII)上でコリジョンをエミュレートするように構成される、実施例29~31のいずれか1つに記載の物理レイヤデバイス。
【0120】
実施例33:ネットワークノードのための物理レイヤデバイスであって、物理レイヤデバイスは、有線ローカルエリアネットワークの共有伝送媒体における伝送のための媒体アクセス制御サブレイヤから受信した伝送パケットを記憶するように構成されたバッファであって、有線ローカルエリアネットワークが物理レベルコリジョン回避(PLCA)サブレイヤを含む、バッファと、制御回路であって、記憶された伝送パケットを高精度時間プロトコル(PTP)パケットとして識別することと、記憶された伝送パケットがPTPパケットとして識別され、識別されたPTPパケットが可変遅延を生じていることに応答して、コリジョン信号を媒体アクセス制御サブレイヤにアサートすることによって、ノードにおけるコリジョンをエミュレートすることとを、行うように構成された制御回路と、を備える、物理レイヤデバイス。
【0121】
実施例34:制御回路は、バッファによって記憶されたデータの量が所定の閾値レベルを超過することに応答して、コリジョン信号を媒体アクセス制御サブレイヤにアサートすることによって、コリジョンをエミュレートするように更に構成される、実施例33に記載の物理レイヤデバイス。
【0122】
実施例35:制御回路は、パディングされたPTPパケットが少なくとも64バイトを含み、パターンがエラーを引き起こすように、PTPパケットをパターンでパディングすること、又はストリーム終端デリミタをPTPパケットに追加すること、のうちの少なくとも一方を行うように更に構成される、実施例33及び34のいずれか1つに記載の物理レイヤデバイス。
【0123】
実施例36:制御回路は、媒体独立インターフェース(MII)又は縮小媒体独立インターフェース(RMII)上でコリジョンをエミュレートするように構成される、実施例33~35のいずれか1つに記載の物理レイヤデバイス。
【0124】
実施例37:物理レイヤ(PHY)を含むノードであって、PHYは、物理レベルコリジョン回避(PLCA)サブレイヤを含み、PHYは、ノードの先入れ先出し(FIFO)バッファに記憶されたデータの量が少なくとも閾値量であることと、受信されたパケットが可変遅延を生じている高精度時間プロトコル(PTP)パケットであることと、の少なくとも一方を含む少なくとも1つのイベントを検出するように構成された、ノードを備える、有線ローカルエリアネットワーク。
【0125】
実施例38:PHYは、PTPパケットをパターンでパディングし、それにより、パディングされたPTPパケットが少なくとも64バイトを含み、パターンが巡回冗長検査(CRC)エラーを引き起こすことと、ストリーム終端デリミタをPTPパケットに追加することと、を行うように更に構成された、実施例37に記載の有線ローカルエリアネットワーク。
【0126】
実施例39:受信されたパケットは、ノードの媒体アクセス制御サブレイヤから受信される、実施例37及び38のいずれか1つに記載の有線ローカルエリアネットワーク。
【0127】
実施例40:閾値量は、49.5バイト又は64バイトのうちの一方以下であるようにプログラム可能である、実施例17~19のいずれか1つに記載の有線ローカルエリアネットワーク。
【0128】
実施例41:物理レベルコリジョン回避(PLCA)サブレイヤを含む有線ローカルエリアネットワークを含む車両であって、有線ローカルエリアネットワークは、いくつかのノードであって、そのいくつかのノードのうちの少なくとも1つのノードは、少なくとも1つのイベントを検出することであって、少なくとも1つのイベントがノードの先入れ先出し(FIFO)バッファに記憶されたデータの量が少なくとも閾値量であることと、ノードのリンクレイヤからノードで受信された伝送パケットが高精度時間プロトコル(PTP)パケットであり、可変遅延を生じていることと、のうちの少なくとも一方を含む、検出することを行うように構成された、いくつかのノードを備える、車両。
【0129】
本開示は、特定の例示される実施形態に関して本明細書に記載されているが、当業者は、本発明がそのように限定されないことを認識し、理解するであろう。むしろ、以下にそれらの法的等価物と共に特許請求されるような本発明の範囲から逸脱することなく、例示され、説明される実施形態に対して数多くの追加、削除、及び修正を行うことができる。加えて、一実施形態の特徴は、本発明者によって想到されるように、別の開示した実施形態の特徴と組み合わせることができるが、それでも、本開示の範囲内に包含される。
図1
図2
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図7
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図9
図10
図11
図12
図13