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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】搾乳器
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/06 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
A61M1/06
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022004664
(22)【出願日】2022-01-14
(65)【公開番号】P2023099979
(43)【公開日】2023-07-14
【審査請求日】2023-08-18
(31)【優先権主張番号】111100205
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】508252837
【氏名又は名称】研能科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Microjet Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】NO. 28, R&D 2nd Rd. Science-Based Industrial Park, Hsin-Chu, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】莫皓然
(72)【発明者】
【氏名】林景松
(72)【発明者】
【氏名】韓永隆
(72)【発明者】
【氏名】黄啓峰
(72)【発明者】
【氏名】林宗義
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0001001(US,A1)
【文献】特表2020-523179(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0112983(US,A1)
【文献】特表2017-527337(JP,A)
【文献】特表2020-523128(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0094078(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の乳房に装着して母乳を収集する搾乳器であって、
挿入空間を有する本体であって、前記挿入空間は、ダイヤフラム溝と、開口と、前記ダイヤフラム溝と連通する空気口とを備え、且つ前記本体の底部に母乳容器が取り付けられる、本体と、
前記挿入空間に組み立てられ且つ前記本体に取り外し可能に取り付けられる吸乳シールドであって、前記吸乳シールドの前端に吸乳シールド縁部が設けられ、前記吸乳シールドの中心後端部に乳首通路が延在し、前記吸乳シールド縁部と前記乳首通路との間に設けられる接続リング縁部に、少なくとも1つの変形可能な部材が設けられ、前記乳首通路は前記開口に対応する母乳出口を備え、前記母乳出口は前記母乳容器に対応して流路を形成し、前記流路は前記乳首通路と前記母乳容器とに連通され、前記吸乳シールド縁部の外部にダイヤフラム支持部が配置され、前記ダイヤフラム支持部に前記乳首通路に連通する負圧口が設けられ、且つ前記ダイヤフラム支持部が前記ダイヤフラム溝に組み立てられる、吸乳シールドと、
少なくとも1つのエアポンプであって、前記エアポンプは空気吸込端と空気吐出端とを備え、前記空気吸込端は、第1弁制御部材の制御によって、前記乳首通路を吸引して負圧を形成し、前記空気吐出端が第2弁制御部材の制御によって空氣を吐き出し、前記変形可能な部材が膨張および収縮する、少なくとも1つのエアポンプと、
可撓性ダイヤフラムであって、前記可撓性ダイヤフラムが前記ダイヤフラム支持部において位置決めして取り付けられ、且つ前記ダイヤフラム支持部と前記ダイヤフラム溝との間に密閉するように位置決めして配置される、可撓性ダイヤフラムと、を備え、
前記空気口は管路を介して前記本体外部の前記第1弁制御部材に連通し、前記エアポンプが動作すると、前記エアポンプの前記空気吸込端は前記第1弁制御部材の制御によって吸引し、形成された負圧吸引力が前記ダイヤフラム溝に伝達され、前記可撓性ダイヤフラムは、前記ダイヤフラム支持部と前記ダイヤフラム溝との間に変形して、前記負圧吸引力と同じ吸引力を形成し、前記負圧口を介して、前記乳首通路にも前記負圧吸引力を形成して搾乳操作を実行する、ことを特徴とする搾乳器。
【請求項2】
前記エアポンプは、圧電ポンプ、電動ポンプまたはその組合せであり、前記エアポンプは、複数直列方式、複数並列方式またはその組合せで取り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の搾乳器。
【請求項3】
前記第1弁制御部材または前記第2弁制御部材は電磁弁である、ことを特徴とする請求項1に記載の搾乳器。
【請求項4】
前記変形可能な部材は、シリコーン材料または熱可塑性ポリウレタン(TPU)材料で構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の搾乳器。
【請求項5】
前記変形可能な部材はエアバッグである、ことを特徴とする請求項1に記載の搾乳器。
【請求項6】
前記本体は管路を介して外部の前記第1弁制御部材、前記エアポンプ、前記第2弁制御部材、及び前記変形可能な部材に順次連通し、前記エアポンプが動作すると、前記エアポンプの前記空気吸込端は前記第1弁制御部材の制御によって吸引し、前記乳首通路に負圧を形成し、前記エアポンプの前記空気吐出端は、前記第2弁制御部材の制御によって前記変形可能な部材を膨張および収縮させる、ことを特徴とする請求項1に記載の搾乳器。
【請求項7】
前記接続リング縁部の領域において、前記吸乳シールドの各前記変形可能な部材に対応する位置に変形不可能な支持部材が設けられ、前記吸乳シールド縁部が前記使用者の前記乳房に装着され、前記乳房が前記乳首通路に挿入され、前記第2弁制御部材の制御によって、前記変形可能な部材が前記エアポンプの空氣の吸込または吐出動作によって前記乳房を圧迫し、前記変形不可能な支持部材と前記変形可能な部材との協働で前記乳房を圧迫し、前記乳房を刺激して乳腺から前記母乳を排出させる、ことを特徴とする請求項1に記載の搾乳器。
【請求項8】
前記変形不可能な支持部材は、半剛性材料で構成され、且つフランジ構造である、ことを特徴とする請求項7に記載の搾乳器。
【請求項9】
前記吸乳シールドは、透明剛性材料または透明半剛性材料で構成され、前記吸乳シールド縁部は可撓性材料で構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の搾乳器。
【請求項10】
前記吸乳シールドの前記乳首通路の後端部に第1センサーが配置され、前記第1センサーは、前記乳房の乳首が前記母乳を排出するかどうかを検出し、前記乳房の乳腺が母乳を排出しない状態であるかどうかを判断し、前記第1センサーが前記乳首の前記乳腺が前記母乳を排出しない状態であることを判断した場合、前記第1センサーは、前記エアポンプが動作するように制御し、且つ前記第2弁制御部材によって、前記変形可能な部材が前記エアポンプによって膨張および収縮の交互の動作を実行して前記乳房を圧迫し、前記乳房の前記乳腺から前記母乳を排出させる、ことを特徴とする請求項1に記載の搾乳器。
【請求項11】
前記接続リング縁部の領域において前記変形可能な部材に対応する位置に変形不可能な支持部材が設けられ、前記第1センサーが前記乳房の前記乳腺が前記母乳を排出しない状態であることを検出すると、前記第1センサーは、前記エアポンプが動作するように制御し、且つ、前記第2弁制御部材によって、前記変形可能な部材が前記エアポンプによって膨張および収縮の交互の動作を実行して前記乳房を圧迫し、前記変形不可能な支持部材と前記変形可能な部材との協動で前記乳房を圧迫し、前記乳房を刺激して前記乳腺から前記母乳を排出させる、ことを特徴とする請求項10に記載の搾乳器。
【請求項12】
前記本体と前記母乳容器との間に接続アセンブリが配置され、前記母乳容器が前記接続アセンブリに対応して位置決めして取り付けられ、前記乳首通路の前記母乳出口にダックビル弁が設けられ、前記母乳が前記乳首通路に流入すると、前記母乳出口を介して前記ダックビル弁に流入し、前記ダックビル弁が自動的に開き、前記母乳が前記流路にスムーズに流れ込み、前記母乳容器に導入されて収集され、前記母乳が前記ダックビル弁に流入しない時、前記ダックビル弁が閉じられ、前記母乳容器中の前記母乳が前記乳首通路の前記母乳出口に逆流することを防ぐ、ことを特徴とする請求項1に記載の搾乳器。
【請求項13】
前記流路の周縁に第2センサーが配置され、前記第2センサーが前記乳首通路にある前記母乳が前記流路から流出するかどうかを検出し、前記乳房の乳腺が前記母乳を排出しない状態であるかどうかを判断し、前記第2センサーが前記乳房の前記乳腺が前記母乳を排出しない状態であることを検出すると、前記第2センサーは前記エアポンプが動作するように制御し、前記第2弁制御部材によって、前記変形可能な部材が前記エアポンプによって膨張および収縮の交互の動作を実行して前記乳房を圧迫し、前記乳房を刺激して前記乳腺から前記母乳を排出させる、ことを特徴とする請求項12に記載の搾乳器。
【請求項14】
前記接続リング縁部の領域において前記変形可能な部材に対応する位置に変形不可能な支持部材が設けられ、前記第2センサーが前記乳房の前記乳腺が前記母乳を排出しない状態であるかどうかを検出し、前記第2センサーは前記エアポンプが動作するように制御し、前記第2弁制御部材によって、前記変形可能な部材が前記エアポンプによって膨張および収縮の交互の動作を実行して前記乳房を圧迫し、前記変形不可能な支持部材と前記変形可能な部材との協働で前記乳房を圧迫し、前記乳房を刺激して前記乳腺から前記母乳を排出させる、ことを特徴とする請求項13に記載の搾乳器。
【請求項15】
乳児の音声を録音して乳児の音声を再生できる、音声録音再生装置を提供し、使用者の脳内でのプロラクチン(prolatine)またはオキシトシン(oxytocin)の生成を刺激して、乳腺から前記母乳を排出させる、ことを特徴とする請求項1に記載の搾乳器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、母乳育児に適するハンズフリー母乳収集装置に関し、特に着用に適する搾乳器に関する。
【背景技術】
【0002】
受動的な母乳の収集は、母乳育児の分野において取り組む価値のある1つ課題である。受動的母乳の収集は、乳児が女性の乳房をしゃぶるときに女性自身からの自然分泌の授乳現象を利用するもので、乳児が乳房を吸うときに乳房が刺激を受けることで母乳を放出するが、現在、ほとんどの母乳育児中の母親は、母乳を容器に集めて乳児に与え、母乳を浪費する場合がある。したがって、授乳のために、乳房から受動的に放出された母乳を収集できる母乳収集装置を開発する必要がある。特に、ハンズフリーで隠蔽可能で人間工学に基づいた形状の母乳収集装置が望ましい。このような母乳収集装置は、組み立て・分解・洗浄が簡単で、かつ女性が服を脱ぐことなく、複雑で外見に見えるベルトを着用しなくても、通常の衣服の下に着用できる。
【0003】
市販の搾乳器は、連続的に負圧を生成することで乳房を吸引する動作を実行するだけであり、これは、女性の乳房の「泌乳現象」を実現させる動作には完全に適合しない。この方法では、乳房が分泌した母乳を吸い出すだけであり、一定の時間に母乳が吸い出された後にも搾乳を続けるので、女性の乳房が痛みを感じることがある。乳児が女性の乳房をしゃぶって母乳を吸う時に脳内でのオキシトシン(oxytocin)の生成、及び乳房が自然泌乳する現象を実現できず、乳腺から母乳を排出することができない。したがって、吸引圧と自動間欠搾乳動作を実現できる搾乳器を開発することは、本発明の重要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は搾乳器に関し、主な目的は、エアポンプの吸込または吐出は、第1弁制御部材及び第2弁制御部材によって制御され、負圧搾乳の動作を実現させることである。また、変形可能な部材を膨張および収縮させて乳房を圧迫し、乳児の搾乳動作と同じ動作を実行する。この搾乳操作では、脳内でのプロラクチン(prolatine)またはオキシトシン(oxytocin)の生成を刺激し、自然泌乳を促進しながら乳腺から母乳を排出させる。第1センサーまたは第2センサーが乳首の乳腺が母乳を排出しない状態であることを判断して、エアポンプが動作するように制御し、エアポンプの空気吐出端は第2弁制御部材によって制御され、変形可能な部材を膨張および収縮させて乳房を圧迫し、乳児の搾乳動作と同じ動作を実行する。さらに、第1センサーまたは第2センサーの検出と、第1弁制御部材、第2弁制御部材がエアポンプの吸込または吐出の動作周波数を制御することとの協働で、エアポンプの吸引力及びエアポンプの動作周波数を自動的に調整し、痛みのない吸引圧力および自動間欠の搾乳操作を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は使用者の乳房に装着して母乳を収集する搾乳器を提供する。前記搾乳器は、挿入空間を有する本体と、前記挿入空間に組み立てられ且つ前記本体に取り外し可能に取り付けられる吸乳シールドであって、吸乳シールドの前端に縁部が設けられ、前記縁部の中心後端部に乳首通路が延在し、前記縁部と前記乳首通路との間に設けられる接続リング縁部に、少なくとも1つの変形可能な部材が設けられる、吸乳シールドと、少なくとも1つのエアポンプであって、前記エアポンプは空気吸込端と空気吐出端とを備え、前記空気吸込端は、第1弁制御部材の制御によって、前記乳首通路を吸引して負圧を形成し、前記空気吐出端が第2弁制御部材の制御によって空氣を吐き出し、前記変形可能な部材が膨張および収縮する、少なくとも1つのエアポンプと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の搾乳器の外観の概略図である。
図2】本発明の搾乳器の別の視点からの外観の概略図である。
図3】本発明の搾乳器の関連する構成要素の概略分解図である。
図4】本発明の搾乳器の吸乳シールドの概略図である。
図5】本発明の搾乳器の概略断面図である。
図6】本発明の搾乳器の搾乳動作の断面概略図である。
図7】本発明の搾乳器のエアポンプが搾乳操作を実施する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特徴及び利点を具体化する実施形態は、以下の内容において詳細に説明する。なお、本発明は、様々な変更を加えることができるが、その変更は本発明の範囲から逸脱しない。また、以下の説明及び図面は、本発明を説明するためのものであり、限定するためのものではない。
【0008】
図1図7に示すように、本発明の搾乳器は、本体1と、吸乳シールド2と、第1弁制御部材3と、少なくとも1つのエアポンプ4と、第2弁制御部材5と、ダックビル弁6と、母乳容器7と、接続アセンブリ8と、可撓性ダイヤフラム9とを備える。
【0009】
図2図3図4、及び図7に示すように、前記本体1は挿入空間11を有し、挿入空間11は、開口12とダイヤフラム溝13とを備える。ダイヤフラム溝13は、空気口14に連通し、空気口14は、管路B1を介して、本体1外部の第1弁制御部材3(図7を参照)に連通する。
【0010】
図2図3、及び図4に示すように、前記吸乳シールド2は、透明剛性または透明半剛性材料で構成され、且つ本体1の挿入空間11に組み立てられ、本体1に取り外し可能に取り付けられる。吸乳シールド2の前端に縁部21が設けられ、縁部21の中心後端部に、乳首通路22が延在する。縁部21と乳首通路22との間に設けられた接続リング縁部23に、少なくとも1つの変形可能な部材25が設けられ、接続リング縁部23の領域において各変形可能な部材25に対応して変形不可能な支持部材24が設けられる。具体的な実施形態では、縁部21と乳首通路22との間に設けられた接続リング縁部23に、変形可能な部材25と、変形可能な部材25に対応するように変形不可能な支持部材24とが設けられるが、本発明はこれに限定されない。実際の変形可能な部材25及び変形不可能な支持部材24の数は、実際の必要に応じて調整することができる。具体的な実施形態では、縁部21は、可撓性材料で構成され、形状は乳房Bが適合して密封するのに適しているが、本発明はこれに限定されない。変形不可能な支持部材24は、半剛性材料で構成され、フランジ構造であるが、本発明はこれに限定されない。変形可能な部材25は、可撓性材料で構成され、膨張および収縮可能である。変形可能な部材25は、シリコーン材料、または熱可塑性ポリウレタン(TPU,Thermoplastic Polyurethane)材料で構成される。本発明の実施形態では、変形可能な部材25が膨張および収縮が可能なエアバッグであるが、本発明はこれに限定されない。
【0011】
図3及び図4に示すように、吸乳シールド2の乳首通路22には、本体1の開口12に対応する母乳出口26が設けられる。母乳容器7が本体1の底部に取り付けられる。本体1の底部と母乳容器7との間に接続アセンブリ8が配置される。これによって、母乳容器7が接続アセンブリ8に対応して取り付けられるので、母乳容器7が乳首通路22の母乳出口26に対応して流路Hを形成する。
【0012】
図4及び図5に示すように、前記ダックビル弁6が乳首通路22の母乳出口26に配置され、母乳が乳首通路22にある時、母乳出口26を介してダックビル弁6に流入し、ダックビル弁6が自動的に開き、母乳が流路Hにスムーズに流れ込み、最後に、母乳容器7に導入されて収集する。母乳がダックビル弁6に流入しない時、ダックビル弁6が閉じており、母乳容器7中の母乳が乳首通路22の母乳出口26に逆流するのを防ぐことができる。また、前記吸乳シールド2の縁部21外部に、ダイヤフラム支持部27が配置され、ダイヤフラム支持部27には、乳首通路22に連通する負圧口28が設けられる。可撓性ダイヤフラム9は、ダイヤフラム支持部27において位置決めして配置され、吸乳シールド2が本体1の挿入空間11に対応して取り付けられ、ダイヤフラム支持部27がダイヤフラム溝13に取り付けられ、可撓性ダイヤフラム9がダイヤフラム支持部27とダイヤフラム溝13との間に完全に密閉するように位置決めして配置され、ダイヤフラム溝13に連通する空気口14は、管路B1を介して、外部の第1弁制御部材3に連通される。
【0013】
図7に示すように、前記エアポンプ4は、空気吸込端41と空気吐出端42とを備える。空気吸込端41は、管路B1を介して第1弁制御部材3に連通し、空気吐出端42は、管路B1を介して第2弁制御部材5に連通し、第2弁制御部材5は、管路B1を介して変形可能な部材25に連通する。具体的な実施形態では、前記少なくとも1つのエアポンプ4は、複数直列方式または複数並列方式で管路B1に取り付けられているが、本発明はこれに限定されない。エアポンプ4は、圧電ポンプまたは電動ポンプであり、電動ポンプは、モーター、空気圧ポンプまたは電磁ポンプなどの駆動力によって形成されたエアポンプ4の出力装置であるが、本発明はこれに限定されない。前記第1弁制御部材3は電磁弁であり、第2弁制御部材5は電磁弁であるが、本発明はこれに限定されない。
【0014】
以上の説明から分かるように、図6及び図7に示すように、吸乳シールド2の縁部21が使用者の乳房Bに装着され、乳房Bが乳首通路22に挿入される。エアポンプ4が動作すると、エアポンプ4の空気吸込端41は、第1弁制御部材3の制御により、負圧吸引力を形成し、形成された負圧吸引力は前記ダイヤフラム溝13に伝達される。これによって、ダイヤフラム支持部27とダイヤフラム溝13との間に設けられる可撓性ダイヤフラム9が変形し、同じく負圧吸引力を形成する。その負圧吸引力は、負圧口28を介して、乳首通路22においても負圧吸引力を形成することができる。乳首通路22に挿入された乳房Bは、乳首通路22で形成された負圧吸引力で吸引され、すなわち、乳房Bを吸引して搾乳操作を実行することができる。エアポンプ4が動作すると、エアポンプ4の空気吐出端42から吐き出された空気は、第2弁制御部材5によって、吐き出されるか出さないかを制御する。これによって、変形可能な部材25内部は空気によって膨張し、または変形可能な部材25内部に気が流入せず、変形可能な部材25が収縮し、変形可能な部材25の膨張および収縮の交互の動作を実行して乳房Bを圧迫し、乳児が女性の乳房Bを押しながら舐めるような搾乳動作を実行する。変形可能な部材25は、エアポンプ4の空気吐出端42が第2弁制御部材5に制御されることで、空気を吐き出すまたは吐き出さないように制御され、膨張および収縮の交互の動作を実行して女性の乳房Bを圧迫する。さらに、変形可能な部材25に対応して変形不可能な支持部材24を設けることで、変形不可能な支持部材24と変形可能な部材25との協働で乳房Bを圧迫し、乳児が女性の乳房Bを「しゃぶったり舐めたり」するような搾乳動作を実行し、母乳育児の開始時に自然泌乳、すなわち、脳内でのプロラクチン(prolatine)またはオキシトシンの生成を継続的に刺激し、乳房Bの乳腺が母乳を生成する授乳現象を実現し、乳房Bを刺激して乳腺から母乳を排出させる。
【0015】
また、本発明の実施形態では、吸乳シールド2の乳首通路22の後端部に第1センサーD1が配置され、前記第1センサーD1は、乳房Bから母乳を排出しているかどうかを検出し、乳房Bの乳腺が母乳を排出しない状態であるかどかを判断する。他の具体的な実施形態では、流路Hの周縁に第2センサーD2が配置され、前記第2センサーD2は、乳首通路22の母乳が流路Hに流入するかどうかを検出し、乳房Bの乳腺が母乳を排出しない状態であるかどうかを判断する。
【0016】
第1センサーD1、第2センサーD2が乳房Bの乳腺が母乳を排出しない状態であることを検出すると、エアポンプ4が動作するように制御される。第2弁制御部材5によって、変形可能な部材25は、エアポンプ4の吸込または吐出の交互操作に応じて、乳房Bを圧迫し、乳児が女性の乳房Bを「しゃぶったり舐めたり」するような乳児の搾乳動作を疑似し、乳房Bの乳腺を刺激して母乳を排出させる。なお、他の具体的な実施形態では、第2弁制御部材5によって、変形可能な部材25は、エアポンプ4の吸込または吐出の交互操作により、乳房Bを圧迫する他に、変形可能な部材25に対応して変形不可能な支持部材24を設けることで、変形不可能な支持部材24と変形可能な部材25との協動で乳房Bを圧迫し、乳児が女性の乳房Bを「しゃぶったり舐めたり」するような搾乳動作を実行し、乳房Bを刺激して乳腺から母乳を排出させる。
【0017】
本発明によって提供される搾乳器の主な目的は、吸引圧力および自動間欠の搾乳操作を実現し、第1センサーD1または第2センサーD2が乳房Bの乳腺が母乳を排出しない状態であるかどうかを検出し、エアポンプ4が動作するように制御され、エアポンプ4の空気吐出端42は第2弁制御部材5によって制御され、変形可能な部材25の膨張および収縮の交互の動作を実行させ、乳房Bを圧迫し、乳児の搾乳動作と同じ動作を実行し、この搾乳動作を利用して、脳内でのプロラクチン(prolatine)またはオキシトシン(oxytocin)の生成を刺激し、自然泌乳を促進して乳腺から母乳を排出させることである。また、第1センサーD1または第2センサーD2の検出と、第1弁制御部材3、第2弁制御部材5がエアポンプ4の吸込または吐出の動作周波数に対する制御との協動で、エアポンプの吸引力及びエアポンプの動作周波数を調整でき、吸引圧力および自動間欠の搾乳操作を実現できる。さらに、第1センサーD1または第2センサーD2が乳房Bの乳腺が母乳を排出しない状態であることを検出すると、エアポンプ4の空気吸込端41は、第1弁制御部材3によって、吸引で生成された負圧の伝達を停止させ、可撓性ダイヤフラム9の変形を停止し、乳首通路22にも負圧吸引力を形成せず、無母乳の搾乳動作を回避することで、乳房B痛くなることを回避できる。また、エアポンプ4の空気吐出端42は、第2弁制御部材5によって吸込または吐出を制御できるので、変形可能な部材25が膨張および収縮の交互の動作を実行して乳房Bを圧迫し、乳児の搾乳動作と同じ動作を実現できる。さらに、変形不可能な支持部材24と変形可能な部材25との協動で乳房Bを圧迫することは、乳児の搾乳動作と同じ動作を実行することが可能となるので、この搾乳動作によって、脳内でのプロラクチン(prolatine)またはオキシトシン(oxytocin)の生成を刺激し、自然泌乳を促進して乳腺から母乳を排出させることができる。第1センサーD1または第2センサーD2が乳房Bの乳腺から母乳を排出しない状態であることを検出し、第1弁制御部材3、第2弁制御部材5がエアポンプ4の吸込または吐出の動作周波数を制御し、吸引力を自動的に調整する制御を実現でき、痛みのない吸引圧力および自動間欠の搾乳操作を実現する。
【0018】
なお、乳児の音声及び乳児が搾乳する時に発した音声では、使用者の脳内でのプロラクチン(prolatine)またはオキシトシン(oxytocin)の生成を促進し、自然泌乳を実現できる。したがって、本発明によって提供される搾乳器は、乳児の音声(例えば、泣き声、笑う声、授乳時の声など)を録音できる、音声録音再生装置(図示せず)を提供し、乳児の音声(例えば、泣き声、笑う声、授乳時の声など)を再生する。使用者が本装置を使用する時、音声録音再生装置を介して自分の乳児の声を録音でき、授乳時に、乳児の音を、音声録音再生装置を介して再生することができる。これによって、本発明によって提供される搾乳器が吸引圧力および自動間欠の搾乳操作を実現することに加えて、使用者が自分の乳児の音声を聞いて脳内でのプロラクチン(prolatine)またはオキシトシン(oxytocin)の生成を促進し、収集処理のために、乳腺から母乳を継続的に排出させるができる。
【0019】
上述したように、本発明は搾乳器を提供しており、エアポンプの吸込または吐出が第1弁制御部材及び第2弁制御部材によって制御され、負圧搾乳操作を実現できる。また、変形可能な部材が膨張および収縮の交互の動作を実行して乳房を圧迫し、乳児の搾乳動作を擬似でき、この搾乳操作は、脳内でのプロラクチン(prolatine)またはオキシトシン(oxytocin)の生成を促進させ、自然泌乳を実現し、乳腺から母乳を排出させる。また、第1センサーまたは第2センサーによって、乳首の乳腺が母乳を排出しない状態であるかどうかを検出し、この検出結果に基づいて、エアポンプが動作するように制御され、エアポンプの空気吐出端は第2弁制御部材によって制御されることで、変形可能な部材の膨張および収縮の交互の動作を実行して乳房を圧迫して乳児の搾乳動作と同じ動作を実行する。また、第1センサーまたは第2センサーの検出と、第1弁制御部材、第2弁制御部材がエアポンプの吸込または吐出の動作周波数との協動で、エアポンプの吸引力及びエアポンプの動作周波数を調整でき、痛みのない吸引圧力および自動間欠の搾乳操作を実現できるので、本発明の搾乳器は産業上非常に実用的な価値がある。
【符号の説明】
【0020】
1:本体
11:挿入空間
12:開口
13:ダイヤフラム溝
14:空気口
2:吸乳シールド
21:縁部
22:乳首通路
23:接続リング縁部
24:変形不可能な支持部材
25:変形可能な部材
26:母乳出口
27:ダイヤフラム支持部
28:負圧口
3:第1弁制御部材
4:エアポンプ
41:空気吸込端
42:空気吐出端
5:第2弁制御部材
6:ダックビル弁
7:母乳容器
8:接続アセンブリ
9:可撓性ダイヤフラム
B:乳房
B1:管路
D1:第1センサー
D2:第2センサー
H:流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7