(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】賞味期限別原料在庫管理装置、賞味期限別原料在庫管理方法、および、賞味期限別原料在庫管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20241126BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20241126BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20241126BHJP
【FI】
G06Q10/087
G06Q30/06
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2022006994
(22)【出願日】2022-01-20
【審査請求日】2024-05-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山長 誠
(72)【発明者】
【氏名】小島 政利
(72)【発明者】
【氏名】三輪 洸介
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-245217(JP,A)
【文献】特開2018-205862(JP,A)
【文献】特開2006-072701(JP,A)
【文献】特開2007-019320(JP,A)
【文献】特開2001-287811(JP,A)
【文献】特開2017-224054(JP,A)
【文献】特開2021-067980(JP,A)
【文献】特開2021-144670(JP,A)
【文献】特開2019-144769(JP,A)
【文献】特開2021-197086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた賞味期限別原料在庫管理装置であって、
前記記憶部は、
原料、賞味期限、前記賞味期限順のロット番号、および、在庫数量を紐付けて設定した現在庫データを記憶する在庫記憶手段と、
製品を構成する前記原料、および、前記原料毎の必要数量を紐付けて設定した製造構成マスタと、
を備え、
前記制御部は、
前記製品、製造開始日、および、生産予定数量を紐付けて設定した生産計画データを取得する生産計画取得手段と、
前記製造構成マスタおよび前記生産計画データに基づいて、前記製造開始日、前記生産予定数量の製品製造に必要な前記原料、および、前記各原料の払出予定数量を紐付けて設定した製造指示データを取得する製造指示取得手段と、
前記現在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記製造開始日に前記賞味期限切れとなる前記ロット番号の前記原料を加味して、前記ロット番号順に受払対象として特定した前記原料の受払予定数量、および、予定在庫数量を紐付けて設定した予定在庫データを取得する予定在庫取得手段と、
前記原料、前記原料の賞味期限、および、前記原料の入荷数量を設定した入荷入力データが入力された場合、前記入荷入力データに基づいて、前記賞味期限順にロット番号を採番し、前記原料、当該賞味期限、当該ロット番号、および、当該入荷数量である在庫数量を紐付けて設定した入荷データを取得し、前記入荷データを用いて、前記在庫記憶手段に記憶された前記現在庫データを更新する入荷取得手段と、
前記製品、前記製品の賞味期限、および、受入数量を紐付けて設定した受入データを取得する受入取得手段と、
前記製造構成マスタおよび前記受入データに基づいて、前記製品製造に必要な前記原料の払出数量を設定した払出明細データを取得し、前記払出明細データに基づいて、前記ロット番号順に払出対象の前記現在庫データに設定された前記原料を特定し、前記ロット番号毎の前記原料の払出数量を設定した払出詳細データを取得し、前記払出詳細データに基づいて、前記在庫記憶手段に記憶された前記現在庫データを更新する製造実績登録手段と、
を備えたことを特徴とする賞味期限別原料在庫管理装置。
【請求項2】
前記予定在庫データは、
更に、前記製造開始日、前記原料、および、予定不足在庫数量が紐付けて設定され、
前記制御部は、
前記予定在庫データを表示させる予定在庫照会手段と、
前記原料、入荷予定日、および、発注数を紐付けて設定した発注データを取得する発注取得手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の賞味期限別原料在庫管理装置。
【請求項3】
前記製造実績登録手段は、
更に、前記払出明細データに設定された前記払出数量を修正可能に表示させ、修正払出数量が設定された場合、前記修正払出数量に基づいて、前記払出詳細データを修正し、前記払出詳細データに基づいて、前記在庫記憶手段に記憶された前記現在庫データを更新することを特徴とする請求項
1に記載の賞味期限別原料在庫管理装置。
【請求項4】
前記受入取得手段は、
製造担当者により設定された、前記製品、前記製品の賞味期限、および、前記受入数量を紐付けて設定した受入データを取得し、
前記製造実績登録手段は、
前記払出明細データに設定された前記払出数量を修正可能に表示させ、原料計量担当者により前記修正払出数量が設定された場合、前記修正払出数量に基づいて、前記払出詳細データを修正し、前記払出詳細データに基づいて、前記在庫記憶手段に記憶された前記現在庫データを更新することを特徴とする請求項
3に記載の賞味期限別原料在庫管理装置。
【請求項5】
記憶部と制御部とを備えた賞味期限別原料在庫管理装置に実行させるための賞味期限別原料在庫管理方法であって、
前記記憶部は、
原料、賞味期限、前記賞味期限順のロット番号、および、在庫数量を紐付けて設定した現在庫データを記憶する在庫記憶手段と、
製品を構成する前記原料、および、前記原料毎の必要数量を紐付けて設定した製造構成マスタと、
を備え、
前記制御部
において実行さ
れる、
前記製品、製造開始日、および、生産予定数量を紐付けて設定した生産計画データを取得する生産計画取得ステップと、
前記製造構成マスタおよび前記生産計画データに基づいて、前記製造開始日、前記生産予定数量の製品製造に必要な前記原料、および、前記各原料の払出予定数量を紐付けて設定した製造指示データを取得する製造指示取得ステップと、
前記現在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記製造開始日に前記賞味期限切れとなる前記ロット番号の前記原料を加味して、前記ロット番号順に受払対象として特定した前記原料の受払予定数量、および、予定在庫数量を紐付けて設定した予定在庫データを取得する予定在庫取得ステップと、
前記原料、前記原料の賞味期限、および、前記原料の入荷数量を設定した入荷入力データが入力された場合、前記入荷入力データに基づいて、前記賞味期限順にロット番号を採番し、前記原料、当該賞味期限、当該ロット番号、および、当該入荷数量である在庫数量を紐付けて設定した入荷データを取得し、前記入荷データを用いて、前記在庫記憶手段に記憶された前記現在庫データを更新する入荷取得ステップと、
前記製品、前記製品の賞味期限、および、受入数量を紐付けて設定した受入データを取得する受入取得ステップと、
前記製造構成マスタおよび前記受入データに基づいて、前記製品製造に必要な前記原料の払出数量を設定した払出明細データを取得し、前記払出明細データに基づいて、前記ロット番号順に払出対象の前記現在庫データに設定された前記原料を特定し、前記ロット番号毎の前記原料の払出数量を設定した払出詳細データを取得し、前記払出詳細データに基づいて、前記在庫記憶手段に記憶された前記現在庫データを更新する製造実績登録ステップと、
を含むことを特徴とする賞味期限別原料在庫管理方法。
【請求項6】
記憶部と制御部とを備えた賞味期限別原料在庫管理装置に実行させるための賞味期限別原料在庫管理プログラムであって、
前記記憶部は、
原料、賞味期限、前記賞味期限順のロット番号、および、在庫数量を紐付けて設定した現在庫データを記憶する在庫記憶手段と、
製品を構成する前記原料、および、前記原料毎の必要数量を紐付けて設定した製造構成マスタと、
を備え、
前記制御部において、
前記製品、製造開始日、および、生産予定数量を紐付けて設定した生産計画データを取得する生産計画取得ステップと、
前記製造構成マスタおよび前記生産計画データに基づいて、前記製造開始日、前記生産予定数量の製品製造に必要な前記原料、および、前記各原料の払出予定数量を紐付けて設定した製造指示データを取得する製造指示取得ステップと、
前記現在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記製造開始日に前記賞味期限切れとなる前記ロット番号の前記原料を加味して、前記ロット番号順に受払対象として特定した前記原料の受払予定数量、および、予定在庫数量を紐付けて設定した予定在庫データを取得する予定在庫取得ステップと、
前記原料、前記原料の賞味期限、および、前記原料の入荷数量を設定した入荷入力データが入力された場合、前記入荷入力データに基づいて、前記賞味期限順にロット番号を採番し、前記原料、当該賞味期限、当該ロット番号、および、当該入荷数量である在庫数量を紐付けて設定した入荷データを取得し、前記入荷データを用いて、前記在庫記憶手段に記憶された前記現在庫データを更新する入荷取得ステップと、
前記製品、前記製品の賞味期限、および、受入数量を紐付けて設定した受入データを取得する受入取得ステップと、
前記製造構成マスタおよび前記受入データに基づいて、前記製品製造に必要な前記原料の払出数量を設定した払出明細データを取得し、前記払出明細データに基づいて、前記ロット番号順に払出対象の前記現在庫データに設定された前記原料を特定し、前記ロット番号毎の前記原料の払出数量を設定した払出詳細データを取得し、前記払出詳細データに基づいて、前記在庫記憶手段に記憶された前記現在庫データを更新する製造実績登録ステップと、
を実行させるための賞味期限別原料在庫管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、賞味期限別原料在庫管理装置、賞味期限別原料在庫管理方法、および、賞味期限別原料在庫管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、賞味期限を含む原料の履歴情報を追跡可能に在庫管理することで、原料の出庫依頼に対して、賞味期限が早く到来する順に出庫可能とする構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、賞味期限切れを考慮した予定在庫管理をすることができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、製造の出来高数を計上する際に原料を先入先出で自動消費することにより、賞味期限別の在庫情報のリアルタイム性を確保し、賞味期限切れを考慮した予定在庫管理することができる賞味期限別原料在庫管理装置、賞味期限別原料在庫管理方法、および、賞味期限別原料在庫管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る賞味期限別原料在庫管理装置は、記憶部と制御部とを備えた賞味期限別原料在庫管理装置であって、前記記憶部は、原料、賞味期限、前記賞味期限順のロット番号、および、在庫数量を紐付けて設定した現在庫データを記憶する在庫記憶手段と、製品を構成する前記原料、および、前記原料毎の必要数量を紐付けて設定した製造構成マスタと、を備え、前記制御部は、前記製品、製造開始日、および、生産予定数量を紐付けて設定した生産計画データを取得する生産計画取得手段と、前記製造構成マスタおよび前記生産計画データに基づいて、前記製造開始日、前記生産予定数量の製品製造に必要な前記原料、および、前記各原料の払出予定数量を紐付けて設定した製造指示データを取得する製造指示取得手段と、前記現在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記製造開始日に前記賞味期限切れとなる前記ロット番号の前記原料を加味して、前記ロット番号順に受払対象として特定した前記原料の受払予定数量、および、予定在庫数量を紐付けて設定した予定在庫データを取得する予定在庫取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る賞味期限別原料在庫管理装置において、前記予定在庫データは、更に、前記製造開始日、前記原料、および、予定不足在庫数量が紐付けて設定され、前記制御部は、前記予定在庫データを表示させる予定在庫照会手段と、前記原料、入荷予定日、および、発注数を紐付けて設定した発注データを取得する発注取得手段と、を更に備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る賞味期限別原料在庫管理装置において、前記制御部は、前記原料、前記原料の賞味期限、および、前記原料の入荷数量を設定した入荷入力データが入力された場合、前記入荷入力データに基づいて、前記賞味期限順にロット番号を採番し、前記原料、当該賞味期限、当該ロット番号、および、当該入荷数量である在庫数量を紐付けて設定した入荷データを取得し、前記入荷データを用いて、前記在庫記憶手段に記憶された前記現在庫データを更新する入荷取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る賞味期限別原料在庫管理装置において、前記制御部は、前記製品、前記製品の賞味期限、および、受入数量を紐付けて設定した受入データを取得する受入取得手段と、前記製造構成マスタおよび前記受入データに基づいて、製品製造に必要な前記原料の払出数量を設定した払出明細データを取得し、前記払出明細データに基づいて、前記ロット番号順に払出対象の前記現在庫データに設定された前記原料を特定し、前記ロット番号毎の前記原料の払出数量を設定した払出詳細データを取得し、前記払出詳細データに基づいて、前記在庫記憶手段に記憶された前記現在庫データを更新する製造実績登録手段と、更に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る賞味期限別原料在庫管理装置において、前記製造実績登録手段は、更に、前記払出明細データに設定された前記払出数量を修正可能に表示させ、修正払出数量が設定された場合、前記修正払出数量に基づいて、前記払出詳細データを修正し、前記払出詳細データに基づいて、前記在庫記憶手段に記憶された前記現在庫データを更新することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る賞味期限別原料在庫管理装置において、前記受入取得手段は、製造担当者により設定された、前記製品、前記製品の賞味期限、および、前記受入数量を紐付けて設定した受入データを取得し、前記製造実績登録手段は、前記払出明細データに設定された前記払出数量を修正可能に表示させ、原料計量担当者により前記修正払出数量が設定された場合、前記修正払出数量に基づいて、前記払出詳細データを修正し、前記払出詳細データに基づいて、前記在庫記憶手段に記憶された前記現在庫データを更新することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る賞味期限別原料在庫管理方法は、記憶部と制御部とを備えた賞味期限別原料在庫管理装置に実行させるための賞味期限別原料在庫管理方法であって、前記記憶部は、原料、賞味期限、前記賞味期限順のロット番号、および、在庫数量を紐付けて設定した現在庫データを記憶する在庫記憶手段と、製品を構成する前記原料、および、前記原料毎の必要数量を紐付けて設定した製造構成マスタと、を備え、前記制御部で実行させる、前記製品、製造開始日、および、生産予定数量を紐付けて設定した生産計画データを取得する生産計画取得ステップと、前記製造構成マスタおよび前記生産計画データに基づいて、前記製造開始日、前記生産予定数量の製品製造に必要な前記原料、および、前記各原料の払出予定数量を紐付けて設定した製造指示データを取得する製造指示取得ステップと、前記現在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記製造開始日に前記賞味期限切れとなる前記ロット番号の前記原料を加味して、前記ロット番号順に受払対象として特定した前記原料の受払予定数量、および、予定在庫数量を紐付けて設定した予定在庫データを取得する予定在庫取得ステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る賞味期限別原料在庫管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた賞味期限別原料在庫管理装置に実行させるための賞味期限別原料在庫管理プログラムであって、前記記憶部は、原料、賞味期限、前記賞味期限順のロット番号、および、在庫数量を紐付けて設定した現在庫データを記憶する在庫記憶手段と、製品を構成する前記原料、および、前記原料毎の必要数量を紐付けて設定した製造構成マスタと、を備え、前記制御部において、前記製品、製造開始日、および、生産予定数量を紐付けて設定した生産計画データを取得する生産計画取得ステップと、前記製造構成マスタおよび前記生産計画データに基づいて、前記製造開始日、前記生産予定数量の製品製造に必要な前記原料、および、前記各原料の払出予定数量を紐付けて設定した製造指示データを取得する製造指示取得ステップと、前記現在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記製造開始日に前記賞味期限切れとなる前記ロット番号の前記原料を加味して、前記ロット番号順に受払対象として特定した前記原料の受払予定数量、および、予定在庫数量を紐付けて設定した予定在庫データを取得する予定在庫取得ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、適正在庫把握による発注検討精度の向上をさせることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、業務フローの製造実績を軸とした先入先出での原料払出、および、在庫の賞味期限含めた予定在庫の精緻化を可能とすることが可能となるという効果を奏する。また、本発明によれば、予定在庫照会の精緻化による購買担当業務の支援をすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、食品製造業では必須に近い機能を提供し、リアルタイムな在庫管理をすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、製造設備との連携をしなくともリアルタイムに原料の払い出しが行えるという効果を奏する。また、本発明によれば、製造時に在庫を賞味期限で消費することで、賞味期限データを含めた在庫をリアルタイムに把握させることができ、発注検討の速度・精度を向上させることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、足が速い材料について、手配のコントロールを容易にすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、製品在庫計上時の運用負荷を軽減し、賞味期限別原料在庫データのリアルタイム精度を向上させることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、初回登録時の原料使用ロットについてはルール化しつつ、原料の消費量の実測値を自由に変更・更新できるように対応することで、正確な在庫データの登録を可能とするという効果を奏する。また、本発明によれば、賞味期限切れを加味した予定在庫の算出により、発注検討の精度を向上させることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、製品の出来高をカウントする担当者のみのデータで製品の在庫が計上できるため、製品在庫のシステム内計上速度が向上し、営業担当者での在庫把握が容易になり、販売機会損失を削減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、従来の原料在庫管理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における原料在庫管理の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における賞味期限別原料在庫管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4を参照して、本実施形態における製造構成マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における賞味期限別原料在庫管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本実施形態における予定在庫照会処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における予定在庫照会処理の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態における製造実績管理処理の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態における製造実績管理処理の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施形態における製造実績管理処理の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態における製造実績管理処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0017】
[1.概要]
まず、
図1および
図2を参照して、本発明の概要を説明する。
図1は、従来の原料在庫管理の一例を示す図である。
図2は、本実施形態における原料在庫管理の一例を示す図である。
【0018】
食品業界においては、食品製造時に賞味期限が超過していない原料が使用され、機会損失を防ぐため、多めに原料在庫を確保しておく運用が一般的であるが、その結果、賞味期限の短い原料については廃棄ロスが多く発生していた。
【0019】
従来は、システム内の賞味期限別在庫のリアルタイム性がなく、発注検討の精度が低かったため、賞味期限管理をしながら適正在庫を確保することができず、製品の出来高数および原料の消費量を計測・登録する担当者が別でタイミングも異なるため、賞味期限別在庫の精度向上が難しかった。
【0020】
また、従来は、食品製造時の原料払出数が在庫データに更新されておらず賞味期限別在庫の精度が低いことで、原料の発注検討時に余剰在庫を発注していた。すなわち、
図1に示すように、従来は、ロット番号:L01の在庫データについて、製造時の払出原料がリアルタイムに更新されないことで実在庫との差異が発生し、発注検討の精度を下げる要因となっており、原料使用時に賞味期限切れとなる在庫の把握も難しかったため、多めに発注され、卵が過剰在庫となり、賞味期限切れ・廃棄リスクが発生していた。
【0021】
また、製品の出来高と原料の消費とは同じタイミングの発生となるが、従来は、液状の原料であれば別の担当者にて翌日に原料タンク残量を計測して消費量を確認するため、出来高数を計上した後に原料消費量を計測することが多く、原料消費量の計上タイミングが遅くなっていた。また、製品の出来高を計上するタイミングで原料の消費ロットを仮で計上することで即時に原料消費量を計上する必要があるが、従来、製造担当者では、どの賞味期限の原料を消費したか判断ができなかった。
【0022】
そこで、本実施形態においては、食品製造時に賞味期限順に原料を消費するという基本ルールに着目し、製造ラインの出来高計測担当者が、出来高数を計上した際に賞味期限別の消費原料ロットを自動計上し、高精度の賞味期限別原料在庫をリアルタイムで把握する仕組みを提供している。その結果、本実施形態においては、発注担当者が発注検討を実施するタイミングでリアルタイム性の高い賞味期限別の在庫を把握することができ、製造指示データ(所要量)、賞味期限切れを加味した精度の高い予定在庫の確認がシステムから確認可能となった。
【0023】
ここで、
図2に示すように、本実施形態においては、販売計画に基づいて、いつまでにどの製品がいくつ必要かの生産計画が作成され、発注担当者により所要量および在庫データが確認され、発注時期や数量の検討が行われ、製造担当者により製品の出来高数が計上され、製造実績入力が新規登録され、計量担当者により原料の消費量が登録され、製造実績入力が修正登録される。それにより、本実施形態においては、発注検討の改善のために、賞味期限別の在庫データがリアルタイム性高く更新されることにより、賞味期限切れが加味された予定在庫の参照が可能となり、製造実績入力の精度および速度を向上させる機能が改善させた。
【0024】
[2.構成]
本実施形態に係る賞味期限別原料在庫管理装置100の構成の一例について、
図3および
図4を参照して説明する。
図3は、本実施形態における賞味期限別原料在庫管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図3に示すように、賞味期限別原料在庫管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、賞味期限別原料在庫管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0026】
賞味期限別原料在庫管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。賞味期限別原料在庫管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0027】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、賞味期限別原料在庫管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、賞味期限別原料在庫管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0028】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0029】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、在庫データベース106aと製造構成マスタ106bとを備えている。
【0030】
在庫データベース106aは、在庫データを記憶する。ここで、在庫データベース106aは、製品、および/または、製品を構成する原料の現在庫データを記憶していてもよい。また、在庫データベース106aは、原料、賞味期限、賞味期限順のロット番号、および、在庫数量を紐付けて設定した現在庫データを記憶していてもよい。
【0031】
製造構成マスタ106bは、製品を構成する原料、および、原料毎の必要数量を紐付けて設定したマスタである。ここで、製造構成マスタ106bは、製品(親商品)、原料(払出商品)、原料の所要量(構成分子)、および、製品数量(構成分母)が紐付けて設定されていてもよい。
【0032】
ここで、
図4を参照して、本実施形態における製造構成マスタ106bの一例について説明する。
図4を参照して、本実施形態における製造構成マスタ106bの一例を示す図である。
【0033】
図4に示すように、本実施形態における製造構成マスタ106bにおいては、ドレッシング(親商品)を1000本作る場合に必要な原料(払出商品)のレシピデータが登録されている。
【0034】
図3に戻り、制御部102は、賞味期限別原料在庫管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、生産計画取得部102aと製造指示取得部102bと予定在庫取得部102cと予定在庫照会部102dと発注取得部102eと入荷取得部102fと受入取得部102gと製造実績登録部102hとを備えている。
【0035】
生産計画取得部102aは、製品、製造開始日、および、生産予定数量を紐付けて設定した生産計画データを取得する。
【0036】
製造指示取得部102bは、製品の製造指示データを取得する。ここで、製造指示取得部102bは、製造構成マスタ106bおよび生産計画データに基づいて、製造開始日、生産予定数量の製品製造に必要な原料、および、各原料の払出予定数量を紐付けて設定した製造指示データを取得してもよい。
【0037】
予定在庫取得部102cは、製品を構成する原料の予定在庫データを取得する。ここで、予定在庫取得部102cは、現在庫データ、および、製造指示データに基づいて、製造開始日に賞味期限切れとなるロット番号の原料を加味して、ロット番号順に受払対象として特定した原料の受払予定数量、および、予定在庫数量を紐付けて設定した予定在庫データを取得してもよい。ここで、予定在庫データは、製造開始日、原料、および、予定不足在庫数量が紐付けて設定されていてもよい。
【0038】
予定在庫照会部102dは、予定在庫データを表示させる。ここで、予定在庫照会部102dは、予定在庫データを含む予定在庫照会画面を表示させる。
【0039】
発注取得部102eは、原料の発注データを取得する。ここで、発注取得部102eは、原料、入荷予定日、および、発注数を紐付けて設定した発注データを取得してもよい。
【0040】
入荷取得部102fは、原料の入荷データを取得し、入荷データを用いて、在庫データベース106aに記憶された現在庫データを更新する。ここで、入荷取得部102fは、原料、原料の賞味期限、および、原料の入荷数量を設定した入荷入力データが入力された場合、入荷入力データに基づいて、賞味期限順にロット番号を採番し、原料、当該賞味期限、当該ロット番号、および、当該入荷数量である在庫数量を紐付けて設定した入荷データを取得し、入荷データを用いて、在庫データベース106aに記憶された現在庫データを更新してもよい。
【0041】
受入取得部102gは、製品、製品の賞味期限、および、受入数量を紐付けて設定した受入データを取得する。ここで、受入取得部102gは、製造担当者により設定された、製品、製品の賞味期限、および、受入数量を紐付けて設定した受入データを取得してもよい。
【0042】
製造実績登録部102hは、製品製造に必要な原料の払出数量を設定した払出明細データを取得し、払出明細データに基づいて、ロット番号毎の原料の払出数量を設定した払出詳細データを取得し、払出詳細データに基づいて、在庫データベース106aに記憶された現在庫データを更新する。ここで、製造実績登録部102hは、製造構成マスタ106bおよび受入データに基づいて、製品製造に必要な原料の払出数量を設定した払出明細データを取得し、払出明細データに基づいて、ロット番号順に払出対象の現在庫データに設定された原料を特定し、ロット番号毎の原料の払出数量を設定した払出詳細データを取得し、払出詳細データに基づいて、在庫データベース106aに記憶された現在庫データを更新してもよい。また、製造実績登録部102hは、払出明細データに設定された払出数量を修正可能に表示させ、修正払出数量が設定された場合、修正払出数量に基づいて、払出詳細データを修正し、払出詳細データに基づいて、在庫データベース106aに記憶された現在庫データを更新してもよい。また、製造実績登録部102hは、払出明細データに設定された払出数量を修正可能に表示させ、原料計量担当者により修正払出数量が設定された場合、修正払出数量に基づいて、払出詳細データを修正し、払出詳細データに基づいて、在庫データベース106aに記憶された現在庫データを更新してもよい。
【0043】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図5から
図10を参照して説明する。
【0044】
[賞味期限別原料在庫管理処理]
ここで、
図5を参照して、本実施形態における賞味期限別原料在庫管理処理の一例について説明する。
図5は、本実施形態における賞味期限別原料在庫管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0045】
図5に示すように、生産計画取得部102aは、製造担当者により入力装置112を介して販売計画に基づく製品、製造開始日、および、生産予定数量が設定された場合、製品、製造開始日、および、生産予定数量を紐付けて設定した生産計画データを取得する(ステップSA-1)。
【0046】
そして、製造指示取得部102bは、製造構成マスタ106bおよび生産計画データに基づいて、製造開始日、生産予定数量の製品製造に必要な原料、および、各原料の払出予定数量を紐付けて設定した製造指示データを取得する(ステップSA-2)。
【0047】
そして、予定在庫取得部102cは、在庫データベース106aに記憶された現在庫データ、および、製造指示データに基づいて、製造開始日に賞味期限切れとなるロット番号の原料を加味して、ロット番号順に受払対象として特定した原料の受払予定数量、予定在庫数量、製造開始日、原料、および、予定不足在庫数量を紐付けて設定した予定在庫データを取得する(ステップSA-3)。
【0048】
そして、予定在庫照会部102dは、発注担当者により入力装置112を介して照会要求が入力された場合、予定在庫データを含む予定在庫照会画面を出力装置114に表示させる(ステップSA-4)。
【0049】
そして、発注取得部102eは、発注担当者により入力装置112を介して原料、入荷予定日、および、発注数が設定された場合、原料、入荷予定日、および、発注数を紐付けて設定した発注データを取得し、原料発注後に原料が入荷された際に、入荷取得部102fは、発注担当者により入力装置112を介して原料、原料の賞味期限、および、原料の入荷数量を設定した入荷入力データが入力された場合、入荷入力データに基づいて、賞味期限順にロット番号を採番し、原料、当該賞味期限、当該ロット番号、および、当該入荷数量である在庫数量を紐付けて設定した入荷データを取得し、入荷データを用いて、在庫データベース106aに記憶された現在庫データを更新する(ステップSA-5)。
【0050】
そして、受入取得部102gは、製造担当者により入力装置112を介して製品、製品の賞味期限、および、受入数量が設定された場合、製品、製品の賞味期限、および、受入数量を紐付けて設定した受入データを取得する(ステップSA-6)。
【0051】
そして、製造実績登録部102hは、製造構成マスタ106bおよび受入データに基づいて、製品製造に必要な原料の払出数量を設定した払出明細データを取得し、払出明細データに基づいて、ロット番号順に払出対象の現在庫データに設定された原料を特定し、ロット番号毎の原料の払出数量を設定した払出詳細データを取得し、払出詳細データに基づいて、在庫データベース106aに記憶された現在庫データを更新する(ステップSA-7)。
【0052】
そして、製造実績登録部102hは、払出明細データに設定された払出数量を修正可能に出力装置114に表示させ、原料計量担当者により入力装置112を介して修正払出数量が設定された場合、修正払出数量に基づいて、払出詳細データを修正し、払出詳細データに基づいて、在庫データベース106aに記憶された現在庫データを更新し(ステップSA-8)、処理を終了する。
【0053】
ここで、
図6および
図7を参照して、本実施形態における予定在庫照会処理の一例について説明する。
図6および
図7は、本実施形態における予定在庫照会処理の一例を示す図である。
【0054】
本実施形態においては、賞味期限別の現在庫データを使用して、賞味期限切在庫を払出予定数として加味し、現在庫データ・受払予定(製造指示データ・発注データ)を参照することで、予定在庫数を算出している。
【0055】
ここで、
図6に示すように、本実施形態においては、受予定在庫数の開始点が(1)現在庫データより取得され、払出予定数が(2)現在庫(賞味期限切れ)および(3)製造指示データより取得されることで、発注担当者にて10/3に原料(卵)が20kg必要になる予定在庫が確認できる。
【0056】
すなわち、
図6に示すように、本実施形態においては、(1)データ=「現在庫」のレコードについて、現在庫データより取得され、予定在庫算出時の開始点となるため、受払日を空白として、予定在庫照会画面に表示される。また、
図6に示すように、本実施形態においては、(2)データ=「賞味期限切れ」のレコードについて、受払予定日=賞味期限とされ、予定在庫数が減算となるため、受払予定数の符号が反転され、予定在庫数が0kgとして、現在庫データより賞味期限到来時点で残っている現在庫が予定在庫照会画面に表示される。また、
図6に示すように、本実施形態においては、(3)データ=「製造指示」のレコードについて、予定日=製造開始日とされ、製造指示データより製造開始日に使用する払出数が予定在庫照会画面に表示される。つまり、
図6に示すように、本実施形態においては、受払予定数の合計値について、直近の予定在庫数より取得され、予定在庫以上の払出数だった場合、受払予定数の合計値との差分についてロット空白のレコードにて減算されるため、行=「4」の場合、賞味期限=「2021/10/4」(ロット番号L002)の直近のレコードが行=「2」となるため、予定在庫数15kgと製造指示データ払出数の20kgとが比較され、「20kg-15kg」により、差分5kgについてロット空白のレコードが作成され、予定在庫照会画面にて予定在庫数として「-5kg」が表示される。
【0057】
そして、
図7に示すように、本実施形態においては、発注検討後、10/3の予定在庫数が在庫割れしないように、10/2に入荷予定の発注が投入された場合、受入予定数が(4)発注データより取得される。
【0058】
すなわち、
図7に示すように、本実施形態においては、(4)データ=「発注」のレコードについて、受払予定日=入荷予定日とされ、入荷予定日時点の予定在庫に対して発注数が加算され、ロット番号・賞味期限が入荷時に付与されるデータのため、予定時点には空白として、発注データより入荷予定日に使用される発注数が予定在庫照会画面に表示される。また、
図7に示すように、本実施形態においては、(3)データ=「製造指示」のレコードについて、予定日=製造開始日とされ、製造指示データより製造開始日に使用する払出数が予定在庫照会画面に表示される。つまり、
図7に示すように、本実施形態においては、製造開始日時点の予定在庫に対し、賞味期限順に、受払予定数の合計値が払出数に到達するまで減算され、受払予定数の合計値について、直近の予定在庫数より取得され、予定在庫以上の払出数だった場合、受払予定数の合計値との差分についてロット空白のレコードにて減算されるため、行=「5」の場合、賞味期限=「2021/10/4」(ロット番号L002)の直近のレコードが行=「2」となるため、予定在庫数15kgと製造指示データ払出数の20kgとが比較され、「20kg-15kg」により、差分5kgについて、次の賞味期限より減算されることとなり、ロット番号=L001、L002の在庫数について、それぞれ直近の行=「3」、行=「5」にて0となっているため、行=「4」のロット空白の予定在庫数より減算されることにより、行=「6」にて「10-5=5kg」が予定在庫数として予定在庫照会画面に表示される。
【0059】
また、
図8から
図11を参照して、本実施形態における製造実績管理処理の一例について説明する。
図8から
図11は、本実施形態における製造実績管理処理の一例を示す図である。
【0060】
図8に示すように、本実施形態においては、入荷入力により、ロット別の入荷データが登録され、ロット別(賞味期限別)に在庫数が管理され、ロット管理や賞味期限管理を行わない原料(例えば、チューブボトル等)について、ロット番号・賞味期限が空白として管理される。
【0061】
そして、
図9に示すように、本実施形態においては、製造担当者による製造実績入力より、ロット番号、賞味期限および製品出来高(受入数)を設定した受入データが新規登録される。
【0062】
そして、
図10に示すように、本実施形態においては、製品製造ライン担当者による登録を不要として、製造構成マスタおよび、製品の受入数、および、製品のレシピデータを管理する製造構成マスタ106bより、払出数が自動算出され、払出明細データが自動作成され、現在庫データの現在庫数と払出明細データの払出数とが比較され、ロット別払出数の累計が、払出明細データの払出数に到達するまで集計されることで、ロット別払出数が自動算出される。
【0063】
そして、
図11に示すように、本実施形態においては、計測結果が異なる場合(自動算出結果と差異があった場合)、製造実績入力より、原料計量担当者により原料払出数が修正登録され、差異発生個所(ロット番号:L002のサラダ油の消費量)が修正される。なお、
図11に示すように、本実施形態において、原料計量担当者が入力する箇所は、原料の払出データ(払出明細データおよび払出詳細データ)のみである。また、
図11に示すように、本実施形態において、受入データは、製造担当者にて登録済みのまま保持され、変更されない。
【0064】
このように、本実施形態における製造実績入力時の先入先出在庫更新処理おいては、原料在庫がロット別(賞味期限別)に管理され、製造実績入力にて、製品の受入数・原料の払出数が同時に計上され、製品の受入数が計上される際に、原料の払出数について、製造構成マスタ106bおよび在庫データの賞味期限データより先出しで自動計算され、製品の払出数が計上される際に、受入数計上時の算出結果の修正が可能となる。
【0065】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0068】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0069】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0070】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0071】
また、賞味期限別原料在庫管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0072】
例えば、賞味期限別原料在庫管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて賞味期限別原料在庫管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0073】
また、このコンピュータプログラムは、賞味期限別原料在庫管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0074】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0075】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0076】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0077】
また、賞味期限別原料在庫管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、賞味期限別原料在庫管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0078】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、食品製造業界を含む、原材料の有効期限管理が必要な製造業界等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0080】
100 賞味期限別原料在庫管理装置
102 制御部
102a 生産計画取得部
102b 製造指示取得部
102c 予定在庫取得部
102d 予定在庫照会部
102e 発注取得部
102f 入荷取得部
102g 受入取得部
102h 製造実績登録部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 在庫データベース
106b 製造構成マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク