(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20241126BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
H01L21/302 106
H01L21/302 101D
H01L21/302 102
H01L21/302 104Z
H05H1/46 B
(21)【出願番号】P 2022037393
(22)【出願日】2022-03-10
【審査請求日】2022-03-10
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】オ,ショウジュン
(72)【発明者】
【氏名】ナム,ジンウ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジャンヒ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヤン ハク
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ジン ウ
(72)【発明者】
【氏名】ショ,アン ナ
【合議体】
【審判長】小宮 慎司
【審判官】松永 稔
【審判官】棚田 一也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-073612(JP,A)
【文献】特開2020-068382(JP,A)
【文献】特開2005-303151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する装置において
処理空間を有する工程チャンバと、
前記処理空間で基板を支持し、前記基板の温度を調節するヒーターを有する基板支持部と、
前記処理空間に工程ガスを供給するガス供給部と、
前記工程ガスを励起させてラジカルを発生させるガス励起部と、及び
制御機を含み、
前記制御機は、
前記処理空間に前記工程ガスを供給し、前記ラジカルを発生させるように前記ガス供給部、そして、前記ガス励起部を制御し、
前記基板に前記ラジカルが伝達される間、前記基板の温度を第1温度で調節し、以後前記基板の温度を前記第1温度と相異な温度である第2温度で調節するように前記基板支持部を制御し、
前記第1温度が50度乃至300度の間の温度であり、前記第2温度が400度
超700度
以下の間の温度である、
基板処理装置。
【請求項2】
前記工程チャンバには、
前記処理空間を排気する排気ラインと連結される排気ホールが少なくとも一つ以上形成され、
前記制御機は、
前記処理空間の圧力が10mTorr乃至4Torrの間の圧力になるように前記排気ラインと連結された減圧部材を制御することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記ラジカルによって処理される前記基板には、
ゲルマニウム(Ge)を含む不純物が付着され、
前記基板は、
珪素(Si)を含む素材で提供されることを特徴とする請求項1乃至請求項2のうちで何れか一つに記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記ガス供給部が供給する前記工程ガスは、
水素、そして、非活性ガスのうちで選択される少なくとも一つのガスを含むことを特徴とする請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記ガス励起部は、
マイクロ波電源と、及び
前記マイクロ波電源が印加する電源の伝達を受けて前記処理空間にマイクロ波を印加するマイクロ波アンテナを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項2のうちで何れか一つに記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び基板処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子が高集積化されることによって活性領域の大きさも減少するようになった。これで、活性領域に形成されるMOSトランジスターのチャンネル長さも減るようになった。MOSトランジスターチャンネル長さが小くなれば、短チャンネル効果(Short Channel Effect)によってトランジスターの動作性能を低下させる。これで、基板上に形成される素子らの大きさを縮めながら素子の性能を極大化させるために多様な研究が進行されている。
【0003】
このうち、代表的なものとしてフィン(fin)構造を有するフィンペット(fin-FET)素子を有することができる。このようなフィンペッ素子は珪素(Si)を含むウェハーなどの基板を蝕刻して形成されることができる。この時、蝕刻過程で発生される基板表面の粗さはトランジスターの性能低下の原因になることがある。これに一般には、ラジカルを基板表面に伝達するアニーリング処理を通じて基板表面損傷と粗さを改善する。しかし、基板に不純物が適切に除去されない状態で基板に対するアニーリング処理を遂行する場合、基板に残っている不純物は半導体素子の性能劣化の原因になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国特許公開第10-2015-0061163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、基板を効率的に基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0006】
また、本発明は、基板に対する表面処理を効果的に遂行することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0007】
また、本発明は、基板に残留する不純物を効果的に除去することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0008】
また、本発明は、基板表面損傷と粗さを効果的に改善することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0009】
本発明の効果が上述した効果らに限定されるものではなくて、言及されない効果らは本明細書及び添付された図面らから本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基板を処理する装置を提供する。基板を処理する装置は、処理空間を有する工程チャンバと、前記処理空間で基板を支持し、前記基板の温度を調節するヒーターを有する基板支持部と、前記処理空間に工程ガスを供給するガス供給部と、前記工程ガスを励起させてラジカルを発生させるガス励起部と、及び制御機を含み、前記制御機は前記処理空間に前記工程ガスを供給し、前記ラジカルを発生させるように前記ガス供給部、そして、前記ガス励起部を制御し、前記基板に前記ラジカルが伝達される間、前記基板の温度を第1温度で調節し、以後前記基板の温度を前記第1温度と相異な温度である第2温度で調節するように前記基板支持部を制御することができる。
【0011】
一実施例によれば、前記制御機は、前記第2温度が前記第1温度より高い温度になるように前記基板支持部を制御することができる。
【0012】
一実施例によれば、前記制御機は、前記第1温度が50度乃至300度の間の温度になるように前記基板支持部を制御することができる。
【0013】
一実施例によれば、前記制御機は、前記第2温度が400度乃至700度の間の温度になるように前記基板支持部を制御することができる。
【0014】
一実施例によれば、前記工程チャンバには前記処理空間を排気する排気ラインと連結される排気ホールが少なくとも一つ以上形成され、前記制御機は、前記処理空間の圧力が10mTorr乃至4Torrの間の圧力になるように前記排気ラインと連結された減圧部材を制御することができる。
【0015】
一実施例によれば、前記ラジカルによって処理される前記基板には、ゲルマニウム(Ge)を含む不純物が付着され、前記基板は珪素(Si)を含む素材で提供されることができる。
【0016】
一実施例によれば、前記ガス供給部が供給する前記工程ガスは、水素、そして、非活性ガスのうちで選択される少なくとも一つのガスを含むことができる。
【0017】
一実施例によれば、前記ガス励起部は、マイクロ波電源と、及び前記マイクロ波電源が印加する電源の伝達を受けて前記処理空間にマイクロ波を印加するマイクロ波アンテナを含むことができる。
【0018】
また、ゲルマニウム(Ge)が付着された基板の表面を処理する基板処理装置を提供する。基板処理装置は処理空間を有する工程チャンバと、前記処理空間で基板を支持して前記基板の温度を調節する温度調節部材を有する基板支持部と、前記処理空間で水素を含む工程ガスを供給するガス供給部と、前記工程ガスを励起させて水素ラジカルを発生させるガス励起部と、及び制御機を含み、前記制御機は前記水素ラジカルを前記基板に伝達して前記ゲルマニウムを除去する第1処理段階と、及び前記水素ラジカルを前記基板に伝達して前記基板の表面粗さを改善する第2処理段階を遂行するように前記ガス供給部、前記ガス励起部を制御することができる。
【0019】
一実施例によれば、前記制御機は、前記第1処理段階で前記基板の温度が第1温度になって、前記第2処理段階で前記基板の温度が前記第1温度と相異な第2温度になるように前記基板支持部を制御することができる。
【0020】
一実施例によれば、前記制御機は、前記第2温度が前記第1温度より高い温度になるように前記基板支持部を制御することができる。
【0021】
一実施例によれば、前記制御機は、前記第1温度が50度乃至300度の間の温度になって、前記第2温度が400度乃至700度の間の温度になるように前記基板支持部を制御することができる。
【0022】
一実施例によれば、前記基板は、珪素(Si)を含む素材で提供されることができる。
【0023】
また、本発明は、基板を処理する方法を提供する。基板処理方法は、第1温度で調節された基板に水素ラジカルを伝達して前記基板を処理する第1処理段階と、及び前記第1温度と相異な温度である第2温度で調節された前記基板に前記水素ラジカルを伝達して前記基板を処理する第2処理段階を含むことができる。
【0024】
一実施例によれば、前記第2温度は、前記第1温度より高い温度であることができる。
【0025】
一実施例によれば、前記第1温度は、50度以上、そして、300度以下であることがある。
【0026】
一実施例によれば、前記第2温度は、400度以上、そして700度以下であることがある。
【0027】
一実施例によれば、前記基板が処理される空間を提供する真空チャンバ内の圧力は10mTorr以上、そして、4Torr以下であることがある。
【0028】
一実施例によれば、前記第1処理段階には、前記基板上に付着されたゲルマニウム(Ge)を含む不純物を除去して前記第2処理段階は前記第1処理段階以後に遂行されるが珪素(Si)を含む素材で提供されることができる。
【0029】
一実施例によれば、前記水素ラジカルを含むプラズマはダイレクトプラズマ、そして、リモートプラズマのうちで何れか一つであることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施例によれば、基板を効率的に処理することができる。
【0031】
また、本発明の一実施例によれば、基板の周辺領域で発生される電気場を調節して基板に不純物が伝達されることを最小化することができる。
本発明の効果は、前記した効果に限定されるものではなくて、本発明の詳細な説明、または、特許請求範囲に記載された発明の構成から推論可能なすべての効果を含むことで理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施例による基板処理装置を見せてくれる図面である。
【
図2】本発明の一実施例による基板処理方法を見せてくれるフローチャートである。
【
図3】
図2の第1処理段階を遂行する基板処理装置の姿を見せてくれる図面である。
【
図4】
図2の第2処理段階が遂行された以後基板の姿を見せてくれる図面である。
【
図5】
図2の第2処理段階を遂行する基板処理装置の姿を見せてくれる図面である。
【
図6】
図2の第2処理段階が遂行された以後基板の姿を見せてくれる図面である。
【
図7】基板の温度によって基板上に付着された不純物がラジカルによって除去される効率を示すグラフである。
【
図8】基板にフィンが形成された場合、第1処理段階が遂行される基板の姿を見せてくれる図面である。
【
図9】基板にフィンが形成された場合、第1処理段階が遂行された基板の姿を見せてくれる図面である。
【
図10】基板にフィンが形成された場合、第2処理段階が遂行される基板の姿を見せてくれる図面である。
【
図11】基板にフィンが形成された場合、第2処理段階が遂行された基板の姿を見せてくれる図面である。
【
図12】基板にシート(Sheet)構造が形成された場合、第1処理段階が遂行される基板の姿を見せてくれる図面である。
【
図13】基板にシート(Sheet)構造が形成された場合、第1処理段階が遂行された基板の姿を見せてくれる図面である。
【
図14】基板にシート(Sheet)構造が形成された場合、第2処理段階が遂行される基板の姿を見せてくれる図面である。
【
図15】基板にシート(Sheet)構造が形成された場合、第2処理段階が遂行された基板の姿を見せてくれる図面である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では添付した図面を参照にして本発明の実施例に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明はいろいろ相異な形態で具現されることができるし、ここで説明する実施例で限定されない。また、本発明の望ましい実施例を詳細に説明するにおいて、関連される公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曇ることがあると判断される場合にはその詳細な説明を略する。また、類似機能及び作用をする部分に対しては図面全体にかけて等しい符号を使用する。
【0034】
ある構成要素を‘包含'するということは、特別に反対される記載がない限り他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。具体的に,“含む”または“有する”などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであって、一つまたはその以上の他の特徴らや数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものとして理解されなければならない。
【0035】
単数の表現は文脈上明白に異なるように志さない限り、複数表現を含む。また、図面で要素らの形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0036】
第1、第2などの用語は多様な構成要素らを説明するのに使用されることができるが、前記構成要素らは前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使用されることができる。例えば、本発明の権利範囲から離脱されないまま第1構成要素は第2構成要素で命名されることができるし、類似第2構成要素も第1構成要素に命名されることができる。
【0037】
ある構成要素が異なる構成要素に“連結されて”いるか、または“接続されて”いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解されなければならないであろう。反面に、ある構成要素が異なる構成要素に“直接連結されて”いるか、または“直接接続されて”いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないことで理解されなければならないであろう。構成要素らとの関係を説明する他の表現ら、すなわち“~間に”と“すぐ~間に”または“~に隣合う”と“~に直接隣合う”なども同じく解釈されなければならない。
【0038】
異なるように定義されない限り、技術的であるか科学的な用語を含んでここで使用されるすべての用語らは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者によって一般的に理解されることと等しい意味である。一般に使用される前もって定義されているもののような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味であることで解釈されなければならないし、本出願で明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味で解釈されない。
【0039】
以下、
図1乃至
図15を参照して本発明の実施例を詳しく説明する。
【0040】
図1は、本発明の一実施例による基板処理装置を見せてくれる図面である。
【0041】
図1を参照すれば、基板処理装置は基板(W)に対してプラズマ工程処理を遂行する。基板処理装置は工程チャンバ100、基板支持部200、ガス供給部300、マイクロ波印加ユニット400、そして、制御機500を含む。
【0042】
工程チャンバ100は処理空間101を有することができる。処理空間101は基板(W)が処理される空間であることができる。工程チャンバ100の一側壁には開口(図示せず)が形成されることができる。開口は基板(W)が工程チャンバ100内部に出入りすることができる通路で提供される。開口は、ドア(図示せず)によって開閉される。工程チャンバ100の底面には排気ホール102が形成される。排気ホール102は排気ライン121と連結される。排気ライン121は減圧部材123と連結されることができる。減圧部材123はポンプであることができる。工程過程で発生した反応副産物及び工程チャンバ100内部に泊まるガスは排気ライン121を通じて外部に排出されることができる。
【0043】
また、減圧部材123が排気ライン121を通じて提供する減圧によって処理空間101の圧力は設定圧力で維持されることができる。処理空間101の圧力は真空に近い圧力で維持されることができる。すなわち、工程チャンバ100は基板(W)を処理する間に処理空間101の圧力が真空に近い圧力で維持される真空チャンバであることができる。例えば、後述する制御機500は処理空間101の圧力は10mTorr乃至4Torrの間(例えば、10mTorr以上、そして、4Torr以下)の圧力になるように減圧部材123を制御することができる。
【0044】
工程チャンバ100内部には基板支持部200が位置する。基板支持部200は基板(W)を支持する。基板支持部200は静電気力を利用して基板(W)を吸着する静電チャックを含む。
【0045】
静電チャック200は誘電板210、下部電極220、ヒーター230、支持板240、絶縁板270、そして、フォーカスリング280を含む。
【0046】
誘電板210は静電チャック200の上端部に位置する。誘電板210は円盤形状の誘電体(dielectric substance)で提供される。誘電板210の上面には基板(W)が置かれる。誘電板210の上面は基板(W)より小さな半径を有する。それで、基板(W)縁領域は誘電板210の外側に位置する。誘電板210には第1供給流路211が形成される。第1供給流路211は誘電板210の上面から底面に提供される。第1供給流路211はお互いに離隔して複数個形成され、基板(W)の底面に熱伝逹媒体が供給される通路で提供される。
【0047】
誘電板210の内部には下部電極220とヒーター230が埋設される。下部電極220はヒーター230の上部に位置する。下部電極220は下部電源221と電気的に連結される。下部電源221は直流電源を含む。下部電極220と下部電源221との間には下部電源スイッチ222が設置される。下部電極220は下部電源スイッチ222のオン/オフ(ON/OFF)によって下部電源221と電気的に連結されることができる。下部電源スイッチ222がオン(ON)になれば、下部電極220には直流電流が印加される。下部電極220に印加された電流によって下部電極220と基板(W)との間には電気力が作用し、電気力によって基板(W)は誘電板210に吸着される。
【0048】
ヒーター230は基板(W)の温度を設定温度で調節する温度調節部材であることがある。また、ヒーター230で発生された熱によって基板(W)は所定温度で維持される。ヒーター230は螺旋形状のコイルを含む。ヒーター230は均一な間隔で誘電板210に埋設されることができる。ヒーター230はヒーター電源231から電力の伝達を受けて昇温されることがある。また、ヒーター230とヒーター電源231との間にはヒーター電源スイッチ232が設置されることができる。ヒーター230はヒーター電源スイッチ232のオン/オフによってヒーター電源231と電気的に連結されることができる。また、ヒーター電源231がヒーター230に印加する電力の大きさによってヒーター230の温度は変わることがある。例えば、ヒーター230に印加される電力の大きさに比例してヒーター230の温度も共に高くなることがある。また、ヒーター230はヒーター230の温度をセンシングするヒーターセンサー(図示せず)とお互いに連結されることができる。ヒーターセンサーはヒーター230の温度を実時間で感知し、感知されたヒーター230の実時間温度を後述する制御機500に伝達することができる。制御機500はヒーターセンサーが感知するヒーター230の温度に根拠してヒーター230に伝達される電力の大きさを異にすることができる。
【0049】
誘電板210の下部には支持板240が位置する。誘電板210の底面と支持板240の上面は接着剤236によって接着されることができる。支持板240はアルミニウム材質で提供されることができる。支持板240の上面は中心領域が縁領域より高く位置されるように段差になることがある。支持板240の上面中心領域は、誘電板210の底面に相応する面積を有して、誘電板210の底面と接着される。支持板240には第1循環流路241、第2循環流路242、そして、第2供給流路243が形成される。
【0050】
第1循環流路241は熱伝逹媒体が循環する通路で提供される。第1循環流路241は支持板240内部に螺旋形状で形成されることができる。または、第1循環流路241はお互いに相異な半径を有するリング形状の流路らが同一な中心を有するように配置されることができる。それぞれの第1循環流路241らはお互いに連通されることができる。第1循環流路241らは等しい高さに形成される。
【0051】
第2循環流路242は冷却流体が循環する通路で提供される。第2循環流路242は支持板240内部に螺旋形状で形成されることができる。または、第2循環流路242はお互いに相異な半径を有するリング形状の流路らが同一な中心を有するように配置されることができる。それぞれの第2循環流路242らはお互いに連通されることができる。第2循環流路242は第1循環流路241より大きい断面積を有することができる。第2循環流路242らは等しい高さに形成される。第2循環流路242は第1循環流路241の下部に位置されることができる。
【0052】
第2供給流路243は第1循環流路241から上部に延長され、支持板240の上面に提供される。第2供給流路243は第1供給流路211に対応する個数で提供され、第1循環流路241と第1供給流路211を連結する。
【0053】
第1循環流路241は熱伝逹媒体供給ライン251を通じて熱伝逹媒体保存部252と連結される。熱伝逹媒体保存部252には熱伝逹媒体が保存される。熱伝逹媒体は不活性ガスを含む。実施例によれば、熱伝逹媒体はヘリウム(He)ガスを含む。ヘリウムガスは供給ライン251を通じて第1循環流路241に供給され、第2供給流路243と第1供給流路211を順次に経って基板(W)底面に供給される。ヘリウムガスはプラズマで基板(W)から伝達された熱が静電チャック200に伝達される媒介体役割をする。プラズマに含有されたイオン粒子らは静電チャック200に形成された電気力にひかれて静電チャック200に移動し、移動する過程で基板(W)と衝突して蝕刻工程を遂行する。イオン粒子らが基板(W)に衝突する過程で基板(W)には熱が発生する。基板(W)で発生された熱は基板(W)底面と誘電板210の上面の間空間に供給されたヘリウムガスを通じて静電チャック200に伝達される。これによって基板(W)は設定温度で維持されることができる。
【0054】
第2循環流路242は冷却流体供給ライン261を通じて冷却流体保存部262と連結される。冷却流体保存部262には冷却流体が保存される。冷却流体保存部262内には冷却機263が提供されることができる。冷却機263は冷却流体を所定温度で冷却させる。これと異なり、冷却機263は冷却流体供給ライン261上に設置されることができる。冷却流体供給ライン261を通じて第2循環流路242に供給された冷却流体は第2循環流路242に沿って循環して支持板240を冷却する。支持板240の冷却は誘電板210と基板(W)を共に冷却させて基板(W)を所定温度で維持させる。
【0055】
支持板240の下部には絶縁板270が提供される。絶縁板270は支持板240に相応する大きさで提供される。絶縁板270は支持板240とチャンバ100の底面の間に位置する。絶縁板270は絶縁材質で提供され、支持板240とチャンバ100を電気的に絶縁させる。
【0056】
フォーカスリング280は静電チャック200の縁領域に配置される。フォーカスリング200はリング形状を有して、誘電板210のまわりに沿って配置される。フォーカスリング280の上面は外側部280aが内側部280bより高いように段差になることがある。フォーカスリング280の上面内側部280bは誘電板210の上面と同一高さに位置される。フォーカスリング280の上面内側部280bは誘電板210の外側に位置された基板(W)の縁領域を支持する。フォーカスリング280の外側部280aは基板(W)縁領域を取り囲むように提供される。フォーカスリング280はプラズマが形成される領域の中心に基板(W)が位置するように電気場形成領域を拡張させる。これによって、基板(W)の全体領域にかけてプラズマが均一に形成されて基板(W)の各領域が均一に蝕刻されることができる。
【0057】
ガス供給部300は工程チャンバ100の処理空間101に工程ガスを供給する。ガス供給部300は工程チャンバ100の側壁に形成されたガス供給ホール105を通じて工程チャンバ100内部に工程ガスを供給することができる。ガス供給部300が処理空間101に供給する工程ガスは水素、そして、非活性ガスのうちで選択される少なくとも一つのガスを含むことができる。非活性ガスとしてはヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、ゼノン(Xe)及びラドン(Rn)などがあり得る。
【0058】
マイクロ波印加ユニット400は工程チャンバ100の処理空間101にマイクロ波を印加して工程ガスを励起させるガス励起部であることができる。例えば、マイクロ波印加ユニット400は工程ガスを励起させてプラズマを発生させることができる。工程ガスから励起されたプラズマは水素ラジカルを含むことができる。水素ラジカルは基板(W)に伝達されて基板(W)上に付着された不純物を除去するか、または基板(W)表面に対する粗さを改善することができる。
【0059】
マイクロ波印加ユニット400はマイクロ波電源410、導波管420、マイクロ波アンテナ430、誘電体ブロック450、前極板460、誘電体板470、そして、冷却プレート480を含む。
【0060】
マイクロ波電源410はマイクロ波を発生させる。導波管420はマイクロ波電源410に連結され、マイクロ波電源410で発生されたマイクロ波が伝達される通路を提供する。
【0061】
導波管420の先端内部にはマイクロ波アンテナ430が位置する。マイクロ波アンテナ430は導波管420を通じて伝達されたマイクロ波を工程チャンバ100内部に印加する。例えば、マイクロ波アンテナ430はマイクロ波電源410が印加する電源の伝達を受けて処理空間101にマイクロ波を印加することができる。
【0062】
マイクロ波アンテナ430はアンテナ431、アンテナロード433、外部導体434、マイクロ波アダプター436、コネクター441、冷却板443、そして、アンテナ高さ調節部445を含む。
【0063】
アンテナ431は厚さが薄い円盤で提供され、複数のスロットホール432らが形成される。スロットホール432らをマイクロ波が透過する通路を提供する。スロットホール432らは多様な形状で提供されることができる。スロットホール432らは‘×'、‘+'、‘-'などの形状で提供されることができる。スロットホール432はお互いに組合されて複数個のリング形状で配置されることができる。リングらは同一な中心を有して、お互いに相異な大きさの半径を有する。
【0064】
アンテナロード433は円錐形状のロード(rod)で提供される。アンテナロード433はその長さ方向が上下方向に配置される。アンテナロード433はアンテナ431の上部に位置し、下端部がアンテナ431の中心に挿入固定される。アンテナロード433はマイクロ波をアンテナ431に伝える。
【0065】
外部導体434は導波管420の先端部下部に位置する。外部導体434の内部には導波管420の内部空間と連結される空間が上下方向に形成される。外部導体434の内部にはアンテナロード433の一部領域が位置する。
【0066】
導波管420の先端部内部にはマイクロ波アダプター436が位置する。マイクロ波アダプター436は上端部が下端部より大きい半径を有するコーン形状を有する。マイクロ波アダプター436の下端部には底面が開放された収容空間437が形成される。収容空間437の入口部438は内部領域より相対的に半径が小さく提供される。
【0067】
収容空間437にはコネクター441が位置する。コネクター441はリング形状で提供される。コネクター441の外側面は収容空間437の内側面に相応する半径を有する。コネクター441の外側面は収容空間437の内側面に接触されて固定位置する。コネクター441は伝導性材質で提供されることができる。アンテナロード433の上端部は収容空間437内に位置してコネクター441の内側領域に挟まれる。アンテナロード433の上端部はコネクター441に圧して嵌められて、コネックト441を通じてマイクロ波アダプター436と電気的に連結される。
【0068】
冷却板443はマイクロ波アダプター436の上端に結合する。冷却板443はマイクロ波アダプター436の上端部より大きい半径を有する板で提供されることができる。冷却板443はマイクロ波アダプター436より熱伝導性が優秀な材質で提供されることができる。冷却板443は銅(Cu)またはアルミニウム(Al)材質で提供されることができる。冷却板443はマイクロ波アダプター436の冷却を促進し、マイクロ波アダプター436の熱変形を防止する。
【0069】
アンテナ高さ調節部445はマイクロ波アダプター436とアンテナロード433を連結する。そして、アンテナ高さ調節部445はマイクロ波アダプター436に対するアンテナ431の相対高さが変更されるようにアンテナロード433を移動させる。アンテナ高さ調節部445はボルトを含む。ボルト445はマイクロ波アダプター436の上部から下部に上下方向にマイクロ波アダプター436に挿入され、下端部が収容空間437に位置する。ボルト445はマイクロ波アダプター436の中心領域に挿入される。ボルト445の下端部はアンテナロード433の上端部に挿入される。アンテナロード433の上端部にはボルト445の下端部が挿入及び締結されるねじ溝が所定深さで形成される。アンテナロード433はボルト445の回転によって上下方向に移動される。例えば、ボルト445を時計方向に回転する場合アンテナロード433は上昇し、反時計方向に回転する場合アンテナロード433は下降することができる。アンテナロード433の移動と共にアンテナ431は上下方向に移動されることができる。
【0070】
誘電体板470はアンテナ431の上部に位置する。誘電体板470はアルミナ、石英等の誘電体で提供される。マイクロ波アンテナ430から垂直方向に伝えたマイクロ波は、誘電体板470の半径方向に伝える。誘電体板470に伝えたマイクロ波は波長が圧縮され、共振される。共振されたマイクロ波はアンテナ431のスロットホール432らに透過される。
【0071】
誘電体板470の上部には冷却板480が提供される。冷却板480は誘電体板470を冷却する。冷却板480はアルミニウム材質で提供されることができる。冷却板480は内部に形成された冷却流路(図示せず)に冷却流体を流して誘電体板470を冷却することができる。冷却方式は水冷式及び空冷式を含む。
【0072】
アンテナ431の下部には誘電体ブロック450が提供される。誘電体ブロック450はアルミナ、石英等の誘電体で提供される。アンテナ431のスロットホール432らを透過したマイクロ波は誘電体ブロック450を経って工程チャンバ100内部に放射される。放射されたマイクロ波の電界によって工程チャンバ100内に供給された工程ガスはプラズマ状態で励起される。誘電体ブロック450の上面はアンテナ431の底面と所定間隔で離隔されることができる。
【0073】
前述したマイクロ波アンテナ430の構造で、アンテナ高さ調節部445はアンテナロード433の左右方向の動きを制限する。マイクロ波が伝える過程でマイクロ波アダプター436とコネクター441には熱が発生する。発生された熱はマイクロ波アダプター436とコネクター441を変形させ、変形によってコネクター441にアンテナロード433の挟まり程度が緩くなってアンテナロード433は左右方向に移動されることができる。アンテナロード433が左右方向に移動する場合、マイクロ波アダプター436とアンテナロード433との間の間隔は領域によって差が発生する。このような間隔差はアンテナロード433に伝えるマイクロ波を不均一にするようになる。また、アンテナロード433の移動で、アンテナロード433とマイクロ波アダプター436が接触される場合アーク(Arc)を誘発することがある。アンテナ高さ調節部445はマイクロ波アダプター436に対するアンテナロード433の左右方向動きを制限するので、マイクロ波アダプター436とコネクター441の熱変形による上述した問題点発生が予防される。
【0074】
また、アンテナ高さ調節部445はマイクロ波アダプター436に対するアンテナ431の相対高さが変更されるようにアンテナロード433を上下方向に移動させることができる。マイクロ波アダプター436とコネクター441の熱変形によってアンテナロード433の挟まり程度が緩くなれば、アンテナロード433が下に垂れ下がりながらアンテナ431が誘電体ブロック450に接触されることがある。アンテナ431と誘電体ブロック450の接触は、アンテナ431の熱形状によっても発生されることがある。アンテナ431と誘電体ブロック450の接触は伝えるマイクロ波の損失を誘発する。このようにアンテナ431と誘電体ブロック450の接触が発生された場合アンテナ高さ調節部445はアンテナ431と誘電体ブロック450が所定間隔を維持するようにアンテナロード433を上方に移動させることがある。また、アンテナ高さ調節部445はアンテナロード433を上下方向に移動させてアンテナ431と誘電体ブロック450との間を適切な間隔で維持させることができる。
【0075】
制御機500は基板処理装置を制御することができる。制御機500は以下で説明する基板処理方法を基板処理装置が遂行できるように基板処理装置の基板支持部200、ガス供給部300、そして、マイクロ波印加ユニット400のうちで少なくとも何れか一つを制御することができる。また、制御機500は基板処理装置の制御を実行するマイクロプロセッサー(コンピューター)でなされるプロセスコントローラーとオペレーターが基板処理装置を管理するためにコマンド入力操作などを行うキーボードや、基板処理装置の稼働状況を可視化して表示するディスプレイなどでなされるユーザーインターフェースと、基板処理装置で実行される処理をプロセスコントローラーの制御で行うための制御プログラムや、各種データ及び処理条件によって各構成部に処理を実行させるためのプログラム、すなわち、処理レシピが保存された保存部を具備することができる。また、ユーザーインターフェース及び保存部はプロセスコントローラーに接続されることがある。処理レシピは保存部のうちで保存媒体に保存されてあり得て、保存媒体はハードディスクであっても良く、CD-ROM、DVDなどの可搬性ディスクや、フラッシュメモリーなどの半導体メモリーであることもある。
【0076】
また、制御機500は上述したようにヒーター電源231がヒーター230に伝達する電力の大きさを調節して基板(W)の温度を設定温度で維持させることができる。例えば、制御機500はヒーターセンサーが感知するヒーター230の温度を実時間で認識することができる。また、制御機500にはあらかじめ遂行された実験的データであるヒーター230の温度によって基板(W)の温度が変化するパラメーターらが入力されることがある。
【0077】
図2は、本発明の一実施例による基板処理方法を見せてくれるフローチャートである。
図2を参照すれば、本発明の一実施例による基板処理方法は第1処理段階(S10)、そして、第2処理段階(S20)を含むことができる。第1処理段階(S10)と第2処理段階(S20)は順次に遂行されることができる。例えば、第1処理段階(S10)が遂行された以後、第2処理段階(S20)が遂行されることができる。また、第1処理段階(S10)と第2処理段階(S20)を通じて処理される基板(W)は珪素(Si)を含む素材で提供されることができる。
【0078】
図3は、
図2の第1処理段階を遂行する基板処理装置の姿を見せてくれる図面である。
図3を参照すれば、第1処理段階(S10)は基板(W)上に残留する不純物(I)を除去する不純物除去段階であることがある。第1処理段階(S10)に除去する不純物(I)は、基板(W)を蝕刻しながら発生された副産物基板(W)に形成された膜が蝕刻工程を通じて未だに除去されることができなかった残余膜であることがある。例えば、基板(W)上に付着された不純物(I)はゲルマニウム(Ge)を含む化合物であることがある。例えば、不純物(I)はSiGe、またはGeOを含むことがある。
【0079】
第1処理段階(S10)には制御機500が基板支持部200を制御して基板(W)の温度を第1温度で維持させることができる。第1温度は攝氏50度乃至300度の間の温度(例えば、50度以上、そして、300度以下の温度)であることがある。また、工程ガスから励起された水素ラジカルを基板(W)の表面で伝達する間、基板(W)の温度を第1温度で維持させて基板(W)上に残留する不純物(I)を除去することができる。
【0080】
第1処理段階(S10)の遂行が完了すれば、
図4に示されたように基板(W)上に付着された不純物(I)は基板(W)から除去されることができる。
図5は、
図2の第2処理段階を遂行する基板処理装置の姿を見せてくれる図面である。
図5を参照すれば、第2処理段階(S20)は基板(W)の表面粗さを減らす表面荒い改善段階であることがある。基板(W)は上述したように珪素(Si)を含む素材で提供されることができる。
【0081】
第2処理段階(S20)には制御機500が基板支持部200を制御して基板(W)の温度を上述した第1温度と相異な温度である第2温度で維持させることができる。第2温度は第1温度より高い温度であることができる。第2温度は攝氏400度乃至700度の間の温度(例えば、400度以上、そして、700度以下の温度)であることがある。また、工程ガスから励起された水素ラジカルを基板(W)の表面に伝達する間、基板(W)の温度を第1温度から第2温度に変更及び第2温度に維持させて基板(W)の表面粗さを改善することができる。
【0082】
第2処理段階(S20)の遂行が完了すれば、
図6に示されたように基板(W)上に付着された不純物(I)は除去されることができる。また、第2処理段階(S20)は第1処理段階(S10)が遂行された以後に遂行される。すなわち、第2処理段階(S20)は基板(W)から不純物が除去された状態に遂行されるので、前述した半導体素子の性能劣化の問題点を最小化することができる。
【0083】
図7は、基板の温度によって基板上に付着された不純物がラジカルによって除去される効率を示すグラフである。具体的に、
図7では基板(W)に付着された不純物(I)がゲルマニウム(Ge)を含む化合物の場合基板(W)の温度変化による水素ラジカルによる不純物(I)除去効率(Etch Rate)を見せてくれるグラフである。
【0084】
図7を参照すれば、水素ラジカルによるゲルマニウム(Ge)を含む化合物の除去効率は、第1温度(T1)、そして、第3温度(T3)の間で高い効率を見せて、特に、第2温度(T2)で最大効率を見せる。第1温度(T1)は略50度であることがあって、第3温度は略300渡度であることがある。また、第2温度(T2)は略180度であることがある。すなわち、基板(W)上に付着された不純物(I)がゲルマニウム(Ge)を含む化合物の場合基板(W)の温度を略180度で調節する時、水素ラジカルによる不純物(I)の除去効率が一番高い。これに、第1処理段階(S10)では基板(W)の温度を第2-1温度(T2-1、例えば、略160度)乃至第2-2温度(T2-2、例えば、略200度)程度に維持することが望ましいことがある。
【0085】
すなわち、本発明の第1処理段階(S10)と第2処理段階(S20)は基板(W)の温度がそれぞれ第1温度、そして、第2温度で他に維持される。第1温度は上述したように50度乃至300度であり、第2温度は400度乃至700度である。
【0086】
第1温度と第2温度は珪素(Si)及びゲルマニウム(Ge)が揮発性種(SiH4、GeH4)になる優勢な温度領域によって具分付けられることができる。珪素(Si)及びゲルマニウム(Ge)が水素ラジカルと応じて揮発性種になれば、基板(W)の表面から除去されることができる。
【0087】
水素ラジカルによってゲルマニウム(Ge)が除去される温度領域は、50度乃至300度であることがある。特に、前述したように水素ラジカルによってゲルマニウム(Ge)除去効率が一番高い温度は略180度程度である。これから、第1処理段階(S10)では基板(W)からゲルマニウム(Ge)を含む不純物(I)を効果的に除去することができる。
【0088】
また、第1処理段階(S10)で基板(W)の温度は300度を越さないことが望ましい。基板(W)を成している珪素(Si)の場合、水素ラジカルによって除去される温度領域は略300度乃至400度程度であるが、第1処理段階(S10)で基板(W)の温度が300度を超える場合、ゲルマニウム(Ge)を含む不純物(I)だけ除去されるものではなく、基板(W)自体に損傷を発生させることがあるので、適切ではない。
【0089】
また、第2処理段階(S20)は前述したように基板(W)の温度が400度乃至700度程度に維持されることが望ましい。珪素(Si)の場合水素ラジカル雰囲気で基板(W)の温度が400度乃至700度程度に維持される場合、珪素(Si)は表面拡散をして基板(W)の表面粗さを改善するためである。
【0090】
また、第2処理段階(S10)で基板(W)の温度は400度を超えることが望ましい。基板(W)を成している珪素(Si)の場合水素ラジカルによって除去される温度領域は略300度乃至400度程度であるが、第2処理段階(S20)で基板(W)の温度が400度の下に落ちる場合、基板(W)の表面粗さが改善されるものではなく、基板(W)自体に損傷を発生させることができるために適切ではない。
【0091】
すなわち、本発明の一実施例による基板処理方法は、第1処理段階(S10)が遂行されて基板(W)から不純物(I)が除去された以後、第2処理段階(S20)が遂行されて基板(W)表面の粗さを改善するので、基板(W)表面粗さの改善をより効果的に遂行することができる。また、第1処理段階(S10)で基板(W)の温度を不純物(I)が除去され易い温度で調節し、第2処理段階(S20)で基板(W)の温度を基板(W)表面粗さ改善に容易な温度で調節して基板(W)処理効率をより効果的に遂行することができる。
【0092】
以下では、本発明の第1処理段階(S10)と第2処理段階(S20)の適用例に対して説明する。
図8に示されたように基板(W)上にはパターニング及び蝕刻工程を通じてフィン構造を有するパターン(P)が形成されることができる。パターン(P)にはゲルマニウム(Ge)を含む不純物(I)が付着されることがある。
【0093】
第1処理段階(S10)が遂行されれば、基板(W)に水素ラジカルが伝達されるが、基板(W)の温度は第1温度で維持されることができる(
図8参照)。第1処理段階(S10)の遂行が完了すれば、基板(W)のパターン(P)に付着された不純物(I)らは除去されることができる(
図9参照)。この時パターン(P)の上部面と側面がなす角度は第1角度(A1)であることがある。
【0094】
第2処理段階(S20)が遂行されれば、基板(W)に水素ラジカルが伝達されるが、基板(W)の温度は第2温度で維持されることができる(
図10参照)。第2処理段階(S20)の遂行が完了すれば、基板(W)のパターン(P)表粗さは改善されることができる(
図11参照)。この時、パターン(P)の上部面と側面の成す角度は、直角に近い第2角度(A2)になることができる。すなわち、第2処理段階(S20)を通じて基板(W)に形成されるパターン(P)の形態も改善することができるようになる。
【0095】
また、水素ラジカルは芳香性を有しない。これに、
図12に示されたように基板(W)から分離された空間を有するシート(Sheet)構造のパターン(P)が基板(W)上に形成された場合にも、前述した第1処理段階(S10)と第2処理段階(S20)は同一または類似に適用されることができる。
【0096】
第1処理段階(S10)が遂行されれば、基板(W)に水素ラジカルが伝達されるが、基板(W)の温度は第1温度で維持されることができる(
図10参照)。第1処理段階(S10)の遂行が完了されれば、基板(W)のパターン(P)に付着された不純物(I)らは除去されることができる(
図11参照)。
【0097】
第2処理段階(S20)が遂行されれば、基板(W)に水素ラジカルが伝達されるが、基板(W)の温度は第2温度で維持されることができる(
図12参照)。第2処理段階(S20)の遂行が完了されれば、基板(W)のパターン(P)表粗さは改善されることができる(
図12参照)。
【0098】
前記実施例では、基板支持部200が静電チャックであることで説明したが、これと異なり基板支持部は多様な方法で基板を支持することができる。例えば、基板支持部200は基板を真空で吸着維持する真空チャックで提供されることができる。
【0099】
前述した水素ラジカルを含むプラズマは、ダイレクトプラズマまたはリモートプラズマであることができる。ダイレクトプラズマは、処理空間101内にプラズマを直接発生させるものであり、リモートプラズマは処理空間101の外部でプラズマを発生させて前記反応室内に流入させるものである。これと異なり、水素ラジカルを含むプラズマを生成する方式は、RF(Radio frequency)プラズマ、マイクロウェーブプラズマ、誘導結合プラズマ(Inductively coupled plasma)、蓄電結合プラズマ(Capacitively coupled plasma)または、電子サイクロトロン共鳴(Electron Cyclotron Resonance)プラズマ方式など多様であることがある。
【0100】
また、前述した例ではマイクロ波を通じて水素ラジカルを含むプラズマを生成することを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなくて、前述した実施例は基板(W)の温度を調節する温度調節部材、そして、工程ガスからプラズマを生成するプラズマソースを有する装置なら同一または類似に適用されることができる。
【0101】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の望ましい実施形態を示して説明するものであり、本発明は多様な他の組合、変更及び環境で使用することができる。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、著わした開示内容と均等な範囲及び/または当業界の技術または知識の範囲内で変更または修正が可能である。著わした実施例は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明するものであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態で本発明を制限しようとする意図ではない。また、添付された請求範囲は他の実施状態も含むことで解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0102】
100 工程チャンバ
200 基板支持部
220 下部電極
221 下部電源
222 下部電源スイッチ
230 ヒーター
231 ヒーター電源
232 ヒーター電源スイッチ
300 ガス供給部
400 マイクロ波印加ユニット
500 制御機
S10 第1処理段階
S20 第2処理段階