(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】深度平面を変化させるための多要素適応レンズを有する拡張現実ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20241126BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20241126BHJP
G02B 5/32 20060101ALI20241126BHJP
G02F 1/13 20060101ALN20241126BHJP
G02F 1/1347 20060101ALN20241126BHJP
G02C 11/00 20060101ALN20241126BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/18
G02B5/32
G02F1/13 505
G02F1/1347
G02C11/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022118559
(22)【出願日】2022-07-26
(62)【分割の表示】P 2019568041の分割
【原出願日】2018-06-12
【審査請求日】2022-07-26
(32)【優先日】2017-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン シェーファー
(72)【発明者】
【氏名】フイ-チュアン チェン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド マンリー
(72)【発明者】
【氏名】ジャジャ アイ. トリスナディ
(72)【発明者】
【氏名】クリントン カーライル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アンソニー クルグ
【審査官】山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0047956(US,A1)
【文献】特開2016-173570(JP,A)
【文献】特開2011-141316(JP,A)
【文献】特表2016-519327(JP,A)
【文献】国際公開第2016/181108(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/093493(WO,A1)
【文献】特開2016-177232(JP,A)
【文献】特表2012-505430(JP,A)
【文献】特開昭60-010224(JP,A)
【文献】特表2014-505899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01,27/02
G02F 1/13
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイデバイスであって、
導波管を備える導波管アセンブリであって、前記導波管は、外部結合される光を前記導波管の出力表面に沿って出力するように構成される、導波管アセンブリと、
前記出力表面に面した第1の主要表面を有する第1の適応レンズアセンブリであって、前記第1の適応レンズアセンブリは、
第1の波長板レンズと、
第2の波長板レンズと、
前記第1の波長板レンズと前記第2の波長板レンズとの間に介在される第1の切替可能な波長板であって、前記切替可能な波長板は、
前記外部結合される光の偏光状態を改変させずに、前記外部結合される光を通過させるように構成される第1の状態と、
それを通して通過する前記外部結合される光の偏光状態を改変するように構成される第2の状態と
の間で選択的に切替可能である、第1の切替可能な波長板と
を備え
、
前記第1および第2の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する前記外部結合される光の偏光状態を改変し、前記外部結合される光を収束または発散させるように構成される、第1の適応レンズアセンブリと、
前記出力表面と反対の外部場面に面した第2の主要表面と、前記第1の主要表面に面した第2の準主要表面とを有する第2の適応レンズアセンブリであって、前記第2の適応レンズアセンブリは、
第3の波長板レンズと、
第4の波長板レンズと、
前記第3の波長板レンズと前記第4の波長板レンズとの間に介在される第2の切替可能な波長板であって、前記第2の切替可能な波長板は、
前記外部場面からの光の偏光状態を改変させずに、前記外部場面からの前記光を通過させるように構成される第3の状態と、
それを通して通過する前記外部場面からの前記光の偏光状態を改変するように構成される第4の状態と
の間で選択的に切替可能である、第2の切替可能な波長板と
を備え
、
前記第3および第4の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する前記外部場面からの前記光の偏光状態を改変し、前記外部結合される光を収束または発散させるように構成される、第2の適応レンズアセンブリと
を備え
、
前記第1の切替可能な波長板および第2の切替可能な波長板がそれぞれ前記第2の状態および第4の状態にあるときに、前記第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、第1の偏光状態を有する入射光を収束させることと、第2の偏光状態を有する入射光を発散させることとを行うように構成され、
前記第1の切替可能な波長板および第2の切替可能な波長板がそれぞれ前記第1の状態および第3の状態にあるときに、前記第1および第2の適応レンズアセンブリのそれぞれの正味屈折力はゼロである、ディスプレイデバイス。
【請求項2】
ユーザによる前記
ディスプレイデバイスの装着に応じて前記導波管アセンブリと前記ユーザとの間に配置されるように位置付けられる1つ以上の偏光
器をさらに備え、前記第1の波長板レンズは、前記第2の波長板レンズより前記ユーザの近くに位置付けられる、請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項3】
前記1つ以上の偏光
器は、前記ユーザによる前記
ディスプレイデバイスの装着に応じて前記ユーザと前記第1の波長板レンズとの間に配置されるように位置付けられる第1の偏光
器を含む、請求項
2に記載のディスプレイデバイス。
【請求項4】
前記1つ以上の偏光
器は、前記導波管アセンブリと前記第2の波長板レンズとの間に配置される第2の偏光
器を含む、請求項
2に記載のディスプレイデバイス。
【請求項5】
前記導波管アセンブリと前記外部場面との間に配置される1つ以上の偏光
器をさらに備え、前記第3の波長板レンズは、前記第4の波長板レンズより前記外部場面に近い、請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項6】
前記1つ以上の偏光
器は、前記外部場面と前記第3の波長板レンズとの間に配置される第3の偏光
器を含む、請求項
5に記載のディスプレイデバイス。
【請求項7】
前記1つ以上の偏光
器は、前記導波管アセンブリと前記第4の波長板レンズとの間に配置される第4の偏光
器を含む、請求項
5に記載のディスプレイデバイス。
【請求項8】
適応レンズアセンブリであって、
光学経路内で整合される1つ以上の波長板レンズおよび1つ以上の切替可能な波長板を備え、
前記1つ以上の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する光の偏光状態を改変し、前記光が第1の偏光を有する場合に前記光に第1の屈折力を提供し、前記光が第2の偏光を有する場合に前記光に第2の屈折力を提供するように構成され、
前記1つ以上の切替可能な波長板はそれぞれ、
前記光の偏光状態を改変せずに、前記光をそれを通して通過させるように構成される第1の状態であって、前記1つ以上の切替可能な波長板が前記第1の状態にあるときに、前記適応レンズアセンブリの正味屈折力はゼロである、第1の状態と、
それを通して通過する前記光の偏光状態を改変するように構成される第2の状態であって、前記適応レンズアセンブリは、第1の偏光状態を有する入射光を収束させることと、第2の偏光状態を有する入射光を発散させることとを行うように構成される、第2の状態と
の間で選択的に切替可能であり、
前記切替可能な波長板はそれぞれ、一対の前記1つ以上の波長板レンズ間に介在される
、適応レンズアセンブリ。
【請求項9】
前記適応レンズアセンブリは、複数の前記波長板レンズと、複数の前記切替可能な波長板とを備え、前記波長板レンズおよび前記切替可能な波長板は、交互にスタックされる、請求項
8に記載の適応レンズアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2017年6月12日に出願され、「AUGMENTED REALITY DISPLAY HAVING MULTI-ELEMENT ADAPTIVE LENS FOR CHANGING DEPTH PLANES」と題された、米国仮特許出願第62/518,539号と、2017年7月25日に出願され、「AUGMENTED REALITY DISPLAY HAVING MULTI-ELEMENT ADAPTIVE LENS FOR CHANGING DEPTH PLANES」と題された、米国仮特許出願第62/536,872号の優先権の利益を主張する。それぞれの内容は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
(参照による組み込み)
本願は、以下の特許出願のそれぞれの全体を参照することによって組み込む:2014年11月27日に出願され、米国公開第2015/0205126号として、2015年7月23日に公開された、米国出願第14/555,585号、2015年4月18日に出願され、米国公開第2015/0302652号として、2015年10月22日に公開された、米国出願第14/690,401号、2014年3月14日に出願された米国出願第14/212,961号(2016年8月16日に発行された現米国特許第9,417,452号)、および2014年7月14日に出願され、米国公開第2015/0309263号として2015年10月29日に公開された、米国出願第14/331,218号。
【0003】
(技術分野)
本開示は、ディスプレイシステムに関し、より具体的には、拡張および仮想現実ディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式でユーザに提示される。仮想現実または「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実または「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであって、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する、仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオでは、AR画像コンテンツは、実世界内のオブジェクトによって遮断されて見える、または別様にそれと相互作用するように知覚される。
【0005】
図1を参照すると、拡張現実場面10が、描写され、AR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物、コンクリートプラットフォーム30を特徴とする、実世界公園状設定20が見える。これらのアイテムに加え、AR技術のユーザはまた、これらの要素40、50が実世界内に存在しないにもかかわらず、実世界プラットフォーム30上に立っているロボット像40と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ50等の「仮想コンテンツ」を「見ている」と知覚する。ヒトの視知覚系は、複雑であって、他の仮想または実世界画像要素間における仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術の生成は、困難である。
【0006】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、ARまたはVR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に説明される主題の1つ以上の実装の詳細は、付随の図面および下記の説明に記載される。他の特徴、側面、および利点は、説明、図面、および請求項から明白となるであろう。本概要または以下の詳細な説明のいずれも、本発明の主題の範囲を定義または限定することを主張するものではない。
【0008】
一側面では、拡張現実システムは、光を受信し、ユーザに向かって再指向するように構成され、さらに、ユーザの環境からの周囲光がそれを通してユーザに向かって通過することを可能にするように構成される、少なくとも1つの導波管を含んでもよい。拡張現実システムはまた、少なくとも1つの導波管と環境との間に位置付けられる、第1の適応レンズアセンブリと、少なくとも1つの導波管とユーザとの間に位置付けられる、第2の適応レンズアセンブリと、第1および第2の適応レンズアセンブリに動作可能に結合される、少なくとも1つのプロセッサとを含んでもよい。第1の適応レンズアセンブリは、第1の適応レンズアセンブリが第1の屈折力をそれを通して通過する光に付与するように構成される、状態と、第1の適応レンズアセンブリが第1の屈折力と異なる屈折力をそれを通して通過する光に付与するように構成される、少なくとも1つの他の状態との間で選択的に切替可能であってもよい。第2の適応レンズアセンブリは、第2の適応レンズアセンブリが第1の屈折力と異なる第2の屈折力をそれを通して通過する光に付与するように構成される、状態と、第2の適応レンズアセンブリが第2の屈折力と異なる屈折力をそれを通して通過する光に付与するように構成される、少なくとも1つの他の状態との間で選択的に切替可能であってもよい。少なくとも1つのプロセッサは、第1および第2の適応レンズアセンブリが実質的に一定の正味屈折力をそれを通して通過する環境からの周囲光に付与するように、第1および第2の適応レンズアセンブリを異なる状態間で同期して切り替えさせるように構成されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、拡張現実システムはさらに、マイクロディスプレイを含んでもよい。そのような実施形態では、少なくとも1つの導波管は、マイクロディスプレイからの光を受信し、ユーザに向かって再指向するように構成されてもよい。
【0010】
いくつかの実施例では、第1の屈折力および第2の屈折力は、反対符号であってもよい。これらの実施例のうちの少なくともいくつかでは、第1の屈折力および第2の屈折力は、実質的に等しい大きさであってもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、1つ以上の制御信号を入力として受信し、それに応答して、その後、400ミリ秒未満の時間周期以内に、1つの状態から別の状態に切り替わるように構成されてもよい。例えば、第1および第2の適応レンズアセンブリがそれぞれ1つの状態から別の状態に切り替わるように構成される、時間周期は、200~400ミリ秒、100~200ミリ秒、または100ミリ秒未満であってもよい。
【0012】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの導波管は、それを通して光をユーザに向かって再指向し、ユーザの環境からの周囲光がそれを通してユーザに向かって通過することを可能にするように構成される、出力エリアを含んでもよい。少なくとも1つの導波管の出力エリアは、その中に第1の適応レンズアセンブリのクリア開口が形成される、第1の適応レンズアセンブリの一部と、その中に第2の適応レンズアセンブリのクリア開口が形成される、第2の適応レンズアセンブリの一部との間に位置付けられてもよい。これらの実施例のうちの少なくともいくつかでは、その中に第1および第2の適応レンズアセンブリのクリア開口がそれぞれ形成される、第1および第2の適応レンズアセンブリの一部はそれぞれ、少なくとも1つの導波管の出力エリアより大きいサイズであってもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、2つの状態間で切替可能な単極である、少なくとも1つの光学要素を含んでもよい。これらの実施形態のうちの少なくともいくつかでは、少なくとも1つの光学要素は、少なくとも1つの光学要素が第1の偏光状態をそれを通してユーザに向かって通過する光に付与するように構成される、第1の状態と、少なくとも1つの光学要素が第1の偏光状態と異なる第2の偏光状態をそれを通して通過する光に付与するように構成される、第2の状態ととの間で切替可能な単極であってもよい。さらに、そのような実施形態のうちの1つ以上のものでは、第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、少なくとも1つの光学要素とユーザとの間に位置付けられる、少なくとも1つの波長板レンズを含んでもよい。少なくとも1つの波長板レンズは、1つの屈折力をそれを通して通過する第1の偏光状態の光に、別の異なる屈折力をそれを通して通過する第2の偏光状態の光に付与するように構成されてもよい。
【0014】
これらの実施形態のうちの少なくともいくつかでは、第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、2つの状態間で切替可能な単極である、ある量の光学要素を含んでもよい。第1および第2の適応レンズアセンブリのそれぞれ内に含まれる光学要素の量は、第1の値と等しくてもよい。第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、ある量の異なる状態の中から状態間で選択的に切替可能であってもよい。異なる状態の量は、第1の値に指数関数的に依存する、第2の値と等しくてもよい。例えば、第2の値は、ある指数を伴う2の冪乗と等しくてもよく、指数は、第1の値と等しい。そのような実施形態のうちの1つ以上のものでは、少なくとも1つの導波管は、仮想コンテンツを表す光を受信し、ユーザに向かって再指向するように構成されてもよく、少なくとも1つのプロセッサは、第1および第2の適応レンズアセンブリを異なる状態の量の中からの異なる状態間で同期して切り替えさせ、それを通して通過する光によって表される仮想コンテンツがユーザによって知覚されるべきユーザから離れた距離を調節するように構成されてもよい。加えて、それを通して通過する光によって表される仮想コンテンツがユーザによって知覚されるべき、ユーザから離れた距離は、すぐ上で説明された実施形態のうちの1つ以上のものでは、ある量の異なる距離のいずれかに選択的に切替可能であってもよい。異なる距離の量は、第2の値と等しくてもよい。
【0015】
別の側面では、ディスプレイデバイスは、導波管アセンブリを含んでもよく、これは、外部結合される光を導波管の出力表面に沿って出力するように構成される、導波管を含んでもよい。ディスプレイデバイスは、加えて、第1の出力表面に面した主要表面を有する、適応レンズアセンブリを含んでもよい。第1の適応レンズアセンブリは、第1の波長板レンズと、第2の波長板レンズと、第1の波長板レンズと第2の波長板レンズとの間に介在される、第1の切替可能な波長板とを含んでもよい。第1の切替可能な波長板は、外部結合される光の偏光状態を改変させずに、外部結合される光を通過させるように構成される、第1の状態と、それを通して通過する外部結合される光の偏光状態を改変するように構成される、第2の状態との間で選択的に切替可能であってもよい。ディスプレイデバイスはさらに、出力表面と反対の外部場面に面した第2の主要表面を有する、第2の適応レンズアセンブリを含んでもよい。第2の適応レンズアセンブリは、第3の波長板レンズと、第4の波長板レンズと、第3の波長板レンズと第4の波長板レンズとの間に介在される、第2の切替可能な波長板とを含んでもよい。第2の切替可能な波長板は、外部場面からの光の偏光状態を改変せずに、外部場面からの光を通過させるように構成される、第3の状態と、それを通して通過する外部場面からの光の偏光状態を改変するように構成される、第4の状態との間で選択的に切替可能であってもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1および第2の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する外部結合される光の偏光状態を改変し、外部結合される光を収束または発散させるように構成されてもよい。これらの実施形態のうちの少なくともいくつかでは、第3および第4の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する外部場面からの光の偏光状態を改変し、外部結合される光を収束または発散させるように構成されてもよい。
【0017】
別の側面では、ディスプレイデバイスは、光学経路内の一対の適応レンズアセンブリを含んでもよい。適応レンズアセンブリはそれぞれさらに、第1の状態と第2の状態との間で切り替わり、それを通して通過する光の偏光状態を選択的に改変するように構成される、対応する切替可能な波長板を含んでもよい。適応レンズアセンブリは、反対符号を伴う屈折力を有してもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリはそれぞれ、適応レンズアセンブリの切替可能な波長板の状態に基づいて調節可能である、個別の屈折力を有してもよい。これらの実施形態のうちの少なくともいくつかでは、ディスプレイデバイスはさらに、対の適応レンズアセンブリのうちの第1のものの第1の屈折力が第1の値であるとき、対の適応レンズアセンブリのうちの第2のものの第2の屈折力が、対応して、第2の値に調節されるように構成される、コントローラを含んでもよい。そのような実施形態のうちの1つ以上のものでは、対の適応レンズアセンブリのうちの第1のものと対の適応レンズアセンブリのうちの第2のものの組み合わせからの正味屈折力は、ほぼ一定値のままであってもよい。例えば、一定値は、約0m-1であってもよい。
【0019】
いくつかの実施例では、ディスプレイデバイスはさらに、対の適応レンズアセンブリ間に介在される、導波管アセンブリを含んでもよい。これらの実施例では、導波管アセンブリは、その中を伝搬する光を適応レンズアセンブリのうちの1つの中に外部結合するように構成される、導波管を含んでもよい。これらの実施例のうちの少なくともいくつかでは、適応レンズアセンブリはそれぞれ、複数の波長板レンズと、複数の切替可能な波長板とを含んでもよい。波長板レンズおよび切替可能な波長板は、交互にスタックされてもよい。加えて、切替可能な波長板および波長板レンズの異なるものは、異なる屈折力を有してもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリはそれぞれ、レンズアセンブリの対応する切替可能な波長板間に介在される、第1および第2の波長板レンズを含んでもよい。これらの実施形態では、波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する光の偏光状態を改変するように構成されてもよい。
【0021】
さらに別の側面では、適応レンズアセンブリは、光学経路内で整合される、1つ以上の波長板レンズおよび1つ以上の切替可能な波長板を含んでもよい。1つ以上の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する光の偏光状態を改変し、第1の屈折力を第1の偏光を有する光に提供し、第2の屈折力を第2の偏光を有する光に提供するように構成されてもよい。1つ以上の切替可能な波長板はそれぞれ、光の偏光状態を改変せずに、光をそれを通して通過させるように構成される、第1の状態と、それを通して通過する光の偏光状態を改変するように構成される、第2の状態との間で選択的に切替可能であってもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、波長板レンズおよび切替可能な波長板の一方または両方は、液晶を含んでもよい。加えて、または代替として、第2の状態における1つ以上の切替可能な波長板はそれぞれ、いくつかの実施形態では、円偏光の掌性を反転させるように構成される、半波長板であってもよい。
【0023】
いくつかの実施例では、切替可能な波長板はそれぞれ、一対の1つ以上の波長板レンズ間に介在される。これらの実施形態のうちの少なくともいくつかでは、適応レンズアセンブリは、複数の波長板レンズおよび複数の切替可能な波長板を含んでもよい。波長板レンズおよび切替可能な波長板は、交互にスタックされてもよい。
【0024】
さらに別の側面では、ウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステムは、光を出力し、画像を形成するように構成される、光変調システムを含んでもよい。本システムはまた、頭部搭載可能フレームを含んでもよい。1つ以上の導波管は、フレームに取り付けられ、光変調システムからの光を受信するように構成されてもよい。本システムは、加えて、一対の適応レンズアセンブリを含んでもよく、1つ以上の導波管が、適応レンズアセンブリ間に配置される。適応レンズアセンブリはそれぞれ、ひいては、第1の屈折力を第1の偏光を有する光に提供し、第2の屈折力を第2の偏光を有する光に提供するように構成される、1つ以上の波長板レンズを含んでもよい。適応レンズアセンブリはそれぞれ、加えて、光学経路内の1つ以上の切替可能な波長板を含んでもよく、1つ以上の切替可能な波長板はそれぞれ、それを通して通過する光の偏光状態を選択的に改変するように構成される。適応レンズアセンブリは、加えて、個別の電気信号の印加に応じて調節可能である、個別の屈折力を提供するように構成されてもよい。
【0025】
さらに別の側面では、拡張現実システムは、第1の適応レンズアセンブリと、第1の適応レンズアセンブリとユーザとの間に位置付けられる、第2の適応レンズアセンブリとを含んでもよい。適応レンズアセンブリはそれぞれ、少なくとも、(i)少なくとも1つの切替可能な光学要素が第1の偏光状態をそれを通してユーザに向かって通過する光に付与するように構成される、第1の状態と、(i)少なくとも1つの切替可能な光学要素が第2の偏光状態をそれを通してユーザに向かって通過する光に付与するように構成される、第2の状態との間で選択的に切替可能である、少なくとも1つの切替可能な光学要素を含んでもよい。適応レンズアセンブリはそれぞれさらに、少なくとも1つの切替可能な光学要素とユーザとの間に位置付けられる、少なくとも1つの波長板レンズを含んでもよい。少なくとも1つの波長板レンズは、第1の個別の屈折力をそれを通してユーザに向かって通過する第1の偏光状態の光に付与し、第2の個別の屈折力をそれを通してユーザに向かって通過する第2の偏光状態の光に付与するように構成されてもよい。適応レンズアセンブリはそれぞれさらに、第1の適応レンズアセンブリと第2の適応レンズアセンブリとの間に位置付けられる、少なくとも1つの導波管を含んでもよい。少なくとも1つの導波管は、仮想コンテンツを表す光を第2のレンズアセンブリを通してユーザに向かって指向するように構成されてもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
拡張現実システムであって、
少なくとも1つの導波管であって、前記少なくとも1つの導波管は、光を受信し、ユーザに向かって再指向するように構成され、前記少なくとも1つの導波管は、前記ユーザの環境からの周囲光がそれを通して前記ユーザに向かって通過することを可能にするようにさらに構成される、少なくとも1つの導波管と、
第1の適応レンズアセンブリであって、前記第1の適応レンズアセンブリは、前記少なくとも1つの導波管と前記環境との間に位置付けられ、前記第1の適応レンズアセンブリは、
前記第1の適応レンズアセンブリが第1の屈折力をそれを通して通過する光に付与するように構成される状態と、
前記第1の適応レンズアセンブリが前記第1の屈折力と異なる屈折力をそれを通して通過する光に付与するように構成される少なくとも1つの他の状態と
の間で選択的に切替可能である、第1の適応レンズアセンブリと、
第2の適応レンズアセンブリであって、前記第2の適応レンズアセンブリは、ユーザによる前記拡張現実システムの装着に応じて、第2の適応レンズアセンブリが前記少なくとも1つの導波管と前記ユーザとの間にあるように位置付けられ、前記第2の適応レンズアセンブリは、
前記第2の適応レンズアセンブリが前記第1の屈折力と異なる第2の屈折力をそれを通して通過する光に付与するように構成される状態と、
前記第2の適応レンズアセンブリが前記第2の屈折力と異なる屈折力をそれを通して通過する光に付与するように構成される少なくとも1つの他の状態と
の間で選択的に切替可能である、第2の適応レンズアセンブリと、
少なくとも1つのプロセッサであって、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1および第2の適応レンズアセンブリに動作可能に結合され、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1および第2の適応レンズアセンブリが実質的に一定の正味屈折力をそれを通して通過する前記環境からの周囲光に付与するように、前記第1および第2の適応レンズアセンブリを異なる状態間で同期して切り替えさせるように構成される、少なくとも1つのプロセッサと
を備える、拡張現実システム。
(項目2)
マイクロディスプレイをさらに備え、前記少なくとも1つの導波管は、前記マイクロディスプレイからの光を受信し、前記ユーザに向かって再指向するように構成される、項目1に記載の拡張現実システム。
(項目3)
前記第1の屈折力および前記第2の屈折力は、反対符号である、項目1に記載の拡張現実システム。
(項目4)
前記第1の屈折力および前記第2の屈折力は、実質的に等しい大きさである、項目3に記載の拡張現実システム。
(項目5)
前記第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、1つ以上の制御信号を前記少なくとも1つのプロセッサから入力として受信し、それに応答して、その後、400ミリ秒未満の時間周期以内に、1つの状態から別の状態に切り替わるように構成される、項目1に記載の拡張現実システム。
(項目6)
前記第1および第2の適応レンズアセンブリがそれぞれ1つの状態から別の状態に切り替わるように構成される時間周期は、200ミリ秒未満である、項目5に記載の拡張現実システム。
(項目7)
前記第1および第2の適応レンズアセンブリがそれぞれ1つの状態から別の状態に切り替わるように構成される時間周期は、100ミリ秒未満である、項目6に記載の拡張現実システム。
(項目8)
前記少なくとも1つの導波管は、出力エリアを備え、それを通して、前記少なくとも1つの導波管は、光を前記ユーザに向かって再指向し、前記ユーザの環境からの周囲光がそれを通して前記ユーザに向かって通過することを可能にするように構成され、前記少なくとも1つの導波管の出力エリアは、その中に前記第1の適応レンズアセンブリのクリア開口が形成される前記第1の適応レンズアセンブリの一部と、その中に前記第2の適応レンズアセンブリのクリア開口が形成される前記第2の適応レンズアセンブリの一部との間に位置付けられる、項目1に記載の拡張現実システム。
(項目9)
その中に前記第1および第2の適応レンズアセンブリのクリア開口がそれぞれ形成される前記第1および第2の適応レンズアセンブリの一部はそれぞれ、前記少なくとも1つの導波管の出力エリアより大きいサイズである、項目8に記載の拡張現実システム。
(項目10)
前記第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、2つの状態間で切替可能な単極である少なくとも1つの光学要素を含む、項目1に記載の拡張現実システム。
(項目11)
前記少なくとも1つの光学要素は、
前記少なくとも1つの光学要素が第1の偏光状態をそれを通して前記ユーザに向かって通過する光に付与するように構成される第1の状態と、
前記少なくとも1つの光学要素が前記第1の偏光状態と異なる第2の偏光状態をそれを通して通過する光に付与するように構成される第2の状態と
の間で切替可能な単極である、項目10に記載の拡張現実システム。
(項目12)
前記第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、少なくとも1つの波長板レンズを含み、前記少なくとも1つの波長板レンズが、ユーザによる前記拡張現実システムの装着に応じて、前記少なくとも1つの光学要素と前記ユーザとの間にあるように位置付けられ、
前記少なくとも1つの波長板レンズは、1つの屈折力をそれを通して通過する前記第1の偏光状態の光に付与し、別の異なる屈折力をそれを通して通過する前記第2の偏光状態の光に付与するように構成される、項目11に記載の拡張現実システム。
(項目13)
前記第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、2つの状態間で切替可能な単極である、ある量の光学要素を含み、前記第1および第2の適応レンズアセンブリのそれぞれ内に含まれる前記光学要素の量は、第1の値と等しく、
前記第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、ある量の異なる状態の中から状態間で選択的に切替可能であり、前記異なる状態の量は、前記第1の値に指数関数的に依存する第2の値と等しい、項目10に記載の拡張現実システム。
(項目14)
前記第2の値は、指数を伴う2の冪乗と等しく、前記指数は、前記第1の値と等しい、項目13に記載の拡張現実システム。
(項目15)
前記少なくとも1つの導波管は、仮想コンテンツを表す光を受信し、前記ユーザに向かって再指向するように構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1および第2の適応レンズアセンブリを、前記異なる状態の量の中からの異なる状態間で同期して切り替えさせ、それを通して通過する光によって表される仮想コンテンツがユーザによって知覚されるべき前記ユーザから離れた距離を調節するように構成される、項目13に記載の拡張現実システム。
(項目16)
それを通して通過する光によって表される仮想コンテンツがユーザによって知覚されるべき前記ユーザから離れた距離は、ある量の異なる距離のいずれかに選択的に切替可能であり、前記異なる距離の量は、前記第2の値と等しい、項目15に記載の拡張現実システム。
(項目17)
ディスプレイデバイスであって、
外部結合される光を前記導波管の出力表面に沿って出力するように構成される導波管を備える導波管アセンブリと、
前記出力表面に面した第1の主要表面を有する第1の適応レンズアセンブリであって、前記第1の適応レンズアセンブリは、
第1の波長板レンズと、
第2の波長板レンズと、
前記第1の波長板レンズと前記第2の波長板レンズとの間に介在される第1の切替可能な波長板であって、前記第1の切替可能な波長板は、
前記外部結合される光の偏光状態を改変させずに、前記外部結合される光を通過させるように構成される第1の状態と、
それを通して通過する前記外部結合される光の偏光状態を改変するように構成される第2の状態と
の間で選択的に切替可能である、切替可能な波長板と
を備える、第1の適応レンズアセンブリと、
前記出力表面と反対の外部場面に面した第2の主要表面と、前記第1の主要表面に面した第2の準主要表面とを有する第2の適応レンズアセンブリであって、前記第2の適応レンズアセンブリは、
第3の波長板レンズと、
第4の波長板レンズと、
前記第3の波長板レンズと前記第4の波長板レンズとの間に介在される第2の切替可能な波長板であって、前記第2の切替可能な波長板は、
前記外部場面からの光の偏光状態を改変させずに、前記外部場面からの光を通過させるように構成される第3の状態と、
それを通して通過する前記外部場面からの光の偏光状態を改変するように構成される第4の状態と
の間で選択的に切替可能である、第2の切替可能な波長板と
を備える、第2の適応レンズアセンブリと
を備える、ディスプレイデバイス。
(項目18)
前記第1および第2の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する外部結合される光の偏光状態を改変し、前記外部結合される光を収束または発散させるように構成される、項目17に記載のディスプレイデバイス。
(項目19)
前記第3および第4の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する前記外部場面からの光の偏光状態を改変させ、前記外部結合される光を収束または発散させるように構成される、項目18に記載のディスプレイデバイス。
(項目20)
ユーザによる前記拡張現実システムの装着に応じて、前記導波管アセンブリとユーザとの間に配置されるように位置付けられる、1つ以上の偏光選択的方向転換要素をさらに備え、前記第1の波長板レンズは、前記第2の波長板レンズよりユーザの近くに位置付けられる、項目17に記載の拡張現実システム。
(項目21)
前記1つ以上の偏光選択的方向転換要素は、ユーザによる前記拡張現実システムの装着に応じて、前記ユーザと前記第1の波長板レンズとの間に配置されるように位置付けられる第1の偏光選択的方向転換要素を含む、項目20に記載の拡張現実システム。
(項目22)
前記1つ以上の偏光選択的方向転換要素は、前記導波管アセンブリと前記第2の波長板レンズとの間に配置される、第2の偏光選択的方向転換要素を含む、項目20に記載の拡張現実システム。
(項目23)
前記1つ以上の偏光選択的方向転換要素は、偏光格子、回折光学要素、および/またはホログラフィック光学要素のうちの1つ以上のものを含む、項目20に記載の拡張現実システム。
(項目24)
前記導波管アセンブリと前記外部場面との間に配置される1つ以上の偏光選択的方向転換要素をさらに備え、前記第3の波長板レンズは、前記第4の波長板レンズより前記外部場面に近い、項目17に記載の拡張現実システム。
(項目25)
前記1つ以上の偏光選択的方向転換要素は、前記外部場面と前記第3の波長板レンズとの間に配置される第3の偏光選択的方向転換要素を含む、項目24に記載の拡張現実システム。
(項目26)
前記1つ以上の偏光選択的方向転換要素は、前記導波管アセンブリと前記第4の波長板レンズとの間に配置される第4の偏光選択的方向転換要素を含む、項目24に記載の拡張現実システム。
(項目27)
前記1つ以上の偏光選択的方向転換要素は、偏光格子、回折光学要素、および/またはホログラフィック光学要素のうちの1つ以上のものを含む、項目24に記載の拡張現実システム。
(項目28)
ディスプレイデバイスであって、
光学経路内の一対の適応レンズアセンブリを備え、前記適応レンズアセンブリはそれぞれ、
対応する切替可能な波長板を備え、前記対応する切替可能な波長板は、第1の状態と第2の状態との間で切り替わり、それを通して通過する光の偏光状態を選択的に改変するように構成され、
前記適応レンズアセンブリは、反対符号を伴う屈折力を有する、
ディスプレイデバイス。
(項目29)
前記適応レンズアセンブリはそれぞれ、前記適応レンズアセンブリの切替可能な波長板の状態に基づいて調節可能である、個別の屈折力を有する、項目28に記載のディスプレイデバイス。
(項目30)
コントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記一対の適応レンズアセンブリのうちの第1のものの第1の屈折力が第1の値であるとき、前記一対の適応レンズアセンブリのうちの第2のものの第2の屈折力が、対応して、第2の値に調節されるように構成される、項目29に記載のディスプレイデバイス。
(項目31)
前記一対の適応レンズアセンブリのうちの第1のものと前記一対の適応レンズアセンブリのうちの第2のものとの組み合わせからの正味屈折力は、ほぼ一定値のままである、項目30に記載のディスプレイデバイス。
(項目32)
前記一定値は、約0m-1である、項目31に記載のディスプレイデバイス。
(項目33)
前記適応レンズアセンブリはそれぞれ、第1および第2の波長板レンズを備え、
前記適応レンズアセンブリのそれぞれの前記対応する切替可能な波長板は、前記第1の波長板レンズと第2の波長板レンズとの間に介在され、
前記波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する光の偏光状態を改変するように構成される、項目28に記載のディスプレイデバイス。
(項目34)
前記ディスプレイデバイスはさらに、前記一対の適応レンズアセンブリ間に介在される導波管アセンブリを備え、前記導波管アセンブリは、その中を伝搬する前記光を前記適応レンズアセンブリのうちの1つの中に外部結合するように構成される導波管を備える、項目28に記載のディスプレイデバイス。
(項目35)
前記適応レンズアセンブリはそれぞれ、複数の波長板レンズと、複数の切替可能な波長板とを備え、前記波長板レンズおよび前記切替可能な波長板は、交互にスタックされる、項目34に記載のディスプレイデバイス。
(項目36)
前記切替可能な波長板および波長板レンズの異なるものは、異なる屈折力を有する、項目35に記載のディスプレイデバイス。
(項目37)
適応レンズアセンブリであって、
光学経路内で整合される1つ以上の波長板レンズおよび1つ以上の切替可能な波長板を備え、
前記1つ以上の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する光の偏光状態を改変し、第1の屈折力を第1の偏光を有する光に提供し、第2の屈折力を第2の偏光を有する光に提供するように構成され、
前記1つ以上の切替可能な波長板はそれぞれ、
前記光の偏光状態を改変せずに、前記光をそれを通して通過させるように構成される第1の状態と、
それを通して通過する前記光の偏光状態を改変するように構成される第2の状態と
の間で選択的に切替可能である、適応レンズアセンブリ。
(項目38)
前記波長板レンズおよび前記切替可能な波長板の一方または両方は、液晶を備える、項目37に記載の適応レンズアセンブリ。
(項目39)
前記第2の状態における前記1つ以上の切替可能な波長板はそれぞれ、アクティブ化されると、円偏光の掌性を反転させるように構成される切替可能な半波長板である、項目37に記載の適応レンズアセンブリ。
(項目40)
前記切替可能な波長板はそれぞれ、一対の前記1つ以上の波長板レンズ間に介在される、項目37に記載の適応レンズアセンブリ。
(項目41)
前記適応レンズアセンブリは、複数の前記波長板レンズと、複数の前記切替可能な波長板とを備え、前記波長板レンズおよび前記切替可能な波長板は、交互にスタックされる、項目40に記載の適応レンズアセンブリ。
(項目42)
ウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステムであって、
光変調システムであって、前記光変調システムは、光を出力し、画像を形成するように構成される、光変調システムと、
頭部搭載可能フレームと、
1つ以上の導波管であって、前記1つ以上の導波管は、前記フレームに取り付けられ、前記画像を前記光変調システムから受信し、前記頭部搭載可能フレームの外側に再指向するように構成される、1つ以上の導波管と、
一対の適応レンズアセンブリであって、前記1つ以上の導波管は、前記一対の適応レンズアセンブリ間に配置され、前記一対の適応レンズアセンブリのそれぞれは、
光学経路内の1つ以上の波長板レンズであって、前記1つ以上の波長板レンズのそれぞれは、第1の屈折力を第1の偏光を有する光に提供し、第2の屈折力を第2の偏光を有する光に提供するように構成される、1つ以上の波長板レンズと、
前記光学経路内の1つ以上の切替可能な波長板であって、前記1つ以上の切替可能な波長板のそれぞれは、それを通して通過する光の偏光状態を選択的に改変するように構成される、1つ以上の切替可能な波長板と
を備え、
前記一対の適応レンズアセンブリはそれぞれ、前記1つ以上の切替可能な波長板の個別のものへの個別の電気信号の印加に応じて調節可能である個別の屈折力を提供するように構成される、
一対の適応レンズアセンブリと
を備える、ウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステム。
(項目43)
前記一対の適応レンズアセンブリに動作可能に結合される少なくとも1つのプロセッサをさらに備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記一対の適応レンズアセンブリを異なる状態間で同期して切り替えさせるように構成され、前記異なる状態は、実質的に一定の正味屈折力をそれを通して通過する環境からの周囲光に提供する、項目42に記載のウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステム。
(項目44)
マイクロディスプレイをさらに備え、前記1つ以上の導波管は、前記マイクロディスプレイからの光を受信し、ユーザに向かって再指向するように構成される、項目42に記載のウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステム。
(項目45)
前記一対の適応レンズアセンブリは、反対符号である屈折力を提供するように構成される、項目42に記載のウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステム。
(項目46)
前記一対の適応レンズアセンブリは、実質的に等しい大きさである屈折力を提供するように構成される、項目45に記載のウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステム。
(項目47)
前記一対の適応レンズアセンブリはそれぞれ、1つ以上の制御信号を前記少なくとも1つのプロセッサから入力として受信し、それに応答して、その後、400ミリ秒未満の時間周期以内に、1つの状態から別の状態に切り替わるように構成される、項目43に記載のウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステム。
(項目48)
前記1つ以上の導波管は、前記仮想コンテンツを表す画像を受信し、ユーザに向かって再指向するように構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記一対の適応レンズアセンブリを、前記異なる状態の量の中からの異なる状態間で同期して切り替えさせ、それを通して通過する光によって表される仮想コンテンツがユーザによって知覚される前記ユーザから離れた距離を調節するように構成される、項目42に記載のウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステム。
(項目49)
前記仮想コンテンツがユーザによって知覚される前記ユーザから離れた距離は、複数の異なる距離間で選択的に切替可能である、項目48に記載のウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステム。
(項目50)
拡張現実システムであって、
第1の適応レンズアセンブリおよび第2の適応レンズアセンブリであって、前記第2の適応レンズアセンブリは、前記第1の適応レンズアセンブリとユーザとの間に位置付けられ、適応レンズアセンブリのそれぞれは、
少なくとも1つの切替可能な光学要素であって、前記少なくとも1つの切替可能な光学要素は、少なくとも、(i)前記少なくとも1つの切替可能な光学要素が第1の偏光状態をそれを通して前記ユーザに向かって通過する光に付与するように構成される第1の状態と、(i)前記少なくとも1つの切替可能な光学要素が第2の偏光状態をそれを通して前記ユーザに向かって通過する光に付与するように構成される第2の状態との間で選択的に切替可能である、少なくとも1つの切替可能な光学要素と、
少なくとも1つの波長板レンズであって、前記少なくとも1つの波長板レンズは、前記少なくとも1つの波長板レンズが、ユーザによる前記拡張現実システムの装着に応じて、前記少なくとも1つの切替可能な光学要素と前記ユーザとの間にあるように位置付けられ、前記少なくとも1つの波長板レンズは、第1の個別の屈折力をそれを通して前記ユーザに向かって通過する前記第1の偏光状態の光に付与し、第2の個別の屈折力をそれを通して前記ユーザに向かって通過する前記第2の偏光状態の光に付与するように構成される、少なくとも1つの波長板レンズと
を備える、第1の適応レンズアセンブリおよび第2の適応レンズアセンブリと、
前記第1の適応レンズアセンブリと前記第2の適応レンズアセンブリとの間に位置付けられる少なくとも1つの導波管であって、前記少なくとも1つの導波管は、仮想コンテンツを表す光を前記第2のレンズアセンブリを通して前記ユーザに向かって指向するように構成される、少なくとも1つの導波管と
を備える、拡張現実システム。
(項目51)
前記第1および第2の適応レンズアセンブリに動作可能に結合される少なくとも1つのプロセッサをさらに備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1および第2の適応レンズアセンブリを異なる状態間で同期して切り替えさせるように構成され、前記異なる状態は、実質的に一定の正味屈折力をそれを通して通過する環境からの周囲光に提供する、項目50に記載の拡張現実システム。
(項目52)
マイクロディスプレイをさらに備え、前記少なくとも1つの導波管は、前記マイクロディスプレイからの光を受信し、前記ユーザに向かって再指向するように構成される、項目50に記載の拡張現実システム。
(項目53)
前記第1および第2の適応レンズアセンブリは、反対符号である屈折力を提供するように構成される、項目50に記載の拡張現実システム。
(項目54)
前記第1および第2の適応レンズアセンブリは、実質的に等しい大きさである屈折力を提供するように構成される、項目53に記載の拡張現実システム。
(項目55)
前記第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、1つ以上の制御信号を前記少なくとも1つのプロセッサから入力として受信し、それに応答して、その後、400ミリ秒未満の時間周期以内に、1つの状態から別の状態に切り替わるように構成される、項目51に記載の拡張現実システム。
(項目56)
前記第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、2つの状態間で切替可能な単極であるある量の光学要素を含み、前記第1および第2の適応レンズアセンブリのそれぞれ内に含まれる前記光学要素の量は、第1の値と等しく、
前記第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、ある量の異なる状態の中から状態間で選択的に切替可能であり、前記異なる状態の量は、前記第1の値に指数関数的に依存する第2の値と等しい、項目50に記載の拡張現実システム。
(項目57)
前記第2の値は、指数を伴う2の冪乗と等しく、前記指数は、前記第1の値と等しい、項目56に記載の拡張現実システム。
(項目58)
前記1つ以上の導波管は、仮想コンテンツを表す光を受信し、前記ユーザに向かって再指向するように構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記一対の適応レンズアセンブリを、前記異なる状態の量の中からの異なる状態間で同期して切り替えさせ、それを通して通過する光によって表される仮想コンテンツがユーザによって知覚される前記ユーザから離れた距離を調節するように構成される、項目56に記載の拡張現実システム。
(項目59)
仮想コンテンツがユーザによって知覚される前記ユーザから離れた距離は、ある量の異なる距離のいずれかに選択的に切替可能であり、前記異なる距離の量は、前記第2の値と等しい、項目58に記載の拡張現実システム。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0027】
【
図2】
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【0028】
【
図3】
図3A-3Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【0029】
【
図4A】
図4Aは、ヒト視覚系の遠近調節(accmmodation)-輻輳・開散運動(vergence)応答の表現を図示する。
【0030】
【
図4B】
図4Bは、一対のユーザの眼の異なる遠近調節状態および輻輳・開散運動状態の実施例を図示する。
【0031】
【
図4C】
図4Cは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の実施例を図示する。
【0032】
【
図4D】
図4Dは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の別の実施例を図示する。
【0033】
【
図5】
図5は、波面発散を修正することによって3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0034】
【
図6】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。
【0035】
【
図7】
図7は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を図示する。
【0036】
【
図8】
図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。
【0037】
【
図9A】
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、スタックされた導波管のセットの実施例の断面側面図を図示する。
【0038】
【0039】
【
図9C】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。
【0040】
【
図9D】
図9Dは、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0041】
【
図10】
図10は、一対の適応レンズアセンブリを備える、ディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0042】
【
図11】
図11Aは、仮想コンテンツをユーザにある仮想深度平面において表示する、
図10のディスプレイシステムの実施例を図示する。
図11Bは、実世界コンテンツのビューをユーザに提供する、
図10のディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0043】
【0044】
【0045】
【
図12C】
図12Cは、光の偏光および光が入射する側に応じて、異なる屈折力を提供し、それを通して通過する光を発散または収束させる、波長板レンズの実施例を図示する。
【0046】
【
図12D】
図12Dは、光の偏光および光が入射する側に応じて、異なる屈折力を提供し、それを通して通過する光を発散または収束させる、波長板レンズの実施例を図示する。
【0047】
【
図13A】
図13Aは、波長板レンズと、切替可能な波長板とを備える、適応レンズアセンブリの実施例を図示する。
【0048】
【
図13B】
図13Bは、動作時、切替可能な波長板が非アクティブ化されている、
図13Aの適応レンズアセンブリの実施例を図示する。
【0049】
【
図13C】
図13Cは、動作時、切替可能な波長板がアクティブ化されている、
図13Aの適応レンズアセンブリの実施例を図示する。
【0050】
【
図14A】
図14Aは、動作時、切替可能な波長板が非アクティブ化されている、それぞれ、波長板レンズと、切替可能な波長板とを備える、一対の適応レンズアセンブリを備える、ディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【0051】
【
図14B】
図14Bは、動作時、切替可能な波長板がアクティブ化されている、
図14Aのディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【0052】
【
図15】
図15は、それぞれ、交互にスタックされる、波長板レンズと、切替可能な波長板とを備える、一対の適応レンズアセンブリを備える、ディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【0053】
【
図16】
図16は、
図15のディスプレイデバイスを使用して生成され得る、複数の仮想深度平面の実施例を図示する。
【0054】
【
図17A】
図17A-17Hは、
図15に図示される複数の仮想深度平面を生成するための種々の構成下の
図15のディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【
図17B】
図17A-17Hは、
図15に図示される複数の仮想深度平面を生成するための種々の構成下の
図15のディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【
図17C】
図17A-17Hは、
図15に図示される複数の仮想深度平面を生成するための種々の構成下の
図15のディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【
図17D】
図17A-17Hは、
図15に図示される複数の仮想深度平面を生成するための種々の構成下の
図15のディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【
図17E】
図17A-17Hは、
図15に図示される複数の仮想深度平面を生成するための種々の構成下の
図15のディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【
図17F】
図17A-17Hは、
図15に図示される複数の仮想深度平面を生成するための種々の構成下の
図15のディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【
図17G】
図17A-17Hは、
図15に図示される複数の仮想深度平面を生成するための種々の構成下の
図15のディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【
図17H】
図17A-17Hは、
図15に図示される複数の仮想深度平面を生成するための種々の構成下の
図15のディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【0055】
【
図18A】
図18Aおよび18Bは、一対の適応レンズアセンブリと、一対の固定レンズとを備える、ディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【
図18B】
図18Aおよび18Bは、一対の適応レンズアセンブリと、一対の固定レンズとを備える、ディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【0056】
【
図19】
図19は、一対の適応レンズアセンブリと、固定レンズとを備える、ディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【0057】
図面全体を通して、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために再使用され得る。図面は、本明細書に説明される例示的実施形態を図示するために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0058】
ARシステムは、依然として、ユーザに彼らの周囲の世界が見えることを可能にしながら、仮想コンテンツをユーザまたは視認者に表示し得る。好ましくは、本コンテンツは、例えば、画像情報をユーザの眼に投影する、アイウェアの一部としての頭部搭載型ディスプレイ上に表示される。加えて、ディスプレイはまた、周囲環境からの光をユーザの眼に透過させ、その周囲環境のビューを可能にしてもよい。本明細書で使用されるように、「頭部搭載型」または「頭部搭載可能である」ディスプレイは、視認者またはユーザの頭部上に搭載され得る、ディスプレイであることを理解されたい。
【0059】
いくつかのARシステムでは、複数の導波管は、仮想画像を複数の仮想深度平面(単に、本明細書では、「深度平面」とも称される)に形成するように構成されてもよい。複数の導波管の異なる導波管は、異なる屈折力を有してもよく、ユーザの眼から異なる距離に形成されてもよい。ディスプレイシステムはまた、屈折力を提供する、または加えて提供する、複数のレンズを含んでもよい。導波管および/またはレンズの屈折力は、画像を異なる仮想深度平面に提供し得る。望ましくないことに、導波管およびレンズはそれぞれ、ディスプレイの全体的厚さ、重量、およびコストを増加させ得る。
【0060】
有利には、本明細書に説明される種々の実施形態では、適応レンズアセンブリが、可変屈折力を提供し、例えば、レンズアセンブリを通して伝搬する光の波面発散を修正し、仮想深度平面をユーザから異なる知覚距離に提供するために利用されてもよい。適応レンズアセンブリは、それらの間に配置される、切替可能な波長板を有する、一対の波長板レンズを含んでもよい。第1および第2の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する光の偏光状態を改変するように構成されてもよく、切替可能な波長板は、複数の状態、例えば、光の偏光を変化させずに、光が通過することを可能にする、第1の状態と、光の偏光を改変する、第2の状態(例えば、偏光の掌性を変化させることによって)との間で切替可能であってもよい。いくつかの実施形態では、波長板レンズの一方または両方が、これらの第1の状態と第2の状態との間の切替可能であってもよく、上記の介在する切替可能な波長板は、省略されてもよい。
【0061】
適応レンズアセンブリは、複数の波長板レンズおよび複数の切替可能な波長板のスタックを備えてもよいことを理解されたい。例えば、適応レンズアセンブリは、介在する切替可能な波長板を伴う、一対の波長板レンズを備える、複数のサブアセンブリを備えてもよい。いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリは、交互する波長板レンズおよび切替可能な波長板を含んでもよい。有利には、そのような交互配列は、近傍の切替可能な波長板に共通波長板レンズを共有させることによって、厚さおよび重量の低減を可能にする。いくつかの実施形態では、スタック内の切替可能なプレートの種々の組み合わせの状態を切り替えることによって、2つを上回る離散レベルの屈折力が、提供されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリは、導波管アセンブリとともに、ディスプレイデバイスを形成し、画像を異なる仮想深度平面に形成する。種々の実施形態では、ディスプレイデバイスは、導波管アセンブリによって介在される、一対の適応レンズアセンブリを備える。導波管アセンブリは、光(例えば、可視光)をその中に伝搬し(例えば、全内部反射を介して)、光を外部結合するように構成される、導波管を含む。例えば、光は、導波管の主要表面に対して法線方向の光学軸方向に沿って外部結合されてもよい。対の適応レンズアセンブリのうちの1つは、導波管アセンブリの第1の側上に形成されてもよく、可変屈折力を提供し、適応レンズアセンブリを通して通過する光の波面を修正し、画像を複数の仮想深度平面のそれぞれに形成するように構成されてもよい。例えば、適応レンズアセンブリは、導波管アセンブリから受信された外部結合される光を収束または発散させ得る。適応レンズアセンブリおよび/または導波管アセンブリを通して伝搬する周囲光の収束または発散に起因する、実世界ビューの修正を補償するために、対の適応レンズアセンブリの他方が、加えて、第1の側と反対の導波管アセンブリの第2の側上に提供される。各適応レンズアセンブリの切替可能な波長板が、対応する状態をとると、適応レンズアセンブリは、適応レンズアセンブリの他方が、導波管アセンブリの第1の側上の適応レンズアセンブリによって生じる歪曲を補正するように、反対符号を伴う屈折力を有し得る。
【0063】
有利には、持続的に可変の光学要素を有する、持続的に可変の適応レンズに対して、2つの状態間で切替可能な切替可能な波長板を利用することは、適応レンズアセンブリの駆動を簡略化させ、所望の屈折力のために適応レンズアセンブリを適切にアクティブ化する方法を決定するために必要とされるコンピュータ処理パワーを低減させる。加えて、適応レンズアセンブリが導波管によって出力された光の波面発散を修正することを可能にすることによって、複数の深度平面を提供するために必要とされる導波管の数は、各導波管が特定の量の波面発散を提供する配列に対して、低減される。
【0064】
ここで、図を参照するが、同様の参照番号は、全体を通して同様の部分を指す。別様に示されない限り、図面は、概略であって、必ずしも、正確な縮尺で描かれていない。
【0065】
例示的ディスプレイシステム
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。ユーザの眼は、離間されており、空間内の実オブジェクトを見ているとき、各眼は、オブジェクトの若干異なるビューを有し、オブジェクトの画像を各眼の網膜上の異なる場所に形成し得ることを理解されたい。これは、両眼視差と称され得、ヒト視覚系によって、深度の知覚を提供するために利用され得る。従来のディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが所望の深度における実オブジェクトであるように各眼によって見えるであろう仮想オブジェクトのビューに対応する、眼210、220毎に1つの同一仮想オブジェクトの若干異なるビューを伴う2つの明確に異なる画像190、200を提示することによって、両眼視差をシミュレートする。これらの画像は、ユーザの視覚系が深度の知覚を導出するために解釈し得る、両眼キューを提供する。
【0066】
図2を継続して参照すると、画像190、200は、z-軸上で距離230だけ眼210、220から離間される。z-軸は、その眼が視認者の直前の光学無限遠におけるオブジェクトを固視している状態の視認者の光学軸と平行である。画像190、200は、平坦であって、眼210、220から固定距離にある。それぞれ、眼210、220に提示される画像内の仮想オブジェクトの若干異なるビューに基づいて、眼は、自然に、オブジェクトの画像が眼のそれぞれの網膜上の対応する点に来て、単一両眼視を維持するように回転し得る。本回転は、眼210、220のそれぞれの視線を仮想オブジェクトが存在するように知覚される空間内の点上に収束させ得る。その結果、3次元画像の提供は、従来、ユーザの眼210、220の輻輳・開散運動を操作し得、ヒト視覚系が深度の知覚を提供するように解釈する、両眼キューを提供することを伴う。
【0067】
しかしながら、深度の現実的かつ快適な知覚の生成は、困難である。眼からの異なる距離におけるオブジェクトからの光は、異なる発散量を伴う波面を有することを理解されたい。
図3A-3Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼210との間の距離は、減少距離R1、R2、およびR3の順序で表される。
図3A-3Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。逆に言えば、距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成されるライトフィールドは、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言え得る。曲率が増加すると、オブジェクトと眼210の間の距離が減少する。単眼210のみが、例証を明確にするために、
図3A-3Cおよび本明細書の種々の他の図に図示されるが、眼210に関する議論は、視認者の両眼210および220に適用され得る。
【0068】
図3A-3Cを継続して参照すると、視認者の眼が固視しているオブジェクトからの光は、異なる波面発散度を有し得る。異なる波面発散量に起因して、光は、眼の水晶体によって異なるように集束され得、これは、ひいては、水晶体に、異なる形状をとり、集束された画像を眼の網膜上に形成することを要求し得る。集束された画像が、網膜上に形成されない場合、結果として生じる網膜ぼけは、集束された画像が網膜上に形成されるまで、眼の水晶体の形状に変化を生じさせる、遠近調節のためのキューとして作用する。例えば、遠近調節のためのキューは、眼の水晶体を囲繞する毛様筋の弛緩または収縮を誘起し、それによって、レンズを保持する提靭帯に印加される力を変調し、したがって、固視されているオブジェクトの網膜ぼけが排除または最小限にされるまで、眼の水晶体の形状を変化させ、それによって、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成し得る。眼の水晶体が形状を変化させるプロセスは、遠近調節と称され得、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成するために要求される眼の水晶体の形状は、遠近調節状態と称され得る。
【0069】
ここで
図4Aを参照すると、ヒト視覚系の遠近調節-輻輳・開散運動応答の表現が、図示される。オブジェクトを固視するための眼の移動は、眼にオブジェクトからの光を受信させ、光は、画像を眼の網膜のそれぞれ上に形成する。網膜上に形成される画像内の網膜ぼけの存在は、遠近調節のためのキューを提供し得、網膜上の画像の相対的場所は、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。遠近調節するためのキューは、遠近調節を生じさせ、眼の水晶体がオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成する特定の遠近調節状態をとる結果をもたらす。一方、輻輳・開散運動のためのキューは、各眼の各網膜上に形成される画像が単一両眼視を維持する対応する網膜点にあるように、輻輳・開散運動移動(眼の回転)を生じさせる。これらの位置では、眼は、特定の輻輳・開散運動状態をとっていると言え得る。
図4Aを継続して参照すると、遠近調節は、眼が特定の遠近調節状態を達成するプロセスであると理解され得、輻輳・開散運動は、眼が特定の輻輳・開散運動状態を達成するプロセスであると理解され得る。
図4Aに示されるように、眼の遠近調節および輻輳・開散運動状態は、ユーザが別のオブジェクトを固視する場合、変化し得る。例えば、遠近調節された状態は、ユーザがz-軸上の異なる深度における新しいオブジェクトを固視する場合、変化し得る。
【0070】
理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動および遠近調節の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」であると知覚し得ると考えられる。前述のように、2つの眼の相互に対する輻輳・開散運動移動(例えば、瞳孔が相互に向かって、またはそこから移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような眼の回転)は、眼の水晶体の遠近調節と密接に関連付けられる。通常条件下では、眼の水晶体の形状を変化させ、1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに焦点を変化させることは、自動的に、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」として知られる関係下、同一距離まで輻輳・開散運動における整合する変化を生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動における変化は、通常条件下、水晶体形状における整合する変化を誘起するであろう。
【0071】
ここで
図4Bを参照すると、眼の異なる遠近調節および輻輳・開散運動状態の実施例が、図示される。対の眼222aは、光学無限遠におけるオブジェクトを固視する一方、対の眼222bは、光学無限遠未満におけるオブジェクト221を固視する。着目すべきこととして、各対の眼の輻輳・開散運動状態は、異なり、対の眼222aは、まっすぐ指向される一方、対の眼222は、オブジェクト221上に収束する。各対の眼222aおよび222bを形成する眼の遠近調節状態もまた、水晶体210a、220aの異なる形状によって表されるように異なる。
【0072】
望ましくないことに、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くのユーザは、これらのディスプレイにおける遠近調節と輻輳・開散運動状態との間の不整合に起因して、そのような従来のシステムを不快であると見出す、または奥行感を全く知覚しない場合がある。前述のように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、若干異なる画像を各眼に提供することによって、場面を表示する。そのようなシステムは、それらが、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供し、眼の輻輳・開散運動状態に変化を生じさせるが、それらの眼の遠近調節状態に対応する変化を伴わないため、多くの視認者にとって不快である。むしろ、画像は、眼が全ての画像情報を単一遠近調節状態において視認するように、ディスプレイによって眼から固定距離に示される。そのような配列は、遠近調節状態における整合する変化を伴わずに輻輳・開散運動状態に変化を生じさせることによって、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」に逆らう。本不整合は、視認者不快感を生じさせると考えられる。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な整合を提供する、ディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0073】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。いくつかの実施形態では、異なる提示は、輻輳・開散運動のためのキューおよび遠近調節するための整合するキューの両方を提供し、それによって、生理学的に正しい遠近調節-輻輳・開散運動整合を提供してもよい。
【0074】
図4Bを継続して参照すると、眼210、220からの空間内の異なる距離に対応する、2つの深度平面240が、図示される。所与の深度平面240に関して、輻輳・開散運動キューが、眼210、220毎に適切に異なる視点の画像を表示することによって提供されてもよい。加えて、所与の深度平面240に関して、各眼210、220に提供される画像を形成する光は、その深度平面240の距離におけるある点によって生成されたライトフィールドに対応する波面発散を有してもよい。
【0075】
図示される実施形態では、点221を含有する、深度平面240のz-軸に沿った距離は、1mである。本明細書で使用されるように、z-軸に沿った距離または深度は、ユーザの眼の射出瞳に位置するゼロ点を用いて測定されてもよい。したがって1mの深度に位置する深度平面240は、眼が光学無限遠に向かって指向された状態でそれらの眼の光学軸上のユーザの眼の射出瞳から1m離れた距離に対応する。近似値として、z-軸に沿った深度または距離は、ユーザの眼の正面のディスプレイ(例えば、導波管の表面)から測定され、デバイスとユーザの眼の射出瞳との間の距離に関する値が加えられてもよい。その値は、瞳距離と呼ばれ、ユーザの眼の射出瞳と眼の正面のユーザによって装着されるディスプレイとの間の距離に対応し得る。実際は、瞳距離に関する値は、概して、全ての視認者に関して使用される、正規化された値であってもよい。例えば、瞳距離は、20mmであると仮定され得、1mの深度における深度平面は、ディスプレイの正面の980mmの距離にあり得る。
【0076】
ここで
図4Cおよび4Dを参照すると、整合遠近調節-輻輳・開散運動距離および不整合遠近調節-輻輳・開散運動距離の実施例が、それぞれ、図示される。
図4Cに図示されるように、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトの画像を各眼210、220に提供してもよい。画像は、眼210、220に、眼が深度平面240上の点15上に収束する、輻輳・開散運動状態をとらせ得る。加えて、画像は、その深度平面240における実オブジェクトに対応する波面曲率を有する光によって形成され得る。その結果、眼210、220は、画像がそれらの眼の網膜上に合焦する、遠近調節状態をとる。したがって、ユーザは、仮想オブジェクトを深度平面240上の点15にあるように知覚し得る。
【0077】
眼210、220の遠近調節および輻輳・開散運動状態はそれぞれ、z-軸上の特定の距離と関連付けられることを理解されたい。例えば、眼210、220からの特定の距離におけるオブジェクトは、それらの眼に、オブジェクトの距離に基づいて、特定の遠近調節状態をとらせる。特定の遠近調節状態と関連付けられた距離は、遠近調節距離Adと称され得る。同様に、特定の輻輳・開散運動状態における眼と関連付けられた特定の輻輳・開散運動距離Vdまたは相互に対する位置が、存在する。遠近調節距離および輻輳・開散運動距離が整合する場合、遠近調節と輻輳・開散運動との間の関係は、生理学的に正しいと言える。これは、視認者に最も快適なシナリオであると見なされる。
【0078】
しかしながら、立体視ディスプレイでは、遠近調節距離および輻輳・開散運動距離は、常時、整合しない場合がある。例えば、
図4Dに図示されるように、眼210、220に表示される画像は、深度平面240に対応する波面発散を伴って表示され得、眼210、220は、その深度平面上の点15a、15bが合焦する、特定の遠近調節状態をとり得る。しかしながら、眼210、220に表示される画像は、眼210、220を深度平面240上に位置しない点15上に収束させる、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。その結果、遠近調節距離は、いくつかの実施形態では、眼210、220の射出瞳から深度平面240の距離に対応する一方、輻輳・開散運動距離は、眼210、220の射出瞳から点15までのより大きい距離に対応する。遠近調節距離は、輻輳・開散運動距離と異なる。その結果、遠近調節-輻輳・開散運動不整合が存在する。そのような不整合は、望ましくないと見なされ、不快感をユーザに生じさせ得る。不整合は、距離(例えば、V
d-A
d)に対応し、ジオプタを使用して特性評価され得ることを理解されたい。
【0079】
いくつかの実施形態では、眼210、220の射出瞳以外の参照点も、同一参照点が遠近調節距離および輻輳・開散運動距離のために利用される限り、遠近調節-輻輳・開散運動不整合を決定するための距離を決定するために利用されてもよいことを理解されたい。例えば、距離は、角膜から深度平面、網膜から深度平面、接眼レンズ(例えば、ディスプレイデバイスの導波管)から深度平面等まで測定され得る。
【0080】
理論によって限定されるわけではないが、ユーザは、不整合自体が有意な不快感を生じさせずに、依然として、最大約0.25ジオプタ、最大約0.33ジオプタ、および最大約0.5ジオプタの遠近調節-輻輳・開散運動不整合を生理学的に正しいと知覚し得ると考えられる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるディスプレイシステム(例えば、ディスプレイシステム250、
図6)は、約0.5ジオプタまたはそれ未満の遠近調節-輻輳・開散運動不整合を有する、画像を視認者に提示する。いくつかの他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.33ジオプタまたはそれ未満である。さらに他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.1ジオプタまたはそれ未満を含む、約0.25ジオプタまたはそれ未満である。
【0081】
図5は、波面発散を修正することによって、3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。ディスプレイシステムは、画像情報でエンコードされた光770を受信し、その光をユーザの眼210に出力するように構成される、導波管270を含む。導波管270は、所望の深度平面240上のある点によって生成されたライトフィールドの波面発散に対応する定義された波面発散量を伴って光650を出力してもよい。いくつかの実施形態では、同一量の波面発散が、その深度平面上に提示される全てのオブジェクトのために提供される。加えて、ユーザの他方の眼は、類似導波管からの画像情報を提供され得るように図示されるであろう。
【0082】
いくつかの実施形態では、単一導波管が、単一または限定数の深度平面に対応する設定された波面発散量を伴う光を出力するように構成されてもよく、および/または導波管は、限定された範囲の波長の光を出力するように構成されてもよい。その結果、いくつかの実施形態では、複数またはスタックの導波管が、異なる深度平面のための異なる波面発散量を提供し、および/または異なる範囲の波長の光を出力するために利用されてもよい。本明細書で使用されるように、深度平面は、平面であってもよい、または湾曲表面の輪郭に追従してもよいことを理解されたい。
【0083】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム250は、複数の導波管270、280、290、300、310を使用して3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ260を含む。ディスプレイシステム250は、いくつかの実施形態では、ライトフィールドディスプレイと見なされてもよいことを理解されたい。加えて、導波管アセンブリ260はまた、接眼レンズとも称され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、輻輳・開散運動するための実質的に連続キューおよび遠近調節するための複数の離散キューを提供するように構成されてもよい。輻輳・開散運動のためのキューは、異なる画像をユーザの眼のそれぞれに表示することによって提供されてもよく、遠近調節のためのキューは、選択可能な離散量の波面発散を伴う画像を形成する光を出力することによって提供されてもよい。換言すると、ディスプレイシステム250は、可変レベルの波面発散を伴う光を出力するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、波面発散の各離散レベルは、特定の深度平面に対応し、導波管270、280、290、300、310のうちの特定の1つによって提供されてもよい。
【0085】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ260はまた、複数の特徴320、330、340、350を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、1つ以上のレンズであってもよい。導波管270、280、290、300、310および/または複数のレンズ320、330、340、350は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、導波管のための光源として機能してもよく、画像情報を導波管270、280、290、300、310の中に投入するために利用されてもよく、それぞれ、本明細書に説明されるように、眼210に向かって出力のために各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成されてもよい。光は、画像投入デバイス360、370、380、390、400の出力表面410、420、430、440、450から出射し、導波管270、280、290、300、310の対応する入力表面460、470、480、490、500の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面460、470、480、490、500はそれぞれ、対応する導波管の縁であってもよい、または対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界510または視認者の眼210に直接面する導波管表面のうちの1つ)であってもよい。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、クローン化されたコリメートビームの全体場を出力してもよく、これは、特定の導波管と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼210に向かって指向される。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの単一の1つは、複数(例えば、3つ)の導波管270、280、290、300、310と関連付けられ、その中に光を投入してもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400はそれぞれ、それぞれ対応する導波管270、280、290、300、310の中への投入のために画像情報を生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400は、例えば、画像情報を1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して画像投入デバイス360、370、380、390、400のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス360、370、380、390、400によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含んでもよいことを理解されたい。
【0087】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光は、光プロジェクタシステム520によって提供され、これは、光モジュール530を備え、これは、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含んでもよい。光モジュール530からの光は、ビームスプリッタ550を介して、光変調器540、例えば、空間光変調器によって指向および修正されてもよい。光変調器540は、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光の知覚される強度を変化させ、光を画像情報でエンコードするように構成されてもよい。空間光変調器の実施例は、液晶ディスプレイ(LCD)を含み、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む。このように、光変調器540は、事実上、ディスプレイシステム250のマイクロディスプレイコンポーネントとしての役割を果たし得る。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、図式的に図示され、いくつかの実施形態では、これらの画像投入デバイスは、光を導波管270、280、290、300、310の関連付けられたものの中に出力するように構成される、共通投影システム内の異なる光経路および場所を表し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ260の導波管は、導波管の中に投入された光をユーザの眼に中継しながら、理想的レンズとして機能し得る。本概念では、オブジェクトは、空間光変調器540であってもよく、画像は、深度平面上の画像であってもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に、最終的には、視認者の眼210に投影するように構成される、1つ以上の走査ファイバを備える、走査ファイバディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、光を1つまたは複数の導波管270、280、290、300、310の中に投入するように構成される、単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それぞれ、光を導波管270、280、290、300、310のうちの関連付けられた1つの中に投入するように構成される。1つ以上の光ファイバは、光を光モジュール530から1つ以上の導波管270、280、290、300、310に透過するように構成されてもよいことを理解されたい。1つ以上の介在光学構造が、走査ファイバまたは複数のファイバと、1つ以上の導波管270、280、290、300、310との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に再指向してもよいことを理解されたい。
【0089】
コントローラ560は、画像投入デバイス360、370、380、390、400、光源530、および光変調器540の動作を含む、スタックされた導波管アセンブリ260のうちの1つ以上のものの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ560は、ローカルデータ処理モジュール140の一部である。コントローラ560は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管270、280、290、300、310への画像情報のタイミングおよびプロビジョニングを調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一の一体型デバイスまたは有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ560は、いくつかの実施形態では、処理モジュール140または150(
図9D)の一部であってもよい。
【0090】
図6を継続して参照すると、導波管270、280、290、300、310は、全内部反射(TIR)によって各個別の導波管内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、主要上部表面および主要底部表面およびそれらの主要上部表面と主要底部表面との間に延在する縁を伴う、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、各個別の導波管内で伝搬する光を導波管から再指向し、画像情報を眼210に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、外部結合光学要素570、580、590、600、610を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、外部結合光学要素光はまた、光抽出光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内を伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力され得る。外部結合光学要素570、580、590、600、610は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む、格子であってもよい。説明の容易性および図面の明確性のために、導波管270、280、290、300、310の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、本明細書にさらに議論されるように、上部主要表面および/または底部主要表面に配置されてもよい、および/または導波管270、280、290、300、310の体積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、透明基板に取り付けられ、導波管270、280、290、300、310を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管270、280、290、300、310は、材料のモノリシック部品であってもよく、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、材料のその部品の表面上および/またはその内部に形成されてもよい。
【0091】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管270、280、290、300、310は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管270は、眼210にコリメートされた光(そのような導波管270の中に投入された)を送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管280は、眼210に到達し得る前に、第1のレンズ350(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。そのような第1のレンズ350は、眼/脳が、その次の上方の導波管280から生じる光を光学無限遠から眼210に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管290は、眼210に到達する前に、その出力光を第1の350および第2の340レンズの両方を通して通過させる。第1の350および第2の340レンズの組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管290から生じる光が次の上方の導波管280からの光であったよりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0092】
他の導波管層300、310およびレンズ330、320も同様に構成され、スタック内の最高導波管310は、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ260の他側の世界510から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ320、330、340、350のスタックを補償するために、補償レンズ層620が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック320、330、340、350の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(すなわち、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310のうちの2つ以上のものは、同一の関連付けられた深度平面を有してもよい。例えば、複数の導波管270、280、290、300、310が、同一深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい、または導波管270、280、290、300、310の複数のサブセットが、深度平面毎に1つのセットを伴う、同一の複数の深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい。これは、それらの深度平面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0094】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、導波管と関連付けられた特定の深度平面のために、光をその個別の導波管から再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、外部結合光学要素570、580、590、600、610の異なる構成を有してもよく、これは、関連付けられた深度平面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、体積特徴または表面特徴であってもよく、これは、具体的角度で光を出力するように構成されてもよい。例えば、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、体積ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサ(例えば、クラッディング層および/または空隙を形成するための構造)であってもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、回折パターンを形成する回折特徴または「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差部で眼210に向かって偏向される一方、残りがTIRを介して、導波管を通して移動し続けるように、十分に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波管から出射する、いくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼210に向かって非常に均一パターンの出射放出となる。
【0096】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であってもよい。例えば、切替可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに整合しない屈折率に切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0097】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630(例えば、可視光および赤外線光カメラを含む、デジタルカメラ)が、眼210および/または眼210の周囲の組織の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出する、および/またはユーザの生理学的状態を監視するために提供されてもよい。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、赤外線光)を眼に投影し、次いで、その光が眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る、光源とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、フレーム80(
図9D)に取り付けられてもよく、カメラアセンブリ630からの画像情報を処理し得る、処理モジュール140および/または150と電気通信してもよい。いくつかの実施形態では、1つのカメラアセンブリ630が、眼毎に利用され、各眼を別個に監視してもよい。
【0098】
ここで
図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの実施例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ260(
図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ260は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光640が、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入され、TIRによって導波管270内を伝搬する。光640がDOE570上に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム650として出射する。出射ビーム650は、略平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、また、導波管270と関連付けられた深度平面に応じて、ある角度(例えば、発散出射ビーム形成)において眼210に伝搬するように再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼210からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素のセットは、より発散する、出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼210がより近い距離に遠近調節し、網膜に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼210に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0099】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つ以上の原色のそれぞれに画像をオーバーレイすることによって、各深度平面において形成されてもよい。
図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度平面240a-240fを示すが、より多いまたはより少ない深度もまた、検討される。各深度平面は、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を含む、それと関連付けられた3つ以上の原色画像を有してもよい。異なる深度平面は、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる実施例として、これらの文字のそれぞれに続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度平面の逆距離を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色に関する深度平面の正確な場所は、変動してもよい。例えば、所与の深度平面に関する異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度平面上に設置されてもよい。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得、および/または色収差を減少させ得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力されてもよく、その結果、各深度平面は、それと関連付けられた複数の導波管を有してもよい。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む、図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度平面毎に提供されてもよく、3つの原色画像が、深度平面毎に提供される。各深度平面と関連付けられた導波管は、本図面では、説明を容易にするために相互に隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列されてもよいことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一導波管のみが深度平面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力されてもよい。
【0101】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であって、Rは、赤色であって、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、光の他の波長と関連付けられた他の色も、赤色、緑色、または青色のうちの1つ以上のものに加えて使用されてもよい、またはそれらに取って代わってもよい。
【0102】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、視認者によってその所与の色であるように知覚される、光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含するものと理解されるであろうことを理解されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、緑色光は、約492~577nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、青色光は、約435~493nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、光源530(
図6)は、視認者の視覚的知覚範囲外の1つ以上の波長、例えば、赤外線および/または紫外線波長の光を放出するように構成されてもよい。加えて、ディスプレイ250の導波管の内部結合、外部結合、および他の光再指向構造は、例えば、結像および/またはユーザ刺激用途のために、本光をディスプレイからユーザの眼210に向かって指向および放出するように構成されてもよい。
【0104】
ここで
図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために再指向される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に再指向および内部結合するために使用されてもよい。
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、複数またはセット660のスタックされた導波管の実施例の断面側面図を図示する。導波管はそれぞれ、1つ以上の異なる波長または1つ以上の異なる波長範囲の光を出力するように構成されてもよい。スタック660は、スタック260(
図6)に対応してもよく、スタック660の図示される導波管は、複数の導波管270、280、290、300、310の一部に対応してもよいが、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの1つ以上のものからの光が、光が内部結合のために再指向されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0105】
スタックされた導波管の図示されるセット660は、導波管670、680、および690を含む。各導波管は、関連付けられた内部結合光学要素(導波管上の光入力面積とも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素700は、導波管670の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素710は、導波管680の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素720は、導波管690の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720のうちの1つ以上のものは、個別の導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい(特に、1つ以上の内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、その個別の導波管670、680、690の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置されてもよく、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720は、個別の導波管670、680、690の本体内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、他の光の波長を透過しながら、1つ以上の光の波長を選択的に再指向するような波長選択的である。その個別の導波管670、680、690の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素700、710、720は、いくつかの実施形態では、その個別の導波管670、680、690の他の面積内に配置されてもよいことを理解されたい。
【0106】
図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、相互から側方にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、その光が別の内部結合光学要素を通して通過せずに、光を受信するようにオフセットされてもよい。例えば、各内部結合光学要素700、710、720は、
図6に示されるように、光を異なる画像投入デバイス360、370、380、390、および400から受信するように構成されてもよく、光を内部結合光学要素700、710、720の他のものから実質的に受信しないように、他の内部結合光学要素700、710、720から分離されてもよい(例えば、側方に離間される)。
【0107】
各導波管はまた、関連付けられた光分散要素を含み、例えば、光分散要素730は、導波管670の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素740は、導波管680の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素750は、導波管690の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の上部および底部両方の主要表面上に配置されてもよい、または光分散要素730、740、750は、それぞれ、異なる関連付けられた導波管670、680、690内の上部主要表面および底部主要表面の異なるもの上に配置されてもよい。
【0108】
導波管670、680、690は、例えば、材料のガス、液体、および/または固体層によって離間および分離されてもよい。例えば、図示されるように、層760aは、導波管670および680を分離してもよく、層760bは、導波管680および690を分離してもよい。いくつかの実施形態では、層760aおよび760bは、低屈折率材料(すなわち、導波管670、680、690の直近のものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層760a、760bを形成する材料の屈折率は、導波管670、680、690を形成する材料の屈折率を0.05またはそれを上回って、または0.10またはそれを下回る。有利には、より低い屈折率層760a、760bは、導波管670、680、690を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部主要表面および底部主要表面間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能してもよい。いくつかの実施形態では、層760a、760bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示されるセット660の上部および底部は、直近クラッディング層を含んでもよいことを理解されたい。
【0109】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管670、680、690を形成する材料は、類似または同一であって、層760a、760bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管670、680、690を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なってもよい、および/または層760a、760bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なってもよい。
【0110】
図9Aを継続して参照すると、光線770、780、790が、導波管のセット660に入射する。光線770、780、790は、1つ以上の画像投入デバイス360、370、380、390、400(
図6)によって導波管670、680、690の中に投入されてもよいことを理解されたい。
【0111】
いくつかの実施形態では、光線770、780、790は、異なる色に対応し得る、異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、光が、TIRによって、導波管670、680、690のうちの個別の1つを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、他の波長を下層導波管および関連付けられた内部結合光学要素に透過させながら、1つ以上の特定の光の波長を選択的に偏向させる。
【0112】
例えば、内部結合光学要素700は、それぞれ、異なる第2および第3の波長または波長範囲を有する、光線780および790を透過させながら、第1の波長または波長範囲を有する、光線770を選択的に偏向させるように構成されてもよい。透過された光線780は、第2の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素710に衝突し、それによって偏向される。光線790は、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素720によって偏向される。
【0113】
図9Aを継続して参照すると、偏向された光線770、780、790は、対応する導波管670、680、690を通して伝搬するように偏向される。すなわち、各導波管の内部結合光学要素700、710、720は、光をその対応する導波管670、680、690の中に偏向させ、光を対応する導波管の中に内部結合する。光線770、780、790は、光をTIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬させる角度で偏向される。光線770、780、790は、導波管の対応する光分散要素730、740、750に衝突するまで、TIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬する。
【0114】
ここで
図9Bを参照すると、
図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図が、図示される。前述のように、内部結合された光線770、780、790は、それぞれ、内部結合光学要素700、710、720によって偏向され、次いで、それぞれ、導波管670、680、690内でTIRによって伝搬する。光線770、780、790は、次いで、それぞれ、光分散要素730、740、750に衝突する。光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820に向かって伝搬するように、光線770、780、790を偏向させる。
【0115】
いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実施形態では、OPEは、光を外部結合光学要素800、810、820に偏向または分散し、いくつかの実施形態では、また、外部結合光学要素に伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させ得る。いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、省略されてもよく、内部結合光学要素700、710、720は、光を直接外部結合光学要素800、810、820に偏向させるように構成されてもよい。例えば、
図9Aを参照すると、光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820と置換されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素800、810、820は、光を視認者の眼210(
図7)に指向させる、射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。OPEは、少なくとも1つの軸においてアイボックスの寸法を増加させるように構成されてもよく、EPEは、OPEの軸と交差する、例えば、直交する軸においてアイボックスを増加させてもよいことを理解されたい。例えば、各OPEは、光の残りの部分が導波管を辿って伝搬し続けることを可能にしながら、OPEに衝打する光の一部を同一導波管のEPEに再指向するように構成されてもよい。OPEへの衝突に応じて、再び、残りの光の別の部分は、EPEに再指向され、その部分の残りの部分は、導波管等を辿ってさらに伝搬し続ける。同様に、EPEへの衝打に応じて、衝突光の一部は、導波管からユーザに向かって指向され、その光の残りの部分は、EPに再び衝打するまで、導波管を通して伝搬し続け、その時点で、衝突する光の別の部分は、導波管から指向される等となる。その結果、内部結合された光の単一ビームは、その光の一部がOPEまたはEPEによって再指向される度に、「複製」され、それによって、
図6に示されるように、クローン化された光のビーム野を形成し得る。いくつかの実施形態では、OPEおよび/またはEPEは、光のビームのサイズを修正するように構成されてもよい。
【0116】
故に、
図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管のセット660は、原色毎に、導波管670、680、690と、内部結合光学要素700、710、720と、光分散要素(例えば、OPE)730、740、750と、外部結合光学要素(例えば、EP)800、810、820とを含む。導波管670、680、690は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされてもよい。内部結合光学要素700、710、720は、(異なる波長の光を受信する異なる内部結合光学要素を用いて)入射光をその導波管の中に再指向または偏向させる。光は、次いで、個別の導波670、680、690内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される実施例では、光線770(例えば、青色光)は、前述の様式において、第1の内部結合光学要素700によって偏光され、次いで、導波管を辿ってバウンスし続け、光分散要素(例えば、OPE)730、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)800と相互作用する。光線780および790(例えば、それぞれ、緑色および赤色光)は、導波管670を通して通過し、光線780は、内部結合光学要素710上に入射し、それによって偏向される。光線780は、次いで、TIRを介して、導波管680を辿ってバウンスし、その光分散要素(例えば、OPE)740、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)810に進むであろう。最後に、光線790(例えば、赤色光)は、導波管690を通して通過し、導波管690の光内部結合光学要素720に衝突する。光内部結合光学要素720は、光線が、TIRによって、光分散要素(例えば、OPE)750、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)820に伝搬するように、光線790を偏向させる。外部結合光学要素820は、次いで、最後に、光線790を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管670、680からの外部結合した光も受信する。
【0117】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。図示されるように、導波管670、680、690は、各導波管の関連付けられた光分散要素730、740、750および関連付けられた外部結合光学要素800、810、820とともに、垂直に整合されてもよい。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、垂直に整合されない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複する(例えば、上下図に見られるように、側方に離間される)。本明細書でさらに議論されるように、本非重複空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、具体的光源が具体的導波管に一意に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む、配列は、偏移瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
【0118】
図9Dは、本明細書に開示される種々の導波管および関連システムが統合され得る、ウェアラブルディスプレイシステム60の実施例を図示する。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム60は、
図6のシステム250であって、
図6は、そのシステム60のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、
図6の導波管アセンブリ260は、ディスプレイ70の一部であってもよい。
【0119】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイシステム60は、ディスプレイ70と、そのディスプレイ70の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ70は、フレーム80に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者90によって装着可能であって、ディスプレイ70をユーザ90の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ70は、いくつかの実施形態では、接眼レンズと見なされ得る。いくつかの実施形態では、スピーカ100が、フレーム80に結合され、ユーザ90の外耳道に隣接して位置付けられるように構成される(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカも、随意に、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供してもよい)。ディスプレイシステム60はまた、1つ以上のマイクロホン110または他のデバイスを含み、音を検出してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが入力またはコマンドをシステム60に提供することを可能にするように構成され(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)、および/または他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にしてもよい。マイクロホンはさらに、周辺センサとして構成され、オーディオデータ(例えば、ユーザおよび/または環境からの音)を収集してもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはまた、周辺センサ120aを含んでもよく、これは、フレーム80と別個であって、ユーザ90の身体(例えば、ユーザ90の頭部、胴体、四肢等)上に取り付けられてもよい。周辺センサ120aは、いくつかの実施形態では、ユーザ90の生理学的状態を特徴付けるデータを入手するように構成されてもよい。例えば、センサ120aは、電極であってもよい。
【0120】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイ70は、有線導線または無線コネクティビティ等の通信リンク130によって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合され、これは、フレーム80を固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子を固定して取り付けられる、ヘッドホン内に埋設される、または別様にユーザ90に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成で搭載されてもよい。同様に、センサ120aは、通信リンク120b、例えば、有線導線または無線コネクティビティによって、ローカルプロセッサおよびデータモジュール140に動作可能に結合されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備えてもよく、両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用されてもよい。随意に、ローカル処理およびデータモジュール140は、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含んでもよい。データは、a)センサ(画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ(例えば、フレーム80に動作可能に結合される、または別様にユーザ90に取り付けられ得る))から捕捉されたデータ、および/またはb)可能性として処理または読出後にディスプレイ70への通過のための遠隔処理モジュール150および/または遠隔データリポジトリ160(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して取得および/または処理されたデータを含んでもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、これらの遠隔モジュール150、160が相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール140に対するリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンクを介して等、通信リンク170、180によって、遠隔処理モジュール150および遠隔データリポジトリ160に動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール140は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上のものを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つ以上のものは、フレーム80に取り付けられてもよい、または有線または無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール140と通信する、独立構造であってもよい。
【0121】
図9Dを継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔治療モジュール150は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備えてもよく、例えば、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含んでもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であり得る、デジタルデータ記憶設備を備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、1つ以上の遠隔サーバを含んでもよく、これは、情報、例えば、拡張現実コンテンツをローカル処理およびデータモジュール140および/または遠隔治療モジュール150に生成するための情報を提供する。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての計算は、ローカル処理およびデータモジュール内で行われ、遠隔モジュールからの完全に自律的使用を可能にする。随意に、CPU、GPU等を含む、外部システム(例えば、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコンピュータのシステム)が、処理(例えば、画像情報を生成する、データを処理する)の少なくとも一部を実施し、例えば、無線または有線接続を介して、情報をモジュール140、150、160に提供し、情報をそこから受信してもよい。
【0122】
適応レンズアセンブリ
図6を参照して上記に説明されるように、実施形態による、いくつかのディスプレイシステムは、画像を複数の仮想深度平面に形成するように構成される、導波管アセンブリ260を含む。図示される実施形態では、画像は、例えば、画像を異なる深度平面のうちの1つに形成するように構成される、複数の導波管270、280、290、300、310を使用して形成されてもよい。導波管アセンブリ260はまた、随意に、複数のレンズ320、330、340、350を導波管間に含んでもよい。導波管270、280、290、300、310および/または複数のレンズ320、330、340、350は、種々の屈折力を有し、画像を異なる仮想深度平面に形成してもよい。
【0123】
しかしながら、導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、導波管アセンブリ260の全体的厚さ、重量、およびコストを増加させるため、より少ない導波管を伴って、画像を複数の仮想深度平面に形成することが望ましいであろう。加えて、従来のレンズ材料から形成されると、随意の光学レンズ320、330、340、350はそれぞれ、数ミリメートルまたは数十ミリメートルを厚さに、かつ対応する重量をディスプレイに追加し得る。
【0124】
本明細書に説明される種々の実施形態では、ディスプレイデバイスは、導波管アセンブリと、1つ以上の適応レンズアセンブリとを使用して、画像を異なる仮想深度平面に形成するように構成される。いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリは、従来のレンズと比較して、有意により軽量かつより薄い(数ミクロン)、液晶を備え、有利には、切替可能(例えば、電気的に切替可能)であるように構成され得る。有利には、そのような適応レンズアセンブリは、アセンブリ260等の導波管アセンブリの数、厚さ、および重量を低減させ得る。本明細書で使用されるように、屈折力(屈折力、集束力、または収束力とも称される)は、レンズ、ミラー、または他の光学システムが、光を収束または発散させる程度である。これは、デバイスの焦点距離の逆数:P=1/fと等しい。すなわち、高屈折力は、短焦点距離に対応する。屈折力に関するSI単位は、毎メートル(m-1)であって、これは、一般に、ジオプタと呼ばれる。本明細書に説明されるように、収束レンズは、正の屈折力を有するように説明される一方、発散レンズは、負の電力を有するように説明される。理論によって拘束されるわけではないが、光が、相互に比較的に近接する2つ以上の薄いレンズを通して通過するとき、組み合わせられたレンズの屈折力は、個々のレンズの屈折力の和として近似され得る。したがって、光が、第1の屈折力P1を有する第1のレンズを通して通過し、第2の屈折力P2を有する第2のレンズをさらに通して通過するとき、光は、屈折力の和P=P1+P2に従って収束または発散すると理解され得る。
【0125】
図10は、導波管アセンブリ1012によって介在される、1つ以上の適応レンズアセンブリ、例えば、一対の適応レンズアセンブリ1004、1008を光学経路1016内に備える、ディスプレイデバイス1000、例えば、ウェアラブルディスプレイデバイスの実施例を図示する。上記に説明されるように、導波管アセンブリは、全内部反射下、光(例えば、可視光)を伝搬し、導波管の光出力表面(例えば、導波管の主要表面)から(例えば、それに対して法線の方向に)延在する光学軸において、光を外部結合するように構成される、導波管を含む。光は、いくつかの実施形態では、回折格子によって外部結合されてもよい。適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、少なくとも部分的に、外部結合される光をそれを通して透過させるように構成されてもよい。図示される実施形態では、適応レンズアセンブリはそれぞれ、導波管アセンブリ1012から外部結合される光を受信し、外部結合される光を光学軸方向に収束または発散させるように構成されてもよい。適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、切替可能な波長板によって介在される、第1および第2の波長板レンズを備える。第1および第2の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する外部結合される光の偏光状態を改変するように構成されてもよい。切替可能な波長板は、アクティブ化される(例えば、電気的にアクティブ化される)と、それを通して通過する外部結合される光の偏光状態を改変するように構成されてもよい。
【0126】
本明細書で使用されるように、適応レンズアセンブリは、調節され得る、例えば、外部刺激を使用して、可逆的にアクティブ化および非アクティブ化され得る、少なくとも1つの光学性質を有する、レンズアセンブリを指す。可逆的にアクティブ化および非アクティブ化され得る、例示的光学性質は、他の性質の中でもとりわけ、屈折力(焦点距離)、位相、偏光、偏光選択性、透過率、反射率、複屈折、および回折性質を含む。種々の実施形態では、適応レンズアセンブリは、それを通して通過する光の屈折力および偏光状態を電気的に変動させることが可能である。
【0127】
図示される実施形態では、対の適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、電気的にアクティブ化および非アクティブ化されるように構成され、非アクティブ化状態では、適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、第1の屈折力を提供する一方、アクティブ化状態では、適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、第1の屈折力と異なる、第2の屈折力を提供する。加えて、アクティブ化状態では、適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、それを通して通過する光(例えば、可視光)の偏光状態を改変する一方、非アクティブ化状態では、適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、それを通して通過する光の偏光状態を保存する。例えば、アクティブ化されると、適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、円偏光の掌性を逆転させる一方、非アクティブ化されると、適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、円偏光の掌性を保存する。偏光状態は、主に、円偏光状態を参照して本明細書に説明されるが、本明細書に説明されるシステムおよび技法の一部または全部は、他のタイプの偏光状態を光(例えば、線形偏光状態、楕円偏光状態等)に付与し、そのような他のタイプの偏光状態の光と区別的に相互作用する役割を果たし得ることを理解されたい。
【0128】
依然として
図10を参照すると、ディスプレイデバイス1000はさらに、対の適応レンズアセンブリ1004、1008間に介在される、導波管アセンブリ1012を備える。導波管アセンブリ1012は、
図6に関して上記に説明される、導波管アセンブリ260に類似してもよく、これは、
図6における1つ以上の導波管270、280、290、300、310に類似する、1つ以上の導波管を備える。例えば、
図6および7に関して上記に説明されるように、導波管は、全内部反射下、導波管の主要表面と平行な側方方向に光を伝搬するように構成されてもよい。導波管はさらに、例えば、導波管の主要表面に対して法線方向に光を外部結合するように構成されてもよい。
【0129】
依然として
図10を参照すると、対の適応レンズアセンブリの第1の適応レンズアセンブリ1004は、導波管アセンブリ1012の第1の側、例えば、ユーザによって観察される世界510の側上に配置され、対のレンズアセンブリの第2の適応レンズアセンブリ1008は、導波管アセンブリ1012の第2の側、例えば、ユーザの眼210の側上に配置される。下記に説明されるように、構成されるような対の適応レンズアセンブリは、ユーザに、実世界のビューとともに、導波管アセンブリ1012からの仮想コンテンツを複数の仮想深度平面に提供する。いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリの存在に起因して、殆どまたは全く歪曲が存在しない。仮想コンテンツおよび実世界のビューは、
図11Aおよび11Bに関して下記に説明されるように、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008のアクティブ化に応じて、ユーザに提供される。
【0130】
本明細書に説明される種々の実施形態では、ディスプレイデバイスは、世界ビューの可能性として考えられる歪曲を調節しながら、拡張現実コンテンツを表示するために、一対の適応レンズアセンブリを備える。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、いくつかの実装では、ディスプレイデバイスは、1つのみの適応レンズアセンブリを有することを理解されたい。そのような構成は、ディスプレイデバイスが、拡張現実(AR)コンテンツではなく、仮想現実(VR)コンテンツを提供するように構成される、状況のために好適であり得る。そのような構成では、第2の適応レンズアセンブリが導波管アセンブリと実世界との間に存在する必要はない。したがって、本明細書に開示されるいずれかの実施形態は、1つの適応レンズアセンブリまたは一対の適応レンズアセンブリのいずれかを有することができることを理解されたい。
【0131】
図11Aおよび11Bは、ディスプレイデバイス1100A/1100Bの実施例を図示し、それぞれ、適応レンズアセンブリを備え、動作時、画像情報をユーザに出力する。ディスプレイデバイス1100Aおよび1100Bは、非給電状態では、構造的に同じである。ディスプレイデバイス1100Aは、本明細書では、仮想画像をユーザに出力することを説明するために使用される一方、ディスプレイデバイス1100Bは、本明細書では、実世界画像をディスプレイデバイス1100Bを通してユーザに透過させることを説明するために使用される。ディスプレイデバイス1100A/1100Bは、例えば、電圧または電流の印加によって電気的にアクティブ化されるように構成される、一対の切替可能なレンズアセンブリ1004、1008を含む。いくつかの実施形態では、例えば、電圧または電流が印加されない、非アクティブ化状態では、第1および第2の切替可能なレンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、低、例えば、約ゼロ屈折力を有する。いくつかの実施形態では、例えば、電圧または電流が印加される、アクティブ化状態では、世界側上の第1の適応レンズアセンブリ1004は、第1の符号、例えば、正の屈折力を有する、第1の正味屈折力(Pnet1)を提供してもよい。アクティブ化状態にあるとき、ユーザ側上の第2の適応レンズアセンブリ1008は、第2の符号、例えば、負の屈折力を有する、第2の正味屈折力(Pnet2)を提供してもよい。
【0132】
図11Aは、いくつかの実施形態による、仮想コンテンツをユーザに仮想深度平面において表示する、
図10のディスプレイシステムの実施例を図示する。上記に説明されるように、対の適応レンズアセンブリ1004、1008間に介在される、導波管アセンブリ1012は、仮想画像情報を含有する光を受信し、全内部反射下、光を伝搬させるように構成される、導波管を備える。導波管アセンブリ1012はさらに、光を、例えば、回折格子を通して、眼210に向かって外部結合するように構成される。外部結合される光は、眼210に進入することに先立って、第2の適応レンズアセンブリ1008を通して通過する。アクティブ化されると、第2の適応レンズアセンブリ1008は、第2の正味屈折力Pnet2を有し、これは、ユーザに仮想深度平面1104において仮想画像が見えるように、負の値を有してもよい。
【0133】
いくつかの実施形態では、第2の正味屈折力Pnet2は、電気的に調節され、第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力(Pnet2)を調節し、それによって、仮想深度平面1104までの距離を調節してもよい。例えば、仮想オブジェクトが、仮想3次元空間内において、眼210に対してより近くおよびより遠くに「移動」するにつれて、第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力Pnet2も、仮想深度平面1104が仮想オブジェクトを追跡するように調節されるように、対応して調節されてもよい。したがって、ユーザは、比較的に、容認可能閾値を超える遠近調節/輻輳・開散運動不整合を殆どまたは全く体験し得ない。いくつかの実施形態では、仮想深度平面1104までの距離の大きさは、離散ステップにおいて調節されてもよい一方、いくつかの他の実施形態では、仮想深度平面1104までの距離の大きさは、持続的に調節されてもよい。
【0134】
図11Bは、いくつかの実施形態による、実世界コンテンツのビューをユーザに提供する、
図10のディスプレイシステムの実施例を図示する。第2の適応レンズアセンブリ1008が、仮想コンテンツを仮想深度平面1104に表示するための第2の正味屈折力(Pnet2)を有するようにアクティブ化されると、第2の適応レンズアセンブリ1008を通して通過する、実世界からの光もまた、アクティブ化される第2の適応レンズアセンブリ1008のPnet2に従って、収束または発散され得る。したがって、実世界内のオブジェクトは、焦点がずれて現れ得る。そのような歪曲を軽減させるために、実施形態によると、アクティブ化されると、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008は、反対符号を有する、屈折力を有するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008を通して通過する光は、それぞれ、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008の第1および第2の正味屈折力Pnet1、Pnet2の大きさのほぼ差である大きさを有する、組み合わせられた屈折力に従って、収束または発散する。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ1012もまた、屈折力を有し得、適応レンズアセンブリ1008は、レンズアセンブリ1004および導波管アセンブリ1012の両方によって生じる歪曲を考慮するように構成されてもよい。例えば、適応レンズアセンブリ1008の屈折力は、レンズアセンブリ1004および導波管アセンブリ1012の屈折力和の反対符号であってもよい。
【0135】
いくつかの実施形態では、第1の適応レンズアセンブリ1004は、第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力Pnet2の大きさに近いまたはそれと同一である大きさを有する第1の正味屈折力Pnet1を有するように構成される。その結果、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008の両方が、同時にアクティブ化されると、実世界内のオブジェクトは、仮想コンテンツを表示するために提供される第2の適応レンズアセンブリ1008の屈折力によって比較的に影響されずに現れる。
【0136】
いくつかの実施形態では、第1の適応レンズアセンブリ1004は、アクティブ化されると、第1の正味屈折力Pnet1が第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力Pnet2に動的に合致するように構成されてもよい。例えば、第2の切替可能なアセンブリ1008の第2の正味屈折力Pnet1が、仮想3次元空間内において、移動する仮想オブジェクトを追跡するように調節されるにつれて、第1の適応レンズアセンブリ1004の第1の正味屈折力Pnet1は、組み合わせられた屈折力の大きさP=Pnet1+Pnet2が所定の値未満に保たれ得るように、動的に調節されてもよい。したがって、実施形態によると、実世界内のオブジェクトは、組み合わせられた屈折力P=Pnet1+Pnet2が小さい、例えば、約0m-1のままであるように、負の値を有し得る、第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力(Pnet2)を、第1の適応レンズアセンブリ1004の第1の正味屈折力(Pnet1)で補償することによって、容認不可能に焦点がずれることを防止され得る。
【0137】
切替可能な半波長板と、波長板レンズとを含む、適応レンズアセンブリ
上記に議論されるように、より少ない導波管を用いて、画像を複数の深度平面に形成する利点のうちの1つは、ディスプレイデバイス(例えば、
図10におけるディスプレイデバイス1000)の厚さおよび重量における全体的低減である。したがって、例えば、ガラスレンズまたはフレネルレンズを含む、従来のレンズは、本明細書で議論される適応レンズアセンブリのためのコンポーネントレンズとして非好適であり得る。したがって、本明細書の種々の実施形態は、コンパクトかつ軽量であって、付加的光学機能性、例えば、偏光反転を提供する、適応レンズアセンブリを提供する。いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリ(例えば、
図10、11A、11Bにおける1004、1008)内に含まれる、光学コンポーネントは、複屈折材料の薄膜から形成される、切替可能な波長板および/または波長板レンズを含む。例えば、切替可能な波長板および/または波長板レンズは、例えば、波長板の平面におけるその配向が、それを通して透過される光を集束および/またはその偏光状態を改変するために適合される、液晶を有する、液晶ベースの波長板から形成されてもよい。
【0138】
効率的光集束および偏光改変は、例えば、仮想/拡張/複合ディスプレイ用途のための導波管ベースのシースルーディスプレイを設計する際の課題であり得る。これらおよび他の用途に関して、その構造が、高効率を伴って、屈折力および偏光改変を含む、種々の光学性質を最適化するように構成可能である、材料から形成される、レンズおよび波長板を有することが望ましい。以下では、液晶、例えば、コレステリック液晶から形成される、レンズおよび波長板の種々の実施形態が、説明される。
【0139】
キラル(ネマチック)位相またはコレステリック位相内のコレステリック液晶(CLC)層の液晶分子は、液晶層の法線方向、すなわち、深度方向における、フィルム内の位置の関数として、配向子の連続方位角捻転を有するように配列される、複数の液晶分子によって特徴付けられる。本明細書に説明されるように、連続方位角捻転を有するように配列される、液晶分子は、集合的に、本明細書では、キラル構造と称される。本明細書に説明されるように、方位角捻転または回転の角度(φ)は、層法線と平行方向に対する、液晶分子の配向子間の角度として説明される。キラル構造の液晶分子の空間的に変動する配向子は、上記に説明されるように、螺旋パターンを形成するように説明され、螺旋ピッチ(p)は、それにわたって配向子が360°回転した(例えば、液晶層の層法線方向における)距離として定義されてもよい。
【0140】
本明細書に説明されるいくつかの実施形態では、波長板レンズおよび/または切替可能な波長板は、複数のキラル構造を備える、コレステリック液晶(CLC)層を備え、各キラル構造は、少なくともある螺旋ピッチによって層深度方向に延在し、第1の回転方向に連続的に回転される、複数の液晶分子を備える。螺旋ピッチは、第1の回転方向における1回転によるキラル構造の液晶分子の正味回転角度に対応する、層深度方向における長さである。
【0141】
液晶ベースの波長板レンズの一実施例は、
図12Aおよび12Bに関して図示される。
【0142】
図12Aおよび12Bは、それぞれ、波長板レンズ1200Aおよび1200Bの実施例を図示し、それぞれ、透明基板1204、例えば、その上に、基板1204の主要表面に沿って軸方向(例えば、x-方向またはy-方向)と平行方向に対して、異なる伸長方向に沿って伸長される液晶分子1208を形成させているガラス基板を備える。すなわち、液晶分子1208は、基板1204の主要表面に対して法線の方向(例えば、z-方向)を中心として異なる回転角度(φ)だけ回転され、φは、層法線と平行方向(例えば、x-方向またはy-方向)に対する液晶分子の伸長方向間の角度として説明される。
【0143】
図示される実装では、中心軸Cから所与の半径における液晶分子1208は、同一回転角度(φ)を有する。配列されるように、液晶分子1208は、コリメートされた光のビームをある焦点距離における点に集束させるように構成される。任意の理論によって拘束されるわけではないが、液晶分子1208の回転角度(φ)は、+/-k0r2/f,r2に比例し得、rは、Cからの半径方向距離であって、k0=2π/λは、回折波長板レンズによって集束されることになる光の波数であって、lは、光の波長であって、fは、波長板レンズ1200A、1200Bの焦点距離である。+および-符号は、波長板レンズ1200A、1200Bの中心Cの最近傍の液晶分子1208に対する、液晶分子1208の回転方向に対応し得る。
【0144】
波長板レンズ1200Aおよび1200Bの液晶分子1208のパターンは、相互の反転像を表すことを理解されたい。すなわち、波長板レンズ1200Aおよび1200Bのうちの一方は、波長板レンズ1200Bおよび1200Bの他方を軸方向(例えば、x-方向またはy-方向)の周囲において180度回転させることによって取得され得る。構成されたとき、波長板レンズ1200Aおよび1200Bの焦点距離および屈折力は、大きさが同一であるが、反対符号である。
【0145】
いくつかの実装では、波長板レンズ1200Aおよび1200Bはそれぞれ、半波長板レンズとしての役割を果たし得る。半波長板レンズとして構成されるとき、波長板レンズ1200Aおよび1200Bはそれぞれ、入力ビームの偏光に対して、線形偏光の平面を角度2α回転させ、αは、入力偏光方向と波長板軸との間の角度である。円偏光ビームに関して、本角度の変化は、位相偏移および偏光掌性の逆転に変換される。したがって、±2α位相偏移が、偏光掌性に応じた位相偏移の符号を伴って、円偏光ビーム内に生成され得る。
【0146】
図12Cは、いくつかの実施形態による、光の偏光および光が入射する側に応じて、それを通して通過する光を発散または収束させる、波長板レンズの実施例を図示する。半波長板レンズとして構成されるとき、図示される波長板レンズ1200Aは、第1の側上に入射する右円偏光(RHCP)光ビーム1212を左円偏光(LHCP)ビーム1216の中に発散させるように構成されてもよい。他方では、波長板レンズ1200Aは、第1の側と反対の第2の側上に入射するRHCP光ビーム1220を左円偏光(LHCP)ビーム1224の中に収束させるように構成されてもよい。
【0147】
波長板レンズ1200Bに関して、状況は、逆転される。
図12Dに図示されるように、半波長板として構成されるとき、波長板レンズ1200Bは、第1の側上に入射するLHCP光ビーム1228をRHCPビーム1232の中に収束させるように構成されてもよい。他方では、波長板レンズ1200Bは、第1の側と反対の第2の側上に入射するLHCP光ビーム1236をRHCPビーム1240の中に発散させるように構成されてもよい。
【0148】
したがって、液晶1208の回転角度方向および半径方向分布を制御することによって、波長板レンズは、掌性のいずれかを有する円偏光を収束または発散させるように構成され得る。液晶の回転角度間の関係に基づいて、屈折力は、増加または減少され得ることを理解されたい。加えて、いくつかの実施形態では、液晶は、電場を印加することによって、整合および不整合にされてもよい。したがって、屈折力が約ゼロである限界では、波長板レンズは、波長板、例えば、切替可能な波長板として使用されてもよいことを理解されたい。
【0149】
図13Aは、いくつかの実施形態による、波長板レンズと、切替可能な波長板とを備える、適応レンズアセンブリの実施例を図示する。適応レンズアセンブリ1300は、例えば、
図10、11A、および11Bに関して上記に説明される対の切替可能な波長板アセンブリ1004、1008のうちのいずれか1つとして構成されてもよい。
図13Bは、動作時、
図13Aに図示される適応レンズアセンブリ1300の切替可能な波長板が、非アクティブ化されるときの切替可能な波長板アセンブリ1300Aを図示する一方、
図13Cは、動作時、
図13Aに図示される適応レンズアセンブリ1300の切替可能な波長板がアクティブ化されるときの切替可能なアセンブリ1300Bを図示する。適応レンズアセンブリ1300は、導波管アセンブリ1012(
図10、11A、11B)から外部結合される光を結合し、それを通して透過させるように構成される。適応レンズアセンブリ1300は、第1の波長板レンズ(L1/HWP1)1304、例えば、第1の半波長板レンズと、第2の波長板レンズ(L2/HWP2)1308、例えば、第2の半波長板レンズと、切替可能な波長板(HWP3)1312、例えば、切替可能な半波長板とを備える。
【0150】
種々の実施形態では、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308はそれぞれ、レンズおよび半波長板としての役割を果たすように構成される。
図12Aおよび12Bに関して上記に説明されるように、半波長板として構成されるとき、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308はそれぞれ、第1の掌性の円偏光を有する光(第1のHCP)を第2の掌性の円偏光を有する光(第2のHCP)に変換するように構成される。すなわち、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308はそれぞれ、それを通して通過する光を、それぞれ、LHCPまたはRHCPを有する光からRHCPまたはLHCPを有する光に変換するように構成される。
【0151】
種々の実施形態では、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308はそれぞれ、所与の偏光に関して、第1のレンズ効果または第1のレンズ効果と反対の第2のレンズ効果を有する、レンズとしての役割を果たすように構成される。すなわち、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308はそれぞれ、通過する光の収束または発散のいずれかを行うように構成される。種々の実施形態では、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308はそれぞれ、入射光の偏光状態に応じて、反対レンズ効果を有するように構成されてもよい。例えば、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308はそれぞれ、第1のHCPを有するその上に入射する光を集束させるように構成される一方、第2のHCPを有するその上に入射する光を焦点ずれさせるように構成されてもよい。
【0152】
いくつかの実施形態では、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308は、所与のHCPを有する光に関して同一レンズ効果を有するように構成される。すなわち、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308は両方とも、LHCPを有する光を集束させ、RHCPを有する光を集束させ、LHCPを有する光を焦点ずれさせる、またはRHCPを有する光を焦点ずれさせるように構成されてもよい。
【0153】
いくつかの実施形態では、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308はそれぞれ、
図12Aおよび12Bに関して上記に説明されるように、個別の波長板レンズ1304、1308の中心軸から所与の半径における液晶が同一回転角度(φ)を有するように、伸長および回転される、液晶分子を備えてもよい。第1および第2の波長板レンズ1304、1308はそれぞれ、偏光状態を改変する、例えば、それを通して通過する光の偏光状態を反転させるように構成される。切替可能な波長板1312は、電気的にアクティブ化されると、偏光状態を改変する、例えば、それを通して通過する光の偏光状態を反転させるように構成される一方、非アクティブ化されると、それを通して通過する光の偏光状態を改変せずに、光を実質的に通過させるように構成される。電気信号、例えば、切替可能な波長板1312を切り替えるための電流信号または電圧信号が、そこに電気的に接続される切替回路1316によって提供されてもよい。
【0154】
種々の実施形態では、アクティブ化されると、例えば、切替回路1316によって提供される電圧または電流信号を使用して、電気的にアクティブ化されると、HWP3 1312B(
図13C)は、半波長板としての役割を果たす。すなわち、アクティブ化されると、HWP3 1312B(
図13C)は、それぞれ、それを通して通過する光をLHCPまたはRHCPを有する光からRHCPまたはLHCPを有する光に変換するように構成される、半波長板としての役割を果たす。したがって、L1/HWP1 1304、L2/HWP2 1308、およびHWP3 1312Bはそれぞれ、アクティブ化される(
図13C)と、第1の掌性の円偏光(第1のHCP)を有する光を第2の掌性の円偏光(第2のHCP)を有する光に変換するように構成される。
【0155】
種々の実施形態では、非アクティブ化される、例えば、切替回路1316によって提供される電圧または電流信号を使用して、例えば、電圧または電流信号を除去することによって、電気的に非アクティブ化されると、HWP3 1312A(
図13B)は、偏光または任意のレンズ効果を提供することに影響を及ぼさずに、光のための透過媒体としての役割を果たす。
【0156】
いくつかの実施形態では、単一波長板レンズ1304および/または1308は、波長板レンズおよび切替可能な半波長板の両方として機能してもよい。そのような実施形態では、専用の切替可能な半波長板1312は、省略されてもよい。
【0157】
図13Bは、いくつかの実施形態による、動作時、切替可能な波長板が非アクティブ化されている、
図13Aの適応レンズアセンブリの実施例を図示する。適応レンズアセンブリ1300Aは、切替可能な波長板1312が、非アクティブ化されると、例えば、電流または電圧が、切替回路1316によって切替可能な波長板1312に印加されないとき、非アクティブ化されてもよい。適応レンズアセンブリ1300Aは、第1の適応レンズアセンブリ1004(世界側)または第2の適応レンズアセンブリ1008(ユーザ側)に対応してもよい。一例にすぎないが、適応レンズアセンブリ1300Aは、仮想画像を表示せずに実世界のビューをユーザに表示する、ディスプレイデバイス1000(
図10)の一部としての第1の適応レンズアセンブリ1004または第2の適応レンズアセンブリ1008に対応するように説明されるであろう。例えば、ディスプレイデバイス1000(
図10)は、通常の眼鏡または通常のゴーグルとして使用されてもよい。L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308はそれぞれ、第1のHCP、例えば、それを通して通過するLHCPを有する光に第1のレンズ効果、例えば、発散効果を及ぼすように構成されてもよい。L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308はそれぞれまた、反対HCP、例えば、それを通して通過するRHCPを有する光に第1のレンズ効果と反対の第2のレンズ効果、例えば、収束効果を及ぼすように構成されてもよい。
【0158】
図示される実施形態では、光ビーム1320は、ディスプレイデバイス1300Aが、仮想コンテンツを表示せずに、通常の眼鏡またはゴーグルとして使用されている間の第1の適応レンズアセンブリ1004(世界側)または第2の適応レンズアセンブリ1008(ユーザ側)のいずれか上に入射する世界からの光ビームを表し得る。一例にすぎないが、第1のHCP、例えば、LHCPを有する光ビーム1320は、ビーム1320が、それを通して透過されるためにL1/HWP 1304上に衝突するまで、例えば、正のz-方向に進行する。L1/HWP1 1304は、LHCPを有する光ビーム1320をRHCPを有する光ビーム1324に変換する。L1/HWP1 1304はまた、レンズとして構成されるため、L1/HWP1 1304はまた、L1/HWP1 1304の第1の屈折力P1に従って、光ビーム1320を発散させる。
【0159】
RHCPを有する光ビーム1324は、続いて、非アクティブ化状態におけるHWP3 1312A上に入射する。HWP3 1312Aは、非アクティブ化されているため、RHCPを有する光ビーム1324は、偏光またはレンズ効果の観点から実質的に影響されずに、HWP3 1312Aを通して透過し、RHCPを有する光ビーム1328Aとして、L2/HWP2 1308上に入射する。上記に説明されるように、ユーザ側上の適応レンズアセンブリ(例えば、
図10における第2の適応レンズアセンブリ1004)として構成されるとき、L2/HWP2 1308は、図示される実施形態では、L1/HWP1 1304と同様に、すなわち、偏光を変換し、LHCPを有する光を発散させる一方、RHCPを有する光を収束させるように構成される。したがって、RHCPを有する光ビーム1328Aは、LHCPを有する光ビーム1332に逆変換される。したがって、HWP3 1312Aが、非アクティブ化されると、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1304は、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308が、反対レンズ効果をそれを通して通過する光に及ぼすように、反対偏光を有する光ビームを透過させる。すなわち、L2/HWP2 1304上に入射する光ビーム1328Aは、RHCPを有するため、L2/HWP2 1308から出射する光ビーム1332Aは、第1の屈折力P1に従って発散される、L1/HWP1 1304から出射する光ビーム1324と異なり、第2の屈折力P2に従って収束される。その後、非アクティブ化状態における適応レンズアセンブリ1300Aからの出射に応じて、光ビーム1332Aは、眼によって視認され得る。
【0160】
いくつかの実施形態では、HWP3 1312Aが、非アクティブ化されると、負(すなわち、発散)であり得るL1/HWP1 1304の第1の屈折力P1および正(すなわち、収束)であり得るL2/HWP2 1308の第2の屈折力P2は、実質的に同一または合致される大きさを有し得る。これらの実施形態では、約P1+P2であり得る、適応レンズアセンブリ1300Aの正味屈折力Pnetは、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308のレンズ効果の補償のため、実質的にゼロであり得る。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、第1および第2の屈折力P1、P2は、正味屈折力Pnetが非ゼロ値を有し得るように、異なる大きさを有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、非ゼロPnetは、ユーザの眼鏡処方箋と等しく、それによって、ユーザの眼の集束誤差(例えば、屈折集束誤差)の補正を可能にしてもよい。
【0161】
図示される実施形態では、入射光ビーム1320は、LHCPを有するが、類似結果は、入射光ビーム1320がRHCPを有するときにももたらされるであろうことを理解されたい。すなわち、光ビーム1320が、RHCPを有するとき、光ビーム1324および1328Aは、LHCPを有し、図示される実施形態と異なり、光ビーム1324および1328Aは、光ビーム1320に対して収束される。同様に、L2/HWP2 1308は、正味屈折力Pnetが実質的にゼロであり得るように、L1/HWP1 1304によって収束される光ビーム1328Aを発散させる。
【0162】
図13Bに関して上記に説明される、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308のレンズ効果および入射光ビームの偏光状態に対するレンズ効果の選択性は、単なる一実施例としての役割を果たし、他の構成も、可能性として考えられることを理解されたい。例えば、
図13Bでは、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308は、LHCPを有する光を発散させる一方、RHCPを有する光を収束させるように構成されるが、他の実施形態では、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308は、LHCPを有する光を収束させる一方、RHCPを有する光を発散させるように構成されてもよい。
【0163】
要するに、いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリ1300AのHWP3 1312Aが、非アクティブ化状態にあるとき、出射する光ビーム1332Aは、入射光ビーム1320と同一HCPを有し、L1/HWP1 1304のP1とL2/HWP2 1308のP2との間のレンズ効果の補償のため、レンズ効果の観点から、入射光ビーム1320に実質的に合致され得る。その結果、ユーザが、仮想コンテンツを視認していないとき、世界のビューは、比較的に、適応レンズアセンブリ(
図10、11A、11Bにおける1004、1008)の存在によって影響されない。
【0164】
図13Cは、いくつかの実施形態による、動作時、切替可能な波長板がアクティブ化されている、
図13Aの適応レンズアセンブリの実施例を図示する。適応レンズアセンブリ1300Bは、切替可能な波長板1312Bが、アクティブ化されると、例えば、電流または電圧が、切替回路1316によって、切替可能な波長板1312Bに印加されると、アクティブ化されてもよい。適応レンズアセンブリ1300Bは、例えば、第1の適応レンズアセンブリ1004(世界側)または第2の適応レンズアセンブリ1008(ユーザ側)に対応してもよい。以下では、一例として、適応レンズアセンブリ1300Bが、最初に、仮想画像をユーザに出力する、ディスプレイデバイス(例えば、
図11Aにおけるディスプレイデバイス1100A)の一部として、ユーザ側上の第2の適応レンズアセンブリ1008として構成されるように説明されるであろう。続いて、適応レンズアセンブリ1300Bが、同時に、実世界のビューを透過させながら、仮想画像をユーザに出力し、第2の適応レンズアセンブリ1008のレンズ効果から生じる実世界のビューの歪曲を低減または本質的に排除する、ディスプレイデバイス1100B(
図11B)の一部として、世界側上の第1の適応レンズアセンブリ1004として構成されるように説明されるであろう。
【0165】
ユーザ側(
図11A)上の第2の適応レンズアセンブリ1008として構成されるとき、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308はそれぞれ、HCPのうちの1つ、例えば、それを通して通過するLHCPを有する光を発散させるように構成されてもよい。L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308はそれぞれまた、他のHCP、例えば、それを通して通過するRHCPを有する光を収束させるように構成されてもよい。
【0166】
図11Aに関して上記に説明されるように、x-方向に、例えば、全内部反射によって、導波管アセンブリ1012内を伝搬する光の一部は、z-方向に再指向または外部結合されてもよい。導波管アセンブリ1012(
図11A)から外部結合される光は、LHCPを有する円偏光ビーム1320として、切替可能なレンズアセンブリ1300B上に入射してもよい。光ビーム1320は、光ビーム1320が、L1/HWP1304上に衝突し、それを通して透過されるまで、例えば、正のz-方向に進行する。L1/HWP1 1304は、LHCPを有する光ビーム1320をRHCPを有する光ビーム1324に変換する。L1/HWP1 1304は、LHCPを有する光を発散させるように構成されるため、光ビーム1324もまた、L1/HWP1 1304の第1の屈折力P1に従って発散される。
【0167】
RHCPを有する光ビーム1324は、続いて、アクティブ化状態におけるHWP3 1312B上に入射する。
図13Bに関して上記に図示される非アクティブ化されるHWP 1312Aと異なり、HWP3 1312Bは、アクティブ化されているため、HWP3 1312Bを通して透過する、RHCPを有する光ビーム1324は、LCHPを有する光ビーム1328Bに変換される。続いて、LHCPを有する光ビーム1328Bは、L2/HWP2 1308上に入射する。
図13Bに関して上記に図示される光ビーム1328Aと異なり、L2/HWP2 1308上に入射する光ビーム1328Bは、LHCPを有するため、L2/HWP2 1308はさらに、光ビーム1328Bを、第2の屈折力P2に従って、RHCPを有する光ビーム1332Bの中に発散させる。すなわち、
図13Bに関して図示されるHWP 1312Aの非アクティブ化状態と異なり、HWP 1312Bは、アクティブ化されているため、L1/HWP1 1304およびL2/HWP1 1304は、同一偏光LHCPを有する光ビームを透過させるように構成される。したがって、
図13Bに関して図示される補償効果を有する、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308と異なり、
図13CにおけるL1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308は、付加的なレンズ効果をそれを通して通過する光に及ぼす。すなわち、L1/HWP1上に入射する光ビーム1320およびL2/HWP2 1304上に入射する光ビーム1328Bの両方が、LHCPを有するため、L2/HWP2 1308から出射する光ビーム1332Bは、L1/HWP1 1304による発散に加え、さらに発散されるであろう。その後、アクティブ化状態における適応レンズアセンブリ1300Bからの出射に応じて、光ビーム1332Aは、眼によって視認され得る。
【0168】
いくつかの実施形態では、L1/HWP1 1304の第1の屈折力P1およびL2/HWP2 1308の第2の屈折力P2は両方とも、負(すなわち、発散)であってもよく、実質的に同一または合致される大きさを有してもよい。これらの実施形態では、約P1+P2であり得る、適応レンズアセンブリ1300Bの正味屈折力Pnetは、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308の組み合わせの付加的なレンズ効果のため、P1またはP2のものの実質的に2倍であり得る。しかしながら、実施形態は、そのように限定されず、第1および第2の屈折力P1、P2は、異なる大きさを有してもよい。
【0169】
図示される実施形態では、入射光ビーム1320は、LHCPを有するが、類似結果は、入射光ビーム1320がRHCPを有するときにももたらされるであろうことを理解されたい。すなわち、光ビーム1320が、RHCPを有するとき、図示される実施形態と異なり、結果として生じる光ビーム1332Bは、LHCPを有し、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308によって、第1および第2の屈折力P1およびP2の大きさのほぼ和である大きさを有する、正味屈折力Pnetに従って収束される。
【0170】
図13Cに関して上記に説明される、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308のレンズ効果および入射光ビームの偏光状態へのレンズ効果の依存性は、単なる一実施例としての役割を果たし、他の構成も、可能性として考えられることを理解されたい。例えば、
図13Bでは、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308は、LHCPを有する光を発散させる一方、RHCPを有する光を収束させるように構成されるが、他の実施形態では、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308は、反対に、LHCPを有する光を発散させる一方、RHCPを有する光を収束させるように構成されてもよい。
【0171】
その結果、いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリ1300Bの切替可能な半波長板1312Bが、アクティブ化状態にあるとき、出射する光ビーム1332Bは、入射光ビーム1320に対して反対HCPを有し、L1/HWP1 1304の付加的な光学屈折力P1およびL2/HWP2 1308のP2に従って発散されてもよい。その結果、ユーザが、仮想コンテンツを視認するとき、仮想コンテンツは、その値が約Pnet=P1+P2である、正味屈折力に従って、眼210の中に集束される。
【0172】
上記には、アクティブ化状態における適応レンズアセンブリ1300Bが、
図11Aに関して上記に説明されるディスプレイデバイス1100Aにおけるユーザ側上の第2の適応レンズアセンブリ1008として構成されるときについて説明された。しかしながら、
図11Bに関して上記に説明されるように、任意の補償効果を伴わずに、第2の適応レンズアセンブリ1008をアクティブ化し、仮想コンテンツをユーザの眼210に表示することは実世界のビューの焦点ずれまたは歪曲をもたらし得、これは、望ましくあり得ない。したがって、世界側上の第1の適応レンズアセンブリ1004を、仮想コンテンツを表示するようにアクティブ化されると、少なくとも部分的に、第2の適応レンズアセンブリ1008のレンズ効果を補償または無効にするように構成することが望ましくあり得る。
【0173】
図13Cに戻って参照すると、ユーザ側上の第2の適応レンズアセンブリ1008(
図11B)のレンズ効果を無効にするための世界側上の第1の適応レンズアセンブリ1004(
図11B)として構成されるとき、適応レンズアセンブリ1300Bのコンポーネントは、
図11Bに関して上記に説明されるように、同様に構成されてもよい。すなわち、世界510から眼210に透過される光が、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008を横断するにつれて、それぞれ、
図13Cに関して説明される適応レンズアセンブリ1300Bに関して上記に説明されるように構成されてもよい。動作時、上記に説明されるように、世界から第1の適応レンズアセンブリ1004を通して透過される光の偏光は、第1の偏光状態から第2の偏光状態、例えば、RHCPからLHCPに変換される。続いて、第2の適応レンズアセンブリ1008を通して透過される光の偏光は、第2の偏光状態から第1の偏光状態、例えば、LHCPからRHCPに逆変換される。さらに、
図11Bに関して上記に説明されるように、世界から第1の適応レンズアセンブリ1004を通して透過される光は、第1の符号、例えば、正の符号を有する、第1の正味屈折力Pnet1=P1+P2に従って、第1のレンズ効果、例えば、収束効果を受ける。続いて、第2の適応レンズアセンブリ1008を通して透過される光は、第2の適応レンズアセンブリ1008上に入射する光が、第1の適応レンズアセンブリ1004上に入射する光と反対偏光を有するため、第2の符号、例えば、負の符号を有する、第2の正味屈折力Pnet2=P1’+P2’に従って、第1のレンズ効果と反対の第2のレンズ効果、例えば、発散効果を受ける。Pnet1およびPnet2が、実質的に類似大きさを有するとき、P=Pnet1+Pnet2によって近似される、全体的レンズ効果は、実質的にゼロであり得る。その結果、ユーザが、第2のレンズアセンブリ1008をアクティブ化することによって、仮想コンテンツを視認し、かつ周囲世界内の実オブジェクトを視認するとき、世界のビューは、比較的に、第1のレンズアセンブリ1004の補償効果によって影響されない。
【0174】
種々の実施形態では、アクティブ化されると、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、約±5.0ジオプタ~0ジオプタ、±4.0ジオプタ~0ジオプタ、±3.0ジオプタ~0ジオプタ、±2.0ジオプタ~0ジオプタ、±1.0ジオプタ~0ジオプタの範囲内(これらの値によって定義された任意の範囲、例えば±1.5ジオプタを含む)の正味屈折力(正または負)を提供してもよい。
【0175】
切替可能な半波長板と、波長板レンズとを有する、適応レンズアセンブリを含む、ディスプレイデバイス
図14Aおよび14Bは、例示的ディスプレイデバイス1400A/1400Bを図示し、それぞれ、第1の適応レンズアセンブリ1004と第2の適応レンズアセンブリ1008との間に介在される、導波管アセンブリ1012を含む。ディスプレイデバイス1400Aは、
図11A/11Bに関して上記に説明される、ディスプレイデバイス1100A/1100Bに類似し、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、第1の波長板レンズ(L1/HWP1)1304、例えば、第1の半波長板レンズと、第2の波長板レンズ(L2/HWP2)1308、例えば、第2の半波長板レンズと、切替可能な波長板(HWP3)1312、例えば、切替可能な半波長板とを備える。
【0176】
図14Aを参照すると、ディスプレイデバイス1400Aは、動作時、
図13Aに関して上記に説明される第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008の両方とも、非アクティブ化されているときとして説明される。第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008は、切替可能な波長板1312(
図13A)が、非アクティブ化されるとき、例えば、電流または電圧が、切替回路1316、1316’によって、切替可能な波長板1312に印加されないとき、非アクティブ化されてもよい。構成されるように、ディスプレイデバイス1400Aは、例えば、仮想画像を表示せずに、実世界ビューをユーザに表示するために構成されてもよい。例えば、ディスプレイデバイス1400Aは、
図13Bに関して詳細に説明されるように、通常の眼鏡または通常のゴーグルとして使用されるように構成されてもよい。
図13Aと同様に、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、第1の波長板レンズ(L1/HWP1)1304、例えば、第1の半波長板レンズと、第2の波長板レンズ(L2/HWP2)1308、例えば、第2の半波長板レンズと、切替可能な波長板(HWP3)1312、例えば、切替可能な半波長板とを含む。
図13Aに関して説明されるように、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308はそれぞれ、第1のレンズ効果、例えば、発散効果を、第1のHCP、例えば、それを通して通過するLHCPを有する光に及ぼすように構成されてもよい。加えて、L1/HWP1 1304およびL2/HWP2 1308はそれぞれまた、第1のレンズ効果と反対の第2のレンズ効果、例えば、収束効果を、反対HCP、例えば、それを通して通過するRHCPを有する光に及ぼすように構成されてもよい。アクティブ化される、例えば、切替回路1316、1316’によって提供される、電圧または電流信号を使用して、電気的にアクティブ化されると、HWP3 1312B(
図13C)は、波長板、例えば、半波長板としての役割を果たす。
図13Cに関して上記に説明されるように、アクティブ化されると、HWP3 1312B(
図13C)は、それぞれ、それを通して通過する光をLHCPまたはRHCPを有する光からRHCPまたはLHCPを有する光に変換するように構成される、半波長板としての役割を果たす。他方では、非アクティブ化される、例えば、切替回路1316、1316’によって提供される電圧または電流信号を使用して、例えば、電圧または電流信号を除去することによって、電気的に非アクティブ化されると、HWP3 1312A(
図13B)は、偏光に影響を及ぼさずに、光のための透過媒体としての役割を果たす。L1/HWP1 1304と、L2/HWP2 1308と、HWP3、1312Aとを含む、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008の詳細な動作原理は、
図13Aおよび13Bに関して上記に提供されているため、ここでは省略される。
【0177】
図13Aおよび13Bに関して詳細に説明される動作原理に基づいて、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008が、非アクティブ化状態にあるとき第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008のそれぞれから出射する、光ビーム(例えば、
図13Bにおける1332A)は、その上に入射する光ビーム(例えば、
図13Bにおける1320)と同一HCPを有する。加えて、入射光ビーム1320および出射光ビーム1332Aは、
図13Bに関して上記に説明されるように、第1および第2のレンズアセンブリ1004、1008の正味屈折力の補償のため、レンズ屈折力の大きさの観点から、実質的に合致され得る。
【0178】
図14Bは、いくつかの実施形態による、動作時、切替可能な波長板がアクティブ化されている、
図14Aのディスプレイデバイスの実施例を図示する。第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008は、例えば、切替回路1316、1316’を使用して、電流または電圧を切替可能な波長板1312に印加することによって、個別の切替可能な波長板1312(
図13A)をアクティブ化する。以下では、適応レンズアセンブリ1004、1008のレンズ効果から生じる歪曲が低減または本質的に排除された状態で、仮想画像をユーザに出力する一方、また、実世界内のオブジェクトからの光を透過させる、ディスプレイデバイス1400Bの動作が、説明される。
【0179】
仮想画像を表示するとき、
図11Aおよび13Cに関して上記に説明されるように、x-方向に導波管アセンブリ1012内の導波管内を伝搬する光の一部は、z-方向に再指向または外部結合されてもよい。光ビーム1320は、光ビーム1320が第2の適応レンズアセンブリ1008のL1/HWP1304上に衝突するまで、例えば、正のz-方向に進行する。
図13Cに関して上記に説明される、第2の適応レンズアセンブリ1008の動作原理に基づいて、第2の適応レンズアセンブリ1008が、アクティブ化状態にあるとき、出射する光ビーム(例えば、
図13Cにおける1332B)は、入射光ビーム(例えば、
図13Cにおける1320)と反対HCPを有し、仮想コンテンツを対応する仮想深度平面に表示するために、第2の正味屈折力Pnet2に従って発散される。
【0180】
種々の実施形態では、アクティブ化されると、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、約±5.0ジオプタ~0ジオプタ、±4.0ジオプタ~0ジオプタ、±3.0ジオプタ~0ジオプタ、±2.0ジオプタ~0ジオプタ、±1.0ジオプタ~0ジオプタの範囲内(これらの値によって定義された任意の範囲、例えば±1.5ジオプタを含む)の正味屈折力(正または負)を提供してもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の切替可能なアセンブリ1004、1008の屈折力が、世界を視認する際、相互に補償するように、導波管アセンブリ1012と世界との間の第1の適応レンズアセンブリ1004は、正の屈折力を有してもよい一方、導波管アセンブリ1012とユーザとの間の第2の適応レンズアセンブリ1008は、負の屈折力を有してもよい。
【0181】
その結果、依然として
図14Aおよび14Bを参照すると、ディスプレイデバイス1400A/1400Bは、世界510と眼210との間の光学経路内の一対の適応レンズアセンブリ1004、1008を備え、対の適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、電気的にアクティブ化されると、それを通して通過する光の偏光状態を改変するように構成される、切替可能な波長板(例えば、
図13A/13Bにおける1312A/1312B)を備える。電気的にアクティブ化されると、対の適応レンズアセンブリは、対の適応レンズアセンブリを通して通過する光が、対の適応レンズアセンブリの屈折力の大きさ間のほぼ差である大きさを有する、組み合わせられた屈折力に従って、収束または発散するように、反対符号を有する、正味屈折力(Pnet1、Pnet2)を有する。仮想コンテンツは、負であり得る、Pnet2に従って、ある深度平面においてユーザによって観察され得る一方、世界のビューは、比較的に、少なくとも部分的に、正であり得る、Pnetによって補償される、Pnet2によって影響されない。
【0182】
いくつかの実施形態では、対の適応レンズアセンブリはそれぞれ、切替回路1316、1316’を使用して、複数の値のうちの1つに電気的に調節可能または同調可能である、個別の正味屈折力(Pnet1、Pnet2)を有する。上記に説明されるように、導波管アセンブリ1012によって外部結合される光によって生産された仮想オブジェクトの画像が、3D内で移動するにつれて、ユーザ側上の第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力(Pnet2)は、仮想深度平面の変化する深度に適合するように調節される。同時に、実施形態によると、第1の適応レンズアセンブリ1004の第1の正味屈折力(Pnet1)も、対応して、実世界のビューが、望ましくなく焦点ずれまたは歪曲されないように、切替回路1316、1316’を使用して調節される。本必要性および他の必要性に対処するために、いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイス1400A/1400Bは、組み合わせられた屈折力(Pnet1+Pnet2)が、ほぼ一定、例えば、約ゼロのままであるように、対の適応レンズアセンブリ1004、1008のうちの第1のものの第1の正味屈折力(Pnet1)が、電気的に調節されると、対の適応レンズアセンブリのうちの第2のものの第2の屈折力(Pnet2)が、対応して、調節されるように構成される、コントローラ1404を備える。コントローラ回路および切替可能な波長板1312は、本明細書に説明されるように、第1および第2の正味屈折力Pnet、Pnet2を切り替え、第2の適応レンズアセンブリ1008を使用して、仮想深度平面を調節し、第1の適応レンズアセンブリ1004を使用して、実世界ビューを補償するための時間が、約100ミリ秒未満、約50ミリ秒未満、約10ミリ秒未満、約5ミリ秒未満、約1ミリ秒未満、またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲内の値であるように構成される。
図13Bを参照して上記に述べられたように、いくつかの実施形態では、単一波長板レンズは、波長板レンズおよび切替可能な半波長板の両方として機能してもよい。例えば、単一の統合された光学要素が、選択的に切替可能な偏光をそれを通して通過する光に付与し、さらに、波長板レンズ機能に従って、屈折力をそれを通して通過する光に付与するように構成されてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、
図14Aおよび14Bの第1および第2の適応レンズアセンブリ1004および1008はそれぞれ、第1の波長板レンズ1304および/または第2の波長板レンズ1308および切替可能な波長板1312の機能性を提供する、単一の統合された光学要素の形態をとってもよい。
【0183】
依然として
図14Aおよび14Bを参照すると、
図10を参照して上記に議論されるように、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008のそれぞれによって調節され得る、光学性質は、他の性質の中でもとりわけ、偏光および偏光選択性を含んでもよい。いくつかの実装では、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008の一方または両方は、世界510から、随意にまた、導波管アセンブリ1012から、眼210に向かってそれを通して通過する光のある望ましくない成分を遮断または別様にフィルタリング除去するために、少なくとも1つの偏光選択的方向転換要素(例えば、偏光器)を含む、またはそれに隣接して位置付けられてもよい。例えば、そのような実装では、ディスプレイデバイス1400A/1400Bは、導波管アセンブリ1012と第2の適応レンズアセンブリ1008の第1の波長板レンズ(L1/HWP1)1304との間に介在される、偏光選択的方向転換要素、第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の波長板レンズ(L2/HWP2)1308と眼210との間に介在される、偏光選択的方向転換要素、または両方を含んでもよい。さらに、代替として、または加えて、そのような実装のうちのいくつかでは、ディスプレイデバイス1400Aは、導波管アセンブリ1012と第1の適応レンズアセンブリ1004の第2の波長板レンズ(L2/HWP2)1308との間に介在される、偏光選択的方向転換要素、第1の適応レンズアセンブリ1004の第1の波長板レンズ(L1/HWP1)1304と世界510との間に介在される、偏光選択的方向転換要素、または両方を含んでもよい。偏光選択的方向転換要素は、1つ以上の偏光格子、回折光学要素、および/またはホログラフィック光学要素を含み、液晶偏光格子等の液晶構造を備えてもよい。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ1012は、偏光を外部結合するように構成されてもよい。
【0184】
図15は、いくつかの実施形態による、一対の適応レンズアセンブリを備える、ディスプレイデバイスの実施例を図示し、それぞれ、交互にスタックされる、波長板レンズと、切替可能な波長板とを備える。ディスプレイデバイス1500Aは、
図14Aおよび14Bに関して上記に説明されるディスプレイデバイス1400A/1400Bに類似するが、第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508はそれぞれ、複数の切替可能な波長板、例えば、それぞれ、切替可能な半波長板であり得る、第1-第3の切替可能な波長板1312-1、1312-2、1312-3と交互にスタックされる、複数の波長板レンズ、例えば、それぞれ、半波長板レンズであり得る、第1-第4の波長板レンズ1308-1、1308-2、1308-3、1308-4を備える。いくつかの実装では、導波管アセンブリ1012は、導波管1012a、1012b、および1012cのスタックを含んでもよく、これは、それぞれ、任意の好適な順序において、例えば、赤色、緑色、および青色光を内部結合し、続いて、外部結合することによって、原色画像を提供するために構成される、導波管に対応してもよい。複数の切替可能な波長板1312はそれぞれ、独立して、切替回路1316、1316’(
図14A/14B)を使用して、アクティブ化されてもよい。切替可能な波長板の異なるものを電気的にアクティブ化することは、切替可能な波長板の異なるものによって介在される、直接隣接する波長板レンズの屈折力の大きさのほぼ和である大きさを有する、異なる正味屈折力に従って、適応レンズアセンブリを通して通過する光を発散または収束させる。
【0185】
有利には、切替可能な波長板1312-1、1312-2、1312-3のうちの1つ以上のものを選択的にアクティブ化することによって、サブスタック1504-1、1504-2、1504-3のうちの1つ以上のものが、それぞれ、1つ以上の適応レンズサブアセンブリとしての役割を果たすように選択されてもよく、各サブスタックは、切替可能な波長板1312-1、1312-2、1312-3のうちの1つと、一対の直接隣接する波長板レンズとを備える。例えば、第1の切替可能な波長板1312-1が、アクティブ化されると、第1および第2の波長板レンズ1308-1、1308-2と、第1の波長板レンズ1312-1とを備える、第1のサブスタック1504-1は、
図13Cに関して上記に説明される類似様式において、適応レンズサブアセンブリとしての役割を果たす。加えて、
図13Bに関して上記に説明されるように、切替可能な波長板(1312Aでは
図13B)が、非アクティブ化されると、切替可能な波長板1312Aによって介在される、第1および第2の波長板1304、1308を備える、対応する適応レンズアセンブリ1300Aは、偏光の正味収束、発散、または改変を提供せずに、光を実質的に通過させるように構成されてもよい。したがって、切替可能な波長板1312-1、1312-2、1312-3のうちの1つ以上のものが、アクティブ化されると、サブスタック1504-1、1504-2、1504-3のうちの対応する1つ以上のものは、適応レンズサブアセンブリとしての役割を果たす一方、サブスタック1504-1、1504-2、1504-3のその他は、それを通して通過する光に実質的に影響を及ぼさない。さらに、第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508内の導波管アセンブリ1012の反対側上の切替可能な波長板1312-1、1312-2、1312-3の対応するものをアクティブ化することによって、第1および第2の切替可能な波長板レンズアセンブリ1504、1508の第1および第2の正味屈折力は、
図14Aおよび14Bに関して上記に説明される類似様式において、補償され得る。例えば、コントローラは、第1の適応レンズアセンブリ1504内の切替可能な波長板1312-1、1312-2、1312-3のうちの1つが、第1の適応レンズアセンブリ1004が第1の正味屈折力(Pnet1)を有するように、アクティブ化されると、第2の適応レンズアセンブリ1508内の切替可能な波長板1312-1、1312-2、1312-3のうちの対応する1つが、第2の適応レンズアセンブリ1008が第1の正味屈折力(Pnet2)を有するようにアクティブ化され、組み合わせられた屈折力(Pnet1+Pnet2)が、ほぼ一定、例えば、約ゼロのままであるように構成されてもよい。
【0186】
有利には、第2の適応レンズアセンブリ1508内のサブスタック1508-1、1508-2、1508-3のうちの1つ以上のものの異なるものを選択することによって、異なる深度平面における仮想画像が、ユーザに表示され得、加えて、第1の適応レンズアセンブリ1504内の異なる対応する対のサブスタック1504-1、1504-2、1504-3を選択することによって、サブスタック1508-1、1508-2、1508-3の屈折力から生じ得る、実世界画像の焦点ずれまたは歪曲は、補償または低減され得る。
図14Aおよび14Bを参照して上記に述べられたように、いくつかの実施形態では、単一波長板レンズは、波長板レンズおよび切替可能な半波長板の両方として機能してもよい。同様に、いくつかの実施形態では、サブスタック1504-1、1504-2、1504-3、1508-1、1508-2、および1508-3のうちの1つ以上のものはそれぞれ、個別の第1および/または第2の波長板レンズおよび個別の切替可能な波長板の機能性を提供する、単一の統合された光学要素の形態をとってもよい。
【0187】
依然として
図15を参照すると、
図14Aおよび14Bを参照して上記に議論される類似様式において、いくつかの実装では、第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508の一方または両方は、世界510から、随意にまた、導波管アセンブリ1012から、眼210に向かってそれを通して通過する光のある望ましくない成分を遮断または別様にフィルタリング除去するために、少なくとも1つの偏光選択的方向転換要素(例えば、偏光器)を含む、またはそれに隣接して位置付けられてもよい。例えば、そのような実装では、ディスプレイデバイス1500は、導波管アセンブリ1012と第2の適応レンズアセンブリ1508の第4の波長板レンズ(L1/HWP1)1308-4との間に介在される、偏光選択的方向転換要素、第2の適応レンズアセンブリ1508の第1の波長板レンズ1308-1と眼210との間に介在される、偏光選択的方向転換要素、または両方を含んでもよい。さらに、代替として、または加えて、ディスプレイデバイス1500は、導波管アセンブリ1012と第1の適応レンズアセンブリ1504の第1の波長板レンズ1308-1との間に介在される、偏光選択的方向転換要素、第1の適応レンズアセンブリ1204の第4の波長板レンズ1308-4と世界510との間に介在される、偏光選択的方向転換要素、または両方を含んでもよい。偏光選択的方向転換要素は、1つ以上の偏光格子、回折光学要素、および/またはホログラフィック光学要素を含んでもよく、液晶偏光格子等の液晶構造を備えてもよい。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ1012は、偏光を外部結合するように構成されてもよい。
【0188】
図16は、
図15に関して上記に図示され、
図17A-17Hに関して詳細に下記に説明されるように、ディスプレイデバイス内の第2の適応レンズアセンブリ1508内のサブスタック1508-1、1508-2、1508-3のうちの1つ以上のものを選択することによって、ユーザ1604のために選択され得る、画像fs0のデフォルト仮想深度および第1-第6の仮想画像深度fs1-fs6の実施例を図式的に図示する。加えて、第2の適応レンズアセンブリ1508内のサブスタック1508-1、1508-2、1508-3のうちの選択された1つは、実世界のビューの望ましくない焦点ずれまたは歪曲が、低減または最小限にされるように、第1の適応レンズアセンブリ1504内のサブスタック1504-1、1504-2、1504-3のうちの対応するサブスタックの1つと対合される。
【0189】
図17Aは、
図15に図示されるディスプレイデバイス1500のゼロの状態1500Aの実施例を図示し、サブスタックが、第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508のいずれ内でも選択されていない。本状態では、サブスタック1508-1、1508-2、1508-3のいずれも、眼の中に集束されることに先立って、導波管アセンブリ1012から外部結合される光を実質的に収束または発散させない。仮想画像は、画像fs0のデフォルト深度に表示され得る。いくつかの実施例では、画像を画像fs0のデフォルト深度に表示することは、画像を無限または無限に近い値を有する焦点距離に表示することに匹敵し得る(例えば、fs0は、光学無限遠であり得、これは、第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508の切替可能な波長板のアクティブ化を要求せずに、光学無限遠によって包含される視野の大部分におけるコンテンツが表示されることを可能にすることによって、リソースを節約する利点を有し得る)。
【0190】
図17Bは、
図15に図示されるディスプレイデバイス1500の第1の状態1500Bの実施例を図示し、第1のサブスタック1508-1が、導波管アセンブリ1012から外部結合される光を集束させることによって生成された仮想画像が、第1のサブスタック1508-1の負の屈折力から生じる、デフォルト画像深度fs0より眼210に近い、第1の画像深度fs1において、眼210に表示されるように、第1のサブスタック1508-1の第1の切替可能な波長板1312-1をアクティブ化することによって、第2の適応レンズアセンブリ1508内で選択される。そこから結果として生じる実世界画像の焦点ずれを補償するために、対応する第1のサブスタック1504-1が、実世界ビューの望ましくない焦点ずれが、第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508の正味屈折力の補償される差異に従って低減または最小限にされるように、第1のサブスタック1504-1の第1の切替可能な波長板1312-1をアクティブ化することによって、第1の適応レンズアセンブリ1508内で選択される。
【0191】
図17Cは、
図15に図示されるディスプレイデバイス1500の第2の状態1500Cの実施例を図示し、第2のサブスタック1508-2が、導波管アセンブリ1012から外部結合される光を集束させることによって生成された仮想画像が、第2のサブスタック1508-2の負の屈折力から生じる、第1の画像深度fs1より眼210に近い、第2の画像深度fs2において、眼210に表示されるように、第2のサブスタック1508-2の第2の切替可能な波長板1312-2をアクティブ化することによって、第2の適応レンズアセンブリ1508内で選択される。そこから結果として生じる実世界画像の焦点ずれを補償するために、対応する第2のサブスタック1504-2が、実世界ビューの望ましくない焦点ずれが、第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508の正味屈折力の差異に従って低減または最小限にされるように、第1のサブスタック1504-1の第2の切替可能な波長板1312-2をアクティブ化することによって、第1の適応レンズアセンブリ1508内で選択される。
【0192】
図17Dは、
図15に図示されるディスプレイデバイス1500の第3の状態1500Dの実施例を図示し、複数のサブスタック、すなわち、第1および第2のサブスタック1508-1、1508-2が、導波管アセンブリ1012から外部結合される光を集束させることによって生成された仮想画像が、第1および第2のサブスタック1508-1、1508-2の組み合わせられた負の屈折力から生じる、第2の画像深度fs2より眼210に近い、第3の画像深度fs3において、眼210に表示されるように、第1および第2のサブスタック1508-1、1508-2の第1および第2の切替可能な波長板1312-1、1312-2をアクティブ化することによって、第2の適応レンズアセンブリ1508内で選択される。そこから結果として生じる実世界画像の焦点ずれを補償するために、対応する第1および第2のサブスタック1504-1、1504-2が、実世界画像の望ましくない焦点ずれが、第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508の正味屈折力の補償される差異に従って低減または最小限にされるように、第1および第2のサブスタック1504-1、1504-2の第1および第2の切替可能な波長板1312-1、1312-2をアクティブ化することによって、第1の適応レンズアセンブリ1508内で選択される。
【0193】
図17Eは、
図15に図示されるディスプレイデバイス1500の第4の状態1500Eの実施例を図示し、第3のサブスタック1508-3が、導波管アセンブリ1012から外部結合される光を集束させることによって生成された仮想画像が、第3のサブスタック1508-3の負の屈折力から生じる、第3の画像深度fs3より眼210に近い、第4の画像深度fs4において、眼210に表示されるように、第2のサブスタック1508-2の第3の切替可能な波長板1312-3をアクティブ化することによって、第2の適応レンズアセンブリ1508内で選択される。そこから結果として生じる実世界画像の焦点ずれを補償するために、対応する第3のサブスタック1504-3が、実世界画像の望ましくない焦点ずれが、第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508の正味屈折力の差異に従って低減または最小限にされるように、第3のサブスタック1504-3の第3の切替可能な波長板1312-2をアクティブ化することによって、第1の適応レンズアセンブリ1508内で選択される。
【0194】
図17Fは、
図15に図示されるディスプレイデバイス1500の第5の状態1500Eの実施例を図示し、複数のサブスタック、すなわち、第1および第3のサブスタック1508-1、1508-3が、導波管アセンブリ1012から外部結合される光を集束させることによって生成された仮想画像が、第1および第3のサブスタック1508-1、1508-3の負の屈折力から生じる、第4の画像深度fs4より眼210に近い、第5の画像深度fs5において、眼210に表示されるように、第1および第3のサブスタック1508-1、1508-3の第1および第3の切替可能な波長板1312-1、1312-3をアクティブ化することによって、第2の適応レンズアセンブリ1508内で選択される。そこから結果として生じる実世界画像の焦点ずれを補償するために、対応する第1および第3のサブスタック1504-1、1504-3が、実世界画像の望ましくない焦点ずれが、第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508の正味屈折力の差異に従って低減または最小限にされるように、第1および第3のサブスタック1504-1、1504-3の第1および第3の切替可能な波長板1312-1、1312-3をアクティブ化することによって、第1の適応レンズアセンブリ1508内で選択される。
【0195】
図17Gは、
図15に図示されるディスプレイデバイス1500の第6の状態1500Fの実施例を図示し、複数のサブスタック、すなわち、第2および第3のサブスタック1508-2、1508-3が、導波管アセンブリ1012から外部結合される光を集束させることによって生成された仮想画像が、第2および第3のサブスタック1508-2、1508-3の負の屈折力から生じる、第5の画像深度fs5より眼210に近い、第6の画像深度fs6において、眼210に表示されるように、第2および第3のサブスタック1508-2、1508-3の第2および第3の切替可能な波長板1312-2、1312-3をアクティブ化することによって、第2の適応レンズアセンブリ1508内で選択される。そこから結果として生じる実世界画像の焦点ずれを補償するために、対応する第2および第3のサブスタック1504-2、1504-3が、実世界画像の望ましくない焦点ずれが、第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508の正味屈折力の差異に従って低減または最小限にされるように、第2および第3のサブスタック1504-2、1504-3の第2および第3の切替可能な波長板1312-2、1312-3をアクティブ化することによって、第1の適応レンズアセンブリ1508内で選択される。
【0196】
図17Hは、
図15に図示されるディスプレイデバイス1500の第7の状態1500Gの実施例を図示し、複数のサブスタック、すなわち、第1、第2、および第3のサブスタック1508-1、1508-2、1508-3が、導波管アセンブリ1012から外部結合される光を集束させることによって生成された仮想画像が、第1、第2、および第3のサブスタック1508-1、1508-2、1508-3の負の屈折力から生じる、第6の画像深度fs6より眼210に近い、第7の画像深度fs7において、眼210に表示されるように、第1、第2、および第3のサブスタック1508-1、1508-2、1508-3の第1、第2、および第3の切替可能な波長板1312-1、1312-2、1312-3をアクティブ化することによって、第2の適応レンズアセンブリ1508内で選択される。そこから結果として生じる実世界画像の焦点ずれを補償するために、対応する第1、第2、および第3のサブスタック1504-1、1504-2、1504-3が、実世界画像の望ましくない焦点ずれが、第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508の正味屈折力の差異に従って低減または最小限にされるように、第1、第2、および第3のサブスタック1504-1、1504-2、1504-3の第1、第2、および第3の切替可能な波長板1312-1、1312-2、1312-3をアクティブ化することによって、第1の適応レンズアセンブリ1504内で選択される。
【0197】
図17A-17Hを参照すると、いくつかの実施形態では、第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508の対のアクティブ化または非アクティブ化切替可能な波長板を分離する距離、例えば、実質的に等しい大きさの屈折力を有する、対の切替可能な波長板を分離する距離は、実質的に等しい。例えば、
図17Dを参照すると、屈折力+/-fcを有する、対の非アクティブ化サブスタックのサブスタック間の(適応レンズサブスタックのスタックの厚さ方向、すなわち、z-軸における)距離は、屈折力+/-faを有する、対の非アクティブ化サブスタックのサブスタック間の厚さ方向における距離と等しく、これは、ひいては、屈折力+/-fcを有する、対の非アクティブ化サブスタックのサブスタック間の厚さ方向における距離と等しい。
【0198】
図示される実施形態では、第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508はそれぞれ、例証的目的のために、3つのサブスタックを含むが、実施形態は、そのように限定されないことを理解されたい。すなわち、他の実施形態では、第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508は、それぞれ、第1-n番目のサブスタック1504-1、1504-2、…1504-n、および1508-1、1508-2、…1508-nを含むことができ、nは、対応する数の画像深度fs1、fs2,…fsnを送達するために好適な数である。
【0199】
いくつかの実施形態では、サブスタックのそれぞれの屈折力は、画像深度fs1-fs7の一部または全部が、ジオプタ空間内で相互から等しいまたは実質的に等しい距離で離間されるように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、ジオプタ空間において、画像深度fs1-fs7は、相互から約0.5ジオプタ離間されてもよい。例えば、画像深度fs1-fs7は、それぞれ、0.5、1、1.5、2、2.5、3、および3.5ジオプタに対応し得る。
【0200】
適応レンズアセンブリと、固定レンズとを含む、ディスプレイデバイス
適応レンズアセンブリを含む、上記に説明される例示的ディスプレイデバイスでは、適応レンズアセンブリは、波長板レンズと、切替可能な波長板とを含み、他の利点の中でもとりわけ、導波管の数を低減させ、ひいては、全体的デバイス重量および厚さを低減させる利点を有していた。いくつかの実施形態では、付加的固定レンズが、1つ以上の適応レンズアセンブリ上にスタックされてもよい。有利には、付加的レンズは、種々の可能性として考えられる利点を提供する。例えば、いくつかの状況下では、そのようなレンズは、付加的屈折力を追加するために提供されてもよい。加えて、
図10に関して説明されるウェアラブルデバイス1000等のいくつかの実施形態によるウェアラブルディスプレイデバイスを使用する、一部のユーザは、光がその眼の網膜上に正しく集束させることを妨げる、屈折誤差を伴う眼を有する。いくつかの実施形態では、付加的レンズ要素は、特定の処方箋屈折力を提供し、ユーザが、ディスプレイによって投影され、および/または実世界からディスプレイを通して透過される、画像情報を明確に視認することを可能にするように構成されてもよい。加えて、付加的レンズは、デバイスをユーザの顔輪郭により良好に共形化させるための曲率を有し、アイウェアのための通常のフレームとより良好に統合し、および/またはより審美的に魅力的外観をディスプレイデバイスに提供するための表面を具備してもよい。
【0201】
図18Aおよび18Bは、いくつかの実施形態による、一対の適応レンズアセンブリと、一対の固定レンズとを備える、ディスプレイデバイスを図示する。上記に議論されるように、ディスプレイデバイス1800A/1800Bは、一対の適応レンズアセンブリ(例えば、
図14A/14Bにおける1004、1008、
図15における1504、1508)と、対の適応レンズアセンブリ間に介在される、導波管アセンブリ1012とを備え、導波管アセンブリは、全内部反射下、光を伝搬し、光を対の適応レンズアセンブリのうちの1つの中に外部結合し、仮想コンテンツを複数の仮想深度平面に表示するように構成される、導波管を備える。対の適応レンズアセンブリはそれぞれ、電気的にアクティブ化されると、それを通して通過する光の偏光状態を改変するように構成される、切替可能な波長板を備える。上記に議論されるように、いくつかの状況下では、付加的固定レンズ、例えば、補正レンズを追加し、ユーザにより明確に見えることを可能にすることが望ましくあり得る。いくつかの実施形態では、第1の固定焦点レンズ要素1808が、導波管アセンブリ1012と視認者の眼210との間に提供されてもよい。第1の固定焦点レンズ要素の追加は、適切な調節を提供し、仮想コンテンツを含み得る、導波管アセンブリ1012から外部結合される光が、視認者の眼210のために正しく集束されるように調節し得る。しかしながら、第1の固定レンズ要素1808はまた、世界510から視認者の眼210に伝搬する光の経路内にある。その結果、第1のレンズ要素は、周囲環境からの光を修正し、それによって、収差を世界の視認者のビュー内に生じさせ得る。そのような収差を補正するために、第2の固定焦点レンズ要素1804が、導波管アセンブリ1012の第1の可変焦点レンズ要素1808と反対側上に配置されてもよい。第2の固定焦点レンズ要素1804は、第1の固定焦点レンズ要素1808によって生じる収差を補償するように構成されてもよい。
【0202】
いくつかの実施形態では、第2の固定焦点レンズ要素1804の焦点は、第1の固定焦点レンズ要素1808の焦点の反転または反対であってもよい。例えば、第1の固定焦点レンズ要素1808が、正の屈折力を有する場合、第2の固定焦点レンズ要素1804は、負の屈折力を有してもよく、その逆も同様であって、これは、いくつかの実施形態では、類似大きさであってもよい。
【0203】
いくつかの実施形態では、固定焦点レンズ要素1804、1808を伴わない、ディスプレイデバイス1800A/1800Bは、十分な屈折力を有していない場合があり、第1の可変焦点レンズ要素は、画像情報が視認者によって特定の深度平面上にあるように解釈されるために、適切な量の付加的発散を光に提供するように構成されてもよい。
【0204】
第1および第2の固定焦点レンズ要素1804、1808は、視認者の眼のうちの一方のために提供されてもよく、それぞれ、第1および第2の固定焦点レンズ要素に類似する、第3および第4の固定焦点レンズ要素(図示せず)は、視認者の眼の他方のために提供されてもよいことを理解されたい。
【0205】
種々の実施形態では、第1および第2の固定焦点レンズ要素はそれぞれ、約±5.0ジオプタ~0ジオプタ、±4.0ジオプタ~0ジオプタ、±3.0ジオプタ~0ジオプタ、±2.0ジオプタ~0ジオプタ、±1.0ジオプタ~0ジオプタ(これらの値によって定義された任意の範囲、例えば±1.5ジオプタを含む)の範囲内の正味屈折力(正または負)を提供してもよい。
【0206】
図18Aおよび18Bにおける実施形態等のいくつかの実施形態では、第1および第2の焦点レンズ要素1804、1808の屈折力が相互に補償するように、例えば、凹面または平凹面レンズであり得る、第1の固定焦点レンズ要素1804の屈折力は、正の値を有し、例えば、凸面または平凸面レンズであり得る、第2の固定焦点レンズ要素1808の屈折力は、負の値を有する。しかしながら、いくつかの他の実施形態では、第1および第2の焦点レンズ要素1804、1808の屈折力が相互に補償するように、第2の固定焦点レンズ要素1808の屈折力は、正の値を有してもよく、第1の固定焦点レンズ要素1804の屈折力は、負の値を有してもよい。
【0207】
図19は、いくつかの他の実施形態による、ディスプレイデバイス1900を図示する。
図18A、18Bに関して上記に説明されるディスプレイデバイス1800A/1800Bと同様に、ディスプレイデバイス1900は、一対の適応レンズアセンブリ(例えば、
図14A/14Bにおける1004、1008、
図15における1504、1508)と、対の適応レンズアセンブリ間に介在される、導波管アセンブリ1012とを含む。しかしながら、
図18A、18Bのディスプレイデバイス1800A/1800Bと異なり、仮想コンテンツを含み得る、導波管アセンブリ1012から外部結合される光が、視認者の眼210のために正しく集束されるように調節するために、導波管アセンブリ1012は、第1の固定焦点レンズ要素1808を導波管アセンブリ1012と視認者の眼210との間に有する代わりに、内蔵屈折力を有するように構成されてもよい。上記に説明されるディスプレイデバイス1800A/1800Bと同様に、導波管アセンブリ1012内の内蔵屈折力は、周囲環境からの光の波面を修正し、それによって、世界の視認者のビューに収差を生じさせ得る。そのような収差を補正するために、
図18A、18Bに関して上記に説明される第2の固定焦点レンズ要素1804に類似する、固定焦点レンズ要素1804が、世界と導波管アセンブリ1012との間に配置されてもよい。固定焦点レンズ要素1804は、
図18A、18Bに関して上記に説明される補償機構と同様に、導波管アセンブリ1012内の内蔵屈折力によって生じる収差を補償するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリおよび固定焦点レンズ要素の屈折力が相互に補償するように、導波管アセンブリ1012内の内蔵屈折力は、負の値を有してもよく、固定焦点レンズ要素1804の屈折力は、正の値を有してもよい。固定焦点レンズ要素1804の種々の特性は、
図18A、18Bに関して上記に説明されるものに類似する。
【0208】
図19に図示される実施形態では、固定焦点レンズ要素1804は、世界510と導波管アセンブリ1012との間に配置されるが、他の実施形態も、可能性として考えられることを理解されたい。例えば、固定焦点レンズ要素1808は、
図18A、18Bに関して上記に説明される第1の固定焦点レンズ要素1808と同様に、眼210と導波管アセンブリ1012との間に配置されてもよい。これらの実施形態では、導波管アセンブリおよび固定焦点レンズ要素の屈折力が相互に補償するように、導波管アセンブリ1012内の内蔵屈折力は、正の値を有してもよく、固定焦点レンズ要素1808の屈折力は、負の値を有してもよい。
【0209】
図18A/18Bに関して図示されるディスプレイデバイス1800A/1800Bおよび
図19に関して図示されるディスプレイデバイス1900に戻って参照すると、
図14Aおよび14Bを参照して上記に議論される類似様式において、いくつかの実装では、第1および第2の適応レンズアセンブリの一方または両方は、世界510から、随意にまた、導波管アセンブリ1012からそれを通して眼210に向かって通過する光のある望ましくない成分を遮断または別様にフィルタリング除去するために、少なくとも1つの偏光選択的方向転換要素(例えば、偏光器)を含む、またはそれに隣接して位置付けられてもよい。例えば、そのような実装では、ディスプレイデバイス1800A/1800B(
図18A/18B)および/またはディスプレイデバイス1900(
図19)は、導波管アセンブリ1012とユーザ側上のそこに隣接する波長板レンズとの間に介在される、偏光選択的方向転換要素、ユーザ(眼210)とそこに隣接する波長板レンズとの間に介在される、偏光選択的方向転換要素、または両方を含んでもよい。さらに、代替として、または加えて、ディスプレイデバイス1800A/1800B(
図18A/18B)および/またはディスプレイデバイス1900(
図19)は、導波管アセンブリ1012と世界側上のそこに隣接する波長板レンズとの間に介在される、偏光選択的方向転換要素、世界510とそこに隣接する波長板レンズとの間に介在される、偏光選択的方向転換要素、または両方を含んでもよい。偏光選択的方向転換要素は、1つ以上の偏光格子、回折光学要素、および/またはホログラフィック光学要素を含んでもよく、液晶偏光格子等の液晶構造を備えてもよい。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ1012は、偏光を外部結合するように構成されてもよい。
【0210】
付加的実施例
第1の実施例では、拡張現実システムは、光を受信し、ユーザに向かって再指向するように構成される、少なくとも1つの導波管であって、ユーザの環境からの周囲光がそれを通してユーザに向かって通過することを可能にするようにさらに構成される、少なくとも1つの導波管を備える。システムは、加えて、少なくとも1つの導波管と環境との間に位置付けられる、第1の適応レンズアセンブリであって、第1の適応レンズアセンブリが第1の屈折力をそれを通して通過する光に付与するように構成される、状態と、第1の適応レンズアセンブリが第1の屈折力と異なる屈折力をそれを通して通過する光に付与するように構成される、少なくとも1つの他の状態との間で選択的に切替可能である、第1の適応レンズアセンブリを備える。本システムは、加えて、少なくとも1つの導波管とユーザとの間に位置付けられる、第2の適応レンズアセンブリであって、第2の適応レンズアセンブリが第1の屈折力と異なる第2の屈折力をそれを通して通過する光に付与するように構成される、状態と、第2の適応レンズアセンブリが第2の屈折力と異なる屈折力をそれを通して通過する光に付与するように構成される、少なくとも1つの他の状態との間で選択的に切替可能である、第2の適応レンズアセンブリを備える。システムはさらに、第1および第2の適応レンズアセンブリに動作可能に結合される、少なくとも1つのプロセッサであって、第1および第2の適応レンズアセンブリが実質的に一定の正味屈折力をそれを通して通過する環境からの周囲光に付与するように、第1および第2の適応レンズアセンブリを異なる状態間で同期して切り替えさせるように構成される、少なくとも1つのプロセッサを備える。
【0211】
第2の実施例では、第1の実施例の拡張現実システムはさらに、マイクロディスプレイを備え、少なくとも1つの導波管は、マイクロディスプレイからの光を受信し、ユーザに向かって再指向するように構成される。
【0212】
第3の実施例では、第1-第2の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムにおいて、第1の屈折力および第2の屈折力は、反対符号である。
【0213】
第4の実施例では、第1-第3の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムにおいて、第1の屈折力および第2の屈折力は、実質的に等しい大きさである。
【0214】
第5の実施例では、第1-第4の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムにおいて、第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、1つ以上の制御信号を少なくとも1つのプロセッサから入力として受信し、それに応答して、その後、400ミリ秒未満の時間周期以内に、1つの状態から別の状態に切り替わるように構成される。
【0215】
第6の実施例では、第5の実施例の拡張現実システムにおいて、第1および第2の適応レンズアセンブリがそれぞれ1つの状態から別の状態に切り替わるように構成される、時間周期は、200ミリ秒未満である。
【0216】
第7の実施例では、第6の実施例の拡張現実システムにおいて、第1および第2の適応レンズアセンブリがそれぞれ1つの状態から別の状態に切り替わるように構成される、時間周期は、100ミリ秒未満である。
【0217】
第8の実施例では、第1-第7の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムにおいて、少なくとも1つの導波管は、それを通して少なくとも1つの導波管が、光をユーザに向かって再指向し、ユーザの環境からの周囲光がそれを通してユーザに向かって通過することを可能にするように構成される、出力エリアを備える。少なくとも1つの導波管の出力エリアは、その中に第1の適応レンズアセンブリのクリア開口が形成される、第1の適応レンズアセンブリの一部と、その中に第2の適応レンズアセンブリのクリア開口が形成される、第2の適応レンズアセンブリの一部との間に位置付けられる。
【0218】
第9の実施例では、第8の実施例の拡張現実システムにおいて、その中に第1および第2の適応レンズアセンブリのクリア開口がそれぞれ形成される、第1および第2の適応レンズアセンブリの一部はそれぞれ、少なくとも1つの導波管の出力エリアより大きいサイズである。
【0219】
第10の実施例では、第1-第9の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムにおいて、第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、2つの状態間で切替可能な単極である、少なくとも1つの光学要素を含む。
【0220】
第11の実施例では、第10の実施例の拡張現実システムにおいて、少なくとも1つの光学要素は、少なくとも1つの光学要素が第1の偏光状態をそれを通してユーザに向かって通過する光に付与するように構成される、第1の状態と、少なくとも1つの光学要素が第1の偏光状態と異なる第2の偏光状態をそれを通して通過する光に付与するように構成される、第2の状態との間で切替可能な単極である。
【0221】
第12の実施例では、第1-第11の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムにおいて、第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、少なくとも1つの光学要素とユーザとの間に位置付けられる、少なくとも1つの波長板レンズを含み、少なくとも1つの波長板レンズは、1つの屈折力をそれを通して通過する第1の偏光状態の光に、別の異なる屈折力をそれを通して通過する第2の偏光状態の光に付与するように構成される。
【0222】
第13の実施例では、第1-第12の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムにおいて、第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、2つの状態間で切替可能な単極である、ある量の光学要素を含み、第1および第2の適応レンズアセンブリのそれぞれ内に含まれる光学要素の量は、第1の値と等しく、第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、ある量の異なる状態の中から状態間で選択的に切替可能であって、異なる状態の量は、第1の値に指数関数的に依存する、第2の値と等しい。
【0223】
第14の実施例では、第13の実施例の拡張現実システムにおいて、第2の値は、ある指数を伴う2の冪乗と等しく、指数は、第1の値と等しい。
【0224】
第15の実施例では、第1-第14の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムにおいて、少なくとも1つの導波管は、仮想コンテンツを表す光を受信し、ユーザに向かって再指向するように構成され、少なくとも1つのプロセッサは、第1および第2の適応レンズアセンブリを、異なる状態の量の中からの異なる状態間で同期して切り替えさせ、それを通して通過する光によって表される仮想コンテンツがユーザによって知覚されるべきユーザから離れた距離を調節するように構成される。
【0225】
第16の実施例では、第15の実施例の拡張現実システムにおいて、それを通して通過する光によって表される仮想コンテンツがユーザによって知覚されるべき、ユーザから離れた距離は、ある量の異なる距離のいずれかに選択的に切替可能であって、異なる距離の量は、第2の値と等しい。
【0226】
第17の実施例では、ディスプレイデバイスは、外部結合される光を導波管の出力表面に沿って出力するように構成される、導波管を備える、導波管アセンブリを備える。ディスプレイデバイスは、加えて、出力表面に面した第1の主要表面を有する、第1の適応レンズアセンブリであって、第1の波長板レンズと、第2の波長板レンズと、第1の波長板レンズと第2の波長板レンズとの間に介在される、第1の切替可能な波長板であって、外部結合される光の偏光状態を改変させずに、外部結合される光を通過させるように構成される、第1の状態と、それを通して通過する外部結合される光の偏光状態を改変するように構成される、第2の状態との間で選択的に切替可能である、第1の切替可能な波長板とを備える、第1の適応レンズアセンブリを備える。ディスプレイデバイスは、加えて、出力表面と反対の外部場面に面した第2の主要表面と、第1の主要表面に面した第2の準主要表面とを有する、第2の適応レンズアセンブリであって、第3の波長板レンズと、第4の波長板レンズと、第3の波長板レンズと第4の波長板レンズとの間に介在される、第2の切替可能な波長板であって、外部場面からの光の偏光状態を改変せずに、外部場面からの光を通過させるように構成される、第3の状態と、それを通して通過する外部場面からの光の偏光状態を改変するように構成される、第4の状態との間で選択的に切替可能である、第2の切替可能な波長板とを備える、第2の適応レンズアセンブリを備える。
【0227】
第18の実施例では、第17の実施形態のディスプレイデバイスにおいて、第1および第2の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する外部結合される光の偏光状態を改変し、外部結合される光を収束または発散させるように構成される。
【0228】
第19の実施例では、第17および第18の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、第3および第4の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する外部場面からの光の偏光状態を改変させ、外部結合される光を収束または発散させるように構成される。
【0229】
第20の実施例では、ディスプレイデバイスは、光学経路内の一対の適応レンズアセンブリを備え、適応レンズアセンブリはそれぞれ、第1の状態と第2の状態との間で切り替わり、それを通して通過する光の偏光状態を選択的に改変するように構成される、対応する切替可能な波長板を備え、適応レンズアセンブリは、反対符号を伴う屈折力を有する。
【0230】
第21の実施例では、第20の実施例のディスプレイデバイスにおいて、適応レンズアセンブリはそれぞれ、適応レンズアセンブリの切替可能な波長板の状態に基づいて調節可能である、個別の屈折力を有する。
【0231】
第22の実施例では、第20-第21の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスはさらに、対の適応レンズアセンブリのうちの第1のものの第1の屈折力が第1の値であるとき、対の適応レンズアセンブリのうちの第2のものの第2の屈折力が、対応して、第2の値に調節されるように構成される、コントローラを備える。
【0232】
第23の実施例では、第20-第22の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、対の適応レンズアセンブリのうちの第1のものと対の適応レンズアセンブリのうちの第2のものとの組み合わせからの正味屈折力は、ほぼ一定値のままである。
【0233】
第24の実施例では、第23の実施例のディスプレイデバイスにおいて、一定値は、約0m-1である。
【0234】
第25の実施例では、第20-第24の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、適応レンズアセンブリはそれぞれ、第1および第2の波長板レンズを備え、適応レンズアセンブリのそれぞれの対応する切替可能な波長板は、第1の波長板レンズと第2の波長板レンズとの間に介在され、波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する光の偏光状態を改変するように構成される。
【0235】
第26の実施例では、第20-第25の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスはさらに、対の適応レンズアセンブリ間に介在される、導波管アセンブリを備え、導波管アセンブリは、その中を伝搬する光を適応レンズアセンブリのうちの1つの中に外部結合するように構成される、導波管を備える。
【0236】
第27の実施例では、第20-第26の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、適応レンズアセンブリはそれぞれ、複数の波長板レンズと、複数の切替可能な波長板とを備え、波長板レンズおよび切替可能な波長板は、交互にスタックされる。
【0237】
第28の実施例では、第20-第27の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、切替可能な波長板および波長板レンズの異なるものは、異なる屈折力を有する。
【0238】
第29の実施例では、適応レンズアセンブリは、光学経路内で整合される、1つ以上の波長板レンズおよび1つ以上の切替可能な波長板を備え、1つ以上の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する光の偏光状態を改変し、第1の屈折力を第1の偏光を有する光に提供し、第2の屈折力を第2の偏光を有する光に提供するように構成される。1つ以上の切替可能な波長板はそれぞれ、光の偏光状態を改変せずに、光をそれを通して通過させるように構成される、第1の状態と、それを通して通過する光の偏光状態を改変するように構成される、第2の状態との間で選択的に切替可能である。
【0239】
第30の実施例では、第29の実施例の適応レンズアセンブリにおいて、波長板レンズおよび切替可能な波長板の一方または両方は、液晶を備える。
【0240】
第31の実施例では、第29および第30の実施例のうちの任意の1つの適応レンズアセンブリにおいて、第2の状態における1つ以上の切替可能な波長板はそれぞれ、アクティブ化されると、円偏光の掌性を反転させるように構成される、切替可能な半波長板である。
【0241】
第32の実施例では、第29-第31の実施例のうちの任意の1つの適応レンズアセンブリにおいて、切替可能な波長板はそれぞれ、一対の1つ以上の波長板レンズ間に介在される。
【0242】
第33の実施例では、第29-第32の実施例のうちの任意の1つの適応レンズアセンブリにおいて、適応レンズアセンブリは、複数の波長板レンズと、複数の切替可能な波長板とを備え、波長板レンズおよび切替可能な波長板は、交互にスタックされる。
【0243】
第34の実施例では、ウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステムは、光を出力し、画像を形成するように構成される、光変調システムと、頭部搭載可能フレーム、フレームに取り付けられ、画像を光変調システムから受信し、頭部搭載可能フレームの外側に再指向するように構成される、1つ以上の導波管と、一対の適応レンズアセンブリであって、1つ以上の導波管は、対の適応レンズアセンブリ間に配置される、一対の適応レンズアセンブリとを備える。対の適応レンズアセンブリはそれぞれ、光学経路内の1つ以上の波長板レンズであって、それぞれ、第1の屈折力を第1の偏光を有する光に提供し、第2の屈折力を第2の偏光を有する光に提供するように構成される、1つ以上の波長板レンズとを備える。対の適応レンズアセンブリはそれぞれ、加えて、光学経路内の1つ以上の切替可能な波長板であって、それぞれ、それを通して通過する光の偏光状態を選択的に改変するように構成される、1つ以上の切替可能な波長板を備える。対の適応レンズアセンブリはそれぞれ、1つ以上の切替可能な波長板の個別のものへの個別の電気信号の印加に応じて調節可能である、個別の屈折力を提供するように構成される。
【0244】
第35の実施例では、第34の実施例のウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステムはさらに、対の適応レンズアセンブリに動作可能に結合される、少なくとも1つのプロセッサを備え、少なくとも1つのプロセッサは、対の適応レンズアセンブリが実質的に一定の正味屈折力をそれを通して通過する環境からの周囲光に付与するように、対の適応レンズアセンブリを異なる状態間で同期して切り替えさせるように構成される。
【0245】
第36の実施例では、第34および第35の実施例のうちの任意の1つのウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステムはさらに、マイクロディスプレイを備え、1つ以上の導波管は、マイクロディスプレイからの光を受信し、ユーザに向かって再指向するように構成される。
【0246】
第37の実施例では、第34-第36の実施例のうちの任意の1つのウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステムにおいて、対の適応レンズアセンブリは、反対符号である、屈折力を提供するように構成される。
【0247】
第38の実施例では、第37の実施例のウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステムにおいて、反対符号である、屈折力は、実質的に等しい大きさである。
【0248】
第39の実施例では、第35-第38の実施例のうちの任意の1つのウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステムにおいて、対の適応レンズアセンブリはそれぞれ、1つ以上の制御信号を少なくとも1つのプロセッサから入力として受信し、それに応答して、その後、400ミリ秒未満の時間周期以内に、1つの状態から別の状態に切り替わるように構成される。
【0249】
第40の実施例では、第34-第39の実施例のうちの任意の1つのウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステムにおいて、1つ以上の導波管は、仮想コンテンツを表す画像を受信し、ユーザに向かって再指向するように構成され、少なくとも1つのプロセッサは、対の適応レンズアセンブリを、異なる状態の量の中からの異なる状態間で同期して切り替えさせ、それを通して通過する光によって表される仮想コンテンツがユーザによって知覚される、ユーザから離れた距離を調節するように構成される。
【0250】
第41の実施例では、第40の実施例のウェアラブル拡張現実頭部搭載可能ディスプレイシステムにおいて、仮想コンテンツがユーザによって知覚される、ユーザから離れた距離は、複数の異なる距離間で選択的に切替可能である。
【0251】
第42の実施例では、拡張現実システムは、第1の適応レンズアセンブリと、第2の適応レンズアセンブリとを備え、第2の適応レンズアセンブリは、第1の適応レンズアセンブリとユーザとの間に位置付けられる。適応レンズアセンブリはそれぞれ、少なくとも、(i)少なくとも1つの切替可能な光学要素が第1の偏光状態をそれを通してユーザに向かって通過する光に付与するように構成される、第1の状態と、(i)少なくとも1つの切替可能な光学要素が第2の偏光状態をそれを通してユーザに向かって通過する光に付与するように構成される、第2の状態との間で選択的に切替可能である、少なくとも1つの切替可能な光学要素を備える。適応レンズアセンブリはそれぞれ、加えて、少なくとも1つの切替可能な光学要素とユーザとの間に位置付けられる、少なくとも1つの波長板レンズを備え、少なくとも1つの波長板レンズは、第1の個別の屈折力をそれを通してユーザに向かって通過する第1の偏光状態の光に付与し、第2の個別の屈折力をそれを通してユーザに向かって通過する第2の偏光状態の光に付与するように構成される。システムはさらに、第1の適応レンズアセンブリと第2の適応レンズアセンブリとの間に位置付けられる、少なくとも1つの導波管を備え、少なくとも1つの導波管は、仮想コンテンツを表す光を第2のレンズアセンブリを通してユーザに向かって指向するように構成される。
【0252】
第43の実施例では、第42の実施例の拡張現実システムはさらに、第1および第2の適応レンズアセンブリに動作可能に結合される、少なくとも1つのプロセッサを備え、少なくとも1つのプロセッサは、第1および第2の適応レンズアセンブリが実質的に一定の正味屈折力をそれを通して通過する環境からの周囲光に付与するように、第1および第2の適応レンズアセンブリを異なる状態間で同期して切り替えさせるように構成される。
【0253】
第44の実施例では、第42-第43の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムはさらに、マイクロディスプレイを備え、少なくとも1つの導波管は、マイクロディスプレイからの光を受信し、ユーザに向かって再指向するように構成される。
【0254】
第45の実施例では、第42-第44の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムにおいて、第1および第2の適応レンズアセンブリは、反対符号である、屈折力を提供するように構成される。
【0255】
第46の実施例では、第45の実施例の拡張現実システムにおいて、反対符号である、屈折力は、実質的に等しい大きさである。
【0256】
第47の実施例では、第43-第46の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムにおいて、第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、1つ以上の制御信号を少なくとも1つのプロセッサから入力として受信し、それに応答して、その後、400ミリ秒未満の時間周期以内に、1つの状態から別の状態に切り替わるように構成される。
【0257】
第48の実施例では、第42-第47の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムにおいて、第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、2つの状態間で切替可能な単極である、ある量の光学要素を含む。第1および第2の適応レンズアセンブリのそれぞれ内に含まれる光学要素の量は、第1の値と等しい。第1および第2の適応レンズアセンブリはそれぞれ、ある量の異なる状態の中から状態間で選択的に切替可能であって、異なる状態の量は、第1の値に指数関数的に依存する、第2の値と等しい。
【0258】
第49の実施例では、第48の実施例の拡張現実システムにおいて、第2の値は、ある指数を伴う2の冪乗と等しく、指数は、第1の値と等しい。
【0259】
第50の実施例では、第43-第49の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムにおいて、1つ以上の導波管は、仮想コンテンツを表す光を受信し、ユーザに向かって再指向するように構成され、少なくとも1つのプロセッサは、対の適応レンズアセンブリを、異なる状態の量の中からの異なる状態間で同期して切り替えさせ、それを通して通過する光によって表される仮想コンテンツがユーザによって知覚される、ユーザから離れた距離を調節するように構成される。
【0260】
第51の実施例では、第50の実施例の拡張現実システムにおいて、仮想コンテンツがユーザによって知覚される、ユーザから離れた距離は、ある量の異なる距離のいずれかに選択的に切替可能であって、異なる距離の量は、第2の値と等しい。
【0261】
第52の実施例では、ディスプレイデバイスは、外部結合される光を導波管の出力表面に沿って出力するように構成される、導波管を備える、導波管アセンブリを備える。ディスプレイデバイスは、加えて、出力表面に面した主要表面を有する、適応レンズアセンブリを備える。適応レンズアセンブリは、第1の波長板レンズと、第2の波長板レンズと、第1の波長板レンズと第2の波長板レンズとの間に介在される、切替可能な波長板とを備える。切替可能な波長板は、外部結合される光の偏光状態を改変させずに、外部結合される光を通過させるように構成される、第1の状態と、それを通して通過する外部結合される光の偏光状態を改変するように構成される、第2の状態との間で選択的に切替可能である。
【0262】
第53の実施例では、第52の実施例のディスプレイデバイスにおいて、第1および第2の波長板レンズはそれぞれ、それを通して通過する外部結合される光の偏光状態を改変し、外部結合される光を収束または発散させるように構成される。
【0263】
第54の実施例では、第52の実施例または第53の実施例のディスプレイデバイスにおいて、外部結合される光は、ある偏光掌性を有する、円偏光であって、第1および第2の波長板レンズのそれぞれおよび第2の状態における切替可能な波長板は、それを通して通過する外部結合される光の掌性を反転させるように構成される、半波長板である。
【0264】
第55の実施例では、第52-第54の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、第1および第2の波長板レンズはそれぞれ、第1の屈折力を第1の掌性を有する光に提供し、第2の屈折力を第1の掌性と反対の第2の掌性を有する光に提供するように構成される。
【0265】
第56の実施例では、第52-第55の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、切替可能な波長板が第2の状態にあるとき、第1の波長板上に入射する外部結合される光は、第2の波長板上に入射する外部結合される光と同一掌性を有する一方、切替可能な波長板が第1の状態にあるとき、第1の波長板レンズ上に入射する外部結合される光は、第2の波長板上に入射する外部結合される光と反対掌性を有する。
【0266】
第57の実施例では、第52-第56の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、切替可能な波長板が第2の状態にあるとき、第1および第2の波長板レンズは両方とも、それを通して通過する外部結合される光を発散させる一方、切替可能な波長板が第1の状態にあるとき、第1および第2の波長板レンズのうちの一方は、それを通して通過する外部結合される光を収束させ、第1および第2の波長板レンズの他方は、それを通して通過する外部結合される光を発散させる。
【0267】
第58の実施例では、第52-第57の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、切替可能な波長板が第2の状態にあるとき、適応レンズアセンブリは、第1および第2の波長板レンズの屈折力の大きさのほぼ和である大きさを有する、正味屈折力を有する一方、切替可能な波長板が第1の状態にあるとき、適応レンズアセンブリは、第1および第2の波長板レンズの屈折力の大きさ間のほぼ差である大きさを有する、正味屈折力を有する。
【0268】
第59の実施例では、第52-第58の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、第1および第2の波長板レンズは、切替可能な波長板が電気的に非アクティブ化されると、正味屈折力が約ゼロであるように、ほぼ同一大きさを有する、屈折力を有する。
【0269】
第60の実施例では、第52-第59の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、第1および第2の波長板レンズおよび切替可能な波長板はそれぞれ、異なる伸長方向に伸長され、異なる回転角度を有する、伸長液晶分子を備える。
【0270】
第61の実施例では、第52-第60の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、第1および第2の波長板レンズはそれぞれ、適応レンズアセンブリの光学軸から液晶分子までの半径方向距離に比例する回転角度を有する、液晶分子を備える。
【0271】
第62の実施例では、第52-第61の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、第2の状態では、切替可能な波長板は、複数のキラル構造を備える、コレステリック液晶(CLC)層を備え、各キラル構造は、少なくともある螺旋ピッチによって、層深度方向に延在し、第1の回転方向に連続的に回転される、複数の液晶分子を備え、螺旋ピッチは、第1の回転方向における1回転によるキラル構造の液晶分子の正味回転角度に対応する、層深度方向における長さである。
【0272】
第63の実施例では、第52-第62の実施例のうちの任意の1つのディスプレイデバイスにおいて、アクティブ化されると、切替可能な波長板は、パンチャラトナムベリー(PB)光学要素(PBOE)を構成する。
【0273】
第64の実施例では、第17-第19の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムはさらに、導波管アセンブリとユーザとの間に配置される、1つ以上の偏光選択的方向転換要素を備え、第1の波長板レンズは、第2の波長板レンズよりユーザに近い。
【0274】
第65の実施例では、第64の実施例の拡張現実システムにおいて、第1の偏光選択的方向転換要素は、ユーザと第1の波長板レンズとの間に配置される。
【0275】
第66の実施例では、第64の実施例または第65の実施例の拡張現実システムにおいて、第2の偏光選択的方向転換要素は、導波管アセンブリと第2の波長板レンズとの間に配置される。
【0276】
第67の実施例では、第64-第66の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムにおいて、1つ以上の偏光選択的方向転換要素は、偏光格子、回折光学要素、および/またはホログラフィック光学要素のうちの1つ以上のものを含む。
【0277】
第68の実施例では、第17-第19の実施例および第64-第67の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムは、導波管アセンブリと外部場面との間に配置される、1つ以上の偏光選択的方向転換要素を備え、第3の波長板レンズは、第4の波長板レンズより外部場面に近い。
【0278】
第69の実施例では、第17-第19の実施例および第64-第68の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムはさらに、外部場面と第3の波長板レンズとの間に配置される、第3の偏光選択的方向転換要素を備える。
【0279】
第70の実施例では、第17-第19の実施例および第64-第69の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムはさらに、導波管アセンブリと第4の波長板レンズとの間に配置される、第4の偏光選択的方向転換要素を備える。
【0280】
第71の実施例では、第17-第19の実施例および第64-第70の実施例のうちの任意の1つの拡張現実システムにおいて、1つ以上の偏光選択的方向転換要素は、偏光格子、回折光学要素、および/またはホログラフィック光学要素のうちの1つ以上のものを含む。
【0281】
付加的考慮点
前述の明細書では、本発明は、その具体的実施形態を参照して説明された。しかしながら、種々の修正および変更が、本発明のより広義の精神および範囲から逸脱することなくそこに行われ得ることが明白となるであろう。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証と見なされるべきである。
【0282】
実際、本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されないことを理解されたい。上記に説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して使用され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。例えば、
図15を参照すると、1つ以上の適応レンズアセンブリ1504-1-1504-3は、導波管1012a、1012b、および/または1012cの個々のものの間に配置されてもよいことを理解されたい。
【0283】
別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実施形態における組み合わせにおいて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されてもよい。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除されてもよく、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要または必須ではない。
【0284】
とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図されることを理解されたい。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/またはステップが、1つ以上の実施形態に対していかようにも要求されること、または1つ以上の実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、または実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを示唆することを意図されない。用語「~を備える」、「~を含む」、「~を有する」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、付加的要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、または連続的順序で実施されること、または全ての図示される動作が実施されることの必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれ得る。例えば、1つ以上の付加的動作が、図示される動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施され得る。加えて、動作は、他の実施形態において再配列される、または再順序付けられ得る。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合では、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。
【0285】
故に、請求項は、本明細書に示される実装に限定されることを意図されず、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。