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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】x線画像を取得する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20241126BHJP
   A61B 6/40 20240101ALI20241126BHJP
【FI】
A61B6/00 550S
A61B6/40 500A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022502119
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 GB2020051483
(87)【国際公開番号】W WO2021009476
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-05-31
(31)【優先権主張番号】1910038.7
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】521400327
【氏名又は名称】アダプティクス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ADAPTIX LTD
【住所又は居所原語表記】Begbroke Science Park, Centre for Innovation and Enterprise (CIE), Woodstock Road, Begbroke, Oxford Oxfordshire OX5 1PF (GB)
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ウェールズ,スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】トラヴィシュ,ジル
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンス,マーク
(72)【発明者】
【氏名】シュミーデハウゼン,クリスティン
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-230404(JP,A)
【文献】特開2012-000297(JP,A)
【文献】特開2018-148964(JP,A)
【文献】特表2019-506207(JP,A)
【文献】特表2020-534065(JP,A)
【文献】特表2015-521880(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03064140(EP,A2)
【文献】特開2012-239796(JP,A)
【文献】国際公開第2019/057863(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0308110(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N23/00-23/2276
A61B 6/00-6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の物体によって不明瞭化された第1の物体のx線画像を取得する方法であって、前記第1の物体は、前記第2の物体に対して動いており、
(a)パネルであって、前記パネル上に分散配置された個別に励起可能なx線エミッタのアレイを含むパネルと、検出器と、プロセッサとを備えるx線撮像装置を提供するステップであって、前記アレイと前記検出器は、互いと前記第2の物体の少なくとも一部分に対して静止したままである前記ステップと、
(b)前記パネルの第1の組の前記x線エミッタを第1の期間にわたって励起し、前記x線を前記第1の物体に向けるステップと、
(c)前記検出器を用いて前記第1の物体を通過した後の前記x線を検出するステップと、
(d)前記検出されたx線を処理して第1の画像セットを生成するステップと、
(e)前記パネルの第2の組の前記x線エミッタを第2の期間にわたって励起し、前記x線を前記第1の物体に向けるステップと、
(f)前記検出器を用いて前記第1の物体を通過した後の前記x線を検出するステップと、
(g)前記検出されたx線を処理して第2の画像セットを生成するステップであって、前記第2の期間に使用される前記x線エミッタの数が、前記第1の期間に使用される前記x線エミッタの数よりも少ない、該ステップと、
(h)各画像セットからの少なくともいくつかの画像を比較して、前記第1の物体少なくとも一部の密度の変化に関する機能情報を提供するステップと、
を含む前記方法。
【請求項2】
前記画像は画素を含み、各画素はその強度に基づいて割り当てられた値を有し、前記値は1つのスケール上にあり、前記第1の物体の少なくとも一部の密度の変化に関する前記機能情報は、各画像セット間の比較における前記画素強度の変化を分析するステップによって提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記比較における前記画素強度の変化を分析するステップは、前記第1及び第2の画像セットとの間の値の標準偏差変化を決定するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1及び第2の期間は、少なくとも部分的にオーバーラップする、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記第1の期間からの前記検出されたx線の一部は、前記処理ステップd)において前記第1の画像セットから除外される、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第2の期間からの前記検出されたx線の一部は、前記処理ステップg)において前記第2の画像セットから除外される、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第1及び第2の期間はそれぞれ開始点及び終了点を有し、前記方法は、前記第1の物体の動きを監視する動き検出器を提供するステップと、前記第1の物体の動きの結果として、前記第1及び/又は第2の期間のそれぞれの前記開始点及び終了点を決定するステップとを含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記第1の物体の動きを一時的に低減又は排除するステップを含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記第1の物体の動きを一時的に低減又は排除するステップは、前記第1又は第2の物体に機械的力を加えることによって達成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の画像セットの少なくともいくつかは、前記第2の画像セットの前記生成においても使用される、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記パネルの前記第2の組の前記x線エミッタを後続の反復期間にわたって続けて励起して、前記第1の物体に前記x線を向けるステップと、前記検出器を使用して前記第1の物体を通過した後の前記x線を検出するステップと、前記続いて検出されたx線の少なくとも一部を処理して、前記第1の物体の後続の反復画像セットを生成するステップとをさらに含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれかに記載の方法に従って動作するように配置されたx線撮像装置。
【請求項13】
前記動き検出器が呼吸バンドである、請求項7に直接的又は間接的に従属する、請求項12に記載のx線撮像装置。
【請求項14】
前記機械的な力は、強制換気装置によって加えられる、請求項9に直接的又は間接的に従属する、請求項12に記載のx線撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、x線画像を取得する方法と、この方法に従って動作するように配置されたx線撮像装置とに関し、3Dトモシンセシス画像を生成する際に特に有用であるが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの疾患は、罹患率及び死亡率の主要な世界的原因の一部である。肺の機能の理解(単なる静的解剖学的構造ではなく)はこのような疾患に取り組み、それぞれの症例の重症度を分類するために不可欠である。肺機能の定期的な評価が必要とされる多様な年齢の患者に影響を及ぼす他の例は、喘息、肺癌、肺線維症及びのう胞性線維症である。
【0003】
このような疾患の治療のためには、身体の関連部分に関する機能情報をできるだけ多く有することが有用である。呼吸される空気の体積を測定するスパイロメトリーは肺機能の全体的な尺度を与えるが、肺の異なる部分がどのように機能しているかを評価するために、撮像方法が必要とされる。しかしながら、肺は身体の特定の他の部分と同様に動き、鮮明な画像を生成すること、及び/又はそれらに関する機能情報を得ることを困難にする。
【0004】
様々な異なる方法が知られているが、それらは全て、以下に簡単に説明するような欠点を有する。
【0005】
核医学の使用は患者が放射性ガスを吸入し、次いで、それがガンマカメラによって画像化されることを含む。これは比較的小さい放射線量を伴うが、結果として得られる画像は解剖学的基準がない2Dで低解像度である。さらに、この手順には数分かかる。
【0006】
患者が息を止めた状態での標準的な胸部x線は取得が早く、比較的小さな放射線量を伴うが、機能的な情報がない2Dビューしか提供しない。
【0007】
反復基準x線が取得される動的x線撮像は知られており、機能的画像を提供することができるが、それに対応してより高い線量を伴い、依然として2D画像のみを提供する。
【0008】
医用スキャナは患者が着用する監視ベルトの使用によるなど、対象物の動きを監視し、対象物が異なる位置にあるときに反復画像(又は、繰り返し画像)を撮影することを含む、ゲーテッドスキャンによって機能画像を生成することができることが知られている。MRIスキャナは、高価で時間がかかるという欠点を有する。また、CTスキャナを用いたゲーテッドスキャンは反復標準胸部x線画像(又は、繰り返される標準的な胸部x線画像)よりもかなり高い放射線量を伴うという付加的な欠点を有している。これらのスキャナはまた、処置中に患者を横にすることを必要とし、これは、患者が身体の様々な部分の相対位置を変化させる可能性がある患者の日常生活の多くをどのように過ごすかとは異なる可能性がある。
【0009】
最後に、x線エミッタを動かしている間に複数のx線投影像を取得し、場合によっては検出器も処置中に動かすことによって、トモシンセシス画像を作り出すことができることが知られている。このような場合、放射線量は、典型的な2DX線画像の放射線量と同様である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、現在のシステムでは、これは比較的時間のかかるプロセス(約5~12秒かかる)であり、機能情報を得るために呼吸サイクル中に複数の画像を得るのには適していない。したがって、比較的低い放射線量で、可能な限り短時間で、別の物体によって不明瞭化され(又は、覆い隠され/obscured)ている移動物体の比較的明瞭な3Dトモシンセシス画像を生成し、したがって、移動物体に関する機能情報を得ることができることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
【0012】
表1-x線撮像システムの比較
【0013】
上記の表は、デジタルトモシンセシスの使用が比較的低い線量で、比較的短い露光時間で、人間の器官のような物体の調査可能(又は、問い合わせ可能(interrogatable)な3D画像をどのように生成することができるかを示す。
【0014】
第1の態様では、本発明は、第2の物体によって不明瞭化された第1の物体のx線画像を取得する方法であって、第1の物体が第2の物体に対して動いている方法を提供し、前記方法は:
(a)個別に励起可能(又は、励起可能/エネルギー付与可能/energisable)なx線エミッタのアレイを含むパネルと、検出器と、プロセッサとを備えるx線撮像装置を提供するステップであって、アレイと検出器とは、互いと第2の物体の少なくとも一部分とに対して静止したままである前記ステップ;
(b)パネルの第1の組のx線エミッタに第1の期間にわたって励起し、x線を第1の物体に向けるステップ;
(c)検出器を使用して、第1の物体を通過した後のx線を検出するステップ;
(d)検出したx線を処理して、第1の画像セットを生成し、第1の物体の構造を示すトモシンセシスデータを取得するステップ;
(e)パネルの第2の組のx線エミッタに第2の期間にわたって励起し、x線を第1の物体に向けるステップ;
(f)検出器を使用して、第1の物体を通過した後のx線を検出するステップ;
(g)検出したx線を処理して、第2の画像セットを生成し、第1の物体の構造を示すトモシンセシスデータを取得するステップであって、第2の期間に使用されるエミッタの数が、第1の期間に使用されるエミッタの数よりも少ない前記ステップ;及び
(h)各画像セットからの少なくともいくつかの画像を比較して、第1の物体の密度(又は、濃度)に関する機能情報を提供するステップ、を含む。
【0015】
この点に関して、第1の物体は肺又は心臓、又は腸などの器官であってもよく、第2の物体はヒト又は動物の身体であってもよい。ヒト又は動物は、この方法が行われている間、立っていても、又は横たわっていてもよい。静止している状態は、x線が放射及び検出される期間に関連する。
【0016】
第2の期間に使用されるエミッタの数は第1の期間に使用されるエミッタの数よりも少ないので、線量は第1の組のx線エミッタの励起を単に反復する(又は、繰り返す)ことに比べて低減される。この点に関して、第2の期間に使用されるエミッタによってカバーされるサブセットエリアは、第1の期間に使用されるエミッタによってカバーされるエリアよりも小さくてもよい。あるいは第2の領域が第1の領域とほぼ同じ(又はより大きい)であってもよいが、より低い密度(面積当たりの数)のエミッタを使用する。
【0017】
本発明の利点は単一の非侵襲的方法で、第1の物体に関する機能情報を導出することができ、その解剖学的画像を得ることができることである。これは、解剖学的及び機能的情報を得るために別個の装置を使用することを含む他の方法に勝る利点である。さらに、それは、異なるソースからの解剖学的及び機能的データを整列させるための変換(translations)の必要性を回避する。
【0018】
トモシンセシスデータは、第1の物体を通る平面のセットが作成される解剖学的画像/デジタルトモシンセシス画像を含むか、又は形成することができる。可視化のために、機能情報を3D解剖学的情報に重ね合わせてもよい。例えば、機能データは、解剖学的平面上にオーバーレイとして表示されてもよい。
【0019】
このような方法はまた、呼吸サイクルの間に(例えば、肺における)組織の伸張(又は弾力性)能力の評価を可能にし得る。これは、肺気腫(COPDの一部)や肺線維症などの病態に対する疾患進行の非侵襲的な診断及び特徴づけを可能にするのに有用であり、また、癌細胞が組織の弾性を局所的に変化させると考えられるので、肺癌の特徴づけを可能にすると考えられる。
【0020】
個々に励起可能なx線エミッタのアレイは、x線源の分散アレイとして説明することができる。これらは、ある範囲の角度にわたってx線を放出することができ、したがって、ある範囲の角度で第1の物体を通過し、3Dデジタルトモシンセシス(DT)画像を導出することができる。x線源の分散アレイの使用は、各エミッタが個々に電子的にトリガされることを可能にし、これは、単一のx線源を物理的に移動させなければならないよりもはるかに速い。さらに、各エミッタは、視野の一部(第1の物体)のみを覆うことができる。したがって、視野のサブセットのみから反復画像(又は、繰り返し画像)を得ることが可能である。これは、エミッタの第1の組を反復する(又は、繰り返す)ことと比較して、総ドーズ量を低減することができることを意味する。サブセット領域は、第2の期間にわたって励起されるパネルの第2の組のx線エミッタによって画定することができる。
【0021】
機能情報を得るために、サブセット領域又は各々の反復画像を使用することができる。例えば、画素強度の変化は、換気(又は、人工呼吸/ventilation)に関連し得る(肺組織内の空気の体積の増加がその密度を減少させ得、したがって、そのx線減衰を減少させ得る)。
【0022】
x線が患者の周囲360度全部の掃引にわたって放出されるCTとは異なり、デジタルトモシンセシスは部分的な掃引のみをカバーする。静止トモシンセシス(sDT)の現在の方法では、アレイ内で空間的に分布した一連の固定されたソースをトリガして順番に始動させることにより、x線エミッタの物理的な動きなしに部分的掃引が達成される。
【0023】
x線エミッタのアレイは、単一のフラットパネルソース(FPS)であってもよい。あるいは、胸部イメージングのための40cm×40cmのx線検出器のような広い領域が、例えば、各々が例えば25個の電子的にトリガ可能なエミッタを有するFPSの3×3アレイのような、調整された方法で動作される複数のフラットパネルソースのアレイを使用することによって提供されてもよい。FPSは、フラットパネルx線検出器(FPD)とペアリングすることができる。2つの装置は、FPDからの出力として検出されたx線を処理し、分析し、臨床医がビューイングソフトウェアを使用して画像をレビューすることができる「可視化ワークステーション」に(多くの場合、画像アーカイブ及び通信システム(「PACS」)を介して)エクスポートすることができる3Dモデルに複数のフレームを再構成する「取得ワークステーション」として働くコンピュータと共に働くことができる。
【0024】
解剖学的及び機能的画像を導出するために使用される検出されたx線は、様々な方法でシーケンシング(又は、順序付け)することができる。例えば、解剖学的画像は最初に、全視野をカバーする典型的なDT画像として取得されてもよい。患者は、数秒間息を止める必要がある場合がある。次いで、患者は、機能的画像が取得されている間、数回の呼吸の間、呼吸することを許される。呼吸フェーズの間、視野のサブセット領域又は複数のサブセット領域は、第2の期間に第2の組のx線エミッタを使用して撮像される。
【0025】
第2の組の励起されたx線エミッタのターゲット領域は、臨床医によって決定することができる。しかしながら、視野の中心のような固定点に対する予め設定された位置の使用のような他の手段も考えられる。あるいは領域/位置が予め定義された閾値を使用して自動的に選択されてもよい(例えば、肺は典型的には周囲の組織よりもかなり低いx線減衰を有する)。
【0026】
画像は各画素がその強度に基づいてそれに割り当てられた値を有する画素を含むことができ、その値は1つのスケール上にある。第1の物体の密度に関する機能情報は、画像の各セット間の比較における画素強度の変化を分析するステップによって提供されてもよい。
【0027】
例えば、この比較における画素強度の変化を分析するステップは、画像の第1の組と第2の組との間の値における標準偏差変化を決定することを含み得る。
【0028】
画像は、グレースケールフォーマットであってもよく、又は比色(又はより具体的には測光)グレースケールフォーマットであってもよい。画像は、色空間にあってもよい。
【0029】
密度に関する機能情報は、撮像物体に含まれる様々な撮像部分間の相対密度に関するものであってもよい。密度に関する機能情報は、撮像物体の少なくとも一部の密度の変化に関連し得る。
【0030】
第1及び第2の期間は、少なくとも部分的にオーバーラップすることができる。言い換えれば、1つのセットの開始時間は、別のセットの終了時間の前に生じてもよい。第1の期間から検出されたx線の一部は、処理ステップd)において第1の画像セットから除外されてもよい。第2の期間から検出されたx線の一部は、処理ステップg)において第2の画像セットから除外されてもよい。
【0031】
第1及び第2の期間はそれぞれ開始点及び終了点を有することができ、上記方法は、第1の物体の動きを監視するために動き検出器を提供するステップと、第1のオブジェクトの動きの結果として第1及び/又は第2の期間のそれぞれの開始点及び終了点を決定するステップとを含むことができる。呼吸バンドは呼吸位相を記録するための動き検出器として使用されてもよく、その結果、呼吸位相は処理手段によって、生成された画像に相関されてもよい。
【0032】
例えば解剖学的目印の位置を監視することなどの、第1の物体の動きを監視するための他の手段が考えられる。例えば、呼吸サイクル中である。
【0033】
上記方法は、第1の物体の動きを一時的に低減又は除去するステップを含むことができる。これは、第1の物体又は第2の物体に機械的な力を加えることによって達成することができる。例えば、患者の動きを減少させる最も一般的なアプローチは、患者の身体部分の全体的な動きを防止するために使用されるストラップ、バー、クッション及び他の付属品を含む身体的拘束である。代替的に、又は追加的に、息止めは、患者が息止めを十分維持できると仮定して、患者の動きを低減するための一般的な方法である。息止めには、体内の動きを減らす利点があり、特に、肺の容積の変化や周囲の組織や器官の動きを減らす利点がある。呼吸速度の制御は、機械的人工呼吸器を介して達成することもできる。肺機能が損なわれている患者は、すでに換気(又は、人口呼吸/ventilation)を受けていることが多いため、人工呼吸器診断器を用いてx線を適用するタイミングを制御することができる。呼吸のペース(又は、早さ)(又は肺膨張の量)が制御ではなく、知るために重要である場合には、単純なセンサを胸壁に適用し、x線タイミングを制御するために、又はx線画像にタグを付けるために使用することができる。
【0034】
特に獣医学又は小児科の場合には、化学的「拘束」も使用され得る。じっと座っていることができないか、又は容易に拘束することができない患者については、軽度の鎮静又は全身麻酔のような方法が使用され得る。
【0035】
第1の組の画像の少なくともいくつかは、第2の組の画像の作成に使用されてもよい。
【0036】
本方法は、その後の反復期間(又は、繰り返し期間)にわたってパネルの第2の組のx線エミッタを励起し、第1の物体にx線を向けるステップと、検出器を使用して第1の物体を通過した後のx線を検出するステップと、後に検出されたx線の少なくとも一部を処理して第1の物体の後続の反復画像の組を生成するステップとをさらに含むことができる。
【0037】
この接続において、サブセット領域は1つ又は複数のエミッタからのx線に曝されてもよく、ここで、各エミッタによって生成されるコネレット(conelet)は検出器において互いに重なり合うことができる。オーバーラップの程度は、比較的最小であってもよい。1つ又は複数のエミッタは、反復して(又は、繰り返して)励起されてもよい。これは、換気の尺度としての画素強度の変化のような2D画像及び測定を導出することを可能にし得る。
【0038】
あるいは、より大きな相対的な重なりを有する一組のエミッタがサブセット領域をカバーするように反復して励起されてもよい。これにより、3Dデジタルトモシンセシス画像及び情報を導出することができる。例えば、動きを弾性の尺度として監視する。
【0039】
2つ以上のサブセット領域を撮像する必要がある場合、これらの領域のうちの1つ又は複数をx線に同時に、又は少なくとも幾らかの時間的オーバーラップを伴って暴露することができる。これは、サブセット領域の空間的オーバーラップが最小である場合であり得る。
【0040】
本方法は第1の物体に関する機能情報を提供するために、第2の及び後続の画像セットからの各画像セットからの少なくともいくつかの画像を比較するステップをさらに含むことができる。
【0041】
第1の物体について提供される機能情報は、その組成、そのサイズ、その形状、第2の物体に対するその位置、その弾性、及びその密度のうちの1つ又は複数に関連し得る。また、それは、その移動パターン、移動速度、及び移動位置のうちの1つ又は複数に関連してもよい。機能情報はその境界、例えば、肺境界領域を識別すること、又は第1の物体の異なる領域のx線減衰を計算すること、及びこれが呼吸サイクルのような経時的にどのように変化するかを計算することを含むことができる。これは、3Dで、又は投影された2D境界変化を測定することによって(ボリュームの代理インジケータとして)、又は2D投影における減衰の変化を測定することによって行うことができる。
【0042】
さらに、画像「テクスチャ」の動きを追跡して、第1の物体の全体又は一部の動きを評価することができる。本方法は、x線の各コネレットの角度を変化させるステップを含むことができることを理解されたい。この点に関し、典型的な使用において、x線ビームは、コーン(又は、円錐)形状であってもよく、こうして、コネレットを形成してもよい。「コネレット」は、単一のエミッタからのx線放射の略コーン形の包絡線を指し得る。この用語は、単一のエミッタの放射を、エミッタの全体のアレイの放射と区別するために使用されてもよい。
【0043】
肺の典型的な解剖学的トモシンセシス画像では、20°から40°の間の幅のコネレットが適切であり得る。この点に関して、角度はその頂点で測定されたコーンの角度であってもよく、又はその角度の半分であってもよい(換言すれば、エミッタからの法線とコーンの側面との間の角度)。しかしながら、物体のサブセット領域の2D機能イメージングを反復するためには、より狭いコーンが好ましい場合がある。
【0044】
一般的に円形又は楕円形のx線投影を用いることができるが、半円形又はさらには長方形の幾何学的形状のような他の形状も考えられる。マスク又は他の手段を使用して、形状を画定することができる。
【0045】
画像の処理中に、第1のオブジェクトの動きは、動きを制御又は補正するために、(ソフトウェアの使用による等の)処理の使用によって考慮されてもよい。例えば、この方法は、患者の身体上にマーカを配置するステップと、カメラを使用して全体的な動きを追跡するステップとを含むことができる。これらのビデオ(光学)ベースの動き追跡ツールはある種の動きを補正するのに有用であり、呼吸数を追跡することさえできる。他のステップは、患者の身体上に投影され、3D(奥行き)情報を取得し、したがって、より小さい空間スケールで動きを追跡するために撮像される構造化された光の使用を含むことができる。x線マーカはまた、特定の領域を示すために使用されてもよく、x線画像内の相対運動を追跡するために使用されてもよい。例えば、肩に隣接して配置されたマーカは相対的な動きを探すために、胸に配置されたマーカと比較されてもよい。
【0046】
集合的に、これらの方法は、x線画像データを前処理又は後処理するために使用することができる。例えば、呼吸運動がx線で分析される場合、光学(ビデオ)運動データを取得し、x線データを前処理して、呼吸による運動を保存しながら全体的な身体の揺れを除去することによって、全体的な運動を排除することが可能であり得る。同様に、データは、x線に基づく動き検出を使用する場合、肩に配置されたマーカの動きを除去することによって前処理することができる。逆に、例えば、肺運動を光学的に追跡し、この呼吸サイクルデータに従ってx線フレームを選択又は分類することによって、データを後処理することが望ましい場合がある。
【0047】
第2の態様では、本発明が第1の態様に従って動作するように配置されたx線撮像装置を提供する。動き検出器は、呼吸バンドであってもよい。機械的な力は、強制空気ベンチレータによって加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本発明の上記及び他の特性、特徴及び利点は、本発明の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。この説明は、本発明の範囲を限定することなく、単に例示のために与えられる。以下に引用する参考図は、添付図面を参照する。
【0049】
図1図1は、使用中のx線装置の概略図である;
【0050】
図2図2は3D解剖学的デジタルトモシンセシスデータセットを作成するためにx線撮影されている一対の肺の概略図であり、
【0051】
図3図3は、肺に関する機能データを導出するために図2とは異なる方法でx線撮影されている一対の肺の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明は特定の図面に関して説明されるが、本発明はそれに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。記載された図面は、概略的なものにすぎず、非限定的なものである。各図面は、本発明の特徴のすべてを含むわけではなく、したがって、必ずしも本発明の実施形態であると見なされるべきではない。図面において、いくつかの要素のサイズは、説明の目的のために誇張され、縮尺通りに描かれていないことがある。寸法及び相対的寸法は、本発明の実施に対する実際の縮尺に対応しない。
【0053】
さらに、説明及び特許請求の範囲における第1、第2、第3などの用語は、同様の要素を区別するために使用され、必ずしも時間的に、空間的に、ランキングで、又は任意の他の方法で順序を説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は適切な状況下で交換可能であり、動作は、本明細書で説明又は図示されたものとは別の順序で可能であることを理解されたい。同様に、特定の順序で説明又は特許請求される方法ステップは、異なる順序で動作すると理解され得る。
【0054】
さらに、明細書及び特許請求の範囲における頂部、底部、上方、下方などの用語は、説明の目的のために使用され、必ずしも相対的な位置を説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は適切な状況下で交換可能であり、動作は、本明細書で説明又は図示されたものとは別の向きで可能であることを理解されたい。
【0055】
特許請求の範囲で使用される「含む(comprising)」という語は、その後に列挙される手段に限定されるものとして解釈されるべきではなく、他の要素又はステップを排除するものではないことに留意されたい。したがって、言及された記載の特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を明示するものとして解釈されるべきであるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ又は構成要素、又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。したがって、「手段A及びBを含む装置」という表現の範囲は、構成要素A及びBのみからなる装置に限定されるべきではなく、本発明に関して、装置の単に関連する構成要素がA及びBのみであることを意味する。
【0056】
同様に、本明細書で使用される「接続される(connected)」という用語は、直接接続のみに限定されるものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。したがって、「装置Bに接続される装置A」という表現の範囲は装置Aの出力が装置Bの入力に直接接続されている装置やシステムに限定されるものではなく、Aの出力とBの入力との間に経路が存在し、これは他の装置や手段を含む経路であってもよいことを意味する。「接続される」とは2つ以上の要素が直接物理的又は電気的に接触していること、又は2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、依然として互いに協働又は相互作用していることを意味し得る。例えば、無線接続が考えられる。
【0057】
本明細書全体を通して、「実施形態」又は「態様」という言及は、実施形態又は態様に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態又は態様に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な場所における「一実施形態において」、「実施形態において」、又は「一態様において」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態又は態様を参照しているわけではなく、異なる実施形態又は態様を参照することができる。さらに、本発明の任意の1つの実施形態又は態様の特定の特徴、構造、又は特性は、本開示から当業者には明らかなように、1つ又は複数の実施形態又は態様において、本発明の別の実施形態又は態様の任意の他の特定の特徴、構造、又は特性と任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0058】
同様に、説明において、本発明の様々な特徴は、開示を合理化し、様々な本発明の態様のうちの1つ又は複数の理解を助けるために、単一の実施形態、図、又はそれらの説明において一緒にグループ化されることがあることを理解されたい。しかしながら、この開示方法は、請求項に記載された発明が各請求項に明示的に記載されたよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。さらに、任意の個々の図面又は態様の説明は、必ずしも本発明の実施形態であると見なされるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、前述の単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴にある。したがって、詳細な説明に続く特許請求の範囲はこの詳細な説明に明確に組み込まれ、各特許請求の範囲はそれ自体が本発明の別個の実施形態として存在する。
【0059】
さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含むが、異なる実施形態の特徴の組み合わせは当業者によって理解されるように、本発明の範囲内であり、さらなる実施形態を形成することを意味する。例えば、以下の特許請求の範囲では、特許請求の範囲に記載された実施形態のいずれも、任意の組み合わせで使用することができる。
【0060】
本明細書で提供される説明では、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の詳細なしに実施され得ることが理解される。他の例では、この説明の理解を不明瞭にしないために、周知の方法、構造、及び技法は詳細に示されていない。
【0061】
本発明の議論では反対に述べられていない限り、パラメータの許容範囲の上限又は下限に対する代替値の開示は、前記値のうちの1つが他の値よりも非常に好ましいという指示と相まって、前記代替値のうちのより好ましい値とより好ましくない値との間にある前記パラメータの各中間値自体が前記より好ましくない値よりも好ましく、また、前記より好ましくない値と前記中間値との間にある各値よりも好ましいという暗黙のステートメントとして解釈されるべきである。
【0062】
用語「少なくとも1つ」の使用は、特定の状況において1つのみを意味し得る。用語「いずれか」の使用は、特定の状況において「全て」及び/又は「各々」を意味し得る。
【0063】
ここで、本発明の原理を、例示的な特徴に関する少なくとも1つの図面の詳細な説明によって説明する。他の配置が基礎となる概念又は技術的教示から逸脱することなく、当業者の知識に従って構成され得ることは明らかであり、本発明は、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定される。
【0064】
図1には、患者20の胸部を通してx線を放射するフラットパネルエミッタアレイ30を含むx線装置10が示されている。x線は、エミッタアレイ30に対向する検出器パネル40によって検出される。
【0065】
結果データはプロセッサ50に送られ、そこで処理されて、スクリーン60上で見ることができる画像を作成することができる。
【0066】
x線35の2つのコーンのみが示されているが、使用時にはプロセス中に必要に応じて、より多くのx線コーンが同時に及び/又は連続して放射され得ることが理解されるべきである。
【0067】
図2は、重なり合う一連の円80によってカバーされた一対の肺70を示す。各円80は、エミッタのx線コネレットによってカバーされる領域を示す。実際には円のサイズが図示されたものよりも大きくても小さくてもよく、円の数はより大きくても小さくてもよい。円以外の形状を用いてもよいと考えられる。
【0068】
この一連の円は、パネルのx線エミッタの第1のセットを第1の期間にわたって励起するステップと、第1の物体にx線を方向付けるステップと、検出器を使用して第1の物体を通過した後でx線を検出するステップとが行われた後に生成され得る。
【0069】
既知の処理技術を使用して、検出器によって収集された情報を使用して、肺の3Dトモシンセシスモデルを作成することが可能である。この情報は臨床医が肺の厚さを通して様々な深さで肺を見ることができるように、スライス100の形態で提示することができる。
【0070】
図3には、同じ対の肺70が示されている。しかしながら、数個の円90のみが示されている。これは、肺の動きの間に、場合によっては数回、第2の組、場合によっては後続の組のx線に曝される、より小さいサブセット領域の一例である。これは、選択されたエミッタのみを励起することによって達成されてもよい。この例ではより小さいサブセット領域をカバーするとともに、その領域をカバーするコネレットの密度は第1の組のx線によってカバーされる領域に比べて低減される。x線が検出器によって検出され、プロセッサによって処理されると、肺の画像の第2の、場合によっては後続のセットを作成することができる。これらの画像のセットは肺に関する機能情報を決定するために、互いに、及び第1のセットと比較されてもよい。このような機能情報は例えば、肺の画像上のカラーオーバーレイ(又は、色の重ね合わせ)として、グラフィカルに提示することができる。オーバーレイは例えば、肺の膨張と収縮110との間の差の大きさのような機能情報を示すことができる。機能的尺度は、整列されたDTスライスのスタック上へのオーバーレイとして、数字又は色として示されてもよい。
【0071】
物体の密度(又は、濃度)は画像の陰影から決定することができ、より暗い陰影は、より明るい陰影よりも高密度の材料の領域を示す。物体の密度は(例えば、肺が膨張及び収縮することにつれて)時間の間に変化し得る。密度は、物体の異なる部分において異なる速度で変化し得る。画像の各組において決定された(物体の、又は物体の少なくとも1つの部分の)密度は画像の別の組における密度と比較されてもよく、密度の決定された変化はグラフィカルに示されてもよい。この比較は、プロセッサによって行われてもよい。変化を分析するステップは画素強度の比較によって行うことができ、ここで、各画素はその強度に基づいてそれに割り当てられた値を有し、その値は、1つのスケール上に存在する。例えば、比較における画素強度の変化を分析するステップは、画像の第1の組と第2の組との間の値における標準偏差変化を決定するステップを含み得る。
【0072】
2回及び後続のx線撮像では、呼吸サイクル中の物理的変化の判定に役立てるために、肺の特定の位置の目印を使用することができる。
【0073】
第1のx線放射期間中に取得された第1の組の画像のいくつかは、第2及び後続の組の画像を処理するときに使用されてもよいことを理解されたい。これらの組は、インターリーブされてもよい。このようにして、患者が受ける放射線量を低減することができる。
【0074】
様々な組の画像からの画像の比較は、場合によっては同じエミッタを使用して、特定の画像が同じ位置で作成されることに基づいて行うことができる。代替的に又は追加的に、この比較は特定の画像が運動(例えば、呼吸)サイクル中の同じ時点で生成されることに基づいて行われてもよい。これは、呼吸センサのようなモニタの使用によって決定されてもよい。
【0075】
この方法及び装置は患者及び医療情報の導出に関して説明されてきたが、第1の移動物体が第2の静止物体によって不明瞭化される他の事項、例えば、荷物の検査(又は、分析)に関して使用され得ることを理解されたい。
【0076】
下記は、本願の出願当初に記載の発明である。
<請求項1>
第2の物体によって不明瞭化された第1の物体のx線画像を取得する方法であって、前記第1の物体は、前記第2の物体に対して動いており、
(a)個別に励起可能なx線エミッタのアレイを含むパネルと、検出器と、プロセッサとを備えるx線撮像装置を提供するステップであって、前記アレイと前記検出器は、互いと前記第2の物体の少なくとも一部分に対して静止したままである前記ステップと、
(b)前記パネルの第1の組のx線エミッタを第1の期間にわたって励起し、前記x線を前記第1の物体に向けるステップと、
(c)前記検出器を用いて前記第1の物体を通過した後の前記x線を検出するステップと、
(d)前記検出されたx線を処理して第1の画像セットを生成し、前記第1の物体の構造を示すトモシンセシスデータを取得するステップと、
(e)前記パネルの第2の組のx線エミッタを第2の期間にわたって励起し、前記x線を前記第1の物体に向けるステップと、
(f)前記検出器を用いて前記第1の物体を通過した後の前記x線を検出するステップと、
(g)前記検出されたx線を処理して第2の画像セットを生成し、前記第1の物体の前記構造を示すトモシンセシスデータを取得するステップであって、前記第2の期間に使用されるエミッタの数が、前記第1の期間に使用されるエミッタの数よりも少ない、該ステップと、
(h)各画像セットからの少なくともいくつかの画像を比較して、前記第1の物体の密度に関する機能情報を提供するステップと、
を含む前記方法。
<請求項2>
前記画像は画素を含み、各画素はその強度に基づいて割り当てられた値を有し、前記値は1つのスケール上にあり、前記第1の物体の密度に関する前記機能情報は、各画像セット間の比較における前記画素強度の変化を分析するステップによって提供される、請求項1に記載の方法。
<請求項3>
前記比較における前記画素強度の変化を分析するステップは、前記第1及び第2の画像セットとの間の値の標準偏差変化を決定するステップを含む、請求項2に記載の方法。
<請求項4>
前記第1及び第2の期間は、少なくとも部分的にオーバーラップする、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
<請求項5>
前記第1の期間からの前記検出されたx線の一部は、前記処理ステップd)において前記第1の画像セットから除外される、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
<請求項6>
前記第2の期間からの前記検出されたx線の一部は、前記処理ステップg)において前記第2の画像セットから除外される、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
<請求項7>
前記第1及び第2の期間はそれぞれ開始点及び終了点を有し、前記方法は、前記第1の物体の動きを監視する動き検出器を提供するステップと、前記第1の物体の動きの結果として、前記第1及び/又は第2の期間のそれぞれの前記開始点及び終了点を決定するステップとを含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
<請求項8>
前記第1の物体の動きを一時的に低減又は排除するステップを含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
<請求項9>
前記第1の物体の動きを一時的に低減又は排除するステップは、前記第1又は第2の物体に機械的力を加えることによって達成される、請求項8に記載の方法。
<請求項10>
前記第1の画像セットの少なくともいくつかは、前記第2の画像セットの前記作成においても使用される、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
<請求項11>
前記パネルの前記第2の組のx線エミッタを後続の反復期間にわたって続けて励起して、前記第1の物体に前記x線を向けるステップと、前記検出器を使用して前記第1の物体を通過した後の前記x線を検出するステップと、前記続いて検出されたx線の少なくとも一部を処理して、前記第1の物体の後続の反復画像セットを生成するステップとをさらに含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
<請求項12>
請求項1~11のいずれかに記載の方法に従って動作するように配置されたx線撮像装置。
<請求項13>
前記動き検出器が呼吸バンドである、請求項7に直接的又は間接的に従属する、請求項12に記載のx線撮像装置。
<請求項14>
前記機械的な力は、強制換気装置によって加えられる、請求項9に直接的又は間接的に従属する、請求項12に記載のx線撮像装置。
図1
図2
図3