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特許7593993動き強調仮想現実ライドシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】動き強調仮想現実ライドシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63G 7/00 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
A63G7/00
【請求項の数】 40
(21)【出願番号】P 2022506049
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 US2020043802
(87)【国際公開番号】W WO2021021769
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】16/524,939
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】クラウトハマー アキヴァ メイア
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-309381(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0096501(US,A1)
【文献】特表2019-517831(JP,A)
【文献】特表2017-532825(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0094540(US,A1)
【文献】特開2018-106262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想現実ライドシステムであって、
可変ライド環境を往来するように構成された乗り物によって乗り手が前記可変ライド環境を通って運ばれている間、仮想現実画像コンテンツを前記乗り手に提示するように構成された電子ディスプレイと、
前記可変ライド環境における前記乗り物の移動特性を示すセンサデータを決定するように構成された1又は2以上のセンサと、
前記電子ディスプレイ及び前記1又は2以上のセンサに通信可能に接続された仮想現実処理回路と、
を備え、
前記仮想現実処理回路は、
前記1又は2以上のセンサから受け取った前記センサデータに基づいて、前記可変ライド環境内の、前記乗り物が予測移動期間の間に予測移動量を移動すると予測されることを示す前記乗り物の予測移動プロファイルを決定し、
前記予測移動量に移動強調係数を適用することよって、前記予測移動量よりも大きい目標知覚移動量を決定し、
前記目標知覚移動量を組み込むように既定仮想現実画像コンテンツを適合することによって、前記予測移動期間の間に前記電子ディスプレイ上に提示される移動強調仮想現実画像コンテンツを決定する、
ように構成される、
仮想現実ライドシステム。
【請求項2】
前記仮想現実ライドシステムは、ローラーコースターライドシステム、レイジーリバーライドシステム、ログフルームライドシステム、ボートライドシステム、ドロップタワーライドシステム、振り子ライドシステム、ブランコライドシステム、スクランブラーライドシステム、又はロボットアームライドシステムである、請求項1に記載の仮想現実ライドシステム。
【請求項3】
前記仮想現実処理回路は、前記予測移動量に対応する前記予測移動期間の間に前記移動強調仮想現実画像コンテンツを前記電子ディスプレイに提示する命令をするように構成される、請求項1に記載の仮想現実ライドシステム。
【請求項4】
前記仮想現実処理回路は、前記既定仮想現実画像コンテンツを前記目標知覚移動量に対応する距離に移動することによって、前記移動強調仮想現実画像コンテンツを決定するように構成される、請求項1に記載の仮想現実ライドシステム。
【請求項5】
前記予測移動プロファイルは、前記乗り物が追加の予測移動期間の間に前記可変ライド環境内で追加の予測移動量を移動すると予測されることを示し、
前記仮想現実処理回路は、
前記追加の予測移動量に追加の移動強調係数を適用することによって、前記追加の予測移動量よりも大きい追加の目標知覚移動量を決定し、
前記追加の目標知覚移動量を組み込むために追加の既定仮想現実画像コンテンツを適合させることによって、前記追加の予測移動期間の間に前記電子ディスプレイに提示する追加の移動強調仮想現実画像コンテンツを決定する、
ように構成される、
請求項1に記載の仮想現実ライドシステム。
【請求項6】
前記予測移動期間の間に前記電子ディスプレイ上に提示される前記移動強調仮想現実画像コンテンツの画像コンテンツが、前記追加の予測移動期間の間に前記電子ディスプレイ上に提示される前記追加の移動強調仮想現実画像コンテンツと異なる場合、
前記予測移動期間の間に発生すると予測される前記乗り物の前記予測移動量が、前記追加の予測移動期間の間に発生すると予測される前記乗り物の前記追加の予測移動量と異なる場合、
前記予測移動期間が前記追加の予測移動期間と異なる場合、
又はそれらの任意の組合せの場合、
前記予測移動量に適用する前記移動強調係数の値が、前記追加の予測移動量に適用する前記追加の移動強調係数の値と異なる、
請求項5に記載の仮想現実ライドシステム。
【請求項7】
前記移動強調係数は、オフセット値、ゲイン値、又はその両方を含む、請求項1に記載の仮想現実ライドシステム。
【請求項8】
前記予測移動プロファイルは、前記予測移動期間の間に前記乗り物が前記可変ライド環境内で予測移動方向に移動することが予測されることを示し、
前記仮想現実処理回路は、前記乗り物の前記予測移動方向に一致する知覚移動方向を組み込むために、前記既定仮想現実画像コンテンツを適合させることによって、前記予測移動期間の間に前記電子ディスプレイに提示する前記移動強調仮想現実画像コンテンツを決定するように構成される、
請求項1に記載の仮想現実ライドシステム。
【請求項9】
前記仮想現実処理回路は、前記センサデータと前記乗り物の後続の移動特性との間の1又は2以上の予想される関係を記述する乗り物移動予測モデルを推定することによって、前記乗り物の前記予測移動プロファイルを決定するように構成される、請求項1に記載の仮想現実ライドシステム。
【請求項10】
前記可変ライド環境は、水域と、前記水域に浮かぶように構成された少なくとも1つのブイを含み、
前記1又は2以上のセンサは、前記少なくとも1つのブイに実装された環境センサを含み、前記環境センサは、前記乗り物の前記少なくとも1つのブイへの接近、前記少なくとも1つのブイの移動特性、前記水域の波の移動特性、又はそれらの任意の組み合わせを示すセンサデータを決定するように構成される、
請求項1に記載の仮想現実ライドシステム。
【請求項11】
前記可変ライド環境は、水域と前記水域に近接する壁とを含み、
前記1又は2以上のセンサは、前記壁に配置された少なくとも1つの環境センサを含み、前記少なくとも1つの環境センサは、前記乗り物の前記壁への接近、前記水域の波の移動特性、又はその両方を示すセンサデータを決定するように構成される、
請求項1に記載の仮想現実ライドシステム。
【請求項12】
前記乗り物は、前記仮想現実ライドシステムの第1の通過の間に、前記可変ライド環境によって定められる複数の可変経路のうちの可変経路を往来するように構成され、前記乗り物は、前記仮想現実ライドシステムの第2の通過の間に、前記可変経路とは異なる前記複数の可変経路のうちの追加の可変経路を往来するように構成される、請求項1に記載の仮想現実ライドシステム。
【請求項13】
仮想現実ライドシステムの動作方法であって、
前記仮想現実ライドシステムに実装された処理回路を用いて、前記仮想現実ライドシステムの、乗り物が往来するように構成された複数の可変経路を定める可変ライド環境を通って前記乗り物が移動している間に、1又は2以上のセンサによって決定されたセンサデータを受け取ることと、
前記処理回路及び乗り物移動予測モデルを用いて、前記1又は2以上のセンサから受け取った前記センサデータに基づいて、前記乗り物が前記可変ライド環境内で予測範囲の間の時間に経験する移動量を予測することと、
前記処理回路を用いて、前記乗り物が前記予測範囲の間の前記時間に前記可変ライド環境内で経験すると予測される前記移動量に、1又は2以上の移動強調係数を適用することによって、前記予測範囲の間の前記時間に対応する目標知覚移動量を決定することと、
前記処理回路を用いて、前記目標知覚移動量に基づいて、前記予測範囲の間の前記時間に対応する既定仮想現実コンテンツを適合することによって、前記時間に前記乗り物の乗り手に提示する移動強調仮想現実コンテンツを決定することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記処理回路を用いて、前記乗り物によって運ばれる電子ディスプレイに、前記時間に前記移動強調仮想現実コンテンツを提示するように命令すること、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記処理回路を用いて、前記1又は2以上のセンサから受け取った前記センサデータに基づいて、前記乗り物が前記予測範囲の間の追加の時間に前記可変ライド環境内で経験する追加の移動量を予測することと、
前記処理回路を用いて、前記乗り物が前記予測範囲の間の前記追加の時間に前記可変ライド環境内で経験すると予測される前記追加の移動量に、前記1又は2以上の移動強調係数を適用することによって、前記予測範囲の間の前記追加の時間に対応する追加の目標知覚移動量を決定することと、
前記処理回路を用いて、前記追加の目標知覚移動量に基づいて、前記予測範囲の間の前記追加の時間に対応する既定仮想現実コンテンツを適合することによって、前記追加の時間に前記乗り物の乗り手に提示する追加の移動強調仮想現実コンテンツを決定することと、
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記処理回路を用いて、前記1又は2以上のセンサから受け取った前記センサデータに基づいて、前記乗り物が前記予測範囲の間の前記時間に前記可変ライド環境内で経験すると予測される移動方向を予測することを含み、
前記移動強調仮想現実コンテンツを決定するために前記既定仮想現実コンテンツを適合することは、
前記既定仮想現実コンテンツを、前記乗り物が前記時間に前記可変ライド環境内で経験すると予測される前記移動方向に対応する方向にシフトすること、及び、
前記既定仮想現実コンテンツを、前記乗り物が前記時間に前記可変ライド環境内で経験すると予測される前記移動量とは異なる前記目標知覚移動量に対応する距離にシフトすること、
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
仮想現実ライドシステムの1又は2以上のプロセッサによって実行可能な命令を格納する有形の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、
可変ライド環境によって定められる複数の可変経路のうちの可変経路を往来するように構成された乗り物が前記仮想現実ライドシステムの前記可変ライド環境を通って乗り手を運んでいるときに、前記1又は2以上のプロセッサを用いて、1又は2以上のセンサにより測定されたセンサデータを決定し、
前記1又は2以上のプロセッサを用いて、前記1又は2以上のセンサによって測定された前記センサデータに基づいて、後続の時間の間に発生すると予測される前記可変ライド環境内の前記乗り物の予測移動量を決定し、
前記1又は2以上のプロセッサを用いて、前記予測移動量に基づいて移動強調仮想現実画像コンテンツを決定し、前記移動強調仮想現実画像コンテンツの前記乗り手への提示が、前記可変ライド環境内の前記乗り物の前記予測移動量とは異なる知覚移動量をもたらす、
命令を含む、有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記1又は2以上のプロセッサを用いて、発生すると予測される前記乗り物の前記予測移動量の前記後続の時間の間に、前記乗り物によって運ばれる電子ディスプレイに、前記移動強調仮想現実画像コンテンツを提示する命令を含む、請求項17に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記移動強調仮想現実画像コンテンツを決定するための前記命令を含む、前記有形の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、
前記乗り物の前記予測移動量に1又は2以上の移動強調係数を適用することによって、前記予測移動量とは異なる前記知覚移動量の目標量を決定し、
前記乗り物の前記予測移動量とは異なる前記知覚移動量の前記目標量に対応する距離を、前記後続の時間の間に対応する既定仮想現実画像コンテンツにオフセットする、
命令を含む、
請求項17に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記1又は2以上のプロセッサを用いて、前記1又は2以上のセンサによって測定された前記センサデータに基づいて、前記後続の時間の間に発生すると予測される前記乗り物の予測移動方向を決定する命令を含み、前記移動強調仮想現実画像コンテンツを決定する前記命令を含む、前記有形の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、
前記後続の時間の間に対応する既定仮想現実画像コンテンツを、前記後続の時間の間に発生すると予測される前記乗り物の前記予測移動方向に対応する方向にオフセットし、
前記後続の時間の間に対応する前記既定仮想現実画像コンテンツを、前記乗り物の前記予測移動量と異なる前記知覚移動量の目標量に対応する距離にオフセットする、
命令を含む、
請求項17に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項21】
仮想現実(VR)ライドシステムであって、
乗り手を支持して可変ライド環境を往来するように構成された乗り物と、
前記乗り物によって前記可変ライド環境を通って運ばれる前記乗り手に画像コンテンツを提示するように構成された電子ディスプレイと、
前記電子ディスプレイと、前記可変ライド環境における前記乗り物の移動プロファイルを示すセンサデータを記録するように構成されたセンサとに通信可能に接続された1又は2以上のプロセッサと、
を備え、
前記1又は2以上のプロセッサは、
前記乗り物の前記移動プロファイルを示す前記センサデータ及び乗り物移動予測モデルに基づいて、前記可変ライド環境内の前記乗り物の、予測移動期間の間の前記乗り物の予測移動量に対応する予測乗り物軌道を決定し、
前記予測移動量より大きい目標知覚移動量を決定し、
前記目標知覚移動量を組み込むように既定画像コンテンツを調整することによって、前記予測移動期間の間に前記電子ディスプレイに提示する移動強調画像コンテンツを決定する、
ように構成される、
VRライドシステム。
【請求項22】
前記乗り物移動予測モデルは、前記センサデータと前記予測移動量との間の少なくとも1つの関係を記述する、請求項21に記載のVRライドシステム。
【請求項23】
前記予測乗り物軌道は、前記乗り物が予測移動方向に前記予測移動量を移動すると予測されることを示す、請求項21に記載のVRライドシステム。
【請求項24】
前記1又は2以上のプロセッサは、前記予測移動量に移動強調係数を適用することによって前記目標知覚移動量を決定するように構成される、請求項21に記載のVRライドシステム。
【請求項25】
前記移動強調係数は、前記予測移動量に対して前記目標知覚移動量を偏らせるオフセット値、前記予測移動量に対して前記目標知覚移動量を調整するゲイン値、又はその両方を含む、請求項24に記載のVRライドシステム。
【請求項26】
前記1又は2以上のプロセッサは、前記予測移動量に対応する前記予測移動期間の間、前記移動強調画像コンテンツを表示するように前記電子ディスプレイに命令するよう構成される、請求項21に記載のVRライドシステム。
【請求項27】
前記移動強調画像コンテンツは、前記既定画像コンテンツに対して、前記目標知覚移動量に対応する距離に移動される、請求項21に記載のVRライドシステム。
【請求項28】
前記センサデータは、前記可変ライド環境における前記乗り物の向き、前記乗り物の位置、前記乗り物の以前の移動特性、前記乗り物の現在の移動特性、又はこれらの組み合わせを示す、請求項21に記載のVRライドシステム。
【請求項29】
前記電子ディスプレイはヘッドセットに実装されたヘッドセットディスプレイを含む、請求項21に記載のVRライドシステム。
【請求項30】
前記電子ディスプレイは前記乗り物と一体化された乗り物ディスプレイを含む、請求項21に記載のVRライドシステム。
【請求項31】
前記可変ライド環境は水域ライド環境を含む、請求項21に記載のVRライドシステム。
【請求項32】
仮想現実(VR)ライドシステムであって、
乗り手に画像コンテンツを提示するように構成された電子ディスプレイと、
前記乗り手を支持して可変ライド環境を往来するように構成された乗り物と、
前記電子ディスプレイと、前記乗り物の現在の移動プロファイルを示すセンサデータを取り込むように構成された1又は2以上のセンサとに通信可能に接続されたVR処理回路と、
を備え、
前記VR処理回路は、
前記乗り物の前記現在の移動プロファイルを示す前記センサデータを前記センサから受け取り、
前記センサデータを乗り物移動予測モデルにおいて使用することによって、前記乗り物が予測移動期間の間に予測移動量を移動すると予測されることを示す、前記乗り物の予測移動プロファイルを生成し、
前記予測移動量よりも大きい目標知覚移動量を決定し、
前記予測移動期間の間に前記電子ディスプレイに提示する前記目標知覚移動量に対応する移動強調画像コンテンツを決定する、
ように構成される、
VRライドシステム。
【請求項33】
前記乗り物は、該乗り物の移動方向の乗り手制御を容易にするように構成された入力デバイスを含み、該入力デバイスは、操舵ハンドル又は操舵輪を含む、請求項32に記載のVRライドシステム。
【請求項34】
前記可変ライド環境は水域ライド環境を含み、前記乗り物はボート乗り物を含む、請求項32に記載のVRライドシステム。
【請求項35】
前記1又は2以上のセンサを備え、該1又は2以上のセンサは、慣性運動センサ、近接センサ、又は位置センサを含む、請求項32に記載のVRライドシステム。
【請求項36】
前記VR処理回路は、前記予測移動量に移動強調係数を適用することによって前記目標知覚移動量を決定するように構成され、前記移動強調係数は、オフセット値又はゲイン値を含む、請求項32に記載のVRライドシステム。
【請求項37】
機械可読命令を含む有形の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記機械可読命令は、1又は2以上のプロセッサによって実行されたときに、該1又は2以上のプロセッサに、
可変ライド環境の可変経路を往来する乗り物に関連付けられて、前記乗り物の移動プロファイルに対応するデータを取り込むように構成された1又は2以上のセンサから、前記乗り物の移動特性を示すセンサデータを受け取り、
前記センサデータに基づいて、前記乗り物が予測移動期間の間に予測移動量を移動すると予測されることを示す、前記乗り物の予測移動プロファイルを生成し、
前記予測移動量に移動強調係数を適用することによって、前記予測移動量よりも大きい目標知覚移動量を決定し、
前記予測移動期間の間に電子ディスプレイを介して乗り手に提示されるように構成された、前記目標知覚移動量を組み込んだ移動強調仮想現実(VR)画像コンテンツを決定する、
ことを行わせる、有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項38】
前記機械可読命令は、前記1又は2以上のプロセッサに、前記センサデータ及び前記乗り物の既定移動プロファイルを乗り物移動予測モデルに入力することによって前記予測移動プロファイルを生成させるように構成される、請求項37に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項39】
前記電子ディスプレイは、ヘッドマウントデバイスと一体化されたヘッドセットディスプレイを含み、前記1又は2以上のプロセッサは、前記ヘッドマウントデバイスのセンサから前記センサデータを受け取るように構成される、請求項37に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項40】
前記可変ライド環境は水域ライド環境を含む、請求項37に記載の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ライドシステム、具体的には、乗り手(例えば、ユーザ)が体験する物理的動き(例えば、移動)を強調し、より爽快なライド体験を提供することを容易にするために、実装及び/又は動作する仮想現実(VR)ライドシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、以下に説明及び/又は請求される本開示の技術に関連し得る技術の側面を紹介することを意図している。この議論は、本開示のより良い理解を促進するための背景情報を提供する上で有用であると考えられる。従って、本節は、この観点で読まれるべきであり、従来技術を認めるものではないことが理解されるべきである。
【発明の概要】
【0003】
ジェットコースター・ライドシステム等のライドシステムは、遊園地、テーマパーク、カーニバル、フェア、及び/又はその類でしばしば配置される。一般に、ライドシステムは、ライド環境と、ライド環境を通って1人以上の乗り手を運ぶ(例えば、支持する)ために実装及び/又は動作する1又は2以上の乗り物と、を含む。例えば、ジェットコースター・ライドシステムは、ライド環境の軌道及び乗り物を含んでもよい。別の例として、レイジーリバーライドシステムは、ライド環境のプール及びインナーチューブの乗り物を含んでもよい。より爽快な及び/又は異なる(例えば、模擬された)ライド体験を提供することを容易にするために、ライドシステムは、その乗り手に仮想現実コンテンツを提示するように実装及び/又は動作してもよい。
【0004】
本開示の様々な態様は、詳細な説明を読み、図面を参照することにより、よりよく理解され得るが、その中で、以下のように説明される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本開示の実施形態による、仮想現実サブシステムを含む仮想現実ライドシステムのブロック図である。
図2】本開示の実施形態による、図1の仮想現実ライドシステムの一例である。
図3】本開示の実施形態による、図1の仮想現実ライドシステムの他の例である。
図4】本開示の実施形態による、図1の仮想現実ライドシステムに使用する乗り物動き予測モデルの一例の図式表現である。
図5】本開示の実施形態による、図1の仮想現実サブシステムの動作プロセスの一例のフロー図である。
図6】本開示の実施形態による、動き強調仮想現実コンテンツの生成プロセスの一例のフロー図である。
図7】本開示の実施形態による、図1の仮想現実サブシステムに通信可能に接続された設計デバイスの一例のブロック図である。
図8】本開示の実施形態による、図7の設計デバイスの動作プロセスの一例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書に開示される特定の実施形態の概要を以下に示す。これらの態様は、単に読者にこれらの特定の実施形態の簡単な概要を提供するために提示されており、これらの態様は、本開示の範囲を制限することを意図していないことを理解されたい。実際、本開示は、以下に規定されない可能性のある様々な態様を包含し得る。
【0007】
1つの実施形態では、仮想現実ライドシステムは、乗り物が乗り手を、ライド環境を通って運んでいる間に、乗り手に仮想現実画像コンテンツを表示する電子ディスプレイと、ライド環境の乗り物の移動特性を示すセンサデータを決定する1又は2以上のセンサと、電子ディスプレイと、及び、1又は2以上のセンサに通信可能に接続された仮想現実処理回路と、を含む。仮想現実処理回路は、1又は2以上のセンサから受け取ったセンサデータに、少なくとも部分的に基づいて、予測乗り物移動プロファイルを決定し、この予測移動プロファイルは、予測移動期間に予測移動量を乗り物が移動すると予測されることを示し、予測移動量に移動強調係数を適用することによって、少なくとも部分的に、予測移動量より大きい目標知覚移動量を決定し、目標知覚移動量を組み込むための既定仮想現実画像コンテンツを適合することによって、少なくとも部分的に、予測移動期間に電子ディスプレイに表示する移動強調仮想現実画像コンテンツを決定する。
【0008】
1つの実施形態では、仮想現実ライドシステムを動作する方法は、仮想現実ライドシステムに実装した処理回路を用いて、乗り物が仮想現実ライドシステムのライド環境を通って移動している間に、1又は2以上のセンサによって決定されたセンサデータを受け取ることと、処理回路を用いて、1又は2以上のセンサから受け取ったセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、予測範囲の間の時間に乗り物が経験する移動量を予測することと、処理回路を用いて、適用することを含み、処理回路は、予測範囲の間の時間に乗り物が経験すると予測される移動量に、1又は2以上の移動強調係数を適用して、乗り物が経験すると予測される移動量とは異なる目標知覚移動量を決定し、処理回路を用いて、目標知覚移動量に少なくとも部分的に基づいて、予測範囲の間の時間に対応する既定仮想現実コンテンツを適応させて、その時間に乗り物の乗り手に表示する移動強調仮想現実コンテンツを決定する、ステップを含む。
【0009】
1つの実施形態では、有形の非一時的なコンピュータ可読媒体は、仮想現実ライドシステムの1又は2以上のプロセッサによって実行可能な命令を格納する。命令は、1又は2以上のプロセッサを使用して、乗り物が仮想現実ライドシステムのライド環境を通って乗り手を運んでいるときに、1又は2以上のセンサによって測定されたセンサデータを決定し、1又は2以上のプロセッサを使用して、1又は2以上のセンサによって測定されたセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、その後の時間の間に発生すると予測される乗り物の移動量を決定する命令を含んでいる。1又は2以上のプロセッサを使用して、予測移動量に少なくとも部分的に基づいて、移動強調仮想現実画像コンテンツを決定し、移動強調仮想現実画像の乗り手への提示が、予測乗り物移動量とは異なる知覚移動量になるようにする。
【0010】
以下、本開示の1又は2以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実施の特徴を全て説明しているわけではない。なお、あらゆる工学又は設計プロジェクトにおいて見られるようなあらゆるこのような実施の開発においては、実施によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の順守等の開発者の個別の目的を達成するために、数多くの実施固有の決定を行わなければならない。さらに、このような開発努力は複雑で時間が掛かる場合もあるが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作及び製造という日常的な取り組みである。
【0011】
本開示の様々な実施形態の要素を紹介する際に、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、その要素の1又は2以上が存在することを意味することを意図している。用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」は、包括的なものとして意図されており、列記する要素以外のさらなる要素が存在し得ることを意味する。さらに、本開示の「1つの実施形態(one embodiment)」又は「ある実施形態(an embodiment)」への言及は、言及された特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を除外すると解釈することを意図していないことを理解されたい。
【0012】
ライドシステムは、遊園地、テーマパーク、カーニバル、フェア、及び/又はその類においてしばしば配置される。一般に、ライドシステムは、ライド環境と、ライド環境を通って1人以上の乗り手を運ぶ(例えば、支持する)ために実装及び/又は動作する1又は2以上の乗り物と、を含む。例えば、レイジーリバーライドシステムは、ライド環境のプールと、1又は2以上のインナーチューブの乗り物と、を含んでもよい。別の例として、ログフルームライドシステムは、ライド環境の水路と、1又は2以上の人工丸太の乗り物と、を含んでもよい。さらなる例として、ボートライドシステムは、ライド環境の水域及び1又は2以上のボートの乗り物を含んでもよい。従って、ライドシステム上の乗り手の物理的な(例えば、実際の及び/又は現実の)移動(例えば、動き)は、一般に、乗り手を乗せた乗り物の移動に依存してもよい。
【0013】
より爽快な及び/又は異なる(例えば、模擬された)ライド体験を提供することを容易にするために、ライドシステムは、仮想現実(VR)コンテンツをその乗り手に提示するように実装及び/又は動作してもよい。 例えば、仮想現実ライドシステムは、聴知覚(例えば、聴覚)刺激、触知覚(例えば、触覚)刺激、及び/又は視知覚(例えば、視覚)刺激等の1又は2以上の知覚刺激を人為的に生成するように実装及び/又は動作してもよい。視知覚刺激の人工的な生成を容易にするために、仮想現実ライドシステムは、仮想現実画像コンテンツを提示する(例えば、表示する)ために実装及び/又は動作する、乗り物ディスプレイ及び/又はヘッドマウントディスプレイ等、1又は2以上の電子ディスプレイを含んでもよい。
【0014】
一般に、視知覚刺激は人間の視覚系によって知覚される。実際、少なくともいくつかの例では、知覚した視知覚刺激の時間的な変化により、人間が運動(例えば、移動)を検知することができる場合がある。例えば、知覚した視知覚刺激が時間と共に左に移動する場合、人間は、知覚した視知覚刺激に対して彼/彼女が右に移動していると知覚する(例えば、決定及び/又は検知する)ことができ、又はその逆もまた可能である。追加的に又は代替的に、知覚した視知覚刺激が時間と共に上に移動する場合、人間は、知覚した視知覚刺激に対して彼/彼女が下に移動していると知覚することができ、又はその逆もまた可能である。
【0015】
人間の移動は、追加的又は代替的に、前庭系(例えば、内耳)によって知覚されることがある。言い換えれば、少なくともいくつかの事例において、人間の移動は、視覚系だけでなく、前庭系によっても知覚されることがある。しかし、少なくともいくつかの事例において、前庭系によって知覚される移動と、視覚系によって知覚される移動との間の不一致は、人間が乗り物酔いを経験する結果となる場合がある。
【0016】
言い換えると、少なくともいくつかの事例において、仮想現実ライドシステム上の乗り手は、視覚系により知覚する移動が、前庭系により知覚する移動と一致しない場合、ライド体験に影響を与える(例えば、減少及び/又は劣化する)乗り物酔いを経験する場合がある。上述のように、乗り物は、仮想現実ライドシステムのライド環境を通って乗り手を運ぶことがあり、従って、乗り手の移動は、乗り物の移動に少なくとも部分的に依存することがある。従って、乗り物酔いが生じる可能性を低減することを容易にするために、仮想現実ライドシステムは、仮想現実コンテンツを物理的な乗り物の移動と調整してもよい。例えば、仮想現実ライドシステムは、乗り手の視覚系の知覚する移動量、時間、期間、及び/又は方向等の特性が、乗り手の前庭系の知覚する移動の対応する特性に一致すると期待する仮想現実画像コンテンツを表示してもよい。
【0017】
言い換えれば、乗り物酔いが生じる可能性の低減を容易にするために、いくつかの実施態様において、仮想現実ライドシステムは、乗り物、ひいては乗り物によって運ばれる乗り手の物理的(例えば、実際及び/又は現実)移動特性に少なくとも部分的に基づいて、仮想現実画像コンテンツを生成してよい。例えば、乗り物が上方向に5メートル移動するとき、仮想現実ライドシステムは、乗り手が上方向に5メートル移動することを視覚的に知覚する結果になると期待する仮想現実画像コンテンツを提示してもよい。しかし、少なくともいくつかの事例において、仮想現実ライドシステムをこのように実装することは、仮想現実コンテンツから視覚的に知覚する移動量(例えば、距離)、従って、仮想現実ライドシステムによってもたらされる爽快感(例えば、興奮)を、物理的移動量に制限し得る。言い換えれば、少なくともいくつかの事例では、知覚する移動量が正確に一致する結果となる仮想現実コンテンツを提示することは、仮想現実ライドシステムによって提供される爽快感、従ってライド体験を制限する可能性がある。
【0018】
従って、ライド体験の改善を容易にするために、本開示は、乗り物、ひいては乗り物によって運ばれる乗り手が経験する物理的な移動(例えば、運動)を強調する(例えば、増加及び/又は増幅する)仮想現実コンテンツを提示するための仮想現実ライドシステムを実装及び/又は動作するための技法を提供する。仮想現実ライド体験を提供することを容易にするために、仮想現実ライドシステムは、電子ディスプレイ上に提示(例えば、表示)する仮想現実画像コンテンツ等の仮想現実コンテンツを生成するように実装及び/又は動作する仮想現実サブシステムを含んでもよい。仮想現実サブシステムは、さらに、例えば、対応する画像データに少なくとも部分的に基づいて、電子ディスプレイに仮想現実画像コンテンツを表示することによって、仮想現実コンテンツを提示するように実装及び/又は動作してもよい。
【0019】
上述のように、乗り物酔いが生じる可能性の低減を容易にするために、仮想現実ライドシステムは、仮想現実コンテンツから知覚する移動が乗り物の物理的(例えば、現実及び/又は実際の)移動と同等になるように、乗り物の乗り手に仮想現実コンテンツを提示してもよい。例えば、乗り物の物理的な移動を補填するために、仮想現実ライドシステムは、乗り物の物理的な移動とほぼ同じ時間、ほぼ同じ期間及び/又はほぼ同じ方向に生じる視覚的に知覚する移動をもたらす仮想現実画像コンテンツを生成し、提示してもよい。実際にいくつかの実施形態において、仮想現実ライドシステムは、例えば、既定(例えば、静止した及び/又は計画された)乗り物の移動プロファイルに対応する既定仮想現実コンテンツを適合(例えば、調整)することによって、移動調整仮想現実コンテンツを生成してよい。
【0020】
仮想現実コンテンツの提示と乗り物の物理的な移動との調整を容易にするために、仮想現実ライドシステムは、乗り物センサ、乗り手(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)センサ、及び/又は環境センサ等、1又は2以上のセンサを含んでもよい。例えば、乗り物は、移動時間、移動期間、移動方向(例えば、向き)、及び/又は移動量(例えば、距離)等の乗り物の移動特性を検知(例えば、測定及び/又は決定)するために実装及び/又は動作する、角速度計及び/又は加速度計等の1又は2以上の乗り物センサを含んでもよい。このように、いくつかの実施形態では、仮想現実ライドシステムは、乗り物の移動の発生を示すセンサデータを決定(例えば、検知及び/又は測定)するとほぼ同時に、移動調整仮想現実コンテンツを提示することによって少なくとも部分的に、仮想現実コンテンツの提示を乗り物移動と調整し得る。
【0021】
しかし、少なくともいくつかの実施態様において、仮想現実コンテンツの生成及び/又は提示(例えば、表示)は、一般に、非瞬間的である。言い換えれば、少なくともいくつかのそのような事例において、仮想現実コンテンツを反応的に生成及び/又は提示することは、移動と調整した仮想現実コンテンツの提示が、対応する乗り物の移動に対して遅延することをもたらし得る。単に例示的な非限定的な例として、非瞬間的な性質のために、移動と調整した仮想現実画像コンテンツを反応的に生成及び/又は提示することは、移動と調整した仮想現実画像コンテンツが、対応する乗り物移動が既に発生した後に表示されることをもたらす場合があり、これは少なくともいくつかの例において、乗り物酔いを増大させる結果となる場合がある。
【0022】
従って、乗り物の移動に対応した移動調整仮想現実コンテンツの提示することを容易にするために、いくつかの実施形態では、仮想現実ライドシステムは、予測範囲(例えば、その後の期間)にわたる乗り物移動の移動時間、移動期間、移動方向、及び/又は移動量等の特性を予測し得る。言い換えれば、そのような実施形態では、仮想現実ライドシステムは、予測範囲にわたる予測乗り物移動プロファイル(例えば、軌道)を決定してもよい。例えば、予測乗り物移動プロファイルは、対応する乗り物が、第1の時間から第2の(例えば、その後の)時間まで第1の方向に第1の距離(例えば、大きさ)、第2の時間から第3の(例えば、その後の)時間まで第2の方向に第2の距離、といったように移動することを示してもよい。
【0023】
予測乗り物移動プロファイルの決定を容易にするために、いくつかの実施形態では、仮想現実ライドシステムは、乗り物移動の特性と、例えば、乗り物に配置された乗り物センサ、乗り手に関連付けられた乗り手センサ、及び/又はライド環境に配置された環境センサから受け取ったセンサデータとの間の予想される関係を記述する乗り物移動予測モデルを利用してもよい。従って、そのような実施形態では、仮想現実ライドシステムは、センサデータを乗り物移動予測モデルに供給する(例えば、入力する)ことによって、少なくとも部分的に、予測乗り物移動プロファイルを決定してもよい。いくつかの実施形態では、乗り物移動予測モデルは、乗り物の移動特性と、乗り物の移動を制御するために用いられる1又は2以上の制御コマンドとの間の予測される関係を追加的に記述してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、乗り物移動予測モデルは、乗り物の移動特性と、乗り物の規定の(例えば、計画された)移動プロファイルとの間の予測される関係を記述することができる。
【0024】
予測乗り物移動プロファイル(例えば、時間の経過に伴う乗り物の予測移動特性)に基づいて、仮想現実ライドシステムは、先制して(例えば、予測的に)移動調整仮想現実コンテンツを生成及び/又は提示してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、仮想現実ライドシステムは、対応する乗り物移動の予測移動時間に一致するように設定された目標提示時間を有する移動調整仮想現実画像コンテンツを生成及び/又は提示してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、仮想現実ライドシステムは、対応する乗り物の移動の予測移動時間に一致するように設定された、目標提示時間を有する移動調整仮想現実画像コンテンツを生成及び/又は提示してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、仮想現実ライドシステムは、対応する予測乗り物移動方向(例えば、向き)に一致する視覚的に知覚する移動方向を生成するために、移動調整仮想現実画像コンテンツを生成及び/又は表示してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、仮想現実ライドシステムは、対応する予測乗り物移動量(例えば、距離)に少なくとも部分的に基づいて、移動調整仮想現実画像コンテンツを生成及び/又は提示してもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、移動調整仮想現実コンテンツは、対応する予測乗り物移動量(例えば、距離)と正確に一致しない知覚移動量を生成するように提示してもよい。言い換えれば、そのような実施形態では、仮想現実ライドシステムは、対応する乗り物予測移動量とは異なる目標知覚移動量に基づいて、移動調整仮想現実コンテンツを生成してよい。例えば、乗り物の目標知覚移動量は、より爽快な、従って改善されたライド体験を提供することを容易にするために、予測乗り物移動量より大きくてもよい。
【0026】
対応する予測乗り物移動量よりも大きい、乗り物の目標知覚移動量の決定を容易にするために、いくつかの実施形態では、仮想現実ライドシステムは、予測乗り物移動量に適用する1又は2以上の移動強調係数を決定してもよい。例えば、移動強調係数は、1又は2以上のオフセット値を含んでもよく、このオフセット値を適用すると、予測乗り物移動量に対して乗り物の目標知覚移動量が偏る。追加的に又は代替的に、移動強調係数は1又は2以上のゲイン値を含んでもよく、このゲイン値は適用されると、予測乗り物移動量に対して乗り物の目標知覚移動量を調整する。しかし、対応する予測乗り物移動量と異なる、乗り物の目標知覚移動量に基づいて生成した、移動調整仮想現実コンテンツを提示することは、知覚移動量との間に不一致を生じさせ、これは潜在的に乗り物酔いが生じ、従って、仮想現実ライドシステムによってもたらされるライド体験に影響を与える(例えば、低減する)可能性がある。
【0027】
乗り心地の改善を容易にするために、いくつかの実施形態では、1又は2以上の移動強調係数の値を、例えば、設計システム及び/又は設計システムにおける設計デバイスによって少なくとも部分的に、オフラインで行われる較正(例えば、チューニング)のプロセスを介して、較正(例えば、調整)してもよい。較正のプロセスの中で、いくつかの実施形態では、設計デバイスは、1又は2以上の候補移動強調係数を決定し、評価してもよい。例えば、候補移動強調係数は、最大の(例えば、第1の)値を有する第1候補移動強調係数、次に大きな(例えば、第2の)値を有する第2候補移動強調係数、等を含んでもよい。
【0028】
較正のプロセス中に複数の候補から移動強調係数を選択するために、いくつかの実施形態において、設計デバイスは、乗り物酔いが生じるかどうかを連続的に(例えば、逐次的及び/又は連続的に)、例えば、最大値の候補移動強調係数から最小値の候補移動強調係数へと進行しながら、候補移動強調係数を評価してもよい。説明を助けるために上述の例で続けると、設計デバイスは、候補のうち最大値を有する第1候補移動強調係数により乗り物酔いが生じるかどうかを、例えば、第1候補移動強調係数を用いて生成した移動強調(例えば、調整)した仮想現実コンテンツを提示されたユーザ(例えば、乗り手)から受け取ったユーザ入力に基づいて、評価してもよい。乗り物酔いが生じない場合、設計デバイスは、例えば、仮想現実ライドシステムに記憶させることにより、仮想現実ライドシステムが後の移動調整仮想現実コンテンツを生成するために使用するための移動強調係数として、その第1候補を選択してもよい。
【0029】
設計デバイスは、第1候補移動強調係数により乗り物酔いが生じる場合、候補のうち次に大きな値を持つ第2候補移動強調係数により乗り物酔いが生じるかどうかを、例えば、第2候補移動強調係数を用いて生成した移動強調した仮想現実コンテンツを提示されたユーザから受け取ったユーザ入力に基づいて、評価してもよい。乗り物酔いが生じない場合、設計デバイスは、その第2候補を、例えば、仮想現実ライドシステムに格納することによって、仮想現実ライドシステムが後続の移動強調仮想現実コンテンツを生成するために用いるべき移動強調係数として選択してもよい。一方、設計デバイスは、第2候補移動強調係数により乗り物酔いが生じる場合、同様の方法で残りの候補移動強調係数の1又は2以上を通って進行し続けてもよい。
【0030】
このように、本開示に記載の技術は、仮想現実ライドシステムにより乗り物酔いが生じる可能性を低減することを容易にし得、これは、少なくともいくつかの例において、仮想現実ライドシステムが提供するライド体験を改善することを容易にし得る。しかし、単に仮想現実コンテンツを乗り物の移動に調整させて、乗り物酔いが生じる可能性を低減するのではなく、本開示に記載の技術は、仮想現実ライドシステムが、物理的な(例えば、現実の及び/又は実際の)乗り物の移動を強調する仮想現実コンテンツを提示することを可能にし得る。言い換えれば、以下により詳細に説明するように、本開示に記載の技術は、仮想現実ライドシステムにより乗り物酔いが生じる可能性を低減した、乗り物の移動量に限定されない仮想現実コンテンツを提示することを可能にし得、これは、より爽快で、従って、改善されたライド体験を提供することを容易にし得る。
【0031】
説明を助けるために、ライド環境12、1又は2以上の乗り物14、及び仮想現実サブシステム16を含む仮想現実ライドシステム10の一例を図1に示す。いくつかの実施形態では、仮想現実ライドシステム10を、遊園地、テーマパーク、カーニバル、フェア、及び/又はその類で配置してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、仮想現実ライドシステム10は、ローラーコースターライドシステム、レイジーリバーライドシステム、ログフルームライドシステム、ボートライドシステム、又はその類のものであってもよい。
【0032】
しかし、描かれた例は単に例示を意図したものであり、限定するものではないことを理解されたい。例えば、他の実施形態では、仮想現実サブシステム16は、1又は2以上の乗り物14及び/又はライド環境12から遠隔であってよい。加えて又は代替的に、他の実施形態では、仮想現実サブシステム16は、1又は2以上の乗り物14に完全に含まれていてもよい。いずれにしても、乗り物14は、一般に、仮想現実ライドシステム10のライド環境12を通って、1人又は複数の乗り手(例えば、ユーザ)を運ぶ(例えば、支持する)ために実装及び/又は動作してもよい。従って、ライド環境12における乗り手の物理的な(例えば、実際の及び/又は現実の)移動(例えば、運動)は、一般に、乗り手を運ぶ乗り物14の物理的な移動に依存してもよい。
【0033】
乗り物14の移動の制御を容易にするために、乗り物14は、1又は2以上の乗り物アクチュエータ18を含んでもよい。例えば、乗り物アクチュエータ18は、乗り物14の移動方向を制御することを可能にする操舵ハンドル及び/又は操舵輪を含んでもよい。いくつかの実施形態では、乗り物14は、追加的又は代替的に、仮想現実の触知覚コンテンツを提示するために、実装及び/又は操作される1又は2以上の触覚乗り物アクチュエータ18を含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、乗り物アクチュエータ18は、乗り物14の移動速度を制御することを可能にするエンジン、モータ、及び/又はブレーキを含んでもよい。他の実施形態では、例えば、インナーチューブの乗り物14の移動が、代わりに、乗り手によって生み出される推進力及び/又はライド環境12によって生み出される推進力によって制御される場合、1又は2以上の乗り物アクチュエータ18は、乗り物14に実装してもよい。
【0034】
描かれた例のように、ライド環境の推進力を生み出すことを容易にするために、1又は2以上の環境アクチュエータ20をライド環境12に配置してもよい。例えば、環境アクチュエータ20は、ライド環境12を通って乗り物14を押したり引いたりするために実装及び/又は動作するエンジン及び/又はモータを含んでもよい。追加的に又は代替的に、環境アクチュエータ20は、ライド環境12において乗り物14を減速又は停止させるために実装及び/又は動作するブレーキを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、環境アクチュエータ20は、ライド環境12に人工的に波を発生させるために実装及び/又は動作する加圧送風機又はアコーディオン機構を含んでもよい。他の実施形態では、例えば、インナーチューブの乗り物14の移動が、代わりに、乗り手によって生じる推進力、1又は2以上の乗り物アクチュエータ18によって生じる推進力、及び/又はライド環境12によって自然に生じる推進力によって制御される場合、1又は2以上の環境アクチュエータ20をライド環境12に実装しなくてもよい。
【0035】
描かれている例と同様に、仮想現実ライドシステム10は、1又は2以上の乗り物アクチュエータ18及び/又は1又は2以上の環境アクチュエータ20の移動を一般に制御するように実装及び/又は動作するライド制御サブシステム22を追加的に含んでもよい。動作の制御を容易にするために、ライド制御サブシステム22は、1又は2以上の制御プロセッサ24(例えば、制御回路及び/又は処理回路)及び制御メモリ26を含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御プロセッサ24は、乗り物アクチュエータ18及び/又は環境アクチュエータ20に制御移動(例えば、動作)を行うよう命令する制御コマンドを生成する等、制御メモリ26に格納された命令を実行するように動作してもよい。追加的に又は代替的に、制御プロセッサ24は、そこに形成された回路接続に基づいて動作してもよい。このように、いくつかの実施形態では、1又は2以上の制御プロセッサ24は、1又は2以上の汎用用途向けマイクロプロセッサ、1又は2以上の特定用途向けプロセッサ(ASIC)、1又は2以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0036】
命令に加え、いくつかの実施形態では、制御メモリ26は、1又は2以上のセンサ28から受け取ったセンサデータ等のデータを格納してもよい。従って、いくつかの実施形態では、制御メモリ26は、制御プロセッサ24等の処理回路によって実行可能な命令、及び/又は処理回路によって処理されるデータを格納する1又は2以上の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体を含んでもよい。例えば、制御メモリ26は、1又は2以上のランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス、1又は2以上の読み取り専用メモリ(ROM)デバイス、フラッシュメモリドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブなどの1又は2以上の書き換え可能な不揮発性メモリデバイス、及び/又はその類を含んでもよい。他の実施形態では、例えば、仮想現実ライドシステム10を乗り物アクチュエータ18及び/又は環境アクチュエータ20に含まない場合、ライド制御サブシステム22を省略し、従って、仮想現実ライドシステム10に含まなくてもよい。
【0037】
いずれにしても、描かれた例のように、仮想現実サブシステム16は、1又は2以上のセンサ28、1又は2以上の入力/出力(I/O)インターフェース30、仮想現実(VR)処理回路32、仮想現実(VR)メモリ34、及び1又は2以上の電子ディスプレイ36を含んでもよい。特に、仮想現実処理回路32は、1又は2以上のI/Oインターフェース30に通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、仮想現実処理回路32は、仮想現実メモリ34に格納された命令を実行して、乗り物14の予測移動プロファイルを決定すること及び/又は仮想現実コンテンツを生成すること等の動作を実行してもよい。追加的に又は代替的に、仮想現実処理回路32は、そこに形成された回路接続に基づいて動作してもよい。このように、いくつかの実施形態では、仮想現実処理回路32は、1又は2以上の汎用マイクロプロセッサ、1又は2以上の特定用途プロセッサ(ASIC)、1又は2以上のフィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。
【0038】
描かれている例と同様に、1又は2以上の電子ディスプレイ36は、例えば、仮想現実処理回路32は、仮想現実画像コンテンツに対応する画像データを1又は2以上の電子ディスプレイ36に供給できるように、1又は2以上のI/Oインターフェース30と通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、仮想現実サブシステム16は、乗り物ディスプレイ36Aとして乗り物14と一体化した1又は2以上の電子ディスプレイ36を含んでもよい。追加的に又は代替的に、仮想現実サブシステム16は、例えば、ヘッドセットディスプレイ(例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD))36Bとして、乗り物14とは別個に(例えば、独立及び/又は区別して)実装する1又は2以上の電子ディスプレイ36を含んでもよい。
【0039】
さらに、描かれた例のように、仮想現実サブシステム16は、1又は2以上のオーディオスピーカ38を含んでもよい。特に、1又は2以上のオーディオスピーカ38は、例えば、仮想現実処理回路32は、仮想現実オーディオコンテンツに対応するオーディオデータを1又は2以上のオーディオスピーカ38に供給できるように、1又は2以上のI/Oインターフェース30に通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、仮想現実サブシステム16は、乗り物スピーカ38Aとして、乗り物14と一体化した1又は2以上のオーディオスピーカ38を含んでもよい。追加的に又は代替的に、仮想現実サブシステム16は、例えば、ヘッドセット(例えば、ヘッドマウント)スピーカ38Bとして、乗り物14とは別に(例えば、独立及び/又は区別して)実装した1又は2以上のオーディオスピーカ38を含んでもよい。
【0040】
同様に、いくつかの実施形態では、1又は2以上の触覚乗り物アクチュエータ18は、例えば、仮想現実処理回路32は、仮想現実触覚コンテンツに対応する制御コマンド(例えば、触覚データ)を1又は2以上の触覚乗り物アクチュエータ18に供給できるように、1又は2以上のI/Oインターフェース30に通信可能に接続されてもよい。しかし、他の実施形態では、乗り物アクチュエータ18は、例えば、乗り物アクチュエータ18が仮想現実触覚コンテンツを提示するために実装及び/又は動作される触覚乗り物アクチュエータ18ではない場合、仮想現実サブシステム16に含まれないことがある。加えて、又は代替的に、オーディオスピーカ38は、例えば、オーディオスピーカ38が仮想現実オーディオコンテンツを提示するために実装及び/又は動作されない場合、仮想現実サブシステム16に含められなくてもよい。
【0041】
さらに、1又は2以上のセンサ28を、例えば、仮想現実処理回路32は、1又は2以上のセンサ28からセンサデータを受け取れるように、1又は2以上のI/Oインターフェース30に通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、仮想現実サブシステム16は、加速度計、角速度計、及び/又は磁力計等の1又は2以上の慣性運動センサ28を含んでもよい。加えて又は代替的に、仮想現実サブシステム16は、ソナーセンサ28、無線検知及び測距(RADAR)センサ28、及び/又は光検知及び測距(LIDAR)センサ28等のような、1又は2以上の近接センサ28を含んでもよい。いくつかの実施形態では、仮想現実サブシステム16は、追加的に又は代替的に、全地球測位システム(GPS)センサ(例えば、受信機)28等のような、1又は2以上の位置センサ28を含んでもよい。
【0042】
さらに、描かれた例のように、1又は2以上の乗り物センサ28Aを、例えば、乗り物14の姿勢、乗り物14の位置、乗り物14の以前の移動特性(例えば、プロファイル)、及び/又は乗り物14の現在の移動特性を示すセンサデータを決定(例えば、検知及び/又は測定)するために、乗り物14に配置してもよい。いくつかの実施形態では、仮想現実サブシステム16は、追加的又は代替的に、例えば、乗り手の姿勢を示すセンサデータを決定するために実装及び/又は動作する、1又は2以上の乗り手センサ28Bを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、仮想現実サブシステム16は、追加的に又は代替的に、例えば、ライド環境12における乗り物14の位置、ライド環境12における乗り物14の以前の移動特性、ライド環境12における乗り物14の現在の移動特性(例えば、プロファイル)、及び/又はライド環境12における他の移動特性を示すセンサデータを決定するため、ライド環境12に1又は2以上の環境センサを配置してもよい。
【0043】
説明を助けるために、仮想現実ライドシステム10Aの一部の例を図2に示し、ある別の仮想現実ライドシステム10Bの一部の例を図3に示す。特に、図2の仮想現実ライドシステム10Aは、ボートライドシステム10であってもよく、図3の仮想現実ライドシステム10Bは、レイジーリバーライドシステム10であってもよい。しかし、本開示に記載の技術は、追加的又は代替的に、他の類型の仮想現実ライドシステム10、例えば、ローラーコースターライドシステム、ログフルームライドシステム、ドロップタワーライドシステム、振り子ライドシステム、ブランコライドシステム、海賊船ライドシステム、スクランブラーライドシステム、ロボットアームライドシステム、及び/又はその類を実装及び/又は動作するために使用してもよいことは理解されるべきである。
【0044】
描かれているように、図2の仮想現実ライドシステム10A及び図3の仮想現実ライドシステム10Bは、それぞれライド環境12で乗り手40を運ぶ乗り物14を含む。特に、図2の乗り物14Aはボートの乗り物14であってもよく、図2のライド環境12Aは、水域42A(例えば、プール、湖、川、及び/又はその類)及び水域42A上に浮かぶ複数のブイ44を含んでもよい。一方、図3の乗り物14Bは、インナーチューブの乗り物14であってもよく、図3のライド環境12Bは、水域42B(例えば、プール、湖、川、及び/又は、その類)及び、水域42Bに沿って(例えば、囲んで)実装された壁46を含んでもよい。
【0045】
さらに、描かれているように、図2の乗り物14A及び図3の乗り物14Bは、それぞれ対応する水域42に浮かび、従って、そこで波48と共に移動する。さらに、描かれているように、図2の乗り手40A及び図3の乗り手40Bはそれぞれ、例えば、仮想現実画像コンテンツを表示するために実装及び/又は操作される電子ディスプレイ36にアクセスすることができる。特に、図2の乗り手40Aは、乗り物14Aと一体化した(例えば、接続した)乗り物ディスプレイ36Aにアクセスすることができる。一方、図3の乗り手40Bは、例えば、1又は2以上の乗り手センサ28Bと共にヘッドセット50に実装されたヘッドセットディスプレイ36Bにアクセスすることができる。
【0046】
乗り物酔いが生じる可能性を低減することを容易にするために、仮想現実ライドシステム10は、乗り物14によって運ばれる電子ディスプレイ36に提示される仮想現実画像コンテンツ等の仮想現実コンテンツの提示を、乗り物14の物理的運動(例えば、移動)と調整してもよい。さらに、上述したように、図2の乗り物14A及び図3の乗り物14Bは、それぞれ対応する水域42の波48と共に移動してもよい。いくつかの実施形態では、仮想現実ライドシステム10は、例えば、環境アクチュエータ20及び/又は乗り物アクチュエータ18の動作を制御することによって少なくとも部分的に、波48の少なくとも一部を、制御可能に生成してもよい。
【0047】
しかし、水域42の波48が、追加的又は代替的に、突然の突風及び/又は水域42に及ぼされる重力の変化等の、仮想現実ライドシステム10の制御外の要因によって生じることがある。さらに、波48との相互作用から生じる乗り物14の移動プロファイルは、乗り物14によって運ばれる乗り手40の重量等、仮想現実ライドシステム10の制御外の要因によって変化することもある。そのような要因は時間と共に変化することが多いので、少なくともいくつかの例では、乗り物14の移動プロファイルは、対応するライド環境12を通って異なる経路(例えば、サイクル又はライド)の間で変化する可能性がある。言い換えれば、少なくともいくつかの例において、対応するライド環境12を通過する間の乗り物14の実際の移動プロファイルは、その予定の(例えば、既定)移動プロファイルと異なる場合がある。
【0048】
ライド環境12を通過する間に乗り物酔いが生じる可能性を低減することを容易にするために、仮想現実ライドシステム10は、ライド環境12を通過する経路の間及び/又は以前に通過した経路の間の、1又は2以上のセンサ28によって決定されたセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、乗り物14の移動プロファイルを適応して予測してもよい。描かれているように、仮想現実ライドシステム10は、それぞれそのライド環境12に配置した複数の環境センサ28Cを含む。特に、図2の環境センサ28Cは、ライド環境12Aのブイ44上に配置し、図3の環境センサ28Cは、ライド環境12Bの壁46に沿って配置する。
【0049】
いくつかの実施形態では、環境センサ28Cは、RADARセンサ28又はLIDARセンサ28等の1又は2以上の近接センサ28を含み、従って、近接環境センサ28Cと物体との間の距離を示すセンサデータを決定(例えば、検知又は測定)するように動作する。例えば、図2のブイ44上に実装された近接環境センサ28Cは、ブイ44と乗り物14Aとの間の距離を示すセンサデータを決定してもよい。追加的に又は代替的に、図2の壁46上の箇所に実装した近接環境センサ28Cは、壁46上の箇所と乗り物14Bとの間の距離を示すセンサデータを決定してもよい。実際、いくつかの実施形態では、仮想現実ライドシステム10は、複数の近接環境センサ28Cからの乗り物14の距離を三角測量して、対応するライド環境12における乗り物14の位置を決定できる。
【0050】
さらに、いくつかの実施形態では、環境センサ28Cは、追加的又は代替的に、加速度計及び/又は角速度計等の慣性運動センサ28を含み、従って、慣性運動センサ28の移動を示すセンサデータを決定するように動作する。例えば、図2のブイ44に実装した慣性運動環境センサ28Cは、ブイ44の移動を示すセンサデータを決定することができる。すなわち、ブイ44は、図2の水域42Aに浮かんでいるので、そこに実装した慣性運動環境センサ28Cが決定するセンサデータは、水域42Aにおける波48の移動特性を示すものであってもよい。
【0051】
描かれているように、図2の乗り物14A及び図3の乗り物14Bは、それぞれ乗り物センサ28Aを含む。いくつかの実施形態では、乗り物センサ28Aは、加速度計及び/又は角速度計等の慣性運動センサ28であってもよく、従って、対応する乗り物14の移動を示すセンサデータを決定する(例えば、検知又は測定する)ように動作する。追加的に又は代替的に、乗り物センサ28Aは、RADARセンサ28又はLIDARセンサ28等の近接センサ28であってもよく、従って、対応する乗り物14と物体との間の距離を示すセンサデータを決定する(例えば、検知又は測定する)ように動作する。例えば、図2の乗り物14Aに配置された近接乗り物センサ28Aは、水域42A上に浮かぶブイ44からの距離、ライド環境12Aにおける別の乗り物14からの距離、及び/又は水域42Aにおける波48からの距離を示すセンサデータを決定することができる。同様に、図2の乗り物14Bに配置された近接乗り物センサ28Aは、水域42Bに沿って走る壁46からの距離、ライド環境12Bにおける別の乗り物14からの距離、及び/又は水域42Bにおける波48からの距離を示すセンサデータを決定できる。
【0052】
図1の仮想現実ライドシステム10に戻ると、上述したように、仮想現実処理回路32は、仮想現実サブシステム16における1又は2以上のI/Oインターフェース30を介して1又は2以上のセンサ28からセンサデータを受け取ってもよい。さらに、描かれた例のように、遠隔データソース52は、仮想現実サブシステム16における1又は2以上のI/Oインターフェース30、従って、仮想現実処理回路32に通信可能に接続されてもよい。例えば、遠隔データソース52は、現在の気象状況を示すセンサデータ及び/又は予測(例えば、将来の)気象状況を示す予測センサデータを格納する気象予報サーバ(例えば、データベース)であってもよい。
【0053】
しかし、描かれた例は、例示であり、限定するものではないことが再び理解されるべきである。特に、他の実施形態では、遠隔データソース52から受け取ったデータは、例えば、仮想現実サブシステム16における1又は2以上のセンサ28から受け取ったセンサデータによって、省略され得る。従って、そのような実施形態では、遠隔データソース52は、対応する仮想現実ライドシステム10に含まない及び/又は通信可能に接続されなくてもよい。
【0054】
いずれにしても、上述したように、仮想現実処理回路32は、受け取ったセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、乗り物14の予測移動プロファイル(例えば、軌道)を決定するように動作してもよい。さらに、上述したように、仮想現実処理回路32は、乗り物14の予測移動プロファイルに少なくとも部分的に基づいて、移動調整仮想現実コンテンツを生成するように動作してもよい。さらに、上述したように、いくつかの実施形態では、仮想現実処理回路32は、例えば、仮想現実メモリ34に格納されたデータを処理するために、仮想現実メモリ34に格納した命令を実行することによって少なくとも部分的に動作してもよい。
【0055】
このように、いくつかの実施形態では、仮想現実メモリ34は、仮想現実処理回路32等の処理回路によって実行可能な命令、及び/又は処理回路によって処理されるデータを格納する1又は2以上の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体を含んでもよい。例えば、仮想現実メモリ34は、1又は2以上のランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス、1又は2以上の読み取り専用メモリ(ROM)デバイス、フラッシュメモリドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ等の、1又は2以上の書き換え可能な不揮発性メモリデバイス及び/又はその類を含んでもよい。描かれている例と同様に、仮想現実メモリ34に格納したデータ及び/又は命令は、既定仮想現実(VR)コンテンツ54及び乗り物移動予測モデル56を含んでもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、既定仮想現実コンテンツ54は、対応する乗り物14が既定(例えば、計画した又は静止した)移動プロファイルに従う場合に、乗り手40に提示する仮想現実画像コンテンツ及び/又は仮想現実オーディオコンテンツ等の仮想現実コンテンツと対応してもよい。従って、以下により詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、仮想現実サブシステム16は、乗り物14の予測移動プロファイルのその既定移動プロファイルからの偏差に少なくとも部分的に基づいて、既定仮想現実コンテンツ54を調整することにより、移動調整仮想現実画像コンテンツ及び/又は移動調整仮想現実オーディオコンテンツ等の、移動調整仮想現実コンテンツを少なくとも部分的に生成してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、仮想現実サブシステム16は、受け取ったセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、乗り物移動予測モデル56を実行することによって、乗り物14の予測移動プロファイルを決定してもよい。
【0057】
仮想現実ライドシステム10に配置され、及び/又は利用され得る乗り物移動予測モデル56Aの一例を、図4に示す。乗り物移動予測モデル56Aは、センサデータ60を含む1又は2以上の入力パラメータ58を受け取り、予測範囲上の予測乗り物移動プロファイル(例えば、軌跡)64を示す1又は2以上の出力パラメータ62を決定してもよい。しかし、描かれた例は、単に例示であり、限定するものではないことを理解されたい。特に、他の実施形態では、乗り物移動予測モデル56は、他の種類の入力パラメータ58を受け取り、及び/又は他の種類の出力パラメータ62を決定してもよい。
【0058】
実際、描かれた例のように、入力パラメータ58は、1又は2以上のアクチュエータ制御コマンド65を追加的に含んでもよい。上述したように、いくつかの実施形態では、ライド制御サブシステム22は、例えば、ライド環境12における乗り物14の移動制御を容易にする制御実行を動作するためのアクチュエータに命令する、乗り物アクチュエータ18や環境アクチュエータ20等のアクチュエータに、制御コマンドを伝達してもよい。このように、予測乗り物移動プロファイル64の決定を容易にするために、いくつかの実施形態では、ライド環境12における乗り物14の移動に、潜在的に影響を与える制御動作に対応する1又は2以上のアクチュエータ制御コマンド65を、乗り物移動予測モデル56Aに供給される入力パラメータ58に含んでもよい。追加的に又は代替的に、入力パラメータ58は、対応するライド環境12における乗り物14の既定移動プロファイル67を含んでもよい。他の実施形態では、アクチュエータ制御コマンド65及び/又は既定移動プロファイル67は、例えば、アクチュエータ制御コマンド65及び/又は既定移動プロファイル67によって示される情報がセンサデータ60によって除去される場合、乗り物移動予測モデル56に供給される入力パラメータ58に含まなくても良い。
【0059】
描かれた例と同様に、入力パラメータ58に含まれるセンサデータ60は、1又は2以上の乗り物センサ28Aから受け取った乗り物センサデータ60Aを含んでもよい。上述したように、乗り物センサ28Aが乗り物14に配置された近接センサ28Aを含む場合、乗り物センサデータ60Aは、乗り物14、別の乗り物14、ブイ44、壁46、波48等、対応するライド環境12における物体との間の距離を示すものであってもよい。乗り物センサ28Aが慣性運動乗り物センサ28Aを含む場合、乗り物センサデータ60Aは、乗り物14の現在及び/又は以前の移動特性を示すものであってもよい。
【0060】
さらに、描かれた例のように、入力パラメータ58に含まれるセンサデータ60は、1又は2以上の乗り手センサ28Bから受け取った乗り手センサデータ60Bを含んでもよい。いくつかの実施形態では、乗り手センサ28Bは近接センサ28Bであってもよく、従って、乗り手センサデータ60Bは、対応する乗り手40と、乗り手40を運ぶ乗り物14上の特定の箇所と、別の乗り物14、ブイ44、壁46、波48、及び/又その類等の対応するライド環境12の物体との距離を示すものであってもよい。追加的に又は代替的に、乗り手センサ28Bは、慣性運動センサ28Bであってもよく、従って、乗り手センサデータ60Bは、乗り手40、従って、乗り手40を運ぶ乗り物14の現在及び/又は以前の移動特性を示すものであってもよい。
【0061】
さらに、描かれた例のように、入力パラメータ58に含まれるセンサデータ60は、1又は2以上の環境センサ28Cから受け取った環境センサデータ60Cを含んでもよい。上述したように、環境センサ28Cが近接センサ28Cを含む場合、環境センサデータ60Cは、近接環境センサ28Cと、乗り物14、ブイ44、壁46、波48、及び/又はその類のライド環境12における物体との間の距離を示すものであってもよい。加えて、又は代替的に、環境センサ28Cが慣性運動センサ28Cを含む場合、環境センサデータ60Cは、ブイ44、波48、乗り物14等のライド環境12における物体の現在及び/又は以前の移動特性を示すものであってもよい。
【0062】
他の実施形態では、環境センサデータ60Cは、例えば、仮想現実ライドシステム10が環境センサ28Cを含まない場合、入力パラメータ58に含まれなくてもよい。さらに、他の実施形態では、乗り手センサデータ60Bは、例えば、仮想現実ライドシステム10が乗り手センサ28Bを含まない場合、入力パラメータ58に含まれなくてもよい。さらに、他の実施形態では、乗り物センサデータ60Aは、例えば、仮想現実ライドシステム10が乗り物センサ28Aを含まない場合、入力パラメータ58に含まれなくてもよい。
【0063】
上述のように、乗り物移動予測モデル56Aに供給される入力パラメータ58は、ライド環境12における乗り物14等の物体の現在及び/又は以前の移動特性を示すものであってもよい。言い換えれば、乗り物移動予測モデル56Aに供給される入力パラメータ58は、乗り物環境における物体の現在の移動プロファイル及び/又は以前の移動プロファイルを示すものであってもよい。このように、入力パラメータ58に少なくとも部分的に基づいて、乗り物移動予測モデル56Aは、予測範囲(例えば、その後の期間)に発生すると予測される予測乗り物移動プロファイル64を決定してもよい。本明細書で使用されるように、乗り物14の「予測乗り物移動プロファイル」は、ある期間、すなわち予測範囲の間に発生すると予測(例えば、期待)される乗り物14の移動特性を記述する。
【0064】
従って、描かれた例のように、予測乗り物移動プロファイル64は、1又は2以上の予測乗り物移動時間66を含んでもよい。本明細書で使用されるように、「予測乗り物移動時間」は、予測範囲の対応する乗り物14の特定の移動の予測開始時間又は予測停止時間を表し、例えば、乗り物の絶対時間及び/又は乗り物の相対時間を示す。言い換えれば、いくつかの実施形態では、予測乗り物移動時間66は、対応する乗り物14の特定の移動が開始する(例えば、始まる)時間を示す開始予測乗り物移動時間66を含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、予測乗り物移動時間66は、対応する乗り物14の特定の移動が停止する(例えば、終わる)時間を示す停止予測乗り物移動時間66を含んでもよい。
【0065】
予測乗り物移動プロファイル64は、追加的に又は代替的に、1又は2以上の予測乗り物移動期間68を含んでもよい。本明細書で使用されるように、「予測乗り物移動期間」は、対応する乗り物14の特定の移動が予測範囲に起こると予測される期間を表し、例えば、秒単位及び/又は分単位で示す。従って、いくつかの実施形態では、予測乗り物移動期間68は、開始予測乗り物移動時間66と対応する停止予測乗り物移動時間66との間の時間差に少なくとも部分的に基づいて決定してもよい。実際、いくつかの実施形態では、予測乗り物移動時間66の表示は、1又は2以上の予測乗り物移動期間68の表示によって省略され、従って、乗り物移動予測モデル56から出力する予測乗り物移動プロファイル64に含まれない場合がある。他の実施形態では、予測乗り物移動期間68の命令は、予測乗り物移動時間66の命令によって回避され、従って、乗り物移動予測モデル56から出力した予測乗り物移動プロファイル64に含まなくてもよい。
【0066】
さらに、予測乗り物移動プロファイル64は、1又は2以上の予測乗り物移動方向70を含んでもよい。本明細書で使用されるように、「予測乗り物移動方向」は、予測範囲における対応する予測乗り物移動時間66において、及び/又は対応する予測乗り物移動期間68の間に発生すると予測される、対応する乗り物14の移動方向(例えば、向き)を表し、例えば、度及び/又はラジアンで示す。いくつかの実施形態では、予測乗り物移動方向70は、3次元(3D)空間における方向(例えば、オフセット方向)として決定してもよい。追加的に又は代替的に、予測乗り物移動方向70は、水平面内の方位及び垂直面内の方位として決定してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、予測乗り物移動方向70は、対応するライド環境12に対して決定してもよい。水域42及び/又は波48等のライド環境12の一部は動いている可能性があるので、いくつかの実施形態では、予測乗り物移動方向70は、追加的又は代替的に、地球等の固定基準点に対して決定してもよい。
【0067】
さらに、予測乗り物移動プロファイル64は、1又は2以上の予測乗り物移動量72を含んでもよい。本明細書で使用されるように、「予測乗り物移動量」は、予測範囲における対応する予測乗り物移動時間66で、及び/又は対応する予測乗り物移動期間68の間に発生すると予測される、対応する乗り物14の移動量(例えば、距離)を表し、例えば、メートルで示す。いくつかの実施形態では、予測乗り物移動量72は、3次元(3D)空間における距離(例えば、オフセット量)として決定してもよい。追加的に又は代替的に、予測乗り物移動量72は、水平面内の距離及び垂直面内の距離として決定してもよい。
【0068】
さらに、いくつかの実施形態では、予測乗り物移動量72は、対応するライド環境12に対して決定してもよい。水域42及び/又は波48等のライド環境12の一部は動いている可能性があるので、いくつかの実施形態では、予測乗り物移動量72は、対応する仮想現実ライドシステム10全体及び/又は地球の中心等の固定基準点に対して追加的又は代替的に決定してもよい。例えば、予測乗り物移動量72は、対応する乗り物が地球の中心に対して特定の距離を移動すると予測されることを示してもよい。このように、乗り物移動予測モデル56は、その後の期間(例えば、予測範囲)に発生すると予測される対応する乗り物14の移動特性を示す予測乗り物移動プロファイル64を決定するために実装及び/又は動作してもよい。
【0069】
図1の仮想現実ライドシステム10に戻ると、乗り物酔いが生じる可能性を低減することを容易にするために、仮想現実サブシステム16は、対応する予測乗り物移動プロファイル64に少なくとも部分的に基づいて、乗り物14の乗り手40に仮想現実コンテンツを生成し、提示してもよい。特に、いくつかの実施形態では、仮想現実サブシステム16は、予測乗り物移動プロファイル64に示された移動特性を補償することを容易にするために、既定仮想現実コンテンツ54を適合してもよい。例えば、仮想現実サブシステム16は、適合(例えば、移動調整)した仮想現実画像コンテンツを生成し、対応する予測乗り物移動時間66で適合した仮想現実画像コンテンツを提示(例えば、表示)するために、少なくとも部分的に基づいて、予測乗り物移動方向70において仮想現実画像コンテンツを変換(例えば、オフセット)することによって、既定仮想現実画像コンテンツ54を適合してもよい。
【0070】
さらに説明を助けるために、仮想現実ライドシステム10に配置され、及び/又はそれによって利用し得る仮想現実サブシステム16を操作するためのプロセス74の一例を図5に示す。一般に、プロセス74は、センサデータを決定すること(プロセスブロック76)と、センサデータに基づいて予測乗り物移動プロファイルを決定すること(プロセスブロック78)とを含む。さらに、プロセス74は、予測乗り物移動プロファイルと調整するために既定仮想現実コンテンツを適合することを含む(プロセスブロック80)。
【0071】
特定の実施形態を表す特定の順序で説明したが、プロセス74は、任意の適切な順序で実行してもよいことに留意されたい。さらに、プロセス74の実施形態は、プロセスブロックを省略してもよく、及び/又は追加のプロセスブロックを含んでもよい。さらに、プロセス74は、仮想現実処理回路32等の処理回路を使用して、仮想現実メモリ34等の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体に格納した命令を実行することによって、少なくとも部分的に、実施してもよい。
【0072】
従って、いくつかの実施形態では、仮想現実サブシステム16は、1又は2以上のセンサ28によって決定(例えば、測定及び/又は検知)されたセンサデータを受け取ってもよい。上述したように、仮想現実サブシステム16は、1又は2以上の乗り物センサ28Aを含んでもよい。従って、いくつかのそのような実施形態では、センサデータを決定することは、1又は2以上の乗り物センサ28Aから出力された乗り物センサデータ60Aを受け取ることを含んでもよい(プロセスブロック82)。上述したように、いくつかの実施形態では、乗り物センサデータは、対応する乗り物14の姿勢(例えば、向き及び/又は場所)、乗り物14の以前の移動特性(例えば、プロファイル)、及び/又は乗り物14の現在の移動特性を示していてもよい。
【0073】
さらに、上述のように、仮想現実サブシステム16は、1又は2以上の乗り物センサ28Aを含んでもよい。従って、いくつかのそのような実施形態では、センサデータを決定することは、1又は2以上の乗り手センサ28Bから出力された乗り手センサデータ60Bを受け取ることを含んでもよい(プロセスブロック84)。上述したように、いくつかの実施形態では、乗り手センサデータは、乗り物14によって運ばれている対応する乗り手40の姿勢を示すものであってもよい。
【0074】
さらに、上述したように、仮想現実サブシステム16は、追加的に又は代替的に、1又は2以上の環境センサ28Cを含んでもよい。従って、いくつかのそのような実施形態では、センサデータを決定することは、1又は2以上の環境センサ28Cから出力された環境センサデータ60Cを受け取ることを含んでもよい(プロセスブロック86)。上述したように、いくつかの実施形態では、環境センサデータ60Cは、対応するライド環境12における乗り物14の位置、ライド環境12における乗り物14の以前の移動特性(例えばプロファイル)、ライド環境12における乗り物14の現在の移動特性、及び/又はライド環境12における水域42の移動及び/又は波48の移動等の他の移動特性を示してよい。
【0075】
上述のように、センサ28は、仮想現実サブシステム16のI/Oインターフェース30に通信可能に接続されてもよく、仮想現実処理回路32は、I/Oインターフェース30に通信可能に接続されてもよい。従って、そのような実施形態では、仮想現実処理回路32は、仮想現実サブシステム16に実装された1又は2以上のI/Oインターフェース30を介して1又は2以上のセンサ28から出力されたセンサデータ60を受け取ってもよい。さらに、上述したように、仮想現実処理回路32は、例えば、センサデータ60と予測範囲に発生すると予想される予測乗り物移動プロファイル64との間の予想される関係を記述する乗り物移動予測モデル56を記憶する、仮想現実メモリ34に通信可能に接続されてもよい。
【0076】
従って、仮想現実サブシステム16は、センサデータに少なくとも部分的に基づいて、予測乗り物移動プロファイル64を決定してもよい(プロセスブロック78)。特に、予測乗り物移動プロファイル64の決定を容易にするために、仮想現実処理回路32は、いくつかの実施形態では、1又は2以上のアクチュエータ制御コマンド65及び/又は対応する乗り物14の既定移動プロファイルに加えて、例えば、センサデータ60を含む入力パラメータ58のセットに少なくとも部分的に基づいて、乗り物移動予測モデル56を実行してもよい。上述したように、乗り物14の予測乗り物移動プロファイル64は、予測範囲に発生すると予想される乗り物14の移動時間、移動期間、移動方向、及び/又は移動量等の予測移動特性を示してもよい。
【0077】
このように、いくつかの実施形態では、予測乗り物移動プロファイル64を決定することは、1又は2以上の予測乗り物移動時間66を決定することを含んでもよい(プロセスブロック88)。追加的に又は代替的に、予測乗り物移動プロファイル64を決定することは、1又は2以上の予測乗り物移動期間68を決定することを含んでもよい(プロセスブロック90)。さらに、いくつかの実施形態では、予測乗り物移動プロファイル64を決定することは、1又は2以上の予測乗り物移動方向70を決定することを含んでもよい(プロセスブロック92)。さらに、いくつかの実施形態では、予測乗り物移動プロファイル64を決定することは、1又は2以上の予測乗り物移動量72を決定することを含んでもよい(プロセスブロック94)。
【0078】
仮想現実コンテンツを提示することにより乗り物酔いが生じる可能性を低減することを容易にするために、仮想現実サブシステム16は、予測乗り物移動プロファイル64に基づいて、既定仮想現実コンテンツ54を適合することによって、少なくとも部分的に、移動調整仮想現実コンテンツを生成してもよい(プロセスブロック80)。特に、いくつかの実施形態では、仮想現実処理回路32は、予測乗り物移動方向70に既定仮想現実画像コンテンツ54を変換(例えば、オフセット及び/又は変更)することによって、少なくとも部分的に、移動調整仮想現実画像コンテンツを生成してもよい。このようにして、仮想現実サブシステム16は、予測乗り物移動方向70に一致する知覚した移動方向に提示(例えば、表示)する移動調整仮想現実画像コンテンツを生成してもよい。
【0079】
追加的に又は代替的に、仮想現実処理回路32は、例えば、移動調整仮想現実画像コンテンツが、物理的な乗り物の移動の原因及び/又は結果が視覚的に表現されるよう、既定仮想現実画像コンテンツ54に仮想コンテンツを加えることによって、少なくとも部分的に、移動調整仮想現実画像コンテンツを生成してもよい。いくつかの実施形態では、仮想現実処理回路32は、予測乗り物移動時間66に一致するように、移動調整仮想現実画像コンテンツの目標提示(例えば、表示)時間を追加的に設定してもよい。すなわち、この態様では、仮想現実サブシステム16は、予測乗り物移動時間66に一致する提示時間に表示するための移動調整仮想現実画像コンテンツを生成してもよい。追加的に又は代替的に、仮想現実処理回路32は、予測乗り物移動期間68に一致するように、移動調整仮想現実画像コンテンツの目標提示(例えば、表示)期間を設定してもよい。このように、仮想現実サブシステム16は、予測乗り物移動期間68に一致する提示期間の間、提示のための移動調整仮想現実画像コンテンツを生成してもよい。
【0080】
さらに、いくつかの実施形態では、仮想現実処理回路32は、既定仮想現実画像コンテンツ54を、予測乗り物移動量72、例えば対応する予測乗り物移動方向70の示す方向に少なくとも部分的に基づいて決定された距離に変換することによって、移動調整仮想現実画像コンテンツを生成してもよい。実際、いくつかの実施形態では、仮想現実処理回路32は、対応する予測乗り物移動量72と異なる知覚乗り物移動量を提示する結果となるような、移動調整仮想現実画像コンテンツを生成してもよい。例えば、より爽快な(例えば、改善された)ライド体験を提供することを容易にするために、仮想現実処理回路32は、対応する予測乗り物移動量72より大きい知覚乗り物移動量を生成することによって、少なくとも部分的に、既定仮想現実コンテンツ54を適合し、移動調整仮想現実コンテンツを生成してもよい(プロセスブロック96)。言い換えれば、移動調整仮想現実コンテンツは、乗り物14の乗り手40に提示された際に、乗り物14の物理的な移動量を強調する、移動強調仮想現実コンテンツを含んでもよい。
【0081】
説明を助けるために、移動強調仮想現実コンテンツを生成するためのプロセス98の一例を図6に示す。一般に、プロセス98は、移動強調係数の決定(プロセスブロック100)と、移動強調係数を予測乗り物移動量に適用することによる目標知覚乗り物移動量の決定(プロセスブロック102)、とを含む。さらに、プロセス98は、目標知覚乗り物移動量に基づいて既定仮想現実コンテンツを適合することによる移動強調仮想現実コンテンツの決定、を含む(プロセスブロック104)。
【0082】
特定の実施形態を表す特定の順序で説明したが、プロセス98は、任意の適切な順序で実行してもよいことに留意されたい。さらに、プロセス98の実施形態は、プロセスブロックを省略してもよく、及び/又は追加のプロセスブロックを含んでもよい。さらに、プロセス98は、仮想現実処理回路32などの処理回路を使用して、仮想現実メモリ34等の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体に格納した命令を実行することによって、少なくとも部分的に実施してもよい。
【0083】
従って、いくつかの実施形態では、仮想現実サブシステム16における仮想現実処理回路32は、1又は2以上の移動強調係数を決定してもよい(プロセスブロック100)。以下により詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、移動強調係数は、較正プロセスを介して設計デバイスによって予め決定してもよく、仮想現実メモリ34等の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体に格納してもよい。従って、そのような実施形態では、仮想現実処理回路32は、有形の非一時的なコンピュータ可読媒体から移動強調係数を取り出してもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、移動強調係数は、1又は2以上のオフセット(例えば、バイアス)値を含んでもよい。加えて又は代替的に、移動強調係数は、1又は2以上のゲイン(例えば、スケール)値を含んでもよい。実際、いくつかの実施形態では、仮想現実処理回路32は、仮想現実コンテンツ及び/又は乗り物の予測移動特性のような、潜在的に変化する動作要因に基づいて、適用する1又は2以上の移動強調係数の値を適応的に(例えば、動的に)決定してもよい。言い換えれば、いくつかの実施形態では、仮想現実処理回路32は、異なる動作要因の下で異なる移動強調係数を選択してもよい。
【0085】
例えば、仮想現実処理回路32は、戦闘シーン等のようにライドの最高潮に対応するように移動強調仮想現実コンテンツを生成するために、より大きな移動強調係数を適用してもよい。別の例として、仮想現実処理回路32は、より長い予測乗り物移動期間68に対応する移動強調仮想現実コンテンツを生成するために、より大きな移動強調係数を適用し、又はその逆に、より短い予測乗り物移動期間68に対応する移動強調仮想現実コンテンツを生成するために、より小さな移動強調係数を適用してもよい。さらなる例として、仮想現実処理回路32は、より大きな予測乗り物移動量72に対応する移動強調仮想現実コンテンツを生成するために、より大きな移動強調係数を適用し、又はその逆に、より小さな予測乗り物移動量72に対応する移動強調仮想現実コンテンツを生成するために、より小さな移動強調係数を適用してもよい。
【0086】
次に、仮想現実処理回路32は、1又は2以上の移動強調係数を予測乗り物移動量72に適用して、目標知覚乗り物移動量を決定してもよい(プロセスブロック102)。例えば、移動強調係数がオフセット値である場合、仮想現実処理回路32は、移動強調係数を適用して、予測乗り物移動量72に対して偏った、目標知覚乗り物移動量を決定してもよい。加えて又は代替的に、移動強調係数がゲイン値である場合、仮想現実処理回路32は、予測乗り物移動量72に対してスケーリングされた、目標知覚乗り物移動量を決定するために移動強調係数を適用してもよい。
【0087】
移動強調仮想現実コンテンツを決定するために、仮想現実処理回路32は、目標知覚乗り物移動量に少なくとも部分的に基づいて、既定仮想現実コンテンツ54を適合してもよい(プロセスブロック104)。例えば、仮想現実処理回路32は、表示されたときに、移動強調仮想現実画像コンテンツが目標知覚乗り物移動量をもたらすように、既定仮想現実画像コンテンツ54を適合(例えば、変換及び/又は変更)することによって、少なくとも部分的に、移動強調仮想現実画像コンテンツを生成してもよい。言い換えれば、そのような実施形態では、仮想現実処理回路32は、対応する予測乗り物移動量72と異なる目標知覚乗り物移動量に少なくとも部分的に基づいた、移動調整仮想現実コンテンツに含まれる移動強調仮想現実コンテンツを決定してもよい。
【0088】
上述のように、乗り物酔いが生じる可能性を低減することを容易にするために、仮想現実サブシステム16は、乗り物14の予測移動特性と一体となった乗り物14の乗り手40に、移動調整仮想現実コンテンツを提示してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、仮想現実処理回路32は、対応する予測乗り物移動時間66において、及び/又は対応する予測乗り物移動期間68に、移動調整仮想現実触覚コンテンツを提示するように、1又は2以上の(例えば、触覚)乗り物アクチュエータ18に命令してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、仮想現実処理回路32は、対応する予測乗り物移動時間66の間に、及び/又は対応する予測乗り物移動期間68に、移動調整仮想現実オーディオコンテンツを提示するように、1又は2以上のオーディオスピーカ38に命令してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、仮想現実処理回路32は、追加的又は代替的に、対応する予測乗り物移動時間66の間に、及び/又は対応する予測乗り物移動期間68に、移動調整仮想現実画像コンテンツを提示(例えば、表示)するように、1又は2以上の電子ディスプレイ36に命令してもよい。
【0089】
しかし、上述したように、少なくともいくつかの例において、仮想現実ライドシステム10の乗り物14上の乗り手40は、乗り手40の感覚(例えば、視覚及び前庭)系が異なる移動特性を検知すると、乗り物酔いを経験することがある。さらに、上述したように、移動調整仮想現実コンテンツに含まれる移動強調仮想現実コンテンツは、対応する予測乗り物移動量72とは異なる(例えば、より大きい)目標知覚乗り物移動量に基づき生成してもよい。言い換えれば、移動強調仮想現実コンテンツの提示から生じる知覚乗り物移動量は、予測乗り物移動量72とは異なり、従って、乗り物14の対応する実際の移動量とは潜在的に異なってもよい。
【0090】
このように、乗り物酔いが生じる可能性を低減した、より爽快なライド体験を提供することを容易にするために、いくつかの実施形態では、移動強調仮想現実コンテンツの決定は、較正(例えば、チューニング)プロセスを介して較正(例えば、調整)してもよい。特に、そのような実施形態では、較正プロセスは、予測乗り物移動量72に適用すべき1又は2以上の移動強調係数の値を決定するために実行してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、較正プロセスは、例えばオフラインで、仮想現実ライドシステム10における仮想現実サブシステム16の配置前、及び/又は仮想現実サブシステム16の動作前に、設計システムによって実行してもよい。
【0091】
説明を助けるために、設計(例えば、較正及び/又はチューニング)システム106の一例を図7に示す。描かれた例のように、設計システム106は、仮想現実サブシステム16Aに通信可能に接続された設計デバイス108を含む。他の実施形態では、設計システム106は、複数(例えば、1又は2以上)の設計デバイス108を含んでもよい。加えて又は代替的に、他の実施形態では、設計デバイス108は、較正プロセスの完了後にのみ仮想現実サブシステム16に通信可能に接続されてもよい。
【0092】
上述したように、仮想現実サブシステム16は、電子ディスプレイ36と仮想現実(VR)メモリ34とを含んでもよい。さらに、上述したように、仮想現実メモリ34は、仮想現実サブシステム16によって使用される命令及び/又はデータを格納してもよい。特に、描かれた例のように、仮想現実メモリ34Aに記憶されたデータは、例えば、設計デバイス108が実行する較正プロセスを介して決定する、候補移動強調仮想現実コンテンツ110と移動強調係数112を含んでもよい。
【0093】
描かれた例のように、較正プロセスを実行することを容易にするために、設計デバイス108は、1又は2以上の設計プロセッサ114(例えば、制御回路及び/又は処理回路)及び設計メモリ116を含んでもよい。いくつかの実施形態では、設計メモリ116は、1又は2以上の設計プロセッサ114によって使用されるデータを格納してもよい。特に、描かれた例のように、設計メモリ116に格納されたデータは、1又は2以上の候補移動強調係数118を含んでもよい。従って、いくつかの実施形態では、設計メモリ116は、1又は2以上の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体を含んでもよい。例えば、設計メモリ116は、1又は2以上のランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス、1又は2以上の読み取り専用メモリ(ROM)デバイス、フラッシュメモリドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブなどの1又は2以上の書き換え可能な不揮発性メモリデバイス、及び/又はその類を含んでもよい。
【0094】
データに加え、いくつかの実施形態では、設計メモリ116は、設計プロセッサ114等の処理回路によって実行される命令を格納してもよい。例えば、1又は2以上の設計プロセッサ114は、設計メモリ116に格納された命令を実行して、1又は2以上の候補移動強調係数118に対応する候補移動強調仮想現実コンテンツ110を生成してもよい。加えて、又は代替的に、設計プロセッサ114は、そこに形成された回路接続に基づいて動作してもよい。このように、いくつかの実施形態では、1又は2以上の設計プロセッサ144は、1又は2以上の汎用マイクロプロセッサ、1又は2以上の特定用途プロセッサ(ASIC)、1又は2以上のフィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。
【0095】
さらに、描かれている例のように、設計デバイス108は、1又は2以上の入力デバイス120を含んでもよい。他の実施形態では、1又は2以上の入力デバイス120を、追加的に又は代替的に、仮想現実サブシステム16に含んでもよい。いずれにせよ、入力デバイス120は、一般に、ユーザ(例えば、操縦者)の入力を受け取るように実装及び/又は動作してもよい。そのため、いくつかの実施形態では、入力デバイス120は、1又は2以上のボタン、1又は2以上のキーボード、1又は2以上のマウス、1又は2以上のトラックパッド、及び/又はその類のものを含んでもよい。例えば、較正プロセス中に複数の候補移動強調係数118から移動強調係数112を選択することを容易にするために、入力デバイス120は、対応する候補移動強調仮想現実コンテンツの提示で乗り物酔いが生じるかどうかを示すユーザ入力を受け取ってもよい。
【0096】
さらに説明するのを助けるために、設計システム106及び/又は設計デバイス108によって実行され得る較正プロセス122の一例を、図8に示す。一般に、較正プロセス122は、候補移動強調係数の決定(プロセスブロック124)、候補移動強調係数を較正乗り物移動量に適用することによる候補知覚乗り物移動量の決定(プロセスブロック126)、及び、候補知覚乗り物移動量に基づく候補移動強調仮想現実コンテンツの生成、を含む(プロセスブロック128)。さらに、較正プロセス122は、較正乗り物移動量の生成と候補移動強調仮想現実コンテンツの提示(プロセスブロック130)と、乗り物酔いが生じるかどうかを決定し(決定ブロック132)、乗り物酔いが生じる場合に、次に大きい候補移動強調係数の決定(プロセスブロック134)、乗り物酔いが生じない場合に、移動強調係数として候補の選択(プロセスブロック136)を同時に行うことを含む。
【0097】
特定の実施形態を表す特定の順序で説明したが、較正プロセス122は、任意の適切な順序で実行され得ることに留意されたい。さらに、較正プロセス122の実施形態は、プロセスブロックを省略してもよく、及び/又は追加のプロセスブロックを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、較正プロセス122は、仮想現実サブシステム16を製造する製造業者及び/又は仮想現実ライドシステム10を製造するシステムインテグレータによって少なくとも部分的に実行してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、較正プロセス122は、1又は2以上の設計プロセッサ114などの処理回路を使用して、設計メモリ116などの有形の非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された命令を実行することによって少なくとも部分的に実施してもよい。
【0098】
従って、いくつかの実施形態では、設計デバイス108は、1又は2以上の候補移動強調係数118の決定をしてもよい(プロセスブロック124)。特に、いくつかの実施形態では、設計デバイス108は、異なる値を有する複数の候補移動強調係数118をそれぞれ決定してもよい。さらに、より爽快な乗り心地を提供することを容易にするために、いくつかの実施形態において、設計デバイス108は、値の降順で候補移動強調係数118を評価してもよい。言い換えれば、そのような実施形態では、設計デバイス108は、他の候補移動強調係数118の前に、最も大きな値を有する候補移動強調係数118を評価してもよい。
【0099】
候補移動強調係数118を較正乗り物量に適用することによって、設計デバイス108は、候補移動強調係数118に対応する候補知覚乗り物移動量を決定してもよい(プロセスブロック126)。特に、較正乗り物量は、ライド環境12における乗り物14の移動量であってよい。言い換えれば、候補知覚乗り物移動量は、較正乗り物量に一致する予測乗り物移動量72への、候補移動強調係数118の適用から生じる目標知覚乗り物移動量に一致させてもよい。
【0100】
候補乗り物移動量に少なくとも部分的に基づいて、設計デバイス108は、候補移動強調仮想現実コンテンツ110を生成してもよい(プロセスブロック128)。いくつかの実施形態では、設計デバイス108は、候補乗り物移動量に、少なくとも部分的に基づいて、既定仮想現実コンテンツ54を適合することによって、少なくとも部分的に、候補移動強調仮想現実コンテンツ110を生成してもよい。例えば、候補移動強調仮想現実画像コンテンツ110を生成するために、設計デバイス108は、候補乗り物移動量によって既定仮想現実画像コンテンツ54を変更(例えば、変換)してもよい。
【0101】
次に、設計デバイス108は、仮想現実サブシステム16に、較正乗り物移動量を同時に生成し、候補移動強調仮想現実コンテンツを提示するように命令してもよい(プロセスブロック130)。例えば、設計デバイス108は、仮想現実サブシステム16に、乗り物14の乗り手40に候補移動強調仮想現実画像コンテンツ110を提示(例えば、表示)するように命令してもよい。上述したように、いくつかの実施形態では、仮想現実ライドシステム10のライド環境12における乗り物14の移動は、乗り物アクチュエータ18及び/又は環境アクチュエータ20等の、1又は2以上のアクチュエータの動作を制御することによって、少なくとも部分的に制御してもよい。従って、そのような実施形態では、設計デバイス108は、1又は2以上のアクチュエータを制御することによって、少なくとも部分的に較正乗り物移動量を生成するように、仮想現実ライドシステム10に命令してもよい。加えて、又は代替的に、設計デバイス108は、例えば、較正プロセス122中に乗り物14に接続した1又は2以上の較正(例えば、一時的)アクチュエータを介して、較正乗り物移動量を人為的に生成するため、仮想現実サブシステム16に命令してもよい。
【0102】
次に、設計デバイス108は、候補移動強調仮想現実コンテンツを較正乗り物移動量の発生と同時に提示することによって、乗り物酔いが生じるかどうかを判断してもよい(決定ブロック132)。いくつかの実施形態では、設計デバイス108は、1又は2以上の入力デバイス120を介して乗り物14の乗り手40から受け取ったユーザ(例えば、乗り手)入力に、少なくとも部分的に基づいて、乗り物酔いが生じるかどうかを判断してもよい。例えば、設計デバイス108は、ユーザ入力が第1入力デバイス120(例えば、YESボタン)を選択した場合に乗り物酔いが生じ、ユーザ入力が第2(例えば、異なる)入力デバイス120(例えば、NOボタン)を選択した場合に乗り物酔いが生じない、と判断してよい。
【0103】
乗り物酔いが生じない場合、設計デバイス108は、例えば仮想現実ライドシステム10での展開後、仮想現実サブシステム16のその後の動作中に適用する移動強調係数112として候補移動強調係数118を選択してもよい(プロセスブロック136)。上述したように、いくつかの実施形態では、選択した移動強調係数112は、仮想現実メモリ34A等の仮想現実サブシステム16における有形の非一時的なコンピュータ可読媒体に格納してもよい。乗り物酔いが生じた場合、設計デバイス108は、次に大きい候補移動強調係数118を決定してもよい(プロセスブロック134)。
【0104】
次に、設計デバイス108は、同様の方法で、次に大きい候補移動強調係数118を評価してもよい。言い換えれば、設計デバイス108は、較正乗り物量に次いで大きい候補移動強調係数118を適用することによって、別の候補知覚乗り物移動量を決定し(プロセスブロック126)、別の候補知覚乗り物移動量に基づく別の候補移動強調仮想現実コンテンツを生成してもよい(プロセスブロック128)。較正乗り物移動量を生成し、他の候補移動強調仮想現実コンテンツを提示することを同時に行い(プロセスブロック130)、乗り物酔いが生じるかどうかを決定し(決定ブロック132)、乗り物酔いが生じない場合に、移動強調係数として次の最大の候補を選択し(プロセスブロック136)、乗り物酔いが生じる場合に、別の次の最大の候補移動強調係数を決定する(プロセスブロック134)。このようにして、本開示に記載の技術は、より爽快な、従って改善された仮想現実ライド体験を提供しながら、乗り物酔いが生じる可能性を低減することを容易にし得る。
【0105】
上述した特定の実施形態は、例として示されたものである。これらの実施形態は、様々な修正及び/又は代替形態に影響を受け得ることが理解されるべきである。特許請求の範囲が限定されることを意図していないことをさらに理解されたい。本開示の意図及び範囲に該当するすべての変更、等価物、及び代替物を対象とするものである。
【0106】
本明細書で提示され請求された技術は、現在の技術分野を実証的に改善する物質的な対象及び実用的な性質の具体例に参照及び適用され、そのため、抽象的、無形の又は純粋に理論的なものであるわけではない。さらに、本明細書の末尾に付された請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又複数の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈されることを意図している。しかし、他の方法で指定された要素を含む請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈されないこと意図している。
【符号の説明】
【0107】
10 仮想現実ライドシステム
12 ライド環境
14 乗り物
16 仮想現実サブシステム
18 乗り物アクチュエータ
20 環境アクチュエータ
22 ライド制御サブシステム
24 制御プロセッサ
26 制御メモリ
28 センサ
28A 乗り物センサ
28B 乗り手センサ
28C 環境センサ
30 I/Oインターフェース
32 仮想現実処理回路
34 仮想現実メモリ
36 電子ディスプレイ
36A 乗り物ディスプレイ
36B ヘッドセットディスプレイ
38 オーディオスピーカ
38A 乗り物スピーカ
38B ヘッドセットスピーカ
52 遠隔データソース
54 既定仮想現実コンテンツ
56 乗り物移動予測モデル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8