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▶ カリフォルニア インスティテュート オブ テクノロジーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】血圧測定器及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/04 20060101AFI20241126BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20241126BHJP
   A61B 5/021 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
A61B8/04
A61B8/14
A61B5/021
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022572261
(86)(22)【出願日】2021-01-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 US2021015324
(87)【国際公開番号】W WO2021154879
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2024-01-10
(31)【優先権主張番号】62/966,927
(32)【優先日】2020-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598128421
【氏名又は名称】カリフォルニア インスティテュート オブ テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100207217
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 智夫
(72)【発明者】
【氏名】ラジャゴパル アディティア
(72)【発明者】
【氏名】ユルク ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】アブ-モスタファ ヤセール
(72)【発明者】
【氏名】ラジャゴパル アライナ アン ブリンリー
(72)【発明者】
【氏名】ヒメネス レイモンド
【審査官】井海田 隆
(56)【参考文献】
【文献】特表昭62-502307(JP,A)
【文献】特表2004-521660(JP,A)
【文献】米国特許第05241964(US,A)
【文献】特表2012-533332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 ー 8/15
A61B 5/021
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血圧測定装置であって、
複数の周波数を有する複数の音波を放出するように構成された電気音響トランスデューサであって、前記音波が被験者の血管を振動させるように構成されている、電気音響トランスデューサと、
前記血管の複数の超音波画像を撮像するように構成された超音波トランスデューサであって、前記複数の超音波画像は、
第1の周波数範囲にわたって前記電気音響トランスデューサによって放出された第1の音波セットに対する前記血管の振動応答を示す第1の画像セットと、
前記第1の周波数範囲よりも狭い第2の周波数範囲にわたって前記電気音響トランスデューサによって放出された第2の音波セットに対する前記血管の振動応答を示す第2の画像セットと
を含む、超音波トランスデューサと、
処理装置であって、
前記複数の超音波画像に基づいて、前記血管の、壁厚、半径、および共振周波数を決定し、
前記壁厚、前記半径、および前記共振周波数に基づいて、前記被験者の血圧を計算する
ように構成された処理装置と、
を備え、
前記血管の前記共振周波数を決定することは、
前記第1の周波数範囲にわたって前記電気音響トランスデューサによって放出される前記第1の音波セットに対する前記血管の前記振動応答に基づいて、前記電気音響トランスデューサによって出力される音波の周波数を調整して、前記第2の周波数範囲にわたって前記第2の音波セットを放出し、
前記複数の超音波画像から、前記音波に対する前記血管の振動応答に基づいて、複数の周波数のうち前記血管の振動を最大にする周波数を決定し、
前記周波数を前記共振周波数として選択する
ことを含む、
血圧測定装置。
【請求項2】
前記電気音響トランスデューサに電気的に結合されたオーディオ信号発生器をさらに備え、前記オーディオ信号発生器は、前記複数の音波が前記複数の周波数を持つように構成されている、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項3】
前記オーディオ信号発生器は、前記複数の周波数を調整する少なくとも1つの可変抵抗器を備える、
請求項2に記載の血圧測定装置。
【請求項4】
前記周波数の各々が1Hz~3000Hzである、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項5】
前記周波数の各々が670Hz~2300Hzである、請求項4に記載の血圧測定装置。
【請求項6】
前記血管が前記被験者の頸動脈である、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項7】
基板であって、前記被験者の皮膚に接着するための接着面を含み、前記電気音響トランスデューサおよび前記超音波トランスデューサは前記基板に組み込まれている、基板をさらに備える、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項8】
血圧測定装置であって、
電気音響トランスデューサと、
超音波トランスデューサと、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令の実行により、前記血圧測定装置に、
被験者の血管に近接した前記電気音響トランスデューサを使用して、複数の周波数を有する複数の音波を放出し、前記音波により前記血管を振動させることと、
前記超音波トランスデューサを使用して、前記音波に応答して前記血管が振動するときの前記血管の複数の超音波画像を撮像することであって、前記複数の超音波画像は、
第1の周波数範囲にわたって前記電気音響トランスデューサによって放出された第1の音波セットに対する前記血管の振動応答を示す第1の画像セットと、
前記第1の周波数範囲よりも狭い第2の周波数範囲にわたって前記電気音響トランスデューサによって放出された第2の音波セットに対する前記血管の振動応答を示す第2の画像セットと
を含む、撮像することと、
前記複数の超音波画像から、前記音波に対する前記血管の振動応答に基づいて、前記血管の共振周波数を決定することと、
前記超音波トランスデューサを使用して、前記血管の、壁厚および半径を決定することと、
前記共振周波数、前記壁厚、および、前記半径に基づいて、前記被験者の血圧を計算することと、
を含む処理を実行させる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、
を備え、
前記血管の前記共振周波数を決定することは、前記第1の周波数範囲にわたって前記電気音響トランスデューサによって放出される前記第1の音波セットに対する前記血管の前記振動応答に基づいて、前記電気音響トランスデューサによって出力される音波の周波数を調整して、前記第2の周波数範囲にわたって前記第2の音波セットを放出することを含む、
血圧測定装置。
【請求項9】
前記血管の、前記壁厚および前記半径を決定することは、
前記超音波トランスデューサを使用して、超音波を前記血管に向けること、および、
前記超音波トランスデューサを使用して、前記血管のエコー源性境界から反射された超音波を受信すること
を含む、
請求項8に記載の血圧測定装置。
【請求項10】
前記血圧を算出した後、前記処理はさらに、
前記電気音響トランスデューサおよび前記超音波トランスデューサを使用して、前記血管の更新された半径、および、前記血管を通って流れる血液の更新された速度を決定することと、
前記更新された半径と前記更新された速度とに基づいて、更新された血圧を計算することと
を含む、
請求項8に記載の血圧測定装置。
【請求項11】
前記周波数の各々が670Hz~2300Hzである、請求項8に記載の血圧測定装置。
【請求項12】
前記電気音響トランスデューサがオーディオスピーカーである、請求項8に記載の血圧測定装置
【請求項13】
被験者の血管に近接した電気音響トランスデューサを使用して、複数の周波数を有する複数の音波を放出し、前記音波により前記血管を振動させることと、
超音波トランスデューサを使用して、前記音波に応答して前記血管が振動するときの前記血管の複数の超音波画像を撮像することであって、前記複数の超音波画像は、
第1の周波数範囲にわたって前記電気音響トランスデューサによって放出された第1の音波セットに対する前記血管の振動応答を示す第1の画像セットと、
前記第1の周波数範囲よりも狭い第2の周波数範囲にわたって前記電気音響トランスデューサによって放出された第2の音波セットに対する前記血管の振動応答を示す第2の画像セットと
を含む、撮像することと、
前記複数の超音波画像から、前記音波に対する前記血管の振動応答に基づいて、前記血管の共振周波数を決定することと、
前記超音波トランスデューサを使用して、前記血管の、壁厚および半径を決定することと、
前記共振周波数、前記壁厚、および、前記半径に基づいて、前記被験者の血圧を計算することと、
を含み、
前記血管の前記共振周波数を決定することは、前記第1の周波数範囲にわたって前記電気音響トランスデューサによって放出される前記第1の音波セットに対する前記血管の前記振動応答に基づいて、前記電気音響トランスデューサによって出力される音波の周波数を調整して、前記第2の周波数範囲にわたって前記第2の音波セットを放出することを含む、
方法。
【請求項14】
前記血管の、前記壁厚および前記半径を決定することは、
前記超音波トランスデューサを使用して、超音波を前記血管に向けること、および、
前記超音波トランスデューサを使用して、前記血管のエコー源性境界から反射された超音波を受信すること
を含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記血圧を算出した後、さらに、
前記電気音響トランスデューサおよび前記超音波トランスデューサを使用して、前記血管の更新された半径、および、前記血管を通って流れる血液の更新された速度を決定することと、
前記更新された半径と前記更新された速度とに基づいて、更新された血圧を計算すること
を含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記周波数の各々が670Hz~2300Hzである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記血圧は拡張期血圧であり、
前記処理装置はさらに、前記拡張期血圧を計算した後、前記超音波トランスデューサを使用して、前記拡張期血圧の経時的変化を連続的に計算するように構成される、
請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項18】
前記処理装置はさらに、前記拡張期血圧の前記経時的変化を連続的に計算した後、前記電気音響トランスデューサおよび前記超音波トランスデューサを使用して、前記拡張期血圧を再計算するように構成される、
請求項17に記載の血圧測定装置。
【請求項19】
前記被験者の前記血圧を計算することは、前記被験者の前記血圧を、前記壁厚、前記半径、および、前記共振周波数の2乗の関数として計算することを含む、
請求項1に記載の血圧測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧測定器及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は2020年1月28日に出願された米国仮出願第62/966927号の利益を主張し、該仮出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
血圧は、患者ケアを管理するために日常的に使用される不可欠なバイタルサインである。血圧測定の方法は、概して面倒で扱いにくい。一般的な方法には、周囲の騒音に対する感受性、患者の不快感、及び連続血圧測定を得ることができないなど、いくつかの制限がある。代替法は侵襲的血圧測定である。これは、外部カフよりもはるかに高品質のデータを提供するが、その侵襲性は、感染、出血、又は虚血を含む、はるかに高いリスクを生じるものでもある。高血圧は、米国及び世界の他の地域の両方に広く蔓延している医学的問題になっているので、血圧を測定するための代替的な非侵襲的様式は非常に望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、血管に音波を向けるように構成された第1のトランスデューサと、血管に超音波を向け、血管のエコー源性境界によって反射された超音波を受信し、血管の断面の半径と壁厚を測定するように構成された第2のトランスデューサとを備える血圧測定器の実施形態が記載される。第1のトランスデューサは電気音響トランスデューサであってもよく、及び/又は、第2のトランスデューサは圧電超音波トランスデューサである。本測定器は第1のトランスデューサに結合されたオーディオ信号発生器をさらに備え得る。いくつかの実施形態では、オーディオ信号発生器は、音波の周波数を調整する可変抵抗器を少なくとも備える。可変抵抗器はポテンショメータであり得る。いくつかの実施形態では、オーディオ信号発生器が音波の周波数を表示する。第2のトランスデューサが血管の断面の振動を監視してもよい。いくつかの実施形態では、第2のトランスデューサが、血管の断面の振動を監視し、第圧電超音波トランスデューサが、断面の振動の周波数を記録し、その共振周波数を特定する。血管の断面の振動が最大のときに共振周波数が特定され得る。いくつかの実施形態では、音波の周波数が1Hz~3000Hzの範囲にわたって変化させられる。いくつかの実施形態では、音波の周波数が670Hz~2300Hzの範囲にわたって変化させられる。電気音響トランスデューサはオーディオスピーカであってもよく、オーディオスピーカはツイータであってもよい。血管は、動脈であってもよいし、静脈であってもよい。
【0005】
本明細書では、血圧を測定する方法であって、血管の断面の半径及び厚さを特定するステップと、血管に音波を向けるステップと、音波の周波数を変化させるステップと、血管の共振周波数を特定するために血管の断面の最大共振を検出するステップと、特定された共振周波数に基づいて、血管内の血圧を計算するステップとを含む方法の実施形態がさらに記載される。音波の周波数を変化させるステップは、音波の周波数を1Hz~3000Hzの範囲で変化させることを含み得る。いくつかの実施形態では、音波の周波数を変化させるステップは、音波の周波数を670Hz~2300Hzの範囲で変化させることを含む。最大共振を検出するための圧電超音波トランスデューサの使用によって共振周波数が特定され得る。圧電超音波トランスデューサは少なくとも3kHzのサンプリングレートを備え得る。いくつかの実施形態では、血管の半径及び厚さを特定するステップは、血管に超音波を向けることと、血管のエコー源性境界から反射された反射超音波を受信することとを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、反射された超音波のドップラーシフトを測定するステップと、血管の波速度を計算するステップとをさらに含み得る。ドップラーシフトは圧電超音波トランスデューサによって測定され得る。血管は、動脈であってもよいし、静脈であってもよい。
【0006】
本明細書では、血圧測定装置であって、複数の周波数を有する複数の音波を放出するように構成された第1のトランスデューサであり、音波が被験者の血管を振動させるように構成されている、第1のトランスデューサと、血管の1つ以上の超音波画像を撮像するように構成された第2のトランスデューサと、処理装置であり、撮像された1つ以上の超音波画像に基づいて、血管の共振周波数を特定し、血管の壁厚、血管の半径又は直径、及び特定された共振周波数に基づいて、被験者の血管の血圧を計算するように構成された処理装置とを備える、血圧測定装置の実施形態が記載される。
【0007】
いくつかの実施形態では、撮像された1つ以上の超音波画像が、血管の壁厚及び血管の半径又は直径を測定するために使用される。いくつかの実施形態では、撮像された1つ以上の超音波画像が複数の超音波画像を含み、血管の共振周波数を特定することが、複数の超音波画像に基づいて、複数の周波数うちの血管の振動を最大化した周波数を特定すること、及び、その周波数を共振周波数として選択することを含む。いくつかの実施形態では、本装置は、第1のトランスデューサに電気的に結合され、第1のトランスデューサによって放出される音波の周波数を調整するように構成されたオーディオ信号発生器をさらに備える。いくつかの実施形態では、オーディオ信号発生器は、第1のトランスデューサによって放出される音波の周波数を調整する少なくとも1つの可変抵抗器を備える。いくつかの実施形態では、周波数の各々が1Hz~3000Hzである。いくつかの実施形態では、周波数の各々が670Hz~2300Hzである。
【0008】
いくつかの実施形態では、血管は被験者の頸動脈である。いくつかの実施形態では、第1のトランスデューサがオーディオスピーカである。いくつかの実施形態では、本装置は被着体をさらに備え、被着体は、被験者の皮膚に貼り付けるため粘着面を備え、第1のトランスデューサ及び第2のトランスデューサが被着体に組み込まれている。いくつかの実施形態では、被着体は血管の近位に貼り付けられる。いくつかの実施形態では、血管が頸動脈である。いくつかの実施形態では、被着体が位置合わせ線を備える。いくつかの実施形態では、被着体が透明窓を備える。
【0009】
いくつかの実施形態では、本装置は、血管の第2のセットの1つ以上の超音波画像を撮像するように構成された第3のトランスデューサをさらに備える。いくつかの実施形態では、第2及び第3のトランスデューサが、それぞれ共振周波数を有し、第2のトランスデューサが、第3のトランスデューサの周波数応答と部分的に重複する周波数応答を含み、処理装置が、第1及び第2のトランスデューサによって得られた測定値を処理する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のトランスデューサによって得られた測定値の処理が、第1の周波数応答及び第2の周波数応答を正規化することを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、本装置は、血管の第3のセットの1つ以上の超音波画像を撮像するように構成された第4のトランスデューサをさらに備える。いくつかの実施形態では、本装置は被着体をさらに備え、被着体は、被験者の皮膚に貼り付けるため粘着面を備え、第1のトランスデューサ、第2のトランスデューサ、及び第3のトランスデューサが被着体に組み込まれている。いくつかの実施形態では、被着体は血管の近位に貼り付けられる。いくつかの実施形態では、血管が頸動脈である。いくつかの実施形態では、被着体が位置合わせ線を備える。いくつかの実施形態では、被着体が透明窓をさらに備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、本装置は、血管の第3のセットの1つ以上の超音波画像を撮像するように構成された第4のトランスデューサをさらに備える。いくつかの実施形態では、第4のトランスデューサが、第2のトランスデューサの周波数応答と部分的に重複する周波数応答を備える。いくつかの実施形態では、第4のトランスデューサが、第3のトランスデューサの周波数応答と部分的に重複する周波数応答を備える。いくつかの実施形態では、第4のトランスデューサが、第2及び第3のトランスデューサの周波数応答と部分的に重複する周波数応答を備える。
【0012】
いくつかの実施形態では、本装置は被着体をさらに備え、被着体は、被験者の皮膚に貼り付けるため粘着面を備え、第1のトランスデューサ、第2のトランスデューサ、及び第3のトランスデューサが被着体に組み込まれている。いくつかの実施形態では、被着体は血管の近位に貼り付けられる。いくつかの実施形態では、血管が頸動脈である。いくつかの実施形態では、被着体は位置合わせ線を備える。いくつかの実施形態では、被着体が透明窓をさらに備える。
【0013】
いくつかの実施形態では、本装置は、血管の第2のセットの1つ以上の超音波画像を撮像するように構成された第3のトランスデューサをさらに備える。いくつかの実施形態では、第2及び第3のトランスデューサが、それぞれ共振周波数を有し、第2のトランスデューサが、第3のトランスデューサの周波数応答と部分的に重複する周波数応答を含み、処理装置が、第1及び第2のトランスデューサによって得られた測定値を処理する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のトランスデューサによって得られた測定値の処理が、第1の周波数応答及び第2の周波数応答を正規化することを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本装置は、血管の第3のセットの1つ以上の超音波画像を撮像するように構成された第4のトランスデューサをさらに備える。いくつかの実施形態では、本装置は、血管の第3のセットの1つ以上の超音波画像を撮像するように構成された第4のトランスデューサをさらに備える。いくつかの実施形態では、第4のトランスデューサが、第2のトランスデューサの周波数応答と部分的に重複する周波数応答を備える。いくつかの実施形態では、第4のトランスデューサが、第3のトランスデューサの周波数応答と部分的に重複する周波数応答を備える。いくつかの実施形態では、第4のトランスデューサが、第2及び第3のトランスデューサ両方の周波数応答と部分的に重複する周波数応答を備える。
【0015】
いくつかの実施形態により、本明細書には、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、命令の実行により、被験者血管に近接した第1のトランスデューサを使用して、複数の周波数を有する複数の音波であって被験者血管を振動させる音波を放出すること、複数の音波に対する血管の振動応答に基づいて、血管の共振周波数を特定すること、超音波を放出する第2のトランスデューサを使用して、血管の壁厚及び半径又は直径を特定すること、及び、共振周波数、血管の壁厚、及び血管の半径又は直径に基づいて、被験者の血圧を計算すること、を含む操作を血圧測定装置に実行させる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が記載される。
【0016】
いくつかの実施形態では、操作が、音波に応答して血管が振動するときに第2のトランスデューサを使用して血管の複数の超音波画像を撮像することをさらに含み、血管の共振周波数を特定することが、超音波画像から血管の共振周波数を特定することを含む。いくつかの実施形態では、血管の壁厚及び半径を特定することが、第2のトランスデューサを使用して、超音波を血管に向けること、及び、第2のトランスデューサを使用して、血管のエコー源性境界から反射された超音波を受信すること、を含む。いくつかの実施形態では、血圧を計算した後に、操作が、第1のトランスデューサ及び第2のトランスデューサを使用して、血管の更新された半径及び血管を通って流れる血液の更新された速度を特定するステップと、更新された半径及び更新された速度に基づいて、更新された血圧を計算するステップと、をさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、複数の音波の複数の周波数が1Hz~3000Hzである。いくつかの実施形態では、複数の音波の複数の周波数が670Hz~2300Hzである。いくつかの実施形態では、第1のトランスデューサはオーディオスピーカである。
【0018】
いくつかの実施形態では、操作が、第3のトランスデューサを使用して、血管の第1のセットの超音波画像を撮像することをさらに含む。いくつかの実施形態では、操作が、第2のトランスデューサを使用して、血管の第2のセットの超音波画像を撮像することをさらに含む。いくつかの実施形態では、操作が、第1のセットの超音波画像によって第2のセットの超音波画像を正規化することをさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、操作が、第4のトランスデューサを使用して血管の第3のセットの超音波画像を撮像することをさらに含む。いくつかの実施形態では、操作が、第1のセットの超音波画像によって第2のセットの超音波画像を正規化することをさらに含む。いくつかの実施形態では、操作が、第3のセットの超音波画像によって第2のセットの超音波画像を正規化することをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施形態により、本明細書には、被験者血管に近接した第1のトランスデューサを使用して、複数の周波数を有する複数の音波であって被験者血管を振動させる音波を放出するステップと、音波に対する血管の振動応答に基づいて、血管の共振周波数を特定するステップと、超音波を放出する第2のトランスデューサを使用して、血管の壁厚及び半径又は直径を特定するステップと、共振周波数、血管の壁厚、及び血管の半径又は直径に基づいて、被験者の血圧を計算するステップと、を含む方法が記載される。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法は、音波に応答して血管が振動するときに第2のトランスデューサを使用して血管の複数の超音波画像を撮像するステップをさらに含み、血管の共振周波数を特定するステップが、超音波画像から血管の共振周波数を特定することを含む。いくつかの実施形態では、血管の壁厚及び半径を特定することが、第2のトランスデューサを使用して、超音波を血管に向けること、及び、第2のトランスデューサを使用して、血管のエコー源性境界から反射された超音波を受信すること、を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、血圧を計算した後に、方法が、第1のトランスデューサ及び第2のトランスデューサを使用して、血管の更新された半径及び血管を通って流れる血液の更新された速度を特定するステップと、更新された半径及び更新された速度に基づいて、更新された血圧を計算するステップと、をさらに含む。いくつかの実施形態では、周波数の各々が670Hz~2300Hzである。
【0023】
いくつかの実施形態では、本方法は、音波に応答して血管が振動するときに、第3のトランスデューサを使用して、血管の第2のセットの複数の超音波画像を撮像するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第2のトランスデューサによって撮像された血管の複数の超音波画像を、第3のトランスデューサによって撮像された血管の第2のセットの複数の超音波画像で正規化するステップをさらに含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法は、音波に応答して血管が振動するときに、第4のトランスデューサを使用して、血管の第3のセットの複数の超音波画像を撮像するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第2のトランスデューサによって撮像された血管の複数の超音波画像を、第3のトランスデューサによって撮像された血管の第2のセットの複数の超音波画像で正規化するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第2のトランスデューサによって撮像された血管の複数の超音波画像を、第4のトランスデューサによって撮像された血管の第3のセットの複数の超音波画像で正規化するステップをさらに含む。
【0025】
いくつかの実施形態により、本明細書には、血管に音波を向けるように構成された第1のトランスデューサと、血管に超音波を向け、血管のエコー源性境界によって反射された超音波を受信し、血管の断面の直径又は半径を測定し、血管の断面の壁厚を測定するように構成された第2のトランスデューサとを備える血圧測定器が記載される。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1のトランスデューサが電気音響トランスデューサであり、第2のトランスデューサが圧電超音波トランスデューサである。いくつかの実施形態では、本測定器は第1のトランスデューサに結合されたオーディオ信号発生器をさらに備える。いくつかの実施形態では、オーディオ信号発生器が、音波の周波数を変化させるように構成されている。
いくつかの実施形態では、本測定器はディスプレイをさらに備える。いくつかの実施形態では、ディスプレイが音波の周波数を示す。
【0027】
いくつかの実施形態では、第2のトランスデューサが血管の断面の振動を監視する。いくつかの実施形態では、第2のトランスデューサが、血管の断面の振動を監視し、第2のトランスデューサが、断面の振動の周波数を記録し、その共振周波数を特定する。いくつかの実施形態では、共振周波数は、血管の断面の振動が最大のときに特定される。
【0028】
いくつかの実施形態では、音波の周波数が、1Hz~3000Hzの範囲にわたって変化させられる。いくつかの実施形態では、音波の周波数が、670Hz~2300Hzの範囲にわたって変化させられる。いくつかの実施形態では、電気音響トランスデューサはオーディオスピーカである。いくつかの実施形態では、オーディオスピーカがツイータである。
【0029】
いくつかの実施形態では、血管が静脈である。いくつかの実施形態では、第1及び第2のトランスデューサが被着体に結合され、被着体が粘着性の裏当てを備える。いくつかの実施形態では、被着体は血管の近位に貼り付けられる。いくつかの実施形態では、血管が頸動脈である。いくつかの実施形態では、被着体が位置合わせ線を備える。いくつかの実施形態では、被着体は位置合わせ線と透明窓とを含む。
【0030】
いくつかの実施形態により、本明細書には、血圧を測定する方法であって、血管の断面の半径及び壁厚を特定するステップと、音波を血管に向けるステップと、音波の周波数を変化させるステップと、
血管の共振周波数を特定するために血管の断面の最大共振を検出するステップと、特定された共振周波数と、血管の半径及び壁厚とに基づいて、血管内の血圧を計算するステップとを含む方法が記載される。
【0031】
いくつかの実施形態では、音波の周波数を変化させるステップは、音波の周波数を1Hz~3000Hzの範囲で変化させることを含む。いくつかの実施形態では、音波の周波数を変化させるステップは、音波の周波数を670Hz~2300Hzの範囲で変化させることを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、共振周波数が、最大共振を検出するための圧電超音波トランスデューサの使用によって特定される。いくつかの実施形態では、圧電超音波トランスデューサが、少なくとも3kHzのサンプリングレートを備える。いくつかの実施形態では、血管の半径及び壁厚を特定するステップは、血管に超音波を向けることと、血管のエコー源性境界から反射された反射超音波を受信することとを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、反射された超音波のドップラーシフトを測定するステップと、血管の波速度を計算するステップとをさらに含む。いくつかの実施形態では、ドップラーシフトは圧電超音波トランスデューサによって測定される。
【0033】
いくつかの実施形態では、血管が静脈である。いくつかの実施形態では、本方法は、第1のセットの送信超音波を血管に向けるステップと、血管からの第1のセットの反射超音波を捕捉するステップとをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のセットの送信超音波を血管に向けるステップ及び血管からの第1のセットの反射超音波を捕捉するステップが、単一の超音波トランスデューサによって実行される
【0034】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1の超音波トランスデューサを用いて、第1のセットの送信超音波を血管に向けるステップと、第2の超音波トランスデューサを用いて、血管からの第1のセットの反射超音波を捕捉するステップとをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の超音波トランスデューサを用いて、第1のセットの送信超音波を血管に向けるステップと、第1の超音波トランスデューサ及び第2の超音波を用いて、血管からの第1のセットの反射超音波を捕捉するステップとをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の超音波トランスデューサを用いて、第1のセットの送信超音波信号を血管に向けるステップと、第1の超音波トランスデューサを用いて、血管からの第1の反射超音波信号を捕捉するステップとをさらに含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、本方法は、第2の超音波トランスデューサを用いて、血管からの第2の反射超音波信号を捕捉するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の反射超音波信号を第2の反射超音波信号で正規化するステップをさらに含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、本方法は、第3の超音波トランスデューサを用いて、血管からの第3の反射超音波信号を捕捉するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の反射超音波信号を第3の反射超音波信号で正規化するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、血管は頸動脈である。
【0037】
いくつかの実施形態により、本明細書には、超音波信号を送受信するためのシステムであって、1つ以上の出力及び1つ以上の入力を備えるソフトウェア無線機と、ソフトウェア無線機に電気的に接続された超音波信号処理回路と、超音波信号処理回路に電気的に接続された1つ以上の超音波トランスデューサと、を備え、超音波信号処理回路が、ソフトウェア無線機の1つ以上の出力からの1つ以上の超音波送信信号を処理し、処理された超音波送信信号を1つ以上の超音波トランスデューサに送信して超音波を生成し、信号処理ユニットが、1つ以上の超音波トランスデューサからの1つ以上の受信超音波信号を処理し、処理された受信超音波信号をソフトウェア無線機の1つ以上の入力に送信する、システムが記載される。
【0038】
いくつかの実施形態では、超音波処理回路が、ソフトウェア無線機の1つ以上の出力からの1つ以上の超音波送信信号を増幅させるための少なくとも1つの高電圧増幅器を備える。いくつかの実施形態では、超音波処理回路が、1つ以上の超音波トランスデューサからの1つ以上の受信超音波信号を増幅させるための少なくとも1つの可変利得増幅器を備える。
【0039】
いくつかの実施形態では、超音波処理回路が、1つ以上の超音波トランスデューサからの1つ以上の受信超音波信号を増幅させるための少なくとも1つの可変利得増幅器を備える。いくつかの実施形態では、ソフトウェア無線機の出力が利得ランプと送信パルスを含む。いくつかの実施形態では、超音波処理回路が、送信パルスを増幅させるための高電圧増幅器を備える。
【0040】
いくつかの実施形態では、超音波処理回路が、ソフトウェア無線機によって送信された利得ランプに基づいて1つ以上の超音波トランスデューサからの1つ以上の受信超音波信号を増幅させるための可変利得増幅器を備える。いくつかの実施形態では、ランプ信号の増幅率は、ソフトウェア無線機によってランプ信号の初期パルスが発射されてからの時間に対応する。
【0041】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが、第1のピクセル群及び第2のピクセル群を備える。いくつかの実施形態では、第1のピクセル群及び第2のピクセル群がそれぞれ16ピクセルを含む。いくつかの実施形態では、第1のピクセル群が、処理された超音波送信信号を受信するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1のピクセル群のみが、処理された超音波送信信号を受信する。
【0042】
いくつかの実施形態では、1つ以上の受信超音波信号が、第1のピクセル群及び第2のピクセル群によって超音波処理回路に受信送信される。いくつかの実施形態では、可変利得増幅器が、低雑音、シングルエンド、線形の汎用可変利得増幅器である。
【0043】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが、第1のピクセル群及び第2のピクセル群を備える。いくつかの実施形態では、第1のピクセル群が、処理された超音波送信信号を受信するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1のピクセル群が、処理された超音波送信信号を受信する。
【0044】
いくつかの実施形態では、本システムは、ソフトウェア無線機の1つ以上の出力を制御するようにソフトウェア無線機に接続された計算装置をさらに備える。いくつかの実施形態では、計算装置が、ディスプレイを備え、ディスプレイが、ソフトウェア無線機の1つ以上の入力によって受信されたデータを表示する。いくつかの実施形態では、ディスプレイが、1つ以上の超音波トランスデューサによって得られた1つ以上の超音波画像を表示する。
【0045】
いくつかの実施形態では、本システムは、ソフトウェア無線機の1つ以上の出力を制御するようにソフトウェア無線機に接続された計算装置をさらに備える。いくつかの実施形態では、計算装置が、ディスプレイを備え、ディスプレイが、ソフトウェア無線機の1つ以上の入力によって受信されたデータを表示する。
【0046】
ディスプレイが、1つ以上の超音波トランスデューサによって得られた1つ以上の超音波画像を表示する、パラグラフ123に記載のシステム。
【0047】
いくつかの実施形態により、本明細書には、1つ以上の超音波信号を調整する方法であって、第1の送信信号をソフトウェア無線機から受信するステップと、第1の送信信号を増幅させ、それによって増幅送信信号を形成するステップと、第1のマルチプレクサを用いて、増幅送信信号を1つ以上の超音波トランスデューサに転送するステップと、第1のマルチプレクサを用いて、1つ以上の受信超音波信号を1つ以上の超音波トランスデューサから受信するステップと、1つ以上の受信超音波信号を増幅させ、それによって1つ以上の増幅受信超音波信号を形成するステップと、を含む方法が記載される。
【0048】
いくつかの実施形態では、1つ以上の受信超音波信号の増幅が、ソフトウェア無線機によって送信された利得ランプに基づく。いくつかの実施形態では、増幅が時間依存性である。いくつかの実施形態では、1つ以上の受信超音波信号の増幅が、1つ以上の低雑音、シングルエンド、線形の汎用可変利得増幅器によって行われる。いくつかの実施形態では、1つ以上の受信超音波信号の増幅が、1つ以上の低雑音、シングルエンド、線形の汎用可変利得増幅器によって行われる。
【0049】
いくつかの実施形態では、本方法は、1つ以上の超音波を少なくとも一つの対象に向けて放出するステップをさらに含み、少なくとも1つの対象が、1つ以上の超音波を反射し、反射超音波が、1つ以上の超音波トランスデューサによって検出され、1つ以上の受信超音波信号を形成する。
【0050】
いくつかの実施形態では、1つ以上の受信超音波信号の増幅が、ソフトウェア無線機によって送信された利得ランプに基づく。いくつかの実施形態では、増幅が時間依存性である。いくつかの実施形態では、1つ以上の受信超音波信号の増幅が、1つ以上の低雑音、シングルエンド、線形の汎用可変利得増幅器によって行われる。
【0051】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの対象が被験者の血管である。いくつかの実施形態では、血管が頸動脈である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、及び添付の図面(本明細書の「図(Figure)及び(FIG.)」も含む)を参照することによって得られるであろう。
【0053】
図1】いくつかの実施形態による、動脈膜に作用する力を示す図である。
【0054】
図2】いくつかの実施形態による、共振周波数における動脈壁の振動を示す図である。
【0055】
図3】本開示のいくつかの実施形態による、連続血圧測定装置のいくつかの構成要素を示すブロック図である。
【0056】
図4】いくつかの実施形態による、動脈壁のエコー源性境界を示す図である。
【0057】
図5】いくつかの実施形態による、一体型連続血圧測定装置を含む粘着パッチを示す図である。
【0058】
図6】いくつかの実施形態による、被験者の血圧を測定するための例示的な方法を示す操作フロー図である。
【0059】
図7A】いくつかの実施形態による、連続超音波測定装置の3つの超音波センサの周波数応答を示す図である。
図7B】いくつかの実施形態による、連続超音波測定装置の3つの超音波センサの周波数応答を示す図である。
【0060】
図8A】超音波測定装置における相互相関のための技術を示す図である。
図8B】超音波測定装置における相互相関のための技術を示す図である。
図8C】超音波測定装置における相互相関のための技術を示す図である。
図8D】超音波測定装置における相互相関のための技術を示す図である。
【0061】
図9】いくつかの実施形態による、例示的なシステムを示すブロック図である。
【0062】
図10】いくつかの実施形態による、本明細書に記載される方法を実施するようにプログラムされるか若しくは構成されたコンピュータシステムを示す図である。
【0063】
図11】いくつかの実施形態による、複数の超音波トランスデューサから超音波画像を形成する方法を示す図である。
【0064】
図12】本開示の様々な実施形態による構造及び方法を実施する際に利用できる例示的なチップセットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
本明細書では、連続的で非侵襲的な血圧測定を可能にする装置を記載する。いくつかの実施形態では、この装置は1つ以上の超音波トランスデューサを備える。いくつかの実施形態では、本明細書に提示される装置が較正ステップの必要性を排除し、連続的な非侵襲的血圧モニタリング機能を安価で使いやすい形態で提供する。
【0066】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に開示される技術は、音響及び超音波トランスデューサを使用して連続的な非侵襲的血圧測定を可能にする血圧測定器を対象とする。いくつかの実施形態では、動脈内の振動を刺激するオーディオ信号を生成するために電気音響トランスデューサが使用される。音響信号の周波数を変化させることにより、動脈が最も強く振動する共振周波数を特定できる。この共振周波数は、絶対血圧を計算するために動脈の半径の測定値を組み合わせてもよい。いくつかの実施形態では、動脈の半径は、超音波撮像法を利用して1つ以上の超音波トランスデューサによって測定される。音響刺激を利用して血圧を測定する方法では、別個の較正ステップの必要性を排除することができ、安価で使いやすい形態の血圧モニタリングが提供され得る。
【0067】
本明細書に記載の技術の基礎となる原理を理解するために、動脈を通る血流の基礎となる力を考慮することが有益である。図1は、弾性材料で構成されたチューブとして表すことができる動脈壁110を示す。動脈壁110の動態は、壁を押し出す血圧120と、一緒に壁を保持する張力130との間のバランスによって決まる。ラプラスの法則は、一定の半径Rを有する円筒形の弾性膜を通って流れる流体について、流体圧力P及び膜の張力Tが、式T=RPで関連付けられると述べている。
【0068】
動脈の半径は1つ以上の超音波装置を使用して測定することができる。したがって、流体圧力Pを特定するための残りのタスクは、動脈の壁の張力を測定することである。いくつかの実施形態では、動脈壁が音響刺激からのインパルスにどのように応答するかを測定することによって張力を特定することができる。このプロセスを図2に示す。
いくつかの実施形態では、電気音響トランスデューサ250によって生成された音響刺激240を使用して、動脈壁210に測定可能な摂動を誘発する。この方法では、FDAガイドラインで指定された音響強度限界を十分に下回る音響強度で放出される音響刺激が利用され得る。動脈の周囲の振動モード、特に周囲で励起できる最低エネルギ振動に着目すると、張力は次のように推定できる。
【0069】
最低エネルギ振動の波長はλ=πRである。動脈壁の機械的特性はまた、振動が壁の円周に沿って移動する速度vwを規定する。波の速度と波長の量が組み合わさって、共振周波数f=vw/λを生成する。外部刺激(例えば、音波)が周波数fで加えられる場合、壁は非常に強く振動するが、刺激の周波数がfから離れるように変化する場合、振動の振幅は減少する。したがって、周波数範囲にわたって音響刺激を適用し、動脈が最も強く振動する周波数を見つけることによってfを特定できる。また、これにより、波の速度vw=λf=πRfが分かる。体積密度ρ及び厚さhを備えた張力下の弾性材料では、この波速度は、式T=ρhvw 2を介して張力に関連付けられる。動脈壁の体積密度は患者全体にわたってほぼ一定であり、壁厚はRと同様に超音波画像から測定できる。この情報を使用して、式(1)に基づいて圧力を特定できる。
P=T/R=ρhvw 2/R=π2ρhRf2 (1)
【0070】
したがって、標準的な超音波撮像を介したhとRの測定と、動脈の振動応答によって共振点を特定することによるfの測定とを行うことにより、血圧の計算が可能になる。
【0071】
I.実現可能性の分析
本明細書に記載の連続血圧測定技術の実現可能性を説明するために、以下の要因が考慮され得る。第1に、この血圧測定方法の実際を説明するために、典型的患者において共振周波数fが妥当な値をとることを保証する。総頸動脈の場合、測定量は通常、Pが約100mmHg、Rが2.5mm、hが0.3mm、ρが1g/mLである。これらの値を式(1)に代入すると、予測される共振周波数は約1.3kHzとなる。したがって、この振動を検出するためには、ナイキスト率を超えるために少なくとも約3kHzでサンプリングを行う必要があり得る。現在利用可能な超音波機器では、この最小サンプリングレートをはるかに超える少なくとも8kHzの撮像レートを達成できる。1.3kHzはまた心拍数よりはるかに高く、ヒトの患者では極端な条件下でも心拍数は5Hzを超えることはない。共振振動は心拍による圧力の変化率よりもはるかに高い周波数で発生するため、血圧(ひいては張力)は各振動サイクルの持続時間にわたって一定とみなすことができ、分析が大幅に簡素化される。1.3kHzは既存の市販スピーカの範囲に快適に収まるので、動脈振動を刺激するのに十分な振幅と周波数を有するトーンを生成するための特殊な専用ハードウェアは不要である。
【0072】
第2に、実現可能性の別の尺度は、電気音響トランスデューサの操作が必要となり得る周波数範囲である。極端な条件下では、患者の血圧は25mmHgもの低さ又は300mmHgもの高さであり得る。上記の動脈寸法では、これは670Hz~2.3kHzの共振周波数範囲に相当し、依然として市販のスピーカによって生成される音響範囲内にある。
【0073】
第3に、圧力測定において有用なレベルの精度を得るために必要な周波数分解能のレベルも考慮できる。連続血圧測定の現在の臨床ゴールドスタンダードに匹敵するには、血圧測定装置は、少なくとも±5mmHgの精度で圧力を測定できなければならない。上記の動脈寸法では、この大きさの血圧変動があれば、共振周波数は±34Hz、すなわち約2.5%変化することになる。このレベルの精度は市販のスピーカからも容易に得ることができる。
【0074】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、連続血圧測定装置300のいくつかの構成要素を示すブロック図である。図示のように、装置300は、オーディオ信号発生器305と、電気音響トランスデューサ310と、少なくとも1つの超音波センサ320と、少なくとも1つの処理装置330と、少なくとも1つの機械可読媒体340と、無線送信器315と、任意選択的に、1つ以上の非超音波センサ360とを含む。装置300の電気的構成要素は、電力を分配するための電力回路302に接続する電池301によって電力を供給され得る。電池301は、(例えば、USBポート及び/又はAC/DCコンバータを介して)再充電可能であってもよい。この例では電池301が示されているが、任意の適切な電池又は電源技術を使用して装置300の構成要素に電力を供給することができることを理解されたい。例えば、リチウムイオン電池、セル電池、圧電又は振動エネルギハーベスタ、光電池、AC/DC電源、又は他の同様の装置を使用できる。
【0075】
電気音響トランスデューサ310は、(例えば、血管の共振周波数を求めるために)適切な周波数範囲内の音波を出力することができるオーディオスピーカとして実装され得る。例えば、スピーカは、低音用スピーカ、中音用スピーカ、及び/又は高音用スピーカ(例えば、ツイータ)として実装され得る。いくつかの実施形態では、適切な周波数範囲内の音を出力するために、スピーカの組合せが使用され得る。音波の周波数を調整するオーディオ信号発生器305がトランスデューサ310に結合され得る。いくつかの実施形態では、オーディオ信号発生器が、音波の周波数を調整する可変抵抗器を少なくとも備える。可変抵抗器はポテンショメータであり得る。いくつかの実施形態では、血圧測定装置300は、音波の周波数を表示してもよい。いくつかの実施形態では、オーディオ信号発生器305は、処理装置330の構成要素である。
【0076】
いくつかの実施形態では、電気音響トランスデューサ310によって出力される音波は、約100Hz~約3,500Hzの周波数範囲にわたって変化するように構成され得る。一実施形態では、電気音響トランスデューサ310が変化する周波数の範囲は、約100Hz~約500Hz、約100Hz~約1,000Hz、約100Hz~約1,500Hz、約100Hz~約2,000Hz、約100Hz~約2,500Hz、約100Hz~約3,000Hz、約100Hz~約3,500Hz、約500Hz~約1,000Hz、約500Hz~約1,500Hz、約500Hz~約2,000Hz、約500Hz~約2,500Hz、約500Hz~約3,000Hz、約500Hz~約3,500Hz、約1,000Hz~約1,500Hz、約1,000Hz~約2,000Hz、約1,000Hz~約2,500Hz、約1,000Hz~約3,000Hz、約1,000Hz~約3,500Hz、約1,500Hz~約2,000Hz、約1,500Hz~約2,500Hz、約1,500Hz~約3,000Hz、約1,500Hz~約3,500Hz、約2,000Hz~約2,500Hz、約2,000Hz~約3,000Hz、約2,000Hz~約3,500Hz、約2,500Hz~約3,000Hz、約2,500Hz~約3,500Hz、又は約3,000Hz~約3,500Hzである。いくつかの実施形態では、電気音響トランスデューサ310が変化する周波数の範囲は、約100Hz、約500Hz、約1,000Hz、約1,500Hz、約2,000Hz、約2,500Hz、約3,000Hz、又は約3,500Hzである。いくつかの実施形態では、電気音響トランスデューサ310が変化する周波数の範囲は、少なくとも約100Hz、約500Hz、約1,000Hz、約1,500Hz、約2,000Hz、約2,500Hz、又は約3,000Hzである。いくつかの実施形態では、電気音響トランスデューサ310が変化する周波数の範囲は、最大で約500Hz、約1,000Hz、約1,500Hz、約2,000Hz、約2,500Hz、約3,000Hz、又は約3,500Hzである。
【0077】
いくつかの実施形態では、オーディオ信号発生器305は、振動の共振周波数を十分な精度で探索するために、トランスデューサ310によって出力される音波の周波数を適切な増分で調整するように構成され得る。例えば、周波数は、1Hz、5Hz、10Hz、25Hz、50Hz、100Hz、200Hz、500Hzなど、1Hz~500Hzの増分に調整され得る。各増分の大きさを小さくすることで、推定共振周波数の精度を向上させることができる。逆に、共振周波数を決定するのにかかる時間は、各増分のサイズを大きくすることによって改善され得る。
【0078】
1つ以上の超音波センサ320(個々に「超音波センサ320」と呼ばれる)は、被験者(例えば、血管被験者)の撮像データを収集するように構成される。
撮像データは、血管の壁厚及び血管の半径を測定するために使用され得る。血管は、動脈であってもよいし、静脈であってもよい。さらに撮像データは、電気音響トランスデューサ310によって出力された音波に応答して振動する血管の振動の共振周波数を特定するために使用され得る。各超音波センサ320は、電気を超音波に、又はその逆に変換するように構成されたトランスデューサを含む。例えば、トランスデューサは、交流電圧が印加されたときに振動して超音波パルスを生成する圧電トランスデューサであってもよい。あるいは、トランスデューサは、導電性ダイアフラムとバッキングプレートとの間の静電場を使用して超音波を生成する容量性トランスデューサであってもよい。超音波は、約20キロヘルツ(KHz)以上の周波数で生成され得る。いくつかの実施形態では、超音波センサ320のトランスデューサは、2メガヘルツ(MHz)~20MHzの間の任意の周波数で超音波を生成してもよい。反射された超音波信号(すなわち、「エコー」)がトランスデューサによって受信されると、電気信号が生成されて、撮像された被験者への距離を特定するために超音波センサ120によって使用され得る。いくつかの実施形態では、トランスデューサは、7MHz~11MHzの周波数で超音波を発生させてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、超音波測定は、単一の圧電素子のみを使用して実行される。体内の超音波は、密度の異なる領域間のはっきりした境界によって主に反射される。頸動脈を含む多くの動脈は、比較的均一な密度の軟組織に埋まっているので、エコーの唯一の重要な源は、図4に示すように、動脈壁410の内縁と外縁によって形成される境界460である。これらの異なる境界から受信されたエコー間の遅延を測定することにより、単一の圧電超音波トランスデューサ素子450から動脈の半径及び壁の厚さの正確な特定を達成できる。
【0080】
図2に示すように、動脈に音響刺激240が(例えば、ツイータを用いて)加えられると、結果として生じる振動によって、超音波撮像を用いて観察される動脈直径は、入射音波に垂直な軸の伸縮に伴って正弦波的に振動する。刺激のパワーが一定に保たれる場合、この振動は、動脈壁210の共振周波数に一致する周波数で刺激が与えられたときに最大振幅を有する。したがって、共振周波数は、一定範囲の様々な周波数で音響刺激を適用して、観測された振動の振幅が最大となる点を超音波撮像で判定することによって求めることができる。この設定では、壁の速度はまた、戻されたエコーのドップラーシフトを測定することによって、その位置とは無関係に判定され得る。血管壁運動速度も共振時に最大となるので、速度測定は共振点を判定する直交手段をもたらし、それによって精度を向上させる。
【0081】
さらに別の実施形態では、超音波圧電素子の数を増やすことによって精度を向上させることができる。いくつかの実施形態では、4つの圧電素子を利用することができる。圧電素子のうちの1つは超音波信号を生成することができ、他の3つはエコーを待ち、エコーが受信されるとエコーの三角測量が可能になる。この実施形態は、疑似エコーのより良好な排除を可能にし、それによって動脈壁によって生成されるエコーのより良好な分離を提供することができる。
【0082】
組織に入る超音波は、透過、減衰、又は反射され得る。より高い周波数の超音波は、より高い解像度の信号を提供し得るが、撮像された組織の侵入深さは浅くなり得る。逆に、より低い周波数の超音波は、より低い解像度の信号を提供し得るが、撮像された組織の侵入深さは深くなり得る。これらの制限を克服するために、いくつかの実施形態では、複数の超音波センサ320を使用してもよく、各超音波センサ320は、固有の共振周波数で構成されたトランスデューサを有する。具体的には、超音波トランスデューサは、それらの音響周波数応答が重複しないように選択され得る。時間インタリーブ方式でトランスデューサを作動させることにより、各センサを使用して、固有の深さでサンプルの表面を撮像することができる。また、サブピクセル特徴分解能を可能にする高次高調波を生成するために、各トランスデューサを他のトランスデューサの組合せと同時に作動させてもよい。いくつかの実施形態では、周波数応答において隣接し、部分的に重複する超音波センサトランスデューサを選択することができ、それによって任意の対のセンサの測定値の正規化を可能にし、それによってノイズの全身的な(systemic)発生源を低減し、信号の完全性を著しく向上させる。
さらに、異なる共振周波数を有するトランスデューサによる表面の同時照合(interrogation)を使用して、超解像超音波画像を生成してもよい。いくつかの実施形態では、センサ間の周波数重複は約200KHz以下であるように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つの超音波センサの周波数応答範囲が別の超音波センサの共振周波数と重ならないようにセンサ間の周波数重複が構成され得る。超音波センサの共振周波数は、トランスデューサが電気エネルギを機械エネルギに最も効率的に変換する動作周波数を指す場合がある。
【0083】
処理装置330は、オーディオ信号発生器305(いくつかの実施形態では、処理装置130の構成要素である)、電気音響トランスデューサ310、超音波センサ(複数可)320、及び非超音波センサ(複数可)360(以下でさらに検討する)を含む装置300の構成要素の動作を制御するように構成され得る。例えば、処理装置330は、電気音響トランスデューサ310に特定の周波数又は周波数範囲で音を放出させるように構成され得る。さらに、処理装置330は、超音波センサ320及び/又は非超音波センサ(複数可)360に画像収集を実行させるように構成され得る。さらに、処理装置330は、超音波センサ320及び/又は非超音波センサ360から受信した信号測定値を受信、保存(例えば、機械可読媒体340に)、及び/又は処理してもよい。いくつかの実施形態では、処理装置330は、超音波センサ320から受信した信号測定値を使用して、動脈又は他の血管の血圧を連続的に測定するように構成され得る。前述の方法は、機械可読媒体340に格納された命令を処理装置330によって実行することによって適用され得る。一実施形態では、処理装置330は、プログラム情報及びデータを格納するためのメモリ(例えば、機械可読媒体340)を含む単一の集積回路(IC)マイクロコントローラとして実装され得る。
【0084】
このように、連続血圧測定装置300は、動脈半径、壁厚、共振周波数のみから血圧を正確に求めることができる。しかしながら、これらの3つの値は、決定され得る唯一の情報ではない。いくつかの実施形態では、ある周波数範囲下で動脈の振動応答を測定する過程で、共振ピークの強度及び幅、低周波数でのベースライン励起レベル、及び/又は高エネルギ振動モードの励起レベルを含む追加の情報が取得され得る。これらのパラメータの変化は、血圧及び緊張レベルの変化に伴って心拍の経過中に観察され得る。動脈の超音波撮像はまた、動脈壁のエコー源性に関する情報をもたらすことができ、これは石灰化及びプラーク蓄積のレベルに関する洞察を提供することができる。すべての追加情報は、計算を精緻化し、より良好な精度を達成し、及び/又は患者の全体的な健康に関する追加情報を提供するために使用され得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、連続血圧測定装置300は、血圧以外の他の健康指標のマルチモーダル測定を可能にするために、1つ以上の非超音波センサ360を含み得る。例えば、パルスオキシメトリによって血中酸素を測定するために、無線プラットフォーム上にLED光源及びフォトダイオード受信器が統合され得る。実装され得る他の例示的なセンサとして、体液状態、心臓の駆出率、又は他の生体測定値を検出するためのセンサがあり、これらはハードウェア/センサパッケージに統合され得る。いくつかの実施形態では、非超音波センサ360を使用して得られた測定値が、血圧を計算するために使用される超音波測定値と相関され、正規化され得る。血圧を測定するために超音波センサ320以外の追加のモダリティを使用することによって、装置300の精度を向上させることができる。
【0086】
図3の例では、連続血圧測定装置300は、超音波測定データをディスプレイシステム350の無線受信器355(例えば、トランシーバ)に通信するように構成された無線送信器315(例えば、トランシーバ)を含む。超音波撮像アプリケーションに応じて、受信した超音波測定データは、ディスプレイシステム355の処理装置352を使用して(例えば、表示に適した形式に)処理され、及び/又はディスプレイ354を使用して表示され得る。フォーマットするための命令は、機械可読媒体356に格納され得る。例えば、ディスプレイ354は、心臓モニター、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン若しくは頭部装着式ディスプレイ)、又は他の何らか適切なディスプレイ装置の構成要素であってもよい。ディスプレイ354はまた、(例えば、オーディオ信号発生器305を介して)放出するように構成された電気音響トランスデューサ310の音波の周波数を表示してもよい。無線送信器315と無線受信器355との間の無線通信リンクは、Bluetooth(登録商標)若しくはBluetooth低エネルギ(LE)リンクなどの無線周波数リンク、Wi-Fi(登録商標)リンク、ZigBeeリンク、又は他の何らか適切な無線通信リンクであってもよい。いくつかの実施形態では、装置300とディスプレイシステム350との間のデータ転送は、有線の送信器又は他の適切な有線のインタフェースを用いて実現され得る。例えば、データは、USB-Cコネクタ、USB2.x又は3.xコネクタ、マイクロUSBコネクタ、THUNDERBOLTコネクタ、イーサネットケーブルなどを使用して転送されて得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ354及び/又はディスプレイシステム350の機能は、連続血圧測定装置300に統合され得る。いくつかの実施形態では、連続血圧測定装置300は、過去又は現在の血圧測定データをスマートフォンなどの外部装置に通信するための送信器315を依然として保持してもよい。
【0088】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、被験者の血圧を測定するための例示的な方法600を示す操作フロー図である。いくつかの実施形態では、方法600は、上述したような連続血圧測定装置300を用いて実施され得る。
【0089】
操作610において、超音波トランスデューサ及び電気音響トランスデューサは、被験者の血管に近傍させてもよい。例えば、電気音響トランスデューサ310及び超音波センサ320を含む連続血圧測定装置300は、患者の動脈(例えば、頸動脈又は上腕動脈)に近接させてもよい。いくつかの実施形態では、装置300を含む被着体500は、被験者の動脈と位置合わせされ、その後、貼り付けられてもよい。例えば、被着体500は、上腕動脈に近接して患者の腕に貼り付けられてもよい。あるいは、被着体は、頸動脈に近接して患者の首に貼り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ及び電気音響トランスデューサ(例えば、装置300又は被着体500)の位置は、測定信号の振幅及び/又は信号対雑音比を最大化するように調整され得る。
【0090】
操作620において、電気音響トランスデューサは、複数の周波数を有する複数の音波を放出するように作動される。例えば、オーディオ信号発生器305は、電気音響トランスデューサ310に複数の異なる周波数で音波を放出させるように構成され得る。音波により、血管内(例えば、音波が向けられる血管の断面)に振動応答が生成され得る。振動応答は、音波の周波数に応じて変化する振幅を有し得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、各々の音波の周波数が1Hz~3000Hzであってもよい。いくつかの実施形態では、各々の音波の周波数が670Hz~2300Hzであってもよい。いくつかの実施形態では、各々の音波の周波数が約300Hz~約3000Hzである。いくつかの実施形態では、各々の音波の周波数が約1Hz~約3000Hzである。いくつかの実施形態では、各々の音波の周波数が、約1Hz~約300Hz、約1Hz~約500Hz、約1Hz~約750Hz、約1Hz~約1,000Hz、約1Hz~約1,500Hz、約1Hz~約2,000Hz、約1Hz~約2,500Hz、約1Hz~約3,000Hz、約300Hz~約500Hz、約300Hz~約750Hz、約300Hz~約1,000Hz、約300Hz~約1,500Hz、約300Hz~約2,000Hz、約300Hz~約2,500Hz、約300Hz~約3,000Hz、約500Hz~約750Hz、約500Hz~約1,000Hz、約500Hz~約1,500Hz、約500Hz~約2,000Hz、約500Hz~約2,500Hz、約500Hz~約3,000Hz、約750Hz~約1,000Hz、約750Hz~約1,500Hz、約750Hz~約2,000Hz、約750Hz~約2,500Hz、約750Hz~約3,000Hz、約1,000Hz~約1,500Hz、約1,000Hz~約2,000Hz、約1,000Hz~約2,500Hz、約1,000Hz~約3,000Hz、約1,500Hz~約2,000Hz、約1,500Hz~約2,500Hz、約1,500Hz~約3,000Hz、約2,000Hz~約2,500Hz、約2,000Hz~約3,000Hz、又は約2,500Hz~約3,000Hzである。いくつかの実施形態では、各々の音波の周波数が、約1Hz、約300Hz、約500Hz、約750Hz、約1000Hz、約1500Hz、約2000Hz、約2500Hz、又は約3000Hzである。いくつかの実施形態では、各々の音波の周波数が、少なくとも約1Hz、約300Hz、約500Hz、約750Hz、約1000Hz、約1500Hz、約2000Hz、又は約2500Hzである。いくつかの実施形態では、各々の音波の周波数が、最大で約300Hz、約500Hz、約750Hz、約1,000Hz、約1,500Hz、約2,000Hz、約2,500Hz、又は約3,000Hzである。
【0092】
いくつかの実施形態では、各々の音波の周波数が、約1KHz~約3,000KHzである。いくつかの実施形態では、各々の音波の周波数が、約1KHz~約3,000KHzである。いくつかの実施形態では、各音波の周波数が、約1KHz~約250KHz、約1KHz~約750KHz、約1KHz~約1,000KHz、約1KHz~約1,250KHz、約1KHz~約1,500KHz、約1KHz~約1.750KHz、約1KHz~約2,000KHz、約1KHz~約2,250KHz、約1KHz~約2,500KHz、約1KHz~約2,750KHz、約1KHz~約3,000KHz、約250KHz~約750KHz、約250KHz~約1,000KHz、約250KHz~約1,250KHz、約250KHz~約1,500KHz、約250KHz~約1,750KHz、約250KHz~約2,000KHz、約250KHz~約2,250KHz、約250KHz~約2,500KHz、約250KHz~約2,750KHz、約250KHz~約3,000KHz、約750KHz~約1,000KHz、約750KHz~約1,250KHz、約750KHz~約1,500KHz、約750KHz~約1,750KHz、約750KHz~約2,000KHz、約750KHz~約2,250KHz、約750KHz~約2,500KHz、約750KHz~約2,750KHz、約750KHz~約3,000KHz、約1,000KHz~約1,250KHz、約1,000KHz~約1,500KHz、約1,000KHz~約1,750KHz、約1,000KHz~約2,000KHz、約1,000KHz~約2,250KHz、約1,000KHz~約2,500KHz、約1,000KHz~約2,750KHz、約1,000KHz~約3,000KHz、約1,250KHz~約1,500KHz、約1,250KHz~約1,750KHz、約1,250KHz~約2,000KHz、約1,250KHz~約2,250KHz、約1,250KHz~約2,500KHz、約1,250KHz~約2.750KHz、約1,250KHz~約3,000KHz、約1,500KHz~約1,750KHz、約1.500KHz~約2,000KHz、約1,500KHz~約2,250KHz、約1,500KHz~約2,500KHz、約1,500KHz~約2,750KHz、約1,500KHz~約3,000KHz、約1,750KHz~約2,000KHz、約1,750KHz~約2,250KHz、約1,750KHz~約2,500KHz、約1,750KHz~約2,750KHz、約1,750KHz~約3,000KHz、約2,000KHz~約2,250KHz、約2,000KHz~約2,500KHz、約2,000KHz~約2,750KHz、約2,000KHz~約3,000KHz、約2,250KHz~約2.500KHz、約2,250KHz~約2,750KHz、約2,250KHz~約3,000KHz、約2,500KHz~約2,750KHz、約2,500KHz~約3,000KHz、又は約2,750KHz~約3,000KHzである。いくつかの実施形態では、各音波の周波数が、約1KHz、約250KHz、約750KHz、約1,000KHz、約1,250KHz、約1,500KHz、約1,750KHz、約2,000KHz、約2,250KHz、約2,500KHz、約2,750KHz、又は約3,000KHzである。いくつかの実施形態では、各音波の周波数が、少なくとも約1KHz、約250KHz、約750KHz、約1,000KHz、約1,250KHz、約1,500KHz、約1,750KHz、約2,000KHz、約2,250KHz、約2,500KHz、又は約2,750KHzである。いくつかの実施形態では、各音波の周波数が、最大で約250KHz、約750KHz、約1,000KHz、約1,250KHz、約1,500KHz、約1,750KHz、約2,000KHz、約2,250KHz、約2,500KHz、約2,750KHz、又は約3,000KHzである。
【0093】
操作630において、複数の異なる周波数の各々における音波に対する血管の振動応答に基づいて、血管の振動の共振周波数が特定され得る(例えば、応答の最大振幅を生じた周波数に基づいて)。いくつかの実施形態では、共振周波数は、一瞬保持され、その後、メモリ(例えば、コンピュータ可読媒体340)に記録され得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、異なる印加周波数に応答して振動する血管(例えば、断面)の画像を取り込むことによって共振周波数を検出するために超音波センサが使用される。振動の最大振幅を生成する周波数が、共振周波数として(例えば、センサに通信可能に結合された処理装置によって)選択され得る。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、少なくとも3kHzのサンプリングレートを有する。
【0095】
いくつかの実施形態では、電気音響トランスデューサ及び超音波センサは、互いに隣接して配置され、同期して駆動され得る。例えば、超音波センサの両側に小型スピーカが配置されてもよく、2つの装置/構成要素が同期して駆動され得る。
【0096】
操作620及び630のいくつかの実施形態では、共振周波数を見つける速度を改善するために、最適化された探索アルゴリズムを使用して、測定の間に電気音響トランスデューサによって出力される音波の周波数を調整してもよい。探索アルゴリズムでは、適切な境界条件(例えば、最大周波数、最小周波数、周波数調整のレートなど)を利用してもよい。探索アルゴリズムは、測定間の大きな周波数変化を使用する広い周波数範囲にわたる広い周波数走査で共振ピークが存在するより狭い周波数範囲を見つけることから始め、次いで、このより狭い周波数範囲内の狭い周波数走査に移行してこの共振周波数を見つけてもよい。いくつかの実施形態では、共振周波数は、一瞬保持され、その後、メモリ(例えば、コンピュータ可読媒体340)に記録され得る。
【0097】
操作640において、血管の壁厚及び半径(例えば、断面について)が特定される。これらのパラメータは、超音波センサ320を使用して撮像された超音波画像から特定され得る。例えば、壁厚及び半径を特定するために、エコーモード超音波検査が利用され得る。超音波は血管に向けられてもよく、血管のエコー源性境界から反射された超音波が受信され得る。反射された超音波のドップラーシフトが超音波センサを使用して測定されてもよく、血管の波速度は、このドップラーシフトに基づいて計算され得る。いくつかの実施形態では、撮像精度及び/又は速度を向上させるために、複数の超音波トランスデューサが利用され得る。例えば、1つのトランスデューサが超音波信号を生成することができ、他の3つのトランスデューサがエコーを待ち、エコーが受信されるとエコーの三角測量が可能にする。
【0098】
操作650において、共振周波数、壁厚、及び半径に基づいて血圧が計算される。算出された血圧がベースライン拡張期血圧を確立してもよい。絶対拡張期血圧が確立されると、超音波センサ(複数可)で血圧の経時的変化を(例えば、ドップラー超音波撮像を使用して)測定し、連続波形を抽出してもよい。このタイプの差分測定を使用する場合、小さいが持続的な不正確さが、多くの心拍の経過にわたって大きなドリフトに集約される。したがって、長期監視下で患者についての精度を維持するために、定期的なベースライン再設定が必要とされる場合がある。これは、提案された方法の別の利点を示している。すなわち、他のベースライン設定技術は、本明細書の方法を使用して外圧カフ又は力プローブの反復適用を必要とするが、このベースライン設定は、電気音響トランスデューサ及び連続モニタリングを実行するために使用される同じ超音波ハードウェアを使用して、一定の間隔で自動的に実行することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、装置300又は外部ディスプレイシステム350が、計算された血圧を経時的に表示してもよい。いくつかの実施形態では、連続血圧測定装置300の処理装置330が、患者血圧に到達するために必要なDSP及び計算を実行してもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、電気音響トランスデューサが省略されてもよく、血管にエネルギを送達するために様々な周波数で超音波センサを脈動させることによって様々な周波数の音響信号が生成され得る。この代替設計は、単一のセンサを使用して共振応答を生成し、超音波撮像データを撮像するという利点を有し得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上の超音波トランスデューサを駆動するための超音波プラットフォームを備える。いくつかの実施形態では、超音波プラットフォームは、1つ以上の超音波トランスデューサによって受信された信号を処理及び/又は調整する。
【0102】
II.粘着パッチ監視装置
図5に示すいくつかの実施形態では、連連続血圧測定装置500が被着体510に組み込まれ得る。図示のように、装置500は、トランスデューサ310を作動させて超音波測定を行う前に、装置500の1つ以上のセンサ又はトランスデューサ520、530、540、550を患者の動脈と位置合わせするための1つ以上の位置合わせ線565又は他のマーキングを含み得る。いくつかの実施形態では、トランスデューサ310を作動させて超音波測定を行う前に装置500の1つ以上のセンサ又はトランスデューサ520、530、540、550を患者動脈と位置合わせするための透明窓575が設けられている。いくつかの実施形態では、装置は、配置中に被着体の後ろの動脈を見るための透明窓575を備え得る。透明窓と位置合わせマーカとの組合せは、装置の配置をさらに容易にすることができる。
【0103】
さらに、被着体510は、被着体を所定の位置に、患者の動脈と位置を合わせて保持するために使用される粘着剤を含み得る。適用するときに裏紙を剥離することによって粘着剤が露出され得る。粘着剤は、ゴム、アクリル、又はアクリルブレンドの粘着剤を含み得る。いくつかの実施形態では、頸動脈の血圧を測定するために患者の首に装置を配置できる。同様の測定は、橈骨動脈又は尺骨動脈で行われてもよい。いくつかの実施形態によれば、血圧の測定は、非侵襲的で、信頼性があり、高速で、連続測定を提供することができ、したがって拍動間変動を考慮することができる。これらの連続的な変化は、上述のようにディスプレイシステム350上でユーザに提示され得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、装置500のセンサ及びトランスデューサは、少なくとも1つの超音波トランスデューサ及び少なくとも1つの電気音響トランスデューサを含む。2つ以上の超音波トランスデューサを含むことにより、本明細書に記載のように解像度が向上させてもよい。いくつかの実施形態では、装置は、2つの超音波トランスデューサと1つの電気音響トランスデューサとを備える。いくつかの実施形態では、パッチは、3つの超音波トランスデューサと1つの電気音響トランスデューサとを備える。いくつかの実施形態では、パッチは、4つの超音波トランスデューサを備える。トランスデューサ520、530、540、550は、送信器、受信器、又は送信器と受信器の両方(トランシーバ)として構成され得る。いくつかの実施形態では、トランスデューサ520が送信器として構成され、トランスデューサ540が受信器として構成される。いくつかの実施形態では、トランスデューサ520が送信器として構成され、トランスデューサ530が受信器として構成される。いくつかの実施形態では、トランスデューサ520が送信器として構成され、トランスデューサ550が受信器として構成される。いくつかの実施形態では、トランスデューサ530が送信器として構成され、トランスデューサ520が受信器として構成される。いくつかの実施形態では、トランスデューサ530が送信器として構成され、トランスデューサ540が受信器として構成される。いくつかの実施形態では、トランスデューサ530が送信器として構成され、トランスデューサ550が受信器として構成される。いくつかの実施形態では、トランスデューサ520と530が送信器として構成され、トランスデューサ540と550が受信器として構成される。いくつかの実施形態では、トランスデューサ530と540が送信器として構成され、トランスデューサ520と550が受信器として構成される。いくつかの実施形態では、トランスデューサ520と550が送信器として構成され、トランスデューサ530と540が受信器として構成される。いくつかの実施形態では、トランスデューサ520と540が送信器として構成され、トランスデューサ530と550が受信器として構成される。いくつかの実施形態では、トランスデューサ520が送信器として構成され、トランスデューサ530と540が受信器として構成される。いくつかの実施形態では、トランスデューサ530が送信器として構成され、トランスデューサ550と540が受信器として構成される。
【0105】
いくつかの実施形態では、1つ以上のトランスデューサがウェアラブル装置に組み込まれる。ウェアラブル装置はリストバンド又は腕時計を含むことができ、平均動脈圧を特定するために1つ以上のトランスデューサが上腕動脈に向けられる。いくつかの実施形態では、1つ以上のトランスデューサを備える被着体がウェアラブル装置に組み込まれる。ウェアラブル装置は、データを表示又は記録するために外部の計算装置と無線で通信してもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、この装置は、4つの超音波トランスデューサと、電気音響トランスデューサ又はスピーカとを備える。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサによって撮像された画像又は信号が回転行列に入力される。畳み込み、逆畳み込み、又は正規化のために受信信号を適切に方向付けるために、回転行列及び/又はスキュー行列が適用され得る。正規化は、本明細書に開示されているように、受信信号に適用され得る。いくつかの実施形態では、スキューパラメータが回転行列に適用される。
【0107】
複数の超音波トランスデューサのうちの各超音波トランスデューサは、送信超音波撮像信号を対象に送信するように構成され得る。該複数のうちの各超音波トランスデューサは、約100kHz、約200kHz、約300kHz、約400kHz、約500kHz、約650kHz、約700kHz、約800kHz、約850kHz、約900kHz、約1MHz、約2MHz、約3MHz、約5.5MHz、約6MHz、約8MHz、約11MHz、約15MHz、約20MHz、約25MHz、又は約30MHzの周波数を有する送信超音波撮像信号を送信するように構成され得る。複数の各超音波トランスデューサは、先の値のうちの任意の2つによって定義される範囲内の周波数を有する送信超音波撮像信号を送信するように構成され得る。
【0108】
複数の超音波トランスデューサのうちの各超音波トランスデューサは、受信超音波撮像信号を対象から受信するように構成され得る。該複数のうちの各超音波トランスデューサは、約100kHz、約200kHz、約300kHz、約400kHz、約500kHz、約650kHz、約700kHz、約800kHz、約850kHz、約900kHz、約1MHz、約2MHz、約3MHz、約5.5MHz、約6MHz、約8MHz、約11MHz、約15MHz、約20MHz、約25MHz、又は約30MHzの周波数を有する受信超音波撮像信号を受信するように構成され得る。複数の各超音波トランスデューサは、先の値のうちの任意の2つによって定義される範囲内の周波数を有する送信超音波撮像信号を送信するように構成され得る。
【0109】
該複数のうちの各超音波トランスデューサは、送信及び受信の両方を行うように構成され得る。該複数のうちの各超音波トランスデューサは、該複数のうちの他の超音波トランスデューサによって送信又は受信される周波数のうちの1つ以上と同じ周波数で、送信超音波撮像信号を送信するか、又は受信超音波撮像信号を受信するように構成され得る。該複数のうちの各超音波トランスデューサは、該複数のうちの他のすべての超音波トランスデューサによって送信又は受信されるすべての周波数とは異なる周波数で、送信超音波撮像信号を送信するか、又は受信超音波撮像信号を受信するように構成され得る。複数の超音波トランスデューサの各々は、該複数のうちの1つ以上の他の超音波トランスデューサと同時に送信又は受信するように構成され得る。
【0110】
例えば、該複数のうちの第1の超音波トランスデューサの第1の送信撮像信号は、約100kHz、約200kHz、約300kHz、約400kHz、約500kHz、約650kHz、約700kHz、約800kHz、約850kHz、約900kHz、約1MHz、約2MHz、約3MHz、約5.5MHz、約6MHz、約8MHz、又は約11MHzの周波数を有し得る。該複数のうちの第2の超音波トランスデューサの第2の送信撮像信号は、約0.5MHz~約30MHzの範囲にある周波数を有し得る。該複数のうちの第1の超音波トランスデューサの第1の受信撮像信号は、約100kHz、約200kHz、約300kHz、約400kHz、約500kHz、約650kHz、約700kHz、約800kHz、約850kHz、約900kHz、約1MHz、約2MHz、約3MHz、約5.5MHz、約6MHz、約8MHz、又は約11MHzの周波数を有し得る。該複数のうちの第2の超音波トランスデューサの第2の受信撮像信号は、約0.5MHz~約30MHzの範囲にある周波数を有し得る。
【0111】
別の例では、該複数のうちの第1の超音波トランスデューサの第1の送信撮像信号は、約0.5MHz~約30MHzの範囲にある周波数を有し得る。該複数のうちの第2の超音波トランスデューサの第2の送信撮像信号は、約0.5MHz~約30MHzの範囲にある周波数を有し得るが、この周波数は第1の送信撮像信号の周波数とは異なる。別の例では、該複数のうちの第1の超音波トランスデューサの第1の受信撮像信号は、約0.5MHz~約30MHzの範囲にある周波数を有し得る。該複数のうちの第2の超音波トランスデューサの第2の受信撮像信号は、約0.5MHz~約30MHzの範囲にある周波数を有し得るが、この周波数は第1の受信撮像信号の周波数とは異なる。
【0112】
第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の超音波トランスデューサの第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の送信撮像信号は、それぞれ、約100kHz、約200kHz、約300kHz、約400kHz、約500kHz、約650kHz、約700kHz、約800kHz、約850kHz、約900kHz、約1MHz、約2MHz、約3MHz、約5.5MHz、約6MHz、約8MHz、又は約11MHzである周波数を有し得る。第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の送信撮像信号は、先の値のうちのいずれか2つによって示される範囲内にある周波数を有し得る。第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の送信撮像信号は、約0.5MHz~約30MHzの範囲にある値を有し得る。第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の送信撮像信号は、第1及び第2の送信撮像信号の周波数のうちの1つ以上と異なる周波数を有し得る。
【0113】
第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の超音波トランスデューサの第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の受信撮像信号は、それぞれ、約100kHz、約200kHz、約300kHz、約400kHz、約500kHz、約650kHz、約700kHz、約800kHz、約850kHz、約900kHz、約1MHz、約2MHz、約3MHz、約5.5MHz、約6MHz、約8MHz、又は約11MHzである周波数を有し得る。第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の受信撮像信号は、先の値のうちのいずれか2つによって示される範囲内にある周波数を有し得る。第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の受信撮像信号は、約0.5MHz~約30MHzの範囲にある値を有し得る。第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の送信撮像信号は、第1及び第2の受信撮像信号の周波数のうちの1つ以上と異なる周波数を有し得る。
【0114】
複数のトランスデューサのうちの各超音波トランスデューサは、送信超音波撮像信号の送信又は受信超音波撮像信号の受信を帯域幅内で、行い得る。
第1の超音波トランスデューサは第1の帯域幅を、第2の超音波トランスデューサは第2の帯域幅を有し得る。第1の帯域幅と第2の帯域幅とは重複してもよい。第1の帯域幅と第2の帯域幅とは部分的に重複してもよい。第1の帯域幅と第2の帯域幅とは重複しなくてもよい。同様に、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の超音波トランスデューサは、それぞれ第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の帯域幅を有し得る。第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の帯域幅のうちのいずれか1つは互いに重複してもよい。第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の帯域幅のうちのいずれか1つは互いに部分的に重複してもよい。第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の帯域幅のうちのいずれか1つは互いに重複しなくてもよい。
【0115】
受信された撮像信号は、前処理操作に付され得る。例えば、第1の受信撮像信号は、他の受信撮像信号を正規化するための基礎を形成してもよい。第2の受信撮像信号は、第1の受信撮像信号によって正規化され得る。第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の受信撮像信号は、第1の受信撮像信号によって正規化され得る。
【0116】
このシステムは送信(Tx)発生器を備えうる。送信発生器は、本明細書で開示されるように、ホストコンピュータ、ソフトウェア無線機、及び超音波信号処理回路(USPC)を含み得る。Tx発生器は、Txビームフォーマであってもよい。Tx発生器は、第1、第2、第3、又は第4の送信超音波画像信号を送信するように超音波トランスデューサのいずれか1つをそれぞれ動作させるように構成され得る。Tx発生器は、第1、第2、第3、又は第4の超音波撮像トランスデューサのうちの任意の2つ以上を同時に動作させてもよい。本システムは、画像合成モジュールをさらに備え得る。画像合成モジュールは、受信(Rx)ビームフォーマを備え得る。Rxビームフォーマは、第1、第2、第3、又は第4の送信超音波画像信号を受信するように超音波トランスデューサのいずれか1つをそれぞれ動作させるように構成され得る。画像合成モジュールは、受信超音波撮像信号に超音波画像再構成操作を施してもよい。例えば、画像合成モジュールは、受信超音波撮像信号に遅延和演算を施してもよい。画像合成モジュールは、受信超音波撮像信号に任意の超音波画像再構成操作を施してもよい。Tx発生器は、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の送信超音波撮像信号を送信するように第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の超音波トランスデューサをそれぞれ動作させるように構成され得る。Tx発生器は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の超音波撮像トランスデューサのうちの任意の2つ以上を同時に動作させ得る。同様に、Rxビームトランスフォーマは、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の送信超音波撮像信号を送信するように第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の超音波トランスデューサをそれぞれ動作させるように構成され得る。
【0117】
Tx発生器は、順次送信するように第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の超音波トランスデューサのうちのいずれか1つを動作させるように構成され得る。
【0118】
図11は、複数の超音波トランスデューサからの超音波画像の形成方法を模式的に示す。本方法は、複数の超音波撮像センサからの測定値を利用し得る。本方法は、シングルピクセル及びマルチピクセル画像処理技術を利用してもよい。シングルピクセルの場合、n番目(nは正の整数)の超音波撮像測定値が信号処理ユニットに入力され得る。信号処理ユニットは、n番目の超音波撮像測定値に任意の超音波信号処理手順を適用し得る。信号処理ユニットは、信号処理された測定値を画像処理ユニット及びシングルピクセル特徴抽出ユニットに出力し得る。画像処理ユニットは、どのような超音波画像処理手順を適用してもよい。シングルピクセル特徴抽出ユニットは、任意の超音波シングルピクセル特徴抽出手順を適用し得る。シングルピクセル特徴抽出ユニットは、抽出した特徴をオペレータに出力してもよい。
【0119】
マルチピクセルの場合、m番目と(m+1)番目(mとm+1は正の整数)の超音波撮像測定値がマルチピクセル画像合成ユニット及びマルチピクセル特徴抽出ユニットに入力され得る。画像合成ユニットは、どのような超音波画像合成手順を適用してもよい。マルチピクセル特徴抽出ユニットは、任意の超音波マルチピクセル特徴抽出手順を適用し得る。マルチピクセル特徴抽出ユニットは、抽出した特徴をオペレータに出力してもよい。マルチピクセル抽出を利用して、3Dピクセル(すなわち、ボクセル)を構築してもよい。
【0120】
マルチピクセルの場合、記録された画像を改善するために、2次元平滑化フィルタ、Harrフィルタ、ガウシアンフィルタ、及びインテグレータなどの画像処理方法が使用され得る。さらに、各ピクセルは、信号特徴を強調するために時間領域でフィルタリングされ得る。ノイズを抑制し、特徴抽出を強化するために、1つ又は複数のバターワース、チェビシェフ、及び楕円フィルタを使用できる。
【0121】
本装置のセンサは、温度センサ、光学センサ、電気センサ、化学センサ、及び電気化学センサをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、追加のセンサは、体温、呼吸数、血圧レベル、及び血中酸素飽和度(spC)の測定を可能にする。
【0122】
聴診装置は、第1の超音波トランスデューサと、光源と、光検出器とを備え得る。聴診装置は、任意選択的に第2の超音波トランスデューサを備え得る。第1の超音波トランスデューサはTxモードで動作し得る。第2の超音波トランスデューサは受信モードで動作し得る。聴診装置は、被験者の皮膚(被験者の腕の皮膚など)の上に配置され得る。血液のボーラスが被験者の皮膚の下の動脈を通って移動するとき、聴診デバイスは、第1の超音波トランスデューサからの超音波信号及び光源からの光学信号を送信してもよい。超音波信号又は光学信号は、ボーラスで散乱、分散、又は反射され得る。散乱、分散、又は反射された超音波信号又は光信号は、それぞれ第2の超音波トランスデューサ又は光検出器によって検出され得る。散乱、分散、又は反射された超音波信号又は光信号の強度は、それぞれ送信超音波信号又は送信光信号の強度と比較され得る。これらの測定値は、超音波撮像信号及び光学信号によってそれぞれ測定された血液ボーラスの速度を与える。
超音波撮像信号によって測定される血液ボーラスの速度は、光信号によって測定される血液ボーラスの速度によって正規化され得るし、又は、その逆であり得る。これらの値を合成し、相関させて、被験者の心拍数、血圧、又は呼吸などの被験者の1つ以上の生理学的パラメータを特定することもできる。
【0123】
III.超音波分解能を増大させる方法
超音波組織撮像は、不十分な光学及び音響透過率とビーム散乱に悩まされることがある。このような問題に対処し、解像度を高めるために、固有の共振周波数を有する超音波トランスデューサをそれぞれが有する複数の超音波センサから情報を収集することによる多波長超音波撮像方法が利用され得る。異なる共振周波数で動作する複数の超音波センサを用いて生理機能を共振させることにより、複数のトランスデューサによって放射された超音波が、生理機能(例えば、組織)の所与の断面積の様々な深さに同時に侵入し得る。特に、音響周波数応答を有する超音波センサは、各センサが固有の深さで生理学的表面を撮像するために使用され得るように、時間インタリーブ方式で作動され得る。これにより、超音波撮像センサのゲイン又は数を増加させる必要なく、高解像度断層撮影を可能にできる。さらに、サブピクセル特徴分解能(すなわち、超解像撮像)を可能にする高次高調波を生成するために、各トランスデューサを他のトランスデューサの組合せと同時に作動させてもよい。
【0124】
トランスデューサを言及するために本明細書で使用される場合、「共振周波数」という用語は、一般に、トランスデューサが電気エネルギを機械的エネルギに最も効率的に変換する動作周波数を指す。例えば、圧電トランスデューサの環境では、共振周波数という用語は、圧電材料が最も容易に振動し、電気エネルギを機械エネルギに最も効率的に変換する動作周波数を指し得る。
【0125】
組織に入る超音波は、透過、減衰、又は反射され得る。より高い周波数の超音波は、より高い解像度の信号を提供し得るが、撮像された組織の侵入深さは浅くなり得る。逆に、より低い周波数の超音波は、より低い解像度の信号を提供し得るが、撮像された組織の侵入深さは深くなり得る。従来の超音波撮像システムのこれらの制限を克服するために、各超音波センサは、固有の共振周波数で構成されたトランスデューサを有し得る。具体的には、超音波トランスデューサが、それらの音響周波数応答が重複しないように選択され得る。時間インタリーブ方式でトランスデューサを作動させることにより、各センサを使用して、固有の深さでサンプルの表面を撮像することができる。また、サブピクセル特徴分解能を可能にする高次高調波を生成するために、各トランスデューサを他のトランスデューサの組合せと同時に作動させてもよい。
【0126】
図7Aに示すように、部分的に重複する周波数を有するトランスデューサ711,712,713を選択することにより、信号の自己正規化及び相互相関を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、周波数応答において隣接し、部分的に重複する超音波センサトランスデューサを選択することによって、任意の対のセンサの測定値を正規化してもよく、それによってノイズの全身的な発生源を低減し、信号の完全性を著しく向上させる。さらに、異なる共振周波数を有するトランスデューサによる表面の同時照合を使用して、対象700の超解像超音波画像を生成することができる。いくつかの実施形態では、センサ711,712,713間の周波数重複は約200KHz以下であるように構成され得る。いくつかの実施形態では、センサ間の周波数重複は、1つのセンサの周波数応答範囲が別のセンサの共振周波数と重複しないように構成され得る。例えば、図7Bに示すように、共振周波数721を有する第1のセンサ711と、共振周波数722を有する第2のセンサ712とは、周波数応答において部分的に重複する。また、第2のセンサ712と共振周波数723を有する第3のセンサ713とは、周波数応答において部分的に重複する。
【0127】
いくつかの実施形態では、センサ間の周波数重複が、約10KHz~約500KHzである。いくつかの実施形態では、センサ間の周波数重複が、約10KHz~約20KHz、約10KHz~約30KHz、約10KHz~約40KHz、約10KHz~約50KHz、約10KHz~約75KHz、約10KHz~約100KHz、約10KHz~約150KHz、約10KHz~約200KHz、約10KHz~約300KHz、約10KHz~約400KHz、約10KHz~約500KHz、約20KHz~約30KHz、約20KHz~約40KHz、約20KHz~約50KHz、約20KHz~約75KHz、約20KHz~約100KHz、約20KHz~約150KHz、約20KHz~約200KHz、約20KHz~約300KHz、約20KHz~約400KHz、約20KHz~約500KHz、約30KHz~約40KHz、約30KHz~約50KHz、約30KHz~約75KHz、約30KHz~約100KHz、約30KHz~約150KHz、約30KHz~約200KHz、約30KHz~約300KHz、約30KHz~約400KHz、約30KHz~約500KHz、約40KHz~約50KHz、約40KHz~約75KHz、約40KHz~約100KHz、約40KHz~約150KHz、約40KHz~約200KHz、約40KHz~約300KHz、約40KHz~約400KHz、約40KHz~約500KHz、約50KHz~約75KHz、約50KHz~約100KHz、約50KHz~約150KHz、約50KHz~約200KHz、約50KHz~約300KHz、約50KHz~約400KHz、約50KHz~約500KHz、約75KHz~約100KHz、約75KHz~約150KHz、約75KHz~約200KHz、約75KHz~約300KHz、約75KHz~約400KHz、約75KHz~約500KHz、約100KHz~約150KHz、約100KHz~約200KHz、約100KHz~約300KHz、約100KHz~約400KHz、約100KHz~約500KHz、約150KHz~約200KHz、約150KHz~約300KHz、約150KHz~約400KHz、約150KHz~約500KHz、約200KHz~約300KHz、約200KHz~約400KHz、約200KHz~約500KHz、約300KHz~約400KHz、約300KHz~約500KHz、又は約400KHz~約500KHzである。いくつかの実施形態では、センサ間の周波数重複が、約10KHz、約20KHz、約30KHz、約40KHz、約50KHz、約75KHz、約100KHz、約150KHz、約200KHz、約300KHz、約400KHz、又は約500KHzである。いくつかの実施形態では、センサ間の周波数重複が、少なくとも約10KHz、約20KHz、約30KHz、約40KHz、約50KHz、約75KHz、約100KHz、約150KHz、約200KHz、約300KHz、又は約400KHzである。いくつかの実施形態では、センサ間の周波数重複が、最大で約20KHz、約30KHz、約40KHz、約50KHz、約75KHz、約100KHz、約150KHz、約200KHz、約300KHz、約400KHz、又は約500KHzである。
【0128】
図8A図8Dは、超音波測定装置における相互相関のための技術を示す。図示のように、周波数応答が重複するセンサ811,812,813の任意の対からの信号を相互相関させることにより、ボクセルの冗長測定が可能となる。具体的には、センサのトランスデューサが時間インタリーブ方式で作動され得る。例えば対象800に信号を送信するためのセンサ812の作動などの作動毎に、図8Bに示すように3つすべてのトランスデューサ811,812,812によって受信エコーを測定して、図8Cに示すように3つすべてのトランスデューサ上の受信信号821,822,823を取得してもよい。3つすべてのセンサ上の受信信号の相関を見ることによって、信号を正規化してもよい。図8Cは、第2のセンサ812の作動からのエコーが3つすべてのセンサによって測定される事象を示す。いくつかの実施形態では、第1のセンサ811及び第2のセンサ812の周波数応答が周波数領域において受信エコー波形で畳み込まれる。畳み込みが解かれると、ステップ805において、第2のセンサの測定値を正規化するために、第1のセンサの測定値を使用しながら、第3のセンサからの測定値が第2のセンサからの測定値と相関され得る。図8Dに示すように、第2のセンサによって監視される信号ではるかに鋭いピークが得られ、それらの鋭いピークは、前述の交差周波数正規化によって達成され得る。
【0129】
IV.信号の生成、送信、及び受信
いくつかの実施形態では、超音波信号を処理するために回路が利用される。図9は、いくつかの実施形態による、1つ以上の超音波トランスデューサ930とソフトウェア無線システム920との間で送信された超音波信号を処理及び/又は調整するように構成された超音波信号処理回路(USPC)950を示す。図9に示すように、超音波信号を生成及び受信するために使用されるシステムは、本明細書に記載の送信(Tx)発生器及び/又は受信(Rx)ビームフォーマに対応し得る。ソフトウェア無線システムによって送信される1つ以上の信号は、ソフトウェア無線システムの出力と呼ばれることがある。ソフトウェア無線システムによって送信される1つ以上の信号は、ソフトウェア無線システムの入力と呼ばれることがある。
【0130】
いくつかの実施形態では、ソフトウェア無線システム920は、超音波信号処理回路(USPC)950に1つ以上の信号922,924を送信する。いくつかの実施形態では、第1の送信信号922が送信パルス又は基準クロックを含む。いくつかの実施形態では、第2の送信924信号が利得ランプを備える。いくつかの実施形態では、送信パルス922が低電圧送信パルスである。いくつかの実施形態では、送信パルス922が±4ボルトの信号である。
【0131】
いくつかの実施形態では、第1の送信信号922が高電圧増幅器952によって受信される。いくつかの実施形態では、送信パルス又は基準クロックが高電圧増幅器952に入力される。いくつかの実施形態では、高電圧増幅器952からの増幅信号がダイオード954を通過する。いくつかの実施形態では、第1の送信信号922は、その後、第1のマルチプレクサ982に送信される。いくつかの実施形態では、第1の送信信号922は、第1のマルチプレクサ982に送信される送信パルス又は基準クロックである。いくつかの実施形態では、ダイオード954は、超音波トランスデューサ930又はマルチプレクサ982から高電圧増幅器952への受信信号を遮断するように構成された逆並列ダイオードである。高電圧増幅器は離散増幅器であってもよい。いくつかの実施形態では、高電圧増幅器出力信号が、±100ボルトの増幅器である。いくつかの実施形態では、高電圧増幅器952が、ソフトウェア無線920の低電圧出力から±100ボルトの装置信号(device signal)を生成する。
【0132】
いくつかの実施形態では、第1のマルチプレクサ928からの出力が1つ以上の超音波トランスデューサ930に送信される。いくつかの実施形態では、第1のマルチプレクサ928からの出力が超音波トランスデューサ930の第1のピクセル群に受信される。次いで、超音波トランスデューサ930が第1のピクセル群の超音波信号を対象に送信し得る。次いで、対象が送信超音波信号を反射し、超音波トランスデューサ930が反射された信号を受信し得る。いくつかの実施形態では、反射信号は第1のピクセル群の一部として受信される。いくつかの実施形態では、反射信号は第2のピクセル群の一部として受信される。いくつかの実施形態では、反射信号が第1のピクセル群と第2のピクセル群の両方を形成する。次いで、超音波トランスデューサ930は、受信反射信号を電気信号として送信し得る。第1のピクセル群からの受信反射信号は第1の受信信号とみなされ得る。いくつかの実施形態では、第1の受信信号は、第1のマルチプレクサ982によってトランスデューサ930から受信され得る。第2のピクセル群からの受信反射信号は第2の受信信号とみなされ得る。いくつかの実施形態では、第2の受信信号は、第2のマルチプレクサ984によってトランスデューサ930から受信され得る。いくつかの実施形態では、信号は、マルチプレクサ982、984と1つ以上の超音波トランスデューサ930との間で無線送信される。マルチプレクサ982、984と超音波トランスデューサ930との間の無線通信リンクは、Bluetooth(登録商標)若しくはBluetooth低エネルギ(LE)リンクなどの無線周波数リンク、Wi-Fi(登録商標)リンク、ZigBeeリンク、又は他の何らか適切な無線通信リンクであってもよい。いくつかの実施形態では、マルチプレクサ982、984と超音波トランスデューサ930との間の有線通信リンクは、有線送信器又は他の適切な有線インタフェースを使用して達成され得る。例えば、データは、USB-Cコネクタ、USB2.x又は3.xコネクタ、マイクロUSBコネクタ、THUNDERBOLTコネクタ、イーサネットケーブルなどを使用して転送されて得る。
【0133】
超音波トランスデューサに送信される1つ以上の信号は、超音波トランスデューサの入力と呼ばれることがある。超音波トランスデューサによって送信される1つ以上の信号は、超音波トランスデューサの出力と呼ばれることがある。超音波トランスデューサの出力は、超音波トランスデューサによって測定又は検出された反射超音波信号に対応し得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、第1のマルチプレクサ982が、第1のピクセル群からの第1の受信信号を第1の低雑音増幅器964に送信する。いくつかの実施形態では、第1の受信信号は高電圧遮断器966を通過する。高電圧遮断器966は、高電圧増幅器952からの信号が第1の低雑音増幅器に渡るのを妨げ得る。遮断器966は、MD0100などの高電圧保護送信/受信スイッチ(T/Rスイッチ)であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の低雑音増幅器964が、AD8336などの低雑音、シングルエンド、デシベル線形の汎用可変利得増幅器である。
いくつかの実施形態では、次いで、第1の受信信号が第1の可変利得増幅器962によって受信される。いくつかの実施形態では、可変利得増幅器962が、AD8336などの低雑音、シングルエンド、デシベル線形の汎用可変利得増幅器である。いくつかの実施形態では、第1の低雑音増幅器964及び第1の可変利得増幅器962が同じチップタイプを利用する。
【0135】
いくつかの実施形態では、第2のマルチプレクサ984が、第2のピクセル群からの第1の受信信号を第2の低雑音増幅器974に送信する。いくつかの実施形態では、ダイオード976は、送信信号が第2のマルチプレクサ984に出力されるのを妨げる。いくつかの実施形態では、ダイオード976は逆並列ダイオードである。いくつかの実施形態では、第2の低雑音増幅器974は、AD8336などの低雑音、シングルエンド、デシベル線形の汎用可変利得増幅器である。いくつかの実施形態では、次いで、第2の受信信号が第2の可変利得増幅器972によって受信される。いくつかの実施形態では、可変利得増幅器972が、AD8336などの低雑音、シングルエンド、デシベル線形の汎用可変利得増幅器である。いくつかの実施形態では、第1の低雑音増幅器964、第1の可変利得増幅器962、第2の低雑音増幅器974、及び第2の可変利得増幅器972が、同じチップタイプを利用する。
いくつかの実施形態では、増幅器962、964、972、974は、弱い戻りパルスを受信し、利得ランプ信号に従ってそれらを増幅する。いくつかの実施形態では、962、964、972、974は、弱い戻りパルスを受信し、利得ランプ信号である第2の送信信号924に従ってそれらを増幅する。いくつかの実施形態では、ランプ信号の増幅は、入力パルスからの時間に対応する。いくつかの実施形態では、増幅率又は増幅度は、利得ランプ信号の初期パルスが放出されてからの時間によって決まる。いくつかの実施形態では、戻りパルスは受信信号である。
【0136】
いくつかの実施形態では、第2の送信924信号が第1の可変利得増幅器962によって送信される。いくつかの実施形態では、第1の可変利得増幅器962によって出力された信号は、ソフトウェア無線システム920の第1の受信チャネル926及び第2の可変利得増幅器972によって受信される。いくつかの実施形態では、第2の可変利得増幅器972によって出力された信号が、ソフトウェア無線システム920の第2の受信チャネル928によって受信される。
【0137】
いくつかの実施形態では、第1のマルチプレクサ982は16チャネルマルチプレクサである。いくつかの実施形態では、第2のマルチプレクサ984は16チャネルマルチプレクサである。いくつかの実施形態では、第1のピクセル群が16ピクセルを含む。いくつかの実施形態では、第2のピクセル群が16ピクセルを含む。いくつかの実施形態では、第1のピクセル群が、送信及び受信(送受信)群として機能する。いくつかの実施形態では、第2のピクセル群が、受信専用群として機能する。いくつかの実施形態では、システムの分解能が14ビットである。いくつかの実施形態では、システムの分解能が16ビットである。いくつかの実施形態では、システムがモジュールであり、チャネル数を増やすために追加のハードウェアを利用してもよい。いくつかの実施形態では、システムは、16チャネル~2048チャネルを含み得る。いくつかの実施形態では、システムは、16チャネル~32チャネル、16チャネル~64チャネル、16チャネル~128チャネル、16チャネル~256チャネル、16チャネル~512チャネル、16チャネル~1,024チャネル、16チャネル~2,048チャネル、32チャネル~64チャネル、32チャネル~128チャネル、32チャネル~256チャネル、32チャネル~512チャネル、32チャネル~1,024チャネル、32チャネル~2,048チャネル、64チャネル~128チャネル、64チャネル~256チャネル、64チャネル~512チャネル、64チャネル~1,024チャネル、64チャネル~2,048チャネル、128チャネル~256チャネル、128チャネル~512チャネル、128チャネル~1,024チャネル、128チャネル~2,048チャネル、256チャネル~512チャネル、256チャネル~1,024チャネル、256チャネル~2,048チャネル、512チャネル~1,024チャネル、512チャネル~2,048チャネル、又は1,024チャネル~2,048チャネルを含み得る。いくつかの実施形態では、システムは、16チャネル、32チャネル、64チャネル、128チャネル、256チャネル、512チャネル、1,024チャネル、又は2,048のチャネルを含み得る。いくつかの実施形態では、システムは、少なくとも16チャネル、32チャネル、64チャネル、128チャネル、256チャネル、512チャネル、又は1,024チャネルを含み得る。いくつかの実施形態では、システムは、最大で32チャネル、64チャネル、128チャネル、256チャネル、512チャネル、1,024チャネル、又は2,048のチャネルを含み得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、ソフトウェア無線システム920は、ナショナルインスツルメンツ社のUSRP N210などのUniversal Software Radio Peripheral(USRP)である。いくつかの実施形態では、ソフトウェア無線システム920はホストコンピュータ910に接続する。いくつかの実施形態では、無線システム920は、高速リンクを介してコンピュータ910に接続する。いくつかの実施形態では、高速リンクはイーサネット接続を含む。いくつかの実施形態では、イーサネット接続は、50MS/s(メガサンプル毎秒)までのサンプリングレートを可能にし得るギガビットイーサネット接続である。いくつかの実施形態では、ホストベースのソフトウェアがコンピュータ910にロードされ、無線システムハードウェアの制御とデータの送受信を行うために利用される。いくつかの実施形態では、ホストコンピュータの一般的な機能は、無線システム920がスタンドアロン方式で動作できるようにする埋め込みプロセッサを備えた無線システム920に実装される。
【0139】
いくつかの実施形態では、コンピュータ910への接続は、汎用シリアルバス(USB)接続、光ファイバ接続、周辺構成要素相互接続エクスプレス(PCle)接続、又は他の適切な接続を含む。いくつかの実施形態では、コンピュータ910への接続により、システムがコンピュータの高速アクセスメモリ(RAM)を利用することが可能となり得る。いくつかの実施形態では、埋め込みプロセッサがRAMバッファを備え得る。いくつかの実施形態では、RAMバッファは、4、8、16、32、64、80、128、又は256ギガバイト(GB)を含み得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、ソフトウェア無線システム920はマザーボードを備える。マザーボードは以下のサブシステムを提供し得る:クロック生成と同期、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)1つ以上のアナログ-デジタル変換器(ADC)、1つ以上のデジタル-アナログ変換器(DAC)、ホスト・プロセッサ・インタフェース、及び電力調整。いくつかの実施形態では、モジュール式フロントエンド又はドーターボードが、アップ・ダウンコンバート、フィルタリング、及び他の信号調整などのアナログ操作に使用される。このモジュール性により、ソフトウェア無線システム920がDCと6GHzとの間で動作するアプリケーションにサービスを提供することが可能となり得る。いくつかの実施形態では、システムはDCと5MHzとの間で動作する。いくつかの実施形態では、システムは、通常の超音波信号の限界と考えられ得る1MHzまでしか動作しない。いくつかの実施形態では、システムは、共振モード音波の生成のために約1Hz~3000Hzの周波数で動作する。
【0141】
いくつかの実施形態では、ソフトウェア無線システム920の第1の受信チャネル926又は第2の受信チャネル928によって受信される信号が、約-14デシベル(dB)~約+60dBの受信信号利得を提供するように調整され得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、送信器ドーターボードモジュールは、出力信号をより高い周波数に変調するように実装される。いくつかの実施形態では、受信器ドーターボードモジュールは、RF信号を取得し、それをベースバンドに変換するように実装される。いくつかの実施形態では、送受信器ドーターボードモジュールは、送信器と受信器の機能を組み合わせるように実装される。
【0143】
いくつかの実施形態では、ソフトウェア無線システム920のFPGAがいくつかのデジタル信号処理(DSP)操作を実行する。いくつかの実施形態では、FPGAによって実行されるDSP動作は、アナログ領域の実際の信号からデジタル領域の低レートで複雑なベースバンド信号への変換を提供する。いくつかの実施形態では、これらの複雑なサンプルは、DSP動作を実行するホストプロセッサ上で実行されるアプリケーションとの間で転送される。
【0144】
いくつかの実施形態では、ソフトウェア無線システム920のハードウェアドライバが、Linux、MacOS、及びWindowsプラットフォームなどのオペレーティングシステムをサポートする。いくつかの実施形態では、GNU Radio、Lab VIEW、MATLAB、及びSimulinkを含むいくつかのフレームワークは、ハードウェアドライバを使用し得る。ハードウェアドライバによって提供される機能は、ハードウェア・ドライバ・アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を用いて直接アクセスされ得る。いくつかの実施形態では、APIは、C++又はC++関数をインポートできる他の言語のネイティブサポートを提供する。
【0145】
本開示は、いくつかの実施形態による、本開示の方法を実施するようにプログラムされたコンピュータシステムを提供する。図10は、例えば、本明細書に開示される方法を実施するようにプログラム又は他の方法で構成されたコンピュータシステム1001を示す。コンピュータシステム1001は、ユーザの電子デバイス又は電子デバイスに対して遠隔に配置されたコンピュータシステムとすることができる。電子デバイスは、モバイル電子デバイスとすることができる。
【0146】
コンピュータシステム1001は中央処理装置(CPU、本明細書では「プロセッサ」及び「コンピュータプロセッサ」とも呼ばれる)1005を備え、中央処理装置はシングルコア若しくはマルチコアプロセッサ、又は並列処理のための複数のプロセッサとすることができる。コンピュータシステム1001はまた、メモリ又は記憶場所1010(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ)と、電子記憶装置1015(例えば、ハードディスク)と、1つ以上の他のシステムと通信するための通信インタフェース1020(例えば、ネットワークアダプタ)と、キャッシュ、他のメモリ、データストレージ、及び/又は電子ディスプレイアダプタなどの周辺デバイス1025とを備える。メモリ1010、記憶装置1015、インタフェース1020、及び周辺デバイス1025は、マザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU1005と通信している。記憶装置1015は、データを記憶するためのデータ記憶装置(又はデータリポジトリ)とすることができる。コンピュータシステム1001は、通信インタフェース1020の助けを借りてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)1030に動作可能に結合することができる。ネットワーク1030は、インターネット、インターネット/エクストラネット、又はインターネットと通信するイントラネット/エクストラネットとすることができる。ネットワーク1030は、場合によっては、テレコミュニケーション/データネットワークである。ネットワーク1030は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にすることができる1つ以上のコンピュータサーバを含むことができる。ネットワーク1030は、場合によっては、コンピュータシステム1001の助けを借りて、コンピュータシステム1001に結合された装置がクライアント又はサーバとして動作できるようにし得るピアツーピアネットワークを実装することができる。
【0147】
CPU1005は、プログラム又はソフトウェアで具現化することが可能な一連の機械可読命令を実行することができる。命令はメモリ1010などの記憶場所に格納され得る。CPU1005に命令が与えられ、それにより、その後、本開示の方法を実施するようにCPU1005をプログラム又は構成され得る。CPU1005によって実行される操作の例は、フェッチ、デコード、実行、及びライトバックを含むことができる。
【0148】
CPU1005は、集積回路などの回路の一部とすることができる。システム1001の1つ以上の構成要素を回路に含めることができる。場合によっては、回路は特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0149】
記憶装置1015は、ドライバ、ライブラリ、及び保存されたプログラムなどのファイルを記憶することができる。記憶装置1015は、ユーザデータ、例えばユーザプレファレンスやユーザプログラム、を記憶することができる。コンピュータシステム1001は、場合によっては、イントラネット又はインターネットを介してコンピュータシステム1001と通信するリモートサーバ上に位置するなど、コンピュータシステム1001の外部にある1つ以上の追加のデータ記憶装置を含むことができる。
【0150】
コンピュータシステム1001は、ネットワーク1030を介して1つ以上のリモートコンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム1001は、ユーザのリモートコンピュータシステム(例えば、スマートフォン、ラップトップコンピュータ)と通信することができる。リモートコンピュータシステムの例には、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレート若しくはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)、iPad、Samsung(登録商標)、Galaxyタブ)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone、Android対応デバイス、Blackberry(登録商標))、又は携帯情報端末が含まれる。ユーザは、ネットワーク1030を介してコンピュータシステム1001にアクセスすることができる。
【0151】
本明細書に記載の方法は、例えばメモリ1010又は電子記憶装置1015などのコンピュータシステム1001の電子記憶場所に記憶された機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実施することができる。機械実行可能コード又は機械可読コードは、ソフトウェアの形態で提供することができる。使用中、コードはプロセッサ1005によって実行することができる。場合によっては、コードは、記憶装置1015から取り出され、プロセッサ1005が容易にアクセスできるようにメモリ1010に記憶することができる。状況によっては、電子記憶装置1015を除外することができ、メモリ1010に機械実行可能命令を記憶することができる。
【0152】
コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械で使用するためにプレコンパイル及び構成すること、又は、ランタイム中にコンパイルすることができる。コードは、コードをプレコンパイル方式又はアズコンパイル方式で実行できるように選択できるプログラミング言語で供給することができる。
【0153】
コンピュータシステム1001など、本明細書に記載されるシステム及び方法の態様は、プログラミングで具現化することができる。この技術の様々な態様は、通常、機械(又はプロセッサ)実行可能コードの形態、及び/又は、ある種の機械可読媒体上に支持されるか又は具現化される関連データの形態の、「製品」又は「物品」と考えられ得る。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)又はハードディスクなどの電子記憶装置に記憶することができる。
「記憶」タイプの媒体は、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリ、又は様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどの関連モジュールのいずれか又はすべてを含むことができ、ソフトウェアプログラミングのためにいつでも非一時的記憶を提供することができる。ソフトウェアの全部又は一部は、インターネット又は様々な他の電気通信ネットワークを介して通信され得る。そのような通信により、例えば、あるコンピュータ又はプロセッサから別のコンピュータ又はプロセッサへの、例えば管理サーバ又はホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへの、ソフトウェアのロードを可能にできる。したがって、ソフトウェア要素を載せることができる別のタイプの媒体は、有線及び光の地上ネットワーク及びエアリンクを介してローカルデバイス間の物理インタフェースで使用されるような、光波、電気波、及び電磁波を含む。有線又は無線リンク、光リンクなど、そのような波を搬送する物理的要素もまた、ソフトウェアを運ぶ媒体と考えることができる。本明細書で使用される場合、非一時的な有形の「記憶」媒体に限定されない限り、コンピュータ「可読媒体」又は機械「可読媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。
【0154】
したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体、又は物理伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとり得る。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されるデータベース等を実装するために使用され得る任意のコンピュータなどの記憶装置のいずれかなどの光学又は磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体は、コンピュータシステム内のバスを含むワイヤを含む、同軸ケーブル、銅ワイヤ、及び光ファイバを含む。搬送波伝送媒体は、電気信号若しくは電磁信号、又は無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるもののような音響若しくは光波の形態をとり得る。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVD若しくはDVD-ROM、その他の光学媒体、パンチカード紙テープ、穴のパターンを有する他の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROM及びEPROM、FLASH-EPROM、その他のメモリチップ若しくはカートリッジ、データ若しくは命令を搬送する搬送波、そのような搬送波を搬送するケーブル若しくはリンク、あるいはコンピュータがプログラミングコード及び/又はデータを読み取ることができるその他の媒体を含む。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のために1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサに搬送することに関与し得る。
【0155】
コンピュータシステム1001は、ユーザインタフェース(UI)1040を備える電子ディスプレイ1035を含むか、又はそれと通信することができる。UI’の例には、グラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)、モバイル・デバイス・アプリケーション、及びウェブベースのユーザインタフェースが含まれるが、これらに限定されない。
【0156】
図11は、いくつかの実施形態によるチップセット1300を示す。チップセット1300は、例えば、1つ以上の物理パッケージに組み込まれたプロセッサ及びメモリ構成要素を含むことができる。一例として、物理パッケージは、物理的強度、サイズの保存、及び/又は電気的相互作用の制限などの1つ以上の特性を提供するための、構造アセンブリ(例えば、ベースボード)上の1つ以上の材料、構成要素、及び/又はワイヤの配置を含む。
【0157】
一実施形態では、チップセット1300は、チップセット1300の構成要素間で情報を渡すためのバス1302などの通信機構を含む。プロセッサ1304は、メモリ1306に記憶された命令を実行し、情報を処理するためのバス1302への接続性を有する。プロセッサ1304は、各コアが独立して実行するように構成された1つ以上の処理コアを含む。マルチコアプロセッサは、単一の物理パッケージ内でのマルチ処理を可能にする。マルチコアプロセッサの例は、2つ、4つ、8つ、又はそれ以上の数の処理コアを含む。これに代え、又は、これに加え、プロセッサ1304は、命令、パイプライン処理、及びマルチスレッディングの独立した実行を可能にするようにバス1302を介して並んで構成された1つ以上のマイクロプロセッサを含む。プロセッサ1304はまた、例えば、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)1308及び/又は1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)1310など、ある処理機能及びタスクを実行するための1つ以上の特殊な構成要素を伴いうる。DSP1308は、通常、プロセッサ1304とは無関係にリアルタイムで現実世界の信号(例えば、音)を処理するように構成することができる。同様に、ASIC1310は、汎用プロセッサでは容易に実行できない特殊な機能を実行するように構成することができる。本明細書に記載の本発明の機能の実行を支援する他の特殊な構成要素は、1つ以上のフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)(不図示)、1つ以上のコントローラ(不図示)、又は1つ以上の他の専用コンピュータチップを含む。
【0158】
プロセッサ1304及び付随する構成要素は、バス1302を介してメモリ1306に接続可能である。メモリ1306は、プロセッサ1304、DSP1308、及び/又はASIC1310によって実行されるときに、本明細書に記載の例示的な実施形態のプロセスを実行する実行可能命令を格納するための、動的メモリ(例えば、RAM)及び静的メモリ(例えば、ROM)の両方を含む。メモリ1306はまた、プロセスの実行に関連付けられた、又はプロセスの実行によって生成されたデータを記憶する。
【0159】
本明細書では、「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語並びに同様の用語は、一般に、機械を特定の方法で動作させるデータ及び/又は命令を格納する、揮発性又は不揮発性の非一時的媒体を指すために使用される。機械可読媒体の一般的な形態は、例えば、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、又は任意の他の磁気データ記憶媒体、光ディスク又は任意の他の光学データ記憶媒体、穴のパターンを有する任意の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、NVRAM、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ、及びそれらのネットワークバージョンを含む。
【0160】
これら及び他の様々な形態のコンピュータ可読媒体は、実行のために1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを処理装置に搬送することに関与し得る。媒体上に具現化されたそのような命令は、一般に「命令」又は「コード」と呼ばれる。命令は、コンピュータプログラム又は他のグループの形態でグループ化され得る。実行されると、そのような命令により、本明細書で説明するように、処理装置が本出願の特徴又は機能を実行することが可能となり得る。
【0161】
本明細書では、「処理装置」は、処理操作を実行する単一のプロセッサとして、又は処理操作を実行する専用及び/又は汎用プロセッサの組合せとして実装され得る。処理装置は、CPU、GPU、APU、DSP、FPGA、ASIC、SOC、及び/又は他の処理回路を含み得る。
【0162】
本明細書に記載の様々な実施形態は、例示的なブロック図、フローチャート及び他の図に関して説明される。本明細書を読んだ後に当業者に明らかになるように、図示された実施形態及びそれらの様々な代替形態は、図示された例に限定されることなく実施することができる。例えば、ブロック図及びそれらに付随する説明は、特定の構造又は構成を要求するものとして解釈されるべきではない。
【0163】
前述のセクションで説明したプロセス、方法、及びアルゴリズムのそれぞれは、コンピュータハードウェアを含む1つ以上のコンピュータシステム又はコンピュータプロセッサによって実行されるコードコンポーネントで具現化され、完全に又は部分的に自動化され得る。プロセス及びアルゴリズムは、部分的又は全体的に特定用途向け回路で実施され得る。上述した様々な特徴及びプロセスは、互いに独立して使用されてもよく、又は様々な方法で組み合わされ得る。異なる組合せ及び部分的な組合せは、本開示の範囲内に入ることが意図されており、いくつかの実施形態では、特定の方法又はプロセスブロックを省略することができる。さらに、文脈が別途指示しない限り、本明細書に記載の方法及びプロセスはまた、いかなる特定のシーケンスにも限定されず、それに関連するブロック又は状態は、適切な他のシーケンスで実行することができ、又は並列に、又は他の何らかの方法で実行することができる。開示された例示的な実施形態に対して、ブロック又は状態が追加又は削除され得る。特定の操作又はプロセスの性能は、単一のマシン内に存在するだけでなく、多数のマシンにわたって展開されたコンピュータシステム又はコンピュータプロセッサ間で分散され得る。
【0164】
本明細書に記載の装置及び方法は、上述の医療分野以外の分野における用途に利用され得る。例えば、本装置及び方法は、車両のエンジン又は変速機などの機械システムの内部状態に関する情報を提供するために使用され得る。聴診器機能は、エンジン又は変速機の機械的プロセスにおける異常を検出するために使用され得る。超音波機能は、エンジン又は変速機を撮像して、それが内部損傷を受けたかどうかを判定するために使用され得る。非立体視の非超音波センサは、エンジン又は変速機の温度などの状態に関する追加の情報を提供し得る。
【0165】
本装置及び方法は、インフラストラクチャの非破壊試験に使用され得る。本装置及び方法は、例えば、(街路又は高速道路、橋、建物、又は他の構造物の)コンクリートの内部構造を検査し、コンクリート又はコンクリート内の金属製の鉄筋が損傷しているかどうかを判定するために使用され得る。本装置及び方法は、パイプラインの内部構造を検査して、それらが損傷しているかどうか、生命、特性、又は環境に対する脅威を表し得るかどうか判定するために使用され得る。
【0166】
本明細書に記載の装置及び方法は、石、レンガ、木材、シートロック、断熱、プラスチック配管、ポリ塩化ビニル(PVC)配管、ガラス繊維、又は塗料などの他の建築材料の内部構造を検査するために利用され得る。
【0167】
V.現時点で好ましい実施形態
1.現時点で好ましい一実施形態において、本発明は、血圧測定装置であって、複数の周波数を有する複数の音波を放出するように構成された第1のトランスデューサであり、音波が被験者の血管を振動させるように構成されている、第1のトランスデューサと、血管の1つ以上の超音波画像を撮像するように構成された第2のトランスデューサと、処理装置であり、撮像された1つ以上の超音波画像に基づいて、血管の共振周波数を特定し、血管の壁厚、血管の半径又は直径、及び特定された共振周波数に基づいて、被験者の血管の血圧を計算するように構成された処理装置とを備える、血圧測定装置を提供する。
2.撮像された1つ以上の超音波画像が、血管の壁厚及び血管の半径又は直径を測定するために使用される、パラグラフ1に記載の血圧測定装置。
3.撮像された1つ以上の超音波画像が複数の超音波画像を含み、血管の共振周波数を特定することが、
複数の超音波画像に基づいて、複数の周波数うちの血管の振動を最大化した周波数を特定すること、及び
その周波数を共振周波数として選択すること
を含む、パラグラフ1又は2に記載の血圧測定装置。
4.第1のトランスデューサに電気的に結合され、第1のトランスデューサによって放出される音波の周波数を調整するように構成されたオーディオ信号発生器をさらに備える、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の血圧測定装置。
5.オーディオ信号発生器が、第1のトランスデューサによって放出される音波の周波数を調整する少なくとも1つの可変抵抗器を備える、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の血圧測定装置。
6.周波数の各々が1Hz~3000Hzである、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の血圧測定装置。
7.周波数の各々が670Hz~2300Hzである、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の血圧測定装置。
8.血管が被験者の頸動脈である、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の血圧測定装置。
9.第1のトランスデューサがオーディオスピーカである、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の血圧測定装置。
10.被着体をさらに備え、被着体が、被験者の皮膚に貼り付けるため粘着面を備え、第1のトランスデューサ及び第2のトランスデューサが、被着体に組み込まれている、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の血圧測定装置。
11.被着体が血管に近接して貼り付けられる、パラグラフ10に記載の血圧測定器。
12.血管が頸動脈である、パラグラフ11に記載の血圧測定器。
13.被着体が位置合わせ線を備える、パラグラフ10からパラグラフ12のいずれか1つに記載の血圧測定器。
14.被着体が透明窓を備える、パラグラフ13に記載の血圧測定器。
15.血管の第2のセットの1つ以上の超音波画像を撮像するように構成された第3のトランスデューサをさらに備える、パラグラフ10に記載の血圧測定装置。
16.第2及び第3のトランスデューサが、それぞれ共振周波数を有し、第2のトランスデューサが、第3のトランスデューサの周波数応答と部分的に重複する周波数応答を含み、処理装置が、第1及び第2のトランスデューサによって得られた測定値を処理する、パラグラフ15に記載の血圧測定装置。
17.第1及び第2のトランスデューサによって得られた測定値の処理が、第1の周波数応答及び第2の周波数応答を正規化することを含む、パラグラフ16に記載の血圧測定装置。
18.血管の第3のセットの1つ以上の超音波画像を撮像するように構成された第4のトランスデューサをさらに備える、パラグラフ15に記載の血圧測定装置。
19.被着体をさらに備え、被着体が、被験者の皮膚に貼り付けるため粘着面を備え、第1のトランスデューサ、第2のトランスデューサ、及び第3のトランスデューサが、被着体に組み込まれている、パラグラフ15に記載の血圧測定装置。
20.被着体が血管に近接して貼り付けられる、パラグラフ19に記載の血圧測定器。
21.血管が頸動脈である、パラグラフ20に記載の血圧測定器。
22.被着体が位置合わせ線を備える、パラグラフ21に記載の血圧測定器。
23.被着体が透明窓を備える、パラグラフ22に記載の血圧測定器。
24.血管の第3のセットの1つ以上の超音波画像を撮像するように構成された第4のトランスデューサをさらに備える、パラグラフ16に記載の血圧測定装置。
25.第4のトランスデューサが、第2のトランスデューサの周波数応答と部分的に重複する周波数応答を備える、パラグラフ24に記載の血圧測定装置。
26.第4のトランスデューサが、第3のトランスデューサの周波数応答と部分的に重複する周波数応答を備える、パラグラフ24に記載の血圧測定装置。
27.第4のトランスデューサが、第2及び第3のトランスデューサの周波数応答と部分的に重複する周波数応答を備える、パラグラフ24に記載の血圧測定装置。
28.被着体をさらに備え、被着体が、被験者の皮膚に貼り付けるため粘着面を備え、第1のトランスデューサ、第2のトランスデューサ、及び第3のトランスデューサが、被着体に組み込まれている、パラグラフ24に記載の血圧測定装置。
29.被着体が血管に近接して貼り付けられる、パラグラフ28に記載の血圧測定器。
30.血管が頸動脈である、パラグラフ29に記載の血圧測定器。
31.被着体が位置合わせ線を備える、パラグラフ30に記載の血圧測定器。
32.被着体が透明窓を備える、パラグラフ31に記載の血圧測定器。
33.血管の第2のセットの1つ以上の超音波画像を撮像するように構成された第3のトランスデューサをさらに備える、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の血圧測定装置。
34.第2及び第3のトランスデューサが、それぞれ共振周波数を有し、第2のトランスデューサが、第3のトランスデューサの周波数応答と部分的に重複する周波数応答を含み、処理装置が、第1及び第2のトランスデューサによって得られた測定値を処理する、パラグラフ33に記載の血圧測定装置。
35.第1及び第2のトランスデューサによって得られた測定値の処理が、第1の周波数応答及び第2の周波数応答を正規化することを含む、パラグラフ34に記載の血圧測定装置。
36.血管の第3のセットの1つ以上の超音波画像を撮像するように構成された第4のトランスデューサをさらに備える、パラグラフ33に記載の血圧測定装置。
37.血管の第3のセットの1つ以上の超音波画像を撮像するように構成された第4のトランスデューサをさらに備える、パラグラフ34に記載の血圧測定装置。
38.第4のトランスデューサが、第2のトランスデューサの周波数応答と部分的に重複する周波数応答を備える、パラグラフ37に記載の血圧測定装置。
39.第4のトランスデューサが、第3のトランスデューサの周波数応答と部分的に重複する周波数応答を備える、パラグラフ37に記載の血圧測定装置。
40.第4のトランスデューサが、第2及び第3のトランスデューサの周波数応答と部分的に重複する周波数応答を備える、パラグラフ37に記載の血圧測定装置。
41.現時点で好ましい一実施形態において、本発明は、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、命令の実行により、被験者血管に近接した第1のトランスデューサを使用して、複数の周波数を有する複数の音波であって被験者血管を振動させる音波を放出すること、複数の音波に対する血管の振動応答に基づいて、血管の共振周波数を特定すること、超音波を放出する第2のトランスデューサを使用して、血管の壁厚及び半径又は直径を特定すること、及び、共振周波数、血管の壁厚、及び血管の半径又は直径に基づいて、被験者の血圧を計算すること、を含む操作を血圧測定装置に実行させる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
42.操作が、音波に応答して血管が振動するときに第2のトランスデューサを使用して血管の複数の超音波画像を撮像することをさらに含み、血管の共振周波数を特定することが、超音波画像から血管の共振周波数を特定することを含む、パラグラフ41に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
43.血管の壁厚及び半径を特定することが、第2のトランスデューサを使用して、超音波を血管に向けること、及び、第2のトランスデューサを使用して、血管のエコー源性境界から反射された超音波を受信すること、を含む、パラグラフ41又は42に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
44.血圧を計算した後に、操作が、第1のトランスデューサ及び第2のトランスデューサを使用して、血管の更新された半径及び血管を通って流れる血液の更新された速度を特定すること、及び、更新された半径及び更新された速度に基づいて、更新された血圧を計算すること、をさらに含む、パラグラフ41に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
45.複数の音波の複数の周波数が1Hz~3000Hzである、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
46.複数の音波の複数の周波数が670Hz~2300Hzである、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
47.第1のトランスデューサがオーディオスピーカである、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
48.操作が、第3のトランスデューサを使用して血管の第1のセットの超音波画像を撮像することをさらに含む、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
49.操作が、第2のトランスデューサを使用して血管の第2のセットの超音波画像を撮像することをさらに含む、パラグラフ48に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
50.操作が、第1のセットの超音波画像によって第2のセットの超音波画像を正規化することをさらに含む、パラグラフ49に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
51.操作が、第4のトランスデューサを使用して血管の第3のセットの超音波画像を撮像することをさらに含む、パラグラフ49に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
52.操作が、第1のセットの超音波画像によって第2のセットの超音波画像を正規化することをさらに含む、パラグラフ51に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
53.操作が、第3のセットの超音波画像によって第2のセットの超音波画像を正規化することをさらに含む、パラグラフ52に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
54.現時点で好ましい一実施形態において、本発明は、被験者血管に近接した第1のトランスデューサを使用して、複数の周波数を有する複数の音波であって被験者血管を振動させる音波を放出するステップと、音波に対する血管の振動応答に基づいて、血管の共振周波数を特定するステップと、超音波を放出する第2のトランスデューサを使用して、血管の壁厚及び半径又は直径を特定するステップと、共振周波数、血管の壁厚、及び血管の半径又は直径に基づいて、被験者の血圧を計算するステップとを含む、方法を提供する。
55.音波に応答して血管が振動するときに第2のトランスデューサを使用して血管の複数の超音波画像を撮像するステップをさらに含み、血管の共振周波数を特定するステップが、超音波画像から血管の共振周波数を特定することを含む、パラグラフ54に記載の方法。
56.血管の壁厚及び半径を特定するステップが、第2のトランスデューサを使用して、超音波を血管に向けること、及び、第2のトランスデューサを使用して、血管のエコー源性境界から反射された超音波を受信すること、を含む、パラグラフ54又は55に記載の方法。
57.血圧を計算した後に、第1のトランスデューサ及び第2のトランスデューサを使用して、血管の更新された半径及び血管を通って流れる血液の更新された速度を特定するステップと、更新された半径及び更新された速度に基づいて、更新された血圧を計算するステップと、をさらに含む、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の方法。
58.周波数の各々が670Hz~2300Hzである、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の方法。
59.音波に応答して血管が振動するときに、第3のトランスデューサを使用して、血管の第2のセットの複数の超音波画像を撮像するステップをさらに含む、パラグラフ55に記載の方法。
60.第2のトランスデューサによって撮像された血管の複数の超音波画像を、第3のトランスデューサによって撮像された血管の第2のセットの複数の超音波画像で正規化するステップをさらに含む、パラグラフ59に記載の方法。
61.音波に応答して血管が振動するときに、第4のトランスデューサを使用して、血管の第3のセットの複数の超音波画像を撮像するステップをさらに含む、パラグラフ59に記載の方法。
62.第2のトランスデューサによって撮像された血管の複数の超音波画像を、第3のトランスデューサによって撮像された血管の第2のセットの複数の超音波画像で正規化するステップをさらに含む、パラグラフ61に記載の方法。
63.第2のトランスデューサによって撮像された血管の複数の超音波画像を、第4のトランスデューサによって撮像された血管の第3のセットの複数の超音波画像で正規化するステップをさらに含む、パラグラフ62に記載の方法。
64.現時点で好ましい一実施形態において、本発明は、血管に音波を向けるように構成された第1のトランスデューサと、血管に超音波を向け、血管のエコー源性境界によって反射された超音波を受信し、血管の断面の直径又は半径を測定し、血管の断面の壁厚を測定するように構成された第2のトランスデューサとを備える血圧測定器を提供する。
65.第1のトランスデューサが電気音響トランスデューサであり、第2のトランスデューサが圧電超音波トランスデューサである、パラグラフ64に記載の血圧測定器。
66.第1のトランスデューサに結合されたオーディオ信号発生器をさらに備える、パラグラフ64又は65に記載の血圧測定器。
67.オーディオ信号発生器が、音波の周波数を変化させるように構成されている、パラグラフ66に記載の血圧測定器。
68.ディスプレイをさらに備える、パラグラフ67に記載の血圧測定器。
69.ディスプレイが音波の周波数を示す、パラグラフ68に記載の血圧測定器。
70.第2のトランスデューサが血管の断面の振動を監視する、パラグラフ69に記載の血圧測定器。
71.第2のトランスデューサが、血管の断面の振動を監視し、第2のトランスデューサが、断面の振動の周波数を記録し、その共振周波数を特定する、パラグラフ67に記載の血圧測定器。
72.血管の断面の振動が最大のときに共振周波数が特定される、パラグラフ71に記載の血圧測定器。
73.音波の周波数が1Hz~3000Hzの範囲にわたって変化させられる、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の血圧測定器。
74.音波の周波数が670Hz~2300Hzの範囲にわたって変化させられる、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の血圧測定器。
75.電気音響トランスデューサがオーディオスピーカである、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の血圧測定器。
76.オーディオスピーカがツイータである、パラグラフ75に記載の血圧測定器。
77.血管が動脈又は静脈である、パラグラフ64からパラグラフ76のいずれか1つに記載の血圧測定器
78.第1及び第2のトランスデューサが被着体に結合され、被着体が粘着性の裏当てを備える、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の血圧測定器。
79.被着体が血管に近接して貼り付けられる、パラグラフ78に記載の血圧測定器。
80.血管が頸動脈である、パラグラフ79に記載の血圧測定器。
81.被着体が位置合わせ線を備える、パラグラフ78からパラグラフ80のいずれか1つに記載の血圧測定器。
82.被着体が、位置合わせ線と透明窓とを備える、パラグラフ78からパラグラフ80のいずれか1つに記載の血圧測定器。
83.現時点で好ましい一実施形態において、本発明は、血圧を測定する方法であって、血管の断面の半径及び壁厚を特定するステップと、血管に音波を向けるステップと、音波の周波数を変化させるステップと、血管の共振周波数を特定するために血管の断面の最大共振を検出するステップと、特定された共振周波数と血管の半径及び壁厚とに基づいて、血管内の血圧を計算するステップとを含む方法を提供する。
84.音波の周波数を変化させるステップが、音波の周波数を1Hz~3000Hzの範囲で変化させることを含む、パラグラフ83に記載の方法。
85.音波の周波数を変化させるステップが、音波の周波数を670Hz~2300Hzの範囲で変化させることを含む、パラグラフ83に記載の方法。
86.共振周波数が、最大共振を検出するための圧電超音波トランスデューサの使用によって特定される、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の方法。
87.圧電超音波トランスデューサが、少なくとも3kHzのサンプリングレートを備える、パラグラフ86に記載の方法。
88.血管の半径及び壁厚を特定するステップが、血管に超音波を向けることと、血管のエコー源性境界から反射された反射超音波を受信することとを含む、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の方法。
89.反射された超音波のドップラーシフトを測定するステップと、血管の波速度を計算するステップとをさらに含む、パラグラフ88に記載の方法。
90.ドップラーシフトが圧電超音波トランスデューサによって測定される、パラグラフ89に記載の方法。
91.血管が動脈又は静脈である、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の方法。
92.第1のセットの送信超音波を血管に向けるステップと、血管からの第1のセットの反射超音波を捕捉するステップとをさらに含む、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の方法。
93.第1のセットの送信超音波を血管に向けるステップ及び血管からの第1のセットの反射超音波を捕捉するステップが、単一の超音波トランスデューサによって実行される、パラグラフ92に記載の方法
94.第1の超音波トランスデューサを用いて、第1のセットの送信超音波を血管に向けるステップと、第2の超音波トランスデューサを用いて、血管からの第1のセットの反射超音波を捕捉するステップとをさらに含む、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の方法。
95.第1の超音波トランスデューサを用いて、第1のセットの送信超音波を血管に向けるステップと、第1の超音波トランスデューサ及び第2の超音波を用いて、血管からの第1のセットの反射超音波を捕捉するステップとをさらに含む、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の方法。
96.第1の超音波トランスデューサを用いて、第1のセットの送信超音波信号を血管に向けるステップと、第1の超音波トランスデューサを用いて、血管からの第1の反射超音波信号を捕捉するステップとをさらに含む、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の方法。
97.第2の超音波トランスデューサを用いて、血管からの第2の反射超音波信号をさらに捕捉する、パラグラフ96に記載の方法。
98.第1の反射超音波信号を第2の反射超音波信号で正規化するステップをさらに含む、パラグラフ97に記載の方法。
99.第3の超音波トランスデューサを用いて、血管からの第3の反射超音波信号を捕捉するステップをさらに含む、パラグラフ97に記載の方法。
100.第1の反射超音波信号を第3の反射超音波信号で正規化するステップをさらに含む、パラグラフ99に記載の方法。
101.血管が頸動脈である、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の方法。
102.現時点で好ましい一実施形態において、本発明は、超音波信号を送受信するためのシステムであって、1つ以上の出力及び1つ以上の入力を備えるソフトウェア無線機と、ソフトウェア無線機に電気的に接続された超音波信号処理回路と、超音波信号処理回路に電気的に接続された1つ以上の超音波トランスデューサと、を備え、超音波信号処理回路が、ソフトウェア無線機の1つ以上の出力からの1つ以上の超音波送信信号を処理し、処理された超音波送信信号を1つ以上の超音波トランスデューサに送信して超音波を生成し、信号処理ユニットが、1つ以上の超音波トランスデューサからの1つ以上の受信超音波信号を処理し、処理された受信超音波信号をソフトウェア無線機の1つ以上の入力に送信する、システムを提供する。
103.超音波処理回路が、ソフトウェア無線機の1つ以上の出力からの1つ以上の超音波送信信号を増幅させるための少なくとも1つの高電圧増幅器を備える、パラグラフ102に記載のシステム。
104.超音波処理回路が、1つ以上の超音波トランスデューサからの1つ以上の受信超音波信号を増幅させるための少なくとも1つの可変利得増幅器を備える、パラグラフ103に記載のシステム。
105.超音波処理回路が、1つ以上の超音波トランスデューサからの1つ以上の受信超音波信号を増幅させるための少なくとも1つの可変利得増幅器を備える、先行するパラグラフのいずれか1つに記載のシステム。
106.ソフトウェア無線機の出力が利得ランプと送信パルスを含む、先行するパラグラフのいずれか1つに記載のシステム。
107.超音波処理回路が、送信パルスを増幅させるための高電圧増幅器を備える、パラグラフ106に記載のシステム。
108.超音波処理回路が、ソフトウェア無線機によって送信された利得ランプに基づいて1つ以上の超音波トランスデューサからの1つ以上の受信超音波信号を増幅させるための可変利得増幅器を備える、パラグラフ107に記載のシステム。
109.ランプ信号の増幅率が、ソフトウェア無線機によってランプ信号の初期パルスが発射されてからの時間に対応する、パラグラフ108に記載のシステム。
110.超音波トランスデューサが、第1のピクセル群及び第2のピクセル群を備える、パラグラフ109に記載のシステム。
111.第1のピクセル群及び第2のピクセル群がそれぞれ16ピクセルを含む、パラグラフ110に記載のシステム。
112.第1のピクセル群が、処理された超音波送信信号を受信するように構成されている、パラグラフ111に記載のシステム。
113.第1のピクセル群のみが処理された超音波送信信号を受信する、パラグラフ111に記載のシステム。
114.1つ以上の受信超音波信号が、第1のピクセル群及び第2のピクセル群によって超音波処理回路に受信送信される、パラグラフ113に記載のシステム。
115.可変利得増幅器が、低雑音、シングルエンド、線形の汎用可変利得増幅器である、パラグラフ108に記載のシステム。
116.超音波トランスデューサが、第1のピクセル群及び第2のピクセル群を備える、先行するパラグラフのいずれか1つに記載のシステム。
117.第1のピクセル群が、処理された超音波送信信号を受信するように構成されている、パラグラフ116に記載のシステム。
118.第1のピクセル群のみが処理された超音波送信信号を受信する、パラグラフ117に記載のシステム。
119.ソフトウェア無線機の1つ以上の出力を制御するようにソフトウェア無線機に接続された計算装置をさらに備える、パラグラフ118に記載のシステム。
120.計算装置が、ディスプレイを備え、ディスプレイが、ソフトウェア無線機の1つ以上の入力によって受信されたデータを表示する、パラグラフ119に記載のシステム。
121.ディスプレイが、1つ以上の超音波トランスデューサによって得られた1つ以上の超音波画像を表示する、パラグラフ120に記載のシステム。
122.ソフトウェア無線機の1つ以上の出力を制御するようにソフトウェア無線機に接続された計算装置をさらに備える、先行するパラグラフのいずれか1つに記載のシステム。
123.計算装置が、ディスプレイを備え、ディスプレイが、ソフトウェア無線機の1つ以上の入力によって受信されたデータを表示する、パラグラフ122に記載のシステム。
124.ディスプレイが、1つ以上の超音波トランスデューサによって得られた1つ以上の超音波画像を表示する、パラグラフ123に記載のシステム。
125.現時点で好ましい一実施形態において、本発明は、1つ以上の超音波信号を調整する方法であって、第1の送信信号をソフトウェア無線機から受信するステップと、第1の送信信号を増幅させ、それによって増幅送信信号を形成するステップと、第1のマルチプレクサを用いて、増幅送信信号を1つ以上の超音波トランスデューサに転送するステップと、第1のマルチプレクサを用いて、1つ以上の受信超音波信号を1つ以上の超音波トランスデューサから受信するステップと、1つ以上の受信超音波信号を増幅させ、それによって1つ以上の増幅受信超音波信号を形成するステップと、を含む方法を提供する。
126.1つ以上の受信超音波信号の増幅が、ソフトウェア無線機によって送信された利得ランプに基づく、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の方法。
127.増幅が時間依存性である、パラグラフ126に記載の方法。
128.1つ以上の受信超音波信号の増幅が、1つ以上の低雑音、シングルエンド、線形の汎用可変利得増幅器によって行われる、パラグラフ127に記載の方法。
129.1つ以上の受信超音波信号の増幅が、低雑音、シングルエンド、線形の汎用可変利得増幅器によって行われる、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の方法。
130.1つ以上の超音波を少なくとも一つの対象に向けて放出するステップをさらに含み、少なくとも1つの対象が、1つ以上の超音波を反射し、反射超音波が、1つ以上の超音波トランスデューサによって検出され、1つ以上の受信超音波信号を形成する、先行するパラグラフのいずれか1つに記載の方法。
131.1つ以上の受信超音波信号の増幅が、ソフトウェア無線機によって送信された利得ランプに基づく、パラグラフ130に記載の方法。
132.増幅が時間依存性である、パラグラフに131に記載の方法。
133.1つ以上の受信超音波信号の増幅が、1つ以上の低雑音、シングルエンド、線形の汎用可変利得増幅器によって行われる、パラグラフ132に記載の方法。
134.少なくとも1つの対象が被験者の血管である、パラグラフ130に記載の方法。
135.血管が頸動脈である、パラグラフ134に記載の方法。
【0168】
VI.定義
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語、表記並びに他の技術的及び科学的用語又は用語は、特許請求される主題が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有することが意図される。場合によっては、一般に理解される意味を有する用語は、明確にするため及び/又は容易に参照するために本明細書で定義され、本明細書にそのような定義を含めることは、当技術分野で一般に理解されるものとの実質的な違いを表すと必ずしも解釈されるべきではない。(場合によっては、一般に理解されている意味を持つ用語は、明確にするため及び/又はすぐに参照できるように、本明細書で定義され、本明細書にそのような定義を含めることは、当技術分野で一般に理解されているものに対して実質的な違いを表すと必ずしも解釈されるべきではない。
【0169】
本出願を通して、様々な実施形態が範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は、単に便宜及び簡潔さのためのものであり、本開示の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきでないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、すべての可能な部分範囲並びにその範囲内の個々の数値を具体的に開示したとみなされるべきである。例えば、1~6などの範囲の記述は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、その範囲内の個々の数字、例えば1、2、3、4、5、及び6を具体的に開示したものと考慮すべきである。これは範囲の幅に関係なく適用される。
【0170】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に指定していない限り、複数の言及を含む。例えば「サンプル(a sample)」という用語は、その混合物を含む複数のサンプルを含む。
【0171】
用語「判定する(determining)」、「測定する(measuring)」、「評価する(evaluating)」、「査定する(assessing)」、「アッセイする(assaying)」、及び「分析する(analyzing)」は、本明細書では、測定の形態を指すよう互換的に使用されることが多い。これらの用語は、ある要素の有無の判定(例えば検出)が含む。これらの用語は、定量的、定性的又は定量的かつ定性的な判定を含み得る。評価は相対的又は絶対的であり得る。「~の存在を検出する」は、状況に応じて、存在の有無を判定することに加えて、存在するものの量を判定することを含む場合がある。
【0172】
「被験者」、「個体」又は「患者」という用語は、本明細書では互換的に使用されることが多い。「被験者」は、発現した遺伝物質を含有する生物学的実体であり得る。生物学的実体は、例えば、細菌、ウイルス、真菌、及び原生動物を含む、植物、動物、又は微生物であり得る。被験者は、インビボで得られるかインビトロで培養される生物学的実体の組織、細胞、及びそれらの子孫であり得る。被験者は哺乳動物であり得る。哺乳動物はヒトであり得る。被験者は、疾患のリスクが高いと診断されるか、又はそのように疑われる場合がある。場合によっては、被験者は、必ずしも疾患のリスクが高いと診断されない、又はそのように疑われない。
【0173】
「インビボ」という用語は、被験者の体内で生じる事象を記述するために使用される。
【0174】
「エクスビボ」という用語は、被験者の体外で生じる事象を記述するために使用される。エクスビボアッセイは被験者に対して実施されない。むしろ、被験者とは別のサンプルに実施される。サンプルに実施されるエクスビボアッセイの例は、「インビトロ」アッセイである。
【0175】
「インビトロ」という用語は、材料が得られる生物学的供給源から分離されるように実験試薬を保持するための容器に収容された事象を記述するために使用される。インビトロアッセイは、生細胞又は死細胞が使用される細胞ベースのアッセイを包含する場合がある。インビトロアッセイはまた、無傷細胞を利用しない無細胞アッセイを包含する場合がある。
【0176】
本明細書で使用される場合、「約」という用語が付く数字は、その数字プラス10%又はマイナス10%の数字を指す。「約」という用語の付く範囲は、その最低値マイナス10%及びその最大値プラス10%の範囲を指す。
【0177】
本明細書で使用される場合、「又は」という用語は、包括的又は排他的な意味で解釈され得る。さらに、単数形のリソース、操作、又は構造の説明は、複数形を除外するように読まれるべきではない。特に、できる(can)」、「できるであろう(could)」、「かもしれない(might)」、「してもよい(may)などの条件付き言語は、特に明記しない限り、又は使用される文脈で別様に理解されない限り、ある実施形態は、ある特徴、要素、及び/又はステップを含み得るが、他の実施形態は含まないことを伝えることを一般に意図している。
【0178】
本明細書で使用される用語及び語句、並びにそれらの変形は、特に明記されていない限り、限定ではなくオープンエンドとして解釈されるべきである。「従来の(conventional)」、「伝統的な(traditional)」、「通常の(normal)」、「標準的な(standard)」、「既知の(known)」などの形容詞、及び同様の意味の用語は、記載されている項目を特定の期間又は特定の期間に利用可能な項目に限定するものと解釈されるべきではなく、代わりに、現在又は将来いつでも利用可能又は知られている可能性のある従来の、伝統的な、通常の、又は標準的な技術を包含するように読まれるべきものである。場合によっては、「1つ以上(one or more)」、「少なくとも(at least)」、「これに限定されない(but not limited to)」、若しくは又は他の同様の語句などの広げる言葉や語句、又は他の同様の語句の存在は、そのような広がる言葉が存在しない場合に、より狭い場合が意図又は必要とされることを意味すると読まれるべきではない。
【0179】
本明細書で使用されるセクションの見出しは、構成のみを目的とするものであり、記載される主題を限定するものと解釈されるべきではない。
【0180】
VII.例
以下の例は、例示のみを目的として含まれ、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0181】
例1:カフを用いた血圧の測定
血圧計カフを利用する以前の方法を使用して血圧を測定する例では、患者の腕を快適な表面に載せる。次いで、訓練を受けた看護師又は医師が、患者の上腕の周りに適切なサイズのカフを配置する。カフ直下の患者の上腕動脈に聴診器を当てる。
【0182】
次いで、訓練を受けた者が、カフを180mmHGまで膨張させ、3mm/秒の提案速度でカフから空気を放出し始める。訓練を受けた者は、聴診器で聞きながら、同時にカフの血圧計を観察しなければならない。
【0183】
最初の「ノッキング音」は、血圧計を用いて患者の収縮期血圧を測定すべき点を示す。「ノッキング音」が消えたら、血圧計を用いて患者の拡張期血圧を測定する。測定された収縮期血圧と拡張期血圧を記録する必要がある。
【0184】
さらに他方の腕で測定を行うことが推奨される。腕の測定値間のいかなる差も記録する必要がある。また、被験者の姿勢及び使用したカフのサイズを記録する必要がある。
【0185】
被験者の血圧が上昇しているように見える場合、患者の血圧を少なくともさらに2回測定することが推奨される。測定間に休止期間を設ける。
【0186】
例2:動脈共振を用いた血圧の測定
1つ以上の超音波トランスデューサと電気音響トランスデューサとを備える粘着性被着体を患者の頸動脈に近接して貼り付ける。粘着性被着体に設けられた電気音響トランスデューサを作動させる。
【0187】
ある範囲のオーディオ周波数にわたって電気音響トランスデューサが変化する。超音波トランスデューサは、動脈内の共振が最大レベルとなるときを検出する。共振周波数は一時的に保持され記録される。超音波トランスデューサは、動脈の動脈壁厚及び直径を判定する。次いで、患者の血圧が計算され、記録される。
【0188】
本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し説明してきたが、当業者には、そのような実施形態が例としてのみ提供されることが明らかであろう。本発明から逸脱することなく、当業者には多数の変形、変更、及び置換が思い浮かぶであろう。本発明を実施する際に本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替形態が使用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、特許請求の範囲内の方法及び構造並びにそれらの均等物が本発明の範囲に包含されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A-8B】
図8C-8D】
図9
図10
図11
図12