(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】カテーテル処置用パッケージおよびその方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20241126BHJP
A61M 1/00 20060101ALI20241126BHJP
A61M 5/00 20060101ALI20241126BHJP
G01N 1/10 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
A61M25/00
A61M1/00 160
A61M1/00 120
A61M5/00 516
G01N1/10 V
(21)【出願番号】P 2023167711
(22)【出願日】2023-09-28
(62)【分割の表示】P 2020557979の分割
【原出願日】2019-04-23
【審査請求日】2023-09-28
(32)【優先日】2018-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100107249
【氏名又は名称】中嶋 恭久
(72)【発明者】
【氏名】ナップ、トレイシー イー.
(72)【発明者】
【氏名】レーム、エリック
(72)【発明者】
【氏名】オースターマン、ニック
(72)【発明者】
【氏名】スケルトン、サラ
(72)【発明者】
【氏名】バン、キャロライン
(72)【発明者】
【氏名】ハイン、ロバート エム.
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、ブラント
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0056030(US,A1)
【文献】米国特許第04160505(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0319373(US,A1)
【文献】国際公開第2017/074731(WO,A1)
【文献】米国特許第08273312(US,B1)
【文献】特表2016-538018(JP,A)
【文献】特表2002-514930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
A61M 1/00
A61M 5/00
G01N 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル処置用パッケージであって、カテーテル処置用コンポーネントを含み、前記カテーテル処置用コンポーネントは、
尿道カテーテルと、
前記尿道カテーテルに流体的に接続された排尿バッグと、
カテーテル処置に従って前記尿道カテーテルを潤滑するように構成された潤滑剤を含む容器と、
カテーテル処置を容易にするように構成されたカテーテル処置用トレイとを備え、前記カテーテル処置用トレイは、
前記尿道カテーテルを保持するように構成された第1のコンパートメントと、
コンパートメント間接続によって前記第1のコンパートメントに接続され、かつ前記排尿バッグを保持するように構成された第2のコンパートメントと、
前記潤滑剤を含む前記容器、及びその容器から分配された前記潤滑剤を保持するように構成されたカテーテル潤滑コンパートメントであって、前記第1のコンパートメントによって少なくとも部分的に囲まれた前記カテーテル潤滑コンパートメントと、
前記カテーテル処置用トレイに組み込まれたカテーテル処置のための段階的指示とを備え
、
前記カテーテル潤滑コンパートメントは、前記第1のコンパートメントと共有されるウェルを含み、前記ウェルは、前記潤滑剤を含む前記容器から分配された前記潤滑剤を保持するように構成される、カテーテル処置用パッケージ。
【請求項2】
1つまたは複数の尿サンプルの無菌収集のために、前記尿道カテーテルの尿サンプリングポートまたは前記排尿バッグに流体的に接続するように構成されたサンプリングポートアクセスデバイスをさらに備える、請求項1に記載のカテーテル処置用パッケージ。
【請求項3】
前記排尿バッグは入口ポートおよび出口ポートを含み、
前記出口ポートは、前記サンプリングポートアクセスデバイスを用いた1つまたは複数の尿サンプルの無菌収集のためにその中に組み込まれた尿サンプリングポートを含む、請求項
2に記載のカテーテル処置用パッケージ。
【請求項4】
前記サンプリングポートアクセスデバイスは、バレルと、前記サンプリングポートアクセスデバイスを前記尿道カテーテルの前記尿サンプリングポートまたは前記排尿バッグに流体的に接続するように構成された前記バレルの端の先端と、前記バレルと同軸の中空の針とを含み、
前記針は、前記バレルの前記先端に流体的に接続されており、
前記針は、前記針の先端が前記バレルの前記先端から離れる方向を向くように配置されている、請求項
2または
3に記載のカテーテル処置用パッケージ。
【請求項5】
前記カテーテル処置用コンポーネントは、前記サンプリングポートアクセスデバイスと共に使用するように構成された1つまたは複数のセプタムストッパー付き試験管をさらに含み、
一つまたは複数の前記試験管における各試験管は、大気圧よりも低い内圧を有し、
一つまたは複数の前記試験管における各試験管は、尿検査用の製剤、微生物学的分析用の製剤を含むように、または添加物や防腐剤を含まないように独立して構成される、請求項
2~
4のうち何れか一項に記載のカテーテル処置用パッケージ。
【請求項6】
前記カテーテル処置用コンポーネントは、1つまたは複数の綿棒、消毒皮膚洗浄剤のパッケージ、または消毒皮膚洗浄剤内の1つまたは複数の綿棒のパッケージを含む、請求項1~
5のうち何れか一項に記載のカテーテル処置用パッケージ。
【請求項7】
前記カテーテル処置用トレイは、1つまたは複数の前記綿棒、前記消毒皮膚洗浄剤のパッケージ、または前記消毒皮膚洗浄剤内の1つまたは複数の綿棒のパッケージを保持するように構成された隔離された第4のコンパートメントをさらに含む、請求項
6に記載のカテーテル処置用パッケージ。
【請求項8】
前記第4のコンパートメントは、ウェルと、1つまたは複数の綿棒をそれぞれその中に保持するように構成されたスナップインタブを備えた1つまたは複数のチャネルとを含み、
1つまたは複数の前記チャネルは、1つまたは複数の前記チャネルにスナップインされたとき、1つまたは複数の前記綿棒の1つまたは複数の綿棒ヘッドがそれぞれ前記ウェル内に配置されるように前記カテーテル処置用トレイの上部または下部に対して角度が付けられている、請求項
7に記載のカテーテル処置用パッケージ。
【請求項9】
前記カテーテル処置用コンポーネントは、一組の検査用手袋およびアンダーパッドをさらに含む、請求項1~
8のうち何れか一項に記載のカテーテル処置用パッケージ。
【請求項10】
前記カテーテル処置用パッケージの包装をさらに含み、前記包装は、
前記カテーテル処置用トレイおよびその中の前記カテーテル処置用コンポーネントを覆うように構成された一枚の紙または板紙と、
前記カテーテル処置用パッケージの内容物の無菌状態を維持するように構成され、前記カテーテル処置用トレイおよびその中の前記カテーテル処置用コンポーネントの周りに巻き付けられた中央材料室(CSR)ラップと、
前記カテーテル処置用パッケージの外側包装であって、前記カテーテル処置用パッケージを組み立てる時点から前記カテーテル処置用パッケージを使用する時点までの前記カテーテル処置用パッケージの内容物の損失を防ぐように構成された前記外側包装とを含む、請求項1~
9のうち何れか一項に記載のカテーテル処置用パッケージ。
【請求項11】
カテーテル処置用パッケージであって、カテーテル処置用コンポーネントを含み、前記カテーテル処置用コンポーネントは、
尿道カテーテルと、
前記尿道カテーテルに流体的に接続された排尿バッグと、
消毒性皮膚洗浄剤とともに使用するように構成された1つまたは複数の綿棒と、
前記尿道カテーテルを潤滑するために構成された潤滑剤を含む容器と、
カテーテル処置を容易にするように構成された成形されたカテーテル処置用トレイとを備え、前記カテーテル処置用トレイは、
前記尿道カテーテルを保持するように構成された尿道カテーテルコンパートメントと、
コンパートメント間接続によって前記尿道カテーテルコンパートメントに接続され、かつ前記排尿バッグを保持するように構成された排尿バッグコンパートメントと、
1つまたは複数の前記綿棒を保持するように構成された隔離された皮膚洗浄コンパートメントと、
前記尿道カテーテルコンパートメントによって囲まれたカテーテル潤滑コンパートメントであって、前記潤滑剤を含む前記容器を保持するように構成されるとともに、その容器から分配された前記潤滑剤を保持するように構成された前記カテーテル潤滑コンパートメントと、
カテーテル処置のための段階的指示であって、前記カテーテル処置用トレイにエンボス加工されているか、前記カテーテル処置用トレイにプリントされているか、または前記カテーテル処置用トレイにエンボス加工されて且つ前記カテーテル処置用トレイにプリントされている前記段階的指示とを備え、
カテーテル処置のための前記段階的指示の少なくとも幾つかは、前記カテーテル処置用コンポーネントが前記カテーテル処置用トレイから取り外されると明らかにな
り、
前記カテーテル潤滑コンパートメントは、前記尿道カテーテルコンパートメントと共有されるウェルを含み、前記ウェルは、前記潤滑剤を含む前記容器から分配された前記潤滑剤を保持するように構成される、カテーテル処置用パッケージ。
【請求項12】
1つまたは複数の尿サンプルの無菌収集のために、前記排尿バッグの出口ポートに組み込まれた尿サンプリングポートに流体的に接続するように構成されたサンプリングポートアクセスデバイスをさらに備える、請求項
11に記載のカテーテル処置用パッケージ。
【請求項13】
カテーテル処置用パッケージを製造するための方法であって、
カテーテル処置を容易にするように構成されたカテーテル処置用トレイを成形することであって、尿道カテーテルコンパートメントを成形することと、コンパートメント間接続によって前記尿道カテーテルコンパートメントに接続された排尿バッグコンパートメントを成形することと、を備える前記成形することと、
カテーテル処置のための段階的指示を前記カテーテル処置用トレイに組み込むことと、
カテーテル処置用コンポーネントを前記カテーテル処置用トレイに配置することとを備え、前記カテーテル処置用コンポーネントを前記カテーテル処置用トレイに配置することは、
尿道カテーテルを前記尿道カテーテルコンパートメントに配置することと、
排尿バッグを前記排尿バッグコンパートメントに配置することであって、前記排尿バッグは、前記尿道カテーテルおよび前記排尿バッグをそれぞれ前記尿道カテーテルコンパートメントおよび前記排尿バッグコンパートメントに配置することが、前記尿道カテーテルを前記コンパートメント間接続を横切るように配置することを含むように、前記尿道カテーテルに流体的に接続されていることと、を備え、
前記カテーテル処置用トレイを成形することは、潤滑剤を含む容器を保持するように構成されるとともにその容器から分配される潤滑剤を保持するように構成されるカテーテル潤滑コンパートメントであって且つ前記尿道カテーテルコンパートメントによって少なくとも部分的に囲まれる前記カテーテル潤滑コンパートメントを成形することをさらに含み、
前記カテーテル潤滑コンパートメントは、前記尿道カテーテルコンパートメントと共有されるウェルを含み、前記ウェルは、前記潤滑剤を含む前記容器から分配される前記潤滑剤を保持するように構成され、
前記カテーテル処置用コンポーネントを前記カテーテル処置用トレイに配置することは、前記カテーテル潤滑コンパートメントに前記潤滑剤を含む前記容器を配置することを含む、方法。
【請求項14】
前記カテーテル処置用トレイを成形することは、サンプリングポートアクセスデバイスコンパートメントを成形することを備え、
前記カテーテル処置用コンポーネントを前記カテーテル処置用トレイに配置することは、サンプリングポートアクセスデバイスを前記サンプリングポートアクセスデバイスコンパートメントに配置することであって、前記サンプリングポートアクセスデバイスは、1つまたは複数の尿サンプルの無菌収集のために、前記尿道カテーテルの尿サンプリングポートまたは前記排尿バッグに流体的に接続されるように構成されていることを備える、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記カテーテル処置用コンポーネントを前記カテーテル処置用トレイに配置することは、前記排尿バッグコンパートメント内の前記排尿バッグの上または下のいずれかに、前記サンプリングポートアクセスデバイスと共に使用するように構成された1つまたは複数のセプタムストッパー付き試験管を配置することをさらに含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記カテーテル処置用トレイを成形することは、隔離された皮膚洗浄コンパートメントを成形することをさらに含み、
前記カテーテル処置用コンポーネントを前記カテーテル処置用トレイに配置することは、1つまたは複数の綿棒を前記皮膚洗浄コンパートメントに配置すること、消毒皮膚洗浄剤のパッケージを前記皮膚洗浄コンパートメントに配置すること、または前記消毒皮膚洗浄剤内の一つまたは複数の綿棒のパッケージを前記皮膚洗浄コンパートメントに配置することをさらに含む、請求項
13~
15のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記カテーテル処置用コンポーネントを前記カテーテル処置用トレイに配置することは、前記カテーテル処置用トレイの1つまたは複数のコンパートメントの中または上に一組の検査用手袋を配置することと、アンダーパッドを折りたたんで、該アンダーパッドを前記一組の検査用手袋の上に配置することとをさらに備える、請求項
13~
16のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記カテーテル処置用コンポーネントを含む前記カテーテル処置用トレイの上に一枚の紙または板紙を配置して紙または板紙で覆われたカテーテル処置用トレイを形成することと、
前記紙または板紙で覆われた前記カテーテル処置用トレイを中央材料室(CSR)ラップで包み、CSRラップで包まれたカテーテル処置用トレイを形成することと、
前記CSRラップで包まれた前記カテーテル処置用トレイを外側包装に入れてカテーテル処置用パッケージを形成することと、
エチレンオキシド滅菌により前記カテーテル処置用パッケージを滅菌することとを備える、請求項
13~
17のうち何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カテーテル処置用パッケージおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の膀胱を排水するのに適したカテーテルには、留置カテーテルが含まれる。留置カテーテルにはフォーリーカテーテルが含まれ、これは通常、少なくとも一時的に膀胱排尿の補助を必要とする外科および医療患者に適応される。一般的な適応症は、急性または慢性の尿閉、患者の動きを少なくとも一時的に制限する可能性のある医療処置、集中治療室(ICU)などでの液体入力および尿出力の正確なモニタリングの必要性、良性前立腺肥大症、失禁、または膀胱または前立腺を含むさまざまな外科的介入の効果を含む。
【0003】
標準的なフォーリーカテーテルの設計には、カテーテルを膀胱に固定するためにカテーテルの遠位端に配置されたバルーンが含まれる。カテーテルは、膀胱から尿を排出するための少なくとも1つのルーメンと、(例えば、滅菌水で)バルーンを膨張させるための少なくとも1つのルーメンを含む。フォーリーカテーテルの近位端は、2つのルーメンと連通する少なくとも2つのポートを含む。第1のポートは、排出ルーメンに接続されており、排出及びサンプリング用のフィッティングとのインターフェースを有する。第2のポートは、膨張液が充填されると該膨張液がルーメン及びバルーン内に留まるように、バルブで膨張ルーメンに接続されている。標準的なフォーリーカテーテルの先端は、バルーンの側面を越えて膀胱内に延び、膀胱から液体やデブリ(debris)を排出するための1つ又は複数の開口部、すなわち「小穴」を含む。様々な追加(例えば、機械的アンカーなど)および改良を加えたカテーテルが提案され、研究されているが、この標準設計は約100年間変更されていない。
【0004】
患者の膀胱を排水するのに適したカテーテルには、間欠式カテーテルも含まれる。典型的な間欠式カテーテルは、主に、間欠式カテーテルが保持バルーンまたは関連する膨張ルーメンを持たないという点で留置カテーテルとは異なる。むしろ、間欠式カテーテルは、典型的には、遠位端に複数の排出小穴および近位端に漏斗を備えた単一ルーメンデバイスである。間欠式カテーテル法は、泌尿器系が機能不全になっている人(例えば、狭窄や外傷に苦しんでいる人)や、自発的に排尿できない障害のある人(例えば、対麻痺または四肢麻痺)によく行われる。そのような人はしばしば間欠式カテーテルで1日に数回自己導尿する。
【0005】
間欠式カテーテルは、一般に、患者の膀胱に挿入される丸みを帯びた非外傷性の遠位先端を有するカテーテルまたはチューブである。成形された漏斗は、通常、患者または使用者の体の外側に留まる近位端に接続されている。遠位先端は、該先端が膀胱の内側に配置された後、そこからの尿の排出を容易にするために、シャフトにスロットまたは開口部を含み得る。
【0006】
尿道カテーテル、トレイ、挿入デバイスなどの非限定的な適切な例は、例えば、特許文献1~4に見出すことができる。それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第8328792号明細書
【文献】米国特許第8998882号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0228676号明細書
【文献】米国特許出願公開第2017/0216558号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
研究によると、尿サンプルが収集システムから採取される場所、尿サンプリングエリアの洗浄方法、尿サンプルの採取に使用されるデバイス、ラボへの尿サンプルの移送方法など、尿サンプリングの全ての面にバラつきがあることが示唆されている。看護の意思決定者は、そのようなバラつきと不適切な尿サンプリング技術が汚染のリスクを高め、偽陽性のカテーテル関連尿路感染症(CAUTI)につながると考えている。尿培養の最大70%は、不正確なCAUTI診断や不適切な抗生物質治療につながる偽陽性の結果を反映しているだけでなく、病院が他の手段でCAUTIのリスクを減らすために費やしている時間とリソースを人為的に損なっている。この問題は、CAUTI率を下げようとしている人々に継続的な課題を提示している。
【0009】
不正確なCAUTI診断につながるCAUTIおよび偽陽性結果を低減するための努力においてカテーテル処置および尿サンプリングを容易にするためのカテーテル処置用パッケージおよびその方法が本明細書に開示される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書に開示されるのは、幾つかの実施形態では、カテーテル処置を容易にするように構成されたカテーテル処置用パッケージコンポーネントおよびカテーテル処置用トレイを含むカテーテル処置用パッケージである。カテーテル処置用パッケージコンポーネントは、尿道カテーテル、尿道カテーテルに流体的に接続された排尿バッグ、およびサンプリングポートアクセスデバイスを含む。サンプリングポートアクセスデバイスは、1つまたは複数の尿サンプルの無菌収集のために、尿道カテーテルの尿サンプリングポートまたは排尿バッグに流体的に接続するように構成されている。カテーテル処置用トレイは、カテーテル処置用パッケージコンポーネントを保持するように構成された幾つかのコンパートメントを含む。カテーテル処置用トレイの第1のコンパートメントは、尿道カテーテルを保持するように構成される。カテーテル処置用トレイの第2のコンパートメントは、コンパートメント間接続によって第1のコンパートメントに接続されている。第2のコンパートメントは、排尿バッグを保持するように構成される。カテーテル処置用トレイの第3のコンパートメントは、サンプリングポートアクセスデバイスを保持するように構成される。カテーテル処置を容易にするための段階的指示がカテーテル処置用トレイに組み込まれる。
【0011】
幾つかの実施形態において、排尿バッグは、入口ポートおよび出口ポートを含む。出口ポートは、サンプリングポートアクセスデバイスを用いた1つまたは複数の尿サンプルの無菌収集のためにその中に組み込まれた尿サンプリングポートを含む。
【0012】
幾つかの実施形態において、サンプリングポートアクセスデバイスは、バレル、バレルの端の先端、およびバレルと同軸の中空の針を含む。バレルの先端は、サンプリングポートアクセスデバイスを、尿道カテーテルの尿サンプリングポートまたは排尿バッグに流体的に接続するように構成される。針は、バレルの先端に流体的に接続されているが、針の先端は、バレルの先端から離れるように向けられている。
【0013】
幾つかの実施形態において、カテーテル処置用コンポーネントは、サンプリングポートアクセスデバイスと共に使用するように構成された1つまたは複数のセプタムストッパー付き試験管をさらに含む。1つまたは複数の試験管における各試験管は、大気圧よりも低い内圧を有する。各試験管は、尿検査用の製剤、微生物学的分析用の製剤を含むように、または添加物や防腐剤を含まないように独立して構成される。
【0014】
幾つかの実施形態において、カテーテル処置用コンポーネントは、1つまたは複数の綿棒、消毒皮膚洗浄剤のパッケージ、または消毒皮膚洗浄剤内の1つまたは複数の綿棒のパッケージをさらに含む。
【0015】
幾つかの実施形態において、カテーテル処置用トレイは、隔離された第4のコンパートメントをさらに含む。第4のコンパートメントは、1つまたは複数の綿棒、消毒皮膚洗浄剤のパッケージ、または消毒皮膚洗浄剤内の1つまたは複数の綿棒のパッケージを保持するように構成される。
【0016】
幾つかの実施形態において、第4のコンパートメントは、ウェルと、1つまたは複数の綿棒をそれぞれその中に保持するように構成されたスナップインタブを備えた1つまたは複数のチャネルとを含む。1つまたは複数のチャネルは、1つまたは複数のチャネルにスナップインされたとき、1つまたは複数の綿棒の1つまたは複数の綿棒ヘッドがそれぞれウェル内に配置されるようにカテーテル処置用トレイの上部または下部に対して角度が付けられている。
【0017】
幾つかの実施形態において、カテーテル処置用コンポーネントは、カテーテル処置に従って尿道カテーテルを潤滑するように構成された潤滑剤を含む容器をさらに含む。
幾つかの実施形態において、カテーテル処置用トレイは、第1のコンパートメントによって少なくとも部分的に囲まれた第5のコンパートメントをさらに含む。第5のコンパートメントは、潤滑剤を含む容器を保持するように構成される。第5のコンパートメントは、また、そこから分配された潤滑剤を保持するように構成される。
【0018】
幾つかの実施形態において、カテーテル処置用コンポーネントは、排尿バッグからの1つまたは複数の尿サンプルの少なくともクリーンな収集のために構成された標本容器をさらに含む。
【0019】
幾つかの実施形態において、カテーテル処置用トレイは、第1のコンパートメントによって少なくとも部分的に囲まれた第5のコンパートメントをさらに含む。第5のコンパートメントは、標本容器を保持するように構成される。
【0020】
幾つかの実施形態において、カテーテル処置用コンポーネントは、さらに、一組の検査用手袋およびアンダーパッドを含む。
幾つかの実施形態において、カテーテル処置用パッケージは、カテーテル処置用パッケージのための包装をさらに含む。包装は、一枚の紙または板紙、中央材料室(CSR)ラップ、およびカテーテル処置用パッケージの外側包装を含む。一枚の紙または板紙は、カテーテル処置用トレイおよびその中のカテーテル処置用コンポーネントを覆うように構成される。中央材料室(CSR)ラップは、カテーテル処置用トレイおよびその中のカテーテル処置用コンポーネントの周りに巻き付けられてカテーテル処置用パッケージの内容物の無菌状態を維持するように構成される。外側包装は、カテーテル処置用パッケージを組み立てる時点からカテーテル処置用パッケージを使用する時点まで、カテーテル処置用パッケージの内容物の損失を防ぐように構成される。外側包装は、また、カテーテル処置用パッケージのエチレンオキシド滅菌の時点からカテーテル処置用パッケージを使用する時点までのカテーテル処置用パッケージの内容物の汚染を防止するように構成される。
【0021】
本明細書に開示されるのは、幾つかの実施形態では、カテーテル処置を容易にするように構成されたカテーテル処置用パッケージコンポーネントおよび成形されたカテーテル処置用トレイを含むカテーテル処置用パッケージである。カテーテル処置用パッケージコンポーネントは、尿道カテーテルと、尿道カテーテルに流体的に接続された排尿バッグと、1つまたは複数の尿サンプルの無菌収集のために、排尿バッグの出口ポートに組み込まれた尿サンプリングポートに流体的に接続するように構成されたサンプリングポートアクセスデバイスと、消毒性皮膚洗浄剤とともに使用するように構成された1つまたは複数の綿棒と、尿道カテーテルを潤滑するように構成された潤滑剤を含む容器とを含む。カテーテル処置用トレイは、カテーテル処置用パッケージコンポーネントを保持するように構成された幾つかのコンパートメントを含む。カテーテル処置用トレイの尿道カテーテルコンパートメントは、尿道カテーテルを保持するように構成される。カテーテル処置用トレイの排尿バッグコンパートメントは、コンパートメント間接続によって尿道カテーテルコンパートメントに接続されている。排尿バッグコンパートメントは、排尿バッグを保持するように構成される。カテーテル処置用トレイのサンプリングポートアクセスデバイスコンパートメントは、サンプリングポートアクセスデバイスを保持するように構成される。隔離された皮膚洗浄コンパートメントは、1つまたは複数の綿棒を保持するように構成される。カテーテル潤滑コンパートメントは、尿道カテーテルコンパートメントによって実質的に囲まれている。カテーテル潤滑コンパートメントは、潤滑剤を含む容器を保持するように構成される。また、カテーテル潤滑コンパートメントは、潤滑剤を含む容器から分配された潤滑剤を保持するように構成される。カテーテル処置を容易にするための段階的指示は、カテーテル処置用トレイにエンボス加工されるか、カテーテル処置用トレイにプリントされるか、またはカテーテル処置用トレイにエンボス加工されて且つカテーテル処置用トレイにプリントされる。カテーテル処置のための段階的指示の少なくとも幾つかは、カテーテル処置用パッケージコンポーネントがカテーテル処置用トレイから取り外されると明らかになる。
【0022】
本明細書に開示されるのは、カテーテル処置用パッケージを製造するための方法であり、該方法は、カテーテル処置を容易にするように構成されたカテーテル処置用トレイを成形することと、カテーテル処置のための段階的指示をカテーテル処置用トレイに組み込むことと、カテーテル処置用パッケージコンポーネントをカテーテル処置用トレイに配置することとを含む。成形することは、尿道カテーテルコンパートメントを成形することと、コンパートメント間接続によって尿道カテーテルコンパートメントに接続された排尿バッグコンパートメントを成形することと、サンプリングポートアクセスデバイスコンパートメントを成形することとを含む。カテーテル処置用パッケージコンポーネントをカテーテル処置用トレイに配置することは、尿道カテーテルを尿道カテーテルコンパートメントに配置することと、排尿バッグを排尿バッグコンパートメントに配置することと、サンプリングポートアクセスデバイスをサンプリングポートアクセスデバイスコンパートメントに配置することと、含み、サンプリングポートアクセスデバイスは、1つまたは複数の尿サンプルの無菌収集のために、尿道カテーテルの尿サンプリングポートまたは排尿バッグに流体的に接続するように構成されている。排尿バッグは、尿道カテーテルおよび排尿バッグをそれぞれ尿道カテーテルコンパートメントおよび排尿バッグコンパートメントに配置するときに、尿道カテーテルがコンパートメント間接続を横切って配置されるように尿道カテーテルに流体的に接続される。
【0023】
幾つかの実施形態において、カテーテル処置用パッケージコンポーネントをカテーテル処置用トレイに配置することは、排尿バッグコンパートメント内の排尿バッグの上または下のいずれかに、サンプリングポートアクセスデバイスと共に使用するように構成された1つまたは複数のセプタムストッパー付き試験管を配置することをさらに含む。
【0024】
幾つかの実施形態において、カテーテル処置用トレイを成形することは、隔離された皮膚洗浄コンパートメントを成形することをさらに含む。
カテーテル処置用パッケージコンポーネントをカテーテル処置用トレイに配置することは、1つまたは複数の綿棒を皮膚洗浄コンパートメントに配置すること、消毒皮膚洗浄剤のパッケージを皮膚洗浄コンパートメントに配置すること、または消毒皮膚洗浄剤内の一つまたは複数の綿棒のパッケージを皮膚洗浄コンパートメントに配置することをさらに含む。
【0025】
幾つかの実施形態において、カテーテル処置用トレイを成形することは、尿道カテーテルコンパートメントによって少なくとも部分的に囲まれたカテーテル潤滑コンパートメントを成形することをさらに含む。
【0026】
幾つかの実施形態において、カテーテル処置用パッケージコンポーネントをカテーテル処置用トレイに配置することは、カテーテル潤滑コンパートメントに潤滑剤を含む容器を配置することを含む。
【0027】
幾つかの実施形態において、カテーテル処置用パッケージコンポーネントをカテーテル処置用トレイに配置することは、カテーテル処置用トレイの1つまたは複数のコンパートメントの中または上に一組の検査用手袋を配置することと、アンダーパッドを折りたたんで、該アンダーパッドを一組の検査用手袋の上に配置することとをさらに含む。
【0028】
幾つかの実施形態において、方法は、カテーテル処置用コンポーネントを含むカテーテル処置用トレイの上に一枚の紙または板紙を配置して紙または板紙で覆われたカテーテル処置用トレイを形成することと、紙または板紙で覆われたカテーテル処置用トレイをCSRラップで包み、CSRラップで包まれたカテーテル処置用トレイを形成することと、CSRラップで包まれたカテーテル処置用トレイを外側包装に入れてカテーテル処置用パッケージを形成することと、エチレンオキシド滅菌によりカテーテル処置用パッケージを滅菌することとをさらに含む。
【0029】
本明細書で提供される概念のこれらおよび他の特徴は、そのような概念の特定の実施形態をより詳細に開示する添付の図面および以下の説明を考慮して、当業者にとってより明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】幾つかの実施形態による、第1のカテーテル処置用パッケージの少なくとも一部を示す図。
【
図2】幾つかの実施形態による、第1のカテーテル処置用パッケージのカテーテル処置用トレイから取り外された幾つかのカテーテル処置用コンポーネントを示す図。
【
図3】幾つかの実施形態による、第2のカテーテル処置用パッケージの少なくとも一部を示す図。
【
図4】幾つかの実施形態による、第2のカテーテル処置用パッケージのカテーテル処置用トレイから取り外された幾つかのカテーテル処置用コンポーネントを示す図。
【
図5】幾つかの実施形態による、排尿バッグの少なくとも一部を示す図。
【
図6】幾つかの実施形態による、第3のカテーテル処置用パッケージの分解図を示す図。
【
図7】幾つかの実施形態による、第3のカテーテル処置用パッケージの少なくとも一部を示す図。
【
図8】幾つかの実施形態による、第4のカテーテル処置用パッケージの少なくとも一部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
幾つかの特定の実施形態がより詳細に開示される前に、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書に提供される概念の範囲を限定しないことを理解されたい。本明細書に開示される特定の実施形態は、特定の実施形態から容易に分離でき、任意選択で、本明細書に開示される他の幾つかの実施形態のいずれかの特徴と組み合わせるか、または置換することができる特徴を有することができることも理解されたい。
【0032】
本明細書で使用される用語に関して、用語は、幾つかの特定の実施形態を説明するためのものであり、用語は、本明細書で提供される概念の範囲を限定しないことも理解されたい。序数(例えば、第1、第2、第3など)は、一般に、複数の特徴または複数のステップのグループ内の異なる特徴またはステップを区別または識別するために使用され、シリアルまたは数値の制限を提供するものではない。例えば、「第1」、「第2」、および「第3」の特徴またはステップは、必ずしもその順序で現れる必要はなく、そのような特徴またはステップを含む特定の実施形態は、必ずしも3つの特徴またはステップに限定される必要はない。「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」などのラベルは、便宜上使用されており、例えば、特定の固定位置、向き、又は方向を意味するものではない。代わりに、そのようなラベルは、例えば、相対的な位置、向き、又は方向を反映するために使用される。単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」には、文脈で明確に指示されていない限り、複数形の参照が含まれる。
【0033】
「近位」、「近位部分」、又は「近位端部分」に関して、例えば、本明細書に開示されるカテーテルは、カテーテルが患者に使用されるときに臨床医の近くにあることを意図されたカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「近位長さ」は、カテーテルが患者に使用されるときに臨床医の近くにあることを意図されたカテーテルの長さを含む。例えば、カテーテルの「近位端」は、カテーテルが患者に使用されるときに臨床医の近くにあることを意図されたカテーテルの端を含む。カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの近位端を含むことができる。しかしながら、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの近位端を含む必要はない。すなわち、文脈が別のことを示唆しない限り、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの末端部分または末端長さではない。
【0034】
「遠位」、「遠位部分」、又は「遠位端部分」に関して、例えば、本明細書に開示されるカテーテルは、カテーテルが患者に使用されるときに患者の近くまたは患者内にあることを意図されたカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「遠位長さ」は、カテーテルが患者に使用されるときに、患者の近くまたは患者の中にあることを意図されたカテーテルの長さを含む。例えば、カテーテルの「遠位端」は、カテーテルが患者に使用されるときに、患者の近くまたは患者の中にあることを意図されたカテーテルの端を含む。カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端を含むことができる。しかしながら、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端を含む必要はない。すなわち、文脈が別のことを示唆しない限り、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの末端部分または末端長さではない。
【0035】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。
不正確なCAUTI診断につながるCAUTIおよび偽陽性結果を低減するための努力においてカテーテル処置および尿サンプリングを容易にするためのカテーテル処置用パッケージおよびその方法が本明細書に開示される。
【0036】
カテーテル処置用パッケージ
図1は、幾つかの実施形態による、第1のカテーテル処置用パッケージ100の少なくとも一部を示す。
図2は、幾つかの実施形態による、第1のカテーテル処置用パッケージ100のカテーテル処置用トレイ110から取り外された幾つかのカテーテル処置用コンポーネントを示す。
図3は、幾つかの実施形態による、第2のカテーテル処置用パッケージ300の少なくとも一部を示す。
図4は、幾つかの実施形態による、第2のカテーテル処置用パッケージ300のカテーテル処置用トレイ310から取り外された幾つかのカテーテル処置用コンポーネントを示す。
図6は、幾つかの実施形態による、第3のカテーテル処置用パッケージ600の分解図を示す。
図7は、幾つかの実施形態による、第3のカテーテル処置用パッケージ600の少なくとも一部を示す。
図8は、幾つかの実施形態による、第4のカテーテル処置用パッケージ800の少なくとも一部を示す。
【0037】
示されるように、カテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800は、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810、および以下に記載されるカテーテル処置用コンポーネントを含み、これらは両方とも、カテーテル処置を容易にするように構成される。カテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800は、カテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800に含まれるカテーテル処置用コンポーネントによって、そして、カテーテル処置用コンポーネントがカテーテル処置用トレイ110、310にどのように配置されるかによって、そして、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810に組み込まれた段階的指示によって、カテーテル処置を容易にするように構成されている。
【0038】
カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810から始め、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810は、以下に記載されるように、カテーテル処置用コンポーネントを保持するように構成された幾つかのコンパートメントを含む。
【0039】
カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810の尿道カテーテルコンパートメント112は、尿道カテーテルを保持するように構成される。
カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810の排尿バッグコンパートメント114は、コンパートメント間接続113によって尿道カテーテルコンパートメント112に接続されている。排尿バッグコンパートメント114は、少なくとも排尿バッグを保持するように構成される。
【0040】
カテーテル処置用トレイ110または310のサンプリングポートアクセスデバイスコンパートメント116は、サンプリングポートアクセスデバイスを保持するように構成される。或いは、カテーテル処置用トレイ310のサンプリングポートアクセスデバイスコンパートメント116は、潤滑剤を含む容器を保持するように構成されたカテーテル潤滑コンパートメント320である。カテーテル処置用トレイ610または810は、別個のサンプリングポートアクセスデバイスコンパートメントの代わりに潤滑剤を含む容器を保持するように構成されたカテーテル潤滑コンパートメント620または820を含む。また、カテーテル潤滑コンパートメント320、620、または820は、潤滑剤を含む容器から分配された潤滑剤を、尿道カテーテルコンパートメント112と共有されるウェル322、622、または822に保持するように構成される。カテーテル処置用トレイ310、610、または810の幾つかの実施形態ではサンプリングポートアクセスデバイスコンパートメントがないため、サンプリングポートアクセスデバイスがカテーテル処置用パッケージ300、600、および800に含まれる場合、排尿バッグコンパートメント114は、カテーテル処置用トレイ310、610、または810のためのサンプリングポートアクセスデバイスコンパートメントとしても機能する。
【0041】
カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810の皮膚洗浄コンパートメント118は、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810の他のコンパートメントから隔離されており、このことは、少なくとも尿道カテーテルコンパートメント112の周りの無菌領域を維持するのに重要であり得る。皮膚洗浄コンパートメント118は、消毒皮膚洗浄剤による皮膚洗浄用に構成された1つまたは複数の綿棒、消毒皮膚洗浄剤のパッケージ、または消毒皮膚洗浄剤内の1つまたは複数の綿棒のパッケージを保持するように構成される。皮膚洗浄コンパートメント118は、ウェル117と、1つまたは複数の綿棒をそれぞれその中に保持するように構成されたスナップインタブ121を備えた1つまたは複数のチャネル119とを含む。1つまたは複数のチャネル119は、1つまたは複数の綿棒のそれぞれの一つまたは複数のスティック部材が1つまたは複数のチャネル119にスナップインされたとき、1つまたは複数の綿棒の1つまたは複数の綿棒ヘッドがそれぞれウェル117内に配置されるようにカテーテル処置用トレイ110、310、610、または810の上部または下部に対して角度が付けられている。1つまたは複数のスティック部材は、1つまたは複数のスティック部材が掴まれ、1つまたは複数の綿棒をそれぞれ1つまたは複数のチャネル119から取り外すことができるように、1つまたは複数のチャネル119にスナップインされると上向きに角度を付けられる。ウェル117は、その中に消毒皮膚洗浄剤を保持するように構成される。1つまたは複数の綿棒ヘッドが消毒皮膚洗浄剤を含むウェル117内に配置される場合、消毒皮膚洗浄剤は、1つまたは複数の綿棒のそれぞれによる消毒皮膚洗浄のために1つまたは複数の綿棒ヘッドを浸す。
【0042】
カテーテル処置用トレイ110のカテーテル潤滑コンパートメント120は、尿道カテーテルコンパートメント112によって少なくとも部分的にまたは実質的に囲まれている。カテーテル潤滑コンパートメント120は、潤滑剤を含む容器を保持するように構成される。また、カテーテル潤滑コンパートメント120は、潤滑剤を含む容器から分配された潤滑剤を、尿道カテーテルコンパートメント112と共有されるウェル122内に保持するように構成される。
【0043】
カテーテル処置用トレイ310、610、または810の標本容器コンパートメント324もまた、尿道カテーテルコンパートメント112によって少なくとも部分的にまたは実質的に囲まれている。標本容器コンパートメント324は、標本容器を保持するように構成される。カテーテル処置用トレイ310、610、または810内の標本容器コンパートメント324のために、尿道カテーテルコンパートメント112は、潤滑剤を保持するように構成されたウェル322、622、または822を含むカテーテル処置用トレイ310、610、または810のカテーテル潤滑コンパートメントとしても機能する。しかしながら、ウェル322、622、または822は、カテーテル処置用トレイ110のウェル122と比較してサイズが縮小されている。
【0044】
図2、
図4、及び
図8に最も良く示されるように、カテーテル処置のためにカテーテル処置用トレイ110、310、610、または810に組み込まれる段階的指示は、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810の任意のコンパートメント、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810の隣接する任意のコンパートメント、またはそれらの組み合わせに組み込まれ得る。例えば、段階的指示における第1の指示は、ポビドンヨード溶液などの消毒性皮膚洗浄剤の容器またはパッケージを開封することを対象とし、この第1の指示は、皮膚洗浄コンパートメント118に隣接するカテーテル処置用トレイ110、310、610、または810に組み込まれる。段階的指示における第2の指示は、皮膚洗浄剤を皮膚洗浄コンパートメント118のウェル117に注ぐことを対象とし、この第2の指示は、皮膚洗浄コンパートメント118に組み込まれる。段階的指示における第3の指示は、ウェル122、322、622、または822に潤滑剤を分配することを対象とし、この第3の指示は、カテーテル処置用トレイ110のカテーテル潤滑コンパートメント120のウェル122、カテーテル処置用トレイ310または610の尿道カテーテルコンパートメント112のウェル322または622、またはカテーテル処置用トレイ810の尿道カテーテルコンパートメント112のウェル822に隣接して組み込まれる。段階的指示における第4の指示は、患者の性器を開くこと(retract)を対象とし、段階的指示における第5の指示は、消毒皮膚洗浄剤で浸された綿棒で患者を整えること(prepare)を対象とし、段階的指示における第6の指示は、患者に尿道カテーテルを挿入することを対象とする。段階的指示における第4の指示、第5の指示、および第6の指示の各指示は、カテーテル処置用トレイ110、310、または610の排尿バッグコンパートメント114に組み込まれる。しかしながら、カテーテル処置用トレイ810の排尿バッグコンパートメント114はサイズが比較的小さいため、段階的指示における第4の指示、第5の指示、および第6の指示の各指示は、視認性を高めるために、カテーテル処置用トレイ810の皮膚洗浄コンパートメント118およびカテーテル潤滑コンパートメント820の間に組み込まれる。
【0045】
図1および
図2または
図3および4に示されるように、カテーテル処置用コンポーネントがカテーテル処置用トレイ110または310から取り外されると、カテーテル処置のための段階的指示の少なくとも幾つかが明らかになる。また、図示されていないが、カテーテル処置用コンポーネントがカテーテル処置用トレイ610または810から取り外されると、カテーテル処置のための段階的指示の少なくとも幾つかが明らかになる。このようにカテーテル処置のための指示を明らかにすると、指示情報が差し迫ってまたはすぐに必要な情報に減らされ、それにより情報過多の可能性が減少し、カテーテル処置が簡単になる。
【0046】
図1~
図4、
図6、
図7、および
図8におけるのカテーテル処置用トレイ110、310、610、および810は、幾つかのカテーテル処置用パッケージの実施形態に特有であり、他の実施形態は、カテーテル処置用コンポーネントの異なる組み合わせを保持するように構成されたコンパートメントの異なる組み合わせ、より少ないカテーテル処置用コンポーネントを保持するように構成されたより少ないコンパートメント、またはより多くのカテーテル処置用コンポーネントを保持するように構成されたより多くのコンパートメントを含み得る。例えば、カテーテル処置用トレイ310よりも多くのコンパートメントを有するカテーテル処置用トレイは、サンプリングポートアクセスデバイスコンパートメント116、カテーテル潤滑コンパートメント320、および標本容器コンパートメント324の3つ全てを含み得る。そのような構成は、
図3に示されるカテーテル潤滑コンパートメント320および排尿バッグコンパートメント114を備えたカテーテル処置用トレイ310であって、カテーテル潤滑コンパートメント320と排尿バッグコンパートメント114との間のサンプリングポートアクセスデバイスコンパートメント116に対応する付加的なコンパートメント(図示せず)を備えたカテーテル処置用トレイ310を含み得る。
【0047】
カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810は、例えば、射出成形によって形成することができ、それにより、各コンパートメントは、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810に同時に形成される。しかしながら、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810は、射出成形によって、または成形によって形成されることに限定されない。成形がカテーテル処置用トレイ110、310、610、または810を形成するために使用される場合、段階的指示も、エンボス加工された段階的指示として、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810の内または上に同時に形成され得る。カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810に対する段階的指示のコントラストを向上するため、段階的指示は、エンボス加工された段階的指示がない場合、またはエンボス加工された段階的指示の上に、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810にプリントされ得る。
【0048】
カテーテル処置用トレイ110、310、610、または610が構成されるカテーテル処置用コンポーネントを対象として、カテーテル処置用コンポーネントは、以下に記載される尿道カテーテル130、排尿バッグ140または640、サンプリングポートアクセスデバイス150、1つまたは複数のセプタムストッパー付き試験管160、標本容器170、1つまたは複数の綿棒180、潤滑剤190を含む容器、またはそれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されるものではない。
【0049】
尿道カテーテル130は、示されるように、フォーリーカテーテルなどの留置カテーテルまたは間欠式カテーテルであり得、これらのそれぞれについては上述されている。尿道カテーテル130は、任意には、カテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800内の排尿バッグ140または640に既に流体的に接続されており、これにより、カテーテル処置が簡単になり、尿道カテーテル130を排尿バッグ140または640に接続するなどにより尿道カテーテル130を不注意に汚染するリスクが低減される。
【0050】
図5は、幾つかの実施形態による、排尿バッグ140の少なくとも一部を示す。排尿バッグ140は、入口ポート142および出口ポート144を含む。出口ポート144は、サンプリングポートアクセスデバイス150を用いて1つまたは複数の尿サンプルを無菌的に収集するためにその中に組み込まれた尿サンプリングポート146を含む。また、
図5に示されるように、排尿バッグ140は、排尿バッグ140と共に間欠式カテーテルを処分するために、それらの使用に続いて、尿道カテーテル130などの間欠式カテーテルを受け入れるように構成されたオプションのチャネル148を含む。
【0051】
排尿バッグ640は、少なくとも、排尿バッグ140の出口ポートの代わりに排尿バッグ640の入口ポートに組み込まれた尿サンプリングポートの配置に関して、排尿バッグ140とは異なる。さらに、チュービングクランプ642が尿サンプリングポートと排尿バッグ640のバッグ部分との間の入口ポートをクランプするように構成されるように該チュービングクランプ642が排尿バッグ640と結合されており、それにより、排尿バッグ640にすでに存在する尿が尿サンプリングポートを通してサンプリングされることが防止される。排尿バッグ640のそのような構成は、尿サンプリングポートからの尿サンプルが尿道カテーテル130から新鮮であることを保証する。
【0052】
サンプリングポートアクセスデバイス150は、1つまたは複数の尿サンプルの無菌収集のために、尿道カテーテル130の尿サンプリングポート(例えば、フォーリーカテーテルの尿サンプリングポート)または排尿バッグ140の尿サンプリングポート146に流体的に接続するように構成される。サンプリングポートアクセスデバイス150は、バレル152、バレル152の端の先端154、およびバレル152と同軸の中空の針156を含む。バレル152の先端154は、サンプリングポートアクセスデバイス150を、尿道カテーテルの尿サンプリングポートまたは排尿バッグ140の尿サンプリングポート146に流体的に接続するように構成される(排尿バッグ140の尿サンプリングポート146に流体的に接続されたサンプリングポートアクセスデバイス150については、
図3を参照されたい)。針156は、バレル152の先端154に流体的に接続されているが、針156の先端は、バレル152の先端154から離れるように向けられている。
【0053】
1つまたは複数のセプタムストッパー付き試験管160は、サンプリングポートアクセスデバイス150と共に使用するように構成されている。1つまたは複数の試験管160の各試験管は、特定の条件が満たされたときに、尿道カテーテル130の尿サンプリングポートまたは排尿バッグ140の尿サンプリングポート146から尿が試験管に吸引されるように大気圧よりも低い内圧を有する。例えば、排尿バッグ140が少なくとも部分的に尿で満たされており、サンプリングポートアクセスデバイス150の先端154が排尿バッグ140の尿サンプリングポート146に流体的に接続されており、試験管のセプタムストッパーがサンプリングポートアクセスデバイス150の針156によって穿刺されているとき、尿は試験管に吸引される。各試験管は、尿検査用の製剤、微生物学的分析用の製剤を含むように、または添加物や防腐剤を含まないように独立して構成される。
【0054】
標本容器170は、排尿バッグ140の出口ポート144を介するなど、排尿バッグ140または640からの1つまたは複数の尿サンプルの少なくともクリーンな収集のために構成され、それにより、必要に応じた1つまたは複数の尿サンプルの無菌収集の代替手段を提供する。少なくとも
図6に示されるように、標本容器170は、標本容器170内の尿サンプルを密封するように構成されたキャップ172を含む。ラベル174が、その中の任意の尿サンプルに従って標本容器170をラベル付けするために、カテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800に任意で含まれる。1つまたは複数の尿サンプルのクリーンな収集は、医療従事者および環境から1つまたは複数の尿サンプルへの微生物の移動を低減するために、排尿バッグ140の出口ポート144および標本容器170を利用する。しかしながら、医療従事者および環境から微生物が1つまたは複数の尿サンプルに移動するのを減らすだけでなく防止するために、1つまたは複数の尿サンプルの無菌収集は、尿道カテーテルのサンプリングポートまたは排尿バッグ140のサンプリングポート146、サンプリングポートアクセスデバイス150、および1つまたは複数の試験管160の使用を必要とする。
【0055】
1つまたは複数の綿棒180は、消毒性皮膚洗浄剤による皮膚洗浄用に構成されている。1つまたは複数の綿棒180は、任意で、カテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800内において、それぞれの1つまたは複数のスティック部材によって、皮膚洗浄コンパートメント118の1つまたは複数のチャネル119に既にスナップインされている。
図6および
図7にのみ示されるように、カテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800は、消毒皮膚洗浄剤182のパッケージを含むことができ、消毒皮膚洗浄剤は、例えば、皮膚洗浄のために1つまたは複数の綿棒180の1つまたは複数の綿棒ヘッドをそれぞれ浸すために皮膚洗浄コンパートメント118のウェル117に注ぐためのポビドンヨード溶液であり得る。あるいは、1つまたは複数の綿棒180は、消毒皮膚洗浄剤182のパッケージにパッケージされる。
【0056】
潤滑剤190を含む容器は、カテーテル処置に従い、カテーテル処置用トレイ110のカテーテル潤滑コンパートメント120のウェル122またはカテーテル処置用トレイ310、610、または810の尿道カテーテルコンパートメント112のウェル322、622、または822内の尿道カテーテル130の潤滑を容易にするように構成された潤滑ゼリーのシリンジであり得る。
【0057】
図示されていないが、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810が構成されるカテーテル処置用コンポーネントは、さらに、一組以上の検査用手袋およびアンダーパッドを含むことができるが、これに限定されるものではない。一組以上の手袋およびアンダーパッドは、消毒皮膚洗浄剤による皮膚洗浄中、潤滑剤190を含む容器内の潤滑剤による尿道カテーテル130の潤滑中、患者への尿道カテーテル130の挿入中などのカテーテル処置中に使用するように構成される。一組以上の手袋は、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810の任意のコンパートメントの内または上に配置することが可能である。アンダーパッドは折りたたんで、一組の以上の手袋の下、一組以上の手袋の間、または一組以上の手袋の上に置くことが可能である。
【0058】
示されていないが、カテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800は、カテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800のための包装をさらに含む。包装には、一枚の紙または板紙、CSRラップ、およびカテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800の外側包装が含まれる。
【0059】
一枚の紙または板紙は、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810およびその中のカテーテル処置用コンポーネントを覆うように構成される。
図1~
図4、
図6、および
図7は、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810の周りのリップを示しており、そのリップ上に一枚の紙または板紙が置かれるように構成されている。任意で、紙または板紙には、製品情報またはその上にプリントされた段階的指示に対する追加の指示が含まれる。
【0060】
CSRラップは、CSRラップがカテーテル処置用トレイ110、310、610、または810およびその中のカテーテル処置用コンポーネントの周りに巻き付けられている間、少なくともカテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800のカテーテル処置用コンポーネントの滅菌状態を維持するように構成される。
【0061】
外側包装は、カテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800を組み立てる時点からカテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800を使用する時点まで、カテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800の内容物の損失を防ぐように構成される。外側包装は、また、カテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800のエチレンオキシド滅菌の時点からカテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800を使用する時点までのカテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800の内容物の汚染を防止するように構成される。
【0062】
方法
カテーテル処置用パッケージ100、300、600、または800を製造するための方法は、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810を成形することと、カテーテル処置のための段階的指示をカテーテル処置用トレイ110、310、610、または810に組み込むことと、カテーテル処置用コンポーネントをカテーテル処置用トレイ110、310、610、または810に配置することとを含む。成形することは、尿道カテーテルコンパートメント112を成形することと、コンパートメント間接続113により尿道カテーテルコンパートメント112に接続された排尿バッグコンパートメント114を成形することと、少なくともカテーテル処置用トレイ110およびカテーテル処置用トレイ310の幾つかの実施形態について、サンプリングポートアクセスデバイスコンパートメント116を成形することとを含む。カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810にカテーテル処置用コンポーネントを配置することは、尿道カテーテル130を尿道カテーテルコンパートメント112に配置することと、排尿バッグ140を排尿バッグコンパートメント114に配置することと、そのようなコンパートメントが存在する場合、サンプリングポートアクセスデバイス150をサンプリングポートアクセスデバイスコンパートメント116内に配置することとを含む。そうでなければ、サンプリングポートアクセスデバイス150は、必要に応じて、排尿バッグコンパートメント114に配置し得る。尿道カテーテル130は、尿道カテーテル130および排尿バッグ140をそれぞれ尿道カテーテルコンパートメント112および排尿バッグコンパートメント114に配置するときに、尿道カテーテル130がコンパートメント間接続113を横切って配置されるように排尿バッグ140に流体的に接続される。
【0063】
カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810内にカテーテル処置用コンポーネントを配置することは、排尿バッグコンパートメント114内において、排尿バッグ140の上または下のいずれかに、サンプリングポートアクセスデバイス150と共に使用するための1つまたは複数のセプタムストッパー付き試験管160を配置することをさらに含み得る。
【0064】
カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810を成形することは、隔離された皮膚洗浄コンパートメント118を成形することをさらに含み得る。
カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810内にカテーテル処置用コンポーネントを配置することは、皮膚洗浄コンパートメント118内に1つまたは複数の綿棒180を配置すること、皮膚洗浄コンパートメント118内に消毒皮膚洗浄剤182のパッケージを配置すること、または皮膚洗浄コンパートメント118内に消毒性皮膚洗浄剤内の1つまたは複数の綿棒180のパッケージを配置することをさらに含み得る。
【0065】
カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810を成形することは、尿道カテーテルコンパートメント112または皮膚洗浄コンパートメント118および排尿バッグコンパートメント114間のカテーテル潤滑コンパートメント320、620、または820によって少なくとも部分的に囲まれたカテーテル潤滑コンパートメント120を成形することをさらに含み得る。
【0066】
カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810にカテーテル処置用コンポーネントを配置することは、潤滑剤190を含む容器をカテーテル潤滑コンパートメント120、320、620、または820に配置することをさらに含み得る。
【0067】
カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810にカテーテル処置用コンポーネントを配置することは、カテーテル処置用トレイ110、310、610、または810のコンパートメントの内又は上に一組以上の検査用手袋を配置することと、アンダーパッドを折りたたんで該アンダーパッドを一組以上の検査用手袋の上に配置することと、を含み得る。
【0068】
方法は、カテーテル処置用コンポーネントを含むカテーテル処置用トレイ110、310、610、または810の上に一枚の紙または板紙を配置して紙または板紙で覆われたカテーテル処置用トレイを形成することと、紙または板紙で覆われたカテーテル処置用トレイをCSRラップで包み、CSRラップで包まれたカテーテル処置用トレイを形成することと、CSRラップで包まれたカテーテル処置用トレイを外側包装に入れてカテーテル処置用パッケージを形成することと、エチレンオキシド滅菌によりカテーテル処置用パッケージ100、300、または600を滅菌することとをさらに含み得る。
【0069】
幾つかの特定の実施形態が本明細書に開示されており、特定の実施形態がある程度詳細に開示されているが、特定の実施形態が本明細書で提供される概念の範囲を制限することは意図されていない。付加的な適応および/または修正が当業者に理解することができ、より広い態様では、これらの適応および/または修正もまた包含される。したがって、本明細書で提供される概念の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される特定の実施形態から逸脱することができる。