(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】自動食器洗浄方法
(51)【国際特許分類】
C11D 3/395 20060101AFI20241126BHJP
C11D 3/33 20060101ALI20241126BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20241126BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20241126BHJP
C11D 3/36 20060101ALI20241126BHJP
C11D 3/08 20060101ALI20241126BHJP
C11D 3/10 20060101ALI20241126BHJP
A47L 15/44 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
C11D3/395
C11D3/33
C11D3/20
C11D17/04
C11D3/36
C11D3/08
C11D3/10
A47L15/44
(21)【出願番号】P 2023505357
(86)(22)【出願日】2020-08-04
(86)【国際出願番号】 US2020070352
(87)【国際公開番号】W WO2022031310
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ルキク、ネヴェナ
(72)【発明者】
【氏名】アクソイ・アバチ、ニルグン・エシン
(72)【発明者】
【氏名】デルプランケ、パトリック・フィルミン・アウグスト
(72)【発明者】
【氏名】アシックライン、セルダル
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-507291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 3/395
C11D 3/33
C11D 3/20
C11D 17/04
C11D 3/36
C11D 3/08
C11D 3/10
A47L 15/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
期間tの洗浄サイクルを含むプログラムを使用して、食器洗浄機において汚れた食器を洗浄する方法であって、前記方法は、複数回投与システムを使用して、リン酸塩を含まない洗浄組成物を送達する工程を含み、前記
洗浄組成物は、漂白剤と、金属漂白触媒と、メチルグリシン-N,N-二酢酸(MGDA)、クエン酸、グルタミン酸-N,N-二酢酸(GLDA)、イミノジコハク酸(IDS)、クエン酸、アスパラギン酸-N,N-二酢酸(ASDA)、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される錯化剤とを含み、
i)前記
金属漂白触媒の少なくとも90重量%は、1/10t未満で前記洗浄サイクルに送達され、
ii)前記錯化剤の少なくとも50重量%は、1/2tより後に前記洗浄サイクルに送達される、食器洗浄機において汚れた食器を洗浄する方法。
【請求項2】
前記錯化剤の10重量%超及び50重量%未満は、1/5t未満で送達される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記錯化剤の少なくとも50重量%が、1/2tより後で、且つ2/3tより前の時間に前記洗浄サイクルに送達される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記錯化剤がリザーバから送達される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記錯化剤がMGDAを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記
金属漂白触媒がマンガン漂白触媒を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記洗浄組成物が、前記
洗浄組成物の少なくとも0.5重量%のホスホネートを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ホスホネートがHEDPである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記
洗浄組成物が漂白活性化剤を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記漂白活性化剤がTAEDである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記
洗浄組成物がケイ酸塩を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記複数回投与システムが複数の区画を含み、前記
金属漂白触媒及び前記錯化剤が異なる区画に配置される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記錯化剤が制御放出粒子の形態である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記錯化剤粒子が、コーティングされた粒子又は高密度化粒子である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも100ppmの重炭酸塩を含む水を使用する工程を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記水が、250ppm~450ppmの重炭酸塩を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の方法での使用に適した複数回投与システムであって、前記システムが、前記
金属漂白触媒及び前記錯化剤を収容するための少なくとも2つの貯蔵室を含む、複数回投与システム。
【請求項18】
重炭酸塩の存在下で、自動食器洗浄において茶渋除去を提供するための、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法の使用。
【請求項19】
前記自動食器洗浄が、少なくとも100ppmの重炭酸塩を含む洗浄液を使用する、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記洗浄液が、250ppm~450ppmの重炭酸塩を含む、請求項19に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動食器洗浄の分野に属する。特に、本発明は、効果的な洗浄、特に茶の洗浄を提供する方法に関する。方法は、硬水中で使用される場合であっても、また水が高レベルの重炭酸塩を含む場合であっても、茶渋の良好な除去を提供する。
【背景技術】
【0002】
自動食器洗浄は、品物に清潔さと光沢を残し、すなわち汚れ残留物、膜張り、及び斑点形成なしとすることが期待されている。茶渋は、自動食器洗浄において食器から除去するのに最も困難なしみの1つであると思われる。
【0003】
国際公開第2015/124384(A1)号は、比較的少量の非リン酸塩ビルダー、アルカリ過炭酸塩、マンガン漂白触媒、相対的な低量及び1つ以上のポリカルボキシレートポリマーを含む、単位用量形式のゼロリン酸機械食器洗浄組成物を提供する。ビルダーは、メチルグリシン-N,N-二酢酸及び/又はその1つ以上の塩、クエン酸及び/又はその1つ以上の塩、並びにグルタミン酸-N,N-二酢酸及び/又はその1つ以上の塩の1つ以上を含む。ポリカルボキシレートポリマーは、1000~100,000の重量平均分子量を有し、ポリマーは、少なくとも20モル%のアクリレートモノマー及び0~40モル%のマレエートモノマーを含む。組成物は、使用時に茶渋除去の改善をもたらすと言われている。
【0004】
過去に多くの試みがなされてきたが、茶渋を除去して、同時に自動食器洗浄において良好な清浄性及び光沢を提供するという、満足されていない要求が依然として存在する。茶渋除去は、自動食器洗浄プロセスで使用される水の性質に大きく依存することが見出されている。茶渋除去は特に、水中の高レベルの硬度、特に重炭酸塩の存在に関連していると思われる。省エネルギーの理由から、短いサイクルがより広く使用されるようになってきている。茶渋除去は、短いサイクルでは更により困難である。
【0005】
近年、単位用量製品が自動食器洗浄に広く使用されるようになってきた。単位用量の寸法は、食器洗浄機の分散機の寸法によって制約される。これにより、1回の洗浄で使用できる化学物質の量が制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2015/124384(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的の1つは、全範囲の水硬度にわたって良好な茶渋除去を提供し、同時に他の汚れの良好な洗浄及び光沢を提供する自動食器洗浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、食器洗浄機において汚れた食器を洗浄する方法が提供される。方法は、複数回投与システムの使用を含む。「複数回投与システム」とは、本明細書では、複数の洗浄用量、すなわち、2つ以上の食器洗浄プログラムのための用量を備えることができるシステムを意味する。方法は、広範囲の水硬度にわたる茶渋除去を含む効果的な洗浄を提供する。組成物は、リン酸塩を含まない。組成物は、錯化剤、漂白剤及び漂白触媒を含む。
【0009】
本発明の方法によれば、
i)全ての漂白触媒が洗浄サイクルの開始時に送達され、すなわち、漂白触媒の少なくとも90重量%が1/10t未満で洗浄サイクルに送達され、及び
ii)錯化剤は、洗浄サイクル中にゆっくりと送達され、すなわち、錯化剤の少なくとも20重量%が、1/3tより後、好ましくは2/3tより前に洗浄サイクルに送達される。
【0010】
最初に少量の錯化剤を洗浄サイクルに送達することが有益であり得る。理論に束縛されるものではないが、少量の錯化剤のみが洗浄サイクルの開始時に存在する場合、錯化剤は、汚れ及び水硬度に由来するイオンを優先的に錯化すると考えられる。総錯化剤の10重量%超及び総錯化剤の50重量%未満が洗浄サイクルの1/5t未満の時間で送達される場合、光沢の改善が見出された。その後、残りの錯化剤が送達される。
【0011】
好ましくは、漂白触媒は、マンガン漂白触媒である。好ましくは、錯化剤は、メチルグリシン-N,N-二酢酸及び/又はその塩、より好ましくはメチルグリシン-N,N-二酢酸の三ナトリウム塩を含む。複数回投与システムを使用する錯化剤の徐放は、多くの異なる方法で達成することができ、例えば、コーティングされた又は高密度化粒子の形態で錯化剤を有することによって達成することができ、又は所定の時間に錯化剤をリザーバから洗浄液に送達することによって達成することができる。錯化剤及び漂白触媒は、リザーバの異なる区画に配置することができ、区画は、漂白触媒を最初に放出し、錯化剤を次に放出するようにプログラムされる。
【0012】
好ましくは、本発明の方法の洗浄組成物は、組成物の少なくとも0.5重量%のホスホネート、より好ましくは1%超のホスフェート、より好ましくは5%超のHEDPを含む。この高レベルのホスホネートを含む組成物は、更に良好な茶洗浄を提供することが見出された。好ましくは、漂白触媒はマンガン漂白触媒であり、錯化剤はMGDA及び/又はその塩、より好ましくは三ナトリウム塩を含む。好ましくは、漂白剤は過炭酸塩である。
【0013】
本発明の方法は、特に茶渋に対して優れた洗浄を提供する。本組成物は、良好な光沢も提供する。パウチは、水が高レベルの重炭酸塩を有する場合でも、広範囲の水硬度にわたって良好に機能する。
【0014】
組成物は、リン酸塩を含まない。組成物は、漂白剤、金属漂白触媒及び錯化剤を含む。錯化剤は、メチルグリシン-N,N-二酢酸(MGDA)、クエン酸、グルタミン酸-N,N-二酢酸(GLDA)、それらの塩及びそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、漂白触媒はマンガン漂白触媒であり、錯化剤はMGDA及び/又はその塩、より好ましくは三ナトリウム塩を含む。好ましくは、漂白剤は過炭酸塩である。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様の方法における使用に適した複数回投与システムが提供される。
【0016】
本発明の第3の態様によれば、重炭酸塩を含む硬水を使用する自動食器洗浄における茶洗浄を提供するための本発明の方法の使用が提供される。
【0017】
本発明の第1の態様に関連して説明される本発明の方法の要素は、変更すべきところは変更して、発明の他の態様に適用される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書で使用される百分率、比率、及び割合は全て、別段の指定がない限り、組成物の重量%である。全ての平均値は、別段の明示的な指示がない限り、組成物の「重量により」計算される。別段の指定がない限り、全ての比率は重量/重量レベルとして計算される。
【0019】
特に明記されない限り、全ての測定は、25℃で実施される。
【0020】
別段の注記がない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在する場合のある不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0021】
本発明は、自動食器洗浄の方法、特に、食器洗浄機、好ましくは家庭用食器洗浄機において汚れた食器を洗浄する方法を想定する。「食器」とは、本明細書では、任意の台所用品、食器及びテーブルウェア、すなわち食品/飲料を調理又は提供のいずれかをするために使用される任意の器具と理解される。本発明の方法は、効果的な洗浄、特に茶渋除去を提供し、同時に洗浄されたアイテムに光沢を残し、アイテムにケアを提供する。方法は、洗浄組成物を貯蔵するために複数回投与システムを使用する。組成物は、リン酸塩を含まない。本明細書において「リン酸塩を含まない」とは、組成物が、組成物の1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満のリン酸塩を含むことを意味する。組成物は、錯化剤、漂白剤及び漂白触媒を含む。
【0022】
本発明の方法は、漂白触媒の洗浄液への放出に対して錯化剤の遅い放出を提供する。「徐放性」とは、全ての錯化剤が洗浄サイクルの開始時に同時に送達されるわけではないことを意味する。実質的に全ての漂白触媒は、洗浄サイクルの開始時に洗浄液に送達される。錯化剤は、連続的に放出され得るか、又はパルス様式で放出され得、好ましくは、錯化剤は、パルス様式で送達される。理論に束縛されるものではないが、全ての漂白触媒及び全ての錯化剤が洗浄液中に同時に存在する場合、錯化剤は漂白触媒の金属中心を錯体化し、その活性を低下させると考えられている。錯化剤の濃度が高いほど、この錯化に有利である。最初にしみの最上層(本明細書において「最上層」とは、食器の表面から最も離れた層を意味する)を漂白し、続いて錯化剤の作用によって最下層を分離することによって、茶渋を効率的に除去することができると考えられる。錯化剤は、漂白可能なしみの最下層と食器の表面との間のカルシウムブリッジを除去する。
【0023】
本発明の方法の錯化剤の遅い送達は、洗浄における触媒と錯化剤との間の相互作用を最小限に抑え、同時に洗浄の改善に寄与する。漂白剤は、好ましくは漂白触媒と同時に送達される。
【0024】
選択された食器洗浄プログラムの過程で、食器洗浄機は、一般に、前すすぎサイクル、洗浄サイクル(主洗浄としても知られる)、中間すすぎサイクル、最終すすぎサイクル、及び次いでプログラムを終了させるための乾燥サイクル等の1つ以上のサイクルを行う。それぞれのサイクルの間、洗浄液は、回転スプレーアーム、固定スプレーノズル、例えばトップスプレーヘッド、可動スプレーノズル、例えばトップスピニングユニット、及び/又は他の何らかの液体分配装置によって、食器洗浄機キャビティの処理チャンバ内に分配され、特に噴霧され、ここで洗浄液は、食器及び/又はカトラリー等の洗浄されるアイテムに適用され、少なくとも1つの装填ユニット、例えば好ましくは除去又は引き出し可能な引出しラック又はカトラリー用ドロワー内及び/又はそれらの上に支持される。この目的のために、食器洗浄機には、好ましくは、動作する循環ポンプによって少なくとも1つの供給ラインを介して洗浄液が供給され、当該洗浄液は、食器洗浄機キャビティの底部、好ましくは凹部、特に排水だめに集まる。洗浄液がそれぞれの液体導通洗浄サブサイクル中に加熱されなければならない場合、洗浄液は加熱設備によって加熱される。これは循環ポンプの一部であってもよい。それぞれの液体導通洗浄サブサイクルの終わりに、食器洗浄機キャビティの処理チャンバ内にそれぞれ場合に存在する洗浄液の一部又は全部が、排水ポンプによって汲み出される。
【0025】
食器洗浄機は通常、複数のプログラムを提供することができ、例えば、通常はある程度乾燥させた汚れた食器を洗浄するための、基本洗浄プログラム、非常に汚れた食器を洗浄するための、又は特に除去することが困難な(非常に乾燥した又は焦げたスポット)食物残留物の場合における、集中洗浄プログラム、軽く汚れた食器又は食器の一部を洗浄するためのエコノミー洗浄プログラム、前のサイクルのような洗浄のために、部分的な食器装填のより速い洗浄が望まれる場合の、高速洗浄プログラムである。各プログラムは、本明細書では「サイクル」と呼ばれる複数の順次工程を含む。通常、1回又は2回の低温予備洗浄サイクル、洗浄サイクル(主洗浄としても知られている)、低温すすぎサイクル、高温すすぎサイクル、及び任意選択で乾燥サイクルである。洗浄サイクル中、洗浄組成物を1回で又は分割してのいずれかで、食器洗浄機の水に添加して洗浄液を形成する。本発明の目的のために、t=0は、洗浄組成物又はその一部が、通常は投与装置を介して洗浄サイクル中に(すなわち、食器洗浄機の本体中に)送達されるときである。洗浄サイクルの持続時間「t」は、洗浄組成物又はその第1の部分が洗浄サイクルに送達される瞬間から洗浄液が排出される時間までの時間であると考えられる。
【0026】
洗浄活性物質は、リザーバ内に貯蔵され、洗浄液内に送達され得る。貯蔵リザーバは、食器洗浄機の内側又は外側に配置することができる。食器洗浄機の内部に配置される場合、貯蔵リザーバは、自動食器洗浄機に一体化することができ(すなわち、自動食器洗浄機に恒久的に固定された(内蔵された)貯蔵リザーバ)とすることができ、また、自立型(すなわち、自動食器洗浄機の内部に挿入することができる独立した貯蔵リザーバ)とすることもできる。
【0027】
一体化された貯蔵リザーバの例は、自動食器洗浄機の扉に組み込まれ、供給ラインによって食器洗浄機の内部に接続された容器である。
【0028】
自立型貯蔵リザーバの例は、基部出口弁を有する「トップダウンボトル」であり、これは、例えば、自動食器洗浄機のカトラリーバスケット内に配置することができる。取り外し可能な投与装置は、例えば、異なる洗浄剤が充填されたカートリッジと、制御された時間に制御された量の洗浄剤を放出することができる分配ユニットとを備える自動化ユニットとすることができる。異なるタイプのハードウェアが、洗浄剤の分配を制御するための、あるいはデータ処理ユニット、食器洗浄機、又はユーザが操作することができるモバイルデバイス若しくはサーバ等の外部デバイスと通信するための、投入デバイスの一部であり得る。
【0029】
貯蔵リザーバは、本発明による洗浄組成物を受容するための少なくとも1つのチャンバを有する。好ましくは、貯蔵リザーバは、互いに分離された1超、好ましくは2つ以上のチャンバを有し、そのうちの少なくとも1つのチャンバは漂白触媒を含有し、別の区画は錯化剤を含有する。これは、特定の時間における錯化剤の送達をより容易にする。貯蔵リザーバは、特にリザーバが食器洗浄機の内部に配置される場合に、非常に良好な熱安定性を有する。
【0030】
好ましくは、5~30、より好ましくは10~25グラムの洗浄組成物が、食器洗浄プログラムの主洗浄において送達される。複数回投与システムは、センサの入力に基づいて、必要とされる洗浄組成物の量を決定することができるセンサに連結することができる。使用され得るセンサは、pH、濁度、温度、湿度、導電率等を含む。食器洗浄機は、これを達成するためにデータ処理力を必要とし得る。食器洗浄は、他の装置との接続性を有することが好ましい。これは、wi-fi、モバイルデータ、ブルートゥース(登録商標)等の形態をとることができる。これにより、食器洗浄機を遠隔で監視及び/又は制御することが可能になる。好ましくは、これはまた、機械がインターネットと接続することを可能にする。
【0031】
1つ以上のチャンバを含む好ましい貯蔵リザーバの体積は、10~1000mL、好ましくは20~800mL、特に50~500mLである。
【0032】
本発明による好ましいプロセスは、洗浄組成物が、食器洗浄機の内部に計量供給される前に、少なくとも2回、好ましくは少なくとも4回、特に好ましくは少なくとも8回、特に少なくとも12回の別個の食器洗浄プログラムの間、食器洗浄機の外部(例えば国際公開第2019/81910号)又は内部に位置する貯蔵リザーバ内に留まるプロセスである。
【0033】
複数回投与システムは、センサの入力に基づいて、必要とされる洗浄組成物の量を決定することができるセンサに連結することができる。
【0034】
本出願の文脈において、「食器洗浄プログラム」は、好ましくは主洗浄サイクルに加えて予備すすぎサイクル及び/又はすすぎサイクルも含み、食器洗浄機のプログラムスイッチによって選択及び作動させることができる、完成した洗浄プロセスである。これらの別個の洗浄プログラムの持続時間は、有利には少なくとも15分、有利には20~360分、好ましくは20~90分である。
【0035】
本発明の方法において使用する複数回投与システムは、大部分の錯化剤の前に漂白触媒(又は少なくともその大部分)を洗浄水に送達するように設計される。漂白触媒は、錯化剤のいずれかの前に完全に送達することができる。好ましくは、錯化剤は、サイクルの開始時に送達されないか、又は少量の錯化剤が送達される。好ましくは、10重量%超、及び50重量%未満の錯化剤が1/5t未満で送達される。
【0036】
例えば、洗浄サイクルの典型的な期間「t」が20分である場合、漂白触媒はサイクルの開始時に送達され、錯化剤の少なくとも20%、好ましくは錯化剤の40%が洗浄サイクルの8分後又は10分後に送達される。
【0037】
本発明の組成物又はその一部は、液体及び/又は固体形態とすることができる。例えば、組成物の成分の一部は固体形態であってもよく、他の成分は液体形態であってもよい。組成物は、錯化剤、漂白剤、漂白触媒、及び好ましくはホスホネートを含み、任意であるが好ましくは、組成物は、ビルダー、非イオン性界面活性剤、酵素、並びにガラス及び/又は金属ケア剤を含む。好ましくは、組成物は、MGDAの三ナトリウム塩、HEDP、ポリマー、好ましくは2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマーを含むスルホン化ポリマー、炭酸ナトリウム、漂白剤、好ましくは過炭酸ナトリウム、漂白活性化剤、好ましくはTAED、漂白触媒、好ましくはマンガン漂白触媒、及び任意に、しかし好ましくは、プロテアーゼ及びアミラーゼ酵素、並びに非イオン性界面活性剤を含む。組成物はクエン酸塩を含まなくてもよい。組成物は、斑点形成を防止する利益を提供する、カチオン性ポリマーを更に含むことができる。
【0038】
20℃で、1重量/体積%の蒸留水水溶液中で測定した場合に、本発明の組成物は、好ましくは約9~約12のpHを、より好ましくは約10から約11.5未満のpHを、特に好ましくは、約10.5~約11.5のpHを有する。
【0039】
本発明の組成物は、好ましくは、20℃において100mLの製品を含むNaOH中で測定した場合に、pH9.5で、約10~約20、より好ましくは約12~約18の予備アルカリ度を有する。
【0040】
錯化剤
錯化剤は、硬質イオン、特にカルシウム及び/又はマグネシウムを隔離することができる物質である。本発明の組成物は、高レベルの錯化剤を含むことができるが、レベルは高すぎるべきではなく、さもなければ酵素、特にプロテアーゼが悪影響を受ける可能性がある。錯化剤の濃度が高すぎると、ガラスケアにも悪影響を及ぼすおそれがある。
【0041】
本発明の組成物は、組成物の15重量%~50重量%、好ましくは20重量%~40重量%、より好ましくは20重量%~35重量%の、メチルグリシン-N,N-二酢酸(MGDA)、グルタミン酸-N,N-二酢酸(GLDA)、イミノジコハク酸(IDS)、クエン酸、アスパラギン酸-N,N-二酢酸(ASDA)、その塩及びそれらの混合物からなる群から選択される錯化剤を含み得る。本明細書での使用にとりわけ好ましい錯化剤は、MGDAの塩、特にMGDAの三ナトリウム塩である。シトラート及びMGDAの三ナトリウム塩の混合物も、本明細書での使用に好ましい。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の15重量%~40重量%のMGDAの三ナトリウム塩を含む。
【0042】
本発明の組成物の錯化剤は、制御放出手段によって達成することができるゆっくりとした様式で洗浄サイクルに送達される。
【0043】
制御放出手段は、制御放出を提供するように設計されたコーティング又はコーティングの混合物を有する任意の適切な粒子を含むことができる。コーティングは、例えば、難水溶性物質を含んでもよく、又は厚いコーティングの溶解動態が制御された放出速度を提供するのに十分な厚さのコーティングであり得る。錯化剤は、コーティングされた粒子が洗浄サイクルに送達されるときではなく、錯化剤がコーティングから放出されるときに、例えば、コーティングの溶融、崩壊及び/又は溶解によって洗浄サイクルに送達されると考えられる。
【0044】
適切なコーティング材料としては、トリグリセリド(例えば、部分水素化植物油、大豆油、綿実油)、モノ又はジグリセリド、微結晶ワックス、ゼラチン、セルラーゼ、脂肪酸及びそれらの任意の混合物が挙げられる。
【0045】
他の好適なコーティング材料は、アルカリ及びアルカリ土類金属の硫酸塩、ケイ酸塩及び炭酸塩、例えば炭酸カルシウム及びシリカを含むことができる。
【0046】
好ましいコーティング材料は、1.6:1~3.4:1、好ましくは2.2:1~2.8:1のSiO2:Na2O比のケイ酸ナトリウムであり、過炭酸塩の2重量%~10重量%(通常3重量%~5重量%)のケイ酸塩固体のレベルを与える水溶液として適用される。ケイ酸マグネシウムがコーティングに含まれていてもよい。
【0047】
任意の無機塩コーティング材料を有機結合剤材料と組み合わせて、複合無機塩/有機結合剤コーティングを提供することができる。好適な結合剤としては、アルコール1モル当たり5~100モルのエチレンオキシドを含有するC10~C20アルコールエトキシレート、より好ましくはアルコール1モル当たり20~100モルのエチレンオキシドを含有するC15~C20第一級アルコールエトキシレートが挙げられる。
【0048】
他の好ましい結合剤としては、特定のポリマー材料が挙げられる。12,000~700,000の平均分子量を有するポリビニルピロリドン及び600~5×10^6、好ましくは1000~400,000、最も好ましくは1000~10,000の平均分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)が、このようなポリマー材料の例である。無水マレイン酸とエチレン、メチルビニルエーテル又はメタクリル酸とのコポリマーであって、無水マレイン酸がポリマーの少なくとも20モルパーセントを構成するコポリマーは、結合剤として有用なポリマー材料の更なる例である。これらのポリマー材料は、それ自体で、又は水、プロピレングリコール、及び1モル当たり5~100モルのエチレンオキシドを含有する上述のC10~C20アルコールエトキシレート等の溶媒と組み合わせて使用することができる。結合剤の更なる例としては、C10~C20モノ及びジグリセロールエーテル並びにC10~C20脂肪酸も挙げられる。
【0049】
セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース、並びにホモ若しくはコポリマーポリカルボン酸又はそれらの塩は、本明細書での使用に適した結合剤の他の例である。コーティング材料を適用する1つの方法は、凝集を含む。好ましい凝集プロセスは、上述した有機結合剤材料のいずれかの使用を含む。パン型、回転ドラム型及び縦型ブレンダータイプを含むがこれらに限定されない任意の従来の凝集機/ミキサーを使用することができる。溶融コーティング組成物はまた、漂白剤の移動床に注ぐか、又はスプレー噴霧することのいずれかによって適用されてもよい。
【0050】
制御放出を提供するための他の手段は、その中に含まれる成分の制御放出のためのカプセル、特に成分の制御放出のための水溶性カプセルに関する。遅延放出のために、カプセルは、(a)水溶性ポリマー(例えば、ポリビニルアルコールグレード樹脂)を含み、密封された内部カプセル体積を画定するカプセルシェルであって、約100μm~約5000μmの範囲の壁厚を有する、カプセルシェルと、(b)密封された内部カプセル体積中に含有される遅延放出のための成分(例えば、有機錯化剤)とからなり得る。特定の壁厚では、これは、約5分後、又は10分後、又は更に15分後に含有成分の放出をもたらし得る。経時的な成分の放出を可能にする制御放出のために、同じカプセルを使用することができ、ピンホールを追加して、内部カプセル体積とカプセルシェルの外部の環境との間の連通を可能にし、内部カプセル体積の内側から外部環境(例えば、洗浄水)への含有成分の制御放出を可能にする。ピンホールの特定のサイズにおいて、これは、約5分間、又は更に10分間にわたって、含有される成分の着実な放出をもたらし得る。
【0051】
必要な制御放出を提供する他の手段としては、錯化剤の物理的特性を変化させてその溶解度及び放出速度を制御するための機械的手段が挙げられる。適切な手段としては、圧縮、機械的注入、手動注入、及び任意の粒子成分の粒径の選択による錯化剤の溶解度の調整が挙げられる。錯化剤は押出成形され、ペレット又は他の形状に形成され得る。
【0052】
粒子サイズの選択は、微粒子成分の組成、及び所望の制御放出動態を満たす要望の両方に依存するが、粒子サイズは500マイクロメートルより大きくあるべきであり、好ましくは800~1200マイクロメートルの平均粒子直径を有することが望ましい。
【0053】
制御放出の更なる手段としては、組成物が洗浄溶液に導入されたときに、その中に提供されるイオン強度環境が、必要な制御放出動態を達成することを可能にするように、洗剤組成物マトリックスの任意の他の成分を適切に選択することが挙げられる。
【0054】
好ましくは、錯化剤は、決められた時間にリザーバから送達される。
【0055】
漂白剤
本発明の組成物は、好ましくは、組成物の約8~約30重量%、より好ましくは約9~約25重量%、更により好ましくは約9~約20重量%の漂白剤を含む。好ましくは、本発明の組成物は過炭酸ナトリウムを含む。好ましくは、漂白剤は漂白触媒と同時に送達される。
【0056】
無機及び有機漂白剤が、本明細書における使用に好適である。無機漂白剤には、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過硫酸塩及び過ケイ酸塩などの過水和塩が挙げられる。無機過水和塩は、通常、アルカリ金属塩である。無機過水和塩は、追加の保護なしの結晶性固体として含まれ得る。あるいは、塩はコーティングされていてもよい。好適なコーティングには、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム及びこれらの混合物が挙げられる。当該コーティングは、表面に塗布される混合物として塗布されるか、又は順次積層して塗布され得る。
【0057】
アルカリ金属過炭酸塩、特に過炭酸ナトリウムは、本明細書における使用に好ましい漂白剤である。過炭酸塩は、最も好ましくは、製品内安定性を提供するコーティングされた形態で製品に組み込まれる。
【0058】
過酸化モノ過硫酸カリウムは、本明細書で有用な別の無機過水和塩である。
【0059】
典型的な有機漂白剤は、有機ペルオキシ酸、特にドデカンジペルオキシ酸、テトラデカンジペルオキシ酸及びヘキサデカンジペルオキシ酸である。モノ及びジペルアゼライン酸、モノ及びジペルブラシル酸も、本明細書において好適である。ジアシル及びテトラアシル過酸化物、例えば過酸化ジベンゾイル及び過酸化ジラウロイルは、本発明の関連において使用可能な他の有機過酸化物である。
【0060】
更なる典型的な有機漂白剤としては、ペルオキシ酸が挙げられ、具体例は、アルキルペルオキシ酸及びアリールペルオキシ酸である。好ましい代表例は、(a)ペルオキシ安息香酸及びその環置換の誘導体、例えばアルキルペルオキシ安息香酸の他、ペルオキシ-α-ナフトエ酸及びモノペルフタル酸マグネシウム、(b)脂肪族又は置換脂肪族ペルオキシ酸、例えばペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、ε-フタルイミドペルオキシカプロン酸[フタロイミノペルオキシヘキサン酸(PAP)]、o-カルボキシベンズアミドペルオキシカプロン酸、N-ノネニルアミドペルアジピン酸及びN-ノネニルアミドペルスクシネート、並びに(c)脂肪族及び芳香脂肪族ペルオキシジカルボン酸、例えば1,12-ジペルオキシカルボン酸、1,9-ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシブラシル酸、ジペルオキシフタル酸、2-デシルジペルオキシブタン-1,4-二酸、N,N-テレフタロイルジ(6-アミノペルカプロン酸)である。
【0061】
漂白触媒
本明細書の組成物は、漂白触媒、好ましくは金属含有漂白触媒を含む。より好ましくは、金属含有漂白触媒は、遷移金属含有漂白触媒、特にマンガン又はコバルト含有漂白触媒である。
【0062】
本明細書での使用に好ましい漂白触媒としては、マンガントリアザシクロノナン及び関連する錯体、Co、Cu、Mn、及びFeビスピリジルアミン及び関連する錯体、並びにペンタミン酢酸コバルト(III)及び関連する錯体が含まれる。
【0063】
本発明の組成物は、好ましくは、組成物の0.001~0.5、より好ましくは0.002~0.05重量%の漂白触媒を含む。好ましくは、漂白触媒はマンガン漂白触媒であり、より好ましくはマンガン1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアゾシクロノナンである。
【0064】
漂白活性化剤
漂白活性化剤は、典型的には、60℃以下の温度での洗浄の過程で漂白作用を強化する有機過酸前駆体である。本明細書での使用に好適な漂白活性化剤には、過加水分解条件下で、好ましくは1~12個の炭素原子、特に2~10個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキソカルボン酸(peroxoycarboxylic acid)、及び/又は任意に置換された過安息香酸を与える化合物が含まれる。好適な物質は、炭素原子の数が指定されているO-アシル基及び/若しくはN-アシル基並びに/又は任意に置換されたベンゾイル基を有する。ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N-アシルイミド、特にN-ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn-ノナノイル-又はイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-又はイソ-NOBS)、デカノイルオキシ安息香酸(DOBA)、無水カルボン酸、特に無水フタル酸、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、二酢酸エチレングリコール及び2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフラン、並びにクエン酸トリエチルアセチル(TEAC)も好まれる。存在する場合、本発明の組成物は、組成物の0.01~5、好ましくは0.2~2重量%の漂白活性化剤、好ましくはTAEDを含む。好ましくは、漂白活性化剤は漂白剤と同時に送達される。
【0065】
ホスホネート
本発明の組成物は、高レベルのホスホネート、好ましくはHEDPを含む。組成物は、好ましくは組成物の1重量%~7重量%、より好ましくは1重量%~6重量%のHEDPを含む。
【0066】
ポリマー
ポリマーは、存在する場合、第2の組成物の約0.1重量%~約30重量%、好ましくは0.5重量%~約20重量%、より好ましくは1重量%~15重量%の任意の好適な量で使用される。スルホン化/カルボキシル化ポリマーは、第2の組成物に特に好適である。
【0067】
本明細書に記載される好適なスルホン化/カルボキシル化ポリマーは、約100,000Da以下、又は約75,000Da以下、又は約50,000Da以下、又は約3,000Da~約50,000Da、好ましくは約5,000Da~約45,000Daの重量平均分子量を有し得る。
【0068】
好ましいスルホン化モノマーは、1-アクリルアミド-1-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、3-メタクリルアミド-2-ヒドロキシ-プロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-(2-プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3-スルホプロピル、3-スルホ-プロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミド、及び上述の酸又はこれらの水溶性塩の混合物のうちの1つ以上を含む。
【0069】
好ましくは、このポリマーは、以下の濃度の各種モノマー、すなわち、ポリマーの約40~約90重量%、好ましくは約60~約90重量%の1種以上のカルボン酸モノマー、ポリマーの約5~約50重量%、好ましくは約10~約40重量%の1種以上のスルホン酸モノマー、及び任意にポリマーの約1重量%~約30重量%、好ましくは約2~約20重量%の1種以上の非イオン性モノマーを含む。特に好ましいポリマーは、ポリマーの約70重量%~約80重量%の少なくとも1種のカルボン酸モノマー及びポリマーの約20重量%~約30重量%の少なくとも1種のスルホン酸モノマーを含む。
【0070】
ポリマー中、カルボン酸基又はスルホン酸基の全て又はいくつかが中和形態で存在していてよく、すなわちいくつか又は全ての酸性基中のカルボン酸基及び/又はスルホン酸基の酸性水素原子が、金属イオン、好ましくはアルカリ金属イオン、特にナトリウムイオンと置き換えられ得る。カルボン酸は、好ましくは(メタ)アクリル酸である。スルホン酸モノマーは、好ましくは2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0071】
好ましい市販のポリマーとしては、Alco Chemicalによって供給されるAlcosperse240、Aquatreat AR540、及びAquatreat MPS、Rohm & Haasによって供給されるAcumer3100、Acumer2000、Acusol587G及びAcusol588G、BF Goodrichによって供給されるGoodrich K-798、K-775及びK-797、並びにISP technologies Inc.によって供給されるACP1042が挙げられる。特に好ましいポリマーは、Rohm&Haasによって供給されるAcusol587G及びAcusol588Gである。
【0072】
適切なポリマーには、低分子量のアニオン性カルボン酸ポリマーが含まれる。それらは、約200,000g/モル以下、又は約75,000g/モル以下、又は約50,000g/モル以下、又は約3,000g/モル~約50,000g/モル、好ましくは約5,000g/モル~約45,000g/モルの重量平均分子量を有するホモポリマー又はコポリマーであり得る。ポリマーは、1,000~20,000、特に2,000~10,000、及び特に好ましくは3,000~5,000の平均分子量を有するポリアクリレートの低分子量ホモポリマーであってもよい。
【0073】
ポリマーは、70,000未満の分子量を有する、アクリル酸とメタクリル酸とのコポリマー、アクリル酸及び/又はメタクリル酸とマレイン酸とのコポリマー並びにアクリル酸及び/又はメタクリル酸とフマル酸とのコポリマーであってもよい。それらの分子量は、2,000~80,000g/モル、より好ましくは20,000~50,000g/モル、特に30,000~40,000g/モルの範囲であり、(メタ)アクリレートとマレエート又はフマレートセグメントとの比は30:1~1:2である。
【0074】
ポリマーは、3,000~100,000、あるいは4,000~20,000の分子量を有するアクリルアミドとアクリレートとのコポリマーであってもよく、ポリマーの50重量%未満、あるいは20重量%未満のアクリルアミド含有量も使用され得る。あるいは、そのようなポリマーは、4,000~20,000の分子量、及びポリマーの0重量%~15%のアクリルアミド含有量を有してもよい。
【0075】
本明細書で好適なポリマーには、イタコン酸ホモポリマー及びコポリマーも含まれる。
【0076】
あるいは、ポリマーは、アルコキシル化ポリアルキレンイミン、アルコキシル化ポリカルボキシレート、ポリエチレングリコール、スチレンコポリマー、セルロースサルフェートエステル、カルボキシル化多糖、両親媒性グラフトコポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0077】
界面活性剤
本明細書での使用に好適な界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が挙げられ、好ましくは、組成物は、いかなる他の界面活性剤も含まない。従来的には、非イオン性界面活性剤は、表面修飾目的、特に膜形成及び斑点形成を回避し、光沢を改善するためのシート化を目的として、自動食器洗浄において使用されてきた。非イオン性界面活性剤は、汚れの再堆積の防止にも寄与することができることが判明している。好ましくは、本発明の組成物は、0.5%~10%、より好ましくは1%~8%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0078】
好ましくは、本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤系を含み、より好ましくは、非イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤系は、蒸留水中、濃度1%で測定した場合に40~70℃、好ましくは45~65℃の転相温度を有する。「非イオン性界面活性剤系」とは、本明細書において、2つ以上の非イオン性界面活性剤の混合物を意味する。非イオン性界面活性剤系が、本明細書での使用に好適である。これらは、単一の非イオン性界面活性剤よりも、製品中で、改善された洗浄及び仕上がり特性並びに良好な安定性を有すると考えられる。
【0079】
転相温度とは、それよりも低い温度では界面活性剤又はその混合物が油膨張ミセルとして水性相中に優先的に分配され、それよりも高い温度では水膨張逆ミセルとして油性相に優先的に分配される温度である。転相温度は、混濁が生じる温度を識別することによって視覚的に判断することができる。
【0080】
非イオン性界面活性剤又は系の転相温度は、以下のように判断することができる。蒸留水中、溶液の1重量%の対応する界面活性剤又は混合物を含有する溶液を調製する。溶液を軽く撹拌した後、転相温度を分析して、プロセスが化学平衡で生じることを確実にする。転相温度は、75mm密封ガラス試験管中に溶液を浸漬することによって熱安定性の浴槽内で測定する。漏れがないことを確実にするために、転相温度の測定の前後に試験管を秤量しておく。温度が事前予測した転相温度より数度下に達するまで、温度を1℃/分未満の速度で徐々に増加させる。転相温度は、濁りの最初の兆候があった時点で視覚的に判断される。
【0081】
好適な非イオン性界面活性剤としては、i)6~20個の炭素原子を有するモノヒドロキシアルカノール又はアルキルフェノール(alkyphenol)と、アルコール又はアルキルフェノール1モル当たり、好ましくは少なくとも12モル、特に好ましくは少なくとも16モル、更により好ましくは少なくとも20モルのエチレンオキシドとの反応によって調製される、エトキシル化非イオン性界面活性剤、ii)6~20個の炭素原子及び少なくとも1つのエトキシ基及びプロポキシ基を有するアルコールアルコキシル化界面活性剤、が挙げられる。界面活性剤i)とii)との混合物が、本明細書での使用に好ましい。
【0082】
他の好適な非イオン性界面活性剤は、次式で表されるエポキシキャップ化ポリ(オキシアルキル化)アルコールであり、
R1O[CH2CH(CH3)O]x[CH2CH2O]y[CH2CH(OH)R2] (I)
式中、R1は、4~18個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基であり、R2は、2~26個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基であり、xは、0.5~1.5、より好ましくは約1の平均値を有する整数であり、yは、少なくとも15、より好ましくは少なくとも20の値を有する整数である。
【0083】
好ましくは、式Iの界面活性剤は、末端エポキシド単位[CH2CH(OH)R2]中に少なくとも約10個の炭素原子を有する。本発明によれば、式Iの好適な界面活性剤は、例えば、Olin Corporationによる1994年10月13日に公開された国際公開第94/22800号に記載の、Olin CorporationのPOLY-TERGENT(登録商標)SLF-18B非イオン性界面活性剤である。
【0084】
無機ビルダー
本発明の組成物は、好ましくは、無機ビルダーを含む。好適な無機ビルダーは、炭酸塩、ケイ酸塩及びこれらの混合物からなる群から選択される。炭酸ナトリウムが、本明細書での使用に特に好ましい。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の5~60重量%、より好ましくは10~50重量%、特に15~45重量%の炭酸ナトリウムを含む。本発明の組成物は、組成物の2重量%~8重量%、好ましくは3重量%~6重量%の結晶質ケイ酸塩ナトリウムを含み得る。結晶質ケイ酸塩ナトリウムは、好ましくは層状ケイ酸塩であり、好ましくは、組成NaMSix O2x+1.y H2Oを有し、式中、Mはナトリウム又は水素を表し、xは1.9~4であり、yは0~20である。本明細書での使用にとりわけ好ましいケイ酸塩は、以下の式Na2Si2O5を有する。
【0085】
酵素
本明細書の酵素変異体を説明する際、参照しやすいように以下の命名法が用いられる:元のアミノ酸:位置:置換アミノ酸。標準的な酵素IUPACのアミノ酸の1文字コードを使用する。
【0086】
プロテアーゼ
本発明の組成物は、好ましくはプロテアーゼを含む。2種以上のプロテアーゼの混合物はまた、特に再付着防止剤及び/又はスルホン化ポリマーとともに使用されるとき、より広い温度、サイクル持続時間、及び/又は基質範囲にわたって洗浄の増強に貢献することができ、優れた光沢効果を提供することができる。
【0087】
好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられ、例えば、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってもよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に修飾された変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下のものが挙げられる。(a)サブチリシン(EC 3.4.21.62)、特に国際公開第2004067737号、同第2015091989号、同第2015091990号、同第2015024739号、同第2015143360号、米国特許第6,312,936号、同第5,679,630号、同第4,760,025号、独国特許公開第102006022216(A1)号、同第102006022224(A1)号、国際公開第2015089447号、同第2015089441号、同第2016066756号、同第2016066757号、同第2016069557号、同第2016069563号、同第2016069569号に記載されている、バチルス種(Bacillus sp.)、B.レンタス(B.lentus)、B.アルカロフィラス(B.alkalophilus)、B.ズブチリス(B.subtilis)、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.プミルス(B.pumilus)、B.ギブソニイ(B.gibsonii)及びB.アキバイ(B.akibaii)などのバチルス由来のもの。
(b)国際公開第89/06270号に記載されているフサリウム属プロテアーゼ、並びに国際公開第05/052161号及び同第05/052146号に記載されているセルロモナス属に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含むトリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ。
(c)メタロプロテアーゼ、特に国際公開第07/044993(A2)号に記載されているバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)由来のもの。国際公開第2014194032号、同第2014194054号及び同第2014194117号に記載されるバチルス(Bacillus)、ブレビバチルス(Brevibacillus)、サーモアクチノミセス(Thermoactinomyces)、ゲオバチルス(Geobacillus)、パエニバチルス(Paenibacillus)、リシニバシラス(Lysinibacillus)又はスプレプトミセスspp(Streptomyces spp.)、国際公開第2015193488号に記載されているクリベラ・アルミノサ(Kribella alluminosa)由来のもの、並びに国際公開第2016075078号に記載されているストレプトミセス(Streptomyces)及びリソバクター(Lysobacter)由来のもの。
(d)国際公開第92/17577号(Novozymes A/S)に記載されているバチルス種TY145、NCIMB 40339由来のサブチラーゼに対して少なくとも90%の同一性を有するプロテアーゼ、例えば、国際公開第2015024739号及び同第2016066757号に記載されているこのバチルス種TY145サブチラーゼの変異体を含むプロテアーゼなど。
(e)国際公開第2016/205755号及び同第2018/118950号に見られる変異体を含み、1、4、9、21、24、27、36、37、39、42、43、44、47、54、55、56、74、80、85、87、99、102、114、117、119、121、126、127、128、131、143、144、158、159、160、169、182、188、190、197、198、212、224、231、232、237、242、245、246、254、255、256、及び257からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換(配列番号85の番号付けを使用)を含み、国際公開第2016/205755号からの配列番号85のアミノ酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%の同一性を有するプロテアーゼ。
(f)米国特許第10,655,090(B2)号からの配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、より好ましくは少なくとも98%の同一性を有するプロテアーゼ。好ましいプロテアーゼは、米国特許第10,655,090(B2)号の配列番号1と100%の同一性を有する。別の好ましいプロテアーゼは、米国特許第10,655,090(B2)号の配列番号1に関して1~4個の修飾を有する。
【0088】
本発明の洗剤に特に好ましいプロテアーゼは以下のものである。
(a)バチルス・レンタス(Bacillus lentus)由来の野生型酵素と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、更により好ましくは少なくとも99%、とりわけ100%の同一性を示すポリペプチドであり、これは、本明細書に参照により組み込まれる国際公開第00/37627号に示されるようなBPN’番号付与システム及びアミノ酸略号を用いた場合に、以下に示す位置の1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上に突然変異を含む:V68A、N76D、N87S、S99D、S99AD、S99A、S101G、S101M、S103A、V104N/I、G118V、G118R、S128L、P129Q、S130A、Y167A、R170S、A194P、V205I、Q206L/D/E、Y209W及び/又はM222S、並びに/又は、
(b)国際公開第2016/205755号からの配列番号85のアミノ酸配列と少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、更により好ましくは少なくとも99%、特に100%の同一性を有するプロテアーゼであり、以下を含む群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換(配列番号85の番号付けを用いて)を含む:
P54E/G/I/L/Q/S/T/V;S99A/E/H/I/K/M/N/Q/R/T/V;S126A/D/E/F/G/H/I/L/M/N/Q/R/T/V/Y;D127A/E/F/G/H/I/L/M/N/P/Q/S/T/V/W/Y;F128A/C/D/E/G/H/I/K/L/M/N/P/Q/R/S/T/W、A37T、S39E、A47V、T56Y、I80V、N85S、E87D、T114Q、N242D;
最も好ましくは、追加のプロテアーゼは、PB92野生型(国際公開第08/010925号の配列番号2)又はサブチリシン309野生型(N87Sの自然変異を含む以外はPB92主鎖による配列)のいずれかに対して以下の変異(BPN番号方式)を含むプロテアーゼの群から選択される。
(i)G118V+S128L+P129Q+S130A
(ii)S101M+G118V+S128L+P129Q+S130A
(iii)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+N248R
(iv)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+V244R
(v)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A
(vi)V68A+N87S+S101G+V104N
(vii)S99AD
又は国際公開第2018/118950号の配列番号1に対して、1つ以上、好ましくは2つ以上、好ましくは3つ以上、好ましくは4つ以上の、以下の変異を含むプロテアーゼの群から選択される:
P54T、S99M、S126A/G、D127E、F128C/D/E/G、A37T、S39E、A47V、T56Y、I80V、N85S、E87D、T114Q、及びN242D。
【0089】
本明細書での使用に最も好ましいのはプロテアーゼであり、プロテアーゼは、国際公開第2019/125894(A1)号の配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有するバリアントであり、(配列番号1の番号付けを使用して)以下からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む:X54T;X126A、D、G、V、E、K、I;X127E、S、T、A、P、G、C;及びX128E、C、T、D、P、G、L、Y、N及びX211L。好ましくは、バリアントは、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有し、当該バリアントは、(配列番号1の番号付けを使用して)P54T、S126A、D127E、F128G及びM211Lからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。
【0090】
本明細書における使用のための他の好ましいプロテアーゼとしては、プロテアーゼが国際公開第2019/245839(A1)号の配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するバリアントであり、バリアントが、以下から選択される配列番号1の位置に対応する1つ以上の位置において、1つ以上のアミノ酸置換を含む:
1C/D/E/M/N、21L、37A、54A、73V、76D/H/N/T、83G、84D/E/F、85I/M、86I/S/T/V、87T、88M/V、89F/W、91I、95A/N/S、96M/Q、97E、98M、99A/F/H/I/K/L/Q/T/W/Y、102L、104E、105L、106I/V、108A、109I、112C、114M/N、115A/E/H/Q、116A/E/G/H/Q、118A/D/N、122C、124E/Q、126I/Q/V、128H/I/L/M/N/Q/S/T/V/Y、129D/H、130N、131D/E/N/P/Q、135A/D/H/K/L/M/N/Q/T/V/W/Y、138D/E、139E/L、141A/E/F/H/Y、142A/D/E、143E/H/K/M/S/V、156E、及び157C/D/E。
ここで、バリアントのアミノ酸位置は、配列番号1のアミノ酸配列に対応して番号付けされる。
【0091】
好適な市販の追加のプロテアーゼ酵素としては、商品名Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Savinase Evity(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Coronase(登録商標)、Blaze(登録商標)、Blaze Ultra(登録商標)、Blaze Evity(登録商標)及びEsperase(登録商標)としてNovozymes A/S(Denmark)によって販売されているもの;商品名Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、Ultimase(登録商標)、Extremase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)としてDupontによって販売されているもの;商品名Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)としてSolvay Enzymesによって販売されているもの;並びにHenkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわち、BLAP(配列は米国特許第5,352,604号の
図29に示され、S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sの突然変異を有する、本明細書において以降BLAPと称する)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP);並びに花王製のKAP(変異A230V+S256G+S259Nを有するバチルス・アルカロフィラスのサブチリシン)が挙げられる。
【0092】
本明細書で使用するのに特に好ましいのは、Properase(登録商標)、Blaze(登録商標)、Blaze Evity(登録商標)、Savinase Evity(登録商標)、Extremase(登録商標)、Ultimase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Excellase(登録商標)、Blaze Ultra(登録商標)、BLAP及びBLAP変異体からなる群から選択される市販のプロテアーゼである。
【0093】
本発明の製品中のプロテアーゼの好ましいレベルとしては、組成物1g当たり約0.05~約20mg、より好ましくは約0.5~約15mg、特に約2~約12mgの活性プロテアーゼが挙げられる。
【0094】
アミラーゼ
好ましくは、本発明の組成物は、アミラーゼを含み得る。好適なα-アミラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的又は遺伝的に修飾された変異体(バリアント)が含まれる。好ましいアルカリ性α-アミラーゼは、Bacillus株、例えば、バチルス-リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス-ステアロテルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、又は他のバチルス種、例えば、バチルス種NCBI 12289、NCBI 12512、NCBI 12513、DSM 9375(米国特許第7,153,818号)、DSM 12368、DSMZ no.12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)に由来する。好ましいアミラーゼとしては、以下が挙げられる。
(a)国際公開第96/23873号、同第00/60060号、同第06/002643号及び同第2017/192657号に記載されている変異体、特に、国際公開第06/002643号の配列番号12に対して以下の位置に1つ以上の置換を有する変異体:
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、202、214、231、246、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484、好ましくは、D183*及びG184*の欠失も含む変異体。
(b)国際公開第06/002643号の配列番号4、バチルス種722由来の野生型酵素と少なくとも90%の同一性を示す変異体、特に183及び184位に欠失を有する変異体、並びに参照により本明細書に組み込まれる国際公開第00/60060号、同第2011/100410号、及び同第2013/003659号に記載されている変異体。
(c)バチルス種707(米国特許第6,093,562号の配列番号7)由来の野生型酵素と少なくとも95%の同一性を示す変異体、特に以下の位置に1つ以上の変異を含むもの:M202、M208、S255、R172及び/又はM261。好ましくは、当該アミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。M202L又はM202T変異を含むものが、特に好ましい。
(d)国際公開第09/149130号に記載されている変異体、好ましくは同第09/149130号の配列番号1又は配列番号2、ゲオバチルス・ステロファーモフィラス(Geobacillus Stearophermophilus)由来の野生型酵素又はその切断版と少なくとも90%の同一性を示すもの。
(e)国際公開第2016091688号の配列番号1と少なくとも89%の同一性を示す変異体、特にH183+G184位での欠失並びに405、421、422及び/又は428位に1つ以上の突然変異を含むもの。
(f)パエニバチルス・カードラノリティカス(Paenibacillus curdlanolyticus)YK9由来の「PcuAmyl α-アミラーゼ」(国際公開第2014099523号の配列番号3)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示す変異体。
(g)サイトファーガ種(Cytophaga sp.)由来の「CspAmy2アミラーゼ」(国際公開第2014164777号の配列番号1)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示す変異体。
(h)バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)由来のAmyE(国際公開第2009149271号の配列番号1)と少なくとも85%の同一性を示す変異体。
(i)受託番号AB051102を有するバチルス種KSM-K38由来の野生型アミラーゼと少なくとも90%の同一性を示す変異体。
(j)バチルス種由来のAAI10の成熟アミノ酸配列(国際公開第2016180748号の配列番号7)と少なくとも80%の同一性を示す変異体、好ましくは、以下の1つ以上の位置に1つ以上の変異を含むもの(mutation in one or more of the following positions modification in one or more positions):1、54、56、72、109、113、116、134、140、159、167、169、172、173、174、181、182、183、184、189、194、195、206、255、260、262、265、284、289、304、305、347、391、395、439、469、444、473、476、又は477。
(k)融合ペプチドの成熟アミノ酸配列(米国特許出願公開第2019/0169546号の配列番号14)と少なくとも80%の同一性を示す変異体であり、好ましくは、変異H1*、N54S+V56T、A60V、G109A、R116Q/H+W167F、L173V、A174S、Q172N、G182*、D183*、N195F、V206L/Y、V208L、K391A、K393A、I405L、A421H、A422P、A428T、G476K及び/又はG478Kのうちの1つ以上を含むもの。好ましいアミラーゼは、欠失G182*及びG183*の両方と、任意に以下の一連の変異のうちの1つ以上を含む:
1.Hl*+G109A+N195F+V206Y+K391A;
2.H1*+N54S+V56T+G109A+A1745+N195F+V206L+K391A+G476K)
3.H1*+N54S+V56T+A60V+G109A+R116Q+W167F+Q172N+L173V+A1745+N195F+V206L+I405L+A421H+A422P+A428T
4.H1*+N545+V56T+G109A+R116Q+A1745+N195F+V206L+I405L+A421H+A422P+A428T;
5.H1*+N545+V56T+G109A+R116H+A1745+N195F+V208L+K393A+G478K;
(l)アリシクロバチルス(Alicyclobacillus)種アミラーゼ(国際公開第2016180748号の配列番号8)の成熟アミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を示すバリアント。
【0095】
アミラーゼは、遺伝子操作を受けた酵素であり得、漂白酸化を起こしやすいアミノ酸のうちの1つ以上が、酸化を起こしにくいアミノ酸で置換されている。特に、メチオニン残基は、任意の他のアミノ酸で置換されることが好ましい。特に、最も酸化しやすいメチオニンが置換されることが好ましい。好ましくは、配列番号2における202に相当する位置のメチオニンが置換される。好ましくは、この位置のメチオニンは、スレオニン又はロイシン、好ましくはロイシンで置換される。
【0096】
好適な市販のα-アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、ATLANTIC(登録商標)、INTENSA(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A-1200 Wien Austria))、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)、PREFERENZ S(登録商標)シリーズ(PREFERENZ S1000(登録商標)及びPREFERENZ S2000(登録商標)を含む、並びにPURASTAR OXAM(登録商標)(DuPont.(Palo Alto,California))並びにKAM(登録商標)(花王(14-10 Nihonbashi Kayabacho,1-chome,Chuo-ku Tokyo 103-8210,Japan))が挙げられる。一態様では、好適なアミラーゼとしては、ATLANTIC(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、POWERASE(登録商標)、INTENSA(登録商標)及びSTAINZYME PLUS(登録商標)、ACHIEVE ALPHA(登録商標)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0097】
好ましくは、本発明の製品は、組成物1g当たり少なくとも0.01mg、好ましくは約0.05~約10、より好ましくは約0.1~約6、特に約0.2~約5mgの活性アミラーゼを含む。
【0098】
好ましくは、本発明の組成物のプロテアーゼ及び/又はアミラーゼは、粒状体の形態であり、この粒状体は、粒状体の29重量%超の硫酸ナトリウムを含み、並びに/又は硫酸ナトリウム及び活性酵素(プロテアーゼ及び/又はアミラーゼ)は、3:1~100:1、又は好ましくは4:1~30:1、又はより好ましくは5:1~20:1の重量比である。
【0099】
金属ケア剤
金属ケア剤は、アルミニウム、ステンレス鋼、並びに銀及び銅などの非鉄金属を含む金属の曇り、腐食又は酸化を、防止又は低減することができる。好ましくは、本発明の組成物は、製品の0.1~5重量%、より好ましくは0.2~4重量%、特に0.3~3重量%の金属ケア剤を含み、好ましくは、金属ケア剤はベンゾトリアゾール(BTA)である。
【0100】
ガラスケア剤
ガラスケア剤は、食器洗浄プロセス中にガラス製品の外観を保護する。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の0.1~5重量%、より好ましくは0.2~4重量%、特に0.3~3重量%の金属ケア剤を含み、好ましくは、ガラスケア剤は亜鉛含有材料、特に水亜鉛土である。
【0101】
カチオン性ポリマー
組成物は、好ましくは、組成物の0.5~5重量%、好ましくは0.5~2重量%のカチオン性ポリマーを含む。カチオン性ポリマーは、膜張りの利点を提供する。カチオン性ポリマーは、
i.60重量%~99重量%の、式Iの少なくとも1つのモノエチレン性不飽和ポリアルキレンオキシドモノマー(モノマー(A))のカチオン性ポリマー:
【0102】
【化1】
(式中、変数は以下の意味を有する:
Yが-O-である場合、Xは、-CH2-又は-CO-であり、
Yが-NH-である場合、Xは、-CO-であり、
Yは、-O-又は-NH-であり、
R1は、水素又はメチルであり、
R2は、同じか又は異なるC2~C6-アルキレンラジカルであり、
R3は、H又はC1~C4アルキルであり、
nは、3~100、好ましくは15~60の整数である)と、
ii.1~40重量%の、式IIa~IIdのモノマー(モノマー(B))のうちの少なくとも1つからなる群から選択される少なくとも1つの四級化窒素含有モノマーのカチオン性ポリマー:
【0103】
【化2】
(式中、変数は以下の意味を有する:
Rは、C1~C4アルキル又はベンジルであり、
R’は、水素又はメチルであり、
Yは、-O-又は-NH-であり、
Aは、C1~C6アルキレンであり、
X-は、ハロゲン化物、C1~C4-アルキルサルフェート、C1~C4-アルキルスルホネート及びC1~C4-アルキルカーボネートである)と、
iii.0~15重量%の、少なくとも1つのアニオン性モノエチレン性不飽和モノマー(モノマー(C))のカチオン性ポリマーと、
iv.0~30重量%の、少なくとも1つの他の非イオン性モノエチレン性不飽和モノマー(モノマー(D))のカチオン性ポリマーと、
からの共重合形態を含み、
カチオン性ポリマーは、2,000~500,000、好ましくは25,000g/モル~200,000g/モルの重量平均分子量(Mw)を有する。
【0104】
好ましいカチオン性ポリマーでは、モノマー(A)の変数は、以下の意味を有する:
Xは、-CO-であり、
Yは、-O-であり、
R1は、水素又はメチルであり、
R2は、エチレン、直鎖若しくは分枝鎖のプロピレン、又はこれらの混合物であり、
R3は、メチルであり、
nは、15~60の整数である。
【0105】
好ましくは、カチオン性ポリマーは、60~98重量%のモノマー(A)と、1~39重量%のモノマーBと、0.5~6重量%のモノマー(C)とを含む。
【0106】
好ましいカチオン性ポリマーにおいて、モノマー(A)は、メチルポリエチレングリコール(メタ)アクリレートであり、モノマー(B)は、3-メチル-1-ビニルイミダゾリウムの塩である。
【0107】
好ましくは、カチオン性ポリマーは、69~89%のモノマー(A)と、9~29%のモノマー(B)とを含む。
【0108】
好ましいカチオン性ポリマーにおいて、モノマー(A)とモノマー(B)との重量比は≧2:1であり、コポリマーがモノマー(C)を含む場合、モノマー(B)とモノマー(C)との重量比はまた、≧2:1、より好ましくは≧2.5:1であり、好ましくは、モノマー(A)はメチルポリエチレングリコール(メタ)アクリレートを含み、モノマー(B)は3-メチル-1-ビニルイミダゾリウムの塩を含む。
【0109】
本発明による好ましい組成物は、
a)組成物の20重量%~40重量%のMGDA、好ましくはメチルグリシン-N,N-二酢酸の三ナトリウム塩と、
b)組成物の8~30重量%の過炭酸ナトリウムと、
c)組成物の0.001重量%~0.5重量%のマンガン漂白触媒と、
d)組成物の10重量%~30重量%の炭酸塩と、
e)組成物の0.5重量%~6重量%のHEDPと、
f)組成物の2重量%~6重量%のポリマー、好ましくはスルホネートポリマーと、
g)非イオン性界面活性剤と、
h)アミラーゼと、
i)プロテアーゼと、任意に
j)ガラス及び/又は金属ケア剤とを含む。
【0110】
自動食器洗浄の方法
本発明の方法は、食器を本発明の組成物に供する工程を含む。方法は、高レベルの重炭酸塩を含有する水でも、あらゆる種類の、すなわち異なる硬度を有する水で非常に良好な洗浄を提供する。「硬水」とは、本明細書では、2.5~6.5mmol/lのカルシウムイオン及びマグネシウムイオンを有する水を意味する。
【実施例】
【0111】
2つの自動食器洗浄用の洗浄組成物を、本明細書において以下に詳述されるように作製した。
【0112】
I.試験組成物の調製
以下の組成物を用いて試験を実施した。
【0113】
【表1】
1WeylChemから供給されるMnTACN(1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン)+TAED(テトラアセチルエチエンジアミン)共顆粒物
2Dow Chemicalによって供給されるスルホン化ポリマー
3BASFによって供給される非イオン性界面活性剤
4BASFによって供給される非イオン性界面活性剤
【0114】
II.試験しみ
使用した試験しみは、以下の手順(IKW作業グループの自動食器洗浄洗剤からのRecommendations for the Quality Assessment of the Cleaning Performance of Dishwasher Detergents(Part B,Update 2015)から採用)を用いて調製した、黒アッサム茶で汚れたティーカップ(Schonwald、厚さ6~8mm)であった。
1.3mmolのCa及びMg(16.8°d)水を調製し、HCl又はNaOHを用いてpH7.5に調整する。
2.脱塩水1リットルにFe2(SO4)3+1ml HCl(37%)を5g添加して、硫酸鉄溶液を調製する。
3.硫酸鉄0.2mlを3mmolの水4リットルに添加し、沸騰させる。
4.30gのTwinnings Assamルーズリーフティーをそれぞれ含む2袋のティーバッグを用意する。
5.水が沸騰したら、ティーバッグを加え、5分間淹出する。
6.5分後、ティーカップに約93℃であるべき100mlの茶を充填する。
7.カップが空になるまで5分ごとに紅茶20mLを取り出す。
8.この工程をもう一度繰り返して、新たに紅茶を煎じる。
9.汚れたカップは、性能試験で使用する前に室温及び湿度で少なくとも3日間貯蔵される。
【0115】
III.追加のバラスト汚れ1
試験に追加の汚れストレスを加えるために、以下に記載する手順によって調製されるように、汚れのブレンドを食器洗浄機に加える。
【0116】
【0117】
汚れの調製
1.植物油及び全卵を合わせ、よく混ぜる(約30分)。
2.ケチャップ及びマスタードを添加し、なお激しく撹拌する。
3.脂肪を溶融し、約40℃に冷却し、次いで混合物に添加し、十分にブレンドする。
4.クリーム及び乳を加えて撹拌する。
5.粉末固体成分を添加し、全てを滑らかなペーストに混合する。
6.50gの汚れ混合物をプラスチックポットに入れ、凍結させる。
【0118】
IV.試験洗浄の手順
【0119】
【表3】
5メチルグリシン二酢酸三ナトリウム塩(MGDA)
【0120】
(実施例1)
以下に示すように、1回分の洗剤及び別個の追加のMGDA溶液を自動食器洗浄機に添加した。MGDA溶液は、以下の表で指定されるように投与した。第3の列は、「=」記号の左側に時間を示し、「=」記号の右側にMGDAの総量に対するMGDAの割合を示す。
【0121】
【0122】
食器洗浄機に上記のアイテムを装填し、これを上記の表に示すように投与した組成物1及びMGDA溶液を使用して洗浄した。試験を2回繰り返し、各試験脚について4連のティーカップを割り当てた(1回の洗浄につき2連)。次いで、アイテムを1-10の視覚的尺度で等級付けし、1は除去なしであり、10は茶渋の完全な除去である。平均ティーカップスコアを計算し、以下に示す。
【0123】
【0124】
分かるように、MGDAの放出を遅延させるか、又はある期間にわたって放出をゆっくりにさせるかのいずれかが、茶の洗浄を改善する。
【0125】
(実施例1)
以下に示すように、1回分の洗剤及び別個の追加のMGDA溶液を自動食器洗浄機に添加した。MGDA溶液は、組成物1又は2(t=0)と一緒に主洗浄の開始時に完全に投与されたか、あるいはMGDA溶液の5つの等しい一定分量が、t=0で始まる600秒の期間にわたって特定の間隔で添加された。
【0126】
【0127】
食器洗浄機に上記のアイテムを入れ、これを処方A、B、C及びDを用いて4回洗浄し、各試験脚につき8連のティーカップを割り当てた(1回の洗浄につき2連)。次いで、アイテムを1-10の視覚的尺度で等級付けし、1は除去なしであり、10は茶渋の完全な除去である。平均ティーカップスコアを計算し、以下に示す。
【0128】
【0129】
分かるように、MGDAの添加の遅延放出は、茶の洗浄を改善する。洗浄組成物がより高レベルのHEDPを含む場合、茶洗浄は更に改善される。
【0130】
(実施例2)
以下に示すように、1回分の洗剤及び別個の追加のMGDA溶液を自動食器洗浄機に添加した。MGDA溶液は、以下の表で指定されるように投与した。第3の列は、「=」記号の左側に時間を示し、「=」記号の右側にMGDAの総量に対するMGDAの割合を示す。
【0131】
【0132】
食器洗浄機に上記のアイテムを装填し、これを上記の表に示すように投与した組成物1及びMGDA溶液を使用して洗浄した。試験を2回繰り返し、各試験脚について4連のティーカップを割り当てた(1回の洗浄につき2連)。次いで、アイテムを1-10の視覚的尺度で等級付けし、1は除去なしであり、10は茶渋の完全な除去である。平均ティーカップスコアを計算し、以下に示す。
【0133】
【0134】
分かるように、MGDAの放出を遅延させるか、又はある期間にわたって放出をゆっくりにさせるかのいずれかが、茶の洗浄を改善する。
【0135】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。