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▶ シァメン ホンファ エレクトリック パワー コントロールズ カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】永久磁石消弧付きの高圧直流リレー
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/38 20060101AFI20241126BHJP
   H01H 50/00 20060101ALI20241126BHJP
   H01H 50/54 20060101ALI20241126BHJP
   H01H 9/44 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
H01H50/38 H
H01H50/00 D
H01H50/54 B
H01H9/44 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023536011
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 CN2022075540
(87)【国際公開番号】W WO2022179393
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】202110220485.5
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110807850.2
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518215954
【氏名又は名称】シァメン ホンファ エレクトリック パワー コントロールズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Xiamen Hongfa Electric Power Controls Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.93 Yinong Road, Haicang District, Xiamen, Fujian 361027,China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ダイ,ウェングアン
(72)【発明者】
【氏名】ス,リジ
(72)【発明者】
【氏名】ファ,ウェンハオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ソンシェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,メン
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ヤオシャン
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特表平06-506316(JP,A)
【文献】特開2012-038683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/38
H01H 50/00
H01H 50/54
H01H 9/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの固定接点引出端及び1つの可動接触子を含み、前記可動接触子は、2つの前記固定接点引出端の下方に配置され、且つ前記可動接触子の両端は、可動接点として、2つの前記固定接点引出端の固定接点としての底端にそれぞれ対応し、
前記可動接触子の周囲において接点位置に対応して第一永久磁石がそれぞれ配置され、且つ第一永久磁石の極性を有する面は対応する接点に向くことにより、前記第一永久磁石が形成する水平磁場を利用して消弧を実現する永久磁石消弧付きの高圧直流リレーにおいて、
2つの前記固定接点引出端において、固定接点に背向する面には、さらに第三永久磁石が取り付けられ、且つ前記第三永久磁石の極性を有する面を対応する接点に向け、且つ前記第三永久磁石の接点に向かう面の極性を、前記第一永久磁石の接点に向かう面の極性と逆にして、前記第一永久磁石及び前記第三永久磁石を利用して接点箇所に縦方向磁場を形成し且つ接点箇所の磁場強度を強化してさらに消弧を実現することを特徴とする、永久磁石消弧付きの高圧直流リレー。
【請求項2】
前記固定接点引出端の上端には、下向きに凹んだ第二凹溝が設けられ、前記第三永久磁石は、前記第二凹溝に嵌め込まれ、且つ前記第三永久磁石を対応する接点に接近させる
ことを特徴とする、請求項1に記載の永久磁石消弧付きの高圧直流リレー。
【請求項3】
前記第三永久磁石は円形であり、前記第二凹溝の断面は、前記第三永久磁石に対応する円形形状であり、前記第三永久磁石は、対応する同一水平面において前記固定接点引出端の中間に位置することを特徴とする、請求項2に記載の永久磁石消弧付きの高圧直流リレー。
【請求項4】
2つの前記可動接点は、前記可動接触子の両端に一体成形された突起であることを特徴とする、請求項3に記載の永久磁石消弧付きの高圧直流リレー。
【請求項5】
前記第一永久磁石は2つであり、2つの前記第一永久磁石は、前記可動接触子の長手方向の両端の外側にそれぞれ配置され、前記可動接触子の両端の突起は、2つの前記固定接点引出端の底端とそれぞれ偏心して接触することを特徴とする、請求項4に記載の永久磁石消弧付きの高圧直流リレー。
【請求項6】
前記可動接触子の両端の突起は、前記可動接触子の両端の端縁にそれぞれ設けられ、2つの前記固定接点引出端と前記可動接触子の両端の突起との接触位置は、2つの前記固定接点引出端の底端の相対的外側に位置することを特徴とする、請求項5に記載の永久磁石消弧付きの高圧直流リレー。
【請求項7】
前記固定接点引出端の底端面は円形であり、前記固定接点引出端と前記可動接触子の突起との接触位置は、前記固定接点引出端の底端面の円形の半径を超えないことを特徴とする、請求項6に記載の永久磁石消弧付きの高圧直流リレー。
【請求項8】
前記高圧直流リレーは、2つの前記第一永久磁石にそれぞれ配置される2つの第一U型ヨークをさらに含み、2つの前記第一U型ヨークのU型の底壁は、対応する前記第一永久磁石の対応する接点に背向する面とそれぞれ接触し、2つの前記第一U型ヨークのU型の両側壁は、前記可動接触子の幅方向の両側にそれぞれ配置され、且つ前記対応する接点に対向することを特徴とする、請求項7に記載の永久磁石消弧付きの高圧直流リレー。
【請求項9】
前記可動接点と前記固定接点の協働位置の基準水平面における投影は、前記第一U型ヨークで囲まれた枠形輪郭の前記基準水平面における投影に入ることを特徴とする、請求項8に記載の永久磁石消弧付きの高圧直流リレー。
【請求項10】
前記第一永久磁石は4つであり、4つの前記第一永久磁石は、前記可動接触子の幅方向の両辺の外側にそれぞれ配置され且つ対応する接点に対向し、且つ同一の接点に対応する2つの前記第一永久磁石の対応する接点に向かう面の極性は同一に設定されることを特徴とする、請求項3または4に記載の永久磁石消弧付きの高圧直流リレー。
【請求項11】
前記高圧直流リレーは、2つの第二U型ヨークをさらに含み、各第二U型ヨークは4つの前記第一永久磁石の2個ずつに配置され、2つの前記第二U型ヨークのU型の底壁は、前記可動接触子の長手方向の両端の外側にそれぞれ対応し、2つの前記第二U型ヨークのU型の両側壁は、前記可動接触子の幅方向の両側にそれぞれ配置され、且つ対応する位置の前記第一永久磁石の対応する接点に背向する面に接触することを特徴とする、請求項10に記載の永久磁石消弧付きの高圧直流リレー。
【請求項12】
前記可動接触子は、前記第一永久磁石の高さの中間位置に対応することを特徴とする、請求項1に記載の永久磁石消弧付きの高圧直流リレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リレー技術分野に関し、特に永久磁石消弧付きの高圧直流リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の直流リレーの多くは可動接触子直動式(ソレノイド直動式とも呼ばれる)手段を用い、その接触部分は2つの固定接点及び1つの可動接触子を用い、2つの固定接点は一般的にセラミックカバーの頂部に取り付けられ、2つの固定接点(すなわち固定接点引出端)の底端はセラミックカバー内に延長され、可動接触子は直動式でセラミックカバー内に分布し、可動接触子の両端は可動接点として2つの固定引出端の固定接点の底端とそれぞれ対応し、可動接触子の両端の可動接点が2つの固定接点の底端の固定接点と接触する場合、電流はその中の1つの固定接点から流入し、可動接触子を通過した後に他の固定接点から流出する。可動接触子はプッシュロッド部品の一端に取り付けられ、プッシュロッド部品の他端は磁気回路部分の可動鉄心に接続され、コイルに電流を流してプッシュロッド部品を上向きに移動させる場合、可動接触子の両端は2つの固定接点にそれぞれ接触し、負荷がオンされ、コイルの電流が遮断される場合、プッシュロッド部品はリターンスプリングの作用を受けて下向きに移動し、可動接触子の両端は2つの固定接点からそれぞれ分離し、負荷がオフされる。従来技術の高圧直流リレーは一般的に永久磁石を用いて消弧し、即ち接点の周囲に永久磁石を配置することにより、永久磁石が生成する磁場を利用してアークブローイングを実現する。最も典型的な永久磁石の配置手段は可動接触子の長手方向の両端の外側にそれぞれ1つの永久磁石を配置することであり、このような二重永久磁石の手段はアークフローの方向が良好であり、無極性の要件を達成するが、磁場強度が弱く(特にアーク発生箇所、引出端の中心箇所)、大負荷製品に対して、セラミックキャビティがより大きく、消弧部分がアーク発生箇所に到達する磁場強度がより小さく、初期消弧効果がよくなく、空間が制限される場合に必ずしもタイムリーに消弧できない。したがって、従来技術のこのような高圧直流リレーは新エネルギー自動車、エネルギー貯蔵項目のシステム負荷に対する向上ニーズを満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の目的は従来技術の欠点を解決し、構造を改善することにより、接触点位置の磁場強度を強化することができ、アーク発生箇所のローレンツ力を常に消弧に有利な方向に向け、これにより消弧効果を向上させる縦方向にアーク引張が可能な高圧直流リレーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、その技術的問題を解決するために用いられる技術的解決手段は以下の通りである:縦方向にアーク引張が可能な高圧直流リレーであって、2つの固定接点引出端及び1つの可動接触子を含み、前記可動接触子は、2つの固定接点引出端の下方に配置され、且つ可動接触子の両端は、可動接点として、2つの固定接点引出端の固定接点としての底端にそれぞれ対応し、可動接触子の周囲において可動接点と固定接点の接触位置に対応して第一永久磁石がそれぞれ配置され、且つ第一永久磁石の極性を有する面は対応する可動接点と固定接点に向くことにより、第一永久磁石が形成する水平磁場を利用して消弧を実現する。可動接触子の下に、各可動接点と固定接点の接触位置に対応してさらに1つの第二永久磁石が設けられ、且つ第二永久磁石の可動接点と固定接点に向かう面の極性を、第一永久磁石の可動接点と固定接点に向かう面の極性と逆にして、第一永久磁石及び第二永久磁石を利用して可動接点と固定接点箇所に縦方向磁場を形成して接点箇所の磁場強度を強化し、さらに消弧を実現する。
【0005】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記第一永久磁石は2つであり、2つの第一永久磁石は、可動接触子の長手の両端の外側にそれぞれ配置される。前記2つの第二永久磁石は、可動接触子の長手の両側にそれぞれ対応し、且つ可動接触子の長手の中間から対応端の可動接点と固定接点の接触位置の直下までの間に設けられる。前記第二永久磁石の基準水平面における投影は2つの第一永久磁石の間の領域の前記基準水平面における投影に入る。
【0006】
本開示のいくつかの実施形態によれば、2つの可動接点と固定接点の接触位置に対応する2つの第二永久磁石は、一体構造である。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記第一永久磁石は2つであり、2つの第一永久磁石は、可動接触子の長手の両端の外側にそれぞれ配置され、前記可動接触子の長手の中間位置にさらに短絡防止リングが取り付けられる。前記2つの第二永久磁石は、可動接触子の長手の両側にそれぞれ対応し、且つ短絡防止リングのエッジから対応端の可動接点と固定接点の接触位置の直下までの間に設けられる。前記第二永久磁石の基準水平面における投影は、2つの第一永久磁石の間の領域の前記基準水平面における投影に入る。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記可動接触子の長手の両端の底面において、可動接点と固定接点の接触位置に対応する直下に上向きに凹んだ第一凹溝が設けられ、前記2つの第二永久磁石は、可動接触子の長手の両端の第一凹溝にそれぞれ嵌め込まれる。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記可動接触子の下方にさらにヨーク板が設けられ、前記2つの第二永久磁石は、可動接触子からヨーク板までの間の領域にそれぞれ取り付けられる。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記可動接触子の下にさらにヨーク板が設けられ、前記2つの第二永久磁石はヨーク板にそれぞれ取り付けられる。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記直流リレーは、2つの第一永久磁石にそれぞれ配置される2つの第一U型ヨークをさらに含み、2つの第一U型ヨークのU型の底壁は、対応する第一永久磁石の対応する接点に背向する面にそれぞれ接触し、2つの第一U型ヨークのU型の両側壁は、可動接触子の幅の両側にそれぞれ配置され、且つ前記対応する接点に対向する。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記可動接点と固定接点の接触位置の基準水平面における投影は、第一U型ヨークで囲まれた枠形輪郭の前記基準水平面における投影に入る。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記第一永久磁石は4つであり、4つの第一永久磁石は、可動接触子の幅の両側の外側にそれぞれ配置され且つ対応する可動接点と固定接点に対向し、且つ同一の可動接点と固定接点に対応する2つの第一永久磁石の対応する可動接点と固定接点に向かう面の極性は同一に設定される。前記2つの第二永久磁石は、2つの可動接点と固定接点の接触位置の下方にそれぞれ位置し、且つ第二永久磁石の基準水平面における投影は、前記同一の可動接点と固定接点に対応する2つの第一永久磁石の間の領域の前記基準水平面における投影に入る。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記2つの第二永久磁石は、2つの可動接点と固定接点の接触位置の直下にそれぞれ位置し、且つ第二永久磁石の基準水平面における投影は、前記同一の可動接点と固定接点に対応する2つの第一永久磁石の中間接続線の前記基準水平面における投影に入る。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記直流リレーは、4つの第一永久磁石にそれぞれ配置される2つの第二U型ヨークをさらに含み、2つの第二U型ヨークのU型の底壁は、可動接触子の長手の両端の外側にそれぞれ対応し、2つの第二U型ヨークのU型の両側壁は、可動接触子の幅の両側にそれぞれ配置され、且つ対応する位置の第一永久磁石の対応する接点に背向する面に接触する。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記可動接触子は第一永久磁石の高さの中間位置に対応する。
【0017】
本開示はさらに永久磁石消弧付きの高圧直流リレーを提供し、2つの固定接点引出端及び1つの可動接触子を含み、前記可動接触子は、2つの固定接点引出端の下方に配置され、且つ可動接触子の両端は、可動接点として、2つの固定接点引出端の固定接点としての底端にそれぞれ対応して協働し、可動接触子の周囲において接点位置に対応して第一永久磁石がそれぞれ配置され、且つ第一永久磁石の極性を有する面は対応する接点に向くことにより、第一永久磁石が形成する水平磁場を利用して消弧を実現する。2つの固定接点引出端において、固定接点に背向する面には、さらに第三永久磁石が取り付けられ、且つ第三永久磁石の極性を有する面を対応する接点に向け、且つ第三永久磁石の接点に向かう面の極性を、第一永久磁石の接点に向かう面の極性にして、第一永久磁石及び第三永久磁石を利用して接点箇所に縦方向磁場を形成し且つ接点箇所の磁場強度を強化してさらに消弧を実現する。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記固定接点引出端の上端には、下向きに凹んだ第二凹溝が設けられ、前記第三永久磁石は、前記第二凹溝に嵌め込まれ且つ前記第三永久磁石を対応する接点に接近させる。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記第三永久磁石は円形であり、前記第二凹溝の断面は、前記第三永久磁石に対応する円形形状であり、前記第三永久磁石は、対応する同一水平面において固定接点引出端の中間に位置する。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記2つの可動接点は、可動接触子の両端に一体成形された突起である。
【0021】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記第一永久磁石は2つであり、2つの第一永久磁石は、可動接触子の長手方向の両端の外側にそれぞれ配置され、可動接触子の両端の突起は、2つの固定接点引出端の底端とそれぞれ偏心して接触する。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記可動接触子の両端の突起は、可動接触子の両端の端縁にそれぞれ設けられ、2つの固定接点引出端と可動接触子の両端の突起との接触位置は、2つの固定接点引出端の底端の相対的外側に位置する。
【0023】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記固定接点引出端の底端面は円形であり、前記固定接点引出端と可動接触子の突起との接触位置は、前記円形の円心を超えない。
【0024】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記直流リレーは、2つの第一永久磁石にそれぞれ配置される2つの第一U型ヨークをさらに含み、2つの第一U型ヨークのU型の底壁は、対応する第一永久磁石の対応する接点に背向する面とそれぞれ接触し、2つの第一U型ヨークのU型の両側壁は、可動接触子の幅方向の両側にそれぞれ配置され、且つ前記対応する接点に対向する。
【0025】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記可動接点と固定接点の協働位置の基準水平面における投影は、第一U型ヨークで囲まれた枠形輪郭の前記基準水平面における投影に入る。
【0026】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記第一永久磁石は4つであり、4つの第一永久磁石は、可動接触子の幅の両辺の外側にそれぞれ配置され且つ対応する接点に対向し、且つ同一の接点に対応する2つの第一永久磁石の対応する接点に向かう面の極性は同一に設定される。
【0027】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記直流リレーは、4つの第一永久磁石にそれぞれ配置される2つの第二U型ヨークをさらに含み、2つの第二U型ヨークのU型の底壁は、可動接触子の長手の両端の外側にそれぞれ対応し、2つの第二U型ヨークのU型の両側壁は、可動接触子の幅の両側にそれぞれ配置され且つ対応する位置の第一永久磁石の対応する接点に背向する面に接触する。
【0028】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前記可動接触子は、第一永久磁石の高さの中間位置に対応する。
【0029】
従来技術に比べて、本開示の有益な効果は以下の通りである。
【0030】
1、本開示は、2つの固定接点引出端において、固定接点に背向する面にさらに第三永久磁石が取り付けられ、且つ第三永久磁石の極性を有する面を対応する接点に向け、且つ第三永久磁石の接点に向かう面の極性を、第一永久磁石の接点に向かう面の極性と逆にして、第一永久磁石及び第三永久磁石を利用して接点箇所に縦方向磁場を形成し且つ接点箇所の磁場強度を強化してさらに消弧を実現する。本開示のこのような構造は、縦方向アーク引出磁場を向上させ、引出端の中心磁場強度を向上させ、アーク発生の瞬間の磁気吹き消弧の速度を加速することができる。
【0031】
2、本開示は、2つの可動接点を可動接触子の両端に一体成形された突起とし、且つ可動接触子の両端の突起は、2つの固定接点引出端の底端とそれぞれ偏心して接触する。本開示のこのような構造は、縦方向アーク引出磁場と偏心接触点との協働により、接触点における磁場強度を強化することができ、アーク発生箇所のローレンツ力を常に消弧に有利な方向に向け、これにより消弧効果を向上させる。
【0032】
以下では図面及び実施例を参照しながら本開示をさらに詳細に説明する。しかし本開示の縦方向にアーク引張が可能な高圧直流リレーは実施例に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本開示の実施例1の一部分の立体構造概略図である。
図2】本開示の実施例1の一部分の立体構造の分解概略図である。
図3】本開示の実施例1の一部分の構造の上面図である。
図4】本開示の実施例1の一部分の構造の断面図である。
図5】本開示の実施例2の一部分の構造の断面図である。
図6】本開示の実施例3の一部分の構造の断面図である。
図7】本開示の実施例4の一部分の構造の断面図である。
図8】本開示の実施例5の一部分の構造の断面図である。
図9】本開示の実施例6の一部分の立体構造概略図である。
図10】本開示の実施例6の一部分の立体構造の分解概略図である。
図11】本開示の実施例6の一部分の構造の上面図である。
図12】本開示の実施例6の一部分の構造の断面図である。
図13】本開示の実施例7の一部分の構造の底面図である。
図14】本開示の実施例7の一部分の構造の断面図である。
図15】本開示の実施例8の一部分の構造の底面図である。
図16】本開示の実施例9の一部分の構造の底面図である。
図17】本開示の実施例10の立体構造概略図である。
図18】本開示の実施例10の立体構造の分解概略図である。
図19】本開示の実施例10の上面図である。
図20】本開示の実施例10の断面図(可動接触子の長手方向に沿った断面図)である。
図21】本開示の実施例11の上面図である。
図22】本開示の実施例11の断面図(可動接触子の幅方向に沿った一方の接点における断面図)である。
図23】本開示の実施例11の断面図(可動接触子の幅方向に沿った他方の接点における断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
実施例1
図1図4に示すように、本開示の縦方向にアーク引張が可能な高圧直流リレーは、2つの固定接点引出端1及び1つの可動接触子2を含む。前記可動接触子2は、2つの固定接点引出端1の下方に配置され、且つ可動接触子2の両端は、可動接点として、2つの固定接点引出端1の固定接点としての底端にそれぞれ対応して協働する。可動接触子2の周囲において可動接点と固定接点の接触位置に対応して第一永久磁石3がそれぞれ配置され、且つ第一永久磁石3の極性を有する面は対応する可動接点と固定接点に向き、これにより第一永久磁石3が形成する水平磁場を利用して消弧を実現する。可動接触子2の下に、各可動接点と固定接点の接触位置に対応してさらに1つの第二永久磁石4が設けられ、且つ第二永久磁石4の可動接点と固定接点に向かう面の極性を、第一永久磁石3の可動接点と固定接点に向かう面の極性と逆にして、第一永久磁石3及び第二永久磁石4を利用して可動接点と固定接点箇所に縦方向磁場を形成して接点箇所の磁場強度を強化し、さらに消弧を実現する。
【0035】
本実施例において、前記第一永久磁石3は2つであり、2つの第一永久磁石3は、可動接触子2の長手の両端の外側にそれぞれ配置される。前記2つの第二永久磁石4は、可動接触子2の長手の両側にそれぞれ対応し、且つ可動接触子2の長手の中間から対応端の可動接点と固定接点の接触位置の直下までの間に設けられる。前記第二永久磁石4の基準水平面における投影は2つの第一永久磁石3の間の領域(即ち2つの第一永久磁石3の幅の両側の接続線で囲まれた領域)の前記基準水平面における投影に入る。
【0036】
本実施例において、前記可動接触子2の長手の両端の底面において、可動接点と固定接点の接触位置に対応する直下に上向きに凹んだ第一凹溝21が設けられ、前記2つの第二永久磁石4は、可動接触子2の長手の両端の第一凹溝21にそれぞれ嵌め込まれる。
本実施例において、図4に示すように、可動接触子2の一端(左端)に対応する第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をS極とし、可動接触子2の他端(右端)に対応する第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性もS極とし、可動接触子2の一端(左端)に対応する第二永久磁石4の接点に向かう面(上向きの一面)の磁気極性をN極とし、可動接触子2の他端(右端)に対応する第二永久磁石4の接点に向かう面(上向きの一面)の磁気極性をN極とする。
【0037】
本実施例において、前記直流リレーは、2つの第一永久磁石3にそれぞれ配置される2つの第一U型ヨーク5をさらに含み、2つの第一U型ヨーク5のU型の底壁51は、対応する第一永久磁石3の対応する接点に背向する面にそれぞれ接触し、2つの第一U型ヨークのU型の両側壁52は、可動接触子2の幅の両側にそれぞれ配置され、且つ前記対応する接点に対向する。
【0038】
本実施例において、前記可動接点と固定接点の接触位置の基準水平面における投影は、第一U型ヨーク5で囲まれた枠形輪郭の前記基準水平面における投影に入る。
【0039】
本実施例において、前記可動接触子2は、第一永久磁石3の高さの中間位置に対応する。
【0040】
本実施例において、前記可動接触子2の下方にさらにヨーク板6が設けられる。
【0041】
本開示の縦方向にアーク引張が可能な高圧直流リレーは、可動接触子2の下に、各可動接点と固定接点の接触位置に対応してさらに1つの第二永久磁石4が設けられ、且つ第二永久磁石4の可動接点と固定接点に向かう面の極性を、第一永久磁石3の可動接点と固定接点に向かう面の極性と逆にして、第一永久磁石3及び第二永久磁石4を利用して可動接点と固定接点において縦方向磁場(図4における矢印に示される)を形成して接点箇所の磁場強度を強化し、さらに消弧を実現する。本開示のこのような構造は、縦方向アーク引出磁場を向上させ、引出端の中心磁場強度を向上させ、アーク発生の瞬間の磁気吹き消弧の速度を加速させることができる。
【0042】
本開示の縦方向にアーク引張が可能な高圧直流リレーは、2つの第二永久磁石4を可動接触子2の長手の両端の第一凹溝21にそれぞれ嵌め込み、即ち第二永久磁石4は、可動接触子の下からヨーク板6までの間の領域に位置し、及び第一永久磁石にさらにU型ヨーク5が配置される。本開示のこのような構造は、ヨーク板6及びU型ヨーク5の集磁作用を利用して、第一永久磁石3と第二永久磁石4との間の縦方向磁場の強度を強化させ、縦方向アーク引出磁場をさらに向上させ、引出端の中心磁場強度をさらに向上させ、アーク発生瞬間の磁気吹き消弧の速度をさらに加速させることができる。
【0043】
実施例2
図5に示すとおり、本開示の縦方向にアーク引張が可能な高圧直流リレーは、実施例1と異なる点は、2つの第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性が異なるように設定され、可動接触子2の一端(左端)に対応する第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をS極とし、可動接触子2の他端(右端)に対応する第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をN極とし、可動接触子2の一端(左端)に対応する第二永久磁石4の接点に向かう面(上向きの一面)の磁気極性をN極とし、可動接触子2の他端(右端)に対応する第二永久磁石4の接点に向かう面(上向きの一面)の磁気極性をS極とすることである。
【0044】
実施例3
図6に示すとおり、本開示の縦方向にアーク引張が可能な高圧直流リレーは、実施例1と異なる点は、2つの第二永久磁石4の取り付け位置が異なり、2つの第二永久磁石4は可動接触子2の長手の両端の底面に取り付けられず、2つの第二永久磁石4は可動接触子2からヨーク板6までの間の領域にそれぞれ取り付けられることである。
【0045】
本実施例の第二永久磁石4は、実施例1の第二永久磁石4に対して位置がより下にずれているため、したがって、第二永久磁石4は水平方向においても、可動接点と固定接点の接触位置の直下に位置するのではなく、可動接触子2の長手の中間に近接するように調整する必要があり、このようにして、第一永久磁石3及び第二永久磁石4が形成する縦方向磁場の磁力線が引出端の中心を通過することを保証することができる。
【0046】
実施例4
図7に示すとおり、本開示の縦方向にアーク引張が可能な高圧直流リレーは、実施例1と異なる点は、2つの第二永久磁石4の取り付け位置が異なり、2つの第二永久磁石4は可動接触子2の長手の両端の底面に取り付けられず、2つの第二永久磁石4はヨーク板6にそれぞれ取り付けられることである。
【0047】
本実施例の第二永久磁石4は、実施例1の第二永久磁石4に対して位置がより下にずれているため、したがって、第二永久磁石4は水平方向においても、可動接点と固定接点の接触位置の直下に位置するのではなく、可動接触子2の長手の中間に近接するように調整する必要があり、このようにして、第一永久磁石3及び第二永久磁石4が形成する縦方向磁場の磁力線が引出端の中心を通過することを保証することができる。
【0048】
本開示の縦方向にアーク引張が可能な高圧直流リレーは、第二永久磁石4をヨーク板6に取り付け、及び第一永久磁石3にさらに第一U型ヨーク5を配置する。本開示のこのような構造は、第二永久磁石4とヨーク板6との接触によるより良好な集磁作用を利用することができ、これにより第一永久磁石3と第二永久磁石4との間の縦方向磁場の強度をより良好に強化させ、縦方向アーク引出磁場をさらに向上させ、引出端の中心磁場強度をさらに向上させ、アーク発生瞬間の磁気吹き消弧の速度をさらに加速させることができる。
【0049】
実施例5
図8に示すとおり、本開示の縦方向にアーク引張が可能な高圧直流リレーは、実施例4と異なる点は、2つの第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性が異なるように設定され、可動接触子2の一端(左端)に対応する第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をS極とし、可動接触子2の他端(右端)に対応する第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をN極とし、可動接触子2の一端(左端)に対応する第二永久磁石4の接点に向かう面(上向きの一面)の磁気極性をN極とし、可動接触子2の他端(右端)に対応する第二永久磁石4の接点に向かう面(上向きの一面)の磁気極性をS極とすることである。
【0050】
実施例6
図9図12に示すとおり、本開示の縦方向にアーク引張が可能な高圧直流リレーは、実施例1と異なる点は、可動接触子2の長手の中間位置にさらに短絡防止リング7が取り付けられることである。短絡防止リング7を有するため、第二永久磁石4は、短絡防止リング7のエッジから対応端の可動接点と固定接点の接触位置の直下までの間に設けられ、本実施例においても、同様に第二永久磁石4を可動接触子2の第一凹溝21に嵌め込む。
【0051】
本実施例において、短絡防止リング7は2つの一字型上部接極子71と2つのU型下部接極子72が協働して形成される。可動接触子2の長手の中間に可動接触子2の厚さを貫通する貫通孔22が設けられ、2つの一字型上部接極子71は一般的にリベット締めまたは溶接方式でリレーのプッシュロッド部品のU型ブラケットの頂部に固定され、2つのU型下部接極子72はリベット締め方式で前記可動接触子2にそれぞれ固定され、且つ2つのU型下部接極子72の側壁は可動接触子2の貫通孔22を貫通し、2つのU型下部接極子72の頂端はいずれも前記可動接触子の上表面に露出し、2つの一字型上部接極子71に対応して協働し、可動接触子が通電して生成した環状磁場を利用して、一字型上部接極子71とU型下部接極子72とが形成された環状部材において閉磁気回路を形成し、吸引力を生成して可動接触子に作用し、電動反発力に抵抗するという目的を達成する。本実施例の短絡防止リング7は、2つの磁気回路を有し、磁気回路が飽和しにくく、接点圧力の増加がより大きく、磁気回路が生成する吸引力がより大きい。
【0052】
実施例7
図13図14に示すとおり、本開示の縦方向にアーク引張が可能な高圧直流リレーは、実施例1と異なる点は、前記第一永久磁石3は4つであり、4つの第一永久磁石3は、可動接触子2の幅の両側の外側にそれぞれ配置され且つ対応する可動接点と固定接点に対向し、且つ同一の可動接点と固定接点に対応する2つの第一永久磁石3の対応する可動接点と固定接点に向かう面の極性は同一に設定される。前記2つの第二永久磁石4は、2つの可動接点と固定接点の接触位置の下方にそれぞれ位置し、且つ第二永久磁石4の基準水平面における投影は、前記同一の可動接点と固定接点に対応する2つの第一永久磁石3の間の領域の前記基準水平面における投影に入る。
【0053】
本実施例において、前記2つの第二永久磁石4は、2つの可動接点と固定接点の接触位置の直下にそれぞれ位置し、且つ第二永久磁石4の基準水平面における投影は、前記同一の可動接点と固定接点に対応する2つの第一永久磁石の中間接続線の前記基準水平面における投影に入る。
【0054】
本実施例において、前記直流リレーは、4つの第一永久磁石3にそれぞれ配置される2つの第二U型ヨーク8をさらに含み、2つの第二U型ヨーク8のU型の底壁81は、可動接触子2の長手の両端の外側にそれぞれ対応し、2つの第二U型ヨーク8のU型の両側壁82は、可動接触子2の幅の両側にそれぞれ配置され且つ対応する位置の第一永久磁石3の対応する接点に背向する面に接触する。
【0055】
本実施例において、可動接触子2の一端(左端)に対応する2つの第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をN極とし、可動接触子2の他端(右端)に対応する2つの第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性もN極とし、可動接触子2の一端(左端)に対応する第二永久磁石4の接点に向かう面(上向きの一面)の磁気極性をS極とし、可動接触子2の他端(右端)に対応する第二永久磁石4の接点に向かう面(上向きの一面)の磁気極性をS極とする。
【0056】
実施例8
図15に示すように、本開示の縦方向にアーク引張が可能な高圧直流リレーは、実施例7と異なる点は、4つの第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性が異なり、可動接触子2の一端(左端)に対応する2つの第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をS極とし、可動接触子2の他端(右端)に対応する2つの第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をN極とし、第二永久磁石4の接点に向かう面も対応して調整され、可動接触子2の一端(左端)に対応する第二永久磁石4の接点に向かう面(上向きの一面)の磁気極性をN極とし、可動接触子2の他端(右端)に対応する第二永久磁石4の接点に向かう面(上向きの一面)の磁気極性をS極とする。
【0057】
実施例9
図16に示すように、本開示の縦方向にアーク引張が可能な高圧直流リレーは、実施例7と異なる点は、可動接触子2の長手の中間位置にさらに短絡防止リング7が取り付けられることである。
【0058】
実施例10
図17図20に示すように、本開示はさらに永久磁石消弧付きの高圧直流リレーを提供し、2つの固定接点引出端1及び1つの可動接触子2を含む。前記可動接触子2は、2つの固定接点引出端1の下方に配置され、且つ可動接触子2の両端は、可動接点として、2つの固定接点引出端1の固定接点としての底端にそれぞれ対応して協働する。可動接触子2の長手の両端の外側には、1つの第一永久磁石3がそれぞれ配置され、且つ第一永久磁石3の極性を有する面は対応する接点に向き、これにより2つの第一永久磁石3がそれぞれ形成する水平磁場(図19に示す)を利用して消弧を実現する。2つの固定接点引出端1において、固定接点に背向する面にさらに第三永久磁石91が取り付けられ、且つ第三永久磁石91の極性を有する面を対応する接点に向け、且つ第三永久磁石91の接点に向かう面の極性を、第一永久磁石の接点に向かう面の極性と逆にして、第一永久磁石3及び第三永久磁石91を利用して接点箇所に縦方向磁場(図20に示す)を形成し且つ接点箇所の磁場強度を強化してさらに消弧を実現する。
【0059】
本実施例において、可動接触子2の一端に対応する第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をN極とし、可動接触子2の他端に対応する第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をS極とし、可動接触子2の一端に対応する第三永久磁石91の接点に向かう面の磁気極性をS極とし、可動接触子2の他端に対応する第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をN極とする。
【0060】
本実施例において、2つの固定接点引出端1の上端には、下向きに凹んだ第二凹溝11がそれぞれ設けられ、前記第三永久磁石91は前記第二凹溝11に嵌め込まれ且つ前記第三永久磁石91を対応する接点に接近させる。
【0061】
本実施例において、前記第三永久磁石91は円形である。前記第二凹溝11の断面は第二永久磁石に対応する円形形状である。前記第三永久磁石91は対応する同一水平面において固定接点引出端1の中間に位置する。
【0062】
本実施例において、前記2つの可動接点は可動接触子2の両端に一体成形された突起23であり、且つ可動接触子2の両端の突起23は、2つの固定接点引出端1の底端とそれぞれ偏心して接触する。突起23は可動接触子2により厚さ方向に沿って打撃されて成形される。
【0063】
本実施例において、前記可動接触子2の両端の突起23は、可動接触子の両端の端縁にそれぞれ設けられる。2つの固定接点引出端1と可動接触子の両端の突起23との接触位置12は、2つの固定接点引出端の底端の相対的外側に位置する。
【0064】
本実施例において、前記固定接点引出端1の底端面は円形であり、前記固定接点引出端1と可動接触子2の突起23との接触位置12は、円形の円心を超えず、即ち固定接点引出端1の底端面と可動接触子2の突起23は偏心接触である。
【0065】
本実施例において、前記可動接触子2は、第一永久磁石3の高さの中間位置に対応する。
【0066】
本実施例において、前記直流リレーは、2つの第一永久磁石にそれぞれ配置される2つの第一U型ヨーク5をさらに含み、2つの第一U型ヨーク5のU型の底壁51は、対応する第一永久磁石3の対応する接点に背向する面にそれぞれ接触し、2つの第一U型ヨーク5のU型の両側壁52は、可動接触子2の幅の両側にそれぞれ配置され、且つ前記対応する接点に対向する。
【0067】
本実施例において、前記可動接点と固定接点の協働位置の基準水平面における投影は、第一U型ヨーク5で囲まれた枠形輪郭の前記基準水平面における投影に入る。
【0068】
本開示の永久磁石消弧付きの高圧直流リレーは、2つの固定接点引出端1において、固定接点に背向する面にさらに第三永久磁石91が取り付けられ、且つ第三永久磁石91の極性を有する面を対応する接点に向け、且つ第三永久磁石91の接点に向かう面の極性を第一永久磁石3の接点に向かう面の極性と逆にして、第一永久磁石3及び第三永久磁石91を利用して接点箇所に縦方向磁場を形成し且つ接点箇所の磁場強度を強化してさらに消弧を実現する。本開示のこのような構造は、縦方向のアーク引出磁場を向上させ、引出端の中心磁場強度を向上させ、アーク発生の瞬間の磁気吹き消弧の速度を加速させることができる。本開示は、2つの可動接点を可動接触子2の両端に一体成形された突起23とし、且つ可動接触子2の両端の突起23は、2つの固定接点引出端1の底端とそれぞれ偏心して接触する。本開示のこのような構造は、縦方向アーク引出磁場と偏心接触点との協働により、接触点における磁場強度を強化することができ、アーク発生箇所のローレンツ力を常に消弧に有利な方向に向け、これにより消弧効果を向上させる。
【0069】
本実施例は可動接触子2の一端に対応する第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をN極とし、可動接触子2の他端に対応する第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をS極とする。当然のことながら、可動接触子2の一端に対応する第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をS極とし、可動接触子2の他端に対応する第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をN極とし、2つの第一永久磁石3の接点に向かう面をいずれもN極またはいずれもS極としてもよい。
【0070】
実施例11
図21図23に示すように、本開示の永久磁石消弧付きの高圧直流リレーは、実施例10と異なる点は、前記第一永久磁石3は4つであり、4つの第一永久磁石3は、可動接触子2の幅の両側の外側にそれぞれ配置され且つ対応する接点に対向し、且つ同一の接点に対応する2つの第一永久磁石3の対応する接点に向かう面の極性は同一に設定される。
【0071】
本実施例において、可動接触子2の一端に対応する2つの第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をいずれもN極とし、可動接触子2の他端に対応する2つの第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をいずれもS極とし、可動接触子2の一端に対応する第三永久磁石91の接点に向かう面の磁気極性をS極とし、可動接触子2の他端に対応する第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をN極とする。
【0072】
本実施例において、前記直流リレーは、4つの第一永久磁石3にそれぞれ配置される2つの第二U型ヨーク6をさらに含み、2つの第二U型ヨーク6のU型の底壁61は、可動接触子2の長手の両端の外側にそれぞれ対応し、2つの第二U型ヨーク6のU型の両側壁62は、可動接触子2の幅の両側にそれぞれ配置され且つ対応する位置の第一永久磁石3の対応する接点に背向する面に接触する。
【0073】
本実施例は可動接触子2の一端に対応する2つの第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をいずれもN極とし、可動接触子2の他端に対応する2つの第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をいずれもS極とする。当然のことながら、可動接触子2の一端に対応する2つの第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をいずれもS極とし、可動接触子2の他端に対応する2つの第一永久磁石3の接点に向かう面の磁気極性をいずれもN極としてもよい。または4つの第一永久磁石3の接点に向かう面をいずれもN極またはいずれもS極としてもよい。
【0074】
4つの第一永久磁石3の接点に向かう面をいずれもN極またはいずれもS極とする場合には、さらに可動接触子2の幅に対応する同一辺の2つの第一永久磁石3を一体に接続して1つに形成することができる。
【0075】
上記は本開示の好適な実施例に過ぎず、本開示をいかなる形式にも限定するものではない。本開示は好適な実施例を上記のように開示したが、本開示を限定するためのものではない。当業者であれば、本開示の技術的解決手段の範囲から逸脱することなく、上記開示された技術内容を利用して本開示の技術的解決手段に対して多くの可能な変更及び修飾を行うことができ、又は同等の等価実施例に修正することができる。したがって、本開示の技術的解決手段の内容から逸脱せず、本開示の技術の本質に基づいて以上の実施例に対して行われた任意の簡単な変更、同等の変化及び修飾は、いずれも本開示の技術的解決手段の保護範囲内に属すべきである。
【0076】
本開示は、2021年7月16日に出願された出願番号が202110807850.2である中国特許出願及び2021年2月26日に出願された出願番号が202110220485.5である中国特許出願の優先権を主張するものであり、当該中国特許出願の開示全体をここに参照のために取り込む。
図1
図2
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