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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】部品実装システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023538199
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 JP2021028479
(87)【国際公開番号】W WO2023007742
(87)【国際公開日】2023-02-02
【審査請求日】2023-11-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】柳田 勉
(72)【発明者】
【氏名】岡本 義徳
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐介
(72)【発明者】
【氏名】藤井 尚也
(72)【発明者】
【氏名】松下 洋一
(72)【発明者】
【氏名】天内 真
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/019412(WO,A1)
【文献】特開2020-014019(JP,A)
【文献】国際公開第2020/217861(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/144863(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/187033(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/229881(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/240681(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装エリアに設けられ、基板に部品を実装する部品実装装置と、
前記部品を保持可能な部品ユニットを搬送するロボットと、
前記実装エリアおよび倉庫エリアとは別個の作業者が作業する作業エリアに設けられ、前記ロボットが搬送する前記部品ユニットが複数配置可能な配置部と、を備え、
前記ロボットは、前記作業エリアと前記部品実装装置との間で前記部品ユニットとしての部品供給部を搬送する第1ロボットを含み、
前記作業エリアは、前記作業者が前記部品供給部に前記部品を保持するリールを取り付ける作業または前記作業者が前記部品供給部から前記リールを取り外す作業を行うエリアであり、
前記配置部は、前記作業エリアに設けられ、前記第1ロボットが搬送する前記部品供給部が複数配置可能な第1配置部を含み、
前記第1ロボットは、前記部品供給部を収容する収容部と、前記収容部と前記第1配置部との間、および、前記収容部と前記部品実装装置との間で前記部品供給部を挿入または抜去する挿抜ユニットと、を含む、部品実装システム。
【請求項2】
実装エリアに設けられ、基板に部品を実装する部品実装装置と、
前記部品を保持可能な部品ユニットを搬送するロボットと、
前記実装エリアおよび倉庫エリアとは別個の作業者が作業する作業エリアに設けられ、前記ロボットが搬送する前記部品ユニットが複数配置可能な配置部と、を備え、
前記ロボットは、前記作業エリアと前記部品実装装置との間で前記部品ユニットとしての部品供給部を搬送する第1ロボットを含み、
前記作業エリアは、前記作業者が前記部品供給部に前記部品を保持するリールを取り付ける作業または前記作業者が前記部品供給部から前記リールを取り外す作業を行うエリアであり、
前記配置部は、前記作業エリアに設けられ、前記第1ロボットが搬送する前記部品供給部が複数配置可能な第1配置部を含み、
前記第1配置部は、前記第1ロボットが前記作業エリアから前記部品実装装置に搬送して補給する使用予定の前記部品供給部が複数配置可能な補給用ストック部と、前記第1ロボットが前記部品実装装置から回収して前記作業エリアに搬送する使用済みの前記部品供給部が複数配置可能な回収用ストック部と、を含む、部品実装システム。
【請求項3】
前記第1配置部は、前記第1配置部における前記部品供給部の配置の有無および配置場所を管理する配置場所管理が可能に構成されている、請求項1またはに記載の部品実装システム。
【請求項4】
前記第1配置部は、前記部品供給部が各々配置される複数の配置レーンと、前記複数の配置レーンの各々に設けられた部品供給部通信部と、を有し、前記部品供給部通信部により前記部品供給部と通信することにより、前記配置場所管理が可能に構成されている、請求項に記載の部品実装システム。
【請求項5】
前記配置場所管理により前記第1配置部に前記部品供給部が前記部品実装装置の部品切れの所定時間前までに配置されていないことが検出された場合、警告を通知するように構成されている、請求項またはに記載の部品実装システム。
【請求項6】
前記実装エリアおよび前記作業エリアとは別個の前記倉庫エリアに設けられ、前記部品ユニットとしての部品ラックを出庫する自動倉庫をさらに備え、
前記ロボットは、前記自動倉庫と前記作業エリアとの間で前記部品ラックを搬送する第2ロボットを含み、
前記配置部は、前記第2ロボットが搬送する前記部品ラックが複数配置可能な第2配置部を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【請求項7】
実装エリアに設けられ、基板に部品を実装する部品実装装置と、
前記部品を保持可能な部品ユニットを搬送するロボットと、
前記実装エリアおよび倉庫エリアとは別個の作業者が作業する作業エリアに設けられ、前記ロボットが搬送する前記部品ユニットが複数配置可能な配置部と、を備え、
前記ロボットは、前記作業エリアと前記部品実装装置との間で前記部品ユニットとしての部品供給部を搬送する第1ロボットを含み、
前記作業エリアは、前記作業者が前記部品供給部に前記部品を保持するリールを取り付ける作業または前記作業者が前記部品供給部から前記リールを取り外す作業を行うエリアであり、
前記配置部は、前記作業エリアに設けられ、前記第1ロボットが搬送する前記部品供給部が複数配置可能な第1配置部を含み、
前記実装エリアおよび前記作業エリアとは別個の前記倉庫エリアに設けられ、前記部品ユニットとしての部品ラックを出庫する自動倉庫をさらに備え、
前記ロボットは、前記自動倉庫と前記作業エリアとの間で前記部品ラックを搬送する第2ロボットを含み、
前記配置部は、前記第2ロボットが搬送する前記部品ラックが複数配置可能な第2配置部を含み、
前記第2配置部は、前記第2ロボットが前記自動倉庫から前記作業エリアに搬送する前記部品を保持した前記部品ラックが複数配置可能なラック配置部と、前記第2ロボットが前記作業エリアから回収して前記自動倉庫に搬送する前記部品を保持していない空の前記部品ラックが複数配置可能な空ラック配置部と、を含む、部品実装システム。
【請求項8】
前記部品実装装置の部品切れの時刻に関する情報に基づいて、前記部品実装装置への前記部品の補給計画を作成するように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【請求項9】
実装エリアに設けられ、基板に部品を実装する部品実装装置と、
前記部品を保持可能な部品ユニットを搬送するロボットと、
前記実装エリアおよび倉庫エリアとは別個の作業者が作業する作業エリアに設けられ、前記ロボットが搬送する前記部品ユニットが複数配置可能な配置部と、を備え、
前記ロボットは、前記作業エリアと前記部品実装装置との間で前記部品ユニットとしての部品供給部を搬送する第1ロボットを含み、
前記作業エリアは、前記作業者が前記部品供給部に前記部品を保持するリールを取り付ける作業または前記作業者が前記部品供給部から前記リールを取り外す作業を行うエリアであり、
前記配置部は、前記作業エリアに設けられ、前記第1ロボットが搬送する前記部品供給部が複数配置可能な第1配置部を含み、
前記部品実装装置の部品切れの時刻に関する情報に基づいて、前記部品実装装置への前記部品の補給計画を作成するように構成されており、
前記実装エリアおよび前記作業エリアとは別個の前記倉庫エリアに設けられ、前記部品ユニットを出庫する自動倉庫をさらに備え、
前記ロボット、前記自動倉庫および前記作業者の作業時間を計算し、計算した前記作業時間に基づいて前記部品実装装置の部品切れの時刻から逆算することによって、前記ロボット、前記自動倉庫および前記作業者の目標作業完了時刻を含む前記補給計画を作成するように構成されている、部品実装システム。
【請求項10】
前記ロボットによる前記部品の交換の複数の巡回の作業グループを作成するとともに、作成した前記作業グループの前記補給計画を作成するように構成されている、請求項またはに記載の部品実装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品実装システムに関し、特に、部品ユニットを搬送する部品実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品ユニットを搬送する部品実装システムが知られている。このような部品実装システムは、たとえば、特開2021-16009号公報に開示されている。
【0003】
上記特開2021-16009号公報には、フィーダ(部品ユニット)を搬送するユニット運搬装置と、フィーダが配置される部品実装機を含む実装ラインと、を備える部品実装システムが開示されている。この部品実装システムでは、実装ラインには、部品実装機の交換用のフィーダを保管する保管庫が配置されている。また、ユニット運搬装置は、作業者が作業する作業場所から保管庫まで交換用のフィーダを搬送する。作業場所では、作業者がユニット運搬装置に交換用のフィーダを積載する作業を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-16009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特開2021-16009号公報では、作業場所で作業者がユニット運搬装置に交換用のフィーダを積載する作業を行うため、作業者の時間が大きく拘束される場合がある。この場合、作業者は、トイレ、食事休憩およびフィーダを積載する作業以外の他の作業などを自由に行うことができないため、作業者の時間を有効に利用することができず、作業効率が低下する場合があるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ロボットにより部品ユニットを搬送する場合に、作業者の時間を有効に利用して作業効率を向上することが可能な部品実装システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1~第4の局面による部品実装システムは、実装エリアに設けられ、基板に部品を実装する部品実装装置と、部品を保持可能な部品ユニットを搬送するロボットと、実装エリアおよび倉庫エリアとは別個の作業者が作業する作業エリアに設けられ、ロボットが搬送する部品ユニットが複数配置可能な配置部と、を備え、ロボットは、作業エリアと部品実装装置との間で部品ユニットとしての部品供給部を搬送する第1ロボットを含み、作業エリアは、作業者が部品供給部に部品を保持するリールを取り付ける作業または作業者が部品供給部からリールを取り外す作業を行うエリアであり、配置部は、作業エリアに設けられ、第1ロボットが搬送する部品供給部が複数配置可能な第1配置部を含む。また、上記第1の局面による部品実装システムにおいて、第1ロボットは、部品供給部を収容する収容部と、収容部と第1配置部との間、および、収容部と部品実装装置との間で部品供給部を挿入または抜去する挿抜ユニットと、を含む。
【0008】
この発明の第1~第4の局面による部品実装システムでは、実装エリアとは別個の作業者が作業する作業エリアに、ロボットが搬送する部品ユニットが複数配置可能な配置部を設ける。これにより、部品ユニットのバッファ部として配置部を設けることができるので、作業者は、ロボットに部品ユニットを受け渡す作業またはロボットから部品ユニットを受け取る作業などのために時間を拘束されにくい。その結果、作業者は、時間を大きく拘束される場合と異なり、トイレ、食事休憩および他の作業などを比較的自由に行うことができるので、ロボットにより部品ユニットを搬送する場合に、作業者の時間を有効に利用して作業効率を向上することができる。また、実装ラインに配置部を設ける場合と異なり、作業エリアに配置部を設けるので、複数の実装ラインが存在する場合には、配置部を複数の実装ラインの共通の配置部として用いることができる。
【0009】
上記一の局面による部品実装システムでは、部品供給部のバッファ部として第1配置部を設けることができるので、作業者は、第1ロボットに部品供給部を受け渡す作業または第1ロボットから部品供給部を受け取る作業などのために時間を大きく拘束されることがない。その結果、作業者は、時間を有効に利用して作業効率を向上することができる。
【0010】
上記第2の局面による部品実装システムにおいて、第1配置部は、第1ロボットが作業エリアから部品実装装置に搬送して補給する使用予定の部品供給部が複数配置可能な補給用ストック部と、第1ロボットが部品実装装置から回収して作業エリアに搬送する使用済みの部品供給部が複数配置可能な回収用ストック部と、を含む。このように構成すれば、補給予定の部品供給部のバッファ部として補給用ストック部を設けることができるので、作業者は、第1ロボットに部品供給部を受け渡す作業のために時間を大きく拘束されることがない。また、回収済みの部品供給部のバッファ部として回収用ストック部を設けることができるので、作業者は、第1ロボットから部品供給部を受け取る作業のために時間を大きく拘束されることがない。これらの結果、作業者は、時間をより有効に利用して作業効率を向上することができる。また、補給予定の部品供給部のバッファ部として補給用ストック部を設ける場合、作業者は、部品供給部を準備する作業を比較的時間に融通が利く状態で行うことができる。その結果、部品供給部を準備する作業に要する時間のばらつきを吸収することができる。
【0011】
上記第1および第2の局面による部品実装システムにおいて、第1配置部は、第1配置部における部品供給部の配置の有無および配置場所を管理する配置場所管理が可能に構成されている。このように構成すれば、第1配置部により部品供給部の配置場所を管理することができる。その結果、部品供給部の部品実装装置への補給の進捗を管理することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、第1配置部は、部品供給部が各々配置される複数の配置レーンと、複数の配置レーンの各々に設けられた部品供給部通信部と、を有し、部品供給部通信部により部品供給部と通信することにより、配置場所管理が可能に構成されている。このように構成すれば、部品供給部通信部により複数の配置レーンのうちのどの配置レーンにどの部品供給部が配置されているかを把握することができる。その結果、第1配置部により部品供給部の配置場所を容易に管理することができる。
【0013】
上記第1配置部が配置場所管理が可能な構成において、好ましくは、配置場所管理により第1配置部に部品供給部が部品実装装置の部品切れの所定時間前までに配置されていないことが検出された場合、警告を通知するように構成されている。このように構成すれば、警告により部品供給部の部品実装装置への補給が遅れていることを認識することができる。その結果、部品供給部の部品実装装置への補給が遅れている場合にも、部品供給部の部品実装装置への補給を間に合わせることができる。
【0014】
上記第1および第2の局面による部品実装システムにおいて、好ましくは、実装エリアおよび作業エリアとは別個の倉庫エリアに設けられ、部品ユニットとしての部品ラックを出庫する自動倉庫をさらに備え、ロボットは、自動倉庫と作業エリアとの間で部品ラックを搬送する第2ロボットを含み、配置部は、第2ロボットが搬送する部品ラックが複数配置可能な第2配置部を含む。このように構成すれば、部品ラックのバッファ部として第2配置部を設けることができるので、作業者は、第2ロボットに部品ラックを受け渡す作業または第2ロボットから部品ラックを受け取る作業などのために時間を大きく拘束されることがない。その結果、作業者は、時間を有効に利用して作業効率を向上することができる。
【0015】
上記第3の局面による部品実装システムにおいて実装エリアおよび作業エリアとは別個の倉庫エリアに設けられ、部品ユニットとしての部品ラックを出庫する自動倉庫をさらに備え、ロボットは、自動倉庫と作業エリアとの間で部品ラックを搬送する第2ロボットを含み、配置部は、第2ロボットが搬送する部品ラックが複数配置可能な第2配置部を含む。また、第2配置部は、第2ロボットが自動倉庫から作業エリアに搬送する部品を保持した部品ラックが複数配置可能なラック配置部と、第2ロボットが作業エリアから回収して自動倉庫に搬送する部品を保持していない空の部品ラックが複数配置可能な空ラック配置部と、を含む。このように構成すれば、部品ラックのバッファ部としてラック配置部を設けることができるので、作業者は、第2ロボットから部品ラックを受け取る作業のために時間を大きく拘束されることがない。また、空の部品ラックのバッファ部として空ラック配置部を設けることができるので、作業者は、第2ロボットに空の部品ラックを受け渡す作業のために時間を大きく拘束されることがない。これらの結果、作業者は、時間をより有効に利用して作業効率を向上することができる。
【0016】
上記第1~第3の局面による部品実装システムにおいて、好ましくは、部品実装装置の部品切れの時刻に関する情報に基づいて、部品実装装置への部品の補給計画を作成するように構成されている。このように構成すれば、補給計画により計画的に部品実装装置に部品を補給することができるので、部品の補給ラッシュに容易に対応することができるとともに、部品を補給するために稼働するロボットの数を最適化(最小化)することができる。
【0017】
上記第4の局面による部品実装システムにおいて部品実装装置の部品切れの時刻に関する情報に基づいて、部品実装装置への部品の補給計画を作成するように構成されている。また、実装エリアおよび作業エリアとは別個の倉庫エリアに設けられ、部品ユニットを出庫する自動倉庫をさらに備え、ロボット、自動倉庫および作業者の作業時間を計算し、計算した作業時間に基づいて部品実装装置の部品切れの時刻から逆算することによって、ロボット、自動倉庫および作業者の目標作業完了時刻を含む補給計画を作成するように構成されている。このように構成すれば、ロボット、自動倉庫および作業者は、補給計画により目標作業完了時刻を容易に把握することができるので、目標作業完了時刻までに容易に作業を完了することができる。その結果、部品実装装置の部品切れに起因して部品実装装置が停止することが発生することを容易に抑制することができる。
【0018】
上記補給計画を作成する構成において、好ましくは、ロボットによる部品の交換の複数の巡回の作業グループを作成するとともに、作成した作業グループの補給計画を作成するように構成されている。このように構成すれば、作業グループごとに補給計画を作成することができるので、補給計画の内容が過度に多くなることを容易に抑制することができる。また、作業グループごとに補給計画を作成することができるので、作業グループごとの補給計画の進捗を容易に管理することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記のように、ロボットにより部品ユニットを搬送する場合に、作業者の時間を有効に利用して作業効率を向上することが可能な部品実装システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態による部品実装システムを示した図である。
図2】本発明の一実施形態による部品実装装置を示した図である。
図3】本発明の一実施形態による部品供給部を示した図である。
図4】本発明の一実施形態によるストック部および交換ロボットを示した図である。
図5】本発明の一実施形態によるストック部を示したブロック図である。
図6】本発明の一実施形態による交換ロボットを示したブロック図である。
図7】本発明の一実施形態による交換ロボットによる部品供給部の搬送を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態による部品供給部の準備を説明するための図である。
図9】本発明の一実施形態による部品供給部のストック部への配置を説明するための図である。
図10】本発明の一実施形態による部品供給部のストック部からの取得を説明するための図である。
図11】本発明の一実施形態による部品供給部の部品実装装置への補給を説明するための図である。
図12】本発明の一実施形態による部品供給部のストック部への返却を説明するための図である。
図13】本発明の一実施形態による搬送ロボットおよび自動倉庫を示した図である。
図14】本発明の一実施形態によるラック配置部を示した図である。
図15】本発明の一実施形態による搬送ロボットを示したブロック図である。
図16】本発明の一実施形態による自動倉庫を示したブロック図である。
図17】本発明の一実施形態によるラック配置部を示したブロック図である。
図18】本発明の一実施形態による搬送ロボットによる部品ラックの搬送を説明するための図である。
図19】本発明の一実施形態による管理装置を示したブロック図である。
図20】本発明の一実施形態による管理装置による各装置の制御を説明するための図(1)である。
図21】本発明の一実施形態による管理装置による各装置の制御を説明するための図(2)である。
図22】本発明の一実施形態による部品補給に関する制御処理を説明するためのフローチャートである。
図23】本発明の一実施形態による部品切れ予測リストを説明するための図である。
図24】本発明の一実施形態による部品出庫/搬送リスト、テープセット作業者指示リスト、および、補給指示リストを説明するための図である。
図25】本発明の一実施形態による部品出庫/搬送リストに基づいた自動倉庫管理ソフトウェアによる管理および搬送ロボット管理ソフトウェアによる管理を説明するための図である。
図26】本発明の一実施形態によるテープセット作業者指示リストに基づいたストック部管理ソフトウェアによる管理を説明するための図である。
図27】本発明の一実施形態による補給指示リストに基づいた交換ロボット管理ソフトウェアによる管理を説明するための図である。
図28】本発明の一実施形態による部品補給時の警告に関する制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(部品実装システムの構成)
図1を参照して、本発明の一実施形態による部品実装システム100の構成について説明する。
【0023】
本実施形態による部品実装システム100は、図1に示すように、基板Sに部品を実装して、部品が実装された基板Sを製造するように構成されている。なお、基板Sは、導体の配線が形成されたプリント基板である。また、部品は、LSI、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗器などの電子部品である。
【0024】
また、部品実装システム100は、部品実装工場200に設けられている。本実施形態の部品実装工場200には、部品が実装された基板Sを製造する実装エリアAR1と、作業者Wが作業する作業エリアAR2と、部品を保管する倉庫エリアAR3とが設けられている。部品は、倉庫エリアAR3から作業エリアAR2に搬送され、作業エリアAR2において作業者Wにより作業が行われた後、実装エリアAR1に搬送され、実装エリアAR1において基板Sに実装される。実装エリアAR1と、作業エリアAR2と、倉庫エリアAR3とは、互いに別個のエリアである。本実施形態の部品実装工場200では、実装エリアAR1および倉庫エリアAR3が1つずつ設けられていているとともに、作業エリアAR2が複数(2つ)設けられている。
【0025】
部品実装システム100は、実装ライン10と、ロボット20と、配置部30と、自動倉庫40と、管理装置50と、を備えている。実装ライン10は、実装エリアAR1に配置されている。配置部30は、作業エリアAR2に配置されている。自動倉庫40は、倉庫エリアAR3に配置されている。管理装置50は、実装エリアAR1、作業エリアAR2および倉庫エリアAR3とは別個の管理エリアに配置されていてもよいし、実装エリアAR1、作業エリアAR2および倉庫エリアAR3のいずれかに配置されていてもよい。
【0026】
実装ライン10は、実装エリアAR1に複数(4つ)設けられている。また、実装ライン10は、ローダ11と、印刷機12と、印刷検査機13と、部品実装装置14と、外観検査装置15と、リフロー装置16と、アンローダ17と、を含んでいる。また、実装ライン10は、製造ラインに沿って上流側から下流側に向かって基板Sが搬送されるように構成されている。
【0027】
ローダ11は、部品が実装される前の基板(配線基板)Sを保持するとともに実装ライン10に基板Sを搬入する機能を有している。
【0028】
印刷機12は、スクリーン印刷機であり、クリーム半田を基板Sの実装面上に塗布する機能を有している。
【0029】
印刷検査機13は、印刷機12により印刷したクリーム半田の状態を検査する機能を有している。
【0030】
部品実装装置14は、実装ヘッドを含み、クリーム半田が印刷された基板Sの所定の実装位置に部品を実装する機能を有している。また、部品実装装置14は、基板Sの搬送方向に沿って複数設けられている。複数の部品実装装置14は、同様の構成を有している。また、図2に示すように、部品実装装置14は、複数の部品供給部60を水平方向に配列可能なフィーダバンク14aを有している。フィーダバンク14aには、各々に部品供給部60が配置される複数の配置レーン14bが設けられている。配置レーン14bには、部品供給部60がスライド移動されることにより取り外し可能に取り付けられる。部品実装装置14は、部品供給部60を使用して基板Sに部品を実装するように構成されている。なお、部品供給部60は、請求の範囲の「部品ユニット」の一例である。
【0031】
また、部品実装装置14は、同種の部品を供給する部品供給部60を2つ設けることによって、生産中の部品供給部60が部品切れになった際に、補給用の部品供給部60に切り換えて同種の部品の供給を継続するオルタネート動作が可能なように構成されている。すなわち、複数の配置レーン14bには、生産中の部品供給部60と、補給用の部品供給部60とが配置されている。これにより、補給用の部品供給部60を予め配置しておくことができるので、部品補給が混み合う補給ラッシュが発生することを抑制し、部品補給を円滑に行うことが可能である。なお、部品実装装置14は、オルタネート動作が可能なように構成されていなくてもよい。この場合、生産中の部品供給部60が部品切れになった際に、部品切れになった部品供給部60を新たな部品供給部60に交換すればよい。
【0032】
図3に示すように、部品供給部60は、部品を保持する部品供給テープTにより部品を供給するテープフィーダである。具体的には、部品供給部60は、カセット式の本体60aを有するカセットフィーダである。部品供給部60は、カセット式の本体60a内に、部品供給テープTを保持するリールRと、部品供給テープTを送るためのスプロケットおよびギヤなどを含む駆動機構60bとを有している。
【0033】
図1に示すように、外観検査装置15は、部品実装装置14により部品が実装された基板Sの外観を検査する機能を有している。
【0034】
リフロー装置16は、加熱処理を行うことにより半田を溶融させて部品を基板Sの電極部に接合する機能を有している。
【0035】
アンローダ17は、部品が実装された後の基板Sを実装ライン10から排出する機能を有している。
【0036】
ロボット20は、部品を保持可能な部品ユニットを搬送するように構成されている。具体的には、ロボット20は、交換ロボット21と、搬送ロボット22と、を含んでいる。交換ロボット21は、作業エリアAR2と部品実装装置14との間で部品ユニットとしての部品供給部60を搬送するように構成されている。搬送ロボット22は、自動倉庫40と作業エリアAR2との間で部品ユニットとしての後述する部品ラック70(図13参照)を搬送するように構成されている。交換ロボット21および搬送ロボット22は、部品実装工場200に複数設けられている。なお、交換ロボット21、搬送ロボット22および部品ラック70は、それぞれ、請求の範囲の「第1ロボット」、「第2ロボット」および「部品ユニット」の一例である。また、交換ロボット21および搬送ロボット22の詳細な構成については、後述する。
【0037】
ここで、本実施形態では、配置部30は、ロボット20が搬送する部品ユニットが複数配置可能に構成されている。具体的には、配置部30は、第1配置部31と、第2配置部32と、を含んでいる。本実施形態では、第1配置部31は、交換ロボット21が搬送する部品ユニットとしての部品供給部60が複数配置可能に構成されている。また、本実施形態では、第1配置部31は、交換ロボット21が作業エリアAR2から部品実装装置14に搬送して補給する使用予定の部品供給部60が複数配置可能な補給用ストック部31aと、交換ロボット21が部品実装装置14から回収して作業エリアAR2に搬送する使用済みの部品供給部60が複数配置可能な回収用ストック部31bと、を含んでいる。補給用ストック部31aおよび回収用ストック部31bは、作業エリアAR2に複数設けられている。なお、補給用ストック部31aおよび回収用ストック部31bの詳細な構成については、後述する。
【0038】
また、本実施形態では、第2配置部32は、搬送ロボット22が搬送する部品ユニットとしての部品ラック70が複数配置可能に構成されている。また、本実施形態では、第2配置部32は、搬送ロボット22が自動倉庫40から作業エリアAR2に搬送する部品を保持した部品ラック70が複数配置可能なラック配置部32aと、搬送ロボット22が作業エリアAR2から回収して自動倉庫40に搬送する部品を保持していない空の部品ラック70が複数配置可能な空ラック配置部32bと、を含んでいる。ラック配置部32aおよび空ラック配置部32bは、作業エリアAR2に複数設けられている。なお、ラック配置部32aおよび空ラック配置部32bの詳細な構成については、後述する。
【0039】
また、本実施形態では、配置部30(補給用ストック部31a、回収用ストック部31b、ラック配置部32aおよび空ラック配置部32b)は、複数の実装ライン10の共通の配置部として設けられている。
【0040】
自動倉庫40は、部品および部品ユニットとしての部品ラック70を保管するとともに、部品を保持した部品ラック70を出庫するように構成されている。自動倉庫40は、倉庫エリアAR3に複数設けられている。なお、自動倉庫40の詳細な構成については、後述する。
【0041】
管理装置50は、部品実装システム100を管理する1または複数のコンピュータである。なお、管理装置50の詳細な構成については、後述する。
【0042】
(ストック部および交換ロボットの構成)
次に、図4図6を参照して、補給用ストック部31a、回収用ストック部31b、および、交換ロボット21の構成について説明する。
【0043】
図4に示すように、補給用ストック部31aは、複数の部品供給部60を水平方向に配列可能な収容部31aaを有する棚である。補給用ストック部31aは、交換ロボット21が搬送して部品実装装置14に補給(装着)する使用予定の部品供給部60が一時的に配置される仮置き部として設けられている。収容部31aaには、各々に部品供給部60が配置される複数の配置レーン31abが設けられている。配置レーン31abには、部品供給部60がスライド移動されることにより取り外し可能に取り付けられる。補給用ストック部31aには、部品実装装置14に補給される部品供給部60が、作業者Wにより準備されて配置される。そして、補給用ストック部31aに配置された部品供給部60が、交換ロボット21により取得されて、部品実装装置14に搬送される。
【0044】
また、図5に示すように、補給用ストック部31aは、制御部31acと、通信部31adと、点灯部31aeと、表示部31afと、読取部31agと、部品供給部通信部31ahと、をさらに有している。制御部31acは、補給用ストック部31aの動作を制御する制御回路である。制御部31acは、所定のプログラムを実行するためのプロセッサと、所定のプログラムを記憶するメモリと、を有している。通信部31adは、管理装置50などの部品実装システム100の各装置と通信可能に構成されている。通信部31adは、たとえば、無線通信により通信するように構成されている。点灯部31aeは、LEDなどの光源部を含み、制御部31acの制御の下、点灯して発光するように構成されている。また、点灯部31aeは、複数の配置レーン31abの各々に対応する位置に設けられており、部品供給部60の配置レーン31abへの取り付けを通知するインジケータとして機能する。
【0045】
表示部31afは、液晶モニタなどのモニタであり、情報を表示可能である。読取部31agは、部品供給部60に付された部品供給部60のIDを表す情報を含むバーコードを読み取るバーコードリーダである。部品供給部通信部31ahは、複数の配置レーン31abの各々に設けられている。部品供給部通信部31ahは、配置レーン31abに配置された部品供給部60と補給用ストック部31aとを通信可能に接続するように構成されている。また、制御部31acは、部品供給部通信部31ahによる部品供給部60との通信状態に基づいて、配置レーン31abに配置された部品供給部60を検出可能である。
【0046】
また、本実施形態では、第1配置部31としての補給用ストック部31aは、第1配置部31としての補給用ストック部31aにおける部品供給部60の配置の有無および配置場所を管理する配置場所管理(所在管理)が可能に構成されている。具体的には、第1配置部31としての補給用ストック部31aは、部品供給部通信部31ahにより部品供給部60と通信することにより、配置場所管理が可能に構成されている。第1配置部31としての補給用ストック部31aは、部品供給部通信部31ahにより部品供給部60と通信することにより、部品供給部60のメモリに記憶された部品供給部60のIDを取得する。これにより、第1配置部31としての補給用ストック部31aは、どの配置レーン31abに、どのIDの部品供給部60が配置されているかを検出可能である。
【0047】
また、本実施形態では、管理装置50は、第1配置部31としての補給用ストック部31aにおける配置場所管理により第1配置部31としての補給用ストック部31aに部品供給部60が部品実装装置14の部品切れの所定時間前までに配置されていないことが検出された場合、警告を通知するように構成されている。なお、警告の通知の詳細については、後述する。
【0048】
回収用ストック部31bは、部品実装装置14から回収された使用済みの部品供給部60が返却されるように構成されている。回収用ストック部31bは、交換ロボット21が回収した使用済みの部品供給部60が一時的に配置される仮置き部として設けられている。また、回収用ストック部31bは、使用済みの部品供給部60が配置される棚であることを除いて補給用ストック部31aと同様の構成である。このため、詳細な説明は省略するが、回収用ストック部31bは、収容部31aaと、複数の配置レーン31abと、制御部31acと、通信部31adと、点灯部31aeと、表示部31afと、読取部31agと、部品供給部通信部31ahと、を有している。
【0049】
図4に示すように、交換ロボット21は、自律走行するロボットである。交換ロボット21は、部品実装装置14と補給用ストック部31aおよび回収用ストック部31bとの間で部品供給部60を搬送するように構成されている。交換ロボット21は、部品実装装置14に対して、補給用ストック部31aから取得した使用予定の部品供給部60を搬送するように構成されている。また、交換ロボット21は、回収用ストック部31bに対して、部品実装装置14から回収した使用済みの部品供給部60を搬送するように構成されている。
【0050】
交換ロボット21は、走行部21aと、走行部21a上に設けられた収容部21bと、を有している。走行部21aは、モータにより回転駆動する駆動輪としての複数の車輪21aaを有し、自律走行するように構成されている。走行部21aは、たとえば、AGV(Automatic Guided Vehicle)である。収容部21bは、複数の部品供給部60を水平方向に配列して状態で収容可能に構成されている。また、収容部21bには、各々に部品供給部60が配置される複数の配置レーン21cが設けられている。配置レーン21cには、部品供給部60がスライド移動されることにより取り外し可能に取り付けられる。なお、補給用ストック部31aの配置レーン31abと、交換ロボット21の配置レーン21cと、部品実装装置14の配置レーン14bとは、互いに対応するように設けられている。
【0051】
また、図6に示すように、交換ロボット21は、制御部21dと、通信部21eと、挿抜ユニット21fと、スライドユニット21gと、バッテリ21hと、をさらに有している。制御部21dは、交換ロボット21の動作を制御する制御回路である。制御部21dは、所定のプログラムを実行するためのプロセッサと、所定のプログラムを記憶するメモリと、を有している。また、通信部21eは、管理装置50などの部品実装システム100の各装置と通信するように構成されている。通信部21eは、たとえば、無線通信により通信するように構成されている。
【0052】
図4に示すように、挿抜ユニット21fは、制御部21dの制御の下、収容部21bに部品供給部60を引き入れたり、収容部21bから部品供給部60を押し出したりするように構成されている。挿抜ユニット21fは、補給用ストック部31aの収容部31aaの配置レーン31abから部品供給部60を抜去して、収容部21bの配置レーン21cに引き入れることによって、補給用ストック部31aから交換ロボット21に部品供給部60を回収する。また、挿抜ユニット21fは、収容部21bの配置レーン21cから部品供給部60を押し出して、部品実装装置14の配置レーン14bに挿入することによって、交換ロボット21から部品実装装置14に部品供給部60を補給する。
【0053】
また、挿抜ユニット21fは、部品実装装置14の配置レーン14bから部品供給部60を抜去して、収容部21bの配置レーン21cに引き入れることによって、部品実装装置14から交換ロボット21に部品供給部60を回収する。また、挿抜ユニット21fは、収容部21bの配置レーン21cから部品供給部60を押し出して、回収用ストック部31bの収容部31aaの配置レーン31abに挿入することによって、交換ロボット21から回収用ストック部31bに部品供給部60を返却する。挿抜ユニット21fは、部品供給部60の挿抜(押し引き)を行うことが可能なボールねじ機構などの送り機構と、送り機構を駆動するモータと、を有している。
【0054】
スライドユニット21gは、複数の配置レーン21cを複数の配置レーン21cが並ぶ水平方向にスライド移動させるように構成されている。スライドユニット21gは、複数の配置レーン21cのスライド移動を行うことが可能なボールねじ機構などの送り機構と、送り機構を駆動するモータと、を有している。バッテリ21hは、交換ロボット21の各部に電力を供給する二次電池である。交換ロボット21は、バッテリ21hから供給される電力により、駆動されるように構成されている。
【0055】
(交換ロボットの搬送動作)
次に、図7図12を参照して、交換ロボット21による部品供給部60の搬送動作について説明する。なお、交換ロボット21による部品供給部60の搬送動作は、部品実装装置14において部品切れが発生した場合に行われる。
【0056】
図7に示すように、交換ロボット21は、管理装置50からの指示に基づいて、巡回動線R1に沿って巡回するように部品供給部60を搬送する。巡回動線R1は、補給用ストック部31aから部品実装装置14を経由して回収用ストック部31bへ移動する経路である。また、巡回動線R1は、作業エリアAR2と実装エリアAR1との間での移動を含む経路である。交換ロボット21は、巡回動線R1に沿って移動しながら、補給用ストック部31aから部品供給部60を取得し、取得した部品供給部60を部品実装装置14に補給する。また、交換ロボット21は、巡回動線R1に沿って移動しながら、部品実装装置14から部品切れの部品供給部60を回収し、回収した部品供給部60を回収用ストック部31bに返却する。
【0057】
事前準備として、図8に示すように、作業者Wは、作業エリアAR2において、交換ロボット21が搬送する部品供給部60を準備する。具体的には、作業者Wは、後述する部品ラック70からリールRを取得し、取得したリールRを、リールRが取り付けられていない部品供給部60の本体60a内に取り付ける作業を行う。これにより、作業者Wは、リールRが本体60a内に取り付けられた部品供給部60を準備する。この際、作業者Wは、たとえば、作業机T1上で、部品供給部60を準備する作業を行う。
【0058】
そして、図9に示すように、作業者Wは、準備した部品供給部60を、補給用ストック部31aの決められた配置レーン31abに配置する。このように、部品供給部60が補給用ストック部31aに配置されるので、作業者Wは、交換ロボット21に部品供給部60を受け渡す必要がない。
【0059】
そして、図10に示すように、交換ロボット21は、作業者Wが部品供給部60を配置した補給用ストック部31aの前に移動する。そして、交換ロボット21は、挿抜ユニット21fにより、補給用ストック部31aの配置レーン31abから配置レーン21cに部品供給部60を引き入れて取得する。
【0060】
そして、図11に示すように、交換ロボット21は、巡回動線R1に沿って部品供給部60を必要とする部品実装装置14(すなわち、部品切れが発生した部品実装装置14)の前に移動する。そして、交換ロボット21は、挿抜ユニット21fにより、配置レーン21cから部品実装装置14の配置レーン14bに使用予定の部品供給部60を押し出して補給するとともに、挿抜ユニット21fにより、部品実装装置14の配置レーン14bから部品切れの部品供給部60を引き入れて取得する。これにより、部品切れの部品供給部60が、部品を保持した新たな部品供給部60に交換される。
【0061】
そして、図12に示すように、交換ロボット21は、巡回動線R1に沿って決められた回収用ストック部31bの前に移動する。そして、交換ロボット21は、挿抜ユニット21fにより、配置レーン21cから回収用ストック部31bの決められた配置レーン31abに部品切れの部品供給部60を押し出して返却する。そして、作業者Wは、所定のタイミングで、回収用ストック部31bから部品切れの部品供給部60を回収し、回収した部品供給部60の本体60aからリールR(すなわち、部品切れのリールR)を取り外す作業を行う。このように、部品切れの部品供給部60が回収用ストック部31bに配置されるので、作業者Wは、交換ロボット21から部品切れの部品供給部60を受け取る必要がない。
【0062】
以上のように、交換ロボット21による部品供給部60の搬送動作が行われる。なお、図7図12に示した部品供給部60の搬送動作は、一例であり、交換ロボット21による部品供給部60の搬送動作は、図7図12に示した例には特に限られない。
【0063】
(搬送ロボット、ラック配置部および自動倉庫の構成)
次に、図13図17を参照して、搬送ロボット22、ラック配置部32a、空ラック配置部32b、および、自動倉庫40の構成について説明する。
【0064】
図13に示すように、搬送ロボット22は、自律走行するロボットである。搬送ロボット22は、自動倉庫40とラック配置部32aおよび空ラック配置部32bとの間で部品ラック70を搬送するように構成されている。搬送ロボット22は、ラック配置部32aに対して、自動倉庫40から取得した使用予定の部品を保持した部品ラック70を搬送するように構成されている。また、搬送ロボット22は、自動倉庫40に対して、空ラック配置部32bから回収した部品を保持していない空の部品ラック70を搬送するように構成されている。
【0065】
部品ラック70は、部品を保持するリールRを複数保持可能なラックである。具体的には、部品ラック70は、各々がリールRを保持可能な複数の棚板部70aを有している。複数の棚板部70aは、鉛直方向に配列されているとともに、各々の水平な支持面にリールRが載置されるように構成されている。搬送ロボット22は、部品ラック70を搬送することにより、複数の部品(複数のリールR)を一度に搬送することが可能である。
【0066】
搬送ロボット22は、走行部22aと、走行部22a上に設けられた受取ユニット22bと、を有している。走行部22aは、モータにより回転駆動する駆動輪としての複数の車輪22aaを有し、自律走行するように構成されている。走行部22aは、たとえば、AGV(Automatic Guided Vehicle)である。受取ユニット22bは、部品ラック70を受け取って保持することが可能なように構成されている。また、受取ユニット22bは、保持した部品ラック70を受け渡すことが可能なように構成されている。
【0067】
具体的には、受取ユニット22bは、自動倉庫40から部品(リールR)を保持した部品ラック70を受け取って保持するように構成されている。また、受取ユニット22bは、部品(リールR)を保持した部品ラック70をラック配置部32aに受け渡すように構成されている。また、受取ユニット22bは、空ラック配置部32bから部品(リールR)を保持していない空の部品ラック70を受け取って保持するように構成されている。また、受取ユニット22bは、空の部品ラック70を自動倉庫40に受け渡すように構成されている。受取ユニット22bは、たとえば、部品ラック70の受け取りおよび受け渡しを行うことが可能なローラなどの送り機構を有している。
【0068】
また、図15に示すように、搬送ロボット22は、制御部22cと、通信部22dと、バッテリ22eと、をさらに有している。制御部22cは、搬送ロボット22の動作を制御する制御回路である。制御部22cは、所定のプログラムを実行するためのプロセッサと、所定のプログラムを記憶するメモリと、を有している。また、通信部22dは、管理装置50などの部品実装システム100の各装置と通信するように構成されている。通信部22dは、たとえば、無線通信により通信するように構成されている。バッテリ22eは、搬送ロボット22の各部に電力を供給する二次電池である。搬送ロボット22は、バッテリ22eから供給される電力により、駆動されるように構成されている。
【0069】
図13に示すように、自動倉庫40は、部品を保持したリールRと、部品を保持してない空の部品ラック70とを保管する倉庫である。自動倉庫40は、空の部品ラック70にリールR(部品)を配置するとともに、リールR(部品)を配置した部品ラック70を出庫するように構成されている。自動倉庫40は、リールRと、部品ラック70とを入出庫可能な入出庫口40aを有している。
【0070】
また、図16に示すように、自動倉庫40は、制御部40bと、通信部40cと、出庫ユニット40dと、をさらに有している。制御部40bは、自動倉庫40の動作を制御する制御回路である。制御部40bは、所定のプログラムを実行するためのプロセッサと、所定のプログラムを記憶するメモリと、を有している。また、通信部40cは、管理装置50などの部品実装システム100の各装置と通信するように構成されている。通信部40cは、たとえば、無線通信により通信するように構成されている。出庫ユニット40dは、リールR(部品)を部品ラック70に保持させたり、リールR(部品)を保持させた部品ラック70を入出庫口40aから出庫したりするように構成されている。
【0071】
図14に示すように、ラック配置部32aは、複数の部品ラック70を水平方向に配列可能な載置部32aaを有する台である。ラック配置部32aは、搬送ロボット22が搬送した部品実装装置14に補給(装着)する使用予定のリールR(部品)を保持する部品ラック70が一時的に配置される仮置き部として設けられている。載置部32aaは、水平方向に延びるように設けられている。載置部32aaには、部品ラック70がスライド移動されることにより配置される。作業者Wは、ラック配置部32aの載置部32aaに配置された部品ラック70からリールRを取り出して、部品供給部60の本体60aに取り付ける作業を行う。また、作業者Wは、リールRを取り出し切った空の部品ラック70をラック配置部32aから空ラック配置部32bに移動させる。
【0072】
また、図16に示すように、ラック配置部32aは、制御部32abと、通信部32acと、ラック有無検出部32adと、をさらに有している。制御部32abは、ラック配置部32aの動作を制御する制御回路である。制御部32abは、所定のプログラムを実行するためのプロセッサと、所定のプログラムを記憶するメモリと、を有している。通信部32acは、管理装置50などの部品実装システム100の各装置と通信可能に構成されている。通信部32acは、たとえば、無線通信により通信するように構成されている。ラック有無検出部32adは、載置部32aa上の部品ラック70の有無を検出するように構成されている。ラック有無検出部32adは、特に限られないが、たとえば、光学的に部品ラック70の有無を検出可能なフォトセンサ、または、作業者Wが操作することにより部品ラック70の有無を検出可能な操作スイッチなどである。
【0073】
空ラック配置部32bは、作業者WがリールR(部品)を取り出し切った空の部品ラック70が配置されるように構成されている。空ラック配置部32bは、使用済みの空の部品ラック70が一時的に配置される仮置き部として設けられている。また、空ラック配置部32bは、使用済みの空の部品ラック70が配置される台であることを除いてラック配置部32aと同様の構成である。このため、詳細な説明は省略するが、空ラック配置部32bは、載置部32aaと、制御部32abと、通信部32acと、ラック有無検出部32adと、を有している。
【0074】
(搬送ロボットの搬送動作)
次に、図18を参照して、搬送ロボット22による部品ラック70の搬送動作について説明する。
【0075】
図18に示すように、搬送ロボット22は、管理装置50からの指示に基づいて、移動動線R2に沿って部品ラック70を搬送する。移動動線R2は、自動倉庫40とラック配置部32aおよび空ラック配置部32bとの間での移動を含む経路である。また、移動動線R2は、倉庫エリアAR3と作業エリアAR2との間での移動を含む経路である。搬送ロボット22は、移動動線R2に沿って移動しながら、自動倉庫40から部品ラック70を取得し、取得した部品ラック70をラック配置部32aに配置する。また、搬送ロボット22は、移動動線R2に沿って移動しながら、空ラック配置部32bから空の部品ラック70を回収し、回収した部品ラック70を自動倉庫40に返却する。
【0076】
まず、自動倉庫40は、リールRを配置した部品ラック70を準備し、準備した部品ラック70を出庫する。搬送ロボット22は、自動倉庫40の前に移動するとともに、受取ユニット22bにより、自動倉庫40が出庫した部品ラック70を受け取る。そして、搬送ロボット22は、移動動線R2に沿って、決められたラック配置部32aの前に移動する。そして、搬送ロボット22は、受取ユニット22bにより、受取ユニット22b上の部品ラック70をラック配置部32aの載置部32aaに受け渡す。このように、部品ラック70がラック配置部32aに配置されるので、作業者Wは、搬送ロボット22から部品ラック70を受け取る必要がない。
【0077】
また、搬送ロボット22は、所定のタイミングで、空の部品ラック70を配置した空ラック配置部32bの前に移動するとともに、受取ユニット22bにより、空の部品ラック70を受け取る。そして、搬送ロボット22は、移動動線R2に沿って、決められた自動倉庫40の前に移動する。そして、搬送ロボット22は、受取ユニット22bにより、受取ユニット22b上の空の部品ラック70を自動倉庫40に受け渡す。このように、部品ラック70が空ラック配置部32bから回収されるので、作業者Wは、搬送ロボット22に空の部品ラック70を受け渡す必要がない。
【0078】
以上のように、搬送ロボット22による部品ラック70の搬送動作が行われる。なお、図18に示した部品ラック70の搬送動作は、一例であり、搬送ロボット22による部品ラック70の搬送動作は、図18に示した例には特に限られない。
【0079】
(管理装置の構成)
次に、図19図21を参照して、管理装置50の構成について説明する。
【0080】
図19に示すように、管理装置50は、制御部50aと、通信部50bと、を有している。制御部50aは、部品実装システム100の動作を制御する制御回路である。制御部50aは、所定のプログラムを実行するためのプロセッサと、所定のプログラムを記憶するメモリと、を有している。また、通信部50bは、部品実装システム100の各装置と通信するように構成されている。通信部50bは、たとえば、無線通信により通信するように構成されている。
【0081】
図20に示すように、管理装置50は、ソフトウェア的な構成として、部品実装システム100の各装置群(自動倉庫40の群、ラック配置部32aの群、空ラック配置部32bの群、搬送ロボット22の群、補給用ストック部31aの群、回収用ストック部31bの群、交換ロボット21の群、および、部品実装装置14の群)を統合的に管理する統合管理ソフトウェア51と、部品実装システム100の各装置群を管理する複数の群管理ソフトウェア52a~52fと、を有している。具体的には、管理装置50は、群管理ソフトウェアとして、自動倉庫管理ソフトウェア52aと、ラック配置部管理ソフトウェア52bと、搬送ロボット管理ソフトウェア52cと、ストック部管理ソフトウェア52dと、交換ロボット管理ソフトウェア52eと、実装ライン管理ソフトウェア52fと、を有している。なお、管理装置50は、1つのコンピュータで、各ソフトウェアを実行するように構成されていてもよいし、複数のコンピュータで、各ソフトウェアを実行するように構成されていてもよい。
【0082】
統合管理ソフトウェア51は、群管理ソフトウェア52a~52fを介して、部品実装システム100の各装置群(自動倉庫40の群、ラック配置部32aの群、空ラック配置部32bの群、搬送ロボット22の群、補給用ストック部31aの群、回収用ストック部31bの群、交換ロボット21の群、および、部品実装装置14の群)を統合的に管理するように構成されている。
【0083】
自動倉庫管理ソフトウェア52aは、部品実装工場200内の複数の自動倉庫40からなる自動倉庫40の群を管理するように構成されている。ラック配置部管理ソフトウェア52bは、部品実装工場200内の複数のラック配置部32aからなるラック配置部32aの群、および、部品実装工場200内の複数の空ラック配置部32bからなる空ラック配置部32bの群を管理するように構成されている。搬送ロボット管理ソフトウェア52cは、部品実装工場200内の複数の搬送ロボット22からなる搬送ロボット22の群を管理するように構成されている。ストック部管理ソフトウェア52dは、部品実装工場200内の複数の補給用ストック部31aからなる補給用ストック部31aの群、および、複数の回収用ストック部31bからなる回収用ストック部31bの群を管理するように構成されている。交換ロボット管理ソフトウェア52eは、部品実装工場200内の複数の交換ロボット21からなる交換ロボット21の群を管理するように構成されている。実装ライン管理ソフトウェア52fは、部品実装工場200内の複数の部品実装装置14からなる部品実装装置14の群を管理するように構成されている。
【0084】
また、図21に示すように、管理装置50は、搬送ロボット管理ソフトウェア52cおよび交換ロボット管理ソフトウェア52eに代えて、ロボット管理ソフトウェア52gを有していてもよい。ロボット管理ソフトウェア52gは、部品実装工場200内の複数の搬送ロボット22からなる搬送ロボット22の群、および、複数の交換ロボット21からなる交換ロボット21の群を管理するように構成されている。この場合、搬送ロボット22および交換ロボット21が共通のソフトウェア(ロボット管理ソフトウェア52g)により管理される。
【0085】
(管理装置の構成)
次に、図22図27を参照して、管理装置50による部品補充に関する制御処理について説明する。
【0086】
図22に示すように、ステップS1において、管理装置50は、統合管理ソフトウェア51により、部品実装装置14の部品切れ予測を行う。具体的には、統合管理ソフトウェア51は、実装ライン管理ソフトウェア52fの情報に基づいて、部品使用数、部品残数、および、ライン稼働状況(稼働中、停止中、メンテナンス中などの稼働状況)を取得する。そして、統合管理ソフトウェア51は、部品使用数、部品残数、および、ライン稼働状況に基づいて、部品切れ予測を行う。
【0087】
この際、図23に示すように、管理装置50は、部品切れ予測リストを作成する。部品切れ予測リストは、部品種類、対象設備、装置配置位置、部品使用数、部品残数、生産できる基板数、サイクルタイム、残り時間、および、部品切れ予測時刻の情報を含んでいる。部品種類の情報は、部品切れが発生する部品の種類を表している。対象設備の情報は、部品切れが発生する部品実装装置14を表している。装置配置位置の情報は、部品切れが発生する部品実装装置14における、部品の配置位置(配置レーン14b)を表している。部品使用数の情報は、基板1枚当たりの部品の使用数を表している。部品残数は、現在の部品の残数を表している。生産できる基板数の情報は、現在の部品の残数で生産できる基板Sの数を表している。生産できる基板数は、(部品残数/部品使用数)で求めることができる。サイクルタイムの情報は、基板1枚の生産に要する時間を表している。残り時間の情報は、部品切れが発生するまでの時間を表している。残り時間は、(生産できる基板数×サイクルタイム)で求めることができる。部品切れ予測時刻の情報は、部品切れが発生すると予測される時刻を表している。部品切れ予測時刻は、(現在時刻+残り時間)で求めることができる。
【0088】
そして、図22に示すように、ステップS2において、管理装置50は、統合管理ソフトウェア51により、部品実装装置14の部品切れの時刻に関する情報(部品切れ予測リスト)に基づいて、部品実装装置14への部品の補給計画を作成する。また、本実施形態では、図23および図24に示すように、統合管理ソフトウェア51は、部品実装装置14の部品切れの時刻から、ロボット20(交換ロボット21および搬送ロボット22)、自動倉庫40および作業者Wの作業時間に基づいて逆算することによって、ロボット20(交換ロボット21および搬送ロボット22)、自動倉庫40および作業者Wの目標作業完了時刻を含む補給計画を作成する。
【0089】
具体的には、統合管理ソフトウェア51は、部品切れ予測リストに基づいて、自動倉庫40による部品ラック70の出庫作業に要する出庫作業時間、搬送ロボット22による部品ラック70の搬送作業に要する搬送作業時間、作業者WによるリールRの部品供給部60の本体60aへの取り付け作業に要する取付作業時間、および、交換ロボット21による部品供給部60の交換作業に要する交換作業時間を計算する。
【0090】
そして、統合管理ソフトウェア51は、部品実装装置14の部品切れの時刻から、計算した各作業時間に基づいて逆算することによって、交換ロボット21、搬送ロボット22、自動倉庫40および作業者Wの目標作業完了時刻を設定する。図24に示す例では、部品切れの時刻から約3.5時間前の時刻が、自動倉庫40の目標作業完了時刻に設定され、部品切れの時刻から約3時間前の時刻が、搬送ロボット22の目標作業完了時刻に設定され、部品切れの時刻から約2時間前の時刻が、作業者Wの目標作業完了時刻に設定され、部品切れの時刻から約1時間前の時刻が、交換ロボット21の目標作業完了時刻に設定されている。
【0091】
なお、統合管理ソフトウェア51は、各作業時間を計算せずに、予め決められた固定値に基づいて逆算することによって、交換ロボット21、搬送ロボット22、自動倉庫40および作業者Wの目標作業完了時刻を設定してもよい。たとえば、統合管理ソフトウェア51は、各作業時間を計算せずに、部品切れの時刻から約3.5時間前(固定値)の時刻を、自動倉庫40の目標作業完了時刻に設定し、部品切れの時刻から約3時間前(固定値)の時刻を、搬送ロボット22の目標作業完了時刻に設定し、部品切れの時刻から約2時間前(固定値)の時刻を、作業者Wの目標作業完了時刻に設定し、部品切れの時刻から約1時間前(固定値)の時刻を、交換ロボット21の目標作業完了時刻に設定してもよい。
【0092】
また、本実施形態では、統合管理ソフトウェア51は、交換ロボット21による部品の交換の巡回の作業グループを作成するとともに、作成した作業グループの補給計画を作成する。図23および図24に示す例では、「PartsA」、「PartsB」、「PartsC」、「PartsD」、および、「PartsE」が、交換ロボット21が1度の巡回で交換を行う部品であるため、これら5種類の部品の作業グループが作成されている。統合管理ソフトウェア51は、作業グループ単位で、補給計画を作成する。
【0093】
また、補給計画は、部品出庫/搬送リスト、テープセット作業者指示リスト、および、補給指示リストを含んでいる。部品出庫/搬送リストは、自動倉庫管理ソフトウェア52a(自動倉庫40)、および、搬送ロボット管理ソフトウェア52c(搬送ロボット22)への部品補給に関する指示情報である。部品出庫/搬送リストは、部品種類、員数、目標出庫完了時刻、作業場、ラック配置部、および、目標搬送完了時刻の情報を含んでいる。部品種類の情報は、部品切れが発生する部品の種類を表している。員数の情報は、部品(リールR)の数を表している。目標出庫完了時刻は、自動倉庫40の目標作業完了時刻を表している。作業場の情報は、搬送先の作業エリアAR2を表している。ラック配置部の情報は、搬送先のラック配置部32aを表している。目標搬送完了時刻の情報は、搬送ロボット22の目標作業完了時刻を表している。
【0094】
テープセット作業者指示リストは、作業者W、および、ストック部管理ソフトウェア52d(補給用ストック部31aおよび回収用ストック部31b)への部品補給に関する指示情報である。テープセット作業者指示リストは、部品種類、員数、ストック部配置位置、および、目標作業完了時刻の情報を含んでいる。部品種類の情報は、部品切れが発生する部品の種類を表している。員数の情報は、部品(リールR)の数を表している。ストック部配置位置の情報は、配置先の補給用ストック部31aの配置レーン31abを表している。目標作業完了時刻は、作業者Wの目標作業完了時刻を表している。
【0095】
補給指示リストは、交換ロボット管理ソフトウェア52e(交換ロボット21)への部品補給に関する指示情報である。補給指示リストは、部品種類、員数、ストック部配置位置、対象設備、装置配置位置、および、目標作業完了時刻の情報を含んでいる。部品種類の情報は、部品切れが発生する部品の種類を表している。員数の情報は、部品(リールR)の数を表している。ストック部配置位置の情報は、配置先の補給用ストック部31aの配置レーン31abを表している。対象設備の情報は、部品切れが発生する部品実装装置14を表している。装置配置位置の情報は、部品切れが発生する部品実装装置14における、部品の配置位置(配置レーン14b)を表している。目標作業完了時刻は、交換ロボット21の目標作業完了時刻を表している。
【0096】
そして、図22に示すように、ステップS3において、管理装置50は、自動倉庫管理ソフトウェア52aにより、自動倉庫40への出庫指示を行う。具体的には、図25に示すように、自動倉庫管理ソフトウェア52aは、部品出庫/搬送リストに基づいて、自動倉庫40への出庫指示および自動倉庫40の出庫管理を行う。自動倉庫管理ソフトウェア52aは、部品出庫/搬送リストに基づいて、出庫する部品の種類、出庫する部品の入庫作業の完了状況、および、自動倉庫40内の部品ラック70の有無の状況を確認する。また、自動倉庫管理ソフトウェア52aは、部品ラック70を出庫する自動倉庫40と、自動倉庫40から出庫する部品ラック70を指定し、目標出庫完了時刻までに部品ラック70を出庫するように、自動倉庫40に出庫指示を行う。図25に示す例では、「Storage-A」および「Storage-B」の自動倉庫40が、部品ラック70を出庫する自動倉庫40として指定されている。また、「RACK-11A」および「RACK-22B」の部品ラック70が、自動倉庫40から出庫する部品ラック70として指定されている。また、自動倉庫管理ソフトウェア52aは、出庫完了時刻を管理し、遅延判定を行う。遅延判定により遅延が検出された場合、自動倉庫管理ソフトウェア52aは、管理者としての作業者Wに警告を通知する。
【0097】
そして、図22に示すように、ステップS4において、自動倉庫40は、部品ラック70の出庫作業を行う。ステップS4では、自動倉庫管理ソフトウェア52aにより指定された自動倉庫40が、自動倉庫管理ソフトウェア52aにより指定された部品ラック70に、自動倉庫管理ソフトウェア52aにより指定された部品を保持させるとともに、部品を保持させた部品ラック70を出庫する。
【0098】
また、ステップS5において、管理装置50は、搬送ロボット管理ソフトウェア52cにより、搬送ロボット22への搬送指示を行う。具体的には、図25に示すように、搬送ロボット管理ソフトウェア52cは、部品出庫/搬送リストに基づいて、搬送ロボット22への搬送指示および搬送ロボット22の搬送管理を行う。搬送ロボット管理ソフトウェア52cは、部品出庫/搬送リストに基づいて、出庫する部品の種類、搬送先の作業エリアAR2、および、搬送先のラック配置部32aを確認する。また、搬送ロボット管理ソフトウェア52cは、自動倉庫管理ソフトウェア52aの情報に基づいて、搬送元の自動倉庫40、搬送元の自動倉庫40から出庫される部品ラック70、および、搬送元の自動倉庫40の出庫作業の完了状況を確認する。また、搬送ロボット管理ソフトウェア52cは、ラック配置部管理ソフトウェア52bの情報に基づいて、搬送先のラック配置部32aの空き状況を確認する。
【0099】
また、搬送ロボット管理ソフトウェア52cは、空きの搬送ロボット22、空きの搬送ロボット22のバッテリ22eの充電状況、および、空きの移動経路を確認する。そして、搬送ロボット管理ソフトウェア52cは、部品ラック70を搬送する搬送ロボット22を指定し、目標搬送完了時刻までに部品ラック70を搬送するように、搬送ロボット22に搬送指示を行う。図25に示す例では、「ROBOT―33A」の搬送ロボット22が、部品ラック70を搬送する搬送ロボット22として指定されている。また、図25に示す例では、「ROBOT―33A」の1つの搬送ロボット22が、2回、部品ラック70を搬送するが、2つの搬送ロボット22が、1回ずつ部品ラック70を搬送してもよい。また、搬送ロボット管理ソフトウェア52cは、搬送完了時刻を管理し、遅延判定を行う。遅延判定により遅延が検出された場合、搬送ロボット管理ソフトウェア52cは、管理者としての作業者Wに警告を通知する。
【0100】
そして、図22に示すように、ステップS6において、搬送ロボット22は、部品ラック70の搬送作業を行う。ステップS6では、搬送ロボット管理ソフトウェア52cにより指定された搬送ロボット22が、搬送ロボット管理ソフトウェア52cにより指定された自動倉庫40の前に移動する。そして、搬送ロボット22は、受取ユニット22bにより、自動倉庫40から出庫された部品ラック70を受け取る。そして、搬送ロボット22は、受け取った部品ラック70を、搬送ロボット管理ソフトウェア52cにより指定されたラック配置部32aに搬送する。
【0101】
また、ステップS7において、管理装置50は、ラック配置部管理ソフトウェア52bにより、ラック配置部32aの確認を行う。ステップS7では、ラック配置部管理ソフトウェア52bが、ラック配置部32aのラック有無検出部32adによる部品ラック70の検出結果に基づいて、ラック配置部32aの部品ラック70の有無を確認する。
【0102】
また、ステップS8において、作業者Wは、リールRの部品供給部60の本体60aへの取付作業を行う。また、ステップS9において、管理装置50は、ストック部管理ソフトウェア52dにより、補給用ストック部31aの確認を行う。
【0103】
具体的には、図26に示すように、ストック部管理ソフトウェア52dは、テープセット作業者指示リストに基づいて、作業者Wへの作業指示、および、補給用ストック部31aへの部品供給部60の配置管理を行う。ストック部管理ソフトウェア52dは、テープセット作業者指示リストに基づいて、補給用ストック部31aに配置する部品の種類、補給用ストック部31aに配置する部品の員数、配置先の補給用ストック部31aの配置レーン31abを確認する。また、ストック部管理ソフトウェア52dは、ラック配置部管理ソフトウェア52bの情報に基づいて、ラック配置部32aへの部品ラック70の入荷状況を確認する。また、ストック部管理ソフトウェア52dは、補給用ストック部31aの部品供給部通信部31ahによる部品供給部60との通信結果に基づいて、補給用ストック部31aの空き状況を確認する。すなわち、ストック部管理ソフトウェア52dは、補給用ストック部31aと共に、補給用ストック部31aにおける部品供給部60の配置の有無および配置場所を管理する配置場所管理を行う。
【0104】
また、ストック部管理ソフトウェア52dは、部品(リールR)を保持する部品供給部60のIDを指定し、目標作業完了時刻までに部品供給部60を配置するように、作業者Wに作業指示を行う。ストック部管理ソフトウェア52dは、たとえば、作業エリアAR2に設けられたモニタに、図26に示すような情報を表示することによって、作業者Wに作業指示を行う。
【0105】
作業者Wは、ストック部管理ソフトウェア52dにより指定された部品を保持するリールRを、搬送ロボット22により自動倉庫40から搬送された部品ラック70から取得する。そして、作業者Wは、取得したリールRを、ストック部管理ソフトウェア52dにより指定されたIDの部品供給部60の本体60aに取り付ける作業を行い、補給用ストック部31aに配置する部品供給部60を準備する。そして、作業者Wは、準備した部品供給部60を、ストック部管理ソフトウェア52dにより指定された補給用ストック部31aの配置レーン31abに配置する作業を行う。
【0106】
また、ストック部管理ソフトウェア52dは、作業完了時刻(配置完了時刻)を管理し、遅延判定を行う。遅延判定により遅延が検出された場合、ストック部管理ソフトウェア52dは、管理者としての作業者Wに警告を通知する。
【0107】
また、ステップS10において、管理装置50は、交換ロボット管理ソフトウェア52eにより、交換ロボット21への交換指示を行う。具体的には、図27に示すように、交換ロボット管理ソフトウェア52eは、補給指示リストに基づいて、交換ロボット21への交換指示および交換ロボット21の交換管理を行う。交換ロボット管理ソフトウェア52eは、補給指示リストに基づいて、交換する部品の種類、搬送元の補給用ストック部31aの配置レーン31ab、および、搬送先の部品実装装置14の配置レーン14bを確認する。また、交換ロボット管理ソフトウェア52eは、ストック部管理ソフトウェア52dの情報に基づいて、搬送元の補給用ストック部31aの部品供給部60の配置状況を確認する。また、交換ロボット管理ソフトウェア52eは、実装ライン管理ソフトウェア52fの情報に基づいて、搬送先の部品実装装置14の配置レーン14bの空き状況を確認する。
【0108】
また、交換ロボット管理ソフトウェア52eは、空きの交換ロボット21、空きの交換ロボット21のバッテリ21hの充電状況、および、空きの巡回経路を確認する。そして、交換ロボット管理ソフトウェア52eは、部品供給部60を搬送して交換する交換ロボット21を指定し、目標作業完了時刻までに部品供給部60を搬送して交換するように、交換ロボット21に搬送指示を行う。図27に示す例では、「ROBOT―44B」の交換ロボット21が、部品供給部60を搬送して交換する交換ロボット21として指定されている。また、交換ロボット管理ソフトウェア52eは、作業完了時刻(交換完了時刻)を管理し、遅延判定を行う。遅延判定により遅延が検出された場合、交換ロボット管理ソフトウェア52eは、管理者としての作業者Wに警告を通知する。
【0109】
そして、図22に示すように、ステップS11において、交換ロボット21は、部品供給部60の交換作業を行う。ステップS11では、交換ロボット管理ソフトウェア52eにより指定された交換ロボット21が、交換ロボット管理ソフトウェア52eにより指定された補給用ストック部31aの前に移動する。そして、交換ロボット21は、挿抜ユニット21fにより、交換ロボット管理ソフトウェア52eにより指定された補給用ストック部31aの配置レーン31abから部品供給部60を取得する。そして、交換ロボット21は、取得した部品供給部60を、交換ロボット管理ソフトウェア52eにより指定された部品実装装置14の配置レーン14bに搬送して交換する。また、交換ロボット21は、交換により部品実装装置14から回収した部品供給部60を、回収用ストック部31bに搬送して返却する。
【0110】
そして、ステップS12において、管理装置50は、統合管理ソフトウェア51により、補給計画で指定した部品供給部60の交換が完了したことを確認する。そして、管理装置50による部品補充に関する制御処理が終了される。管理装置50による部品補充に関する制御処理は、たとえば、所定の時間置き(数時間置きなど)に行われる。これにより、部品切れが発生する部品実装装置14に適宜部品が補給される。
【0111】
なお、上記説明では、便宜上、図22に示すフローチャートのステップS3~S11の処理を、フローチャートの順番に従って説明したが、図22に示すフローチャートのステップS3~S11の処理は、厳密には、フローチャートの順番に従って行われているわけではなく、互いに並行して行うことが可能な処理については、互いに並行して行われている。
【0112】
(部品補給時の警告に関する制御処理)
次に、図28を参照して、補給用ストック部31aに部品供給部60が配置されていない場合の警告に関する制御処理をフローチャートに基づいて説明する。
【0113】
まず、ステップS21において、管理装置50は、補給用ストック部31aに配置予定の部品供給部60の全てが配置されたか否かを判断する。ステップS21では、管理装置50は、補給用ストック部31aによる配置場所管理の情報に基づいて、補給用ストック部31aに配置予定の部品供給部60の全てが配置されたか否かを判断する。補給用ストック部31aに配置予定の部品供給部60の全てが配置されたと判断された場合、ステップS22に進む。そして、ステップS22において、管理装置50は、交換ロボット21へ交換指示を行う。また、ステップS21において、補給用ストック部31aに配置予定の部品供給部60の全てが配置されていないと判断された場合、ステップS23に進む。
【0114】
そして、ステップS23において、管理装置50は、現在時刻が作業者Wの目標作業完了時刻を過ぎたか否かを判断する。現在時刻が作業者Wの目標作業完了時刻を過ぎていないと判断された場合、ステップS21の処理を繰り返す。また、現在時刻が作業者Wの目標作業完了時刻を過ぎたと判断された場合、ステップS24に進む。
【0115】
そして、ステップS24において、管理装置50は、管理者としての作業者Wに警告を通知する。ステップS24では、たとえば、管理者としての作業者Wが携帯する携帯端末に警告を通知する。
【0116】
そして、ステップS25において、管理者としての作業者Wは、作業エリアAR2の作業机T1などに部品(リールR)があるか否かを確認する。作業エリアAR2の作業机T1などに部品(リールR)がある場合、ステップS28に進む。また、作業エリアAR2の作業机T1などに部品(リールR)がない場合、ステップS26に進む。
【0117】
そして、ステップS26において、管理者としての作業者Wは、ラック配置部32aに配置された部品ラック70に部品(リールR)があるか否かを確認する。ラック配置部32aに配置された部品ラック70に部品(リールR)がある場合、ステップS28に進む。また、ラック配置部32aに配置された部品ラック70に部品(リールR)がない場合、ステップS27に進む。
【0118】
そして、ステップS27において、管理者としての作業者Wは、自動倉庫40から手動で部品(リールR)を出庫する作業を行う。そして、ステップS28に進む。
【0119】
そして、ステップS28において、管理者としての作業者Wは、部品(リールR)を部品供給部60の本体60aに取り付けることによって、部品供給部60を準備する。そして、管理者としての作業者Wは、準備した部品供給部60を、補給用ストック部31aに配置する。そして、ステップS21に進み、ステップS21において、補給用ストック部31aに配置予定の部品供給部60の全てが配置されたと判断される。そして、ステップS22に進み、ステップS22において、交換ロボット21への交換指示が行われる。
【0120】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0121】
本実施形態では、上記のように、実装エリアAR1とは別個の作業者Wが作業する作業エリアAR2に、ロボット20が搬送する部品ユニットが複数配置可能な配置部30を設ける。これにより、部品ユニットのバッファ部として配置部30を設けることができるので、作業者Wは、ロボット20に部品ユニットを受け渡す作業またはロボット20から部品ユニットを受け取る作業などのために時間を拘束されにくい。その結果、作業者Wは、時間を大きく拘束される場合と異なり、トイレ、食事休憩および他の作業などを比較的自由に行うことができるので、ロボット20により部品ユニットを搬送する場合に、作業者Wの時間を有効に利用して作業効率を向上することができる。また、実装ライン10に配置部30を設ける場合と異なり、作業エリアAR2に配置部30を設けるので、複数の実装ライン10が存在する場合には、配置部30を複数の実装ライン10の共通の配置部30として用いることができる。
【0122】
また、本実施形態では、上記のように、ロボット20は、作業エリアAR2と部品実装装置14との間で部品ユニットとしての部品供給部60を搬送する交換ロボット21を含む。また、配置部30は、交換ロボット21が搬送する部品供給部60が複数配置可能な第1配置部31を含む。これにより、部品供給部60のバッファ部として第1配置部31を設けることができるので、作業者Wは、交換ロボット21に部品供給部60を受け渡す作業または交換ロボット21から部品供給部60を受け取る作業などのために時間を大きく拘束されることがない。その結果、作業者Wは、時間を有効に利用して作業効率を向上することができる。
【0123】
また、本実施形態では、上記のように、第1配置部31は、交換ロボット21が作業エリアAR2から部品実装装置14に搬送して補給する部品供給部60が複数配置可能な補給用ストック部31aと、交換ロボット21が部品実装装置14から回収して作業エリアAR2に搬送する部品供給部60が複数配置可能な回収用ストック部31bと、を含む。これにより、補給予定の部品供給部60のバッファ部として補給用ストック部31aを設けることができるので、作業者Wは、交換ロボット21に部品供給部60を受け渡す作業のために時間を大きく拘束されることがない。また、回収済みの部品供給部60のバッファ部として回収用ストック部31bを設けることができるので、作業者Wは、交換ロボット21から部品供給部60を受け取る作業のために時間を大きく拘束されることがない。これらの結果、作業者Wは、時間をより有効に利用して作業効率を向上することができる。また、補給予定の部品供給部60のバッファ部として補給用ストック部31aを設ける場合、作業者Wは、部品供給部60を準備する作業を比較的時間に融通が利く状態で行うことができる。その結果、部品供給部60を準備する作業に要する時間のばらつきを吸収することができる。
【0124】
また、本実施形態では、上記のように、第1配置部31は、第1配置部31における部品供給部60の配置の有無および配置場所を管理する配置場所管理が可能に構成されている。これにより、第1配置部31により部品供給部60の配置場所を管理することができる。その結果、部品供給部60の部品実装装置14への補給の進捗を管理することができる。
【0125】
また、本実施形態では、上記のように、第1配置部31の補給用ストック部31aは、部品供給部60が各々配置される複数の配置レーン31abと、複数の配置レーン31abの各々に設けられた部品供給部通信部31ahと、を有し、部品供給部通信部31ahにより部品供給部60と通信することにより、配置場所管理が可能に構成されている。これにより、部品供給部通信部31ahにより複数の配置レーン31abのうちのどの配置レーン31abにどの部品供給部60が配置されているかを把握することができる。その結果、第1配置部31の補給用ストック部31aにより部品供給部60の配置場所を容易に管理することができる。
【0126】
また、本実施形態では、上記のように、配置場所管理により第1配置部31の補給用ストック部31aに部品供給部60が部品実装装置14の部品切れの所定時間前までに配置されていないことが検出された場合、警告を通知するように構成されている。これにより、警告により部品供給部60の部品実装装置14への補給が遅れていることを認識することができる。その結果、部品供給部60の部品実装装置14への補給が遅れているにも、部品供給部60の部品実装装置14への補給を間に合わせることができる。
【0127】
また、本実施形態では、上記のように、部品実装システム100は、実装エリアAR1および作業エリアAR2とは別個の倉庫エリアAR3に設けられ、部品ユニットとしての部品ラック70を出庫する自動倉庫40を備える。また、ロボット20は、自動倉庫40と作業エリアAR2との間で部品ラック70を搬送する搬送ロボット22を含む。配置部30は、搬送ロボット22が搬送する部品ラック70が複数配置可能な第2配置部32を含む。これにより、部品ラック70のバッファ部として第2配置部32を設けることができるので、作業者Wは、搬送ロボット22に部品ラック70を受け渡す作業または搬送ロボット22から部品ラック70を受け取る作業などのために時間を大きく拘束されることがない。その結果、作業者Wは、時間を有効に利用して作業効率を向上することができる。
【0128】
また、本実施形態では、上記のように、第2配置部32は、搬送ロボット22が自動倉庫40から作業エリアAR2に搬送する部品を保持した部品ラック70が複数配置可能なラック配置部32aと、搬送ロボット22が作業エリアAR2から回収して自動倉庫40に搬送する部品を保持していない空の部品ラック70が複数配置可能な空ラック配置部32bと、を含む。これにより、部品ラック70のバッファ部としてラック配置部32aを設けることができるので、作業者Wは、搬送ロボット22から部品ラック70を受け取る作業のために時間を大きく拘束されることがない。また、空の部品ラック70のバッファ部として空ラック配置部32bを設けることができるので、作業者Wは、搬送ロボット22に空の部品ラック70を受け渡す作業のために時間を大きく拘束されることがない。これらの結果、作業者Wは、時間をより有効に利用して作業効率を向上することができる。
【0129】
また、本実施形態では、上記のように、管理装置50は、部品実装装置14の部品切れの時刻に関する情報に基づいて、部品実装装置14への部品の補給計画を作成するように構成されている。これにより、補給計画により計画的に部品実装装置14に部品を補給することができるので、部品の補給ラッシュに容易に対応することができるとともに、部品を補給するために稼働するロボット20の数を最適化(最小化)することができる。
【0130】
また、本実施形態では、上記のように、部品実装システム100は、実装エリアAR1および作業エリアAR2とは別個の倉庫エリアAR3に設けられ、部品ユニットを出庫する自動倉庫40を備える。また、管理装置50は、部品実装装置14の部品切れの時刻から、ロボット20、自動倉庫40および作業者Wの作業時間に基づいて逆算することによって、ロボット20、自動倉庫40および作業者Wの目標作業完了時刻を含む補給計画を作成するように構成されている。これにより、ロボット20、自動倉庫40および作業者Wは、補給計画により目標作業完了時刻を容易に把握することができるので、目標作業完了時刻までに容易に作業を完了することができる。その結果、部品実装装置14の部品切れに起因して部品実装装置14が停止することが発生することを容易に抑制することができる。
【0131】
また、本実施形態では、上記のように、管理装置50は、ロボット20による部品の交換の巡回の作業グループを作成するとともに、作成した作業グループの補給計画を作成するように構成されている。これにより、作業グループごとに補給計画を作成することができるので、補給計画の内容が過度に多くなることを容易に抑制することができる。また、作業グループごとに補給計画を作成することができるので、作業グループごとの補給計画の進捗を容易に管理することができる。
【0132】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0133】
たとえば、上記実施形態では、実装エリアおよび倉庫エリアが1つずつ設けられるとともに、作業エリアが2つ設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、実装エリア、作業エリアおよび倉庫エリアの数は、どのような数であってもよい。
【0134】
また、上記実施形態では、ロボットが、交換ロボットと、搬送ロボットとを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ロボットが、交換ロボットと、搬送ロボットとのいずれかのみを含んでいてもよい。また、ロボットが、交換ロボットおよび搬送ロボット以外のロボットを含んでいてもよい。
【0135】
また、上記実施形態では、配置部が、第1配置部と、第2配置部とを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、配置部が、第1配置部と、第2配置部とのいずれかのみを含んでいてもよい。また、配置部が、第1配置部および第2配置部以外の配置部を含んでいてもよい。
【0136】
また、上記実施形態では、第1配置部が、補給用ストック部と、回収用ストック部とを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1配置部が、補給用ストック部と、回収用ストック部とのいずれかのみを含んでいてもよい。また、第1配置部が、補給用ストック部および回収用ストック部以外のストック部を含んでいてもよい。
【0137】
また、上記実施形態では、第2配置部が、ラック配置部と、空ラック配置部とを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2配置部が、ラック配置部と、空ラック配置部とのいずれかのみを含んでいてもよい。また、第2配置部が、ラック配置部および空ラック配置部以外のラック部を含んでいてもよい。
【0138】
また、上記実施形態では、補給用ストック部が、配置場所管理が可能なように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、補給用ストック部が、配置場所管理が可能なように構成されていなくてもよい。
【0139】
また、上記実施形態では、部品実装システムを管理するソフトウェアとして、統合管理ソフトウェアと、複数の群管理ソフトウェアとが設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品実装システムを管理可能であれば、部品実装システムを管理するソフトウェアは、どのような構成であってもよい。
【0140】
また、上記実施形態では、管理装置が、交換ロボットによる部品の交換の1度の巡回の作業グループを作成するとともに、作成した作業グループの補給計画を作成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、管理装置が、交換ロボットによる部品の交換の複数の巡回の作業グループを作成するとともに、作成した作業グループの補給計画を作成してもよい。
【符号の説明】
【0141】
14 部品実装装置
20 ロボット
21 交換ロボット(第1ロボット)
22 搬送ロボット(第2ロボット)
30 配置部
31 第1配置部
31a 補給用ストック部
31ab 配置レーン
31ah 部品供給部通信部
31b 回収用ストック部
32 第2配置部
32a ラック配置部
32b 空ラック配置部
40 自動倉庫
60 部品供給部(部品ユニット)
70 部品ラック(部品ユニット)
100 部品実装システム
AR1 実装エリア
AR2 作業エリア
AR3 倉庫エリア
S 基板
W 作業者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28