(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】散薬包装装置
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20241127BHJP
B65B 37/08 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
B65B37/08
(21)【出願番号】P 2021113703
(22)【出願日】2021-07-08
【審査請求日】2024-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100100170
【氏名又は名称】前田 厚司
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩司
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-113551(JP,A)
【文献】特開2009-262944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
B65B 37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面円弧状の溝を有する回転可能な散薬収容部材と、
前記溝に接した状態で回転可能で、かつ、前記溝に対して昇降可能に設けられ、前記散薬収容部材に収容された散薬を掻き出す掻出板を備えた回転板とを備えた散薬包装装置において、
前記掻出板は、前記回転板の第1面に設けられた第1掻出板と、前記回転板の第2面に設けられ、前記第1掻出板より掻出幅が小さい第2掻出板とからなり、
前記第2掻出板により所定の分割幅で1包目の散薬を掻き出し、
前記散薬収容部材を前記回転板の前記第2面側から前記第1面側に移動した後、前記第1掻出板により所定の分割幅で2包目以降の散薬を掻き出すように構成されていることを特徴とする散薬包装装置。
【請求項2】
前記第2掻出板が1包目の散薬を掻き終えた後、前記第1掻出板が2包目の散薬を掻き始める前に、前記散薬収容部材を前記第1面側から前記第2面側に移動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の散薬包装装置。
【請求項3】
前記第1掻出板が散薬を掻き出した後、前記散薬収容部材を前記第1面側から前記第2面側に移動した後、前記第2掻出板が前記散薬収容部材に入るように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の散薬包装装置。
【請求項4】
前記第1掻出板と前記第2掻出板は、前記回転板の中心軸の周りの等配位置に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の散薬包装装置。
【請求項5】
前記第1掻出板は2個、前記第2掻出板は1個設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の散薬包装装置。
【請求項6】
先の前記第1掻出板が散薬を掻き終えた後、後の前記第1掻出板が散薬を掻き始める前に、前記散薬収容部材を前記第1面側から前記第2面側に移動するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の散薬包装装置。
【請求項7】
先の前記第1掻出板が散薬を掻き出し、後の前記第1掻出板が散薬を掻き出した後、先の前記第1掻出板が前記散薬収容部材に入る前に、前記第2掻出板が前記散薬収容部材に入るように構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の散薬包装装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の散薬包装装置の前記散薬収容部材と前記回転板を制御する制御装置に、
前記第2掻出板により所定の分割幅で1包目の散薬を掻き出すステップと、
前記散薬収容部材を前記回転板の前記第2面側から前記第1面側に移動して、前記第1掻出板により所定の分割幅で2包目以降の散薬を掻き出すステップを実行させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、散薬包装装置、特に散薬収容部材の溝内に収容された散薬を一定量ずつ掻き出す散薬掻出部に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、散薬包装装置には、断面円弧状の環状溝を有する散薬収容部材(R円盤、分配皿ともいう。)に散薬を均一に供給し、掻出板を有する回転板により環状溝内の散薬を1包ずつ分配して掻き出す散薬掻出装置が設けられている(特許文献1、2参照)。
【0003】
従来の散薬包装装置では、
図16に示すように、散薬収容部材101に収容された散薬に回転板102を降下させて散薬を切り込み、回転板102の掻出板103により1包目の散薬を掻き出すときに分包数に応じた掻出幅Wより幅の狭い分割幅Sの散薬が掻き出される場合に、散薬収容部材101を逆転させて散薬収容部材101に収容された散薬を掻出板103と反対側に掻き寄せているが、分包数が多くなるほど、掻寄量が多くなる結果、掻出板103と反対側に掻き寄せられた散薬がN-1包目になだれ込み、N-1包目が多く、N包目が少なくなり、均等に分割できない。そのため、従来の分包装置では、掻出板103の掻出幅Wの寸法にもよるが、せいぜい93包が最大分割数となっていた。この最大分割数を超える分包数の場合は、必要量の散薬を2回に分けて散薬収容部材101に収容していた。例えば、100包の場合、まず50包分の散薬を散薬収容部材101に収容して50分割し、次に残りの50包分の散薬を散薬収容部材101に収容して50分割していたため、分包作業に長時間を要していた。
【0004】
特許文献3には、回転部材の片側の面に狭幅の切出し部材(掻出板)と広幅の切出し部材(掻出板)を備え、1包目を狭幅の切出し部材で掻き出し、2包目以降を広幅の切り出し部材で掻き出す分包装置が記載されている。特許文献3の分包装置では、2包目以降において広幅の切出し部材で掻き出した後、狭幅の切出し部材が回転テーブルを通過する回転部材を上昇させているため、分包終了までの時間がかかるという問題があった。
【0005】
特許文献4には、回転部材の第1の面に第1の掻き出し部材を備え、回転部材の第2の面に第1の掻き出し部材より掻き出す幅が広い第2掻き出し部材を備え、分割数が1~63までは、回転テーブルを第1の方向に回転させながら幅広の第2の掻き出し部材を用いて掻き出し、分割数が64から93までは、回転テーブルを第1の方向とは異なる第2の方向に回転させながら幅狭の第1の掻き出し部材を用いて掻き出す分包装置が記載されている。特許文献4の分包装置では、分割数が64から93までは1包目から最終包まで幅狭の掻き出し部材を使用するため、分割数が多くなるほど回転テーブルの送り量が小さくなり、幅狭の掻き出し部材で1包目を掻き出した後、2包目を掻き出す前に、幅広の掻き出し部材が最終包目の散薬の一部を掻き出してしまうことから、最大分割数は93包までである。
【0006】
特許文献5には、堰止部の片面にテーブルの環状溝に収容された散薬を切り出す広幅切出部材と狭幅切出部材とを備え、多分割時に、1回目を狭幅切出部材で切出し、2回目以降を広幅切出部材で切り出し、少分割時に、1回目から最終回まで広幅切出部材で切り出すようにした粉粒体分割装置が記載されている。特許文献5の装置では、広幅切出部材と狭幅切出部材とが堰止部の同じ面に設けられているため、広幅切出部材で切り出した後、狭幅切出部材が環状溝を通過して、広幅切出部材で切り出した後に切り出されなかった環状溝の散薬が山崩れした部分を狭幅切出部材が掻き出してしまう結果、山崩れ分が余計に掻き出され、掻出量が多くなるという問題があった。また、特許文献5の装置では、広幅切出部材の幅より広い幅分を1包として切り出す場合には、テーブルの環状溝を回転させて堰止部(回転板)で広幅切出部材を越える幅分の散薬を寄せてから掻き出すことになるが、寄せ幅が多くなるほど、掻き出した後の山崩れが多くなる傾向にある。山崩れが多くなると、広幅切出部材の後に狭幅切出部材が通過するときに、山崩れした部分を掻き出す量も多くなる。このため、寄せ幅を制限し、寄せ幅の限界を小さく設定することなる結果、掻出回数が多くなって、分包に時間がかかるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2010-179967号公報
【文献】特開2010-247841号公報
【文献】特開2009-262944号公報(特許第5140483号)
【文献】特開2017-113551号公報(特許第6531753号)
【文献】特開2018-177247号公報(特許第6864351号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされたもので、分包数が多くても、散薬収容部材に必要量の散薬を1回撒くだけで、必要な分包数の散薬を掻き出すことができる散薬包装装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための手段として、本発明の散薬包装装置は、
断面円弧状の溝を有する回転可能な散薬収容部材と、
前記溝に接した状態で回転可能で、かつ、前記溝に対して昇降可能に設けられ、前記散薬収容部材に収容された散薬を掻き出す掻出板を備えた回転板とを備えた散薬包装装置において、
前記掻出板は、前記回転板の第1面に設けられた第1掻出板と、前記回転板の第2面に設けられ、前記第1掻出板より掻出幅が小さい第2掻出板とからなり、
前記第2掻出板により所定の分割幅で1包目の散薬を掻き出し、
前記散薬収容部材を前記回転板の前記第2面側から前記第1面側に移動した後、前記第1掻出板により所定の分割幅で2包目以降の散薬を掻き出すように構成されていることを特徴とする。
【0010】
前記散薬包装装置にでは、幅狭の第2掻出板により1包目を掻き出すときに分包数に応じた分割幅の散薬が掻き出されるように、散薬収容部材を第2面側から第1面側に移動させて散薬収容部材に収容された散薬を第2掻出板と反対側に掻き寄せるが、第2掻出板の掻出幅が小さいだけ掻寄量が少ない。このため、分包数が多くても、第2掻出板と反対側に掻き寄せられた散薬は2包目の分割幅内に収まり、第1掻出板による2包目の掻き出し時に掻き出される。
【0011】
前記第2掻出板が1包目の散薬を掻き終えた後、前記第1掻出板が2包目の散薬を掻き始める前に、前記散薬収容部材を前記第1面側から前記第2面側に移動するように構成されていることが好ましい。
また、前記第1掻出板が散薬を掻き出した後、前記散薬収容部材を前記第1面側から前記第2面側に移動した後、前記第2掻出板が前記散薬収容部材に入るように構成されていることが好ましい。
【0012】
前記第1掻出板と前記第2掻出板は、前記回転板の中心軸の周りの等配位置に設けられていることが好ましい。
【0013】
前記第1掻出板は2個、前記第2掻出板は1個設けられていることが好ましい。
【0014】
先の前記第1掻出板が散薬を掻き終えた後、後の前記第1掻出板が散薬を掻き始める前に、前記散薬収容部材を前記第1面側から前記第2面側に移動するように構成されていることが好ましい。
この場合、先の前記第1掻出板が散薬を掻き出し、後の前記第1掻出板が散薬を掻き出した後、先の前記第1掻出板が前記散薬収容部材に入る前に、前記第2掻出板が前記散薬収容部材に入るように構成されていることが好ましい。
【0015】
本発明に係るプログラムは、
前記散薬包装装置の前記散薬収容部材と前記回転板を制御する制御装置に、
前記第2掻出板により所定の分割幅で1包目の散薬を掻き出すステップと、
前記散薬収容部材を前記回転板の前記第2面側から前記第1面側に移動した後、前記第1掻出板により所定の分割幅で2包目の散薬を掻き出すステップと、
前記散薬収容部材を前記回転板の前記第2面側から前記第1面側に移動した後、前記第1掻出板により所定の分割幅で3包目以降の散薬を掻き出すステップを実行させるためのプログラムである。
【0016】
本発明に係る媒体は、
前記プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、幅狭の第2掻出板により1包目を掻き出すときに分包数に応じた分割幅の散薬が掻き出されるように、散薬収容部材を第2面側から第1面側に移動させて散薬収容部材に収容された散薬を第2掻出板と反対側に掻き寄せるが、第2掻出板の掻出幅が小さいだけ掻寄量が少ないため、分包数が多くても、第2掻出板と反対側に掻き寄せられた散薬は2包目の分割幅内に収まり、第1掻出板による2包目の掻き出し時に掻き出される結果、散薬収容部材に必要量の散薬を1回撒くだけで、必要な分包数の散薬を掻き出すことができるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図3】散薬包装装置の操作パネルを示す図(a)、及びフィーダ速度の調整時における従来のタッチパネルの状態を示す図(b)。
【
図4】フィーダ速度の調整時における一実施例のタッチパネルの状態を示す図(a)、及び他の実施例のタッチパネルの状態を示す図(b)。
【
図6】回転部材の第1面側から見た分解斜視図(a)、及び回転板の第2面側から見た斜視図(b)。
【
図7】回転部材の側面図(a)、及び第1面側の正面図(b)。
【
図8B】掃除機の紙パックの装着時(a、b)と交換時(c、d)の状態を示す平面図及び断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る散薬包装装置1を示す。この散薬包装装置1は、散薬投入部2により投入された散薬を散薬掻出部3にて1包分ずつ掻き出した後、包装部4により包装するようにしたものである。また、散薬包装装置1には、錠剤を1包分ずつ手撒きして包装部4に供給する錠剤手撒部5を備えている。
【0021】
図2に示すように、散薬投入部2は、投入ホッパー6と散薬フィーダ7とを備え、投入ホッパー6から散薬フィーダ7に投入された散薬を散薬フィーダ7の振動により、散薬掻出部3の散薬収容部材10に供給するように構成されている。
【0022】
散薬フィーダ7の供給速度は、散薬包装装置1の上部に設けた操作パネル8により増減することができる。
図3(a)に示すように、操作パネル8には、AとBの2つの散薬投入部2のフィーダ速度を16段階に調整する16個のバー状のタッチパネル9が設けられている。電源投入時には、デフォルト値として、8段に設定され、左の1段から8段までのタッチパネル9が黄色(図ではハッチングで示されている)に点灯している。フィーダ速度を早くする場合は、指先を8段から右にスワイプし、遅くする場合は、指先を8段から左にスワイプする。例えば、
図3(b)に示すように、フィーダ速度を14段まで速くする場合は、指先を8段から14段まで右にスワイプする。これにより、スワイプした8段から14段までのタッチパネル9が点灯し、設定したフィーダ速度が認識できるなっている。
【0023】
タッチパネル9をスワイプしたときにスワイプ開始から終了までの範囲のタッチパネル9を点灯すると、スワイプ開始点が分からず、どの程度フィーダ速度が変化したかが分からない。スワイプ開始から終了までのフィーダ速度の変化量を認識できるようにするため、スワイプ終了箇所から指が離れるまでの間、
図4(a)に示すように、指を最初にタッチしたスワイプ開始箇所の次のタッチパネル9からスワイプ終了箇所のタッチパネル9までを点滅させ、あるいは、
図4(b)に示すように、点灯色をスワイプ開始位置と変えて点灯する。これにより、フィーダ速度の変化量を視覚的に認識することができる。
【0024】
図2に示すように、散薬掻出部3は、散薬収容部材10と、散薬掻出装置11とを備えている。
【0025】
散薬収容部材10は、上面外周部に断面円弧状の環状溝10aが形成された穴あき円板からなり、モータ12の駆動により回転する。環状溝10aには、散薬投入部2から投入された散薬が均一に収容される。
【0026】
散薬掻出装置11は、
図5に示すように、基台13と、アーム14と、回転部材15とを備えている。
【0027】
基台13は、散薬収容部材10の内側に配置され、回転用モータ16と、昇降用モータ17とを有している。回転用モータ16は、そのモータギア(不図示)から、中間ギア16a、駆動ギア16bを介して駆動軸18のプーリ19に動力を伝達する。昇降用モータ17は、モータギア17aを介して昇降ギア17bを回転し、昇降ギア17bに設けたピン17cを介して昇降台20を昇降させるようになっている。
【0028】
アーム14は、一端が基台13の駆動軸18に回動可能に取り付けられ、他端には後述する回転軸23が取り付けられている。駆動軸18のプーリ19と回転軸23のプーリ21の間にはベルト22が架け渡され、駆動軸18の回転力が回転軸23に伝達されるようになっている。また、アーム14は、昇降台20に支持され、昇降台20の昇降により、駆動軸18を中心に所定角度で掻出位置と退避位置とに回動するようになっている。
【0029】
回転部材15は、
図6に示すように、回転軸23と、取付基板24と、回転板25とからなっている。
【0030】
回転軸23は、前述したようにアーム14の先端に回転可能に取り付けられている。
【0031】
取付基板24は、ステンレス鋼製の円板からなり、回転軸23の一端に一体回転可能に取り付けられている。取付基板24の回転板側の面には、三角錐状の突出部26が取り付けられている。突出部26の両側の対称位置には、円錐状の装着ピン27が取り付けられている。装着ピン27は、半径方向にスライド可能に設けられ、図示しないばねにより半径方向外側に付勢されている。
【0032】
回転板25は、散薬収容部材10の環状溝10aの円弧と同じ曲率半径を有するステンレス鋼製の円板からなり、外周部には全周に亘ってシリコン等の弾性縁部28が熱融着により一体化されている。回転板25の中央部には、取付基板24の突出部26が係合する三角形の取付孔25aが形成され、該取付孔25aを挟んで両側には、取付基板24の装着ピン27が係合する長孔からなる位置決め孔25bが形成されている。回転板25の回転軸23と反対側にある第1面(表面)には、2つの幅広掻出板(第1掻出板)29a、29bが一体に設けられ、回転軸23と同じ側にある第2面(裏面)には、1つの幅狭掻出板(第2掻出板)29cが設けられている。
【0033】
2つの幅広掻出板29a、29bと、1つの幅狭掻出板29cは、掻出幅が異なる以外は同一の形状を有しているため、幅広掻出板29aについて説明する。掻出板29aは、ステンレス等の板状体を折り曲げて掻出部30と仕切部31を形成したものである。掻出部30の先端にはシリコン等の弾性片32が一体化されている。仕切部31の外縁の一部は散薬収容部材10の環状溝10aに沿う円弧状に形成されている。
図7(a)に示すように、幅狭掻出板29cの掻出幅Wbは、幅広掻出板29a、29bの掻出幅Waより小さく形成されている。また、
図7(b)に示すように、2つの幅広掻出板29a、29bと、1つの幅狭掻出板29cは、回転板25の中心軸の周りの等配位置(120°間隔)に設けられている。
【0034】
図2に戻ると、包装部4は、ペーパロール40から繰り出されて2つ折りされる包装紙41に、散薬掻出部3から掻き出された散薬を包装ホッパ42を介して受け入れ、ヒータローラ43a、43bにより1包ずつシールして排出するように構成されている。
【0035】
図8Aは、散薬包装装置1の自動清掃システムを示す。清掃ノズル50及び吸引ホース51は、
図11に示すように、散薬包装装置1の前面の右側に設けられ、手動で各部の清掃を行えるようになっている。吸引ホース51は、切換弁52を介して散薬包装装置1の内部に設けられた掃除機53に接続されている。切換弁52は、弁体54と、第1から第4の4つの吸込みノズル55a、55b、55c、55dと、1つの吐出しノズル56とを備えている。
【0036】
弁体54は、円筒状で、一端が閉塞され、他端が開口し、周壁に連通孔54aが形成されている。弁体54は、ケーシング57の中央にモータ58により正転、逆転可能に設けられている。
【0037】
第1から第4の4つの吸込みノズル55a、55b、55c、55dのケーシング57内の端部は、弁体54の周りに集合し、弁体54とシールされた状態で摺接し、弁体54の回転方向の所定の停止位置で弁体54の連通孔54aと連通するようになっている。4つの吸込みノズル55a、55b、55c、55dのケーシング57外の端部は、散薬包装装置1の各吸引部に接続されている。すなわち、第1吸込みノズル55aは清掃ノズル50に接続され、第2吸込みノズル55bは散薬収容部材(R円盤)10の上側の吸引部59に接続され、第3吸込みノズル55cは散薬掻出装置11の吸引部60と散薬収容部材(R円盤)10の下側の吸引部61とに接続され、第4吸込みノズル55dは包装ホッパ42の吸引部62に接続されている。
【0038】
吐出しノズル56のケーシング57内の端部は、弁体54の開口端とシールされた状態で摺接し、かつ、連通している。吐出しノズル56のケーシング57外の端部は、掃除機53に接続されている。
【0039】
切換弁52のケーシング57には、弁体54の連通孔54aが第1から第4吸込みノズル55a、55b、55c、55dに来たことを検出するセンサ63a、63b、63c、63dが設けられている。モータ58により切換弁54を駆動して、連通孔54aが第1から第4吸込みノズル55a、55b、55c、55dのいずれかと対向する位置で停止できるようになっている。
【0040】
掃除機53は、
図8Bに示すように、フィルタ53aと、ファン53bと、当該ファン53bを駆動するモータ53cとを備え、紙パック64が着脱可能に設けられている。紙パック64には、交換時に内部の薬品やごみ、埃、ダニ等が飛散しないようする手段が設けられている。
【0041】
すなわち、
図8Bに示すように、紙パック64は、中央に吐出しノズル56と連通する吸引口65aを有する矩形の口紙65と、口紙65に取り付けられて口紙65の吸引口65aと連通する開口66aを有する袋66とからなり、口紙65を掃除機の所定の位置に係合して取り付け、使用後に取り外して、新しい紙パック64と取り換えることができる。口紙65は、2重構造で、3辺が閉じられ、残り1辺の両端部が閉じられて中央に切欠き65bが設けられている。口紙65の中には、口紙65より小さい矩形の中間紙67がスライド可能に挿入されている。中間紙67には、口紙65の切欠き65bから引き出し可能な摘み片67aと、口紙65の吸引口65aとほぼ同じ大きさの穴67bが設けられている。中間紙67が口紙65の中に挿入された状態では、中間紙67の穴67bが口紙65の吸引口65aと同じ位置に位置し、口紙65の吸引口65aが開口して、袋66内に、吸引した薬品や、ごみ、埃、ダニ等を取り込むことができる。紙パック64を交換する際には、中間紙67の摘み片67bを矢印の方向に引きことで、中間紙67が口紙65の吸引口65aが塞がれる。このため、紙パック64を取り外すときに、袋66内の薬品や、ごみ、埃、ダニ等が飛散することがなくなる。
【0042】
また、掃除機53には、紙パック64の満杯を検出する手段が設けられている。紙パック64の満杯を検出する手段として、従来、吐出しノズル56に設けた流量センサで流量の低下を検出する方法があるが、検出流量から満杯か否かを判断する基準があいまいとなり、正確な満杯の検出ができなかった。本実施形態では、紙パック64の下方に歪ゲージを貼り付けたアクリル板53dを設置し、紙パック64の容量又は重量が増加すると、その圧力又は重量によりアクリル板53dが撓んで、歪ゲージが歪み、図示しないブリッジ回路を介して、紙パック64の容量または重量の限界を測定することができる。無負荷時と満杯時(許容重量相当の重りを載置)の歪量でブリッジ回路の出力電圧が変化するように、可変抵抗で調整し校正することができる。可変抵抗をデジタルポテンショメータに変更し、無負荷時と満杯時の電圧を測定してこれを閾値とし、ソフトウェアで制御することにより、調整、構成作業が容易になる。
【0043】
自動清掃システムにより自動清掃する部分は、散薬収容部材(R円盤)10の上、散薬収容部材(R円盤)10の下、散薬掻出装置11、及び包装ホッパ42の4か所である。散薬収容部材(R円盤)10の上の清掃は、散薬収容部材(R円盤)10を回転させながら、環状溝10aに配置した図示しないクリーナで環状溝10a内に付着した散薬を吸引する。散薬収容部材(R円盤)10の下の清掃は、散薬収容部材(R円盤)10を回転させながら、散薬収容部材(R円盤)10の裏面に配置した図示しないクリーナで散薬収容部材(R円盤)10の裏面に付着した散薬を吸引する。散薬掻出装置11の清掃は、回転板25を回転させながら、図示しないブラシを回転板25に接触させて回転板25や掻出板29a、29b、29cに付着した散薬を吸引する。包装ホッパ42の清掃は、包装ホッパ42の開口部を閉じて内部に付着した散薬を吸引する。
【0044】
1処方の包装を終える毎に、各部に対して自動清掃を行うが、従来は切換弁52を切り換えながら4か所の清掃を順に行っていたため、切換弁52の切換えを含めて合計8ステップが必要であった。本実施形態では、清掃時間を短縮して効率化を図るために、散薬収容部材(R円盤)10の下と散薬掻出装置11の清掃を同時に行っている。すなわち、
図9に示すように、ステップ1で、切換弁52を第4吸込みノズル55dから第3吸込みノズル55cに切り換え、ステップ2で、散薬収容部材(R円盤)10と散薬掻出装置11を同時に回転させて、散薬収容部材(R円盤)10の下と散薬掻出装置11の清掃を同時に行なう。ステップ3で、切換弁52を第3吸込みノズル55cから第4吸込みノズル55dに切り換え、ステップ4で、包装ホッパ42の清掃を行う。ステップ5で、切換弁52を第4吸込みノズル55dから第2吸込みノズル55bに切り換え、ステップ6で、散薬収容部材(R円盤)10を回転させて、散薬収容部材(R円盤)10の上の清掃を行なう。これにより、従来の8ステップの工程が6ステップに減少するので、清掃時間が短縮され、効率化される。
【0045】
次に、前記構成からなる散薬包装装置における散薬掻出部3の動作について説明する。
【0046】
以下の説明においては、幅広掻出板29a、29bがある側の回転板25の面を第1面又は表面、幅狭掻出板29cと回転軸23がある側の回転板25の面を第2面又は裏面という。また、散薬収容部材10を回転板25の第1面側から第2面側に回転させる方向を正転方向、回転板25の第2面側から第1面側に回転させる方向を逆転方向という。
【0047】
散薬掻出部3による散薬掻出動作は、散薬包装装置1に設けられた
図10に示す制御装置70により制御される。制御装置70の中央演算処理部71は、ROMメモリ72に記憶されたプログラムに従い、RAMメモリ73と協働しつつ、散薬収容部材10のモータ12、散薬掻出部3の回転用モータ16及び昇降用モータ17を制御して、散薬収容部材10に処方に示された散薬を収容し、処方に示された包数Nに分割して、包装ホッパ42に掻き出す。
【0048】
図11に示すように、ステップ11で、モータ12を駆動して散薬収容部材10を回転させ、処方に応じた散薬を散薬投入部2から散薬収容部材10の環状溝10aに散薬を均一に散布する。散薬投入部2の動作及びフィーダ速度の調整については既に説明した。
【0049】
ステップ12で、分包数が93包以下か、94包以上かを判断する。従来の散薬掻出装置は最大分割数が93包であったのに対し、本実施形態では、94包以上の分包が可能であるが、包数が93包以下の場合と、包数が94包以上の場合とで、動作が異なる。これは、本実施形態では、幅広掻出板29a、29bの掻出幅Waが散薬収容部材10の環状溝10aの中心における周長の1/93になっているためである。以下の説明では、分割幅が幅広掻出板29a、29bの掻出幅Wa以上となる93包以下の場合と、分割幅が幅広掻出板29a、29bの掻出幅Wa以下となる94包以上の場合とで分けている。
【0050】
<93包以下の場合>
分包数が93包以下の場合、ステップ13で回転板25を回転させ、
図12(a)に示すように、幅狭掻出板29cと幅広掻出板29aが散薬収容部材10の内側と外側にある状態の第1原点位置に停止する。具体的には、幅広掻出板29aの仕切部31が散薬収容部材10に入る前で、かつ、幅狭掻出板29cの掻出部30が散薬収容部材10から出た後である。ステップ14で、回転板25を散薬収容部材10の環状溝10aに降下させると、回転板25の周縁の一部が散薬収容部材(R円盤)10に均一に収容された散薬を切り込む。
【0051】
ステップ15で、散薬収容部材(R円盤)10を正転方向に回転させ、
図12(a)、
図13(b)に示すように、回転板25の第1面側にある散薬を掻き寄せ、回転板25の第2面側に散薬がない領域を設けて、幅広掻出板29aにより掻き出される散薬の分割幅Sを調整する。ここで、散薬収容部材10の環状溝10aの最深部の周長をL、分包数をNとすると、散薬の分割幅Sは、S=L/Nであるので、分割幅Sから幅広掻出板29aの掻出幅Waを引いた移動量aだけ、散薬収容部材10を正転する。
【0052】
ステップ16で、回転板25を
図12(a)において時計回りに回転させて幅広掻出板29aにより散薬収容部材10の1包目の散薬を掻き出す。
図12(b)に示すように、幅広掻出板29aの掻出部が散薬収容部材10から出た後、幅広掻出板29bの仕切部が散薬収容部材10に入る前に、ステップ17で、散薬収容部材(R円盤)10を正転し、
図13(b)に示すように、分割幅S分のピッチだけ散薬収容部材10を送る。
【0053】
ステップ18で、回転板25を
図12(b)において時計回りに回転させて幅広掻出板29bにより散薬収容部材10の2包目の散薬を掻き出す。
図12(c)に示すように幅広掻出板29bの掻出部が散薬収容部材10から出た後、幅狭掻出板29cの仕切部が散薬収容部材10に入る前に、ステップ19で、散薬収容部材(R円盤)を正転し、
図13(c)に示すように、分割幅S分のピッチだけ散薬収容部材10を送る。
【0054】
ステップ20からステップ16に戻り、回転板25を回転させると、幅広掻出板29aが散薬収容部材10に入る前に、幅狭掻出板29cが散薬収容部材10に入るが、この時点では幅狭掻出板29cが設けられた回転板25の第2面は分割幅Sの2つ分の散薬が無い状態になっているので、空振りとなり、散薬を乱すことなく通過する。
【0055】
以下、最終のN包目の散薬が掻き出されるまで、幅広掻出板29aと幅広掻出板29bとで散薬を掻き出す動作を繰り返す。
【0056】
ステップ20で、最終のN包目が掻き出されたと判断すると、ステップ21で回転板25を上昇させて散薬掻出動作を終了する。
【0057】
なお、分包数が46包以下の場合は、以上の方法であると、散薬を掻き寄せる幅が大きくなるので、1服用時期分の散薬の掻き出しのために幅広掻出板29aと29bで2回掻き出す。
【0058】
<94包以上の場合>
分包数が94包以上の場合、幅狭掻出板29cの掻出幅Wbが散薬収容部材10の環状溝10aの中心における周長の1/135(実施例では10mm)になっているため、1包目を幅狭掻出板29cで掻き出すときの動作は、分包数が94包から134包の場合と、分包数が135包の場合と、分包数が136包以上の場合とで動作が異なる。
【0059】
分包数が94包から134包以下の場合は、分割幅(例えば12mm)が幅狭掻出板29cの掻出幅Wbより大きいので、幅狭掻出板29cにより1包目の掻き出しを行う前に、散薬収容部材10を第2面側から第1面側に回転させて(実施例では2mm)、回転板25により第2面側の散薬の掻き寄せ動作を行う。
【0060】
分包数が135包の場合は、分割幅(10mm)が幅狭掻出板29cの掻出幅Wbと同じであるため、回転板25による散薬の掻き寄せ動作は不要である。
【0061】
分包数が136包以上の場合は、分割幅(例えば5mm)が幅狭掻出板29cの掻出幅Wbより小さいので、幅狭掻出板29cにより1包目の掻き出しを行う前に、散薬収容部材10を第1面側から第2面側に回転させて(実施例では5mm)、回転板25により第1面側の散薬の掻き寄せ動作を行う。
【0062】
いずれの場合も、1包目を掻き出した後の動作は同様であるため、以下、分包数が136包以上の場合について、具体的に説明する。
【0063】
分包数が136包以上の場合、ステップ22で回転板25を回転させ、
図14(a)に示すように、幅狭掻出板29cと幅広掻出板29bが散薬収容部材10の内側と外側にある状態の第2原点位置に停止する。具体的には、幅狭掻出板29cの仕切部31が散薬収容部材10に入る前で、かつ、幅広掻出板29bの掻出部30が散薬収容部材10から出た後である。ステップ23で、回転板25を散薬収容部材10の環状溝10aに降下させると、回転板25の周縁の一部が散薬収容部材(R円盤)10に均一に収容された散薬を切り込む。
【0064】
ステップ24で、散薬収容部材(R円盤)10を正転方向に回転させ、
図14(a)、
図15(a)に示すように、回転板25の第1面側にある散薬を掻き寄せ、回転板25の第2面側に散薬がない領域を設けて、幅狭掻出板29cにより掻き出される散薬の分割幅Sを調整する。ここで、散薬収容部材10の環状溝10aの最深部の周長をL、分包数をNとすると、散薬の分割幅Sは、S=L/Nであるので、幅狭掻出板29cの掻出幅Wbから分割幅Sを引いた移動量bだけ、散薬収容部材10を正転する。
【0065】
ステップ25で、回転板25を
図14(a)において時計回りに回転させて幅狭掻出板29cにより散薬収容部材10の1包目の散薬を掻き出す。
図14(b)に示すように、幅狭掻出板29cの掻出部が散薬収容部材10から出た後、幅広掻出板29aの仕切部が散薬収容部材10に入る前に、ステップ26で、散薬収容部材(R円盤)10を逆転させ、回転板25の第1面側に散薬がない領域を設けて、幅広掻出板29aにより掻き出される散薬の分割幅Sを調整する。ここで、回転板25の第1面側には(Wb-S)分の散薬が既に掻き寄せられているので、実分割幅Saは、Sa=S-(Wb-S)=2S-Wbとなる。この場合、散薬収容部材10の移動量cは、WaからSaを差し引いて、d=Wa-(2S-Wb)=Wa+Wb-2Sとなる。
【0066】
ステップ27で、回転板25を
図14(b)において時計回りに回転させて幅広掻出板29aにより散薬収容部材10の2包目の散薬を掻き出す。
図14(c)に示すように、幅広掻出板29aの掻出部が散薬収容部材10から出た後、幅広掻出板29bの仕切部が散薬収容部材10に入る前に、ステップ28で、散薬収容部材(R円盤)10を正転し、分割幅S分だけ散薬収容部材10を送る。
【0067】
ステップ29で、回転板25を
図14(c)において時計回りに回転させて幅広掻出板29bにより散薬収容部材10の3包目の散薬を掻き出す。幅広掻出板29bの掻出部が散薬収容部材10から出た後、幅狭掻出板29cの仕切部が散薬収容部材10に入る前に、ステップ30で、散薬収容部材(R円盤)を正転し、
図15(c)に示すように、分割幅S分のピッチだけ散薬収容部材10を送る。
【0068】
ステップ31からステップ27に戻り、回転板25を回転させると、幅広掻出板29aが散薬収容部材10に入る前に、幅狭掻出板29cが散薬収容部材10に入るが、この時点では幅狭掻出板29cが設けられた回転板25の第2面は分割幅Sの2つ分の散薬が無い状態になっているので、空振りとなり、散薬を乱すことなく通過する。
【0069】
以下、最終のN包目の散薬が掻き出されるまで、幅広掻出板29aと幅広掻出板29bとで散薬を掻き出す動作を繰り返す。
【0070】
ステップ31で、最終のN包目が掻き出されたと判断すると、ステップ21で回転板25を上昇させて散薬掻出動作を終了する。
【0071】
前記実施形態の錠剤掻出装置では、
図15に示すように、幅狭掻出板29cにより1包目を掻き出すときに分包数に応じた分割幅Sの散薬が掻き出されるように、散薬収容部材10を第2面側から第1面側に移動させて散薬収容部材10に収容された散薬を幅狭掻出板29cと反対側に掻き寄せるが、幅広掻出板29cの掻出幅Wbが幅広掻出板29a、29bの掻出幅Waより小さいだけ掻寄量が少ないため、分包数が多くても、幅狭掻出板29cと反対側に掻き寄せられた散薬は2包目の分割幅S内に収まり、幅広掻出板29aによる2包目の掻き出し時に掻き出される結果、散薬収容部材10に必要量の散薬を1回撒くだけで、必要な分包数の散薬を掻き出すことができる。
【0072】
本実施形態では、掻出幅が幅広掻出板(第1掻出板)の幅以上となる93包以下の場合は、幅広掻出板(第1掻出板)のみで散薬の掻き出しを行い、掻出幅が幅広掻出板(第1掻出板)の幅以下となる94包以上の場合は、1包目を幅狭掻出板(第2掻出板)で掻き出し、2包目以上を幅広掻出板(第1掻出板)で掻き出している。しかし、掻出幅が幅広掻出板(第1掻出板)の幅以上となる93包以下の場合でも、1包目を幅狭掻出板(第2掻出板)で掻き出し、2包目以上を幅広掻出板(第1掻出板)で掻き出すこともできる。
【0073】
本発明は、前記実施形態に限るものではなく、発明の要旨を変更することなく、変形や修正が可能である。例えば、前記実施形態では、第1掻出板(幅広掻出板29a、29b)を2つ、第2掻出板(幅狭掻出板29c)を1つとしたが、第1掻出板を1つ、第2掻出板を1つとしてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 散薬包装装置
10 散薬収容部材
10a 環状溝
11 散薬掻出装置
25 回転板
29a、29b 幅広掻出板(第1掻出板)
29c 幅狭掻出板(第2掻出板)
70 制御装置