(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 10/00 20230101AFI20241127BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20241127BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20241127BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20241127BHJP
G11C 11/412 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
H10B10/00
H01L21/88 Z
G11C11/412
(21)【出願番号】P 2021565553
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(86)【国際出願番号】 JP2020046340
(87)【国際公開番号】W WO2021125094
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】P 2019229339
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 雅庸
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-176910(JP,A)
【文献】国際公開第2018/025597(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0194037(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0162583(US,A1)
【文献】WECKX P., et al.,Stacked nanosheet fork architecture for SRAM design and device co-optimization toward 3nm,IEEE Conference Proceedings,米国,2017年,Vol.2017,No.IEDM,p.20.5.1-20.5.4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 10/00
H01L 21/3205
H01L 21/768
H01L 23/522
G11C 11/412
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2ポートSRAMセルを含む半導体記憶装置であって、
前記2ポートSRAMセルは、
一方のノードが第1電圧を供給する第1電源に、他方のノードが第1ノードに、ゲートが第2ノードにそれぞれ接続された第1トランジスタと、
一方のノードが前記第1電源に、他方のノードが前記第2ノードに、ゲートが前記第1ノードにそれぞれ接続された第2トランジスタと、
一方のノードが前記第1ノードに、他方のノードが前記第1電圧と異なる第2電圧を供給する第2電源に、ゲートが前記第2ノードにそれぞれ接続された第3トランジスタと、
一方のノードが前記第2ノードに、他方のノードが前記第2電源に、ゲートが前記第1ノードにそれぞれ接続された第4トランジスタと、
一方のノードが第1ライトビット線に、他方のノードが前記第1ノードに、ゲートがライトワード線にそれぞれ接続された第5トランジスタと、
一方のノードが前記第1ライトビット線と相補ビット線対を構成する第2ライトビット線に、他方のノードが前記第2ノードに、ゲートが前記ライトワード線にそれぞれ接続された第6トランジスタと、
一方のノードが前記第2電源に、ゲートが前記第2ノードにそれぞれ接続された第7トランジスタと、
一方のノードが前記第7トランジスタの他方のノードに、他方のノードが第1リードビット線に、ゲートがリードワード線にそれぞれ接続された第8トランジスタと
を備え、
前記第1~第8トランジスタは、
第1方向に延びている第1~第8ナノシートと、
前記第1~第8ナノシートの、前記第1方向と垂直をなす第2方向、ならびに、前記第1および第2方向と垂直をなす第3方向をそれぞれ囲っている第1~第8ゲート配線と
をそれぞれ備え、
前記第1、第3、第6および第7ナノシートは、前記第2方向において、前記第6、第1、第3、第7ナノシートの順に、並んで形成されており、
前記第2、第4、第5および第8ナノシートは、前記第2方向において、前記第4、第2、第5、第8ナノシートの順に、並んで形成されており、
前記第2、第3および第5ナノシートは、前記第2方向における一方の側である第1側の面が、前記第2、第3および第5ゲート配線からそれぞれ露出しており、
前記第1、第4、第6、第7および第8ナノシートは、前記第2方向における他方の側である第2側の面が、前記第1、第4、第6、第7および第8ゲート配線からそれぞれ露出しており、
前記第1側は、前記第3ナノシートの、前記第1ナノシートに対向する側であり、かつ、前記第2ナノシートの、前記第4ナノシートに対向する側であり、
前記第2側は、前記第1ナノシートの、前記第3ナノシートに対向する側であり、かつ、前記第4ナノシートの、前記第2ナノシートに対向する側である
ことを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体記憶装置において、
前記第3、第6および第7ナノシートは、前記第5、第4および第8ナノシートとそれぞれ前記第1方向に並んで形成されていることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体記憶装置において、
前記第7および第8ナノシートは、前記2ポートSRAMセルの、前記第2側のセル境界に近接して形成されていることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体記憶装置において、
前記2ポートSRAMセルは、
前記第1方向に延びており、前記第2電圧を供給する電源配線と、
前記第1方向に延びており、前記第1ライトビット線となる、第1配線と、
前記第1方向に延びており、前記第2ライトビット線となる、第2配線と、
前記第1方向に延びており、前記第1リードビット線となる、第3配線と
をさらに備え、
前記電源配線は、前記第1~第8トランジスタよりも下層に形成されており、
前記第1~第3配線は、それぞれ、前記第1~第8トランジスタよりも上層の同じ配線層に形成されており、
前記第1~第3配線のうち少なくとも1つの配線は、前記配線層に形成された配線のうち前記第2方向の幅が最小となる配線よりも、前記第2方向の幅が広い
ことを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項5】
請求項1記載の半導体記憶装置において、
前記2ポートSRAMセルは、
一方のノードが前記第2電源に、ゲートが前記第1ノードにそれぞれ接続された第9トランジスタと、
一方のノードが前記第9トランジスタの他方のノードに、他方のノードが第1リードビット線と相補ビット線対を構成する第2リードビット線に、ゲートがリードワード線にそれぞれ接続された第10トランジスタと
をさらに備え、
前記第9および第10トランジスタは、
前記第1方向に延びている第9および第10ナノシートと、
前記第9および第10ナノシートの、前記第2および第3方向をそれぞれ囲っている第9および第10ゲート配線と
をそれぞれ備え、
前記第1、第3、第6、第7および第10ナノシートは、前記第2方向において、前記第10、第6、第1、第3、第7ナノシートの順に、並んで形成されており、
前記第2、第4、第5、第8および第9ナノシートは、前記第2方向において、前記第9、第4、第2、第5、第8ナノシートの順に、並んで形成されており、
前記第9および第10ナノシートは、前記2ポートSRAMセルの、前記第1側のセル境界に近接して形成されており、かつ、前記第1側の面が、前記第9および前記第10ゲート配線からそれぞれ露出している
ことを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項6】
請求項5記載の半導体記憶装置において、
前記第9および第10ナノシートは、前記第1方向に並んで形成されていることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項7】
請求項5記載の半導体記憶装置において、
前記第1および第2トランジスタは、平面視において、2ポートSRAMセルの中心点に対して、対称に配置されており、
前記第3および第4トランジスタは、平面視において、2ポートSRAMセルの前記中心点に対して、対称に配置されており、
前記第5および第6トランジスタは、平面視において、2ポートSRAMセルの前記中心点に対して、対称に配置されており、
前記第7および第
9トランジスタは、平面視において、2ポートSRAMセルの前記中心点に対して、対称に配置されており、
前記第
8および第10トランジスタは、平面視において、2ポートSRAMセルの前記中心点に対して、対称に配置されている
ことを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項8】
請求項5記載の半導体記憶装置において、
前記2ポートSRAMセルは、
前記第1方向に延びており、前記第1ライトビット線となる、第1配線と、
前記第1方向に延びており、前記第2ライトビット線となる、第2配線と、
前記第1方向に延びており、前記第1リードビット線となる、第3配線と、
前記第1方向に延びており、前記第2リードビット線となる、第4配線と
をさらに備え、
前記第1および第2配線は、平面視において、2ポートSRAMセルにおける前記第2方向の中央線に対して、対称に配置されており、
前記第3および第4配線は、平面視において、2ポートSRAMセルにおける前記第2方向の前記中央線に対して、対称に配置されている
ことを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項9】
2ポートSRAMセルを含む半導体記憶装置であって、
前記2ポートSRAMセルは、
一方のノードが第1電圧を供給する第1電源に、他方のノードが第1ノードに、ゲートが第2ノードにそれぞれ接続された第1トランジスタと、
一方のノードが前記第1電源に、他方のノードが前記第2ノードに、ゲートが前記第1ノードにそれぞれ接続された第2トランジスタと、
一方のノードが前記第1ノードに、他方のノードが前記第1電圧と異なる第2電圧を供給する第2電源に、ゲートが前記第2ノードにそれぞれ接続された第3トランジスタと、
一方のノードが前記第2ノードに、他方のノードが前記第2電源に、ゲートが前記第1ノードにそれぞれ接続された第4トランジスタと、
一方のノードが第1ライトビット線に、他方のノードが前記第1ノードに、ゲートがライトワード線にそれぞれ接続された第5トランジスタと、
一方のノードが前記第1ライトビット線と相補ビット線対を構成する第2ライトビット線に、他方のノードが前記第2ノードに、ゲートが前記ライトワード線にそれぞれ接続された第6トランジスタと、
一方のノードが前記第2電源に、ゲートが前記第2ノードにそれぞれ接続された第7トランジスタと、
一方のノードが前記第7トランジスタの他方のノードに、他方のノードが第1リードビット線に、ゲートがリードワード線にそれぞれ接続された第8トランジスタと
を備え、
前記第1~第8トランジスタは、
第1方向に延びている第1~第8ナノシートと、
前記第1~第8ナノシートの、前記第1方向と垂直をなす第2方向、ならびに、前記第1および第2方向と垂直をなす第3方向をそれぞれ囲っている第1~第8ゲート配線と
をそれぞれ備え、
前記第1、第3、第6および第7ナノシートは、前記第2方向において、前記第6、第1、第3、第7ナノシートの順に、並んで形成されており、
前記第2、第4、第5および第8ナノシートは、前記第2方向において、前記第4、第2、第5、第8ナノシートの順に、並んで形成されており、
前記第2、第3および第5ナノシートは、前記第2方向における一方の側である第1側の面が、前記第2、第3および第5ゲート配線からそれぞれ露出しており、
前記第1、第4、第6、第7および第8ナノシートは、前記第2方向における他方の側である第2側の面が、前記第1、第4、第6、第7および第8ゲート配線からそれぞれ露出しており、
前記第1側は、前記第3ナノシートの、前記第7ナノシートに対向する側であり、かつ、前記第5ナノシートの、前記第8ナノシートに対向する側であり、
前記第2側は、前記第7ナノシートの、前記第3ナノシートに対向する側であり、かつ、前記第8ナノシートの、前記第5ナノシートに対向する側である
ことを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項10】
請求項9記載の半導体記憶装置において、
前記第1ナノシートは、平面視において、前記第2ナノシートの、前記第1側に形成されていることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項11】
請求項9記載の半導体記憶装置において、
前記第3、第6および第7トランジスタは、前記第5、第4および第8トランジスタとそれぞれ前記第1方向に並んで形成されていることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項12】
請求項9記載の半導体記憶装置において、
前記第7および第8ナノシートは、前記2ポートSRAMセルの、前記第1側のセル境界に近接して形成されていることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項13】
請求項9記載の半導体記憶装置において、
前記2ポートSRAMセルは、前記第2方向に延びており、前記第1~第8トランジスタのいずれかのノードに接続されたローカル配線を備え、
前記ローカル配線は、前記第2方向において、一方の端が、接続されているノードの両端の間に位置している
ことを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項14】
請求項9記載の半導体記憶装置において、
前記2ポートSRAMセルは、
一方のノードが前記第2電源に、ゲートが前記第1ノードにそれぞれ接続された第9トランジスタと、
一方のノードが前記第9トランジスタの他方のノードに、他方のノードが第1リードビット線と相補ビット線対を構成する第2リードビット線に、ゲートがリードワード線にそれぞれ接続された第10トランジスタと
をさらに備え、
前記第9および第10トランジスタは、
前記第1方向に延びている第9および第10ナノシートと、
前記第9および第10ナノシートの、前記第2および第3方向をそれぞれ囲っている第9および第10ゲート配線と
をそれぞれ備え、
前記第1、第3、第6、第7および第10ナノシートは、前記第2方向において、前記第10、第6、第1、第3、第7ナノシートの順に、並んで形成されており、
前記第2、第4、第5、第8および第9ナノシートは、前記第2方向において、前記第9、第4、第2、第5、第8ナノシートの順に、並んで形成されており、
前記第1側は、前記第9ナノシートの、前記第4ナノシートに対向する側であり、かつ、前記第10ナノシートの、前記第6ナノシートに対向する側であり、
前記第2側は、前記第4ナノシートの、前記第9ナノシートに対向する側であり、かつ、前記第6ナノシートの、前記第10ナノシートに対向する側である
ことを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項15】
請求項14記載の半導体記憶装置において、
前記第1および第2トランジスタは、平面視において、2ポートSRAMセルの中心点に対して、対称に配置されており、
前記第3および第4トランジスタは、平面視において、2ポートSRAMセルの前記中心点に対して、対称に配置されており、
前記第5および第6トランジスタは、平面視において、2ポートSRAMセルの前記中心点に対して、対称に配置されており、
前記第7および第
9トランジスタは、平面視において、2ポートSRAMセルの前記中心点に対して、対称に配置されており、
前記第
8および第10トランジスタは、平面視において、2ポートSRAMセルの前記中心点に対して、対称に配置されている
ことを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項16】
請求項14記載の半導体記憶装置において、
前記2ポートSRAMセルは、
前記第1方向に延びており、前記第1ライトビット線となる、第1配線と、
前記第1方向に延びており、前記第2ライトビット線となる、第2配線と、
前記第1方向に延びており、前記第1リードビット線となる、第3配線と、
前記第1方向に延びており、前記第2リードビット線となる、第4配線と
をさらに備え、
前記第1および第2配線は、平面視において、2ポートSRAMセルにおける前記第2方向の中央線に対して、対称に配置されており、
前記第3および第4配線は、平面視において、2ポートSRAMセルにおける前記第2方向の前記中央線に対して、対称に配置されている
ことを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項17】
請求項14記載の半導体記憶装置において、
前記第9および第10ナノシートは、前記第1方向に並んで形成されていることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項18】
請求項14記載の半導体記憶装置において、
前記2ポートSRAMセルは、前記第2方向に延びており、前記第1~第10トランジスタのいずれかのノードに接続されたローカル配線を備えており、
前記ローカル配線は、前記第2方向において、一方の端が、接続されているノードの両端の間に位置している
ことを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項19】
請求項14記載の半導体記憶装置において、
前記2ポートSRAMセルは、
前記第1方向に延びており、前記第2電圧を供給する電源配線と、
前記第1方向に延びており、前記第1ライトビット線となる、第1配線と、
前記第1方向に延びており、前記第2ライトビット線となる、第2配線と、
前記第1方向に延びており、前記第1リードビット線となる、第3配線と、
をさらに備え、
前記電源配線は、前記第1~第10トランジスタよりも下層に形成されており、
前記第1~第3配線は、それぞれ、前記第1~第10トランジスタよりも上層の同じ配線層に形成されている
ことを特徴とする半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ナノシートFET(Field Effect Transistor)を備えた半導体記憶装置に関し、特にナノシートFETを用いた2ポートSRAM(Static Random Access Memory)セル(以下、適宜、単にセルともいう)のレイアウト構造に関する。
【背景技術】
【0002】
SRAMは半導体集積回路において広く用いられている。SRAMには書き込み用ポートと読み出し用ポートが1つずつ備えられた2ポートSRAMが存在する(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、LSIの基本構成要素であるトランジスタは、ゲート長の縮小(スケーリング)により、集積度の向上、動作電圧の低減、および動作速度の向上を実現してきた。しかし近年、過度なスケーリングによるオフ電流と、それによる消費電力の著しい増大が問題となっている。この問題を解決するため、トランジスタ構造を従来の平面型から立体型に変更した立体構造トランジスタが盛んに研究されている。立体構造トランジスタの1つとしてナノシートFET(ナノワイヤFET)が注目されている。
【0004】
ナノシートFETのうち、ゲート電極をフォーク形状としたフォークシート(fork sheet)トランジスタが提唱されている。非特許文献1には、フォークシートトランジスタを用いたSRAMセルのレイアウトが開示されており、半導体記憶装置の小面積化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】P. Weckx et al., “Stacked nanosheet fork architecture for SRAM design and device co-optimization toward 3nm”, 2017 IEEE International Electron Devices Meeting (IEDM), December 2017, IEDM17-505~508
【文献】P. Weckx et al., “Novel forksheet device architecture as ultimate logic scaling device towards 2nm”, 2019 IEEE International Electron Devices Meeting (IEDM), December 2019, IEDM19-871~874
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書では、ゲート電極をフォーク形状としたナノシートFETを、従来技術にならってフォークシートトランジスタと呼称する。
【0008】
しかし、これまでに、フォークシートトランジスタを用いた2ポートSRAMセルのレイアウトに関して、具体的な検討はまだなされていない。
【0009】
本開示は、フォークシートトランジスタを用いた2ポートSRAMセルのレイアウト構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第1態様では、2ポートSRAMセルを含む半導体記憶装置であって、2ポートSRAMセルは、一方のノードが第1電圧を供給する第1電源に、他方のノードが第1ノードに、ゲートが第2ノードにそれぞれ接続された第1トランジスタと、一方のノードが第1電源に、他方のノードが第2ノードに、ゲートが第1ノードにそれぞれ接続された第2トランジスタと、一方のノードが第1ノードに、他方のノードが第1電圧と異なる第2電圧を供給する第2電源に、ゲートが第2ノードにそれぞれ接続された第3トランジスタと、一方のノードが第2ノードに、他方のノードが第2電源に、ゲートが第1ノードにそれぞれ接続された第4トランジスタと、一方のノードが第1ライトビット線に、他方のノードが第1ノードに、ゲートがライトワード線にそれぞれ接続された第5トランジスタと、一方のノードが第1ライトビット線と相補ビット線対を構成する第2ライトビット線に、他方のノードが第2ノードに、ゲートがライトワード線にそれぞれ接続された第6トランジスタと、一方のノードが第2電源に、ゲートが第2ノードにそれぞれ接続された第7トランジスタと、一方のノードが第7トランジスタの他方のノードに、他方のノードが第1リードビット線に、ゲートがリードワード線にそれぞれ接続された第8トランジスタとを備える。第1~第8トランジスタは、第1方向に延びている第1~第8ナノシートと、第1~第8ナノシートの、第1方向と垂直をなす第2方向、ならびに、第1および第2方向と垂直をなす第3方向をそれぞれ囲っている第1~第8ゲート配線とをそれぞれ備える。第1、第3、第6および第7ナノシートは、第2方向において、第6、第1、第3、第7ナノシートの順に、並んで形成されている。第2、第4、第5および第8ナノシートは、第2方向において、第4、第2、第5、第8ナノシートの順に、並んで形成されている。第2、第3および第5ナノシートは、第2方向における一方の側である第1側の面が、第2、第3および第5ゲート配線からそれぞれ露出している。第1、第4、第6、第7および第8ナノシートは、第2方向における他方の側である第2側の面が、第1、第4、第6、第7および第8ゲート配線からそれぞれ露出している。第1側は、第3ナノシートの、第1ナノシートに対向する側であり、かつ、第2ナノシートの、第4ナノシートに対向する側である。第2側は、第1ナノシートの、第3ナノシートに対向する側であり、かつ、第4ナノシートの、第2ナノシートに対向する側である。
【0011】
本開示によると、第1~第8トランジスタは、第1~第8ナノシートと、第1~第8ゲート配線とをそれぞれ備える。第1~第8ゲート配線は、第1~第8ナノシートの第2方向および第3方向をそれぞれ囲っている。第2、第3および第5ナノシートは、第2方向における一方の側である第1側の面が、第2、第3および第5ゲート配線からそれぞれ露出している。第1、第4、第6、第7および第8ナノシートは、第2方向における他方の側である第2側の面が、第1、第4、第6、第7および第8ゲート配線からそれぞれ露出している。すなわち、第1~第8トランジスタがそれぞれフォークシートトランジスタで構成される。第1~第8トランジスタにより、フォークシートトランジスタを用いた2ポートSRAMセルを実現することができる。
【0012】
また、第1および第3ナノシートは、第2方向に並んで形成されている。第2および第4ナノシートは、第2方向に並んで形成されている。第1側は、第3ナノシートの、第1ナノシートに対向する側であり、かつ、第2ナノシートの、第4ナノシートに対向する側である。第2側は、第1ナノシートの、第3ナノシートに対向する側であり、かつ、第4ナノシートの、第2ナノシートに対向する側である。すなわち、第1および第3ナノシートは、第2方向に互いに対向する側の面が第1および第3ゲート配線からそれぞれ露出している。第2および第4ナノシートは、第2方向に互いに対向する側の面が第2および第4ゲート配線からそれぞれ露出している。これにより、第1および第3トランジスタの第2方向における距離、ならびに、第2および第4トランジスタの第2方向における距離をそれぞれ小さくすることができるため、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【0013】
したがって、フォークシートトランジスタを用いた2ポートSRAMセルを実現することができるとともに、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【0014】
本開示の第2態様では、2ポートSRAMセルを含む半導体記憶装置であって、2ポートSRAMセルは、一方のノードが第1電圧を供給する第1電源に、他方のノードが第1ノードに、ゲートが第2ノードにそれぞれ接続された第1トランジスタと、一方のノードが第1電源に、他方のノードが第2ノードに、ゲートが第1ノードにそれぞれ接続された第2トランジスタと、一方のノードが第1ノードに、他方のノードが第1電圧と異なる第2電圧を供給する第2電源に、ゲートが第2ノードにそれぞれ接続された第3トランジスタと、一方のノードが第2ノードに、他方のノードが第2電源に、ゲートが第1ノードにそれぞれ接続された第4トランジスタと、一方のノードが第1ライトビット線に、他方のノードが第1ノードに、ゲートがライトワード線にそれぞれ接続された第5トランジスタと、一方のノードが第1ライトビット線と相補ビット線対を構成する第2ライトビット線に、他方のノードが第2ノードに、ゲートがライトワード線にそれぞれ接続された第6トランジスタと、一方のノードが第2電源に、ゲートが第2ノードにそれぞれ接続された第7トランジスタと、一方のノードが第7トランジスタの他方のノードに、他方のノードが第1リードビット線に、ゲートがリードワード線にそれぞれ接続された第8トランジスタとを備える。第1~第8トランジスタは、第1方向に延びている第1~第8ナノシートと、第1~第8ナノシートの、第1方向と垂直をなす第2方向、ならびに、第1および第2方向と垂直をなす第3方向をそれぞれ囲っている第1~第8ゲート配線とをそれぞれ備える。第1、第3、第6および第7ナノシートは、第2方向において、第6、第1、第3、第7ナノシートの順に、並んで形成されている。第2、第4、第5および第8ナノシートは、前記第2方向において、前記第4、第2、第5、第8ナノシートの順に、並んで形成されている。第2、第3および第5ナノシートは、第2方向における一方の側である第1側の面が、第2、第3および第5ゲート配線からそれぞれ露出している。第1、第4、第6、第7および第8ナノシートは、第2方向における他方の側である第2側の面が、前記第1、第4、第6、第7および第8ゲート配線からそれぞれ露出している。第1側は、第3ナノシートの、第7ナノシートに対向する側であり、かつ、第5ナノシートの、第8ナノシートに対向する側である。第2側は、第7ナノシートの、第3ナノシートに対向する側であり、かつ、第8ナノシートの、第5ナノシートに対向する側である。
【0015】
本開示によると、第1~第8トランジスタは、第1~第8ナノシートと、第1~第8ゲート配線とをそれぞれ備える。第1~第8ゲート配線は、第1~第8ナノシートの第2方向および第3方向をそれぞれ囲っている。第2、第3および第5ナノシートは、第2方向における一方の側である第1側の面が、第2、第3および第5ゲート配線からそれぞれ露出している。第1、第4、第6、第7および第8ナノシートは、第2方向における他方の側である第2側の面が、第1、第4、第6、第7および第8ゲート配線からそれぞれ露出している。すなわち、第1~第8トランジスタがそれぞれフォークシートトランジスタで構成される。第1~第8トランジスタにより、フォークシートトランジスタを用いた2ポートSRAMセルを実現することができる。
【0016】
また、第3および第7ナノシートは、第2方向に並んで形成されている。第5および第8ナノシートは、第2方向に並んで形成されている。第1側は、第3ナノシートの、第7ナノシートに対向する側であり、かつ、第5ナノシートの、第8ナノシートに対向する側である。第2側は、第7ナノシートの、第3ナノシートに対向する側であり、かつ、第8ナノシートの、第5ナノシートに対向する側である。すなわち、第3および第7ナノシートは、第2方向に互いに対向する側の面が第3および第7ゲート配線からそれぞれ露出している。第5および第8ナノシートは、第2方向に互いに対向する側の面が第5および第8ゲート配線からそれぞれ露出している。これにより、第3および第7トランジスタの第2方向における距離、ならびに、第5および第8トランジスタの第2方向における距離をそれぞれ小さくすることができるため、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【0017】
したがって、フォークシートトランジスタを用いた2ポートSRAMセルを実現することができるとともに、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によると、フォークシートトランジスタを用いた2ポートSRAMセルを実現することができるとともに、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の例を示す平面図。
【
図2】第1実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の例を示す断面図。
【
図3】第1実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の例を示す断面図。
【
図4】第1実施形態に係る2ポートSRAMセルの構成を示す回路図。
【
図5】第1実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の他の例を示す平面図。
【
図6】第1実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の他の例を示す平面図。
【
図7】第1実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の他の例を示す平面図。
【
図8】第1実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の他の例を示す断面図。
【
図9】第2実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の例を示す平面図。
【
図10】第2実施形態に係る2ポートSRAMセルの構成を示す回路図。
【
図11】第2実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の他の例を示す平面図。
【
図12】第2実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の他の例を示す平面図。
【
図13】第2実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の他の例を示す平面図。
【
図14】フォークシートFETの基本構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。以下の実施の形態では、半導体記憶装置は複数のSRAMセル(本明細書では、適宜、単にセルという)を備えており、この複数のSRAMセルのうち少なくとも一部は、ナノシートFET(ナノワイヤFET)のうち、ゲート電極をフォーク形状としたフォークシートトランジスタを備えるものとする。ナノシートFETとは、電流が流れる薄いシート(ナノシート)を用いたFETである。ナノシートは例えばシリコンによって形成されている。そして、半導体記憶装置において、ナノシートFETの一部は、ゲート電極をフォーク形状としたフォークシートFETであるものとする。
【0021】
また、本開示では、ナノシートの両端に形成されており、ナノシートFETのソースまたはドレインとなる端子を構成する半導体層部のことを「パッド」という。また、以下の説明では、
図1等の平面図において、図面縦方向をY方向(第1方向に相当)、図面横方向をX方向(第2方向に相当)、基板面に垂直な方向をZ方向(第3方向に相当)としている。
【0022】
(フォークシートの構造)
図14はフォークシートFETの基本構造を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の線Y-Y’における断面図である。
図14の基本構造では、2つのトランジスタTR1,TR2が、Y方向において間隔Sを空けて並べて配置されている。トランジスタTR1のゲートとなるゲート配線531と、トランジスタTR2のゲートとなるゲート配線532は、ともにY方向に延びており、かつ、X方向において同じ位置に配置されている。
【0023】
トランジスタTR1のチャネル領域となるチャネル部521と、トランジスタTR2のチャネル領域となるチャネル部526は、ナノシートで構成されている。
図14では、チャネル部521,526はそれぞれ、平面視で重なる3枚のシート構造からなるナノシートによって構成されている。チャネル部521のX方向における両側に、トランジスタTR1のソース領域またはドレイン領域となるパッド522a,522bが形成されている。チャネル部526のX方向における両側に、トランジスタTR2のソース領域またはドレイン領域となるパッド527a,527bが形成されている。パッド522a,522bは、チャネル部521を構成するナノシートからのエピタキシャル成長によって、形成される。パッド527a,527bは、チャネル部526を構成するナノシートからのエピタキシャル成長によって、形成される。
【0024】
ゲート配線531は、ナノシートで構成されたチャネル部521のY方向およびZ方向における外周を、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して囲んでいる。ただし、チャネル部521を構成するナノシートは、Y方向におけるトランジスタTR2の側の面が、ゲート配線531によって覆われておらず、ゲート配線531から露出している。すなわち、
図14(b)の断面図では、ゲート配線531は、チャネル部521を構成するナノシートの図面右側は覆っておらず、図面上側、左側および下側を覆っている。ゲート配線531は、チャネル部521を構成するナノシートに対して、Y方向におけるトランジスタTR2の反対側に長さOLだけオーバーラップしている。
【0025】
ゲート配線532は、ナノシートで構成されたチャネル部526のY方向およびZ方向における外周を、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して囲んでいる。ただし、チャネル部526を構成するナノシートは、Y方向におけるトランジスタTR1の側の面は、ゲート配線532によって覆われておらず、ゲート配線532から露出している。すなわち、
図14(b)の断面図では、ゲート配線532は、チャネル部526を構成するナノシートの図面左側は覆っておらず、図面上側、右側および下側を覆っている。ゲート配線532は、チャネル部526を構成するナノシートに対して、Y方向におけるトランジスタTR1の反対側に長さOLだけオーバーラップしている。
【0026】
各ナノシートの幅(Y方向におけるサイズ)をW、高さ(Z方向のサイズ)をHとすると、ゲート実効幅Weffは、
Weff=2×W+H
となる。トランジスタTR1,TR2のチャネル部521,526は3枚のナノシートによって構成されているので、トランジスタTR1,TR2のゲート実効幅は、
3×(2×W+H)
となる。
【0027】
図14の構造によると、ゲート配線531は、チャネル部521を構成するナノシートに対して、Y方向におけるトランジスタTR2の側にオーバーラップしていない。また、ゲート配線532は、チャネル部526を構成するナノシートに対して、Y方向におけるトランジスタTR1の側にオーバーラップしていない。これにより、トランジスタTR1,TR2をより近づけることが可能になり、小面積化が実現できる。
【0028】
なお、トランジスタのチャネル部を構成するナノシートの枚数は、3枚に限られるものではない。すなわち、ナノシートは、1枚のシート構造からなるものであってよいし、平面視で重なる複数枚のシート構造からなるものであってもよい。また、
図14(b)では、ナノシートの断面形状は長方形として図示しているが、これに限られるものではなく、ナノシートの断面形状は、例えば、正方形、円形、楕円形等であってもよい。
【0029】
また、半導体記憶装置内には、フォークシートFETと、ゲート配線がナノシートの全周囲を囲んでいるナノシートFETとが、混在していてもかまわない。
【0030】
本明細書では、「VDD」「VSS」は、電源電圧または電源自体を示す。また、本明細書において、「同一配線幅」等のように、幅等が同じであることを意味する表現は、製造上のばらつき範囲を含んでいるものとする。
【0031】
また、本明細書では、ナノシートの両端に形成され、トランジスタのソースまたはドレインとなる端子を構成する半導体層部のことを「パッド」という。
【0032】
また、以降の実施形態における平面図および断面図においては、各絶縁膜等の記載は省略することがある。また、以降の実施形態における平面図および断面図については、ナノシートおよびその両側のパッドを、簡易化した直線状の形状で記載することがある。また、本明細書において、「同一サイズ」等のように、サイズ等が同じであることを意味する表現は、製造上のばらつき範囲を含んでいるものとする。
【0033】
また、本明細書では、トランジスタのソースおよびドレインのことを、適宜、トランジスタの「ノード」と称する。すなわち、トランジスタの一方のノードとは、トランジスタのソースまたはドレインのことを指し、トランジスタの両方のノードとは、トランジスタのソースおよびドレインのことを指す。
【0034】
また、以下の実施形態およびその変形例において、同様の部材等については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0035】
(第1実施形態)
図1~
図3は第1実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の例を示す図であり、
図1(a),(b)は平面図、
図2(a)~(c)および
図3(a),(b)は平面視横方向における断面図である。具体的には、
図1(a)は、M1,M2配線層である、セル上部を示し、
図1(b)はM1,M2配線層よりも下層であり、ナノシートFETを含む部分である、セル下部を示す。
図2(a)は線X1-X1’の断面、
図2(b)は線X2-X2’の断面、
図2(c)は線X3-X3’の断面、
図3(a)は線X4-X4’の断面、
図3(b)は線X5-X5’の断面である。
【0036】
図4は第1実施形態に係る2ポートSRAMセルの構成を示す回路図である。
図4に示すように、2ポートSRAMセルには、ロードトランジスタPU1,PU2と、ドライブトランジスタPD1,PD2と、アクセストランジスタPG1,PG2と、リードドライブトランジスタRPD1と、リードアクセストランジスタRPG1とにより構成される2ポートSRAM回路が構成されている。ロードトランジスタPU1,PU2は、P型FETであり、ドライブトランジスタPD1,PD2、アクセストランジスタPG1,PG2、リードドライブトランジスタRPD1およびリードアクセストランジスタRPG1は、N型FETである。
【0037】
ロードトランジスタPU1は、電源VDDと第1ノードNAとの間に設けられており、ドライブトランジスタPD1は、第1ノードNAと電源VSSとの間に設けられている。ロードトランジスタPU1およびドライブトランジスタPD1は、ゲートが第2ノードNBに接続されており、インバータINV1を構成している。ロードトランジスタPU2は、電源VDDと第2ノードNBとの間に設けられており、ドライブトランジスタPD2は、第2ノードNBと電源VSSとの間に設けられている。ロードトランジスタPU2およびドライブトランジスタPD2は、ゲートが第1ノードNAに接続されており、インバータINV2を構成している。すなわち、一方のインバータの出力は他方のインバータの入力に接続されており、これにより、ラッチが構成されている。
【0038】
アクセストランジスタPG1は、ライトビット線WBLと第1ノードNAとの間に設けられており、ゲートがライトワード線WWLに接続されている。アクセストランジスタPG2は、ライトビット線WBLBと第2ノードNBとの間に設けられており、ゲートがライトワード線WWLに接続されている。なお、ライトビット線WBL,WBLBは、相補ライトビット線対を構成する。
【0039】
リードドライブトランジスタRPD1は、ソースが電源VSSに、ゲートが第2ノードNBに、ドレインがリードアクセストランジスタRPG1のソースにそれぞれ接続されている。リードアクセストランジスタRPG1は、ゲートがリードワード線RWLに、ドレインがリードビット線RBLにそれぞれ接続されている。
【0040】
2ポートSRAM回路では、相補ライトビット線対を構成するライトビット線WBL,WBLBを、ハイレベルおよびローレベルにそれぞれ駆動し、ライトワード線WWLをハイレベルに駆動すると、第1ノードNAにハイレベルが書き込まれ、第2ノードNBにローレベルが書き込まれる。一方、ライトビット線WBL,WBLBを、ローレベルおよびハイレベルにそれぞれ駆動し、ライトワード線WWLをハイレベルに駆動すると、第1ノードNAにローレベルが書き込まれ、第2ノードNBにハイレベルが書き込まれる。そして、第1および第2ノードNA,NBにデータがそれぞれ書き込まれている状態で、ライトワード線WWLをローレベルに駆動すると、ラッチ状態が確定し、第1および第2ノードNA,NBに書き込まれているデータが保持される。
【0041】
また、予めリードビット線RBLをハイレベルにプリチャージしておき、リードワード線RWLをハイレベルに駆動すると、第2ノードNBに書き込まれたデータに応じてリードビット線RBLの状態が確定するため、SRAMセルからのデータの読み出しを行うことができる。具体的に、第2ノードNBがハイレベルであれば、リードビット線RBLはローレベルにディスチャージされる。一方、第2ノードNBがローレベルであれば、リードビット線RBLはハイレベルを保持する。
【0042】
以上に説明したように、2ポートSRAMセルは、ライトビット線WBL,WBLB,リードビット線RBL、ライトワード線WWLおよびリードワード線RWLを制御することによって、SRAMセルへのデータ書き込み、データ保持およびSRAMセルからのデータ読み出し機能を有する。
【0043】
なお、以下の説明では、
図1等の平面図において縦横に走る実線、および、
図2等の断面図において縦に走る実線は、設計時に部品配置を行うために用いるグリッドを示す。グリッドは、X方向において等間隔に配置されており、またY方向において等間隔に配置されている。なお、グリッド間隔は、X方向とY方向とにおいて同じであってもよいし異なっていてもよい。また、グリッド間隔は、層ごとに異なっていてもかまわない。さらに、各部品は必ずしもグリッド上に配置される必要はない。ただし、製造ばらつきを抑制する観点から、部品はグリッド上に配置される方が好ましい。
【0044】
また、
図1等の平面図においてセルを取り囲むように表示された点線は、2ポートSRAMセルのセル枠(2ポートSRAMセルの外縁)を示す。2ポートSRAMセルは、セル枠が、X方向またはY方向に隣接するセルのセル枠と接するように配置される。
【0045】
また、
図1等の平面図において、2ポートSRAMセルのX方向両側には、それぞれ、2ポートSRAMをX方向に反転したものが配置される。2ポートSRAMセルのY方向両側には、それぞれ、2ポートSRAMをY方向に反転したものが配置される。
【0046】
図1(b)に示すように、基板上には、X方向およびY方向に広がるナノシート(nanosheet)21a~21hが形成されている。ナノシート21a~21dは、X方向において、ナノシート21a~21dの順に並んでいる。ナノシート21e~21hは、X方向において、ナノシート21e~21hの順に並んでいる。また、ナノシート21a,21c,21dは、ナノシート21e,21g,21hとY方向に並んで形成されている。
【0047】
また、ナノシート21a,21c,21d,21e,21g,21hのX方向の幅は、ナノシート21b,21fのX方向の幅の2倍となっている。
【0048】
また、ナノシート21d,21hは、図面右側のセル境界に近接して形成されている。ナノシート21a,21eは、図面左側のセル境界に近接して形成されている。
【0049】
ナノシート21a~21hが、アクセストランジスタPG2、ロードトランジスタPU1、ドライブトランジスタPD1、リードドライブトランジスタRPD1、ドライブトランジスタPD2、ロードトランジスタPU2、アクセストランジスタPG1およびリードアクセストランジスタRPG1のチャネル部をそれぞれ構成する。
【0050】
ゲート配線(Gate)31a~31gは、X方向およびZ方向に延びている。ゲート配線31a~31cはX方向に並んでおり、ゲート配線31d~31gはX方向に並んでいる。
【0051】
また、ゲート配線31aは、ナノシート21aと平面視で重なっている。ゲート配線31bは、ナノシート21bと平面視で重なっている。ゲート配線31cは、ナノシート21c,21dと平面視で重なっている。ゲート配線31dは、ナノシート21eと平面視で重なっている。ゲート配線31eは、ナノシート21fと平面視で重なっている。ゲート配線31fは、ナノシート21gと平面視で重なっている。ゲート配線31gは、ナノシート21hと平面視で重なっている。
【0052】
ゲート配線31aは、アクセストランジスタPG2のゲートとなる。ゲート配線31bは、ロードトランジスタPU1のゲートとなる。ゲート配線31cは、ドライブトランジスタPD1およびリードドライブトランジスタRPD1のゲートとなる。ゲート配線31dは、ドライブトランジスタPD2のゲートとなる。ゲート配線31eは、ロードトランジスタPU2のゲートとなる。ゲート配線31fは、アクセストランジスタPG1のゲートとなる。ゲート配線31gは、リードアクセストランジスタRPG1のゲートとなる。
【0053】
ゲート配線31b,31cは、X方向に延びるブリッジ部35aを介して、接続されている。ゲート配線31d,31eは、X方向に延びるブリッジ部35bを介して、接続されている。ゲート配線31gは、X方向に延びるブリッジ部35cを介して、当該2ポートSRAMセルの図面右側に配置された2ポートSRAMセルのゲート配線31gと接続されている。
【0054】
ナノシート21aの図面上端、ナノシート21a,21eの間、ナノシート21eの図面下端、ナノシート21cの図面上端、ナノシート21c,21gの間、ナノシート21gの図面下端、ナノシート21dの図面上端、ナノシート21d,21hの間、および、ナノシート21hの図面下端に、N型半導体がドーピングされたパッド41a~41iがそれぞれ形成されている。パッド41a,41bがアクセストランジスタPG2のノードを構成する。パッド41b,41cがドライブトランジスタPD2のノードを構成する。パッド41d,41eがドライブトランジスタPD1のノードを構成する。パッド41e,41fがアクセストランジスタPG1のノードを構成する。パッド41g,41hがリードドライブトランジスタRPD1のノードを構成する。パッド41h,41iがリードアクセストランジスタRPG1のノードを構成する。
【0055】
すなわち、ナノシート21a、ゲート配線31aおよびパッド41a,41bによって、アクセストランジスタPG2が構成される。ナノシート21c、ゲート配線31cおよびパッド41d,41eによって、ドライブトランジスタPD1が構成される。ナノシート21d、ゲート配線31cおよびパッド41g,41hによって、リードドライブトランジスタRPD1が構成される。ナノシート21e、ゲート配線31dおよびパッド41b,41cによって、ドライブトランジスタPD2が構成される。ナノシート21g、ゲート配線31fおよびパッド41e,41fによって、アクセストランジスタPG1が構成される。ナノシート21h、ゲート配線31gおよびパッド41h,41iによって、リードアクセストランジスタRPG1が構成される。
【0056】
ナノシート21bの図面上端、ナノシート21bの図面下端、ナノシート21fの図面上端、および、ナノシート21fの図面下端に、P型半導体がドーピングされたパッド41j~41mがそれぞれ形成されている。パッド41j,41kがロードトランジスタPU1のノードを構成する。パッド41l,41mがロードトランジスタPU2のノードを構成する。
【0057】
すなわち、ナノシート21b、ゲート配線31bおよびパッド41j,41kによって、ロードトランジスタPU1が構成される。ナノシート21f、ゲート配線31eおよびパッド41l,41mによって、ロードトランジスタPU2が構成される。
【0058】
したがって、アクセストランジスタPG2、ロードトランジスタPU1、ドライブトランジスタPD1およびリードドライブトランジスタRPD1が、X方向に並んで形成されている。ドライブトランジスタPD2、ロードトランジスタPU2、アクセストランジスタPG1およびリードアクセストランジスタRPG1がX方向に並んで形成されている。また、アクセストランジスタPG2およびドライブトランジスタPD2がY方向に並んで形成されている。ドライブトランジスタPD1およびアクセストランジスタPG1がY方向に並んで形成されている。リードドライブトランジスタRPD1およびリードアクセストランジスタRPG1がY方向に並んで形成されている。
【0059】
ローカル配線層には、X方向に延びるローカル配線(LI:Local Interconnect)51a~51jが形成されている。ローカル配線51aはパッド41aと接続されている。ローカル配線51bはパッド41jと接続されている。ローカル配線51cはパッド41d,41gと接続されている。ローカル配線51dはパッド41b,41lと接続されている。ローカル配線51eはパッド41k,41eと接続されている。ローカル配線51fはパッド41hと接続されている。ローカル配線51gはパッド41cと接続されている。ローカル配線51hはパッド41mと接続されている。ローカル配線51iはパッド41fと接続されている。ローカル配線51jはパッド41iと接続されている。
【0060】
また、ローカル配線51dは、シェアードコンタクト(Shared-contact)61を介して、ゲート配線31bと接続されている。ローカル配線51eは、シェアードコンタクト62を介して、ゲート配線31eと接続されている。なお、ゲート配線31d,31e、ブリッジ部35b、ローカル配線51eおよびシェアードコンタクト62が第1ノードNAに相当する。ゲート配線31b,31c、ブリッジ部35a、ローカル配線51dおよびシェアードコンタクト61が第2ノードNBに相当する。
【0061】
図1(a)に示すように、M1配線層には、セルの図面上下両端にかけてY方向に延びる配線71a~71fが形成されている。また、配線71g~71iが形成されている。配線71a,71cは、電源電圧VSSを供給する。配線71bは、電源電圧VDDを供給する。配線71d~71fは、ライトビット線WBLB,WBLおよびリードビット線RBLにそれぞれ相当する。
【0062】
配線71aは、コンタクト(via)81aを介して、ローカル配線51gと接続されている。配線71bは、コンタクト81bを介してローカル配線51bと接続されており、コンタクト81cを介してローカル配線51hと接続されている。配線71cは、コンタクト81dを介して、ローカル配線51cと接続されている。配線71dは、コンタクト81eを介して、ローカル配線51aと接続されている。配線71eは、コンタクト81fを介して、ローカル配線51iと接続されている。配線71fは、コンタクト81gを介して、ローカル配線51jと接続されている。
【0063】
配線71gは、コンタクト(Gate-contact)82aを介して、ゲート配線31aと接続されている。配線71hは、コンタクト82bを介して、ゲート配線31fと接続されている。配線71iは、コンタクト82cおよびブリッジ部35cを介して、ゲート配線31gと接続されている。
【0064】
M1配線層の上層であるM2配線層に、セルの図面左右両端にかけてX方向に延びる配線91,92が形成されている。配線91がライトワード線WWLに相当し、配線92がリードワード線RWLにそれぞれ相当する。
【0065】
配線91は、コンタクト101を介して配線71gと接続されており、コンタクト102を介して配線71hと接続されている。配線92は、コンタクト103を介して、配線71iと接続されている。
【0066】
図2(b)および
図3(a)に示すように、ナノシート21a~21hは、それぞれ、3枚のシート状の半導体(ナノシート)からなる。ナノシート21a~21hは、それぞれを構成するナノシートが、平面視で重なるように配置されており、Z方向に離間して形成されている。すなわち、本実施形態に係る2ポートSRAMに構成されるナノシートFETは、それぞれ、3枚のナノシートを含む。
【0067】
また、ナノシート21a~21hは、それぞれ、X方向およびZ方向における外周がゲート配線に囲われている。ここで、ナノシート21a~21hは、それぞれ、X方向およびZ方向における外周の一部がゲート配線に覆われておらず、ゲート配線から露出している。
【0068】
具体的に、ナノシート21a,21b,21d,21e,21hは、図面右側の面がゲート配線31a,31b,31c,31d,31gにそれぞれ覆われておらず、ゲート配線31a,31b,31c,31d,31gからそれぞれ露出している。ナノシート21c,21f,21gは、図面左側の面がゲート配線31c,31e,31fにそれぞれ覆われておらず、ゲート配線31c,31e,31fからそれぞれ露出している。
【0069】
すなわち、ナノシート21b,21cは、X方向において、互いに対向する側の面がゲート配線31b,31cからそれぞれ露出している。ナノシート21e,21fは、X方向において、互いに対向する側の面がゲート配線31d,31eからそれぞれ露出している。これにより、ロードトランジスタPU1およびドライブトランジスタPD1の間のX方向における距離d1、ならびに、ドライブトランジスタPD2およびロードトランジスタPU2の間のX方向における距離d1を、それぞれ、X方向に隣接して配置された、他のトランジスタ同士の間のX方向における距離(例えば、ドライブトランジスタPD1およびリードドライブトランジスタRPD1のX方向における距離d2)よりも小さくすることができる。
【0070】
また、ナノシート21d,21hは、図面右側のセル境界に近接して形成されている。ナノシート21d,21hは、図面右側の面が、ゲート配線31c,31gからそれぞれ露出している。
図1の2ポートSRAMセルは、X方向に反転された2ポートSRAMセルが図面右側に配置される。すなわち、X方向に並んで配置された2ポートSRAMセルにおいて、ナノシート21d同士は互いに対向する側の面がゲート配線31cから露出しており、ナノシート21h同士は、互いに対向する側の面がゲート配線31gから露出している。これにより、リードドライブトランジスタRPD1同士の間のX方向における距離d1、および、リードアクセストランジスタRPG1同士の間のX方向における距離d1を、それぞれ、X方向に隣接して配置された、他のトランジスタ同士の間のX方向における距離(例えば、ドライブトランジスタPD1およびリードドライブトランジスタRPD1のX方向における距離d2)よりも小さくすることができる。
【0071】
以上の構成により、ロードトランジスタPU1は、パッド41jが電源電圧VDDを供給する配線71bに、パッド41kがローカル配線51e(第1ノードNA)に、ゲート配線31bがシェアードコンタクト61(第2ノードNB)にそれぞれ接続されている。ロードトランジスタPU2は、パッド41mが電源電圧VDDを供給する配線71bに、パッド41lがローカル配線51d(第2ノードNB)に、ゲート配線31eがシェアードコンタクト62(第1ノードNA)にそれぞれ接続されている。ドライブトランジスタPD1は、パッド41eがローカル配線51e(第1ノードNA)に、パッド41dが電源電圧VSSを供給する配線71cに、ゲート配線31cがシェアードコンタクト61(第2ノードNB)にそれぞれ接続されている。ドライブトランジスタPD2は、パッド41bがローカル配線51d(第2ノードNB)に、パッド41cが電源電圧VSSを供給する配線71aに、ゲート配線31dがシェアードコンタクト62(第1ノードNA)にそれぞれ接続されている。アクセストランジスタPG1は、パッド41fが配線71e(ライトビット線WBL)に、パッド41eがローカル配線51e(第1ノードNA)に、ゲート配線31fが配線91(ライトワード線WWL)にそれぞれ接続されている。アクセストランジスタPG2は、パッド41aが配線71d(ライトビット線WBLB)に、パッド41bがローカル配線51d(第2ノードNB)に、ゲート配線31aが配線91(ライトワード線WWL)にそれぞれ接続されている。リードドライブトランジスタRPD1は、パッド41gが電源電圧VSSを供給する配線71cに、ゲート配線31cがシェアードコンタクト61(第2ノードNB)にそれぞれ接続されている。リードアクセストランジスタRPG1は、パッド41iが配線71f(リードビット線RBL)に、ゲート配線31gが配線92(リードワード線RWL)にそれぞれ接続されている。リードドライブトランジスタRPD1およびリードアクセストランジスタRPG1はパッド41hを共有している。
【0072】
ロードトランジスタPU1,PU2、ドライブトランジスタPD1,PD2、アクセストランジスタPG1,PG2、リードドライブトランジスタRPD1およびリードアクセストランジスタRPG1は、Y方向に延びているナノシート21b,21f,21c,21e,21g,21a,21d,21hと、X方向に延びているゲート配線31b,31e,31c,31d,31f,31a,31c,31gとをそれぞれ備える。ナノシート21a~21dは、X方向において、ナノシート21a~21dの順に、並んで形成されている。ナノシート21e~21hは、X方向において、ナノシート21e~21hの順に、並んで形成されている。ゲート配線31a,31b,31d~31gは、ナノシート21a,21b,21e~21hのX方向およびZ方向の外周をそれぞれ囲っている。ゲート配線31cは、ナノシート21c,21dのX方向およびZ方向の外周を囲っている。ナノシート21c,21f,21gは、X方向における図面左側の面が、ゲート配線31c,31e,31fからそれぞれ露出している。ナノシート21a,21b,21d,21e,21hは、X方向における図面右側の面が、ゲート配線31a~31d,31gからそれぞれ露出している。
【0073】
すなわち、ロードトランジスタPU1,PU2、ドライブトランジスタPD1,PD2、アクセストランジスタPG1,PG2、リードドライブトランジスタRPD1およびリードアクセストランジスタRPG1は、それぞれフォークシートトランジスタにより構成されている。これにより、フォークシートトランジスタを用いた2ポートSRAMセルが実現されている。
【0074】
また、ナノシート21b,21cは、互いに対向する側の面が、ゲート配線31b,31cからそれぞれ露出している。ナノシート21e,21fは、互いに対向する側の面が、ゲート配線31d,31eからそれぞれ露出している。このため、ロードトランジスタPU1およびドライブトランジスタPD1の間のX方向における距離d1、ならびに、ドライブトランジスタPD2およびロードトランジスタPU2の間のX方向における距離d1を、それぞれ小さくすることができる。これにより、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【0075】
したがって、フォークシートトランジスタを用いた2ポートSRAMセルを実現することができるとともに、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【0076】
また、ナノシート21d,21hは、図面右側のセル境界に近接して形成されている。ナノシート21d,21hは、X方向における図面右側の面が、ゲート配線31c,31gからそれぞれ露出している。
図1の2ポートSRAMセルは、X方向に反転された2ポートSRAMセルが、図面右側に配置される。すなわち、X方向に並んで配置された2ポートSRAMセルにおいて、ナノシート21d同士は、互いに対向する側の面が、ゲート配線31cから露出しており、ナノシート21h同士は、互いに対向する側の面が、ゲート配線31gから露出している。これにより、リードドライブトランジスタRPD1同士の間のX方向における距離d1、ならびに、リードアクセストランジスタRPG1同士の間のX方向における距離d1をそれぞれ小さくすることができるため、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【0077】
なお、ナノシート21a,21c,21d,21e,21g,21hのX方向の幅は、ナノシート21b,21fのX方向の幅の2倍となっているが、これに限られない。ナノシート21a~21fのそれぞれのX方向の幅(すなわち、各トランジスタのゲート幅)は、2ポートSRAMセル回路の動作安定性等を考慮して決定すればよい。
【0078】
また、シェアードコンタクト61,62は、ゲート配線とM1配線とを接続するコンタクト82a~82cと同じプロセス工程にて製造されてもよいし、異なるプロセス工程にて製造されてもよい。
【0079】
(変形例1)
図5は第1実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の他の例を示す平面図である。具体的に、
図5(a)はセル上部を示し、
図5(b)はセル下部を示す。
図5では、
図1と比較すると、各ナノシートは、X方向において、
図1と反対側の面が、ゲート配線から露出している。
【0080】
図5(b)に示すように、ナノシート21bは、平面視において、ナノシート21fの図面右側上方に形成されている。
【0081】
また、ゲート配線31bは、ナノシート21b,21cと平面視で重なっている。ゲート配線31cは、ナノシート21dと平面視で重なっている。ゲート配線31dは、ナノシート21e,21fと平面視で重なっている。
図5では、ゲート配線31bがロードトランジスタPU1およびドライブトランジスタPD1のゲートとなり、ゲート配線31dがドライブトランジスタPD2およびロードトランジスタPU2のゲートとなる。
【0082】
また、ゲート配線31a,31bの間に、X方向およびZ方向に延びているゲート配線32aが形成されている。ゲート配線31d,31fの間に、X方向およびZ方向に延びているゲート配線32bが形成されている。ゲート配線32aは、ブリッジ部36aを介してゲート配線31bと接続されており、シェアードコンタクト61を介してローカル配線51dと接続されている。ゲート配線32bは、ブリッジ部36bを介してゲート配線31dと接続されており、シェアードコンタクト62を介してローカル配線51eと接続されている。
【0083】
また、ゲート配線31aは、ブリッジ部36cを介して、当該2ポートSRAMセルの図面左側に隣接して配置された2ポートSRAMセルのゲート配線31aと接続されている。ゲート配線31aは、ブリッジ部36cおよびコンタクト82aを介して、配線71gと接続されている。ゲート配線31gは、コンタクト82cを介して、配線71iと接続されている。
【0084】
図5では、ナノシート21a,21b,21d,21e,21hは、図面左側の面がゲート配線31a,31b,31c,31d,31gにそれぞれ覆われておらず、ゲート配線31a,31b,31c,31d,31gからそれぞれ露出している。ナノシート21c,21f,21gは、図面右側の面がゲート配線31b,31d,31fにそれぞれ覆われておらず、ゲート配線31b,31d,31fから露出している。すなわち、ナノシート21c,21dは、互いに対向する側の面がゲート配線31b,31cからそれぞれ露出している。ナノシート21g,21hは、互いに対向する側の面がゲート配線31f,31gからそれぞれ露出している。これにより、ドライブトランジスタPD1およびリードドライブトランジスタRPD1の間のX方向における距離d1、ならびに、アクセストランジスタPG1およびリードアクセストランジスタRPG1の間のX方向における距離d1を、それぞれ、X方向に隣接して配置された、他のトランジスタ同士の間のX方向における距離(例えば、ロードトランジスタPU1およびドライブトランジスタPD1のX方向における距離d3)よりも小さくすることができる。
【0085】
また、ナノシート21a,21eは、図面左側のセル境界に近接して形成されている。ナノシート21a,21eは、図面左側の面が、ゲート配線31a,31dからそれぞれ露出している。
図5の2ポートSRAMセルは、X方向に反転された2ポートSRAMセルが図面左側に配置される。すなわち、X方向に並んで配置された2ポートSRAMセルにおいて、ナノシート21a同士は互いに対向する側の面がゲート配線31aから露出しており、ナノシート21e同士は、互いに対向する側の面がゲート配線31dから露出している。これにより、アクセストランジスタPG2同士の間のX方向における距離d1、および、ドライブトランジスタPD2同士の間のX方向における距離d1を、それぞれ、X方向に隣接して配置された、他のトランジスタ同士の間のX方向における距離(例えば、ロードトランジスタPU1およびドライブトランジスタPD1のX方向における距離d3)よりも小さくすることができる。
【0086】
図5のレイアウト構造では、ロードトランジスタPU1,PU2、ドライブトランジスタPD1,PD2、アクセストランジスタPG1,PG2、リードドライブトランジスタRPD1およびリードアクセストランジスタRPG1は、それぞれ、フォークシートトランジスタにより構成されている。これにより、フォークシートトランジスタを用いた2ポートSRAMセルが実現されている。
【0087】
また、ナノシート21a~21dは、X方向において、ナノシート21a~21dの順に並んでいる。ナノシート21e~21hは、X方向において、ナノシート21e~21hの順に並んでいる。ナノシート21c,21gは、図面右側の面が、ゲート配線31b,31fからそれぞれ露出している。ナノシート21d,21hは、図面左側の面が、ゲート配線31c,31gからそれぞれ露出している。すなわち、ナノシート21c,21dは、互いに対向する側の面が、ゲート配線31b,31cからそれぞれ露出している。ナノシート21g,21hは、互いに対向する側の面が、ゲート配線31f,31gからそれぞれ露出している。このため、ドライブトランジスタPD1およびリードドライブトランジスタRPD1のX方向における距離d1、ならびに、アクセストランジスタPG1およびリードアクセストランジスタRPG1のX方向における距離d1を、それぞれ小さくすることができる。これにより、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【0088】
したがって、
図5のレイアウト構造により、フォークシートトランジスタを用いた2ポートSRAMセルを実現することができるとともに、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【0089】
また、ナノシート21bは、平面視において、ナノシート21fの図面右側上方に形成されている。ナノシート21bは、図面左側の面が、ゲート配線31bから露出している。ナノシート21fは、図面右側の面が、ゲート配線31dから露出している。すなわち、ナノシート21b,21fは、X方向において、互いに対向する側の面が、ゲート配線31b,31dからそれぞれ露出している。このため、ロードトランジスタPU1,PU2のX方向における距離d1を小さくすることができる。これにより、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【0090】
また、ナノシート21a,21eは、図面左側のセル境界に近接して形成されている。ナノシート21a,21eは、図面左側の面が、ゲート配線31a,31dからそれぞれ露出している。
図5の2ポートSRAMセルは、X方向に反転された2ポートSRAMセルが図面左側に配置される。すなわち、X方向に並んで配置された2ポートSRAMセルにおいて、ナノシート21a同士は、互いに対向する側の面が、ゲート配線31aから露出しており、ナノシート21e同士は、互いに対向する側の面が、ゲート配線31dから露出している。これにより、アクセストランジスタPG2同士の間のX方向における距離d1、ならびに、ドライブトランジスタPD2同士の間のX方向における距離d1をそれぞれ小さくすることができるため、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【0091】
なお、電源電圧VDDを供給する配線71b、および、電源電圧VSSを供給する配線71a,71cが、M1配線層に形成されているが、これに限られない。
【0092】
(変形例2)
図6は第1実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の他の例を示す平面図である。具体的に、
図6(a)はセル上部を示し、
図6(b)はセル下部を示す。
図6では、
図5と比較すると、一部のローカル配線においてX方向の長さが短くなっており、シェアードコンタクトのX方向における幅が小さくなっている。
【0093】
例えば、
図5(b)では、ローカル配線51aは、図面左端が、パッド41aの図面左端に揃うように形成されている。これに対して、
図6(b)では、ローカル配線51aは、図面左端が、パッド41aのX方向における中央付近に位置するように形成されている。このため、
図6(b)では、
図5(b)よりも、ローカル配線51aのX方向における長さが短くなっている。同様に、他のローカル配線においても、図面両端の少なくとも一方が、パッドの図面中央付近、すなわち、パッドの図面左端と図面右端との間に位置するように形成されている。したがって、
図6(b)では、
図5(b)よりも、一部のローカル配線において、X方向の長さが短くなっている。
【0094】
また、
図5(b)では、シェアードコンタクト61は、図面左端および図面右端が、パッド41lの図面左端および図面右端にそれぞれ揃うように形成されている。シェアードコンタクト62は、図面左端および図面右端が、パッド41kの図面左端および図面右端にそれぞれ揃うように形成されている。これに対して、
図6(b)では、シェアードコンタクト61は、図面左端がパッド41lの図面左端よりも図面右側に位置するように形成されており、図面右端がパッド41lの図面右端よりも図面左側に位置するように形成されている。シェアードコンタクト62は、図面左端がパッド41kの図面左端よりも図面右側に位置するように形成されており、図面右端がパッド41kの図面右端よりも図面左側に位置するように形成されている。このため、
図6(b)では、
図5(b)よりもシェアードコンタクト61,62のX方向における幅が小さくなっている。
【0095】
図6のレイアウト構造により、
図5と同様の効果を得ることができる。
【0096】
また、
図6では、
図5よりも、一部のローカル配線(例えば、ローカル配線51aなど)においてX方向の長さが短くなっている。また、
図6では、
図5よりも、シェアードコンタクト61,62のX方向における幅が小さくなっている。これにより、半導体集積回路における寄生容量を低減させることができるため、半導体記憶装置の高速化を図ることができる。また、ローカル配線とシェアードコンタクトと間の距離を大きくすることができるため、加工容易性が向上するとともに、歩留まりを向上させることができる。
【0097】
なお、
図6(a)に示すように、電源電圧VDDを供給する配線71b、および、電源電圧VSSを供給する配線71a,71cが、M1配線層に形成されているが、これに限られない。例えば、電源電圧VDDを供給する配線、および、電源電圧VSSを供給する配線の一部または全部が、埋め込み配線層に形成されてもよい。
【0098】
また、
図1においても、
図6と同様に、一部のローカル配線(例えば、ローカル配線51aなど)においてX方向の長さが短くなっていてもよいし、シェアードコンタクト61,62のX方向における幅が小さくなっていてもよい。
【0099】
(変形例3)
図7は第1実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の他の例を示す平面図であり、
図8は第1実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の他の例を示す断面図である。具体的に、
図7(a)はセル上部を示し、
図7(b)はセル下部を示す。
図8(a)は、線X6-X6’の断面であり、
図8(b)は、線X7-X7’の断面である。
図7では、
図1と比較すると、電源電圧VSSを供給する配線が、埋め込み配線層に形成されており、M1配線層に形成された配線71a,71cが省略されている。また、配線71d~71fは、X方向における幅が広くなっている。
【0100】
図7(b)に示すように、セルの図面上下両端にかけて、Y方向に延びる電源配線11,12が形成されている。電源配線11,12はともに、埋め込み配線層に形成された埋め込み電源配線(BPR:Buried Power Rail)である。電源配線11,12は、それぞれ、電源電圧VSSを供給する。電源配線11は、コンタクト111を介してローカル配線51gと接続されている。電源配線12は、コンタクト112を介してローカル配線51cと接続されている。
【0101】
また、
図7(a)に示すように、
図1(a)と比較すると、配線71d~71fのX方向における幅が広くなっている。ここで、配線71hは、M1配線層に形成されている配線うち、X方向における幅が最小となる配線である。配線71d~71fは、X方向の幅が、配線71hのX方向の幅よりも広く形成されている。
【0102】
図7のレイアウト構造により、
図1と同様の効果を得ることができる。
【0103】
また、
図7では、電源電圧VSSを供給する電源配線11,12が、埋め込み配線層に形成されている。このため、M1配線層に形成されていた配線71a,71cが不要となるため、配線71d~71f(ライトビット線WBLB,WBLおよびリードビット線RBL)のX方向の幅を広くすることができる。これにより、半導体記憶装置において、配線71d,71eを介して書き込みを行う際の書き込み性能、および、配線71fを介して読み出しを行う際の読み出し性能を向上させることができる。
【0104】
なお、
図7では、配線71d~71fのX方向の幅が、それぞれ、配線71hのX方向の幅よりも広いが、これに限られない。配線71d~71fの少なくとも1つのX方向の幅が、配線71hのX方向の幅よりも広ければよい。
【0105】
(第2実施形態)
図9は第2実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の例を示す平面図であり、
図10は第2実施形態に係る2ポートSRAMセルに構成される回路図である。具体的には、
図9(a)はセル上部を示し、
図9(b)はセル下部を示す。なお、
図9および
図10では、ロードトランジスタPU1,PU2、ドライブトランジスタPD1,PD2、アクセストランジスタPG1,PG2、リードドライブトランジスタRPD1およびリードアクセストランジスタRPG1は、それぞれ、
図1と同じナノシート、パッドおよびゲート配線によって構成されている。
【0106】
図10に示すように、第2実施形態に係る2ポートSRAMセルには、ロードトランジスタPU1,PU2と、ドライブトランジスタPD1,PD2と、アクセストランジスタPG1,PG2と、リードドライブトランジスタRPD1,RPD2と、リードアクセストランジスタRPG1,RPG2とにより、2ポートSRAM回路が構成されている。リードドライブトランジスタRPD2およびリードアクセストランジスタRPG2は、N型FETである。
【0107】
リードドライブトランジスタRPD2は、ソースが電源電圧VSSに、ゲートが第1ノードNAにそれぞれ接続されている。リードアクセストランジスタRPG2は、ソースがリードドライブトランジスタRPD2のドレインに、ドレインがリードビット線RBLBに、ゲートがリードワード線RWLにそれぞれ接続されている。
【0108】
第2実施形態に係る2ポートSRAM回路では、予めリードビット線RBL,RBLBをそれぞれハイレベルにプリチャージしておき、リードワード線RWLをハイレベルに駆動すると、第2ノードNBに書き込まれたデータに応じてリードビット線RBLの状態が確定し、第1ノードNAに書き込まれたデータに応じてリードビット線RBLBの状態が確定する。このため、SRAMセルからのデータの読み出しを行うことができる。具体的に、第1ノードNAがローレベルであり、第2ノードNBがハイレベルであれば、リードビット線RBLはローレベルにディスチャージされ、リードビット線RBLはハイレベルを保持する。一方、第1ノードNAがハイレベルであり、第2ノードNBがローレベルであれば、リードビット線RBLはハイレベルを保持し、リードビット線RBLBはローレベルにディスチャージされる。
【0109】
図9(b)に示すように、アクセストランジスタPG2およびドライブトランジスタPD2の図面左側には、リードアクセストランジスタRPG2およびリードドライブトランジスタRPD2がそれぞれ形成されている。
【0110】
具体的に、図面左側のセル境界に近接して、X方向およびY方向に広がるナノシート22a,22bが形成されている。ナノシート22a,22bは、ナノシート21a,21eの図面左側にそれぞれ形成されている。ナノシート21a~21d,22aは、X方向において、ナノシート22a,21a~21dの順に、並んで形成されている。ナノシート21e~21h,22bは、X方向において、ナノシート22b,21e~21hの順に、並んで形成されている。また、ナノシート22a,22bはY方向に並んで形成されている。
【0111】
また、ナノシート22a,22bのX方向の幅は、ナノシート21b,21fのX方向の幅の2倍となっている。
【0112】
ナノシート22a,22bは、リードアクセストランジスタRPG2およびリードドライブトランジスタRPD2のチャネル部をそれぞれ構成している。
【0113】
ゲート配線31aの図面左側には、X方向およびZ方向に延びるゲート配線33aが形成されている。ゲート配線31a~31c,33aは、X方向に並んで形成されている。
【0114】
また、ゲート配線33aは、ナノシート22aと平面視で重なっている。ゲート配線31dは、ナノシート21e,22bと平面視で重なっている。
【0115】
ゲート配線33aは、リードアクセストランジスタRPG2のゲートとなる。ゲート配線31dは、リードドライブトランジスタRPD2のゲートとなる。
【0116】
ゲート配線33aは、ブリッジ部37aを介して、当該2ポートSRAMセルの図面左側に配置された2ポートSRAMセルのゲート配線33aと接続される。
【0117】
ナノシート22aの図面上端、ナノシート22a,22bの間、および、ナノシート22bの図面下端に、N型半導体がドーピングされたパッド42a~42cが形成されている。パッド42a,42bがリードアクセストランジスタRPG2のノードを構成する。パッド42b,42cがリードドライブトランジスタRPD2のノードを構成する。
【0118】
すなわち、ナノシート22a、ゲート配線33aおよびパッド42a,42bによって、リードアクセストランジスタRPG2が構成される。ナノシート22b、ゲート配線31dおよびパッド42b,42cによって、リードドライブトランジスタRPD2が構成される。
【0119】
したがって、アクセストランジスタPG2、ロードトランジスタPU1、ドライブトランジスタPD1、リードドライブトランジスタRPD1およびリードアクセストランジスタRPG2がX方向に並んで形成されている。ドライブトランジスタPD2、ロードトランジスタPU2、アクセストランジスタPG1、リードアクセストランジスタRPG1およびリードドライブトランジスタRPD2がX方向に並んで形成されている。また、リードアクセストランジスタRPG2およびリードドライブトランジスタRPD2が、Y方向に並んで形成されている。
【0120】
この配置により、
図9(b)では、各トランジスタがセルの中心点に対して点対称に配置される。具体的に、ロードトランジスタPU1,PU2が、セルの中心点に対して点対称に配置されている。ドライブトランジスタPD1,PD2が、セルの中心点に対して点対称に配置されている。アクセストランジスタPG1,PG2が、セルの中心点に対して点対称に配置されている。リードドライブトランジスタRPD1,RPD2が、セルの中心点に対して点対称に配置されている。リードアクセストランジスタRPG1,RPG2が、セルの中心点に対して点対称に配置されている。
【0121】
ローカル配線層において、ローカル配線51a,51dの図面左側に、X方向に延びるローカル配線52a,52bがそれぞれ形成されている。ローカル配線52aは、パッド42aと接続されている。ローカル配線52bは、パッド42bと接続されている。また、ローカル配線51gは、パッド41c,42cと接続されている。
【0122】
図9(a)に示すように、M1配線層に、セルの図面上下両端にかけて、Y方向に延びる配線72aが形成されている。また、配線72bが形成されている。配線72aは、リードビット線RBLBに相当する。配線72a,71fは、X方向のセルの中央線に対して、対称に配置されている。配線71d,71eは、X方向のセルの中央線に対して、対称に配置されている。
【0123】
配線72aは、コンタクト83aを介して、ローカル配線52aと接続されている。配線72bは、コンタクト84aおよびブリッジ部37aを介して、ゲート配線33aと接続されている。配線72bは、コンタクト104を介して、配線92と接続されている。
【0124】
また、ナノシート22a,22bは、それぞれ、X方向およびZ方向における外周がゲート配線に囲われている。ここで、ナノシート22a,22bは、それぞれ、X方向およびZ方向における外周の一部がゲート配線に覆われておらず、ゲート配線から露出している。
【0125】
具体的に、ナノシート22a,22bは、図面左側の面が、ゲート配線33a,31dにそれぞれ覆われておらず、ゲート配線33a,31dからそれぞれ露出している。また、ナノシート22a,22bは、図面左側のセル境界に近接して配置される。
図9の2ポートSRAMセルは、X方向に反転された2ポートSRAMセルが図面左側に配置される。すなわち、X方向に配置された2ポートSRAMセルにおいて、ナノシート22a同士は、互いに対向する側の面がゲート配線33aから露出しており、ナノシート22b同士は、互いに対向する側の面がゲート配線31dから露出している。これにより、リードアクセストランジスタRPG2同士の間のX方向における距離d1、および、リードドライブトランジスタRPD2同士の間のX方向における距離d1を、X方向に隣接して配置された、他のナノシート同士の間のX方向における距離(例えば、ドライブトランジスタPD1およびリードドライブトランジスタRPD1のX方向における距離d2)よりも、小さくことができる。
【0126】
また、ナノシート21a,21b,21d,21e,21hは、図面右側の面がゲート配線31a,31b,31c,31d,31gにそれぞれ覆われておらず、ゲート配線31a,31b,31c,31d,31gからそれぞれ露出している。ナノシート21c,21f,21gは、図面左側の面がゲート配線31c,31e,31fにそれぞれ覆われておらず、ゲート配線31c,31e,31fからそれぞれ露出している。
【0127】
以上の構成により、リードドライブトランジスタRPD2は、パッド42cが電源電圧VSSを供給する配線71aに、ゲート配線31dがシェアードコンタクト62(第1ノードNA)にそれぞれ接続されている。リードアクセストランジスタRPG2は、パッド42aが配線72a(リードビット線RBLB)に、ゲート配線33aが配線92(リードワード線RWL)にそれぞれ接続されている。リードドライブトランジスタRPD2およびリードアクセストランジスタRPG2は、パッド42bを共有している。ナノシート22a,22bは、図面左側のセル境界に近接して形成されている。ナノシート22a,22bは、X方向およびZ方向における外周がゲート配線33a,31dにそれぞれ囲われている。また、ナノシート22a,22bは、図面左側の面がゲート配線33a,31dからそれぞれ露出している。
【0128】
すなわち、ロードトランジスタPU1,PU2、ドライブトランジスタPD1,PD2、アクセストランジスタPG1,PG2、リードドライブトランジスタRPD1,RPD2、および、リードアクセストランジスタRPG1,RPG2は、それぞれフォークシートトランジスタにより構成されている。これにより、フォークシートトランジスタを用いた2ポートSRAMセルが実現されている。
【0129】
また、ナノシート22a,22bは、図面左側のセル境界に近接して形成されている。ナノシート22a,22bは、図面左側の面がゲート配線33a,31dからそれぞれ露出している。
図9の2ポートSRAMセルは、X方向に反転された2ポートSRAMセルが、図面左側に配置される。すなわち、X方向に並んで配置された2ポートSRAMセルにおいて、ナノシート22a同士は、互いに対向する側の面が、ゲート配線33aから露出しており、ナノシート22b同士は、互いに対向する側の面が、ゲート配線31dから露出している。これにより、リードアクセストランジスタRPG2同士の間のX方向における距離d1、および、リードドライブトランジスタRPD2同士の間のX方向における距離d1をそれぞれ小さくすることができるため、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【0130】
また、ロードトランジスタPU1,PU2が、セルの中心点に対して点対称に配置されている。ドライブトランジスタPD1,PD2が、セルの中心点に対して点対称に配置されている。アクセストランジスタPG1,PG2が、セルの中心点に対して点対称に配置されている。リードドライブトランジスタRPD1,RPD2が、セルの中心点に対して点対称に配置されている。リードアクセストランジスタRPG1,RPG2が、セルの中心点に対して点対称に配置されている。これにより、ライトビット線WBL,WBLB間の特性およびリードビット線RBL,RBLB間の特性が揃い、半導体記憶装置の動作安定性および動作速度が向上する。
【0131】
また、M1配線層において、配線72a,71fが、X方向のセルの中央線に対して、対称に配置される。配線71d,71eが、X方向のセルの中央線に対して、対称に配置される。すなわち、リードビット線RBL,RBLBに相当する配線が、X方向のセルの中央線に対して、対称に配置される。ライトビット線WBL,WBLBに相当する配線が、X方向のセルの中央線に対して、対称に配置される。これにより、ライトビット線WBL,WBLB間の特性およびリードビット線RBL,RBLB間の特性が揃い、半導体記憶装置の動作安定性および動作速度が向上する。
【0132】
なお、
図9(a)に示すように、電源電圧VDDを供給する配線71b、および、電源電圧VSSを供給する配線71a,71cが、M1配線層に形成されているが、これに限られない。例えば、電源電圧VDDを供給する配線、および、電源電圧VSSを供給する配線の一部または全部が、埋め込み配線層に形成されてもよい。
【0133】
(変形例1)
図11は第2実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の他の例を示す平面図である。具体的に、
図11(a)はセル上部を示し、
図11(b)はセル下部を示す。
図11では、
図9と比較すると、各ナノシートは、X方向において、
図9と反対側の面が、ゲート配線から露出している。なお、
図11では、ロードトランジスタPU1,PU2、ドライブトランジスタPD1,PD2、アクセストランジスタPG1,PG2、リードドライブトランジスタRPD1およびリードアクセストランジスタRPG1は、それぞれ、
図5と同じナノシート、パッドおよびゲート配線によって構成されている。
【0134】
図11(b)に示すように、ゲート配線31dの図面左側に、X方向およびZ方向に延びるゲート配線34aが形成されている。ゲート配線34aは、ナノシート22bと平面視で重なっている。ゲート配線34aは、ブリッジ部38aを介して、ゲート配線31dと接続されている。
図11では、ゲート配線34aが、リードドライブトランジスタRPD2のゲートとなる。
【0135】
また、ゲート配線33aは、コンタクト84aを介して、配線72bと接続されている。
【0136】
図11では、ナノシート21a,21b,21d,21e,21hは、図面左側の面がゲート配線31a,31b,31c,31d,31gにそれぞれ覆われておらず、ゲート配線31a,31b,31c,31d,31gから露出している。ナノシート21c,21f,21g,22a,22bは、図面右側の面がゲート配線31b,31d,31f,33a,34aにそれぞれ覆われておらず、ゲート配線31b,31d,31f,33a,34aから露出している。すなわち、ナノシート21a,22aは、互いに対向する側の面が、ゲート配線31a,33aからそれぞれ露出している。ナノシート21e,22bは、互いに対向する側の面が、ゲート配線31d,34aからそれぞれ露出している。これにより、リードアクセストランジスタRPG2およびアクセストランジスタPG2の間のX方向における距離d1、ならびに、リードドライブトランジスタRPD2およびドライブトランジスタPD2の間のX方向における距離d1を、それぞれ、X方向に隣接して配置された、他のトランジスタ同士の間のX方向における距離(例えば、ロードトランジスタPU1およびドライブトランジスタPD1の間のX方向における距離d3)よりも小さくすることができる。
【0137】
図11のレイアウト構造では、ロードトランジスタPU1,PU2、ドライブトランジスタPD1,PD2、アクセストランジスタPG1,PG2、リードドライブトランジスタRPD1,RPD2およびリードアクセストランジスタRPG1,RPG2は、それぞれフォークシートトランジスタにより構成されている。これにより、フォークシートトランジスタを用いた2ポートSRAMセルが実現されている。
【0138】
また、ナノシート21a~21d,22aは、X方向において、ナノシート22a,21a~21dの順に並んでいる。ナノシート21e~21h,22bは、X方向において、ナノシート22b,21e~21hの順に並んでいる。ナノシート22a,22bは、図面右側の面が、ゲート配線33a,34aからそれぞれ露出している。ナノシート21a,21eは、図面左側の面が、ゲート配線31a,31dからそれぞれ露出している。すなわち、ナノシート21a,22aは、互いに対向する側の面がゲート配線31a,33aからそれぞれ露出している。ナノシート21e,22bは、互いに対向する側の面がゲート配線31d,34aからそれぞれ露出している。これにより、リードアクセストランジスタRPG2およびアクセストランジスタPG2のX方向における距離d1、ならびに、リードドライブトランジスタRPD2およびドライブトランジスタPD2のX方向における距離d1をそれぞれ小さくすることができるため、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【0139】
したがって、
図11のレイアウト構造により、フォークシートトランジスタを用いた2ポートSRAMセルを実現することができるとともに、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【0140】
(変形例2)
図12は第2実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の他の例を示す平面図である。具体的に、
図12(a)はセル上部を示し、
図12(b)はセル下部を示す。
図12では、
図11と比較すると、一部のローカル配線においてX方向の長さが短くなっており、シェアードコンタクトのX方向における幅が小さくなっている。
【0141】
例えば、
図11(b)では、ローカル配線51aは、図面左端が、パッド41aの図面左端に揃うように形成されている。これに対して、
図12(b)では、ローカル配線51aは、図面左端が、パッド41aのX方向における中央付近に位置するように形成されている。このため、
図12(b)では、
図11(b)よりも、ローカル配線51aのX方向における長さが短くなっている。同様に、他のローカル配線においても、図面両端の少なくとも一方が、パッドの図面中央付近、すなわち、パッドの図面左端と図面右端との間に位置するように形成されている。したがって、
図12(b)では、
図11(b)よりも、一部のローカル配線において、X方向の長さが短くなっている。
【0142】
また、
図11(b)では、シェアードコンタクト61は、図面左端および図面右端が、パッド41lの図面左端および図面右端にそれぞれ揃うように形成されている。シェアードコンタクト62は、図面左端および図面右端が、パッド41kの図面左端および図面右端にそれぞれ揃うように形成されている。これに対して、
図12(b)では、シェアードコンタクト61は、図面左端がパッド41lの図面左端よりも図面右側に位置するように形成されており、図面右端がパッド41lの図面右端よりも図面左側に位置するように形成されている。シェアードコンタクト62は、図面左端がパッド41kの図面左端よりも図面右側に位置するように形成されており、図面右端がパッド41kの図面右端よりも図面左側に位置するように形成されている。このため、
図12(b)では、
図11(b)よりもシェアードコンタクト61,62のX方向における幅が小さくなっている。
【0143】
図12のレイアウト構造により、
図11と同様の効果を得ることができる。
【0144】
また、
図12では、
図11よりも、一部のローカル配線(例えば、ローカル配線51aなど)においてX方向の長さが短くなっている。また、
図12では、
図11よりも、シェアードコンタクト61,62のX方向における幅が小さくなっている。これにより、半導体集積回路における寄生容量を低減させることができるため、半導体記憶装置の高速化を図ることができる。
【0145】
なお、
図12(a)に示すように、電源電圧VDDを供給する配線71b、および、電源電圧VSSを供給する配線71a,71cが、M1配線層に形成されているが、これに限られない。例えば、電源電圧VDDを供給する配線、および、電源電圧VSSを供給する配線の一部または全部が、埋め込み配線層に形成されてもよい。
【0146】
また、
図9においても、
図12と同様に、一部のローカル配線(例えば、ローカル配線51aなど)においてX方向の長さが短くなっていてもよいし、シェアードコンタクト61,62のX方向における幅が小さくなっていてもよい。
【0147】
(変形例3)
図13は第2実施形態に係る2ポートSRAMセルのレイアウト構造の他の例を示す平面図である。具体的に、
図13(a)はセル上部を示し、
図13(b)はセル下部を示す。
図13では、
図12と比較すると、電源電圧VSSを供給する配線が、埋め込み配線層に形成されており、M1配線層に形成された配線71a,71cが省略されている。
【0148】
図13(b)に示すように、セルの図面上下両端にかけて、Y方向に延びる電源配線11,12が形成されている。電源配線11,12はともに、埋め込み配線層に形成された埋め込み電源配線(BPR)である。電源配線11,12は、それぞれ、電源電圧VSSを供給する。電源配線11は、コンタクト111を介してローカル配線51gと接続されている。電源配線12は、コンタクト112を介してローカル配線51cと接続されている。
【0149】
図13のレイアウト構造により、
図12と同様の効果を得ることができる。
【0150】
なお、上述の各実施形態および変形例では、各トランジスタはそれぞれ3枚のナノシートを備えるものとしたが、トランジスタの一部または全部は、1枚,2枚または4枚以上のナノシートを備えてもよい。
【0151】
また、上述の各実施形態では、ナノシートの断面形状は長方形としているが、これに限られるものではない。例えば、正方形、円形、楕円形等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本開示では、フォークシートトランジスタを用いた2ポートSRAMセルを実現することができるとともに、半導体記憶装置の小面積化を図ることができる。
【符号の説明】
【0153】
11,12 電源配線
21a~21h,22a,22b ナノシート
31a~31g,32a,32b,33a,34a ゲート配線
41a~41m,42a~42c パッド
51a~51j,52a,52b ローカル配線
61,62 シェアードコンタクト
71a~71f,72a,72b,91,92 配線
PU1,PU2 ロードトランジスタ
PD1,PD2 ドライブトランジスタ
PG1,PG2 アクセストランジスタ
RPD1,RPD2 リードドライブトランジスタ
RPG1,RPG2 リードアクセストランジスタ
WBL,WBLB ライトビット線
RBL,RBLB リードビット線
WWL ライトワード線
RWL リードワード線